8078

阪和興業(8078)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 多角的な商品販売と加工
    阪和興業グループは、鉄鋼製品を中心に、ニッケルなどのプライマリーメタル、アルミニウムなどのリサイクルメタル、水産物・畜産物といった食品、石油製品などのエネルギー・生活資材、住宅資材、機械まで、非常に幅広い商品を国内外で販売しています。さらに、鋼材加工やリサイクル金属加工といった製造・加工事業も手掛けており、単なる商社機能に留まらない多角的なビジネスモデルを構築しています。
  • グローバルな流通ネットワーク
    同社は、国内外に多数の営業拠点と子会社・関連会社を保有し、広範な流通ネットワークを構築しています。これにより、世界中のサプライヤーから商品を調達し、多様な顧客に供給することが可能となっています。特に海外販売子会社は、シンガポール、アメリカ、タイ、香港など世界各地に展開し、地域に根差した多種多様な商品の売買を行っており、グローバルな収益基盤を形成しています。
  • 加工機能による付加価値提供
    単に商品を右から左へ流すだけでなく、鋼材加工やリサイクル金属加工といった加工事業も展開しています。これにより、顧客の具体的なニーズに合わせた製品を提供し、高付加価値を生み出しています。国内では「そこか(即納、小口、加工)」戦略を推進し、顧客への迅速な対応と加工による付加価値提供を通じて、国内市場でのシェア拡大と収益性向上を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 鉄鋼事業
    阪和興業グループの主力事業であり、条鋼、建設工事、鋼板、特殊鋼、線材、鋼管などを主な取扱商品としています。国内外に多数の子会社・関連会社を持ち、鋼材加工や保管なども手掛けています。最新年度の売上高は1兆1,128億5,100万円と、グループ全体の売上を牽引する最大のセグメントです。
  • エネルギー・生活資材事業
    石油製品、工業薬品、化学品、バイオマス・リサイクル燃料などを取り扱っています。国内ではトーヨーエナジーなどの子会社を通じて事業を展開しており、最新年度の売上高は3,837億7,600万円と、鉄鋼事業に次ぐ規模を誇ります。生活に密着した幅広い資材を提供し、安定的な収益源となっています。
  • 海外販売子会社事業
    シンガポール、アメリカ、タイ、香港、ベトナム、メキシコ、イギリスなど、世界各地に展開する海外子会社が、当社と同様に多種多様な商品の売買を行っています。最新年度の売上高は4,004億7,300万円であり、地域に根差した多様なビジネスを展開することで、グローバルな収益基盤を支えています。これは、特定の地域や商品に依存しないリスク分散にも繋がっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
SteelBusiness 地域 11,129 − −
PrimaryMetalBusinessReportableSegment 地域 1,704 − −
MetalRecyclingBusinessReportableSegment 地域 2,188 − −
GroceryBusiness 地域 1,382 − −
EnergyAndLivingMaterialsBusinessReportableSegment 地域 3,838 − −
OverseaSalesSubsidiary 事業 4,005 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,534 文字
3 【事業の内容】当グループは、当社、子会社107社及び関連会社37社で構成され、鉄鋼を中心にプライマリーメタル、リサイクルメタル、食品、エネルギー・生活資材、住宅資材及び機械等各種商品の販売を主たる事業とし、さらに鋼材加工及びリサイクル金属加工等の事業活動も行っております。当グループは、販路開拓に積極的に取り組んでおり、国内外にわたり営業拠点を充実させております。なお、当グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。また、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 [経理の状況] 1 [連結財務諸表等] (1) [連結財務諸表] [注記事項](セグメント情報等)」をご参照ください。 セグメントの名称 主な取扱商品またはサービスの内容主要な関係会社名鉄鋼事業 主な取扱商品は、条鋼、建設工事、鋼板、特殊鋼、線材及び鋼管であります。また、加工及び保管等を行っております。国内◎阪和エンジニアリング㈱◎阪和エコスチール㈱◎阪和流通センター東京㈱◎阪和流通センター大阪㈱◎阪和流通センター名古屋㈱◎阪和スチールサービス㈱◎廣内スチール㈱◎㈱ダイサン◎福岡鋼業㈱◎三栄金属㈱◎田中鉄鋼販売㈱◎北陸コラム㈱◎㈱トーハンスチール◎ジャパンライフ㈱◎すばるスチール㈱◎ダイコー小和野㈱◎亀井鐵鋼㈱◎大鋼産業㈱◎阪和ダイサン㈱◎㈱出雲テック◎鉄建工業㈱◎太洋鋼材㈱◎㈱松岡鋼材◎㈱カネキ◎MS日吉鋼材㈱◎山陽鋼材㈱〇HKGトレーディング㈱〇協和スチール㈱〇協和運輸㈱〇㈱建鋼社〇永和金属㈱〇東邦金属㈱◇ダイサン物流㈱◆近江産業㈱◆ステンレスパイプ工業㈱◆メタルテック㈱◆㈱富士昭サンマテック◆㈱東京富士昭◆三沢興産㈱◆近江テクノメタル㈱●㈱サンセイテック海外◎HANWA STEEL SERVICE MEXICANA, S.A. DE C.V.◎SAN DIEGO VISTA STEEL SERVICE CORP.◎PT. HANWA STEEL SERVICE INDONESIA◎HANWA STEEL CENTRE (M) SDN. BHD.◎HANWA STEEL SERVICE (THAILAND) CO., LTD.◎阪和鋼板加工(東莞)有限公司◎長富不銹鋼中心(蘇州)有限公司◎HANWA SMC STEEL SERVICE HA NOI CO., LTD.◆SOHBI CRAFT POLAND SP. Z O.O.◆SENDO STEEL PIPE JOINT VENTURE CO., LTD.◆SOHBI KOHGEI (PHILS.), INC.◆SMC TOAMI LLC.◆HANWA FELLOWS ENGINEERING (THAILAND) CO., LTD.◆鈴木住電鋼線製品(広州)有限公司◆NST SAIGON COIL CENTER CO., LTD.◆SMC TRADING INVESTMENT JSC.●PCM PROCESSING (THAILAND) LTD.プライマリーメタル事業 主な取扱商品は、ニッケル、クロム、シリコン、マンガン、合金鉄、ステンレス母材、高機能材及び鉄屑等冷鉄源であります。国内◎日本南アフリカクロム㈱ 海外◆SAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD. リサイクルメタル事業 主な取扱商品は、アルミニウム、銅、亜鉛、チタン、ニッケル等のリサイクル原料及び貴金属であります。国内◎昭和メタル㈱◎日興金属㈱◎正起金属加工㈱◇阪和メタルズ㈱海外◎PT. HANWA ROYAL METALS◇SIAM HANWA CO., LTD.食品事業 主な取扱商品は、水産物及び畜産物であります。国内◎ハンワフーズ㈱◎㈱マルゴ福山水産◎丸本本間水産㈱◎東日本フーズ㈱〇㈱丸イ佐藤海産〇㈱丸イホールディングス海外◎SEATTLE SHRIMP & SEAFOOD COMPANY, INC.◎HANWA CANADA CORP.エネルギー・生活資材事業 主な取扱商品は、石油製品、工業薬品、化学品及びバイオマス・リサイクル燃料であります。国内◎トーヨーエナジー㈱◎西部サービス㈱◎㈲アルファフォルム◇ティーエスオイルターミナル㈱◇東谷石油㈱海外●PT.BIOMASA JAYA ABADI 海外販売子会社 海外の主要な拠点において当社と同様に多種多様な商品の売買を行っております。 海外◎HANWA SINGAPORE (PRIVATE) LTD.◎HANWA AMERICAN CORP.◎HANWA THAILAND CO., LTD.◎HANWA METALS (THAILAND) CO., LTD.◎HANWA VIETNAM CO., LTD.◎阪和(香港)有限公司◎HANWA MEXICANA, S.A. DE C.V.◎HANWA UK LTD.◎HANWA (MALAYSIA) SDN. BHD.◎広州阪和貿易有限公司◎HANWA ITALIA S.R.L.◎阪和(上海)管理有限公司◎台湾阪和興業股份有限公司◎HANWA EUROPE B.V.◎PT. HANWA INDONESIA◇HANWA MIDDLE EAST FZE◇阪和商貿(大連)有限公司◇HANWA (KOREA) CO., LTD.◇阪和商貿(青島)有限公司◇HANWA TURKEY ITHALAT IHRACAT VETICARET LTD. SIRKETI◇HANWA MIDDLE EAST STEEL TRADING L.L.C◆COSMOSTEEL HOLDINGS PTE. LTD.◆江陰市暁達金属製品製造股份有限公司◆PT. GARUDA YAMATO STEELその他 主な取扱商品は、住宅資材及び機械であります。国内◎シンクス㈱◎㈱阪和アルファビジネス海外◎HANWA REINSURANCE CORP. ◎連結子会社 〇非連結子会社 ◇持分法適用非連結子会社 ◆持分法適用関連会社 ●関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
商品市況の変動リスクを認識しており、需給状況や為替動向、地政学的な環境変化に影響されるため。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況の変動に係るリスク / 商品市況の変動に係るリスク / 為替レートの変動に係るリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

阪和興業は特定のブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに依存するビジネスモデルではない。汎用的な鋼材や非鉄金属の流通が中心であり、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

長年の取引実績や顧客ニーズへの対応力により、一定の顧客との関係性は構築されている。しかし、価格競争力や代替品の存在により、顧客が他社へ乗り換えるリスクはゼロではなく、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

阪和興業のビジネスモデルは、プラットフォーム型ではなく、サプライヤーと顧客を繋ぐ商社機能が中心である。ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は期待できない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

鋼材・非鉄金属の流通において、長年の経験と広範なサプライヤーネットワーク、効率的な物流網を構築している。これにより、一定のコスト競争力を維持していると考えられる。特に、大量仕入れによる価格交渉力は強み。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

鉄鋼・非鉄金属流通業界において、阪和興業は大手の一角を占める規模を持つ。広範な取扱品目と全国的な販売網は、中小規模の競合他社に対する優位性をもたらしている。業界内での寡占的な地位は限定的だが、規模の経済は効いている。

  • 広範な商品ラインナップ
    鉄鋼、非鉄金属、食品、エネルギーなど、多岐にわたる商品を扱うことで、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を築いています。これにより、顧客は阪和興業グループから多様な商品を一括で調達できるため、利便性が高く、顧客との関係強化にも繋がっています。
  • 強固な国内外ネットワーク
    当社は、子会社98社、関連会社34社からなる広範なグループ企業網を持ち、国内外に多数の営業拠点を展開しています。これにより、グローバルなサプライチェーンを構築し、多様な地域での販売・調達を可能にしています。特に海外販売子会社は、各地域の市場特性に合わせた事業展開を行い、地域に密着したビジネスを推進しています。
  • 加工機能と提案力
    鋼材加工やリサイクル金属加工といった加工機能を持つことで、単なる商社機能を超えた付加価値を提供しています。これにより、顧客の細かなニーズに対応した製品供給が可能となり、他社との差別化を図っています。また、「流通のプロ」として顧客の多様なニーズに応える提案型サービスを提供することで、顧客との長期的な関係構築に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「流通のプロ」としての企業価値向上
    経営理念として「時代と市場の変化に迅速に対応し、『流通のプロ』として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献する」ことを掲げています。顧客第一主義を貫き、付加価値の高い商品流通と提案型サービスを通じて、「存在感ある商社流通」を追求し、すべてのステークホルダーからの評価と支持を得られる企業価値の向上を目指しています。
  • 中期経営計画「Run up to HANWA 2030」
    2023年度から2025年度までの3か年で「中期経営計画 2025」を推進しており、最終年度(2026年3月期)には経常利益700億円、ROE12.0%以上、DOE2.5%下限、Net DER1.0倍以下などの定量目標を設定しています。サステナビリティ経営を基礎に、「経営基盤の強化」「事業戦略の発展」「投資の収益化」の3つの柱で持続的な成長を目指します。
  • グローバルな収益力強化と国内市場深耕
    海外では東南アジアを中心に地産地消型ビジネスの拡大や戦略的パートナーとのアライアンス強化、戦略的投資からの利益確保により、グローバルでの収益力強化を図ります。国内では、加工機能などを活かした高付加価値営業や「そこか(即納、小口、加工)」戦略の全国展開、グループ会社の資産・物流網の有効活用により、縮小が見込まれる国内市場でのシェア拡大と収益性向上に努めます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、「私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、『流通のプロ』として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します」との経営理念のもと、事業活動を展開しております。また、この理念を具体化し、当社グループが社会に対して果たすべきミッションとして、「すべての『ほしい』をつなげてく。ユーザーの為に、ユーザーと共に。」を掲げ、顧客第一主義のもと、従来のトレーディング機能を基盤としながら、サプライチェーン全体の設計・統合を通じた付加価値創出へと進化させることで、持続的な企業価値向上を目指しております。さらに、当社グループのスピリッツとして「GRIP & GRIT(つかんでやり抜く力)」を掲げ、市場やユーザーのニーズ等を的確に「つかみ」、困難な状況においても粘り強く「やり抜く」ことで、持続的な価値創造を実現してまいります。このように、理念を基盤としつつ、ミッション及びスピリッツを通じて価値創造プロセスを進化させ、またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで「企業の社会的責任」を果たし、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の持続的向上を目指しております。 (2) 経営環境及び対処すべき課題今後の経済環境は、米国の通商政策や外交面での不確実性をはじめ、ウクライナや中東を中心とする地政学リスク、中国経済の動向、日本を含めた各国の金融政策等の影響を受けて不透明な状況が続くものと想定されます。また、中東情勢が一段と緊迫化した場合、現時点では当社事業への直接的な影響は限定的であると認識しておりますが、資源価格や物流コストの上昇等を通じて当社を取り巻く環境に波及する可能性もあることから、引き続き情勢の推移を注視してまいります。当社グループとしましては、このような先行き不透明感が強まっている事業環境の中においても、各事業分野における需要動向や、ユーザーや社会のニーズ・課題を的確に把握し、それら課題を解決する事業を推進していくことで、業績の維持・向上に注力していく所存です。当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。営業面では、サプライチェーン全体の最適化を志向した事業戦略を軸に、既存事業の競争力強化及びグループ会社の増加を踏まえた事業の最適配置を進めることで、安定した収益基盤の確立を図ると共に、成長分野・市場への展開を加速してまいります。経営管理面では、資本配分・ポートフォリオマネジメントの高度化を進め、投融資管理及びガバナンスの強化を通じて資本効率の向上と持続的成長の両立を図ってまいります。また、業務執行体制への権限委譲の推進等により、よりスピーディかつ適切な経営判断が可能な体制を構築してまいります。さらに、DX・AI・データ活用の経営実装およびサステナビリティ管理体制の強化を進めるほか、多様な人材の活躍を支える人的資本戦略の強化及び組織体制の見直しに取り組んでまいります。加えて、資本市場との建設的な対話を通じ、資本効率の向上及び資本コストを意識した経営の徹底により、市場からの評価向上を図ってまいります。 (3) 中長期的な経営戦略 当社グループは2026年5月に、2026年度から2028年度までの3ヵ年にわたる「中期経営計画2028」を策定いたしました(計画の詳細は、2026年5月12日発表の「阪和興業 中期経営計画(2026年度-2028年度)に関するお知らせ」をご参照ください。)。「中期経営計画2025」で強化した財務基盤・リスク管理体制を土台に、「中期経営計画 2028」においては「非連続的成長に資する攻めの事業投資への転換」、「事業戦略を推進するための原動力となる人的資本の強化」、「事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築」を着実に実施すると共に、グローバルに事業と人材の最適配置を進めてまいります。引き続き、持続可能な社会を支える「サプライチェーン創造型商社」を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。 中期経営計画の概要は以下のとおりです。《テーマ》『Go Beyond ~殻を打ち破れ~』《定量目標》最終年度(2029年3月期)資本効率性経常利益(最終年度)投融資枠(中計期間3年累計)ROE 12.0%以上(注1)750億円1,600億円株主還元グローバル鉄鋼取扱重量財務健全性DOE3.5%下限(注2)及び総還元性向40%程度を目標1,700万トンNet DER 1.0倍程度 (注)1 ROE(株主資本利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益÷期首・期末平均株主資本 2 DOE(株主資本配当率)=配当総額÷期首株主資本《事業戦略》当社グループは、国内事業で培ったキャッシュ創出力を基盤とし、成長市場に対して経営資源を重点配分することで、グローバルでの持続的な成長を実現する方針としております。とりわけ、海外においてはM&Aを含む投資を通じて事業基盤の拡充を図り、各地域におけるインサイダー化を推進することで、域内ニーズに即した機能の獲得と競争力の強化を進めてまいります。さらに、当社の強みであるサプライチェーン創造力を起点として、「ユーザー課題解決型ビジネス」及び「社会課題解決型ビジネス」を事業成長の中核に位置付けております。 また、事業ポートフォリオの高度化に向け、セグメント別に成長性及び資本収益性の観点から各事業を評価し、既存事業・資産の入れ替えを通じたキャッシュの創出と、成長領域への経営資源の重点配分による好循環の確立による事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築を推進していきます 《人的資本戦略、IT・DX戦略、サステナビリティ戦略及び資本政策》当社グループは、事業戦略の実現に向け、人的資本、IT・DX、サステナビリティ及び資本政策を一体的に推進することで、持続的な成長と企業価値の向上を図っております。 ① 人的資本戦略当社は、「企業の繁栄と社員の幸福は車の両輪である」との考えのもと、従業員一人ひとりが全力で活躍できる企業風土の醸成に取り組んでおります。具体的には、理念・戦略への共感を基盤としたエンゲージメントの向上、多様な視点の融合による価値創出、自律的に力を発揮できる組織風土の維持・向上、次世代リーダーの育成及びサクセッションの推進、並びにDX人材基盤の充実を図っております。また、戦略推進人材として、グローバル人材、エンジニアリング/加工ソリューション領域人材、事業投資高度化人材、次世代経営人材及びコーポレートプロフェッショナル人材の育成を進めると共に、戦略軸に基づく組織体制の構築及びDXを活用した経営基盤・収益力の強化に取り組んでおります。 ② IT・DX戦略事業モデルの変革、経営基盤の強化及びIT・DX人材育成を三位一体で推進し、生産性及び業務効率の向上を図っております。事業モデルの変革に向けては、事業部門を巻き込んだ全社的なデジタル推進を展開すべく、デジタル推進室の新設を図り、生成AIやデータ分析の活用によるデータドリブンな営業・経営の高度化を進めると共に、営業業務管理システム(SFA)の全社導入による情報共有の深化に注力していく所存です。 ③ サステナビリティ戦略サプライチェーン全体を通じて環境・社会・ガバナンスの課題に対応することを基本方針としております。具体的には、「攻め」と「守り」の両面から取り組みを推進しております。「攻め」の側面では、顧客・市場の移行ニーズを起点に、当社の商流・情報・機能を通じて収益機会の拡大を図り、環境価値の事業化を推進しております。また、脱炭素・資源循環を軸とした収益機会の創出や、CFP算定の推進、カーボンクレジットの創出等を含む環境関連サービス及び環境配慮型商材ビジネスの強化に取り組んでおります。一方、「守り」の側面では、商社としての広範なサプライチェーンを踏まえ、リスクの可視化と管理体制の強化を図ると共に、ESGリスクの把握・管理の高度化及び取引先等のサプライチェーン上における責任ある事業運営に取り組んでおります。 ④ キャッシュアロケーション及び財務戦略中期経営計画(2026年度-2028年度)におけるキャッシュアロケーション計画については、基礎営業キャッシュフローによるキャッシュインを約1,700億円想定しており、これに加え、政策保有株式等の縮減等による資産の入れ替えや、信用格付A格の維持を前提としたNet DER1.0倍程度の水準までの規律ある有利子負債の活用を行った上で、投融資に約1,600億円、株主還元に約550億円を配分する計画です。 ⑤ 株主還元方針配当については、安定的かつ累進的な配当を基本方針とし、株主資本配当率(DOE)の下限を2.5%から3.5%へ引き上げます。また、新たに総還元性向40%程度を目標とすることを導入し、自己株式の取得についても機動的かつ継続的に実施することで株主還元の充実と資本効率の向上を図ってまいります。 (4) 2027年3月期の通期業績予想2027年3月期の通期業績予想につきましては、売上高は3兆円、営業利益は625億円、経常利益は570億円、親会社株主に帰属する当期純利益は400億円としております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営の基本方針当社は、「私たちは、時代と市場の変化に迅速に対応し、『流通のプロ』として顧客の多様なニーズに応え、広く社会に貢献します」との経営理念のもと、事業活動を展開しております。また、この理念を具体化し、当社グループが社会に対して果たすべきミッションとして、「すべての『ほしい』をつなげてく。ユーザーの為に、ユーザーと共に。」を掲げ、顧客第一主義のもと、従来のトレーディング機能を基盤としながら、サプライチェーン全体の設計・統合を通じた付加価値創出へと進化させることで、持続的な企業価値向上を目指しております。さらに、当社グループのスピリッツとして「GRIP & GRIT(つかんでやり抜く力)」を掲げ、市場やユーザーのニーズ等を的確に「つかみ」、困難な状況においても粘り強く「やり抜く」ことで、持続的な価値創造を実現してまいります。このように、理念を基盤としつつ、ミッション及びスピリッツを通じて価値創造プロセスを進化させ、またコンプライアンスを重視し、事業を通じて国際社会や地域社会に貢献することで「企業の社会的責任」を果たし、すべてのステークホルダーからの評価・支持を得られる企業価値の持続的向上を目指しております。 (2) 経営環境及び対処すべき課題今後の経済環境は、米国の通商政策や外交面での不確実性をはじめ、ウクライナや中東を中心とする地政学リスク、中国経済の動向、日本を含めた各国の金融政策等の影響を受けて不透明な状況が続くものと想定されます。また、中東情勢が一段と緊迫化した場合、現時点では当社事業への直接的な影響は限定的であると認識しておりますが、資源価格や物流コストの上昇等を通じて当社を取り巻く環境に波及する可能性もあることから、引き続き情勢の推移を注視してまいります。当社グループとしましては、このような先行き不透明感が強まっている事業環境の中においても、各事業分野における需要動向や、ユーザーや社会のニーズ・課題を的確に把握し、それら課題を解決する事業を推進していくことで、業績の維持・向上に注力していく所存です。当社グループの対処すべき課題としては、以下を認識しております。営業面では、サプライチェーン全体の最適化を志向した事業戦略を軸に、既存事業の競争力強化及びグループ会社の増加を踏まえた事業の最適配置を進めることで、安定した収益基盤の確立を図ると共に、成長分野・市場への展開を加速してまいります。経営管理面では、資本配分・ポートフォリオマネジメントの高度化を進め、投融資管理及びガバナンスの強化を通じて資本効率の向上と持続的成長の両立を図ってまいります。また、業務執行体制への権限委譲の推進等により、よりスピーディかつ適切な経営判断が可能な体制を構築してまいります。さらに、DX・AI・データ活用の経営実装およびサステナビリティ管理体制の強化を進めるほか、多様な人材の活躍を支える人的資本戦略の強化及び組織体制の見直しに取り組んでまいります。加えて、資本市場との建設的な対話を通じ、資本効率の向上及び資本コストを意識した経営の徹底により、市場からの評価向上を図ってまいります。 (3) 中長期的な経営戦略 当社グループは2026年5月に、2026年度から2028年度までの3ヵ年にわたる「中期経営計画2028」を策定いたしました(計画の詳細は、2026年5月12日発表の「阪和興業 中期経営計画(2026年度-2028年度)に関するお知らせ」をご参照ください。)。「中期経営計画2025」で強化した財務基盤・リスク管理体制を土台に、「中期経営計画 2028」においては「非連続的成長に資する攻めの事業投資への転換」、「事業戦略を推進するための原動力となる人的資本の強化」、「事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築」を着実に実施すると共に、グローバルに事業と人材の最適配置を進めてまいります。引き続き、持続可能な社会を支える「サプライチェーン創造型商社」を目指し、企業価値の向上に努めてまいります。 中期経営計画の概要は以下のとおりです。《テーマ》『Go Beyond ~殻を打ち破れ~』《定量目標》最終年度(2029年3月期)資本効率性経常利益(最終年度)投融資枠(中計期間3年累計)ROE 12.0%以上(注1)750億円1,600億円株主還元グローバル鉄鋼取扱重量財務健全性DOE3.5%下限(注2)及び総還元性向40%程度を目標1,700万トンNet DER 1.0倍程度 (注)1 ROE(株主資本利益率)=親会社株主に帰属する当期純利益÷期首・期末平均株主資本 2 DOE(株主資本配当率)=配当総額÷期首株主資本《事業戦略》当社グループは、国内事業で培ったキャッシュ創出力を基盤とし、成長市場に対して経営資源を重点配分することで、グローバルでの持続的な成長を実現する方針としております。とりわけ、海外においてはM&Aを含む投資を通じて事業基盤の拡充を図り、各地域におけるインサイダー化を推進することで、域内ニーズに即した機能の獲得と競争力の強化を進めてまいります。さらに、当社の強みであるサプライチェーン創造力を起点として、「ユーザー課題解決型ビジネス」及び「社会課題解決型ビジネス」を事業成長の中核に位置付けております。 また、事業ポートフォリオの高度化に向け、セグメント別に成長性及び資本収益性の観点から各事業を評価し、既存事業・資産の入れ替えを通じたキャッシュの創出と、成長領域への経営資源の重点配分による好循環の確立による事業ポートフォリオの磨き上げ・再構築を推進していきます 《人的資本戦略、IT・DX戦略、サステナビリティ戦略及び資本政策》当社グループは、事業戦略の実現に向け、人的資本、IT・DX、サステナビリティ及び資本政策を一体的に推進することで、持続的な成長と企業価値の向上を図っております。 ① 人的資本戦略当社は、「企業の繁栄と社員の幸福は車の両輪である」との考えのもと、従業員一人ひとりが全力で活躍できる企業風土の醸成に取り組んでおります。具体的には、理念・戦略への共感を基盤としたエンゲージメントの向上、多様な視点の融合による価値創出、自律的に力を発揮できる組織風土の維持・向上、次世代リーダーの育成及びサクセッションの推進、並びにDX人材基盤の充実を図っております。また、戦略推進人材として、グローバル人材、エンジニアリング/加工ソリューション領域人材、事業投資高度化人材、次世代経営人材及びコーポレートプロフェッショナル人材の育成を進めると共に、戦略軸に基づく組織体制の構築及びDXを活用した経営基盤・収益力の強化に取り組んでおります。 ② IT・DX戦略事業モデルの変革、経営基盤の強化及びIT・DX人材育成を三位一体で推進し、生産性及び業務効率の向上を図っております。事業モデルの変革に向けては、事業部門を巻き込んだ全社的なデジタル推進を展開すべく、デジタル推進室の新設を図り、生成AIやデータ分析の活用によるデータドリブンな営業・経営の高度化を進めると共に、営業業務管理システム(SFA)の全社導入による情報共有の深化に注力していく所存です。 ③ サステナビリティ戦略サプライチェーン全体を通じて環境・社会・ガバナンスの課題に対応することを基本方針としております。具体的には、「攻め」と「守り」の両面から取り組みを推進しております。「攻め」の側面では、顧客・市場の移行ニーズを起点に、当社の商流・情報・機能を通じて収益機会の拡大を図り、環境価値の事業化を推進しております。また、脱炭素・資源循環を軸とした収益機会の創出や、CFP算定の推進、カーボンクレジットの創出等を含む環境関連サービス及び環境配慮型商材ビジネスの強化に取り組んでおります。一方、「守り」の側面では、商社としての広範なサプライチェーンを踏まえ、リスクの可視化と管理体制の強化を図ると共に、ESGリスクの把握・管理の高度化及び取引先等のサプライチェーン上における責任ある事業運営に取り組んでおります。 ④ キャッシュアロケーション及び財務戦略中期経営計画(2026年度-2028年度)におけるキャッシュアロケーション計画については、基礎営業キャッシュフローによるキャッシュインを約1,700億円想定しており、これに加え、政策保有株式等の縮減等による資産の入れ替えや、信用格付A格の維持を前提としたNet DER1.0倍程度の水準までの規律ある有利子負債の活用を行った上で、投融資に約1,600億円、株主還元に約550億円を配分する計画です。 ⑤ 株主還元方針配当については、安定的かつ累進的な配当を基本方針とし、株主資本配当率(DOE)の下限を2.5%から3.5%へ引き上げます。また、新たに総還元性向40%程度を目標とすることを導入し、自己株式の取得についても機動的かつ継続的に実施することで株主還元の充実と資本効率の向上を図ってまいります。 (4) 2027年3月期の通期業績予想2027年3月期の通期業績予想につきましては、売上高は3兆円、営業利益は625億円、経常利益は570億円、親会社株主に帰属する当期純利益は400億円としております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国の関税を巡る政策動向をはじめ、中東やウクライナを中心とする地政学リスクや各国金融政策の動向をうけ、不透明感の強い状況が継続しました。米国においては、雇用情勢が軟調に推移したため個人消費が減速したほか、関税引き上げや中東情勢の緊迫化などが経済に影響を与えました。欧州においては、米国の関税政策などが製造業を中心に影響を与えましたが、財政支出の拡大や、個人消費の改善などにより景気は下支えされました。中国においては、景気浮揚策により一部持ち直しの動きは見られましたが、不動産市況の低迷などにより、景気回復が思うように進まない状況が継続しています。その他の新興諸国においては、東南アジア地域を中心に底堅く推移しましたが、一部地域にて米国の関税政策などにより、成長の鈍化が見られました。国内経済については、賃金の上昇などを受けて、個人消費を中心に底堅く推移しました。また、中東情勢の緊迫化や新内閣の政策を巡る動向などが、為替・株価・市場金利をはじめ国内経済に影響を与えました。このような環境において、当連結会計年度では、プライマリーメタル事業や海外販売子会社において取引が拡大した結果、売上高は前連結会計年度比4.2%増の2兆6,626億69百万円となりました。利益面では、主にリサイクルメタル事業の損益が悪化したことや人件費の増加などにより、営業利益は前連結会計年度比5.0%減の584億44百万円に、経常利益は前連結会計年度比12.5%減の522億62百万円に、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比15.9%減の382億65百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、第3四半期連結会計期間より、当社から連結子会社への株式譲渡による組織構造の変更に伴い、従来「鉄鋼事業」に区分しておりましたCOSMO STEEL HOLDINGS LTD.を「海外販売子会社」に変更しております。前連結会計年度比較につきましては、変更後の区分方法に基づき行っております。 鉄鋼事業各種鋼材価格の下落や鋼板の取扱数量が減少したことなどが収益を押し下げました。一方、一部の海外子会社で採算が改善したことや持分法による投資利益が拡大したことなどが利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比7.2%減の1兆719億13百万円、セグメント利益は前連結会計年度比16.7%増の387億7百万円となりました。プライマリーメタル事業一部の副資材の販売が堅調に推移したことなどが収益を押し上げました。一方、SAMANCOR CHROME HOLDINGS PROPRIETARY LTD.からの持分法による投資損益がマイナスに転じたことが利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比32.5%増の2,441億5百万円、セグメント損益は1億50百万円の損失(前連結会計年度は、60億84百万円の利益)となりました。リサイクルメタル事業鉛鉱石の取扱数量が増加したことなどが収益を押し上げました。一方、アルミなどの採算が悪化したことなどが利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比25.3%増の2,842億12百万円、セグメント利益は前連結会計年度比58.0%減の13億2百万円となりました。食品事業米国子会社で外食産業向け販売が好調に推移したことや、新規連結子会社の業績などが収益・利益を押し上げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比7.2%増の1,505億33百万円、セグメント利益は前連結会計年度比31.9%増の30億41百万円となりました。 エネルギー・生活資材事業期中における原油の平均価格が前連結会計年度比で低調に推移したことや、化学品関連の採算が悪化したことなどが収益・利益を押し下げました。これらの結果、当事業の売上高は前連結会計年度比2.0%減の3,837億13百万円、セグメント利益は前連結会計年度比18.1%減の85億41百万円となりました。海外販売子会社東南アジアでスクラップ取引が拡大したことや、新規連結子会社の業績などが収益を押し上げました。一方、主に鉄鋼製品の採算が悪化したことなどが利益を押し下げました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比17.3%増の5,177億5百万円、セグメント利益は前連結会計年度比33.0%減の55億28百万円となりました。その他の事業住宅資材事業では、住宅メーカーとの取引拡大が進んだ一方、欧州材の採算が悪化したことなどから、増収・減益となりました。機械事業では、産業機械分野での完工物件が前連結会計年度比で増加した一方、国内子会社の採算が悪化したことなどから、増収・減益となりました。これらの結果、売上高は前連結会計年度比0.1%増の1,339億26百万円、セグメント利益は前連結会計年度比11.2%減の21億32百万円となりました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度の総資産は、投資有価証券や現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末比4.0%増の1兆2,126億62百万円となりました。負債は、支払手形及び買掛金や繰延税金負債の増加などにより、前連結会計年度末比0.4%増の7,797億11百万円となりました。そのうち有利子負債は、前連結会計年度末比6.6%減の3,570億74百万円となり、当連結会計年度末のネット負債倍率は、0.6倍(0.5倍※)となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益からの利益剰余金の積み上がりやその他有価証券評価差額金の増加などにより、前連結会計年度末比11.2%増の4,329億51百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末の32.9%(35.0%※)から35.3%(37.3%※)に上昇しました。 ※ネット負債倍率及び自己資本比率の( )内の値は、2024年3月に実施した劣後特約付きローン(ハイブリッドローン)500億円について、格付上の資本性(50%)を考慮して算出しております。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて202億41百万円(31.0%)増加し、855億5百万円となりました。これは主に売上債権及び契約資産の減少や仕入債務の増加によるものです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による収入は、前連結会計年度比633.7%増の743億31百万円となりました。これは主に売上債権及び契約資産が減少したことや仕入債務が増加したことなどによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による支出は、前連結会計年度比50.4%減の108億40百万円となりました。これは主に投資有価証券の取得や短期貸付けの支出などによるものです。 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは、634億91百万円の収入となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による支出は、476億38百万円となりました(前連結会計年度は2億93百万円の収入)。これは主に社債の償還や短期借入金の返済などによるものです。 ④ 販売の実績「①経営成績の状況」及び「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1) [連結財務諸表] [注記事項](セグメント情報等)[セグメント情報]」に記載のとおりであります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての重要な会計方針につきましては、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1) [連結財務諸表] [注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4 会計方針に関する事項」をご参照ください。なお、有価証券や固定資産の評価、貸倒引当金や賞与引当金等における見積り及び判断・評価については、過去の実績や足元の状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づいて行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況売上高は、プライマリーメタル事業や海外販売子会社において取引が拡大した結果、前連結会計年度比4.2%増の2兆6,626億69百万円となりました。このうち、国内売上高は前連結会計年度比1.4%減の1兆6,557億93百万円、海外売上高は前連結会計年度比15.1%増の1兆68億75百万円となりました。売上原価は、売上増加に伴い、前連結会計年度比4.5%増の2兆5,215億52百万円となりました。販売費及び一般管理費は、人件費が増加したことなどにより、前連結会計年度比4.5%増の826億72百万円となりました。営業外収益は、持分法による投資損益がマイナスに転じたことや受取配当金が減少したことなどにより、前連結会計年度比29.8%減の86億87百万円となりました。また、営業外費用は、上記の持分法による投資損益の影響に加え、為替差損が増加したことなどにより、前連結会計年度比5.0%増の148億69百万円となりました。特別利益は、投資有価証券売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度比77.5%減の13億96百万円となりました。また、特別損失は、投資有価証券売却損や固定資産売却損が発生したことなどにより、前連結会計年度比91.5%増の8億75百万円となりました。法人税等は、課税所得の減少に伴い、前連結会計年度比20.5%減の153億76百万円となりました。これらの結果、当期純利益は前連結会計年度比18.9%減の374億6百万円となり、その内、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度比15.9%減の382億65百万円となりました。また、1株当たり当期純利益の金額は前連結会計年度の225.13円※に対し、193.13円※となりました。 ※当社は、2026年4月1日付で普通株式1株につき5株の割合で株式分割を行っております。前連結会計年度の期首に当該株式分割が行われたと仮定して、1株当たり当期純利益を算定しております。 ③ 当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績等に影響を与える要因は、「第2 [事業の状況] 3[事業等のリスク]」に記載のとおりです。当社の主たる事業である商社事業において影響が大きいものは、商品価格の動向であります。価格のトレンドや国内外の需給動向を確認しながら、売りと仕入のタイミングを図っていきます。特に在庫取引を行う商品については、買う時期と数量を慎重に判断して行います。鉄鋼事業では流通業向け店売り市場が縮小しており、以前ほど大量の在庫を保有することはなくなったため、市況下落による評価損も昨今は限定的ではあるものの、商品価格の変動幅が過去に比べて大きく変動速度も速くなっており、実需以外の要因も影響を及ぼすため、市況動向の見極めが一層重要になっております。次に、当社グループの取引は掛け売りやユーザンスを与えるものも多く、それらは各取引先に対する厳格な審査・与信管理の下に信用枠を設定しています。取引先の信用状態については、常に各営業担当が確認をしており、会社としても社員の与信管理能力の強化や信用保険・ファクタリング等による債権保全に努めておりますが、不測の倒産等が発生した場合には、売上債権の全額を回収できずに貸倒れとなることもあり、全体の損益が影響を受けることがあります。海外との取引においては、決済通貨と表示通貨が異なる場合に、表示通貨への換算の際に為替変動の影響を受けます。個別の取引においては、原則として為替予約などにより為替変動による影響を最小限にするように対処しておりますが、決算期末での債権債務の期末レートへの換算替えにおいては、評価損益が発生することがあり、変動幅や速度によっては、全体の損益が影響を受けることがあります。資本政策に関しては、当社グループは運転資金や投融資資金を金融機関からの借入や社債発行などにより調達しており、金利変動や金融市場の動向、格付などにより、事業の採算や借入コストが影響を受けます。取引仲介における口銭や手数料収入の利率を金利変動に応じて変動させたり、金利スワップ等でコストの増加を抑制するなどの対応をしてはおりますが、金融市場の大きな変動の中では全体の損益が影響を受けることがあります。そのような事業環境のなか、当社グループは、事業領域の拡大や将来収益の源泉を確保するために、既存の商社事業を土台としながら、バリューチェーンのより広い範囲に積極的な事業投資を展開しております。投資に際しては、専門家によるデューディリジェンスの実施や、投資等審査委員会などによる収益性の検証及びリスクの洗い出し等を行っておりますが、当初予定していた事業計画が大きく下振れした場合や予測が困難であった重要な偶発的事象が発生した場合などには、全体の損益が影響を受けることがあります。特に大規模な開発型案件や資源分野などへの投資については、収益性のボラティリティが高い傾向にあるため、経営会議や取締役会などにおいて定期的なモニタリングを実施しております。また、当社グループは様々な商品やサービスを取り扱っており、その品質については、仕入先や委託加工先と提携して万全を期していますが、時に品質基準を満たさないもの、不良なものが発生することがありえます。従来、品質に問題があった場合には仕入先や加工先に一義的な保証責任がありましたが、品質欠陥に対する社会的な影響が大きくなっている昨今、商社も品質管理に一層の注意を払うことが必要になっており、その対応によっては保証費用や信用低下などにより全体の損益が影響を受けることがあります。当社では、品質安全環境管理部による定期的なモニタリングを基に、協力業者も含めた品質管理体制の強化を進めています。なお、当社グループでは、グループにおけるすべてのリスクの把握に努め、当該リスクをコントロールするために適切な対応策を講じるようリスクマネジメント基本方針を定めております。また、リスクマネジメント部は、関係部署と連携し個別リスクごとにリスクを管理し、対応策のモニタリングを行うほか、定量的に把握可能なリスクについては定期的にグループ全体のリスク量を把握し、適宜経営会議、社長及び取締役会に報告する体制を整えております。 ④ 当社グループの資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて642億円多い743億31百万円の収入となりました。これは主に売上債権及び契約資産が減少したことや仕入債務が増加したことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べて109億96百万円少ない108億40百万円の支出となりました。これは主に投資有価証券の取得や短期貸付けの支出などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは、476億38百万円の支出となりました(前連結会計年度は2億93百万円の収入)。これは主に社債の償還や短期借入金の返済などによるものです。 (財務政策)当社グループは持続可能な企業成長のために必要なレベルの流動性の確保と財務的な健全性・安定性維持を方針としており、資金調達にあたっては、多様化を図るべく、資本市場における社債並びにコマーシャル・ペーパー発行による調達を随時行いつつも、主に長期借入金を中心に調達を行っております。また、流動性維持のために、金融機関との間で総額1,550億円のコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末現在において全額未使用となっております。社債につきましては、市場環境や財政状態の変化に対応した機動的な社債発行を可能にするため、発行登録制度を利用しており、当連結会計年度末現在の国内公募普通社債発行登録枠の未使用枠は、800億円であります。長期借入金のうち、500億円は劣後特約付ローン(ハイブリッドローン)であり、持続可能な企業成長のための資金確保と財務的な健全性の両立を目的として2024年3月に調達を行っております。本ハイブリッドローンは、資本と負債の中間的な性質を持ち、格付機関は残高の50%である250億円を資本と同等に扱っております。有利子負債においては、資産側の通貨属性を考慮し、適宜外貨建て借入や、通貨金利スワップ、為替予約を締結することで、資産の内容に見合った調達を図っております。また、連結ベースの資金管理体制については、国内子会社においては原則キャッシュ・マネジメント・サービスを導入しており、海外子会社に対しても現地借入から親子ローンへの切替え促進を行っており、これらの取組によりグローバル財務マネジメントの強化を図っております。 ⑤ 中期経営計画の達成状況「中期経営計画 2025」で掲げております定量目標について、実績並びに達成状況は以下のとおりです。 定量目標実績定量目標経常利益522億円700億円 海外の鉄鋼市況の長期低迷やEV普及の減速、各種商材の事業環境の急変により、プライマリーメタル、エネルギー・生活資材、海外販売子会社事業において下振れとなりました。3ヵ年平均ROE(株主資本利益率)※112.8%12.0%以上 最終年度の利益は目標を下回ったものの、株主還元の強化もあり達成となりました。DOE(株主資本配当率)※23.4%2.5%下限 安定的な収益を背景に企業価値向上に向けて株主還元を強化した結果、下限として設定していた2.5%を上回る水準で配当を実施いたしました。Net DER(純負債資本倍率)※30.6倍1.0倍以下 安定的な収益の継続及び適切な有利子負債のコントロールにより、財務健全性が確保された結果、中計3年間を通して1.0倍以下を維持し、信用格付けはA- から Aに格上げ (R&I、JCR)となりました。累計投融資枠688億円800億円 一部案件においてキャッシュアウト時期が2026年度にずれ込んだものの、承認済の案件を含めると達成いたしました。連結鉄鋼取扱重量※4 1,433万トン1,700万トンASEAN等での市況低迷・需要減退の中にもかかわらず、地産地消ビジネスや冷鉄源の取扱量拡大により海外においては取扱量を伸ばしたものの、国内において想定以上に鋼材需要が減退したことで未達となりました。 ※1 ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷期首・期末平均株主資本※2 DOE=年間配当総額÷期首株主資本※3 Net DER=(有利子負債-現金及び預金)÷期末自己資本※4 連結鉄鋼取扱重量は、当社及び連結子会社における鉄鋼取扱重量の単純合算です。

事業リスク

  • 経済状況の変動リスク
    阪和興業グループは全世界で事業を展開しており、日本、アジア、米州、欧州、アフリカなど主要市場の景気後退や需要縮小は、グループ全体の売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、鉄鋼や金属などの基幹産業の需要は景気変動に左右されやすいため、経済状況の変化は重要なリスク要因となります。
  • 商品市況の変動リスク
    鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品、エネルギー製品など、多くの市況商品を扱っており、これらの価格変動が経営成績に大きな影響を与える可能性があります。需給状況、為替動向、地政学リスクなどが市況に与える影響は大きく、適切なリスクヘッジができない場合、多額の評価損や損失が発生するリスクがあります。
  • 取引先の信用リスク
    売上債権や貸付金など、取引先への信用供与が事業の大部分を占めています。与信管理を厳格に行っているものの、経済状況の急激な変化や取引先の経営悪化により、不測の倒産などが発生した場合、債権の回収不能や貸倒損失が発生し、グループの経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,458 文字
3 【事業等のリスク】 (1) 当社グループのリスク管理① リスク管理の基本方針当社では、リスクマネジメントを経営上の重要課題と認識し、取締役会で決定した基本方針のもとリスクマネジメントの体制と管理手法を整備しております。「リスク」を「事業戦略及びビジネス目標の達成に影響を与える不確実性」と定義し、リスクを適切にコントロールすることで積極的な投融資・事業拡大による事業成長の基盤と位置づけ、経営の健全性確保と企業価値の維持・向上、経営資源の保全と有効活用、安定的な事業継続と事業成長、ステークホルダーの信頼性の維持・向上、役員・従業員等の安全確保・健康確保を目的としております。また、リスクマネジメントの基本方針に基づいて計量化に基づく管理を推進し、定量的に把握可能な重要リスクについては、連結ベースで最大損失額をもとにリスクアセットを算出し、株主資本(リスクバッファー)の範囲内にコントロールしております(2026年3月期のリスクアセット率は5~6割程度)。そして、経営上重大な影響のあるリスクを「トップリスク」として位置づけるほか、複数のストレスシナリオにおける影響度を取締役会に報告しております。 ② リスク管理体制当社では、管理部門統轄役員をリスクマネジメントの統轄責任者としたうえで、リスクマネジメント部を設置し、連結ベースでの統合的なリスクマネジメント体制を構築しております。リスクマネジメント部は、関係部署と連携し個別リスクを管理・モニタリングするとともに、定量的に把握可能なリスクについては、グループ全体のリスク量を経営会議、社長及び取締役会に定期報告しております。また、COSO-ERMフレームワークが推奨する3ラインモデル(スリーライン・ディフェンス)に基づき、第1線(営業部門・子会社)がリスクの特定・評価・対応を、第2線(リスクマネジメント部)が独立した立場で基本原則・枠組みの策定及び第1線への牽制・モニタリングを、第3線(監査部)が独立した立場で態勢の適切性・実効性を検証し、監査等委員会・社長・経営会議に報告・改善提言を行う体制を構築するものとしております。信用・カントリー・与信・事業投資・市場、安全保障貿易管理等、各種リスク等のうち、当社グループにおいて特に集中的に管理すべきリスクを重要リスクと位置づけ、リスクマネジメント部が統括管理し重要事項は取締役会で決定・継続監督されます。また、健全なリスクカルチャーの醸成・浸透を図るため、教育・訓練及びリスク情報の共有を継続的に行っております。 <当社のリスク管理体制> (2)主要なリスクの概要① マクロ経済環境の変化に関するリスク当社グループの全世界における営業収入は、当社グループが商品を取り扱っている国又は地域のマクロ経済環境の変化の影響を受けます。従いまして、日本、アジア、米州、欧州、アフリカ等を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小などは、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ② カントリーリスク当社グループは、アジア市場や米・欧州等の市場において積極的な事業展開を行っております。これら海外市場での事業展開には、貿易保険によるリスク抑制策を講じていますが、予期しない法律又は関税などの貿易取引規制の変更、不利な政治的・経済的変動や国際通貨の変動、企業活動にとって不利な税制度への変更、現地におけるインフラの未整備、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しております。これらの事象が顕在化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ③ 商品市況リスク当社グループでは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品及びエネルギー製品・生活資材等について、市況商品を扱い、一部で流通在庫を有しております。当社グループは、過去の市況変動データに基づく統計的手法により、将来のある一定期間のうちに被る可能性のある最大損失額を計測し、商品の価格変動リスクの把握に努めております。また、市況の変動が大きくなった場合に備え、必要に応じてポジション枠や損失限度枠等を設定することとしておりますが、需給状況や為替動向、時には地政学的な環境の変化が市況に与える影響が大きく、市況の変動への適切な対応ができなかった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、非鉄地金や石油製品等については、商品先渡取引や商品スワップ取引を利用して相場変動等のリスクヘッジに努め、内部規程に基づき、その評価損やリスク枠の上限等を設定のうえ管理しておりますが、ヘッジポジションの状況や商品在庫の種類、相場の急激な変動等によっては、リスクの軽減効果が十分には得られないことや期末の時価会計処理による評価損の発生、追加の証拠金拠出による資金流出等、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ④ 為替リスク当社グループの事業には、全世界における商品の仕入と販売が含まれております。各地域における収益、費用、資産、負債を含む現地通貨建ての項目は、連結財務諸表の作成のために円換算しております。換算時の為替レートにより、これらの項目の現地通貨における価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に他の通貨に対する円高(特に当社グループの売上の重要部分を占める米ドルに対する円高)は当社グループの輸出取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸入取引には好影響を及ぼし、円安は輸入取引に対しては悪影響を及ぼしますが、輸出取引には好影響を及ぼします。なお、当社グループでは、先物為替取引、通貨スワップ取引及び為替スワップ取引等を利用し為替変動のリスクヘッジに努めておりますが、期末における為替ポジションの状況や外貨建資産・負債の保有状況によってはリスクの軽減効果が十分には得られない場合があります。 ⑤ 金利リスク当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。このうち変動金利による調達につきましては、一部に金利スワップ等を利用して金利変動のリスクヘッジに努めておりますが、今後の金利動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率や長期期待運用収益率等数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されており、数理計算上の前提条件の変更や実際の結果との乖離、割引率の低下、運用利回りの悪化等による退職給付債務の増加を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 上場有価証券の価格変動リスク当社グループは、取引先を中心に国内外で市場性のある株式等の上場有価証券を保有しており、上場有価証券の価格変動リスクを負っております。このため、保有する上場有価証券の価格の動向によっては、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、個々の保有株式等については、毎年定期的に取締役会及び経営会議において、取引や配当による投資リターン、資本効率、保有目的等に照らして保有の適否を総合的に検証しております。保有する意義が乏しいと判断された株式等については、適宜売却を進めております。 ⑦ 信用リスク当社グループの事業における売上債権等の大部分は、取引先ごとに一定の信用を供与し、掛取引を行ったものであり、売掛債権、前渡金、貸付金、保証その他の形で信用供与を行っております。信用供与に際しては、各取引先に対して与信限度額を設定し、必要に応じて信用保険の付保等を行い、エクスポージャーの集中状況等を含めて厳格かつ機敏な与信管理を通じ、リスクの低減を図っておりますが、必ずしも全額の回収が行われるとは限りません。また、社内格付に応じた予想倒産率や倒産時の損失率、デフォルト時のエクスポージャーを勘案し、最大損失額の計測を実施しておりますが、経済的状況や事業環境、国際的・地政学的な環境の急激な変化により、取引先の不測の倒産・民事再生手続等が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 事業投資リスク当社グループは、既存事業の強化や事業領域の拡大等を図るための事業投資を行っております。これらの投資に際しては、投資等審査委員会において検討を行う等、投資内容や投資金額に応じた所定の手続きを経て実行の是非を決定しております。投資実行後は計画の進捗状況等について定期的に一括して分析を行うと共に、分析の結果、特に注意を要すると考えられる投資先については集中的なモニタリングを実施しておりますが、投資先の企業価値の低下や所期の投資採算が確保できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、開発型案件や資源分野等については、需給バランス、市況、生産コスト等の変動が大きく、当該投資から得られる収益のボラティリティは他の投資に比べると高い傾向があります。 ⑨ 資金調達リスク当社グループは、営業取引及び投融資活動において、金融機関からの借入及び社債等資本市場からの資金調達を行っております。資金調達に当たっては、資金需要見通しに基づき、手元流動性の確保に努めておりますが、国内外の金融市場の混乱や金融規制の変更、当社グループへの信用格付の引き下げ又は金融機関の融資方針の変更など調達環境に大きな変化が生じた場合、資金需要の急激な増加が発生した場合、一部の借入契約に付されている財務制限条項に抵触した場合などには、資金調達の制約や調達コストの増加などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。財務制限条項の詳細については、「第2 [事業の状況] 5 [重要な契約等](借入契約における財務制限条項)」をご参照ください。 ⑩ 法的規制等に関するリスク当社グループは、事業を展開する各国において、事業・投資の許認可、国家安全保障又はその他の理由による輸出入及び販売制限、関税をはじめとするその他の貿易取引規制等、様々な政府規制の適用を受けております。また、通商、独占禁止、特許、租税、為替管理、食品の安全規制、環境・リサイクル関連等の法規制の適用も受けております。特に貿易関連の法的規制については専門部署を設置し、体制を強化しておりますが、これらの規制により、当社グループの活動が制限される可能性があるだけでなく、規制への対応がコストの増加につながる可能性もあります。従いまして、これらの規制は当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑪ コンプライアンスリスク当社グループは、国内、海外において多岐にわたる分野で事業活動を行っており、その遂行において、それぞれの国・地域の会社法、税法、独占禁止法、金融商品取引法、贈収賄防止規制、安全保障貿易管理、各国の輸出管理規制、各種経済制裁等への遵守をはじめとする様々な法令、公的規制、社会規範規程の遵守を求められております。万一、当社グループの役職員によりこれらの法令、公的規制、社会規範規程に違反する事象が発生した場合、罰金・課徴金、事業活動の制限(輸出許可取消等)、取引先からの取引停止、損害賠償等の関連する費用の発生、社会的信用の失墜等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑫ 税務に関するリスク当社グループは、アジア市場や米・欧州等の市場において積極的な事業展開を行っており、日本及び諸外国において納税義務を負っております。そのため、将来的に、各国税務当局による課税が強化され、企業活動にとって不利な税制度への変更が行われた場合には、当社グループが納付すべき税額が増加する可能性があります。 ⑬ 気候変動に関するリスク当社グループでは、 TCFD提言に基づくシナリオ分析を通じて、気候変動に関するリスクの識別・評価を行っております。当社グループは、鉄鋼製品、非鉄金属、化石燃料由来の商材等、温室効果ガス(GHG)排出強度の高い商品を主要に取扱っており、気候変動に関する規制の強化(カーボンプライシング、炭素国境調整措置等)、カーボンニュートラル社会への移行に伴う市場環境の変化、自然災害の激甚化等のリスクに晒されております。これらのリスクが顕在化した場合、商品需要構造の変化、調達・物流コストの上昇、保有資産の評価減等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、GHG排出量の削減目標(2030年度国内Scope1+2:2021年度比34%削減、2050年度:カーボンニュートラルの実現)を設定のうえ、Scope1,2排出量の削減に取り組むとともに、脱炭素に資する商材の取扱い拡大等により対応しております。 ⑭ 人的資本に関するリスク当社グループの事業継続と成長は、専門性を有する人材の確保・育成・処遇が重要な要素(基盤)となっています。労働市場の構造的な人手不足、世代交代に伴うノウハウ承継の困難、海外拠点における採用と定着の難しさ、ダイバーシティ&インクルージョンへの対応の遅れ等のリスクに晒されております。人材の確保・育成・定着が円滑に進まない場合、専門性の喪失、事業競争力の低下、海外事業展開の遅延等を通じて、当社グループの経営成績及び中長期的な成長に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、Hanwa Business School (HKBS)を中核とするProfessional & Global人材の計画的な育成、健康経営の推進、ダイバーシティ推進等を継続実施しております。 ⑮ 情報システム及び情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業遂行のため基幹システム及び各種業務システムを多数運用しており、サイバー攻撃(標的型攻撃、ランサムウェア、サプライチェーン攻撃を含む)、システム障害、人為的ミス、自然災害等のリスクが存在します。これらのリスクが顕在化し、システムの長時間停止、機密情報・個人情報の漏洩、業務継続性の毀損が生じた場合、業務の中断、損害賠償請求、社会的信用の失墜等を通じて、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑯ 品質に関するリスク当社グループは、鉄鋼製品、金属原料、非鉄金属、食品等の商品を取扱っており、当社グループが提供する製品やサービスの品質については、製造者や委託加工先と共同で適切な検査体制の下に提供しているほか、品質安全環境管理部が所管する品質管理規程に基づいた、適切な仕入先の選定や品質基準の維持がなされておりますが、製品やサービスに欠陥があり、製造物責任賠償やリコール等が発生した場合には、多額の費用負担が発生することや、当社グループの社会的信用や企業イメージの低下を招くなど、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 ⑰ 自然災害等に関するリスク当社グループは、地震等の自然災害やインフルエンザ等の感染症の発生に備えて、危機管理マニュアルや事業継続計画の整備、安否確認システムの導入、防災訓練などの対策を実施しております。しかしながら当社グループの事業所や社員の活動は広範囲に及んでおり、自然災害等が発生した際にはその損害を完全に回避できるものではありません。想定を超える損害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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