事業の概要
- 個人投資家向けオンライン証券松井証券は、個人投資家を主な顧客とし、インターネットを通じて株式や先物・オプション取引、投資信託の販売、FX(外国為替証拠金取引)などの金融商品・サービスを提供しています。これにより、店舗を持たないことでコストを抑え、効率的な運営を実現しています。
- 株式ブローキングが主力特に、個人投資家向けの日本株の売買仲介(ブローキング)が主要な収益源です。顧客が株式を売買する際に発生する委託手数料や、信用取引の顧客への資金・有価証券の貸付けから得られる金利・貸株料が収益の大部分を占めています。
- 単一セグメントで事業展開事業の性質上、オンライン証券取引サービスという単一のセグメントで事業を展開しており、複数の事業部門に分けて収益を管理するのではなく、会社全体でオンライン証券事業に集中しているのが特徴です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 個人投資家向けオンライン証券松井証券は、個人投資家を対象としたオンライン証券取引サービスを主たる事業としています。株式、先物・オプション、投資信託、FX(外国為替証拠金取引)など、幅広い金融商品を提供し、個人投資家の資産形成をサポートしています。
- 日本株ブローキングが収益柱特に、個人投資家向けの日本株の売買仲介(ブローキング)が主要な収益源であり、純営業収益の約8割を占めています。株式の委託手数料収入や、信用取引における顧客への資金・有価証券の貸付けから得られる金利・貸株料が主な稼ぎ頭です。
- 単一セグメントでの事業運営松井証券は、オンライン証券取引サービスという単一のセグメントで事業を展開しており、事業内容を細分化して報告していません。これは、経営資源をオンラインベースの証券取引サービスに集中する戦略をとっているためです。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社は、個人投資家を対象とした株式ブローキング事業を主たる事業とし、オンライン証券取引サービスを提供しております。具体的には、株式及び先物・オプションの委託売買業務、引受け並びに募集及び売出しの取扱、投資信託の販売、FX(外国為替証拠金取引)等のサービスを提供しております。なお、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。また、関係会社は重要性が乏しいため記載を省略しております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 競合他社が無料もしくは低価格の委託手数料を提示しており、競争が激しい。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 金融商品取引業者には、金融商品取引法に基づき、一定の自己資本規制比率の維持が求められている。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:日本株ブローキング事業への依存度が高いこと / 他の金融機関との競争 / 信用取引等に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
松井証券は長年の歴史を持つ証券会社であり、一定のブランド認知度と信頼性がある。しかし、特許や独自のIPによる明確な競争優位性は見出しにくい。新規参入や他社サービスとの差別化が限定的。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客は証券口座を松井証券に開設しているが、他社への乗り換えコストは比較的低い。ただし、長年利用している顧客や、特定のサービス(例:信用取引、iDeCoなど)を利用している顧客にとっては、手続きの手間や情報の一元管理の観点から、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
証券取引プラットフォームにおいて、ユーザー数が増えることで取引の流動性が高まるというネットワーク効果は限定的。顧客数が増加しても、個々の顧客の取引体験が直接的に向上するわけではない。
コスト優位★★☆☆☆
ネット証券として手数料の低廉化を進めているが、SBI証券や楽天証券などの競合も同様の戦略をとっており、構造的なコスト優位性は確立されていない。システム投資や人件費などの固定費負担は存在する。
規模の経済★★★☆☆
日本の証券業界において、松井証券は一定の規模を持つプレイヤーである。特にネット証券分野では、顧客基盤と取引高において上位に位置する。しかし、野村證券などの総合証券や、SBI証券、楽天証券といったネット証券大手と比較すると、規模の経済による圧倒的な優位性は限定的。
- オンライン証券の優位性1998年から続くオンライン取引の経験とノウハウを活かし、個人投資家の株式取引におけるオンライン証券の利用率が9割を超える市場で、高い競争力を維持しています。対面型証券からの資産流入も継続しており、今後の成長余地も大きいと見ています。
- 強固なブランドと信頼性長年の実績と「投資をまじめに、おもしろく。」というコーポレートスローガンを通じて、金融機関としての信頼性と知的エンターテインメント性を両立したブランドを構築しています。安定した取引システムや充実したサポート体制、著名人を起用したCM、人気ゲームとのコラボレーションなどで認知度を高めています。
- 豊富な情報とサービス投資初心者から上級者までを対象に、YouTubeチャンネル「資産運用!学べるラブリー」や投資情報メディア「マネーサテライト」を通じて、投資に関する多様なアイデアや分かりやすい解説動画を提供しています。これにより、顧客の投資知識向上とエンゲージメント強化を図り、顧客体験価値を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- お客様の豊かな人生をサポート松井証券は「お客様の豊かな人生をサポートする」ことを企業理念とし、個人投資家にとって価値のある金融商品・サービスを提供することを目指しています。顧客体験価値の提供を重視し、信頼性と知的好奇心を刺激するサービスの両立を図っています。
- オンライン事業への集中経営資源をオンラインベースの事業に集中する戦略を堅持しており、効率的なオペレーション体制を維持しています。オンラインコミュニケーションの広がりを背景に、このビジネスモデルの優位性はさらに高まると考えています。
- 収益源の多様化とブランド強化日本株ブローキング事業への依存度が高い現状を認識し、FX、米国株、投資信託などオンラインベースでの商品・サービスを強化し、収益の多様化を積極的に進める方針です。同時に、安定した取引環境の提供、豊富な商品ラインアップ、パーソナライズされたサービスを通じて、強いブランドの構築と顧客基盤の拡大を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、特に断りがない限り、当事業年度末(2026年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、「お客様の豊かな人生をサポートする。」ことを企業理念(MISSION)とし、「個人投資家にとって価値のある金融商品・サービスを提供する。」ことを企業目標(VISION)としています。企業理念、企業目標を実現するうえでは、優位性のある顧客体験価値を提供することが何より重要だと考えています。そこで、強固な財務基盤や安定した取引システムの提供、お客様に寄り添ったサポート体制など、金融機関としてお客様からの信頼に応えること、堅実な企業活動を維持し、発展させていくことが、「投資そのもの、及び証券会社選びの安心感」につながると考え、当社の1つ目の提供価値であると定めています。加えて、投資自体が楽しくより身近で魅力的なものに、そしてお客様の人生における発見と成長につながる知的好奇心がわくような体験にしたいという思いから、投資についての多様な「アイデアの提供」を2つ目の提供価値としています。このような考えをコーポレートスローガン「投資をまじめに、おもしろく。」において示しています。そして、コーポレートスローガンを体現するため、お客様からの信頼に応える「安定した取引環境」の提供、投資を始めるハードルを下げ、より多くのお客様へ発見と成長の機会を届ける「様々な顧客ニーズを満たす豊富な商品」、「トライアルバリアの低い商品・サービス」、「シンプルでわかりやすいサービス」の提供、さらに一歩先を行くオンライン証券を目指して、お客様それぞれのニーズに沿ったきめ細やかな対応を実現する「パーソナライズされたサービス」の提供に努めて参ります。なお、当社は、経営資源をオンラインベースの事業に集中することで、効率的なオペレーション体制を維持して参りました。オンライン中心のコミュニケーションの広がりを背景に、オンラインベースの事業の優位性は一層高まるものと考え、オンラインベースのビジネスモデルに集中する方針を堅持して参ります。 (2) 経営環境日本国内における株式のオンライン取引サービスは、1998年に始まりました。それ以降、個人の株式等委託売買代金に占めるオンライン証券会社顧客の比率は年々上昇を続け、現在では9割を超えています。一方、個人の株式保有額に占めるオンライン証券会社顧客の割合は、未だ3割程度に留まっていますが、その比率は年々拡大しています。対面型の証券会社からオンライン証券会社への株式資産の流入は継続しており、今後も、オンライン証券会社を通じた個人株式等委託売買代金の拡大余地があるものと考えます。加えて、日本国内のインフレ定着を背景とした資産防衛を目的として、個人による株式、投資信託、不動産、金、外貨建て資産に対する投資への関心が高まっております。2024年に開始した新NISA制度を契機に、株式や投資信託への投資を新たに始める動きも広がっており、証券市場における個人投資家のすそ野はさらに拡大するものと見込まれます。この動きは、オンライン証券業界にとって追い風であると捉えております。オンライン証券業界においては、個人の株式等委託売買代金は当社を含む大手オンライン証券会社5社(当社、SBI証券、楽天証券、三菱UFJ eスマート証券、マネックス証券)によって占められているほか、各社シェアの順位にも大きな変動はなく、一定の均衡状態が続いていました。ところが、2023年にSBI証券、楽天証券の2社が株式売買委託手数料の無料化に踏みきったことにより、各社は、信用取引、FX(外国為替証拠金取引)、投資信託、ホールセール事業、資産運用業、暗号資産関連事業等への事業拡大に注力するなど、収益源の多様化を進めています。そのような中で、当社以外のオンライン証券会社は、いずれも1,000万人以上の顧客基盤を持つコングロマリットの傘下企業であり、グループ各社の顧客基盤と経営資源を相互に活用して事業の拡大、規模の拡大を目指していると推測されます。これは、顧客一人ひとりの資産規模や取引規模は小さいながらも、数多くの顧客にアプローチすることで収益をあげるという、ロングテールのビジネスモデルを目指すものと考えられます。一方で、当社は大手オンライン証券5社では唯一の独立系企業であり、投資を楽しみ、投資に能動的に取り組んでいるお客様をコアのターゲット顧客として事業を推進しております。コアのターゲット顧客を効率的に獲得すること、そしてそのようなお客様のニーズを充足する商品やサービスに注力することが、競合他社との差別化を図り、業界における独自のポジショニングを確立し、プレゼンスを高めていくための唯一の方法だと考えています。このように、一部競合他社の手数料無料化を契機に、収益構造の見直し、収益源の多様化が業界共通のテーマとして顕在化し、その結果として、オンライン証券会社各社のビジネスモデル、及び重点的に取り組む分野の違いも鮮明化してきたものと考えます。 (3) 経営目標当社は、企業目標を達成するために以下の経営目標を定めております。① 付加価値の高いサービスを提供し、価値に見合う適正な対価を得る。② 経営資源を有効活用し、利益及び株主価値の向上を目指す。③ 株主資本コスト(現状8%)を上回るROEを達成する。当事業年度のROEは19.6%となり、株式等委託売買代金の増加、預託金の収益分配金の増加、FX取引の拡大等を背景に、前事業年度の13.8%から上昇しました。引き続き、上記の目標値を達成しており、今後も中長期的な資本効率の向上に努めます。 (4) 中長期的な会社の経営戦略当社は、経営目標を達成するための経営戦略として以下5点を定め、その実現に向けて取り組んでおります。① 大手オンライン証券会社として認知される「強いブランドの構築」② オンライン証券会社として備えるべき金融商品・サービスの「ラインアップの充実」、独自性を意識した「特色のあるサービスの提供」③ 優位性のある顧客体験価値を提供し続ける「サービスクオリティの向上」④ 中長期的な成長機会の創出に向けた「新規事業の探索・事業の多角化」⑤ これらの事業・サービスの提供を支えるための基盤となる「多様性のある自律的な組織の実現」 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題以上に記載の経営の基本方針及び経営目標を踏まえて中長期的経営戦略を実行していく上で、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。 (a)強いブランドの構築当社は、「金融機関としての信頼性」と「知的エンターテインメント性」を両立した事業展開を推進することが、強いブランドの構築に資するものと考えています。「金融機関としての信頼性」を向上する点については、お客様から安心して取引できる金融機関として認知されるため、強固な財務基盤や安定した取引システムの提供、金融機関としての信頼性の維持・向上に資するコンプライアンス体制の強化、お客様に寄り添ったサポート体制など、堅実な企業活動の維持・発展に努めております。なお、「金融機関としての信頼性」は、認知度によって確立される面があり、長期的な顧客基盤の維持・拡大のために、継続的に認知度の強化に取り組んで参ります。当事業年度においては、俳優の広瀬アリスさんを起用した新CMを全国で放映したほか、プロeスポーツチーム「FENNEL」とスポンサー契約を締結するなど、認知度向上に向けた取組を強化しました。また、当社のYouTube公式チャンネルの登録者数は79万人を突破し、総再生回数は1.8億回を超え、金融機関が運営するメディアでNo.1のブランドを確立し、認知度向上にも大いに貢献しております。一方の「知的エンターテインメント性」を推進する点については、商品・サービスの開発、マーケティング活動、投資情報の提供、コールセンターにおけるサポートなどを通じて取り組んで参ります。当事業年度においては、引き続き投資の「おもしろさ」を伝える動画コンテンツを多数公開しております。人気の「資産運用!学べるラブリー」においてはシリーズ初のLIVE配信を実施したほか、様々な分野の有識者同士の対話を通じて投資のヒントを提供する「MATSUI DIALOG」など、継続して新たなコンテンツを提供しました。また、投資情報メディア「マネーサテライト」をリニューアルし、従来の動画によるマーケット情報の解説に加え、テキスト形式による解説記事の配信を開始するなど、投資家のニーズに合わせた情報発信の拡充を行い、顧客にとって発見や成長につながる多様なアイデアの提供に努めました。これらの動画をきっかけに、松井証券を知り、投資に興味を持つ方が増えており、強いブランドの構築に寄与しています。その他、個人投資家に人気のあるIPO銘柄においては、ベンチャーキャピタルとの連携を強化して引受件数の向上に努めた結果、引受参入率は69%となり、IPO銘柄の取扱数において、業界2位となりました。 (b)ラインアップの充実、特色のあるサービスの提供お客様に選ばれるオンライン証券会社になるためには、年齢・志向・資産状況などが異なる個人投資家の多様なニーズに応える金融商品・サービスを提供していくことが欠かせません。当社の新規口座開設者の4割以上が30代以下の投資初心者層であることを考えると、金融商品・サービスの多様化によって投資への入り口をより広げるとともに、標準的な金融商品・サービスを取り揃え、お客様が証券会社を検討する際の「非選択理由」をなくす必要があります。当事業年度においては、株式会社ジェーシービーとの協業による「クレジットカードによる投資信託積立サービス」を開始しました。また、証券取引を快適にする銀行サービス「MATSUI Bank」について、近年の金利上昇を背景に、お客様の待機資金により高い収益機会を提供すべく、「証券残高連動 円普通預金ランク別金利プログラム」を導入し、最高で年0.65%という業界最高水準の金利を実現しました。FXビジネスでは、自動売買に適した「ノルウェー/スウェーデン」を含む10通貨ペアの取扱を開始することで合計32通貨ペアの取引が可能となり、取引の選択肢を拡充しました。 (c)サービスクオリティの向上オンライン証券各社が提供する金融商品には大きな差がないため、サービス水準を充実させることや利便性の高い取引・情報ツールを継続的に提供していくことなど、優位性のある顧客体験価値を提供することによって、お客様にとって価値の高い証券会社と認識していただけるものと考えております。また、オンライン証券という業態ではあるものの、お客様からの問い合わせや相談事について、ヒューマンタッチなコミュニケーションの機会を提供することも、顧客体験価値の向上につながると考えています。当事業年度においては、株式ビジネスにおいて、投資をアクティブに行うお客様から好評をいただいている「東証売買内訳データ」をもとにした分析機能をアプリだけでなくPCでも利用可能とし、利便性の向上を図りました。FXビジネスでは、コアタイム制導入による米ドル円のスプレッド縮小や人気通貨のスプレッド縮小など、取引条件の改善に加え、アプリの継続的な機能改善に取り組みました。米国株ビジネスでは、プレマーケット取引への対応と投資情報ツール「マーケットラボ米国株」の提供を開始し、より快適な取引環境を実現しました。顧客サポートにおいては、コールセンターのキャパシティ拡大を通じて、いつでも電話が繋がる受電体制の構築に努めました。セキュリティ強化を目的とした多要素認証の必須化により、一時的に応答率が低下した際には、速やかなオペレータの増員や、休日受付・受付時間拡大により、高水準の顧客対応品質を確保しました。また、「株の取引相談窓口」では、お客様一人ひとりのご希望や投資スタイルに寄り添い、銘柄探しや取引タイミング等の意思決定をサポートし、快適にお取引いただけるサービスを提供しました。その結果、第三者評価機関であるHDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する「2025年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において、最高評価の「三つ星」を15年連続で獲得しているほか、J.D. パワー ジャパンが実施する「J.D. パワー 2025年カスタマーセンターサポート満足度調査SM<金融業界編>」において、ネット証券部門にて2年連続1位を受賞しています。 (d)新規事業領域の探索・事業の多角化中長期的な企業価値向上には、新たな成長領域の探索が不可欠であると認識しています。オンラインベースのビジネスを中核としつつも、お客様起点でのニーズや課題に対応できる最適な金融サービスの提供を目指し、新規事業領域の探索・事業の多角化に取り組んでいます。当事業年度においては、株式会社エージェントIGホールディングスとの資本業務提携契約を締結しました。保険領域において、同社グループが有する専門性の高いファイナンシャル・プランニング・サービスと連携し、お客様のライフプランに基づいた最適な保険商品を提案することで、様々な金融ニーズへの対応を可能としました。 (e)セキュリティの強化セキュリティの確保は、オンライン証券会社の生命線です。お客様が安心して取引することができるよう、口座への不正アクセスやサイバー攻撃といった想定されるリスクへの対策に努めます。当事業年度においては、金融庁のサイバーセキュリティセルフアセスメントへの対応や、サイバーセキュリティガイドラインに準拠するための対応を進めることで、さらなる社内体制の強化を図る上での課題を認識し、改善に取り組みました。また、様々なサイバーセキュリティ演習に参加し、結果を踏まえた社内管理体制やコンティンジェンシープランなどの見直しに取り組みました。お客様向けのサービスでは、不正アクセスの拡大を防ぐことを目的に、ログイン時の多要素認証をすべてのお客様に必須化いたしました。加えて、すべての取引チャネルにおいて、ログイン時の「パスキー」(FIDO2[ファイド2]準拠)を導入し、さらなるセキュリティの強化を図りました。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、特に断りがない限り、当事業年度末(2026年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社は、「お客様の豊かな人生をサポートする。」ことを企業理念(MISSION)とし、「個人投資家にとって価値のある金融商品・サービスを提供する。」ことを企業目標(VISION)としています。企業理念、企業目標を実現するうえでは、優位性のある顧客体験価値を提供することが何より重要だと考えています。そこで、強固な財務基盤や安定した取引システムの提供、お客様に寄り添ったサポート体制など、金融機関としてお客様からの信頼に応えること、堅実な企業活動を維持し、発展させていくことが、「投資そのもの、及び証券会社選びの安心感」につながると考え、当社の1つ目の提供価値であると定めています。加えて、投資自体が楽しくより身近で魅力的なものに、そしてお客様の人生における発見と成長につながる知的好奇心がわくような体験にしたいという思いから、投資についての多様な「アイデアの提供」を2つ目の提供価値としています。このような考えをコーポレートスローガン「投資をまじめに、おもしろく。」において示しています。そして、コーポレートスローガンを体現するため、お客様からの信頼に応える「安定した取引環境」の提供、投資を始めるハードルを下げ、より多くのお客様へ発見と成長の機会を届ける「様々な顧客ニーズを満たす豊富な商品」、「トライアルバリアの低い商品・サービス」、「シンプルでわかりやすいサービス」の提供、さらに一歩先を行くオンライン証券を目指して、お客様それぞれのニーズに沿ったきめ細やかな対応を実現する「パーソナライズされたサービス」の提供に努めて参ります。なお、当社は、経営資源をオンラインベースの事業に集中することで、効率的なオペレーション体制を維持して参りました。オンライン中心のコミュニケーションの広がりを背景に、オンラインベースの事業の優位性は一層高まるものと考え、オンラインベースのビジネスモデルに集中する方針を堅持して参ります。 (2) 経営環境日本国内における株式のオンライン取引サービスは、1998年に始まりました。それ以降、個人の株式等委託売買代金に占めるオンライン証券会社顧客の比率は年々上昇を続け、現在では9割を超えています。一方、個人の株式保有額に占めるオンライン証券会社顧客の割合は、未だ3割程度に留まっていますが、その比率は年々拡大しています。対面型の証券会社からオンライン証券会社への株式資産の流入は継続しており、今後も、オンライン証券会社を通じた個人株式等委託売買代金の拡大余地があるものと考えます。加えて、日本国内のインフレ定着を背景とした資産防衛を目的として、個人による株式、投資信託、不動産、金、外貨建て資産に対する投資への関心が高まっております。2024年に開始した新NISA制度を契機に、株式や投資信託への投資を新たに始める動きも広がっており、証券市場における個人投資家のすそ野はさらに拡大するものと見込まれます。この動きは、オンライン証券業界にとって追い風であると捉えております。オンライン証券業界においては、個人の株式等委託売買代金は当社を含む大手オンライン証券会社5社(当社、SBI証券、楽天証券、三菱UFJ eスマート証券、マネックス証券)によって占められているほか、各社シェアの順位にも大きな変動はなく、一定の均衡状態が続いていました。ところが、2023年にSBI証券、楽天証券の2社が株式売買委託手数料の無料化に踏みきったことにより、各社は、信用取引、FX(外国為替証拠金取引)、投資信託、ホールセール事業、資産運用業、暗号資産関連事業等への事業拡大に注力するなど、収益源の多様化を進めています。そのような中で、当社以外のオンライン証券会社は、いずれも1,000万人以上の顧客基盤を持つコングロマリットの傘下企業であり、グループ各社の顧客基盤と経営資源を相互に活用して事業の拡大、規模の拡大を目指していると推測されます。これは、顧客一人ひとりの資産規模や取引規模は小さいながらも、数多くの顧客にアプローチすることで収益をあげるという、ロングテールのビジネスモデルを目指すものと考えられます。一方で、当社は大手オンライン証券5社では唯一の独立系企業であり、投資を楽しみ、投資に能動的に取り組んでいるお客様をコアのターゲット顧客として事業を推進しております。コアのターゲット顧客を効率的に獲得すること、そしてそのようなお客様のニーズを充足する商品やサービスに注力することが、競合他社との差別化を図り、業界における独自のポジショニングを確立し、プレゼンスを高めていくための唯一の方法だと考えています。このように、一部競合他社の手数料無料化を契機に、収益構造の見直し、収益源の多様化が業界共通のテーマとして顕在化し、その結果として、オンライン証券会社各社のビジネスモデル、及び重点的に取り組む分野の違いも鮮明化してきたものと考えます。 (3) 経営目標当社は、企業目標を達成するために以下の経営目標を定めております。① 付加価値の高いサービスを提供し、価値に見合う適正な対価を得る。② 経営資源を有効活用し、利益及び株主価値の向上を目指す。③ 株主資本コスト(現状8%)を上回るROEを達成する。当事業年度のROEは19.6%となり、株式等委託売買代金の増加、預託金の収益分配金の増加、FX取引の拡大等を背景に、前事業年度の13.8%から上昇しました。引き続き、上記の目標値を達成しており、今後も中長期的な資本効率の向上に努めます。 (4) 中長期的な会社の経営戦略当社は、経営目標を達成するための経営戦略として以下5点を定め、その実現に向けて取り組んでおります。① 大手オンライン証券会社として認知される「強いブランドの構築」② オンライン証券会社として備えるべき金融商品・サービスの「ラインアップの充実」、独自性を意識した「特色のあるサービスの提供」③ 優位性のある顧客体験価値を提供し続ける「サービスクオリティの向上」④ 中長期的な成長機会の創出に向けた「新規事業の探索・事業の多角化」⑤ これらの事業・サービスの提供を支えるための基盤となる「多様性のある自律的な組織の実現」 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題以上に記載の経営の基本方針及び経営目標を踏まえて中長期的経営戦略を実行していく上で、当社が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は以下の通りであります。 (a)強いブランドの構築当社は、「金融機関としての信頼性」と「知的エンターテインメント性」を両立した事業展開を推進することが、強いブランドの構築に資するものと考えています。「金融機関としての信頼性」を向上する点については、お客様から安心して取引できる金融機関として認知されるため、強固な財務基盤や安定した取引システムの提供、金融機関としての信頼性の維持・向上に資するコンプライアンス体制の強化、お客様に寄り添ったサポート体制など、堅実な企業活動の維持・発展に努めております。なお、「金融機関としての信頼性」は、認知度によって確立される面があり、長期的な顧客基盤の維持・拡大のために、継続的に認知度の強化に取り組んで参ります。当事業年度においては、俳優の広瀬アリスさんを起用した新CMを全国で放映したほか、プロeスポーツチーム「FENNEL」とスポンサー契約を締結するなど、認知度向上に向けた取組を強化しました。また、当社のYouTube公式チャンネルの登録者数は79万人を突破し、総再生回数は1.8億回を超え、金融機関が運営するメディアでNo.1のブランドを確立し、認知度向上にも大いに貢献しております。一方の「知的エンターテインメント性」を推進する点については、商品・サービスの開発、マーケティング活動、投資情報の提供、コールセンターにおけるサポートなどを通じて取り組んで参ります。当事業年度においては、引き続き投資の「おもしろさ」を伝える動画コンテンツを多数公開しております。人気の「資産運用!学べるラブリー」においてはシリーズ初のLIVE配信を実施したほか、様々な分野の有識者同士の対話を通じて投資のヒントを提供する「MATSUI DIALOG」など、継続して新たなコンテンツを提供しました。また、投資情報メディア「マネーサテライト」をリニューアルし、従来の動画によるマーケット情報の解説に加え、テキスト形式による解説記事の配信を開始するなど、投資家のニーズに合わせた情報発信の拡充を行い、顧客にとって発見や成長につながる多様なアイデアの提供に努めました。これらの動画をきっかけに、松井証券を知り、投資に興味を持つ方が増えており、強いブランドの構築に寄与しています。その他、個人投資家に人気のあるIPO銘柄においては、ベンチャーキャピタルとの連携を強化して引受件数の向上に努めた結果、引受参入率は69%となり、IPO銘柄の取扱数において、業界2位となりました。 (b)ラインアップの充実、特色のあるサービスの提供お客様に選ばれるオンライン証券会社になるためには、年齢・志向・資産状況などが異なる個人投資家の多様なニーズに応える金融商品・サービスを提供していくことが欠かせません。当社の新規口座開設者の4割以上が30代以下の投資初心者層であることを考えると、金融商品・サービスの多様化によって投資への入り口をより広げるとともに、標準的な金融商品・サービスを取り揃え、お客様が証券会社を検討する際の「非選択理由」をなくす必要があります。当事業年度においては、株式会社ジェーシービーとの協業による「クレジットカードによる投資信託積立サービス」を開始しました。また、証券取引を快適にする銀行サービス「MATSUI Bank」について、近年の金利上昇を背景に、お客様の待機資金により高い収益機会を提供すべく、「証券残高連動 円普通預金ランク別金利プログラム」を導入し、最高で年0.65%という業界最高水準の金利を実現しました。FXビジネスでは、自動売買に適した「ノルウェー/スウェーデン」を含む10通貨ペアの取扱を開始することで合計32通貨ペアの取引が可能となり、取引の選択肢を拡充しました。 (c)サービスクオリティの向上オンライン証券各社が提供する金融商品には大きな差がないため、サービス水準を充実させることや利便性の高い取引・情報ツールを継続的に提供していくことなど、優位性のある顧客体験価値を提供することによって、お客様にとって価値の高い証券会社と認識していただけるものと考えております。また、オンライン証券という業態ではあるものの、お客様からの問い合わせや相談事について、ヒューマンタッチなコミュニケーションの機会を提供することも、顧客体験価値の向上につながると考えています。当事業年度においては、株式ビジネスにおいて、投資をアクティブに行うお客様から好評をいただいている「東証売買内訳データ」をもとにした分析機能をアプリだけでなくPCでも利用可能とし、利便性の向上を図りました。FXビジネスでは、コアタイム制導入による米ドル円のスプレッド縮小や人気通貨のスプレッド縮小など、取引条件の改善に加え、アプリの継続的な機能改善に取り組みました。米国株ビジネスでは、プレマーケット取引への対応と投資情報ツール「マーケットラボ米国株」の提供を開始し、より快適な取引環境を実現しました。顧客サポートにおいては、コールセンターのキャパシティ拡大を通じて、いつでも電話が繋がる受電体制の構築に努めました。セキュリティ強化を目的とした多要素認証の必須化により、一時的に応答率が低下した際には、速やかなオペレータの増員や、休日受付・受付時間拡大により、高水準の顧客対応品質を確保しました。また、「株の取引相談窓口」では、お客様一人ひとりのご希望や投資スタイルに寄り添い、銘柄探しや取引タイミング等の意思決定をサポートし、快適にお取引いただけるサービスを提供しました。その結果、第三者評価機関であるHDI-Japan(ヘルプデスク協会)が主催する「2025年度問合せ窓口格付け(証券業界)」において、最高評価の「三つ星」を15年連続で獲得しているほか、J.D. パワー ジャパンが実施する「J.D. パワー 2025年カスタマーセンターサポート満足度調査SM<金融業界編>」において、ネット証券部門にて2年連続1位を受賞しています。 (d)新規事業領域の探索・事業の多角化中長期的な企業価値向上には、新たな成長領域の探索が不可欠であると認識しています。オンラインベースのビジネスを中核としつつも、お客様起点でのニーズや課題に対応できる最適な金融サービスの提供を目指し、新規事業領域の探索・事業の多角化に取り組んでいます。当事業年度においては、株式会社エージェントIGホールディングスとの資本業務提携契約を締結しました。保険領域において、同社グループが有する専門性の高いファイナンシャル・プランニング・サービスと連携し、お客様のライフプランに基づいた最適な保険商品を提案することで、様々な金融ニーズへの対応を可能としました。 (e)セキュリティの強化セキュリティの確保は、オンライン証券会社の生命線です。お客様が安心して取引することができるよう、口座への不正アクセスやサイバー攻撃といった想定されるリスクへの対策に努めます。当事業年度においては、金融庁のサイバーセキュリティセルフアセスメントへの対応や、サイバーセキュリティガイドラインに準拠するための対応を進めることで、さらなる社内体制の強化を図る上での課題を認識し、改善に取り組みました。また、様々なサイバーセキュリティ演習に参加し、結果を踏まえた社内管理体制やコンティンジェンシープランなどの見直しに取り組みました。お客様向けのサービスでは、不正アクセスの拡大を防ぐことを目的に、ログイン時の多要素認証をすべてのお客様に必須化いたしました。加えて、すべての取引チャネルにおいて、ログイン時の「パスキー」(FIDO2[ファイド2]準拠)を導入し、さらなるセキュリティの強化を図りました。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。また、当社はオンライン証券取引サービスの単一セグメントであるため、セグメントごとの記載を省略しております。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末(2026年3月31日)現在において、当社が判断したものであります。 (1) 経営成績の状況及び分析当事業年度の国内株式市場は、期首に35,900円台で取引を開始した日経平均株価が、米関税政策による世界的な景気後退リスクから、4月7日に31,100円台まで急落しました。その後は、貿易摩擦による世界景気悪化懸念の後退、イスラエル・イランの軍事衝突終結による中東情勢の鎮静化や米連邦準備理事会(FRB)の利下げ期待などを受け、株価は堅調に推移しました。9月以降は、石破首相辞任に伴う次期政権への期待感や高市首相就任を受けたより積極的な財政・金融政策への期待の高まりから株価は上昇し、10月末には史上初の50,000円を突破しました。その後は急騰の反動や日中関係の緊張化などから50,000円を割り込む場面もありましたが、1月以降は衆院解散観測を受けた積極財政への期待感、衆院選での自民党の歴史的な圧勝や、日銀の早期の利上げ観測が後退したことなどから、2月末に株価は史上最高値となる58,583円を付けました。3月は、米国・イスラエルのイラン攻撃による中東情勢の緊迫化、原油価格の高騰、停戦に向けた思惑から値動きの激しい相場となりました。月間の下げ幅としては過去最大を記録し、3月末の日経平均株価は51,063円で取引を終えました。このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前事業年度と比較して32%増加しました。当社の主たる顧客層である個人投資家については、堅調な株価推移を背景に日本株に対する期待感が盛り上がった局面と、大きく株価が動いた局面で取引が拡大し、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は同37%増加となりました。なお、二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は25%となりました。当社の株式等委託売買代金については同35%の増加となりました。以上を背景に、営業収益は52,660百万円(同34.3%増)、純営業収益は49,087百万円(同32.2%増)と大幅な増加となりました。また、営業利益は23,462百万円(同50.1%増)、経常利益は23,813百万円(同55.7%増)、当期純利益は15,480百万円(同47.4%増)と大幅な増加となりました。収益・費用の主な項目については以下の通りです。 (受入手数料)受入手数料は25,963百万円(同30.0%増)となりました。そのうち、委託手数料は24,805百万円(同31.3%増)となりました。これは主として、株式等委託売買代金の増加によるものです。 (トレーディング損益)トレーディング損益は、主としてFX取引のトレーディング益により、5,819百万円(同55.1%増)の利益となりました。 (金融収支)金融収益から金融費用を差し引いた金融収支は17,306百万円(同29.0%増)となりました。これは主として、金利水準の上昇等を背景に預託金の収益分配金が増加したことによるものです。 (販売費・一般管理費)販売費・一般管理費は、同19.2%増の25,625百万円となりました。これは主として、広告宣伝費の増加等により取引関係費が同25.1%の増加となったこと、事務委託費の増加により事務費が同19.0%の増加となったこと、人件費が同24.6%の増加となったことによるものです。 (特別利益)フィッシング詐欺やマルウェア被害によるものとみられる顧客口座に対する不正アクセスに伴う不正取引について、対応に要した経費に対するサイバーセキュリティ保険金を、受取保険金として計上しております。 (特別損失)不正取引による被害を受けた顧客への補償費用を、支払補償金として計上しております。 以上を背景に、当事業年度のROE(自己資本当期純利益率)は19.6%となりました。当社は、株主資本コスト(8%)を上回るROEを中長期的に達成することを経営目標としております。当事業年度のROEは、株式等委託売買代金の増加、預託金の収益分配金の増加、FX取引の拡大等を背景に、前事業年度の13.8%から上昇しました。今後も中長期的な資本効率の向上に努めてまいります。 (2) 経営成績に重要な影響を与える要因について当社の主たる事業は、個人投資家向けの株式等委託売買業務であり、収入項目としては受入手数料、とりわけ株式等売買に関する委託手数料が当社の業績に重要な影響を及ぼします。また、主として信用取引に起因する金融収益についても当社の業績に重要な影響を及ぼす要因となります。しかしながら、その水準はともに株式市場の相場環境に大きく左右されます。 (3) 財政状態の状況及び分析当社の主な資産は、顧客からの預り金や受入保証金等を信託銀行に預託した顧客分別金信託(預託金に含まれます)と、信用取引貸付金を中心とする信用取引資産です。一方、信用取引貸付金に充当することを目的として、短期借入金等による調達を行っております。当社の主な負債は、預り金、受入保証金及び短期借入金です。 当事業年度末の資産合計は、対前事業年度末比20.7%増の1,354,059百万円となりました。これは主として、預り金及び受入保証金等の増加に伴い預託金が同20.6%増の749,012百万円となったことや、信用取引貸付金が同27.1%増の423,617百万円となったことによるものです。負債合計は、同21.7%増の1,271,712百万円となりました。これは主として、受入保証金が同31.9%増の369,701百万円となったこと、預り金が同17.3%増の426,780百万円となったことや、信用取引貸付金の増加に伴い信用取引借入金及び短期借入金の合計が同18.1%増の370,801百万円となったことによるものです。純資産合計は、同7.5%増の82,347百万円となりました。当事業年度においては、2025年3月期期末配当金及び2026年3月期中間配当金計11,073百万円を計上する一方、当期純利益15,480百万円を計上しております。 (4) キャッシュ・フローの状況及び分析当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、3,468百万円のプラス(前事業年度は43,362百万円のマイナス)となりました。預り金及び受入保証金が増加したことに伴いキャッシュ・フローのプラスが生じた一方、預託金が増加したことに伴いキャッシュ・フローのマイナスが生じております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、6,317百万円のマイナス(前事業年度は4,373百万円のマイナス)となりました。これは、無形固定資産の取得による支出や投資有価証券の取得による支出が主な要因です。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、2,880百万円のプラス(前事業年度は53,202百万円のプラス)となりました。これは、配当金の支払があった一方、短期借入金が純増加となったことが主な要因です。 以上の結果、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、81,748百万円(前事業年度末は81,716百万円)となりました。 (5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社は、「ラインアップの充実」、「特色のあるサービスの提供」、「サービスクオリティの向上」を経営戦略として位置付けております。このため、各事業年度において、オンライン証券取引サービスを継続的に提供するとともに、各種新サービスの追加や取引システムの能力強化あるいは改良等に必要なシステム投資を中心とする設備投資を継続的に行っております。一方で、日々の業務運営に手元資金を必要とするほか、主たる業務である信用取引貸付金の原資を必要としております。手元資金は、株式等委託売買や株券貸借取引等に伴う決済のほか、顧客への出金等に対応するために十分な水準を確保しておりますが、日々の決済等の状況により、必ずしもその水準は一定しません。 当社が行う資金調達は、主として信用取引貸付金の原資に対応するものです。経常的な信用取引貸付金の増減については、銀行等金融機関からの短期借入金の増減を中心に対応しております。信用取引貸付金の水準が大きく増加する場合に備えて、社債による資金調達を機動的に行えるよう発行登録も行っておりますが、当事業年度末現在においては、信用取引貸付金と内部留保の水準を踏まえ、資金調達の大部分はコールマネーを含む短期借入金によっております。なお、複数の金融機関と当座貸越契約やコミットメントライン契約を締結することで、資金調達の安全性を確保しております。 当社は、中長期的に株主資本コストを上回るROEを達成することを経営目標としており、株主還元は、株主資本コスト相当額以上を配当として実施する方針です。当事業年度末現在の株主資本コストは、資本資産評価モデルを参考に8%と想定していることから、経営目標として中長期的に8%を上回るROEを達成するとともに、配当政策として各期8%以上の純資産配当率(DOE)を実現することとしております。併せて、各期の配当性向については60%以上とすることとしております。株主還元の結果内部留保が増加する場合においては、信用取引貸付金の原資や設備投資資金等として有効に活用いたします。なお、次期より株主利益還元策を変更しております。詳細は「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照ください。 (6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 日本株ブローキング事業への依存松井証券は、個人投資家向けの日本株ブローキング事業が純営業収益の約8割を占めており、この事業への依存度が高いことがリスクです。株式市況の低迷や競争激化による手数料・金利の引き下げは、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 激しい競争環境オンライン証券業界では、SBI証券や楽天証券などの大手競合他社が手数料無料化に踏み切るなど、競争が激化しています。資金力や技術力、知名度で優位な競合他社との競争により、顧客流出や新規顧客獲得数の減少、広告宣伝費の増加が業績に悪影響を与える可能性があります。
- 信用取引に関するリスク信用取引は主要な収益源ですが、顧客への信用供与に伴うリスクがあります。信用取引残高の増加は自己資本規制比率を引き下げる要因となり、顧客の信用リスク顕在化や担保価値の下落は、損失回収不能につながる可能性があります。また、資金調達が困難になった場合、信用取引の制限や金利収入の機会損失が発生するリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、特に断りがない限り、当事業年度末(2026年3月31日)現在において当社が判断したものであります。 (1) 日本株ブローキング事業への依存度が高いことについて当社は、経営資源をオンラインベースの証券取引サービスに集中する戦略をとっており、個人投資家向けの日本株ブローキング事業が当事業年度の純営業収益全体の約7割を占めています。日本株ブローキング事業における主要な収益源は、株式等委託手数料収入及び信用取引顧客への資金や有価証券の貸付け等から得られる金利及び貸株料収入等です。今後、株式市況の低迷等により個人投資家の株式等委託売買代金や信用取引残高が減少する場合や、競争環境の変化によって、当社の株式等委託売買代金及び信用取引残高が減少する場合、あるいは、競争上、手数料や金利・貸株料水準を引き下げることになった場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、日本株ブローキング事業を強化すると共に、FX事業・米国株事業・投資信託事業をはじめとするオンラインベースでの商品・サービスの強化に加え、新規事業の探索や事業の多角化を通じた収益源の多様化を積極的に進める方針ですが、対象分野における市場動向や他社との競争環境の変化により、必ずしも見込み通りに業容の拡大が進む保証はありません。 (2) 他の金融機関との競争について当社は、個人投資家向けの日本株ブローキング事業を主たる事業としておりますが、同事業を行う競合他社には、当社に比べ、資金力、技術力、マーケティング力、サービス面、知名度、顧客基盤等において強みを持つ者が存在し、厳しい競争に晒されています。中でも、顧客獲得のため、無料もしくは、より低価格の委託手数料を提示するオンライン証券会社が多数存在しております。その他、近年は、大規模な顧客基盤を有するプラットフォーマーが金融事業に参入、または強化する動きも見られ、競争環境はこれまで以上に厳しくなることも想定されます。今後、他の金融機関との競争がさらに激化した場合には、当社の既存顧客の他社への流出、新規顧客獲得数の減少、顧客獲得に要する広告宣伝費の増加により、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 信用取引等に関するリスクについて①信用取引が自己資本規制比率に及ぼす影響について金融商品取引業者には、金融商品取引法、金融商品取引業等に関する内閣府令及び金融商品取引業者の市場リスク相当額、取引先リスク相当額及び基礎的リスク相当額の算出の基準等を定める金融庁告示(以下「金融庁告示」といいます。)に基づき、一定の自己資本規制比率の維持が求められています。自己資本規制比率とは、固定化されていない自己資本額の、保有する有価証券の価格の変動その他の理由により発生し得るリスク相当額に対する比率をいいます(金融商品取引法第46条の6)。金融商品取引業者は自己資本規制比率が120%を下回ることのないようにしなければなりませんが(同法同条第2項)、当社の自己資本規制比率は、2026年3月末現在、十分な水準を維持しております。金融庁告示により信用取引資産の2%が取引先リスク相当額とされており、信用取引残高の増大は、当社の取引先リスクを増大させることから、自己資本規制比率を引き下げる要因となります。今後、当社の信用取引残高が増加し続けた場合、自己資本規制比率を維持するためには、自己資本等の調達が必要となります。その際、当社が十分な自己資本等の調達が行えなかった場合、当社は顧客への信用供与を制限せざるを得なくなります。その場合には、当社の株式等委託手数料収入・金利収入において機会損失が発生する可能性があります。また、規制内容が改正され、取引先リスク等の算定方法が変更された場合、自己資本規制比率を引き下げる要因となり得ます。 ②顧客の信用リスクについて当社が収益の柱としている信用取引においては、顧客への信用供与が発生するため、市況の変動によっては顧客の信用リスクが顕在化する可能性があります。すなわち、顧客が信用取引等で損失を被った場合、または担保となっている代用有価証券の価値が下落した場合、顧客が預託する担保価値が十分なものでなくなり、顧客の損失を十分に回収できない可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、株価指数先物取引、日経平均株価指数オプション取引(売建)及びFX(外国為替証拠金取引)においても、類似のリスクがあります。 ③資金調達に係るリスクについて当社は、信用取引貸付金の原資として、制度信用取引については、自己調達資金に加え証券金融会社からの借入を利用しておりますが、市況の変動により、証券金融会社に差入れた有価証券等の担保価値が低下した場合、追加の担保の差入れを求められることがあり、そのための借入等は当社が独自に行う必要があります。また、一般信用取引については、通常制度信用取引に比して証券金融会社からの資金の借入に制約があるため、現在は主に金融機関からの借入等により賄っておりますが、金融市場の動向、当社の経営状況あるいは当社の格付けの低下等によっては、適切な資金調達が行えない可能性があります。今後、調達費用の水準によっては当社の金融収支が悪化する可能性、あるいは必要資金の手当てができない場合、一般信用取引の利用を制限する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があるとともに、手数料収入・金利収入において機会損失が発生する可能性があります。 また、金融機関からの借入金の返済等に際して、金融市場の動向、当社の経営状況あるいは当社の格付けの低下等によっては、借り換えあるいは新規の借入や社債の発行等による資金調達が適切な条件で行えない可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) システムリスク及び事務リスクについて顧客の取引に関する情報を、瞬時かつ大量に処理するオンライン証券取引業務にあっては、システムの安定稼動は重要な要素であり、システムに何らかの障害またはサイバー攻撃による被害が発生し、機能不全に陥った場合には、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。システム障害は、ハードウエア、ソフトウエアの不具合及び誤操作・誤処理等の人為的ミスによるもののほか、アクセス数の突発的な増加、通信回線の障害、コンピュータウイルス、コンピュータ犯罪、災害等によっても生じ得るものであります。当社が利用しているシステムは、アクセス数の増加を見込んだ上で設計されているほか、システムの二重化等想定される様々なリスクへの対策を講じておりますが、想定を大幅に上回る注文が集中した場合や、その他の要因によりシステムに被害または停止等の影響が生じる場合には、顧客からの注文を適切に処理することができなくなる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、サイバー攻撃に対するシステムの防御に努めておりますが、それが十分または適切でなく、サイバー攻撃による被害が発生する場合には、システムの機能不全や顧客情報の漏洩等が発生する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、外部委託先を含む関係者のシステムへの接続について、それぞれの業務に応じて権限を付与するとともに、利用状況をモニタリングしておりますが、それが十分または適切でなく、システムの不正利用等を防げなかった場合には、顧客情報の漏洩等が発生する可能性があります。なお、各種業務において事務処理が適切に行われないことにより、サービスの品質低下やその他の問題が発生する可能性がありますが、その場合においても、システムの機能不全が直接または間接的に影響する場合があります。システム障害やサイバー攻撃、あるいはシステムの不正利用等が発生した場合や、不適切な事務処理が行われた場合には、当社が、監督官庁による処分を受ける可能性または損害賠償請求を含む何らかの責任を問われる可能性があるほか、当社のシステム及びサポート体制に対する信頼が低下し、顧客離れが生じる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 顧客口座に対する不正アクセス及び不正取引のリスクについて当社は、顧客口座に対する不正アクセスや不正取引の予防及び検知のためのセキュリティ対策の実施に努めておりますが、顧客口座へのログインや取引の実行に必要な認証情報の顧客からの不正取得等(いわゆるフィッシング詐欺やマルウェア被害を含みますが、必ずしもそれに限られません。)により、悪意がある第三者が顧客口座に対する不正アクセス及び不正取引を行う場合、当社システムのセキュリティに対する信用が低下し、顧客離れが生じる可能性があるほか、不正取引等に伴う顧客の損害に対する一定の補償を行う必要が生じる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (6) 引受業務について当社は、新規公開株式等の引受業務を行っておりますが、有価証券の引受けを行う際、当社に引受責任が生じるため、引受リスクが発生します。当社は、公募・売出残株が生じないよう慎重に引受金額等の決定を行っておりますが、当社が引き受けた有価証券を販売することができない場合、公募・売出残株の株価動向によっては、当社は損失を被る可能性があります。また、引受業務を行った企業に何らかの不祥事が発生した場合、当社に対する信頼が低下し、顧客離れが生じる可能性があるほか、顧客より損害賠償請求等の責任を問われる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (7) 個人情報等の取扱いについて顧客の個人情報及び個人番号の不正取得や改変等の被害を防止することは、当社が事業を行う上で重要であります。当社は個人情報等が不正に使用されないよう十分なセキュリティ対策や、社内の管理及び業務委託先に対する監督を行っておりますが、今後、個人情報等の漏洩等があった場合、損害賠償の請求や、監督官庁による処分を受ける可能性があるほか、当社の信用が著しく低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 また、他の証券会社や電子商取引を行う企業のセキュリティや情報管理に対する信頼の低下が、インターネット、さらには、当社のシステムの信頼性の低下につながる可能性もあります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (8) 外部事業者との契約について当社は、様々な業務に関して、多くの外部事業者と契約を結んだ上で業務を委託しております。特に、当社の株式取引システムの開発・運用を委託しているSCSK株式会社は、当社の重要な業務委託先であります。また、顧客に提供している自動更新型のトレーディングツール、顧客取引用ウェブサイト、FX(外国為替証拠金取引)・投資信託・米国株の取引システムについて、それぞれの開発・運用を複数の外部事業者に委託しております。当社が顧客へ提供する企業情報・市況情報は、外部事業者から提供を受けております。また、札幌センターにおける顧客問合せ対応業務についても、外部事業者から労働者派遣を受けて運営しております。なお、外部事業者への業務委託等は以上に限らず多岐にわたっております。これらの外部事業者が、何らかの理由で当社へのサービスの提供を中断または停止する事態が生じ、当社が速やかに代替策を講じることができない場合、当社の業務に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、SCSK株式会社との契約関係が維持できなくなった場合、または、同社のソフトウエア開発能力の低下等により、当社のシステムに問題が生じまたはそれが陳腐化し、顧客の信用を維持することができなくなった場合、当社あるいは第三者が新たに代替システムを構築する必要性が生じます。その際、速やかに適切な代替手段を講じることができない場合、当社は顧客へのサービスの提供を停止する可能性があり、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、外部事業者との契約の改定等により、外部事業者に支払う費用の増額を求められる可能性があり、その場合には同様に、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、外部事業者において法令・規則等に対する違反等があった場合、委託元である当社が監督官庁による処分を受ける可能性があるほか、当社の信用が著しく低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (9) FX(外国為替証拠金取引)及び米国株取引について当社は、顧客に対するFX(外国為替証拠金取引)サービスの提供とそれに伴う利益獲得を目的として、顧客との間で外国為替証拠金取引を行う一方、その為替変動リスクを制御するために、カウンターパーティーと外国為替証拠金取引を行っております。顧客との取引で発生したポジションにつき、カバー取引を行わない範囲については、ポジションを保有するリスクが発生するため、為替変動リスクに晒されておりますが、原則として、各営業日の取引終了時点における顧客のポジションについては、すべてカバーすることとしています。当社は、外国為替証拠金取引に係るトレーディングに関して、リスク限度額を社内規程で定めるほか、社内規程等に基づき、原則として事前に設定されたアルゴリズムに基づくカバー取引・マリー取引を行うことで為替変動リスクの制御に努めております。しかしながら、こうした当社の方針にも関わらず、予期せぬ為替相場の変動により、アルゴリズムにおける想定を超える為替損失が発生した場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 なお、カバー先に差し入れている保証金は当社の自己資金で充当しているため、当社はカバー先の信用リスクを負っております(顧客の証拠金は、自己の資金とは完全に区分して、信託銀行に預託しています)。今後の経済情勢等の変化により、カバー先の信用リスクが顕在化した場合には当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、米国株取引においても取次先に保証金を差し入れており、その保証金は当社の自己資金で充当しているため、当社は取次先の信用リスクを負っております(顧客からの預り金等は、自己の資金と完全に区分して、信託銀行に預託しています)。このため、上記の外国為替証拠金取引に関してカバー先へ差し入れている保証金と同様のリスクがあります。なお、米国株取引においても信用取引を提供しております。信用取引のリスクは、「(3) 信用取引等に関するリスクについて」における信用取引及び一般信用取引のリスクの記載をご参照ください。 (10) 法令・規則等の改定による新たな規制の導入について金融商品取引法、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律、犯罪による収益の移転防止に関する法律、不当景品類及び不当表示防止法、個人情報の保護に関する法律、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律、銀行法、その他の法令・規則等の改定等により、当社が行っている業務に対し、新たな規制が導入された場合には、関係業務の収益性が低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (11) 法令・規則等の遵守について当社は、金融商品取引法、金融サービスの提供及び利用環境の整備等に関する法律、銀行法、その他の法令・規則等に服しており、コンプライアンス体制の強化に努めておりますが、今後、法令・規則等に対する違反等があった場合、監督官庁による処分を受ける可能性があるほか、当社の信用が著しく低下する可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社は、法令・規則等を遵守するよう、役職員等に対するコンプライアンスの徹底を図っておりますが、その対策が有効に機能せず、役職員等による不正や内部者取引等の金融商品取引法その他の法令・規則等に対する違反等があった場合、当社の信用の低下につながる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (12) 自然災害等について当社は、自然災害、火災、感染症の流行等によって通常の事業運営が困難となった場合に備え、事業継続計画を策定し、関連マニュアルの整備、定期的な訓練等を実施しておりますが、地震等の自然災害、火災、長期間の停電、感染症の流行、国際紛争、テロ攻撃等が発生した場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、当社は本社オフィス等の主要な事業所や設備を首都圏に置いていることから、首都圏において自然災害等が発生した場合には、サービスの提供を停止する等の影響が生じる可能性があります。その場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (13) その他当事業年度末現在において、重要な訴訟等は発生しておりません。