事業の概要
- フランチャイズ展開モスフードサービスは、自社で直接店舗を運営するだけでなく、フランチャイズシステムを通じて「モスバーガー」などの飲食店を国内外に展開しています。これにより、少ない自己資金で事業を拡大し、ブランド力を高めながら収益を得るビジネスモデルです。
- 食材・資材供給グループ会社を通じて、ハンバーガーのパティやバンズ、包装資材などを製造し、国内外のフランチャイズ店舗に供給しています。これにより、品質管理を徹底しつつ、安定したサプライチェーンを構築し、食材販売からも収益を上げています。
- 多角的な飲食事業主力である「モスバーガー」事業に加え、「マザーリーフ」や「あえん」といった新規飲食事業も展開しています。さらに、衛生検査や金融、保険代理業、アウトソーシングなどの「その他の事業」で飲食事業を支援し、グループ全体の収益源を多様化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 国内モスバーガー事業モスバーガーの運営を主軸とし、ハンバーガーやドリンク、食材、包装資材などを提供しています。最新年度の売上高は766.26億円、営業利益は63.89億円と、グループ全体の収益の大部分を占める稼ぎ頭であり、国内市場での基盤強化とデジタル化を推進しています。
- 海外事業台湾、シンガポール、香港、タイ、韓国、フィリピンなどでモスバーガーを展開し、日本と同様にハンバーガーや食材などを提供しています。最新年度の売上高は166.08億円、営業利益は4.86億円で、構造改革と収益力改善が中期的な課題とされています。
- 新規飲食事業喫茶店(マザーリーフ)、レストラン(あえん、モスプレミアム)など、モスバーガー以外の多様な飲食業態を展開しています。最新年度の売上高は18.05億円ですが、営業利益は-1.09億円と赤字であり、既存業態のブラッシュアップと新たな業態開発によるブランドイメージ向上を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DomesticMOSBurgerBusinessReportableSegment | 地域 | 766 | 64 | 8.3% |
| OverseasBusinessReportableSegment | 地域 | 166 | 5 | 2.9% |
| RestaurantBusiness | 地域 | 18 | -1 | -6.0% |
| OtherBusiness | 地域 | 11 | 6 | 51.7% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、㈱モスフードサービス(当社)及び子会社9社、関連会社12社により構成されており、主にフランチャイズシステムによる飲食店の展開を事業としております。事業は大きく主に国内で「モスバーガー」等の商標を使用した飲食店を展開する「国内モスバーガー事業」、主に海外で「モスバーガー」等の商標を使用した飲食店を展開する「海外事業」、「マザーリーフ」「あえん」「モスプレミアム」等の商標を使用した飲食店を展開する「新規飲食事業」、これらの飲食事業を衛生業、金融業、保険業等で支援する「その他の事業」に分けることができます。以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。なお、当連結会計年度より、報告セグメントの名称及び区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。事業内容と当社及び関係会社等の当該事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。セグメントの名称主要製品主要な会社国内モスバーガー事業 「モスバーガー」等の運営ハンバーガー、ライスバーガー、モスチキン、スープ、ドリンク等及びパティ、バンズ、ポテト等の食材並びにカップ、パッケージ等の包装資材[国内]㈱モスフードサービス㈱モスストアカンパニー 食品製造、食材販売事業パティ、ソース類等[国内]紅梅食品工業㈱、タミー食品工業㈱ アグリ事業トマト、レタス等[国内]㈱モスファーム熊本、㈱モスファームむかわ、㈱モスファームすずなり、㈱モスファームマルミツ、㈱モスファーム信州、㈱モスファーム千葉海外事業 「モスバーガー」等の運営 ハンバーガー、ライスバーガー、モスチキン、スープ、ドリンク等及びパティ、バンズ、ポテト等の食材並びにカップ、パッケージ等の包装資材[台湾] 安心食品服務(股)[シンガポール] モスフード・シンガポール社[香港] モスフード香港社[タイ] モスバーガー・タイランド社[韓国] モスバーガーコリア社[フィリピン] モスバーガー・フィリピン社 食品製造、食品販売事業 パティ、ソース類等[台湾] 魔術食品工業(股)[フィリピン] モスサプライ・フィリピン社新規飲食事業 喫茶紅茶、ワッフル、パスタ、スイーツ等[国内]㈱モスフードサービス レストラン和風旬菜料理[国内]㈱モスフードサービスその他の事業 衛生事業ハンバーガー等の衛生検査、衛生関連商品の販売[国内]㈱エム・エイチ・エス 金銭貸付業、保険代理業、レンタル業フランチャイジー(加盟店)への事業資金貸付、生命保険・損害保険の代理、POSレジスター、看板等のレンタル[国内]㈱モスクレジット グループ内アウトソーシング事業グループ内アウトソーシング事業[国内]㈱モスシャイン 以上の企業集団等について事業系統図を図示すると次のとおりであります。 子会社及び関連会社の連結の範囲は、次のとおりであります。 子会社関連会社㈱エム・エイチ・エス※紅梅食品工業㈱㈱モスクレジット※タミー食品工業㈱㈱モスストアカンパニー※安心食品服務(股)㈱モスシャイン※モスバーガーコリア社モスフード・シンガポール社※モスバーガー・タイランド社魔術食品工業(股)※モスバーガー・フィリピン社モスフード香港社㈱モスファーム熊本モスサプライ・フィリピン社㈱モスファームむかわ ㈱モスファームすずなり ㈱モスファームマルミツ ㈱モスファーム信州他 非連結子会社1社㈱モスファーム千葉計9社計12社 (注) ※印は持分法適用会社であります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 「食の安全・安心ブランド」を確立し、競争優位を確保する方針。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド 「モスバーガー」等の商標を使用した飲食店の展開と「食の安全・安心ブランド」の確立。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:食品事故リスク / 店舗マネジメントリスク / 人事労務リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
モスバーガーのブランド認知度は一定程度存在するが、競合他社(マクドナルド、ロッテリア等)との差別化は限定的。特許やIPによる優位性は見られない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
既存顧客のロイヤリティは存在するものの、他社への乗り換えに対する心理的・物理的障壁は低い。サブスクリプションモデル等もなく、スイッチングコストは小さい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
プラットフォーム型ビジネスではなく、ネットワーク効果は期待できない。顧客数が増加しても、個々の顧客体験価値が向上する構造ではない。
コスト優位★☆☆☆☆
セントラルキッチン方式の導入等、効率化努力は見られるが、外食産業全体として人件費や原材料費の高騰の影響を受けやすく、構造的なコスト優位性は確立されていない。
規模の経済★★☆☆☆
国内に多数の店舗網を持つが、業界全体で見るとマクドナルド等の巨大チェーンに比べ規模の経済性は限定的。寡占化が進む中で、効率的な店舗展開が課題。
- 高品質なブランド力モスバーガーは「おいしさ、安全、健康」にこだわった商品と「真心と笑顔のサービス」を提供することで、顧客からの信頼と高いブランドイメージを確立しています。これは、競合他社との差別化要因となり、顧客ロイヤルティを高める強みです。
- 垂直統合型サプライチェーントマトやレタスなどの農産物を生産するアグリ事業(例:モスファーム熊本)、パティやソースを製造する食品製造事業(例:紅梅食品工業)をグループ内に持ち、食材の調達から加工までを一貫して管理しています。これにより、品質の安定化とコスト管理を強化し、安全な食材供給を実現しています。
- フランチャイズ支援体制フランチャイズ加盟店に対し、事業資金の貸付や保険代理業、POSレジのレンタルなど、多岐にわたる支援を提供しています。これにより、加盟店の安定経営をサポートし、強固なフランチャイズネットワークを維持・拡大することで、事業基盤を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- アジアオンリーワン企業モスフードサービスは、2030年に「世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業」となることを目指しています。この目標達成のため、主力事業である国内モスバーガー事業と海外事業の収益性向上に加え、マーチャンダイジング事業や新規飲食事業、衛生事業を新たな柱として育成する戦略です。
- 価格のグラデーション化国内モスバーガー事業では、消費の二極化に対応するため「価格のグラデーション化戦略」を展開しています。これにより、幅広い価格帯の商品を提供し、多様な顧客層の獲得を目指すとともに、全店売上高や客数・客単価の向上につなげています。
- デジタル化と地域密着顧客の利便性向上のため、デジタル化を推進しています。また、フランチャイズチェーンの強みを活かした地域密着活動にも注力し、顧客との関係性を強化しています。中長期的には、出店・リロケーションや店舗改装を通じて、店舗価値の向上と商圏変化への対応を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営理念当社グループは、理念体系「モスの心」のもと、「食を通じて、世界中の人を幸せにすること。」を私たちの使命と位置づけ、「おいしさ、安全、健康」にこだわった商品を「真心と笑顔のサービス」とともに提供することに取り組んでおります。同時に、「どうせ仕事をするなら、感謝される仕事をしよう。」を全ての活動の基になる考え方として掲げ、お客様、そして株主の皆様の信頼と期待にお応えするように努めております。これらの実現に向けて、商品開発、店作り、サービスの一層の充実、新業態の開発などによるチェーン基盤の強化と、当社グループならではの独自性の確立に向け、努力を続けております。 (2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略雇用・所得環境の緩やかな改善やインバウンド需要によって、国内の外食需要は底堅く推移しました。一方で、原材料・エネルギー価格の高止まりや人手不足の深刻化、人件費の上昇など、依然として予断を許さない事業環境が続いています。このような環境の中、当社は2025年5月に中期経営計画(2025-2027年度)を発表しました。スローガンに「アントレプレナーシップ&イノベーション」を掲げ、2030年のありたい姿である「世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業」の実現に向け、初年度の各施策に懸命に取り組みました。なお、中東情勢の影響が懸念される一部資材につきましては、手元在庫を十分に確保しており、今後の業績に関して重要な影響はないものと判断しております。主力の国内モスバーガー事業では、消費の二極化に対応する「価格のグラデーション化戦略」が奏功し、幅広い層のお客様の獲得につながったことで、全店売上高、既存店売上高、客数・客単価のすべてで前年度を上回る成績を残すことができました。あわせて、全社的な販管費の抑制、在庫回転率の向上による保管費の抑制、輸送の効率化など、多角的なコスト抑制にも継続して取り組みました。 ① 中期経営方針当社グループは、創業当時から50年以上に渡り理念体系「モスの心」が持つ価値観が全従業員に共有され、浸透しております。この度、「私たちの基本方針」に込められた私たちが大切にする精神を、商品やサービスを通じて世界のお客様にお伝えしていくため、中期経営計画(2025-2027年度)を策定いたしました。中長期のモスグループのありたい姿として、『「心のやすらぎ」「ほのぼのとした暖かさ」を、世界の人々に』を実現し、世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業になる、を掲げました。その実現に向け、主力事業である国内モスバーガー事業、海外事業については、1店舗あたりの収益性を高めることに取り組んでまいります。また、マーチャンダイジング事業、新規飲食事業、衛生事業については、主力事業に次ぐ新たな事業の柱として育成してまいります。 ② 中期経営目標当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業利益率、ROEであります。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解するうえで重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。 2027年度 連結財務数値 売上高1,080億円営業利益63億円親会社株主に帰属する当期純利益38億円営業利益率5.8%ROE6.6% (注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 ③ セグメントごとの中期計画<国内モスバーガー事業>中期方針としては、モスの提供価値を実現することと、既存店の基盤強化を掲げております。既存店の成長に向けた取り組みとして、選択した市場において優位性が発揮できるマーケティングの展開や、モスの価値を体現する商品を開発し、お客様の期待に応える商品を展開してまいります。また、お客様を起点にしたデジタル化を進め利便性向上に努めるほか、当社の強みであるフランチャイズチェーンの基盤を活用した地域密着活動にも取り組んでまいります。さらに、将来に向けた拠点を確保するために、中長期視点での出店・リロケーションを進めていくほか、店舗価値向上のための改装や、商圏の変化に対応したスクラップアンドビルドも機動的に実施してまいります。そのほか、マーチャンダイジング事業では、ECビジネスを確立させマーケット拡大による新規顧客の獲得と、他社の仕組みを活用した新たなチャネルを開拓し、販路を拡大してまいります。 <海外事業>中期方針としては、前中期経営計画からの構造改革を引き続き進めていくことと、収益力の改善を掲げております。具体的な取り組みとして、BtoC事業では、既存国の課題解決を優先し、店舗収益化の実現とブランディング強化を図ってまいります。また、BtoB事業では、今回、台湾に新工場を稼働させることで、グローバルで最適な食材供給ネットワークを構築し、グループ及び関係企業への生産・供給機能を強化いたします。さらに、これらの事業を支えるマネジメント体制も強化してまいります。 <新規飲食事業>新規飲食事業では、既存業態をブラッシュアップして、ブランドイメージを向上させていくほか、時代に対応した新たな業態開発にも取り組んでまいります。さらに、紅茶茶葉の産地であるスリランカとの関係性を強化するほか、外部への卸事業を強化し、紅茶事業を育成してまいります。 <その他の事業(主に衛生事業)>衛生事業では、引き続き、検査技術能力を向上させ、モスグループ内の衛生管理を徹底していくほか、これまで培ってきた衛生ノウハウをもとに、新たな外部チャネルの獲得と、事業領域を開拓してまいります。 <全社横断テーマ>グループ全体では、人的資本経営を通して自社の課題を解決し、未来のための適切な投資を実施してまいります。人事戦略として、グループ共通の価値観、理念である「モスの心」の浸透と、「モスの心」を中心とした人材モデルに基づく育成計画を策定し、実践してまいります。具体的には、経営戦略と人材戦略を連動していくほか、ジョブ型要素の導入、働く環境の整備などに取り組んでまいります。投資戦略として、3ヶ年の投資額は総額約222億円を予定しております。投資・撤退基準を再整備し、成長性や収益性に基づいて集中的な投資を行っていくほか、中長期的な利益成長を実現するためM&A案件や事業提携に取り組んでまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題不安定な国際情勢による景気減速リスクや個人消費の先行き不透明感に加え、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替変動による調達費用の増大など、依然として予断を許さない事業環境が続いております。厳しい経営環境下ではありますが、お客様の生活様式の変化に対応しつつ、ブランド価値及び業績のさらなる向上を目指し、以下の取り組みを実施してまいります。 ① 国内モスバーガー事業(マーチャンダイジング事業を含む)中期方針として、既存店の基盤強化を掲げております。独自の強みを活かしたマーケティングの展開や、モスの価値を体現する高付加価値商品の開発により、お客様の期待に応える商品を展開してまいります。また、お客様を起点にしたデジタル化を進め、利便性向上に努めるほか、当社の強みであるフランチャイズチェーンの基盤を活用した地域密着活動を推進してまいります。さらに、ECや物販等のマーチャンダイジング事業を拡大し、店舗以外でもモスブランドに触れる機会を創出することで、「MOS BURGER」から「MOS」ブランドへの進化を図ってまいります。 ② 海外事業中期方針として、事業基盤の再構築と収益力の改善を掲げております。日本の食文化を大切にした定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品の販売や、地域に根差した店舗展開を進め、日本発の外食チェーンとしてモスブランドの定着を図ってまいります。さらに、商圏の変化及びお客様のニーズの変化を捉えたマーケティングと個店ごとの販売力強化、リブランディングに取り組んでまいります。 ③ 新規飲食事業各業態の運営力を磨き上げるとともに、収益源の多様化に向けた新たなビジネスモデルの構築を進め、グループの次代を担う成長事業へと育てるべく取り組んでまいります。 ④ SDGsの推進理念体系「モスの心」に基づき、事業活動を通じて社会課題の解決と価値創造に取り組みます。環境負荷の低減や地域社会への貢献を通じ、当社の基本方針である「心のやすらぎ」と「ほのぼのとした暖かさ」を世界の人々に広げていくことを目指します。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1) 会社の経営理念当社グループは、理念体系「モスの心」のもと、「食を通じて、世界中の人を幸せにすること。」を私たちの使命と位置づけ、「おいしさ、安全、健康」にこだわった商品を「真心と笑顔のサービス」とともに提供することに取り組んでおります。同時に、「どうせ仕事をするなら、感謝される仕事をしよう。」を全ての活動の基になる考え方として掲げ、お客様、そして株主の皆様の信頼と期待にお応えするように努めております。これらの実現に向けて、商品開発、店作り、サービスの一層の充実、新業態の開発などによるチェーン基盤の強化と、当社グループならではの独自性の確立に向け、努力を続けております。 (2) 経営環境、中長期的な会社の経営戦略雇用・所得環境の緩やかな改善やインバウンド需要によって、国内の外食需要は底堅く推移しました。一方で、原材料・エネルギー価格の高止まりや人手不足の深刻化、人件費の上昇など、依然として予断を許さない事業環境が続いています。このような環境の中、当社は2025年5月に中期経営計画(2025-2027年度)を発表しました。スローガンに「アントレプレナーシップ&イノベーション」を掲げ、2030年のありたい姿である「世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業」の実現に向け、初年度の各施策に懸命に取り組みました。なお、中東情勢の影響が懸念される一部資材につきましては、手元在庫を十分に確保しており、今後の業績に関して重要な影響はないものと判断しております。主力の国内モスバーガー事業では、消費の二極化に対応する「価格のグラデーション化戦略」が奏功し、幅広い層のお客様の獲得につながったことで、全店売上高、既存店売上高、客数・客単価のすべてで前年度を上回る成績を残すことができました。あわせて、全社的な販管費の抑制、在庫回転率の向上による保管費の抑制、輸送の効率化など、多角的なコスト抑制にも継続して取り組みました。 ① 中期経営方針当社グループは、創業当時から50年以上に渡り理念体系「モスの心」が持つ価値観が全従業員に共有され、浸透しております。この度、「私たちの基本方針」に込められた私たちが大切にする精神を、商品やサービスを通じて世界のお客様にお伝えしていくため、中期経営計画(2025-2027年度)を策定いたしました。中長期のモスグループのありたい姿として、『「心のやすらぎ」「ほのぼのとした暖かさ」を、世界の人々に』を実現し、世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業になる、を掲げました。その実現に向け、主力事業である国内モスバーガー事業、海外事業については、1店舗あたりの収益性を高めることに取り組んでまいります。また、マーチャンダイジング事業、新規飲食事業、衛生事業については、主力事業に次ぐ新たな事業の柱として育成してまいります。 ② 中期経営目標当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標(KPI)は売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、営業利益率、ROEであります。当該KPIを採用した理由は、投資家が当社グループの経営方針・経営戦略等を理解するうえで重要な指標であり、経営方針・経営戦略等の進捗状況や、実現可能性の評価等を行うことが可能となるためであります。 2027年度 連結財務数値 売上高1,080億円営業利益63億円親会社株主に帰属する当期純利益38億円営業利益率5.8%ROE6.6% (注)上記KPIについては有価証券報告書提出日現在において予測できる事情等を基礎とした合理的な判断に基づくものであり、その達成を保証するものではありません。 ③ セグメントごとの中期計画<国内モスバーガー事業>中期方針としては、モスの提供価値を実現することと、既存店の基盤強化を掲げております。既存店の成長に向けた取り組みとして、選択した市場において優位性が発揮できるマーケティングの展開や、モスの価値を体現する商品を開発し、お客様の期待に応える商品を展開してまいります。また、お客様を起点にしたデジタル化を進め利便性向上に努めるほか、当社の強みであるフランチャイズチェーンの基盤を活用した地域密着活動にも取り組んでまいります。さらに、将来に向けた拠点を確保するために、中長期視点での出店・リロケーションを進めていくほか、店舗価値向上のための改装や、商圏の変化に対応したスクラップアンドビルドも機動的に実施してまいります。そのほか、マーチャンダイジング事業では、ECビジネスを確立させマーケット拡大による新規顧客の獲得と、他社の仕組みを活用した新たなチャネルを開拓し、販路を拡大してまいります。 <海外事業>中期方針としては、前中期経営計画からの構造改革を引き続き進めていくことと、収益力の改善を掲げております。具体的な取り組みとして、BtoC事業では、既存国の課題解決を優先し、店舗収益化の実現とブランディング強化を図ってまいります。また、BtoB事業では、今回、台湾に新工場を稼働させることで、グローバルで最適な食材供給ネットワークを構築し、グループ及び関係企業への生産・供給機能を強化いたします。さらに、これらの事業を支えるマネジメント体制も強化してまいります。 <新規飲食事業>新規飲食事業では、既存業態をブラッシュアップして、ブランドイメージを向上させていくほか、時代に対応した新たな業態開発にも取り組んでまいります。さらに、紅茶茶葉の産地であるスリランカとの関係性を強化するほか、外部への卸事業を強化し、紅茶事業を育成してまいります。 <その他の事業(主に衛生事業)>衛生事業では、引き続き、検査技術能力を向上させ、モスグループ内の衛生管理を徹底していくほか、これまで培ってきた衛生ノウハウをもとに、新たな外部チャネルの獲得と、事業領域を開拓してまいります。 <全社横断テーマ>グループ全体では、人的資本経営を通して自社の課題を解決し、未来のための適切な投資を実施してまいります。人事戦略として、グループ共通の価値観、理念である「モスの心」の浸透と、「モスの心」を中心とした人材モデルに基づく育成計画を策定し、実践してまいります。具体的には、経営戦略と人材戦略を連動していくほか、ジョブ型要素の導入、働く環境の整備などに取り組んでまいります。投資戦略として、3ヶ年の投資額は総額約222億円を予定しております。投資・撤退基準を再整備し、成長性や収益性に基づいて集中的な投資を行っていくほか、中長期的な利益成長を実現するためM&A案件や事業提携に取り組んでまいります。 (3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題不安定な国際情勢による景気減速リスクや個人消費の先行き不透明感に加え、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替変動による調達費用の増大など、依然として予断を許さない事業環境が続いております。厳しい経営環境下ではありますが、お客様の生活様式の変化に対応しつつ、ブランド価値及び業績のさらなる向上を目指し、以下の取り組みを実施してまいります。 ① 国内モスバーガー事業(マーチャンダイジング事業を含む)中期方針として、既存店の基盤強化を掲げております。独自の強みを活かしたマーケティングの展開や、モスの価値を体現する高付加価値商品の開発により、お客様の期待に応える商品を展開してまいります。また、お客様を起点にしたデジタル化を進め、利便性向上に努めるほか、当社の強みであるフランチャイズチェーンの基盤を活用した地域密着活動を推進してまいります。さらに、ECや物販等のマーチャンダイジング事業を拡大し、店舗以外でもモスブランドに触れる機会を創出することで、「MOS BURGER」から「MOS」ブランドへの進化を図ってまいります。 ② 海外事業中期方針として、事業基盤の再構築と収益力の改善を掲げております。日本の食文化を大切にした定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品の販売や、地域に根差した店舗展開を進め、日本発の外食チェーンとしてモスブランドの定着を図ってまいります。さらに、商圏の変化及びお客様のニーズの変化を捉えたマーケティングと個店ごとの販売力強化、リブランディングに取り組んでまいります。 ③ 新規飲食事業各業態の運営力を磨き上げるとともに、収益源の多様化に向けた新たなビジネスモデルの構築を進め、グループの次代を担う成長事業へと育てるべく取り組んでまいります。 ④ SDGsの推進理念体系「モスの心」に基づき、事業活動を通じて社会課題の解決と価値創造に取り組みます。環境負荷の低減や地域社会への貢献を通じ、当社の基本方針である「心のやすらぎ」と「ほのぼのとした暖かさ」を世界の人々に広げていくことを目指します。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当社グループは、2025年5月に中期経営計画(2025-2027年度)を発表いたしました。この中期経営計画では、『「心のやすらぎ」「ほのぼのとした暖かさ」を、世界の人々に』を実現し、世界が注目する外食のアジアオンリーワン企業になるというありたい姿を掲げ、各施策の実行を開始いたしました。基幹事業である国内モスバーガー事業においては、消費の二極化に対応するため、前年度に引き続き「価格のグラデーション化戦略」と「時間帯別売上の平準化」を推進いたしました。これにより、幅広い層のお客様の獲得に繋げ、売上基盤の強化を図りました。さらに、費用対効果を意識して全社的に販管費の抑制に努めたほか、在庫回転率の向上による保管費の抑制や物流の効率化など、前年度に引き続き多角的なコスト抑制策を実行いたしました。海外事業では、既存進出国の課題解決を最優先とし、店舗収益力向上とブランディング強化に取り組みました。また、グローバルで最適な食材供給ネットワークの構築に向けて、グループ及び関係企業の生産・供給機能の強化も進めております。また、ESGの観点から当社グループのマテリアリティ(重要課題)のテーマを、①食と健康、②店舗と地域コミュニティ、③人材育成と支援、④地球環境の4つに定め、事業活動を通じて社会に向けた価値創造に取り組んでおります。これらの結果、当連結会計年度の連結業績は売上高が1,027億73百万円(前年度比6.8%増)、営業利益65億61百万円(同25.6%増)、経常利益71億7百万円(同27.6%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は45億87百万円(同45.6%増)となりました。セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。なお、当連結会計年度より報告セグメントを変更しております。従来の「その他飲食事業」を「新規飲食事業」へ名称変更を行うと共に、従来「国内モスバーガー事業」に含まれておりました「MOS50」「Stand by Mos」「mosh」にかかる事業を「新規飲食事業」に移管しております。この移管は、各ブランドの育成を促進することを目的とした組織変更に伴うものであります。以下の前年度との比較につきましては、前年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。 <国内モスバーガー事業> 国内モスバーガー事業では、お客様のニーズに合わせた商品開発、マーケティング展開に加え、「価格のグラデーション化戦略」として幅広い価格帯の選択肢を提供いたしました。さらに、既存店の基盤強化と地域に密着した店舗運営を推進したことで、既存店売上高・客数・客単価が前年度を上回りました。 モスバーガー既存店及び全店実績(2025年4月~2026年3月)(前年度比)既存店売上高既存店客数既存店客単価全店売上高109.0%106.3%102.5%109.2% a. 商品・マーケティング施策当年度は、日本の食文化を大切にした商品開発と、「和ごころエンジョイ」をキャッチフレーズにしたマーケティングを展開してまいりました。また、新しい価値創造に挑む当社の姿勢と、BMXの中村輪夢選手の「チャレンジ」への思いが共鳴し、同選手とパートナー契約を締結いたしました。あわせて、そのパフォーマンスを通じて「新とびきり」シリーズの魅力を伝える新CMを放映し、ブランド価値の向上を図りました。 春キャンペーン「新とびきり」シリーズからは国産牛100%使用のパティを使用した「新とびきりトマト&レタス ~和風ジンジャーソース~」を、「海老カツ」シリーズからは、「バジルマヨの海老カツバーガー ~国産バジル~」を販売いたしました。夏キャンペーン「夏の味覚・彩りをラインアップで魅せるキャンペーン」のメイン商品として「モスタコスバーガー」を発売し、辛口やパティ2枚の「ダブル」といったバリエーションで多様なニーズに対応するとともに、夏のプレミアム商品として「黒毛和牛の肉盛りバーガー」を投入し、ご褒美バーガーとして訴求いたしました。秋キャンペーン月見商戦で盛り上がる9月には「月見」シリーズを展開し、定番の「月見フォカッチャ」をより濃厚な味にリニューアルしたほか、“裏月見”としてボリューム感を重視した「メンチカツチーズバーガー」を発売し、ご好評をいただきました。冬キャンペーン年末年始のご褒美需要に対し、お得感を高めて健康意識の高い層へ訴求した「アボカドバーガー」や、素材と製法にこだわり抜いた数量限定のプレミアム商品「『モスの匠味(たくみ)』 黒毛和牛のダブルチーズバーガー」を発売し、多様なニーズに対応いたしました。地域限定商品日本で生まれたハンバーガーチェーンとして、日本各地の食材や特色を活かした魅力ある商品を、地域限定商品として展開いたしました。「淡路島産 たまねぎバーガー 和風しょうゆ仕立て」(兵庫県ほか)「KANSAI限定 国産牛すじバーガー」(大阪府ほか)「まぜるシェイク 埼玉県産いちご」(埼玉県)「金沢カレーカツバーガー」(石川県ほか)「黒アヒージョ ベーコンバーガー」(千葉県ほか) b. 店舗施策居心地の良い店舗空間づくりを推進したほか、「時間帯別売上の平準化」の取り組みの一環として、カフェ需要に対応したドリンクやスイーツの充実を図りました。さらに、店舗スタッフのオペレーション効率化を実現する機器を導入し、商品の提供時間の短縮に努めました。また、不採算店舗の整理を進める一方で、家賃や建築コストが高騰する環境下でも利益を確保できる高収益モデルの開発に着手しております。今後も厳選した新規出店と低収益店舗のクローズを並行し、次期中期経営計画での再成長に向けた収益基盤の強化を図ってまいります。 出退店実績(2025年4月~2026年3月)(2025年3月末比)出店数退店数店舗数増減19271,310△8※ブランド育成を促進するため、国内モスバーガー事業に含まれていた「MOS50」「Stand by Mos」を新規飲食事業に区分変更いたしました。 c. デジタル技術の活用お客様を起点としたデジタル化を進め、利便性の向上に取り組みました。具体的には、「非対面受注」の拡大を図るため、全店舗に導入しているレジに並ばずに注文できる「お席で注文」の活用を引き続き促進しました。また、将来の人手不足を見据えた「フルセルフレジ」の導入、ドライブスルーにおける注文時間短縮のためのデジタルサイネージ活用などを推進いたしました。さらに、ドライブスルーにおける店舗オペレーションの効率化とホスピタリティの向上を目指し、AI音声認識を活用した自動注文システムの実証実験を開始いたしました。最先端技術による顧客体験の向上と省人化の両立に向け、今後もデジタル技術の活用を強化してまいります。 d. 新たな事業展開マーチャンダイジング事業では、公式オンラインショップ「Life with MOS」において商品ラインアップの充実を図っております。当期は、お弁当の定番である“のり弁”をモス流にアレンジした「モスライスバーガー〈のり弁〉~白身魚フライときんぴら~」を発売し当初計画を上回るなど、ご好評をいただいております。今後もこの取り組みを拡大し、ブランド価値の向上とともに新たな収益源へと育成してまいります。 以上の事業活動の結果、国内モスバーガー事業の売上高は839億93百万円(前年度比9.7%増)となり、セグメント利益(営業利益)は78億76百万円(同22.9%増)となりました。 <海外事業>海外事業では、現中期経営計画を基盤強化の期間と位置付け、収益性の改善に注力しております。具体的には、商圏及び人流の変化に合わせた不採算店舗の整理や既存店の改装、本社経費の抑制を推進しております。マーケティング面では、店舗の看板のカタカナ表記化などの具体策を通じて「日本発祥のブランド」としての訴求を強化するとともに、店舗改装と販促強化を同時に実施することで相乗効果を高め、収益力の回復とブランド力の強化を図っております。また、商品展開においては、日本の食文化を大切にした定番商品に加え、現地の嗜好を取り入れたローカライズ商品の販売など、地域に根差した店舗展開を進めております。さらに、グローバルで最適な食材供給ネットワークを構築するための新たな拠点として、台湾の製造子会社にて新工場稼働に向けた準備を進めております。現中期経営計画で再整備した強固なグループ機能やマネジメント体制を活かし、次期中期経営計画では戦略実行期として、新規国への出店など成長に向けた施策を本格的に実行してまいります。 海外店舗数増減 国・地域名2024年12月末時点2025年12月末時点増減数台湾299297△2香港4342△1シンガポール3630△6タイ2424±0韓国1313±0フィリピン75△2合計422411△11 ※海外事業に属する関係会社の会計期間は2025年1月から12月であるため、同期間の情報を記載しております。 以上の事業活動の結果、海外事業の売上高は154億77百万円(前年度比6.8%減)、セグメント利益(営業利益)は3億28百万円(同32.5%減)となりました。 <新規飲食事業>新規飲食事業では、経営資源の選択と集中による店舗網の最適化に加え、商品力の強化やサービス品質の向上を図っております。2026年3月に「玄米食堂あえん 町田パリオ店」をオープンいたしました。「玄米食堂あえん」は、低投資・省人化モデルとして多店舗展開に向けた基盤育成を進めております。 新規飲食事業概要(2026年3月末時点) 事業事業の内容店舗数マザーリーフスリランカの茶園直送の紅茶とアメリカンワッフルを提供する紅茶専門店2マザーリーフティースタイル新しい紅茶のスタイルを提案するセルフスタイルカフェ6モスドモスバーガーとミスタードーナツとのコラボレーションショップ2モスプレミアムグルメバーガーとお酒が楽しめるフルサービスレストラン2カフェ 山と海と太陽バリエーション豊かなドリンクとハンバーガーを提供するカフェ店舗2あえん四季折々の旬菜料理を提供する和風レストラン4玄米食堂あえんこだわりの玄米定食をメインにした食堂タイプの「あえん」※「町田パリオ店」オープン(3月)4MOS502022年の創業50周年を記念して導入された、特別メニューを提供するキッチンカー2Stand by Mos主に規格外品などで廃棄されてしまう野菜を使用したドリンクを販売する新業態のドリンクスタンド1合計25※ブランド育成を促進するため、国内モスバーガー事業に含まれていた「MOS50」「Stand by Mos」を新規飲食事業に区分変更いたしました。 以上の事業活動の結果、新規飲食事業の売上高は20億15百万円(前年度比7.4%増)、セグメント損失(営業損失)は2億10百万円(同83百万円の損失増)となりました。 <その他の事業>連結子会社の株式会社エム・エイチ・エスは衛生管理、株式会社モスクレジットはフランチャイジー(加盟店)を対象とした機器レンタルや保険・金融、株式会社モスシャインはグループ内業務のアウトソーシング等により主に国内モスバーガー事業や新規飲食事業を支援しております。これらによるその他の事業の売上高は12億87百万円(前年度比12.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は5億68百万円(同4.0%減)となりました。なお、2026年4月1日付で完全子会社である株式会社モスクレジットを吸収合併することを決定いたしました。本合併により、同社が担ってきた金融・保険・レンタル業務等の機能を統合し、グループ全体の業務効率化を図ってまいります。 上記以外の取り組みとして、モスグループの各事業を通じて社会課題の解決に貢献するために、環境・社会・ガバナンス(ESG)の観点から4つのマテリアリティ(重要課題)を特定し、サステナビリティ経営を通じてさらなる企業価値の向上を推進しております。 「モスグループカスタマーハラスメント対応方針」を策定モスグループは、共に働く全従業員の人権、健康、安全を尊重し、カスタマーハラスメントのない公平で持続可能な社会の実現を目指し、「モスグループ カスタマーハラスメント対応方針」を2025年4月1日付で策定いたしました。乳幼児向け視力測定検査機器の共同研究開発を開始当社では、名古屋大学医学部附属病院、株式会社夏目綜合研究所と共同で、乳幼児向け視力測定検査機器の研究開発を開始いたしました。6月10日の「こどもの目の日」を機に、モスバーガー店舗で弱視早期発見のための啓発リーフレット配布など、情報提供活動も推進いたしました。「こだわりサラダ」リニューアル減塩ドレッシング、障がいのある社員(チャレンジメイト)が育てた野菜の使用、テイクアウト容器の紙製化を実施いたしました。こども支援活動「こどもごちめし」に参画夏休みの子育て世帯を支えるため、夏休み期間に子育て世帯へ食料(全国で1万食)を無償提供する支援活動に参加いたしました。「グリーンバーガー〈テリヤキ〉」プラントベース食品認証取得植物由来の「グリーンバーガー〈テリヤキ〉」がプラントベース食品認証を取得し、食の多様性への対応と環境負荷の低減に取り組みました。障がい者アートの紙カップで社会参加支援新潟県及び群馬県内の店舗において、障がいのあるアーティストの作品をあしらった「MOSごと美術館イラストカップ」を導入し、地域社会との共生と表現活動の支援を推進いたしました。障がい者アートを内装に採用(原宿表参道店)改装に合わせて店舗内装に採用しているアート作品を入替え、障がいのあるアーティストの独創的なアート作品を店舗内装に7点採用し、作品発表の場を提供することで、さらなる社会参加と多様性をサポートいたしました。ホットドッグ新パッケージが「アクセシブルデザイン包装賞」受賞「2025日本パッケージングコンテスト」の「アクセシブルデザイン包装賞」を受賞。新パッケージは、ワンハンドでの喫食を可能にしたほか、紙・プラスチックの使用量を削減するなど、環境負荷低減にも貢献しております。“MOS RECORDS”第2回オーディション「音楽」「アート」両部門の受賞者決定店舗で働くキャストの才能を発掘・応援するプロジェクトの第2回オーディションを実施し、音楽部門では「星野美月」が、アート部門では「Ebio.」がグランプリに輝きました。「愛のモスボックス」募金贈呈式の実施全国の店舗に設置している「愛のモスボックス」でお預かりした募金を、視覚障がいのある方々の歩行を支援する公益財団法人アイメイト協会及び「ジェフ愛の募金」に寄付いたしました。「第17回マザーズセレクション大賞2025」を受賞「こどモス」プロジェクトを通じた安心・快適な店舗づくりや、親子で野菜をおいしく食べられる商品提供が評価され、子育て期の父母の投票による「マザーズセレクション大賞」を受賞いたしました。「全日本高等学校女子サッカー選手権大会」に協賛2025年12月29日から兵庫県で開催された「第34回全日本高等学校女子サッカー選手権大会」に協賛いたしました。「EARTH HOUR 2026」に参加22社50ブランドを超える外食チェーン・ホテルと合同でWWF(世界自然保護基金)の活動「EARTH HOUR 2026」に参加いたしました。 当連結会計年度の財政状態につきましては以下のとおりであります。a. 資産当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度に比べ67億66百万円増加し、873億42百万円となりました。流動資産は前連結会計年度に比べ35億72百万円増加し、固定資産は31億93百万円増加しております。資産が増加した主な理由は、現金及び預金が増加したこと、売上の増加により売掛金が増加したこと、キャッシュレス決済増加により未収入金が増加したこと及び設備投資等により有形固定資産が増加したことによるものであります。b. 負債当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度に比べ14億72百万円増加し、277億22百万円となりました。この増加の主な理由は、キャッシュレス決済に伴うフランチャイジー(加盟店)への未払金が増加したことによるものであります。c. 純資産当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度に比べ52億93百万円増加し、596億20百万円となりました。この増加の主な理由は、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことにより利益剰余金が増加したこと及び時価の変動等によりその他有価証券評価差額金が増加したことによるものであります。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末67.1%から当連結会計年度末は67.6%と0.5ポイント増加しております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー92億21百万円、投資活動によるキャッシュ・フロー△32億6百万円、財務活動によるキャッシュ・フロー△35億30百万円等により、前連結会計年度末に比べ23億90百万円増加し、276億78百万円(前年度比9.5%増)となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な理由は以下のとおりであります。a. 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動により得られた資金は92億21百万円(前年度は73億46百万円の収入)となりました。その主な理由は、税金等調整前当期純利益65億34百万円、減価償却費40億61百万円及び法人税等の支払額19億89百万円によるものであります。b. 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動により使用した資金は32億6百万円(前年度は16億42百万円の支出)となりました。その主な理由は、有形固定資産の取得による支出33億19百万円によるものであります。c. 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動により使用した資金は35億30百万円(前年度は37億30百万円の支出)となりました。その主な理由は、リース債務の返済による支出18億71百万円及び配当金の支払額9億40百万円によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績及び受注実績当社グループのうち一部の連結子会社において生産を行っておりますが、グループ事業全体における重要性が低いため、生産実績及び受注実績については記載しておりません。 b. 仕入実績当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)国内モスバーガー事業45,455111.3海外事業4,08292.8新規飲食事業722112.0その他の事業985109.5合計51,245109.6 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)国内モスバーガー事業83,993109.7海外事業15,47793.2新規飲食事業2,015107.4その他の事業1,287112.4合計102,773106.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (i) 国内モスバーガー事業(ア)部門別販売実績部門金額(百万円)前年同期比(%) 加盟店への卸売上高54,498111.0 直営店売上高25,614106.4 その他の営業収入3,403116.1顧客との契約から生じる収益83,516109.8その他の収益477102.5外部顧客への売上高83,993109.7 (イ)地域別店舗売上高地域期末店舗数(店)金額(百万円)前年同期比(%)北海道・東北地域13113,217110.8関東・新潟地域22323,494111.1東京・神奈川地域27030,494108.7甲信・静岡地域757,909110.9中京・北陸地域14117,852108.4近畿地域18220,800109.2中国・四国地域10813,037108.2九州・沖縄地域18020,905107.3合計1,310147,711109.2 (注) 1.期末店舗数は直営店舗数とフランチャイジー(加盟店)の店舗数の合計であり、合計の内訳は、直営店舗229店、フランチャイジー(加盟店)1,081店であります。2.店舗売上高とは当社グループ直営店及びフランチャイジー(加盟店)の売上高を合算したものであり、連結損益計算書に記載されている売上高とは一致しておりません。 (ⅱ) 海外事業(ア)部門別販売実績部門金額(百万円)前年同期比(%) 加盟店への卸売上高-- 直営店売上高9,27288.4 その他の営業収入6,204101.4顧客との契約から生じる収益15,47793.2その他の収益--外部顧客への売上高15,47793.2 (イ)地域別店舗売上高地域期末店舗数(店)金額(百万円)前年同期比(%)シンガポール303,77283.3香港425,49992.3合計729,27288.4 (注) 1.期末店舗数は直営店舗数とフランチャイジー(加盟店)の店舗数の合計であり、合計の内訳は、全て直営店舗であります。 2.連結子会社のみを記載対象としております。 (ⅲ) 新規飲食事業(ア)部門別販売実績部門金額(百万円)前年同期比(%) 加盟店への卸売上高-- 直営店売上高2,015108.5 その他の営業収入--顧客との契約から生じる収益2,015107.4その他の収益--外部顧客への売上高2,015107.4 (ⅳ) その他の事業(ア)部門別販売実績部門金額(百万円)前年同期比(%) 加盟店への卸売上高-- 直営店売上高-- その他の営業収入177100.7顧客との契約から生じる収益177100.7その他の収益1,109114.6外部顧客への売上高1,287112.4 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりであります。2025年度においては、雇用・所得環境の緩やかな改善やインバウンド需要が、外食市場を下支えする要因となりました。一方で、不安定な国際情勢による景気減速リスクや個人消費の先行き不透明感に加え、原材料・エネルギー価格の高止まり、為替変動による調達費用の増大など、依然として予断を許さない事業環境が続いております。このような環境の中、当社グループでは、2025年4月より開始した中期経営計画(2025-2027年度)に基づき施策の推進に取り組んでまいりました。 経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 財政状態の分析当連結会計年度の財政状態の分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品の仕入のほか、販売費及び一般管理費等であります。投資を目的とした資金需要は、店舗の設備投資、システム開発投資等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は47億38百万円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は276億78百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成に当たりまして、会計上の見積りについて入手可能な情報に基づき実施しております。当社グループは以下の項目が、当社の連結財務諸表の作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと理解しておりますが、経済環境が変化した場合には、見積りの結果に影響し、将来の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。a. 固定資産の減損固定資産の減損に関する見積り及び当該見積りに用いた仮定に関しては、「第5 経理の状況 1 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。b. 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その見積額が減少し繰延税金資産の一部又は全部を将来実現できないと判断した場合、その判断を行った期間に繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
事業リスク
- 食品事故リスク危険異物の混入、食中毒の発生、工場での事故などにより、店舗への食材供給が滞る可能性があります。これは、顧客の健康被害やブランドイメージの著しい毀損、売上減少に直結し、企業の存続に重大な影響を与えるリスクです。
- 店舗マネジメントリスク設備事故、交通事故、顧客や従業員の個人情報漏えい、法令・マニュアル違反、自然災害など、店舗運営に関わる様々なトラブルが発生する可能性があります。これらのリスクは、顧客からの信頼失墜や損害賠償、事業活動の停止につながる恐れがあります。
- 人事労務リスク労働基準法等の法令違反、ハラスメント、人手不足、従業員のメンタル疾患、人的損失の発生などが挙げられます。これらの問題は、従業員のモチベーション低下や離職率の増加、業務品質の低下、生産性の悪化を招き、事業運営に支障をきたす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとそのマネジメント体制等については、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) リスクマネジメント体制① 背景と基本的考え方大規模自然災害の増加や国際的な政治情勢の変化、世界的な原材料・エネルギー価格の高騰等、当社グループを取り巻く事業環境の不確実性(リスク)は増大しており、当社ではリスクマネジメントの重要性はますます高まっているものと認識しております。当社グループは、リスクマネジメントについて、これを資本・リスク・収益のバランスを取りながら、持続的成長と中長期的な企業価値の向上を図る一連の経営管理プロセスと位置付けており、リスクを損失や脅威(マイナスの面)として捉えるだけでなく、その機会の面(プラスの面)にも着目し、損失の回避・低減を図りつつ、リターンの最大化を追求してまいります。② 取締役会によるリスクマネジメント取締役会は、内部統制システムの整備及び運用の監督並びに緊急時(重大なコンプライアンス違反、重大な食品事故、甚大な被害が生じた災害等)の危機対応を行います。また、重要な投融資、新規事業投資等については、取締役社長及び役付執行役員並びに執行役員で構成する経営会議の下に設置した管理部門確認会及びスクリーニング会議において、事前に資本・リスク・収益のバランスに関する分析を行ったうえで取締役会に付議する体制を構築しており、これによって財務リスクのマネジメントを行っております。具体的には、取締役会の付議書には、資本コストと比較した投資額とその回収期間、想定されるリスクとその対処方法を明記することになっており、取締役会はリスク選好とリスク許容度(許容可能なリスクの特定とその水準)を明確にしたうえで付議議案を決裁することにより経営リスク及び戦略リスクのマネジメントを行っております。なお、経営企画部門は、取締役会、経営会議、その他重要会議の事務局として、それぞれの会議が適正に運用されるよう起案すべき議案が漏れていないか、その経営判断に必要な資料、データ等が揃っているか等を確認しております。③ 委員会によるリスクマネジメントオペレーショナルリスク、クライシスのマネジメント及びコンプライアンス体制の推進等に関しては、リスク・コンプライアンス委員会を、ディスクロージャーの信頼性リスク(財務報告リスク)のマネジメントに関しては内部統制委員会を設置し、両委員会で緊密に連携しながらこれらについて全社横断的に対応しております。リスク・コンプライアンス委員会は、取締役社長を最高責任者、担当取締役を統括責任者とし、主要リスクを主管する各部門の部門長及び子会社の社長を委員に、リスク情報を管理している部門の部門長をオブザーバーに加え、リスクマネジメント部門の部門長を委員長として構成しております。内部統制委員会は、財務報告において実務的役割を担う部署の責任者を委員に、内部監査部門の部門長を委員長として構成しております。また、内部監査部門は、独立的かつ客観的な立場から内部監査を行うため、取締役社長直轄の独立部門として組織されております。なお、2025年4月から、両委員会の連携をさらに緊密にするため、リスク・コンプライアンス委員会の統括責任者がオブザーバーとして内部統制委員会に参加しております。 (2) 主要リスク・重大リスクの評価プロセスとマネジメントサイクル① 定義当社は、当社グループの「事業に影響を及ぼす可能性があるリスク」を「主要リスク」と定義し、各事業の抱える多様なリスクを網羅的に把握・特定したうえで、リスク・コンプライアンス委員会が一連のサイクルを循環させることによって、継続的な改善活動を展開しております。主要リスクのうち「全社的に優先対応すべきリスク」を「重大リスク」と定義し、リスクマネジメント部門を中心に部門横断的に対策を実施し、当社グループ全体で重大リスクのマネジメントを推進しております。② リスク評価プロセスリスク・コンプライアンス委員会は、中期経営計画の策定サイクルに合わせて主要リスクを主管する各部門の部門長等にリスク調査票を配布し、部門長は新たなリスクや既存のリスクの大きさと変化がある場合はその変化量を報告しております。これにより把握・特定されたリスクについて、リスク・コンプライアンス委員会内のリスク評価会議においてその影響度と発生可能性に関して協議し、リスクの大きさを決定しております。リスクの影響度については、定量的な評価(売上・資産の減少、損害賠償等の経済的損失)と定性的な評価(社会的評価、ブランドイメージの毀損等)の両面からアプローチして評価を行っております。リスクマネジメント部門は、主要リスクに対し、顕在化のスピード、そのリスクを主管する部門で取られている対策の有効性についての評価も加えた総合的なリスク評価によってこれを絞り込み、取締役社長と担当取締役との協議により順位付けを行ったうえで今期の重大リスクを決定しております。 影響度(a)発生可能性顕在化のスピード対策の有効性 定量評価定性評価 評価結果(ア)(イ)(ウ) 売上・資産の損失額損害賠償額(違約金・補償金等含む)ブランド評価企業イメージ毀損(ア)~(ウ)の最大値(a)(b)(c)(d)最大値(a)×(b)×(c)×(d) ③ リスクマネジメントサイクルリスク・コンプライアンス委員会の委員長は、各リスクの対応に関する基本方針と年間の活動スケジュールを「コンプライアンス・リスクマネジメント推進プログラム」(以下、「推進プログラム」という)として取締役会に報告しております。取締役会は、主要リスクについてダウンサイドだけではなくアップサイドの面にも着目し、グループの成長戦略に反映しております。リスクマネジメント部門及び主要リスクを主管する各部門は、上記の推進プログラムに基づいてリスク対応を行い、その実施状況について四半期に1回リスク・コンプライアンス委員会に報告し、同委員会では必要に応じリスク対応の変更、施策の追加等について協議し、その結果を当該部門にフィードバックしております。月次の活動として、リスク対応の実施状況、モニタリングの結果及びフォローアップの状況について、取締役会に報告しております。 (3) 内部監査部門、監査役との連携内部監査部門はリスク評価プロセスの検証を行います。具体的には、部門の谷間に落ちて評価の対象となっていないリスクがないか、相互に作用しあう関連する複数のリスクを合わせて評価しているか、対策が部門間のリスク移転になっていないか、固有リスクに対し残余リスクが低く見積もられていないか(対策の有効性が高く評価されすぎていないか)等の視点で、リスクの特定、分析、評価、絞り込みの各プロセス全般を検証しております。また、内部監査部門は、リスクアプローチの考え方を取り入れ、リスク・コンプライアンス委員会によるリスク評価や三様監査ミーティングで共有した監査結果、内部監査で得たリスク情報等に基づき年間の監査計画を策定しております。監査役との連携については、常勤監査役2名はリスク・コンプライアンス委員会及び内部統制委員会に出席し、独立社外監査役2名はその知識、経験、能力に応じて分担してそれぞれがどちらかの委員会に出席して、必要に応じ意見を述べております。また、監査役会では、重大リスクと監査役監査における主な検討事項との整合性を確認しております。 (4) 当社グループの主要リスクは以下のとおりであります。分類リスク項目内 容主 要 リ ス ク重大リスク食品事故リスク危険異物の混入、食中毒の発生、工場等での食品事故により店舗に対し食材を供給できない等店舗マネジメントリスク設備に起因する事故、交通事故、お客様及び従業員の個人情報漏えい、その他店舗における事件・事故、トラブル、法令・条例違反、マニュアル・内規違反、店舗が集中している地域での自然災害の発生等人事労務リスク労働基準法等の法令・条例違反、ハラスメント、就業規程・社内ルールからの逸脱、人手不足、メンタル疾患、人的損失の発生、業務品質の低下、生産性の低下等法令違反リスク経営者や社員による不正行為、法令・条例違反、食品衛生法をはじめとする食品衛生関連のほか、環境関連・設備関連・労働関連等の様々な法規制等が変更又は強化された場合の対応等サプライチェーンリスク自然災害やパンデミック、政治的不安や地域紛争、原材料や部品の価格高騰や欠品、当社グループや取引先に対するサイバー攻撃やシステム障害等によって、食包材や消耗品・厨房機器・家具・看板等を加盟店に計画どおりに供給できない等情報セキュリティリスクサイバー攻撃による被害や不測の事件・事故による個人情報や機密情報等の漏えい、情報システムの停止による店舗への食材供給の停止や障害、風評被害等 海外事業リスク海外店舗における事件・事故、コンプライアンス違反、進出国やその周辺地域における政情・経済・法規制等の各国・地域に特有なカントリーリスク、パートナーリスク等人権リスク自社事業及びサプライチェーン等の活動における強制労働、児童労働、ハラスメントや差別、プライバシー侵害等ガバナンスリスク不適切な情報、虚偽情報等の発生、人権問題等に関する対応、不祥事による株主代表訴訟等フランチャイジー(加盟店)リスク本部とフランチャイジー(加盟店)及びフランチャイジー(加盟店)間のトラブルや摩擦、訴訟、フランチャイジー(加盟店)オーナーの高齢化等による経営意欲の減退、事業承継の停滞等環境リスク気候変動による調達リスクの増加、多大な食品ロスの発生、環境関連の法令・条例の制定や改正等感染症リスク店舗閉鎖・休業・営業時間短縮等による業績の悪化、風評被害、罹患、クラスター発生、安全配慮義務の不足、生産性の低下等 (5) 当社グループの重大リスクは以下のとおりであります。① 食品事故リスク<リスクの概要>店舗の営業において、危険異物の混入や食中毒の発生等の食品事故が発生した場合に、営業停止等の処分を受ける可能性があります。工場等での食品事故により、当社グループが店舗に対し食材を供給できない事態となった場合も含め、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。<脅威と機会>衛生問題による営業停止、商品供給の停止等が発生した場合は、社会からの信頼喪失と企業価値の低下にもつながりかねません。一方、重点的にリスク対策を行い、発生可能性を継続的に抑制することによって、食の安全・安心ブランドを確立し、競争優位性を確保することもでき、当社グループにおける飲食事業の持続的な成長を支えることが可能となります。当社グループは、「食を通じて、世界中の人を幸せにすること。」という私たちの使命のもと、食品の「安全」「安心」を確実なものとするために、持続的な食品安全レベルの向上に取り組んでまいります。 <対応策>当社グループでは、HACCPの考え方を取り入れた衛生管理に加え、ISO22000に準拠した独自の「モス食品安全基準」を構築しております。この基準は、農産物の産地選定、製造工場の選定・管理から、物流管理、トレーサビリティ管理、店舗での衛生管理までの一連の流れに加え、店舗の設計、商品開発も含めて幅広くサプライチェーン全体をマネジメントするシステムとなっております。また、「モス食品安全基準」に基づき、年2回の店舗衛生監査の実施、毎週開催の食品安全会議における各専門部署によるモニタリングと改善活動等を行っております。さらに「モス食品安全基準」は毎年見直しを行っており、当社グループの事業の多様化や、社会情勢、お客様の価値観の変化等に速やかに対応できる体制も整えております。② 店舗マネジメントリスク<リスクの概要>当社グループの店舗において事件・事故、トラブル、コンプライアンス違反等が発生した場合には、お客様と従業員に安全管理上の問題が生じるほか、発生店舗の営業継続が困難となり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。<脅威と機会>営業活動の短縮や停止に至った場合は、風評による影響が懸念される事態も想定されます。一方、お客様と従業員の安全管理を徹底し、お客様相談室にて常にお客様の生の声をお聴きしてその声を積極的に活かすことによって、社会から信頼されるブランドとなり、地域社会においてなくてはならない店舗として安定的な事業の基盤を作ることが可能となります。<対応策>当社グループは、全店での定期的な安全管理検査や従業員へのリスクマネジメント教育の実施等により、お客様と従業員の安全管理を徹底しております。特に、当連結会計年度においては、過去の一酸化炭素中毒事故の再発防止策として、各店での月例安全点検に加え、全店一斉調査を実施して、安全の再確認を行いました。また、自然災害や感染症等の緊急事態に備え、店舗の営業中止、継続等に関する基準を設定しており、迅速に対応できる体制の整備、強化を進めております。③ 人事労務リスク<リスクの概要>労働基準法等の法令違反、ハラスメント、就業規程、社内ルールからの逸脱等があった場合には、働きがいやモチベーションの低下を招きかねず、労働市場が逼迫する中、それらが起因して優秀な人材の流出や人材確保が困難となる事態に至った場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 <脅威と機会>人材不足や人件費の高騰、組織力、帰属意識、労働生産性等の低下に陥る場合も想定されます。一方、現在当社グループが取り組んでいる「人的資本経営」を推進することによって、多様性があり健康で安全な職場、働きがいのある会社を実現し、優秀な人材の確保、労働生産性の向上につなげることも可能となります。当社グループは、私たちの文化である「どうせ仕事をするなら、感謝される仕事をしよう。」を「人的資本経営」の中心に置き、グループ一丸となってこれを推進してまいります。<対応策>当社グループは、「人材育成と支援」をマテリアリティのテーマに位置付け、「人材育成」「健康経営」「ダイバーシティの推進」に取り組んでおります。具体的には、女性従業員の育児休業復職率100%の継続、男性従業員の育児休業取得促進、専門性の高い中途人材の採用、ベトナムからの特定技能資格取得者の受入れ等、多様性を推進してまいりました。また、「モスフードサービス健康宣言」を定め、産業医・保健師から社内への定期的な情報提供によるヘルスリテラシーの向上セミナーを実施する等、健康的で働きがいのある環境整備にも努めております。さらに、従業員の成長は組織の成長につながり、その積み重ねが未来へとつながっていくという考えのもと、キャリアパスと求められる能力を明確にするとともに、管理職や専門職、店長等の認定制度を整備し、さらに従業員のチャレンジをサポートする制度の拡充も図っております。④ 法令違反リスク<リスクの概要>経営者や従業員による不正行為、法令・条例違反等があった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、当社グループの店舗は食品衛生法をはじめとする食品衛生関連のほか、環境関連、設備関連、労働関連等の様々な法規制等を受けております。これらの法規制等が変更、強化された場合は、その対応のための費用が増加する可能性があります。 <脅威と機会>万一の事態が発生した場合は、社会的信用の毀損、喪失等も想定されます。一方、関連法規制に迅速に対応するだけでなく、それらの法規制の改正を待たずに先行して対応を行うこと等によって社会から信頼されるブランドの確立につなげることも可能となります。<対応策>当社グループでは、店舗を含むグループの全従業員が「モスグループ企業行動規範」を確認する「読む日」を毎年設け、その周知徹底を図っております。また、役員・従業員を対象にコンプライアンス研修を実施しており、当連結会計年度は、役員を含む管理職を対象に、「職場環境改善のための適切なコミュニケーション」をテーマとしたハラスメント防止研修を、一般社員を対象にハラスメントを含むコンプライアンス全般のe-ラーニングを実施し、対象者全員が受講いたしました。同時にコンプライアンスに関する意識調査も行い、その効果を検証したうえで、翌年度の活動に活かす仕組みとしております。内部通報制度については継続的な周知により、法令違反や不正等の防止に努めております。なお、3月には「モスの心」を実践しステークホルダーとの信頼を確固たるものにするために同規範及び「社員行動基準」を刷新いたしました。⑤ サプライチェーンリスク<リスクの概要>当社グループでは、お客様が安心して店舗をご利用いただけるよう、一定レベル以上の基準を設けたうえで、食材をはじめとする店舗の営業に必要な包装資材、消耗品、厨房機器、家具、看板等のほぼ全てを加盟店に供給しております。従って、自然災害やパンデミック、政治的不安や地域紛争、原材料や部品の価格高騰や欠品、当社グループや取引先に対するサイバー攻撃やシステム障害等によってこれらを加盟店に計画どおりに供給できない事態となった場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。<脅威と機会>上記のような事態となった場合は、一部商品の販売停止、店舗の休業、これらによるお客様の利用動機の減少等も想定されます。一方、どのような事態でも安定的に供給できる、それができない場合は、最低限の影響にとどめる、又は短期間で回復できるレジリエントなサプライチェーンを構築することによって、加盟店に対する供給責任を果たしつつ、当社グループにおける卸売収益の安定化を図ることも可能となります。<対応策>当社グループでは、複数社購買や複数拠点での生産等の供給ルートの複線化、物流の最適化等を推進するとともに、主要食材の一部については数ヶ月分の在庫量を確保し、不測の事態に備えております。生鮮野菜においても、店舗へ安定的に供給できるよう産地の分散及び改廃を実施しております。また、首都直下型地震等で本部機能が不全となった場合でも、店舗への供給を継続する仕組みを整えております。⑥ 情報セキュリティリスク<リスクの概要>当社グループでは、店舗の営業活動、食材等の受発注のための情報システムに障害が発生した場合、店舗への食材供給が停止し、決済や各種注文等お客様へのサービスが困難になることで、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、サプライチェーン全体を狙ったサイバー攻撃による被害や、不測の事件・事故による個人情報や機密情報等の漏えい等が発生する可能性があります。<脅威と機会>情報漏洩やシステム停止といった事態が発生した場合、社会的信用の失墜は計り知れず、企業価値を大きく損なうことも想定されます。一方、強固な情報セキュリティ基盤を構築し、適切な対策を講じることは、お客様や取引先からの信頼獲得につながり、「安全・安心」な企業イメージを確立する機会となります。また、効率的かつ安定的な事業運営を支え、当社グループの持続的な成長を支える基盤となります。<対応策>当社グループでは、情報セキュリティ統括責任者及び当該統括責任者が選任した情報セキュリティ管理責任者を置き、「情報セキュリティ管理規定」に基づいて、情報セキュリティの組織体制を整備しております。従業員への教育・訓練としては、年2回の情報セキュリティに関するe-ラーニング、標的型攻撃訓練メール等を実施しております。さらに、定期的な第三者機関による監査の結果に基づき計画的な情報セキュリティシステムの強化に取り組んでおり、マルウェア対策(ランサムウェア対策等)、アクセス制御の強化、不正アクセス対策、脆弱性対策、バックアップ体制の構築、インシデント発生時の復旧体制の整備等、さまざまな対策を講じております。