8132

シナネンホールディングス(8132)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • エネルギー卸・小売周辺事業
    家庭や小売業者向けにLPガスや各種燃料を販売しています。リフォームやガス器具販売といったエネルギー関連サービスも提供し、家庭向け電力販売や都市ガス供給も行っています。LPガスの保安・配送も手掛け、地域のお客様の生活を支える多様なサービスを展開しています。
  • 法人向けエネルギーソリューション
    法人顧客に対し、石油製品やLPガスの販売、ガソリンスタンド運営、電力販売を行っています。太陽光発電事業やそのシステムの販売・メンテナンス、さらには住宅設備機器の製造・販売も手掛けており、企業のエネルギーニーズに幅広く応えています。
  • 非エネルギー事業の展開
    自転車の輸入・卸・小売事業(サイクルプラザダイシャリン)やシェアサイクルサービス「ダイチャリ」を展開しています。また、産業廃棄物のリサイクルや木質チップ製造販売、抗菌性ゼオライトの製造販売、コンピュータシステムの開発・販売、建物維持管理事業など、多角的な事業で収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • エネルギー卸・小売周辺事業
    家庭や小売業者向けのLPガス、各種燃料販売、リフォーム、ガス器具販売、電力販売、都市ガス供給、LPガス保安・配送など、一般消費者向けのサービスが中心です。売上高753.35億円、営業利益10.19億円と、グループの基盤を支える重要な事業です。
  • エネルギーソリューション事業
    法人顧客を対象とした石油製品・LPガス販売、ガソリンスタンド運営、法人向け電力販売、太陽光発電事業とそのシステム販売・メンテナンス、住宅設備機器販売など、企業向けのエネルギー関連サービスを提供しています。売上高2204.27億円、営業利益20.71億円と、グループで最も大きな売上と利益を稼ぐ主力事業です。
  • 非エネルギー事業
    自転車の製造・卸・小売、シェアサイクル、産業廃棄物リサイクル、抗菌性ゼオライト製造販売、コンピュータシステム開発・販売、建物維持管理など、エネルギー以外の多様な事業を展開しています。売上高211.45億円、営業利益6.77億円で、グループ全体の多角化とリスク分散に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
WholesaleRetailEnergyAndPeripheralBusinessReportableSegment 地域 753 10 1.4%
SolutionEnergyBusinessReportableSegment 地域 2,204 21 0.9%
NonEnergyBusinessReportableSegment 地域 211 7 3.2%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,637 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社29社、非連結子会社2社、関連会社10社で構成され、主な事業内容と当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、シナネンエコワーク株式会社他1社は全株式を売却したため、2026年3月より、連結の範囲から除いています。 当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。 (1) エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)・LPガス等各種燃料の販売事業連結子会社であるミライフ西日本株式会社、ミライフ株式会社、ミライフ東日本株式会社他2社、非連結子会社2社及び関連会社2社が、家庭向け及び小売業者向けにLPガス等各種燃料の販売事業を行っています。・リフォーム・ガス器具販売等のエネルギー周辺事業連結子会社であるミライフ西日本株式会社、ミライフ株式会社、ミライフ東日本株式会社他2社、非連結子会社2社及び関連会社2社が、家庭向けにリフォーム・ガス器具販売等のエネルギー周辺事業を行っています。・電力販売事業連結子会社であるミライフ西日本株式会社、ミライフ株式会社、ミライフ東日本株式会社他2社が、家庭向けの電力販売事業を行っています。・都市ガスの供給事業連結子会社であるミライフ株式会社、日高都市ガス株式会社が、都市ガスの供給事業を行っています。・LPガスの保安及び配送事業連結子会社である株式会社シナネンひまわりサービスセンター他5社及び関連会社7社が、LPガスの保安及び配送事業を行っています。 (2) エネルギーソリューション事業(BtoB事業)・各種石油製品販売事業連結子会社であるシナネン株式会社が法人を対象とした石油製品・LPガスの販売等を行っています。また、ガソリンスタンドの運営を連結子会社であるシナネン石油株式会社が行い、石油製品等の配送を連結子会社であるシナジートランスポート株式会社が行っています。なお、シナネン石油株式会社は、シナネン株式会社から仕入れた石油製品を販売しています。・電力販売事業連結子会社であるシナネン株式会社が、法人向け電力と家庭向け環境配慮型電力の販売事業を行っています。・太陽光発電事業連結子会社である日本ソーラー電力株式会社他5社が、メガソーラー等による発電事業を行っています。・太陽光発電システムの販売及びメンテナンス事業連結子会社であるシナネン株式会社が、太陽光発電システムの販売を行っています。また、太陽光発電システムのメンテナンス事業を連結子会社である太陽光サポートセンター株式会社が行っています。・住宅設備機器販売事業連結子会社であるシナネン株式会社が、住宅設備機器販売事業として、洗濯機防水パンをはじめとする住宅用品の製造・販売を行っています。 (3) 非エネルギー事業・総合建物メンテナンス事業連結子会社であるシナネンアクシア株式会社が、総合建物メンテナンス事業として、ビル・商業施設並びに集合住宅の管理・清掃や斎場・病院の運営請負等を行っています。・自転車等の輸入・卸・小売事業連結子会社であるシナネンサイクル株式会社が、自転車・自転車関連商品の製造・卸売及び小売店舗「サイクルプラザダイシャリン」における自転車販売を行っています。・シェアサイクル事業連結子会社であるシナネンモビリティPLUS株式会社が、シェアサイクルステーションの開拓と自転車の投入及び運営を通じて、シェアサイクルサービス「ダイチャリ」を提供しています。・コンピュータシステムのサービス事業連結子会社である株式会社ミノスが、LPガスの基幹業務システムや電力の顧客情報システム等の開発・販売を行っています。・抗菌事業連結子会社である株式会社シナネンゼオミックが、抗菌性ゼオライト等の製造及び販売を行っています。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
エネルギー業界における規制緩和、環境問題、人口減少等による競争激化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
石油・LPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規程に基づき厳格な保安監査を実施。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:エネルギー業界を取り巻く環境の変化 / 気温の変動によるリスク / エネルギー業界における競争の激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

シナネンホールディングスは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを基盤とした無形資産による競争優位性は、現時点では明確に確認できません。事業内容は多岐にわたりますが、個別の無形資産の強さが際立つ状況ではありません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

LPガスや石油製品の供給において、一定の顧客基盤は存在するものの、顧客が他社へ乗り換えることによる直接的な損失や手間が極めて大きいとは言えません。一部、長期契約や設備投資を伴う場合はスイッチングコストが発生しますが、全体としては限定的です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

シナネンホールディングスの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を指数関数的に高めるネットワーク効果は、現時点では観測されません。各事業は独立性が高く、プラットフォーム型ビジネスのような特性は見られません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

LPガスや石油製品の調達・販売において、長年の事業経験や一定の規模による交渉力、物流網の効率化などがコスト優位に寄与している可能性があります。しかし、業界全体で価格競争も存在するため、構造的な圧倒的コスト優位とまでは言えません。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

LPガス、石油製品、カーシェアリング、再生可能エネルギーなど、多岐にわたるエネルギー関連事業を展開しており、一定の事業規模を有しています。特にLPガス供給においては、地域によっては一定のシェアを持ち、効率的な事業運営に繋がっていると考えられます。

  • 地域密着型の総合サービス
    LPガス、電力、都市ガスといった多様なエネルギー供給に加え、リフォームやガス器具販売、保安・配送サービスまでを一貫して提供することで、地域のお客様の「住まいと暮らし」をトータルでサポートしています。これにより、顧客の囲い込みと高いスイッチングコストを構築し、安定的な収益基盤を築いています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    エネルギー事業を主力としつつも、自転車販売、シェアサイクル、環境リサイクル、抗菌事業、システム開発、建物管理など、非エネルギー分野にも事業を拡大しています。これにより、特定の事業環境変化によるリスクを分散し、グループ全体の安定性と成長性を高める戦略をとっています。
  • 長年の事業実績と信頼
    長年にわたりエネルギー供給を担ってきた実績と、全国に広がるサービスネットワークは、顧客からの信頼とブランド力を形成しています。特にLPガスの保安・配送事業は、安全と安心を提供する上で不可欠であり、これが同社の競争優位性の一つとなっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 脱炭素社会への貢献
    2050年カーボンニュートラル実現に向け、「脱炭素社会の実現に貢献する総合エネルギー・ライフクリエイト企業グループへの進化」をビジョンに掲げています。再生可能エネルギー事業の拡大や、CO2排出量実質ゼロのLPガス販売など、環境に配慮した事業展開を強化しています。
  • 国内事業基盤の再整備と強化
    グループ内の事業連携と融合を深め、高品質なサービス提供体制を構築することで、事業構造改革を進めています。リテールサービス戦略を強化し、地域に適したサービスを提供することで、生涯顧客の獲得を目指し、国内市場での競争力を高めています。
  • 人財育成と業務効率化
    企業価値向上のため、人財育成と風土改革に注力し、意識醸成と行動変容を促す施策を実施しています。また、人事制度の再構築や組織再編、業務効率化による生産性向上、資産効率の改善を通じて、経営基盤の強化と持続的な成長を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、2026年4月に実施の主力事業会社の統合を踏まえ、将来にわたり持続的な成長を実現し、グループの存在意義及び目指す姿を明確にした、新たなミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を策定しました。当社グループは、世の中に対して果たすべき使命として、グループミッション「世界に誇れる地元をツクる」を新たに掲げ、ミッション達成のビジョンとして「Be the first Company to contact」を掲げました。これは、地域に根ざして事業を営む当社グループが、エネルギーにとどまらず、暮らしや企業活動を支えるサービスを通じて、地域の価値を高め、その未来を支えていくことを目的としています。また、このミッションの実現に向けた行動指針として、「期待を超える」「誇りを磨く」「共創を楽しむ」の3つをバリューとして定め、全社員一人ひとりが日々の経営及び事業活動の拠り所として、「どう考え、どう動くか」を示しています。 (2)対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、脱炭素化の進展、人口減少や少子高齢化に伴う地域社会の構造変化、エネルギー事業を巡る競争の激化等により、大きな転換期を迎えています。このような状況のもと、従来のエネルギー供給を中心とした事業モデルのままでは、将来にわたる持続的な成長の確保が困難となりつつあります。このため当社グループは、主力事業会社の統合を通じて経営資源を集約・最適化するとともに、主力事業領域であるエネルギー・メンテナンス・モビリティの連携によるリテールサービス戦略を深化させ、地域を「点」ではなく「面」で捉えたストック型ビジネスへの転換を進めていきます。これにより、価格競争に左右されにくい安定的な収益基盤を構築するとともに、新たなグループミッションである「世界に誇れる地元をツクる」の実現と企業価値の持続的な向上を図っていきます。 <成長戦略>国内事業基盤の再整備事業ポートフォリオの変革を成長戦略における重要施策として位置付け、今年度実施した主力事業会社の統合及び非エネルギー事業の一部売却により、国内事業基盤を再整備しました。引き続き、エネルギー・メンテナンス・モビリティ事業への経営資源の集中と事業拡大を進めていきます。 リテールサービス戦略の強化明確化した主力事業領域において、リテールサービス戦略の具体的な施策を実行し、「稼ぐ力」の強化に取り組んでいきます。地域を面で捉え、エリアに適したサービスを提供することで、継続的な顧客接点の拡大とストック型収益の積み上げを進めていきます。 <経営基盤強化>グループ経営体制の強化と効率化主力事業会社の統合により、グループ一体的に経営を行う体制へと移行するとともに、事業会社への権限委譲による意思決定の迅速化とグループ全体のガバナンスの実効性の確保を進めていきます。あわせて、ICTデータを活用した営業と業務の効率化を図ります。 経営理念の浸透と人財育成新たに策定したミッション・ビジョン・バリューの浸透を通じて、社員の意識醸成と行動変容を促し、地域に新たな価値を提供できる人財の育成を進めていきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針当社グループは、2026年4月に実施の主力事業会社の統合を踏まえ、将来にわたり持続的な成長を実現し、グループの存在意義及び目指す姿を明確にした、新たなミッション・ビジョン・バリュー(MVV)を策定しました。当社グループは、世の中に対して果たすべき使命として、グループミッション「世界に誇れる地元をツクる」を新たに掲げ、ミッション達成のビジョンとして「Be the first Company to contact」を掲げました。これは、地域に根ざして事業を営む当社グループが、エネルギーにとどまらず、暮らしや企業活動を支えるサービスを通じて、地域の価値を高め、その未来を支えていくことを目的としています。また、このミッションの実現に向けた行動指針として、「期待を超える」「誇りを磨く」「共創を楽しむ」の3つをバリューとして定め、全社員一人ひとりが日々の経営及び事業活動の拠り所として、「どう考え、どう動くか」を示しています。 (2)対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、脱炭素化の進展、人口減少や少子高齢化に伴う地域社会の構造変化、エネルギー事業を巡る競争の激化等により、大きな転換期を迎えています。このような状況のもと、従来のエネルギー供給を中心とした事業モデルのままでは、将来にわたる持続的な成長の確保が困難となりつつあります。このため当社グループは、主力事業会社の統合を通じて経営資源を集約・最適化するとともに、主力事業領域であるエネルギー・メンテナンス・モビリティの連携によるリテールサービス戦略を深化させ、地域を「点」ではなく「面」で捉えたストック型ビジネスへの転換を進めていきます。これにより、価格競争に左右されにくい安定的な収益基盤を構築するとともに、新たなグループミッションである「世界に誇れる地元をツクる」の実現と企業価値の持続的な向上を図っていきます。 <成長戦略>国内事業基盤の再整備事業ポートフォリオの変革を成長戦略における重要施策として位置付け、今年度実施した主力事業会社の統合及び非エネルギー事業の一部売却により、国内事業基盤を再整備しました。引き続き、エネルギー・メンテナンス・モビリティ事業への経営資源の集中と事業拡大を進めていきます。 リテールサービス戦略の強化明確化した主力事業領域において、リテールサービス戦略の具体的な施策を実行し、「稼ぐ力」の強化に取り組んでいきます。地域を面で捉え、エリアに適したサービスを提供することで、継続的な顧客接点の拡大とストック型収益の積み上げを進めていきます。 <経営基盤強化>グループ経営体制の強化と効率化主力事業会社の統合により、グループ一体的に経営を行う体制へと移行するとともに、事業会社への権限委譲による意思決定の迅速化とグループ全体のガバナンスの実効性の確保を進めていきます。あわせて、ICTデータを活用した営業と業務の効率化を図ります。 経営理念の浸透と人財育成新たに策定したミッション・ビジョン・バリューの浸透を通じて、社員の意識醸成と行動変容を促し、地域に新たな価値を提供できる人財の育成を進めていきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、国際情勢に起因する不確実性が高い状況が続きました。エネルギー分野においては、中東地域を中心とした地政学的リスクの高まりを背景として、原油・天然ガス価格が変動しやすい状況となり、エネルギー調達環境の先行きは不透明なものとなりました。また、為替相場の変動や各種コストの上昇等も加わり、事業運営を取り巻く環境は引き続き注意を要する状況にあります。当社グループ主力事業に関わる石油類・LPガスの仕入価格に影響を及ぼす原油価格・プロパンCPは、ともに直近では中東情勢等の影響により上昇基調にあるものの、通年でみると軟調に推移しました。このような市場環境の中、当連結会計年度において当社は、2027年4月に迎える創業100周年に向けて、第三次中期経営計画のもと、国内事業の強化及び成長戦略のため、エネルギー事業における主力4社の統合に向けた準備を進めるとともに、リテールサービス戦略の強化のため、サービスの品質を向上させるための人財育成を実施したほか、サービス内容の体系的な整理を進めてきました。また、シナネンエコワーク株式会社の全株式を売却し、事業ポートフォリオの変革を図りました。 以上の結果、売上高は2,987億52百万円(前連結会計年度比5.8%減)、営業利益44億3百万円(前連結会計年度比9.8%増)、経常利益53億82百万円(前連結会計年度比20.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益については44億35百万円(前連結会計年度比40.6%増)となり過去最高益を達成しました。 セグメント毎の取り組み状況は次のとおりです。 [エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)]売上面は、灯油・ガスの販売において温暖な気候の影響により販売数量が減少したことに加え、プロパンCP価格が前年比で軟調に推移した影響により、減収となりました。損益面は、前連結会計年度に実施した不採算事業の撤退によるコスト削減により、増益となりました。以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)の売上高は712億27百万円(前連結会計年度比5.5%減)、営業利益は13億37百万円(前連結会計年度比31.2%増)となりました。 [エネルギーソリューション事業(BtoB事業)]売上面は、軽油については販売量が堅調に推移した一方、その他の油種においては温暖な気候の影響により販売数量が減少したこと等により、減収となりました。損益面は、電力販売の相対取引における利幅縮小の影響等により、減益となりました。以上の結果、当連結会計年度におけるエネルギーソリューション事業(BtoB事業)の売上高は2,044億76百万円(前連結会計年度比7.2%減)、営業利益は15億66百万円(前連結会計年度比24.4%減)となりました。 [非エネルギー事業]主に総合建物メンテナンス事業とシェアサイクル事業の好調により増収増益となりました。総合建物メンテナンス事業(シナネンアクシア株式会社)は、集合住宅の建物メンテナンス業務のエリア拡大、並びに斎場・病院など施設運営業務が堅調に推移した結果、増収増益となりました。シェアサイクル事業(シナネンモビリティPLUS株式会社)は、シェアサイクルサービス「ダイチャリ」の拠点開発推進により順調にシェアを拡大しました。加えて、利用件数が堅調に推移したことや価格改定の効果もあり、増収増益となりました。以上の結果、当連結会計年度における非エネルギー事業の売上高は228億39百万円(前連結会計年度比8.0%増)、営業利益は10億62百万円(前連結会計年度比56.7%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物は、166億77百万円(前連結会計年度比42.5%増)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、営業活動の結果得られた資金は、65億87百万円(前連結会計年度は105億31百万円の収入)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益56億83百万円、減価償却費30億14百万円、子会社株式売却益15億39百万円、売上債権の減少38億50百万円、仕入債務の減少39億72百万円及び法人税等の支払額11億5百万円等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、投資活動の結果得られた資金は、1億98百万円(前連結会計年度は27億62百万円の支出)となりました。この主な要因は、固定資産の取得による支出19億80百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による収入18億63百万円等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度において、財務活動の結果使用した資金は、18億5百万円(前連結会計年度は75億94百万円の支出)となりました。この主な要因は、長期借入金の返済による支出3億81百万円、自己株式の取得による支出1億62百万円及び配当金の支払額9億78百万円等によるものです。 なお、キャッシュ・フロー指標のトレンドは下記のとおりです。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)52.949.152.155.6時価ベースの自己資本比率(%)34.649.361.278.0キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)13.9△11.40.40.6インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)4.6△9.9121.2107.6 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払いa.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。b.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式を除く)により算出しています。c.営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用し、利払いは同計算書の利息の支払額を使用しています。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金、社債及びコマーシャル・ペーパーの合計額を対象としています。 ③ 生産、受注及び販売の実績販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 (単位:百万円)セグメントの名称販売高前年同期比増減率(%)エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)71,227△5.5エネルギーソリューション事業(BtoB事業)204,476△7.2非エネルギー事業22,839+8.0その他・調整額208△0.7連結合計298,752△5.8 (注) セグメント間の取引については相殺消去しています。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 概観当社は、資本効率を重視した企業価値経営への転換を進めており、長期的な株主価値の向上を重要な経営課題と位置付けています。この方針のもと、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を総合的に検討する際には、ROE(自己資本利益率)を重要な経営指標とし、第三次中期経営計画においてもROE8%以上を財務目標として掲げています。ROEを向上させるためには、適正な資本規模の維持と、各事業における収益性及び安定性の向上という両輪の取り組みが不可欠であると認識しています。当社グループは、財務の健全性を維持しつつ、株主還元と成長投資の最適なバランスを図ることで、株主資本コストを上回るROEを持続的に実現できる事業ポートフォリオへの転換を進めていきます。 当連結会計年度においては、「選択と集中」に基づく事業ポートフォリオ改革を推進し、子会社売却、主力事業の統合等を実施し資本効率の改善を進めております。今後については、エネルギー事業を基盤としつつ、メンテナンス事業及びモビリティ事業の拡大を通じた収益基盤の多様化を図るとともに、「リテールサービス戦略の強化」や「稼ぐ力の強化」に資する投資を重点的に実施していきます。 また、成長投資と株主還元の最適なバランスを意識したキャッシュアロケーションを推進し、収益性と資本効率の両面から企業価値の向上に取り組むことで、ROE目標の安定的な達成を目指していきます。 ② 経営者による財政状態の分析流動資産当連結会計年度末における流動資産は626億85百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億76百万円減少しました。これは主に、現預金の増加があったものの、売上債権の減少等があったためです。 固定資産当連結会計年度末における固定資産は453億97百万円となり、前連結会計年度末と比較して23億24百万円増加しました。これは主に、投資有価証券の取得があったためです。 流動負債当連結会計年度末における流動負債は406億38百万円となり、前連結会計年度末と比較して26億10百万円減少しました。これは主に、仕入債務の減少等があったためです。 固定負債当連結会計年度末における固定負債は73億19百万円となり、前連結会計年度末と比較して1億35百万円減少しました。これは主に、長期借入金の減少等があったためです。 純資産当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末と比較して48億94百万円増加し601億24百万円となりました。これは主に、配当金の支払いによる減少があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上及びその他有価証券評価差額金の増加があったためです。なお、自己株式の消却を22億67百万円実施しています。以上により、自己資本比率は前連結会計年度末と比較して3.5ポイント増加し、55.6%となりました。 ③ 経営者による経営成績の分析当社グループの当連結会計年度における経営成績は、売上高2,987億52百万円(前連結会計年度比5.8%減)、営業利益44億3百万円(前連結会計年度比9.8%増)、経常利益53億82百万円(前連結会計年度比20.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益44億35百万円(前連結会計年度比40.6%増)となり過去最高益を達成しました。 売上高当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の売上高及びその増減は以下のとおりです。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)75,33571,227△4,108エネルギーソリューション事業(BtoB事業)220,427204,476△15,950非エネルギー事業21,14522,839+1,694その他・調整額210208△1連結合計317,118298,752△18,366 セグメント別の売上高の分析は、① 財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。なお、その他・調整額の売上高は、当社が管理している不動産賃貸収入に係る売上であり、2億8百万円(前連結会計年度比0.7%減)となりました。 売上総利益当連結会計年度の売上総利益は391億32百万円(前連結会計年度比0.1%減)となりました。これは主に、電力販売の相対取引における利幅縮小の影響等によります。 販売費及び一般管理費当連結会計年度の販売費及び一般管理費は347億29百万円(前連結会計年度比1.2%減)となりました。これは主に、前連結会計年度に実施した不採算事業の撤退によります。 営業利益当連結会計年度及び前連結会計年度におけるセグメント別の営業利益及びその増減は以下のとおりです。 (単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)1,0191,337+317エネルギーソリューション事業(BtoB事業)2,0711,566△505非エネルギー事業6771,062384その他・調整額240437+197連結合計4,0094,403+393 セグメント別の営業利益の分析は、① 財政状態及び経営成績の状況に記載の通りです。なお、その他・調整額の営業利益は、当社が管理している不動産賃貸収入に係る売上に加えて、セグメント間消去取引、各報告セグメントに配分されていない全社費用が含まれており、4億37百万円(前連結会計年度比82.0%増)となりました。これは主に、前連結会計年度に実施した不採算事業の撤退によります。 営業外収益及び営業外費用当連結会計年度の営業外収益は11億43百万円(前連結会計年度比29.8%増)となりました。これは主に、受取配当金の増加とデリバティブ利益の増加によります。また、当連結会計年度の営業外費用は1億63百万円(前連結会計年度比59.8%減)となりました。これは主に、為替差損の減少と支払利息の減少によります。 経常利益上記の結果、当連結会計年度の経常利益は53億82百万円(前連結会計年度比20.1%増)となりました。 特別利益及び特別損失当連結会計年度の特別利益は、18億63百万円(前連結会計年度は29百万円)となりました。これは主に、子会社株式売却益の発生によります。また、当連結会計年度の特別損失は15億63百万円(前連結会計年度比58.3%増)となりました。これは主に、早期退職制度の実施に伴う特別退職金の計上によります。 税金等調整前当期純利益上記の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は56億83百万円(前連結会計年度比61.2%増)となりました。 法人税等当連結会計年度の法人税等は12億44百万円で、前連結会計年度の3億70百万円から8億73百万円増加となりました。その要因は、子会社株式売却益の発生により課税所得が増加したこと等によります。 親会社株主に帰属する当期純利益以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は44億35百万円(前連結会計年度比40.6%増)となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報ⅰ キャッシュ・フローキャッシュ・フローの状況・分析・検討内容は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しています。ⅱ 資金需要当社グループでは、今後、地域に新たな価値を提供できるようなサービス会社への変革を果たすため、リテールサービスの拡充や販売システム開発・物流効率化、既存事業の拡大、M&Aや営業権の買収のための投資等、継続的な資金需要が見込まれています。それらを実行するための資金調達にあたりましては、社債の発行、新たな借入金、自己株式の活用等の状況に応じて多様な資金調達ができるよう体制を整えています。ⅲ 財務政策当社グループは現在、運転資金については、当社及び一部を除く連結子会社においてCMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入し、各社における余剰資金を当社へ集中し一元管理を行うことで、資金効率の向上を図っています。借入による資金調達に関しては、一時的な不足資金は、金融機関からの短期借入を行っています。また長期的な資金の需要に対しては必要に応じて金融機関からの長期借入等を行っています。 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。連結財務諸表の作成にあたり、期末時点の状況をもとに、種々の見積りと仮定を行っていますが、それらは連結財務諸表に影響を及ぼします。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりです。 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しています。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しています。将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、当期純損益が変動する可能性があります。 固定資産の減損当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討していますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。 貸倒引当金当社グループは、売上債権、貸付金等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等、特定の債権については個別に回収の可能性を勘案し回収不能見込額を計上しています。取引先の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。

事業リスク

  • エネルギー業界の環境変化
    原油価格やプロパンCPの変動、少子化や省エネ機器普及による国内エネルギー需要の減少、脱炭素化への動きなど、外部環境の変化が業績に大きな影響を与える可能性があります。これに対し、非石油・ガス事業や非エネルギー事業への展開でリスク低減を図っています。
  • 気温変動による需要リスク
    エネルギー事業は気温の変動に大きく左右され、特に冬場の暖冬は灯油などの販売量減少に直結し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。電力販売の拡大や、年間を通じて需要が見込める軽油の出荷能力増強などで、気温変動リスクの低減に取り組んでいます。
  • 競争激化と規制緩和
    電力、石油、都市ガス、LPガス業界における規制緩和や環境問題意識の高まりにより、業界間の垣根を越えた競争が激化しています。同業者間の価格競争も厳しく、これらに対応できない場合、業績に重要な影響を与える可能性があります。事業買収やM&A、セット販売、環境配慮型商品の提供で競争力維持を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,859 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況並びに株価等(以下「業績等」という。)、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクには次のようなものがあります。なお、記載中、将来に関する事項は当連結会計年度末(2026年3月31日)において判断したものであります。また、当社グループは、これらのリスクの回避、低減及び顕在化した場合の影響最小化への対応に努める方針であります。 A.当社グループの主力事業であるエネルギー事業に特有のリスク(1) エネルギー業界を取り巻く環境の変化当連結会計年度の国内エネルギー業界においては、2050年カーボンニュートラルの実現に向けた第7次エネルギー基本計画が2025年2月に閣議決定される等、当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しています。主力の石油類・LPガスの仕入れ価格に影響を及ぼす原油価格・プロパンCPについては、原油価格は中国の景気低迷による需給減少、米国政策、OPECプラスの増産観測等が重しとなり、軟調展開が続いた一方、プロパンCPについては東南アジア地域における国内需要の増加等を背景に底堅く推移しました。一方、石油・ガスの国内需要は、少子化の進展等による人口減少、省エネ機器の普及やライフスタイルの変化等により全体としては減少傾向が継続しています。石油・ガス業界をとりまく環境は、供給側であるOPECプラスの産油量動向や不安定な中東情勢、需要側では大消費国である米国、中国、インド等の経済状況等が原油価格に大きな変動をもたらします。近年における中東情勢の不安定化については、現時点において当社グループの業績へ大きな影響はありませんが、今後の情勢の変化によっては、原油価格の変動を通じて当社グループの仕入価格や業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、国内では環境意識の高まりや脱炭素社会に向けた官民をあげての取り組みにより、エネルギーの節約志向は今後一層強まるものと考えられます。これら原油価格の変動や国内市況並びにエネルギー環境の変化等が当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、原油価格等の変動や消費者の節約志向等には直接対応できないため、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、住設機器の販売や住宅向けリフォーム等の住まいと暮らしの事業の拡大等、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、太陽光発電設備のメンテナンス事業や国内外の再生可能エネルギー事業の拡大等の非石油・ガス事業への展開のほか、総合建物メンテナンス事業やシェアサイクル事業等の非エネルギー事業への積極投資により業界環境変化のリスク低減に取り組んでいます。 (2) 気温の変動によるリスク当社グループの主力となる事業は、エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)であり、全セグメントの売上高のうち92.3%を占めています。このエネルギー事業については、基本的には気温の変動によるリスクを有しており、なかでも石油部門の主力商品である民生用灯油については、冬が最需要期であり、夏の使用量と比較して著しい格差があります。このため、暖冬により冬場の灯油の消費量が減少した場合、販売計画に狂いが生じ、また価格にも影響を及ぼす等、気温の変動が当社グループの販売実績及び業績等に重要な影響を与える可能性があります。エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、冬場の気温に需要が左右される石油・ガスだけでなく、夏場に需要が増加する電力販売の拡大を進めると共に、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)における既存の石油販売施設について、建設機械やトラック等の燃料として年間を通じて需要の見込める軽油の出荷能力を増強したオイルスクエアへの移行等により気温の変動によるリスク低減に取り組んでいます。また、電力については世界的にLNGをはじめとする燃料の高騰を背景にした電力需給環境の変化が激しい状況が続いていますが、市場連動型プランを採用(BtoB事業)して価格変動リスクを最小化する一方、他社のバランシンググループ(BtoC事業において複数の小売電気事業者が1つのグループを形成し、一般送配電事業者との間で1つの託送供給規約を結ぶ仕組み)に参加し、電源調達と需給管理を委託することで、需給バランスの最適化に取り組んでいます。 (3) エネルギー業界における競争の激化当社グループの属するエネルギー業界においては、規制緩和、環境問題、少子化の進展による人口減少等の要因により、石油、都市ガス、LPガス、電力等の垣根を越えたエネルギー間競争が激化しています。「オール電化」「太陽光発電」「エネファーム」等のエコロジーと関連する商品群の開発・販売推進により、今後もこの傾向が続くものと予想されます。また、LPガス業界においては、LPガス消費者の獲得やそれに伴うLPガス価格の引き下げ等、同業者間の競争が激しくなっています。石油業界においても、ガソリンスタンド間の厳しい生き残り競争や民生用灯油の巡回販売、ホームセンター他の販売チャネル間の争い等、同業者間の激しい競争が続いています。こうしたエネルギー間競争及び同業者間競争の激化に加え、世界的な脱炭素・SDGsへの意識の高まりや国内でも2050年カーボンニュートラルの実現に向けた動きが加速する中、責任ある対応が強く求められており、これらへの対応の遅れは当社グループの業績等に重要な影響を与える可能性があります。エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、LPガス事業の営業権の買収や同業者のM&Aで事業基盤の維持拡大に努めています。また、石油・ガス・電気のエネルギーを取り扱い、セット販売等でお客様に継続してお取引いただくことや顧客数拡大に向けた新たな取り組みとして、CO2排出量を実質ゼロとする「カーボンニュートラルLPガス」の販売を開始する等により競争激化に対するリスク低減に取り組んでいます。エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、実質再生可能エネルギー100%の電気料金プランの提供をはじめ、オフサイトコーポレートPPAによる再生可能エネルギー電力の供給開始やCO2排出量削減に寄与する次世代バイオディーゼル燃料の取り扱い開始等、「電力・再生可能エネルギーなど総合エネルギーサービスへのポートフォリオ転換」に向けた取り組みを進めています。 (4) 石油・LPガス設備の保安等と環境汚染に関するリスク当社グループは、「保安は全てに優先する」と考え、石油及びLPガス販売に係る設備等について、関係諸法規及び内部規程に基づき定期的に厳格な保安監査を実施しています。また、石油設備については石油漏出による環境汚染事故を防止するため損害保険ジャパン株式会社と共同でリスクファイナンスを含む総合リスクマネジメントを実施しています。しかしながら、これらの対策が石油及びLPガスの漏洩等の事故及びそれによる損失の可能性を無にするものではありません。エネルギー卸・小売周辺事業(BtoC事業)では、ガス関連設備について、法定点検に加えて、お客様の要望に応え、戸建て住宅向けに自主保安点検を実施しています。また、エネルギーソリューション事業(BtoB事業)では、石油漏出を早期発見するため、日々漏洩点検を実施すること等により設備の保安等と環境汚染に関するリスク低減に取り組んでいます。 B.グループ事業全般におけるリスク(1) 取引先の信用リスク当社グループの販売形態には、卸売販売及び小売販売があります。卸売販売については主に掛売りをしており、2026年3月末現在の「受取手形及び売掛金等の売上債権」の残高は356億円であります。これらの売上債権については、回収サイトの短縮化や、取引先の資金状況を勘案し一部現金による前受制により回収の早期化を図っています。また、コンピュータシステムによる与信等債権管理の徹底を行っています。さらに、当社グループは貸倒損失発生時に備え十分な引当金を計上していますが、予測不能な事態が生じた場合には、売上債権の回収に支障をきたし、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。当社グループでは、信用調査会社のデータベースに基づき、毎年、与信枠を設定することで与信管理を徹底し、与信枠を増枠する場合は、個別に決裁すること等により取引先の信用リスク低減に取り組んでいます。 (2) 外国為替変動リスク当社グループは、主に、国内において円建による取引を行っていますが、シナネン株式会社の石油製品の輸出入及びシナネンサイクル株式会社の自転車の輸入、株式会社シナネンゼオミックの抗菌剤の輸出については一部外貨建で取引を行っています。このため、当社グループの業績が外国為替の変動に影響を受けることがあります。当社グループは、為替変動リスクを軽減するためヘッジ取引を行っていますが、必ずしもこれを完全に回避できるものではありません。 また、主力商品である石油類及びLPガスについては主に国内元売会社から仕入れていますが、原油やLPガスの輸入価格が、為替の変動により間接的に当社グループの仕入価格に影響を及ぼすというリスクを有しています。外国為替取引においては、為替予約や想定為替レートを設定し、ヘッジ取引により外国為替変動によるリスク低減に取り組んでいます。 (3) 固定資産の評価に関するリスク当社グループは、主にエネルギー事業に係る資産として、石油類卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備並びにこれらの設備を使用するための土地を保有しており、有形固定資産の2026年3月末現在の帳簿残高は259億円となっています。当社グループはこれまで非効率資産の売却を進め、財務体質の強化に努めています。設備投資については、回収可能性を十分に検討したうえで実行し、定期的に回収可能額の評価を行いますが、その結果、新たに減損損失が発生するリスクを有しています。当社グループでは、第三次中期経営計画において、資本効率の改善を定性目標として掲げています。事業の効率化を進め、利益率を向上させること、低稼働資産を有効活用し、収益をあげること等により固定資産の評価に関するリスク低減に取り組んでいます。 (4) 投資等に係るリスク当社グループは経営基盤の強化を図るため、子会社または関連会社の設立、外部との資本提携等を行っていく可能性があります。投資等にあたっては投資リスク等を勘案したうえで決定し、その後定期的に投資価値のチェックにより回収可能性の判断を行っています。その際、必要に応じて回収不能額を見積り、引当金等を計上する方針ですが、投資先の経営成績及び財政状態が予想以上に悪化した場合には、当社グループの業績等が影響を受ける可能性があります。また、当社グループは、取引の関係や提携の強化・円滑化を図る政策的な理由等から株式を長期間保有しています。これらの株式の一部については、減損処理を行っていますが、その後の投資先の経営成績及び財政状態並びに株価の推移等から投資価値は十分にあると認識しています。しかしながら、日本経済の動向及び海外情勢等に予測し難い事態が生じた場合には、株価下落により評価損が発生し、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。当社グループでは、事業投資や資産の取得等の投資について、適正性・収益性等を評価する機関として代表取締役 社長執行役員の意思決定に関する諮問会議である「経営会議」と「投融資委員会」を設置しています。それらの機関での検討内容を参考にして、最終的な意思決定をすることにより投資等に係るリスク低減を進めています。また、投資後についても、一定期間モニタリングを継続し、事前に定めた撤退審議基準に抵触した場合は、その改善を指示し、あるいは撤退・売却を指示すること等によりリスク低減を進めています。 (5) 新規事業に参入するリスク当社グループは、新規収益源の発掘・育成を積極的に推進していきますが、事業環境の変化によっては、新規事業が想定通りの収益を計上できない可能性があり、将来においてこれらの新規事業の業績が当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。当社グループでは、新規事業への参入についても投資等に係るリスクと同様に「投融資委員会」「経営会議」のプロセスを経ること、新規事業のフィジビリティスタディ(実行可能性評価)を事前に実施すること等によりリスク低減に取り組んでいます。また、投資後についても、投資等に係るリスクと同様のモニタリングを実施し、事前に定めた撤退審議基準に抵触した場合は、その改善あるいは撤退を指示することによりリスク低減を図っています。 (6) 海外取引に伴うリスク株式会社シナネンゼオミックの製造する抗菌剤「ゼオミック」について、EPA(米国環境保護庁)及びFDA(米国食品医薬品局)等をはじめとする国内外の取得許認可を活かして、米国、欧州、中国、韓国及び東南アジア等への販売活動を進めています。欧州においては、規制情報の収集や関係当局との情報交換を通じて、EU-BPR(欧州殺生物性製品規則)の承認取得に取り組んでいます。このように当社グループは海外事業へ進出していますが、法令または関税等の貿易取引制度の改正、政治的・経済的変動、テロ、戦争、その他の要因による社会的混乱等のリスクが内在しています。当社グループでは、海外進出において、政治動向、経済動向、法制度、(優遇)税制等を事前に調査・評価することにより海外進出に関するリスク低減に取り組んでいます。 (7) 製品の品質及び安全に関するリスク当社グループは、抗菌事業、自転車等の輸入販売事業その他の事業において製造、販売をしています。製品の生産開始以来、品質管理には十分留意しており、製造物責任法(PL法)の施行後は、生産物責任賠償保険に加入し、事故発生による費用負担の低減を図っています。また、消費生活用製品安全法に基づき、製品の安全な使用方法に関する周知徹底を図るとともに事故発生時の対応強化に努めています。しかしながら、今後大規模な製品回収や製造物責任が問われる不測の製品事故等が発生した場合には、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。抗菌事業を行う株式会社シナネンゼオミックでは、2002年4月にISO9001の認証を取得した上で、社内の品質監査体制を強化しています。また、製品の製造・販売を行う各事業会社においては、品質管理を担当する部署を設置すること等により製品の品質及び安全に関するリスク低減に取り組んでいます。 (8) 個人情報の取り扱いについて当社グループは、エネルギー事業における石油・ガス・電気等の消費者データ及び非エネルギー事業における製品販売・サービス提供等で取得した顧客データ等の個人情報を保有しています。これらの個人情報を保護するために、従業員等に向け定期的に個人情報保護に関する研修の実施、暗号化等の情報セキュリティシステムの導入、各種規程の制定等を行っています。しかしながら、何らかの原因により個人情報が外部に漏洩した場合には、当社グループに対する信用が失われ、その結果、売上高の減少等により当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。当社グループでは、個人情報保護方針、個人情報保護規程を制定し、個人情報の取り扱いに関するリスク低減に取り組んでいます。また、システム事業を行う株式会社ミノスは、プライバシーマーク認定事業所であるほか、同社では情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)に関する国際規格である「ISO/IEC27001:2022・JISQ27001:2023」を取得し、リスク低減に取り組んでいます。 (9) 自然災害等に関するリスク当社グループは、石油卸売設備、LPガス充填設備及びガソリンスタンド設備等のエネルギー事業の設備、抗菌事業の製造設備、自転車事業の倉庫や店舗(在庫を含む)、シェアサイクル事業の自転車やステーション設備等の資産を所有しています。これらの設備が大規模な台風、地震、津波、洪水等の自然災害等により被災した場合、正常な事業活動ができなくなり、当社グループの業績等に影響を与える可能性があります。当社グループでは、充填施設等、事業継続のため中核施設には非常用電源を設置し、自然災害等の被災に備えています。また、建物は免震、耐震、制震構造とすることにより自然災害に関するリスク低減に取り組んでいます。

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