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日本瓦斯(8174)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

小売業 小売

事業の概要

  • LPガス事業
    家庭用・業務用・工業用・自動車用LPガスやコミュニティーガスの販売が主力です。LPガスの輸送は子会社の日本瓦斯運輸整備が担当し、ガス機器販売や供給設備工事、リフォーム工事、GHP保守サービスも行っています。一部工事は日本瓦斯工事が手掛け、幅広いサービスで収益を上げています。
  • 電気事業
    主に家庭向け電力の販売を行っており、子会社のエナジー宇宙が東京電力グループと提携して電力を調達しています。また、太陽光発電システムや蓄電池システム、V2H(Vehicle to Home)などの分散型エネルギーを普及させ、顧客のエネルギーマネジメントを支援するソリューション事業も展開しています。
  • 都市ガス事業
    家庭用・業務用・工業用の都市ガス販売が中心です。子会社のエナジー宇宙が都市ガスの供給と導管の維持管理を担い、都市ガス導管工事は日本瓦斯工事が施工しています。ガス機器の販売やガス設備の工事も手掛け、都市ガス関連の多角的なサービスで収益を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • LPガス事業
    LPガスの供給、ガス機器販売、関連工事などを手掛ける主力事業です。売上高は891.73億円で、家庭用から工業用、自動車用まで幅広い顧客層にサービスを提供しています。子会社が輸送や工事を担い、グループ全体でLPガス関連のバリューチェーンを構築しています。
  • 電気事業
    主に家庭向けの電力販売を行う事業で、売上高は485.46億円です。東京電力グループからの安定調達を基盤とし、太陽光発電システムや蓄電池などの分散型エネルギーソリューションも提供しています。顧客のエネルギー最適利用を支援する新たな価値創造を目指しています。
  • 都市ガス事業
    家庭用・業務用・工業用の都市ガス販売が中心の事業で、売上高は623.37億円です。子会社のエナジー宇宙が供給と導管維持管理を、日本瓦斯工事が導管工事を担当しています。ガス機器販売やガス設備工事も行い、都市ガス関連の包括的なサービスを提供しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LPGas 事業 892 − −
ElectricPowerReportableSegment 事業 485 − −
TownGas 事業 623 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,077 文字
3 【事業の内容】当社グループは、主に当社及び子会社13社並びに関連会社1社で構成され、主な事業内容は、ガス(LPガス、都市ガス)・電気の販売、ガス機器等の販売、プラットフォームの提供並びに各事業に関連する工事、輸送等であります。各事業における当社グループの位置づけは次のとおりであります。LPガス事業…①LPガスの供給 家庭用・業務用・工業用・自動車用のLPガス、コミュニティーガスの販売をしております。 なお、LPガスの輸送についてはエナトラが主として行っております。 (主な関係会社) 当社及びエナジー宇宙、エナトラ(旧 日本瓦斯運輸整備) …②ガス機器等の販売、受注工事LPガス機器、住宅設備機器、太陽光や蓄電池等の発電・蓄電・充電デバイスの販売、並びにLPガス供給設備工事、リフォーム工事、GHP(ガスヒートポンプエアコン)の保守サービスを行っております。一部の工事については、日本瓦斯工事が施工しております。(主な関係会社)当社及び日本瓦斯工事 …③プラットフォームの提供異業種から都市ガス・電気小売事業への参入を支援するためのプラットフォームの提供に加え、自動検針システムや保安や配送等、データ連携で最適化したLPガスのオペレーションの仕組み等の提供を行っております。システムの開発、保守は、雲の宇宙船が行っております。(主な関係会社)エナジー宇宙、東京エナジーアライアンス、雲の宇宙船 電気事業…①電気の販売主に家庭用の電力の販売をおこなっております。また、子会社のエナジー宇宙は東京電力グループと提携し、電力を調達しております。(主な関係会社)当社及びエナジー宇宙 …②エネルギーソリューション戸建て住宅へ太陽光発電システム、蓄電池システム、V2H等を普及させ、お客さまが自律分散型エネルギーをマネジメントする仕組みを構築しています。将来的にはスマートハウス化した各家庭を配電ネットワークで繋ぎ、地域コミュニティ全体のエネルギー最適利用(ニチガス版・スマートシティ)の仕組みに取り組みます。(主な関係会社)当社及びエナジー宇宙 都市ガス事業…①都市ガスの販売家庭用・業務用・工業用の都市ガスの販売を行っております。子会社のエナジー宇宙は都市ガス供給、導管の維持管理を行っております。都市ガス導管工事は、日本瓦斯工事が施工しております。(主な関係会社) 当社及びエナジー宇宙、日本瓦斯工事 …②都市ガス機器等の販売、受注工事 ガス機器等を販売するほか、ガス設備の工事を行っております。 (主な関係会社) 当社及びエナジー宇宙、日本瓦斯工事

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原料価格と為替の変動を販売価格に反映、原料費調整制度で小売料金に反映。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
ガス事業は法令に基づく保安責任や導管維持管理が必要であり、新規参入には規制が障壁となる。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原料等の安定調達 / エネルギー利用の変化 / 大規模災害
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

「ニチガス」ブランドは一定の認知度を持つが、強力な特許や規制ライセンスに依存するほどの無形資産は確認できない。地域密着型のサービスによる顧客との関係性がブランド価値を支えている側面がある。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

都市ガスへの切り替えは、手続きの煩雑さや初期費用、安全性の懸念から、既存顧客が容易に乗り換えにくい。特に、長年利用している顧客層にとってはスイッチング・コストは無視できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

現時点では、顧客数の増加がサービス価値を直接的に高めるようなネットワーク効果は確認されない。個々の顧客へのサービス提供が中心となっている。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

LPガス業界全体として、調達コストやインフラ維持費が価格に影響する。同社が他社と比較して構造的に大幅なコスト優位を持つという明確な証拠はないが、規模の経済による効率化の可能性はある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

首都圏を中心にLPガス供給網を構築しており、一定の地域シェアを持つ。インフラ投資や顧客基盤の拡大により、効率的な事業運営が可能となっている。ただし、業界全体で見ると寡占度はそれほど高くない。

  • ラストワンマイル特化とアライアンス
    エネルギーの輸入などの上流事業は行わず、顧客への最終供給に特化することで、効率的な事業運営を実現しています。LPガス、都市ガス、電力の調達は複数のパートナーや東京電力グループとの広範なアライアンスを通じて安定的に確保しており、調達リスクを分散しています。
  • プラットフォームとスマート保安
    異業種からの都市ガス・電気小売事業参入を支援するプラットフォームや、データ連携によるLPガスオペレーション最適化の仕組みを提供しています。自社開発のスマートメーター「スペース蛍」によるガス漏洩の常時監視や、保安業務特化システムで点検漏れを排除し、高い保安品質を維持しています。
  • 分散型エネルギーと地域貢献
    LPガスは家庭ごとに供給設備を持つため、災害時の早期復旧が可能です。また、太陽光発電や蓄電池、EVなどを普及させ、各家庭や地域コミュニティ全体のエネルギー最適利用を目指す「ニチガス版・スマートシティ」構想を推進しており、持続可能な社会への貢献を通じて競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 業界集約と効率化の推進
    LPガス業界の事業者数減少という環境変化に対応し、関東圏最大手として業界の集約を牽引しています。門倉商店のグループ参加により、充填・配送・検針・保安・システムなどの事業基盤を統合し、物流網の効率化や設備稼働率向上、共同仕入れによるシナジー創出を目指しています。
  • 共創による事業拡大
    新たな分散型エネルギーシステムの構築には、同業他社だけでなく、会社の規模や業界の垣根を超えた共創が不可欠と考えています。東京電力グループとの協業やITベンチャー企業との連携をスケールアップさせ、エネルギー小売事業の成長、インフラシェアリング拡大、企業価値向上を図り、地域社会に貢献することを目指しています。
  • 高ROEと資本効率の追求
    2024年3月期から2026年3月期までの3ヶ年計画では、2026年3月期にROE22%達成を目標としています。ROICの向上(顧客基盤拡大と経費効率化)とレバレッジの最適化(自己資本比率40%)により実現し、高収益資産への成長投資と株主還元を両立させ、実質的な総還元性向100%超を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社は経営理念として、①地域社会に対する貢献、②企業の持続的成長を目指す、③人的資源の尊重を掲げております。 (2)経営環境及び経営方針・戦略等 ◆当社グループを取り巻く経営環境◆ 当連結会計年度におけるわが国経済は、金利上昇後も円安に伴うインフレが継続し、実質賃金が年間を通じてマイナス圏で推移したことなどから、景気回復は限定的なものに留まりました。期終盤には中東情勢の緊迫化を背景に、エネルギー供給不安や物流網の混乱が顕在化するなど、世界経済の先行き不透明感は急速に高まっており、地政学リスクの規模、期間、範囲も前例のないスケールでさらに拡大していくと想定しております。日本においては、今後、原材料費や物流コストのさらなる上昇に加え、円安の加速や金利上昇局面への移行が相まって、社会・経済の構造変化が加速、これにより、コストプッシュ型のインフレ状態が長期化する、いわゆるスタグフレーションへの警戒が必要な状況が続くものと予測されます。 ◆エネルギー業界の課題とその解決◆ 2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に引き続き、2026年2月に勃発したイラン紛争は史上最大級ともいえるエネルギー危機となり、自由貿易圏の中で、上流から下流まで安定したエネルギー供給がもはや当然ではないと再認識させるものとなりました。従来からの労働人口の減少、少子高齢化に伴う需要減少、事業承継問題、さらには夏季の記録的高温による需要構造の変化や脱炭素社会への対応加速など、エネルギー小売業を取り巻く環境は、構造的に課題が山積しており、従来のビジネスモデルの継続が極めて困難な局面を迎えております。 当社グループはこうした環境変化に備えて、東京電力との連携強化による調達力の確保をはじめ、異業種との積極的な協業を推進することにより、LPガス事業を主軸としつつ、都市ガスや電力も事業の根幹に加え、お客さまに効率的なエネルギー利用と最適利用の価値を提案できる「総合エネルギー事業」への進化をすすめてまいりました。 今後の地域社会において一番必要となることは、電気・ガスというエネルギーの垣根を超えた「総合エネルギー調整力」の構築です。電気とガスを組み合わせ、AI/IoTで制御できるハイブリッド給湯器、蓄電池、太陽光パネル等を最大限活用して電力需要のピークを軽減し、電力系統安定化への貢献を目指します。エネルギーのラストワンマイルを担う当社グループが、いち早く、エネルギー最適利用提案という付加価値を実現することによって、エネルギー需給の不安定化と向き合う地域社会に、快適・安全・安心な基盤を提供します。将来的には国が法に基づき需要制限や節約を主導する厳しい事態も想定されます。こうした時期こそが、省エネや脱炭素を加速させるエネルギー「最適利用の価値」をお客さまにご提供する好機であると考え、推進のスピードを加速してまいります。 ◆変革期における存在意義と地域社会への貢献◆ LPガス業界においては、依然として過度な細分化による非効率な供給体制や、ガスの消費量に依存した旧来型の収益モデルが課題となっています。このような環境下、約100万世帯(営業圏シェア16%)の顧客基盤を有する当社グループは、業界の合理化を主導することが地域社会の課題解決に直結する重要な使命であると認識しております。NICIGAS3.0における最初の3カ年計画最終年度である26/3期はグループ一丸となった「One Team」体制のもと、小売事業の着実な成長に加え、M&Aやプラットフォーム提供による同業他社との連携により、共創のスケールアップを加速させてまいりました。当社はこれまでも自由化の進展に伴い、お客さまからの圧倒的な信頼を積み重ねエネルギー業界の再編を牽引してまいりました。地殻変動が起きる今こそ、過去の慣習を打破し、抜本的な改革を断行する飛躍の好機です。業界再編を実現し得る唯一のプレイヤーとして、エネルギー危機の克服と持続可能な社会の実現に向け、歴史的な転換点における役割を果たしてまいります。 ◆3か年計画◆当社は、27/3期から29/3期までの新3ヶ年計画を策定しております。26/3期を最終年度とする前3ヶ年計画では、資本効率の向上と利益の増大を重視し、ROEを22%まで高めるとともに、過去最高益となる営業利益213億円を達成いたしました。新3ヶ年計画では、22%程度の高い資本効率を堅持しつつ、さらなる利益成長を追求してまいります。主力であるLPガス事業及び電気事業に加え、都市ガス事業、ならびにプラットフォーム事業の収益を成長させ、最終年度となる29/3期には、営業利益250億円、純利益175億円の達成を目指します。現在、LPガス業界は再編が本格化する重要な局面に差し掛かっており、当社は業界集約化を最重要戦略と位置づけ、取り組みを進めております。当社がこれまでに構築してきた集約化の基盤となる、①営業力を活かした顧客基盤、②最適化されたインフラ基盤、③高い資本効率を最大限に活用することで、LPガス業界の再編を主導し、株主価値の最大化を図ってまいります。 ◆資本政策当社は、26/3期を最終年度とする前3ヶ年計画において、適切な資金配分と資本構成の最適化を通じて、純利益の増大と資本効率の向上に取り組んでまいりました。この3年間で、資産の入れ替えにより資産規模を維持しつつ、高収益資産の割合を高めてROICを13%まで向上させるとともに、レバレッジの活用により自己資本比率を48%から41%に引き下げ、資本構成を最適化いたしました。これらの施策により、26/3期に純利益は148億円、ROEは22%と大幅に向上いたしました。2026年4月に公表した27/3期からの新3ヶ年計画では、LPガス業界の再編を見据え、引き続き自己資本比率40%程度を維持し、最適化した資本構成のもとで収益力と資本効率のさらなる向上を追求いたします。資本効率に優れた企業が集約化をリードすることが、業界全体の持続可能性の向上に寄与すると考え、今後も着実な利益成長を通じてROEの水準を向上させ、株主価値の向上に努めてまいります。キャッシュフローの配分に関しては、株主還元に加え、成長投資に大きく振り向ける方針です。M&A投資については、①高値掴みをしないこと、②適切な借入の活用、③シナジーの最大化を規律として、業界集約の機会を取り込み、株主資本価値を最大化いたします。株主還元に関しては、引き続き配当を重視する方針のもと、27/3期の1株あたり配当金については、前期比7円増配の110円を計画しています。自己株式取得については、自己資本比率を40%程度に維持する方針に基づき、成長投資の進捗状況に応じて機動的に実施してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社は経営理念として、①地域社会に対する貢献、②企業の持続的成長を目指す、③人的資源の尊重を掲げております。 (2)経営環境及び経営方針・戦略等 ◆当社グループを取り巻く経営環境◆ 当連結会計年度におけるわが国経済は、金利上昇後も円安に伴うインフレが継続し、実質賃金が年間を通じてマイナス圏で推移したことなどから、景気回復は限定的なものに留まりました。期終盤には中東情勢の緊迫化を背景に、エネルギー供給不安や物流網の混乱が顕在化するなど、世界経済の先行き不透明感は急速に高まっており、地政学リスクの規模、期間、範囲も前例のないスケールでさらに拡大していくと想定しております。日本においては、今後、原材料費や物流コストのさらなる上昇に加え、円安の加速や金利上昇局面への移行が相まって、社会・経済の構造変化が加速、これにより、コストプッシュ型のインフレ状態が長期化する、いわゆるスタグフレーションへの警戒が必要な状況が続くものと予測されます。 ◆エネルギー業界の課題とその解決◆ 2022年2月に始まったロシアのウクライナ侵攻に引き続き、2026年2月に勃発したイラン紛争は史上最大級ともいえるエネルギー危機となり、自由貿易圏の中で、上流から下流まで安定したエネルギー供給がもはや当然ではないと再認識させるものとなりました。従来からの労働人口の減少、少子高齢化に伴う需要減少、事業承継問題、さらには夏季の記録的高温による需要構造の変化や脱炭素社会への対応加速など、エネルギー小売業を取り巻く環境は、構造的に課題が山積しており、従来のビジネスモデルの継続が極めて困難な局面を迎えております。 当社グループはこうした環境変化に備えて、東京電力との連携強化による調達力の確保をはじめ、異業種との積極的な協業を推進することにより、LPガス事業を主軸としつつ、都市ガスや電力も事業の根幹に加え、お客さまに効率的なエネルギー利用と最適利用の価値を提案できる「総合エネルギー事業」への進化をすすめてまいりました。 今後の地域社会において一番必要となることは、電気・ガスというエネルギーの垣根を超えた「総合エネルギー調整力」の構築です。電気とガスを組み合わせ、AI/IoTで制御できるハイブリッド給湯器、蓄電池、太陽光パネル等を最大限活用して電力需要のピークを軽減し、電力系統安定化への貢献を目指します。エネルギーのラストワンマイルを担う当社グループが、いち早く、エネルギー最適利用提案という付加価値を実現することによって、エネルギー需給の不安定化と向き合う地域社会に、快適・安全・安心な基盤を提供します。将来的には国が法に基づき需要制限や節約を主導する厳しい事態も想定されます。こうした時期こそが、省エネや脱炭素を加速させるエネルギー「最適利用の価値」をお客さまにご提供する好機であると考え、推進のスピードを加速してまいります。 ◆変革期における存在意義と地域社会への貢献◆ LPガス業界においては、依然として過度な細分化による非効率な供給体制や、ガスの消費量に依存した旧来型の収益モデルが課題となっています。このような環境下、約100万世帯(営業圏シェア16%)の顧客基盤を有する当社グループは、業界の合理化を主導することが地域社会の課題解決に直結する重要な使命であると認識しております。NICIGAS3.0における最初の3カ年計画最終年度である26/3期はグループ一丸となった「One Team」体制のもと、小売事業の着実な成長に加え、M&Aやプラットフォーム提供による同業他社との連携により、共創のスケールアップを加速させてまいりました。当社はこれまでも自由化の進展に伴い、お客さまからの圧倒的な信頼を積み重ねエネルギー業界の再編を牽引してまいりました。地殻変動が起きる今こそ、過去の慣習を打破し、抜本的な改革を断行する飛躍の好機です。業界再編を実現し得る唯一のプレイヤーとして、エネルギー危機の克服と持続可能な社会の実現に向け、歴史的な転換点における役割を果たしてまいります。 ◆3か年計画◆当社は、27/3期から29/3期までの新3ヶ年計画を策定しております。26/3期を最終年度とする前3ヶ年計画では、資本効率の向上と利益の増大を重視し、ROEを22%まで高めるとともに、過去最高益となる営業利益213億円を達成いたしました。新3ヶ年計画では、22%程度の高い資本効率を堅持しつつ、さらなる利益成長を追求してまいります。主力であるLPガス事業及び電気事業に加え、都市ガス事業、ならびにプラットフォーム事業の収益を成長させ、最終年度となる29/3期には、営業利益250億円、純利益175億円の達成を目指します。現在、LPガス業界は再編が本格化する重要な局面に差し掛かっており、当社は業界集約化を最重要戦略と位置づけ、取り組みを進めております。当社がこれまでに構築してきた集約化の基盤となる、①営業力を活かした顧客基盤、②最適化されたインフラ基盤、③高い資本効率を最大限に活用することで、LPガス業界の再編を主導し、株主価値の最大化を図ってまいります。 ◆資本政策当社は、26/3期を最終年度とする前3ヶ年計画において、適切な資金配分と資本構成の最適化を通じて、純利益の増大と資本効率の向上に取り組んでまいりました。この3年間で、資産の入れ替えにより資産規模を維持しつつ、高収益資産の割合を高めてROICを13%まで向上させるとともに、レバレッジの活用により自己資本比率を48%から41%に引き下げ、資本構成を最適化いたしました。これらの施策により、26/3期に純利益は148億円、ROEは22%と大幅に向上いたしました。2026年4月に公表した27/3期からの新3ヶ年計画では、LPガス業界の再編を見据え、引き続き自己資本比率40%程度を維持し、最適化した資本構成のもとで収益力と資本効率のさらなる向上を追求いたします。資本効率に優れた企業が集約化をリードすることが、業界全体の持続可能性の向上に寄与すると考え、今後も着実な利益成長を通じてROEの水準を向上させ、株主価値の向上に努めてまいります。キャッシュフローの配分に関しては、株主還元に加え、成長投資に大きく振り向ける方針です。M&A投資については、①高値掴みをしないこと、②適切な借入の活用、③シナジーの最大化を規律として、業界集約の機会を取り込み、株主資本価値を最大化いたします。株主還元に関しては、引き続き配当を重視する方針のもと、27/3期の1株あたり配当金については、前期比7円増配の110円を計画しています。自己株式取得については、自己資本比率を40%程度に維持する方針に基づき、成長投資の進捗状況に応じて機動的に実施してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績の分析26年3月期の業績は以下の通りです。 (単位:百万円) 25年3月期26年3月期前期差前期比売上高200,057208,4808,4224.2%売上総利益74,55476,7482,1932.9%販管費56,00755,469△538△1.0%営業利益18,54621,2782,73114.7%親会社株主に帰属する当期純利益11,54814,8153,26628.3%ROIC11.3%13.0%1.7% ROE16.5%22.0%5.5% 26/3期は、電気事業と機器、工事並びにプラットフォーム事業における売上総利益の拡大に加え、販管費の低減により、営業利益は前期比27億円増の212億円(前年比14.7%増)、純利益は32億円増の148億円(前年比28.3%増)となり、過去最高益を更新いたしました。販管費の低減は、顧客獲得における投資対効果の最適化を図り、経費を適切に抑制したことによるものです。収益力の向上と自己資本の最適化をすすめ、当期のROICは前期11.3%から13.0%へ上昇、ROEについても前期16.5%から当期は22.0%へと大幅に伸長し、24/3期~26/3期中期経営計画で掲げた目標ROE22.0%を達成いたしました。 <セグメント別の状況>◇ LPガス事業 LPガス事業による売上総利益は453億98百万円(前年同期比1億50百万円減)、LPガス機器・工事事業並びにプラットフォーム事業による同利益が47億69百万円(同5億85百万円増)となりました。 LPガス事業の売上総利益は、家庭用につきましてはお客さま数の増加に伴う販売量の伸長により増益したものの、業務用において、原料価格の変動に伴い利幅が縮小した影響をうけ、全体では微減となりました。一方、機器、工事並びにプラットフォーム事業はハイブリッド給湯器を中心とする機器販売が好調であったこと、並びに人手不足を背景として保安の受託が拡大したことにより増益しております。 営業につきましては、長期にご契約いただける戸建やファミリー向け集合住宅の獲得に注力することで、毎月純増を積み重ね、お客さま数を、前年同期末から2万1千件増の105万1千件といたしました。お客さまに最適で効率的なエネルギー利用を提供する機器・工事の営業は、ノウハウが蓄積され提案力も向上し、ハイブリッド給湯器の販売台数を前期比36%増加させる等、機器販売の利益に寄与しました。27/3期以降には、当期より開始した排水管高圧洗浄サービスに加え、エアコンクリーニングやハウスクリーニングなどの住宅関連サービスを拡充し、お客さまとの関係強化を通じ、契約の長期化とお客さまあたり収益の向上を目指してまいります。 M&Aにつきましても、長期にわたる関係構築が実を結び、小規模ながらも集計開始以来最多の企業からお客さまをお譲りいただきました。今後も、事業パートナーや従業員、そしてその先のお客さまにより良い提案ができるよう努めてまいります。 25年3月期26年3月期前期差前期比売上総利益(百万円)LPガス45,54945,398△150△0.3%機器,工事,プラットフォーム等4,1834,76958514.0%ガス販売量(千トン)家庭用17818131.2%業務用109106△3△2.1%お客さま件数(千件)1,0301,051212.1% ◇ 電気事業 電気事業セグメントの売上総利益は、大幅増益の66億13百万円(前年同期比13億86百万円増)となりました。電気事業の売上総利益の増加は、電気契約数の増加に伴い、電気販売量が伸長したこと、さらには燃料価格の動きがプラスに働き、利幅が良化したためです。 営業面では、他社のキャンペーン攻勢や顧客基盤拡大に伴い解約数が増加いたしましたが、新規の獲得を積み上げ、お客さま数は前年同期末より2万4千件増加の40万4千件、電気のセット率は前期末23.5%から当期末に24.3%に上昇しました。当社の電力メニューは電力卸市場価格に連動しないため、イラン紛争に起因する市場価格上昇に伴い、市場連動型プランを採用する他の新電力と比べて、当社の価格競争力の優位性はさらに高まると考えております。安定した電源の確保を背景に、他社電力と比較して高い価格競争力を維持し、撤退する事業者からの顧客譲り受けを含め、積極的に事業規模を拡大してまいります。 25年3月期26年3月期前期差前期比売上総利益(百万円)電気5,2266,6131,38626.5%電気販売量(GWh)家庭用1,5871,7231368.6%お客さま件数(千件)381404246.2% ◇ 都市ガス事業 都市ガス事業セグメントの売上総利益は、都市ガス事業による売上総利益が186億89百万円(前年同期比1億92百万円増)、都市ガス機器・工事事業による同利益が12億77百万円(同1億79百万円増)となりました。 都市ガス事業の売上総利益の増加は、お客さま数の増加に伴い販売量が伸長したことに加え、業務用において大口契約先を対象に利幅を改善させたことによるものです。 お客さま数は、スポーツなどのコミュニティ※に向けた営業で新規獲得数を伸ばし、前年同期末より1万9千件増加の60万9千件となりました。Web経由の申込も好調で、導線を最適化する等、獲得コストを抑制した高効率なマーケット開拓にも取り組んでおります。※当社は、コーポレートパートナーを務めるスポーツチームとのパートナーシップで、ガス・電気料金の一部がチームの運営費に充てられるメニューを提供しております。 25年3月期26年3月期前期差前期比売上総利益 (百万円)ガス18,49618,6891921.0%機器,工事等1,0971,27717916.4%ガス販売量(千トン)家庭用 14815132.5%業務用196187△9△5.2%お客さま件数(千件)590609193.2% (2)キャッシュ・フローの状況の分析並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(基本方針)当社は、株主資本の収益率、すなわちROEを高めることを重要な目的として、まずは、資産の収益性を高めるべく、投下資本利益率(ROIC)をKPIとして設定し、その向上に努めております。また、資本の調達サイドでは、24/3期~26/3期中期経営計画期間には過剰と判断した株主資本の還元をすすめ、自己資本比率を23/3期の48%から最適な自己資本比率40%に向けて順次切り下げてまいりました。中期経営計画の最終年度にあたる今期末の自己資本資本比率は41%となりましたが、今後も財務基盤の安定性を確保しながらも、最適な資本構成を目指し、調達コスト(WACC)を意識した資本調達を行なってまいります。 (当連結会計年度の財政状態の分析) 26/3期末の資産の部は、1,635億円と前期末より75億円増大(4.9%増)しております。資産の増大は、新規に子会社2社を連結したことに伴い、同社が保有する現金及び預金や営業債権が計上されたこと、並びに保有有価証券の評価額が増大したことによるものです。 同期末の負債の部は、961億円と前期末より75億円増大(8.5%増)、純資産の部は674億円と前期末とほぼ同水準となりました。 負債の部が増大したのは、新規連結子会社の債務が計上されたことに加え、有利子負債を前期末から30億円増やし499億円としたためです。一方、純資産の部が同水準となりましたのは、当期純利益148億円に対し、配当107億円、自己株式の取得67億円の株主還元を実行したものの、保有有価証券の評価差額の増加により資本が膨らんだためです。 (単位:億円) 25年3月期末26年3月期末増減流動資産57464369 内 現預金19823941 営業債権(未収入金含む)31333825固定資産9869926有利子負債46949930自己資本(自己資本比率)674(43.2%)669(40.9%)△4総資産1,5601,63575 (当連結会計年度のキャッシュフローの分析) 当期は、営業キャッシュフロー281億円に対し、投資キャッシュフローとして71億円を支出、フリーキャッシュフロー210億円を生み出し、189億円を株主に還元、22億円を有利子負債で調達することで、現金及び現金同等物は、前期末と比べ43億円増加の237億円といたしました。(営業活動によるキャッシュフロー) 営業活動によるキャッシュフローは、281億円の収入(前年同期比2億円増加)となりました。ほぼ同水準となりましたのは、税金等調整前当期純利益が42億円が増加した一方、消費税及び法人税の支払が増加したためです。(投資活動によるキャッシュフロー) 投資活動によるキャッシュフローは、71億円の支出(前年同期比16億円減少)となりました。当期は、システム開発は一服、前期よりICT投資を9億円減らした一方、グループ会社(北斗管工や東京エナジーアライアンス)への出資を増加させました。(財務活動によるキャッシュフロー) 財務活動によるキャッシュフローは、166億円の支出(前年同期比17億円減少)となりました。支出が減少いたしましたのは、最適資本構成にむけて、有利子負債を増やし、株主への還元をすすめたためです。 (単位:億円) 25年3月期26年3月期前期差営業キャッシュフロー2792812投資キャッシュフロー△88△7116フリーキャッシュフロー19121019財務キャッシュフロー△183△16617現金及び現金同等物の増減74336現金及び現金同等物の期末残高19423743 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 原料調達の不安定性
    LPガス、都市ガス、電力の原料調達は他社に依存しており、国際情勢(ロシア・ウクライナ紛争、中東情勢など)や為替相場の変動が原料価格に影響を与えます。LPガスは複数の取引先からの調達でリスク分散を図り、販売価格への転嫁で中長期的な業績影響を抑制しています。
  • エネルギー利用の変化
    気候変動や原料価格高騰、顧客の省エネ意識の高まりにより、エネルギー消費量が減少する可能性があります。これに対し、電気とガスのセット販売や太陽光発電、蓄電池などの分散型エネルギーソリューションを提供し、顧客のエネルギー最適利用を支援することで需要変化に対応しています。
  • 大規模災害による供給支障
    地震や豪雨などの自然災害が激甚化しており、発生時にはエネルギーの安定供給に支障をきたす恐れがあります。マイコンメーターや耐震性の高いガス管の設置、スマートメーターによる常時監視、災害マニュアル整備、ドローンによる設備点検などで事前対策を強化し、迅速な復旧体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,371 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)リスク管理体制 当社におけるリスクとは、事業運営に伴って直面する不確実性と認識しております。グループリスク管理委員会を設置し、発生頻度及び事業に与える影響の大きさの観点からリスクの重要性を把握するとともに、マイナスの影響を及ぼすリスクには適切な対策を講じ、プラスの機会には機動的な意思決定を行うことで収益の創出を図っております。中長期的に事業や業績に影響を与え得る課題については、指名報酬・環境等委員会(取締役会の諮問機関)でトピックを絞って議論した上で、取締役会にてマテリアリティとして項目を特定、全社対応方針を決定しております。 マイナスの影響を与え得るリスクについては、「防火(予防)」と「消火(鎮火)」の両輪でリスク管理体制を構築しております。「防火(予防)」に関しては、対症療法的なリスク管理から、AI活用による潜在的リスクの把握・分析等、予測・予防に進化させております。「消火(鎮火)」に関しては、有事の判断基準の定義、報告フローのシステムの自動化等、経営層やグループリスク管理委員会が即時即決できる体制の構築を進めております。 <ガバナンス体制> (2)主要なリスク①原料等の安定調達 当社はラストワンマイルでお客さまにエネルギーをお届けする小売事業に特化し、輸入等の上流事業は行っておらず、他社からガスや電源等のエネルギーを調達する必要があります。原料調達においては、ロシアによるウクライナ侵攻、中東情勢の混迷等の地政学リスクによる原料価格・為替相場の変動等から、安定したサプライチェーンの確保はより一層重要な課題となりました。これに対して当社は、エネルギーごとにパートナーと調達関係を構築し、各エネルギーを安定的に調達しております。 ■LPガス:LPガスの調達は輸入を前提としており、需給や原産国の政情、地政学リスク等に起因する原料価格や為替レートの変動の影響を受けます。これに対して、当社は複数の取引先から調達を行うことでリスクを分散し、安定的な調達に繋げております。また原料価格及び為替レートの変動に対し、原則として販売価格の改定で対応いたします。これにより、原料価格及び為替レートの変動が中長期的に業績へ与える影響は限定的となっております。 ■都市ガス(LNG):当社は広範な東京電力グループとのアライアンス関係に基づき、一部を除き同グループから都市ガスの原料を安定的に調達しております。原料費の変動は、原料費調整制度により、最大5ヶ月後にガス料金に反映されます。会計年度を超えて料金に反映される場合があるため年度によっては、原料費の変動が利益に影響する場合があります。 ■電源:当社は電源についても、その全量を東京電力グループから安定調達しております。電源の仕入価格は、主に電源を構成する原料価格等により変動します。この仕入価格の変動は、燃料費等調整制度により、最大5ヶ月後に小売料金に反映されます。会計年度を超えて料金に反映される場合があるため年度によっては、燃料費等の変動が利益に影響する場合があります。 ②エネルギー利用の変化 気候変動、原料調達難等による原料価格の高騰、お客さまの省エネ・節エネ意識の高まり等により、お客さまのエネルギー利用状況が変化する可能性があります。この状況に対し当社は、今後も徐々にお客さま先のエネルギー消費量が減少することを前提に、お客さまが主体的にエネルギー利用の在り方を決定できるよう、需要側(消費者)からのアプローチで新たなサービスを提供します。電気とガスのセットを前提に、お客さまのエネルギーの最適利用を実現するエネルギーソリューションを推進し、いち早く新たなエネルギー価値を提供します。ハイブリッド給湯器や、太陽光発電、蓄電池等の分散型エネルギーを普及させ、お客さまご自身でエネルギーを創り、貯め、賢く使うというご家庭でのエネルギーの最適利用、さらに地域コミュニティ全体のエネルギーの最適利用を提案します。 ③大規模災害 大規模地震や豪雨災害等の自然災害が激甚化しており、大規模災害が発生した場合、エネルギーの安定供給に支障をきたす恐れがあります。これに対して当社は、下記の各観点で対策を講じております。 ■災害への事前対策 LPガスではマイコンメーター(※1)の100%設置、感震遮断弁設置のほか、張力式放出防止ホース(グラピタ)(※2)を標準仕様としております。都市ガスもマイコンメーターを100%設置しております。LPガス、自社のガス管で供給する都市ガスの全ガスメーターにスマートメーター「スペース蛍」を設置、ガス漏れ等の異常を常時監視することで、ガス漏洩等の即時対応を可能としております。また旧式のガス管を耐震性に優れたポリエチレン製のガス管に入れ替える等、災害時への事前対策を進めております。 またハザードマップに基づき、洪水浸水想定が1m以上の地域におけるLPガスのお客さま先と新たに供給先となったお客さま先を対象に、ボンベの転倒や流出防止としてボンベを固定するベルトの二重掛けを行っております。平時より災害マニュアルを作成し、災害発生時に備えた緊急対応要員、資機材整備等、迅速かつ安全な対応をなし得る体制を整えております。災害時用に数日分の食料を常に備蓄しております。防災訓練では、災害発生時に迅速かつ的確な初動対応ができるよう、ウェブミーティングを活用し現地のリアルタイム映像を共有しながら訓練を行なっております。社員が現場に急行できるよう近隣の宿泊施設と事前協議を行い、有事の際の宿泊施設の確保にも努めております。※1 地震発生等の異常発生時に自動でガスを止める機能を持つガスメーターのこと※2 ボンベが転倒した際等に外部へのガス放出を防止する高圧ホースのこと■災害発生時 大規模地震発生時はガスを自動停止、ガス供給設備の安全を確認し、異常が確認された場合は速やかに対応します。震度5弱以上では社員が出動し、建物やガス設備等の被害状況、ガス漏洩状況等を自主点検しております。災害時にはコールセンター要員や優先電話等を確保し、お客さまからの連絡に対応します。スマホや衛星電話、災害用無線機等で被害情報を迅速に共有し、集めた情報に基づき災害対策本部からの人員配置指示のもと災害時緊急対応を行なっております。迅速な復旧対応への準備として、工事会社やメーカー等の協力会社と復旧対応の協力体制も確立。昨今の豪雨被害増加に伴い、ドローンによる上空からの設備点検の仕組みも導入しております。有事のエネルギー源の確保では主要拠点にLPガスで稼働する自家発電機を設置、太陽光発電設置営業所ではEVバイク用交換式バッテリーを緊急時の電源とし、地域の皆さまにご利用いただける体制を整備しております。■分散型エネルギーの普及 LPガス事業では、ご家庭ごとに供給設備を設けてガスを供給しております。そのため災害発生時は、個別に点検を行い、異常がないことが確認でき次第、早期復旧が可能です。病院や学校等、災害発生時に速やかな復旧が求められる重要施設は、あらかじめ把握し、優先的に供給再開します。通常、各お客さま宅にはボンベが2本設置されており、ガスが備蓄されている状態です。そのため、万が一の場合もガスボンベを備蓄エネルギーとして使用いただけます。中長期では太陽光や蓄電池、EV等の分散型電源を普及して広く分散型エネルギーネットワークを構築し、地域社会のエネルギーの最適利用を実現していきます。 ④保安上のリスク■需要家保安当社はガス及びガス機器の販売・工事をするにあたり、保安を最重要視して、法令に基づきガス漏洩検査や供給設備や消費機器の点検等の保安責任を果たしていきます。しかしながら点検時の確認不足が原因で、ガス漏洩に起因するガス爆発事故や、機器の経年劣化や施工上の欠陥(給排気不備)による不完全燃焼が引き起こすCO中毒事故が発生した場合、直接的な損害のみならず、お客さまからの信頼を喪失、社会的評価の低下など、当社の事業収支に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対し、当社はスマート保安という保安業務に特化したシステムを開発、必要な点検項目が自動的に提示される仕組みを構築することで、調査のモレを排除するよう努めております。また、自社開発したスマートメーターで毎時、ガスの使用状態を把握、ガスの漏洩についても検知しております。ガス漏洩が疑われる際には速やかに出動し、事故の未然防止に努めております。お客さまが当社から購入頂いたガス機器は、データベース化して管理しており、点検や緊急時対応の保安措置にも繋げております。また保安教育を毎月実施することに加え、保安業務に携わる従業員は、第二種販売主任者や液化石油ガス設備士等の資格を取得しております。■供給者保安 当社は、都市ガスの供給をするにあたり、ガス導管の保安責任を負っております。道路陥没などでガス導管が損傷した場合、ガス漏洩やガス供給の支障が広範囲に及ぶ恐れがあります。このような事態は、社会的責任を問われるだけではなく、地域社会からの信頼を失う可能性があります。当社は被害を最小限に抑えるために、導管に一定区間ごとにバルブを設置する計画を進めております。 ⑤レピュテーションリスク 当社に関する誹謗中傷等の拡散により、ステークホルダーの皆さまからの信頼を低下させる可能性があります。問題が生じた際にはグループリスク管理委員会で対応方針を協議し、情報を開示するとともに、再発防止策を講じます。法令等の遵守に関するコンプライアンスについては、グループ役職員に教育を行い、その重要性を認識して業務にあたるよう行動規範を制定しております。コンプライアンスに関わる事案が発生した際には、グループコンプライアンス委員会が事案の調査、審議及び再発防止策について議論しております。また、コンプライアンス意識調査(年に1度実施)とその遵守状況は適宜開示し、モニタリング及び監査の対象としております。 営業領域では、全ての外部委託先に対して、弁護士監修のもと双方向かつ実践的な研修を行なっており、テストへの合格を必須としております。コンプライアンスに反する委託先とは契約を解除し厳格に対応しております。加えて、訪問や電話を通じてお申込みいただいた全てのお客さまに、その意思と内容に間違いがないか確認するため契約後の再確認電話を実施しております。また、コンプライアンス委員会のもとで営業品質会議を開催し、お客さまからのお問合せ対応の評価や再発防止に向けた営業品質向上のための改善指導等を行っております。2026年3月期は、製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律(旧:下請代金支払遅延等防止法)の改正に伴い全社的な講習会を実施いたしました。法務部門だけでは把握しきれないリスクを各部門で早期に発見・対応できるよう、全社的なコンプライアンス意識の更なる向上に努めております。 また、当社の事業活動において、従業員による車両事故は重大なレピュテーションリスクとなり得ます。車両事故が発生した場合、企業イメージの低下、お客さまからの信頼喪失、社会的評価の毀損など、当社の事業運営に重大な影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対応するため、当社ではコンプライアンス委員会を中心に、安全運転に関するヒアリングの実施、AIドライブレコーダーの導入、事故事例の分析と全社への周知、安全運転講習会の開催などの取組みを積極的に推進しております。事故が発生した際は、コンプライアンス委員会で厳正に審議し、不適切な運転行為に対して厳しく対処しております。 ⑥人材の確保・育成 少子高齢化を背景に労働力不足が深刻化しております。LPガス事業の根幹である物流における働き方改革(2024年問題)、物価上昇等に伴う他社の大幅な賃上げ実施等は、当社の人員確保に影響する可能性があります。これに対して当社は、ITの導入で人が行う業務の生産性を向上させ、省力化を図っております。例えば、通常は各家庭に訪問して実施する保安業務について、遠隔から実施できる仕組みを構築することで、一人あたりの保安実施数を増加させるとともに、身体的に障がいのある従業員の活躍機会を拡充しております。また待遇面では、当社が魅力的な勤務先となるよう、一人あたり給与を上げており、2026年3月期は平均4.5%、2027年3月期は平均4.0%の賃上げを実施いたしました。また、多様な働き方や人事制度を設け、様々なバックグラウンドを持つ個人が、意欲を持って個人の能力を最大限発揮できる環境の整備に注力しております。

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