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東京センチュリー(8439)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他金融業 金融(除く銀行)

事業の概要

  • 多角的なリース事業
    東京センチュリーは、情報通信機器や産業機械などの「国内リース事業」を基盤とし、法人・個人向けの「オートモビリティ事業」も展開しています。企業や個人が設備や車両を直接購入する代わりに、同社から借り受けることで初期費用を抑え、効率的な資産運用を可能にするビジネスモデルです。
  • アセット投資と金融サービス
    航空機、船舶、不動産といった高額な「もの」を対象とした「スペシャルティ事業」では、リースだけでなく、貸付や出資といった金融サービスも提供しています。これにより、顧客の多様な資金調達ニーズに応え、幅広いアセット(資産)を収益源としています。
  • グローバル展開と環境インフラ
    東アジア・アセアン、北米・中南米を中心とした「国際事業」で海外展開を加速しており、再生可能エネルギー関連の「環境インフラ事業」にも注力しています。これにより、国内外の成長市場を取り込み、持続可能な社会の実現にも貢献しながら収益を拡大しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 国内リース事業
    情報通信機器、事務用機器、産業工作機械、輸送用機器、商業・サービス業用設備などを対象としたリース・ファイナンスが主な事業内容です。最新年度の売上高は4,491.16億円で、同社グループの基盤となる事業として、国内市場での安定的な収益を確保しています。
  • オートモビリティ事業
    法人・個人向けのオートリース、レンタカー、カーシェア事業などを展開しています。最新年度の売上高は3,007.38億円で、自動車関連の多様なサービスを提供することで、幅広い顧客層のニーズに応え、安定した収益源となっています。
  • スペシャルティ事業
    船舶、航空機、不動産といった特定の高額資産を対象としたリース・ファイナンスおよび関連サービスを提供しています。最新年度の売上高は3,345.28億円で、国内外における専門性の高いアセット投資を通じて、高収益を追求する事業セグメントです。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
EquipmentLeasingReportableSegment 事業 4,491 − −
AutomobilityReportableSegment 事業 3,007 − −
SpecialtyFinancingReportableSegment 事業 3,345 − −
InternationalBusinessReportableSegment 地域 2,227 − −
EnvironmentalInfrastructureReportableSegment 事業 608 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|676 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社406社及び関連会社67社で構成され、事業セグメントを国内リース事業、オートモビリティ事業、スペシャルティ事業、国際事業及び環境インフラ事業に区分し、事業を行っております。前記の他にその他の関係会社1社(伊藤忠商事株式会社)があります。各事業の主な内容は以下のとおりです。 (1) 国内リース事業…………情報通信機器、事務用機器、産業工作機械、輸送用機器、商業・サービス業用設備等 を対象としたリース・ファイナンス(貸付・出資)及びその附帯サービス、各種事業 等(2) オートモビリティ事業…法人・個人向けのオートリース、レンタカー、カーシェア事業等(3) スペシャルティ事業……船舶、航空機、不動産等のプロダクツを対象とした、国内・海外におけるリース・ ファイナンス(貸付・出資)及びその附帯サービス、各種事業等(4) 国際事業…………………東アジア・アセアン、北米・中南米を中心としたリース・ファイナンス(貸付・出 資)及びその附帯サービス、オート事業等(5) 環境インフラ事業………再生可能エネルギー等に係る国内・海外における発電事業、リース・ファイナンス (貸付・出資)及びその附帯サービス、各種事業等 当社グループの当該事業に係る位置付けを事業系統図によって示すと、次のとおりであります。このほか、下記の事業セグメントに含まれないその他事業等(損害保険代理店業等)を営む連結子会社が1社(TCエージェンシー株式会社)、持分法適用関連会社が1社(MUFGファイナンス&リーシング株式会社)あります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
リース料等は物件購入代金や契約時の金利水準を基準に設定されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
現行の法律・税務・会計等の制度や基準が事業展開の基礎となるため、これらの変更が影響を及ぼす。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:信用リスク / カントリーリスク / 市場リスク(金利変動・為替変動)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

東京センチュリーは特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存するビジネスモデルではない。無形資産による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

リース事業においては、顧客との長期契約や、特定の設備・車両に対する専門的なノウハウの蓄積が、一定のスイッチング・コストを生む可能性がある。しかし、金融商品としての代替性は比較的高く、優位性は限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業は、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を持つビジネスモデルではない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、ネットワーク効果は競争優位の源泉とはなりにくい。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

規模の経済によるコスト優位性は限定的。リース業界全体として、資金調達コストやオペレーション効率が重要だが、同社が構造的に圧倒的なコスト優位を持つ証拠は乏しい。一部、効率化による優位性はあり得る。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

リース業界において、一定の規模を持つプレイヤーであり、多様な資産クラス(航空機、IT機器、車両等)を扱うことで、調達力やリスク分散の面で優位性を発揮する可能性がある。業界内での地位は確立されている。

  • 多様な事業ポートフォリオ
    情報通信機器から航空機、再生可能エネルギーまで、多岐にわたる事業セグメントを持つことで、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益基盤を築いています。これにより、経済状況の変化にも柔軟に対応できる強みがあります。
  • 伊藤忠商事との連携
    その他の関係会社として伊藤忠商事株式会社が存在し、その広範なネットワークや事業基盤を活用できる可能性があります。これにより、新たなビジネスチャンスの創出や、既存事業の強化に繋がるシナジー効果が期待できます。
  • リスク管理体制の構築
    信用リスク、カントリーリスク、市場リスク、投資リスク、ものにかかわるリスクといった多様なリスクに対し、それぞれ専門委員会や規程を設け、計量・管理を徹底しています。特にALM(資産・負債総合管理)分析やVaR(最大想定損失額)管理を導入し、リスクの極小化に努めることで、事業の安定性を高めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 企業変革プログラム「TC Compass」
    従来の延長線上ではない持続的成長を目指し、企業カルチャー、事業戦略、経営インフラを一体で再構築するプログラムを始動しました。これにより、経営環境の不確実性に対応し、新たな成長軌道に乗ることを目指しています。
  • 「長期ビジョン2035」と社会課題解決
    2035年を見据え、「サーキュラー・エコノミー」「エネルギー問題」「社会インフラ」「AI・テクノロジー」の4領域を特定し、社会課題解決を通じて企業価値を拡大する方針です。バリューチェーンの拡大、グローバル展開の加速、外部資本の活用を3つの成長戦略として推進します。
  • 「中期経営計画2030」と財務目標
    長期ビジョンの第一段階として、今後5年間で「事業ポートフォリオの変革」と「バリューチェーンの拡大」を強力に推進します。当期純利益2,000億円、ROE12.5%以上、配当性向35%以上を財務KPIとし、利益成長による累進配当を目指すことで、株主還元も重視しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社グループが入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社グループの実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。 (1)前中期経営計画の振り返りおよび企業変革プログラム「TC Compass」始動の背景当社グループは、前中期経営計画(2023年度~2027年度)において純利益目標1,000億円を掲げておりましたが、事業領域の拡大と資産回転の加速などが実を結び、2025年度において純利益1,113億円を計上し、過去最高益を更新するとともに、当初の定量目標を2年前倒しで達成いたしました。 当社グループを取り巻く外部環境に目を向けますと、前中期経営計画策定時とは大きく異なる局面を迎えております。「金利のある世界」への回帰、AI(人工知能)の劇的な進化、為替市場における円安の進行、そして地政学リスクの常態化に伴うサプライチェーンの再編など、経営環境の不確実性はかつてないほどに高まっております。また、前中期経営計画の財務目標を達成した一方で、当社グループ内には、経営理念の役職員への浸透不足、事業ポートフォリオ変革の進捗の遅れ、次世代の収益源となる成長投資の不足、ならびに旧来型の体制・制度の硬直化といった構造的な課題が残されており、従来の延長線上では持続的な成長が困難であるという強い危機感を認識しております。当社グループは、これらの課題を解決し、過去の延長線上にはない成長を実現するため、企業カルチャー・事業戦略・経営インフラを三位一体で再構築する企業変革プログラム「TC Compass」を始動し、これに基づき「長期ビジョン2035」および「中期経営計画2030」を策定いたしました。 (2) 新しい経営理念体系当社グループが新しい時代への転換期に、いま一度「当社がどのような会社を目指すのか」「社会の中でどういう役割を担うのか」を明らかにするため、新たな経営理念体系を以下の通り定義いたしました。 (経営理念体系) (3) 「長期ビジョン2035」及び「中期経営計画2030」「長期ビジョン2035」では、10年後の社会課題を展望し、2035年からのバックキャストによって企業価値・提供価値の拡大に向けた道筋を明確にしました。そのなかで、当社が取り組む社会課題として「サーキュラー・エコノミー」、「エネルギー問題」、「社会インフラ」、「AI・テクノロジー」の4領域を特定しています。具体的には3つの成長戦略として、「バリューチェーンの拡大」、「グローバル展開の加速」、「外部資本の活用」を推進します。同時に、低採算事業の縮退を含む事業ポートフォリオの最適化を推進することで、社会価値・経済価値・人財価値の創出を通じた企業価値の極大化を目指してまいります。(長期ビジョンの基本軸) (3つの成長戦略のロードマップ) 「中期経営計画 2030」では、2035年度に向けた長期戦略の第1段階として、今後5年間で「事業ポートフォリオの変革」と「バリューチェーンの拡大」を強力に推進します。同時に、「人財戦略の推進」、「経営基盤・ガバナンスの強化」、「企業カルチャーの変革」といった、次なる飛躍の基盤となる取り組みを進めてまいります。(新中期経営計画の位置づけ) 「中期経営計画 2030」の財務KPIは、当期純利益2,000 億、ROE12.5%以上、株主還元は、配当性向35%以上とし、利益成長による累進配当を基本として増配を目指してまいります。 (新中期経営計画の財務KPI・株主還元) ① ポートフォリオ戦略資本効率と成長性を軸に、規律あるポートフォリオマネジメントを徹底することで、事業ポートフォリオの最適化と構造改革を推進いたします。具体的には、成長事業や戦略事業を中心に新規投資を実行する一方で、低効率資産の圧縮や課題事業の縮退を進め、事業構造の変革に取り組んでまいります。 (規律あるポートフォリオマネジメント) (2030年度までの成長投資計画) ② 人財戦略・経営基盤の強化事業戦略を支える経営基盤の強化に取り組みます。具体的には、多様な人財の挑戦を後押しする人事制度への刷新を通じて人的資本の最大化を図るほか、CxO制度の導入により責任と権限を明確化し、グループ全体のガバナンス体制を高度化いたします。さらに、リスクアペタイト・フレームワークの本格導入により、リスク・リターンを意識した最適な経営資源の配分と高度なリスク管理体制を構築いたします。 (人財戦略) (ガバナンスの強化) (リスクアペタイト・フレームワーク) 「長期ビジョン2035」及び「中期経営計画2030」の詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。(https://ssl4.eir-parts.net/doc/8439/tdnet/2802715/00.pdf)
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】この経営方針、経営環境、対処すべき課題等には、将来に関する記述が含まれています。こうした記述は、現時点で当社グループが入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスクや不確実性及びその他の要素を内包するものです。3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要素によって、当社グループの実際の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況が、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。 (1)前中期経営計画の振り返りおよび企業変革プログラム「TC Compass」始動の背景当社グループは、前中期経営計画(2023年度~2027年度)において純利益目標1,000億円を掲げておりましたが、事業領域の拡大と資産回転の加速などが実を結び、2025年度において純利益1,113億円を計上し、過去最高益を更新するとともに、当初の定量目標を2年前倒しで達成いたしました。 当社グループを取り巻く外部環境に目を向けますと、前中期経営計画策定時とは大きく異なる局面を迎えております。「金利のある世界」への回帰、AI(人工知能)の劇的な進化、為替市場における円安の進行、そして地政学リスクの常態化に伴うサプライチェーンの再編など、経営環境の不確実性はかつてないほどに高まっております。また、前中期経営計画の財務目標を達成した一方で、当社グループ内には、経営理念の役職員への浸透不足、事業ポートフォリオ変革の進捗の遅れ、次世代の収益源となる成長投資の不足、ならびに旧来型の体制・制度の硬直化といった構造的な課題が残されており、従来の延長線上では持続的な成長が困難であるという強い危機感を認識しております。当社グループは、これらの課題を解決し、過去の延長線上にはない成長を実現するため、企業カルチャー・事業戦略・経営インフラを三位一体で再構築する企業変革プログラム「TC Compass」を始動し、これに基づき「長期ビジョン2035」および「中期経営計画2030」を策定いたしました。 (2) 新しい経営理念体系当社グループが新しい時代への転換期に、いま一度「当社がどのような会社を目指すのか」「社会の中でどういう役割を担うのか」を明らかにするため、新たな経営理念体系を以下の通り定義いたしました。 (経営理念体系) (3) 「長期ビジョン2035」及び「中期経営計画2030」「長期ビジョン2035」では、10年後の社会課題を展望し、2035年からのバックキャストによって企業価値・提供価値の拡大に向けた道筋を明確にしました。そのなかで、当社が取り組む社会課題として「サーキュラー・エコノミー」、「エネルギー問題」、「社会インフラ」、「AI・テクノロジー」の4領域を特定しています。具体的には3つの成長戦略として、「バリューチェーンの拡大」、「グローバル展開の加速」、「外部資本の活用」を推進します。同時に、低採算事業の縮退を含む事業ポートフォリオの最適化を推進することで、社会価値・経済価値・人財価値の創出を通じた企業価値の極大化を目指してまいります。(長期ビジョンの基本軸) (3つの成長戦略のロードマップ) 「中期経営計画 2030」では、2035年度に向けた長期戦略の第1段階として、今後5年間で「事業ポートフォリオの変革」と「バリューチェーンの拡大」を強力に推進します。同時に、「人財戦略の推進」、「経営基盤・ガバナンスの強化」、「企業カルチャーの変革」といった、次なる飛躍の基盤となる取り組みを進めてまいります。(新中期経営計画の位置づけ) 「中期経営計画 2030」の財務KPIは、当期純利益2,000 億、ROE12.5%以上、株主還元は、配当性向35%以上とし、利益成長による累進配当を基本として増配を目指してまいります。 (新中期経営計画の財務KPI・株主還元) ① ポートフォリオ戦略資本効率と成長性を軸に、規律あるポートフォリオマネジメントを徹底することで、事業ポートフォリオの最適化と構造改革を推進いたします。具体的には、成長事業や戦略事業を中心に新規投資を実行する一方で、低効率資産の圧縮や課題事業の縮退を進め、事業構造の変革に取り組んでまいります。 (規律あるポートフォリオマネジメント) (2030年度までの成長投資計画) ② 人財戦略・経営基盤の強化事業戦略を支える経営基盤の強化に取り組みます。具体的には、多様な人財の挑戦を後押しする人事制度への刷新を通じて人的資本の最大化を図るほか、CxO制度の導入により責任と権限を明確化し、グループ全体のガバナンス体制を高度化いたします。さらに、リスクアペタイト・フレームワークの本格導入により、リスク・リターンを意識した最適な経営資源の配分と高度なリスク管理体制を構築いたします。 (人財戦略) (ガバナンスの強化) (リスクアペタイト・フレームワーク) 「長期ビジョン2035」及び「中期経営計画2030」の詳細については、当社ウェブサイトをご参照ください。(https://ssl4.eir-parts.net/doc/8439/tdnet/2802715/00.pdf)
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。※「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」において、億円単位で記載している金額は億円未満を四捨五入しております。 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの事業の取組状況、財政状態及び経営成績の状況、キャッシュ・フローの状況及び営業取引の状況の概要(以下「経営成績等」)は次のとおりであります。 ① 事業の取組状況(営業基盤の強化)〔国内リース事業分野〕・当社は、広島県東広島市及び東広島スマートエネルギー株式会社(以下、HSE)との間で、東広島市における脱炭素社会の実現を目指す「地域脱炭素化の実現に向けた連携協定」を締結いたしました。環境省の「脱炭素先行地域」に選定されている同市は、都市型脱炭素化特有の複合的な課題に直面しています。本協定に基づき、当社の持つ脱炭素ソリューションの知見と、HSEの地域密着型の供給力を掛け合わせ、同市への省エネ機器・高効率機器の普及促進、安定的な電力供給体制の構築を推進してまいります。今後もパートナー企業や自治体との連携を通じて、再生可能エネルギーの導入や省エネ機器の普及など、地域の脱炭素化と地域経済の発展を支援してまいります。・当社のNTTグループとの合弁会社で総合リース事業を展開しているNTT・TCリース株式会社(以下、NTL)は、円金利上昇による資金原価増加を打ち返し、過去最高益を更新いたしました。海外データセンター向けファイナンスなどのNTTグループ関連ビジネスの強化、環境・不動産・教育分野における当社との共創・パートナー連携の強化による成長分野の拡大に注力したことにより、ベース収益が伸長しました。引き続き当社はNTLをはじめとするNTTグループとの様々な分野での連携を深め、共創案件を創出することで両社の企業価値向上と社会課題の解決に貢献してまいります。 〔オートモビリティ事業分野〕・当社は、豪州の独立系レンタカー会社であるBargain Car Rentals Australia Pty Ltd(以下、Bargain Car Rentals)の全株式を取得することについて契約を締結いたしました。本件は、当社にとって単独では初となる海外レンタカー事業への出資となります。豪州は都市間移動のインフラとしてレンタカー需要が底堅く、今後もさらなる市場成長が見込まれています。当社は連結子会社のニッポンレンタカーサービス株式会社で培った運営ノウハウやDX推進等の知見を、Bargain Car Rentalsが持つ豪州の拠点ネットワークに注入することで、早期の企業価値最大化を図り、将来的には車両リース・ファイナンスや中古車事業といった周辺領域への展開も視野に入れ、豪州におけるモビリティ事業のバリューチェーン構築と事業基盤の拡大を加速させるとともに、グローバルなモビリティ社会の発展に貢献してまいります。 〔スペシャルティ事業分野〕・当社は、アドバンテッジパートナーズグループ(以下、APグループ)の統括会社であるAdvantage Partners Pte. Ltd.の株式を追加取得し、同社を持分法適用関連会社といたしました。当社は、APグループを企業投資事業の中核と位置付け、両社の強みを融合させた独自の「ハイブリッド投資事業モデル」を推進することで、事業承継や親子上場の解消といった多様な経営課題に対する高度なソリューションを提供いたします。本パートナーシップの強化を通じて、従来の国内バイアウト投資に加え、上場企業への成長支援、アジア地域での企業投資や再生可能エネルギー分野などにも協業範囲を拡大し、社会課題の解決と日本の経済社会の発展に貢献してまいります。・当社は、モナコを拠点とする有力海運グループであるC Transport Maritimeから、船舶の保有・調達機能を担うC Transport Maritime Ltd.の株式を取得し、持分法適用関連会社といたしました。世界最大級のドライバルク船(ばら積み船)プールを運営する同グループとの連携により、海運市況インテリジェンスや、専門的な配船・運航管理ノウハウを組織的に蓄積し、当社が培ってきた国内海事クラスター(造船所・船主・商社など)との強固なネットワークと同グループのグローバルな基盤を融合させることで、優良な船舶資産へのアクセスを容易にし、共同投資機会の創出や多様な海事ソリューションの提供など、海運業界の持続的な発展に貢献してまいります。 〔国際事業分野〕・当社は、いすゞ自動車株式会社の100%子会社であるIsuzu Australia Ltd.との合弁により、豪州にリース会社Isuzu Financial Services Australia Pty Ltd.(以下、IFSA)を設立いたしました。豪州は輸送コストの上昇等を背景に車両の安定稼働や運用コスト最適化へのニーズが高まっており、いすゞの商用車が高いシェアを誇る同国においてリース市場の安定的な成長が見込まれています。新会社のIFSAでは、新車販売と一体となったメンテナンスリースを提供し、車両のライフサイクル全体を通じてサポートし、今回のいすゞとの合弁事業を通じ、高品質な車両と当社の強みを掛け合わせることで、多様化・高度化するお客さまのニーズに的確に応えるソリューションを提供してまいります。・当社の連結子会社であるCSI Leasing, Inc.は、航空機地上支援機材(以下、GSE:Ground Support Equipment)の専門企業であるAeroservicios USA, Inc.の過半の株式を取得いたしました。本件により、従来のGSEリース事業に機器のリファービッシュ及び再販機能を加え、機材の導入から処分までを一貫して担う「GSEライフサイクルマネジメント」を本格展開いたします。安定成長が見込まれるGSE市場において、高品質な機材の提供と資産管理をワンストップで実施し、機器の長寿命化と再利用を通じて資源の有効活用を図り、多様な顧客ニーズへの対応と循環型経済社会の実現に貢献し、持続的な企業価値の向上を目指してまいります。〔環境インフラ事業分野〕・当社は、英国で再生可能エネルギー投資や開発を手掛けるDowning LLPと共同で、同国における太陽光発電所への投資、建設及び運営を目的とした合弁会社を設立いたしました。本件は、当社にとって英国における太陽光発電所の建設フェーズに初めて参画し、再生可能エネルギー事業において海外パートナーと合弁会社を設立して共同運営を行う初の事例となります。2028年までに累計約500MW(10ヵ所程度)の太陽光発電所ポートフォリオ構築を目指しており、英国政府の促進制度であるCfD(注1)を通じて長期安定的な収益の確保を見込んでいます。当社は本事業を通じて、発電所の建設・開発のリスクマネジメントやガバナンスのノウハウを獲得し、海外事業運営能力を向上させるとともに、クリーンエネルギーの普及と脱炭素社会の実現に貢献してまいります。 (注)1.Contract for Difference(差額決済型固定価格買取制度)の略であり、事前に決定された価格を発電事業者に保証し、市場価格との差額を調整することで収益の安定化を図る制度。・当社は、成長戦略の柱として系統用蓄電池事業を強力に推進しております。国内の再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、その出力変動を吸収し、電力系統を安定させるための調整力として、系統用蓄電池の重要性が高まる中、当社は大阪府や岩手県において系統用蓄電池の商業運転を開始したほか、鹿児島県では国内最大級となる太陽光発電所の蓄電池併設プロジェクトに着手するなど、着実に稼働案件を積み上げてまいりました。今後、自社主導の開発体制に注力することにより事業組成のスピード強化と運営ノウハウの確実な蓄積を図り、約600MW規模の運転開始を目指し、再生可能エネルギーの拡大並びに電力系統の安定化を通じて、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。 (経営基盤の強化)・当社事業の成長・グローバル化が進み、複雑化・多様化する外部環境の変化や社会課題に迅速かつ柔軟に対応する力を強化していく必要性が増す中、中長期的に当社の企業価値を最大化していくため、2026年4月1日付にて組織改編及びCxO体制の導入を行いました。これにより、事業競争力の強化、意思決定の迅速化及びグループガバナンスの向上を推進することで、企業変革の加速と経営基盤の強化を図り、当社の企業価値の持続的向上・最大化を目指してまいります。・当社は、CDP(注1)が実施する2025年度調査の「気候変動」分野において、初めてリーダーシップレベルの「A-(Aマイナス)」スコアを獲得いたしました。今回の選定は、TCFD提言に基づく情報開示の深化や、サプライチェーン全体における温室効果ガス排出量算定の精緻化、再生可能エネルギー事業の拡大といった当社の継続的な取り組みと、透明性の高い情報開示が総合的に評価されたものと認識しております。今回の評価を新たな原動力とし、金融・サービスの機能を通じたソリューションの提供により、気候変動という地球規模の社会課題の解決に向けた取り組みを一層加速させ、持続可能な未来の創造に全力を尽くしてまいります。 (注)1.Carbon Disclosure Projectの略であり、環境情報開示システムを運営する国際的な非営利団体として企業や都市を対象に気候変動等の分野で調査を実施し、評価・公表している機関。・当社は、国内初となる「自己評価型ポジティブ・インパクト・ファイナンス・フレームワーク」(以下、本フレームワーク)を策定し、これに基づき総額1,714億円の資金調達を実施いたしました。本フレームワークは、当社が主体的に事業活動の社会的・環境的インパクトを評価・管理し、貸付人との対話を通じて自律的にサステナビリティ経営を推進することを特徴としています。当社は、今後も多様な資金調達手法を確保し、事業活動を通じてポジティブなインパクトの創出を加速させることで、循環型経済社会の実現と持続的な企業価値の向上に努めてまいります。・当社は、一般社団法人work with Prideが策定した職場におけるLGBTQ+など性的マイノリティに関する取組評価指標「PRIDE指標2025」において、昨年に続き最高位の「ゴールド」を受賞しました。あわせて、当社の連結子会社でANA インターコンチネンタル別府リゾート&スパとホテルインディゴ軽井沢を経営するTCホテルズ&リゾーツ株式会社においても「ゴールド」を受賞し、グループでのダブル受賞となりました。当社は「ダイバーシティ基本方針」に基づき、多様な人材の採用・育成・登用を推進しており、今後も一人ひとりが働きやすい職場づくりを通じて、多様な人材が活躍・融合するダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを実現してまいります。 ② 財政状態及び経営成績の状況業績につきましては、売上高は前期比890億円(6.5%)増加し1兆4,577億円、売上総利益はスペシャルティ事業及び国際事業での増益を主因に前期比480億円(17.1%)増加し3,283億円となりました。販売費及び一般管理費は、前期比168億円(10.3%)増加し1,799億円となりました。主な要因は、オートモビリティ事業、スペシャルティ事業及び国際事業の人件費及び物件費の増加であります。営業外損益は前期比1億円(0.7%)減少し151億円の利益となりました。これらにより、経常利益は前期比311億円(23.5%)増加し1,634億円となりました。また、特別損益はロシア関連保険和解金の計上はあったものの、バイオマス混焼発電事業を主因とする減損損失の計上の影響が上回り前期比207億円減少し75億円の損失、法人税等は前期比130億円(25.7%)減少し376億円、非支配株主に帰属する当期純利益は前期比25億円(26.7%)減少し70億円となりました。 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前期比260億円(30.5%)増加し1,113億円となりました。 なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期中平均の為替レートは、当連結会計年度149.62円/米ドル(2025年1月~12月)、前連結会計年度151.68円/米ドル(2024年1月~12月)であります。 当連結会計年度末の財政状態につきましては、資産合計は、前期末比3,519億円(5.1%)増加し7兆2,148億円、セグメント資産は前期末比2,509億円(4.1%)増加し6兆3,107億円となりました。負債合計は、前期末比2,762億円(4.9%)増加し5兆9,622億円となりました。有利子負債は、前期末比2,299億円(4.7%)増加し5兆1,425億円となりました。純資産合計は、前期末比757億円(6.4%)増加し1兆2,526億円となりました。この結果、自己資本比率は前期末に比べ0.5ポイント上昇し15.5%となりました。 なお、12月決算会社である主な海外子会社・海外関連会社の連結財務諸表作成にかかる期末の為替レートは、当連結会計年度末156.54円/米ドル(2025年12月末)、前連結会計年度末158.17円/米ドル(2024年12月末)であります。 セグメント別の業績及びセグメント資産の状況については、④ 営業取引の状況に記載しております。 ③ キャッシュ・フローの状況 (単位:億円) 前連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日当連結会計年度自 2025年4月1日至 2026年3月31日増減額営業活動キャッシュ・フロー514△769△1,283投資活動キャッシュ・フロー△315△619△305財務活動キャッシュ・フロー△4341,8802,313現金・現金同等物期末残高1,6882,197509 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動では、税金等調整前当期純利益が1,559億円、賃貸資産減価償却費が2,448億円、賃貸資産除却損及び売却原価が3,412億円となったこと等に対し、賃貸資産の取得による支出が7,897億円、リース債権及びリース投資資産の増加による支出が1,104億円となったこと等により、769億円の支出(前連結会計年度は514億円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動では、投資有価証券の取得による支出が736億円となったこと等により、619億円の支出(前連結会計年度は315億円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動では、長期借入金の返済による支出が1兆224億円、社債の償還による支出が3,619億円となったこと等に対し、長期借入れによる収入が1兆1,930億円、社債の発行による収入が2,629億円、コマーシャル・ペーパーの純増減額による収入が1,048億円となったこと等により、1,880億円の収入(前連結会計年度は434億円の支出)となりました。これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比509億円増加し2,197億円となりました。 ④ 営業取引の状況連結会計年度におけるセグメント資産残高、セグメント売上高及びセグメント利益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 a. セグメント資産残高(単位:億円)セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)報告セグメント国内リース12,75013,0853352.6オートモビリティ5,0085,2922845.7スペシャルティ29,72932,0142,2857.7国際9,77210,0813093.2環境インフラ2,8522,173△679△23.8報告セグメント計60,11062,6452,5354.2その他488462△26△5.3合計60,59963,1072,5094.1連結財務諸表との調整額8,0309,0411,01112.6連結財務諸表上の資産合計68,62972,1483,5195.1 b. セグメント売上高(単位:億円)セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)報告セグメント国内リース4,4914,6211302.9オートモビリティ3,0073,1491424.7スペシャルティ3,3453,430852.5国際2,2272,70948221.7環境インフラ608661528.6報告セグメント計13,67914,5708916.5その他87△1△8.2連結財務諸表上の売上高13,68614,5778906.5 (注) 売上高について、セグメント間の内部売上高又は振替高は含まれておりません。 c. セグメント利益(単位:億円)セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度増減額増減率(%)報告セグメント国内リース228228△0△0.1オートモビリティ177121△56△31.4スペシャルティ3291,122793241.3国際1632357244.4環境インフラ1△445△445-報告セグメント計8981,26236440.6その他1721424.6合計9151,28436940.3連結財務諸表との調整額△62△171△108174.4連結財務諸表上の親会社株主に帰属する当期純利益8531,11326030.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、「中期経営計画2027」のもと高い収益性と安定性のあるポートフォリオへの変革を推進し、事業領域の拡大や資産回転の加速等を実現した結果、同計画で掲げた財務目標(当期純利益1,000億円・ROA1.4%・ROE10%)を2年前倒しで達成いたしました。他方、経営環境の不確実性が高まる中、マクロ環境の変化を好機と捉え、当社グループは、新たな「長期ビジョン2035」及び「中期経営計画2030」を策定いたしました。「中期経営計画2030」では、「バリューチェーンの拡大」「グローバル展開の加速」「外部資本の活用」の3つの成長戦略に加えて、低採算事業の縮退及び規律あるポートフォリオマネジメントなどの施策を実行することにより、ポートフォリオの最適化並びに2030年度の財務目標である「当期純利益2,000億円、ROE12.5%以上」の達成に向けた取り組みを推進してまいります。なお、当社グループの当連結会計年度における具体的な取り組みは、「(1)経営成績等の状況の概要 ①事業の取組状況」に記載のとおりであります。 (経営成績及び財政状態)当社グループの重要な経営指標である親会社株主に帰属する当期純利益は、スペシャルティ事業において増益となったことを主因に全体では前期比260億円増加し1,113億円となり、ROEは前期に比べ1.4ポイント改善し10.4%となりました。セグメント別の親会社株主に帰属する当期純利益及びROAを分析した結果は以下のとおりであります。(単位:億円)セグメントの名称親会社株主に帰属する当期純利益ROA2025年3月期2026年3月期前期比2025年3月期2026年3月期前期比国内リース事業228228△01.8%1.8%△0.0ptオートモビリティ事業177121△563.6%2.4%△1.3ptスペシャルティ事業3291,1227931.1%3.6%2.5pt国際事業163235721.8%2.4%0.6pt環境インフラ事業1△445△4450.0%△17.7%△17.7pt全社・消去等△45△149△104- - - 連結8531,1132601.4%1.8%0.4pt *ROA:親会社株主に帰属する当期純利益/((前期末セグメント資産+当期末セグメント資産)/2) 〔国内リース事業〕国内リース事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期と同水準の228億円、ROAは前期と同率の1.8%となりました。資金原価の増加及び投資有価証券に関する評価損の計上はあったものの、NTT・TCリース株式会社等のパートナーとの共同事業による取込利益増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は前期と同水準となりました。 〔オートモビリティ事業〕オートモビリティ事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比56億円減少し121億円、ROAは1.3ポイント低下の2.4%となりました。レンタカー事業を展開するニッポンレンタカーサービス株式会社においては、高い稼働率と旺盛なインバウンド需要を取り込み、過去最高益を更新した一方で、法人向けオートリースの日本カーソリューションズ株式会社においては、リース収益や車両売却益を伸長したものの、資金原価及び販管費負担の増加、システムにかかる減損損失を計上したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。 〔スペシャルティ事業〕スペシャルティ事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比793億円増加し1,122億円、ROAは2.5ポイント上昇の3.6%となりました。船舶事業での売船収益の減少や為替評価損による減益があったものの、航空機事業でのロシア関連保険和解金や税金費用の戻入れ等を主因として親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。 〔国際事業〕国際事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比72億円増加し235億円、ROAは0.6ポイント上昇の2.4%となりました。CSI Leasing, Inc.が、中南米エリアを中心に好調に推移したことに加え、米国データセンター及び営業投資有価証券の売却益により、親会社株主に帰属する当期純利益は増益となりました。 〔環境インフラ事業〕環境インフラ事業の親会社株主に帰属する当期純利益は前期比445億円減少し445億円の損失、ROAは17.7ポイント低下の△17.7%となりました。太陽光発電事業の売却益計上及び一過性要因を除く収益は堅調に推移したものの、バイオマス混焼発電事業にかかる減損損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は減益となりました。 財政状態について、当連結会計年度末の資産合計は、前期末比3,519億円(5.1%)増加し7兆2,148億円となりました。利益の源泉となるセグメント資産残高は、スペシャルティ事業での投資増加を主因に前期末比2,509億円(4.1%)増加し6兆3,107億円となりました。負債合計は、前期末比2,762億円(4.9%)増加し5兆9,622億円となりました。有利子負債は、前期末比2,299億円(4.7%)増加し5兆1,425億円となりました。純資産合計は、前期末比757億円(6.4%)増加し1兆2,526億円となりました。うち、自己資本は、前期末比909億円(8.8%)増加し、1兆1,205億円となりました。主な要因は、利益剰余金が前期末比823億円増加したことであります。この結果、自己資本比率は前期末比0.5ポイント上昇し15.5%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フロー)当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローについては、賃貸資産の取得、リース債権及びリース投資資産の増加等により、769億円の支出となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローについては、Advantage Partners Pte.Ltd.の株式を取得したこと等により、619億円の支出となりました。引き続き各事業分野の営業基盤強化に向けた成長事業への投資を実行する一方で、ROA向上に向け収益性や成長性を考慮した健全なポートフォリオの維持に注力しております。財務活動によるキャッシュ・フローは1,880億円の収入となりました。成長事業への投資に必要な資金を確保するため、長期借入金、短期借入金及び社債等の有利子負債による調達を行いました。これらにより、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期末比509億円(30.1%)増加し2,197億円となりました。 (資金調達の基本方針)当社グループは、金融情勢の変化に機動的に対応しつつ調達先の分散や調達手段の多様化を図ることで、調達の安定性を高めること及び資金コストの低減を基本方針としております。また、ALM(資産・負債総合管理)の実施により、市場リスクについて多面的な分析を行い、各種リスクを適切にコントロールしております。 (資金調達の方法)当社グループの資金調達は、国内外の金融機関からの借入による間接調達と社債、コマーシャル・ペーパー、ユーロ・ミディアム・ターム・ノート、リース債権流動化といった資本市場からの調達による直接調達で構成されております。当連結会計年度末において、間接調達は、前期末比2,215億円(6.4%)増加し3兆6,615億円となりました。直接調達は、前期末比84億円(0.6%)増加し1兆4,810億円となりました。この結果、当連結会計年度末の直接調達比率は28.8%となり、前期末比1.2ポイント低下しました。また、当連結会計年度末の長期調達比率は85.7%となり、前期末に比べて2.5ポイント低下しました。 (流動性の確保)当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関139行と当座貸越契約及びコミットメントライン契約を締結しており、当連結会計年度末の契約総額は、前期末比1,931億円増額の2兆5,175億円、借入未実行残高は1兆9,651億円となっており、資金の流動性は十分に確保されております。 ③ 経営上の目標の達成状況(当連結会計年度の業績及び翌期の見通し)当社グループは、「中期経営計画2027」における経営指標として、利益目標を親会社株主に帰属する当期純利益に一本化し、株主の皆様の視点に合わせた、持分法適用関連会社を含むグル-プ会社の業績をよりよく反映させる高度なグループ会社一体経営を目指すため、連結ROA、連結ROEを経営指標として採用しておりました。当連結会計年度において、親会社株主に帰属する当期純利益1,113億円、連結ROA1.6%、連結ROE10.4%となり、同計画で掲げた目標を2年前倒しで達成いたしました。 2026年3月期(実績)2028年3月期(中期経営計画2027)親会社株主に帰属する当期純利益1,113億円1,000億円連結ROA(総資産純利益率)1.6%1.4%連結ROE10.4%10% 2027年3月期の経済環境については、日本銀行の政策金利引き上げに伴う金融環境の変化に加え、米国等における保護主義的な政策動向や中東情勢を踏まえた輸出環境・サプライチェーンに及ぼす影響が懸念されます。さらに、続く物価上昇や深刻な人手不足、不安定な為替相場の推移など景気の下押しリスクも存在しており、先行きは依然として不透明な状況です。現下の中東情勢の不安定化に伴う当社の2027年3月期の連結業績への影響につきましては、現時点において直接的な影響は限定的であると想定しております。しかしながら、事態の長期化に伴う間接的な影響(金利等のコスト増や需要減退、顧客の信用状況の変化等)については引き続き注視してまいります。具体的には、原油・LNG価格の高騰に伴う電力市場価格の上昇による再エネ事業への影響や、航空運賃上昇を受けたインバウンド需要の変動に伴うモビリティ事業(レンタカー需要等)への波及、海運市況や中古車相場の不安定化リスクなど、各個別事業における間接的な事業環境の変化を慎重に見極め、適切に対応してまいります。こうした不安定な中東情勢の長期化による下振れ懸念を考慮し、連結業績予想の策定にあたっては、これら不確実性に対する備えとして20億円のリスクバッファーを織り込んでおります。このような経済環境下ではありますが、2027年3月期の業績見通しは、親会社株主に帰属する当期純利益1,230億円(前期比10.5%増)を見込んでおります。 2026年3月期(実績)2027年3月期(予想)2031年3月期(中期経営計画2030)親会社株主に帰属する当期純利益1,113億円1,230億円2,000億円連結ROE10.4%-12.5%以上 (株主還元方針と配当額)当社グループは、継続的な業容の拡大や企業体質の強化に向けた取り組みが企業価値の増大につながるものと考え、それらを実現するために内部留保の充実を図るとともに、株主の皆様に対しましては、長期的かつ安定的に利益還元を行うことを基本方針としております。「中期経営計画2030」における1株当たり配当金は累進配当を基本としつつ、利益成長による増配を目指し、配当性向は35%以上といたします。なお、内部留保につきましては、ポートフォリオの変革を牽引するパートナーとの協業及びM&Aを中心とする成長投資を実行することにより、資本効率の向上と利益成長を軸とした事業ポートフォリオの最適化を図ってまいります。当期の配当につきましては、期初に1株当たり年間68円(中間配当34円、期末配当34円)の予想とさせていただきました。中間配当につきましては、期初予想から2円増配し、1株当たり36円とさせていただきました。また期末配当につきましては、期初予想から10円の増配の1株当たり44円とすることを2026年6月25日開催予定の第57回定時株主総会で決議する予定であります。これにより、1株当たり年間配当金は80円(中間36円、期末44円)となる予定であります。なお、次期の配当につきましては、長期的かつ安定的に利益還元を行うという基本方針を踏まえ、1株当たり年間90円(中間配当45円、期末配当45円、配当性向35.8%)とさせていただく予定であります。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的と判断される前提に基づいて実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載のとおりですが、重要なものは以下のとおりであります。 a. 賃貸資産の減損損失の計上賃貸資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が識別された場合には、二次リースの可能性及び将来の市況等を考慮したリース料や処分価値等を見積り、減損の認識の要否を判断しております。その結果、減損の認識が必要と判定された賃貸資産については、回収可能価額を正味売却価額又は使用価値のいずれか高い金額とし、帳簿価額との差額を減損損失として計上しております。経営者は、賃貸資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、賃貸資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能価額の算定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。なお、航空機リースにかかる賃貸資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)①賃貸資産の減損」に記載のとおりであります。 b. その他の営業資産の減損損失の計上その他の営業資産は、概ね独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位を基礎としてグルーピングを行い、市場価格の著しい下落や資産の回収可能価額を著しく低下させるような事象等の減損の兆候が識別された場合には、当該資産グループから得られる将来キャッシュ・フローを見積り、減損の認識の要否を判断しております。その結果、減損の認識が必要と判定されたその他の営業資産については、回収可能価額を正味売却価額又は使用価値のいずれか高い金額とし、帳簿価額との差額を減損損失として計上しております。経営者は、その他の営業資産の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、その他の営業資産が回収可能な合理的な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、回収可能価額の算定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて減損損失の追加計上を実施する可能性があります。なお、バイオマス混焼発電事業に係るその他の営業資産の減損については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)②その他の営業資産の減損」に記載のとおりであります。 c. のれんの減損損失の計上企業結合で生じたのれんは、会社単位を基礎としてグルーピングを行っております。のれんの償却については、その効果の発現する期間を個別に見積り、20年以内の合理的な年数で定額法により償却を行っております。経営者は、その資産性について、子会社の業績や事業計画等を基に検討を行っており、その検討の内容は合理的であると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により、将来において当初想定した収益力もしくは費用削減効果が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損損失の計上が必要となる可能性があります。 d. 貸倒引当金の計上貸倒引当金は、取引先の経営状態や支払状況等によって分類区分された債権について、一般債権については貸倒実績率により、破産更生債権等については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経営者は、債権の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であり、貸倒引当金は十分計上され、債権が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、債権の評価には経営者が管理不能な不確実性が含まれており、予測不能な前提条件の変化等により債権の評価が変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループが貸倒引当金を増額又は減額する可能性があります。 e. 金融商品の時価評価金融商品の時価には、市場価格に基づく価額の他、市場価格がない場合には合理的に算定された価額が含まれております。有価証券のうち、市場価格のない株式等については、取得原価をもって計上しておりますが、発行会社の財政状態の悪化により実質価額が著しく低下した場合には減損処理を行っております。当社グループで行っているデリバティブ取引は、金利関連取引(金利スワップ取引等)、通貨関連取引(為替予約取引及び通貨スワップ取引等)であり、それらの時価は取引金融機関から提示された価格等によっており、金利、外国為替相場等のインプットを用いた将来キャッシュ・フローの割引現在価値により算定されています。経営者は、金融商品の時価の評価にあたって用いた会計上の見積りは合理的であると判断しております。ただし、当該価額の算定においては一定の前提条件等を採用しているため、予測不能な前提条件の変化等により金融商品の評価に関する見積りが変動する可能性があります。この場合には、将来当社グループにおける時価評価額が変動する可能性があります。 f. 繰延税金資産の回収可能性繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を判断した上で計上しております。経営者は、繰延税金資産の回収可能性の評価の見積りは合理的であり、繰延税金資産が回収可能な額として計上されていると判断しております。ただし、予測不能な前提条件の変化等により回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、将来当社グループにおいて繰延税金資産の取崩し又は追加計上により損益に影響を及ぼす可能性があります。 (3)特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金の状況「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(平成11年5月19日 大蔵省令57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金、その他の営業貸付債権、関係会社短期貸付金及び関係会社長期貸付金)の状況は次のとおりであります。① 貸付金の種別残高内訳 2026年3月31日現在貸付種別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)平均約定金利(%)消費者向 無担保(住宅向を除く)-----有担保(住宅向を除く)-----住宅向-----計-----事業者向 計6,349100.00546,677100.002.98合計6,349100.00546,677100.002.98 ② 資金調達内訳 2026年3月31日現在借入先等残高(百万円)平均調達金利(%)金融機関等からの借入2,047,2731.77その他352,3500.98社債・CP335,9000.95合計2,399,6231.65自己資本399,031-資本金・出資額81,129- ③ 業種別貸付金残高内訳 2026年3月31日現在業種別先数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)製造業21813.618,2091.50建設業332.06600.01電気・ガス・熱供給・水道業251.5622,9634.20運輸・通信業664.1238,9477.12卸売・小売業、飲食店32220.102,3790.44金融・保険業462.8764,30511.76不動産業332.06125,27822.92サ-ビス業50831.71255,96346.82個人----その他35121.9128,5695.23合計1,602100.00546,677100.00 ④ 担保別貸付金残高内訳 2026年3月31日現在受入担保の種類残高(百万円)構成割合(%)有価証券--うち株式--債権--うち預金--商品--不動産15,5932.85財団--その他24,7444.53計40,3377.38保証5,9351.09無担保500,40491.53合計546,677100.00 ⑤ 期間別貸付金残高内訳 2026年3月31日現在期間別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)1年以下1742.74209,98638.391年超5年以下5,19481.81204,70737.455年超10年以下69610.9658,46910.7010年超15年以下2544.007,3111.3415年超20年以下220.3523,7224.3420年超25年以下30.052,8710.5325年超60.0939,6087.25合計6,349100.00546,677100.00一件当たり平均期間5.51年 (注) 期間は、約定期間によっております。

事業リスク

  • 信用リスクの増大
    リースや貸付は長期にわたる信用供与のため、景気悪化や取引先の信用状況悪化により不良債権が増えると、貸倒費用が増加し業績に悪影響を及ぼす可能性があります。同社は与信業務規範や内部格付制度に基づき、信用リスクの計量と管理を行っています。
  • カントリーリスクの影響
    海外事業展開や投資を積極的に行っているため、進出先の法令・規制変更、政治・経済情勢の悪化などが事業展開に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。地政学的リスクの顕在化を踏まえ、情報収集やモニタリングを強化し、リスク管理に取り組んでいます。
  • 市場リスク(金利・為替変動)
    リース料は固定されることが多い一方、資金調達には変動金利も含まれるため、市場金利の急激な上昇は業績に影響を与えかねません。また、海外子会社の収益は為替変動の影響を受け、大幅な円安・円高は業績や株主資本を毀損する可能性があります。ALM委員会を設置し、ヘッジ比率管理などでリスクを抑制しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,014 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の内容、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。なお、当社グループはリスクを把握し、管理する体制を構築しておりますが、詳細について、「第4 提出会社の状況 4 コーポレート・ガバナンスの状況等 (1)コーポレート・ガバナンスの概要 2)内部統制システム及びリスク管理体制の整備の状況」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(金融商品関係)」をご参照ください。 (特に重要なリスク)(1) 信用リスク当社グループが取り扱っているリース、割賦、貸付取引は、与信先に対し比較的長期間にわたり、信用を供与する取引であります。しかしながら、今後の景気動向、取引先の信用状況の悪化等により、不良債権が増加した場合、貸倒費用が増加し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクに対する対処内容>信用リスクについてはリスク管理委員会規程に基づき、基本方針を定め、信用リスクの計量、管理を行っております。個別案件取組に際しては、与信業務規範に則り、取引の相手方、案件の内容、物件価値等を総合的に評価したうえでその可否を判断しております。また、大口案件や新種スキーム案件等の複雑な判断を要する案件については、案件審査会議を設置し、同会議規程に基づき審査・決裁しております。加えて、内部格付制度に基づく1社与信ガイドラインの運用やカントリーエクスポージャー管理などポートフォリオ全体として与信が集中しないよう信用リスクをコントロールし、リスクの極小化に努めております。 (2) カントリーリスク当社グループでは、海外における事業展開や投資を積極的に進めており、これらの国や地域における法令や規制の変更や、政治・経済・社会情勢の変化により生じる予期せぬ事態等により、当社グループの事業展開や投資が順調に展開できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクに対する対処内容>昨今の地政学的リスクの顕在化を踏まえ、カントリーリスクをリスク分類として独立させ、全社的に管理強化に取り組んでおります。具体的には、カントリーリスクに関する情報収集・社内周知の強化、カントリーエクスポージャーのモニタリング強化、投融資対象不適格国の指定、情報セキュリティや腐敗防止等の観点から外国所在の事業関係者等のリスク評価の強化などを行っております。 (3) 市場リスク① 金利変動リスク当社グループが取扱っているリース・割賦取引において、リース料等は物件購入代金のほか、契約時の金利水準等を基準として設定され、契約期間中のリース料等は原則として変動いたしません。一方、リース・割賦取引の物件購入資金の原価である資金原価(金融費用)は、固定金利の資金調達のほかに変動金利による調達もあるため、この部分については市場金利の変動による影響を受けます。市場金利が急激に上昇した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。特に日本国内においては、長年続いた低金利時代から「金利のある世界」への構造的な変化に直面しております。 ② 為替変動リスク当社の海外における連結子会社・持分法適用関連会社の収益や費用については期中平均相場により円貨に換算しており、為替相場の変動が、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。海外事業に対する投資についても、為替の変動による株主資本の毀損リスクや、期間損益の減少リスクが存在し、為替相場が大幅に変動した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクに対する対処内容>金利変動、為替変動等の市場リスクについては、ALM委員会を設置し、同委員会規程に基づき、資金の運用と調達の総合的な管理を実施しております。当社グループではALM(資産・負債総合管理)分析に基づき、ヘッジ比率、マチュリティーラダー、ギャップ分析、GPS(Grid Point Sensitivity)、VaR(最大想定損失額)管理等を導入し、リスクを適切に管理し、必要に応じてリスクヘッジを行っております。 (4) 投資リスク① 戦略的提携、企業買収、出資に関わるリスク当社グループは、リース・金融といった分野に留まらずに、国内外のパートナー企業とともに多様な事業を展開するための戦略的提携や企業買収、出資を行っております。しかしながら、法制度の変更や競争の激化、事業・金融環境の変化などにより、戦略的提携の解消並びにそれに伴うサービスが提供できなくなる可能性や、戦略的提携、企業買収、出資が期待どおりの効果を生まず、減損損失、評価損、持分法投資損失等の発生により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。加えて、買収対象子会社・関連会社の業績が計画通りに伸長せず、当初認識したのれん及び無形資産の効果が期待どおりに実現しない場合には、のれん及び無形資産の減損損失の発生等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ② 有価証券価格変動リスク当社グループは、取引企業との関係強化や営業投資目的の観点から、上場・非上場有価証券を保有しております。当社グループでは、純投資目的以外の目的である投資株式について、個々の取引関係等に応じて定期的に保有適否の見直しを行い、また営業投資目的の有価証券は定期的に価格変動等のモニタリングを実施しておりますが、今後の価格の変動等により、評価損等が発生し当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクに対する対処内容>当社グループは、多様化する投資リスクを適切にコントロールしつつ、事業ポートフォリオの最適化に資する投資ガバナンスの確立を目的として、投資採択及び撤退に係る基準の明確化や統一的モニタリングプロセスの構築等を主眼とした投資管理の枠組みを投資規程として定め、運用しております。この枠組みにおいては、一定の基準に該当する投資案件の採択検討時に、投資会議を開催し、案件ごとのリスクに対応した資本コスト考慮後収益性(定量基準)や当社戦略との整合性等(定性基準)を確認するとともに、事業計画や投資ストラクチャー、想定されるリスク量や環境への影響等について、専門部による多角的な評価を実施いたします。加えて、投資実行後は統一されたプロセスに基づくモニタリングを行い、定期的に投資案件の現状と採択時のシナリオとの整合性を確認するとともに、当初の計画が達成できないことが明らかな場合には、あらためて投資継続の是非を協議いたします。案件採択からモニタリング、投資継続判断までを統一的に管理する新たな枠組みを適切に運用することにより、投資に係るリスク管理の一層の高度化を図るとともに、事業ポートフォリオ最適化に向けた取り組みを強化してまいります。また、リスクプロファイルの上位を占める投資に対して、リスク量ガイドラインを導入するなど、リスク管理の強化に取り組んでおります。 (5)ものにかかわるリスク当社グループは、ファイナンス・リース、貸付等の金融を主軸としたビジネスからの変革に注力し、航空機、船舶、自動車、不動産、発電所等、「もの」の付加価値に着目したオペレーティング・リースやアセット投資の拡充を図ってきております。その結果、ポートフォリオ全体に占めるアセットビジネスの比率は高まっております。しかしながら、経済・社会環境の大幅な悪化などに起因し、これらマーケットに急激な変化等が生じた場合、対象資産の収益性の低下等により、資産価値が大幅に下落し、減損損失等が発生することで、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクに対する対処内容> 当社グループが保有する航空機について、流動性の高い平均機齢の若いナローボディー機が中心で、満了時期を分散するなど、アセットリスクを考慮したポートフォリオを構築しております。また、資産価値を有する各種物件の「ものにかかわるリスク」については、それぞれのリスク所管部にて管理するとともにリスク管理委員会において、リスク量やその状況等の管理を行っております。なお、アセット価値の変動リスクについて、他のリスク同様に統計的手法でVaRを連結ベースで計量するなど定期的にモニタリングをしております。また、リスクプロファイルの上位を占める特定リスクカテゴリー(航空機、不動産)に対して、リスク量ガイドラインを導入するなど、事業ポートフォリオの最適化、リスク管理の強化に取り組んでおります。 (6) 流動性リスク(資金調達)当社グループは、事業に必要な資金を賄うため、銀行借入れによる間接調達のほか、社債やコマーシャル・ペーパーの発行、債権流動化による直接調達によって資金調達を行っております。金融市場の混乱や当社グループの財務内容の悪化などにより、調達環境が変化し資金調達の制約を受けることで、業績に影響を与える可能性があります。 <リスクに対する対処内容>流動性管理指標として長期調達比率、安定調達比率、流動性カバレッジ指標等を導入し、資金調達の多様化、金融機関とのコミットメントライン契約及び当座貸越契約の締結、市場環境を考慮した調達バランスや手元流動性の調整などによって、流動性リスクに対処しております。 (その他重要なリスク)(7) システムリスク、情報セキュリティリスク営業関係、契約管理、資産管理、統計業務等広範囲にわたって活用しているコンピュータシステムについて、不測の事態による停止、誤作動、外部からの不正アクセス、コンピュータウイルスの侵入などが発生した場合、当社グループの事業活動や業績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは個人情報を含む顧客情報や内部情報を有しており、仮に重要な情報が当社グループ又は外部委託先から漏えいした場合、損害賠償やレピュテーションの毀損等により損失を被る可能性があります。さらに、近年急速に発展している生成AI技術の導入・活用においては、不適切な利用による情報漏えい、著作権侵害、AIによる誤情報の出力(ハルシネーション)に伴う判断ミス、誤った情報の拡散、意図しないシステム連携によるセキュリティ上の脆弱性の発生といった新たなリスクも顕在化する可能性があります。 <リスクに対する対処内容>情報セキュリティ対応は、標的型攻撃メールやランサムウェア、ビジネスメール詐欺等のサイバーテロからお客さまや当社の情報資産を守るため、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO27001を取得し、情報セキュリティ委員会を中心に情報管理に関する規程やルールの整備、定期的なリスクアセスメントの実施によるリスクへの対策、有効性評価アンケート等を実施しております。また、ハードやソフトのシステム的なセキュリティのみならず、役職員一人ひとりが日頃から必要な対策や基本動作を怠らないことが大切と認識し、情報セキュリティ研修や標的型攻撃メール訓練を定期的に実施し役職員のレベルアップを図っております。サイバーセキュリティ対策は、「TC-CSIRT」を設置しインシデント発生時の被害拡大防止を図るとともに、平時におけるセキュリティ監視、マニュアル類の整備や役職員への啓発活動等を通じて、インシデントの発生予防や再発防止に努めております。また、サイバー攻撃は日々高度化・巧妙化するため、サイバーセキュリティ対策についての第三者アセスメントの定期的実施や日本シーサート協議会への加盟による外部との積極的な情報共有などを通じ、 対応の高度化を図っております。さらに、インシデント対応力強化を目的に、サイバー攻撃の実践を想定した演習を定期的に実施しています。本演習を通し、インシデント発生時の対応力を検証するとともに、改善ポイントの抽出と対策の検討を繰り返し実施することにより態勢強化に努めております。生成AI技術の利活用においては、生成AI(Google Gemini等)を全社導入し、業務効率化と付加価値向上を推進しています。AI固有のリスクに対応するため、利用ガイドラインの策定、適切なインフラ環境整備及び役職員への継続的なDXリテラシー教育などの対策を講じ、AIガバナンスを強化したうえで、利活用に努めております。 (8) 人材確保に関するリスク当社グループは、リース・金融といった分野に留まらず、国内外で事業の多角化を進めており、多様な人材を安定的に確保する必要があります。当社グループが必要な人材を十分確保・育成できない場合や、雇用している人材が退職した場合、専門人材の雇用に係るコストの追加発生や、提供しているサービスの質が低下するなど、当社グループの事業活動や業績・財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクに対する対処内容>各種事業の競争力を維持・強化していくために、採用方法の工夫やダイバーシティへの取り組み強化、キャリアチャレンジ制度をはじめとした各種施策の実施など、人材力強化につながる職場環境の整備を通じて、有能な人材の安定的な確保・育成・従業員エンゲージメントの向上に努めております。 (9) 災害等によるリスク当社グループは、地震、風水害、火災及びテロ等による被害を受けた場合、又は各種強毒性感染症等の流行により多数の役職員が罹患した場合等に備え、事業継続計画(BCP)に関する対応を定めておりますが、想定外の経済的損失を被った場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 <リスクに対する対処内容>大規模災害や感染症をはじめとした危機事象が発生した場合の対応体制等については、「危機対策規程」及び「事業継続計画規程」に基づき、BCPマニュアルの制定、安否確認システムや防災サイト等の設置、並びに定期訓練の実施等、緊急時における態勢整備に取り組んでおります。また、テレワーク環境の整備によりオフィス被災時や出社困難時の対応にも備えております。 (10) 制度変更リスク当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準をもとに事業を展開しております。将来、これらの諸制度が大幅に変更された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 気候変動リスク当社グループは、「環境に配慮した循環型社会の実現」に向けて、気候変動への対応を重要な課題として認識しております。「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」の提言に賛同を表明し、TCFD提言に準拠したシナリオ分析の実施と情報開示を開始するなど、気候変動への対応を進めております。2040~2050年までの長期的なリスクとして、台風・豪雨等の異常気象による急性の物理的リスク及び炭素税の導入・法規制の強化といった移行リスクが存在し、社会的に多大な影響を与える気候変動が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 <リスクに対する対処内容>2021年4月に「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」提言への賛同を表明して以降、気候変動に係るリスク重要度評価から、環境・エネルギー事業(太陽光発電事業)、航空機事業(航空機リース事業)、オートモビリティ事業(法人・個人向けオートリース事業)を対象に、TCFD提言に沿って、複数のシナリオを用いた気候変動リスク及び機会の特定と、定性的・定量的な事業インパクト評価を実施いたしました。今後とも、リスクへの対応策と機会の獲得について更に検討を深めるとともに、シナリオ分析の対象事業の拡大と、分析精度の向上を図ってまいります。また、事業活動を通じた環境影響・貢献を把握するため、新規に取り組む投資や審査の個別案件に関する環境影響評価の実施、環境を含めた非財務情報のリスク指標を定めて経営会議、リスク管理委員会によるモニタリングを行っております。 (12) 民間設備投資動向の変動によるリスク民間設備投資額とリース設備投資額とは、一時的な差異はあるもののほぼ相関関係にあり、今後もこの傾向は続くものと考えられます。当社グループは、金融を主軸としたリースからモノの付加価値を高める金融・サービスに注力する姿勢を強く打ち出し、パートナー企業との協業による事業性ビジネスの拡大を中心に、事業領域の大幅な拡大を進めておりますが、今後民間設備投資額が大きく減少し、リース設備投資額も大きく減少した場合は、タイムラグはありますが、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (13) その他のリスク上記リスクの他、不適切な事務処理が行われることによる事務リスク、法令や社会規範が順守されず社会的信用の失墜に繋がるコンプライアンスリスク、事業活動に関わる人権に負の影響を引き起こす人権リスク、レピュテーショナルリスクなどがあります。これらリスクが顕在化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

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