事業の概要
- 石油製品販売:三愛オブリは、ガソリン、灯油、軽油、重油といった石油製品を、特約店や大口顧客に販売しています。また、石油元売会社からの委託を受けて、石油製品の保管や出荷業務も行っています。全国に広がる販売網を通じて、人々の生活や産業に不可欠なエネルギーを供給するビジネスモデルです。
- LPガス・天然ガス販売:家庭用や業務用として利用されるLPガスや、工場などで使われる天然ガスを販売しています。特にLPガスは、特約店や大口顧客への卸売だけでなく、一般消費者への小売も手掛けており、ガス器具の販売も行っています。天然ガスでは、パイプラインの運営やエネルギー供給サービスも提供しています。
- 航空燃料供給:羽田空港をはじめとする国内の主要空港で、航空会社や石油元売会社から委託を受け、航空機への燃料供給を行っています。航空機の安全運航を支える重要なインフラ事業であり、給油施設の所有・賃貸も手掛けています。安定した航空需要に支えられた収益基盤を形成しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 石油関連事業:ガソリン、灯油、軽油、重油などの石油製品の販売が主な事業内容です。売上高は5602.51億円とグループ全体の大部分を占める主力事業であり、全国のサービスステーション網を通じて、個人消費者から大口需要家まで幅広くエネルギーを供給しています。
- ガス関連事業:LPガスや天然ガスの販売、ガス器具の販売、LPガスの配送・充填サービスを提供しています。売上高は613.03億円で、地域に密着したサービス展開により、家庭用から産業用まで多様な顧客のエネルギーニーズに応えています。
- 航空関連事業:羽田空港をはじめとする国内主要空港で、航空会社からの委託を受けて航空燃料の保管や航空機への給油業務を行っています。売上高は144.3億円で、航空機の安全運航を支える重要なインフラ事業として、安定した収益基盤を形成しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| Oil | 事業 | 5,603 | − | − |
| ChemicalReportableSegment | 事業 | 127 | − | − |
| Gas | 事業 | 613 | − | − |
| Aviation | 事業 | 144 | − | − |
| Others | 事業 | 57 | − | − |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社(三愛オブリ㈱)および子会社24社、関連会社4社により構成されている。主な事業内容および当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりである。なお、次の5部門は「連結財務諸表等 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一である。1.石油関連事業石油製品販売業 当社およびキグナス石油㈱が揮発油、灯油、軽油および重油等石油製品類の特約店ならびに大口需要家への販売、石油元売会社等からの委託による石油製品の保管および出荷業務を行っている。 また、三愛オブリ北陸㈱ほか2社が揮発油を中心とした石油製品類の特約店への販売、ならびに三愛リテールサービス㈱ほか3社が揮発油を中心とした石油製品類や自動車関連商品の小売販売を行っている。運送業他 キグナス興産㈱および新日本油化㈱がキグナス石油㈱の油槽所の管理・石油製品類の配送を行っている。 また、三愛オブリカスタマーサービス㈱が三愛オブリ㈱の受発注業務および不動産の賃貸を行っている。 2.化学品関連事業化学製品製造販売業 当社が洗車機用ワックス、撥水コート等の自動車関連商品、防腐・防黴剤および防災商品等化学製品類の販売を行っている。 また、三愛理研㈱が化学製品類の製造および販売を行っている。 3.ガス関連事業LPガス販売業 当社が三愛オブリガス西日本㈱ほか2社へLPガスの販売を行っている。 また、三愛オブリガス西日本㈱およびキグナス液化ガス㈱ほか2社がLPガスおよびガス器具の特約店ならびに大口需要家への販売、ならびに三愛オブリガス西日本㈱および三愛オブリガス東日本㈱ほか6社がLPガスおよびガス器具等の小売販売を行っている。LPガスサービス業 三愛オブリガスサービス九州㈱ほか5社がLPガスの配送および充填作業等を行っている。天然ガス販売業 当社が天然ガスの大口需要家への販売、天然ガスパイプラインの運営および保安、天然ガスを利用したエネルギー供給、ならびに佐賀ガス㈱へ天然ガスの販売を行っている。 また、佐賀ガス㈱および伊万里ガス㈱が都市ガスとして一般消費者への供給を行っている。 4.航空関連事業航空燃料取扱業 当社、三愛アビエーションサービス㈱および㈱KAFCOが航空会社および石油元売会社からの委託による航空燃料の保管ならびに航空機への給油業務を行っている。 また、当社が国内7空港の給油施設を所有し賃貸を行い、神戸空港給油施設㈱が石油元売会社からの委託による航空燃料の保管を行っている。 5.その他事業建設業 三愛オブリテック㈱が建設工事等の設計・施工を行っている。その他 当社が不動産の賃貸業、三愛オブリテック㈱が金属表面処理業、三愛オブリビル管理㈱がビル管理業を行っている。 以上の企業集団についての事業系統図は次のとおりである。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 石油・LPガス市場の縮小、異業種との販売競争、原油価格・為替レートの変動による仕入価格変動 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 消防法、製造物責任法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法、石油コンビナート等災害防止法、環境関連法令など数多くの法律や規則に規制されている。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変化 / 大規模感染症 / 災害等
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
三愛オブリは特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという情報は公開情報からは確認できません。卸売業という業態上、無形資産による競争優位性は限定的と考えられます。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
特定の顧客との長期契約や、長年の取引で培われた信頼関係が存在する可能性はありますが、それが顧客にとって乗り換えコストが高いレベルにあるかは不明です。システム連携の深さなども限定的と推測されます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
三愛オブリの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果を生み出す構造ではありません。卸売業であり、プラットフォームビジネスのような特性は見られません。
コスト優位★★☆☆☆
長年の事業運営で培われた調達力や物流効率化によるコスト削減努力は考えられますが、業界全体で構造的なコスト優位性を確立しているかは不明です。規模の経済による優位性も限定的と推測されます。
規模の経済★★★☆☆
三愛オブリは、特定のニッチ市場や地域において、一定のシェアを持つことで効率的な事業運営を行っている可能性があります。業界全体での寡占度は低いものの、特定の分野では規模の経済が働く可能性があります。
- 広範な供給ネットワーク:全国に約1,000ヶ所の系列SS(サービスステーション)を展開しており、石油製品やLPガスを安定的に供給できる強固なネットワークを持っています。この広範な供給網は、顧客へのアクセス性や供給の安定性において競争優位性をもたらし、特に地方における生活インフラを支える上で重要です。
- 航空燃料供給の専門性:羽田空港など国内主要空港での航空燃料供給において、長年の実績と専門的なノウハウを持っています。航空燃料の保管から航空機への給油まで一貫して手掛ける能力は、高い安全性と信頼性が求められる航空業界において、参入障壁の高い競争優位性となっています。
- 多角的なエネルギー供給体制:石油、LPガス、天然ガス、そして再生可能エネルギーの提案まで、多様なエネルギー源を提供できる体制を構築しています。これにより、顧客の様々なニーズに対応できるだけでなく、特定のエネルギー市場の変動リスクを分散し、安定した事業運営を可能にしています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 事業ポートフォリオの変革:2030年度に向けた中期経営計画「Challenge 2030 Second Stage」を策定し、低炭素・循環型社会に対応した事業構造への転換を目指しています。成長事業、変革事業、基盤事業に事業を分類し、M&Aを含む投資を通じて成長可能性のある分野へのシフトを加速させる方針です。
- デジタル化と効率化の推進:石油関連事業では、スマートフォンアプリ「Mantan」の活用など、デジタル技術を導入してSS運営の効率化を図っています。これにより、全国のSSネットワークを新たな成長事業への変革の足がかりとし、収益の安定化と競争力強化を目指しています。
- 再生可能エネルギーとの連携強化:ガス関連事業では、LPガス販売の顧客軒数拡大に加え、天然ガス販売において太陽光発電などの再生可能エネルギーと組み合わせた提案営業を積極的に進めています。これにより、エネルギー供給の多様化を図り、持続可能な社会への貢献と事業機会の拡大を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランドである「Obbli」(オブリ)を礎に、人々の生活と産業を支えるパートナーとして、成長し続ける企業グループとなることを目指す。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの経営環境は、イラン情勢に伴う原油価格の高騰や政府による緊急的激変緩和措置によって、国内石油製品の市況は大きく変動しており、先行き不透明な状況が続いている。当社グループにおいては、基幹ビジネスである石油関連事業における収益の安定化を図るとともに、低炭素・循環型社会に対応した事業への変革が最大の経営課題となっている。こうしたなか、当社グループは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」の第2ステージとして、2030年度に目指す姿に向けた「戦略の実行と投資の加速」を推進し、新たな事業ポートフォリオの実現に向けた動きを加速する。 ① 中期経営計画の概要 ② 中期経営計画の定量的目標に対する進捗状況 2024年度実績2025年度実績2024-2026年度目標連結経常利益128億60百万円134億42百万円130億円~150億円連結ROE7.5%8.0%8%以上総還元性向118.3%79.5%(※)100%を目指す1株当たり配当金100円100円(※)100円を下限 ※ 2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)「剰余金処分の件」が原案どおり承認可決されることを前提とした数値で記載している。 ③ 各事業別の対処すべき課題イ.石油関連事業石油関連事業は変革事業に位置付け、スマートフォンアプリ「Mantan」の活用などデジタル化によるSS運営の効率化を進め、全国約1,000ヶ所の系列SSのネットワークを活用した新たな成長事業への変革に努める。2026年度は、イラン情勢に伴う原油価格の高騰と補助金支給の再開により石油市況は不透明な情勢が続いており、卸売部門では収益の安定化を図るとともに、直営SSの競争力を強化していく。 ロ.化学品関連事業化学品関連事業は成長事業に位置付け、機能化学品領域のさらなる拡充、サプライチェーン強化による収益拡大を事業方針とし、在庫の最適化による利益率の改善を進めてきた。2026年度は、イラン情勢の緊迫に起因するナフサ不足による業績への影響が懸念されているが、顧客への安定供給を最大限に努めるとともに新商材の研究開発、新工場の建設を進めるなど事業基盤の拡大に努める。 ハ.ガス関連事業ガス関連事業は成長事業に位置付け、LPガス販売業については小売顧客軒数を拡大し、天然ガス販売業については提案型営業を通じた顧客拡大に努める。<LPガス販売業>当社グループは、関東・東海、近畿、中国、九州エリアを中心にLPガスの事業拠点を有し、各エリアで卸売(近畿を除く)・小売の営業展開をおこなっている。LPガス販売業では、卸売取引を通じた顧客基盤の拡大とともに営業権買収を含めたM&Aによる小売軒数の拡大を進めてきた。2026年度は、LPガスの安定供給に努めるとともに、M&A後のエリアごとの事業効率と収益性の改善により市況に左右されない事業基盤を築いていく。また、ハウスクリーニングなどの新事業の拡充により、生涯顧客の獲得を図っていく。<天然ガス販売業>当社グループは、九州地方において競争力のある営業エリアを有しており、佐賀天然ガスパイプラインによる天然ガスの供給や佐賀ガス株式会社を通じて都市ガスの供給などをおこなっている。また、全国各地において販売数量の拡大に向けたLNGサテライト供給やオンサイトエネルギーサービスの提案営業を積極的に進めてきた。2026年度は、太陽光発電等の再生可能エネルギーと天然ガスの販売を組み合わせた提案営業を積極的に進めていく。 ニ.航空関連事業当社グループは羽田空港を中心とした国内における航空機給油施設の運営と給油事業を担っており、航空関連事業を基盤事業に位置づけ安定操業と業容の拡大に努めていく。当社グループが携わっている羽田空港をはじめとした国内各空港における航空燃料取扱数量は国際線を中心に堅調に推移しており、安定供給を最優先に給油事業の拡大に向けた準備を進めてきた。2026年度は、羽田空港第2貯油基地の建設など給油施設の拡充を進めるべく、デジタル化や人員の確保と育成をさらに進めていく。 ホ.クリーンテック事業クリーンテック事業はその他事業セグメントに含まれているが、次の柱となる成長事業に位置付けている。2026年度は、半導体製造装置の洗浄事業の需要回復が見込まれ、需要家の増産要求に備えた体制づくりを進めるとともに、高品質洗浄の独自技術の開発にも積極的に取り組んでいく。 ヘ.その他、事業領域拡大への取組み上記のほか、事業ポートフォリオの変革に向けて、2024年度から2年間にわたりDX推進人財の育成や業務の効率化を推進しており、今後もこの活動を継続していく。また、事業領域の拡大に向けた事業提携やM&Aなどを積極的に進めていく。 ④ イラン情勢の影響について 2026年2月にイスラエル・アメリカがイランへの攻撃を開始したことで原油価格が高騰した。さらにホルムズ海峡の封鎖が報じられたことで、世界的な原油の供給不安が生じており、情勢は日々変化している。短期的には、石油関連事業、ガス関連事業では安定的に供給を継続できるものとみているが、一方で航空関連事業では中東方面の路線で一部運休が出ている他、化学品関連事業ではナフサ不足が深刻化しており、一部商品の出荷に影響が出ている。ただし、現時点で当社グループ全体の業績に与える影響は限定的と見込んでいる。今後事態が長期化し、日本国内への石油供給が減少し経済が広範囲で停滞した場合、当社グループ全体の業績に影響を及ぼすおそれがある。 ⑤ 中期経営計画における資本政策について当社は、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を図り、持続的成長を続けることで株主価値を高めることを基本方針としている。そのための重要な経営指標としてROE(株主資本利益率)、総還元性向を掲げ、中期経営計画において目標値を公表している。当社グループでは、中期経営計画の推進にあたり、資本コストの指標としてWACC(加重平均資本コスト)・IRR(内部収益率)を用いて投資判断をおこなうなど、適切な経営資源の配分に努めている。また、成長戦略・資本政策の実行と適正な株主還元により、PBR(株価純資産倍率)1倍以上の維持に努める。 ⑥ 気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) サステナビリティに関する重要課題 ① 気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標(気候変動への対応)」に記載のとおりである。 ⑦ 人的資本・多様性の確保に向けた取組人的資本・多様性の確保に向けた取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) サステナビリティに関する重要課題 ③ 人的資本・多様性の確保に向けた取組(人材の確保と育成)」に記載のとおりである。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念である三愛精神「人を愛し 国を愛し 勤めを愛す」と、コーポレートブランドである「Obbli」(オブリ)を礎に、人々の生活と産業を支えるパートナーとして、成長し続ける企業グループとなることを目指す。 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの経営環境は、イラン情勢に伴う原油価格の高騰や政府による緊急的激変緩和措置によって、国内石油製品の市況は大きく変動しており、先行き不透明な状況が続いている。当社グループにおいては、基幹ビジネスである石油関連事業における収益の安定化を図るとともに、低炭素・循環型社会に対応した事業への変革が最大の経営課題となっている。こうしたなか、当社グループは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030」の第2ステージとして、2030年度に目指す姿に向けた「戦略の実行と投資の加速」を推進し、新たな事業ポートフォリオの実現に向けた動きを加速する。 ① 中期経営計画の概要 ② 中期経営計画の定量的目標に対する進捗状況 2024年度実績2025年度実績2024-2026年度目標連結経常利益128億60百万円134億42百万円130億円~150億円連結ROE7.5%8.0%8%以上総還元性向118.3%79.5%(※)100%を目指す1株当たり配当金100円100円(※)100円を下限 ※ 2026年6月25日開催予定の定時株主総会の議案(決議事項)「剰余金処分の件」が原案どおり承認可決されることを前提とした数値で記載している。 ③ 各事業別の対処すべき課題イ.石油関連事業石油関連事業は変革事業に位置付け、スマートフォンアプリ「Mantan」の活用などデジタル化によるSS運営の効率化を進め、全国約1,000ヶ所の系列SSのネットワークを活用した新たな成長事業への変革に努める。2026年度は、イラン情勢に伴う原油価格の高騰と補助金支給の再開により石油市況は不透明な情勢が続いており、卸売部門では収益の安定化を図るとともに、直営SSの競争力を強化していく。 ロ.化学品関連事業化学品関連事業は成長事業に位置付け、機能化学品領域のさらなる拡充、サプライチェーン強化による収益拡大を事業方針とし、在庫の最適化による利益率の改善を進めてきた。2026年度は、イラン情勢の緊迫に起因するナフサ不足による業績への影響が懸念されているが、顧客への安定供給を最大限に努めるとともに新商材の研究開発、新工場の建設を進めるなど事業基盤の拡大に努める。 ハ.ガス関連事業ガス関連事業は成長事業に位置付け、LPガス販売業については小売顧客軒数を拡大し、天然ガス販売業については提案型営業を通じた顧客拡大に努める。<LPガス販売業>当社グループは、関東・東海、近畿、中国、九州エリアを中心にLPガスの事業拠点を有し、各エリアで卸売(近畿を除く)・小売の営業展開をおこなっている。LPガス販売業では、卸売取引を通じた顧客基盤の拡大とともに営業権買収を含めたM&Aによる小売軒数の拡大を進めてきた。2026年度は、LPガスの安定供給に努めるとともに、M&A後のエリアごとの事業効率と収益性の改善により市況に左右されない事業基盤を築いていく。また、ハウスクリーニングなどの新事業の拡充により、生涯顧客の獲得を図っていく。<天然ガス販売業>当社グループは、九州地方において競争力のある営業エリアを有しており、佐賀天然ガスパイプラインによる天然ガスの供給や佐賀ガス株式会社を通じて都市ガスの供給などをおこなっている。また、全国各地において販売数量の拡大に向けたLNGサテライト供給やオンサイトエネルギーサービスの提案営業を積極的に進めてきた。2026年度は、太陽光発電等の再生可能エネルギーと天然ガスの販売を組み合わせた提案営業を積極的に進めていく。 ニ.航空関連事業当社グループは羽田空港を中心とした国内における航空機給油施設の運営と給油事業を担っており、航空関連事業を基盤事業に位置づけ安定操業と業容の拡大に努めていく。当社グループが携わっている羽田空港をはじめとした国内各空港における航空燃料取扱数量は国際線を中心に堅調に推移しており、安定供給を最優先に給油事業の拡大に向けた準備を進めてきた。2026年度は、羽田空港第2貯油基地の建設など給油施設の拡充を進めるべく、デジタル化や人員の確保と育成をさらに進めていく。 ホ.クリーンテック事業クリーンテック事業はその他事業セグメントに含まれているが、次の柱となる成長事業に位置付けている。2026年度は、半導体製造装置の洗浄事業の需要回復が見込まれ、需要家の増産要求に備えた体制づくりを進めるとともに、高品質洗浄の独自技術の開発にも積極的に取り組んでいく。 ヘ.その他、事業領域拡大への取組み上記のほか、事業ポートフォリオの変革に向けて、2024年度から2年間にわたりDX推進人財の育成や業務の効率化を推進しており、今後もこの活動を継続していく。また、事業領域の拡大に向けた事業提携やM&Aなどを積極的に進めていく。 ④ イラン情勢の影響について 2026年2月にイスラエル・アメリカがイランへの攻撃を開始したことで原油価格が高騰した。さらにホルムズ海峡の封鎖が報じられたことで、世界的な原油の供給不安が生じており、情勢は日々変化している。短期的には、石油関連事業、ガス関連事業では安定的に供給を継続できるものとみているが、一方で航空関連事業では中東方面の路線で一部運休が出ている他、化学品関連事業ではナフサ不足が深刻化しており、一部商品の出荷に影響が出ている。ただし、現時点で当社グループ全体の業績に与える影響は限定的と見込んでいる。今後事態が長期化し、日本国内への石油供給が減少し経済が広範囲で停滞した場合、当社グループ全体の業績に影響を及ぼすおそれがある。 ⑤ 中期経営計画における資本政策について当社は、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を図り、持続的成長を続けることで株主価値を高めることを基本方針としている。そのための重要な経営指標としてROE(株主資本利益率)、総還元性向を掲げ、中期経営計画において目標値を公表している。当社グループでは、中期経営計画の推進にあたり、資本コストの指標としてWACC(加重平均資本コスト)・IRR(内部収益率)を用いて投資判断をおこなうなど、適切な経営資源の配分に努めている。また、成長戦略・資本政策の実行と適正な株主還元により、PBR(株価純資産倍率)1倍以上の維持に努める。 ⑥ 気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) サステナビリティに関する重要課題 ① 気候変動に関連した戦略ならびに指標および目標(気候変動への対応)」に記載のとおりである。 ⑦ 人的資本・多様性の確保に向けた取組人的資本・多様性の確保に向けた取組については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (3) サステナビリティに関する重要課題 ③ 人的資本・多様性の確保に向けた取組(人材の確保と育成)」に記載のとおりである。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりである。(1) 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに回復した。一方で、円安の継続や資源価格の上昇に加えて、イラン情勢の長期化による原油価格の高騰や供給不足などの地政学的リスクが懸念され、先行き不透明な状況が続いている。当社グループを取り巻く事業環境においては、訪日外国人数の増加によって国際線を中心に航空燃料の需要は好調に推移したものの、政府の燃料油価格定額引下げ措置やガソリン税・軽油税の暫定税率廃止により、国内石油製品の市況は不安定に推移した。こうしたなかで、当社グループは、中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge2030」の第2ステージに入り、2024年度から2026年度までを事業戦略を確実に実行し、成長投資を加速させる期間として、さまざまな取組みを進めた。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなった。 ① 財政状態当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億38百万円増加し、2,120億48百万円となった。負債合計は、前連結会計年度末に比べ22億52百万円増加し、893億39百万円となった。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ26億85百万円増加し、1,227億9百万円となった。 ② 経営成績当連結会計年度における当社グループの売上高は、前期比6.5%減の6,115億70百万円となった。営業利益は、前期比4.6%増の123億56百万円、経常利益は前期比4.5%増の134億42百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比6.2%増の91億96百万円となった。 セグメント別の財政状態及び経営成績は次のとおりである。イ.石油関連事業石油関連事業における売上高は前期比7.8%減の5,164億13百万円、セグメント利益は前期比23.1%減の56億70百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ104億64百万円減少し、865億67百万円となった。ロ.化学品関連事業化学品関連事業における売上高は前期比0.8%増の127億75百万円、セグメント利益は前期比1.6%減の11億26百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ8億5百万円増加し、52億88百万円となった。ハ.ガス関連事業ガス関連事業における売上高は前期比4.6%減の584億68百万円、セグメント利益は前期比8.7%増の22億95百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ11億79百万円増加し、264億47百万円となった。ニ.航空関連事業航空関連事業における売上高は前期比16.1%増の167億48百万円、セグメント利益は前期比55.7%増の57億12百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ21億4百万円増加し、237億73百万円となった。ホ.その他事業その他事業における売上高は前期比24.7%増の71億66百万円、セグメント利益は前期比36.1%増の11億76百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ30億76百万円増加し、104億42百万円となった。 (2) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ91億10百万円増加し493億99百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、獲得した資金は231億14百万円となった。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上および営業保証金の回収によるものである。なお、獲得した資金は前期比221億75百万円増加している。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は52億36百万円となった。これは主に、有形固定資産の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比27億9百万円増加している。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は87億67百万円となった。これは主に、配当金の支払いおよび自己株式の取得によるものである。なお、使用した資金は前期比27億37百万円減少している。 生産、受注及び販売の実績(1) 生産実績該当事項なし。 (2) 受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。 セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)ガス関連事業686149.5228402.4その他事業2,16160.038817.2合計2,84770.161726.6 (3) 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりである。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)石油関連事業(百万円)516,41392.2化学品関連事業(百万円)12,775100.8ガス関連事業(百万円)58,46895.4航空関連事業(百万円)16,748116.1その他事業(百万円)7,166124.7合計(百万円)611,57093.5 (注) 1.セグメント間の取引については相殺消去している。2.当連結会計年度の主な相手先別の販売実績については連結損益計算書の売上高の10%以上を占める相手先がないため、記載を省略している。 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。(1) 経営成績等① 財政状態当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ49億38百万円増加し、2,120億48百万円となった。これは主に、現金及び預金が増加したことによるものである。負債合計は、前連結会計年度末に比べ22億52百万円増加し、893億39百万円となった。これは主に、その他流動負債が増加したことによるものである。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ26億85百万円増加し、1,227億9百万円となった。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものである。以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の54.8%から54.7%となった。 ② 経営成績当連結会計年度における当社グループの売上高は、石油製品の販売数量の減少により前期比6.5%減の6,115億70百万円となった。営業利益は、航空関連事業における航空燃料取扱手数料の単価改定により前期比4.6%増の123億56百万円、経常利益は前期比4.5%増の134億42百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比6.2%増の91億96百万円となった。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 経営成績等の状況の概要 (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりである。当社グループは、営業キャッシュ・フローで獲得した資金を主に運転資金や設備の更新、拡張に活用しており、営業キャッシュ・フローを上回る規模の投資については、金融機関からの借入による資金調達を見込んでいる。また、当社および連結子会社ではCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入しており、グループ会社間で資金を融通することで、手元資金の流動性を確保するとともに有利子負債の削減を進めている。当社グループは、事業リスクに対応できる財務基盤を確保する一方、成長投資を実施することで、グループの持続的な成長を促す。成長に伴って創出されるキャッシュフローより、安定配当の継続を図る。 (2) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」に記載のとおりである。 (3) 資本の財源及び資金の流動性① 資金需要当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、当社グループの石油関連事業、化学品関連事業およびガス関連事業に関わる仕入等の債務の決済資金等がある。また、設備投資需要の主なものは航空機給油施設の増強、研修センターリニューアル工事、油槽所の保全工事、SSの設備更新がある。 ② 財務政策当社グループの経営基盤の拡大・充実に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用や金融機関からの借入により資金調達を実施している。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は前連結会計年度に比べ7億36百万円増加し、48億74百万円となった。 (4) セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容セグメントごとの財政及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。イ.石油関連事業石油関連事業においては、ガソリンの販売数量は底堅く推移した一方で、灯油、軽油および重油などの油種は減少傾向で推移しており、石油製品全体では前期を下回った。各部門別の状況は以下のとおりである。石油小売部門では、ガソリンの販売数量は前期並みを維持したものの、価格競争によって利幅が縮小し、利益は前期を下回った。石油卸売部門では、補助金支給やガソリン税・軽油税の暫定税率廃止によって石油市況で先安感が広がったことで、キグナス石油株式会社の一部取引の収益性が悪化し、利益は前期を大きく下回った。産業用燃料油販売部門では、販売数量は前期を下回ったが、収益性が改善したことで利益は前期を上回った。産業用潤滑油販売部門では、発電用ガスエンジンのメンテナンスや風力発電の内視鏡検査などの受注が下期に入って回復したが、利益は前期を下回った。 以上の結果、石油関連事業における売上高は前期比7.8%減の5,164億13百万円、セグメント利益は前期比23.1%減の56億70百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ104億64百万円減少し、865億67百万円となった。 ロ.化学品関連事業化学品関連事業においては、各商品ともに販売数量は概ね前期並みで推移した。こうしたなか、仕入や在庫管理などサプライチェーンの最適化によって利益率に改善がみられた。商品別の状況は以下のとおりである。自動車関連商品では、自社製品である洗車薬剤の販売数量、利益ともに前期を上回った。防腐・防かび剤では、販売数量は前期を上回ったが、利益は前期を下回った。石油系溶剤では、販売数量、利益ともに前期並みとなった。粘着付与剤では、販売数量、利益ともに前期を下回った。機能化学品等の利益は前期並みに推移した。 以上の結果、化学品関連事業における売上高は前期比0.8%増の127億75百万円、セグメント利益は前期比1.6%減の11億26百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ8億5百万円増加し、52億88百万円となった。 ハ.ガス関連事業<LPガス販売業>LPガス販売業においては、夏場の猛暑などにより需要が概ね減少傾向となるなか、販売数量は前期並みを維持した。各部門の状況は以下のとおりである。小売部門では家庭用を中心に単位消費量の減少が見られたものの、小売顧客軒数の増加による基本料金収入の増加により、利益は前期を上回った。卸売部門では、在庫評価の影響により利益は前期を下回った。なお、2025年12月、熊本県熊本市においてLPガスの小売販売およびSS運営等をおこなう熊本石油株式会社の持株会社であるスマートソリューション株式会社の全株式を取得し両社を連結子会社とした。また、両社は2026年3月、熊本石油株式会社を存続会社として合併している。 <天然ガス販売業>天然ガス販売業においては、家庭用では伊万里ガス株式会社のグループ加入により、販売数量は前期を上回った。業務用・工業用では販売数量は前期並みに推移したものの、省エネ機器類の販売もあり、利益は前期を上回った。 以上の結果、ガス関連事業における売上高は、LPガスの販売価格の下落により前期比4.6%減の584億68百万円となった。セグメント利益は、LPガス販売業の業績改善により前期比8.7%増の22億95百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ11億79百万円増加し、264億47百万円となった。 ニ.航空関連事業航空関連事業においては、訪日外国人の増加などにより航空需要は国際線を中心として好調に推移した。羽田空港における燃料取扱数量は、国内線では夏場の需要が回復に転じたものの、下期に入ってからは低調に推移し前期をやや下回った。国際線ではインバウンド需要に伴う増便や新規就航により好調に推移した。これにより、国内線と国際線を合わせた燃料取扱数量は、前期比で約2%の増加となった。 以上の結果、航空関連事業における売上高は、航空燃料取扱手数料の単価改定および航空燃料取扱数量の増加により前期比16.1%増の167億48百万円、セグメント利益は前期比55.7%増の57億12百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ21億4百万円増加し、237億73百万円となった。 ホ.その他事業その他事業においては、金属製品等の洗浄・表面処理をおこなうクリーンテック事業では、半導体製造装置向け精密洗浄処理の需要回復に遅れがみられたが、売上高、利益ともに前期並みに推移した。建設工事業では、受注高が堅調に推移し、売上高、利益は前期を上回った。 以上の結果、その他事業における売上高は、建設工事業の受注増加により前期比24.7%増の71億66百万円となった。セグメント利益は、前期比36.1%増の11億76百万円となった。セグメント資産は、前連結会計年度末に比べ30億76百万円増加し、104億42百万円となった。 (5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりである。
事業リスク
- 市場環境の変化:地球温暖化対策としてのカーボンニュートラルへの動きが加速する中で、EV車やオール電化の普及により、石油やLPガスの需要が中長期的に減少する可能性があります。これにより、主力事業である石油関連事業やガス関連事業の収益が影響を受けるリスクがあります。
- 地政学的リスクと原油価格変動:石油製品の多くを中東地域からの輸入に依存しているため、中東情勢の緊迫化や為替レートの変動が、仕入価格に大きな影響を与える可能性があります。特に、ホルムズ海峡の封鎖などが発生した場合、原油供給不安から国内経済が停滞し、業績に多大な影響を及ぼす恐れがあります。
- 大規模災害・事故のリスク:羽田空港の給油施設や石油製品出荷基地、LPガス充填所など、危険物取扱設備を多数保有しています。地震、異常気象による水害、予期せぬ事故などが発生した場合、操業停止や燃料漏洩による土壌汚染などが発生し、復旧に多大な時間とコストがかかることで、経営成績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループでは、リスク管理を統括する三愛オブリグループサステナビリティ委員会において、リスクの洗い出しをおこない、対応すべき優先順位を決定するとともに、リスク毎に具体的な対応策および予防策を検討している。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績および財政状態に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。また、当社グループのすべてのリスクを網羅するものではない。 (1) 市場環境の変化について[影響度:中~大、発生可能性:高]① リスク内容当社グループは、石油製品の販売を主体としたビジネスを主に国内において展開している。地球温暖化等の気候変動への対応として2050年カーボンニュートラルを目指す動きが世界的に加速するなかで、エネルギー転換へ向けた企業の対応が顕在化してきている。国内の石油・LPガス市場においては、消費機器の燃費向上に加えてEV車やオール電化の普及が進むことで、同業者間にとどまらず、電気などの異業種との販売競争に直面している。また、LPガスや灯油は気温の変動にも影響を受けるため、需要期である冬場の気温が上昇した場合、需要は減少する可能性がある。このような事業環境のなか、石油関連事業およびガス関連事業の市場規模は中長期的には縮小し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策このようなリスクに対して当社グループは、2024年度から2026年度までの中期経営計画「変貌する未来への挑戦 Challenge 2030 Second Stage」を策定し、低炭素・循環型社会に対応した事業ポートフォリオへの進化を目指すため、当社グループの事業を成長事業、変革事業および基盤事業に分け、成長可能性のある事業へのM&Aを含めた投資を進めていく。なお、新規事業への出資や事業創出については経営企画部を中心に取り組んでいる。 (2) 大規模感染症について[影響度:大、発生可能性:低]① リスク内容世界的に感染症が流行した場合、各国間の移動に制限がかかり、航空関連事業においては、燃料取扱数量が減少し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。石油関連事業およびガス関連事業においては、感染症の拡大等の状況次第では物流や生産活動の停滞から燃料油の需要が減少する可能性はあるが、生活必需品としての需要は底堅く推移するものと考えている。また、従業員の感染が増加し、製造、物流、保安、営業活動などに支障をきたした場合には、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策当社グループは、社会インフラの一端を担う企業の責務として、感染症の拡大等に備え、事業所ごとにBCPの見直しを実施している。また、感染症の流行が見られた場合は、感染予防のための適切な処置を講じることで、従業員の感染リスクの低減に取り組み、事業の継続に努めることとしている。 (3) 災害等について[影響度:大、発生可能性:低]① リスク内容当社グループは、国内において羽田空港を含む複数の航空機給油施設を所有・運営している。また東京オイルターミナルなどの石油製品出荷基地、福岡県久留米市から佐賀県佐賀市までの佐賀天然ガスパイプライン、日本各地に所在するSSやLPガス充填所など危険物取扱設備を有している。通常では予見できない事故、地震、異常気象による集中豪雨や河川氾濫、気象パターンの変化による気温上昇により、航空機への燃料供給障害、石油製品物流障害、燃料漏洩による土壌汚染、水害によるLPガスボンベの流出が発生した場合、操業回復までに相当の時間とコストを要することから、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策これらの危険物施設の安全管理・保安体制についてはリスクマネジメント委員会において、自然災害等に備え事業所ごとにBCPの見直しを実施するとともに、事件や事故の報告と再発防止策の検討をおこなっている。また、同委員会において、危険物施設の環境安全監査の実施および是正状況を確認している。さらに、地震の被害を最小限に抑え入出荷機能を維持するため、油槽所の強靭化工事を進める他、所有するすべての施設で火災保険に加入し、貯油所物件には加えて地震保険等を付保している。 (4) 地政学的リスクについて[影響度:中、発生可能性:中]① リスク内容当社グループは、石油製品を石油元売会社等から仕入れ、国内において販売を行うことが主力事業であるが、わが国においては、その大部分は中東周辺地域などからの輸入に依存しており、原油価格および為替レートの動向により仕入価格が変動する。また、当社グループは化学製品の輸出入もおこなっており、調達先は主にアジア地区に依存している。そのため、このような国や地域における政治的、経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等が発生した場合、製品や原料の調達、適正価格の維持に支障をきたし、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。2026年2月にイスラエル・アメリカがイランへの攻撃を開始し、さらにホルムズ海峡の封鎖が報じられたことで、世界的な原油の供給不安が生じている。供給不安が長期化した場合、国内経済が広範囲にわたり停滞し、当社グループ全体の業績に多大な影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策当社グループの主要商品である石油製品の高騰に備えて資金の手元流動性を確保するとともに、複数のサプライチェーンを持つことでリスクが顕在化した際の安定供給を図っている。同時に中期経営計画に掲げる事業ポートフォリオの変革を進めることで、石油供給リスクに対応した事業体制の構築に努めている。 (5) 投資等について[影響度:中、発生可能性:中]① リスク内容当社グループは、航空機給油施設、石油製品出荷基地、SSや充填所などの有形固定資産、M&Aにより取得した無形固定資産を有している。事業等のリスクが顕在化したことにより、保有する資産の価値や収益性が低下した場合には、固定資産の減損処理が必要となり、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策投資等については回収可能性を十分に検討したうえで実行しており、定期的に投資計画との差異を検証し、必要に応じて改善策を講じている。 (6) 情報セキュリティに関するリスク[影響度:中~大、発生可能性:低]① リスク内容当社グループでは、羽田空港における給油システムなど事業上不可欠な基幹システムを構築・運用するとともに、営業上の機密情報を保有している。他方、外部システムを利用して販売や顧客管理を実施している部門においては、営業情報の一部を外部サーバに保管している。こうしたなかで、想定外のサイバー攻撃、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等によりシステムダウンや情報漏洩が発生した場合は、事業活動の継続に支障をきたし、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。また、業務効率化のため生成AIの利用が進む中で、情報漏洩等の重大なインシデントが発生する可能性がある。 ② 対応策当社グループは、情報セキュリティに関する基本方針を定めリスクの低減に努めるとともに、システムの更新等によりセキュリティの強化を図り、情報技術の適正な整備および運用状況を確認している。サイバー攻撃による逸失利益を補償し迅速に対応するためサイバー保険へ加入しリスク軽減策を講じるとともに、営業情報を外部サーバに保管する場合は、データ等の安全管理措置が適切に講じられている信頼性の高い運営会社を選定している。また、生成AIを安全に利用するため、グループ全体で「生成AI利用規程」等を制定し、従業員の順守事項を定め周知している。 (7) 製品の品質および安全性に関するリスク[影響度:中、発生可能性:低]① リスク内容当社グループは、防腐・防かび剤、石油系溶剤、自動車用ケミカル商品などの化学製品の製造や販売をおこなっている。リコールや製造物責任が問われる不測の製品事故が発生した場合には、損害賠償責任を負うとともに取引上の信用失墜により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策当社グループで製造する製品の品質管理には十分留意しており、「品質保証委員会」において当社で製造するすべての製品について事前に審議することで、製造物の欠陥に起因する損害賠償請求やクレーム等を未然に防止するよう努めている。 (8) 保有有価証券について[影響度:小、発生可能性:中]① リスク内容経済の状況や株式市場の変動により、当社グループの保有する有価証券の価格が著しく下落した場合には、保有株式の評価損が発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策当社は、保有有価証券について定性的および経済合理性の両面から、保有効果の検証をおこなっている。 (9) 法的規制関係について[影響度:小~中、発生可能性:低]① リスク内容当社グループは、消防法、製造物責任法、液化石油ガスの保安の確保及び取引の適正化に関する法律、ガス事業法、石油コンビナート等災害防止法、環境関連法令など数多くの法律や規則に規制されている。これらの規制に抵触した場合には行政処分を受けるなど事業活動の継続に支障をきたす可能性があるとともに、将来これらの法規制が大幅に改正された場合には、事業活動への制約や対応のためのコストが発生し、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策事業に関連する法規制について、所管する関係部所が法改正などの情報を収集し必要な対応をおこなっている。また、法令および社内ルールの順守や企業倫理の啓発に関して、「三愛オブリグループの倫理行動憲章」の周知徹底を図るとともに、「公益通報者の保護に関するガイドライン」に基づく公益通報相談窓口により、法令違反や不正行為の早期発見と是正に努めている。 (10) 個人情報に関するリスク[影響度:小、発生可能性:低]① リスク内容当社グループでは、SSで取り扱う車検等の個人情報ならびにLPガスおよび都市ガスの消費者データを保有している。情報セキュリティの不備や従業員の不正等により個人情報の漏洩が発生した場合には、損害賠償責任を負うとともに社会的信用の失墜により、当社グループの経営成績および財政状態に影響を及ぼす可能性がある。 ② 対応策当社グループでは、社内規程に基づき、従業員に対するeラーニングなどの教育や個人情報の取り扱いに関する自主監査、管理台帳の更新など、個人情報の適切な取扱いと管理の徹底を図っている。