9025

鴻池運輸(9025)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 複合ソリューション事業
    鴻池運輸は、単なる運送業にとどまらず、顧客企業の工場内での生産工程請負やプラント設備の据付など、多岐にわたる業務を請け負っています。鉄鋼、食品、航空、医療といった幅広い産業分野の顧客に対し、運搬だけでなく、生産効率向上やコスト削減を支援する複合的なサービスを提供することで収益を上げています。
  • 国内物流事業
    国内に保有する冷凍・冷蔵倉庫を拠点とした定温物流と、ドライ倉庫を拠点とした一般物流を展開しています。商品の保管から流通加工、配送までを一貫して提供し、特に食品製造業や流通・小売業の顧客に対して、温度管理が必要な商品の輸送や倉庫運営サービスを提供することで収益を得ています。
  • 国際物流事業
    国内外で海上・航空貨物の取扱業務や輸出入貨物の倉庫業務を行っています。生鮮食品から精密部品まで、多様な貨物の国際輸送をアレンジし、顧客の海外事業展開をサポートしています。フォワーディング業務や海外での定温・一般物流、プラント輸送・施工なども手掛け、グローバルなサプライチェーンを支えることで収益を確保しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 複合ソリューション事業
    鉄鋼、食品、航空、医療など多様な産業分野の顧客に対し、生産工程請負、工場構内運搬、プラント設備据付、医療機器滅菌消毒、産業廃棄物リサイクルといった複合的なサービスを提供しています。最新年度の売上高は2,166億4百万円、営業利益は205億89百万円と、鴻池運輸グループの最大の稼ぎ頭であり、高収益を上げています。
  • 国内物流事業
    国内の冷凍・冷蔵倉庫を拠点とした定温物流と、ドライ倉庫を拠点とした一般物流を展開しています。食品製造業や流通・小売業を中心に、商品の保管、流通加工、配送までを一貫して提供しています。最新年度の売上高は567億17百万円、営業利益は38億7百万円で、安定した収益基盤を形成しています。
  • 国際物流事業
    国内外で海上・航空貨物取扱業務、輸出入貨物の倉庫業務、国際複合一貫輸送サービスなどを提供しています。商社やメーカーを主な顧客とし、海外での定温・一般物流やプラント輸送・施工も手掛けています。最新年度の売上高は716億円、営業利益は47億26百万円で、グローバルな事業展開を支える重要なセグメントです。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
IntegratedSolutionsBusiness 地域 2,166 206 9.5%
DomesticLogisticsBusiness 地域 567 38 6.7%
InternationalLogisticsBusiness 地域 716 47 6.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,811 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社、関係会社72社(うち連結子会社56社)で構成されております。 当社及びその関係会社が営んでいる事業内容と、当該事業における各社の位置づけは次のとおりであります。なお、次の事業区分は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に掲げるセグメント情報の区分と同一であります。 なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。 当社の祖業は運輸業でありますが、顧客からの運搬請負から発展して事業を拡大した結果、現状においては顧客工場構内での工程請負、プラント設備機器の据付等の多岐にわたる業務を請け負うに至っております。なお、下記の事業区分のうち、当社は報告セグメントに含まれる事業に係る業務を行っております。 (1)複合ソリューション事業 鉄鋼、非鉄・金属、ガス及び化学などの素材産業分野から、食品及び日用品などの消費産業分野、航空産業分野並びに医療産業分野に至るまでの様々な業種・業態を対象として、顧客企業の事業活動における各種工程の業務請負を行っております。当該事業においては、顧客企業が抱える事業活動上の課題に対して、単純な運搬業務に留まらず、生産工程から流通工程及びこれらに付帯する各種業務、専門的スキルを要する特殊業務まで、当社グループの人材及び設備等の経営資源並びに業務ノウハウを活用した複合的なサービス(ソリューション)を提供することにより、顧客企業における生産効率・品質の向上及びコストダウンの実現に向けたサポートを行っております。 本事業に従事する当社の主な関係会社、本事業の主な顧客業種並びに具体的業務事例は以下のとおりであります。 複合ソリューション事業に属する主な関係会社の名称(注)鴻池メディカル㈱、鴻池エアーホールディング㈱、コウノイケ・エアポートサービス㈱、コウノイケ・スカイサポート㈱、㈱Kスカイ、㈱Kグランドサービス、㈱Kグランドエキスパート、日本空港サービス㈱、空港ターミナルサービス㈱、㈱エヌエービー、㈱ジェイフレンドリー、エアーエキスプレス㈱、㈱エコイノベーション、ASRリサイクリング鹿島㈱、コウノイケ・エキスプレス㈱、鳳テック㈱、中電産業㈱、コウノイケ・コーポレートサービス㈱、エヌビーエス㈱、千代田検査工業㈱、Konoike Philippines Corporation、SPD India Healthcare Pvt. Ltd.、FSNL Private Ltd.、MacroAsia Airport Services Corporation(持分法適用関連会社)、Vertex Engineers Private Limited(持分法適用関連会社)(注)1.持分法適用関連会社に関する株式は、セグメント情報の「調整額」の区分に含めております。 2.Vertex Engineers Private Limitedは、2026年4月1日付で名称をVertex Konoike Engineers Pvt.Ltd.に変更しております。 主な顧客業種素材産業分野鉄鋼、非鉄・金属、ガス、化学メーカー等消費産業分野食品・飲料、日用品メーカー等航空産業分野航空会社等医療産業分野医療機関、医療機器メーカー等 具体的業務事例生産工程領域・資材・原料の受入・製造請負・工場構内運搬・製品検査流通工程領域・工場、配送センターにおける製品入出庫、配送等・顧客及び当社物流センターにおける製商品の流通加工その他専門工程等・医療機器の滅菌消毒、病院内での医療機器洗浄並びに輸送・産業廃棄物の収集運搬・製鉄所における再資源化原料のリサイクル・工場プラント設備の設計・施工・設備保全 (2)国内物流事業 国内に保有する冷凍・冷蔵倉庫を拠点とした定温物流業務(注)、及びドライ倉庫を拠点とした一般物流業務を実施しております。顧客の商品の保管から流通加工、配送まで、スムーズな物流サービスを一括してご提供しております。 本事業に従事する当社の主な関係会社、本事業の主な顧客業種並びに具体的業務事例は以下のとおりであります。 国内物流事業に属する主な関係会社の名称九州産交運輸㈱、関西陸運㈱、日本空輸㈱、此花運輸㈱ 主な顧客業種定温物流業務食品製造業(飲料・食品・食品原料の製造メーカー)流通・小売業(スーパー、コンビニエンスストア、食料品卸会社)等一般物流業務機械・機器製造業、衣料品取扱業、小売業(量販店)等 具体的業務事例定温物流業務・冷凍・冷蔵倉庫の運営・冷凍食品・冷蔵食品等の定温管理下でのトラック輸送一般物流業務・物流倉庫運営・トラック輸送(注)定温物流業務とは、冷凍食品や生鮮食品等の温度管理を必要とする商品の輸送業務を指します。 (3)国際物流事業 国内外において海上貨物、航空貨物取扱業務及び輸出入貨物の倉庫業務等を実施しております。生鮮食品から最先端の精密部品までカバーする各種輸送を中心として、顧客の海外事業展開に必要なサポートをご提供しております。 本事業に従事する当社の主な関係会社、本事業の主な顧客業種並びに具体的業務事例は以下のとおりであります。 国際物流事業に属する主な関係会社の名称佐野運輸㈱、コウノイケ・シッピング㈱、㈱ニチウン、Konoike Kanepackage Holding Co.,Ltd.、Pine Valley Packaging Group Inc.、Pine Valley Packaging Mexico S.A. de C.V.、Konoike-Pacific California, Inc.、Konoike-General, Inc.、Konoike-E Street, Inc.、Konoike Transport & Engineering (USA), Inc.、Konoike Mexico S.A. de C.V.、Konoike Transport & Engineering (H.K.) Ltd.、鴻池国際貨運(深圳)有限公司、鴻池物流(上海)有限公司、鴻池亜細亜物流(江蘇)有限公司、BEL International Logistics Ltd.、創業國際貨運代理(中國)有限公司、BEL Supply Chain Solutions Ltd.、Konoike Vinatrans Logistics Co., Ltd.、Anpha-AG Joint Stock Company、BEL International Logistics Vietnam Company Ltd.、Konoike Asia (Thailand) Co., Ltd.、Konoike Cool Logistics (Thailand) Co., Ltd.、Konoike-Sotus Venture Co., Ltd.、Konoike Myanmar Co., Ltd.、Joshi Konoike Transport & Infrastructure Pvt. Ltd.、Venus Marine Co.,Ltd.S.A. 主な顧客業種商社、メーカー等 具体的業務事例・フォワーディング業務(国際間輸送に関して、航空・海運・港湾・陸上輸送と当社グループ国内物流事業を含めた国際複合一貫輸送サービスのアレンジ・提供並びに貿易事務の受託)・港湾倉庫の運営・海外における定温物流業務・一般物流業務・海外への顧客プラントの輸送並びに施工 (4)その他 報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ソフトウェア開発及び保守業務、情報処理受託業務等を営んでおります。本事業に従事する当社の関係会社は以下のとおりであります。その他に属する関係会社の名称(注)シャイン㈱、コウノイケITソリューションズ㈱、Ehrhardt Konoike Solutions GmbH(持分法適用関連会社)(注)持分法適用関連会社に関する株式は、セグメント情報の「調整額」の区分に含めております。事業の系統図は次のとおりであります。(※)1.各事業セグメントに記載の会社は、それぞれの事業を行う当社の連結子会社(◎は持分法適用関連会社)であります。なお、持分法適用関連会社に関する株式は、セグメント情報の「調整額」の区分に含めております。2.「アウトソーシング」は、主に顧客の製造工場構内における生産工程内外での各種請負業務を称しております。3.「輸送・配送」は、主に工場間、物流センター間の配送業務並びに倉庫内業務等を称しております。4.「エンジニアリング」は、主にプラント設備機器の据付、施行工事等を称しております。5.「その他」の区分は、報告セグメントに含まれない事業セグメントであり、ソフトウェア開発及び保守業務、情報処理受託業務等を含んでおります。6.Vertex Engineers Private Limitedは、2026年4月1日付で名称をVertex Konoike Engineers Pvt.Ltd.に変更しております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合他社との価格競争が生じ、顧客企業の内製化の可能性もあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
労働者派遣業、一般貨物自動車運送事業、倉庫業、建設業など多種多様な許認可が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:特定の主要顧客グループへの依存 / 人材の育成・確保と人件費増加 / 技術革新による業務代替の可能性
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、特定の強力な無形資産の存在を示す情報は確認できません。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

鴻池運輸は物流・倉庫・人材派遣などを手掛けており、既存顧客との長期契約や、特定の業務プロセスに最適化されたシステム導入により、一定のスイッチング・コストが発生する可能性があります。しかし、競合他社も同様のサービスを提供しており、乗り換え障壁は限定的と考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業内容(物流、倉庫、人材派遣)において、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果は、現時点では確認できません。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、個々の顧客との関係性が重視される事業構造です。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた効率的な物流網、倉庫管理ノウハウ、およびスケールメリットによる調達力などが、コスト優位性の源泉となっている可能性があります。特に、特定の地域や業種に特化したサービスにおいて、コスト競争力を発揮していると考えられます。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

陸運業、倉庫業、人材派遣業を複合的に展開しており、一定の事業規模を有しています。特に、特定の地域や顧客層においては、市場シェアを確保し、効率的なオペレーションを実現している可能性があります。しかし、業界全体での寡占度は限定的と考えられます。

  • 幅広い産業への対応力
    鴻池運輸は、素材産業から消費産業、航空、医療分野まで、非常に幅広い業種の顧客に対してサービスを提供しています。これにより、特定の業界の景気変動に左右されにくい事業ポートフォリオを構築し、リスク分散と安定的な収益基盤を築いていると考えられます。
  • 現場ノウハウと技術の融合
    長年の現場経験で培った業務ノウハウと、ICTなどの新技術を組み合わせた「KOMBO活動」を通じて、顧客の生産性向上やコスト削減に貢献しています。これにより、単なる請負業者ではなく、顧客の課題解決パートナーとしての価値を提供し、競合との差別化を図っています。
  • 多様なサービス提供能力
    運送業を祖業としながらも、工場構内での工程請負、プラント設備据付、医療機器の滅菌消毒、産業廃棄物リサイクル、国際複合一貫輸送など、非常に多岐にわたるサービスを提供しています。これにより、顧客の様々なニーズにワンストップで応えることができ、顧客との関係性を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 企業理念とブランドメッセージの追求
    「人」と「絆」を大切にし、社会基盤を革新して新たな価値を創造するという企業理念を掲げています。また、「期待を超えなければ、仕事ではない」というブランドメッセージを具現化する中長期経営計画を策定し、全従業員の行動指針を定めることで、持続的成長と企業価値向上を目指しています。
  • 中期経営計画2027の推進
    2028年3月期を最終年度とする「中期経営計画2027」を策定し、「成長投資と人・技術・ICTへの基盤投資で、従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する」を基本方針としています。人材への積極投資、技術革新、ICT活用、内部統制強化を通じて、変化に対応できる経営基盤の強化に取り組んでいます。
  • 事業戦略と財務・資本政策
    海外ではインド、北中米での事業拡大を加速し、国内ではメディカル・空港分野の強化と物流事業の3領域(一般・定温・戦略アカウント)での戦略展開を進めています。また、既存事業での保全/メンテナンス領域拡大やKOMBO活動による生産性向上、事業継続性評価による収益構造改革も推進。財務面では株主資本コストを上回る資本効率向上を目指し、連結配当性向を40%以上へ引き上げるなど、株主還元も重視しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループが、革新を続け持続的成長を果たすために、企業理念を「「人」と「絆」を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」とし、当社グループが長い歴史の中で築いてきた信頼と信用、その根幹をなすすべてのサービスの安全・品質に込める強い想いと誇りを示しております。そして、その使命を果たすことを皆様にお約束するために、ブランドメッセージを「私たちの約束:期待を超えなければ、仕事ではない」とし、その「私たちの約束」を具現化する中長期経営計画を策定すると共に、全従業員の行動指針として「私たちの覚悟」を定めております。 (2)中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題2026年3月期における我が国経済は、インバウンド需要の高水準維持や、大企業を中心とした賃金改定の動きが見られました。一方で、円安の恒常化や慢性的な人手不足による物価上昇の継続、個人消費の低迷に加え、足元では米国による輸入関税の引き上げや米中関係の緊張、中東情勢等に起因する地政学リスクの高まりにより、エネルギー・資源価格やサプライチェーンへの影響等において、さまざまな環境の変化が重なり、依然として先行きは不透明と言わざるを得ない状況が続いております。このような経営環境のなか、当社グループは2028年3月期を最終年度とする「中期経営計画2027」をスタートし、「成長投資と人・技術・ICTへの基盤投資で、従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する。」という基本方針のもと、事業戦略を推進してまいります。あわせて、「人」を価値創造の源泉と捉え、人材への積極的な投資と戦略的な育成を着実に進めるとともに、技術革新やICT活用、内部統制の強化を通じて、変化に機動的かつ的確に対応できる経営基盤の強化に取り組んでまいります。 ■2030年ビジョン ■中期経営計画2027※KOMBO: KONOIKE advanced proposal by the COMBO of solution Know-how and new technology (3)中期経営計画2027の取組み状況①事業戦略a) 海外事業拡大・インド、北中米を注力地域と位置づけ成長を加速海外においては、今後大きな経済成長が期待されるインド、および、既存の大規模市場である北中米において前中期経営計画に続いて成長投資を継続し、事業展開を加速させてまいります。2026年3月期は、インドにおいて鉄鋼スラグ処理会社FSNLの新規連結及びスラグ処理量の増加等により事業基盤と収益性の強化が進んだほか、北中米ではロサンゼルス地区における定温倉庫の増床及び新設計画の具体化を通じて、冷蔵冷凍事業の成長に向けた取り組みが着実に進捗しております。2027年3月期に向けてはFSNLでの契約更新に伴う取引業務の減少等が見られるものの、2027年1月から開始予定の新たな民間製鉄所での業務を含め、中長期的には、既存顧客の深耕、民間製鉄所への展開、新規事業の推進により成長を図ってまいります。 b) 国内事業の成長加速・サービス分野(メディカル・空港)の強化・複合ソリューションを含む物流事業を一般・定温・戦略アカウント物流の3領域に分けた戦略展開複合ソリューション分野では当該業界で確固たる地位を築き、安定した需要が見込まれるサービス分野(メディカル・空港分野)が成長のけん引役となるよう競争力強化と成長加速を進めております。また、国内物流事業を一般・定温・戦略アカウント物流の3領域に分け、それぞれの特性に基づいた事業戦略と領域間の連携強化を実現することにより経営資源の最適化を図ると同時に、お客さまの物流課題を解決する価値創造パートナーとして、より付加価値の高い事業を構築してまいります。2026年3月期は、空港分野において既存空港での受託業務の拡大とインバウンド需要の増加を踏まえた鹿児島空港への新規進出によりサービス分野の事業基盤強化が進展した一方で、日中関係の悪化に伴う中国旅客便の減便が2025年12月以降顕在化し、同事業は厳しい環境におかれている状況にあります。しかしながら、中長期的な成長シナリオに大きな変更はなく、需要回復を見据えた人材育成や多能工化の推進など、将来の成長に備えた教育・体制強化に取り組んでまいります。 c) 事業構造の改革・既存事業分野での保全/メンテナンス領域の拡大・KOMBO※活動による生産性向上と事業モデル変革※KOMBO: KONOIKE advanced proposal by the COMBO of solution Know-how and new technology(現場のノウハウと新技術の組み合わせによる新たな提案)・事業継続性評価による収益構造の変革既存事業分野においてはオペレーション領域の事業基盤を活用して、設備関係の保全/メンテナンス業務や、空調設備の改装等のエンジニアリング領域の拡大と高付加価値化を実現することで、請負事業の質的転換と安定的な収益基盤の確保につなげてまいります。また、当社グループ独自の活動(KOMBO活動)として、得意とするお客さまの現場での生産性向上のノウハウをベースに、技術・ICTを活用した効率化・省人化の具現化、ならびに顧客への仕組み改善・改革提案によって収益性向上および事業領域開発に取り組んでまいります。さらに、国内外の全拠点を対象にROIC・EBITDA・利益規模の観点から事業性を評価する「事業継続性評価制度」を運用し、事業継続/再建・撤退の判断を通じて経営資源の最適化と収益構造の改革を進めてまいります。2026年3月期は、生活産業分野における設備保全・空調改装案件の受託拡大に加え、KOMBO活動の先行モデル拠点では、技術およびICT導入による生産性向上の取り組みを推進しました。あわせて、事業継続性評価制度に基づき、国内外の一部拠点について縮小・撤退の意思決定を行いました。 ②財務・資本政策a) 財務・資本政策のあり方当社グループは、中期経営計画2027の策定にあたり、株主資本コストを8~9%程度と認識し、これを上回る資本効率の持続的な向上を目指しています。その実現に向けて、人的投資・成長投資・維持強化投資へのバランスの取れた資金配分を行うとともに、財務健全性を確保しつつ、株主還元の一層の充実に取り組んでいます。財務・資本政策の基本的な考え方および目標水準と実績は以下のとおりです。 前中期経営計画2026年3月期(実績)中期経営計画2027現預金回転期間-2.2か月1.2か月程度DEレシオ0.8以下0.40.8以下自己資本比率※現行基準40%以上現行基準 53.1%リース含む:40~45%(現行基準:45~50%)格付け(JCR)A-以上AA以上※2027年度からの新リース会計基準適用に伴い550億円のリース資産(使用権資産)及びリース負債が計上されると仮定し算出。2026年5月現在の基準における水準はカッコ内のとおりです。 また、中期経営計画2027のスタートにあわせ、取締役および執行役員の業績連動報酬の評価指標としてROEを新たに採用し、資本効率および企業価値向上に対する経営陣のコミットメントを一層強化しております。これにより、財務・資本政策とガバナンスを一体的に運用する体制を整備し、目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。 b) 還元方針について株主還元については、成長投資とのバランスを重視しつつ、継続的かつ安定的な配当の実現を基本方針としています。中期経営計画2027では、前中期経営計画における連結配当性向30%以上から一歩進め、40%以上へ引き上げ、2027年3月期においても当該方針に沿った水準での配当を予定しています。加えて、株式の流動性および資本効率の向上を目的として、政策保有株式の縮減を進めるとともに、事業環境や財務状況、株価水準等を総合的に勘案し、自己株式の取得についても柔軟に検討してまいります。これらの施策を通じて、中長期的な企業価値の向上と株主還元の両立を図ってまいります。 c) キャッシュアロケーション中期的な成長に向けては、「従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する」経営方針の下、従業員の処遇改善等の人的投資を3年間で200億円以上実施したうえで、営業キャッシュ・フロー約730億円を主な財源とし、これに加えて手元資金および有利子負債約180億円の活用を想定し、計画的な投資を推進してまいります。具体的には、成長投資として480億円(M&A枠200億円を含む)を配分し、成長が期待できる空港・メディカル・エンジニアリング事業、地域としてはインド・北中米に重点的に投資し、あわせて今後革新的なレベル向上が期待できるDXやAI等の先進技術導入による生産性向上、技術・ICT投資などに取り組んでまいります。また、維持強化投資には240億円を計画しており、既存事業の競争力維持・強化を図ります。2026年3月期は、中期経営計画2027の初年度として、これらの方針で掲げた成長投資・維持強化投資・人的投資を本格的に開始するとともに、財務・資本政策とのバランスを図りながら、株主還元の充実に努めた年度となりました。 ③経営基盤強化a) 内部統制の強化当社グループの持続的な成長の実現に向けては、コーポレートガバナンス体制のさらなる強化を通じた健全な経営基盤の構築が不可欠であるとの認識の下、2026年3月期は中期経営計画2027の初年度として、新たに取締役会の諮問機関としての内部統制委員会を設置し、内部統制活動の実効性向上に取り組んでおります。 b) 戦略委員会による基盤強化当社グループは、持続的成長の実現に向けて、「人」「技術」に関する中長期的な課題に迅速かつ横断的に対応するため、新たに人材戦略委員会および技術戦略委員会を設置し、2026年3月期より活動を本格的に開始しました。人材戦略委員会では、深刻化する人材不足への対応と事業戦略に連動した人材育成、新たな人材マネジメントの構築に向け、定年年齢の65歳への延長、職種区分の見直し、賃金引上げなどの処遇改善を進めるとともに、資格取得支援、グローバル人材・高度専門人材の育成、特定技能等による外国人材の受入拡大など、人への投資を着実に進めております。技術戦略委員会では、技術革新本部およびICT推進本部を中心に、技術資本ライブラリの整備、現場ニーズに基づく自動化・省力化技術の導入、統合WMS等の基幹システム展開等を進めております。 ④目標とする経営指標と実績a) 財務目標 2026年3月期(実績)2028年3月期(中期経営計画2027)2031年3月期(2030年ビジョン)売上高3,555億円4,100億円4,600億円※1営業利益227億円260億円300億円営業利益率6.4%6.3%6.5%以上ROE9.3%10%以上10%以上海外営業利益 ※227億円33億円60億円※1:2031年3月期売上高はガイドラインとする※2:海外営業利益額=海外拠点営業利益―本社費用賦課分 b) 非財務目標 2026年3月期(実績)2028年3月期(中期経営計画2027)2031年3月期(2030年ビジョン)環境※CO2排出量30.7%削減(2019年3月期比)CO2排出量28%削減(2019年3月期比)CO2排出量35%削減(2019年3月期比)人分科会体制で採用・育成・制度改革に本格着手し、人材戦略の土台を構築経営戦略に基づく人材の確保・育成の推進従業員のウェルビーイング向上技術技術管理・標準化の基盤整備を策定中。中長期ロードマップの具体化に向けた各現場の課題・ニーズ分析に着手。技術革新・DXによる自動化・省力化労働環境改善による「安全」の絶えざる追求※対象範囲は単体及び国内連結会社のエネルギー起源Scope1,2
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループが、革新を続け持続的成長を果たすために、企業理念を「「人」と「絆」を大切に、社会の基盤を革新し、新たな価値を創造します」とし、当社グループが長い歴史の中で築いてきた信頼と信用、その根幹をなすすべてのサービスの安全・品質に込める強い想いと誇りを示しております。そして、その使命を果たすことを皆様にお約束するために、ブランドメッセージを「私たちの約束:期待を超えなければ、仕事ではない」とし、その「私たちの約束」を具現化する中長期経営計画を策定すると共に、全従業員の行動指針として「私たちの覚悟」を定めております。 (2)中長期的な会社の経営戦略・対処すべき課題2026年3月期における我が国経済は、インバウンド需要の高水準維持や、大企業を中心とした賃金改定の動きが見られました。一方で、円安の恒常化や慢性的な人手不足による物価上昇の継続、個人消費の低迷に加え、足元では米国による輸入関税の引き上げや米中関係の緊張、中東情勢等に起因する地政学リスクの高まりにより、エネルギー・資源価格やサプライチェーンへの影響等において、さまざまな環境の変化が重なり、依然として先行きは不透明と言わざるを得ない状況が続いております。このような経営環境のなか、当社グループは2028年3月期を最終年度とする「中期経営計画2027」をスタートし、「成長投資と人・技術・ICTへの基盤投資で、従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する。」という基本方針のもと、事業戦略を推進してまいります。あわせて、「人」を価値創造の源泉と捉え、人材への積極的な投資と戦略的な育成を着実に進めるとともに、技術革新やICT活用、内部統制の強化を通じて、変化に機動的かつ的確に対応できる経営基盤の強化に取り組んでまいります。 ■2030年ビジョン ■中期経営計画2027※KOMBO: KONOIKE advanced proposal by the COMBO of solution Know-how and new technology (3)中期経営計画2027の取組み状況①事業戦略a) 海外事業拡大・インド、北中米を注力地域と位置づけ成長を加速海外においては、今後大きな経済成長が期待されるインド、および、既存の大規模市場である北中米において前中期経営計画に続いて成長投資を継続し、事業展開を加速させてまいります。2026年3月期は、インドにおいて鉄鋼スラグ処理会社FSNLの新規連結及びスラグ処理量の増加等により事業基盤と収益性の強化が進んだほか、北中米ではロサンゼルス地区における定温倉庫の増床及び新設計画の具体化を通じて、冷蔵冷凍事業の成長に向けた取り組みが着実に進捗しております。2027年3月期に向けてはFSNLでの契約更新に伴う取引業務の減少等が見られるものの、2027年1月から開始予定の新たな民間製鉄所での業務を含め、中長期的には、既存顧客の深耕、民間製鉄所への展開、新規事業の推進により成長を図ってまいります。 b) 国内事業の成長加速・サービス分野(メディカル・空港)の強化・複合ソリューションを含む物流事業を一般・定温・戦略アカウント物流の3領域に分けた戦略展開複合ソリューション分野では当該業界で確固たる地位を築き、安定した需要が見込まれるサービス分野(メディカル・空港分野)が成長のけん引役となるよう競争力強化と成長加速を進めております。また、国内物流事業を一般・定温・戦略アカウント物流の3領域に分け、それぞれの特性に基づいた事業戦略と領域間の連携強化を実現することにより経営資源の最適化を図ると同時に、お客さまの物流課題を解決する価値創造パートナーとして、より付加価値の高い事業を構築してまいります。2026年3月期は、空港分野において既存空港での受託業務の拡大とインバウンド需要の増加を踏まえた鹿児島空港への新規進出によりサービス分野の事業基盤強化が進展した一方で、日中関係の悪化に伴う中国旅客便の減便が2025年12月以降顕在化し、同事業は厳しい環境におかれている状況にあります。しかしながら、中長期的な成長シナリオに大きな変更はなく、需要回復を見据えた人材育成や多能工化の推進など、将来の成長に備えた教育・体制強化に取り組んでまいります。 c) 事業構造の改革・既存事業分野での保全/メンテナンス領域の拡大・KOMBO※活動による生産性向上と事業モデル変革※KOMBO: KONOIKE advanced proposal by the COMBO of solution Know-how and new technology(現場のノウハウと新技術の組み合わせによる新たな提案)・事業継続性評価による収益構造の変革既存事業分野においてはオペレーション領域の事業基盤を活用して、設備関係の保全/メンテナンス業務や、空調設備の改装等のエンジニアリング領域の拡大と高付加価値化を実現することで、請負事業の質的転換と安定的な収益基盤の確保につなげてまいります。また、当社グループ独自の活動(KOMBO活動)として、得意とするお客さまの現場での生産性向上のノウハウをベースに、技術・ICTを活用した効率化・省人化の具現化、ならびに顧客への仕組み改善・改革提案によって収益性向上および事業領域開発に取り組んでまいります。さらに、国内外の全拠点を対象にROIC・EBITDA・利益規模の観点から事業性を評価する「事業継続性評価制度」を運用し、事業継続/再建・撤退の判断を通じて経営資源の最適化と収益構造の改革を進めてまいります。2026年3月期は、生活産業分野における設備保全・空調改装案件の受託拡大に加え、KOMBO活動の先行モデル拠点では、技術およびICT導入による生産性向上の取り組みを推進しました。あわせて、事業継続性評価制度に基づき、国内外の一部拠点について縮小・撤退の意思決定を行いました。 ②財務・資本政策a) 財務・資本政策のあり方当社グループは、中期経営計画2027の策定にあたり、株主資本コストを8~9%程度と認識し、これを上回る資本効率の持続的な向上を目指しています。その実現に向けて、人的投資・成長投資・維持強化投資へのバランスの取れた資金配分を行うとともに、財務健全性を確保しつつ、株主還元の一層の充実に取り組んでいます。財務・資本政策の基本的な考え方および目標水準と実績は以下のとおりです。 前中期経営計画2026年3月期(実績)中期経営計画2027現預金回転期間-2.2か月1.2か月程度DEレシオ0.8以下0.40.8以下自己資本比率※現行基準40%以上現行基準 53.1%リース含む:40~45%(現行基準:45~50%)格付け(JCR)A-以上AA以上※2027年度からの新リース会計基準適用に伴い550億円のリース資産(使用権資産)及びリース負債が計上されると仮定し算出。2026年5月現在の基準における水準はカッコ内のとおりです。 また、中期経営計画2027のスタートにあわせ、取締役および執行役員の業績連動報酬の評価指標としてROEを新たに採用し、資本効率および企業価値向上に対する経営陣のコミットメントを一層強化しております。これにより、財務・資本政策とガバナンスを一体的に運用する体制を整備し、目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。 b) 還元方針について株主還元については、成長投資とのバランスを重視しつつ、継続的かつ安定的な配当の実現を基本方針としています。中期経営計画2027では、前中期経営計画における連結配当性向30%以上から一歩進め、40%以上へ引き上げ、2027年3月期においても当該方針に沿った水準での配当を予定しています。加えて、株式の流動性および資本効率の向上を目的として、政策保有株式の縮減を進めるとともに、事業環境や財務状況、株価水準等を総合的に勘案し、自己株式の取得についても柔軟に検討してまいります。これらの施策を通じて、中長期的な企業価値の向上と株主還元の両立を図ってまいります。 c) キャッシュアロケーション中期的な成長に向けては、「従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する」経営方針の下、従業員の処遇改善等の人的投資を3年間で200億円以上実施したうえで、営業キャッシュ・フロー約730億円を主な財源とし、これに加えて手元資金および有利子負債約180億円の活用を想定し、計画的な投資を推進してまいります。具体的には、成長投資として480億円(M&A枠200億円を含む)を配分し、成長が期待できる空港・メディカル・エンジニアリング事業、地域としてはインド・北中米に重点的に投資し、あわせて今後革新的なレベル向上が期待できるDXやAI等の先進技術導入による生産性向上、技術・ICT投資などに取り組んでまいります。また、維持強化投資には240億円を計画しており、既存事業の競争力維持・強化を図ります。2026年3月期は、中期経営計画2027の初年度として、これらの方針で掲げた成長投資・維持強化投資・人的投資を本格的に開始するとともに、財務・資本政策とのバランスを図りながら、株主還元の充実に努めた年度となりました。 ③経営基盤強化a) 内部統制の強化当社グループの持続的な成長の実現に向けては、コーポレートガバナンス体制のさらなる強化を通じた健全な経営基盤の構築が不可欠であるとの認識の下、2026年3月期は中期経営計画2027の初年度として、新たに取締役会の諮問機関としての内部統制委員会を設置し、内部統制活動の実効性向上に取り組んでおります。 b) 戦略委員会による基盤強化当社グループは、持続的成長の実現に向けて、「人」「技術」に関する中長期的な課題に迅速かつ横断的に対応するため、新たに人材戦略委員会および技術戦略委員会を設置し、2026年3月期より活動を本格的に開始しました。人材戦略委員会では、深刻化する人材不足への対応と事業戦略に連動した人材育成、新たな人材マネジメントの構築に向け、定年年齢の65歳への延長、職種区分の見直し、賃金引上げなどの処遇改善を進めるとともに、資格取得支援、グローバル人材・高度専門人材の育成、特定技能等による外国人材の受入拡大など、人への投資を着実に進めております。技術戦略委員会では、技術革新本部およびICT推進本部を中心に、技術資本ライブラリの整備、現場ニーズに基づく自動化・省力化技術の導入、統合WMS等の基幹システム展開等を進めております。 ④目標とする経営指標と実績a) 財務目標 2026年3月期(実績)2028年3月期(中期経営計画2027)2031年3月期(2030年ビジョン)売上高3,555億円4,100億円4,600億円※1営業利益227億円260億円300億円営業利益率6.4%6.3%6.5%以上ROE9.3%10%以上10%以上海外営業利益 ※227億円33億円60億円※1:2031年3月期売上高はガイドラインとする※2:海外営業利益額=海外拠点営業利益―本社費用賦課分 b) 非財務目標 2026年3月期(実績)2028年3月期(中期経営計画2027)2031年3月期(2030年ビジョン)環境※CO2排出量30.7%削減(2019年3月期比)CO2排出量28%削減(2019年3月期比)CO2排出量35%削減(2019年3月期比)人分科会体制で採用・育成・制度改革に本格着手し、人材戦略の土台を構築経営戦略に基づく人材の確保・育成の推進従業員のウェルビーイング向上技術技術管理・標準化の基盤整備を策定中。中長期ロードマップの具体化に向けた各現場の課題・ニーズ分析に着手。技術革新・DXによる自動化・省力化労働環境改善による「安全」の絶えざる追求※対象範囲は単体及び国内連結会社のエネルギー起源Scope1,2
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 (1)財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、インバウンド需要の高水準維持や、大企業を中心とした賃金改定の動きが見られました。一方で、円安の恒常化や慢性的な人手不足による物価上昇の継続、個人消費の低迷に加え、米国による輸入関税の引き上げや日中関係の悪化、中東情勢の緊迫化など、さまざまな経済環境の変化が重なり、依然として先行きは不透明と言わざるを得ない状況が続いております。このような経営環境のなか、当社グループは2028年3月期を最終年度とする「中期経営計画2027」をスタートし、「成長投資と人・技術・ICTへの基盤投資で、従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する。」という基本方針のもと、「人」を価値創造の源泉と捉え、人材への積極的な投資と戦略的な育成を着実に進めてまいりました。あわせて、技術革新やICT活用、内部統制の強化を通じて、変化に機動的かつ的確に対応できる経営基盤の強化に取り組んでおります。さらに、事業戦略の三本柱の一つである海外事業拡大では、米国の輸入関税の影響はあるものの、昨年度より連結化したFSNL Private Ltd.において取扱量の拡大と効率化、PMIの進捗により、高水準の需要に対応しながら安定した収益基盤の構築を進めております。今後も、オペレーションの高度化や新規領域の拡大を通じて、更なる成長を図ってまいります。一方、国内事業においては、日中関係の悪化を背景に、空港関連事業で中国路線の減便影響が2025年12月より顕在化しました。2026年3月まで減便が増加しておりましたが、足元では底打ちの兆しが見られております。現時点では収束時期は不透明でありますが、引き続き動向を注視するとともに、周辺業務の受注拡大及び人材活用の最適化に取り組んでまいります。また、2026年3月以降は、中東情勢の緊迫化に伴う燃油価格が物流コストに与える影響を懸念しており、燃油価格の上昇分については、取引条件の適正な見直しやコスト構造の改善等を通じて、影響を最小限に抑えるよう努めてまいります。当連結会計年度における経営成績については、2025年4月よりスタートした「中期経営計画2027」の事業戦略である「海外事業拡大」、「国内事業の成長加速」に取り組んだ結果、得意先での一部生産ライン休止や航空貨物取扱量減といった減収要因があるものの、インドやカナダでの子会社連結化の効果、空港関連での国際旅客便の復便等の取扱量増加等の増収要因があったため、売上高は3,555億55百万円(前連結会計年度比3.1%増)となりました。利益についても、「中期経営計画2027」の事業戦略である「海外事業拡大」、「国内事業の成長加速」に取組み、営業利益は227億85百万円(同6.5%増)、経常利益は225億85百万円(同6.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は142億68百万円(同1.5%増)となりました。セグメント別の経営成績は以下のとおりであります。なお、セグメント利益は一般管理費控除前の営業利益であります。 ①複合ソリューション事業鉄鋼関連における得意先での一部生産ライン休止の影響はあるものの、インド鉄鋼子会社連結化の効果、空港関連における国際旅客便の復便、生活産業関連における新規拠点の稼働及び取扱量の増加、食品プロダクツ関連での取扱量増加及び適正単価の収受があり、売上高は2,319億85百万円(前連結会計年度比6.7%増)となりました。利益は、新規連結の効果や取扱量の増加に加え、継続しての適正単価収受に努め、238億64百万円(同14.8%増)となりました。 ②国内物流事業生活産業関連における取扱量の増加及び適正単価の収受、新規業務の獲得等により、売上高は565億13百万円(前連結会計年度比1.2%増)となりました。利益は、増収効果はあるものの、一部得意先の業務の撤退による減益をカバーできず、34億48百万円(同4.6%減)となりました。 ③国際物流事業大型案件の受注や、海外現地での取扱量の増加、カナダ子会社連結化の効果といった増収要因はあるものの、航空貨物取扱量減により、売上高は670億28百万円(前連結会計年度比6.4%減)となりました。利益についても、航空貨物取扱量減による減益を他要因にてカバーできず39億73百万円(同15.9%減)となりました。 注※ 当連結会計年度より、各報告セグメントを構成する事業本部に所属する営業所の一部について、主要顧客並びに事業内容の変化に対応するため、所属する事業本部を変更いたしました。これに伴い、従来は複合ソリューション事業に含まれていた営業所の一部が、国内物流事業に含まれています。また、従来は国内物流事業に含まれていた営業所の一部が、複合ソリューション事業に含まれています。そのため、前年同期比較については、前連結会計年度の数値を当該変更後の数値で比較しております。 財政状態の状況は次のとおりであります。(総資産)当連結会計年度末における総資産の残高は2,997億26百万円であり、前連結会計年度末に比べ100億23百万円増加しました。(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は1,433億62百万円であり、前連結会計年度末に比べ32億33百万円増加しました。主な要因は、受取手形、売掛金及び契約資産が32億79百万円増加したこと等によるものです。(固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は1,563億63百万円であり、前連結会計年度末に比べ67億90百万円増加しました。主な要因は、投資有価証券が38億77百万円増加したこと、土地が26億59百万円増加したこと、繰延税金資産が11億16百万円減少したこと等によるものです。(負債合計)当連結会計年度末における負債合計の残高は1,364億75百万円であり、前連結会計年度末に比べ28億3百万円減少しました。(流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は727億81百万円であり、前連結会計年度末に比べ88億49百万円増加しました。主な要因は、1年内償還予定の社債が50億円増加、その他流動負債が20億3百万円増加したこと、短期借入金が12億61百万円増加したこと、訴訟損失引当金が11億円増加したこと、支払手形及び買掛金が16億63百万円減少したこと等によるものです。(固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は636億93百万円であり、前連結会計年度末に比べ116億52百万円減少しました。主な要因は、社債が100億円減少したこと、退職給付に係る負債が28億64百万円減少したこと、長期借入金が12億24百万円増加したこと等によるものです。(純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は1,632億51百万円であり、前連結会計年度末に比べ128億27百万円増加しました。主な要因は、利益剰余金が81億26百万円増加したこと、退職給付に係る調整累計額が22億90百万円増加したこと、その他有価証券評価差額金が18億84百万円増加したこと等によるものです。 (2)キャッシュ・フローの状況①営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは248億62百万円の収入(前連結会計年度比13億94百万円の収入増)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益が221億54百万円あったこと、減価償却費が99億87百万円あったこと、法人税等の支払額が71億9百万円あったこと等によるものであります。 ②投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは162億34百万円の支出(前連結会計年度比7億25百万円の支出減)となりました。これは、主に有形固定資産の取得による支出が125億70百万円あったこと、持分法で会計処理されている投資の取得による支出が14億93百万円あったこと、定期預金の増加額が13億31百万円あったこと、無形固定資産の取得による支出が10億94百万円あったこと等によるものであります。 ③財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは104億76百万円の支出(前連結会計年度比24億8百万円の支出減)となりました。これは、主に配当金の支払額が61億57百万円あったこと、社債の償還による支出が50億円あったこと、長期借入れによる収入が27億38百万円あったこと等によるものであります。 これらの結果に現金及び現金同等物に係る換算差額の増加額81百万円を考慮し、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末より17億66百万円減少し、609億37百万円となりました。 (3)生産、受注及び販売の実績①生産実績及び受注実績 当社グループの事業内容は複合ソリューション事業、国内物流事業、国際物流事業、その他と多岐にわたっているため、生産実績を画一的に算定表示することは困難であり、また受注生産形態を採らない事業も多いため、生産実績及び受注実績は記載しておりません。②販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)複合ソリューション事業231,985106.7国内物流事業56,513101.2国際物流事業67,02893.6報告セグメント計355,526103.1その他2844.1合計355,555103.1 (注)1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)日本製鉄株式会社41,03411.937,64110.6 経営者の視点による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に関する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。当社グループは連結財務諸表を作成するにあたり、退職給付会計、税効果会計、貸倒引当金の計上等において、過去の実績等を勘案するなど、合理的な見積り、判断を行った上で、その結果を反映させておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 (2)経営成績「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (3)財政状態「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。 (4)キャッシュ・フローキャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (5)経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (6)資本の財源及び資金の流動性資金需要当社グループの主な資金需要は、運転資金、設備資金、投融資資金があります。運転資金については、請負業務、貨物輸送、倉庫業務といった営業活動に必要な資金(外注・材料費及び人件費等)や、一般管理費、販売費があります。設備資金については、主に拠点拡大、整備等による倉庫建設や、車両運搬具及び機械装置といった固定資産購入によるものであります。投融資資金については、業容拡大のためのM&Aや事業提携による出資金があります。財務政策当社グループの資金調達に関しては、内部資金を充当し、不足分については有利子負債で調達しております。具体的な調達手段といたしましては、運転資金については短期借入金やコマーシャル・ペーパー発行により調達し、設備資金、投融資資金については長期借入金や社債発行による調達を実施しております。なお、資金調達の実施にあたっては、キャッシュ・フローの状況、投資案件の進捗、金利動向を考慮し、調達時期、調達規模、調達手段を適宜判断し実施しております。一方、グループ内の余剰資金を活用し、資金を必要とする当社グループ会社に融資する事で、資金の流動性を確保し、併せて有利子負債の圧縮に努めております。 (7)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、限られた経営資源を効率的に活用することで高い付加価値を生み出しつつ、中長期的な成長を達成することを目指しております。したがって、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を定めております。2025年4月よりスタートした中期経営計画(期間:3年間 2026年3月期~2028年3月期)においては、前中期経営計画での成果をもとに、「成長投資と人・技術・ICTへの基盤投資で、従業員の幸せと企業価値の最大化を実現する」を基本方針に掲げ、当社グループの強みである人と、現場でのノウハウや新技術の活用により、さらなる収益力伸長、企業価値の向上を実現してまいります。中期経営計画における目標指標につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。今後も経営環境の変化を機会と捉え、資本効率性を高めながら中長期的な成長を図ってまいります。

事業リスク

  • 経済動向と特定顧客への依存
    国内製造業や流通・小売業を主要顧客とするため、景気や消費動向、業界の業況変動の影響を受けやすい構造です。特に、鉄鋼業界と飲料・食品業界への売上比率がそれぞれ約15%と約25%を占めており、これらの業界の動向や主要顧客の生産調整、事業再編などが経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 事業継続と自然災害・感染症
    地震、台風などの自然災害や感染症の発生・流行により、従業員の安全確保や拠点機能の維持が困難になる場合、事業の中断や遅延が生じるリスクがあります。気候変動による災害の頻発・激甚化も、サプライチェーン全体の事業継続リスクを高める要因となり得ます。
  • 人材の確保と育成
    多種多様な業務を請け負うため、専門知識を持つ人材の確保と育成、スキル伝承が重要です。国内の労働力人口減少や「2024年問題」に起因する人手不足は、人件費増加や必要な人材の確保・配置の困難さにつながり、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|7,439 文字
3【事業等のリスク】当社グループの事業及び経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に影響を及ぼす可能性のある事項は以下のようなものがあります。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 1.経済動向について当社グループは、主として国内の製造業や流通・小売・サービス業等を顧客基盤として、生産や物流等にかかる各種アウトソーシングに関する事業を展開しており、景気動向、消費動向及び各種業界の業況等の変動により影響を受けております。 2.顧客企業等の動向について当社グループは、多様な企業との取引により事業リスクの分散を図り、特定企業又は業種の業況変動等による影響を低減させる方針を有しております。しかしながら、2026年3月期においては、特定の主要顧客グループとの取引額は、当社連結売上高のうち、鉄鋼業界向け売上高が約15%を、飲料・食品業界向けが約25%を、それぞれ占めており、引き続き、これらの業界動向等に影響を受けやすい構造にあります。また、業界動向に加えて、当社グループの主要な顧客企業において、生産調整や物流需要の減少、業界再編や海外移転の進展、その他経営戦略の変更により事業拠点の閉鎖・縮小又は取引関係に重大な変更が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.事業継続について当社グループ並びに顧客企業の事業所施設等において、地震や台風等の自然災害、新型ウイルス等の感染症の発生・流行などにより、従業員の安全確保や拠点機能の維持が困難となった場合、重要な業務の中断又は遅延を通じて、事業運営、経営成績及び財政状態に重大な影響が生じ得る事業継続リスクが存在すると認識しております。このようなリスクに対し当社グループは、「事業継続計画(BCP)」の整備、ならびに非常時を想定した訓練等を通じて、大災害や大事故、感染症等の不測の事態が発生した場合であっても、重要業務の継続又は早期の復旧・再開ができる体制の構築・運用を進めております。具体的には、重要業務とそれを支える経営資源の洗い出し、代替拠点・代替手段の確保、迅速な情報収集体制の整備、顧客企業との事前協議等を行い、各事業における事業継続方針の明確化と実効性向上に取り組んでおります。また、近年の気候変動の進行に伴う台風・豪雨等の頻発・激甚化は、当社グループ及びサプライチェーン全体の事業継続リスクを高め得ることから、その影響の把握とBCPの継続的な見直し・高度化に努めております。 4.コンプライアンスについて当社グループは、顧客や取引先等ステークホルダーとの信用並びに信頼の維持向上及び財務報告の正確性を確保するために、法令遵守に係る規程等を制定し、国内外の法令・ルール等の遵守を徹底して内部統制システムの強化に努めるとともに、内部通報制度を整備し、法令遵守違反・経営者及び従業員等による不正行為、潜在的な利益相反等に対し、早期の発見や迅速な対応に努めております。しかしながら、その内部統制システムが有効なものであっても、不注意による誤謬、複数の従業員等による不正行為等により、コンプライアンスに関するリスク並びに社会的な信用やブランド価値が毀損されるリスクを完全に回避することはできず、当該リスクが顕在化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響が生じる可能性があります。 5.競合について当社グループの事業は、主として業務請負及び貨物運送・倉庫業務を展開しており、顧客企業の事業活動の一部を請負う形態であります。これら業務においては、受注にかかる競合他社との価格競争が生じていることに加えて、顧客企業自身の業務効率化・コスト削減等を目的とした内製化の可能性があります。当社グループは、様々な現場での業務経験やノウハウと、徹底的な現場目線による課題の改善・改革提案力に基づき、業務オペレーションの効率化、業務品質の向上、顧客ニーズを踏まえた柔軟なサービスの提供を行っております。これらの事業活動を通じ、顧客企業からの評価向上及びリレーションの強化を図り、差別化による受託業務拡大を推進しております。しかしながら今後において、当社グループのサービスの優位性が低下した場合や、競合等により請負単価が想定以上に低下した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 6.人材の育成・確保について当社グループでは、顧客企業のニーズに応じて多種多様な業務の請負を行っており、各業務に関して顧客が求める専門的な知識を有する人材を確保、育成し、そのスキルを伝承していく必要があります。当社グループでは人的資本経営を推進するため、積極的な採用活動を進めるとともに、人材育成のためのキャリアプランの策定、教育制度の充実を図ることで、必要な人材の確保に努めております。しかしながら、国内においては構造的な労働力人口の減少に加え、2024年問題等に起因する中長期的な人手不足への対応が喫緊の課題となっております。これらの課題への対応に伴い、労働力の確保や労働環境の維持・向上のため人件費等の費用が増加する可能性があるほか、今後必要な人材の育成及び確保、並びに適切な人員配置等に支障が生じた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また当社グループは、労働環境の維持・向上及び外注企業も含めた人権問題にも適切に対応し、業務運営の円滑化に努めておりますが、当社グループ又は外注企業における差別的な行為などの人権侵害の発生により社会的信用を失墜し、顧客企業からの取引の停止など事業活動に影響が出るおそれがあり、これらに起因して経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 7.当社グループの設備投資等について当社グループは、新規顧客企業の獲得並びに既存顧客企業との取引拡大等を目的として、物流拠点の整備、車両運搬具及び機械装置を中心に設備投資を実施しており、また、顧客企業の事業拠点内に受託業務遂行のための専用設備等を保有する場合があります。設備投資は、将来見込まれる受注業務等を考慮して実施しておりますが、実際の受託業務での収益が想定を下回った場合には、減価償却負担等の増加による利益圧迫等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループの各事業において、経済環境や事業環境の変化、顧客企業との取引関係の変化等により、事業所等における採算性が低下し損失計上が継続した場合には、保有資産等にかかる減損損失を認識する必要があり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 8.受託業務におけるトラブル等について当社グループは、顧客企業からの受託業務において多種多様な業務工程を担当しており、顧客製品の品質等に影響を及ぼす重要工程も一部含まれております。請負業務については、業務管理全般にわたる責任が受託企業にあり、個々の業務において、労務管理をはじめ、顧客企業の製品の生産量、納期、品質、更には設備、資材管理の領域まで責任を負っており、当社グループは、顧客企業の要求水準を達成するため適切な業務手順を遵守した業務運営に努めております。しかしながら、受託業務において、当社グループの何らかの瑕疵に起因した品質低下、操業遅延や停止等によるトラブル等の発生により、顧客企業の事業活動に重大な支障が発生する又は多額の損失が発生する様な事象が生じた場合、当社グループの信頼性低下や損害賠償請求の発生、取引解消等に発展し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 9.事故及び労働災害について当社グループの事業は、トラック、フォークリフト及び大型機械の操作をはじめとして、危険を伴う作業が含まれております。当社グループは、当該状況を踏まえて安全衛生管理を最重要課題として捉え、安全及び衛生管理の徹底を図り、事故を未然に防ぐため業務遂行に際して細心の注意をはらう様に努めております。しかしながら、何らかの不測の事由から労働災害や事故等が発生する可能性があります。これら事故等について、訴訟問題や重大事故等に起因した行政処分に発展した場合には、損害賠償請求が生じる可能性があるほか、当社グループの社会的な信用及び顧客の信頼を失うことにも繋がり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 10.技術革新について当社グループは、多種多様な業務請負を行っておりますが、人工知能やロボット技術等の進歩により生産工程や物流現場等の自動化・省力化が進むことで、当社グループが従来請け負っていた業務が代替され、減少する可能性があります。当社グループでは、顧客の生産・物流現場等に固有のノウハウを蓄積するとともに、新技術を活用した新たな請負の形を模索するなど対応に取り組んでおります。しかしながら、そうした技術革新への対応が十分に図れない場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 11.資金調達について当社グループは、事業資金を金融機関からの借入又は社債・コマーシャルペーパーの発行等により調達しております。市場金利が上昇した場合、資金調達コストの増加等により、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、金融市場の混乱等により金融機関の融資圧縮等が生じた場合や、格付会社による当社格付の引下げ等が生じた場合には、当社グループの資金調達において、必要な資金調達に支障が生じること等により事業展開の制約要因となる可能性があり、また、これらに起因して当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 12.法的規制等について①許認可等について当社グループは、事業運営等に際して多種多様な法的規制を受けており、各事業にかかる主要な許認可等は以下のとおりであります。当社グループはこれら関連法令等の遵守に努めており、本書提出日現在において事業運営上の支障をきたす状況は生じておりません。しかしながら、違反その他事由によりこれら許認可等が停止又は取消となった場合又は法的規制の見直しや新たな制定等により規制強化が生じた場合には、当社グループの事業展開に影響を及ぼす可能性があります。 主要事業許認可許認可の名称法律名監督省庁当社グループの対象事業労働者派遣業労働者派遣法厚生労働省複合ソリューション事業国内物流事業国際物流事業港湾労働者派遣事業労働者派遣法厚生労働省国際物流事業一般貨物自動車運送事業貨物自動車運送事業法国土交通省複合ソリューション事業国内物流事業国際物流事業貨物利用運送事業(第一種、第二種)貨物利用運送事業法国土交通省複合ソリューション事業国内物流事業国際物流事業倉庫業倉庫業法国土交通省複合ソリューション事業国内物流事業国際物流事業建設業建設業法国土交通省複合ソリューション事業国際物流事業産業廃棄物収集運搬業廃棄物処理法環境省複合ソリューション事業産業廃棄物処分業廃棄物処理法環境省複合ソリューション事業保税蔵置場関税法財務省複合ソリューション事業国内物流事業国際物流事業特定航空貨物利用運送事業者航空法国土交通省国際物流事業特定航空運送代理店業者航空法国土交通省国際物流事業航空運送代理店業航空法国土交通省国内物流事業国際物流事業通関業通関業法財務省国際物流事業海上運送事業海上運送法国土交通省国際物流事業港湾運送事業港湾運送事業法国土交通省国際物流事業 ②主要な業務関連法令等について当社グループの事業の性質上、a)請負・派遣の区分等の適正化に係る規制、b)外注企業の活用における下請代金支払遅延等防止法(下請法)に係る規制、c)従業員の労務管理にかかる労働関連法令に係る規制について、留意する必要があります。当社グループは、請負・派遣適正化及び下請法については、社内規則・マニュアル・チェックリスト等の整備・運用及び管理の徹底を図るとともに、全事業所を対象とした定期調査を実施し、当該法令順守の推進・維持を含む適切な業務運営が遂行されるように努めております。また、労働関連法令については、業務請負という特性から当社グループの業務量は顧客企業の生産活動等に左右され、突発的な業務量増大等に起因して従業員の労働時間増加が生じる場合があり、適切な人員配置等を推進するとともに、労使間協定の締結及び遵守並びに労働時間の適切な管理の徹底等により、法令及び協定等の遵守を推進しております。しかしながら、これらの管理不備による不正や違反等により行政処分等が生じた場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③環境規制について当社グループが使用する貨物トラック(ディーゼル車輌)は、国及び自治体による自動車NOx・PM法及び環境条例等の対象となります。当社グループは、かかる環境規制が定める基準適合車を使用する等、これら規制を順守するために必要な取り組みを行っております。しかしながら、将来においてさらなる規制強化が生じた場合は対策のための費用増加等が生じる可能性や、対応が困難となる場合には事業における制約要因となる可能性があり、これらにより当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 13.燃料費及び電力料金等の変動について当社グループにおいて使用する輸送用車輌及び船舶等の燃料費は、原油価格の変動により影響を受けております。今後において、国際的な原油市場の需給バランス、金融情勢、産油国の政治情勢等の影響に伴う原油価格の動向によっては燃料費が上昇する可能性があります。また、当社グループが業務において使用する冷凍冷蔵倉庫をはじめとする倉庫・物流設備等は相応の電力を消費することから、電力料金引き上げ等が生じた場合には費用増加が生じる可能性があります。当社グループは、これらコスト増加が生じた場合には、顧客企業との協議等により適正な業務単価の維持を図っていく方針でありますが、十分な価格転嫁が困難となる場合には、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 14.海外への事業展開について当社グループは、国内における事業展開に加えて、アジアや北米などを中心とした地域に拠点を設け、グローバル展開する日系企業及び現地企業を対象とした海外展開強化を推進しております。これら事業展開においては、各地域において法律・規制、為替、社会・政治及び経済動向等の影響を受けております。また、債権回収、取引先との関係構築・拡大、従業員の管理等の点において、海外の商習慣・文化に関する障害に直面する可能性があります。さらに、海外事業の拡大においては、投資利益の実現までに長い期間と多額の資金を要することがあり、投資による費用の増加が収益の増加を上回る可能性もあります。当社グループは、海外進出に際して各地域における法令・政情・経済情勢その他にかかる調査等によるリスクの把握及び対応に努めておりますが、予期せぬ情勢変化等が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 15.M&A、事業提携について当社グループは、今後の業容拡大においてM&A及び事業提携戦略は重要かつ有効であると認識しております。M&Aや事業提携を行う場合においては、対象会社を慎重に検討し、対象会社の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンス(注)を行うことによって、極力リスクを回避するように努める方針としておりますが、買収後に偶発債務の発生等、未認識の債務が判明する可能性も否定できません。また、のれんが発生する場合はその償却額を超過する収益力が安定的に確保できることを前提としておりますが、買収後の事業環境や競合状況の変化等により買収当初の事業計画遂行に支障が生じ、計画どおりに進まない場合は当該のれんに係る減損損失等の損失が発生し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(注)デューデリジェンス(Due diligence):M&Aなどの取引に際し、対象企業の法務・財務・ビジネス・人事・環境などを含めた総合的な資産評価に係る調査活動のことであります。 16.顧客情報の管理について当社グループは、業務請負等を通じて、顧客企業の経営上の機密情報や個人情報等の様々な重要情報を取り扱っております。当社グループにおける情報管理は、社内規程の整備・運用及び定期的な研修等により周知徹底を図っておりますが、何らかの要因により外部漏洩やデータ喪失等が生じた場合、当社グループの社会的信用の失墜や損害賠償請求等が生じる可能性があり、当社グループの事業運営、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 17.訴訟等について当社グループの事業運営において、予期せぬトラブル・問題が生じた場合、当社グループの瑕疵に関わらずこれらに起因する損害賠償の請求や、訴訟を提起される可能性があります。これら事象が発生した場合には、訴訟内容や損害賠償額及びその結果等により、当社グループの社会的信用に影響を及ぼすほか、経営成績及び財政状態にも影響を及ぼす可能性があります。事業に関わる各種法令を遵守するとともに、契約条件の明確化、相手方との協議の実施等により紛争の発生を未然に防ぐよう努めております。 18.退職給付債務について当社グループの退職給付費用及び退職給付債務は、割引率や年金資産の期待運用収益率等の数理計算上設定した前提条件に基づいて算出されております。しかしながら、年金資産の時価の下落、金利環境の変動等により、退職給付費用が増加した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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