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イー・ギャランティ(8771)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

その他金融業 金融(除く銀行)

事業の概要

  • 信用保証事業の展開
    イー・ギャランティは、企業間取引で発生する売掛金などの債権が回収不能になるリスクを保証する「信用保証事業」を専門に行っています。この事業は単一セグメントで構成されており、事業会社や金融機関が抱える未回収リスクを引き受け、保証料を収益としています。全国に広がる独自の営業網と提携金融機関のネットワークを通じて、多様な顧客の保証ニーズに対応しています。
  • 信用リスクのマーケットメイク
    同社は、引き受けた信用リスクを自社で保有するだけでなく、多くのファンドや金融機関に「流動化」しています。これは、信用リスクを金融商品のように組成し、投資家(流動化先)のニーズに合わせて提供することで、信用リスクの売買市場(マーケット)を作り出す役割を担っていることを意味します。このプロセスを通じて、信用リスクを仕入れて流動化することで収益を得ています。
  • 保証サービスの多様な提供
    事業法人向けには、売上債権などの未回収リスクを保証するサービスを提供しており、国内取引だけでなく海外取引にも対応しています。顧客のニーズに応じて、複数の取引先をまとめて保証する「包括保証」と、特定の取引先を個別に保証する「個別保証」の2種類があり、それぞれ売上高に応じた課金方式や固定の限度額課金方式が選択可能です。これにより、顧客は与信管理業務の軽減や新規ビジネス展開を支援されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 信用保証事業
    イー・ギャランティの事業は「信用保証事業」という単一のセグメントで構成されています。これは、企業間取引における債権の未回収リスクを引き受け、保証料を得ることを主な収益源とする事業です。同社はこの分野に経営資源を集中しており、事業会社や金融機関が抱える信用リスクの解決に特化しています。
  • 事業法人向け保証サービス
    このサービスは、売上債権を主とした企業間の商取引で発生する債権の未回収リスクを保証するものです。国内取引だけでなく、輸出債権などの海外取引にも対応しており、顧客の取引先が倒産などで債務不履行になった場合に、設定された限度額内で保証金を支払います。顧客は「包括保証」と「個別保証」から選択でき、与信管理の軽減や新規ビジネス展開を支援します。
  • 金融法人向け保証サービス(リスク・マーケット・サービス)
    このサービスは、金融機関が保有する各種債権の信用リスクを引き受けるもので、「リスク・マーケット・サービス(RMS)」と呼ばれています。同社は、金融機関が自ら行う信用保証事業の再保証や、債権流動化に伴う立替払い債権などの信用リスクを受託します。引き受けたリスクは、流動化先のニーズに合わせて運用商品として組成し、金融機関等に提供することで、信用リスクの交換市場を提供しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,739 文字
3 【事業の内容】当社グループの事業は、「信用保証事業」のみの単一セグメントにより構成されております。当社グループは、事業会社及び金融機関が企業間取引で負うことになる各種債権の未回収リスクの受託を行っております。当連結会計年度末日現在、独自の営業網として、東京本社、大阪、北海道、名古屋、九州、東北、北陸、中四国及び広島支店を展開し、全国各地で強固な基盤を持つ地方銀行や大手金融機関を始め、商社、リース会社、一般企業の保険代理店子会社、信用金庫、税理士法人、会計事務所等との提携により、自社の経営資源によらない販売網を構築しております。これらの販売網を活用し、全国の企業に対して信用リスク受託の拡大を図っております。このような営業展開による信用リスク受託に伴い、当社グループは多くの企業の倒産リスクに晒され、多大なリスクを保有することになりますが、これらの信用リスク受託を円滑に実現するために、引受けるリスクを、情報提供会社等から入手した情報に加え、当社グループにて収集した定性的な情報を含む企業信用情報により構築したデータベースに基づき分析・審査を行ったうえで、信用リスクの移転を目的として数多くのファンドや業態の異なる多様な金融機関に流動化を行っております。当社グループは信用リスクの流動化にあたり、各ファンド・金融機関等が一種の運用商品のような形で信用リスクを引受けることができるよう、流動化先である各ファンド・金融機関等のニーズに合致したリスクポートフォリオの組成を行うことで、魅力あるリスク商品の引受機会を提供しております。これら一連のプロセスを通じて信用リスク自体を顧客から仕入れ、流動化するというマーケットメーカーとしての役割を担っております。 (当社グループの機能) 本スキームにおいて当社グループの担う機能を段階別に説明すると下記のとおりであります。 (1) 多様で分散可能なリスクを集める機能当社グループは、顧客である事業会社や金融機関等の持つ多様な法人向け債権の未回収リスクを受託することにより保証料を得ます。事業分野を信用リスク受託に特化する形で経営資源を集中し、顧客ニーズに基づいた受託形態の開発を都度実施しており、当社グループ営業網に加え、地方銀行を始め、大手金融機関、商社、リース会社、一般企業の保険代理店子会社、信用金庫といった販売網を活用し営業活動を行います。これらの営業チャネルを活用することで、効率的な顧客獲得及び信用リスクに対する多くの企業ニーズを集めることが可能となります。 (2) 審査・分析によるリスクの定量化機能信用リスク受託を行う前提として、債権及び債務が確立されていることが条件となりますが、取引が複雑化している昨今、請負契約の検収前債権など債権債務関係を明確にすることが困難な取引が増えてきております。そこで当社グループは、多種多様な取引における債権の未回収リスクの受託に取組んできた実績を活かし、債権債務と信用リスクの所在を明確にし、信用リスクを流動化する各ファンド・金融機関等にとって明確で簡素化された形に信用リスクをグルーピングします。この過程で、当社グループは、当社グループにて収集した定性的な情報を含む企業信用情報データベースを、さらには必要に応じて外部からの企業信用情報を取り込み活用することで、審査・分析を通じてリスク度合いに応じて企業を分類し、信用リスク受託の対象となるよう定量化を図っております。 (3) 流動化先の投資ニーズを満たすポートフォリオの組成とリスク移転機能審査・分析による定量化を終えたリスクは、流動化先となる各ファンド・金融機関等のニーズに合わせて、リスク度合い、最大リスク額、リスク移転コストのバランス調整を行い、リスク商品としてのポートフォリオ組成を行います。当該ポートフォリオについて、各ファンド・金融機関等に対し流動化を行っております。 (事業系統図) <当社グループの提供するサービス>当社グループは「事業法人向け保証サービス」及び「金融法人向け保証サービス」を提供しております。 (1) 事業法人向け保証サービス「事業法人向け保証サービス」とは、売上債権を主とした売買契約や請負契約等、事業会社間に生じる商取引上の債権の未回収リスクの受託を行うものです。本サービスは国内取引に関する信用リスク受託だけではなく、海外取引の際に生じる輸出債権に関する信用リスク受託も行っております。本サービスは、契約先である顧客の取引先が倒産等の事由により債務不履行を起こした場合において、予め設定した支払限度額を上限に当社が保証金を支払うもので、顧客にとっては未回収リスクを最小限にすることが可能となります。顧客の保証ニーズにより「包括保証」と「個別保証」を提供しており、顧客は、保証規模や保証に対する予算等により自由に選択することができます。 「事業法人向け保証サービス」モデル ① 包括保証契約先である顧客の取引先について、“売上順位”や“取引条件”等の基準でグルーピングした10社程度以上の取引先の信用リスクを当社が一括して包括的に引受けるものです。多数の取引先の信用リスクを受託することでリスクが分散されるため、取引先個社単位では顧客が負担する保証コストは大きく抑えられることになります。また、リスクの高い取引先であっても、多数の取引先の信用リスクを受託することによりリスク分散が図られているので引受けが容易となります。顧客は、取引先を幅広く保証対象としてリスクをヘッジすることで、取引先への与信管理業務を軽減することができるため、与信管理業務のアウトソーシングの実現、取引先倒産等による経営に対するインパクトを最小限に抑えることが可能となります。また、顧客は新規ビジネス展開や販売拡大に合わせて当社の包括保証を導入することで「攻めの経営」を行うことができ、効率的なリスクコントロールが可能となります。「包括保証」では、取引形態に合わせた保証料の課金方式を提供しており、主な課金方式は次のとおりです。イ) 売上高課金方式取引先(保証対象先)の毎月の売上高実績に対して、取引先ごとに設定した保証料率にて課金を行うものです。販売の繁忙期、閑散期といった売上高の増減に連動した課金となりますので、契約先である顧客にとっては保証コストの管理が容易となります。 暖房器具等の季節要因に販売が左右される商品の取引、スポット性の高い取引、新規ビジネスや販売拡大戦略実施の際など、年間を通じて売上の変動が大きく、売上予想が困難な取引先に対する保証に適しています。 ロ) 限度額課金方式実際の取引金額に関係なく、予め設定した保証限度額に対して、年率により保証料の課金を行うものです。契約先である顧客にとっては契約の時点で保証コストが確定できるほか、売上高課金方式のように月々の売上高実績を当社に通知する必要もありません。取引先に対する毎月の売上高が年間を通して大きな変動がなく、一定の債権残高が常にある企業に適しています。 ② 個別保証契約先である顧客が保証を希望する取引先について1社単位で信用リスクを受託するものです。顧客は、自由に選択した保証希望先に限定し信用リスクをヘッジすることが可能であり、少ないコストで利用ができます。個別保証は、限度額課金方式のみとなります。自社において確立された審査機能を持つ企業や、中小企業などリスクヘッジへのコストが限定された企業、特定取引先への売掛発生比率が高いために有事におけるインパクトが大きい企業などに適したサービスです。 (2) 金融法人向け保証サービス「金融法人向け保証サービス」とは、金融機関等の保有する各種債権における信用リスクを受託するサービスです。このサービスを当社では「リスク・マーケット・サービス、略称:RMS」と呼び、当社が信用リスクを受託し、リスク移転先のニーズに応じて運用商品として組成し、金融機関等に信用リスクを流動化することにより、金融機関等の保有する信用リスクを交換する市場を提供しております。本サービスは、事業法人向けの保証手法と信用情報集積機能を活かし、金融機関等が自ら行う信用保証事業の再保証による信用リスク受託のほか、債権流動化等の各種金融サービスを提供する際に発生する立替払い債権やその他の金融債権の信用リスク受託を行います。 「金融法人向け保証サービス」モデル 「金融法人向け保証サービス」の主なサービスとしては、企業向けに売上債権等の保証事業を行う際に発生する金融債権に伴うリスクを受託するサービス、クレジットカード会社等が保有する法人向け立替払い債権や加盟店向けの返還請求権に伴うリスクを受託するサービス、主に金融機関等が行う売掛債権及び手形債権の買取りに対する未回収リスクを受託するサービスがあります。契約先となる金融機関等は本サービスを利用することにより、今まで信用力不足により債権買取りや債権流動化が困難であった取引先へのサービスの提供や、企業の保有する売上債権等の保証事業への新たな取組み等が可能となります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
景気悪化時には顧客の保証ニーズが高まり価格転嫁可能だが、十分でない場合もある。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
独自の営業網と地方銀行、大手金融機関等との提携による強固な販売網を構築している。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 低い
会社が挙げる主要リスク:原価の上昇 / リスク移転の困難化 / 自己保有リスクの保証履行多発
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

イー・ギャランティは、特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPを強みとしている具体的な情報は確認できない。事業内容は保証業務であり、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

保証業務は、一度契約すると他の保証会社への乗り換えに手間やコストがかかる可能性がある。特に、継続的な取引関係や、特定の金融機関との連携がある場合、スイッチング・コストは一定程度存在する。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

イー・ギャランティの事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認できない。保証業務は個別の契約に基づいており、プラットフォーム型ビジネスとは異なる。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

保証業務におけるコスト構造の優位性は明確ではない。同業他社と比較して、著しく低いコストでサービスを提供できるような構造的な強みは確認できない。業務効率化によるコスト削減の努力は考えられる。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

保証業務の市場規模に対して、イー・ギャランティのシェアや業界内でのポジションは、規模の経済による明確な優位性を示すほどではない。一定の規模は有しているものの、寡占的な地位を確立しているとは言えない。

  • 広範な販売網と顧客基盤
    イー・ギャランティは、東京本社をはじめとする全国の支店に加え、地方銀行、大手金融機関、商社、リース会社、信用金庫など多様な提携先との協力により、自社の経営資源に頼らない強固な販売網を構築しています。この広範なネットワークを通じて、全国の企業から効率的に信用リスクの受託ニーズを集めることができ、事業規模拡大の大きな強みとなっています。
  • 独自の信用情報データベースと審査力
    同社は、長年の事業活動を通じて収集した定性的な情報を含む膨大な企業信用情報データベースを保有しており、これを活用した独自の審査・分析能力が強みです。このデータベースにより、複雑な取引における債権債務関係を明確にし、信用リスクを定量化することで、流動化先が引き受けやすい魅力的なリスクポートフォリオを組成することが可能となっています。
  • 信用リスク流動化の専門性と実績
    信用リスクの引き受けから、それを金融商品として組成し、ファンドや多様な金融機関に流動化する一連のプロセスにおいて、同社は高い専門性と豊富な実績を持っています。流動化先の投資ニーズに合致したリスクポートフォリオを組成する能力は、他社にはない独自の強みであり、これにより多くの信用リスクを円滑に処理し、事業を拡大しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 信用リスク受託規模の拡大
    同社は、マーケットメイク機能の向上を目指し、既存の販売提携先との関係を強化し、新たな販売網を拡大することで、信用リスクの受託規模を拡大する方針です。地方銀行との連携を深めるだけでなく、地方銀行以外の金融機関や多様な業態の提携先を増やし、保証サービス以外の周辺事業においても販売網を広げることで、事業基盤の強化を図ります。
  • 信用情報データベースの活用と審査力強化
    同社は、日本最大級の法人向け信用リスク保証会社として、膨大な企業信用情報データベースを保有しています。このデータベースをさらに拡充し、動的な情報を活用して信用リスクを定量的・定性的に分析することで、タイムリーかつ柔軟な価格設定や保証枠設定を行い、審査力を強化します。将来的には、データベースを活用した審査業務の自動化や、データベースビジネスを核とした成長戦略を展開する計画です。
  • デジタル化とサービス提供の効率化
    同社は、中小企業から大企業まで多様な顧客のニーズに対応するため、デジタル技術を活用したスムーズなサービス提供を目指しています。WEB商品の投入による顧客基盤の拡大、審査データベース拡充による審査速度の向上、顧客システムとの連携強化などを推進し、いつでもどこでも同社のサービスが利用できる環境を整備します。これにより、付加価値の高いサービスを実現し、顧客満足度を高めることを目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針 当社グループは、「Innovation in Finance」というミッションの下、「信用を可視化し、経済を回す」というビジョンを掲げ、サービスを提供しております。経営の基本理念として以下を掲げており、当社グループのサービスをご利用頂くことにより、お客様がさらに新しい夢を実現していくことが当社グループの最大の願いです。その結果として企業価値を増大させ、株主の皆様を始めとしたステークホルダーの皆様に貢献してまいります。 1.信用リスクの引受けによる信用供与と適正な社会資源の配分を通じて、企業の新たな挑戦と活力のある社会成長に貢献します。 2.自社の経営資源に拘らず、信頼できるパートナーとの協力と自社の専門性に基づき、常に先進的かつ夢の広がる金融サービスを創造します。 3.自分で考え、行動でき、信頼される魅力に溢れた社員を育成し、自由な発想を活かせる企業を目指します。 (2) 中期的な経営戦略昨今の倒産件数の増加や金利の上昇、労働人口の減少など外部環境の変化に伴い、保証ニーズ上昇や事務アウトソーシング志向、融資から企業間信用への移行など、当社サービスへの需要が高まってきております。また、当社内部においてはこれまで採用した人材の成長や営業基盤の拡張、当社独自の企業データベースの充実が進んでおります。こうした環境の変化は当社の今後の飛躍的な成長へのギアチェンジをはかる好機と判断し、中期経営計画「Accelerate2028」を策定いたしました。以下の取組みにより、データベース整備を求める安定成長からリスク引受力向上と資源投入により加速度的成長へシフトさせます。・ 充実した当社独自の企業データベースと流動化を前提とした積極的リスク引受・ 営業資源の投入増加とデジタル化の推進による効率的な売上増加・ 新チャネルと新商品の投入及びマーケティング強化による顧客母集団拡大・ 既存顧客へのサービス充実等による継続率と保証増額率の一層の引き上げ・ 周辺ビジネスを実施する企業との連携強化に伴う、顧客にとっての商品価値の向上なお、当社の中期経営計画「Accelerate2028」については、当社ウェブサイトにて開示しております。 (3) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの事業が主として立脚する売掛債権保証市場は、欧州諸国と比較して依然として低い水準にあり、大きな拡大余地があります。国内の市場規模219兆円のうち、当社グループの市場シェアはその1%程度であり、今後も成長の継続が見込まれます。加えて、直接金融や間接金融の市場にも拡大のポテンシャルが多く残されています。3月に発表された内閣府の月例経済報告では「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。」とされており、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが、中東情勢の影響と、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要があり、引き続き不透明な経済環境が続いております。こうした環境を見据えた上で、倒産動向や経済環境の変化をより一層注視しながら慎重なリスク判断を継続したリスク受託を継続する一方、営業効率の向上を背景に新規顧客の取り込みを強化します。また、リスク引受ポートフォリオの分散を目的として小規模な契約の契約数を増加させるとともに、不透明な経済環境を背景とした企業のリスク管理意識の高まりに伴う保証サービス需要の拡大に対応すべく営業体制を強化し、企業活動における保証サービスの浸透を図ります。さらに、当社グループの中長期的な業容拡大に向けて、以下の課題に積極的に取組んでまいります。 ① 信用リスク受託規模拡大のための既存販売提携先との関係強化及び販売網拡充 マーケットメイク機能の向上という目的のもと、分散に耐えうる大量の信用リスクを契約先から受託するため、既存の販売提携先との関係強化及び新たな販売網の拡充に取り組みます。現状、当社グループは本事業分野において最大規模のマーケットシェアを有しており、地方銀行を中心とした全国的な幅広い販売網を構築していることが競争力の源泉の一つになっていると考えております。今後は、提携先地方銀行との関係をより一層強化していくとともに、地方銀行以外の金融機関や様々な業態の提携先を拡大し、信用リスク保証サービスに限らず周辺事業のサービスにおいても、さらなる販売網拡充に取り組みます。 あわせて、税理士法人・会計士事務所・保険代理店等の専門家ネットワークに契約締結の代理権を付与し、提携先の担当者が直接当社グループの商品を販売できる体制を構築します。この体制を支える基盤として、契約説明の動画化や、クロージングに必要な専門知識をAIがリアルタイムで補完する仕組みを整備することにより、専門知識の有無を問わず誰もが販売できる環境を実現します。これにより、保証サービスの提供網を飛躍的に拡大し、潜在需要の取り込みを加速してまいります。 ② 企業の信用情報データベース拡充による審査力強化及びデータベースを活用した事業展開に関する取組み強化 当社グループは、日本国内において最大級の法人向け信用リスク保証会社であり、企業間取引における様々な情報を取得し、膨大な企業の信用情報データベースを保有する日本でも有数のビッグデータ企業であります。日々収集している動的な情報を活用し、信用リスクを定量的・定性的に分析することで、タイムリーかつより柔軟な価格や保証枠の設定を行いながら信用リスク受託に取り組みます。そのために、審査力を更に強化し、引受けた信用リスクの度合いに合わせてセグメント化した価格体系の導入に取り組んでまいります。 さらに、日々増大する信用関連情報のデータベースを活用し、システムにより倒産確率を自動計算することで個社毎に精緻な倒産確率を算出するなど、審査業務の自動化を推進してまいります。 今後は、これらのデータベースビジネスを核とした成長戦略を展開するとともに信用情報データベースを活用した事業展開に関する取組みを強化してまいります。 ③ 契約継続率及び増額率の向上 当社のビジネスモデルはストック型であり、新規契約の獲得とともに契約数の増加に伴い既契約の維持及び既存顧客からの増額依頼を増やすことが重要となっております。従いまして、保証機能以外の付加価値を高めることや、既存顧客へのサービス充実等による顧客満足度の向上に取り組んでまいります。また、保証の周辺分野の金融サービスを提案していくことや、顧客からの要望を定期的に収集するプロセス等を用意し、既存顧客との関係強化に取り組み、契約継続率及び増額率の向上を図ってまいります。 ④ デジタル技術を活用したスムーズなサービス提供の実現 中小企業をターゲットとして、各企業の与信管理のプラットフォームの中核として活用できるWEB商品投入による顧客基盤の拡大や審査データベース拡充を前提とした審査速度の向上を強みとして大企業・中堅企業の事務削減ニーズに対応した顧客システムとの連携体制の促進を進めるなど、異なる事業環境に置かれる様々な企業がリスクを回避したいと思った時に、いつでもどこでも当社グループのサービスを利用できるようサービス全体のデジタル化をより一層進め、付加価値の高いサービスを実現できる環境づくりに努めてまいります。 ⑤ 営業資源の増加及び営業活動の効率化による顧客の裾野拡大 今後予想される保証サービスへの需要の高まりに備え、営業人員の増加に取り組むとともに、AI生成動画を活用した効率的な研修プログラムを導入し、人員拡大に左右されない均質な教育水準を維持しながら、早期戦力化を実現します。あわせて、契約傾向の分析に基づくパターンの体系化と標準的な営業プロセスの確立・展開を推進します。こうした施策により営業効率を高め、これまでアプローチが十分でなかった新規顧客層の獲得を強化し、企業活動における保証サービスのさらなる浸透を図ります。 ⑥ 保証対象債権の拡大 企業間取引の信用リスク受託219兆円に加え、クラウドレンディングやクラウドファンディングを含む直接金融245兆円、融資等の間接金融543兆円の分野の保証なども企業間取引のリスク受託の対象とし、保証対象債権の拡大を図ります。また、国内に留まらず海外での保証事業や各国間のリスク引受けの仲介など、総合商社が設立母体となっている強みを発揮し、海外展開も視野に入れてまいります。 ⑦ 周辺事業への進出 既存金融機関や多様な企業との協業による債権買取等の資金化ニーズへの対応やリアルタイムの融資可否の判断、入金の管理督促業務、システム連動による取引金額管理など幅広いアウトソーシングニーズに対応したサービス展開を行うことにより、信用情報データベースの利用方法の拡大を通じて新たな価値創造を行います。また、請求書発行事業、M&A仲介をはじめとするマッチング事業など企業間取引の信用リスク受託のノウハウを活用できる周辺分野への参入も視野に入れ、事業規模を拡大してまいります。 ⑧ 株主還元強化と資本効率向上 当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要な課題の一つと位置付けており、財務指標としてROE及びROIC20%以上を目標として掲げております。また、配当性向 100%を目安としたうえで、増配もしくは配当の維持を行う累進配当を継続して実施するとともに、資本効率向上を目的として継続的かつ機動的な自己株取得を行うべく、2026年3月期から2028年3月期末までの間に累計100億円の自己株式取得を目指します。 ⑨ 成長投資の拡大 企業間取引のクレジットリスク受託の潜在市場に対する当社グループの現在の市場シェアは1%程度となっており、膨大な市場の開拓余地が存在しております。従いまして、残りのマーケット開拓を実現すべく、積極的に営業人材への投資やIT・AI投資を徹底して行います。また、企業間取引のクレジットリスク受託が広く認知されるよう新たな提携先との新商品投入やマーケティング強化により、顧客母集団の拡大を図るとともにブランド構築のための投資も行ってまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、事業の成長性と収益性を重視する観点から、連結経常利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として位置付けております。当連結会計年度における経常利益は5,302百万円となり、経常利益目標5,300百万円を達成し、上場以来20期連続の目標達成となりました。引き続き当該指標の向上に取組みます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針 当社グループは、「Innovation in Finance」というミッションの下、「信用を可視化し、経済を回す」というビジョンを掲げ、サービスを提供しております。経営の基本理念として以下を掲げており、当社グループのサービスをご利用頂くことにより、お客様がさらに新しい夢を実現していくことが当社グループの最大の願いです。その結果として企業価値を増大させ、株主の皆様を始めとしたステークホルダーの皆様に貢献してまいります。 1.信用リスクの引受けによる信用供与と適正な社会資源の配分を通じて、企業の新たな挑戦と活力のある社会成長に貢献します。 2.自社の経営資源に拘らず、信頼できるパートナーとの協力と自社の専門性に基づき、常に先進的かつ夢の広がる金融サービスを創造します。 3.自分で考え、行動でき、信頼される魅力に溢れた社員を育成し、自由な発想を活かせる企業を目指します。 (2) 中期的な経営戦略昨今の倒産件数の増加や金利の上昇、労働人口の減少など外部環境の変化に伴い、保証ニーズ上昇や事務アウトソーシング志向、融資から企業間信用への移行など、当社サービスへの需要が高まってきております。また、当社内部においてはこれまで採用した人材の成長や営業基盤の拡張、当社独自の企業データベースの充実が進んでおります。こうした環境の変化は当社の今後の飛躍的な成長へのギアチェンジをはかる好機と判断し、中期経営計画「Accelerate2028」を策定いたしました。以下の取組みにより、データベース整備を求める安定成長からリスク引受力向上と資源投入により加速度的成長へシフトさせます。・ 充実した当社独自の企業データベースと流動化を前提とした積極的リスク引受・ 営業資源の投入増加とデジタル化の推進による効率的な売上増加・ 新チャネルと新商品の投入及びマーケティング強化による顧客母集団拡大・ 既存顧客へのサービス充実等による継続率と保証増額率の一層の引き上げ・ 周辺ビジネスを実施する企業との連携強化に伴う、顧客にとっての商品価値の向上なお、当社の中期経営計画「Accelerate2028」については、当社ウェブサイトにて開示しております。 (3) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループの事業が主として立脚する売掛債権保証市場は、欧州諸国と比較して依然として低い水準にあり、大きな拡大余地があります。国内の市場規模219兆円のうち、当社グループの市場シェアはその1%程度であり、今後も成長の継続が見込まれます。加えて、直接金融や間接金融の市場にも拡大のポテンシャルが多く残されています。3月に発表された内閣府の月例経済報告では「景気は、緩やかに回復しているが、中東情勢の影響を注視する必要がある。」とされており、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されますが、中東情勢の影響と、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要があり、引き続き不透明な経済環境が続いております。こうした環境を見据えた上で、倒産動向や経済環境の変化をより一層注視しながら慎重なリスク判断を継続したリスク受託を継続する一方、営業効率の向上を背景に新規顧客の取り込みを強化します。また、リスク引受ポートフォリオの分散を目的として小規模な契約の契約数を増加させるとともに、不透明な経済環境を背景とした企業のリスク管理意識の高まりに伴う保証サービス需要の拡大に対応すべく営業体制を強化し、企業活動における保証サービスの浸透を図ります。さらに、当社グループの中長期的な業容拡大に向けて、以下の課題に積極的に取組んでまいります。 ① 信用リスク受託規模拡大のための既存販売提携先との関係強化及び販売網拡充 マーケットメイク機能の向上という目的のもと、分散に耐えうる大量の信用リスクを契約先から受託するため、既存の販売提携先との関係強化及び新たな販売網の拡充に取り組みます。現状、当社グループは本事業分野において最大規模のマーケットシェアを有しており、地方銀行を中心とした全国的な幅広い販売網を構築していることが競争力の源泉の一つになっていると考えております。今後は、提携先地方銀行との関係をより一層強化していくとともに、地方銀行以外の金融機関や様々な業態の提携先を拡大し、信用リスク保証サービスに限らず周辺事業のサービスにおいても、さらなる販売網拡充に取り組みます。 あわせて、税理士法人・会計士事務所・保険代理店等の専門家ネットワークに契約締結の代理権を付与し、提携先の担当者が直接当社グループの商品を販売できる体制を構築します。この体制を支える基盤として、契約説明の動画化や、クロージングに必要な専門知識をAIがリアルタイムで補完する仕組みを整備することにより、専門知識の有無を問わず誰もが販売できる環境を実現します。これにより、保証サービスの提供網を飛躍的に拡大し、潜在需要の取り込みを加速してまいります。 ② 企業の信用情報データベース拡充による審査力強化及びデータベースを活用した事業展開に関する取組み強化 当社グループは、日本国内において最大級の法人向け信用リスク保証会社であり、企業間取引における様々な情報を取得し、膨大な企業の信用情報データベースを保有する日本でも有数のビッグデータ企業であります。日々収集している動的な情報を活用し、信用リスクを定量的・定性的に分析することで、タイムリーかつより柔軟な価格や保証枠の設定を行いながら信用リスク受託に取り組みます。そのために、審査力を更に強化し、引受けた信用リスクの度合いに合わせてセグメント化した価格体系の導入に取り組んでまいります。 さらに、日々増大する信用関連情報のデータベースを活用し、システムにより倒産確率を自動計算することで個社毎に精緻な倒産確率を算出するなど、審査業務の自動化を推進してまいります。 今後は、これらのデータベースビジネスを核とした成長戦略を展開するとともに信用情報データベースを活用した事業展開に関する取組みを強化してまいります。 ③ 契約継続率及び増額率の向上 当社のビジネスモデルはストック型であり、新規契約の獲得とともに契約数の増加に伴い既契約の維持及び既存顧客からの増額依頼を増やすことが重要となっております。従いまして、保証機能以外の付加価値を高めることや、既存顧客へのサービス充実等による顧客満足度の向上に取り組んでまいります。また、保証の周辺分野の金融サービスを提案していくことや、顧客からの要望を定期的に収集するプロセス等を用意し、既存顧客との関係強化に取り組み、契約継続率及び増額率の向上を図ってまいります。 ④ デジタル技術を活用したスムーズなサービス提供の実現 中小企業をターゲットとして、各企業の与信管理のプラットフォームの中核として活用できるWEB商品投入による顧客基盤の拡大や審査データベース拡充を前提とした審査速度の向上を強みとして大企業・中堅企業の事務削減ニーズに対応した顧客システムとの連携体制の促進を進めるなど、異なる事業環境に置かれる様々な企業がリスクを回避したいと思った時に、いつでもどこでも当社グループのサービスを利用できるようサービス全体のデジタル化をより一層進め、付加価値の高いサービスを実現できる環境づくりに努めてまいります。 ⑤ 営業資源の増加及び営業活動の効率化による顧客の裾野拡大 今後予想される保証サービスへの需要の高まりに備え、営業人員の増加に取り組むとともに、AI生成動画を活用した効率的な研修プログラムを導入し、人員拡大に左右されない均質な教育水準を維持しながら、早期戦力化を実現します。あわせて、契約傾向の分析に基づくパターンの体系化と標準的な営業プロセスの確立・展開を推進します。こうした施策により営業効率を高め、これまでアプローチが十分でなかった新規顧客層の獲得を強化し、企業活動における保証サービスのさらなる浸透を図ります。 ⑥ 保証対象債権の拡大 企業間取引の信用リスク受託219兆円に加え、クラウドレンディングやクラウドファンディングを含む直接金融245兆円、融資等の間接金融543兆円の分野の保証なども企業間取引のリスク受託の対象とし、保証対象債権の拡大を図ります。また、国内に留まらず海外での保証事業や各国間のリスク引受けの仲介など、総合商社が設立母体となっている強みを発揮し、海外展開も視野に入れてまいります。 ⑦ 周辺事業への進出 既存金融機関や多様な企業との協業による債権買取等の資金化ニーズへの対応やリアルタイムの融資可否の判断、入金の管理督促業務、システム連動による取引金額管理など幅広いアウトソーシングニーズに対応したサービス展開を行うことにより、信用情報データベースの利用方法の拡大を通じて新たな価値創造を行います。また、請求書発行事業、M&A仲介をはじめとするマッチング事業など企業間取引の信用リスク受託のノウハウを活用できる周辺分野への参入も視野に入れ、事業規模を拡大してまいります。 ⑧ 株主還元強化と資本効率向上 当社グループは、株主の皆様に対する利益還元を経営の重要な課題の一つと位置付けており、財務指標としてROE及びROIC20%以上を目標として掲げております。また、配当性向 100%を目安としたうえで、増配もしくは配当の維持を行う累進配当を継続して実施するとともに、資本効率向上を目的として継続的かつ機動的な自己株取得を行うべく、2026年3月期から2028年3月期末までの間に累計100億円の自己株式取得を目指します。 ⑨ 成長投資の拡大 企業間取引のクレジットリスク受託の潜在市場に対する当社グループの現在の市場シェアは1%程度となっており、膨大な市場の開拓余地が存在しております。従いまして、残りのマーケット開拓を実現すべく、積極的に営業人材への投資やIT・AI投資を徹底して行います。また、企業間取引のクレジットリスク受託が広く認知されるよう新たな提携先との新商品投入やマーケティング強化により、顧客母集団の拡大を図るとともにブランド構築のための投資も行ってまいります。 (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、事業の成長性と収益性を重視する観点から、連結経常利益を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として位置付けております。当連結会計年度における経常利益は5,302百万円となり、経常利益目標5,300百万円を達成し、上場以来20期連続の目標達成となりました。引き続き当該指標の向上に取組みます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりとなりました。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の企業倒産件数は前年度比3.5%増加の10,425件4年連続で前年度を上回り、前年度(10,070件)に続き2年連続で年間1万件を超えました(帝国データバンク調べ)。負債5,000万円未満の小規模倒産が全体の6割以上を占めるなど、長引く物価高に加え、人件費高騰、金利負担増加を背景として、資金繰りの悪化した中小企業の厳しい現状が浮き彫りになりました。中東情勢を巡る地政学的不確実性もあり、今後も企業倒産件数は増加基調が続く見通しとなっております。このような環境下、信用リスク保証サービスは引き続き堅調に推移いたしました。人的投資の継続的拡大や販売提携先の拡充、営業業務支援の強化により新規顧客の取り込みおよび契約更新率の向上を進めてまいりました。 [財政状態]当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ11.0%減少し、29,398,045千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末に比べ20.0%減少し、15,124,333千円となりました。これは、現金及び預金が3,601,705千円減少したことなどによります。固定資産は、前連結会計年度末に比べ1.2%増加し、14,273,711千円となりました。これは、繰延税金資産が186,695千円増加したことなどによります。負債合計は、前連結会計年度末に比べ5.3%増加し、6,973,889千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末に比べ5.4%増加し、6,858,607千円となりました。これは、前受金が282,707千円増加したことなどによります。固定負債は、前連結会計年度末と同額の115,282千円となりました。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ15.0%減少し、22,424,155千円となりました。これは、利益剰余金が2,527,838千円減少したことなどによります。 [経営成績]当連結会計年度末における保証債務は911,349,373千円(前年同期比10.3%増加)となりました。倒産件数の増加を保証料率に反映した値上げ、新規契約の堅調な増加、および既存顧客における保証利用額の増額(保証企業の追加または保証限度額の増額)の影響により、売上高は11,029,534千円(前年同期比7.9%増加)となりました。上半期を中心として倒産件数の増加に伴った保証履行が増加した結果、売上総利益は8,072,880千円(前年同期比3.3%増加)となりました。また、営業利益5,201,333千円(前年同期比1.9%増加)、経常利益5,302,824千円(前年同期比1.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益3,589,785千円(前年同期比2.8%増加)となりました。 なお、保証債務の推移は以下の通りであります。(単位:千円) 第24期(2024年3月期)第25期(2025年3月期)第26期(2026年3月期)売掛債権保証サービスに係る保証債務751,842,150826,010,006911,349,373 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,501,705千円減少し、8,713,611千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 [営業活動によるキャッシュ・フロー]営業活動の結果増加した資金は4,013,325千円(前連結会計年度は4,101,741千円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益5,274,253千円等であります。 [投資活動によるキャッシュ・フロー]投資活動の結果増加した資金は1,222,727千円(前連結会計年度は311,334千円の増加)となりました。主な増加要因は、定期預金の払戻しによる収入1,100,000千円等であります。 [財務活動によるキャッシュ・フロー]財務活動の結果減少した資金は7,737,758千円(前連結会計年度は1,441,634千円の減少)となりました。主な減少要因は、自己株式の取得による支出5,999,901千円等であります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績該当事項はありません。 b. 受注実績該当事項はありません。 c. 販売実績当社グループの事業は、「信用保証事業」のみの単一セグメントにより構成されております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度における業績は、売上高11,029,534千円(前年同期比7.9%増加)となりました。また、営業利益5,201,333千円(同1.9%増加)、経常利益5,302,824千円(同1.9%増加)、親会社株主に帰属する当期純利益3,589,785千円(同2.8%増加)となりました。その他の財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況及び②キャッシュ・フローの状況」に記載しています。当社グループの運転資金需要のうち主なものは、リスク移転先への支払保証料、販売チャネルへ支払う諸手数料、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、投資有価証券の購入によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社の事業の性質上役務提供前にその対価を収受するものとなりますので、基本方針に沿って財源を確保しております。よって、運転資金は自己資金としております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。重要な会計方針及び見積りの詳細につきましては、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項 4.会計方針に関する事項」及び「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載の通りですが、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に保証履行引当金、賞与引当金、税効果会計であり、継続して評価を行っております。これらの見積り及び判断・評価につきましては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる可能性があります。

事業リスク

  • 収益構造と原価上昇のリスク
    同社の収益は、顧客から得る保証料とリスク移転先に支払う費用の差額で成り立っています。景気悪化時に保証履行が多発すると、顧客の保証ニーズは高まりますが、リスク移転コストは短期的に変わらないため、保証料率の低下や価格転嫁が不十分な場合、利益率が悪化し業績に影響を与える可能性があります。
  • リスク移転の困難化
    同社は、引き受けた信用リスクの保証履行リスクをヘッジするため、金融機関等にリスク移転を行っています。しかし、想定を超える信用力低下や保証履行が多発した場合、またはリスク移転先が債務不履行などでリスクを引き受けられなくなった場合、想定通りのリスク移転ができなくなる可能性があります。これにより、売上高の減少や原価率の上昇が生じ、業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 競合の激化と競争力低下
    同社の事業は、大手金融機関系ファクタリング会社が提供する保証ファクタリングや損害保険会社の取引信用保険と類似しています。同社は流動化や対象債権の広さで優位性を持つものの、競合他社は知名度や信用力で優位な立場にあります。今後、他社の新規参入や商品開発により競争が激化した場合、新規契約率の低下や既存顧客の流出により、業績に影響が出る可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,405 文字
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1) 当社グループの収益構造について当社グループは、事業会社及び金融機関等の顧客から得る保証料を売上高として計上する一方、リスク移転先である金融機関等に支払う費用を原価として計上しており、これらの差額が当社グループの利益となっております。① 原価の上昇について当社グループがリスク移転先に支払う費用は、複数年にわたる保証履行実績により決定されているため、一時的に多額の保証履行が発生した場合であっても、短期的な原価の上昇要因とはなりません。一方で、リスク移転コストは1年契約の間は原則変わらないため、保証料率の低下時には利益率が短期的に悪化し、当社グループの業績に影響を及ぼすことも考えられます。また、継続的に保証履行が多発するような景気悪化時には、顧客の保証に対するニーズも高まることから、経済情勢を踏まえ、顧客からの保証料に価格転嫁しますが、価格転嫁が十分に進まない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。② リスク移転について当社は、信用リスクを受託した債権の保証履行リスクをヘッジするために金融機関等にリスク移転を行っております。そのため、当社がリスク移転を依頼している債権について想定を超える著しい信用力低下や保証履行が生じた場合又はリスク移転先である金融機関等が債務不履行等のリスク移転を引受けることが困難となるような状況となった場合には、想定通りのリスク移転を行えない可能性があります。このような場合には、売上高の減少や原価率の上昇が生じる可能性があり、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。③ 自己による信用リスクの保有について当社は、クレジット・リンク・ファンド1号合同会社(当社が57%を出資している連結子会社であるクレジット・リンク・ファンド1号匿名組合の営業者)、クレジット・インベストメント1号合同会社(当社が82%を出資している連結子会社であるクレジット・インベストメント1号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ1号合同会社(当社が51%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ1号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ2号合同会社(当社が55%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ2号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ4号合同会社(当社が50%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ4号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ5号合同会社(当社が60%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ5号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ6号合同会社(当社が51%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ6号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ7号合同会社(当社が51%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ7号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ8号合同会社(当社が51%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ8号匿名組合の営業者)、クレジット・ギャランティ10号合同会社(当社が51%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ10号匿名組合の営業者)及びクレジット・ギャランティ11号合同会社(当社が51%を出資している連結子会社であるクレジット・ギャランティ11号匿名組合の営業者)をリスク移転先に加える等により、一部の信用リスクを自己で保有しております。2026年3月末現在の信用リスク受託による保証債務のうち、売掛債権保証サービスに係る保証債務は911,349,373千円であります。これに係る保証債務のうち、当社グループでリスクを保有している売掛債権保証サービスに係る保証債務は146,668,969千円であります。これらへ流動化する信用リスク及び自家保有を行う信用リスクについては、他のリスク移転先と同様、一定の基準を設けたうえで極度に損害率が悪化しないよう対策を実施しております。しかしながら、想定を超えて保証履行が多発した場合には当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 競合等について当社グループが行っている事業法人向け売掛債権保証サービスと類似した債権保証に係るサービスとして、大手金融機関系ファクタリング会社が提供している保証ファクタリング、損害保険会社が提供している取引信用保険等のサービスがあります。当社グループのサービスは、金融機関等への流動化、分散機能を活用することにより、引受ける保証対象企業の範囲、保証限度額等に幅広く対応できる点から優位性を有しております。また、金融債権や請負債権など単純な売上債権以外も保証対象とする対象債権の範囲の広さからも他の金融機関が提供しているサービスと比較して、優位性を有しているものと認識しております。ただし、大手金融機関系ファクタリング会社、損害保険会社は、知名度、信用力等の面で、当社グループと比較して優位な立場にあります。従ってこれらの金融機関と競合する場合、営業推進の上で不利な立場におかれる可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼすことも考えられます。また、今後において他金融機関が同サービスの開発により新規参入することで競争が激化する可能性も考えられます。そのため、当社グループがより一層顧客ニーズにあった商品開発ができず、相対的に当社グループの競争力が低下し、新規契約率の低下や既存顧客が流出した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 気候変動に関するリスクについて気候変動への対応につきましては、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」が提言するフレームワークを活用した情報開示をいたしております。今後もTCFD提言に沿った気候変動関連情報の開示を進めることで、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。当社は、経営に関する重要事項を審議及び検討し、協議した結果を踏まえ、社長が決定することを目的として取締役を構成員とする経営会議を開催しておりますが、気候変動への対応についても、経営会議において審議・議論し、特定されたリスクや機会への対応策検討、CO ₂排出量の削減等の取り組みを推進していきます。取締役会は、経営会議で審議された重要事項について報告を受け、気候変動への対応方針および実行計画等についても審議・監督を行っていきます。当社グループでは、TCFD 提言にて例示されている気候変動がもたらすリスク・機会を元に、シナリオ分析を実施しました。シナリオ分析においては、2℃以下シナリオを含む複数の温度帯のシナリオを選択、設定していく必要があるため、移行面で影響が顕在化する1.5 ℃シナリオと物理面での影響が顕在化する4℃シナリオの2つのシナリオを選択しました。当社のリスク管理体制は、経営管理部を主管部署とし、取締役及び経営幹部間において各種リスクを共有し、各部署に対して社長よりリスク管理について周知徹底を図っております。気候変動に関するリスクについては、気候変動によって受ける影響を把握し評価するため、シナリオの分析を行い、気候変動リスク・機会を特定しました。特定したリスク・機会は経営管理部を中心とする推進体制のもと経営会議において審議・議論し、リスク管理の状況や重大なリスクの判断に関しては、取締役会への報告・提言を行ってまいります。当社におけるGHG排出量については、当社ウェブサイトを参照ください。また、当社では、Scope2のGHG排出量について、2030年度に実質ゼロの目標を設定しました。GHG排出量の削減にあたっては、社内の省エネ、節電を心掛けるとともに、化石燃料を用いない再生可能エネルギー等を活用した脱炭素社会の実現を目指していきます。 (4) 災害等が発生する可能性について東京本社において大規模な震災や火山の噴火あるいはテロ攻撃等の災害が発生し、本社機能が実質的に停止に陥った場合、当社グループの財政状態、経営成績に重要な影響を与える可能性があります。対策として、災害対応能力向上のために体制整備を図るとともに初動対応訓練を実施することで災害リスクの軽減を図るように努めております。 (5) 情報管理について当社グループは、保証サービス事業を通じて顧客の機密情報並びに企業情報、信用情報を入手する場合があります。当社グループはこれら情報の機密を保持し、セキュリティを確保するために最新のセキュリティソフトの更新や、担当別、役職別の管理システムへのアクセス制限など必要な措置を講じております。しかし、かかる措置にもかかわらずこれら情報が漏洩した場合には、当社グループの社会的信用に影響を与え、業績悪化を招く可能性があります。 (6) 紛争が発生する可能性について当社グループの展開する保証サービスは、保証対象先の倒産等に伴う債務の支払いリスクを複数の金融機関等に分散し、移転しております。その際、リスク移転先とリスク移転契約を締結しており、取引上のトラブルの未然防止に努めておりますが、契約書等の不備などにより、取引関係の内容、条件等に疑義が生じたり、これをもとに紛争が生じる可能性があります。 (7) 法的規制について当社グループの業務内容である売上債権の保証は、「保険業法」上の「保険保証業務」に該当しないため、同法の規制を受けていないものと判断しております。また、「債権管理回収業に関する特別措置法」上の「債権管理回収業」及び「金融商品取引法」上の「金融商品取引業」にも該当せず、同法の規制対象となっておりません。このように、当社グループの業務は、いわゆる業法上の法的規制の対象となっていないため、当社グループはこれらの法令に基づく関係監督庁への届出、許認可の取得等を行っておりません。ただし、今後、当社業務について新たな法的規制の制定、外部環境の変化等に伴う現行法の解釈の変化、又は他社が提供している業務に係る規制緩和等が生じた場合には、当社グループのビジネスモデルの変更、競合の激化等により、当社グループの業績は影響を受ける可能性があります。

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