事業の概要
- リース・割賦事業情報通信機器や事務用機器、その他設備機器などのリース・レンタル・割賦販売が主な事業です。企業や官公庁が設備導入する際に、購入ではなくリースを利用することで初期費用を抑え、コストを平準化できるメリットを提供しています。関連する物品売買や保守サービスも手掛けています。
- ファイナンス事業金銭の貸付やファクタリング(売掛債権の買い取り)、有価証券投資による配当収益などが含まれます。顧客企業の資金調達ニーズに応え、多様な金融サービスを提供することで収益を得ています。企業の資金繰りを支援し、事業活動を円滑にする役割を担っています。
- インベストメント事業ベンチャー企業への投資を通じて有価証券の売却益を狙う事業です。また、株式会社リサ・パートナーズが行うアセット、不動産、アドバイザリービジネスもこの領域に含まれます。成長性の高い企業や分野に投資することで、将来的なリターンを追求しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- リース事業売上高2,291.95億円、営業利益43.66億円と、当社グループの主要な収益源です。情報通信機器や事務用機器、各種設備機器のリース・レンタル・割賦販売が中心で、関連する物品売買や保守サービスも提供しています。安定した収益基盤を形成しています。
- ファイナンス事業売上高76.03億円、営業利益28.84億円を計上しています。金銭の貸付やファクタリング、有価証券投資による配当収益などが主な内容です。企業の資金調達ニーズに応える金融サービスを提供し、グループ全体の収益に貢献しています。
- インベストメント事業売上高137.45億円、営業利益21.94億円です。ベンチャー企業への投資による有価証券売却益の獲得や、株式会社リサ・パートナーズが行うアセット、不動産、アドバイザリービジネスが含まれます。成長分野への投資を通じて、将来的な収益拡大を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| LeasingReportableSegment | 事業 | 2,292 | 44 | 1.9% |
| Finance | 事業 | 76 | 29 | 37.9% |
| InvestmentReportableSegment | 事業 | 137 | 22 | 16.0% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは当社、連結子会社80社、持分法適用関連会社42社で構成され、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対してリース・割賦・企業融資等のファイナンスサービスを提供しております。 当社グループの主な事業領域は、リース事業、ファイナンス事業、インベストメント事業及びその他の事業の4事業に分類されます。(1) リース事業情報通信機器、事務用機器及びその他各種設備機器等のリース・レンタル・割賦販売リースに関連する物品売買、満了・中途解約に伴う物件売却及びリース機器の保守サービス等 (2) ファイナンス事業金銭の貸付、ファクタリング及び配当収益の収受を目的とする有価証券投資等(3) インベストメント事業有価証券の売却益の収受を目的とするベンチャー企業向け投資等株式会社リサ・パートナーズが行っているアセット、不動産及びアドバイザリーの各ビジネス(4) その他の事業賃貸レジデンス・ヘルスケアウェアハウジング事業、再生可能エネルギー発電・売電事業、PFI・PPP事業、観光事業及びその他各種サービス等 事業系統図については、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い リース業界では多くの競合が存在し、金融緩和による料率競争が激しい。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | なし リース業界には多くの競合が存在し、参入障壁は低いと考えられる。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:気候変動に係るリスク / 信用リスク / 流動性リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、明確な無形資産の優位性を示す情報は確認できません。
スイッチングコスト★★★☆☆
リース契約は通常、複数年の契約となるため、顧客が他のリース会社へ乗り換える際には、契約解除に伴う違約金や、新たな契約手続きの手間が発生します。これにより、一定のスイッチング・コストが顧客に生じます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
同社の事業モデルは、顧客との直接的な取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスのようなネットワーク効果が働く要素は見当たりません。ユーザー数の増加がサービス価値を直接高める構造ではありません。
コスト優位★☆☆☆☆
リース事業においては、資金調達コストや物件調達コストが競争力の源泉となり得ますが、同社が他社に対して構造的なコスト優位性を確立していることを示す具体的な情報は現時点では確認できません。
規模の経済★★★☆☆
リース業界は、一定の規模を持つ企業が資金調達力や物件調達力で優位に立つ傾向があります。NECキャピタルソリューションは、NECグループの一員としての信用力や、長年の事業実績から、業界内で一定の規模と地位を確立していると考えられます。
- 多様な顧客層への対応力官公庁・自治体から大企業、中小企業まで幅広い顧客層にリース・割賦・企業融資などのファイナンスサービスを提供しています。これにより、特定の顧客層に依存することなく、安定した事業基盤を築いています。多様なニーズに応えることで、市場変動への耐性を高めています。
- 循環型社会への貢献リース事業を通じて、環境に配慮した製品の導入や高度な3R(リデュース・リユース・リサイクル)処理による資源循環を推進しています。これは、環境意識の高まりとともに企業の社会的責任が重視される中で、顧客からの評価を高め、競争優位につながる可能性があります。
- 総合的なソリューション提供リースやファイナンスだけでなく、インベストメント事業、さらには賃貸レジデンス、再生可能エネルギー、PFI・PPP事業など多岐にわたるサービスを提供しています。これにより、顧客の様々な課題に対し、複合的なソリューションを提供できる強みを持っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 次世代循環型社会の実現2030年をゴールとする「次世代循環型社会をリードするSolution Company」をグループビジョンとして掲げています。資源効率の向上だけでなく、資源を循環利用し、新たな付加価値を生み出し続ける経済社会の実現を目指し、事業活動を通じて社会課題解決に貢献する方針です。
- 中期計画2028による成長基盤構築2026年度から2028年度までの3年間を対象とした「中期計画2028」を策定し、持続的な成長に向けた収益基盤の拡大、グループ・パートナーとのシナジー創出、循環型サービスの発展などを基本方針としています。DX戦略の推進や人的資本への投資も重視し、経営基盤の強化を図ります。
- セグメント別戦略の明確化事業セグメントを商品軸から事業軸へ見直し、「公共・ICTインフラ事業」「コーポレートファイナンス事業」「不動産・エネルギー事業」「グローバル事業」「インベストメント事業」の5つに分類し、それぞれの成長戦略を明確化しています。これにより、各事業の特性に応じた戦略を展開し、収益力の向上を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは2023年4月、当社経営の基本方針として、新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を策定いたしました。これまで掲げてきたCSV経営(Creating Shared Value=共通価値の創造)は継続しながら、気候変動対応をはじめとする社会課題の多様化、デジタル技術(IoT、AI、ロボット)等の先端技術の発展、それらによる将来の産業や社会生活の大きな変化に対応するべく、CSV経営と親和性の高いSDGsに同期する2030年を新たなグループビジョンのゴールとしました。 これまで私たちはリース事業を通して、環境に配慮した製品の導入、高度な3R処理による資源循環により循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してきました。一方で、2030年以降を見据えた「次世代循環型社会」は、資源効率の向上による環境負荷の低減のみならず、資源を循環利用し続ける世界、そこから発展し、新たな付加価値を生み出し続ける循環型の経済社会となることを想定しています。この想定する社会において、当社グループはキャピタルソリューションの革新により、モノの循環利用に繋がるサービス、地域経済・社会の好循環に繋がるサービス、企業成長の好循環に繋がるサービスを提供し、環境と成長の好循環を実現すると共に、多様化するお客様と社会の課題解決を通して、「次世代循環型社会」の実現を目指してまいります。また、新たなグループビジョンに含まれる「Solution Company」の「Company」には、一般的な「会社」という意味に加え、「価値観を共有する集団(仲間)」という意味も含めています。社会課題解決に向けた付加価値の提供による収益力の向上と共に、このグループビジョンには価値観を共有する従業員が誇りに思える会社作り(エンゲージメントの向上)に向けた思いを込めたものとなっています。 なお、グループビジョンの策定にあわせて再特定した当社グループのマテリアリティについて、大株主の異動を含めた当社グループの立ち位置の変化、及び国内外の事業環境の変化を踏まえ、新たに、「地域社会・経済の活性化」「ビジネスプロセスの変革」を追加いたしました。 ・ 脱炭素社会・循環型経済の推進・ 社会・ICTインフラ整備の推進・ 地域社会・経済の活性化・ 新たなサービスや事業の創出・ 人的資本への投資・ ビジネスプロセスの変革・ 企業価値向上を支えるコーポレートガバナンスの追求 (2) 中長期的な会社の経営戦略グループビジョン2030「次世代循環型社会をリードするSolution Company」には以下に記載の3つの段階があり、その第二段階の実現を目指す計画として「中期計画2028」を策定しております。 第一段階 当社らしい循環型サービスを創出第二段階 当社らしい循環型サービスを発展第三段階 当社らしい循環型サービスの収益確立 ① 「中期計画2028」の概要2026年度から2028年度までの3か年を対象とし、成長基盤を構築する期間と位置付けています。「中期計画2028」では、サステナビリティ経営を深化させるとともに、以下の6つを基本方針としています。・持続的な成長に向けた収益基盤の拡大・グループ・パートナーとのシナジー創出・循環型サービスの発展・ブランド・アイデンティティの構築・人的資本への投資・DX戦略の推進 ② セグメント別経営方針基本方針を前提に、事業の強化、収益力の向上、業務改革および組織・人材面の変革を一体的に進めてまいります。事業戦略においては、事業セグメントを従来の商品軸から事業軸へ見直し、各事業の成長戦略をより明確化いたしました。具体的には、以下の事業戦略を中心に事業拡大を図ります。 「公共・ICTインフラ事業」官公庁・自治体向けを中心に、リースの拡大とPFI連携を強化するとともに、民需分野ではPC-LCM等の独自サービスを進化させ、収益性向上を図ります。 「コーポレートファイナンス事業」法人顧客の多様な資金ニーズに対応し、インカムゲインとキャピタルゲインの両立による収益拡大を目指します。 「不動産・エネルギー事業」不動産では投融資手法・対象アセット・出口戦略の多様化を進め、エネルギーでは再生可能エネルギーや蓄電池関連を含む事業基盤の確立を図ります。 「グローバル事業」米国・アジアにおける海外アセットおよび海外不動産、データセンター、航空機等のインフラアセットを中心に、パートナー連携を通じた資産拡大を進めます。 「インベストメント事業」収益基盤の再構築とポートフォリオ管理の強化を進め、持続的成長に向けた体制整備を図ります。 また、SBI新生銀行グループとの連携強化や、NECグループをはじめとする戦略的パートナーとの協業を通じて、新たな事業機会の創出と既存事業の競争力強化を進めてまいります。持続的成長を支えるため、経営基盤の強化にも取り組みます。具体的には、業務プロセスの標準化・効率化、AIやRPAを活用した業務自動化、基幹システム整備を含むDX推進に加え、役割・職務を起点とした人材マネジメントの高度化、人材育成投資の拡充、カルチャー変革を進めます。さらに、創立50年を見据えたブランド再構築にも取り組み、社内外における企業価値向上を図ります。事業活動を通じた社会課題解決を推進するとともに、人的資本、ガバナンス、人権、気候変動対応、自然資本等の重要テーマについて、非財務目標と連動した取り組みを進め、サステナビリティ経営を一層深化させてまいります。 (3) 経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、春季労使交渉における高水準の賃上げや雇用環境の改善、設備投資の底堅さなどを背景に、内需を中心に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、エネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇の影響が続き、企業においてはコスト負担の増加や人手不足の深刻化が経営上の制約要因となりました。また、金融政策の正常化に伴う金利水準の上昇や為替相場の変動など、金融環境の変化にも留意が必要な状況となりました。海外経済においては、米国経済の減速懸念や中国経済の回復鈍化、通商政策を巡る不確実性に加え、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢における地政学リスクの顕在化などから、先行き不透明な状況が継続しました。このような経営環境のもと、当社グループは外部環境の変化を注視しつつ、柔軟かつ機動的な事業運営を行い、収益力の強化と持続的な成長に努めてまいりました。当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2025年4月から2026年3月累計のリース取扱高は、前期比4.2%増の5兆2,984億円となっています。(出典:公益社団法人リース事業協会「リース統計」) (4) 会社の対処すべき課題2026年度のわが国経済は、米国の関税政策や中東情勢の不安定化などの外部環境に大きく左右される可能性が出てきました。米国の関税維持・再強化は日本の輸出にマイナス影響を与え、国内設備投資の停滞などにつながる可能性があります。また、中東情勢の緊張は原油価格や物価上昇を引き起こし、実質賃金の回復ペースを鈍らせる結果、個人消費の勢いを弱める要因になると考えられます。賃上げの定着や金融正常化の進展、内需中心の経済構造などから、景気後退に陥るリスクは限定的とみられますが、米国の通商政策と中東情勢という二つの外部ショックが同時に作用した場合、日本経済の成長率は大きく押し下げられる可能性があると考えられます。このような状況において、当社グループは、2030年に向けたグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現に向け、第一段階である「中期計画2025」に続き、第二段階として、中期経営計画(以下「中期計画2028」)を策定いたしました。グループビジョン実現に向けた第二のステップとなる「中期計画2028」では、世界経済や金融市場の先行きに不透明感が残る一方、ICT投資やDX需要の拡大が見込まれる事業環境を踏まえ、サステナビリティ経営を深化させると共に、事業基盤の進化・経営基盤の強化を推進し、第一段階で創出した循環型サービスを発展させ、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。また、開示セグメントについては商品軸から事業軸へのセグメントへ変更を行い、社内のマネジメントアプローチと統一し、今後は「公共・ICTインフラ事業」、「コーポレートファイナンス事業」、「不動産・エネルギー事業」、「グローバル事業」、「インベストメント事業」の5つの事業別に損益管理を強化してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは2023年4月、当社経営の基本方針として、新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を策定いたしました。これまで掲げてきたCSV経営(Creating Shared Value=共通価値の創造)は継続しながら、気候変動対応をはじめとする社会課題の多様化、デジタル技術(IoT、AI、ロボット)等の先端技術の発展、それらによる将来の産業や社会生活の大きな変化に対応するべく、CSV経営と親和性の高いSDGsに同期する2030年を新たなグループビジョンのゴールとしました。 これまで私たちはリース事業を通して、環境に配慮した製品の導入、高度な3R処理による資源循環により循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してきました。一方で、2030年以降を見据えた「次世代循環型社会」は、資源効率の向上による環境負荷の低減のみならず、資源を循環利用し続ける世界、そこから発展し、新たな付加価値を生み出し続ける循環型の経済社会となることを想定しています。この想定する社会において、当社グループはキャピタルソリューションの革新により、モノの循環利用に繋がるサービス、地域経済・社会の好循環に繋がるサービス、企業成長の好循環に繋がるサービスを提供し、環境と成長の好循環を実現すると共に、多様化するお客様と社会の課題解決を通して、「次世代循環型社会」の実現を目指してまいります。また、新たなグループビジョンに含まれる「Solution Company」の「Company」には、一般的な「会社」という意味に加え、「価値観を共有する集団(仲間)」という意味も含めています。社会課題解決に向けた付加価値の提供による収益力の向上と共に、このグループビジョンには価値観を共有する従業員が誇りに思える会社作り(エンゲージメントの向上)に向けた思いを込めたものとなっています。 なお、グループビジョンの策定にあわせて再特定した当社グループのマテリアリティについて、大株主の異動を含めた当社グループの立ち位置の変化、及び国内外の事業環境の変化を踏まえ、新たに、「地域社会・経済の活性化」「ビジネスプロセスの変革」を追加いたしました。 ・ 脱炭素社会・循環型経済の推進・ 社会・ICTインフラ整備の推進・ 地域社会・経済の活性化・ 新たなサービスや事業の創出・ 人的資本への投資・ ビジネスプロセスの変革・ 企業価値向上を支えるコーポレートガバナンスの追求 (2) 中長期的な会社の経営戦略グループビジョン2030「次世代循環型社会をリードするSolution Company」には以下に記載の3つの段階があり、その第二段階の実現を目指す計画として「中期計画2028」を策定しております。 第一段階 当社らしい循環型サービスを創出第二段階 当社らしい循環型サービスを発展第三段階 当社らしい循環型サービスの収益確立 ① 「中期計画2028」の概要2026年度から2028年度までの3か年を対象とし、成長基盤を構築する期間と位置付けています。「中期計画2028」では、サステナビリティ経営を深化させるとともに、以下の6つを基本方針としています。・持続的な成長に向けた収益基盤の拡大・グループ・パートナーとのシナジー創出・循環型サービスの発展・ブランド・アイデンティティの構築・人的資本への投資・DX戦略の推進 ② セグメント別経営方針基本方針を前提に、事業の強化、収益力の向上、業務改革および組織・人材面の変革を一体的に進めてまいります。事業戦略においては、事業セグメントを従来の商品軸から事業軸へ見直し、各事業の成長戦略をより明確化いたしました。具体的には、以下の事業戦略を中心に事業拡大を図ります。 「公共・ICTインフラ事業」官公庁・自治体向けを中心に、リースの拡大とPFI連携を強化するとともに、民需分野ではPC-LCM等の独自サービスを進化させ、収益性向上を図ります。 「コーポレートファイナンス事業」法人顧客の多様な資金ニーズに対応し、インカムゲインとキャピタルゲインの両立による収益拡大を目指します。 「不動産・エネルギー事業」不動産では投融資手法・対象アセット・出口戦略の多様化を進め、エネルギーでは再生可能エネルギーや蓄電池関連を含む事業基盤の確立を図ります。 「グローバル事業」米国・アジアにおける海外アセットおよび海外不動産、データセンター、航空機等のインフラアセットを中心に、パートナー連携を通じた資産拡大を進めます。 「インベストメント事業」収益基盤の再構築とポートフォリオ管理の強化を進め、持続的成長に向けた体制整備を図ります。 また、SBI新生銀行グループとの連携強化や、NECグループをはじめとする戦略的パートナーとの協業を通じて、新たな事業機会の創出と既存事業の競争力強化を進めてまいります。持続的成長を支えるため、経営基盤の強化にも取り組みます。具体的には、業務プロセスの標準化・効率化、AIやRPAを活用した業務自動化、基幹システム整備を含むDX推進に加え、役割・職務を起点とした人材マネジメントの高度化、人材育成投資の拡充、カルチャー変革を進めます。さらに、創立50年を見据えたブランド再構築にも取り組み、社内外における企業価値向上を図ります。事業活動を通じた社会課題解決を推進するとともに、人的資本、ガバナンス、人権、気候変動対応、自然資本等の重要テーマについて、非財務目標と連動した取り組みを進め、サステナビリティ経営を一層深化させてまいります。 (3) 経営環境当連結会計年度におけるわが国経済は、春季労使交渉における高水準の賃上げや雇用環境の改善、設備投資の底堅さなどを背景に、内需を中心に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、エネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇の影響が続き、企業においてはコスト負担の増加や人手不足の深刻化が経営上の制約要因となりました。また、金融政策の正常化に伴う金利水準の上昇や為替相場の変動など、金融環境の変化にも留意が必要な状況となりました。海外経済においては、米国経済の減速懸念や中国経済の回復鈍化、通商政策を巡る不確実性に加え、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢における地政学リスクの顕在化などから、先行き不透明な状況が継続しました。このような経営環境のもと、当社グループは外部環境の変化を注視しつつ、柔軟かつ機動的な事業運営を行い、収益力の強化と持続的な成長に努めてまいりました。当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2025年4月から2026年3月累計のリース取扱高は、前期比4.2%増の5兆2,984億円となっています。(出典:公益社団法人リース事業協会「リース統計」) (4) 会社の対処すべき課題2026年度のわが国経済は、米国の関税政策や中東情勢の不安定化などの外部環境に大きく左右される可能性が出てきました。米国の関税維持・再強化は日本の輸出にマイナス影響を与え、国内設備投資の停滞などにつながる可能性があります。また、中東情勢の緊張は原油価格や物価上昇を引き起こし、実質賃金の回復ペースを鈍らせる結果、個人消費の勢いを弱める要因になると考えられます。賃上げの定着や金融正常化の進展、内需中心の経済構造などから、景気後退に陥るリスクは限定的とみられますが、米国の通商政策と中東情勢という二つの外部ショックが同時に作用した場合、日本経済の成長率は大きく押し下げられる可能性があると考えられます。このような状況において、当社グループは、2030年に向けたグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現に向け、第一段階である「中期計画2025」に続き、第二段階として、中期経営計画(以下「中期計画2028」)を策定いたしました。グループビジョン実現に向けた第二のステップとなる「中期計画2028」では、世界経済や金融市場の先行きに不透明感が残る一方、ICT投資やDX需要の拡大が見込まれる事業環境を踏まえ、サステナビリティ経営を深化させると共に、事業基盤の進化・経営基盤の強化を推進し、第一段階で創出した循環型サービスを発展させ、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。また、開示セグメントについては商品軸から事業軸へのセグメントへ変更を行い、社内のマネジメントアプローチと統一し、今後は「公共・ICTインフラ事業」、「コーポレートファイナンス事業」、「不動産・エネルギー事業」、「グローバル事業」、「インベストメント事業」の5つの事業別に損益管理を強化してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、春季労使交渉における高水準の賃上げや雇用環境の改善、設備投資の底堅さなどを背景に、内需を中心に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、エネルギー・原材料価格の高止まりによる物価上昇の影響が続き、企業においてはコスト負担の増加や人手不足の深刻化が経営上の制約要因となりました。また、金融政策の正常化に伴う金利水準の上昇や為替相場の変動など、金融環境の変化にも留意が必要な状況となりました。海外経済においては、米国経済の減速懸念や中国経済の回復鈍化、通商政策を巡る不確実性に加え、ウクライナ情勢の長期化や中東情勢における地政学リスクの顕在化などから、先行き不透明な状況が継続しました。このような経営環境のもと、当社グループは外部環境の変化を注視しつつ、柔軟かつ機動的な事業運営を行い、収益力の強化と持続的な成長に努めてまいりました。当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2025年4月から2026年3月累計のリース取扱高は、前期比4.2%増の5兆2,984億円となっています。(出典:2026年5月28日付公表 公益社団法人リース事業協会「リース統計」)このような状況下において、当社リース事業の契約実行高は、前期比22.6%増加、成約高は同28.9%増加となりました。増加の主な要因は、「GIGAスクール構想第2期」におけるICT機器案件の獲得に加え、官公庁を中心とした大型案件獲得が順調に推移したことによるものです。ファイナンス事業においては、企業融資が前期比で増加したものの、ファクタリングの前期比減少等により、契約実行高、成約高共に前期比減少となりました。インベストメント事業においては、債権投資や企業投資における収益拡大により売上高、売上総利益ともに前期比増加となりました。販売費及び一般管理費等の負担増を吸収し、営業利益についても前期比増加を確保しました。その他の事業においては、販売用不動産や太陽光売電設備の売却益計上が主な要因となり、営業利益は前期比で大幅な増加となりました。当期の売上高は、リース事業における取引拡大に加え、その他の事業での販売用不動産や太陽光発電設備売却等により、前期比で増加となりました。営業利益は、ファイナンス事業において個別の引当金計上等があったものの、リース事業およびその他の事業の増益が寄与した結果、全体としては前期比で増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、営業利益、経常利益の前期比増加を主な要因として、過去最高益を更新しました。以上により、当連結会計年度の業績は、売上高3,061億55百万円(前期比20.1%増)、営業利益106億17百万円(同36.4%増)、経常利益114億27百万円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91億80百万円(同38.9%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。a. リース事業売上高は、前期比5.4%増の2,416億18百万円となりました。また、営業利益についても資金原価の増加を吸収して売上総利益が増加したこと等により、前期比18億64百万円増加の62億31百万円となりました。 b. ファイナンス事業売上高は、金利収入やフィー収入の増加等により前期比14.4%増の87億1百万円となったものの、営業利益は貸倒引当金繰入額の増加等により、前期比9億76百万円減少の19億7百万円となりました。 c. インベストメント事業売上高は、大型販売用不動産の売却や営業投資有価証券の売却の増加等により、前期比76.4%増の243億71百万円となりました。営業利益は、資金原価や販売費及び一般管理費の増加等を吸収し、前期比1億73百万円増加の23億67百万円となりました。 d. その他の事業売上高は、販売用不動産の売却や太陽光発電設備の売却の増加等から、前期比621.2%増の315億78百万円となり、営業利益についても前期比18億78百万円増加の24億2百万円となりました。 ②財政状態の状況当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べて1,169億54百万円増加し、1兆3,417億52百万円となりました。主な要因としては、現金及び預金が414億11百万円減少したものの、リース債権及びリース投資資産が779億75百万円、買取債権が224億24百万円、営業貸付金が212億20百万円増加したことによります。負債は、前連結会計年度末に比べて1,057億35百万円増加し、1兆1,881億47百万円となりました。主な要因としては、短期借入金が279億42百万円減少したものの、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)が732億12百万円増加したことによります。純資産は、前連結会計年度末に比べて112億19百万円増加し、1,536億4百万円となりました。主な要因としては、利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益等により59億15百万円、非支配株主持分が19億4百万円、繰延ヘッジ損益が17億47百万円増加したことによります。 ③キャッシュ・フローの状況当社グループは、官公庁・自治体や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等のファイナンスサービスを提供している他、ファクタリング、決済・回収代行及び債権流動化等のサービスについても行っており、割賦債権、リース債権及びリース投資資産並びに営業貸付金等の営業債権を保有しております。また、営業投資有価証券、有価証券及び投資有価証券は、主に株式、債券及び組合出資金であり、純投資目的及び営業推進目的で保有しています。さらにこれらに加えて、外貨建ての海外投融資に取り組む他、当社グループの一部の連結子会社では、自己勘定やファンドを通じて、企業(株式)、貸付債権及び不動産を対象に投融資を行っております。当社グループの資金調達は営業資産との整合を基本としており、営業資産等の増減にあわせて資金調達を行っています。具体的には、市場の状況を踏まえ、長期と短期や直接と間接等のバランスを図りつつ、金融機関からの借入れを中心に、社債やコマーシャル・ペーパーの発行並びに債権流動化といった様々な方法で資金調達をしております。また、当社グループの主たる営業資産は、リースや割賦取引を中心とした固定金利の資産でありますが、資金調達は主に変動金利での借入を中心に行っているため、営業資産及び負債の総合管理(ALM)により、金利変動リスク及び流動性リスクの低減に努めております。その一環として、現在及び将来の獲得利鞘が変動するリスクをヘッジするために金利スワップ取引を利用しています。なお、外貨建の営業資産の為替変動リスクについては、外貨建資産・調達の残高を両建てとする取引を行う他、通貨スワップ取引を用いてヘッジしております。資金調達に係る流動性リスク(支払期日に支払を実行できなくなるリスク)に対しては、営業資産のキャッシュ・フローと営業負債のキャッシュ・フローの対応関係を適切に維持することのほか、資金調達手段の多様化への取組みや適正な水準の手許流動性を維持することなどによりリスクの低減を図っております。なお、金融環境の変化に対応した財務戦略を実施した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は688億86百万円となりました。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン等契約の当連結会計年度末時点における未使用総額は3,245億38百万円となっております。 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下資金という)は、688億86百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動の結果によって使用した資金は660億70百万円(前期は340億5百万円の支出)となりました。これは主に減価償却費227億46百万円の計上があったものの、リース債権及びリース投資資産の増加額764億53百万円並びに賃貸資産の取得による支出277億19百万円があったことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動の結果によって使用した資金は295億2百万円(前期は150億10百万円の支出)となりました。これは主に投資有価証券の償還による収入119億85百万円があったものの、投資有価証券の取得による支出320億72百万円及び連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出154億79百万円があったことによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動の結果によって得られた資金は555億12百万円(前期は1,056億41百万円の収入)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出1,591億14百万円があったものの、長期借入れによる収入2,239億47百万円があったことによります。 (2) 特定金融会社等の開示に関する内閣府令に基づく貸付金(営業貸付金)の状況「特定金融会社等の開示に関する内閣府令」(1999年5月19日 大蔵省令第57号)に基づく、当社の貸付金(営業貸付金)の状況は次のとおりであります。 ①貸付金の種別残高内訳2026年3月31日現在貸付種別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)平均約定金利(%)消費者向 無担保(住宅向を除く)―――――有担保(住宅向を除く)―――――住宅向―――――計―――――事業者向 計7,632100.00130,747100.004.27合計7,632100.00130,747100.004.27 ②資金調達内訳2026年3月31日現在借入先等残高(百万円)平均調達金利(%)金融機関等からの借入667,9491.85その他401,6001.00 社債・CP401,6001.00合計1,069,5491.53自己資本111,378― 資本金・出資額3,803― ③業種別貸付金残高内訳2026年3月31日現在業種別先数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)農業、林業、漁業、鉱業340.738650.66建設業1,16124.963,8802.97製造業51811.1337,65928.81電気、ガス、熱供給、水道業80.174,2133.22情報通信業611.314,3203.30運輸業2294.923,6372.78卸売・小売業70215.097,5845.80金融・保険業581.2511,4928.79不動産業1884.047,5795.80飲食店、宿泊業791.705030.39医療、福祉56312.102,3511.80教育、学習支援業661.422,4311.86サービス業96820.8129,21322.34個人――――その他170.3715,01411.48合計4,652100.00130,747100.00 ④担保別貸付金残高内訳2026年3月31日現在受入担保の種類残高(百万円)構成割合(%)有価証券 8,6806.64 うち株式8,6806.64債権 3,6692.81 うち預金――商品 ――不動産 12,5889.63財団 ――その他 17,66613.51計42,60432.59保証 2,5821.98無担保 85,56065.43合計130,747100.00 ⑤期間別貸付金残高内訳2026年3月31日現在期間別件数(件)構成割合(%)残高(百万円)構成割合(%)1年以下1,99826.1847,52636.351年超 5年以下1,59420.8946,77835.785年超 10年以下3,97752.1031,62524.1910年超 15年以下420.552,6802.0515年超 20年以下210.282,1371.6320年超 25年以下――――25年超――――合計7,632100.00130,747100.00一件当たり平均期間55.15月 (3) 営業取引の状況①契約実行高 当連結会計年度における契約実行高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。なお、契約実行高は提出会社と同子会社であるNCSアールイーキャピタル株式会社の取引が大半を占めているため、両社の状況について合算して記載しております。セグメントの名称前事業年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)契約実行高(百万円)前期比(%)契約実行高(百万円)前期比(%)リース事業ファイナンス・リース197,09134.0260,54532.2オペレーティング・リース28,7693.421,427△25.5割賦14,205△20.410,981△22.7リース事業計240,06624.6292,95322.0ファイナンス事業342,9111.3297,736△13.2その他の事業14,725669.018,86328.1合計597,70312.1609,5532.0 (注)リース事業については、当事業年度に取得した資産の購入金額を表示しております。 ②営業資産残高当連結会計年度における営業資産残高をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称前連結会計年度当連結会計年度期末残高(百万円)構成比(%)期末残高(百万円)構成比(%)リース事業615,38558.8690,42258.6ファイナンス事業231,53722.1251,37021.3インベストメント事業152,03814.5194,82016.5その他の事業48,0874.642,0653.6合計1,047,048100.01,178,678100.0 (注)当連結会計年度におけるインベストメント事業の営業資産残高の内訳は、営業貸付金が43,818百万円、買取 債権が33,134百万円、営業投資有価証券が31,438百万円、販売用不動産が16,844百万円、賃貸資産が 33,001百万円、投資有価証券が36,583百万円となっております。 ③営業実績連結会計年度における営業実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)セグメントの名称売上高(百万円)売上原価(百万円)差引利益(百万円)資金原価(百万円)売上総利益(百万円)リース事業229,195207,91721,2785,28215,995ファイナンス事業7,603277,5762,7904,785インベストメント事業13,8185,2048,6131,6986,915その他の事業4,3782,0652,3132582,055調整△116△25△90-△90合計254,879215,18839,69010,02929,660 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)セグメントの名称売上高(百万円)売上原価(百万円)差引利益(百万円)資金原価(百万円)売上総利益(百万円)リース事業241,618216,41525,2027,05618,146ファイナンス事業8,7012508,4503,3705,080インベストメント事業24,37113,34411,0262,3728,654その他の事業31,57826,2295,3485574,791調整△113△29△83-△83合計306,155256,21049,94513,35636,589 (注) 1.セグメントの区分は、主な営業取引の種類により区分しております。2.各セグメントの主要品目は以下のとおりであります。①リース事業 情報通信機器、事務用機器及びその他各種設備機器等のリース・レンタル・割賦販売 リースに関連する物品売買、満了・中途解約に伴う物件売却及びリース機器の保守サービス等②ファイナンス事業 金銭の貸付、ファクタリング及び配当収益の収受を目的とする有価証券投資等③インベストメント事業 有価証券の売却益の収受を目的とするベンチャー企業向け投資等 株式会社リサ・パートナーズが行っているアセット、不動産及びアドバイザリーの各ビジネス④その他の事業 賃貸レジデンス・ヘルスケアウェアハウジング事業、再生可能エネルギー発電・売電事業、PFI・PPP事業、観光事業及びその他各種サービス等 (4) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、基本となる重要な事項は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。なお、当社グループは、連結財務諸表の期間比較可能性及び企業間の比較可能性を考慮し、日本基準で連結財務諸表を作成しております。IFRSの適用につきましては、国内外の諸情勢を考慮の上、適切に対応していく方針です。当社グループの連結財務諸表に関して、認識している重要な見積りを伴う会計方針は以下のとおりです。 貸倒引当金当社は、官公庁・自治体等や大企業から中小企業までの幅広い顧客層に対して、主としてリース、割賦及び企業融資等の営業取引を行っており、これらの営業債権の回収は、景気変動やその他の事由により延滞や倒産等が生じた場合、契約条件に従った債務履行がなされない可能性があります。そのため当社の営業債権である割賦債権、リース債権及びリース投資資産、賃貸料等未収入金並びに営業貸付金等については、顧客の契約不履行によってもたらされる信用リスクに晒されており、重要な会計上の見積りを必要とします。当社の営業債権に関する信用リスクの管理にあたっては、社内管理規程に沿って顧客毎の状況を定期的にモニタリングし、期日及び残高を管理するとともに、財政状態の悪化等による回収懸念の早期把握や軽減を図っております。取組時において個別案件毎の与信審査、与信限度額、与信情報管理、内部格付及び成約条件の設定を行っておりますが、途上の与信管理で与信不安情報等を入手した際は与信ランクの変更をしております。当社は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)1.貸倒引当金」に記載のとおり、営業債権の貸倒損失に備えるため、顧客の信用リスクの度合いに応じて債務者区分を決定し、債務者区分に基づき債権を一般債権、貸倒懸念債権及び破産更生債権等に分類しております。貸倒引当金は、一般債権については貸倒実績率により計上しております。貸倒懸念債権のうち、今後の債権の元本の回収及び利息の受取りに係るキャッシュ・フローを合理的に見積ることができ、与信額が一定額以上の大口債務者に係る債権については、キャッシュ・フロー見積法により計上しております。上記以外の貸倒懸念債権及び破産更生債権等については、保全による回収見込額に加え債務者の財政状態及び経営成績を考慮して個別に回収可能性を検討することにより、回収不能見込額を計上しております。債務者区分の判定は、予め定めている債務者区分別引当基準に基づき、延滞情報を含む返済状況及び顧客の財務指標等の定量的要因並びに将来の業績見通し等の定性的要因に関連する情報を勘案して行っております。当社は、当連結会計年度末時点で入手可能な情報に基づき、貸倒引当金を計上しておりますが、保有する営業債権の回収期間が中長期にわたることから、経済及びその他の事象または状況の変化や顧客の経営成績・財政状態の悪化により、顧客の延滞・倒産等の不測の事態を被り、翌連結会計年度に追加の引当金の計上が必要となってくる可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高3,061億55百万円(前期比20.1%増)、営業利益106億17百万円(同36.4%増)、経常利益114億27百万円(同21.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益91億80百万円(同38.9%増)となりました。売上高は、リース事業における取引拡大に加え、その他の事業での販売用不動産や太陽光発電設備売却等により、前期比で増加となりました。営業利益は、ファイナンス事業において個別の引当金計上等があったものの、リース事業およびその他の事業の増益が寄与した結果、全体としては前期比で増加となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、営業利益、経常利益の前期比増加を主な要因として、過去最高益を更新しました。 当連結会計年度における「中期計画2025」の3つの事業戦略、経営基盤強化戦略、並びに非財務目標の進捗は以下の通りです。 事業戦略① サービス事業の拡大、新たな循環型サービスを創出非金融サービス領域はパートナーとの連携強化等により着実に拡大しました。当社のアセットソリューション事業は、主にヘルスケア施設関連の不動産投資を行ってきましたが、投資対象をレジデンス分野にも拡大し、マンションディベロッパーと共同した新規物件の開発等の取り組みを進めています。具体的には賃貸レジデンスシリーズ「CLARITIA/クラリティア」の開発に取り組み、すでに複数の物件が竣工しています。これらの取り組みによりアセットタイプの多様化、回転型ビジネスによるキャピタルゲインの創出など収益が拡大しました。これは、私たちが従来のリース会社の枠を超え、新しい価値を生み出せることを示した成果と考えています。また、太陽光発電事業においては、パートナー拡大により、電源開発及びセカンダリー案件取得機会が増加、アドバイザリーやPFI等フィービジネスにおいては収益向上策を展開しました。加えて、ICT領域におけるサブスクリプションモデルや付加機能の拡充に向けて、新たな循環型サービス「メーカー保証付き再生PC」の提供を開始し、本取り組みは「21世紀金融行動原則運営委員長賞」を受賞しました。一方で、新たな循環型サービスの本格収益化は、まだこれからのテーマであると考えています。 事業戦略② 注力事業への戦略的投資による成長加速ICT関連サービス事業は着実に伸長、PC-LCMサービス顧客を拡大するとともに、IT資産管理など付加価値の提供が進みました。更に、Windows11の更新需要を着実に取り込み、大型案件の受注拡大により営業成績は伸長しております。加えて金融プロダクトの領域拡大、LBOファイナンスやエクイティ等共同投資の取り組みを推進し、キャピタルゲインの実現を伴いながら、収益性向上に向けた資産の入れ替えを継続した結果、営業収益(売上総利益+営業外収益(SPC))を大幅に増加させることができました。SBI新生銀行との新たなパートナーシップを活用したシナジー案件も増加しており、今後の成長ドライバーにつながっていくものと考えています。また、リサ・パートナーズにおける収益安定化と持続的な成長投資に向けて大型のインカムゲインアセットの取得が計画を上回る進捗となったことも成果と考えています。 事業戦略③ ベンダーファイナンスの強化および顧客基盤拡充官公庁自治体の大口案件を複数獲得したことや「GIGAスクール構想第2期」の着実な取込みにより、当期のリース事業の契約実行高、成約高が共に前期比20%以上の伸長となるなど、ベンダーファイナンスの強みを活かした成果につなげることができました。これらの成果により資産の拡大と共に収益性の向上も実現しています。またベンダーと連携したクラウドサービス等の月額提供モデルの取り組み、ベンダー支援強化に加え、お客様の課題解決に向けた様々なサービス提供のため体制見直しを実施、人材育成、社内協業体制を強化しました。一方で、費用増加や競争激化、小口リースビジネスの再構築、業務プロセス改善など、課題も明確になりました。事業としての強みは確認できたものの、今後の更なる成長のためには、オペレーションやビジネスモデル自体の進化が必要であり、次期中期計画において進化に向けた諸施策を実行してまいりたいと考えています。 経営基盤強化戦略及び非財務目標の進捗経営基盤強化戦略としては、グループビジョン・中期計画浸透に向けた対話会を全社で継続実施すると共に、働き方、カルチャー変革に向けた各種制度の見直しを行い、社員のエンゲージメント向上に向けた取り組みを進めました。業務プロセスの標準化、デジタル化、DX推進、人事制度改革、リスク管理高度化など、経営基盤強化に向けた土台づくりも着実に進展したと考えています。また、大株主の異動に伴うシステムインフラ、制度変更等についても遅滞なく対応することができました。次のステップにおいては、制度や仕組みを導入するだけでなく、現場に定着させ、成果につなげることが課題であり、特に、マネジメント力、エンゲージメント、間接機能の最適化、カルチャー変革は、今後の成長に直結するテーマと捉えています。次期中期計画においては、この経営基盤強化を、事業戦略と同じ重みで進めていきます。なお、CDP気候変動レポートにおいては「A-」スコアから最高ランクの「A」スコアにステップアップするなど、気候変動対応に関する取り組みの継続強化が外部評価につながる結果となりました。 「中期計画2025」においては、財務目標と共に非財務目標も公表いたしました。環境・社会課題と人的資本の観点から7項目を抜粋して対外的にも目標をコミットすると共に、これら7項目は常勤取締役の成果目標としてKPIに採用しています。中期計画2025の目標7項目のうち6項目について目標を達成しました。エンゲージメントスコアについては目標未達となるものの、全社規模・職場単位の取組み強化により2024年度から2025年度にかけて一年で7ポイントも改善しており、次期中期計画期間中に改めて目標達成を目指してまいります。 当社グループの当連結会計年度における資本の財源及び資金の流動性について、営業活動によるキャッシュ・フロー、投資活動によるキャッシュ・フローは共に、問題ない状態と考えております。円貨調達に関しては、会計年度を通じて安定した調達を行うことができましたが、2024年3月の日銀金融政策決定会合におけるマイナス金利解除以降、日銀は段階的な利上げを実施しており、今後の動向に注視が必要と考えております。市場金利も上昇傾向にありますが、金利リスクについては高いヘッジ比率を維持しており、問題ないものと考えております。外貨調達に関しては米国政策金利が段階的な利下げ局面にある中でトランプ政権の施策により米国市場の長期金利は上昇する場面もあり、今後も引き続き動向を注視する必要があると考えておりますが、当社の外貨建営業資産については、原則固定金利営業資産に対して固定金利調達を行うことにより金利変動リスクをヘッジしております。なお、当連結会計年度においては、特筆すべき資本的支出はありません。 b. セグメントごとの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当連結会計年度におけるセグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下のとおりであります。 リース事業 当社グループの属するリース業界においては、業界全体の2025年4月から2026年3月累計のリース取扱高は、前期比4.2%増の5兆2,984億円となっています。(出典:公益社団法人リース事業協会「リース統計」) このような状況下において、当社リース事業の契約実行高は前期比22.6%増、成約高は同28.9%増となりました。契約実行高、成約高共に、官公庁を中心に案件計上が順調に推移した結果、前期比増となりました。GIGA第二期の着実な取込み(成約高728億円、契約実行高568億円)も寄与しています。なお当連結会計年度のセグメント損益については、基本リース、再リースが好調に推移したことに加え、与信コストの減少もあり、売上総利益、営業利益共に前期比増加となりました。営業資産残高につきましては6,904億22百万円(前期末比750億37百万円増)となっております。 今後の見通しについては、既存契約の利回り向上によるGP増加やGIGAスクールの更新需要取り込み、与信コストの減少などを前提に、順調に推移するものと考えています。また、SBIグループの昭和リースとの協業によるビジネス機会の拡大等についても協業を進めてまいります。 ファイナンス事業 ファイナンス事業においては、企業融資の伸長はあるものの、ファクタリングの減少により、契約実行高、成約高共に前期比減少となりました。セグメント損益については、金利収益やエクイティ収益の増加に加え、企業融資手数料の拡大などから、売上高、売上総利益ともに前期を上回りました。一方で、与信コストの増加により、営業利益については前期比減少となりました。営業資産残高につきましては2,513億70百万円(前期末比198億33百万円増)となっております。 なお、今後の見通しについては、企業融資の積み上げを図りながら金利収益を伸ばすと共に、資産の入れ替えによるキャピタルゲイン獲得により持続的なGP確保を目指していきます。加えてSBI新生銀行との協調も踏まえ、中長期的な持続的成長を描けるものと考えています。 インベストメント事業 インベストメント事業においては、大型の不動産売却や債権投資売却収入の増加等により、売上高、売上総利益、営業利益共に前期を上回りました。今後の見通しについては、リサ・パートナーズを中心に持続的な収益拡大を図り、ベンチャーファンドにおいては、EXIT案件の精度を高め収益確保を目指します。また、SBI新生銀行との協業などを通して持続的な成長を図っていく予定です。 その他の事業 その他の事業においては、販売用不動産の売却や不動産賃料収入の増加等により、売上高、売上総利益、営業利益ともに前期比増加となりました。今後の見通しについては、前期からの期ずれ案件の着実な取込みを図ると共に、資産の入れ替えを行いながらキャピタルゲインを獲得していくことで、引き続き安定的な収益確保が可能と考えています。またSBI新生銀行との協業案件も出始めており、今後もSBIグループとの協業を進めながら収益機会の拡大を図ってまいります。 c. 目標とする経営指標の達成状況等経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標として、当社は「中期計画2025」において、連結ROA(連結当期純利益÷連結営業資産残高平残)を公表いたしました。これはアセットビジネスを中心とした当社のビジネス特性から、中計3か年における収益性の向上を図るうえで適切な指標であると判断したためであります。当連結会計年度の連結ROAの実績は、リース事業を中心に期末に営業資産が積みあがった影響もあり、0.8%と目標未達となりましたが、収益性の高いアセットの積み上げは出来ており、各種施策の着実な実行を通して次期中期経営計画「中期計画2028」で掲げた目標達成を目指してまいります。 d. 気候変動への対応について事業等のリスクにおいても記載した通り、地球規模の気候変動に係るリスクが、中長期的な将来のものではなく、今そこにある危機として認識されるようになってきました。昨今の異常気象がもたらすビジネス上の損失は、個別企業によっては事業継続上無視できないレベルに達しており、日々の経営判断においても気候変動に係るリスクを意識することが必要になってきたと認識しております。工場等の製造設備を持たない当社にとって、気候変動への対応は自社の環境負荷軽減活動以上に、事業活動を通した環境負荷軽減活動が重要になってくると考えております。当社はこれまでも「リースは循環型産業である」という考え方のもと、各種取り組みを進めてまいりましたが、こうした状況を踏まえTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同すると共に、その枠組みに準拠したPDCA体制を構築し、気候変動に係るリスクへの対応を推進しております。 e. 今後の見通し2026年度のわが国経済は、米国の関税政策や中東情勢の不安定化などの外部環境に大きく左右される可能性が出てきました。米国の関税維持・再強化は日本の輸出にマイナス影響を与え、国内設備投資の停滞などにつながる可能性があります。また、中東情勢の緊張は原油価格や物価上昇を引き起こし、実質賃金の回復ペースを鈍らせる結果、個人消費の勢いを弱める要因になると考えられます。賃上げの定着や金融正常化の進展、内需中心の経済構造などから、景気後退に陥るリスクは限定的とみられますが、米国の通商政策と中東情勢という二つの外部ショックが同時に作用した場合、日本経済の成長率は大きく押し下げられる可能性があると考えられます。このような状況において、当社グループは、2030年に向けたグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」の実現に向けた第2段階として、中期経営計画(以下「中期計画2028」)を策定いたしました。グループビジョン実現に向けた第二のステップとなる「中期計画2028」では、世界経済や金融市場の先行きに不透明感が残る一方、ICT投資やDX需要の拡大が見込まれる事業環境を踏まえ、サステナビリティ経営を深化させると共に、事業基盤の進化・経営基盤の強化を推進し、第一段階で創出した循環型サービスを発展させ、持続的な成長と企業価値向上を目指していきます。また、開示セグメントについては商品軸から事業軸へのセグメントへ変更、社内のマネジメントアプローチと統一し、「公共・ICTインフラ事業」、「コーポレートファイナンス事業」、「不動産・エネルギー事業」、「グローバル事業」、「インベストメント事業」の5つの事業別に損益管理を強化してまいります。上記方針のもと、2027年3月期の通期連結業績予想は、新たな事業セグメントごとの損益管理の強化による収益拡大を図るとともに、SBI新生銀行グループとの事業シナジーを創出することにより、売上高は当期比1.3%増の3,100億円、営業利益は当期比55.4%増の165億円、経常利益は当期比48.8%増の170億円、親会社株主に帰属する当期純利益は当期比8.9%増の100億円といたしました。なお、配当予想につきましては、国内外の事業環境の不安定化への対応として内部留保の蓄積を図りながら、安定配当の維持を基本方針とする当社の配当政策を維持し、当期と同様の1株当たり年間150円の配当(うち中間配当75円)を実施する予想とさせていただきました。なお、以上の文中における業績見通し等の将来に関する記述は、当社が当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の業績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
事業リスク
- 気候変動による影響異常気象によるビジネス上の損失や、気候変動関連の規制強化などが、中長期的に事業活動に影響を及ぼす可能性があります。TCFDに賛同し、リスク対応体制を構築していますが、予期せぬ自然災害や政策変更が業績に影響を与えるリスクがあります。
- 信用リスクの増大リースやファイナンス事業は顧客への与信を伴うため、景気変動や顧客の業績悪化により、貸倒損失が増加する可能性があります。厳格な審査やポートフォリオ管理を行っていますが、経済状況の急変は回収困難な債権を増加させ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 金利変動によるコスト増リース会社は事業資金の多くを金融機関からの借入に依存しており、市場金利が急激に上昇した場合、調達コストが増加し、収益を圧迫する可能性があります。ALM(資産・負債の総合管理)でリスク低減を図っていますが、金利の急激な変動は避けられないリスクです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループは2023年4月、新たなグループビジョン「次世代循環型社会をリードするSolution Company」を策定いたしました。これまで掲げてきたCSV経営(Creating Shared Value=共通価値の創造)は継続しながら、気候変動対応をはじめとする社会課題の多様化、先端技術の発展、将来の産業や社会生活の大きな変化に対応するべく、CSV経営と親和性の高いSDGsに同期する2030年を新たなグループビジョンのゴールとしました。これまで私たちはリース事業を通して、環境に配慮した製品の導入、高度な3R処理による資源循環により循環型社会の実現に向けた取り組みを推進してきました。一方で、2030年以降を見据えた「次世代循環型社会」は、資源効率の向上による環境負荷の低減のみならず、資源を循環利用し続ける世界、そこから発展し、新たな付加価値を生み出し続ける循環型の経済社会となることを想定しています。この想定する社会において、当社グループはキャピタルソリューションの革新により、モノの循環利用に繋がるサービス、地域経済・社会の好循環に繋がるサービス、企業成長の好循環に繋がるサービスを提供し、環境と成長の好循環を実現すると共に、多様化するお客様と社会の課題解決を通して、「次世代循環型社会」の実現を目指してまいります。こうした取り組みの中、リスクマネジメント(管理)とリスクコントロール(制御)は事業展開を決定する重要な要素のひとつであると捉え、収益の源泉として管理すべきリスクと収益の源泉とはならない削減すべきリスクに分けて考えております。以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。 (1) 気候変動に係るリスク地球規模の気候変動に係るリスクが、中長期的な将来のものではなく、今そこにある危機として認識されるようになってきました。昨今の異常気象がもたらすビジネス上の損失は、個別企業によっては事業継続上無視できないレベルに達しており、日々の経営判断においても気候変動に係るリスクを意識することが必要になってきたと認識しております。こうした状況を踏まえ、当社はTCFD(Task Force on Climate-related Financial Disclosures :気候関連財務情報開示タスクフォース)に賛同すると共に、その枠組みに準拠したPDCA体制を構築し、気候変動に係るリスクへの対応を開始しております。 (2) 信用リスク当社グループでは、リース事業やファイナンス事業等の与信を伴う各種事業を営んでおります。新規取引時は、顧客の信用状況のほか、リース取引についてはリース物件の将来中古価値等も勘案し、海外取引についてはカントリーリスクも含めて、厳格に審査を行っております。また、取引開始後は定期的に顧客の業況をチェックし、財務状況や市場動向の変化を把握できるように管理をするとともに、信用リスクの程度に応じて、担保・物件処分等による回収見込額及び貸倒実績率等を勘案した貸倒引当金の計上を行っております。さらに、既存顧客ごとの信用状況や業界毎の市場動向を定期的に検証し、特定の企業や業種に与信残高が集中しないように、ポートフォリオ管理を行っております。しかしながら、リース事業やファイナンス事業は回収期間が中長期にわたることから、景気変動やその他の事由により延滞・倒産等不測の事態を蒙り、貸倒損失又は貸倒引当金繰入の負担が増加して当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性はありますが、その場合においてもリース物件や担保資産の売却等で債権保全・回収の極大化に努めております。 (3) 流動性リスク当社グループは金融情勢の変動に対して柔軟に対処していくため、特定の資金調達先や調達方法に依存しないよう留意しております。直接調達においては、社債、コマーシャル・ペーパーの発行等調達方法の多様化を図りつつ安定調達に注力し、間接調達においては、主要金融機関との良好な関係を維持しつつ幅広く多くの金融機関と取引を行っております。直接調達については格付機関より短期債及び長期債の格付けを取得しておりますが、今後の業績の変動等により当社グループの格付けが見直された場合や、市場の混乱等により、市場において資金調達が困難となり、通常よりも著しく不利な金利水準での資金調達を余儀なくされる場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。なお、金融環境の変化に対応した財務戦略を実施した結果、当連結会計年度末の現金及び預金は688億86百万円となりました。また、複数の金融機関との間で締結しているコミットメントライン等契約の当連結会計年度末時点における未使用総額は3,245億38百万円となっております。 (4) 金利変動リスク一般的にリース会社は、リース事業やファイナンス事業等の成約に伴い、対象物件の購入資金や貸付資金のため、必要資金の多くを金融機関等から調達しております。このため、当社においても長・短借入金等を中心とする有利子負債比率が高くなっております。市場金利が急激に上昇した場合は、調達コストの増加につながり、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、営業資産・負債の総合管理(ALM)を実施することにより金利変動リスクの低減に努めております。 (5) 為替変動リスク当社グループでは、外貨建の案件を一部取り扱っており、為替相場の急激な変動により当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、基本方針である外貨建営業資産とバランスさせた外貨建調達を実行することで為替変動リスクの低減に努めております。 (6) 残価変動リスク当社グループでは、中古価値が見込めるリース物件を対象にリース満了時の残存価値(以下、「残価」という。)を設定したオペレーティング・リースを展開しております。この取引では、リース満了時に返還された物件を、当初設定した残価を上回る価格で売却することにより利益を得る可能性を有する半面、売却価格が残価を下回る場合には損失が発生するリスクを有しております。そのため予想を上回る市場環境の変化や技術革新等によって、当該物件の処分価格が残価を下回った場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、定期的なモニタリングの実施とリスク量の計測を行うと共に、物件の種類や満了時期を分散させることで残価変動リスクの低減に努めております。 (7) 株価及び有価証券価格変動リスク当社グループでは、上場・非上場の株式及び債券を保有しております。これらの資産の価格は変動するものであり、その価値は将来著しく下落する可能性があります。価格が著しく下落した場合、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、これらの変動リスクの対処としては、当社グループが許容する範囲内に当該リスク量を収めるべくリスク管理を行っており、当社グループのリスクの管理低減に努めております。 (8) 不動産価格変動リスク当社グループでは、販売用不動産を保有しております。販売用不動産は、不動産時価が下落した場合、評価損が発生し、また売却時に売却損が発生する可能性があります。不動産担保ローンや建物リース、また不動産からのキャッシュ・フローを返済原資とするノンリコースローンにおいては、取引の対象となる不動産の価値が目減りし、当該取引の債権の与信が悪化する可能性があります。不動産価格の変動が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは、不動産関連与信の集中状況を確認しながら取引審査を厳格に行うと共に、その後の与信管理にも万全を期し、担保として設定されている不動産の再評価に注力し、健全な債権内容の維持に努めております。 (9) 海外投資のリスク当社グループでは、海外の企業に対する投融資を行なっております。これら投資先の経営状況の悪化、株式・債券市場の市況の悪化及び海外投資における国・地域固有の政治・経済・社会情勢の変動によるカントリーリスクの顕在化等による事業環境の変化が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクの対処として、海外営業取引に関するカントリーリスクの管理制度を定めており、特定の国へのリスクへの集中や過大なリスクの管理低減に努めております。 (10) SBI新生銀行グループとの関係当社グループは、2024年10月2日、株式会社SBI新生銀行(以下「SBI新生銀行」という)の持分法適用関連会社となり、SBI新生銀行グループに属する総合金融サービス会社として、リース事業、ストラクチャードファイナンス分野及び地域貢献・地方創生の分野において、同グループ各社との連携を進めております。当社グループは、昭和リース株式会社との相互補完によるリース事業における事業機会の拡大、SBI新生銀行との連携によるストラクチャードファイナンス分野での投融資事業の強化、並びに地域金融機関等との連携を通じた不動産、ヘルスケアアセット及び再生可能エネルギー等の分野における顧客ニーズへの対応を企図しております。これらの連携施策が想定どおりに進捗しない場合、又は当初見込んだシナジー効果が発現しない場合には、当社グループの事業戦略の推進、収益機会の獲得及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (11) NECグループとの関係当社グループは、2024年10月2日の資本異動により日本電気株式会社(以下「NEC」という)の持分法適用関連会社ではなくなりました。筆頭株主の異動はあるものの、当連結会計年度末現在において、NECは引き続き当社の議決権の11.81%を保有する第二位の大株主として関係を維持しており、当社グループは引き続きNECグループ向けに金融サービスを提供する重要なパートナーとして、一層の事業連携を推進していきます。なお、当社グループにおけるNEC製品・サービスの取扱比率の高さから、NECの業績動向が当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 設備投資の動向及びリース業界における競合当社グループが基軸として事業展開しているリース事業は、顧客が設備投資を行う際の資金調達手段の一つとなっております。従いまして、経済環境の急激な変化や顧客の経営状況の悪化等で設備投資需要が大幅に減少した場合、当社のリース事業の取扱高が減少し、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、リース業界では依然として多くのリース業を営む会社が存在しており、厳しい競合状態にあります。市場金利の動向にかかわらず料率競争が継続した場合には、当社グループの収益性が低下し、業績等に影響を及ぼす可能性があります。こうした市場環境の下で、当社グループは中長期的な経営戦略に基づき、特色を生かしつつ収益体質を一層強化し競合に対処する方針であります。 (13) 自然災害によるリスク当社グループは、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある地震及び台風等の自然災害や感染症の流行等に対し、費用対効果を検討の上、事業活動への影響を最小化するための対策を実施しております。 (14) 制度変更リスク当社グループは、現行の法律・税務・会計等の制度や基準に基づき、リース取引等の各種事業を行っております。現行の制度や基準が将来大幅に変更された場合には、商品・サービスのメリット喪失や、規制対応へのコスト増加等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。こうしたリスクに対し、当社は既存の顧客基盤を深耕すると共に新規顧客の開拓を行いながら、顧客の経営資源に関わるさまざまな課題に対して解決策を提供することで、収益性向上とリスクの低減に取り組んでまいります。 (15) 重要情報漏えいリスク当社グループは、業務に関連して多数の機密情報や個人情報を保有しており、機密情報の漏えいが生じた場合には、罰則・損害賠償による損失、業務停止処分、信用の低下及び風評の悪化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクへの対処として、当社グループでは情報セキュリティ教育やアクセス制御等の情報セキュリティ管理体制の整備を通じ、人的・物理的・技術的対策を講じております。 (16) システムリスク当社グループでは、様々な情報システムを使用し業務を行っております。従業員の不適正な事務・事故・不正等、自然災害及びシステム障害等により情報漏えいや業務が中断するリスク等が想定されます。情報システムに重大な障害が発生した場合には、営業関係業務を中心に支障をきたすとともに当社グループへの信頼が損なわれ、当社グループの業績等に影響が及ぶ可能性がありますが、こうしたリスクへの対処として、これまでに情報システム機器のコンピュータ専用ビルへの移転、高速専用回線用バックアップ回線装備、外部不正アクセス防止強化及びシステム障害に即座に対応するための専門要員配置等を行っており、今後とも一層の情報システム管理の整備・強化に努めてまいります。 (17) 人材の育成・確保に関するリスク当社グループの事業を展開する上で必要な人材を育成または雇用できない場合や雇用している人材が退職した場合等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループとしては、事業展開上必要なノウハウの承継や新たな事業への取り組みの鍵は従業員であり、従業員の能力こそが会社にとっての大きな財産であると考え、採用活動の強化や計画的な教育・研修活動の強化に努めております。 (18) 内部統制の構築等に係るリスク当社グループにおいて、財務報告にかかる内部統制が有効に機能しなかった場合、或いは想定外の問題が発生した場合等の要因により、当社の内部統制部門または当社の会計監査人が当社の財務報告にかかる内部統制について重大な欠陥を指摘し、財務報告にかかる内部統制が有効でないと報告する可能性があります。このような事態が発生した場合、当社の財務報告に関する投資家の信頼低下等に基づく、当社株価の下落等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループでは、財務報告にかかる内部統制を構築し内部統制の有効性の確保と評価に努めております。 (19) コンプライアンスリスク当社グループは、業務を行うに際して、会社法、貸金業法、金融商品取引法、宅地建物取引業法、個人情報保護法及び独占禁止法等の法令等の適用及び規制当局の監督を受けております。また、海外においては現地の法令等の適用や規制当局の監督を受けております。これらについて違反が生じた場合には、罰則・契約解除・損害賠償による損失や、業務停止処分、登録・届出資格抹消、信用の低下、風評の悪化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「NECキャピタルソリューショングループ行動規範」を定め、コンプライアンス教育や内部通報制度を通じて、法令等のみならず広く社会ルールの遵守徹底に努めております。 (20) 人権リスク当社グループは、人権の尊重を経営における重要課題の一つであると認識し、「NECキャピタルソリューショングループ人権方針」を定め、グループ全体で人権尊重の取り組みを実践することにより社会的責任を果たします。国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」や日本政府の「責任あるサプライチェーン等における人権尊重のためのガイドライン」に基づき、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築し、事業活動やサプライチェーンを通じた人権リスクを評価・特定し、人権リスクの防止・軽減に継続して努めております。