有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(当社グループの中期経営計画の状況)当社グループを取り巻く経営環境は、近年大きく変化してきております。AIをはじめとするテクノロジーの活用は事業展開に欠かすことができない存在となってきており、加えて、環境への配慮や人権尊重を含む社会的責任の遂行など、サステナビリティ経営に対する要請も高まっております。対面証券ビジネスは、専門性及び人間性を備えた人材や高度なインフラを必要とする参入障壁が高いビジネスモデルであるものの、手数料体系の変化、賃金・システム・物価・金利の上昇、規制・制度改革並びにデジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)の加速等により、その在り方が大きく変容してきております。このような環境下、当社グループでは、2022年4月より5ヵ年の中期経営計画「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」(以下「本計画」)を策定し、推進しております。本計画は、「『誇り』と『憧れ』を感じる企業グループ」となるために、「“Social Value & Justice” comes first」を行動指針として、「異次元の世界」への到達に挑戦するものです。その戦略の基本方針として、「金融力の強化」と「異次元に向けた重点施策」を掲げ、「金融力の強化」においては、収益力向上、安定収益構造確立、生産性向上に取組み、「異次元に向けた重点施策」では、Powerful Partners(※1)との協業、New Bonanza(※2)の創出等に一層注力しております。あわせて、デジタル分野においては、当社子会社であるCHEER証券株式会社等を通じ、先進的な金融サービスの提供を推進しております。 ※1 電力会社、通信会社、金融機関、商社、不動産、大学、地方銀行、地方公共団体といったパートナー※2 新しい金鉱脈となるビジネスや機能 本計画4年目にあたる当連結会計年度において、グループKGIである自己資本利益率(ROE)は8.8%、預り金融資産は13.4兆円、重要なKPIである経常利益は204億円となりました。本計画における主な課題として認識している事項、及びそれに対する取組みは以下のとおりであります。 戦略の基本方針課題・取組み金融力の強化・富裕層向けのブランドとして、「Orque d'or(オルクドール)」を確立し、サロンの展開や証券担保ローン等の商品提供、営業員の育成等に取組み、お客さまの資産全体を活用した資産ポートフォリオモデルによるサービスを推進。また、金融面・非金融面において、マーケティングスキルの向上とサービスの利便性を高めるためのデジタル化等を通じて、もう一段高いサービス提供を行うオルクドール戦略2.0を推進。・準富裕層及びアッパーマス層との取引拡大を目的とした「クレールシエル戦略」を推進し、金融・非金融の両面から総合的なサービスを提供。・顧客ニーズに応えた新商品の開発による取引拡大、市場環境の変化に柔軟に対応可能なトレーディングキャパシティの強化及び専門性の向上を推進。・日本最大級のスタートアップ支援拠点であるSTATION Aiとの連携、SDFキャピタル株式会社との資本提携、並びに東海地域活性化ファンド設立等を通じ、スタートアップ支援体制の構築と強化。・地方銀行との提携合弁証券における媒介型ビジネスモデルの導入、富裕層及び法人向けサービスの展開等、金融・非金融サービスを融合したJVモデル2.0への深化。・株式会社トレードワークスとの資本業務提携等を通じデジタルツールやAIを活用した営業生産性向上・業務効率化の推進。異次元に向けた重点施策Powerful Partnersとの各提携モデルを推進し、顧客基盤の拡大を図るとともに、証券機能にとどまらない総合金融サービスの獲得を目指す。あわせて、デジタル分野においては選択と集中を加速。(1)当社グループを補完する機能を持つ企業との提携による、フルライン機能の提供(2)当社グループのDXインフラを中心とした提携(3)銀行と新たに提携し、銀行・証券代理店を展開 行動指針課題・取組み“Social Value & Justice” comes first・気候変動、人権尊重、人的資本やウェルビーイングを中心とした持続可能性への取組みを一層強化。情報開示の充実化を図ることにより、ESG指数「FTSE Blossom Japan Index」を含む各種指数への継続採用の実現。・東海東京証券株式会社では、お客さま本位の業務運営の実行に向け、NPS®(※)を用いた顧客満足度の測定を継続的に実施。・人的資本経営の推進として、ポジションチャレンジ制度や「Humanity Enhancement Program」等を通じた社員のチャレンジ支援や、働きやすい職場環境の整備。・ESG評価機関による当社グループの取組状況に関する評価の取得(FTSE評価「3.8」、MSCI評価「BBB」、CDP評価「B」)。・開示情報の充実とステークホルダー等との対話の拡充。※NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現・NICE Systems,Inc.)の登録商標。「Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、正味推奨者比率と訳され、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(当社グループの中期経営計画の状況)当社グループを取り巻く経営環境は、近年大きく変化してきております。AIをはじめとするテクノロジーの活用は事業展開に欠かすことができない存在となってきており、加えて、環境への配慮や人権尊重を含む社会的責任の遂行など、サステナビリティ経営に対する要請も高まっております。対面証券ビジネスは、専門性及び人間性を備えた人材や高度なインフラを必要とする参入障壁が高いビジネスモデルであるものの、手数料体系の変化、賃金・システム・物価・金利の上昇、規制・制度改革並びにデジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)の加速等により、その在り方が大きく変容してきております。このような環境下、当社グループでは、2022年4月より5ヵ年の中期経営計画「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」(以下「本計画」)を策定し、推進しております。本計画は、「『誇り』と『憧れ』を感じる企業グループ」となるために、「“Social Value & Justice” comes first」を行動指針として、「異次元の世界」への到達に挑戦するものです。その戦略の基本方針として、「金融力の強化」と「異次元に向けた重点施策」を掲げ、「金融力の強化」においては、収益力向上、安定収益構造確立、生産性向上に取組み、「異次元に向けた重点施策」では、Powerful Partners(※1)との協業、New Bonanza(※2)の創出等に一層注力しております。あわせて、デジタル分野においては、当社子会社であるCHEER証券株式会社等を通じ、先進的な金融サービスの提供を推進しております。 ※1 電力会社、通信会社、金融機関、商社、不動産、大学、地方銀行、地方公共団体といったパートナー※2 新しい金鉱脈となるビジネスや機能 本計画4年目にあたる当連結会計年度において、グループKGIである自己資本利益率(ROE)は8.8%、預り金融資産は13.4兆円、重要なKPIである経常利益は204億円となりました。本計画における主な課題として認識している事項、及びそれに対する取組みは以下のとおりであります。 戦略の基本方針課題・取組み金融力の強化・富裕層向けのブランドとして、「Orque d'or(オルクドール)」を確立し、サロンの展開や証券担保ローン等の商品提供、営業員の育成等に取組み、お客さまの資産全体を活用した資産ポートフォリオモデルによるサービスを推進。また、金融面・非金融面において、マーケティングスキルの向上とサービスの利便性を高めるためのデジタル化等を通じて、もう一段高いサービス提供を行うオルクドール戦略2.0を推進。・準富裕層及びアッパーマス層との取引拡大を目的とした「クレールシエル戦略」を推進し、金融・非金融の両面から総合的なサービスを提供。・顧客ニーズに応えた新商品の開発による取引拡大、市場環境の変化に柔軟に対応可能なトレーディングキャパシティの強化及び専門性の向上を推進。・日本最大級のスタートアップ支援拠点であるSTATION Aiとの連携、SDFキャピタル株式会社との資本提携、並びに東海地域活性化ファンド設立等を通じ、スタートアップ支援体制の構築と強化。・地方銀行との提携合弁証券における媒介型ビジネスモデルの導入、富裕層及び法人向けサービスの展開等、金融・非金融サービスを融合したJVモデル2.0への深化。・株式会社トレードワークスとの資本業務提携等を通じデジタルツールやAIを活用した営業生産性向上・業務効率化の推進。異次元に向けた重点施策Powerful Partnersとの各提携モデルを推進し、顧客基盤の拡大を図るとともに、証券機能にとどまらない総合金融サービスの獲得を目指す。あわせて、デジタル分野においては選択と集中を加速。(1)当社グループを補完する機能を持つ企業との提携による、フルライン機能の提供(2)当社グループのDXインフラを中心とした提携(3)銀行と新たに提携し、銀行・証券代理店を展開 行動指針課題・取組み“Social Value & Justice” comes first・気候変動、人権尊重、人的資本やウェルビーイングを中心とした持続可能性への取組みを一層強化。情報開示の充実化を図ることにより、ESG指数「FTSE Blossom Japan Index」を含む各種指数への継続採用の実現。・東海東京証券株式会社では、お客さま本位の業務運営の実行に向け、NPS®(※)を用いた顧客満足度の測定を継続的に実施。・人的資本経営の推進として、ポジションチャレンジ制度や「Humanity Enhancement Program」等を通じた社員のチャレンジ支援や、働きやすい職場環境の整備。・ESG評価機関による当社グループの取組状況に関する評価の取得(FTSE評価「3.8」、MSCI評価「BBB」、CDP評価「B」)。・開示情報の充実とステークホルダー等との対話の拡充。※NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現・NICE Systems,Inc.)の登録商標。「Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、正味推奨者比率と訳され、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。 (1) 財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は1,168億55百万円増加(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し1兆5,262億84百万円となりました。このうち流動資産は、約定見返勘定(資産)が733億49百万円、有価証券担保貸付金が231億50百万円減少した一方、信用取引資産が914億74百万円、預託金が490億99百万円増加したことなどから、1,124億8百万円増加し1兆4,345億85百万円となりました。また、固定資産は、投資有価証券が35億41百万円増加したことなどから、44億46百万円増加し916億99百万円となりました。 (負債)当連結会計年度末の負債合計は1,021億54百万円増加し1兆3,167億55百万円となりました。このうち流動負債は、トレーディング商品が1,002億11百万円、短期借入金が43億61百万円減少した一方、約定見返勘定(負債)が1,069億36百万円、預り金が468億53百万円増加したことなどから、876億44百万円増加し1兆1,287億72百万円となりました。また、固定負債は、社債が78億円増加したことなどから、固定負債合計は144億3百万円増加し1,870億92百万円となりました。 (純資産)当連結会計年度末の利益剰余金は70億17百万円増加し1,273億22百万円となり、純資産合計は147億円増加し2,095億29百万円となりました。 (2) 経営成績(受入手数料)連結会計年度区分株券(百万円)債券(百万円)受益証券(百万円)その他(百万円)合計(百万円)前連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日委託手数料14,50019593-15,114引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料65275890-1,501募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料037,972-7,976その他の受入手数料796247,3128,45216,586合計15,94980715,9698,45241,178当連結会計年度自 2025年4月1日至 2026年3月31日委託手数料19,83814573-20,425引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料68785223-1,077募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料057,887-7,892その他の受入手数料983328,3869,38118,783合計20,89083717,0699,38148,179 当連結会計年度の受入手数料の合計は17.0%増加(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し481億79百万円を計上いたしました。 ① 委託手数料株式委託手数料は36.8%増加し198億38百万円となり、委託手数料全体では35.1%増加し204億25百万円を計上いたしました。② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料株式は89.4%減少し68百万円を計上いたしました。また、債券は3.6%増加し7億85百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では28.2%減少し10億77百万円を計上いたしました。 ③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料受益証券は、1.1%減少し78億87百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では1.1%減少し78億92百万円を計上いたしました。④ その他の受入手数料投資信託の代行手数料は14.7%増加し83億86百万円、保険手数料収入は3.6%増加し64億85百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では13.2%増加し187億83百万円を計上いたしました。 (トレーディング損益)区分前連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日当連結会計年度自 2025年4月1日至 2026年3月31日株券等トレーディング損益 (百万円)21,72923,066債券・為替等トレーディング損益 (百万円)15,17515,021合計36,90538,087 当連結会計年度の株券等トレーディング損益は6.2%増加し230億66百万円の利益の計上となり、債券・為替等トレーディング損益は1.0%減少し150億21百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は3.2%増加し380億87百万円の利益を計上いたしました。 (金融収支)当連結会計年度の金融収益は38.9%増加し114億49百万円を計上いたしました。また、金融費用は84.2%増加し57億96百万円を計上し、差引の金融収支は10.9%増加し56億53百万円の利益を計上いたしました。 (販売費及び一般管理費)当連結会計年度の取引関係費は12.2%増加し162億37百万円となりました。また、人件費は8.7%増加し357億7百万円、不動産関係費は3.7%増加し80億18百万円、事務費は5.6%増加し92億2百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の合計は7.9%増加し771億5百万円を計上いたしました。 (営業外損益)当連結会計年度の営業外収益は、投資有価証券評価益18億27百万円、持分法による投資利益12億59百万円などを計上し、営業外収益の合計は63.9%増加し59億82百万円となりました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損2億7百万円などを計上し、営業外費用の合計は13.9%増加し3億5百万円となりました。 (特別損益)当連結会計年度の特別損益は、特別利益として45億66百万円を計上し、特別損失として23億40百万円を計上いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の営業収益は13.2%増加し977億16百万円、純営業収益は10.5%増加し919億20百万円となり、営業利益は26.2%増加し148億15百万円、経常利益は35.5%増加し204億92百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は50.0%増加し165億69百万円を計上いたしました。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは47億37百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益が227億18百万円の黒字となり、約定見返勘定が1,802億86百万円減少し、預り金が468億77百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、トレーディング商品(負債)が1,002億11百万円減少し、信用取引資産が914億74百万円増加し、それぞれ支出となったことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは207億34百万円の支出となりました。これは、短期貸付けによる支出556億40百万円、投資有価証券の取得による支出57億77百万円、短期貸付金の回収による収入312億24百万円、投資有価証券の売却による収入122億80百万円などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは27億37百万円の支出となりました。これは短期借入金の純増減額が△177億59百万円、長期借入れによる収入308億円、長期借入金の返済による支出105億円、配当金の支払による支出95億39百万円などによるものです。以上の結果、現金及び現金同等物は187億21百万円減少し、当連結会計年度末の残高は926億23百万円となりました。 (4) トレーディング業務の概要① トレーディング商品トレーディング商品の残高は次のとおりです。 区分前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)資産の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)328,641354,337 株式・ワラント(百万円)9,01212,823 債券(百万円)277,415295,029 受益証券等(百万円)42,21346,484デリバティブ取引(百万円)14,31714,758合計(百万円)342,958369,095負債の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)370,718270,706 株式・ワラント(百万円)25,93813,150 債券(百万円)344,659257,527 受益証券等(百万円)12128デリバティブ取引(百万円)25,55625,357合計(百万円)396,275296,064 ② トレーディング業務のリスク管理トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2025年4月1日から2026年3月31日まで)のわが国の経済は、食料品を中心とする物価上昇率の高止まりや米国の通商政策が景況感を下押ししたことにより消費抑制が懸念されたものの、企業による積極的な賃上げと政府の経済対策等に支えられ、概ね堅調に推移しました。一方、中東情勢の不安定化でエネルギー価格が急騰、今後の国内経済と物価に悪影響が出ることが懸念されています。海外においては、米国の通商政策の影響が総じて限定的となる中、米国経済は個人消費や設備投資を中心に概ね堅調に推移しました。一方、ユーロ圏は、中核国である独仏経済の低迷によって低成長を余儀なくされました。またアジア圏においては、インド経済が引き続き高い成長を維持したものの、中国経済は内需の弱さから減速気味で推移しました。日本の株式市場では、35,900円台で始まった日経平均株価が、米国の通商政策に対する懸念から一時30,700円台まで急落しました。その後は、米国の通商政策の一部変更が公表されたことや、AI関連市場の拡大期待、衆院選での自民党大勝といった好材料が重なり、59,332.43円まで力強く上昇しました。3月からは、中東情勢の不安定化を受けて相場は下落に転じ、51,063.72円で取引を終えました。なお、2025年4月~2026年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は6兆7,015億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は5兆631億円)となっています。米国の株式市場では、41,000ドル台で始まったダウ平均株価が米国の通商政策を巡る不透明感から急落し、期中最安値となる36,611.78ドルを付けました。しかしその後は、良好な米国の景気や企業決算、「生成AI相場」の継続、非ハイテク株への資金流入の活発化などを背景に、上昇基調を継続しました。しかし、期中最高値となる50,512.79ドルを付けた後、中東情勢の不安定化を受けて急落し、46,341.51ドルで取引を終えました。日本の長期金利は1.50%近辺で始まった後、予想を上回る米国の通商政策や日銀の追加利上げ観測の後退を受けて、期中最低金利となる1.05%まで低下しました。しかしその後は、財政悪化懸念や需給要因から金利上昇の流れが続きました。さらに、高市政権の発足による財政悪化懸念や中東情勢の不安定化が加わったことで、2.39%まで上昇した後、2.35%で取引を終えました。米国の長期金利は4.20%で始まった後、期中最低金利となる3.85%まで低下しました。しかし、財政悪化懸念や米国債の格下げなどを受けて米国債売りが優勢となり、期中最高金利となる4.62%まで上昇しました。その後は緩やかな低下基調が続き、一時4%を下回りましたが、中東情勢の不安定化でインフレ懸念が強まると4.48%まで上昇し、4.31%で取引を終えました。為替市場(ドル円)は1ドル149円台で始まった後、予想を上回る米国の通商政策に対してドル安円高で反応、期中最安値となる139円台まで下落しました。その後はほぼ一貫して下値を切り上げ、1月には159円まで上昇しました。介入警戒から一旦152円台まで反落する局面はあったものの、再び反発に転じ、3月には期中最高値となる160円台まで急伸し、158円台で取引を終えました。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。なお、東海東京証券株式会社においては、有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。 (3) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 金融商品の評価当社グループは、トレーディング商品に属する商品有価証券等及びデリバティブ取引については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。商品有価証券等及びデリバティブ取引については、取引所等の市場価格により時価を算定しております。ただし、市場価格がない商品有価証券等及びデリバティブ取引については、主に金利、配当利回り、原資産価格、ボラティリティ等を基に将来のキャッシュ・フローの現在価値を見積もることにより時価を算定しており、異なる前提条件等を採用した場合には当該時価が変動する可能性があります。 ② 投資有価証券の減損当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。また、連結貸借対照表には、持分法適用関連会社に関するのれんが含まれております。当該のれんについても減損損失の計上の必要性を検討する必要があり、投資時に予想した収益性が低下した結果、投資額の回収が見込めないと判断した場合に減損損失の計上を行います。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ③ 固定資産の減損収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損損失の計上を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、事業計画や経営環境等の前提条件が変化した場合、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。 ④ 退職給付費用及び債務従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。 ⑤ 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当額が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】≪当社グループの中期経営計画の状況≫当社グループを取り巻く経営環境は、大きく変化してきております。AI等のテクノロジーの活用が事業展開に欠かすことができない存在となってきており、また、環境への配慮や社会的責任を企業がどのように果たしていくか等、サステナビリティ経営が企業に強く求められるようになりました。対面証券ビジネスにおいては、専門性・人間性を備えた人材やインフラが必要な参入障壁が高いビジネスモデルであるものの、手数料体系の変化、賃金、システム、物価や金利の上昇や規制・制度改革、デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)の加速等により、その在り方が大きく変容してきております。そのような環境下、当社グループでは、2022年4月より5ヵ年の中期経営計画「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」(以下「本計画」)を策定し、推進しております。本計画は、「『誇り』と『憧れ』を感じる企業グループ」となるために、「“Social Value & Justice” comes first」を行動指針として、「異次元の世界」への到達に挑戦するものです。そのための戦略の基本方針として、「金融力の強化」と「異次元に向けた重点施策」を掲げ、「金融力の強化」においては、収支構造改革への取組み、安定収益基盤の拡大を強化し、「異次元に向けた重点施策」では、Powerful Partners(※1)との協業、New Bonanza(※2)の創出等に一層注力するとともに、デジタル分野では、当社の子会社であるCHEER証券等において先進的な金融サービスの提供を図っております。 ※1 電力会社、通信会社、金融機関、商社、不動産、大学、地方銀行、地方公共団体といったパートナー※2 新しい金鉱脈となるビジネスや機能 本計画3年目にあたる当連結会計年度において、グループKGIである自己資本利益率(ROE)は6.1%、預り金融資産は10.9兆円、重要なKPIである経常利益は151億円となりました。本計画における主な課題として認識している事項、及びそれに対する取組みは以下のとおりであります。 戦略の基本方針課題・取組み金融力の強化・富裕層向けのブランドとして、「Orque d'or(オルクドール)」を確立し、サロンや証券担保ローン等の商品、営業員の育成等を取組み、お客さまの資産全体を活用する資産ポートフォリオモデルのサービスを推進。・新たに準富裕層やアッパーマス層との取引拡大・深耕を図る「クレールシエル戦略」を本格推進、金融・非金融両面のサービスを提供するブランドを確立。・顧客ニーズに応えた新商品の開発による取引拡大、市場の変化に柔軟に対応可能とするトレーディングキャパシティの強化と専門性の向上。・日本最大級のスタートアップ支援拠点であるSTATION Aiとの連携、オルクドールAOYAMAに専門のフロアを設ける等のスタートアップ拡大支援、IPOの引受強化。・地方銀行との提携合弁証券における媒介型モデルの導入、富裕層・法人向けサービスの展開、効率経営の推進。異次元に向けた重点施策Powerful Partnersとの各提携モデルの推進、顧客基盤拡大と証券機能だけでない総合金融サービスの獲得。(1)当社グループを補完する機能を持つ企業との提携により、フルラインの機能提供(2)当社グループのDXインフラを中心とした提携(3)新たに銀行と提携し、銀行・証券代理店を展開 行動指針課題・取組み“Social Value & Justice” comes first・気候変動や人的資本、ウェルビーイングを中心に持続可能性への取組みのさらなる強化。情報開示の充実化を図ることによる、ESG指数「FTSE Blossom Japan Index」を含む指数への継続採用の実現。透明性のある情報提供を通じた、ステークホルダーとの信頼関係の深化と企業価値の向上を目指す。・東海東京証券ではお客様本位の業務運営の実行のためNPS®(※)向上をKPIに設定。・人的資本経営として、社員教育に積極的に投資しているほか、ポジションチャレンジや「Humanity Enhancement Program」等社員の自律的なキャリア構築のためのチャレンジ支援、働きやすい職場環境の整備。・ESG評価機関による当社グループの取組状況の評価取得と改善活動(FTSE評価「3.5」、MSCI評価「BBB」、CDP評価「B」)・開示情報の充実とステークホルダー等との対話の拡大 ※NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現・NICE Systems,Inc.) の登録商標。「Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、正味推奨者比率と訳され、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】≪当社グループの中期経営計画の状況≫当社グループを取り巻く経営環境は、大きく変化してきております。AI等のテクノロジーの活用が事業展開に欠かすことができない存在となってきており、また、環境への配慮や社会的責任を企業がどのように果たしていくか等、サステナビリティ経営が企業に強く求められるようになりました。対面証券ビジネスにおいては、専門性・人間性を備えた人材やインフラが必要な参入障壁が高いビジネスモデルであるものの、手数料体系の変化、賃金、システム、物価や金利の上昇や規制・制度改革、デジタル・トランスフォーメーション(以下「DX」)の加速等により、その在り方が大きく変容してきております。そのような環境下、当社グループでは、2022年4月より5ヵ年の中期経営計画「“Beyond Our Limits” ~異次元への挑戦」(以下「本計画」)を策定し、推進しております。本計画は、「『誇り』と『憧れ』を感じる企業グループ」となるために、「“Social Value & Justice” comes first」を行動指針として、「異次元の世界」への到達に挑戦するものです。そのための戦略の基本方針として、「金融力の強化」と「異次元に向けた重点施策」を掲げ、「金融力の強化」においては、収支構造改革への取組み、安定収益基盤の拡大を強化し、「異次元に向けた重点施策」では、Powerful Partners(※1)との協業、New Bonanza(※2)の創出等に一層注力するとともに、デジタル分野では、当社の子会社であるCHEER証券等において先進的な金融サービスの提供を図っております。 ※1 電力会社、通信会社、金融機関、商社、不動産、大学、地方銀行、地方公共団体といったパートナー※2 新しい金鉱脈となるビジネスや機能 本計画3年目にあたる当連結会計年度において、グループKGIである自己資本利益率(ROE)は6.1%、預り金融資産は10.9兆円、重要なKPIである経常利益は151億円となりました。本計画における主な課題として認識している事項、及びそれに対する取組みは以下のとおりであります。 戦略の基本方針課題・取組み金融力の強化・富裕層向けのブランドとして、「Orque d'or(オルクドール)」を確立し、サロンや証券担保ローン等の商品、営業員の育成等を取組み、お客さまの資産全体を活用する資産ポートフォリオモデルのサービスを推進。・新たに準富裕層やアッパーマス層との取引拡大・深耕を図る「クレールシエル戦略」を本格推進、金融・非金融両面のサービスを提供するブランドを確立。・顧客ニーズに応えた新商品の開発による取引拡大、市場の変化に柔軟に対応可能とするトレーディングキャパシティの強化と専門性の向上。・日本最大級のスタートアップ支援拠点であるSTATION Aiとの連携、オルクドールAOYAMAに専門のフロアを設ける等のスタートアップ拡大支援、IPOの引受強化。・地方銀行との提携合弁証券における媒介型モデルの導入、富裕層・法人向けサービスの展開、効率経営の推進。異次元に向けた重点施策Powerful Partnersとの各提携モデルの推進、顧客基盤拡大と証券機能だけでない総合金融サービスの獲得。(1)当社グループを補完する機能を持つ企業との提携により、フルラインの機能提供(2)当社グループのDXインフラを中心とした提携(3)新たに銀行と提携し、銀行・証券代理店を展開 行動指針課題・取組み“Social Value & Justice” comes first・気候変動や人的資本、ウェルビーイングを中心に持続可能性への取組みのさらなる強化。情報開示の充実化を図ることによる、ESG指数「FTSE Blossom Japan Index」を含む指数への継続採用の実現。透明性のある情報提供を通じた、ステークホルダーとの信頼関係の深化と企業価値の向上を目指す。・東海東京証券ではお客様本位の業務運営の実行のためNPS®(※)向上をKPIに設定。・人的資本経営として、社員教育に積極的に投資しているほか、ポジションチャレンジや「Humanity Enhancement Program」等社員の自律的なキャリア構築のためのチャレンジ支援、働きやすい職場環境の整備。・ESG評価機関による当社グループの取組状況の評価取得と改善活動(FTSE評価「3.5」、MSCI評価「BBB」、CDP評価「B」)・開示情報の充実とステークホルダー等との対話の拡大 ※NPS®は、ベイン・アンド・カンパニー、フレッド・ライクヘルド、サトメトリックス・システムズ(現・NICE Systems,Inc.) の登録商標。「Net Promoter Score®(ネット・プロモーター・スコア)」の略で、正味推奨者比率と訳され、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する愛着・信頼の度合い)を数値化する指標。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。 (1) 財政状態(資産)当連結会計年度末の総資産は90億69百万円増加(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し1兆4,094億29百万円となりました。このうち流動資産は、約定見返勘定が484億72百万円増加し733億49百万円、信用取引資産が217億円増加し1,088億77百万円となり、短期貸付金が200億95百万円増加し1,106億80百万円となる一方、有価証券担保貸付金が870億56百万円減少し4,196億49百万円となったことなどから、94億99百万円増加し1兆3,221億76百万円となりました。また、固定資産は、退職給付に係る資産が39億88百万円減少し73億9百万円となったことなどから、4億30百万円減少し872億52百万円となりました。 (負債)当連結会計年度末の負債合計は71億75百万円増加し1兆2,146億円となりました。このうち流動負債は、トレーディング商品が266億99百万円減少し3,962億75百万円となり、預り金が101億98百万円減少し821億84百万円となる一方、有価証券担保借入金が342億41百万円増加し2,985億96百万円となったことなどから、175億92百万円減少し1兆411億28百万円となりました。また、固定負債は、長期借入金が263億円増加し1,533億円となったことなどから、固定負債合計は247億68百万円増加し1,726億88百万円となりました。 (純資産)当連結会計年度末の利益剰余金は40億34百万円増加し1,203億5百万円となり、純資産合計は18億93百万円増加し1,948億28百万円となりました。 (2) 経営成績(受入手数料) 連結会計年度区分株券(百万円)債券(百万円)受益証券(百万円)その他(百万円)合計(百万円)前連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日委託手数料17,249145011617,783引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料558587--1,146募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料248,125508,182その他の受入手数料704155,9838,42215,126合計18,51562214,6118,48942,239当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日委託手数料14,50019593-15,114引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料65275890-1,501募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料037,972-7,976その他の受入手数料796247,3128,45216,586合計15,94980715,9698,45241,178 当連結会計年度の受入手数料の合計は2.5%減少(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し411億78百万円を計上いたしました。① 委託手数料株式委託手数料は15.9%減少し145億円となり、委託手数料全体では15.0%減少し151億14百万円を計上いたしました。② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料株式は16.8%増加し6億52百万円を計上いたしました。また、債券は29.1%増加し7億58百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では31.0%増加し15億1百万円を計上いたしました。 ③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料受益証券は、1.9%減少し79億72百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では2.5%減少し79億76百万円を計上いたしました。④ その他の受入手数料投資信託の代行手数料は22.2%増加し73億12百万円、保険手数料収入は16.3%増加し62億58百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では9.7%増加し165億86百万円を計上いたしました。 (トレーディング損益) 区分前連結会計年度自 2023年4月1日至 2024年3月31日当連結会計年度自 2024年4月1日至 2025年3月31日株券等トレーディング損益 (百万円)25,49721,729債券・為替等トレーディング損益 (百万円)14,94115,175合計40,43936,905 当連結会計年度の株券等トレーディング損益は14.8%減少し217億29百万円の利益の計上となり、債券・為替等トレーディング損益は1.6%増加し151億75百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は8.7%減少し369億5百万円の利益を計上いたしました。 (金融収支)当連結会計年度の金融収益は26.4%増加し82億44百万円を計上いたしました。また、金融費用は25.4%増加し31億46百万円を計上し、差引の金融収支は27.0%増加し50億98百万円の利益を計上いたしました。 (販売費及び一般管理費)当連結会計年度の取引関係費は8.2%増加し144億68百万円となりました。また、人件費は3.2%減少し328億55百万円、不動産関係費は0.6%減少し77億33百万円、事務費は2.0%減少し87億11百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費の合計は0.1%増加し714億42百万円を計上いたしました。 (営業外損益)当連結会計年度の営業外収益は、投資事業組合運用益13億10百万円、受取配当金10億33百万円などを計上し、営業外収益の合計は6.3%増加し36億50百万円となりました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損2億27百万円などを計上し、営業外費用の合計は21.5%減少し2億68百万円となりました。 (特別損益)当連結会計年度の特別損益は、特別利益として27億63百万円を計上し、特別損失として8億37百万円を計上いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の営業収益は3.2%減少し863億28百万円、純営業収益は4.0%減少し831億82百万円となり、営業利益は23.3%減少し117億39百万円、経常利益は17.8%減少し151億20百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は8.4%増加し110億48百万円を計上いたしました。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは207億79百万円の収入となりました。これは税金等調整前当期純利益が170億47百万円の黒字となり、有価証券担保貸付金が870億56百万円減少し、有価証券担保借入金が342億41百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、約定見返勘定が484億73百万円増加し、トレーディング商品(負債)が266億99百万円減少し、それぞれ支出となったことなどによるものです。投資活動によるキャッシュ・フローは243億61百万円の支出となりました。これは、短期貸付けによる支出488億32百万円、投資有価証券の取得による支出38億52百万円、短期貸付金の回収による収入287億1百万円、投資有価証券の売却による収入49億80百万円などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは176億62百万円の収入となりました。これは短期借入金の純増減額が△58億64百万円、長期借入れによる収入341億円、配当金の支払による支出70億6百万円などによるものです。以上の結果、現金及び現金同等物は146億93百万円増加し、当連結会計年度末の残高は1,113億45百万円となりました。 (4) トレーディング業務の概要① トレーディング商品トレーディング商品の残高は次のとおりです。 区分前連結会計年度(2024年3月31日)当連結会計年度(2025年3月31日)資産の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)319,327328,641 株式・ワラント(百万円)23,1339,012 債券(百万円)253,487277,415 受益証券等(百万円)42,70542,213デリバティブ取引(百万円)8,88914,317合計(百万円)328,216342,958負債の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)397,368370,718 株式・ワラント(百万円)9,72725,938 債券(百万円)387,569344,659 受益証券等(百万円)71121デリバティブ取引(百万円)25,60525,556合計(百万円)422,974396,275 ② トレーディング業務のリスク管理トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2024年4月1日から2025年3月31日まで)のわが国経済は、生鮮食品を中心とするインフレの高止まりが消費マインドを下押しする一方、6月から行われた所得減税や、企業の前向きな賃上げなどが個人消費を下支えしました。また、インバウンドがコロナ前の2019年を上回り過去最高となったことで、宿泊・観光業界などに恩恵が広がりました。海外においては、雇用や個人消費の底堅さを背景に米国経済が堅調を維持しました。一方、ユーロ圏は一時の低迷からは脱却したものの、低空飛行を継続しました。またアジアにおいては、減速気味だったインドが回復を見せたほか、中国経済は消費財の買い替え促進策や輸出の回復(「トランプ関税」前の駆け込み需要の可能性)などを背景に、持ち直す展開となりました。日本株市場では、4月に40,600円台で始まった日経平均株価が、円安を背景に1989年12月以来の最高値を更新し7月には42,200円台まで上昇しました。しかし8月には、日銀のサプライズ利上げや円高を受けて、一時31,100円台まで急落、その後は米国株上昇に支えられて持ち直し、年内は39,000円前後で一進一退となりました。2025年になると、「トランプ関税」への警戒からリスクオフの流れが強まり、日経平均株価は35,600円台まで下落して3月の取引を終えました。なお、2024年4月~2025年3月の東証プライム市場の1日当たり平均売買代金は5兆631億円(前年同期の1日当たり平均売買代金は4兆3,804億円)となっています。米国株市場では、4月に39,800ドル台で始まったダウ平均株価が、良好な景気や長期金利の低下等を背景に概ね上昇基調を維持しました。夏場に40,000ドル台に乗せたダウ平均株価は、9月の米利下げ開始や11月5日のトランプ氏の大統領再選を機にさらに上昇、12月はじめには一時45,000ドル台の過去最高値を付けました。しかしその後は「トランプ関税」を巡る不透明感から乱高下する展開となり、最終的には42,000ドル近辺まで下げて3月の取引を終えました。日本の長期金利は4月に0.73%の期中最低金利で始まった後、1%水準まで上昇しましたが、日銀の追加利上げで株価が急落したため、8月には0.74%まで低下しました。その後は米長期金利の上昇や日銀の追加利上げ観測を背景に反発基調が続き、3月には1.59%をつけ、最終的に1.49%で3月の取引を終えました。米長期金利は4月に4.19%で始まった後、4.73%まで上昇しましたが、利下げ期待の高まりなどから低下基調を継続、9月には期中最低となる3.59%を付けました。9月のFOMCでは0.5%の利下げが行われましたが、パウエルFRB議長がタカ派姿勢を示したことやトランプラリーで株価が上昇する中、1月には期中最高となる4.80%をつけました。しかし、「トランプ関税」への懸念によるリスクセンチメント悪化で、3月には4.10%まで低下し、4.20%で3月の取引を終えました。ドル円は4月に1ドル151円台で始まると上昇が続き、7月には期中最高値となる161円台をつけました。その後、政府・日銀の大規模な円買い介入や日銀の追加利上げ、FRBの大幅利下げ観測から9月には期中最低となる139円台まで下落しました。しかし、9月のFOMC後にドルの買戻しが強まったことや日銀の追加利上げ観測の後退によりドル円はその後反発に転じ、1月には158円台まで反発しました。しかし、「トランプ関税」への懸念が広がるとドル安円高が進み、149円台で3月の取引を終えました。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。なお、東海東京証券株式会社においては、有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。 (3) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。 ① 金融商品の評価当社グループは、トレーディング商品に属する商品有価証券等及びデリバティブ取引については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。商品有価証券等及びデリバティブ取引については、取引所等の市場価格により時価を算定しております。ただし、市場価格がない商品有価証券等及びデリバティブ取引については、主に金利、配当利回り、原証券価格、ボラティリティ等を基に将来のキャッシュ・フローの現在価値を見積もることにより時価を算定しており、異なる前提条件等を採用した場合には当該時価が変動する可能性があります。 ② 投資有価証券の減損当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。また、連結貸借対照表には、持分法適用関連会社に関するのれんが含まれております。当該のれんについても減損損失の計上の必要性を検討する必要があり、投資時に予想した収益性が低下した結果、投資額の回収が見込めないと判断した場合に減損損失の計上を行います。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ③ 固定資産の減損収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損損失の計上を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、事業計画や経営環境等の前提条件が変化した場合、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。 ④ 退職給付費用及び債務従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。 ⑤ 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当額が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループを取り巻く事業環境は、デジタライゼーションの進展、フィデューシャリー・デューティーへの対応、働き方改革への取り組み、国内外のマーケットの変調、お客様のニーズの多様化、システムの高度化などに係る高コスト化、また証券ビジネスへの異業種からの参入による競争激化等、目まぐるしく変化しています。当社グループは本年4月から中期経営計画「New Age's, Flag Bearer 5 ~新時代の旗手~」(以下、「本経営計画」。)の最終年度を迎え、中核証券会社である東海東京証券の収益力の強化・安定化と4つのグループ未来戦略(①オルクドールソサエティ、オルクドールエコシステム、②地銀サポートプログラム、③東海東京デジタルワールド、④グレート・プラットフォーム)を重点施策と位置付けて実現に向けて加速し、グループ一丸となって本経営計画で掲げたKGI達成を目指してまいります。(注)本経営計画におけるKGI自己資本利益率(ROE)10%、経常利益300億円、グループ預かり資産10兆円 対処すべき課題等とその施策の概要は次のとおりであります。① 東海東京証券の収益力強化・安定化・市場部門/月間営業収益30億円体制の確立、商品組成力・供給力の強化、 金融法人・非金融法人との取引フロー増強、 提携合弁証券・プラットフォーム先等とのネットワーク深化・個人営業部門/富裕層取引の強化(預かり資産増強)、多様なニーズに即した商品提供、 ソリューション提案力の強化・投資銀行部門/IPOビジネスの強化、スタートアップ支援団体等との連携、 提携地方銀行(親銀行)との連携によるIPO・PO及びM&A推進 ・IFA部門/富裕層顧客獲得の促進、外債・ファンド等の投資ニーズへの的確な対応、民事信託の取扱い・商品・サービスの増強、多様化/保険販売、証券担保ローン、財産診断サービス・生産性革命/効率性を追求する店舗戦略、RPA・BPRやDXを活用した業務改善、 人員の効率的配置・活用② 新しいビジネスモデルの創生 1)オルクドールソサエティ、オルクドールエコシステム・スタートアップコミュニティなどやオルクドール会員に対し、当社が主導する横断的なコミュニティを創設・当コミュニティにおけるビジネスマッチングにより、新たなビジネス機会を創出・「資産」「ビジネス」「健康」「趣味」に関連する富裕層ビジネス企業と相互送客可能なエコシステムを構築・富裕層のあらゆるニーズに対応する商品・サービス(コンサルティング)の品揃えを充実 2)地銀サポートプログラム・地方銀行を3グループに分け、個別行ごとに事業協働戦略を提案、実現・提携親銀行向け:富裕層や法人ビジネスの拡大、デジタル分野での協働、個別的連携から包括提携へ発展・証券子会社を持つ地方銀行向け:ニーズに合わせた商品提供、専門人材の育成・教育・証券子会社を持たない地方銀行向け:金融商品仲介スキーム等による証券業務参入支援、商品・サービス提供・資金運用ニーズに対する有価証券運用パッケージの提案、デリバティブ取引の提供など 3)東海東京デジタルワールド・資産管理アプリ「おかねのコンパス」を通じ、地方銀行の他、事業会社とも共同事業化を追求 ・スマホ専業証券を2021年夏~秋を目途に開業予定。 商品・機能における他社との差別化、優位性の確保に取り組む ・シンガポールのセキュリティ・トークン(以下、「ST」)取引所へ国内第1号となる不動産案件をSTとして上場、販売 ・出資先との連携によるブロックチェーン技術の取り込み、地域通貨(デジタル通貨)の流通活用を展望 4)グレート・プラットフォーム・当社グループの多様な伝統的プラットフォーム機能に加え、デジタル/FinTechのプラットフォーム機能を拡充中・地方銀行や提携合弁証券、IFA業者の他、商社・電力・自動車・百貨店・大手小売などの事業会社ネットワークを取り込む計画・巨大な事業基盤を獲得する機会として収益増強を推進 ③ 経営計画最終年度における取組課題・エース証券のTOB完了(3月)。関西戦略の推進、相乗効果による営業基盤拡大を図る・総合金融グループとしての銀行機能の取り込みを計画。銀証連携によるシナジー効果を見込む・資産運用機能を強化中。富裕層~地方銀行まで、各種運用ニーズに対する多様な商品・機能を提供・多様な年金・保険機能として、保険ショップの活用・拡充により広範囲の顧客ニーズへ対応④ 当社グループの後継者育成・当社グループの後継者育成計画(サクセッションプラン)は、2017年より外部専門家のアドバイスを取り入れつつ、指名・報酬委員会及び社外取締役を含めて継続的に議論実施中・第109期定時株主総会でのご承認を前提に、同計画の一環として東海東京フィナンシャル・ホールディングス、及び東海東京証券の代表取締役社長を交代し、グループ経営力の強化と次世代経営者の育成に取り組み
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループを取り巻く事業環境は、デジタライゼーションの進展、フィデューシャリー・デューティーへの対応、働き方改革への取り組み、国内外のマーケットの変調、お客様のニーズの多様化、システムの高度化などに係る高コスト化、また証券ビジネスへの異業種からの参入による競争激化等、目まぐるしく変化しています。当社グループは本年4月から中期経営計画「New Age's, Flag Bearer 5 ~新時代の旗手~」(以下、「本経営計画」。)の最終年度を迎え、中核証券会社である東海東京証券の収益力の強化・安定化と4つのグループ未来戦略(①オルクドールソサエティ、オルクドールエコシステム、②地銀サポートプログラム、③東海東京デジタルワールド、④グレート・プラットフォーム)を重点施策と位置付けて実現に向けて加速し、グループ一丸となって本経営計画で掲げたKGI達成を目指してまいります。(注)本経営計画におけるKGI自己資本利益率(ROE)10%、経常利益300億円、グループ預かり資産10兆円 対処すべき課題等とその施策の概要は次のとおりであります。① 東海東京証券の収益力強化・安定化・市場部門/月間営業収益30億円体制の確立、商品組成力・供給力の強化、 金融法人・非金融法人との取引フロー増強、 提携合弁証券・プラットフォーム先等とのネットワーク深化・個人営業部門/富裕層取引の強化(預かり資産増強)、多様なニーズに即した商品提供、 ソリューション提案力の強化・投資銀行部門/IPOビジネスの強化、スタートアップ支援団体等との連携、 提携地方銀行(親銀行)との連携によるIPO・PO及びM&A推進 ・IFA部門/富裕層顧客獲得の促進、外債・ファンド等の投資ニーズへの的確な対応、民事信託の取扱い・商品・サービスの増強、多様化/保険販売、証券担保ローン、財産診断サービス・生産性革命/効率性を追求する店舗戦略、RPA・BPRやDXを活用した業務改善、 人員の効率的配置・活用② 新しいビジネスモデルの創生 1)オルクドールソサエティ、オルクドールエコシステム・スタートアップコミュニティなどやオルクドール会員に対し、当社が主導する横断的なコミュニティを創設・当コミュニティにおけるビジネスマッチングにより、新たなビジネス機会を創出・「資産」「ビジネス」「健康」「趣味」に関連する富裕層ビジネス企業と相互送客可能なエコシステムを構築・富裕層のあらゆるニーズに対応する商品・サービス(コンサルティング)の品揃えを充実 2)地銀サポートプログラム・地方銀行を3グループに分け、個別行ごとに事業協働戦略を提案、実現・提携親銀行向け:富裕層や法人ビジネスの拡大、デジタル分野での協働、個別的連携から包括提携へ発展・証券子会社を持つ地方銀行向け:ニーズに合わせた商品提供、専門人材の育成・教育・証券子会社を持たない地方銀行向け:金融商品仲介スキーム等による証券業務参入支援、商品・サービス提供・資金運用ニーズに対する有価証券運用パッケージの提案、デリバティブ取引の提供など 3)東海東京デジタルワールド・資産管理アプリ「おかねのコンパス」を通じ、地方銀行の他、事業会社とも共同事業化を追求 ・スマホ専業証券を2021年夏~秋を目途に開業予定。 商品・機能における他社との差別化、優位性の確保に取り組む ・シンガポールのセキュリティ・トークン(以下、「ST」)取引所へ国内第1号となる不動産案件をSTとして上場、販売 ・出資先との連携によるブロックチェーン技術の取り込み、地域通貨(デジタル通貨)の流通活用を展望 4)グレート・プラットフォーム・当社グループの多様な伝統的プラットフォーム機能に加え、デジタル/FinTechのプラットフォーム機能を拡充中・地方銀行や提携合弁証券、IFA業者の他、商社・電力・自動車・百貨店・大手小売などの事業会社ネットワークを取り込む計画・巨大な事業基盤を獲得する機会として収益増強を推進 ③ 経営計画最終年度における取組課題・エース証券のTOB完了(3月)。関西戦略の推進、相乗効果による営業基盤拡大を図る・総合金融グループとしての銀行機能の取り込みを計画。銀証連携によるシナジー効果を見込む・資産運用機能を強化中。富裕層~地方銀行まで、各種運用ニーズに対する多様な商品・機能を提供・多様な年金・保険機能として、保険ショップの活用・拡充により広範囲の顧客ニーズへ対応④ 当社グループの後継者育成・当社グループの後継者育成計画(サクセッションプラン)は、2017年より外部専門家のアドバイスを取り入れつつ、指名・報酬委員会及び社外取締役を含めて継続的に議論実施中・第109期定時株主総会でのご承認を前提に、同計画の一環として東海東京フィナンシャル・ホールディングス、及び東海東京証券の代表取締役社長を交代し、グループ経営力の強化と次世代経営者の育成に取り組み
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (経営成績等の状況の概要) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。 (1) 財政状態資産の部では、流動資産のうちトレーディング商品(資産)が1,657億46百万円増加(前連結会計年度末比、以下(1)において同じ。)し5,880億98百万円となり、有価証券担保貸付金が659億60百万円増加し4,078億29百万円となりました。また、固定資産は、投資有価証券が31億7百万円増加し481億55百万円となったことなどから41億20百万円増加し738億93百万円となりました。負債の部では、流動負債のうちトレーディング商品(負債)が378億76百万円増加し3,792億93百万円となり、有価証券担保借入金が1,571億13百万円増加し3,686億71百万円となり、短期借入金が1,091億5百万円増加し2,447億86百万円となる一方、約定見返勘定(負債)が348億61百万円減少し92億40百万円となりました。また、固定負債は、社債が16億33百万円減少し118億63百万円となる一方、長期借入金が22億90百万円増加し842億円となり、固定負債合計は13億94百万円増加し1,001億76百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金が61億14百万円増加し1,073億90百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度末の総資産は3,032億55百万円増加し1兆4,165億69百万円に、負債合計は2,909億76百万円増加し1兆2,438億84百万円となり、純資産合計は122億79百万円増加し1,726億84百万円となりました。また、当連結会計年度末の自己資本比率は11.7%(前連結会計年度末は14.1%)となり、1株当たり純資産額は666円65銭(前連結会計年度末は630円24銭)となりました。 (2) 経営成績(受入手数料) 連結会計年度区分株券(百万円)債券(百万円)受益証券(百万円)その他(百万円)合計(百万円)前連結会計年度自 2019年4月1日至 2020年3月31日委託手数料11,181441,013-12,239引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料193508--702募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料3196,496-6,519その他の受入手数料250143,9975,4489,710合計11,62958611,5085,44829,172当連結会計年度自 2020年4月1日至 2021年3月31日委託手数料13,53136368-13,936引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料749327--1,076募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料456,450-6,461その他の受入手数料133123,6475,9069,700合計14,41938110,4675,90631,173 当連結会計年度の受入手数料の合計は6.9%増加(前連結会計年度増減率、以下(2)において同じ。)し311億73百万円を計上いたしました。① 委託手数料当社の主要子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は31.2%増加し34億54百万株、株式委託売買金額は37.1%増加し6兆1,206億円となる中、個人投資家の売買金額が26.3%増加し1兆8,197億円となり、当社グループの株式委託手数料は21.0%増加し135億31百万円の計上。委託手数料全体では13.9%増加し139億36百万円を計上いたしました。② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料株式は公募・売出しの引受高の増加により286.6%増加し7億49百万円を計上いたしました。また、債券は35.7%減少し3億27百万円の計上。引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では53.2%増加し10億76百万円を計上いたしました。③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料受益証券は、個人向けを中心とする投資信託の販売額はほぼ横ばいとなり0.7%減少し64億50百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では0.9%減少し64億61百万円を計上いたしました。④ その他の受入手数料投資信託の代行手数料は8.7%減少し36億47百万円、保険手数料収入は1.1%増加し32億3百万円の計上となり、その他の受入手数料全体では0.1%減少し97億円を計上いたしました。 (トレーディング損益) 区分前連結会計年度自 2019年4月1日至 2020年3月31日当連結会計年度自 2020年4月1日至 2021年3月31日株券等トレーディング損益 (百万円)14,01022,369債券・為替等トレーディング損益 (百万円)15,49911,639合計29,51034,008 当連結会計年度の株券等トレーディング損益は、主に国内株式及び外国株式の売買の増加並びに、外国投信の評価益等により59.7%増加し223億69百万円の利益の計上となり、債券・為替等トレーディング損益は、外貨建債券や仕組債の売買が増加する一方、国内株式売買のヘッジ手段であるエクイティスワップの損益が減少したため24.9%減少し116億39百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は15.2%増加し340億8百万円の利益を計上いたしました。 (金融収支)当連結会計年度の金融収益は38.8%増加し41億80百万円を計上いたしました。また、金融費用は20.5%増加し23億21百万円を計上し、差引の金融収支は71.3%増加し18億58百万円の利益を計上いたしました。 (販売費及び一般管理費)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、取引関係費は支払手数料の減少のほか、コロナ禍での移動自粛による出張費や、大型イベントの中止による広告宣伝費の減少により10.3%減少し102億10百万円となり、人件費は業績連動による賞与は増加したものの、在宅勤務などによる残業時間の減少などにより1.2%減少し275億1百万円。事務費は前連結会計年度の子会社における合併や提携合弁証券との事業譲渡に紐づくシステム運用費やデータ移行費用の剥落により10.1%減少し67億56百万円となるなど、コロナ禍での事業環境の変化と、継続した固定費の削減により、販売費及び一般管理費は4.6%減少し578億8百万円を計上いたしました。 (営業外損益)当連結会計年度の営業外収益は、受取配当金は2.3%減少し6億30百万円となった一方、持分法による投資が利益に転じ15億91百万円となり、投資事業組合運用益が16.4%増加し5億30百万円となりました。この結果、営業外収益の合計は87.0%増加し36億86百万円となりました。また、営業外費用は、投資事業組合運用損が31.0%増加し2億87百万円となったものの、持分法による投資が利益に転じたことなどにより、営業外費用の合計は16.9%減少し3億71百万円となりました。 (特別損益)当連結会計年度の主な特別利益は、負ののれん発生益1億93百万円、新株予約権戻入益1億1百万円を計上いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の営業収益は12.4%増加し693億62百万円、純営業収益は12.2%増加し670億41百万円となり、営業利益は92億32百万円(前連結会計年度営業損失8億23百万円)、経常利益は1,691.9%増加し125億48百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は229.1%増加し90億94百万円を計上いたしました。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは730億74百万円の支出となりました。これは税金等調整前当期純利益が128億27百万円の黒字となり、トレーディング商品(負債)が371億49百万円増加し、有価証券担保借入金が1,571億13百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、トレーディング商品(資産)が1,657億15百万円増加し、有価証券担保貸付金が659億60百万円増加し、それぞれ支出となったことなどによります。投資活動によるキャッシュ・フローは123億97百万円の支出となりました。これは短期貸付けによる支出150億94百万円、無形固定資産の取得による支出18億80百万円などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは1,048億5百万円の収入となりました。これは短期借入金の純増減額が1,146億30百万円、短期社債の発行による収入600億円、短期社債の償還による支出600億円などによるものです。以上の結果、現金及び現金同等物は187億49百万円増加し、当連結会計年度末の残高は819億50百万円となりました。 (4) トレーディング業務の概要① トレーディング商品トレーディング商品の残高は次のとおりです。 区分前連結会計年度(2020年3月31日)当連結会計年度(2021年3月31日)資産の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)407,261583,391 株券(百万円)8,01217,236 債券(百万円)360,713511,661 受益証券(百万円)38,53554,493デリバティブ取引(百万円)15,0904,706合計(百万円)422,351588,098負債の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)330,161370,371 株券(百万円)64,89510,471 債券(百万円)264,885359,865 受益証券(百万円)38035デリバティブ取引(百万円)11,2558,921合計(百万円)341,416379,293 ② トレーディング業務のリスク管理トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。 なお、「第2 事業の状況」に記載の消費税等の課税取引については、消費税等を含んでおりません。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2020年4月1日から2021年3月31日まで)のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う経済活動自粛の影響を受け、4-6月期の実質GDP成長率が過去最大の落ち込みとなりました。しかし、その後は世界的な経済活動再開の動きや、政府による経済支援策の効果、新型コロナワクチンの接種開始などを背景に、景気は改善の動きを強めています。そうした中、3月調査の日銀短観では21年度の設備投資に前向きな計画が示されました。今後は先送りされていた設備投資が再開し、日本経済を押し上げるものと思われます。海外の経済も、コロナ禍による経済活動抑制の影響から、2020年前半(1-6月期)には大半の国が景気後退(2四半期連続でのマイナス成長)に陥る展開となりました。しかし、その後は経済活動の段階的な再開や主要国政府・中央銀行による強力な景気支援策などを背景に、概ね順調な回復を続けています。株式市場は、日経平均株価が4月に18,600円台で始まった後、主要国での景気支援策や経済活動再開の動きなどを背景に上昇基調を継続、6月初旬には23,000円台を回復しました。その後は4-6月期の企業業績悪化等を受けて上値の重い展開となりましたが、11月の米大統領選通過によって政治的不透明感が後退するとリスクオンの流れが加速、年明け2月には日経平均が30,000円台を回復しました。しかし、それ以降は企業業績改善期待が下値を支える一方、海外比でのワクチン接種の遅れ等が嫌気されたことで、日経平均は28,000円から30,000円水準でのレンジ取引を継続、最終的に3月末の日経平均株価は29,100円台で取引を終えました。なお、当連結会計年度の東証1部の1日当たり平均売買代金は2兆8,090億円となり、前年度の2兆6,097億円を上回りました。債券市場では、長期金利の指標である10年物国債利回りが4月にマイナス0.005%で始まった後、新型コロナウイルス感染症拡大への警戒感から、4月28日には期中最低のマイナス0.055%まで低下しました。その後はプラス圏に浮上し、年末にかけては概ねゼロ~プラス0.05%のレンジ内で推移しましたが、米長期金利の急伸を受けて2月には期中最高のプラス0.175%をつけました。3月に入ると米長期金利の上昇が一服したため、3月末はプラス0.12%に低下して取引を終えました。為替市場では、ドル円が4月に1ドル107円台で始まると、FRB(米連邦準備制度理事会)の強力な資金供給策によるドル余剰感からドル売りが強まり、年明け1月には期中安値の102円台まで下落しました。しかし、バイデン政権の大型経済対策による米国経済の早期回復期待やインフレ見通しの上昇から米長期金利が急伸するとドル円は急反発し、3月末は期中高値の110円台で取引を終えました。 当社グループは、10月1日に「グループ誕生20周年」を迎え(2000年10月、東京証券株式会社と東海丸万証券株式会社との合併により東海東京証券株式会社(以下、「東海東京証券」。)が誕生いたしました。)、コーポレートスローガン「未来をつなぐ、心をむすぶ」を新たに制定しました。当社が進める地方銀行との新しい提携や、あらゆるノウハウの柔軟な連携で未来の金融業界をリードしつつ、お客様との信頼の絆を大切にすることにより、引き続きお客様一人ひとりの心に寄り添ってまいります。 当社グループでは、事業環境の変化のスピードに適時適切に対応するための機構改革を実行しております。5月にグループにおけるデジタライゼーション戦略の加速・強化を目的として「デジタル戦略グループ」を、また現提携銀行を含めた地方銀行(第二地方銀行を含む)の多様なニーズをサポートし、当社グループのグレート・プラットフォーム機能をより広範に提供していくため「グレートプラットフォーム事業推進部」を新設しました。2021年4月には同部を改編し、提携地銀以外の地方金融機関に対する地銀サポートプログラムの推進を目的にした「金融法人ソリューション推進部」を設置、また、富裕層のメンバーシップクラブであるオルクドールを起点とした独自のソサエティの形成と運営、金融・非金融を含めた多彩なサービスを提供するエコシステム化を推進する「ニュービジネス推進部」を設置しました。東海東京証券では、グローバル・マーケットカンパニーにおける法人営業強化、マーケット部門とプラットフォーム部門における機能の整理・明確化及び地域金融機関ビジネスの拡大と深耕と、ウェルスマネジメントカンパニーにおけるソリューション営業支援の強化を目的に機構改革を行いました。 加えて、「持続可能な開発目標(SDGs)」に対する当社グループ全体での取組みを推進する体制として「SDGs推進部」を設置(5月)しました。当社グループは、国際連合が提唱するSDGsの趣旨に賛同し、その達成に向けた取組みを推進するため、9月に「SDGs宣言」を制定し、経営理念である「金融機能の担い手として、お客様の資産形成や資本の充実に貢献する」事業活動を通じて常にイノベーティブであるとともに、地域・人・地球環境を大切にし、持続可能な社会の実現を目指すことを公表しました。同時に当社グループのSDGsに関わる優先すべき重要課題として、1.健康、2.教育と働き方、3.金融イノベーション、4.地域経済、5.環境保全を掲げ、東海東京証券が、10月に東京都が発行する「東京グリーンボンド」の引受けにおいて共同主幹事を務めたことに加え、海外金融機関が発行したグリーンボンドの販売を担い、1月には、「日本学生支援債券(JASSO ソーシャルボンド)」の引受けにおいて共同主幹事を務めました。当社グループは、グリーンボンド、ソーシャルボンドの販売活動を通じて「環境保全」に積極的に取り組みながら、SDGsの達成に貢献してまいります。また、「健康」促進の観点からは、従来、当社は積極的にアスリート社員を採用することを通して、社会におけるスポーツ支援と当社グループの社員の健康増進に継続して取り組んでおります。今年度も新たに2名を内定しました。こうした健康経営の実践が評価され、当社は、経済産業省と日本健康会議による「健康経営優良法人2021(大規模法人部門)」に2年連続で認定されております。その他、グループにおけるマネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策を強化するために「マネー・ローンダリング統括部」を新設し、リスク管理レベルの向上に努めております。 事業面では、2020年1月に設立、4月に発足した一般社団法人ファイナンシャル・アドバイザー協会へ東海東京証券が委託正会員として入会しました。顧客本位の業務運営を徹底することで、お客様の信頼を高め、個人の安定的な資産形成にさらに貢献できるよう、同協会に対し継続的に支援を行ってまいります。また、株式会社格付投資情報センターによる「R&I 顧客本位の投信販売会社評価」において、前回格付の「A+」から上位レベルの「S」に認定いただきました。当社グループが推進するデジタル戦略の一環として、お客様への充実したサービスのご提供を目指しデジタル証券取引サービスの開発を進めており、6月に日本国内でデジタル証券取引所の運営を目指すHash DasH株式会社を子会社に有するHash DasH Holdings株式会社へ資本出資しました。7月より日本の不動産を証券化し、シンガポールのセキュリティ・トークン(以下、「ST」。)取引所であるiSTOXへの上場に向けた実証実験を行っております。当社は一般社団法人日本セキュリティトークン協会(任意団体)に、東海東京証券は一般社団法人日本STO協会(自主規制団体)に正会員として加盟し、日本国内でのST販売の準備を進めております。また、当社グループによる先端的なデジタル戦略への取組みやテレワークのためのインフラ整備促進などが、経済産業省より、デジタル技術を前提として、ビジネスモデル等を抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取組む企業として評価され、8月に「DX銘柄2020」の「DX注目企業2020」に選定されました。更に、当社は、地域通貨をはじめとしたブロックチェーンを活用したデジタル通貨のプラットフォームを開発・運営するDigital Platformer株式会社と3月に業務提携いたしました。当社グループは本経営計画の中で、他の金融グループと一線を画す独創的な経営戦略として有力地方銀行や大手事業会社、そして多くのIFA業者とのアライアンスをベースとしたグレート・プラットフォーム戦略を展開しておりますが、Digital Platformer株式会社との提携により、将来においては「デジタル通貨(地域通貨)」の発行と流通、決済をプラットフォーム機能に加えることが可能となり、最先端のFinTechソリューションを各種融合させた「東海東京デジタルワールド」をより多くのお客様にご活用いただき、地方活性化・地方創生に貢献する新しい金融ビジネスモデルの実現を目指してまいります。 当社グループの新型コロナウイルス感染症への対応につきましては、お客様並びに役社員の健康・安全を第一に考え、新型コロナウイルス感染症の拡大防止を優先した業務運営を心掛けております。営業店舗の業務は継続しておりますが、密な業務環境を避けるために、社員の時差出勤の推進及びテレワーク勤務等を実施しております。 対面営業証券ビジネスを取り巻く環境は、市況変動の影響や手数料無料化の動きなどもあり、今後ますます厳しさを増していくことが想定される一方、本経営計画の最終年度を迎え、KGI達成に向けた喫緊の課題として、リテール営業の生産性をより向上させていく必要があります。こうした中、東海東京証券では、新たな働き方に対応した「効率的な店舗運営」と「機動的な顧客対応」を実現する店舗体制を追求しており、その一環として関西地区の拠点である大阪支店及び梅田支店の再編を行いました。新しい効率化へのチャレンジとして、梅田支店のサテライト店舗化によるオフィスの軽量化(賃料や運営コストの削減)、FMC化(固定電話と携帯電話の融合)を実施しております。2021年3月、当社は、エース証券株式会社へのTOB(株式公開買付け)を終了し、同社及び同社の子会社である丸八証券株式会社が当社の連結子会社(4月16日付)となりました。本TOBは、本経営計画で掲げる6つの戦略テーマの中の「同業他社M&A」及び「大都市圏」というテーマに則したものであります(エース証券株式会社は5月31日に当社の完全子会社となりました)。また、同月、当社及び東海東京証券は代表取締役の異動を内定し発表しました。代表取締役の異動は後継者育成計画(サクセッションプラン)の一環として行うものであり、外部専門家や社外取締役の意見、指名・報酬委員会での議論に基づいております。本異動は6月の第109期定時株主総会及びその後の取締役会の決議により正式に決定しております。 なお、前述のとおり経営計画を進捗させた結果、当連結会計年度における自己資本利益率(ROE)は5.6%、経常利益は125億円、グループ預かり資産は7.1兆円となり、それぞれ前連結会計年度比で増加いたしました。 (2) 資本の財源及び資金の流動性当社グループの主たる業務である金融商品取引業は、その業務の性質上、自己の計算により株式及び債券等の有価証券を保有するのに多額の資金を必要とするため、十分かつ安定的な流動性を確保しております。主な資金調達手段としては現先取引等の有担保調達、市中銀行等の金融機関借入、MTN及び短期社債の発行、コールマネー等の方法があり、資金繰り状況に応じた適切な組合せにより資金調達を行っております。有事の際の資金調達手段として市中銀行と総額430億円のコミットメントライン契約を確保しております。また、リスク管理では関連規程に基づいて日次、週次、月次で資金繰り管理を行っている他、コンティンジェンシー・プランについても4段階の想定シナリオに基づいたリスク管理を実施しております。 (3) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。① 金融商品の評価当社グループは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引等については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。時価は、取引所等の市場価格のある有価証券及びデリバティブ取引等については市場価格により算定しております。市場価格のない有価証券及びデリバティブ取引等については主に金利、配当利回り、原証券価格、スワップレート、ボラティリティー、契約期間等を基に算出した現在価値の見積価格により算定しており、異なる前提条件等によった場合には当該時価が変動する可能性があります。 ② 投資有価証券の減損当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には価格変動性の高い市場価格のある株式と、価格の決定が困難である市場価格のない株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合等、実質価額が著しく下落し回復可能性がないと判断した場合に減損処理を行います。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。③ 固定資産の減損収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大により、店頭窓口業務を一時休止するなど当社グループの業務への影響がありましたが、当事業年度末時点での将来キャッシュ・フローの見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。④ 退職給付費用及び債務従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。⑤ 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当金が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。なお、新型コロナウイルス感染症の拡大は、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りに大きな影響を与えるものではないと判断しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループを取り巻く事業環境は、これまで以上に急速かつ大きく変化しております。少子高齢化、人口減少といった要因により、数年後には個人金融資産が減少に転じるとも予想されております。また、FinTechを活用した新たな金融サービスやAI、ブロックチェーンといった新たな潮流が金融業界のビジネスモデルに大きな変化をもたらすものとも予想されております。さらに、フィデューシャリー・デューティー(お客様本位の業務運営)や働き方改革といった社会的要請に対してもこれまで以上に応えていく必要が出てまいりました。当社グループは、これら新たな潮流や課題に対し危機感を抱くだけではなく、大きなビジネスチャンスととらえ、今年度より、経営計画「New Age's, Flag Bearer 5~新時代の旗手~」をスタートさせました。本経営計画は、(1)これまで培ってきた当社独自のビジネスモデルを更に進化させることをめざす「さらなる経営基盤の強化と成長」と(2)当社グループが次のステージに成長するための基盤・機能を確保する「戦略テーマの追求」という大きな2つの戦略を柱としております。(1)「さらなる経営基盤の強化と成長」では、次の6つの施策に取り組んでおります。①「リテール顧客セグメント別戦略の独自性の追求」富裕層・資産形成層・成熟層に区分したお客様の特性やニーズに合わせ、最適なサービスを提供するため、機能の強化や拡充を図っております。富裕層のお客様向け「オルクドール」における機能・サービスの一層の拡充、「財産診断サービス」をはじめとする成熟層向け各種サービスの充実、若年層を中心とする資産形成層向け「MONEQUE」店舗やネット機能の拡充に努めるとともに、これまで以上にフィデューシャリー・デューティーに応えることにより、お客様に選ばれる総合金融グループをめざしております。②「法人トライラテラルとグローバルマーケットでの業務拡大」当社独自の海外情報の提供やグローバルマーケットを投資対象とした商品ラインアップを更に充実させ、M&A仲介機能等を強化しつつ、市場・企業金融・法人営業の3部門の連携を強化したうえで、お客様との取引拡大を図っております。③「グレート・プラットフォーム」これまで当社グループから提携合弁証券や同業証券に対して提供してきた事務・システム、教育、情報、商品に加え、M&A機能や当社グループ内のマーケティングスタイルなどを融合させた一段上のサービス提供をめざしております。④「生産性革命」地域特性を踏まえた店舗統廃合による運営効率の向上、ビッグデータを駆使したデータベースマーケティングの展開に加え、本部組織におけるテレワークの導入やオフィス機能改革、さらにはグループ全体での業務プロセスの再構築により、グループが有する能力の最大化に向け取組んでおります。⑤「組織管理と防衛ラインの充実」業容の拡大に伴い必要となる管理・統制体制の構築や、新たなリスクにも対応し得るグループ・ガバナンスの充実を図っております。また、大幅な権限委譲による意思決定の迅速化、適切なリスクテイクを支える環境整備、さらに実効性あるモニタリング体制などのコーポレート・ガバナンスの充実に努めております。⑥「人間性と専門性の追求」これらの施策を着実に実行するためには、「誠実な会社」、「仲間に信頼される会社」であり続けることが大切であるとの考えに基づき、ハート(人間性)とプロフェッショナリティ(専門性)を兼ね備えた人材の育成に重きを置き、働きやすい職場環境の構築、シニア社員を含む社員総活躍推進や働き方改革など、抜本的な人事制度の改革に取り組んでおります。(2)「戦略テーマの追求」では、次のステージへの成長や、新たな基盤・機能を確保するために必要な「同業他社M&A」、「資産運用機能」、「多様な年金・保険機能」、「銀行機能」、「海外戦略」、「大都市圏」という6つの戦略テーマを策定し、具体的な施策を検討・推進しております。 このような経営計画を通じて、当社グループは大手証券やメガバンク系証券のグループとは異なる「第3の極」を形成していくことを目標とし、業務を推進してまいります。 (当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)(1) 基本方針の内容の概要当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益(以下、「当社グループの企業価値等」という。)を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社取締役会は、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社グループの企業価値等に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株券等の大量買付行為((3)において定義する。以下同じ。)の中には、その目的等から見て、対象会社の企業価値等に資さないものも少なくありません。当社グループが構築してきたコーポレートブランド・企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉を維持するとともに、経営計画を実行していくことが必要不可欠であり、これらが当社の株券等の大量買付行為を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社グループの企業価値等は損なわれることになります。(2) 当社の企業価値の源泉及び基本方針の実現に資する特別な取組みの概要当社グループにおける企業価値の源泉は、金融商品取引業及びその関連業務において永年にわたり蓄積してきた商品やサービス、金融・資本市場等についての高度な専門知識と豊富な経験及び当社グループをとりまく国内外のあらゆるステークホルダーの皆様との長期的信頼関係であると考えております。当社は、上記(1)のような当社グループの企業価値等を著しく損なう大量買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講ずることにより、当社グループの企業価値等を確保する必要があると考えております。また、当社は、基本方針の実現に資するための取組みとして、経営計画に基づき具体的施策を実行していくことで、当社グループの企業価値等の向上が図れるものと考えております。更に、基本方針の実現に資する取組みとして、当社はコーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つとして位置づけていることからコーポレート・ガバナンスに関する基本方針を定め、継続的に企業価値の向上を図ることを目的として、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。なお、詳細につきましては、「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み当社は、平成28年6月29日開催の第104期定時株主総会にて「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」の更新を上程し、株主の皆様にご承認いただいております(更新後の「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を、以下「本プラン」という。)。本プランは、当社が発行者である株券等について、(a)大量買付行為を行おうとする者(以下、「大量買付者」という。)の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付け、(b)大量買付者の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付け、(c)当社の他の株主が、大量買付者の共同保有者に該当し、その結果、当該大量買付者の株券等保有割合が20%以上となるような行為((a)から(c)を総称して、以下、「大量買付行為」という。)を対象といたします。本プランは、当社グループの企業価値等を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量買付行為が行われる場合等に、(a)大量買付者に対し、必要かつ十分な情報の事前提供を要請し、(b)当社経営陣が情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(c)株主の皆様に対し、当社経営陣の計画や代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行っていくための手続きを定めております。大量買付者が本プランにおいて定められた手続に従わない等、当社グループの企業価値等を著しく損なうと判断される場合には、当社は、対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てます。本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下、「本新株予約権」という。)には、(a)大量買付者及びその関係者による行使を制限する行使条件、(b)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されておりますが、大量買付者からその他の財産の交付と引換えに新株予約権を取得することができる旨の条項は、採用しておりません。 本新株予約権の無償割当が実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、また当社グループの企業価値等の確保又は向上のために必要かつ相当な対抗措置を発動するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行います。その判断の客観性、合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、3名以上の委員により構成され、委員は、社外取締役、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、当社の事業に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者等の社外者の中から当社取締役会が選任するものとしております。独立委員会は、大量買付者、当社の取締役、従業員等に必要に応じて独立委員会への出席及び説明を要求することができ、当社取締役会からの諮問事項について審議・決議して、当社取締役会に対し勧告を行います。この勧告は公表されるものとし、当社取締役会はかかる勧告を最大限尊重して対抗措置の発動または不発動につき速やかに決議を行うものとします。本プランは、対抗措置の発動または不発動を判断する当社取締役会の決議に際して、独立委員会による勧告手続を経なければならず、かつ当社取締役会は、同勧告を最大限尊重しなければならないものとすることにより、当社取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性が確保できるよう設計されております。更に、大量買付者が本プランに定められた手続を遵守した場合で、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催することもできるものとされております。当社取締役会は、株主総会が開催された場合、対抗措置の発動に関して、当該株主総会における株主の皆様のご判断に従うものとします。(4) 本プランの合理性(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由)本プランは、以下の理由により、上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。① 会社の支配に関する基本方針に沿うものであること本プランは、大量買付者に大量買付に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、情報判断のための一定の評価期間が経過した後にのみ大量買付行為を開始することを求め、当社所定のルールを遵守しない大量買付者には対抗措置を講じることとしております。また、ルールが遵守された場合でも、大量買付行為により当社グループの企業価値等が損なわれると判断される場合は、大量買付者に対し対抗措置を講じることとしていることから、本プランは会社支配に関する基本方針に沿うものであると考えております。② 買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性確保の原則」)を完全に充足しており、また、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、平成20年6月30日に公表された、経済産業省に設置された企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。③ 株主共同の利益を損なうものではないこと本プランは、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会を確保して、適切な投資判断を行うことを可能とするものであることから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考えております。 ④ 株主意思を重視し、また、対抗措置の発動について合理的な客観的要件を設定するものであること本プランについて株主の皆様の意思を適切に反映させる機会を確保するため、第104期定時株主総会において本プランを承認する議案をお諮りし、株主の皆様にご承認いただきました。また、本プランの有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、本プランの廃止が決定された場合には、本プランはその時点で廃止されることとなり、その意味で、本プランの更新だけでなく存続についても、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。また、本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の判断を株主の皆様が当社取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従った対抗措置の発動に関する決議に際して、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することができることとしております。したがって、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなります。⑤ 会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと(独立性の高い社外者の判断を重視していること)本プランは、対抗措置の発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることを要し、当社取締役会は同委員会の勧告を最大限尊重するものであること等、当社取締役会による判断の公正性・客観性が担保される工夫がなされており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。⑥ デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと本プランは、当社取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。また、本プランは、当社取締役会の構成員の交代を一度に行うことがないために、その発動を阻止するのに時間がかかる、いわゆるスローハンド型買収防衛策でもありません。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループを取り巻く事業環境は、これまで以上に急速かつ大きく変化しております。少子高齢化、人口減少といった要因により、数年後には個人金融資産が減少に転じるとも予想されております。また、FinTechを活用した新たな金融サービスやAI、ブロックチェーンといった新たな潮流が金融業界のビジネスモデルに大きな変化をもたらすものとも予想されております。さらに、フィデューシャリー・デューティー(お客様本位の業務運営)や働き方改革といった社会的要請に対してもこれまで以上に応えていく必要が出てまいりました。当社グループは、これら新たな潮流や課題に対し危機感を抱くだけではなく、大きなビジネスチャンスととらえ、今年度より、経営計画「New Age's, Flag Bearer 5~新時代の旗手~」をスタートさせました。本経営計画は、(1)これまで培ってきた当社独自のビジネスモデルを更に進化させることをめざす「さらなる経営基盤の強化と成長」と(2)当社グループが次のステージに成長するための基盤・機能を確保する「戦略テーマの追求」という大きな2つの戦略を柱としております。(1)「さらなる経営基盤の強化と成長」では、次の6つの施策に取り組んでおります。①「リテール顧客セグメント別戦略の独自性の追求」富裕層・資産形成層・成熟層に区分したお客様の特性やニーズに合わせ、最適なサービスを提供するため、機能の強化や拡充を図っております。富裕層のお客様向け「オルクドール」における機能・サービスの一層の拡充、「財産診断サービス」をはじめとする成熟層向け各種サービスの充実、若年層を中心とする資産形成層向け「MONEQUE」店舗やネット機能の拡充に努めるとともに、これまで以上にフィデューシャリー・デューティーに応えることにより、お客様に選ばれる総合金融グループをめざしております。②「法人トライラテラルとグローバルマーケットでの業務拡大」当社独自の海外情報の提供やグローバルマーケットを投資対象とした商品ラインアップを更に充実させ、M&A仲介機能等を強化しつつ、市場・企業金融・法人営業の3部門の連携を強化したうえで、お客様との取引拡大を図っております。③「グレート・プラットフォーム」これまで当社グループから提携合弁証券や同業証券に対して提供してきた事務・システム、教育、情報、商品に加え、M&A機能や当社グループ内のマーケティングスタイルなどを融合させた一段上のサービス提供をめざしております。④「生産性革命」地域特性を踏まえた店舗統廃合による運営効率の向上、ビッグデータを駆使したデータベースマーケティングの展開に加え、本部組織におけるテレワークの導入やオフィス機能改革、さらにはグループ全体での業務プロセスの再構築により、グループが有する能力の最大化に向け取組んでおります。⑤「組織管理と防衛ラインの充実」業容の拡大に伴い必要となる管理・統制体制の構築や、新たなリスクにも対応し得るグループ・ガバナンスの充実を図っております。また、大幅な権限委譲による意思決定の迅速化、適切なリスクテイクを支える環境整備、さらに実効性あるモニタリング体制などのコーポレート・ガバナンスの充実に努めております。⑥「人間性と専門性の追求」これらの施策を着実に実行するためには、「誠実な会社」、「仲間に信頼される会社」であり続けることが大切であるとの考えに基づき、ハート(人間性)とプロフェッショナリティ(専門性)を兼ね備えた人材の育成に重きを置き、働きやすい職場環境の構築、シニア社員を含む社員総活躍推進や働き方改革など、抜本的な人事制度の改革に取り組んでおります。(2)「戦略テーマの追求」では、次のステージへの成長や、新たな基盤・機能を確保するために必要な「同業他社M&A」、「資産運用機能」、「多様な年金・保険機能」、「銀行機能」、「海外戦略」、「大都市圏」という6つの戦略テーマを策定し、具体的な施策を検討・推進しております。 このような経営計画を通じて、当社グループは大手証券やメガバンク系証券のグループとは異なる「第3の極」を形成していくことを目標とし、業務を推進してまいります。 (当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)(1) 基本方針の内容の概要当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値の源泉を理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益(以下、「当社グループの企業価値等」という。)を継続的かつ持続的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。当社取締役会は、当社取締役会の賛同を得ずに行われる、いわゆる「敵対的買収」であっても、当社グループの企業価値等に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主の皆様の意思に基づき行われるべきものと考えております。しかしながら、株券等の大量買付行為((3)において定義する。以下同じ。)の中には、その目的等から見て、対象会社の企業価値等に資さないものも少なくありません。当社グループが構築してきたコーポレートブランド・企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させていくためには、当社グループの企業価値の源泉を維持するとともに、経営計画を実行していくことが必要不可欠であり、これらが当社の株券等の大量買付行為を行う者により中長期的に確保され、向上させられるのでなければ、当社グループの企業価値等は損なわれることになります。(2) 当社の企業価値の源泉及び基本方針の実現に資する特別な取組みの概要当社グループにおける企業価値の源泉は、金融商品取引業及びその関連業務において永年にわたり蓄積してきた商品やサービス、金融・資本市場等についての高度な専門知識と豊富な経験及び当社グループをとりまく国内外のあらゆるステークホルダーの皆様との長期的信頼関係であると考えております。当社は、上記(1)のような当社グループの企業価値等を著しく損なう大量買付行為に対しては、必要かつ相当な対抗措置を講ずることにより、当社グループの企業価値等を確保する必要があると考えております。また、当社は、基本方針の実現に資するための取組みとして、経営計画に基づき具体的施策を実行していくことで、当社グループの企業価値等の向上が図れるものと考えております。更に、基本方針の実現に資する取組みとして、当社はコーポレート・ガバナンスの充実を経営上の重要課題の一つとして位置づけていることからコーポレート・ガバナンスに関する基本方針を定め、継続的に企業価値の向上を図ることを目的として、コーポレート・ガバナンスの強化・充実に努めております。なお、詳細につきましては、「6 コーポレート・ガバナンスの状況等」をご参照ください。(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み当社は、平成28年6月29日開催の第104期定時株主総会にて「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」の更新を上程し、株主の皆様にご承認いただいております(更新後の「当社株式の大量買付行為への対応策(買収防衛策)」を、以下「本プラン」という。)。本プランは、当社が発行者である株券等について、(a)大量買付行為を行おうとする者(以下、「大量買付者」という。)の株券等保有割合が20%以上となる当該株券等の買付け、(b)大量買付者の株券等所有割合とその特別関係者の株券等所有割合との合計が20%以上となる当該株券等の買付け、(c)当社の他の株主が、大量買付者の共同保有者に該当し、その結果、当該大量買付者の株券等保有割合が20%以上となるような行為((a)から(c)を総称して、以下、「大量買付行為」という。)を対象といたします。本プランは、当社グループの企業価値等を確保・向上させることを目的として、当社の株券等の大量買付行為が行われる場合等に、(a)大量買付者に対し、必要かつ十分な情報の事前提供を要請し、(b)当社経営陣が情報収集・検討等を行う時間を確保した上で、(c)株主の皆様に対し、当社経営陣の計画や代替案等の提示や、大量買付者との交渉を行っていくための手続きを定めております。大量買付者が本プランにおいて定められた手続に従わない等、当社グループの企業価値等を著しく損なうと判断される場合には、当社は、対抗措置として、原則として新株予約権を株主の皆様に無償で割り当てます。本プランに従って割り当てられる新株予約権(以下、「本新株予約権」という。)には、(a)大量買付者及びその関係者による行使を制限する行使条件、(b)当社が本新株予約権の取得と引換えに大量買付者及びその関係者以外の株主の皆様に当社株式を交付する取得条項等を付すことが予定されておりますが、大量買付者からその他の財産の交付と引換えに新株予約権を取得することができる旨の条項は、採用しておりません。 本新株予約権の無償割当が実施された場合、かかる行使条件や取得条項により、当該大量買付者及びその関係者の有する議決権の当社の総議決権に占める割合は、大幅に希釈化される可能性があります。本プランに定めるルールに従って一連の手続が遂行されたか否か、また当社グループの企業価値等の確保又は向上のために必要かつ相当な対抗措置を発動するか否かについては、当社取締役会が最終的な判断を行います。その判断の客観性、合理性及び公正性を担保するために、当社取締役会から独立した組織として、独立委員会を設置しております。独立委員会は、3名以上の委員により構成され、委員は、社外取締役、実績ある会社経営者、投資銀行業務に精通する者、当社の事業に精通する者、弁護士、公認会計士もしくは会社法等を主たる研究対象とする研究者またはこれらに準ずる者等の社外者の中から当社取締役会が選任するものとしております。独立委員会は、大量買付者、当社の取締役、従業員等に必要に応じて独立委員会への出席及び説明を要求することができ、当社取締役会からの諮問事項について審議・決議して、当社取締役会に対し勧告を行います。この勧告は公表されるものとし、当社取締役会はかかる勧告を最大限尊重して対抗措置の発動または不発動につき速やかに決議を行うものとします。本プランは、対抗措置の発動または不発動を判断する当社取締役会の決議に際して、独立委員会による勧告手続を経なければならず、かつ当社取締役会は、同勧告を最大限尊重しなければならないものとすることにより、当社取締役会の判断の客観性、公正性及び合理性が確保できるよう設計されております。更に、大量買付者が本プランに定められた手続を遵守した場合で、当社取締役会が大量買付行為に対する対抗措置を発動するか否かの判断を行うにあたり、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、当該大量買付行為に対し対抗措置を発動するか否かについて株主の皆様の意思を確認するための株主総会を開催することもできるものとされております。当社取締役会は、株主総会が開催された場合、対抗措置の発動に関して、当該株主総会における株主の皆様のご判断に従うものとします。(4) 本プランの合理性(本プランが会社の支配に関する基本方針に沿うものであり、株主共同の利益を損なうものではないこと、会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと及びその理由)本プランは、以下の理由により、上記(1)の基本方針に沿うものであり、当社株主の共同の利益を損なうものではなく、また、当社役員の地位の維持を目的とするものでもないと考えております。① 会社の支配に関する基本方針に沿うものであること本プランは、大量買付者に大量買付に関する必要かつ十分な情報を当社取締役会に事前に提供すること、情報判断のための一定の評価期間が経過した後にのみ大量買付行為を開始することを求め、当社所定のルールを遵守しない大量買付者には対抗措置を講じることとしております。また、ルールが遵守された場合でも、大量買付行為により当社グループの企業価値等が損なわれると判断される場合は、大量買付者に対し対抗措置を講じることとしていることから、本プランは会社支配に関する基本方針に沿うものであると考えております。② 買収防衛策に関する指針の要件等を完全に充足していること本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」、「事前開示・株主意思の原則」、「必要性・相当性確保の原則」)を完全に充足しており、また、株式会社東京証券取引所の定める買収防衛策の導入に係る諸規則の趣旨に合致したものです。なお、本プランは、平成20年6月30日に公表された、経済産業省に設置された企業価値研究会の報告書「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」の内容も勘案しております。③ 株主共同の利益を損なうものではないこと本プランは、株主の皆様が大量買付行為に応じるか否かを判断するために必要な情報や当社取締役会の意見の提供、代替案の提示を受ける機会を確保して、適切な投資判断を行うことを可能とするものであることから、企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものと考えております。 ④ 株主意思を重視し、また、対抗措置の発動について合理的な客観的要件を設定するものであること本プランについて株主の皆様の意思を適切に反映させる機会を確保するため、第104期定時株主総会において本プランを承認する議案をお諮りし、株主の皆様にご承認いただきました。また、本プランの有効期間の満了前であっても、当社株主総会において、本プランの廃止が決定された場合には、本プランはその時点で廃止されることとなり、その意味で、本プランの更新だけでなく存続についても、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。また、本プランは、本プランに基づく対抗措置の発動または不発動の判断を株主の皆様が当社取締役会に委ねる前提として、当該対抗措置の発動条件を個別の場合に応じて具体的に設定し、株主の皆様に示すものです。加えて、当社取締役会は、本プランに従った対抗措置の発動に関する決議に際して、独立委員会から対抗措置発動の可否につき株主総会に諮るべきである旨の勧告または独立委員会から対抗措置発動の勧告を受けたときは、株主総会を開催し、株主の皆様の意思を確認することができることとしております。したがって、当該発動条件に従った対抗措置の発動は、株主の皆様のご意向が反映されたものとなります。⑤ 会社役員の地位の維持を目的とするものでないこと(独立性の高い社外者の判断を重視していること)本プランは、対抗措置の発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること、対抗措置の発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることを要し、当社取締役会は同委員会の勧告を最大限尊重するものであること等、当社取締役会による判断の公正性・客観性が担保される工夫がなされており、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。⑥ デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと本プランは、当社取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお発動を阻止できない、いわゆるデッドハンド型買収防衛策ではありません。また、本プランは、当社取締役会の構成員の交代を一度に行うことがないために、その発動を阻止するのに時間がかかる、いわゆるスローハンド型買収防衛策でもありません。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(経営成績等の状況の概要) 当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー等の状況は、以下のとおりであります。 (1) 財政状態資産の部では、流動資産のうち現金及び預金が前年度末比179億10百万円増加し905億94百万円に、預託金が前年度末比83億24百万円増加し458億30百万円に、トレーディング商品が前年度末比956億4百万円増加し3,880億99百万円に、信用取引資産が前年度末比126億87百万円増加し572億97百万円に、有価証券担保貸付金が前年度末比741億25百万円増加し2,891億17百万円となる一方、短期差入保証金が前年度末比35億84百万円減少し154億11百万円となりました。また、固定資産のうち投資有価証券が前年度末比69億15百万円増加し409億69百万円となりました。負債の部では、流動負債のうちトレーディング商品が前年度末比892億54百万円増加し2,817億9百万円に、約定見返勘定が前年度末比144億11百万円増加し219億52百万円に、信用取引負債が前年度末比102億80百万円増加し194億13百万円に、有価証券担保借入金が前年度末比663億74百万円増加し1,975億38百万円に、預り金が前年度末比28億68百万円増加し357億94百万円に、受入保証金が前年度末比44億33百万円増加し127億94百万円に、短期社債が前年度末比27億円増加し120億円となりました。また、固定負債のうち社債が前年度末比72億17百万円増加し162億円に、長期借入金が前年度末比31億74百万円増加し649億6百万円となりました。純資産の部では、利益剰余金が前年度末比180億68百万円増加し1,087億61百万円となり、取締役会決議による自己株式取得を行ったことなどにより自己株式が前年度末比13億83百万円減少(純資産は増加)し△61億88百万円に、その他有価証券評価差額金が前年度末比10億79百万円増加し25億19百万円となる一方、取締役会決議による自己株式消却を行ったことなどにより資本剰余金が40億57百万円減少し289億58百万円となりました。以上の結果、当連結会計年度末の総資産は前年度末比2,231億85百万円増加し9,656億21百万円に、負債合計は前年度末比2,055億65百万円増加し7,907億71百万円となり、純資産合計は前年度末比176億19百万円増加し1,748億49百万円となりました。また、当連結会計年度末の自己資本比率は17.9%(前年度末は20.9%)となり、1株当たり純資産額は668円18銭(前年度末は593円47銭)となりました。 (2) 経営成績(受入手数料) 連結会計年度区分株券(百万円)債券(百万円)受益証券(百万円)その他(百万円)合計(百万円)前連結会計年度自 平成28年4月1日至 平成29年3月31日委託手数料12,19426708012,930引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料360378――738募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料41076,804―6,916その他の受入手数料77173,8122,4416,349合計12,63552911,3262,44226,934当連結会計年度自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日委託手数料16,95219443―17,415引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料450360――811募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料2797,762―7,844その他の受入手数料247174,5225,0499,836合計17,65247712,7285,04935,907 当連結会計年度の受入手数料の合計は33.3%増加(前年同期増減率、以下(1)において同じ。)し359億7百万円を計上いたしました。① 委託手数料当社子会社である東海東京証券株式会社の株式委託売買高は5.9%減少し47億63百万株、株式委託売買金額は22.8%増加し4兆9,063億円となり、また、当社グループに髙木証券株式会社が加わったことも寄与し、当社グループの株式委託手数料は39.0%増加し169億52百万円の計上となり、委託手数料全体では34.7%増加し174億15百万円を計上いたしました。② 引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料株式は引受高の増加により25.2%増加し4億50百万円を計上いたしました。また、債券は4.8%減少し3億60百万円の計上となり、引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料全体では9.8%増加し8億11百万円を計上いたしました。③ 募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料受益証券は髙木証券株式会社による投資信託の販売額が寄与し14.1%増加し77億62百万円の計上となり、募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料全体では13.4%増加し78億44百万円を計上いたしました。④ その他の受入手数料投資信託の代行手数料は18.6%増加し45億22百万円の計上となり、また、保険手数料収入やコンサルティング料の増加等から、その他の受入手数料全体では54.9%増加の98億36百万円を計上いたしました。 (トレーディング損益) 区分前連結会計年度自 平成28年4月1日至 平成29年3月31日当連結会計年度自 平成29年4月1日至 平成30年3月31日株券等トレーディング損益 (百万円)13,77922,227債券・為替等トレーディング損益 (百万円)21,95722,867合計35,73745,095 当連結会計年度の株券等トレーディング損益は、米国株式を中心とした外国株式の売買の増加により61.3%増加し222億27百万円の利益の計上となりました。また、債券・為替等トレーディング損益は、仕組債を中心とした外国債券の売買等が前連結会計年度に引続き堅調に推移し4.1%増加し228億67百万円の利益を計上いたしました。この結果、トレーディング損益の合計は26.2%増加し450億95百万円の利益を計上いたしました。 (金融収支)当連結会計年度の金融収益は55.4%増加し42億58百万円となり、金融費用は39.0%増加し23億42百万円となりました。差引の金融収支は81.4%増加し19億16百万円の利益の計上となりました。 (販売費及び一般管理費)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、取引関係費が提携合弁証券からの外債販売の取次ぎ量の増加に伴い支払手数料が増加したこと等から23.6%増加し138億27百万円となりました。また、グループ会社の増加に伴い、不動産関係費は12.0%増加し67億97百万円、事務費は11.5%増加し80億43百万円、減価償却費は9.8%増加し19億44百万円、租税公課は20.9%増加し15億21百万円となり、人件費はグループ会社の増加に加えて業績連動による賞与も増加したことから22.8%増加し311億10百万円となりました。この結果、販売費及び一般管理費は20.7%増加し654億72百万円となりました。 (営業外損益)当連結会計年度の営業外収益は、持分法による投資利益は前連結会計年度において一時的な出資に係る持分法による投資利益(負ののれん発生益)を計上したことから4.6%減少し19億63百万円となり、受取配当金は16.1%減少し6億99百万円となりました。この結果、営業外収益の合計は6.1%減少し36億93百万円を計上いたしました。また、営業外費用の合計は23.0%増加し2億円となりました。 (特別損益)当連結会計年度の主な特別損益は、負ののれん発生益111億60百万円、投資有価証券売却益8億81百万円を特別利益に計上いたしました。また、減損損失6億26百万円を特別損失に計上いたしました。 以上の結果、当連結会計年度の営業収益は30.3%増加し852億61百万円、純営業収益は30.1%増加し829億19百万円となり、営業利益は83.7%増加し174億46百万円、経常利益は57.8%増加し209億39百万円を計上し、法人税等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は111.8%増加し253億97百万円を計上いたしました。 (3) キャッシュ・フローの状況営業活動によるキャッシュ・フローは193億32百万円の収入(前連結会計年度は29億44百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益が317億42百万円の黒字となり、有価証券担保借入金が663億74百万円増加し、トレーディング商品(負債)が892億54百万円増加し、それぞれ収入となる一方で、有価証券担保貸付金が741億25百万円増加し、トレーディング商品(資産)が918億90百万円増加し、それぞれ支出となったことなどによります。投資活動によるキャッシュ・フローは5億88百万円の支出(前連結会計年度は85億7百万円の支出)となりました。これは投資有価証券の売却による収入107億72百万円、固定資産の取得による支出18億2百万円、投資有価証券の取得による支出37億76百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出40億59百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出7億96百万円などによるものです。財務活動によるキャッシュ・フローは16億17百万円の支出(前連結会計年度は358億64百万円の収入)となりました。これは長期借入れによる収入43億円、配当金の支払による支出73億29百万円などによるものです。以上の結果、現金及び現金同等物は171億60百万円増加し、当連結会計年度末の残高は892億4百万円となりました。 (4) トレーディング業務の概要① トレーディング商品トレーディング商品の残高は次のとおりです。 区分前連結会計年度(平成29年3月31日)当連結会計年度(平成30年3月31日)資産の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)289,264384,823 株券(百万円)21,12412,142 債券(百万円)231,133336,207 受益証券(百万円)37,00636,473デリバティブ取引(百万円)3,2303,276合計(百万円)292,495388,099負債の部のトレーディング商品商品有価証券等(百万円)185,261276,368 株券(百万円)19,45011,541 債券(百万円)165,764264,441 受益証券(百万円)47385デリバティブ取引(百万円)7,1925,340合計(百万円)192,454281,709 ② トレーディング業務のリスク管理トレーディング業務のリスク管理の状況については「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」の注記事項(金融商品関係)に記載しております。 なお、「第2 事業の状況」に記載の消費税等の課税取引については、消費税等を含んでおりません。 (経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、経営者は会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や状況に応じ合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針及び見積りが連結財務諸表に大きな影響を及ぼすと考えております。① 金融商品の評価当社グループは、トレーディング商品に属する有価証券及びデリバティブ取引等については、時価をもって連結貸借対照表価額とし、評価損益はトレーディング損益として計上しております。時価は、取引所等の市場価格のある有価証券及びデリバティブ取引等については市場価格により算定しております。市場価格のない有価証券及びデリバティブ取引等については主に金利、配当利回り、原証券価格、スワップレート、ボラティリティー、契約期間等を基に算出した現在価値の見積価格により算定しており、異なる前提条件等によった場合には当該時価が変動する可能性があります。② 投資有価証券の減損当社グループは、長期的な取引関係維持のため、特定の取引先の株式を所有しております。これらの株式には価格変動性の高い市場価格のある株式と、価格の決定が困難である市場価格のない株式が含まれております。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、「金融商品に関する会計基準」に基づき減損処理を行っております。市場価格のある株式については、株式の時価が一定期間継続して取得原価を30%以上下回り続けたとき等、下落が一時的ではないと判断します。市場価格のない株式については、1株当たり純資産額が取得原価の50%以下となった場合に減損処理を行います。将来の市況悪化又は投資先の業績不振により、現在の簿価に反映されていない損失又は簿価の回収不能が生じた場合、減損処理が必要となる可能性があります。③ 固定資産の減損収益性の低下により投資額の回収が見込めなくなった固定資産については、一定の条件の下で回収可能性を反映させるように、減損処理を行っております。資産又は資産グループの回収可能価額は、時価から処分費用見込額を控除した正味売却価額と割引後将来キャッシュ・フローとして算定される使用価値のいずれか高い金額であることから、固定資産の減損損失の金額は合理的な仮定及び予測に基づく将来キャッシュ・フローの見積りに依存しております。従って、固定資産の使用方法を変更した場合、不動産取引相場等が変動した場合及びのれんが認識された取引において取得した事業の状況に変動が生じた場合には、新たに減損損失が発生する可能性があります。④ 退職給付費用及び債務従業員(執行役員を除く。)に係る退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出されております。これらの前提条件には割引率、退職率、昇給率、直近の統計数値に基づいて算出される死亡率及び年金資産の期待収益率等が含まれております。当社グループの退職年金制度においては、割引率は期末における安全性の高い長期の債券の利回りにより、退職率は直近3年間の実績に基づいております。退職給付債務の算定にあたっては、退職給付見込額の期間帰属方法を給付算定式基準とし、割引率の設定はイールドカーブ等価アプローチによる方法により算出しております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は前提条件が変更された場合には、将来の退職給付費用及び退職給付債務が変動する可能性があります。 ⑤ 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。評価性引当金の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得の発生及び税務計画を検討いたします。当社グループの主たる事業である金融商品取引業は、業績変動の幅が大きく、長期にわたる課税所得の発生を予測することが困難でありますが、策定した経営計画の期間以内の一定期間を、将来の課税所得の見積り期間としておりますので、翌事業年度以降の課税所得の発生見積りによって、評価性引当金が増減し、繰延税金資産の調整額が発生する可能性があります。 (2) 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)のわが国経済は、世界経済の成長が続く中で堅調に推移しました。年度末にかけてはやや減速感があったものの、10-12月期の実質GDP成長率は8四半期連続でプラス成長となりました。海外においては、米国経済は4-6月期以降3四半期連続で年率プラス3%前後での高成長を継続しており、さらに昨年末に成立した大型減税や政府歳出枠拡大などが成長を後押しするなど堅調に推移しました。また、中国経済は公共投資と輸出が景気の下支えとなったほか、欧州経済も米国向けやアジア向け輸出を中心に予想以上の拡大を見せるなど概ね堅調に推移しました。さらに新興国経済も、先進国経済に牽引される形で好調を維持しました。株式市場は、日経平均株価が4月に18,900円台で始まった後、米国によるシリア爆撃や北朝鮮情勢への懸念など、地政学的リスクの高まりにより一時18,200円台まで下落しましたが、米国株式市場や国内企業業績の改善などから上昇に転じました。9月以降は日本経済や企業業績を再評価する動きが広がったことで出遅れ感の強かった日本株に資金が流入し、10月には過去最高となる16連騰を記録したほか、年明け1月には26年2ヶ月ぶりに24,000円台まで上昇しました。しかし、2月以降は米長期金利の上昇や円高ドル安、米国テクノロジー株の調整や米中貿易摩擦への懸念などを背景に再び下落に転じ、3月末は21,400円台で取引を終えました。なお、本年度の東証1部の1日当たり平均売買代金は2兆9,570億円となり、前年同期の2兆5,424億円を上回りました。債券市場は、長期金利の指標である10年物国債利回りが、前述の地政学的リスクの高まりから一時マイナス0.01%台となる局面も見られましたが、日本銀行のイールドカーブ・コントロール(YCC)により概ね0.05%近辺で推移し、3月末は0.04%台で取引を終えました。為替市場は、4月に1ドル111円台で始まった後、地政学的リスクの高まりを受けた一時的な円高局面は見られたものの、FRB(米連邦準備制度理事会)による追加利上げ観測などにより5月には1ドル114円台半ばまで円安が進み、その後は1ドル108円から114円台での推移が続きました。年明け以降は、日本の金融正常化観測や米財務長官のドル安容認発言に加え、米国金利の上昇、米国の保護主義的な政策を受けて円高ドル安が進み、3月末は1ドル106円20銭台で取引を終えました。 こうした市場環境において、お客様の投資意欲の増大や、お客様のニーズに合わせた商品提供に努めたことにより、当社グループの業績も堅調に推移いたしました。また当社グループは、当連結会計年度より経営計画「New Age's, Flag Bearer 5 (ニューエイジズ フラッグベアラー ファイブ) ~新時代の旗手~」をスタートさせました。本経営計画は、前経営計画の基本戦略を継承したうえで新たな課題に対応し、当社独自のビジネスモデルを構築することで、さらに次のステージである「総合金融グループ」への進化をめざしていくものです。 リテール部門では顧客セグメントに応じたサービスの充実を図ってまいりました。富裕層のお客様向けには「Orque d'or (オルクドール)」ブランドの浸透に努め、資産運用に限らず、事業承継・相続対策などの総合的なソリューションの提供により、会員数及び預り資産は順調に拡大しております。なお、来春には「オルクドール・サロン」を東京の日本橋髙島屋三井ビルディングの最上階にオープンすることを予定しており、首都圏においてもサービスの充実を図ってまいります。成熟層のお客様向けには、相続ニーズに応えるための「財産診断サービス」の提供や、リスク選考度の高いお客様への専門家対応など、お客様に合わせたサービス・商品の提供に努め、取引活性化に取り組みました。 若年層を中心とした資産形成層のお客様向けには、「つみたてNISA」などによる資産形成のご案内に加え、保険・住宅ローンほか、これからのライフイベント毎に必要となる金融サービスに対してワンストップで対応できる新コンセプト店舗「MONEQUE (マニーク)」を愛知及び東京に合計4店舗開設いたしました。昨年子会社化した株式会社ETERNALにおいては、「保険テラス」による来店誘致型保険サービスを資産形成層のお客様を中心に提供するだけでなく、東海東京証券株式会社との保険サービスに係るスキルやノウハウの共有を行うなど事業シナジーの拡大に努めてまいりました。 市場部門では、好調な市場環境を背景に提携合弁証券やプラットフォーム提供先である同業証券のニーズに合致した適時適切な商品提供を行ったことにより、外国株式の取引額が増加するなど、収益の拡大に繋がりました。一方で、取引額の増大に伴うリスク管理の高度化にも注力し、適切な管理を行いました。企業金融部門では、債券引受業務における引受額が増加し、地方債引受リーグテーブルでは大手証券やメガバンク系証券に次ぐ6位を維持いたしました。法人営業部門では、顧客層の裾野拡大や顧客ニーズに適合した商品・サービスの提供などによる収益力の向上に引き続き努めております。4月に子会社化した髙木証券株式会社においては、適切な経営資源の配分見直しや経営効率の改善に注力したことにより、特に下期の収支が改善いたしました。 国内のアライアンス戦略においては、これまで国内有力地方銀行と設立した合計6社の合弁証券が着実に成長しているほか、当社プラットフォームにより取引を行っていただいている提携証券が57社まで拡大するなど、ビジネスモデルを深化させてまいりました。これらに加え、3月には株式会社十六銀行と包括的業務提携に関して基本合意しており、今後7社目となる合弁証券の設立を計画しております。 さらに、多様化・複雑化するお客様のニーズに的確に対応するため、9月にM&Aアドバイザリーにおいて優れた実績を持つピナクル株式会社を子会社化したほか、FinTechにおいて秀でた技術やビジネスモデルを有する企業への出資や、信託などの新たな機能の獲得に努めております。一方海外においては、4月に中国本土の業務提携先である国泰君安証券に対し、多分野における協業を推進する戦略的パートナーとして出資したほか、9月にはベトナムのバオベト証券と業務提携に係る覚書を締結いたしました。 当社グループは、資本市場の発展と国民の皆さまの健全な資産形成に貢献すると同時に、企業市民として地域社会の活性化に貢献することをCSRの基本方針に置いております。特に、ホームマーケットである中部地区の将来の繁栄、発展に資することが使命だと考え、さまざまな活動を展開しております。地域における次世代人材の育成という面では、名古屋大学とともに国際化をリードできる人材育成を目的としたグローバル事業を推進しており、市民・学生向けの国際情勢講座の提供などに取り組んでおります。また、中京大学とは、スポーツ文化の溢れる地域づくりを目的とし、学生アスリート向けの支援を行っております。地域経済に対しては、「オルクドール・サロン」をオープンイノベーションの場として提供し、セミナーや交流会を開催しております。 また当社グループでは、経営理念において「お客様の資産を活かし、豊かなライフマネジメントの実現と企業価値向上を支援するために、全力で努力する企業グループであり続ける」ことをミッションの1つとして掲げ、お客様にご満足いただける商品・サービスの提供に努めております。このミッションに沿い、さらなるお客様本位のサービス向上への取り組みを図るため、「お客様本位の業務運営に関する取り組み方針」を策定し、具体的な社内におけるアクションプランの制定及びモニタリング体制の整備に取り組んでおります。今後とも引き続き、より一層のお客様本位の業務運営の実現をめざしてまいります。 (資本の財源及び資金の流動性)当社グループの資金需要は主に運転資金であり、株式及び債券を自己の計算により売買を行うために要する資金、顧客が行う信用取引に対し資金を貸し付ける業務及び人件費・不動産関係費など販売費及び一般管理費に係るものであります。なお、当社グループは金融機関との間に、総額430億円(平成30年3月31日現在)のコミットメントライン契約を締結しております。