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キムラタン(8107)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

繊維製品 素材・化学

事業の概要

  • 不動産事業の拡大
    キムラタンは、不動産賃貸業を基盤としつつ、イストグループの子会社化により中古物件のリノベーション・再販事業を強化しています。これにより、単なる賃貸収入だけでなく、付加価値を高めた物件の売却益も収益源としています。さらに、不動産関連のマッチングプラットフォーム事業も連携させ、多角的な不動産ビジネスを展開しています。
  • アパレル事業の展開
    ベビー・子供服を中心に、自社企画・設計による高付加価値な衣料品を提供しています。百貨店内のインショップやネット通販を通じて消費者に直接販売する形態をとっており、品質にこだわった独自性の高い製品で収益を上げています。販売業務は子会社に委託し、効率的な運営を目指しています。
  • ウェアラブル事業の推進
    ウェアラブルIoT技術を活用し、園児の見守りソリューション「cocolin」を全国の保育施設に提供しています。午睡中の体調変化チェックなど、安心・安全確保と保育の質向上に貢献することで、サービス利用料を収益としています。将来的には高齢者見守り分野への拡大も視野に入れています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 不動産事業
    不動産賃貸業を基盤とし、子会社化したイストグループによる中古物件のリノベーション・再販事業を強化しています。さらに、不動産関連のマッチングプラットフォーム事業も展開し、多角的な収益モデルを構築しています。最新年度の売上は約13.7億円、営業利益は約2.7億円と、グループの稼ぎ頭となっています。
  • アパレル事業
    ベビー・子供服を中心に、自社企画・設計による高付加価値な衣料品を提供しています。百貨店内のインショップやネット通販を通じて消費者に直接販売しており、品質にこだわった製品が特徴です。最新年度の売上は約3.5億円ですが、営業利益は約-0.9億円と赤字であり、収益改善が課題となっています。
  • ウェアラブル事業(その他事業)
    ウェアラブルIoT技術を活用した園児見守りソリューション「cocolin」を全国の保育施設に提供しています。園児の午睡見守りや体調変化チェックなどのサービスを通じて、安心・安全の確保と保育の質の向上に貢献しています。この事業は「その他事業」に分類され、具体的な売上・利益はセグメント別実績には記載されていませんが、今後の成長分野として期待されています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
RealEstateReportableSegment 事業 14 3 20.0%
ApparelReportableSegment 事業 4 -1 -27.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|824 文字
3 【事業の内容】当社グループは、連結財務諸表提出会社(当社)、連結子会社9社、持分法非適用関連会社1社で構成されております。主要な事業は、不動産事業、アパレル事業、及びウェアラブル事業であります。不動産事業としては、株式会社キムラタンエステート、株式会社キムラタンプロパティ、イストグループ(株式会社イスト、株式会社ライブ、コネクト株式会社)、有限会社九建機材において主に不動産賃貸業を営んでおり、2025年4月1日付で主に不動産特定共同事業を営むSwanStyle株式会社の発行済株式の全部の取得により子会社化し、新規に連結の範囲に含めております。特にイストグループにおいては、リノベーションにより付加価値を高めた中古物件の販売を強味としており、再販事業にも注力しております。アパレル事業は、ベビー・子供服、その他衣料雑貨等の自社企画・設計による独自性のある高付加価値で品質にこだわった製品を中心に、国内においては、ネット通販による消費者への直接販売を中心に展開しており、一部、百貨店におけるインショップ(得意先売場内の自社ブランドコーナーにおいて、自社販売員が消費者に接客販売を行い、店頭在庫の管理も自社販売員が行う形態)の運営を行っております。ショップ業態における店舗運営業務については当社の連結子会社である株式会社キムラタンリテールに委託しております。ウェアラブル事業は、ウェアラブルIoT技術を用いた園児見守りソリューションとして、園児の午睡の見守りや体調変化のチェックなどのサービスを主に全国の保育施設に提供することで、安心・安全の確保と保育の質の向上に貢献することを目指すと共に、ウェアラブルIoT技術を活かした熱中症対策商品の販売も手掛けており、新たな売上及び販路の拡大を図っております。なお、当連結会計年度より、セグメントの名称を「その他事業」から「ウェアラブル事業」に変更しております。 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
ファッション市場のトレンド変動が激しく、競合他社との競争が激化しているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
ベビー・子供服の自社企画・設計による独自性のある高付加価値で品質にこだわった製品
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:経済状況・消費動向に関するリスク / 不動産市況変動リスク / 空室率・入居率に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

キムラタンは、長年培ってきた「キムラタン」ブランドの認知度を持つ。特にベビー・子供服分野での歴史は長く、一部の顧客層に根強い愛着がある。しかし、近年はブランド力の絶対的な優位性や特許による独占的なIPは限定的であり、明確な無形資産としての競争優位性は弱い。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

ベビー・子供服の購入において、特定のブランドへの強いこだわりを持つ顧客もいるが、価格、デザイン、機能性など、他の要因で容易に競合他社へ乗り換える可能性も高い。顧客が乗り換えることによる直接的な金銭的損失や手間は小さく、スイッチング・コストは低いと考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

キムラタンの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は観測されない。オンラインストアやSNSでの顧客との接点は存在するものの、それがプラットフォームとしての価値向上に繋がる構造ではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

アパレル業界全体として、グローバルなサプライチェーンや生産委託によるコスト競争が激しい。キムラタンが構造的に競合他社よりも大幅に低いコストで生産・提供できる優位性は現時点では明確ではなく、コストリーダーシップは弱い。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

キムラタンは、ベビー・子供服市場において一定の規模を持つが、業界全体で見ると多数の競合が存在し、寡占化が進んでいるとは言えない。業界規模に対して最適化された少数精鋭の事業規模による効率性は限定的である。

  • 不動産再生ノウハウ
    イストグループの子会社化により、リノベーションで中古物件の価値を高め、再販する専門的なノウハウを獲得しました。これにより、単に物件を仕入れて売るだけでなく、付加価値を創造することで高い利益率を目指せる点が強みです。空き家問題の解決にも貢献し、社会的な意義も持ち合わせています。
  • ベビー服のブランド力
    長年の歴史を持つベビー・子供服事業において、「キムラタンらしさ」を追求した独自のブランド価値を確立しています。品質にこだわった高付加価値製品は、特定の顧客層からの信頼とロイヤルティを獲得しており、激しい市場競争の中でも差別化されたポジションを築いています。
  • IoT見守り技術
    ウェアラブルIoT技術を用いた園児見守りソリューション「cocolin」は、保育現場のニーズに応える独自の技術とサービスを提供しています。午睡中の園児の体調変化を検知するなど、安心・安全に貢献するこの技術は、少子高齢化社会における見守りニーズの拡大に対応できる潜在力を持っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 「衣・健・住」軸の事業推進
    創業100年を迎え、次の100年に向けた新たな事業展開として、「衣(アパレル)」「健(ヘルスケア)」「住(不動産)」の3領域に集中投資し、シナジー創出を目指しています。これにより、収益性の向上と社会課題の解決を両立させ、持続可能な成長と企業価値の最大化を図る方針です。
  • 不動産事業の多角化
    不動産事業では、賃貸不動産の安定収益確保に加え、空き家の再生・再販売、不動産小口化投資商品の提供、地域密着型マッチングプラットフォーム運営の4つの収益モデルを構築します。イストグループの子会社化や「HOUSEリサーチ」事業の譲受により、再販事業を新たな柱とし、収益基盤の強化と拡大を目指しています。
  • アパレル・ウェアラブルの進化
    アパレル事業では「キムラタンらしさ」を追求したブランド価値の再構築と差別化戦略により、特定のニッチ層に特化した商品開発とデジタルマーケティングで収益改善を図ります。ウェアラブル事業は、園児見守りから高齢者見守り分野へ事業領域を拡張し、ミツフジ株式会社との提携を通じて新たなソリューション型サービスを開発し、中長期的な成長エンジンとすることを目標としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は、2025年4月に創業100年を迎えたことを機に、新たな事業展開として、「衣・健・住」を軸とした戦略的ビジネスモデルを推進しています。この3領域への集中投資とシナジー創出により、収益性の向上と社会的価値の両立を目指してまいります。 「衣」ブランド価値の再構築と差別化による収益力強化当社の原点である子ども服事業は、「キムラタンらしさ」を追求した独自のブランド価値の確立により、競争優位性を高めてまいります。現状の経営資源を有効に活かすために差別化された領域への集中戦略に転換し、ターゲット層を絞り込み、エッジの効いたブランドポジショニングにより、顧客ロイヤルティの向上と収益性の改善を図ってまいります。 「健」少子高齢社会に対応したヘルスケア領域への展開当社はこれまで園児見守りサービス「cocolin」を通じて、保育施設内の安全・安心を支援してまいりましたが、少子高齢化を踏まえ、高齢者を対象とした熱中症対策を含む「室内見守り」分野へ事業領域を拡大します。特に高齢者の室内での熱中症が深刻な問題となっている状況を踏まえ、高齢者向け見守りサービスの開発に着手し、熱中症アラート機能等を備えた商品・サービスを提供することで、新たな収益機会を創出してまいります。 「住」資産性・社会性を兼ね備えた不動産事業の拡大生活の基盤である「住」領域では、以下の4つの収益モデルを通じて、安定的かつ成長可能な事業基盤の構築を進めます。① 賃貸不動産の保有による安定収益の確保 収益性の高い賃貸資産の保有により、企業経営に必要なキャッシュ・フローの安定化を図ります。② 空き家の再生・再販売約900万戸とも言われる日本の空き家問題に対し、当社はリノベーション等を通じて、低価格・高付加価値な中古住宅として市場に再供給。資源の有効活用と地方活性化を両立させます。③ 不動産小口化投資商品の提供不動産特定共同事業の許可を活かし、再生物件を小口化・証券化して投資家に提供。利回りに加え、ESG視点からの再生型資産運用という新たな投資価値を創出します。④ 地域密着型のマッチングプラットフォーム運営地方移住やリノベーション希望者と、地元工務店・デザイン事務所をつなぐマッチングサイトを構築。地域経済への波及効果を生み出しながら、当社のプラットフォームビジネスとして収益化を図ります。 以上の「衣・健・住」の各領域において、社会課題の解決と収益性の両立を図ることで、持続可能な成長と企業価値の最大化を実現してまいります。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2026年3月期において営業利益91百万円を計上いたしましたが、経常損益では57百万円、最終損益では98百万円の純損失を計上する結果となりました。この結果を真摯に受け止め、今後の持続的成長に向けては、収益力の一層の強化と安定的かつ健全な財務基盤の構築が喫緊の課題であると認識しております。 ① 不動産事業の戦略的拡大と基盤強化2024年8月、当社はリノベーションによって中古物件の資産価値を再生するノウハウを有するイストグループを子会社化し、「再販事業」を当社の新たな事業の柱として位置づけました。また、同年9月には株式会社メディカグループより「HOUSEリサーチ」事業を譲受。これにより、中古住宅を取得したい一般顧客と住宅会社をつなぐマッチングプラットフォームへと刷新を進め、再販事業との相乗効果を通じた新たな収益源の創出を目指しております。さらに、2025年4月には、不動産特定共同事業の許可を保有するSwanStyle株式会社の株式を取得し、これにより個人投資家からの資金調達を可能とする小口不動産投資スキームの導入を進め、不動産関連収益モデルの多角化と投資家層の拡大を図ります。当社グループでは、不動産ビジネスの中核をなす「賃貸事業」「再販事業」「不動産特定共同事業」「マッチング事業」という4領域のバランス最適化を志向しており、物件選定・取得、リノベーション、販売チャネルに至るまでの体制をグループ全体で構築することで、経営資源を最大限に活用し効率的な事業運営を図ってまいります。今後も、物件ポートフォリオの最適化や物件仕入における積極的な情報収集とスピーディーな意思決定を行い、不動産事業の中長期的な利益成長を目指してまいります。 ② アパレル事業:ブランド価値再構築と収益体質の改善アパレル事業においては、売上の拡大よりも「キムラタンらしさ」の再構築によるブランド価値の向上を最優先課題とし、顧客セグメントの再定義と選択と集中による差別化戦略を推進しております。具体的には、特定のニッチ層に向けた商品開発を強化し、ブランドロイヤリティの高い顧客基盤の構築を目指します。また、SNSを中核としたデジタルマーケティング施策を通じてブランド認知の再拡大と新規顧客獲得に注力するとともに、粗利益率の向上、在庫消化率の改善による事業体質の改善に取り組んでおります。これにより、アパレル事業の収益性回復と再成長への道筋を明確に描いてまいります。 ③ ウェアラブル事業:事業領域の拡張と中長期的成長戦略ウェアラブル事業においては、2026年3月期も導入園数および利用園児数が順調に増加し、保育現場での事故防止への関心の高まりを追い風に、今後も安定した成長が見込まれます。一方で、国内出生数の減少という構造的課題に対応すべく、当社はウェアラブルIoTの応用領域を保育領域にとどまらず高齢者福祉・介護分野へと拡張する方向で舵を切っております。2025年3月には、高齢者向けの室内熱中症リスク軽減をテーマに、ミツフジ株式会社との資本・業務提携契約を締結いたしました。これは、高齢者の室内事故防止や健康モニタリングへの技術応用を通じて、新たなソリューション型サービスとしての収益モデルの構築を目的としています。今後は、園児見守り領域と高齢者見守り領域の両輪による事業展開を推進し、中長期的に社会課題の解決に資する成長エンジンの確立を図ってまいります。 当社グループでは、これらの取り組みを通じて、持続的な増収・増益の実現を目指すとともに、キャッシュ・フローの最大化と自己資本の充実を図り、経営の安定性を高めてまいります。加えて、今後の成長戦略においては、M&A・アライアンスを含めた柔軟かつ機動的な経営判断を通じて、企業価値の長期的な向上に一層努めてまいる所存です。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社は、2025年4月に創業100年を迎えたことを機に、新たな事業展開として、「衣・健・住」を軸とした戦略的ビジネスモデルを推進しています。この3領域への集中投資とシナジー創出により、収益性の向上と社会的価値の両立を目指してまいります。 「衣」ブランド価値の再構築と差別化による収益力強化当社の原点である子ども服事業は、「キムラタンらしさ」を追求した独自のブランド価値の確立により、競争優位性を高めてまいります。現状の経営資源を有効に活かすために差別化された領域への集中戦略に転換し、ターゲット層を絞り込み、エッジの効いたブランドポジショニングにより、顧客ロイヤルティの向上と収益性の改善を図ってまいります。 「健」少子高齢社会に対応したヘルスケア領域への展開当社はこれまで園児見守りサービス「cocolin」を通じて、保育施設内の安全・安心を支援してまいりましたが、少子高齢化を踏まえ、高齢者を対象とした熱中症対策を含む「室内見守り」分野へ事業領域を拡大します。特に高齢者の室内での熱中症が深刻な問題となっている状況を踏まえ、高齢者向け見守りサービスの開発に着手し、熱中症アラート機能等を備えた商品・サービスを提供することで、新たな収益機会を創出してまいります。 「住」資産性・社会性を兼ね備えた不動産事業の拡大生活の基盤である「住」領域では、以下の4つの収益モデルを通じて、安定的かつ成長可能な事業基盤の構築を進めます。① 賃貸不動産の保有による安定収益の確保 収益性の高い賃貸資産の保有により、企業経営に必要なキャッシュ・フローの安定化を図ります。② 空き家の再生・再販売約900万戸とも言われる日本の空き家問題に対し、当社はリノベーション等を通じて、低価格・高付加価値な中古住宅として市場に再供給。資源の有効活用と地方活性化を両立させます。③ 不動産小口化投資商品の提供不動産特定共同事業の許可を活かし、再生物件を小口化・証券化して投資家に提供。利回りに加え、ESG視点からの再生型資産運用という新たな投資価値を創出します。④ 地域密着型のマッチングプラットフォーム運営地方移住やリノベーション希望者と、地元工務店・デザイン事務所をつなぐマッチングサイトを構築。地域経済への波及効果を生み出しながら、当社のプラットフォームビジネスとして収益化を図ります。 以上の「衣・健・住」の各領域において、社会課題の解決と収益性の両立を図ることで、持続可能な成長と企業価値の最大化を実現してまいります。 (2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループは、2026年3月期において営業利益91百万円を計上いたしましたが、経常損益では57百万円、最終損益では98百万円の純損失を計上する結果となりました。この結果を真摯に受け止め、今後の持続的成長に向けては、収益力の一層の強化と安定的かつ健全な財務基盤の構築が喫緊の課題であると認識しております。 ① 不動産事業の戦略的拡大と基盤強化2024年8月、当社はリノベーションによって中古物件の資産価値を再生するノウハウを有するイストグループを子会社化し、「再販事業」を当社の新たな事業の柱として位置づけました。また、同年9月には株式会社メディカグループより「HOUSEリサーチ」事業を譲受。これにより、中古住宅を取得したい一般顧客と住宅会社をつなぐマッチングプラットフォームへと刷新を進め、再販事業との相乗効果を通じた新たな収益源の創出を目指しております。さらに、2025年4月には、不動産特定共同事業の許可を保有するSwanStyle株式会社の株式を取得し、これにより個人投資家からの資金調達を可能とする小口不動産投資スキームの導入を進め、不動産関連収益モデルの多角化と投資家層の拡大を図ります。当社グループでは、不動産ビジネスの中核をなす「賃貸事業」「再販事業」「不動産特定共同事業」「マッチング事業」という4領域のバランス最適化を志向しており、物件選定・取得、リノベーション、販売チャネルに至るまでの体制をグループ全体で構築することで、経営資源を最大限に活用し効率的な事業運営を図ってまいります。今後も、物件ポートフォリオの最適化や物件仕入における積極的な情報収集とスピーディーな意思決定を行い、不動産事業の中長期的な利益成長を目指してまいります。 ② アパレル事業:ブランド価値再構築と収益体質の改善アパレル事業においては、売上の拡大よりも「キムラタンらしさ」の再構築によるブランド価値の向上を最優先課題とし、顧客セグメントの再定義と選択と集中による差別化戦略を推進しております。具体的には、特定のニッチ層に向けた商品開発を強化し、ブランドロイヤリティの高い顧客基盤の構築を目指します。また、SNSを中核としたデジタルマーケティング施策を通じてブランド認知の再拡大と新規顧客獲得に注力するとともに、粗利益率の向上、在庫消化率の改善による事業体質の改善に取り組んでおります。これにより、アパレル事業の収益性回復と再成長への道筋を明確に描いてまいります。 ③ ウェアラブル事業:事業領域の拡張と中長期的成長戦略ウェアラブル事業においては、2026年3月期も導入園数および利用園児数が順調に増加し、保育現場での事故防止への関心の高まりを追い風に、今後も安定した成長が見込まれます。一方で、国内出生数の減少という構造的課題に対応すべく、当社はウェアラブルIoTの応用領域を保育領域にとどまらず高齢者福祉・介護分野へと拡張する方向で舵を切っております。2025年3月には、高齢者向けの室内熱中症リスク軽減をテーマに、ミツフジ株式会社との資本・業務提携契約を締結いたしました。これは、高齢者の室内事故防止や健康モニタリングへの技術応用を通じて、新たなソリューション型サービスとしての収益モデルの構築を目的としています。今後は、園児見守り領域と高齢者見守り領域の両輪による事業展開を推進し、中長期的に社会課題の解決に資する成長エンジンの確立を図ってまいります。 当社グループでは、これらの取り組みを通じて、持続的な増収・増益の実現を目指すとともに、キャッシュ・フローの最大化と自己資本の充実を図り、経営の安定性を高めてまいります。加えて、今後の成長戦略においては、M&A・アライアンスを含めた柔軟かつ機動的な経営判断を通じて、企業価値の長期的な向上に一層努めてまいる所存です。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績当社は当連結会計年度より、新たな事業展開として「衣・健・住」を軸とした戦略的ビジネスモデルを開始しました。3領域への経営資源の集中と明確な差別化を通じて、収益性の向上および持続的な成長の実現を目指しております。 「衣」領域であるアパレル事業は当社の原点であり、独自のブランド価値の確立を基本方針としております。差別化された市場への集中戦略へ転換し、ターゲット層の明確化とブランディング強化により、顧客基盤の拡大と収益性改善に取り組んでまいりました。「健」領域では、園児見守りサービス「cocolin」を通じて、保育施設における安全・安心の支援を継続しております。加えて、少子高齢化の進行を見据え、資本・業務提携先であるミツフジ株式会社と連携し、高齢者向け熱中症対策商品の共同開発など、事業領域の拡大を進めております。「住」領域においては、賃貸事業および再販事業を中心に、安定的かつ持続的な収益基盤の構築を推進しております。特に資源の有効活用と地域活性化の両立を図るべく、中古物件のリノベーション・再販売事業に重点的に取り組み、収益拡大を目指してまいりました。 当連結会計年度の売上高は、前年同期比44.1%増の25億33百万円となりました。不動産事業において、M&Aによる子会社収益の増加に加え、再販事業が大きく伸長したことが主な増収要因です。売上総利益は、不動産事業における再販事業および完成工事高の構成比上昇により、売上総利益率が前年同期比で11.7ポイント低下しましたが、増収効果により、利益額は前年同期比3.1%増の7億49百万円となりました。販売費及び一般管理費は、子会社数の増加に伴う費用の増加により、前年同期比11.2%増の6億57百万円となりました。 以上の結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期比32.3%減の91百万円(前年同期は営業利益1億34百万円)となりました。経常損益は支払利息、控除対象外消費税等の計上により57百万円の損失(前年同期は経常利益10百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純損失は98百万円(前年同期は当期純損失46百万円)となりました。 不動産事業当連結会計年度におきましては、賃貸事業における新規物件の取得や稼働率の向上による安定収益の確保に取り組むとともに、中古物件のリノベーション・再販売事業の拡大に注力してまいりました。当期の不動産事業の売上高は、M&Aによる子会社収益の増加に加え、再販事業が大きく拡大したことにより、前年同期比60.5%増の22億円となりました。セグメント利益につきましては、本社費用の負担増により前年同期比19.9%減の2億19百万円(前年同期は2億73百万円)となりました。 アパレル事業当連結会計年度におけるアパレル事業の売上高は、前年同期比18.0%減の2億93百万円となりました。前期の店舗閉鎖による減少に加え、既存店売上高の減少(前年同期比14.7%減)、ネット通販の低調(前年同期比16.3%減)が影響しました。セグメント利益につきましては、減収に加え、円安による原価率の悪化、在庫商品の販売強化による粗利益率の低下により1億23百万円の損失(前年同期は97百万円の損失)となり、赤字幅が拡大する結果となりました。なお、当社はこうした状況を踏まえ、アパレル事業の一層のスリム化および構造改革に着手し、ブランドの絞り込みや店舗数の縮小を実施しました。これにより運営効率の向上を図り、収益構造の改善に取り組んでまいります。 ウェアラブル事業ウェアラブル事業につきましては、園児見守りサービス「cocolin」の新規導入拡大に注力し、導入施設数は、前期末の135園から173園へ増加いたしました。また、2025年3月31日に公表のとおり、ミツフジ株式会社と資本・業務提携契約を締結し、高齢者を対象とした熱中症対策のサービスの開発に着手しておりますが、その業務提携の一環として、同社が開発した熱中症対策デバイスである「hamon band S(ハモンバンド・エス)」の販売にも取り組んでまいりました。以上のとおり、販売体制強化の効果により、当連結会計年度の売上高は前年同期比32.4%増の38百万円となりましたが、先行費用の影響により、セグメント損失は4百万円(前年同期は1百万円の損失)となりました。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。① 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)不動産事業――アパレル事業169,48881.0ウェアラブル事業5,704187.4合計175,19382.6 (注)1 金額は、製造原価及び仕入価額であります。2 不動産事業は生産を行っておりません。 ② 受注実績 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)不動産事業160,900142.89,1881,607.0合計160,900142.89,1881,607.0 (注)1 不動産事業のうち、請負工事で該当金額のみを記載しております。2 アパレル事業及びウェアラブル事業は、受注を行っておりません。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)不動産事業2,200,799160.5アパレル事業293,62882.0ウェアラブル事業38,690132.4合計2,533,118144.1 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合 2 なお、最近2連結会計年度の主要な相手先別の販売実績のうち、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 (2) 財政状態(資産)総資産は、前連結会計年度末と比べ、2億45百万円減少し98億46百万円となりました。販売用不動産の減少3億68百万円、減価償却等による有形固定資産の減少1億5百万円、現金及び預金の増加2億9百万円が主な増減要因であります。(負債)負債は、前連結会計年度末と比べ、7億59百万円減少し81億99百万円となりました。借入金の減少7億57百万円が主な要因であります。(純資産)純資産につきましては、当期純損失の計上の一方で、2025年12月24日開催の取締役会決議による第三者割当増資により、資本金が2億99百万円、資本準備金が2億99百万円増加いたしました。以上により、前連結会計年度末と比べ、5億14百万円増加し16億46百万円となりました。以上の結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の11.2%から16.7%となりました。 (3) キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、4億13百万円と前年同期と比べ2億9百万円(102.5%)の増加となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、10億67百万円の収入(前連結会計年度は3億30百万円の収入)となりました。税金等調整前当期純損失55百万円、減価償却費2億44百万円、のれんの償却額50百万円、販売用不動産を含む棚卸資産の減少5億96百万円、仕入債務の減少8百万円等の要因により、営業キャッシュ・フローは、前期に対し7億37百万円の増加となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、6億1百万円の支出(前連結会計年度は3億28百万円の支出)となりました。不動産事業の拡大に向けたSwanStyle社の株式取得による支出1億96百万円、有形固定資産の取得3億67百万円が主な支出であります。財務活動によるキャッシュ・フローは、2億57百万円の支出(前連結会計年度は2億65百万円の支出)となりました。主な増減要因は、長期借入金の返済10億38百万円、株式の発行による収入2億94百万円です。以上の結果、期末の現金及び現金同等物の残高は、4億13百万円となりました。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性について、運転資金需要の主なものは人件費や物件管理費、修繕費、アパレル製品仕入等の営業費用であり、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金によって充当しております。また、不動産事業の拡大に向けた株式取得にかかる資金は、営業活動によるキャッシュ・フロー、借入金や第三者割当増資等により調達しております。当社グループは、取引金融機関との緊密な関係維持に努めており、定期的に業績改善に向けた取組み状況等に関する協議を継続しつつ、状況を判断しながら第三者割当増資を行うなど、安定的で機動的な資金調達の維持向上に努めております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、一定の会計基準の範囲内にて合理的な基準に基づき、会計上の見積りを行っております。これらの見積りについては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うことから、実際はこれらと結果が異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。なお、新たな感染症の発生やこれに伴う顧客の動向、市場に与える影響等を予想することは極めて困難ではありますが、連結財務諸表作成時において入手可能な情報に基づき会計上の見積りを行っております。

事業リスク

  • 経済・消費動向リスク
    日本経済の景気変動や個人消費の低迷、所得環境の悪化は、アパレル事業や不動産事業における需要減少に直結します。これにより、売上の減少や利益率の悪化を招く可能性があり、特に高価格帯の製品や不動産取引に影響が出やすい点が懸念されます。
  • 不動産市況変動リスク
    不動産市場は金利、景気、規制、建築資材価格など複合的な要因に左右されます。再販事業や賃貸事業において、市況の悪化は不動産価格の下落、販売利益率の低下、流動性リスク、さらには減損損失の計上につながる可能性があります。特に、仕入れ価格の上昇と販売価格の下落が同時に発生すると、収益を大きく圧迫します。
  • 製品の安全性リスク
    アパレル製品の製造過程で異物混入や有害物質の含有、縫製不良が発生した場合、顧客の安全・健康を脅かす可能性があります。これにより、製品回収や損害賠償、ブランドイメージの失墜といった重大な事態を招き、事業継続に大きな影響を与える恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,044 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある主要なリスクには、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年6月22日)現在において当社が判断したものであります。 (1) 経済状況・消費動向に関するリスク日本国内の景気変動や個人消費の低迷、所得環境の悪化などにより、当社グループの事業において需要が減少し、売上の減少や利益率の悪化を招く可能性があります。さらに、景気後退時には資金調達環境も厳しくなるため、財務基盤の安定確保が課題となる懸念があります。 (2) 災害等に関するリスク日本は自然災害の多発地域であり、地震、台風、洪水、津波等により本社・店舗・賃貸物件やシステムインフラが被災すると、事業活動の一時停止や営業損失、復旧費用の増大をもたらす可能性があります。また、海外を含むサプライチェーンの断絶による原材料・製品供給の遅延、顧客サービスの停止等、複合的な影響を受ける恐れもあります。 (3) 不動産市況変動リスク不動産市場は、金利水準、景気動向、不動産取引規制、建築資材価格、投資家マインドなどの複合的な要因によって大きく影響を受けます。当社グループが展開する再販事業や賃貸事業では、これらの市況変動によって、不動産価格の下落による販売利益率の低下、流動性リスク、含み損による減損損失の計上等のリスクが顕在化する可能性があります。 (4) 空室率・入居率に関するリスク当社グループが保有・運用する賃貸物件においては、エリアの人口動態、景況感、競合物件の増加、建物の老朽化等により、空室率の上昇や賃料の下落、リフォーム費用負担の増加等が発生する可能性があります。 (5) 建築・改修コストの上昇リスク再販事業における付加価値創出のためのリノベーションやリフォームは、資材価格や施工単価の上昇によるコスト圧迫を受けやすい構造です。特に建材価格の高騰(特に輸入木材・鉄鋼・コンクリートなど)、職人・施工人員の人手不足による工賃上昇、工期の遅延による機会損失等の外部要因によって価格上昇が加速するリスクがあります。また、改修範囲が想定以上に広がることによるコスト負担増による利益計画への影響が懸念されます。 (6) 物件取得における競争激化リスク不動産仕入の競争は年々激化しており、良質な収益物件や仕入価格が魅力的な中古住宅へのアクセスが難しくなっています。これにより、仕入価格の上昇による利益率の低下、価格上昇による長期保有リスク等のリスクが想定されます。 (7) 法的・規制リスク不動産業界は都市計画法、建築基準法、不動産特定共同事業法など多岐にわたる法令・規制が適用される業界です。これらの規制が改正された場合、法令対応に伴うコスト増 新規プロジェクトの中止・見直し等の影響を受ける可能性があります。 (8) 天候に関するリスク季節商品である子供服は、気温や天候の変動に大きく左右されるため、異常気象によって販売シーズンの短縮や在庫滞留が発生する恐れがあります。これにより、販売機会の喪失や値引き販売の増加、利益率の低下が生じる可能性があります。 (9) 製品の安全性に関するリスク繊維製品の製造過程での針などの異物混入、有害物質の含有、縫製不良等は顧客の安全・健康に直接影響し、回収対応や損害賠償請求、ブランドイメージの失墜を招く恐れがあります。 (10) 市場競争力に関するリスクファッション市場はトレンドの変動が激しく、競合他社やファストファッションブランド、海外ブランドとの競争が激化しています。市場動向の見誤りや商品企画の遅れは、販売不振や顧客離れにつながり、ブランド価値の低下、売上・利益の減少を招くリスクがあります。 (11) 製品の仕入に関するリスク主要生産拠点である中国における労働賃金の上昇や労働力不足は製造コストや納期に影響を及ぼす可能性があります。加えて、中国政府の規制強化や米中貿易摩擦などの地政学的リスク、及び為替変動によるコスト上昇は利益率を低下させる要因となります。これらが供給網の混乱やコスト増加を招いた場合、業績悪化を引き起こす恐れがあります。 (12) 特許・知的財産リスク当社グループが展開するウェアラブル事業においては、IoT技術、センサー制御、通信機能、ウェアラブル端末の形状・素材、ソフトウェア等、多岐にわたる技術要素を活用しており、当該分野における特許権、実用新案権、意匠権、著作権等の知的財産権に関するリスクが存在します。 (13) 個人情報保護・法規制リスクウェアラブル機器が扱う個人情報や健康情報に関して、個人情報保護法や関連法規の遵守が厳しく求められています。規制強化やデータ漏洩事故が発生した場合、法的制裁や社会的信用の失墜を招き、事業継続に重大な影響を及ぼす可能性があります。

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