8089

ナイス(8089)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 建築資材事業
    木材、建材、住宅設備機器の調達、販売、製造、加工、施工を一貫して行っています。国内外から木材を調達し、木材製品や建材、住宅設備機器などを販売しており、これがグループ全体の収益の大きな柱となっています。ナイスプレカット株式会社などが主要な役割を担っています。
  • 住宅事業
    新築マンションや一戸建住宅の販売、中古マンションの買取再販、注文住宅の建築請負、さらにはマンションなどの総合管理や賃貸仲介・管理まで幅広く手掛けています。リナイス株式会社や菊池建設株式会社などがこの事業を推進し、多様な住まいに関するニーズに応えています。
  • その他事業
    ソフトウェアの開発・販売や一般放送事業など、多角的な事業を展開しています。ナイスコンピュータシステム株式会社やYOUテレビ株式会社がこれらの事業を担い、グループ全体の事業領域を広げ、安定した収益基盤の構築に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建築資材事業
    この事業は、木材、建材、住宅設備機器の販売、製造、加工、施工を主な内容としています。最新年度の売上高は約1,830.82億円、営業利益は約22.57億円と、グループ全体の売上の大部分を占める主力事業であり、収益の基盤となっています。
  • 住宅事業
    新築マンション・一戸建住宅の販売、中古マンションの買取再販、注文住宅の建築請負、マンション等の総合管理や賃貸仲介・管理を行っています。最新年度の売上高は約507.96億円、営業利益は約35.82億円であり、建築資材事業に次ぐ規模で、高い収益性を誇っています。
  • その他事業
    ソフトウェアの開発・販売や一般放送事業など、多角的な事業を展開しています。具体的な売上高や営業利益の記載はありませんが、グループ全体の事業領域を広げ、多様な収益源を確保することで、安定した経営に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ConstructionMaterials 事業 1,831 23 1.2%
Housing 地域 508 36 7.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|604 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社33社及び関連会社6社で構成されております。当社グループの営む主な事業内容、当該事業に係る位置付けは以下のとおりであります。以下の事業区分と「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分は同一であります。(1) 建築資材①木材木材の調達、木材製品等の販売、製造及び加工を行っています。(主要会社)当社及びナイスプレカット株式会社②建材・住宅設備機器建材・住宅設備機器等の販売、製造及び施工を行っています。(主要会社)当社、株式会社セレックス、株式会社アルボレックス、株式会社三友及び伊予木材株式会社③木材市場当社は木材市場の経営を行っています。 (2) 住宅①マンション新築マンションの販売及び中古マンションの買取再販事業を行っています。(主要会社)当社及びリナイス株式会社②一戸建住宅新築一戸建住宅の販売及び注文住宅の建築請負を行っています。(主要会社)当社及び菊池建設株式会社③管理その他マンション等の総合管理、マンション等の賃貸の仲介及び管理を行っています。(主要会社)ナイスコミュニティー株式会社及びナイスアセット株式会社 (3) その他ソフトウェアの開発及び販売、一般放送事業等を行っています。(主要会社)ナイスコンピュータシステム株式会社、YOUテレビ株式会社 事業の系統図は以下のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
木材、建材・住宅設備機器等の調達価格の変動が業績に影響を及ぼす可能性があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
宅地建物取引業法、建設業法、建築士法などの法令に基づく許認可が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:住宅・不動産市場の動向に関するリスク / 木材、建材・住宅設備機器等の調達及び価格変動に関するリスク / 法令違反等に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ナイス(8089)は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという公開情報は見当たらない。卸売業という業態上、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

住宅建材・設備等の卸売において、長年の取引実績や信頼関係に基づく顧客との関係性は存在する可能性がある。しかし、顧客が他の卸売業者へ乗り換える際の直接的な金銭的・時間的コストは比較的低いと推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ナイス(8089)の事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は観察されない。卸売業は基本的にBtoB取引であり、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた調達力や物流効率化により、一定のコスト優位性を築いている可能性はある。しかし、業界全体で価格競争が激しい場合、構造的なコスト優位性は限定的となる。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

住宅建材・設備等の卸売業界において、ナイス(8089)は一定の市場シェアを有しており、規模の経済による効率的な事業運営が可能である。大手プレイヤーとして、仕入れや物流面での優位性が考えられる。

  • 多様な事業展開
    建築資材から住宅の販売・管理、さらにはソフトウェア開発まで多岐にわたる事業を展開しており、住宅市場の変動リスクを分散しています。これにより、特定の市場に依存することなく、安定した収益を確保できる可能性があります。
  • 全国物流ネットワーク
    全国に配置された物流拠点を活用し、木材や建材、住宅設備機器などを安定的に調達・供給できる体制を構築しています。これにより、調達価格の変動リスクを軽減し、顧客への安定供給を実現することで、競争優位性を確立しています。
  • 国産材の活用推進
    環境貢献度の高い国産材の利用を強化し、非住宅木造建築への進出や製材機能の強化を進めています。これは、脱炭素化の流れに沿った取り組みであり、持続可能な社会への貢献とともに、新たな市場開拓とブランドイメージ向上に繋がる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 中期経営計画の更新
    2030年3月期を最終年度とする「中期経営計画 Road to 2030」を策定し、売上高3,000億円、営業利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円を目指しています。これは、外部環境の変化に対応し、より力強く目標達成を推進するための計画です。
  • 事業ポートフォリオ変革
    新築住宅市場の縮小に対応するため、事業領域を既存住宅流通市場や非住宅市場、さらには暮らし領域へと拡大する方針です。環境貢献度の高い木材活用や国産材強化、住宅ストックビジネスの拡大を通じて、収益基盤の安定化を図ります。
  • 株主還元と優待制度
    中長期的な持続的成長を通じた累進配当を導入し、2030年3月期まで毎期7円増配する計画です。また、株主優待制度を導入し、投資魅力を高め、より多くの株主が長期的に株式を保有することを促すことで、企業価値向上を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社は、当社グループのビジョン、企業理念、経営方針及び行動指針を以下のとおり定めています。ビジョンは当社グループが目指す姿であり、企業理念は全ての活動の礎です。企業理念を具現化するために、「誠実」「成長と進化」「社会課題の解決」を経営方針として定めています。これらの理念体系のもと、経済価値、社会価値、環境価値の向上を図ってまいります。(2) 経営方針① 誠実当社グループの基本的な姿勢であり、行動指針や行動倫理規範を通じて社員一人ひとりの行動として体現されます。② 成長と進化当社グループの経営戦略であり、持続的な企業価値向上に向けた具体的な戦略として、中期経営計画に反映させています。③ 社会課題の解決当社グループの社会的存在意義であり、事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献していきます。 (3) 経営環境及び対処すべき課題国内経済につきましては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などを背景に、引き続き緩やかな回復基調で推移することが期待されます。しかしながら、物価上昇の継続に伴う実質賃金の低下が個人消費に及ぼす影響や、地政学的リスクの増大、海外経済の不確実性など、先行きは依然として不透明な状況にあります。住宅関連業界におきましては、新築市場において、建築基準法および建築物省エネ法の改正に伴う反動減による落ち込みからの回復が見込まれるものの、人口減少に伴う中長期的な新設住宅着工戸数の減少トレンドは継続しております。加えて、住宅価格の高騰や金利上昇懸念もあり、予断を許さない状況が続くものと予想されます。このような環境下において、当社グループは、「中期経営計画 Road to 2030」(計画期間は2026年3月期から2030年3月期)に基づき、木材流通の川上から川下までを支えてきた強固な事業基盤を活かし、住まいのみならず「暮らし」領域において価値を提供する事業体への進化を目指しております。具体的には、新築市場の縮小に対応すべく、既存住宅流通、非住宅、そして「暮らし」領域へと事業ポートフォリオの最適化を推進しております。建築資材事業におきましては、エコマテリアルである国産木材の供給体制を拡充させるとともに、非住宅・非建築分野への用途拡大など、木材の新たな価値創出に取り組んでおります。住宅事業におきましては、中古マンション買取再販事業のさらなる拡大に加え、一棟収益不動産事業や賃貸管理事業の拡大、非住宅木造建築の受注拡大など、周辺収益事業群および新たな成長領域へのシフトを着実に進めております。これら成長ドライバーとなる各施策を確実に実行し、環境変化に即した事業構造へと柔軟に転換を図ることで、持続的な成長と企業価値の向上に邁進してまいります。 (4) 中期経営計画 Road to 2030① 経営戦略中長期的な事業ポートフォリオの方向性収益基盤である既存のコア事業の深化と、成長性が見込まれるコア事業の周辺事業への投資、更には将来的な成長基盤の創造を見据えた投資を行ってまいります。 ② 当社グループの競争優位性外部環境の変化を踏まえて、「安定的な供給体制と豊富な顧客基盤」「専門性の高い人材とイノベーション力」「木材活用による脱炭素社会への貢献」の三つの強みをベースに事業の競争優位性を発揮してまいります。 ③ 課題認識に基づく成長ドライバー現状の課題認識やナイスグループの競争優位性に基づき、次に掲げる成長ドライバーで取り組みの更なる推進を図ります。 ④ キャッシュ・アロケーション「Road to 2030」の期間におけるキャッシュ・フロー及び資金調達を原資とし、株主還元に50億円以上、新規事業投資に145億円以上、既存事業の成長投資に120億円以上を充ててまいります。 ⑤ 定量目標 計画直前期計画期間2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期予想2028年3月期計画2030年3月期計画売上高2,430億円2,591億円2,700億円2,800億円3,000億円営業利益46億円53億円57億円65億円75億円親会社株主に帰属する当期純利益28億円25億円32億円35億円45億円ROE5.3%4.5%5.3%6.0%超EBITDA ※66億円79億円83億円90億円100億円EBITDA(累積)―79億円162億円252億円420億円ROA1.7%1.5%1.8%2.0%以上 「Road to 2030」の最終年度である2030年3月期は、売上高3,000億円、営業利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円を定量目標としております。また、主要な財務指標として、計画期間中の投資活動を踏まえ、減価償却費及びのれん償却額を営業利益に加算して本業の収益力を示すEBITDA、資産の効率性を示すROAを設定しております。※ EBITDA:営業利益+減価償却費+のれん償却額なお、上記定量目標は、中期経営計画策定時において当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 ⑥ 株主還元 2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期予想2028年3月期計画2029年3月期計画2030年3月期計画1株当たり配当額65円※1 72円79円86円93円100円配当金の総額 ※2771百万円872百万円967百万円1,052百万円1,138百万円1,224百万円 ※1 2026年3月期の剰余金の配当72円のうち、期末配当44円については、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)であります。※2 2027年3月期以降は、2026年3月期末発行済株式数(自己株式控除後(株式給付信託により信託が保有する自己株式を除く))により算出しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社は、当社グループのビジョン、企業理念、経営方針及び行動指針を以下のとおり定めています。ビジョンは当社グループが目指す姿であり、企業理念は全ての活動の礎です。企業理念を具現化するために、「誠実」「成長と進化」「社会課題の解決」を経営方針として定めています。これらの理念体系のもと、経済価値、社会価値、環境価値の向上を図ってまいります。(2) 経営方針① 誠実当社グループの基本的な姿勢であり、行動指針や行動倫理規範を通じて社員一人ひとりの行動として体現されます。② 成長と進化当社グループの経営戦略であり、持続的な企業価値向上に向けた具体的な戦略として、中期経営計画に反映させています。③ 社会課題の解決当社グループの社会的存在意義であり、事業活動を通じて、社会課題の解決に貢献していきます。 (3) 経営環境及び対処すべき課題国内経済につきましては、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などを背景に、引き続き緩やかな回復基調で推移することが期待されます。しかしながら、物価上昇の継続に伴う実質賃金の低下が個人消費に及ぼす影響や、地政学的リスクの増大、海外経済の不確実性など、先行きは依然として不透明な状況にあります。住宅関連業界におきましては、新築市場において、建築基準法および建築物省エネ法の改正に伴う反動減による落ち込みからの回復が見込まれるものの、人口減少に伴う中長期的な新設住宅着工戸数の減少トレンドは継続しております。加えて、住宅価格の高騰や金利上昇懸念もあり、予断を許さない状況が続くものと予想されます。このような環境下において、当社グループは、「中期経営計画 Road to 2030」(計画期間は2026年3月期から2030年3月期)に基づき、木材流通の川上から川下までを支えてきた強固な事業基盤を活かし、住まいのみならず「暮らし」領域において価値を提供する事業体への進化を目指しております。具体的には、新築市場の縮小に対応すべく、既存住宅流通、非住宅、そして「暮らし」領域へと事業ポートフォリオの最適化を推進しております。建築資材事業におきましては、エコマテリアルである国産木材の供給体制を拡充させるとともに、非住宅・非建築分野への用途拡大など、木材の新たな価値創出に取り組んでおります。住宅事業におきましては、中古マンション買取再販事業のさらなる拡大に加え、一棟収益不動産事業や賃貸管理事業の拡大、非住宅木造建築の受注拡大など、周辺収益事業群および新たな成長領域へのシフトを着実に進めております。これら成長ドライバーとなる各施策を確実に実行し、環境変化に即した事業構造へと柔軟に転換を図ることで、持続的な成長と企業価値の向上に邁進してまいります。 (4) 中期経営計画 Road to 2030① 経営戦略中長期的な事業ポートフォリオの方向性収益基盤である既存のコア事業の深化と、成長性が見込まれるコア事業の周辺事業への投資、更には将来的な成長基盤の創造を見据えた投資を行ってまいります。 ② 当社グループの競争優位性外部環境の変化を踏まえて、「安定的な供給体制と豊富な顧客基盤」「専門性の高い人材とイノベーション力」「木材活用による脱炭素社会への貢献」の三つの強みをベースに事業の競争優位性を発揮してまいります。 ③ 課題認識に基づく成長ドライバー現状の課題認識やナイスグループの競争優位性に基づき、次に掲げる成長ドライバーで取り組みの更なる推進を図ります。 ④ キャッシュ・アロケーション「Road to 2030」の期間におけるキャッシュ・フロー及び資金調達を原資とし、株主還元に50億円以上、新規事業投資に145億円以上、既存事業の成長投資に120億円以上を充ててまいります。 ⑤ 定量目標 計画直前期計画期間2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期予想2028年3月期計画2030年3月期計画売上高2,430億円2,591億円2,700億円2,800億円3,000億円営業利益46億円53億円57億円65億円75億円親会社株主に帰属する当期純利益28億円25億円32億円35億円45億円ROE5.3%4.5%5.3%6.0%超EBITDA ※66億円79億円83億円90億円100億円EBITDA(累積)―79億円162億円252億円420億円ROA1.7%1.5%1.8%2.0%以上 「Road to 2030」の最終年度である2030年3月期は、売上高3,000億円、営業利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円を定量目標としております。また、主要な財務指標として、計画期間中の投資活動を踏まえ、減価償却費及びのれん償却額を営業利益に加算して本業の収益力を示すEBITDA、資産の効率性を示すROAを設定しております。※ EBITDA:営業利益+減価償却費+のれん償却額なお、上記定量目標は、中期経営計画策定時において当社が入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、その達成を当社として約束する趣旨のものではありません。また、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。 ⑥ 株主還元 2025年3月期実績2026年3月期実績2027年3月期予想2028年3月期計画2029年3月期計画2030年3月期計画1株当たり配当額65円※1 72円79円86円93円100円配当金の総額 ※2771百万円872百万円967百万円1,052百万円1,138百万円1,224百万円 ※1 2026年3月期の剰余金の配当72円のうち、期末配当44円については、2026年6月26日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)であります。※2 2027年3月期以降は、2026年3月期末発行済株式数(自己株式控除後(株式給付信託により信託が保有する自己株式を除く))により算出しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は以下のとおりであります。① 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の拡大などを背景に、緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の継続に伴う実質賃金の低下が個人消費に及ぼす影響や、地政学的リスクの増大、海外経済の不確実性など、先行きは不透明な状況となりました。住宅関連業界におきましては、新築市場において、建築基準法及び建築物省エネ法の改正に伴う駆け込み需要の反動に加え、資材価格や労務費など建築コストの押し上げによる住宅価格の高騰や、住宅ローン金利の上昇懸念から、消費者の住宅取得マインドに影響を及ぼしました。2025年度の新設住宅着工戸数は前年度比で12.9%減少の71万1千戸となり、リーマン・ショックの影響を受けた2009年度以来となる70万戸台にとどまりました。このような状況の中、当連結会計年度の売上高は2,591億54百万円(前連結会計年度比6.6%増加)、営業利益は53億22百万円(前連結会計年度比15.0%増加)、経常利益は51億62百万円(前連結会計年度比19.9%増加)となりました。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、補助金収入等の特別利益が減少したこと等により、前連結会計年度比で9.9%減少し、25億86百万円となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。なお、各セグメントの売上高は、外部顧客への売上高であります。また、各セグメントの営業利益はセグメント利益であります。a 建築資材事業木材につきましては、「中期経営計画 Road to 2030」の成長ドライバーである「国産木材の供給」の拡大に注力いたしました。主な取り組みとして、当連結会計年度の4月にはウッドファースト株式会社の敷地内にて新工場が稼働し、生産能力の拡大を図りました。また、同9月には木材の利用促進と住宅・非住宅木造建築の普及に資する総合展示会「木と暮らしの博覧会®」を開催し、森林資源の循環利用と当社グループの木材サプライチェーンにおける取り組みを広く発信いたしました。同1月には株式会社山大と業務提携契約を締結し、国産木材の供給体制およびプレカット加工能力の増強を図りました。国産木材については、売上高および取り扱い材積がともに伸長した一方、輸入木材については、為替や輸送費の変動等の影響を受け、軟調に推移いたしました。建材・住宅設備機器につきましては、法改正に伴い工務店のZEH化の動きが加速するなか、サッシ等の商材の拡充をはじめ、エネルギー関連商品の提案営業に努めました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は1,935億32百万円(前連結会計年度比5.7%増加)と増加したものの、工場設備の減価償却費や支払運賃の増加等の影響により、営業利益は17億47百万円(前連結会計年度比22.6%減少)となりました。 b 住宅事業マンションにつきましては、成長ドライバーである「中古マンション買取再販」の拡大を加速するべく、仕入れ体制の強化に加え、木質化リノベーションブランド「RIZ WООD®(ライズウッド)」の展開等に注力いたしました。その結果、中古買取再販マンションの契約戸数および計上戸数ともに増加いたしました。新築分譲マンションにおきましても、免震構造または耐震等級2の「強耐震」構造の採用や、快適な住環境とエネルギー削減を両立する「ZEH-M Oriented(ゼッチ・マンション・オリエンテッド)」の標準化に加え、共用部の木質化に積極的に取り組み、販売は堅調に推移いたしました。一戸建住宅につきましては、分譲住宅の構造材に「国産材100%」を標準採用しており、当社の主力エリアにおける販売が堅調に推移いたしました。また、管理その他につきましては、賃貸管理事業が堅調に推移したほか、一棟収益不動産の売上計上が業績に寄与いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は549億31百万円(前連結会計年度比8.1%増加)、営業利益は38億92百万円(前連結会計年度比8.7%増加)となりました。 c その他の事業その他の事業につきましては、建築工事事業が伸長し、増収増益となったほか、ソフトウェア開発事業及びシステム提供事業を行うナイスコンピュータシステム株式会社や、一般放送事業(有線テレビ放送事業)や電気通信事業等を行うYOUテレビ株式会社の業績が堅調に推移いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は106億90百万円(前連結会計年度比16.5%増加)、営業利益は13億52百万円(前連結会計年度比119.0%増加)となりました。 ② 財政状態の状況当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ24億34百万円増加し、1,734億71百万円となりました。これは、棚卸資産及び投資有価証券が増加し、現金及び預金、有価証券及び流動資産の「その他」が減少したことなどによるものです。負債は、前連結会計年度末に比べ10億64百万円減少し、1,083億11百万円となりました。これは、仕入債務及び流動負債の「その他」が減少し、借入金及び繰延税金負債が増加したことなどによるものです。純資産は、前連結会計年度末に比べ34億98百万円増加し、651億59百万円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上、剰余金の配当及びその他有価証券評価差額金の増加などによるものです。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、前連結会計年度末に比べ72億97百万円減少し、217億80百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金は32億2百万円の減少(前連結会計年度は49億31百万円の減少)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益45億19百万円、減価償却費21億82百万円、棚卸資産の増加78億68百万円及び仕入債務の減少26億99百万円です。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金は45億76百万円の減少(前連結会計年度は75億22百万円の減少)となりました。主な内訳は、有形固定資産の取得による支出36億93百万円です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金は3億70百万円の増加(前連結会計年度は45百万円の増加)となりました。主な内訳は、借入金の純増加額20億87百万円、自己株式の取得による支出6億55百万円及び配当金の支払額8億8百万円です。 ④ 仕入及び販売の状況a 仕入実績当連結会計年度における仕入実績等をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (ⅰ)建築資材 部門金額(百万円)前期比(%)建築資材173,938105.5合計173,938105.5 (ⅱ)住宅販売用不動産の受払状況 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)区分期首残高(百万円)当期増加額(百万円)当期減少額(百万円)期末残高(百万円)期首残高(百万円)当期増加額(百万円)当期減少額(百万円)期末残高(百万円)マンション11,41320,57214,89417,09117,09123,833(4)20,11620,808一戸建住宅3,4257,744(42)6,6544,5154,5158,1377,3015,351その他429605(605)271,0081,0085,691(637)2,057(428)4,642合計15,26828,92221,57622,61522,61537,66329,47630,802 (注) ( )は内数で、保有目的の変更による有形固定資産との振替額であります。当連結会計年度のマンションの当期減少額7,301百万円及びその他の当期増加額5,691百万円のうち、2,841百万円は保有区分の見直しによる振替額であります。 (ⅲ)その他事業の内容が多岐にわたるため、記載を省略しております。 b 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称部門金額(百万円)前期比(%)建築資材木材53,24396.2建材・住設機器140,036109.9木材市場25294.9計193,532105.7住宅マンション21,040113.9一戸建住宅13,029103.1管理その他20,861106.0計54,931108.1報告セグメント計248,463106.2その他10,690116.5合計259,154106.6 (注) 外部顧客への売上高であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 経営成績当連結会計年度における売上高は2,591億54百万円(前連結会計年度比6.6%増加)となりました。建築資材事業ではM&Aにより強化したエネルギー関連商品の販売で建材・住宅設備機器部門の売上高が伸長し、住宅事業では中古マンションの買取再販の拡大によりマンション部門の売上高が増加しました。利益面では、売上総利益は売上高の増加に伴い362億22百万円(前連結会計年度比4.4%増加)、営業利益は販売費及び一般管理費の増加を吸収して53億22百万円(前連結会計年度比15.0%増加)、経常利益は51億62百万円(前連結会計年度比19.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に特別利益を11億12百万円計上したこと等により、25億86百万円(前連結会計年度比9.9%減少)となりました。連結売上高、連結営業利益等をセグメントごとに示すと次のとおりであります。 売上高 (単位:百万円)セグメント前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前期増減率(%)建築資材183,082193,5325.7住宅50,79654,9318.1その他9,17410,69016.5合計243,054259,1546.6 (注) 外部顧客への売上高であります。 営業利益 (単位:百万円)セグメント前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)対前期増減率(%)建築資材2,2571,747△22.6住宅3,5823,8928.7その他6171,352119.0消去又は全社△1,829△1,669-合計4,6285,32215.0 総資産 (単位:百万円)セグメント前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)増減建築資材95,72496,041316住宅37,60046,0828,481その他11,20810,650△558消去又は全社26,50320,697△5,805合計171,037173,4712,434 (参考)財務指標(%) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高総利益率14.314.0売上高営業利益率1.92.1売上高経常利益率1.82.0総資産経常利益率2.63.0自己資本利益率5.34.5自己資本比率32.934.3 ② 財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析は「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」及び「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 ③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループは現在、必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金のほか、借入金、社債及び増資等により調達することとしております。今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。来年度以降の住宅事業における販売用不動産の取得に係る機動的かつ安定的な資金調達手段の確保を目的として、2026年3月31日までに主要取引金融機関との間で、総額145億円のコミットメントライン契約を締結しております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2026年3月期を初年度とする5か年計画「中期経営計画 Road to 2030」を策定しております。本計画の最終年度である2030年3月期の定量目標は、売上高3,000億円、営業利益75億円、親会社株主に帰属する当期純利益45億円、財務指標はEBITDA100億円、ROE6.0%超、ROA2.0%以上であります。また、株主還元として計画期間中は毎期7円ずつ増配し、2030年3月期の1株当たり配当金は100円としております。 なお、「中期経営計画 Road to 2030」の内容については「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4) 中期経営計画 Road to 2030」に記載しております。計画初年度である2026年3月期の予想値と実績を対比すると、以下のとおりです。 (単位:百万円) 予想値実績対予想値増減売上高260,000259,154△845営業利益4,8005,322522経常利益4,4005,162762親会社株主に帰属する当期純利益3,0002,586△413ROE5.3%4.5%△0.8%EBITDA7,0007,956956ROA1.8%1.5%△0.3%

事業リスク

  • 住宅市場の変動
    国内経済の悪化や住宅・不動産市場の需要後退、市場構造の変化は、グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。新設住宅着工戸数の減少が続く中、収益基盤の安定化に向けた取り組みが重要となります。
  • 調達と価格変動
    木材や建材、住宅設備機器の調達は国内外に依存しており、自然災害や社会不安、市況の急激な変動により、調達困難や価格高騰が発生するリスクがあります。これにより、製品供給の遅延やコスト増大が業績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 法令違反と信頼失墜
    宅地建物取引業法や建設業法などの法令違反、不正行為、労働災害が発生した場合、多額の費用発生や行政処分、社会的信用の失墜、損害賠償請求などにより、業績や財務状況に深刻な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,052 文字
3 【事業等のリスク】(1) リスクマネジメントの考え方当社は、当社グループ全体の企業価値を持続的に向上させるため、事業活動に関連する内外の様々なリスクを適切に管理するための体制を構築しています。また、事業活動に重大な影響を及ぼすリスクが顕在化した際の損失を低減させるための活動を行います。 (2) リスクマネジメントの体制当社グループは、スリーラインモデルの考え方に基づくリスクマネジメント体制を構築しており、リスク管理に関する取組は、取締役会が監督するサステナビリティ委員会が統括しております。第一ラインとして、当社の各拠点及びグループ各社ごとに任命したリスクマネジメントリーダーが事業にかかる現場部門でのリスクを管理しています。第二ラインとして、コンプライアンス・リスク管理部会がリスクマネジメントリーダーから集約した現場部門でのリスクを評価・把握するとともに、マテリアリティ部会及び2025年6月に新設した人的資本部会が中長期的な全社レベルのリスクや人的リスクを特定し、これらの専門部会の連携により必要な対策をサステナビリティ委員会に報告することとしております。また、第三ラインとして、内部監査室が第一ラインと第二ラインから独立した立場で、リスク管理体制・状況を監査しております。リスクマネジメント体制の概略 視点名称役割等主な所管部署現場部門リスクマネジメントリーダー・各拠点・グループ会社ごとに任命。各現場におけるリスクの把握、評価、対応策の実施各部門安全衛生管理者・各拠点・グループ会社ごとに任命。各現場における労働安全衛生にかかわるリスクの発見、報告・対策の実施各部門コンプライアンス・リスク管理部会・各リスクマネジメントリーダーから報告されたリスクの集約、評価、把握及び対応計画の作成と進捗管理・各リスクマネジメントリーダーの指導・教育総務部・法務部資材・住宅事業本部ナイスコミュニティーYOUテレビナイスグループ中央安全衛生委員会・物流・製造・施工管理等の分野における労働安全衛生リスクの集約、評価、把握及び対応計画の作成と進捗管理・各安全衛生管理者の指導・教育総務部・人事部建築工事・物流部門等管理部門マテリアリティ部会・外部環境や各種モニタリング指標の分析等を通じた中長期的な全社レベルのリスクの特定及び対応計画の作成と進捗管理経営企画部・経理部DX推進部サステナブル推進部等人的資本部会・採用、労務、評価、ハラスメント等の人事領域におけるリスクの集約、評価、把握及び対応計画の作成と進捗管理人事部資材・住宅事業本部ナイスコミュニティー (3) 主要なリスク有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に及ぼす影響については、具体的な内容を見積もることが困難であるため、記載しておりません。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 住宅・不動産市場の動向に関するリスク当社グループの事業は、国内の経済状況及び住宅・不動産市場の動向に大きく依存しています。そのため、何らかの要因により国内経済が悪化し、需要の後退が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また、人口減少や少子高齢化に伴う新設住宅着工戸数の減少といった市場構造の変化はすでに現れはじめており、今後さらにこの傾向が急激に深刻化した場合には、当社グループの業績に中長期的な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、「中期経営計画 Road to 2030」に基づき、国産木材の供給体制の強化やストックビジネス、非住宅分野の拡充を通じて、新築住宅マーケットに過度に依存しない事業領域の拡大と事業ポートフォリオの最適化を推進し、リスクの軽減に努めてまいります。 ② 木材、建材・住宅設備機器等の調達及び価格変動に関するリスク当社グループは、木材を国内外から調達しているほか、建材や住宅設備機器についても、一部の仕入先メーカーが海外拠点において部品の調達や製品の生産を行っています。そのため、国内外における自然災害や社会不安(戦争、感染症の流行、地政学的リスクなど)により、調達が困難となる可能性があります。また、取扱商品の市況や需給の急激な変動により、調達価格が大きく変動した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。昨今では、不安定な中東情勢の影響により、断熱材や配管材等の原料となるナフサ等の供給不安や価格高騰、物流の停滞等が生じており、一部の製品において納期遅延等の影響が見受けられ、これらの事象は足下で顕在化しているほか、今後も短期的・中期的に断続的な影響が生じる可能性があります。今後、これらがさらに長期化・深刻化した場合には、調達価格の更なる上昇や供給制限、物流の停滞を通じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、国内外の調達ネットワークを活用し、商品を複数の産地・メーカーから調達するとともに、全国の物流拠点のストック機能を活かすことで、供給体制の安定確保に努めています。また、行政機関、仕入先と緊密に連携し、市況や需給の変動に関する的確な情報をタイムリーに発信することで、取引先における混乱の回避や影響の最小化を図るなど、サプライチェーンにおける当社の役割を果たすよう取り組んでおります。 ③ 法令違反等に関するリスク当社グループは、宅地建物取引業法、建設業法、建築士法のほか、「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(物流効率化法)」や「特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(フリーランス・事業者間取引適正化等法)」をはじめとする、事業遂行に関わる各種法令・条例を遵守し、事業活動を行っております。しかしながら、当社グループ及び外部協力事業者において、重大な法令違反や不正行為、労働災害などが発生した場合には、損害賠償金の支払いや是正措置に多額の費用が発生するほか、業務停止等の行政処分を受ける可能性があります。これにより、当社グループの社会的信用やブランドイメージが損なわれ、顧客離れや取引停止、訴訟への対応を余儀なくされるなど、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、「ナイスグループ行動倫理規範」等を定め、役職員に対して周知・徹底を図るとともに、継続的なコンプライアンス研修や内部通報制度の適切な運用を通じて、コンプライアンス意識の醸成に努めております。また、取締役会直属のサステナビリティ委員会の下に設置された「コンプライアンス・リスク管理部会」では、コンプライアンス関連事案の情報共有・分析、発生防止策や対応策の検討・指導・監督等を行っております。さらに、法定の安全委員会・衛生委員会とは別に、安全衛生活動をより強化する目的で、物流・製造・施工管理に関わる各部署及びグループ会社が連携し、「ナイスグループ中央安全衛生委員会」を3カ月ごとに開催しています。同委員会では、労働災害の予防に向けた定期点検、発生事案の検証、再発防止策の推進等を行っています。加えて、専門分野の異なる複数の法律事務所と顧問契約を締結し、事案の内容に応じた的確な法的助言を受けられる体制を整備することで、迅速かつ適切な対応を可能としています。 ④ 人材に関するリスク当社グループの持続的成長及び企業価値向上のためには、専門性の高い人材の確保及び継続的な育成が不可欠です。そのため、必要な人材の確保や従業員の育成が十分に進まない場合、重要なポジションを担う人材が予期せず流出した場合、または職場環境の整備が不十分であることにより従業員のモチベーションが著しく低下した場合には、当社グループの経営成績や事業継続に深刻な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、「中期経営計画 Road to 2030」に基づき、「タレントマネジメントの実践」「人材ケイパビリティ向上」「従業員エンゲージメントの向上」を重要施策として推進しております。なお、これらに関する具体的な方針、取組内容及び関連する指標(人材育成方針、社内環境整備方針など)の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 重要なサステナビリティ項目 ②人的資本への対応」に記載のとおりであります。 ⑤ 建設技能者の減少に関するリスク建設業界においては、建設技能労働者の高齢化や若手入職者の減少が継続していることに加え、時間外労働の上限規制の適用に伴う労働環境の変化も相まって、将来にわたる施工能力の安定的な確保が重要な課題となっております。今後、当社グループ及び施工協力会社において、必要な技能者の確保が十分に図れない場合、工期の遅延や労務費の高騰を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、施工プロセスの合理化やデジタルツールの活用推進等により、現場の省力化と生産性向上を図っております。また、適正な賃金水準の維持等といった処遇改善を通じて技能者の定着と確保に努めるとともに、施工パートナーとの長期的・安定的な協力体制をより一層深化させております。これらの対策を多角的に講じることで、供給体制の維持と施工品質の確保を両立し、人的資源の制約に伴うリスクの軽減に注力してまいります。 ⑥ 自然災害等に伴う事業継続に関するリスク大規模な地震や風水害などの自然災害により、当社グループの施設・設備等が甚大な被害を受けた場合、あるいは重篤な感染症の急激な拡大などにより事業活動に大きな制約が生じた場合には、当社グループの役職員の安全確保や業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、事業継続計画(BCP)に基づき、リスクマネジメント体制の強化を図っております。具体的には、安否確認システムの運用やBCPマニュアルの整備、定期的な防災訓練の実施、備蓄の確保に加え、クラウド活用による情報インフラの冗長化や計画的な設備改修を推進しております。あわせて、非常時においても、リモートワーク等の柔軟な働き方を活用できる体制を整備することで、役職員の安全確保と安定的な事業運営を維持し、社会的責任を果たせるよう努めております。 ⑦ 情報セキュリティに関するリスク当社グループは、事業上の重要情報に加え、事業の過程で入手した個人情報や取引先等の機密情報を保有しております。これらの情報に関して、当社グループのITシステムがサイバー攻撃やウイルス感染等の被害を受けて業務が停滞した場合、また、個人情報等が漏洩した場合には、社会的信用の低下や損害賠償の発生、復旧費用の負担などを通じて、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、「情報セキュリティ方針」を定め、外部からの不正アクセス防止や検知システムの導入といった技術的対策に加え、クラウド活用によるバックアップ体制の構築など、情報資産の安全性と可用性を高める対策を継続的に強化しております。また、万一の事故発生に備え、サイバー保険に加入することで、調査費用や損害賠償といった財務的な影響を最小限に抑えるリスクヘッジを図っております。運用面では、専門部会においてリスク評価と対策の有効性を定期的にモニタリングし、全役職員を対象として標的型攻撃メール訓練などの情報セキュリティ教育を継続的に実施することで、組織全体の意識向上と対応力の底上げを図っております。あわせて、万一のインシデント発生時に迅速な復旧と被害拡大防止を図るための初動対応体制を整備し、情報セキュリティ対策の徹底に努めております。 ⑧ 品質保証に関するリスク当社グループが展開する住宅の建築・供給及び不動産開発において、予期せぬ重大な品質問題が発生した場合には、多額の改修・補修費用が発生するだけでなく、当社グループの社会的信用やブランド価値が大きく毀損され、業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、地盤調査、設計、基礎工事から上棟、竣工に至るまで、各工程に応じて、建築基準法及び住宅の品質確保の促進等に関する法律(住宅品質確保法)に準拠した厳格な自社検査体制を構築しております。これに加え、第三者機関による客観的な検査を併用することで、設計・施工品質の透明性と信頼性を確保しております。また、長期保証制度の運用や定期点検の実施、および施工現場からのフィードバックを通じた継続的な品質改善活動により、お客様への安心の提供とリスクの未然防止に努めております。 ⑨ 保有する資産に関するリスク当社グループは、販売用不動産、有形固定資産及び投資有価証券その他の資産を保有しており、主に時価の下落による評価損又は減損損失の計上によって、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、全国に保有する木材市場や物流センターなどの施設・設備については、老朽化に伴い安全性を含めた良好な労働環境を確保するために、多額の修繕費が発生する可能性があります。その場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、販売用不動産については、仕入基準に基づき優良な土地を取得するとともに、一定額を超える案件は取締役会で審議し、市場動向に応じた機動的な在庫コントロールを行っております。また、政策保有株式等の資産については、保有方針及び保有の合理性を毎年取締役会で個別に検証しており、検討の結果、保有継続が適当でないと判断した資産については売却等を進めております。これにより創出した資金を成長投資等へ再配分するなど、資産効率の向上を図っております。あわせて、施設・設備等の修繕については、中長期的な改修計画に基づき、計画的な維持管理を実施しております。これにより、老朽化に伴う突発的な費用発生を抑制するとともに、安全性に配慮した良好な労働環境の確保と、資産価値の維持向上に努めております。 ⑩ 取引先への信用供与に関するリスク当社グループは、取引先に対して売上債権等の信用供与を行っております。そのため、取引先の経営状況が何らかの要因により悪化した場合には、貸倒れ等による突発的な不良債権が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、信用リスクの顕在化を防止すべく、適切な債権限度額の設定をはじめとする厳格な与信管理を徹底しております。 ⑪ 資金調達に関するリスク当社グループは、事業に必要な資金を金融機関からの借入により調達しております。そのため、金融市場の混乱や当社の信用格付の引き下げ、あるいは金融機関の融資方針の変更などにより、資金調達に制約が生じる可能性があります。また、将来的に金利が上昇した場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、長期資金の確保や金利の固定化を図るとともに、コミットメントライン等の活用により資金流動性を十分に確保することで、安定的かつ効率的な資金調達及び資金管理体制の構築に努めております。 ⑫ 為替に関するリスク当社グループは、木材及び建材を外貨建てで輸入しているため、為替相場の変動によって想定を超えるコストが発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、輸出入契約額の一定割合について先物為替予約を活用することで、為替変動が経営成績に及ぼす影響の軽減に努めております。 ⑬ 気候変動に関するリスク当社グループは、地球温暖化をはじめとする気候変動問題を経営の重要課題の一つとして認識しております。当社の取締役会は、気候変動を含むサステナビリティに関するリスク及び機会についての監督を行っているほか、代表取締役社長を委員長とする「サステナビリティ委員会」において特定・評価された重要事項について、必要に応じて審議・決定する体制を構築しております。また、当社グループは「環境方針」に基づき、企業活動を通じた環境負荷の低減と脱炭素社会の実現に向けた取り組みを進めております。気候変動が当社グループの事業活動や財務に与えるリスク及び機会(ガバナンス、戦略、リスク管理、指標と目標)の詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2) 重要なサステナビリティ項目 ① 気候変動への対応(TCFD)」に記載のとおりであります。 ⑭ 設備投資及び企業買収、研究開発等に関するリスク当社グループは、持続的な成長と競争力強化のため、設備投資や企業買収、研究開発を推進しております。しかしながら、急激な市況の変化や新たなリスクの顕在化などにより、設備の稼働率低下や対象企業の企業価値の毀損などが生じ、想定した効果が得られない場合には、資産の減損損失の計上などを通じて、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、新規設備投資の妥当性を判断する際には、ハードルレートをWACC(加重平均資本コスト)を上回る水準に設定し、経済性の検証を行っております。また、企業買収等の検討にあたっては、外部専門家を含めた事前の詳細な調査(デュー・デリジェンス)を実施し、取締役会等においてリスクの所在やリターンの妥当性を十分に審議しております。実施後(PМIフェーズ)においては、対象企業の経営体制や業務プロセスの早期統合に注力し、定期的なモニタリングを通じて事業計画の進捗管理を徹底することで、投資リスクの低減と早期のシナジー創出に努めております。 ⑮ 業務委託先の倒産等に関するリスク当社グループは、マンション事業及び一戸建住宅事業等において、設計会社や建設会社などの外部業者に対して各種業務の発注・委託を行っております。発注した業務が適切に履行されているかを逐次確認していますが、外部業者が業務を履行しない場合や倒産した場合などには、当社グループが定めたスケジュールや品質基準、法令に基づく業務遂行が困難になるおそれがあります。特に、顧客に販売するマンションや一戸建住宅の工事完成前に売買契約を締結し、引渡義務を負う場合においては、所定のスケジュールや品質基準、法令を満たした工事が行われないと、売主として顧客に対し債務不履行責任を負うほか、規制当局から是正指導を受ける可能性があります。これらの事態は当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼすおそれがあります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、売主として保証金の供託や保険への加入を行っております。また、与信など一定の取引条件を満たす複数の事業者と当社の品質基準を共有する体制を構築し、さらに特定の外注先に依存しない体制を整備することで、リスクの最小化に努めております。

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