有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、1908年の創業以来、様々な時代の変化を乗り越えながら今日に至りますが、今後の長期的な経営環境につきましては、国内人口減少の一方で新興国を中心とした世界人口増加、テクノロジーの急激な進歩、グローバル化に伴う社会の仕組みや顧客ニーズの変化、脱炭素社会の進展等、これまで以上に変化のスピードが急激で、不確実性の高い時代が続くものと認識しています。このような環境下においてもサステナブルな成長を実現するため、これまでの事業モデルの延長ではなく、想定した未来像から遡るバックキャストで、当社グループのありたい姿を描き、その達成に向けた長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」を2022年11月に公表いたしました。本長期ビジョンでは、ありたい姿を実現するための基本スタンスを「濃(こま)やかに、共に、創り支える ~Grow in harmony with you~」とし、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業の進化と新領域への挑戦を両輪としたビジネスモデルの変革、従業員一人ひとりが自律的な成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、事業の効率性とサステナビリティを意識したポートフォリオの構築等を掲げております。さらに、2026年度から始まる第17次中期経営計画では、第16次中期経営計画の成果と経営環境の変化を踏まえ、長期ビジョンで2035年に目指す定量・定性目標のアップデートを行い、その達成に向けた事業戦略の方向性である「ビジネスモデル変革の戦略ストーリー」に「グループシナジーの発現」および「AIトランスフォーメーションの推進」という着眼点を加えるとともに、「成長機会獲得の戦略ストーリー」を事業戦略の方向性として新たに追加いたしました。「成長機会獲得の戦略ストーリー」には、当社グループの強みとして認識する「鉄道・バス沿線地域での幅広い事業を通じた顧客接点」および「公共交通運営とまちづくりの実績・ノウハウ」、そしてこれらにより築かれた「信頼のブランド力」を活かした「沿線まちづくりの推進と深化」、「まちづくりソリューションの域外展開」、「産業サポート分野の事業拡大」の3つの戦略ストーリーを掲げ、「ビジネスモデル変革の戦略ストーリー」を含めた各ストーリーに沿った事業活動を推進するとともに、それらの事業活動を相互連携させ、持続的な成長サイクルの創出を図ってまいります。 ※長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の詳細は当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/vison.html (2) 経営環境ならびに優先的に対処すべき事業上および財務上の課題① 今後の経営環境の変化当社グループを取り巻く経営環境においては、世界的なインフレや円安を背景とした原材料・資材価格の高騰による不動産開発コストの増大に加え、中東情勢の緊迫化や長期化等による地政学リスクの高まり、さらにはデジタル化の進展に伴うサイバー攻撃の高度化等、事業リスクが複雑化しています。一方で、当社グループの主たる事業エリアである福岡市都心部や北部九州における国内外観光需要の高まりや生成AIをはじめとするデジタル技術の進展、カーボンニュートラルに向けた投資促進等、事業機会も数多く存在しています。 ② 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当社グループでは、2026年3月に、「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の実現に向けたセカンドステップとして、第17次中期経営計画(2026年度~2028年度)を策定いたしました。本計画では、テーマを「人とノウハウとブランド力で拓く、新たな成長ステージ」と設定し、6つの重点戦略「選ばれる沿線づくり、魅力あるまちづくりの着実な推進と持続可能なモビリティネットワークへの最適化」「グループのブランド力・ノウハウを活かしつつ、競争力を見極めた事業戦略の推進」「AX等による競争力の強化と更なる生産性の向上」「事業戦略遂行に必要な人財等の供給力強化に向けた人的資本経営の強化」「資本効率向上と財務健全性維持のバランスを意識した資金配分(キャッシュ・アロケーション)の実施」「サステナブル経営の深化」に基づき、取り組みを進めてまいります。 重点施策(モビリティ) ●安全・信頼を最優先としたモビリティサービスの提供、および持続可能なモビリティネットワークの構築 ●国内外観光需要の確実な取り込みによる収益の拡大 ●ノウハウを活用した自治体・地域交通事業者等に対するソリューション事業の強化 ■観光需要取り込みによる収益・サービス拡大 ・柳川再開発、太宰府天満宮本殿竣工等を契機とした観光需要の獲得 ・「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の東アジア向けインバウンド販促強化 ・高速バスや空港関係路線バスの増強 ・オープントップバスの活用による観光需要の獲得 北九州、別府エリアでの運行開始 ■バスグループ会社統合による車両・乗務員の柔軟な運用 貸切バス事業の稼働率最大化、高速バス続行便運行による増収 ■ノウハウを活用したソリューションビジネスの検討 ・九州の地方鉄道に向けた技術支援の事業化検証 ・バス運行関連支援の事業化検証 計画から施策実施まで一気通貫での知見・ノウハウを提供 ■持続可能なモビリティネットワークの構築 ・西鉄貝塚線と地下鉄箱崎線の直通運転の実現に向けた検討 ・総合交通体系の推進に向けた課題整理と準備 ■西鉄エアサービス㈱ 空港関連業務の拡大 国際線業務受託やVIPサービス業務、GSA(General Sales Agent)事業※等の空港関連事業拡大に向けた取り組み※新航路の開設時に航空会社の代理店として、空港との契約交渉や顧客対応等を実施 重点施策(不動産)ー 福岡市都心部 ●天神エリアにおける公共空間活用や周辺施設等との連携施策により、賑わい・魅力創出および交流促進、ワーカー・来街者の満足度を向上 ●開発コンセプト「創造交差点」の実現に向けた共創を生み出す施策を通じた「ONE FUKUOKA BLDG.」のブランド価値の向上 ●アジアで最も創造的なまちの実現に向けた開発プロジェクトと、地域拠点にふさわしい多様な都市機能を備えた魅力あるまちづくりの推進 ■天神エリアの賑わい・魅力創出 ・集客イベントの実施天神エリアにおける公共空間を活用したイベントの実施社内横断で連携した集客策の実施(天神集客PJ) ・「ONE FUKUOKA BLDG.」を活用した共創の強化周辺施設や企業・大学等と連携した共創施策の実施 ■地権者共働の開発プロジェクト等の推進 ・福岡家庭裁判所跡地における複合開発プロジェクト ・(仮称)天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト ・(仮称)天神一丁目15・16番街区計画 ・九州大学箱崎キャンパス跡地地区土地利用事業 重点施策(不動産)ー 沿線 ●沿線地域での不動産事業を通じた持続可能でウェルビーイングなまちづくりへの貢献、ならびに沿線価値の向上 ・福岡三越リモデルに合わせたソラリアターミナルビル改修・高宮駅リニューアル・高架下(白木原~下大利)の開発・久留米エリア最大・最高層分譲マンション「久留米ザ・タワー レジデンシャル」の共同開発・西鉄柳川駅前「にぎわい交流施設」の開発・新栄町駅前地区市街地再開発事業 重点施策(不動産)ー 域外 ●沿線まちづくりで培ったノウハウを活用した域外での不動産開発およびソリューション事業の展開による収益拡大 ●パートナーと協働した海外における不動産事業を通じた収益基盤の構築・拡大、西鉄ブランドの浸透 ■域外での不動産開発を通じた安定的かつ効率的な利益確保 ・住宅開発の推進(首都圏、関西) ・物流施設開発の推進■不動産ソリューション事業の強化 ・アセットマネジメント事業の拡大 ・プロパティマネジメント事業・ビルマネジメント事業の強化 ■海外における不動産事業の推進 ・各国での不動産開発戦略ベトナム:既存タウンシップ事業の推進/アフォーダブル住宅事業拡大インドネシア:戸建開発事業の推進に向けた組織基盤強化フィリピン:マニラ郊外での既存事業の拡大/新規エリア進出の検討インド:オフィス案件の着実な事業推進/分譲住宅事業の検討 アメリカ:収益不動産開発事業の拡大/アセットの多様化によるリスク分散・国内で培ったノウハウ・技術力の海外展開 重点施策(ホテル・レジャー) ホテル ●新規ホテル出店計画を着実に推進するとともに、新たな業態(アパートメントホテル等)へ参入 ■新規ホテル出店計画の着実な推進 ・ソラリア西鉄ホテル大阪本町 ・ソラリア西鉄ホテル福岡エアポート(仮称) ■新たな業態の検討 自社ブランドの高価格帯ホテルの検討 主にインバウンド向けを想定したアパートメントホテルへの参入 ■MC(運営委託方式)受託に向けたソフト面の強化・ブランド力:「ソラリア」「クルーム」拡大等によるブランド価値向上・運営力:派遣先で活躍できる責任者(運営・経営人財)の育成・提案力:運営マネジメントの高度化により事業性を高め、オーナーにも魅力ある条件を設定 旅行・レジャー ●福岡・九州における観光需要の取り込みおよびスポーツ関連ビジネスの推進・拡大 ■福岡・九州における観光事業の強化 ・国内外観光需要の取り込み福岡・九州の魅力を活用したツアー商品・企画乗車券の拡充観光列車のリニューアル検討・実施首都圏・関西圏でのインバウンド向け広告の展開JNTO(日本政府観光局)等との連携・共同プロモーション等の実施富裕層向け施策の実施 ■西鉄旅行㈱ スポーツ関連ビジネスの推進・拡大 スポーツ遠征手配取扱拡大に向けた東北エリアでの事業拡大(仙台営業所の開設)サッカー等の海外対戦国チームの受け入れ業務拡大九州・関西発の着地型応援ツアー等のスポーツツーリズムの強化 重点施策(流通・外食) スーパーマーケット ●㈱西鉄ストア 利益拡大 ■新規店舗出店・不採算店舗の収支改善 ■惣菜事業の更なる強化 コスト比較に基づく製造工程の一部外部委託、製造拠点の集約による生産性の大幅な向上 ■生産性の更なる向上 物流拠点、配送時間の抜本的な見直しセルフレジによる効率的な運営 生活雑貨販売 ●㈱インキューブ西鉄 収益拡大 ■新規店舗出店・既存店リニューアル■データドリブンな店舗運営 外食 ●天神福食堂における自治体や企業とのコラボ 自治体や企業と連携し、食を通した各地域の魅力発信ができる空間としての利活用を図り、地域の取り組みや活動支援、魅力発信のサポートを実施 重点施策(物流) ●NNR GSP Inc.法人設立によるGSP拡充推進や重点品目毎の販売戦略等による取扱重量拡大、サービスの高品質化・高付加価値化を通じた業界内でのプレゼンス向上 ●海外ネットワークの拡充やグローバル戦略を通じて、濃やかなロジスティクス事業を展開 ■取扱重量の拡大 ・Global Sales & Procurement(GSP)の拡充 グローバルアカウントへの機動的入札対応による取扱重量拡大 ・重点品目の選択と集中 ■海外ネットワークの拡充 ・市場拡大を目的としたM&Aの推進 ・各駐在員事務所の現地法人への格上げおよび新たな拠点進出の検討・推進 ■グローバル戦略 ・北中米現地法人間の連携強化(クロスボーダー構想) 域内で活発化する自動車関連ビジネス、半導体ビジネスの更なる取り込み ・ヨーロッパ現地法人間の連携強化 ヨーロッパ域内トラックビジネスの取り扱いを拡大し、新たな収益基盤を確立 ・中華圏現地法人間の連携深化(One China構想) 入札参加の窓口を一元化し、中華圏全体でのセールス・仕入体制を強化 ・アジア現地法人間の連携強化(One ASEAN+1構想) 域内(ASEAN+インド)での連携強化による新たなビジネス機会を創出 ・フィリピンでのオペレーションセンターの規模拡大 ■専門性の高度化によるサポート体制の強化 ・AOG(Aircraft On Ground:航空機部品の緊急輸送)貨物取扱体制の構築 ・半導体専業課の拡充、自動車専業課の設置 重点施策(ビジネスサポート) 資源エネルギー関連 ●ASR(廃自動車破砕残渣)再資源化事業の強化および再生エネルギー事業の拡大 ■西鉄メタル㈱ ASR再資源化施設更新による効率性・収益性の向上 最新の破砕・選別技術を備えたASR再資源化施設への更新 ■自治体との連携による再エネ電源開発事業の拡大 熊本県等での太陽光発電所開発の着実な推進沿線自治体向けの脱炭素コンサル事業の拡大開発適地の減少に対応した新たな電源開発手法の検討 ■蓄電池関連事業の拡大 太陽光発電所への蓄電池併設や、系統用蓄電所の増設 建設関連 ●西鉄建設㈱ 総合建設会社としての体制構築による受注規模・事業領域の拡大 ■大規模物件および非住宅木造建築物受注に向けた取り組み強化 ■合同研修会等の諸施策を通じた協力会社との良好なパートナーシップの構築 ITサービス関連 ●㈱ニモカ 交通系ICカード(nimoca)の利便性向上、新規事業による収益獲得 ■窓口機能のアプリ化 ■決済関連新規事業による収益獲得 農業関連 ●農業用資材卸売業を中核とした事業拡大 ■ヒノマルグループにおける収益基盤の拡充 ■九州農業の持続的な発展を支えるビジネスモデルの構築 重点施策(デジタル・データ活用、安全あんしん・ガバナンス強化) ■DX・AXの推進 ・バス自動運転実用化に向けた取り組み推進 福岡空港における国内線・国際線連絡バスの自動運転化に向けた取り組み推進 ・バスにおけるキャッシュレス決済利用促進 ・駅遠隔監視制御システム導入 ・「生産性革新プロジェクト」の新設・推進 ■安全対策の強化 ・実働訓練による対応力向上 ・事故防止・安全性向上への取り組み バスにおける新車の一部車両にAIカメラ導入 駅施設の点検体制強化 ■ガバナンスの強化 ・統合リスクマネジメント(ERM)の推進 ・IR活動の推進 スモールミーティング・施設見学会等を通じた投資家との建設的な対話の強化 重点施策(人的資本経営) ●サクセッションプランの推進、人財ポートフォリオ策定、高度専門人財の確保により、戦略実現に必要な人財を確保・育成 ●自律的成長とキャリア形成の促進、個々が能力を発揮できる環境整備による人財と組織のパフォーマンス最大化 ■人財の確保・最適配置 ・サクセッションプラン(後継者育成計画)の推進競争力強化に向け、将来の中核人財を特定し、長期的な育成計画を推進 ・人財ポートフォリオの策定求める人財の要件(スキル・知見)、必要人数、配置先、確保時期を明確化 ・高度専門人財の確保職務難易度・スキルの外部市場価値等に応じて専門人財を厚遇できる仕組みを整備 ■研修の見直しによる自律的成長・キャリア形成の促進 ■社内公募・グループ内兼業制度の導入 ■DE&Iの浸透・定着 ※ 第17次中期経営計画(2026年度~2028年度)の詳細は当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/managementplan.html (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益性に関する指標である「連結事業利益」、「連結EBITDA」、資本効率に関する指標である「ROE」、財務健全性に関する指標である「NET有利子負債/EBITDA倍率」、「D/Eレシオ」を採用しております。第17次中期経営計画(2026年度~2028年度)における経営数値目標(連結)は次のとおりです。 2029年3月期計画連結事業利益(注)1400億円連結EBITDA (注)2700億円ROE(自己資本当期純利益率)9%程度NET有利子負債/EBITDA倍率6倍程度D/Eレシオ1.4倍程度 (注) 1 連結事業利益=連結営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益等2 連結EBITDA=連結事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) また、第17次中期経営計画において、事業戦略の着実な推進とサステナブル経営における重要課題の解決の一体 的な推進を図るために、非財務指標(39項目)を設定しました。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、1908年の創業以来、様々な時代の変化を乗り越えながら今日に至りますが、今後の長期的な経営環境につきましては、国内人口減少の一方で新興国を中心とした世界人口増加、テクノロジーの急激な進歩、グローバル化に伴う社会の仕組みや顧客ニーズの変化、脱炭素社会の進展等、これまで以上に変化のスピードが急激で、不確実性の高い時代が続くものと認識しています。このような環境下においてもサステナブルな成長を実現するため、これまでの事業モデルの延長ではなく、想定した未来像から遡るバックキャストで、当社グループのありたい姿を描き、その達成に向けた長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」を2022年11月に公表いたしました。本長期ビジョンでは、ありたい姿を実現するための基本スタンスを「濃(こま)やかに、共に、創り支える ~Grow in harmony with you~」とし、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業の進化と新領域への挑戦を両輪としたビジネスモデルの変革、従業員一人ひとりが自律的な成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、事業の効率性とサステナビリティを意識したポートフォリオの構築等を掲げております。さらに、2026年度から始まる第17次中期経営計画では、第16次中期経営計画の成果と経営環境の変化を踏まえ、長期ビジョンで2035年に目指す定量・定性目標のアップデートを行い、その達成に向けた事業戦略の方向性である「ビジネスモデル変革の戦略ストーリー」に「グループシナジーの発現」および「AIトランスフォーメーションの推進」という着眼点を加えるとともに、「成長機会獲得の戦略ストーリー」を事業戦略の方向性として新たに追加いたしました。「成長機会獲得の戦略ストーリー」には、当社グループの強みとして認識する「鉄道・バス沿線地域での幅広い事業を通じた顧客接点」および「公共交通運営とまちづくりの実績・ノウハウ」、そしてこれらにより築かれた「信頼のブランド力」を活かした「沿線まちづくりの推進と深化」、「まちづくりソリューションの域外展開」、「産業サポート分野の事業拡大」の3つの戦略ストーリーを掲げ、「ビジネスモデル変革の戦略ストーリー」を含めた各ストーリーに沿った事業活動を推進するとともに、それらの事業活動を相互連携させ、持続的な成長サイクルの創出を図ってまいります。 ※長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の詳細は当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/vison.html (2) 経営環境ならびに優先的に対処すべき事業上および財務上の課題① 今後の経営環境の変化当社グループを取り巻く経営環境においては、世界的なインフレや円安を背景とした原材料・資材価格の高騰による不動産開発コストの増大に加え、中東情勢の緊迫化や長期化等による地政学リスクの高まり、さらにはデジタル化の進展に伴うサイバー攻撃の高度化等、事業リスクが複雑化しています。一方で、当社グループの主たる事業エリアである福岡市都心部や北部九州における国内外観光需要の高まりや生成AIをはじめとするデジタル技術の進展、カーボンニュートラルに向けた投資促進等、事業機会も数多く存在しています。 ② 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当社グループでは、2026年3月に、「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の実現に向けたセカンドステップとして、第17次中期経営計画(2026年度~2028年度)を策定いたしました。本計画では、テーマを「人とノウハウとブランド力で拓く、新たな成長ステージ」と設定し、6つの重点戦略「選ばれる沿線づくり、魅力あるまちづくりの着実な推進と持続可能なモビリティネットワークへの最適化」「グループのブランド力・ノウハウを活かしつつ、競争力を見極めた事業戦略の推進」「AX等による競争力の強化と更なる生産性の向上」「事業戦略遂行に必要な人財等の供給力強化に向けた人的資本経営の強化」「資本効率向上と財務健全性維持のバランスを意識した資金配分(キャッシュ・アロケーション)の実施」「サステナブル経営の深化」に基づき、取り組みを進めてまいります。 重点施策(モビリティ) ●安全・信頼を最優先としたモビリティサービスの提供、および持続可能なモビリティネットワークの構築 ●国内外観光需要の確実な取り込みによる収益の拡大 ●ノウハウを活用した自治体・地域交通事業者等に対するソリューション事業の強化 ■観光需要取り込みによる収益・サービス拡大 ・柳川再開発、太宰府天満宮本殿竣工等を契機とした観光需要の獲得 ・「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の東アジア向けインバウンド販促強化 ・高速バスや空港関係路線バスの増強 ・オープントップバスの活用による観光需要の獲得 北九州、別府エリアでの運行開始 ■バスグループ会社統合による車両・乗務員の柔軟な運用 貸切バス事業の稼働率最大化、高速バス続行便運行による増収 ■ノウハウを活用したソリューションビジネスの検討 ・九州の地方鉄道に向けた技術支援の事業化検証 ・バス運行関連支援の事業化検証 計画から施策実施まで一気通貫での知見・ノウハウを提供 ■持続可能なモビリティネットワークの構築 ・西鉄貝塚線と地下鉄箱崎線の直通運転の実現に向けた検討 ・総合交通体系の推進に向けた課題整理と準備 ■西鉄エアサービス㈱ 空港関連業務の拡大 国際線業務受託やVIPサービス業務、GSA(General Sales Agent)事業※等の空港関連事業拡大に向けた取り組み※新航路の開設時に航空会社の代理店として、空港との契約交渉や顧客対応等を実施 重点施策(不動産)ー 福岡市都心部 ●天神エリアにおける公共空間活用や周辺施設等との連携施策により、賑わい・魅力創出および交流促進、ワーカー・来街者の満足度を向上 ●開発コンセプト「創造交差点」の実現に向けた共創を生み出す施策を通じた「ONE FUKUOKA BLDG.」のブランド価値の向上 ●アジアで最も創造的なまちの実現に向けた開発プロジェクトと、地域拠点にふさわしい多様な都市機能を備えた魅力あるまちづくりの推進 ■天神エリアの賑わい・魅力創出 ・集客イベントの実施天神エリアにおける公共空間を活用したイベントの実施社内横断で連携した集客策の実施(天神集客PJ) ・「ONE FUKUOKA BLDG.」を活用した共創の強化周辺施設や企業・大学等と連携した共創施策の実施 ■地権者共働の開発プロジェクト等の推進 ・福岡家庭裁判所跡地における複合開発プロジェクト ・(仮称)天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト ・(仮称)天神一丁目15・16番街区計画 ・九州大学箱崎キャンパス跡地地区土地利用事業 重点施策(不動産)ー 沿線 ●沿線地域での不動産事業を通じた持続可能でウェルビーイングなまちづくりへの貢献、ならびに沿線価値の向上 ・福岡三越リモデルに合わせたソラリアターミナルビル改修・高宮駅リニューアル・高架下(白木原~下大利)の開発・久留米エリア最大・最高層分譲マンション「久留米ザ・タワー レジデンシャル」の共同開発・西鉄柳川駅前「にぎわい交流施設」の開発・新栄町駅前地区市街地再開発事業 重点施策(不動産)ー 域外 ●沿線まちづくりで培ったノウハウを活用した域外での不動産開発およびソリューション事業の展開による収益拡大 ●パートナーと協働した海外における不動産事業を通じた収益基盤の構築・拡大、西鉄ブランドの浸透 ■域外での不動産開発を通じた安定的かつ効率的な利益確保 ・住宅開発の推進(首都圏、関西) ・物流施設開発の推進■不動産ソリューション事業の強化 ・アセットマネジメント事業の拡大 ・プロパティマネジメント事業・ビルマネジメント事業の強化 ■海外における不動産事業の推進 ・各国での不動産開発戦略ベトナム:既存タウンシップ事業の推進/アフォーダブル住宅事業拡大インドネシア:戸建開発事業の推進に向けた組織基盤強化フィリピン:マニラ郊外での既存事業の拡大/新規エリア進出の検討インド:オフィス案件の着実な事業推進/分譲住宅事業の検討 アメリカ:収益不動産開発事業の拡大/アセットの多様化によるリスク分散・国内で培ったノウハウ・技術力の海外展開 重点施策(ホテル・レジャー) ホテル ●新規ホテル出店計画を着実に推進するとともに、新たな業態(アパートメントホテル等)へ参入 ■新規ホテル出店計画の着実な推進 ・ソラリア西鉄ホテル大阪本町 ・ソラリア西鉄ホテル福岡エアポート(仮称) ■新たな業態の検討 自社ブランドの高価格帯ホテルの検討 主にインバウンド向けを想定したアパートメントホテルへの参入 ■MC(運営委託方式)受託に向けたソフト面の強化・ブランド力:「ソラリア」「クルーム」拡大等によるブランド価値向上・運営力:派遣先で活躍できる責任者(運営・経営人財)の育成・提案力:運営マネジメントの高度化により事業性を高め、オーナーにも魅力ある条件を設定 旅行・レジャー ●福岡・九州における観光需要の取り込みおよびスポーツ関連ビジネスの推進・拡大 ■福岡・九州における観光事業の強化 ・国内外観光需要の取り込み福岡・九州の魅力を活用したツアー商品・企画乗車券の拡充観光列車のリニューアル検討・実施首都圏・関西圏でのインバウンド向け広告の展開JNTO(日本政府観光局)等との連携・共同プロモーション等の実施富裕層向け施策の実施 ■西鉄旅行㈱ スポーツ関連ビジネスの推進・拡大 スポーツ遠征手配取扱拡大に向けた東北エリアでの事業拡大(仙台営業所の開設)サッカー等の海外対戦国チームの受け入れ業務拡大九州・関西発の着地型応援ツアー等のスポーツツーリズムの強化 重点施策(流通・外食) スーパーマーケット ●㈱西鉄ストア 利益拡大 ■新規店舗出店・不採算店舗の収支改善 ■惣菜事業の更なる強化 コスト比較に基づく製造工程の一部外部委託、製造拠点の集約による生産性の大幅な向上 ■生産性の更なる向上 物流拠点、配送時間の抜本的な見直しセルフレジによる効率的な運営 生活雑貨販売 ●㈱インキューブ西鉄 収益拡大 ■新規店舗出店・既存店リニューアル■データドリブンな店舗運営 外食 ●天神福食堂における自治体や企業とのコラボ 自治体や企業と連携し、食を通した各地域の魅力発信ができる空間としての利活用を図り、地域の取り組みや活動支援、魅力発信のサポートを実施 重点施策(物流) ●NNR GSP Inc.法人設立によるGSP拡充推進や重点品目毎の販売戦略等による取扱重量拡大、サービスの高品質化・高付加価値化を通じた業界内でのプレゼンス向上 ●海外ネットワークの拡充やグローバル戦略を通じて、濃やかなロジスティクス事業を展開 ■取扱重量の拡大 ・Global Sales & Procurement(GSP)の拡充 グローバルアカウントへの機動的入札対応による取扱重量拡大 ・重点品目の選択と集中 ■海外ネットワークの拡充 ・市場拡大を目的としたM&Aの推進 ・各駐在員事務所の現地法人への格上げおよび新たな拠点進出の検討・推進 ■グローバル戦略 ・北中米現地法人間の連携強化(クロスボーダー構想) 域内で活発化する自動車関連ビジネス、半導体ビジネスの更なる取り込み ・ヨーロッパ現地法人間の連携強化 ヨーロッパ域内トラックビジネスの取り扱いを拡大し、新たな収益基盤を確立 ・中華圏現地法人間の連携深化(One China構想) 入札参加の窓口を一元化し、中華圏全体でのセールス・仕入体制を強化 ・アジア現地法人間の連携強化(One ASEAN+1構想) 域内(ASEAN+インド)での連携強化による新たなビジネス機会を創出 ・フィリピンでのオペレーションセンターの規模拡大 ■専門性の高度化によるサポート体制の強化 ・AOG(Aircraft On Ground:航空機部品の緊急輸送)貨物取扱体制の構築 ・半導体専業課の拡充、自動車専業課の設置 重点施策(ビジネスサポート) 資源エネルギー関連 ●ASR(廃自動車破砕残渣)再資源化事業の強化および再生エネルギー事業の拡大 ■西鉄メタル㈱ ASR再資源化施設更新による効率性・収益性の向上 最新の破砕・選別技術を備えたASR再資源化施設への更新 ■自治体との連携による再エネ電源開発事業の拡大 熊本県等での太陽光発電所開発の着実な推進沿線自治体向けの脱炭素コンサル事業の拡大開発適地の減少に対応した新たな電源開発手法の検討 ■蓄電池関連事業の拡大 太陽光発電所への蓄電池併設や、系統用蓄電所の増設 建設関連 ●西鉄建設㈱ 総合建設会社としての体制構築による受注規模・事業領域の拡大 ■大規模物件および非住宅木造建築物受注に向けた取り組み強化 ■合同研修会等の諸施策を通じた協力会社との良好なパートナーシップの構築 ITサービス関連 ●㈱ニモカ 交通系ICカード(nimoca)の利便性向上、新規事業による収益獲得 ■窓口機能のアプリ化 ■決済関連新規事業による収益獲得 農業関連 ●農業用資材卸売業を中核とした事業拡大 ■ヒノマルグループにおける収益基盤の拡充 ■九州農業の持続的な発展を支えるビジネスモデルの構築 重点施策(デジタル・データ活用、安全あんしん・ガバナンス強化) ■DX・AXの推進 ・バス自動運転実用化に向けた取り組み推進 福岡空港における国内線・国際線連絡バスの自動運転化に向けた取り組み推進 ・バスにおけるキャッシュレス決済利用促進 ・駅遠隔監視制御システム導入 ・「生産性革新プロジェクト」の新設・推進 ■安全対策の強化 ・実働訓練による対応力向上 ・事故防止・安全性向上への取り組み バスにおける新車の一部車両にAIカメラ導入 駅施設の点検体制強化 ■ガバナンスの強化 ・統合リスクマネジメント(ERM)の推進 ・IR活動の推進 スモールミーティング・施設見学会等を通じた投資家との建設的な対話の強化 重点施策(人的資本経営) ●サクセッションプランの推進、人財ポートフォリオ策定、高度専門人財の確保により、戦略実現に必要な人財を確保・育成 ●自律的成長とキャリア形成の促進、個々が能力を発揮できる環境整備による人財と組織のパフォーマンス最大化 ■人財の確保・最適配置 ・サクセッションプラン(後継者育成計画)の推進競争力強化に向け、将来の中核人財を特定し、長期的な育成計画を推進 ・人財ポートフォリオの策定求める人財の要件(スキル・知見)、必要人数、配置先、確保時期を明確化 ・高度専門人財の確保職務難易度・スキルの外部市場価値等に応じて専門人財を厚遇できる仕組みを整備 ■研修の見直しによる自律的成長・キャリア形成の促進 ■社内公募・グループ内兼業制度の導入 ■DE&Iの浸透・定着 ※ 第17次中期経営計画(2026年度~2028年度)の詳細は当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/managementplan.html (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益性に関する指標である「連結事業利益」、「連結EBITDA」、資本効率に関する指標である「ROE」、財務健全性に関する指標である「NET有利子負債/EBITDA倍率」、「D/Eレシオ」を採用しております。第17次中期経営計画(2026年度~2028年度)における経営数値目標(連結)は次のとおりです。 2029年3月期計画連結事業利益(注)1400億円連結EBITDA (注)2700億円ROE(自己資本当期純利益率)9%程度NET有利子負債/EBITDA倍率6倍程度D/Eレシオ1.4倍程度 (注) 1 連結事業利益=連結営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益等2 連結EBITDA=連結事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) また、第17次中期経営計画において、事業戦略の着実な推進とサステナブル経営における重要課題の解決の一体 的な推進を図るために、非財務指標(39項目)を設定しました。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。(1) 経営成績(連結経営成績)当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善等を背景に、緩やかな回復基調で推移しました。一方で、中東情勢や米国の通商政策の動向等、不安定な国際情勢の影響もあり、先行き不透明な状況が続いています。営業収益は、ヒノマル㈱を中核とするヒノマルグループを連結子会社化したことに伴う「その他」における農業関連事業の寄与や、不動産業における賃貸事業での「ONE FUKUOKA BLDG.」の開業(2025年4月)等により4,741億5千6百万円(前期比6.9%増)となりました。営業利益は、物流業における国際物流事業や不動産業における住宅事業で粗利が増加したこと等により302億1千万円(前期比13.3%増)となりました。経常利益は、持分法適用会社である大名プロジェクト特定目的会社での信託受益権の一部売却や福岡国際空港㈱での利益の増加等により、持分法による投資利益が増加したこと等もあり372億2千万円(前期比29.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、不動産流動化での信託受益権の売却による固定資産売却益の増加や、政策保有株式の売却による投資有価証券売却益の増加等もあり321億5千5百万円(前期比54.5%増)となりました。その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益443,495474,15630,6606.9営業利益26,65530,2103,55413.3経常利益28,73937,2208,48029.5親会社株主に帰属する当期純利益20,81032,15511,34454.5 なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりです。 ① 営業収益及び営業利益当連結会計年度の営業収益は、ヒノマル㈱を中核とするヒノマルグループを連結子会社化したことに伴う「その他」における農業関連事業の寄与や、不動産業における賃貸事業での「ONE FUKUOKA BLDG.」の開業(2025年4月)等により、前連結会計年度から306億6千万円増加し、4,741億5千6百万円(前期比 6.9%増)となりました。営業利益は、物流業における国際物流事業や不動産業における住宅事業で粗利が増加したこと等により、前連結会計年度から35億5千4百万円増加し、302億1千万円(前期比 13.3%増)となりました。セグメントごとの営業収益及び営業利益は、次のとおりです。 セグメントの名称営業収益営業利益前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)運輸業80,94083,1722.84,9794,055△18.6不動産業87,77795,0108.29,73611,62419.4流通業71,98173,9712.86546702.4物流業148,023153,0123.43,8496,08058.0レジャー・サービス業52,71759,08812.15,9326,3717.4計441,440464,2555.225,15128,80114.5その他30,95638,31923.82,3642,5718.8調整額△28,901△28,417-△861△1,163-連結443,495474,1566.926,65530,21013.3 ② 営業外損益及び経常利益営業外収益は、持分法による投資利益の増加等により、前連結会計年度から52億7千1百万円増加し、105億3千5百万円となりました。営業外費用は、支払利息の増加等により、前連結会計年度から3億4千5百万円増加し、35億2千5百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度から84億8千万円増加し、372億2千万円(前期比 29.5%増)となりました。 ③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益特別利益は、固定資産売却益や投資有価証券売却益の増加の一方、受託工事金受入額の減少等により、前連結会計年度から5億2千万円減少し、110億5千5百万円となりました。特別損失は、固定資産圧縮損の減少等により、前連結会計年度から73億3千9百万円減少し、20億8千6百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から153億円増加し、461億8千8百万円(前期比 49.5%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から113億4千4百万円増加し、321億5千5百万円(前期比 54.5%増)となりました。 (セグメント別概況)① 運輸業鉄道事業では、鉄道運賃改定の申請を行い(2026年4月1日改定実施)、持続可能な公共交通ネットワークの構築に向けた事業基盤の強化を図りました。また、朝ラッシュ時間帯の増便により通勤・通学時間帯の混雑緩和を図ったほか、有料座席列車「Nライナー」の運行を開始するなど、利便性向上に取り組みました。さらに、西鉄福岡(天神)駅におけるホームドア設置を完了するなど、安全性向上に努めました。そのほか、カーボンニュートラルの実現に向け、列車の運行に使用する電力を実質再生可能エネルギー由来の電力に置き換える準備を進めました。 バス事業では、北九州地区および筑豊地区において運賃改定を実施したほか、西鉄バス宗像㈱および西鉄バス二日市㈱の吸収合併(2025年10月1日効力発生)ならびに西鉄観光バス㈱の吸収合併(2026年4月1日効力発生)を行うなど、運行基盤の再編・強化を図りました。また、博多駅〜福岡空港国際線へ連節バスを導入したほか、「FUKUOKA OPEN TOP BUS」における新型車両の導入および「太宰府コース」の新設ならびに「KITAKYUSHU OPEN TOP BUS」の運行開始等、観光需要の取り込みを図りました。さらに、国産電気バスの導入や、レトロフィット電気バスの製作・導入等、カーボンニュートラルの実現に向けた取り組みを進めました。 経営成績については、鉄道事業で、需要の回復などにより旅客人員が増加し増収となりました。バス事業で、ダイヤ改正による減便などでの減収の一方、インバウンド需要の増加や「ONE FUKUOKA BLDG.」の開業効果などもあり高速バスの需要が回復し増収となりました。これらの結果、運輸業の営業収益は831億7千2百万円(前期比2.8%増)となりました。営業利益は、待遇改善による人件費の増加などにより40億5千5百万円(前期比18.6%減)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益80,94083,1722,2312.8 鉄道事業22,59523,8661,270 5.6 バス事業 ※255,84656,317471 ※1 0.8 タクシー事業 ※22,5792,537△41△1.6 運輸関連事業11,08810,690△397△3.6 消去△11,169△10,239929―営業利益4,9794,055△924△18.6 ※1 バス事業の内部取引を除くと1.6%の増となります。※2 従来、タクシー事業であった北九西鉄交通㈱(旧社名:北九西鉄タクシー㈱)は、タクシー事業を終了したため、当連結会計年度の期首より主要な事業となるバス事業に変更しています。なお、前連結会計年度については、組替えを行っています。 ロ 提出会社の鉄道事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365―営業キロキロ106.1106.1―走行キロ千キロ38,31139,0401.9旅客人員定期千人57,97960,8565.0定期外千人45,04048,0436.7計千人103,019108,8995.7旅客収入定期百万円7,9288,2403.9定期外百万円12,85113,6786.4計百万円20,77921,9195.5手小荷物・その他収入百万円0030.2運輸雑収百万円88999411.8運輸収入合計百万円21,66922,9135.7乗車効率 (注)%29.630.4― ハ 提出会社のバス事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365―営業キロキロ4,267.94,425.93.7走行キロ千キロ66,43365,226△1.8旅客人員定期千人58,80859,3921.0定期外千人92,98095,2652.5計千人151,788154,6561.9旅客収入定期百万円7,5747,7512.3定期外百万円25,01526,1994.7計百万円32,58933,9504.2手荷物・その他収入百万円00△21.4運輸雑収百万円3,0643,0820.6運輸収入合計百万円35,65537,0333.9乗車効率 (注)%20.822.2― (注)乗車効率算出方式延人キロ×100 1車平均定員×走行キロ ② 不動産業賃貸事業では、「ONE FUKUOKA BLDG.(ワン・フクオカ・ビルディング)」を2025年4月24日に開業し、オフィスのリーシングを着実に進めるなど、収益の拡大に努めました。また、駅直結型商業施設「レイリア春日原」の開業準備を進めるなど、沿線の賑わい創出を図りました。さらに、賃貸用物流施設「MID LOGI鳥栖」や「熊本戸島ロジスティクスセンター」の開発に取り組み、収益基盤の強化を図りました。そのほか、福岡市都心部における地権者共働の開発プロジェクトの取り組みを着実に推進しました。 住宅事業では、「ガーデングランデ横浜戸塚」、「プレミスト京都 松ケ崎」等、首都圏、関西圏でのマンション供給・販売に努めました。また、ベトナムやフィリピンでの大規模分譲開発等、海外での共同開発を推進し事業の拡大を図りました。その他不動産事業では、私募ファンドの組成や西鉄アセットマネジメント㈱におけるアセットマネジメント業務の一部受託等、不動産流動化による資本効率の向上と事業機会の創出に努めました。 経営成績については、賃貸事業で、「ONE FUKUOKA BLDG.」の開業などにより増収となりました。住宅事業で、分譲マンション「ガーデングランデ横浜戸塚」等の販売や、前期に比べ販売単価の上昇などもあり増収となりました。これらの結果、不動産業の営業収益は950億1千万円(前期比8.2%増)、営業利益は116億2千4百万円(前期比19.4%増)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益87,77795,0107,2328.2 賃貸事業32,84138,7275,88517.9 住宅事業43,60648,0224,41610.1 その他不動産事業16,25516,175△80△0.5 消去△4,926△7,915△2,988―営業利益9,73611,6241,88719.4 ロ 分譲販売区画数 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)分譲販売区画数区画885852△33△3.7 マンション(うち一棟売却 賃貸マンション)戸695(149)660(151)△35(2)△5.0(1.3) 戸建区画175186116.3 リノベーション戸156△9△60.0 ③ 流通業ストア事業では、「レガネット春日原」を開業するなど、収益の拡大を図りました。また、「レガネット天神」のリニューアルを行い、既存店の収益力の強化に努めました。 生活雑貨販売業では、「イオンモール大牟田店」を開業するなど、収益の拡大を図りました。 経営成績については、ストア事業で、沿線店舗をはじめ既存店売上が増加したことや改装店舗の寄与などにより増収となりました。生活雑貨販売業で、既存店売上の増加に加えて「イオンモール大牟田店」の開業(2025年10月)などにより増収となりました。これらの結果、流通業の営業収益は739億7千1百万円(前期比2.8%増)、営業利益は6億7千万円(前期比2.4%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益71,98173,9711,9902.8 ストア事業65,92767,3601,4332.2 生活雑貨販売業6,0546,6115569.2 消去△0△00―営業利益654670162.4 ④ 物流業国際物流事業では、メキシコ現地法人(NNR GLOBAL LOGISTICS MEXICO S.A. de C.V.)モンテレイ事務所およびフィリピン現地法人(NNR GLOBAL LOGISTICS (PHILIPPINES) INC.)スービック事務所を新設したほか、トルコ・イスタンブール駐在事務所の開設準備を進めるなど、海外ネットワークの拡充に取り組みました。また、国内では半導体取扱専業部署を新設するなど、重点品目の選択と集中を行い、取扱重量の拡大を図りました。さらに、持続可能な航空燃料(SAF)を活用した航空輸送サービス「NNR Green Connect」の提供を開始するなど、カーボンニュートラルの実現のための取り組みを実施しました。経営成績については、国際物流事業で、為替変動による円換算額が増加したことや輸出入取扱高の増加などにより増収となりました。この結果、物流業の営業収益は1,530億1千2百万円(前期比3.4%増)、営業利益は60億8千万円(前期比58.0%増)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益148,023153,0124,9883.4 国際物流事業154,941160,1225,1813.3 国内物流事業10,94811,4565074.6 消去△17,866△18,566△700―営業利益3,8496,0802,23158.0 ロ 国際貨物取扱高 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%) 航空輸出千トン10310522.3 航空輸入千件321346257.9 海運輸出千TEU ※11211976.2 海運輸入千TEU ※14615364.6 ※TEU:20フィートの海上輸送コンテナを1単位とした換算個数 ⑤ レジャー・サービス業ホテル事業では、「ONE FUKUOKA HOTEL」を2025年4月に開業するなど、収益の拡大を図りました。また、「ソラリア西鉄ホテル大阪本町」や「ソラリア西鉄ホテル福岡エアポート(仮称)」等、新規ホテルの出店計画を着実に推進しました。 飲食事業では、「天神福食堂」を2025年4月に開業し、「ONE FUKUOKA BLDG.」内の賑わい創出を図りました。 経営成績については、ホテル事業で、客室単価の上昇に加え、「ONE FUKUOKA HOTEL」の開業や前期に開業した「西鉄ホテル クルーム バンコク シーロム」(2024年9月)の寄与などにより増収となりました。この結果、レジャー・サービス業の営業収益は590億8千8百万円(前期比12.1%増)、営業利益は63億7千1百万円(前期比7.4%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益52,71759,0886,37112.1 ホテル事業31,85437,4265,57117.5 旅行事業3,1803,50232110.1 娯楽事業5,3505,4961452.7 飲食事業30188157518.9 広告事業2,8332,862281.0 その他サービス事業10,96212,1281,16610.6 消去△1,496△2,515△1,019―営業利益5,9326,3714387.4 ⑥ その他農業関連事業では、事業拡大に向け、農業分野に特化した卸売企業であるヒノマル㈱を中核とするヒノマルグループを子会社化しました。経営成績については、農業関連事業でヒノマルグループを連結子会社化したことなどにより増収となりました。この結果、その他の営業収益は383億1千9百万円(前期比23.8%増)、営業利益は25億7千1百万円(前期比8.8%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益30,95638,3197,36323.8 ICカード事業1,6091,380△228△14.2 車両整備関連事業15,36815,8564883.2 建設関連事業10,1989,333△864△8.5 金属リサイクル事業4,4914,483△8△0.2 農業関連事業―8,6928,692― 消去△711△1,427△716―営業利益2,3642,5712078.8 (2) 財政状態 前連結会計年度2025年3月末(百万円)当連結会計年度2026年3月末(百万円)増減額(百万円)資産合計782,126820,85138,724負債合計526,086527,8061,720純資産合計256,039293,04437,004有利子負債366,160362,987△3,173 (注)有利子負債は、借入金 + 社債により算出しています。 資産は、投資有価証券や販売土地及び建物の増加等により、前連結会計年度末に比べ387億2千4百万円増加し、8,208億5千1百万円となりました。 負債は、繰延税金負債や未払消費税等の増加等により、前連結会計年度末に比べ17億2千万円増加し、5,278億6百万円となりました。 純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ370億4百万円増加し、2,930億4千4百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー 前連結会計年度2025年3月末(百万円)当連結会計年度2026年3月末(百万円)増減額(百万円)現金及び現金同等物の期末残高50,44145,770△4,670 通期増減額(百万円)2025年3月期(百万円)2026年3月期(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー15,61138,60922,998投資活動によるキャッシュ・フロー△74,546△30,33744,208フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)△58,9358,27267,207財務活動によるキャッシュ・フロー39,228△13,324△52,553 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ46億7千万円減少し、457億7千万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益461億8千8百万円、減価償却費239億2千3百万円、棚卸資産の増加額(支出)110億2千1百万円等により386億9百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ229億9千8百万円の収入増となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出386億7千2百万円、固定資産の売却による収入87億円等により、303億3千7百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ442億8百万円の支出減となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の償還による支出80億円、自己株式の取得による支出40億6千6百万円等により、133億2千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ525億5千3百万円の支出増となりました。 当社グループの資金調達については、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債および民間金融機関からの借入金等、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら行っています。 なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しています。 資金の流動性については、当社グループは、運輸業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しています。 また、金融機関との当座貸越契約を締結することにより、機動的な資金調達が可能な体制を整えています。 成長投資については、2025年度は「第16次中期経営計画2025年度計画」に沿って、「福岡国際ビル」の取得や春日原駅商業施設「レイリア春日原」の建設等を進めました。2026年度は「第17次中期経営計画(2026年度~2028年度)」に沿って、賃貸用物流施設「MID LOGI 鳥栖」の開発や「(仮称)江東区亀戸三丁目計画」新築工事等について着実に進めてまいります。投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。 株主還元については、経営における重要課題の一つと考えており、当社は、株主の皆様への安定した利益還元を重視し、適切な内部留保の確保による財務体質及び経営基盤の強化を図りながら、安定的・継続的な配当を実施することを利益配分についての方針としています。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。 この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (5) 生産、受注及び販売の実績 当社グループの各事業において提供するサービスや製品は多種多様であり、同じセグメント内のサービスや製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではないため、生産、受注及び販売の実績について、セグメントごとに生産規模あるいは数量で示すことはしていません。 そのため、生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しています。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、1908年の創業以来、様々な時代の変化を乗り越えながら今日に至りますが、今後の長期的な経営環境につきましては、国内人口減少の一方で新興国を中心とした世界人口増加、テクノロジーの急激な進歩、グローバル化に伴う社会の仕組みや顧客ニーズの変化、脱炭素社会の進展等、これまで以上に変化のスピードが急激で、不確実性の高い時代が続くものと認識しています。このような環境下においてもサステナブルな成長を実現するため、これまでの事業モデルの延長ではなく、想定した未来像から遡るバックキャストで、当社グループのありたい姿を描き、その達成に向けた長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」を2022年11月に公表いたしました。本長期ビジョンでは、ありたい姿を実現するための基本スタンスを「濃(こま)やかに、共に、創り支える ~Grow in harmony with you~」とし、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業の進化と新領域への挑戦を両輪としたビジネスモデルの変革、従業員一人ひとりが自律的な成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、事業の効率性とサステナビリティを意識したポートフォリオの構築等を掲げております。 ※長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の詳細は当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/vison.html (2) 経営環境ならびに優先的に対処すべき事業上および財務上の課題① 今後の経営環境の変化わが国においては、より一層の生産年齢人口の減少、デジタル化の加速、脱炭素社会の進展、アジアを中心とした新興国の経済成長と市場拡大等、経営環境が絶えず変化していくことが想定されます。また、各国の通商政策やウクライナ情勢等、国際情勢の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性は極めて高く、当社グループにおいても金融・為替市場やわが国経済・物価への影響を注視しています。さらに、当社グループは、福岡都心部における地権者共働の開発プロジェクト等の推進や事業基盤となる人財の確保、デジタル技術活用等による生産性の向上等、様々な課題に直面しています。 ② 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当社グループでは、2023年3月に、「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の実現に向けた第1ステップとして、第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)を策定いたしました。本計画では、テーマを「サステナブルな成長への挑戦~Challenge for sustainable growth~」とし、5つの重点戦略に基づき、将来に向けた持続可能な公共交通事業の構築、福ビル街区建替プロジェクトの完遂や、ノウハウを活用した固定資産に頼らない事業モデルの基盤構築、新領域事業への挑戦、多様な人財を確保するための待遇の見直し、サステナブルな成長を支える人財力強化等に向けて取り組みを進めてまいります。さらに、2025年3月に、第16次中期経営計画の最終年度目標の達成に向け、必要な施策の追加・修正を反映した2025年度計画を策定いたしました。本計画では、第16次中期経営計画に掲げた基本方針・重点戦略のもと、今春に開業した「ONE FUKUOKA BLDG.」をはじめとする福岡都心部の再開発、福岡空港の増設滑走路供用開始、九州における半導体関連産業の集積等、福岡・九州における事業環境の変化を適切に捉え、企業価値を高める成長戦略を推進してまいります。 〈2025年度計画〉 「にしてつグループまち夢ビジョン2035」に掲げる、モビリティサービス、「リアルな場」提供サービス、BtoC物販サービス、BtoB物流サービスおよび新領域事業への挑戦、の5つの事業領域、人財・組織戦略および財務・資本戦略における重点戦略に即した主な取り組みは以下のとおりです。 ■収益改善ならびに運営コストの削減 ・運賃改定に向けた検討 ・完全キャッシュレスバスの実証運行を踏まえた本格導入 ・駅遠隔監視制御システム導入に向けた準備 ■持続可能な組織体制・事業運営体制の構築 ・西鉄バス宗像㈱・西鉄バス二日市㈱の西日本鉄道㈱への吸収合併(2025年10月予定) ・天神大牟田線・貝塚線における朝ラッシュ等に対応したダイヤ設定 ■お客さまの利用シーンにあわせた濃やかでシームレスな移動サービスの提供 ・九州MaaSの活動推進による移動の利便性向上・活性化 ■国内外の観光・MICE需要の獲得・受入環境の整備 ・インバウンド増加に向けた対応 福岡空港への高速バス路線新規乗り入れ 鉄道沿線の観光需要取込み施策の実施(企画乗車券の造成・PR強化等) ■新技術を活用したサービス・事業への挑戦 ・自動運転バス実証実験への積極的な参画 ・nimocaのチャージ等、窓口機能のアプリ化検討 ■ノウハウ等を活用した新たな収入源の獲得拡大・新たなスキームづくり ・AI活用型オンデマンドバス「のるーと」の外販強化 ・レトロフィット電気バスの外販強化・事業化検討 ■2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み ・レトロフィット電気バスの導入拡大(約30台) ・水素バスの研究 ■安全性確保に向けた取り組み ・事故防止に向けた取り組み VRおよびアイマークレコーダー(視線測定器)を活用した安全確認手順教育の推進 ・安全マネジメントの取り組み継続 鉄道総合訓練、災害復旧訓練およびバスジャック対応訓練の実施 ■「ONE FUKUOKA BLDG.」 ・開発コンセプト「創造交差点」の実現 ・集客施策の展開■福岡都心部における地権者共働の開発プロジェクト等の推進 ・(仮称)天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト ・(仮称)天神一丁目15・16番街区プロジェクト ・福岡家庭裁判所跡地における複合開発(2030年開業目標) ・九州大学箱崎キャンパス跡地地区土地利用事業■沿線開発、地域拠点を中心としたまちづくり ・ソラリアプラザ リニューアル(2025年2月~順次オープン) ・連続立体交差事業による周辺開発・店舗開発 白木原駅商業施設 開業(2025年12月予定) 春日原駅商業施設「レイリア春日原」 開業(2026年1月予定) 高宮駅改札外コンコース リニューアル(2026年春オープン予定) 沿線高架下の開発計画の推進 ・柳川駅前にぎわい交流施設の企画・整備 ・地域活性化を目指した他社との協業組織(「Good Local 九州」)による施策推進■国内の事業・業容の拡大 ・分譲マンション等開発事業の拡大(岐阜、京都等) ・新規ホテル出店計画の着実な推進 ソラリア西鉄ホテル大阪本町(仮称)の開業準備(2026年度冬開業予定) ソラリア西鉄ホテル福岡エアポート(仮称)の開業準備(2027年夏開業予定) ・賃貸用物流不動産事業の拡大■不動産ソリューション事業の強化 ・次期私募ファンドおよび私募REIT組成に向けた準備 ・安定した開発利益やプロパティマネジメント・ビルマネジメント受託機会の獲得■海外でのまちづくりに向けた事業の拡大 ・パートナー連携による既進出国での着実な事業推進(東南アジア・アメリカ) ・技術提案・支援による提供商品の品質向上■2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み ・既存施設への再生可能エネルギーの採用 ・環境に配慮した開発の推進 ■収益性の向上・改善 ・物流の効率化による配送コスト低減 ・キャッシュレス決済比率向上による生産性向上 ・惣菜製造拠点集約に向けた検討■新規店舗出店・リニューアルの実施 ・スーパーマーケット レガネット天神 リニューアル(2025年6月) ・スーパーマーケット レガネット春日原(仮称)開業(2026年1月予定) ・飲食店ブランドの海外展開 ・雑貨館インキューブ させぼ五番街店 リニューアル(2025年9月予定)■デジタルを活用した事業拡大 ・新アプリ「ユナイトアプリ」のリリース ・プラットフォーマーとの連携や移動販売による店舗外売上の拡大 ■DX推進による業務効率化および営業力強化 ・顧客ポータルサイトの活用による生産性の向上 ・貿易情報プラットフォームとの連携■海外ネットワークの拡大 ・支店開設、各駐在員事務所の現地法人への格上げの検討・推進 2025年度末海外目標拠点数:28カ国 地域120拠点 (開設:トルコ イスタンブール、メキシコ モンテレ)■重点品目の選択と集中 ・航空宇宙、自動車、半導体、食品、アパレルにおける航空輸出入の取扱重量の拡大■フォワーディング事業の拡大(スケールメリットの獲得) ・物量の拡大を目指した機動的な入札対応の推進■九州での事業強化 ・半導体産業の集積が進む熊本地区での事業拡大 ・食品ビジネスの拡販 ■2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み ・グリーンロジスティクスへの取り組み モーダルシフト[鉄道輸送活用]の推進 SAF(Sustainable Aviation Fuel)プログラムの利用促進 ※SAF:主にバイオマス由来の原料から製造された航空燃料のことであり、CO2排出量を削減可能 ■エネルギー領域における事業拡大 ・再生可能エネルギー電源開発事業の拡大 沿線自治体との連携 ・系統用蓄電池事業の事業拡大の検討■新たな事業・サービスの創出 ・新規事業創出プログラム「X-Dream(クロスドリーム)」提案内容の実証実験および事業化 ・オープンイノベーションプログラム「Join up with Nishitetsu」におけるスタートアップ企業との連携 ■事業拡大を見据えた多様な人財の確保 ・鉄道・バス乗務員をはじめとした全従業員の待遇改善(基本給・初任給の引き上げ、各種手当の改定等) ・戦略実現に必要な人財の計画的な創出 人財ポートフォリオ、人財定義の作成 次世代経営者候補の選抜・育成方法検討 ・職種や専門性に応じた人事賃金制度の検討 ・定年延長の実施(現行:60歳 改定後:65歳) ・従業員の自己成長・チャレンジを実現する仕組みづくり キャリア研修の拡大 資格取得支援施策の拡充 キャリア開発手当(自己啓発支援手当)の導入 1on1ミーティングの強化 ・デジタル人財の育成(生成AI利活用による生産性向上に資する研修の実施等) ・にしてつグループまち夢ビジョン2035の実現に向けた未来洞察志向の浸透・アップデート にしてつ未来創造プロジェクト「NIT」(Nishitetsu Innovation Team)の継続実施■多様な価値観、ライフステージに寄り添った施策の拡充 ・男性育児休業取得率向上に向けた施策の推進 ・企業価値向上に向けた健康経営推進の取り組み(グループ推進体制の整備、推進計画の実施等) ・本社におけるABW(Activity Based Working)導入による働きやすい環境の構築 ※ABW:その時々の仕事の内容に合わせて働く場所を自由に選択する働き方 ■資本効率を意識した経営の実践 ・事業ポートフォリオマネジメントの推進 ・ROEの向上を意識した規律あるBSマネジメント・CFマネジメントの実施■投資家・株主への情報開示の充実 ・経営トップとの対話機会の拡充 ・個人投資家向け会社説明会の強化■株主への利益還元 ・政策保有株式の保有目的に応じた保有規模見直し ・機動的な資本政策の遂行および資本効率向上を目的とした自己株式の取得 ・安定的・継続的な配当の実施 ※ 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)、2024年度計画および2025年度計画の詳細は、 当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/managementplan.html (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益力の成長性を示す「連結事業利益」、「連結EBITDA」、財務健全性を示す「NET有利子負債/EBITDA倍率」、資産効率を示す「ROA」、資本効率を示す「ROE」を採用しております。 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)における経営数値目標(連結)は次のとおりです。 2026年3月期計画連結事業利益(注)1263億円連結EBITDA (注)2498億円NET有利子負債/EBITDA倍率6.6倍ROA(総資産事業利益率) (注)33.3%ROE(自己資本当期純利益率)8.4%(参考)連結営業収益4,700億円(参考)連結営業利益250億円 (注) 1 連結事業利益=連結営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益等2 連結EBITDA=連結事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費)3 総資産は鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境および対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、1908年の創業以来、様々な時代の変化を乗り越えながら今日に至りますが、今後の長期的な経営環境につきましては、国内人口減少の一方で新興国を中心とした世界人口増加、テクノロジーの急激な進歩、グローバル化に伴う社会の仕組みや顧客ニーズの変化、脱炭素社会の進展等、これまで以上に変化のスピードが急激で、不確実性の高い時代が続くものと認識しています。このような環境下においてもサステナブルな成長を実現するため、これまでの事業モデルの延長ではなく、想定した未来像から遡るバックキャストで、当社グループのありたい姿を描き、その達成に向けた長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」を2022年11月に公表いたしました。本長期ビジョンでは、ありたい姿を実現するための基本スタンスを「濃(こま)やかに、共に、創り支える ~Grow in harmony with you~」とし、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業の進化と新領域への挑戦を両輪としたビジネスモデルの変革、従業員一人ひとりが自律的な成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、事業の効率性とサステナビリティを意識したポートフォリオの構築等を掲げております。 ※長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の詳細は当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/vison.html (2) 経営環境ならびに優先的に対処すべき事業上および財務上の課題① 今後の経営環境の変化わが国においては、より一層の生産年齢人口の減少、デジタル化の加速、脱炭素社会の進展、アジアを中心とした新興国の経済成長と市場拡大等、経営環境が絶えず変化していくことが想定されます。また、各国の通商政策やウクライナ情勢等、国際情勢の今後の展開やその影響を受けた海外の経済・物価動向を巡る不確実性は極めて高く、当社グループにおいても金融・為替市場やわが国経済・物価への影響を注視しています。さらに、当社グループは、福岡都心部における地権者共働の開発プロジェクト等の推進や事業基盤となる人財の確保、デジタル技術活用等による生産性の向上等、様々な課題に直面しています。 ② 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題当社グループでは、2023年3月に、「にしてつグループまち夢ビジョン2035」の実現に向けた第1ステップとして、第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)を策定いたしました。本計画では、テーマを「サステナブルな成長への挑戦~Challenge for sustainable growth~」とし、5つの重点戦略に基づき、将来に向けた持続可能な公共交通事業の構築、福ビル街区建替プロジェクトの完遂や、ノウハウを活用した固定資産に頼らない事業モデルの基盤構築、新領域事業への挑戦、多様な人財を確保するための待遇の見直し、サステナブルな成長を支える人財力強化等に向けて取り組みを進めてまいります。さらに、2025年3月に、第16次中期経営計画の最終年度目標の達成に向け、必要な施策の追加・修正を反映した2025年度計画を策定いたしました。本計画では、第16次中期経営計画に掲げた基本方針・重点戦略のもと、今春に開業した「ONE FUKUOKA BLDG.」をはじめとする福岡都心部の再開発、福岡空港の増設滑走路供用開始、九州における半導体関連産業の集積等、福岡・九州における事業環境の変化を適切に捉え、企業価値を高める成長戦略を推進してまいります。 〈2025年度計画〉 「にしてつグループまち夢ビジョン2035」に掲げる、モビリティサービス、「リアルな場」提供サービス、BtoC物販サービス、BtoB物流サービスおよび新領域事業への挑戦、の5つの事業領域、人財・組織戦略および財務・資本戦略における重点戦略に即した主な取り組みは以下のとおりです。 ■収益改善ならびに運営コストの削減 ・運賃改定に向けた検討 ・完全キャッシュレスバスの実証運行を踏まえた本格導入 ・駅遠隔監視制御システム導入に向けた準備 ■持続可能な組織体制・事業運営体制の構築 ・西鉄バス宗像㈱・西鉄バス二日市㈱の西日本鉄道㈱への吸収合併(2025年10月予定) ・天神大牟田線・貝塚線における朝ラッシュ等に対応したダイヤ設定 ■お客さまの利用シーンにあわせた濃やかでシームレスな移動サービスの提供 ・九州MaaSの活動推進による移動の利便性向上・活性化 ■国内外の観光・MICE需要の獲得・受入環境の整備 ・インバウンド増加に向けた対応 福岡空港への高速バス路線新規乗り入れ 鉄道沿線の観光需要取込み施策の実施(企画乗車券の造成・PR強化等) ■新技術を活用したサービス・事業への挑戦 ・自動運転バス実証実験への積極的な参画 ・nimocaのチャージ等、窓口機能のアプリ化検討 ■ノウハウ等を活用した新たな収入源の獲得拡大・新たなスキームづくり ・AI活用型オンデマンドバス「のるーと」の外販強化 ・レトロフィット電気バスの外販強化・事業化検討 ■2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み ・レトロフィット電気バスの導入拡大(約30台) ・水素バスの研究 ■安全性確保に向けた取り組み ・事故防止に向けた取り組み VRおよびアイマークレコーダー(視線測定器)を活用した安全確認手順教育の推進 ・安全マネジメントの取り組み継続 鉄道総合訓練、災害復旧訓練およびバスジャック対応訓練の実施 ■「ONE FUKUOKA BLDG.」 ・開発コンセプト「創造交差点」の実現 ・集客施策の展開■福岡都心部における地権者共働の開発プロジェクト等の推進 ・(仮称)天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト ・(仮称)天神一丁目15・16番街区プロジェクト ・福岡家庭裁判所跡地における複合開発(2030年開業目標) ・九州大学箱崎キャンパス跡地地区土地利用事業■沿線開発、地域拠点を中心としたまちづくり ・ソラリアプラザ リニューアル(2025年2月~順次オープン) ・連続立体交差事業による周辺開発・店舗開発 白木原駅商業施設 開業(2025年12月予定) 春日原駅商業施設「レイリア春日原」 開業(2026年1月予定) 高宮駅改札外コンコース リニューアル(2026年春オープン予定) 沿線高架下の開発計画の推進 ・柳川駅前にぎわい交流施設の企画・整備 ・地域活性化を目指した他社との協業組織(「Good Local 九州」)による施策推進■国内の事業・業容の拡大 ・分譲マンション等開発事業の拡大(岐阜、京都等) ・新規ホテル出店計画の着実な推進 ソラリア西鉄ホテル大阪本町(仮称)の開業準備(2026年度冬開業予定) ソラリア西鉄ホテル福岡エアポート(仮称)の開業準備(2027年夏開業予定) ・賃貸用物流不動産事業の拡大■不動産ソリューション事業の強化 ・次期私募ファンドおよび私募REIT組成に向けた準備 ・安定した開発利益やプロパティマネジメント・ビルマネジメント受託機会の獲得■海外でのまちづくりに向けた事業の拡大 ・パートナー連携による既進出国での着実な事業推進(東南アジア・アメリカ) ・技術提案・支援による提供商品の品質向上■2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み ・既存施設への再生可能エネルギーの採用 ・環境に配慮した開発の推進 ■収益性の向上・改善 ・物流の効率化による配送コスト低減 ・キャッシュレス決済比率向上による生産性向上 ・惣菜製造拠点集約に向けた検討■新規店舗出店・リニューアルの実施 ・スーパーマーケット レガネット天神 リニューアル(2025年6月) ・スーパーマーケット レガネット春日原(仮称)開業(2026年1月予定) ・飲食店ブランドの海外展開 ・雑貨館インキューブ させぼ五番街店 リニューアル(2025年9月予定)■デジタルを活用した事業拡大 ・新アプリ「ユナイトアプリ」のリリース ・プラットフォーマーとの連携や移動販売による店舗外売上の拡大 ■DX推進による業務効率化および営業力強化 ・顧客ポータルサイトの活用による生産性の向上 ・貿易情報プラットフォームとの連携■海外ネットワークの拡大 ・支店開設、各駐在員事務所の現地法人への格上げの検討・推進 2025年度末海外目標拠点数:28カ国 地域120拠点 (開設:トルコ イスタンブール、メキシコ モンテレ)■重点品目の選択と集中 ・航空宇宙、自動車、半導体、食品、アパレルにおける航空輸出入の取扱重量の拡大■フォワーディング事業の拡大(スケールメリットの獲得) ・物量の拡大を目指した機動的な入札対応の推進■九州での事業強化 ・半導体産業の集積が進む熊本地区での事業拡大 ・食品ビジネスの拡販 ■2050年カーボンニュートラルの実現に向けた取り組み ・グリーンロジスティクスへの取り組み モーダルシフト[鉄道輸送活用]の推進 SAF(Sustainable Aviation Fuel)プログラムの利用促進 ※SAF:主にバイオマス由来の原料から製造された航空燃料のことであり、CO2排出量を削減可能 ■エネルギー領域における事業拡大 ・再生可能エネルギー電源開発事業の拡大 沿線自治体との連携 ・系統用蓄電池事業の事業拡大の検討■新たな事業・サービスの創出 ・新規事業創出プログラム「X-Dream(クロスドリーム)」提案内容の実証実験および事業化 ・オープンイノベーションプログラム「Join up with Nishitetsu」におけるスタートアップ企業との連携 ■事業拡大を見据えた多様な人財の確保 ・鉄道・バス乗務員をはじめとした全従業員の待遇改善(基本給・初任給の引き上げ、各種手当の改定等) ・戦略実現に必要な人財の計画的な創出 人財ポートフォリオ、人財定義の作成 次世代経営者候補の選抜・育成方法検討 ・職種や専門性に応じた人事賃金制度の検討 ・定年延長の実施(現行:60歳 改定後:65歳) ・従業員の自己成長・チャレンジを実現する仕組みづくり キャリア研修の拡大 資格取得支援施策の拡充 キャリア開発手当(自己啓発支援手当)の導入 1on1ミーティングの強化 ・デジタル人財の育成(生成AI利活用による生産性向上に資する研修の実施等) ・にしてつグループまち夢ビジョン2035の実現に向けた未来洞察志向の浸透・アップデート にしてつ未来創造プロジェクト「NIT」(Nishitetsu Innovation Team)の継続実施■多様な価値観、ライフステージに寄り添った施策の拡充 ・男性育児休業取得率向上に向けた施策の推進 ・企業価値向上に向けた健康経営推進の取り組み(グループ推進体制の整備、推進計画の実施等) ・本社におけるABW(Activity Based Working)導入による働きやすい環境の構築 ※ABW:その時々の仕事の内容に合わせて働く場所を自由に選択する働き方 ■資本効率を意識した経営の実践 ・事業ポートフォリオマネジメントの推進 ・ROEの向上を意識した規律あるBSマネジメント・CFマネジメントの実施■投資家・株主への情報開示の充実 ・経営トップとの対話機会の拡充 ・個人投資家向け会社説明会の強化■株主への利益還元 ・政策保有株式の保有目的に応じた保有規模見直し ・機動的な資本政策の遂行および資本効率向上を目的とした自己株式の取得 ・安定的・継続的な配当の実施 ※ 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)、2024年度計画および2025年度計画の詳細は、 当社グループホームページでご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/managementplan.html (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益力の成長性を示す「連結事業利益」、「連結EBITDA」、財務健全性を示す「NET有利子負債/EBITDA倍率」、資産効率を示す「ROA」、資本効率を示す「ROE」を採用しております。 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)における経営数値目標(連結)は次のとおりです。 2026年3月期計画連結事業利益(注)1263億円連結EBITDA (注)2498億円NET有利子負債/EBITDA倍率6.6倍ROA(総資産事業利益率) (注)33.3%ROE(自己資本当期純利益率)8.4%(参考)連結営業収益4,700億円(参考)連結営業利益250億円 (注) 1 連結事業利益=連結営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益等2 連結EBITDA=連結事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費)3 総資産は鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。(1) 経営成績(連結経営成績)当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や、インバウンド需要の増加などもあり、緩やかな回復基調の中で推移しました。一方で、物価上昇の継続に加え、米国の通商政策による影響など先行き不透明な状況が続いています。このような情勢のなか、当社グループでは、長期ビジョン「まち夢ビジョン2035」の実現に向けた第1ステップである第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)の目標達成に向け、各施策に取り組みました。この結果、当社グループにおける当連結会計年度の営業収益は、物流業における国際物流事業で輸出入取扱高の増加や、レジャー・サービス業におけるホテル事業で客室単価の上昇に加え、運輸業におけるバス事業で運賃改定効果などもあり4,434億9千5百万円(前期比 7.7%増)となり、営業利益は266億5千5百万円(前期比 3.0%増)となりました。経常利益は、持分法による投資損益の改善などもあり287億3千9百万円(前期比 17.1%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産売却益の減少などにより208億1千万円(前期比 15.8%減)となりました。その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益411,649443,49531,8467.7営業利益25,87726,6557773.0経常利益24,53828,7394,20017.1親会社株主に帰属する当期純利益24,72320,810△3,913△15.8 なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりです。 ① 営業収益及び営業利益当連結会計年度の営業収益は、物流業における国際物流事業で輸出入取扱高の増加や、レジャー・サービス業におけるホテル事業で客室単価の上昇に加え、運輸業におけるバス事業で運賃改定効果などもあり、前連結会計年度から318億4千6百万円増加し、4,434億9千5百万円(前期比 7.7%増)となりました。営業利益は、前連結会計年度から7億7千7百万円増加し、266億5千5百万円(前期比 3.0%増)となりました。セグメントごとの営業収益及び営業利益は、次のとおりです。 セグメントの名称営業収益営業利益前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)運輸業77,72180,9404.13,7664,97932.2不動産業85,94587,7772.111,1589,736△12.7流通業70,90871,9811.5965654△32.3物流業128,818148,02314.94,5283,849△15.0レジャー・サービス業45,04752,71717.04,6325,93228.1計408,441441,4408.125,05225,1510.4その他30,39130,9561.91,7852,36432.5調整額△27,183△28,901-△960△861-連結411,649443,4957.725,87726,6553.0 ② 営業外損益及び経常利益営業外収益は、持分法による投資利益の計上等により、前連結会計年度から7億5千1百万円増加し、52億6千4百万円となりました。営業外費用は、持分法による投資損失の減少等により、前連結会計年度から26億7千1百万円減少し、31億8千万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度から42億円増加し、287億3千9百万円(前期比 17.1%増)となりました。 ③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益特別利益は、不動産流動化における信託受益権や西新パレスの売却等による固定資産売却益の減少などにより、前連結会計年度から134億9千6百万円減少し、115億7千5百万円となりました。特別損失は、固定資産除却損の減少などにより、前連結会計年度から7億5千6百万円減少し、94億2千6百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から85億3千9百万円減少し、308億8千8百万円(前期比 21.7%減)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から39億1千3百万円減少し、208億1千万円(前期比 15.8%減)となりました。 (セグメント別概況)① 運輸業鉄道事業では、天神大牟田線・貝塚線が開業100周年を迎えました。より一層地域の足として愛される西鉄電車を目指して、新たな公式キャラクター「ガタンコとゴトンコ」を起用し、ラッピング電車の運行、CM放映やグッズ販売等の各種施策を実施しました。また、雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業を推進し、春日原駅の新駅舎の供用を開始しました。さらに、より安全・あんしんな輸送サービスを提供していくため、西鉄福岡(天神)駅のホームドア整備、高宮駅周辺の耐震補強工事を進めました。そのほか、駅集中管理方式を貝塚線に導入し、天神大牟田線においても対象駅を拡大するなど、駅運営体制の見直しを行い、駅業務の省力化を推進しました。 バス事業では、持続可能な公共交通ネットワークを提供するため、西鉄バス大牟田㈱、西鉄バス久留米㈱および西鉄バス佐賀㈱において運賃改定を実施したほか、定時性確保や乗務員の負担軽減に向け、国土交通省が主導する「完全キャッシュレスバス実証運行」に参画しました。また、長期休暇限定で実施していた「こども50円バス」をすべての土曜・日曜・祝日に拡大し、公共交通の利用促進に努めました。さらに、カーボンニュートラルの実現に向けて、レトロフィット電気バスの製作・導入を進めました。 経営成績については、バス事業で、運賃改定(2024年1月実施)の効果などにより増収となりました。鉄道事業で、旅客人員の回復などにより増収となりました。これらの結果、運輸業の営業収益は809億4千万円(前期比 4.1%増)、営業利益は49億7千9百万円(前期比 32.2%増)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益77,72180,9403,2194.1 鉄道事業21,78422,5958113.7 バス事業52,57255,2882,715※ 5.2 タクシー事業3,2143,137△76△2.4 運輸関連事業10,56311,0885245.0 消去△10,414△11,169△755-営業利益3,7664,9791,21232.2 ※バス事業の内部取引を除くと5.5%の増となります。 ロ 提出会社の鉄道事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日366365△0.3営業キロキロ106.1106.1-走行キロ千キロ38,08938,3110.6旅客人員定期千人55,98957,9793.6定期外千人43,05345,0404.6計千人99,042103,0194.0旅客収入定期百万円7,6637,9283.4定期外百万円12,34912,8514.1計百万円20,01320,7793.8手小荷物・その他収入百万円00△51.1運輸雑収百万円8598893.5運輸収入合計百万円20,87321,6693.8乗車効率 (注)%27.229.6- ハ 提出会社のバス事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日366365△0.3営業キロキロ4,271.44,267.9△0.1走行キロ千キロ70,14166,433△5.3旅客人員定期千人58,99858,808△0.3定期外千人95,89392,980△3.0計千人154,891151,788△2.0旅客収入定期百万円7,0627,5747.2定期外百万円23,89025,0154.7計百万円30,95232,5895.3手荷物・その他収入百万円00△1.9運輸雑収百万円3,0323,0641.1運輸収入合計百万円33,98635,6554.9乗車効率 (注)%20.120.8- (注)乗車効率算出方式延人キロ×100 1車平均定員×走行キロ ② 不動産業賃貸事業では、福ビル街区建替プロジェクトにおいて、「ONE FUKUOKA BLDG.(ワン・フクオカ・ビルディング)」(2025年4月24日開業)の開業に向け、九州初出店の店舗等魅力あるテナントの誘致に努めました。また、西鉄久留米駅ビル内商業施設「エマックス久留米」を「レイリア久留米」としてリニューアルしたほか、雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業に伴う駅周辺開発および店舗開発を進めるなど、沿線の活性化と収益の拡大を図りました。さらに、ソラリアステージビル1階の「ステージ広場ビジョン」のリニューアル工事を行い、名称を「SOLARIA DAIGAMEN」とし、新たに運用を開始しました。そのほか、天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト、天神一丁目15・16番街区プロジェクト等、福岡都心部における地権者共働の開発プロジェクト等の取り組みを着実に推進しました。住宅事業では、「ウエリス八千代村上」、「つくばグランヴィラ」等、マンションの供給・販売に努めました。また、東南アジア、アメリカにおいて現地デベロッパーと共同で住宅開発を行うなど、海外における不動産事業の拡大を図りました。その他不動産事業では、「西鉄アセットマネジメント株式会社」を設立し、不動産流動化による資本効率の向上や事業機会の創出に努めました。 経営成績については、住宅事業で、分譲販売区画数は増加したものの、前期に比べ販売単価は減少し減収となりました。一方、賃貸事業で、「ONE FUKUOKA BLDG.」の竣工(2024年12月)や商業施設での賃貸収入の増加などにより増収となりました。これらの結果、不動産業の営業収益は877億7千7百万円(前期比 2.1%増)となりました。営業利益は、賃貸事業での「ONE FUKUOKA BLDG.」竣工による費用の発生などにより97億3千6百万円(前期比 12.7%減)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益85,94587,7771,8312.1 賃貸事業31,50632,8411,3354.2 住宅事業44,77143,606△1,165△2.6 その他不動産事業14,24116,2552,01414.1 消去△4,573△4,926△353-営業利益11,1589,736△1,422△12.7 ロ 分譲販売区画数 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)分譲販売区画数区画832 885 53 6.4 マンション(うち一棟売却 賃貸マンション)戸701 (115)695 (149)△6 (34)△0.9 (29.6) 戸建区画117 175 58 49.6 リノベーション戸14 15 1 7.1 ③ 流通業ストア事業では、「レガネット砂津」をリニューアルオープンするなど、収益力の強化に努めました。 生活雑貨販売業では、「雑貨館インキューブイオンモール直方店」を開業するなど、収益の拡大を図りました。 経営成績については、ストア事業で、前期に改装した店舗等が寄与し増収となりました。生活雑貨販売業で、「イオンモール直方店」の開業(2024年4月)などにより増収となりました。これらの結果、流通業の営業収益は719億8千1百万円(前期比 1.5%増)となりました。営業利益は、ストア事業での人件費などの費用が増加したことなどにより6億5千4百万円(前期比 32.3%減)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益70,90871,9811,0731.5 ストア事業65,36765,9275600.9 生活雑貨販売業5,5416,0545129.3 消去△0△0△0-営業利益965654△311△32.3 ④ 物流業国際物流事業では、「関東ロジスティクスセンター」や台湾現地法人(NNR GLOBAL LOGISTICS TAIWAN INC.)初のロジスティクス拠点となる「桃園ロジスティクスセンター」を開設するなど、物流拠点の拡充、域内物流ネットワークの強化を図りました。また、半導体産業の集積が進む熊本地区において、熊本営業所を開設し、九州全域のセールス強化に努めました。さらに、「りんくうロジスティクスセンター」、「成田ロジスティクスセンター」において太陽光発電設備および蓄電池を導入するなど、カーボンニュートラルの実現のための取り組みを実施しました。経営成績については、国際物流事業で、荷動きの回復による取扱数量の増加や為替変動による円換算額の増加などにより増収となりました。その結果、物流業の営業収益は1,480億2千3百万円(前期比 14.9%増)となりました。営業利益は、仕入価格の上昇などにより38億4千9百万円(前期比 15.0%減)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益128,818148,02319,20514.9 国際物流事業138,653154,94116,28811.7 国内物流事業10,59510,9483533.3 消去△20,429△17,8662,563-営業利益4,5283,849△679△15.0 ロ 国際貨物取扱高 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%) 航空輸出千トン9510388.8 航空輸入千件31432162.2 海運輸出千TEU ※991121313.1 海運輸入千TEU ※1291461612.8 ※TEU:20フィートの海上輸送コンテナを1単位とした換算個数 ⑤ レジャー・サービス業ホテル事業では、タイ・バンコク2店舗目となる「西鉄ホテル クルーム バンコク シーロム」を開業するなど、収益の拡大を図りました。また、「ONE FUKUOKA HOTEL」の運営会社として「株式会社Nishitetsu One Style」を設立し、開業準備を進めました。 飲食事業では、「ONE FUKUOKA BLDG.」内において、「天神福食堂」の開業準備を進めました。 経営成績については、ホテル事業で、客室単価の上昇や前期に開業した「ソラリア西鉄ホテル台北西門」(2023年8月)の寄与などにより増収となりました。その結果、レジャー・サービス業の営業収益は527億1千7百万円(前期比 17.0%増)、営業利益は59億3千2百万円(前期比 28.1%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益45,04752,7177,66917.0 ホテル事業26,40131,8545,45220.7 旅行事業2,9393,1802418.2 娯楽事業4,9055,3504449.1 飲食事業2530520.9 広告事業2,9422,833△108△3.7 その他サービス事業9,16310,9621,79819.6 消去△1,330△1,496△165-営業利益4,6325,9321,29928.1 ⑥ その他ICカード事業では、nimocaバスシステムを導入している交通事業者のキャッシュレス化支援に取り組んだほか、車両整備事業等の各事業において積極的な営業活動に努めました。経営成績については、車両整備関連事業で受注が増加したことなどにより、その他の営業収益は309億5千6百万円(前期比 1.9%増)となりました。営業利益は、建設関連事業での粗利の増加などにより23億6千4百万円(前期比 32.5%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益30,39130,9565641.9 ICカード事業1,3461,60926319.5 車両整備関連事業14,52815,3688395.8 建設関連事業10,32510,198△127△1.2 金属リサイクル事業4,8274,491△336△7.0 消去△637△711△73-営業利益1,7852,36457932.5 (2) 財政状態 前連結会計年度2024年3月末(百万円)当連結会計年度2025年3月末(百万円)増減額(百万円)資産合計727,002782,12655,123負債合計491,163526,08634,922純資産合計235,839256,03920,200有利子負債316,838366,16049,321 (注)有利子負債は、借入金 + 社債により算出しています。 資産は、現金及び預金が減少した一方、有形固定資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ551億2千3百万円増加し、7,821億2千6百万円となりました。 負債は、支払手形及び買掛金が減少した一方、有利子負債の増加等により、前連結会計年度末に比べ349億2千2百万円増加し、5,260億8千6百万円となりました。 純資産は、自己株式の取得による減少の一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加等により、前連結会計年度末に比べ202億円増加し、2,560億3千9百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー 前連結会計年度2024年3月末(百万円)当連結会計年度2025年3月末(百万円)増減額(百万円)現金及び現金同等物の期末残高68,74550,441△18,303 通期増減額(百万円)2024年3月期(百万円)2025年3月期(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー62,21315,611△46,602投資活動によるキャッシュ・フロー△42,028△74,546△32,517フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)20,184△58,935△79,119財務活動によるキャッシュ・フロー△25,95939,22865,187 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ183億3百万円減少し、504億4千1百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益308億8千8百万円、減価償却費201億3千2百万円、棚卸資産の増加額(支出)121億6千4百万円等により156億1千1百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ466億2百万円の収入減となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出832億5千2百万円、投資有価証券の売却による収入53億5千2百万円等により、745億4千6百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ325億1千7百万円の支出増となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の純増による収入277億8千4百万円、社債の純増による収入200億円等により、392億2千8百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ651億8千7百万円の収入増となりました。 当社グループの資金調達については、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債および民間金融機関からの借入金等、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら行っています。 なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しています。 資金の流動性については、当社グループは、運輸業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しています。 資金の配分方針については、手許現金及び現金同等物は、売上高の約1ヶ月分程度を安定的な経営のための適正な水準としています。 成長投資については、2024年度は「第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)」に沿って、ONE FUKUOKA BLDG.新築工事や「(仮称)台東区柳橋1丁目計画新築工事」等を進めました。2025年度は「第16次中期経営計画2025年度計画」に沿って、春日原駅商業施設「レイリア春日原」開発工事や佐賀県鳥栖市永吉用地における賃貸用物流施設開発等について着実に進めてまいります。投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。株主還元については、経営における重要課題の一つと考えており、当社は、株主の皆様への安定した利益還元を重視し、適切な内部留保の確保による財務体質及び経営基盤の強化を図りながら、安定的・継続的な配当を実施することを利益配分についての方針としています。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (5) 生産、受注及び販売の実績当社グループの各事業において提供するサービスや製品は多種多様であり、同じセグメント内のサービスや製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではないため、生産、受注及び販売の実績について、セグメントごとに生産規模あるいは数量で示すことはしていません。そのため、生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しています。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、1908年の創業以来、様々な時代の変化を乗り越えながら今日に至りますが、今後のポストコロナ社会における長期的な経営環境につきましては、デジタル化の加速、脱炭素社会の進展、生活スタイルの多様化等、これまで以上に変化のスピードが急激で、不確実性の高い時代が続くものと認識しています。このような環境下においてもサステナブルな成長を実現するため、これまでの事業モデルの延長ではなく、想定した未来像から遡るバックキャストの手法で、当社グループの存在意義と実現したい社会、ステークホルダーへ提供していたい価値、その達成に向けた基本的な事業戦略等で構成した新長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」を策定いたしました。本長期ビジョンでは、提供していたい価値を実現するための基本スタンスを「濃(こま)やかに、共に、創り支える ~Grow in harmony with you~」とし、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業の進化と新領域への挑戦を両輪としたビジネスモデルの変革、そして従業員一人ひとりが自己成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、事業の効率性とサステナビリティを意識したポートフォリオの構築等に取り組んでまいります。 ※長期ビジョン「まち夢ビジョン2035」の詳細は、当社グループホームページにてご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/vison.html (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 今後の経営環境の変化わが国においては、より一層の生産年齢人口の減少、ICTの進展、消費行動の多様化や、アジアを中心とした新興国の経済成長と市場拡大等、経営環境が絶えず変化していくことが想定されます。また、当社グループにおいても、「福ビル街区建替プロジェクト」等大型開発プロジェクトの集中的な実施や、事業基盤となる人財の確保等、様々な課題に直面しております。加えて、コロナ禍を経た社会情勢の変化、ウクライナ情勢等の地政学的リスクの高まりによる原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。 ② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、2023年3月に、まち夢ビジョン2035の実現に向けた第1ステップとして、第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)を策定いたしました。本計画では、テーマを『サステナブルな成長への挑戦~Challenge for sustainable growth~」とし、5つの重点戦略に基づき、将来に向けた持続可能な公共交通事業の構築、福ビル街区建替プロジェクトの完遂や、ノウハウを活用した固定資産に頼らない事業モデルの基盤構築、新領域事業への挑戦、多様な人財を確保するための待遇の見直し、サステナブルな成長を支える人財力強化等に取り組んでまいります。 なお、各重点戦略における具体的な取り組みは以下のとおりです。ア. 構造改革の継続と事業基盤の整備・再構築鉄道事業やバス事業において、運賃改定に向けた検討を進めるとともに、鉄道事業においては駅の運営体制の見直しを進めるほか、バス事業においては福岡市営地下鉄七隈線延伸への対応等、需要に応じた柔軟なダイヤの設定を行ってまいります。また、事業の基盤となる人財の確保のため、待遇改善等による乗務員等の採用強化と定着率の向上に努めてまいります。 このほか、各事業において運営体制の効率化や構造改革を推進してまいります。イ.持続可能で活力あるまちづくりの推進多様な移動手段を組み合わせた経路検索や乗車券の予約・購入等ができる次世代移動サービス「MaaS(マース)」の取り組みとして、国・自治体および他事業者と共働し、スマートフォン向けサービス「my route(マイルート)」を活用し、シームレスなモビリティサービスの提供に努めるなど、持続可能な交通ネットワーク実現に取り組んでまいります。また、「福ビル街区建替プロジェクト」において、2025年度の開業に向けて引き続き新築工事やテナント誘致等を推進するほか、天神(天神一丁目15・16番街区、天神二丁目駅前街区)における地権者共働の開発プロジェクト等を推進してまいります。さらに、雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業において、沿線自治体や地域と連携し、駅商業施設や高架下の活用を図るなど、沿線主要拠点の開発プロジェクトを推進するほか、新駅「桜並木駅」の開業準備を進めてまいります。このほか、ホテル事業や旅行事業において、自治体等と連携し、観光促進に積極的に取り組むほか、鉄道事業においてタッチ決済・QRコードの導入による決済手段の拡大を図るなど、国内外の観光・MICE需要獲得に取り組んでまいります。ウ. 成長事業の拡充と新たな稼ぐ力の創出住宅事業では、首都圏等域外でのマンション供給を強化するほか、福岡エリアにおいては、分譲マンションの販売や新規物件の開発を推進してまいります。ホテル事業では、「ソラリアホテル台北西門」の開業準備を進めるほか、国内外への新規出店を進めてまいります。国際物流事業では、海外現地法人のM&Aや既存法人の支店開設によるネットワークの拡充を進めるほか、取扱重点品目の営業強化を図ってまいります。また、関東における新たな拠点として「関東ロジスティクスセンター」を開設するなど、ロジスティクス事業の拡大を図ってまいります。そのほか、「再生可能エネルギー電源開発事業」において、当社グループの施設への太陽光発電導入を進めるなど、エネルギー領域における事業拡大に努めてまいります。エ. サステナブル経営の強化国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた取り組みとして、TCFDシナリオ分析に基づくロードマップの策定や具体策への取り組みを進めてまいります。鉄道事業では、省エネ車両への順次代替を推進するほか、バス事業においては、「レトロフィット電気バス」の導入を進めてまいります。国際物流事業では、環境負荷の少ない輸送手段の活用を進めるとともに、CO2排出量の算出ツールを活用し、CO2排出量の見える化を進めてまいります。そのほか、各事業において、資源の有効活用や循環活用に取り組んでまいります。また、事業拡大を見据えた多様な人財の確保を図っていくほか、自己啓発支援やタレントマネジメント等の導入を行うなど、サステナブルな成長を支える人財力強化に努めてまいります。オ. 安全あんしんの追求鉄道事業では、西鉄福岡(天神)駅のホームドア整備を進めるほか、西鉄久留米駅および高宮駅周辺の耐震補強工事を進めてまいります。バス事業では、乗務員の改善基準告示見直しへの対応として、乗務員の長時間労働是正を図るほか、乗務員の健康に起因する事故防止対策に努めてまいります。 ※ 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)の詳細は、当社グループホームページにてご確認ください。https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/managementplan.html (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益力の成長性を示す「連結事業利益」、「連結EBITDA」、財務健全性を示す「NET有利子負債/EBITDA倍率」、資産効率を示す「ROA」、資本効率を示す「ROE」を採用しております。 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)における経営数値目標(連結)は次のとおりです。 2026年3月期計画連結事業利益(注)1250億円連結EBITDA (注)2500億円NET有利子負債/EBITDA倍率6.8倍ROA(総資産事業利益率) (注)33.5%ROE(自己資本当期純利益率)7.0% (注)1 連結事業利益=連結営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益等 2 連結EBITDA=連結事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) 3 総資産は鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、1908年の創業以来、様々な時代の変化を乗り越えながら今日に至りますが、今後のポストコロナ社会における長期的な経営環境につきましては、デジタル化の加速、脱炭素社会の進展、生活スタイルの多様化等、これまで以上に変化のスピードが急激で、不確実性の高い時代が続くものと認識しています。このような環境下においてもサステナブルな成長を実現するため、これまでの事業モデルの延長ではなく、想定した未来像から遡るバックキャストの手法で、当社グループの存在意義と実現したい社会、ステークホルダーへ提供していたい価値、その達成に向けた基本的な事業戦略等で構成した新長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2035」を策定いたしました。本長期ビジョンでは、提供していたい価値を実現するための基本スタンスを「濃(こま)やかに、共に、創り支える ~Grow in harmony with you~」とし、「出逢いをつくり、期待をはこぶ」事業の進化と新領域への挑戦を両輪としたビジネスモデルの変革、そして従業員一人ひとりが自己成長やチャレンジを実現しながらいきいきと働き、最大のパフォーマンスを発揮できる環境の整備や、事業の効率性とサステナビリティを意識したポートフォリオの構築等に取り組んでまいります。 ※長期ビジョン「まち夢ビジョン2035」の詳細は、当社グループホームページにてご確認ください。 https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/vison.html (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 今後の経営環境の変化わが国においては、より一層の生産年齢人口の減少、ICTの進展、消費行動の多様化や、アジアを中心とした新興国の経済成長と市場拡大等、経営環境が絶えず変化していくことが想定されます。また、当社グループにおいても、「福ビル街区建替プロジェクト」等大型開発プロジェクトの集中的な実施や、事業基盤となる人財の確保等、様々な課題に直面しております。加えて、コロナ禍を経た社会情勢の変化、ウクライナ情勢等の地政学的リスクの高まりによる原材料価格の上昇や金融資本市場の変動等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。 ② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題当社グループでは、2023年3月に、まち夢ビジョン2035の実現に向けた第1ステップとして、第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)を策定いたしました。本計画では、テーマを『サステナブルな成長への挑戦~Challenge for sustainable growth~」とし、5つの重点戦略に基づき、将来に向けた持続可能な公共交通事業の構築、福ビル街区建替プロジェクトの完遂や、ノウハウを活用した固定資産に頼らない事業モデルの基盤構築、新領域事業への挑戦、多様な人財を確保するための待遇の見直し、サステナブルな成長を支える人財力強化等に取り組んでまいります。 なお、各重点戦略における具体的な取り組みは以下のとおりです。ア. 構造改革の継続と事業基盤の整備・再構築鉄道事業やバス事業において、運賃改定に向けた検討を進めるとともに、鉄道事業においては駅の運営体制の見直しを進めるほか、バス事業においては福岡市営地下鉄七隈線延伸への対応等、需要に応じた柔軟なダイヤの設定を行ってまいります。また、事業の基盤となる人財の確保のため、待遇改善等による乗務員等の採用強化と定着率の向上に努めてまいります。 このほか、各事業において運営体制の効率化や構造改革を推進してまいります。イ.持続可能で活力あるまちづくりの推進多様な移動手段を組み合わせた経路検索や乗車券の予約・購入等ができる次世代移動サービス「MaaS(マース)」の取り組みとして、国・自治体および他事業者と共働し、スマートフォン向けサービス「my route(マイルート)」を活用し、シームレスなモビリティサービスの提供に努めるなど、持続可能な交通ネットワーク実現に取り組んでまいります。また、「福ビル街区建替プロジェクト」において、2025年度の開業に向けて引き続き新築工事やテナント誘致等を推進するほか、天神(天神一丁目15・16番街区、天神二丁目駅前街区)における地権者共働の開発プロジェクト等を推進してまいります。さらに、雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業において、沿線自治体や地域と連携し、駅商業施設や高架下の活用を図るなど、沿線主要拠点の開発プロジェクトを推進するほか、新駅「桜並木駅」の開業準備を進めてまいります。このほか、ホテル事業や旅行事業において、自治体等と連携し、観光促進に積極的に取り組むほか、鉄道事業においてタッチ決済・QRコードの導入による決済手段の拡大を図るなど、国内外の観光・MICE需要獲得に取り組んでまいります。ウ. 成長事業の拡充と新たな稼ぐ力の創出住宅事業では、首都圏等域外でのマンション供給を強化するほか、福岡エリアにおいては、分譲マンションの販売や新規物件の開発を推進してまいります。ホテル事業では、「ソラリアホテル台北西門」の開業準備を進めるほか、国内外への新規出店を進めてまいります。国際物流事業では、海外現地法人のM&Aや既存法人の支店開設によるネットワークの拡充を進めるほか、取扱重点品目の営業強化を図ってまいります。また、関東における新たな拠点として「関東ロジスティクスセンター」を開設するなど、ロジスティクス事業の拡大を図ってまいります。そのほか、「再生可能エネルギー電源開発事業」において、当社グループの施設への太陽光発電導入を進めるなど、エネルギー領域における事業拡大に努めてまいります。エ. サステナブル経営の強化国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」実現に向けた取り組みとして、TCFDシナリオ分析に基づくロードマップの策定や具体策への取り組みを進めてまいります。鉄道事業では、省エネ車両への順次代替を推進するほか、バス事業においては、「レトロフィット電気バス」の導入を進めてまいります。国際物流事業では、環境負荷の少ない輸送手段の活用を進めるとともに、CO2排出量の算出ツールを活用し、CO2排出量の見える化を進めてまいります。そのほか、各事業において、資源の有効活用や循環活用に取り組んでまいります。また、事業拡大を見据えた多様な人財の確保を図っていくほか、自己啓発支援やタレントマネジメント等の導入を行うなど、サステナブルな成長を支える人財力強化に努めてまいります。オ. 安全あんしんの追求鉄道事業では、西鉄福岡(天神)駅のホームドア整備を進めるほか、西鉄久留米駅および高宮駅周辺の耐震補強工事を進めてまいります。バス事業では、乗務員の改善基準告示見直しへの対応として、乗務員の長時間労働是正を図るほか、乗務員の健康に起因する事故防止対策に努めてまいります。 ※ 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)の詳細は、当社グループホームページにてご確認ください。https://www.nishitetsu.co.jp/ja/ir/management/managementplan.html (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益力の成長性を示す「連結事業利益」、「連結EBITDA」、財務健全性を示す「NET有利子負債/EBITDA倍率」、資産効率を示す「ROA」、資本効率を示す「ROE」を採用しております。 第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)における経営数値目標(連結)は次のとおりです。 2026年3月期計画連結事業利益(注)1250億円連結EBITDA (注)2500億円NET有利子負債/EBITDA倍率6.8倍ROA(総資産事業利益率) (注)33.5%ROE(自己資本当期純利益率)7.0% (注)1 連結事業利益=連結営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益等 2 連結EBITDA=連結事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) 3 総資産は鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。(1) 経営成績(連結経営成績)当連結会計年度におけるわが国の経済は、ウィズコロナでの社会・経済活動の正常化に向けた各種政策等により、緩やかな持ち直しの動きが見られたものの、長期化するウクライナ情勢等に起因する原材料やエネルギー価格の高騰、物価の上昇等により、先行き不透明な状況で推移しました。このような情勢のなか、当社グループでは、“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)の目標達成に向け、重点戦略に基づく各施策に取り組みました。構造改革の取り組みとして、鉄道事業において天神大牟田線の駅集中管理方式の拡大を進めたほか、バス事業において高速バス路線の値上げを含む運賃施策の見直しを行うなど、従来の需要が戻らない前提での事業モデル変革を図りました。 また、ホテル事業において、さらなる競争力強化のため、2023年4月より経営主体を当社から㈱西鉄ホテルズに移行し、経営および事業運営を一体的に行う体制にするなど、グループ経営体制の見直しを図りました。一方、成長戦略に基づく取り組みとして、大型開発プロジェクトを着実に進め、「福ビル街区建替プロジェクト」では、2025年度の開業に向けた新築工事やテナント誘致を進めたほか、当社が参画する「旧大名小学校跡地活用事業」では、施設名称を「福岡大名ガーデンシティ」とし、2023年1月に広場の供用を開始し、4月にはオフィス、カンファレンスおよび一部の商業施設を開業しました。また、持続可能な交通ネットワークの実現のため、多様な移動手段を組み合わせた経路検索や乗車券の予約・購入等ができる次世代移動サービス「MaaS(マース)」の取り組みとして、国・自治体および他事業者と共働し、スマートフォン向けサービス「my route(マイルート)」の利用エリアを拡大するなど、公共交通の課題解決に取り組みました。さらに、鉄道・バスの魅力向上のため、メタバース上に鉄道とバスのミュージアムを構築した「にしてつバース」をオープンしたほか、観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」や古民家宿泊施設「HOTEL CULTIA太宰府(ホテルカルティア太宰府)」において地域資源と連携した観光需要の創出を図りました。このほか、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」達成に向けた取り組みとして、中古バス車両を電動化した「レトロフィット電気バス」の製作を開始するなど、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しました。その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益427,159494,64367,48315.8営業利益10,45126,15015,699150.2経常利益13,95327,90113,947100.0親会社株主に帰属する当期純利益9,87318,3688,49486.0 なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりです。 ① 営業収益及び営業利益当連結会計年度の営業収益は、物流業で輸送需要の減少により航空輸出取扱高が減少したものの、販売価格は前年に比べ高い水準を維持したことや、運輸業やレジャー・サービス業で新型コロナウイルス感染症による行動制限が緩和されたことなどにより前期からは需要が回復したことから、前連結会計年度から674億8千3百万円増加し、4,946億4千3百万円(前期比 15.8%増)となりました。営業利益は、前連結会計年度から156億9千9百万円増加し、261億5千万円(前期比 150.2%増)となりました。セグメントごとの営業収益及び営業利益又は営業損失(△)は、次のとおりです。 セグメントの名称営業収益営業利益又は営業損失(△)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)運輸業63,85772,06912.9△4,69976-不動産業74,09876,7933.68,1588,133△0.3流通業68,73668,9930.462987△86.1物流業186,168231,81324.511,48217,07848.7レジャー・サービス業21,20332,71154.3△6,62584-計414,064482,38316.58,94525,461184.6その他30,14631,6655.01,7081,224△28.3調整額△17,051△19,405-△201△535-連結427,159494,64315.810,45126,150150.2 ② 営業外損益及び経常利益営業外収益は、雇用調整助成金の減少等により、前連結会計年度から15億7千8百万円減少し、46億4千5百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度から1億7千3百万円増加し、28億9千5百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度から139億4千7百万円増加し、279億1百万円(前期比 100.0%増)となりました。 ③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益特別利益は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴う受託工事金受入額の計上などもあり、前連結会計年度から722億2千5百万円増加し、776億3百万円となりました。特別損失は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴う固定資産圧縮損の計上などもあり、前連結会計年度から746億6千5百万円増加し、778億5千8百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から115億8百万円増加し、276億4千6百万円(前期比 71.3%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から84億9千4百万円増加し、183億6千8百万円(前期比 86.0%増)となりました。 (セグメント別概況)① 運輸業鉄道事業において、駅におけるバリアフリー設備の整備を着実に推進することを目的として、国により創設された「鉄道駅バリアフリー料金制度」を導入し、1乗車あたり10円を基本とした運賃への加算を開始しました。また、福岡県および福岡市が行う雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業において、雑餉隈~下大利駅間の高架切替が完了したほか、下大利駅の新駅舎を開業しました。バス事業において、「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」の開業に合わせ、路線の新設や増便を行いました。また、太宰府ライナー「旅人」や「博多駅~福岡空港国際線ターミナル線」の増便を行い、回復基調にあるインバウンド需要を取り込むなど、収益力の強化に努めました。 経営成績については、鉄道事業及びバス事業で、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により前期からは需要が回復し増収となりました。その結果、運輸業の営業収益は720億6千9百万円(前期比 12.9%増)、営業利益は7千6百万円(前期は営業損失46億9千9百万円)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益63,85772,0698,21212.9 鉄道事業17,15319,5062,35313.7 バス事業43,43948,8455,405 ※ 12.4 タクシー事業2,5843,14656221.8 運輸関連事業9,5329,298△234△2.5 消去△8,851△8,727124-営業利益又は営業損失(△)△4,699764,776- ※バス事業の内部取引を除くと13.7%の増となります。 ロ 提出会社の鉄道事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365-営業キロキロ106.1106.1-走行キロ千キロ38,41438,339△0.2旅客人員定期千人51,10453,5784.8定期外千人33,04038,92617.8計千人84,14492,5049.9旅客収入定期百万円6,9207,1723.6定期外百万円8,71010,65622.3計百万円15,63017,82914.1手小荷物・その他収入百万円0043.2運輸雑収百万円70379012.4運輸収入合計百万円16,33418,62014.0乗車効率 (注)%22.526.6- ハ 提出会社のバス事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365-営業キロキロ4,262.04,296.60.8走行キロ千キロ72,41173,4691.5旅客人員定期千人59,54060,0740.9定期外千人81,23292,70114.1計千人140,773152,7758.5旅客収入定期百万円6,7907,1034.6定期外百万円18,44021,96819.1計百万円25,23029,07115.2手荷物・その他収入百万円003.0運輸雑収百万円2,6912,8626.4運輸収入合計百万円27,92331,93414.4乗車効率 (注)%17.219.0- (注)乗車効率算出方式延人キロ×100 1車平均定員×走行キロ ② 不動産業賃貸事業において、「福岡大名ガーデンシティ」の商業施設部分等の運営管理業務を当社グループ施設以外では初めて受託し、テナントの誘致等開業に向けた準備を進めるなど、収益の拡大を図りました。住宅事業において、首都圏でのマンションの供給・販売に努めたほか、フィリピンで現地デベロッパーと共同で住宅開発を行うなど、海外における不動産事業の拡大を図りました。 経営成績については、住宅事業で、「サンリヤン相模原ステーションヴィラ」等の分譲マンション販売戸数が増加し増収となりました。また、賃貸事業で、商業施設の賃貸収入が回復したことなどにより増収となりました。これらの結果、不動産業の営業収益は767億9千3百万円(前期比 3.6%増)となりました。営業利益は、賃貸事業で商業施設の改装費用や諸税等の費用の増加等により81億3千3百万円(前期比 0.3%減)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益74,09876,7932,6953.6 賃貸事業24,38924,9225332.2 住宅事業42,01644,2372,2205.3 その他不動産事業11,74811,8871381.2 消去△4,055△4,252△196-営業利益8,1588,133△24△0.3 ロ 分譲販売区画数 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)分譲販売区画数区画893920273.0 マンション戸6937637010.1 戸建区画194142△52△26.8 リノベーション戸6159150.0 ③ 流通業ストア事業において、下大利駅に新店舗を出店したほか、無人決済システムを採用した店舗1号店をオフィスビル内に出店するなど、収益力の強化に努めました。生活雑貨販売業において、「雑貨館インキューブ」を福岡県福津市および広島県に出店するなど、収益力の強化に努めました。 経営成績については、ストア事業で、物価上昇による節約志向の高まりなどを受け、既存店売上が減少した一方、生活雑貨販売業で、新規店舗の寄与などにより増収となりました。これらの結果、流通業の営業収益は689億9千3百万円(前期比 0.4%増)となりました。営業利益は、ストア事業でエネルギー価格の上昇に伴う水道光熱費の増加などにより8千7百万円(前期比 86.1%減)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益68,73668,9932570.4 ストア事業63,91463,804△109△0.2 生活雑貨販売業4,8325,1913587.4 消去△10△28-営業利益62987△541△86.1 ④ 物流業国際物流事業において、フォワーディング事業の拡大を進めたほか、運賃仕入の最適化に努めるなど、収益力の強化に努めました。また、ロジスティクス事業拡大のため、「福岡ロジスティクスセンター」を開設しました。さらに、半導体、自動車部品、食品等の取扱重点品目の営業強化に努めました。経営成績については、国際物流事業で、輸送需要の減少により航空輸出取扱高が減少したものの、販売価格は前期に比べ高い水準を維持し増収となりました。その結果、物流業の営業収益は2,318億1千3百万円(前期比 24.5%増)、営業利益は170億7千8百万円(前期比 48.7%増)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益186,168231,81345,64524.5 国際物流事業196,205247,34051,13526.1 国内物流事業10,57710,345△231△2.2 消去△20,614△25,872△5,258-営業利益11,48217,0785,59648.7 ロ 国際貨物取扱高 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%) 航空輸出千トン146127△19△13.0 航空輸入千件394375△19△4.9 海運輸出千TEU ※9610266.4 海運輸入千TEU ※129140108.2 ※TEU:20フィートの海上輸送コンテナを1単位とした換算個数 ⑤ レジャー・サービス業ホテル事業において、予約からチェックアウトまでの手続を総合的にサポートする「西鉄ホテルグループ公式アプリ」を開発し、2023年4月よりサービスを開始したほか、ポストコロナの観光復活に向けた取り組みとして、ワーキングスペースや中長期滞在者向け客室を設けた「西鉄ホテル クルーム 博多祇園 櫛田神社前」の開業準備を進め、2023年4月に開業しました。 経営成績については、ホテル事業で、新型コロナウイルス感染症による行動制限の緩和等により前期からは稼働が上昇し増収となりました。その結果、レジャー・サービス業の営業収益は327億1千1百万円(前期比 54.3%増)、営業利益は8千4百万円(前期は営業損失66億2千5百万円)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益21,20332,71111,50754.3 ホテル事業16,33826,98110,642※ 65.1 旅行事業1,3292,6331,30398.0 娯楽事業4,0194,2432245.6 飲食事業25361144.2 広告事業2,4022,82442117.5 その他サービス事業6,0857,9301,84430.3 消去△8,997△11,937△2,939-営業利益又は営業損失(△)△6,625846,710- ※ホテル事業の内部取引を除くと96.9%の増となります。 ⑥ その他 ICカード事業において、nimocaが堀川バス㈱に採用されるなど、導入事業者の拡大に努めました。経営成績については、建設関連事業で大型工事の受注が増加したこと等によりその他の営業収益は316億6千5百万円(前期比 5.0%増)となりました。営業利益は、金属リサイクル事業で販売数量が減少したこと等により12億2千4百万円(前期比 28.3%減)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益30,14631,6651,5195.0 ICカード事業1,0461,139938.9 車両整備関連事業12,86413,5536885.4 建設関連事業10,78112,2481,46613.6 金属リサイクル事業5,8055,325△480△8.3 消去△353△601△248-営業利益1,7081,224△483△28.3 (2) 財政状態 前連結会計年度2022年3月末(百万円)当連結会計年度2023年3月末(百万円)増減額(百万円)資産合計734,500685,795△48,705負債合計555,416483,913△71,502純資産合計179,084201,88122,797有利子負債347,793334,875△12,918 (注)有利子負債は、借入金 + 社債により算出しています。 資産は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴い、前受金として計上してきた工事負担金を取得した固定資産の取得原価から直接減額したこと等により、前連結会計年度末に比べ487億5百万円減少し、6,857億9千5百万円となりました。負債は、鉄道事業における天神大牟田線連続立体交差事業の一部完了に伴う前受金の減少や有利子負債の減少等により、前連結会計年度末に比べ715億2百万円減少し、4,839億1千3百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ227億9千7百万円増加し、2,018億8千1百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー 前連結会計年度2022年3月末(百万円)当連結会計年度2023年3月末(百万円)増減額(百万円)現金及び現金同等物の期末残高70,61272,5591,946 通期増減額(百万円)2022年3月期(百万円)2023年3月期(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー30,59143,77513,184投資活動によるキャッシュ・フロー△10,344△24,600△14,256フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)20,24719,174△1,072財務活動によるキャッシュ・フロー△1,676△19,164△17,488 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ19億4千6百万円増加し、725億5千9百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益276億4千6百万円、減価償却費183億5千4百万円、法人税等の支払額62億1千8百万円等により437億7千5百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ131億8千4百万円の収入増となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出222億6千2百万円、投資有価証券の取得による支出61億4千万円等により、246億円の支出となり、前連結会計年度に比べ142億5千6百万円の支出増となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の純減による支出141億3千1百万円、配当金の支払額25億6千6百万円等により、191億6千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ174億8千8百万円の支出増となりました。 当社グループの資金調達については、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債および民間金融機関からの借入金等、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら行っています。 なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しています。 資金の流動性については、当社グループは、運輸業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しています。 資金の配分方針については、手許現金及び現金同等物は、売上高の約1ヶ月分程度を安定的な経営のための適正な水準としています。 成長投資については、2022年度は「“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)」に沿って、「福ビル街区建替プロジェクト」や西鉄ホテルクルーム博多祇園櫛田神社前新築工事等を進めました。2023年度は「第16次中期経営計画(2023年度~2025年度)」に沿って、「福ビル街区建替プロジェクト」やタイ王国・バンコク2号店ホテル(仮称)新築工事等について着実に進めてまいります。投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。株主還元については、経営における重要課題の一つと考えており、当社は、株主の皆様への安定した利益還元を重視し、適切な内部留保の確保による財務体質及び経営基盤の強化を図りながら、安定的・継続的な配当を実施することを利益配分についての方針としています。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (5) 生産、受注及び販売の実績当社グループの各事業において提供するサービスや製品は多種多様であり、同じセグメント内のサービスや製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではないため、生産、受注及び販売の実績について、セグメントごとに生産規模あるいは数量で示すことはしていません。そのため、生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しています。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略 当社グループでは、2015年度に、さらなる成長に向け今後10年の方向性を示した長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2025」を策定しています。中核エリアである福岡において「交通」や「まちづくり」など地域マーケットビジネスを深化させ、まちの発展をけん引するとともに、重点開拓エリアであるアジアにおいて地域マーケットビジネスのさらなる開拓を進め、国際物流ビジネスとあわせてグローバルビジネスの拡大を目指しています。 (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 今後の経営環境の変化 わが国においては、より一層の生産年齢人口の減少、ICTの進展、消費行動の多様化や、アジアを中心とした新興国の経済成長と市場拡大等、経営環境が絶えず変化していくことが想定されます。 また、当社グループにおいても、「福ビル街区建替プロジェクト」など大型開発プロジェクトの集中的な実施や、恒常的な人手不足など、様々な課題に直面しています。 加えて、新型コロナウイルス感染症の影響、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの高まりによる原材料価格の上昇や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。 ② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、「“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)」の最終年度目標の達成に向け、聖域なき構造改革とニューノーマル下での成長戦略を着実に推進してまいります。ウィズコロナ・ポストコロナ社会においても、社会とともに成長する企業グループであり続けるため、以下の7つの重点戦略に基づく各施策を着実に実施してまいります。1.聖域なき構造改革・事業モデル変革とポートフォリオの見直し鉄道事業やバス事業において、運賃改定に向けた検討を進めるとともに、鉄道事業においては天神大牟田線の駅集中管理方式の拡大を進めるほか、バス事業においては郊外路線のAI活用型オンデマンドバス「のるーと」への転換や他交通事業者との連携強化による路線再編を図るなど、従来の需要が戻らない前提での事業モデル変革に引き続き取り組んでまいります。このほか、各事業において運営の効率化や構造改革を推進してまいります。2.グループ経営体制・組織体制の見直し、組織風土改革ニューノーマル下での成長に適したグループ経営体制を構築するほか、新たな事業やサービスの創出に向け、沿線自治体や他事業者との連携・協業を推進してまいります。また、社内起業家人材の育成プログラムにおいて、新規事業創出に向けた検討を進めるなど、未来を見据えた戦略的な人材育成に取り組んでまいります。3.持続可能で活力あるまちづくりの推進「福ビル街区建替プロジェクト」において新築工事やテナント誘致等を推進するほか、当社が参画する「旧大名小学校跡地活用事業」において2022年度内の竣工・開業に向けた準備を進めてまいります。また、雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業における高架切替、下大利駅の開業に合わせ沿線自治体や地域と連携し駅商業施設や高架下の活用を図るなど、沿線主要拠点の開発プロジェクトを推進してまいります。さらに、多様な移動手段を組み合わせた経路検索や乗車券の予約・購入等ができる次世代移動サービス「MaaS(マース)」の取り組みとして、他事業者と共働し、スマートフォン向けサービス「my route(マイルート)」の利用可能エリア拡大を図るほか、自動運転バス実証実験にも継続して取り組むなど、持続可能な交通ネットワーク実現に取り組んでまいります。このほか、ホテル事業や旅行事業において国や自治体の観光促進事業の積極活用に取り組むなど、ポストコロナにおける観光復活に向けた取り組みを推進するほか、観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」や古民家宿泊施設「HOTEL CULTIA太宰府(ホテルカルティア太宰府)」において地域資源と連携した事業機会の創出を図ってまいります。4.住宅・流通・国際物流・海外事業の収益拡大住宅事業では、首都圏等域外でのマンション供給を強化するほか、福岡エリアにおいては、社有地を活用したマンション供給を推進してまいります。ストア事業では、下大利駅に新店を出店するほか、デジタル技術の活用や他社との連携による販売促進活動を強化してまいります。国際物流事業では、海外現地法人のM&Aや支店開設によるネットワークの拡充を引き続き進めるほか、取扱重点品目の営業強化を図ってまいります。また、運賃仕入の最適化などフォワーディング事業の拡大を進めるほか、「福岡ロジスティクスセンター」を開設するなどロジスティクス事業の拡大を図ってまいります。そのほか、東南アジア・アメリカでの開発事業を拡大し、住宅や物流施設等の開発に取り組むほか、現地デベロッパーとの協業体制強化による事業拡大を図ってまいります。5.デジタル化・新技術の活用による生産性・顧客体験の向上「LINE」を活用した予約・購入サービスの提供等、各事業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するほか、ホテル事業における予約からチェックアウトまでの手続を総合的にサポートするアプリの導入等、顧客体験の向上を図ってまいります。また、鉄道事業におけるドローンや画像診断システム等を利用した鉄道施設点検・検査の効率化や、国際物流事業における各種書類の電子化による通関業務の効率化等、各事業において生産性の向上を図ってまいります。さらに、鉄道・バス利用者の行動変容を促す「ナッジ応用技術」や、「メタバース」と呼ばれるオンライン仮想空間等、最先端のデジタル技術を活用した新たなサービスやビジネスの検討に取り組んでまいります。6.ESG・SDGs視点での取り組み強化当社グループは、持続可能な社会を実現するため、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを重視したサステナブル経営を進めております。環境への取り組みとして、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」達成に向け、鉄道事業において省エネ車両への順次代替を推進するほか、バス事業において中古バス車両を電動化した「レトロフィットバス」の実証運行の結果を踏まえた導入拡大検討に取り組んでまいります。国際物流事業では、環境負荷の少ない輸送手段の活用を進めるとともに、国際輸送区間におけるCO2排出量の見える化の検討を進めてまいります。その他各事業において、資源の有効活用や循環活用に取り組んでまいります。社会への取り組みとしては、2022年2月、「西鉄グループ人権方針」および「西鉄グループ調達基本方針」を策定しており、当社グループだけではなくサプライチェーン全体で人権の尊重等社会課題の解決に取り組んでまいります。 (注) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに基づく開示情報は、「(4)気候変動への 対応:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示」に記載しております。7.安全・リスクマネジメントの強靭化鉄道事業において2DセンサーやAIカメラを用いた駅ホームの安全性向上に向けた実証実験に取り組むほか、バス事業において新型ドライブレコーダーの導入車両を拡大するなど、安全性の維持・高度化を図ってまいります。また、多様な自然災害を想定した全社的な危機対応体制の見直し・強化に取り組んでまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益力の成長性を示す営業収益、事業利益(注1)、EBITDA(注2)、資本効率を示すROE、資産効率を示すROA、財務健全性を示す「NET有利子負債/EBITDA倍率」を採用しております。 “修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)における経営数値目標及び、当連結会計年度(2022年3月期)の実績は次のとおりです。 2023年3月期計画2022年3月期実績営業収益3,750億円4,272億円事業利益130億円 114億円ROA(総資産事業利益率) (注3)2.0% 1.8%ROE(自己資本当期純利益率)3.5% 5.9%EBITDA340億円310億円NET有利子負債/EBITDA倍率9.0倍8.9倍 (注)1 事業利益=営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益 2 EBITDA=事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) 3 総資産は鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。 (4)気候変動への対応:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示(TCFD提言への賛同)当社グループでは、持続可能な社会の実現に貢献し、社会から信頼され長期にわたり発展し続ける企業であるために、地球環境の保全を重要課題と認識しています。そのため、環境との調和ある事業活動を通じて、環境負荷を低減するとともに、循環型社会の実現と地球温暖化の抑制に寄与することを目的とした「にしてつグループ環境方針」を制定し、従前より環境負荷低減活動を実践してまいりました。当社グループは、バス事業・鉄道事業等の運輸業を始め、賃貸事業・住宅事業等の不動産業や流通業等の様々な事業を展開しており、各事業に応じた対応が必要となります。当社は、TCFD提言へ賛同するとともに、にしてつグループ全体のCO2排出量の約50%を占めるバス事業について、TCFD提言に基づく情報開示を進めるなど、気候変動に適切に対応し地球環境保全に取り組んでまいります。 (ガバナンス)当社グループでは、サステナブル経営の基本となる方針として「にしてつグループコンプライアンス方針」を定め、「法令や社会規範等の遵守」「安全・安心な商品やサービスの提供」「人権の尊重」「環境問題への取り組み」等グループにおける行動指針を定めており、特に重要なテーマについては、「にしてつグループ環境方針」「西鉄グループ安全に関する基本方針」等の方針をそれぞれ定め、事業活動の中で実践しています。また、ESG重要課題(マテリアリティ)の一つである気候変動問題を含む「環境対応」等のサステナブル経営における重要な方針・方向性を協議し、社長執行役員の意思決定を補佐するESG推進会議および常務会、その他各委員会を設置するなどサステナブル経営の推進体制を構築しています。ESG推進会議は、社長執行役員が議長となり、委員会や各部・グループ各社からサステナブル経営に関する活動報告を受け実施状況を確認しています。環境対応については、気候変動問題解決に向けた自主的目標の設定や環境負荷低減活動の進捗状況を確認するとともに、各部門・グループ各社に対応策の検討等を指示しています。ESG推進会議で協議した重要な事項は、必要に応じ取締役会が報告を受けるなど、適切な監督を行っています。 (サステナブル経営推進体制図) (戦略)・リスクと機会気候変動がもたらすリスクは、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響に伴うリスク(物理リスク)に分けられます。バス事業を対象としてそれぞれのリスクと機会について検討した結果は次のとおりです。 当社グループのバス事業における気候関連のリスクと機会種類評価リスク機会移行リスク政策炭素税大・炭素税導入によるコスト増加・EVバス等の導入による燃料調達コス ト削減規制大・EVバス等への転換要求による対応コ スト発生・対応できない場合は事業継続困難・EVバス等の普及を促進する政策・補 助金制度の実施・強化による先行投 資・導入が可能技術低炭素技術の普及大・EVバス等の調達コスト増加・蓄電池の管理コスト、交換コスト等 の運行コスト増加・EVバス等のメンテナンスコスト増加・燃料補給設備等のハード構築コスト 増加・EVバス等の低価格化、長距離走行可 能による車両調達コストや導入障壁 低下・車両の軽量化による燃費の改善によ り、燃料調達コスト減少・貨客混載型輸送の導入による売上増 加・蓄電池のエネルギーマネジメント等 への活用による収入源獲得次世代技術の進展大・自動運転技術の導入コスト発生・自動運転車車両のメンテナンスコス ト増加・自動運転技術普及に伴う燃料・人員 抑制によるコスト低減・MaaSやAI活用型オンデマンド サービス等の普及による交通機関の 積極的利用で売上増加評判お客さまからの評判/行動変化大・環境対策に積極的でない場合、お客 さまの環境意識高まりにより売上が 低減・EV自動車等の普及によるバスの環境 優位性低下に伴う売上減少・テレワークの普及による売上減少・お客さまの環境意識の高まりによる 輸送量単位のCO2排出量が低いバス への転移による売上増加・自家用車の燃料負担増大に伴うバス への転移により売上増加投資家の評判変化中・環境対策に積極的でない場合、株価 低下や資本コスト上昇・低炭素・環境配慮型の事業に移行で きた場合は、ESG投資の拡大に伴 い資本コスト減少物理リスク慢性平均気温の上昇中・冷房コスト、設備投資コスト増加・熱中症対応コスト増加・路面・車両への影響に伴う運転能力 低下による対応コスト発生・外出手控えによる売上減少 急性異常気象の激甚化大・道路・トンネル等での通行停止発生 による売上減少・車両の損傷復旧、現場作業員の安全 ・健康対策等によるコスト発生・外出手控えによる売上減少・停電時に非常用電源として蓄電池を 提供することによる評価上昇・停電時に避難所としてバスを提供す ることで地域住民からの評価上昇・う回路を複数想定するなど災害に強 い運営体制を整備することによるお 客さまからの信頼獲得 ・シナリオ分析IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)等の専門機関が描く、産業革命前と比較した世界の平均気温の上昇幅を、パリ協定を踏まえたシステム移行により1.5℃未満に抑えられる1.5℃シナリオと、新たな政策・制度が導入されずに4.0℃前後上昇する4.0℃シナリオに基づき、当社グループのバス事業における気候変動の影響について分析を行いました。1.5℃シナリオでは炭素税の導入による大幅なコストの増加が見込まれる一方で、EVバス等の導入を促進することで炭素税の導入による影響を大きくリカバリー出来ることが分かりました。また、MaaSの普及等カーボンニュートラルへ向けた交通形態の変化に適応することができれば、自家用車からバスへの転換が期待でき、売上を増加させる機会を獲得出来ることが分かりました。また、4.0℃シナリオでは、軽油価格の上昇による大幅なコスト増加に対応できず、事業存続が危ぶまれる事態に陥る可能性があることが分かりました。当社グループは、社会から信頼され長期にわたり発展し続ける企業であるために、誰一人取り残されない持続可能な社会が実現出来るよう、1.5℃の世界の実現に向けた取り組みを進めてまいります。 ◇事業インパクト評価リスク項目想定される内容影響度(注1)1.5℃4.0℃移行リスク炭素価格(ガソリン税等含む)(1.5℃)炭素税導入により上昇(4.0℃)開発途上国での需要拡大により上昇-----国の炭素排出目標/政策(EVバス等の導入) (1.5℃)補助金等の政府の政策に伴い導入が拡大(4.0℃)導入は限定的+++ 低炭素技術の普及(1.5℃)EVバス等の導入拡大に伴い普及が拡大(4.0℃)普及は限定的+- 次世代技術の進展 (1.5℃)MaaSやオンデマンドサービス等の普及が拡大(4.0℃)進展は限定的+- お客さまの行動変化 (1.5℃)モーダルシフト等が進展(4.0℃)モーダルシフト等は限定的++ 物理リスク異常気象の激甚化 (1.5℃)施設の被害、運行停止がやや増加(4.0℃)施設の被害、運行停止が増加-- (注)1 「+」は事業及び財務への正の影響、「-」は負の影響を示し、符号の数は影響度の大きさを表現して います。 (リスク管理)当社グループでは、社長執行役員を議長とするESG推進会議において、各部門・グループ各社において作成した CO2排出量(注2)の削減を含む「環境負荷低減計画」をベースに策定したグループ全体計画の進捗状況を毎年確認し、各部門・グループ各社に修正等を指示しています。ESG推進会議で協議した重要な事項は、必要に応じ、取締役会が報告を受けるなど、適切な監督を行っています。(注)2 当社グループで把握する CO2 排出量は Scope1、Scope2 を対象としております。 Scope1:事業者自らによる燃料を使用して直接排出する量 Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気を使用して間接的に排出する量 (指標と目標)当社グループは、2005年に「にしてつグループ環境方針」を制定し、環境負荷を低減するための管理体制の整備を行い、2009年度からCO2排出量を含むグループ全体の環境負荷を把握しています。3年ごとに作成する中期経営計画に合わせて各部門・グループ各社で「環境負荷低減計画」を定め、上記のとおり全体の進捗状況の確認や修正等を行っています。CO2排出量については、2009年度を基準年度と定め、毎年1%の削減を目指し、“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)期間で「2009年度比12%削減」(注3)を目標としておりますが、2020年度の実績で28%の削減を達成しています。なお、国の目標である「CO2排出量2030年度2013年度比46%削減」に照らし合わせ、2013年度を基準年と考えると、当社グループにおける2020年度のCO2排出量は、2013年度比で38%の削減となっています。今後は、「2050年度カーボンニュートラル」の達成に向け、中間目標である「2030年度目標」を設定するために必要な検証を実施し、ロードマップを策定してまいります。(注)3 削減効果を把握するため、電力のCO2排出係数は基準年度(2009年度)に固定しております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。 (1) 経営方針、経営戦略等① 会社の経営の基本方針 当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 ② 中長期的な会社の経営戦略 当社グループでは、2015年度に、さらなる成長に向け今後10年の方向性を示した長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2025」を策定しています。中核エリアである福岡において「交通」や「まちづくり」など地域マーケットビジネスを深化させ、まちの発展をけん引するとともに、重点開拓エリアであるアジアにおいて地域マーケットビジネスのさらなる開拓を進め、国際物流ビジネスとあわせてグローバルビジネスの拡大を目指しています。 (2) 経営環境及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題① 今後の経営環境の変化 わが国においては、より一層の生産年齢人口の減少、ICTの進展、消費行動の多様化や、アジアを中心とした新興国の経済成長と市場拡大等、経営環境が絶えず変化していくことが想定されます。 また、当社グループにおいても、「福ビル街区建替プロジェクト」など大型開発プロジェクトの集中的な実施や、恒常的な人手不足など、様々な課題に直面しています。 加えて、新型コロナウイルス感染症の影響、ウクライナ情勢などの地政学的リスクの高まりによる原材料価格の上昇や金融資本市場の変動など、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。 ② 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループでは、「“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)」の最終年度目標の達成に向け、聖域なき構造改革とニューノーマル下での成長戦略を着実に推進してまいります。ウィズコロナ・ポストコロナ社会においても、社会とともに成長する企業グループであり続けるため、以下の7つの重点戦略に基づく各施策を着実に実施してまいります。1.聖域なき構造改革・事業モデル変革とポートフォリオの見直し鉄道事業やバス事業において、運賃改定に向けた検討を進めるとともに、鉄道事業においては天神大牟田線の駅集中管理方式の拡大を進めるほか、バス事業においては郊外路線のAI活用型オンデマンドバス「のるーと」への転換や他交通事業者との連携強化による路線再編を図るなど、従来の需要が戻らない前提での事業モデル変革に引き続き取り組んでまいります。このほか、各事業において運営の効率化や構造改革を推進してまいります。2.グループ経営体制・組織体制の見直し、組織風土改革ニューノーマル下での成長に適したグループ経営体制を構築するほか、新たな事業やサービスの創出に向け、沿線自治体や他事業者との連携・協業を推進してまいります。また、社内起業家人材の育成プログラムにおいて、新規事業創出に向けた検討を進めるなど、未来を見据えた戦略的な人材育成に取り組んでまいります。3.持続可能で活力あるまちづくりの推進「福ビル街区建替プロジェクト」において新築工事やテナント誘致等を推進するほか、当社が参画する「旧大名小学校跡地活用事業」において2022年度内の竣工・開業に向けた準備を進めてまいります。また、雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業における高架切替、下大利駅の開業に合わせ沿線自治体や地域と連携し駅商業施設や高架下の活用を図るなど、沿線主要拠点の開発プロジェクトを推進してまいります。さらに、多様な移動手段を組み合わせた経路検索や乗車券の予約・購入等ができる次世代移動サービス「MaaS(マース)」の取り組みとして、他事業者と共働し、スマートフォン向けサービス「my route(マイルート)」の利用可能エリア拡大を図るほか、自動運転バス実証実験にも継続して取り組むなど、持続可能な交通ネットワーク実現に取り組んでまいります。このほか、ホテル事業や旅行事業において国や自治体の観光促進事業の積極活用に取り組むなど、ポストコロナにおける観光復活に向けた取り組みを推進するほか、観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」や古民家宿泊施設「HOTEL CULTIA太宰府(ホテルカルティア太宰府)」において地域資源と連携した事業機会の創出を図ってまいります。4.住宅・流通・国際物流・海外事業の収益拡大住宅事業では、首都圏等域外でのマンション供給を強化するほか、福岡エリアにおいては、社有地を活用したマンション供給を推進してまいります。ストア事業では、下大利駅に新店を出店するほか、デジタル技術の活用や他社との連携による販売促進活動を強化してまいります。国際物流事業では、海外現地法人のM&Aや支店開設によるネットワークの拡充を引き続き進めるほか、取扱重点品目の営業強化を図ってまいります。また、運賃仕入の最適化などフォワーディング事業の拡大を進めるほか、「福岡ロジスティクスセンター」を開設するなどロジスティクス事業の拡大を図ってまいります。そのほか、東南アジア・アメリカでの開発事業を拡大し、住宅や物流施設等の開発に取り組むほか、現地デベロッパーとの協業体制強化による事業拡大を図ってまいります。5.デジタル化・新技術の活用による生産性・顧客体験の向上「LINE」を活用した予約・購入サービスの提供等、各事業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するほか、ホテル事業における予約からチェックアウトまでの手続を総合的にサポートするアプリの導入等、顧客体験の向上を図ってまいります。また、鉄道事業におけるドローンや画像診断システム等を利用した鉄道施設点検・検査の効率化や、国際物流事業における各種書類の電子化による通関業務の効率化等、各事業において生産性の向上を図ってまいります。さらに、鉄道・バス利用者の行動変容を促す「ナッジ応用技術」や、「メタバース」と呼ばれるオンライン仮想空間等、最先端のデジタル技術を活用した新たなサービスやビジネスの検討に取り組んでまいります。6.ESG・SDGs視点での取り組み強化当社グループは、持続可能な社会を実現するため、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)への取り組みを重視したサステナブル経営を進めております。環境への取り組みとして、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」達成に向け、鉄道事業において省エネ車両への順次代替を推進するほか、バス事業において中古バス車両を電動化した「レトロフィットバス」の実証運行の結果を踏まえた導入拡大検討に取り組んでまいります。国際物流事業では、環境負荷の少ない輸送手段の活用を進めるとともに、国際輸送区間におけるCO2排出量の見える化の検討を進めてまいります。その他各事業において、資源の有効活用や循環活用に取り組んでまいります。社会への取り組みとしては、2022年2月、「西鉄グループ人権方針」および「西鉄グループ調達基本方針」を策定しており、当社グループだけではなくサプライチェーン全体で人権の尊重等社会課題の解決に取り組んでまいります。 (注) 気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)のフレームワークに基づく開示情報は、「(4)気候変動への 対応:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示」に記載しております。7.安全・リスクマネジメントの強靭化鉄道事業において2DセンサーやAIカメラを用いた駅ホームの安全性向上に向けた実証実験に取り組むほか、バス事業において新型ドライブレコーダーの導入車両を拡大するなど、安全性の維持・高度化を図ってまいります。また、多様な自然災害を想定した全社的な危機対応体制の見直し・強化に取り組んでまいります。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、持続的な成長と企業価値向上のため、収益力を高めると共に、経営の効率化を図ってまいります。達成状況を判断するための客観的な指標として、収益力の成長性を示す営業収益、事業利益(注1)、EBITDA(注2)、資本効率を示すROE、資産効率を示すROA、財務健全性を示す「NET有利子負債/EBITDA倍率」を採用しております。 “修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)における経営数値目標及び、当連結会計年度(2022年3月期)の実績は次のとおりです。 2023年3月期計画2022年3月期実績営業収益3,750億円4,272億円事業利益130億円 114億円ROA(総資産事業利益率) (注3)2.0% 1.8%ROE(自己資本当期純利益率)3.5% 5.9%EBITDA340億円310億円NET有利子負債/EBITDA倍率9.0倍8.9倍 (注)1 事業利益=営業利益+事業投資に伴う受取配当金・持分法投資損益 2 EBITDA=事業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) 3 総資産は鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。 (4)気候変動への対応:TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)に基づく情報開示(TCFD提言への賛同)当社グループでは、持続可能な社会の実現に貢献し、社会から信頼され長期にわたり発展し続ける企業であるために、地球環境の保全を重要課題と認識しています。そのため、環境との調和ある事業活動を通じて、環境負荷を低減するとともに、循環型社会の実現と地球温暖化の抑制に寄与することを目的とした「にしてつグループ環境方針」を制定し、従前より環境負荷低減活動を実践してまいりました。当社グループは、バス事業・鉄道事業等の運輸業を始め、賃貸事業・住宅事業等の不動産業や流通業等の様々な事業を展開しており、各事業に応じた対応が必要となります。当社は、TCFD提言へ賛同するとともに、にしてつグループ全体のCO2排出量の約50%を占めるバス事業について、TCFD提言に基づく情報開示を進めるなど、気候変動に適切に対応し地球環境保全に取り組んでまいります。 (ガバナンス)当社グループでは、サステナブル経営の基本となる方針として「にしてつグループコンプライアンス方針」を定め、「法令や社会規範等の遵守」「安全・安心な商品やサービスの提供」「人権の尊重」「環境問題への取り組み」等グループにおける行動指針を定めており、特に重要なテーマについては、「にしてつグループ環境方針」「西鉄グループ安全に関する基本方針」等の方針をそれぞれ定め、事業活動の中で実践しています。また、ESG重要課題(マテリアリティ)の一つである気候変動問題を含む「環境対応」等のサステナブル経営における重要な方針・方向性を協議し、社長執行役員の意思決定を補佐するESG推進会議および常務会、その他各委員会を設置するなどサステナブル経営の推進体制を構築しています。ESG推進会議は、社長執行役員が議長となり、委員会や各部・グループ各社からサステナブル経営に関する活動報告を受け実施状況を確認しています。環境対応については、気候変動問題解決に向けた自主的目標の設定や環境負荷低減活動の進捗状況を確認するとともに、各部門・グループ各社に対応策の検討等を指示しています。ESG推進会議で協議した重要な事項は、必要に応じ取締役会が報告を受けるなど、適切な監督を行っています。 (サステナブル経営推進体制図) (戦略)・リスクと機会気候変動がもたらすリスクは、脱炭素社会への移行に伴うリスク(移行リスク)と物理的な影響に伴うリスク(物理リスク)に分けられます。バス事業を対象としてそれぞれのリスクと機会について検討した結果は次のとおりです。 当社グループのバス事業における気候関連のリスクと機会種類評価リスク機会移行リスク政策炭素税大・炭素税導入によるコスト増加・EVバス等の導入による燃料調達コス ト削減規制大・EVバス等への転換要求による対応コ スト発生・対応できない場合は事業継続困難・EVバス等の普及を促進する政策・補 助金制度の実施・強化による先行投 資・導入が可能技術低炭素技術の普及大・EVバス等の調達コスト増加・蓄電池の管理コスト、交換コスト等 の運行コスト増加・EVバス等のメンテナンスコスト増加・燃料補給設備等のハード構築コスト 増加・EVバス等の低価格化、長距離走行可 能による車両調達コストや導入障壁 低下・車両の軽量化による燃費の改善によ り、燃料調達コスト減少・貨客混載型輸送の導入による売上増 加・蓄電池のエネルギーマネジメント等 への活用による収入源獲得次世代技術の進展大・自動運転技術の導入コスト発生・自動運転車車両のメンテナンスコス ト増加・自動運転技術普及に伴う燃料・人員 抑制によるコスト低減・MaaSやAI活用型オンデマンド サービス等の普及による交通機関の 積極的利用で売上増加評判お客さまからの評判/行動変化大・環境対策に積極的でない場合、お客 さまの環境意識高まりにより売上が 低減・EV自動車等の普及によるバスの環境 優位性低下に伴う売上減少・テレワークの普及による売上減少・お客さまの環境意識の高まりによる 輸送量単位のCO2排出量が低いバス への転移による売上増加・自家用車の燃料負担増大に伴うバス への転移により売上増加投資家の評判変化中・環境対策に積極的でない場合、株価 低下や資本コスト上昇・低炭素・環境配慮型の事業に移行で きた場合は、ESG投資の拡大に伴 い資本コスト減少物理リスク慢性平均気温の上昇中・冷房コスト、設備投資コスト増加・熱中症対応コスト増加・路面・車両への影響に伴う運転能力 低下による対応コスト発生・外出手控えによる売上減少 急性異常気象の激甚化大・道路・トンネル等での通行停止発生 による売上減少・車両の損傷復旧、現場作業員の安全 ・健康対策等によるコスト発生・外出手控えによる売上減少・停電時に非常用電源として蓄電池を 提供することによる評価上昇・停電時に避難所としてバスを提供す ることで地域住民からの評価上昇・う回路を複数想定するなど災害に強 い運営体制を整備することによるお 客さまからの信頼獲得 ・シナリオ分析IPCC(気候変動に関する政府間パネル)やIEA(国際エネルギー機関)等の専門機関が描く、産業革命前と比較した世界の平均気温の上昇幅を、パリ協定を踏まえたシステム移行により1.5℃未満に抑えられる1.5℃シナリオと、新たな政策・制度が導入されずに4.0℃前後上昇する4.0℃シナリオに基づき、当社グループのバス事業における気候変動の影響について分析を行いました。1.5℃シナリオでは炭素税の導入による大幅なコストの増加が見込まれる一方で、EVバス等の導入を促進することで炭素税の導入による影響を大きくリカバリー出来ることが分かりました。また、MaaSの普及等カーボンニュートラルへ向けた交通形態の変化に適応することができれば、自家用車からバスへの転換が期待でき、売上を増加させる機会を獲得出来ることが分かりました。また、4.0℃シナリオでは、軽油価格の上昇による大幅なコスト増加に対応できず、事業存続が危ぶまれる事態に陥る可能性があることが分かりました。当社グループは、社会から信頼され長期にわたり発展し続ける企業であるために、誰一人取り残されない持続可能な社会が実現出来るよう、1.5℃の世界の実現に向けた取り組みを進めてまいります。 ◇事業インパクト評価リスク項目想定される内容影響度(注1)1.5℃4.0℃移行リスク炭素価格(ガソリン税等含む)(1.5℃)炭素税導入により上昇(4.0℃)開発途上国での需要拡大により上昇-----国の炭素排出目標/政策(EVバス等の導入) (1.5℃)補助金等の政府の政策に伴い導入が拡大(4.0℃)導入は限定的+++ 低炭素技術の普及(1.5℃)EVバス等の導入拡大に伴い普及が拡大(4.0℃)普及は限定的+- 次世代技術の進展 (1.5℃)MaaSやオンデマンドサービス等の普及が拡大(4.0℃)進展は限定的+- お客さまの行動変化 (1.5℃)モーダルシフト等が進展(4.0℃)モーダルシフト等は限定的++ 物理リスク異常気象の激甚化 (1.5℃)施設の被害、運行停止がやや増加(4.0℃)施設の被害、運行停止が増加-- (注)1 「+」は事業及び財務への正の影響、「-」は負の影響を示し、符号の数は影響度の大きさを表現して います。 (リスク管理)当社グループでは、社長執行役員を議長とするESG推進会議において、各部門・グループ各社において作成した CO2排出量(注2)の削減を含む「環境負荷低減計画」をベースに策定したグループ全体計画の進捗状況を毎年確認し、各部門・グループ各社に修正等を指示しています。ESG推進会議で協議した重要な事項は、必要に応じ、取締役会が報告を受けるなど、適切な監督を行っています。(注)2 当社グループで把握する CO2 排出量は Scope1、Scope2 を対象としております。 Scope1:事業者自らによる燃料を使用して直接排出する量 Scope2:他社から供給された電気、熱・蒸気を使用して間接的に排出する量 (指標と目標)当社グループは、2005年に「にしてつグループ環境方針」を制定し、環境負荷を低減するための管理体制の整備を行い、2009年度からCO2排出量を含むグループ全体の環境負荷を把握しています。3年ごとに作成する中期経営計画に合わせて各部門・グループ各社で「環境負荷低減計画」を定め、上記のとおり全体の進捗状況の確認や修正等を行っています。CO2排出量については、2009年度を基準年度と定め、毎年1%の削減を目指し、“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)期間で「2009年度比12%削減」(注3)を目標としておりますが、2020年度の実績で28%の削減を達成しています。なお、国の目標である「CO2排出量2030年度2013年度比46%削減」に照らし合わせ、2013年度を基準年と考えると、当社グループにおける2020年度のCO2排出量は、2013年度比で38%の削減となっています。今後は、「2050年度カーボンニュートラル」の達成に向け、中間目標である「2030年度目標」を設定するために必要な検証を実施し、ロードマップを策定してまいります。(注)3 削減効果を把握するため、電力のCO2排出係数は基準年度(2009年度)に固定しております。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。(1) 経営成績(連結経営成績)当連結会計年度におけるわが国の経済は、前半は、新型コロナウイルス感染症の拡大による緊急事態宣言等の度重なる発出等により、厳しい状況で推移しました。後半は、感染症による行動制限が緩和され、一時期持ち直しの動きが見られたものの、年度末にかけて、新たな変異株による感染症の再拡大やウクライナ情勢の悪化による原材料価格の高騰等により、依然として厳しい状況が続きました。このような情勢のなか、当社グループでは、各事業において感染拡大防止策を徹底しながら、“修正” 第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)の目標達成に向け、重点戦略に基づき構造改革を推進するとともに、成長戦略に基づく各施策に取り組みました。 構造改革の取り組みとして、ホテル事業や娯楽事業等において回復の見込みが立たない赤字事業からの撤退・縮小を進めるとともに、鉄道事業やバス事業において運賃施策やICカードポイント施策を見直すなど、従来の需要が戻らない前提での事業モデル変革を図りました。 一方、成長戦略に基づく取り組みとして、大型開発プロジェクトを着実に進め、「福ビル街区建替プロジェクト」では、2024年度内の開業に向けた新築工事に着手したほか、当社グループが参画する「旧大名小学校跡地活用事業」では、2022年度中の全体供用開始に向けた準備を進めました。「青果市場跡地活用事業」においては、2022年4月、九州初出店となる「三井ショッピングパークららぽーと福岡」が開業しました。また、持続可能な交通ネットワークの実現のため、福岡空港において、他事業者と連携し大型自動運転バスの実証実験を実施したほか、AI活用型オンデマンドバス「のるーと」の地方自治体への導入支援、運営ノウハウの提供に向けた実証運行を実施するなど、公共交通の課題解決に取り組みました。さらに、鉄道事業においてQRコードを用いた企画乗車券の発売を開始したほか、鉄道事業やストア事業において、スマートフォンアプリ「LINE」を活用した予約・購入サービスの提供を開始するなど、デジタル技術の活用による顧客体験の向上を図りました。このほか、国が掲げる「2050年カーボンニュートラル」達成に向けた取り組みとして、中古バス車両を電動化した「レトロフィットバス」の実証運行に向けた準備を進めるなど、各事業における脱炭素社会の実現に向けた取り組みを推進しました。なお、2022年3月、「気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)」による提言に賛同し、気候関連情報の開示を開始したほか、2022年4月には、再生可能エネルギーによる発電事業を通じ当社グループや地域の脱炭素化を推進するため、他社との共同出資により新会社を設立しました。 その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益346,121427,15981,03823.4営業利益又は営業損失(△)△9,50110,45119,953-経常利益又は経常損失(△)△9,63913,95323,593-親会社株主に帰属する当期純利益又は親会社株主に帰属する当期純損失(△)△12,0749,87321,947- なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりです。 ① 営業収益及び営業利益当連結会計年度の営業収益は、物流業における国際物流事業で輸出入取扱高が増加したことや、不動産業における住宅事業でマンション販売戸数が増加したことに加え、運輸業やレジャー・サービス業で新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛などで需要が低迷したものの、前期からは回復したことなどにより、前連結会計年度から810億3千8百万円増加し、4,271億5千9百万円(前期比 23.4%増)となりました。営業利益は、前連結会計年度から199億5千3百万円増加し、104億5千1百万円(前期は営業損失95億1百万円)となりました。なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しています。このため、前期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いています。詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)」に記載のとおりです。セグメントごとの営業収益及び営業利益又は営業損失(△)は、次のとおりです。当連結会計年度に、吸収合併を伴う連結子会社の組織再編等を実施し、一部連結子会社の事業において、セグメントの区分を変更しています。なお、前連結会計年度のセグメント情報については、当該変更後の区分に基づき作成したものを開示しています。 セグメントの名称営業収益営業利益又は営業損失(△)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)運輸業59,81263,8576.8△11,838△4,699-不動産業64,94574,09814.17,2788,15812.1流通業76,13668,736△9.71,062629△40.8物流業111,409186,16867.13,81911,482200.6レジャー・サービス業19,66221,2037.8△10,633△6,625-計331,966414,06424.7△10,3118,945-その他36,46430,146△17.31,1021,70854.9調整額△22,310△17,051-△292△201-連結346,121427,15923.4△9,50110,451- ② 営業外損益及び経常利益営業外収益は、前連結会計年度から3百万円減少し、62億2千4百万円となりました。営業外費用は、持分法による投資損失の減少などにより、前連結会計年度から36億4千3百万円減少し、27億2千2百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度から235億9千3百万円増加し、139億5千3百万円(前期は経常損失96億3千9百万円)となりました。 ③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益特別利益は、固定資産売却益の計上などもあり、前連結会計年度から21億2千3百万円増加し、53億7千8百万円となりました。特別損失は、福ビル街区建替関連費用の減少などにより、前連結会計年度から30億8百万円減少し、31億9千3百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から287億2千5百万円増加し、161億3千8百万円(前期は税金等調整前当期純損失125億8千6百万円)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から219億4千7百万円増加し、98億7千3百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失120億7千4百万円)となりました。 (セグメント別概況)① 運輸業鉄道事業において、安全性および沿線の魅力向上の取り組みとして、福岡県および福岡市が行う雑餉隈~下大利駅間連続立体交差事業の高架切替および下大利駅の新駅舎開業に向けた工事を進めました。また、西鉄天神大牟田線において、自転車を折りたたまず車内に持ち込める「サイクルトレイン」を実施し、観光需要の獲得および沿線地域の活性化を図りました。 バス事業において、持続的な輸送サービスを提供するため、一般路線バスにおける「100円バス」の運賃値上げをはじめとした運賃施策の見直しを行いました。また、「福岡オープントップバス」で福岡空港内を走行する新たなツアーを提供するなど、福岡観光の新たな価値創造と賑わいの創出に努めました。 経営成績については、鉄道事業及びバス事業で、新型コロナウイルス感染症の影響による外出自粛やイベントの中止・縮小などにより旅客人員が低迷したものの、前期からは回復したことや、運賃施策・ICポイント施策の見直しを実施したことなどにより増収となりました。これらの結果、運輸業の営業収益は638億5千7百万円(前期比 6.8%増)、営業損失は46億9千9百万円(前期は営業損失118億3千8百万円)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益59,81263,8574,0456.8 鉄道事業15,84017,1531,3138.3 バス事業39,37543,4394,064 ※ 10.3 タクシー事業2,2922,58429112.7 運輸関連事業10,7599,532△1,226△11.4 消去△8,454△8,851△397-営業損失(△)△11,838△4,6997,139- ※バス事業の内部取引を除くと9.7%の増となります。 ロ 提出会社の鉄道事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365-営業キロキロ106.1106.1-走行キロ千キロ38,90838,414△1.3旅客人員定期千人47,86151,1046.8定期外千人31,18733,0405.9計千人79,04884,1446.4旅客収入定期百万円6,4276,9207.7定期外百万円7,9318,7109.8計百万円14,35815,6308.9手小荷物・その他収入百万円00△7.0運輸雑収百万円6847032.8運輸収入合計百万円15,04216,3348.6乗車効率 (注)%21.922.5- ハ 提出会社のバス事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365-営業キロキロ4,263.74,262.0△0.0走行キロ千キロ77,78772,411△6.9旅客人員定期千人59,98559,540△0.7定期外千人75,21281,2328.0計千人135,197140,7734.1旅客収入定期百万円6,5906,7903.0定期外百万円15,70318,44017.4計百万円22,29425,23013.2手荷物・その他収入百万円10△13.6運輸雑収百万円2,9022,691△7.3運輸収入合計百万円25,19727,92310.8乗車効率 (注)%14.817.2- (注)乗車効率算出方式延人キロ×100 1車平均定員×走行キロ ② 不動産業賃貸事業において、現実空間とバーチャルを視覚的に重ね合わせるAR技術を用いたイベントの実施や、SNSのライブ配信を活用した顧客接点の拡大を図るなど、商業施設における販売促進に努めました。 住宅事業において、首都圏でのマンション開発および販売戸数の拡大に努めたほか、顧客の多様なニーズに対応した付加価値のある商品提供に努め、スマート機器や設備を導入したIoT住宅の販売を開始しました。また、インドネシアの現地デベロッパーに出資するなど、海外における不動産事業の拡大を図りました。 経営成績については、住宅事業で、「ガーデンクロス東京王子」などの分譲マンション販売戸数が増加し増収となりました。また、賃貸事業で、商業施設の賃貸収入が回復したことなどにより増収となりました。これらの結果、不動産業の営業収益は740億9千8百万円(前期比 14.1%増)、営業利益は81億5千8百万円(前期比 12.1%増)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益64,94574,0989,15214.1 賃貸事業23,15924,3891,2295.3 住宅事業33,77942,0168,23624.4 その他不動産事業11,60111,7481461.3 消去△3,595△4,055△460-営業利益7,2788,15888012.1 ロ 分譲販売区画数 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)分譲販売区画数区画73589315821.5 マンション戸53969315428.6 戸建区画1711942313.5 リノベーション戸256△19△76.0 ③ 流通業ストア事業において、「三井ショッピングパーク ららぽーと福岡」内における新業態店舗の出店準備を進め、2022年4月に開業しました。また、「LINE」を活用した季節商品の予約注文を開始するなど、デジタル技術の活用による利便性の向上を図りました。 生活雑貨販売業において、「雑貨館インキューブ」を福岡県春日市に出店するなど、収益力の強化に努めました。 経営成績については、ストア事業で、収益認識会計基準等の適用に伴い代理人として関与した取引について営業収益を純額とした影響や、巣ごもり需要の反動減などにより減収となりました。これらの結果、流通業の営業収益は687億3千6百万円(前期比 9.7%減)、営業利益は6億2千9百万円(前期比 40.8%減)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益76,13668,736△7,400△9.7 ストア事業71,69463,914△7,780△10.9 生活雑貨販売業4,4524,8323808.5 消去△9△10△0-営業利益1,062629△433△40.8 ④ 物流業国際物流事業において、海外ネットワークの拡充を進め、インドネシア、アメリカ、バングラデシュおよびメキシコに営業拠点を新設しました。また、半導体、自動車部品、食品などの取扱重点品目の営業強化に努めました。経営成績については、国際物流事業で、世界経済の改善などにより輸出入取扱高が増加し増収となりました。その結果、物流業の営業収益は1,861億6千8百万円(前期比 67.1%増)、営業利益は114億8千2百万円(前期比 200.6%増)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益111,409186,16874,75867.1 国際物流事業114,243196,20581,96171.7 国内物流事業10,04610,5775305.3 消去△12,880△20,614△7,733-営業利益3,81911,4827,662200.6 ロ 国際貨物取扱高 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%) 航空輸出千トン1181462824.0 航空輸入千件360394339.3 海運輸出千TEU ※82961417.1 海運輸入千TEU ※1091291918.0 ※TEU:20フィートの海上輸送コンテナを1単位とした換算個数 ⑤ レジャー・サービス業ホテル事業において、自動チェックイン機の導入等による少人数オペレーションを推進するなど、収益力向上に向けた構造改革に取り組みました。また、ポストコロナの観光復活に向けた取り組みとして、長期宿泊者向け客室を備えた新仕様ホテルの開業準備を進めました。 経営成績については、ホテル事業で、新型コロナウイルス感染症の影響による海外からの移動の制限や国内での移動自粛などを受けて稼働が低迷したものの、前年からは回復し増収となりました。また、娯楽事業で、遊園地「かしいかえん シルバニアガーデン」の営業終了(2021年12月30日)に伴う特需などにより増収となりました。これらの結果、レジャー・サービス業の営業収益は212億3百万円(前期比 7.8%増)、営業損失は66億2千5百万円(前期は営業損失106億3千3百万円)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益19,66221,2031,5417.8 ホテル事業14,66716,3381,671※ 11.4 旅行事業9421,32938741.2 娯楽事業3,1994,01981925.6 飲食事業2625△1△4.2 広告事業3,9592,402△1,556△39.3 その他サービス事業6,0726,085130.2 消去△9,205△8,997207-営業損失(△)△10,633△6,6254,007- ※ホテル事業の内部取引を除くと26.4%の増となります。 ⑥ その他ICカード事業において、nimocaが北九州市交通局に採用されるなど、導入事業者の拡大に努めました。 経営成績については、収益認識会計基準等の適用に伴い代理人として関与した取引について営業収益を純額とした影響などにより、その他の営業収益は301億4千6百万円(前期比 17.3%減)となりました。営業利益は、金属リサイクル事業での鉄スクラップ相場等の上昇による粗利の増加などにより17億8百万円(前期比 54.9%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益36,46430,146△6,318△17.3 ICカード事業2,4771,046△1,430△57.8 車両整備関連事業19,39812,864△6,533△33.7 建設関連事業13,13810,781△2,356△17.9 金属リサイクル事業3,8145,8051,99152.2 消去△2,363△3532,010-営業利益1,1021,70860554.9 (2) 財政状態 前連結会計年度2021年3月末(百万円)当連結会計年度2022年3月末(百万円)増減額(百万円)資産合計707,804734,50026,696負債合計537,858555,41617,558純資産合計169,946179,0849,138有利子負債345,446347,7932,347 (注)有利子負債は、借入金 + コマーシャル・ペーパー + 社債により算出しています。 資産は、現金及び預金の増加等により、前連結会計年度末に比べ266億9千6百万円増加し、7,345億円となりました。 負債は、長期借入金が減少した一方、社債や前受金の増加等により、前連結会計年度末に比べ175億5千8百万円増加し、5,554億1千6百万円となりました。 純資産は、その他有価証券評価差額金が減少した一方、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金の増加や為替換算調整勘定の増加等により、前連結会計年度末に比べ91億3千8百万円増加し、1,790億8千4百万円となりました。 有利子負債は、社債の増加等により、前連結会計年度末に比べ23億4千7百万円増加し、3,477億9千3百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー 前連結会計年度2021年3月末(百万円)当連結会計年度2022年3月末(百万円)増減額(百万円)現金及び現金同等物の期末残高51,04570,61219,567 通期増減額(百万円)2021年3月期(百万円)2022年3月期(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー△9,93930,59140,530投資活動によるキャッシュ・フロー△29,245△10,34418,901フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)△39,18520,24759,432財務活動によるキャッシュ・フロー56,751△1,676△58,427 当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ195億6千7百万円増加し、706億1千2百万円となりました。 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益161億3千8百万円、減価償却費194億1千1百万円、売上債権の増加額(支出)107億6千5百万円等により305億9千1百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ405億3千万円の収入増となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出258億9千9百万円、工事負担金等受入による収入103億1千3百万円等により、103億4千4百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ189億1百万円の支出減となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、社債の発行による収入300億円、借入金の純減による支出176億6千9百万円、コマーシャル・ペーパーの純減による支出100億円等により、16億7千6百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ584億2千7百万円の収入減となりました。 当社グループの資金調達については、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債および民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら行っています。2021年度は6月に第1・2回利払繰延条項・期限前償還条項付無担保社債( 劣後特約付 )を発行( 発行額300億円 )しました。なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しています。 資金の流動性については、当社グループは、運輸業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しています。 資金の配分方針については、手許現金及び現金同等物は、売上高の約1ヶ月分程度を安定的な経営のための適正な水準としています。 成長投資については、2021年度は「“修正”第15次中期経営計画(2019年度~2022年度)」に沿って、「福ビル街区建替プロジェクト」の大型開発やサンカルナ西新新築工事等を進めました。2022年度は「福ビル街区建替プロジェクト」の大型開発や西鉄ホテルクルーム博多祇園(仮称)新築工事などについて着実に進めてまいります。投資計画の詳細については、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。株主還元については、経営における重要課題の一つと考えており、当社は、株主の皆様への安定した利益還元を重視し、適切な内部留保の確保による財務体質及び経営基盤の強化を図りながら、安定的・継続的な配当を実施することを利益配分についての方針としています。当社の配当政策については、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご確認ください。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しています。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いていますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 また、財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。 (5) 生産、受注及び販売の実績当社グループの各事業において提供するサービスや製品は多種多様であり、同じセグメント内のサービスや製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではないため、生産、受注及び販売の実績について、セグメントごとに生産規模あるいは数量で示すことはしていません。そのため、生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しています。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 また、当社グループでは、さらなる成長に向け今後10年の方向性を示した長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2025」を策定しています。中核エリアである福岡において「交通」や「まちづくり」など地域マーケットビジネスを深化させ、まちの発展をけん引するとともに、重点開拓エリアであるアジアにおいて地域マーケットビジネスのさらなる開拓を進め、国際物流ビジネスとあわせてグローバルビジネスの拡大を目指しています。 (2) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、生産年齢人口の減少や競争の激化等もあり、先行きが不透明な状況が続くものと予想されます。 このような状況のもと、当社グループでは、引き続き、第14次中期経営計画の達成に向け、重点戦略に基づく各施策を着実に推し進め、成長基盤を確立してまいります。特に、天神地区の機能更新への本格着手など地域マーケットビジネスの深化、首都圏やアジア等の域外への更なる事業展開の推進、国際物流ビジネスの拡大に取り組んでまいります。また、成長実現のための体制整備、特に人材の確保・育成、組織風土の改善(従業員のやりがい醸成)に積極的に取り組むほか、ICTの活用・研究を進め、新規事業の創出や既存事業の強化、また、業務改善や生産性向上に活かしてまいります。さらに、安全を最優先とした企業運営、コンプライアンス体制の推進・改善等CSR経営を推進してまいります。 なお、各セグメントにおける具体的な取り組みにつきましては、次のとおりです。 ① 運輸業鉄道事業では、高架橋の耐震強化工事や列車運行管理装置の代替を進めるとともに、西鉄福岡(天神)駅においてホームドア設置に向けた準備を進めるなど、安全を最優先した輸送サービスの提供に取り組んでまいります。また、太宰府駅のリニューアルを進めるなど、駅施設の魅力および利便性の向上を図ってまいります。さらに、新型観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の2019年春の運行開始に向けた取り組みを進めてまいります。 バス事業では、乗務員の健康に起因する事故の防止等に取り組むなど、引き続き安全性の向上に努めてまいります。また、都心部における運行効率を高める路線再編の実施や自治体との連携推進等により、交通ネットワークの維持・拡充に努めてまいります。さらに、利用者の多いバス停に、よりわかりやすい行き先案内や時刻表を掲示する取り組みを進めるほか、福岡空港国際線ターミナルにおいてバスの案内窓口機能を強化するなど、インバウンド需要の取り込みを推進してまいります。そのほか、営業所の建て替え等による職場環境改善を図るなど、安定した労働力の確保に努めてまいります。 ② 不動産業賃貸事業では、「大橋西鉄名店街」や西鉄福岡(天神)駅外コンコースの店舗部分のリニューアルを進めるなど、収益力の強化を図ってまいります。また、「福ビル街区」再開発への対応等、天神地区の機能更新に向けた取り組みを強化してまいります。 住宅事業では、アイランドシティにおける分譲マンションやシニアマンション等の複合開発を進めるほか、首都圏において分譲マンション「ブラントン日本橋大伝馬町」の販売や新規物件の開発をさらに推進してまいります。また、有料老人ホーム「サンカルナ」シリーズに加え、シニアマンションの新たな業態として、サービス付き高齢者向け住宅の展開を進めてまいります。さらに、ベトナムおよびインドネシアに加え、米国テキサス州においても新たな開発を進めてまいります。 ③ 流通業ストア事業では、既存店舗を地域特性に合った店舗にリニューアルするなど、競争力の強化に努めてまいります。また、店舗従業員が意見を出し合い、店内作業の改善活動を行うなど、生産性の向上を図ってまいります。 生活雑貨販売業では、「雑貨館インキューブ」の新規出店を進めるなど、収益力の強化に努めてまいります。 ④ 物流業国際物流事業では、ニュージーランドやフランス等に営業拠点の開設を進めるなど、国際物流ネットワークの拡充を図ってまいります。また、航空貨物、海運およびロジスティクスの各事業の連携を強化するなど、収益力の向上に努めてまいります。 ⑤ レジャー・サービス業ホテル事業では、クルームブランド2号店となる「西鉄ホテルクルーム名古屋(仮称)」の開業準備や「ソラリア西鉄ホテルバンコク(仮称)」の建設を進めてまいります。また、福岡において「ソラリア西鉄ホテル」の客室およびレストランのリニューアルを行うなど、競争力の強化に努めてまいります。 ⑥ その他各事業におきまして、営業活動の強化と業務の効率化を図ってまいります。 (3) 目標とする経営指標「西鉄グループ第14次中期経営計画」(2016年度~2018年度)において設定した数値目標及び、当連結会計年度(2018年3月期)の実績は次のとおりです。当社グループでは、目標の達成に向け、引き続き計画の着実な実施に取り組んでまいります。 2019年3月期 計画2018年3月期 実績連結営業収益4,000 億円3,752 億円連結営業利益210 億円204 億円ROA(総資産営業利益率) (注)1 4.0 %4.0 %ROE(株主資本当期純利益率)7.5 %7.2 %EBITDA (注)2430 億円410 億円有利子負債/EBITDA倍率5.7 倍5.3 倍 (注)1.総資産はその他有価証券の時価評価による影響額及び鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。 2.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) (4) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針① 基本方針の内容の概要当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えます。 当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案についての判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。 しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。 当社株式の買付けを行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。当社は、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。 ② 基本方針実現のための取組みの具体的内容の概要ア.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要変化の激しい時代にあって、当社が企業価値を安定的かつ持続的に向上させていくためには、地域の交通機関として利用者および地域社会に支持され、より存在感のある企業グループとして発展していくことが必要です。そのために、当社は、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、①お客さまの期待に応え、何より安全で、良質なサービスを提供し続けていくこと、②人間性を尊重し、人を活かし育む「人を活かす経営」を実践していくこと、③時代の要請を的確にとらえ、社会の共感を得られる新しい事業価値を創造していくこと、④個性や自立性を尊重し、連携、協働しあってグループの総合力を発揮していくことに努めております。 当社グループは、2016年3月に、次の10年の目指す姿を描いた長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2025」を策定しました。地域マーケットビジネスでは、中核エリアの福岡において、地域と連携した利便性の高い交通の提供や、人が集うまちづくりへの取り組み等を進め、福岡のまちの発展をけん引してまいります。一方、重点開拓エリアであるアジアにおいては、国際物流ビジネスの拠点・人材を活かしながらグループ事業を展開し、首都圏マーケットにおいても、ホテルや住宅事業等を展開してまいります。さらに、国際物流ビジネスにおいて、グローバルネットワークの拡充等に取り組み、アジアを中心とするグローバルビジネスを拡大してまいります。また、これらを達成するために必要な要素である、チャレンジ精神・グローバル感覚を高める仕組みづくりや事業環境の変化に対応した事業の新陳代謝、CSR経営の推進及び内部統制の強化等に取り組んでまいります。 また、長期ビジョンの策定とあわせて、「第14次中期経営計画(2016~2018年度)」を策定しました。基本方針を「まち夢ビジョン2025の実現に向けて、既存事業の深化とグローバル市場での事業拡大を推し進め、“次のにしてつ”へ向けて一歩踏み出す。」とし、重点戦略として、「地域マーケットビジネスの深化」「地域マーケットビジネスの域外展開の加速」「国際物流ビジネスの拡大」「成長実現のための体制整備」の4つを掲げております。長期ビジョンの実現に向けて、更なる成長を加速させる施策を展開すると同時に、次期中計以降に控える大型投資の実行に備え、キャッシュ創出力の拡大、相当程度の財務の健全性の確保を図ってまいります。 また、これらの戦略実行の基盤として、安全を最優先とした事業運営、コンプライアンス体制の推進・改善、環境問題への取り組み等CSR経営を引き続き推進してまいります。 そのほか、当社は、2016年6月、重要な業務執行の決定を幅広く取締役へ委任することを通じて、迅速な経営の意思決定を実現するとともに業務執行に対する取締役会の監督機能を強化するため、監査等委員会設置会社へ移行しました。業務執行を行う経営陣から独立した社外取締役を3名(うち監査等委員である取締役1名)選任し、当社経営に対する監督・監視機能の充実を図るなど、コーポレートガバナンスの一層の強化を図っております。 イ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要当社は、2018年5月9日開催の取締役会において、株主の皆様の承認を条件として、「当社株式の大量取得行為に関する対応策」を従前の内容を一部改定のうえ更新することを決議し、同年6月28日開催の第178期定時株主総会(以下「第178期定時株主総会」といいます。)において、当該対応策を更新することの承認を得ております(以下、変更後の当該対応策を「本プラン」といいます。)。 当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としています。本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。 買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。 買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株券等の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合等には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件および当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権に係る新株予約権無償割当てその他の法令および当社定款の下でとりうる合理的な施策を実施します。 本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使または当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、約2分の1まで希釈化される可能性があります。 当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には、株主意思確認総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することがあります。 こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしております。 本プランの有効期間は、原則として、第178期定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。 ③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由当社のにしてつグループまち夢ビジョン2025、第14次中期経営計画およびコーポレートガバナンスの強化のための上記施策は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに上記基本方針の実現に資するものです。したがって、これらの取組みは、上記基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。 また、本プランは、当社株券等に対する買付等がなされた際に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、同じく上記基本方針に沿うものです。さらに、本プランは、「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を全て充足していること、第178期定時株主総会において株主の承認を得たうえ更新されたものであること、本プランの発動に際しての実質的な判断は、経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会により行われること、独立委員会は当社の費用で独立した第三者専門家等の助言を受けることができるものとされていること、本プランの内容として発動に関する合理的かつ客観的な要件が設定されていること、有効期間が約3年間と定められたうえ、当社株主総会により廃止できるものとされていること、さらに、監査等委員会設置会社では、監査等委員でない取締役の任期は1年と定められていること等により、その公正性・客観性が担保されております。したがって、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社グループは、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、鉄道・バスの運輸業を軸に、地域に密着した多様な事業を展開しています。 また、当社グループでは、さらなる成長に向け今後10年の方向性を示した長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2025」を策定しています。中核エリアである福岡において「交通」や「まちづくり」など地域マーケットビジネスを深化させ、まちの発展をけん引するとともに、重点開拓エリアであるアジアにおいて地域マーケットビジネスのさらなる開拓を進め、国際物流ビジネスとあわせてグローバルビジネスの拡大を目指しています。 (2) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、生産年齢人口の減少や競争の激化等もあり、先行きが不透明な状況が続くものと予想されます。 このような状況のもと、当社グループでは、引き続き、第14次中期経営計画の達成に向け、重点戦略に基づく各施策を着実に推し進め、成長基盤を確立してまいります。特に、天神地区の機能更新への本格着手など地域マーケットビジネスの深化、首都圏やアジア等の域外への更なる事業展開の推進、国際物流ビジネスの拡大に取り組んでまいります。また、成長実現のための体制整備、特に人材の確保・育成、組織風土の改善(従業員のやりがい醸成)に積極的に取り組むほか、ICTの活用・研究を進め、新規事業の創出や既存事業の強化、また、業務改善や生産性向上に活かしてまいります。さらに、安全を最優先とした企業運営、コンプライアンス体制の推進・改善等CSR経営を推進してまいります。 なお、各セグメントにおける具体的な取り組みにつきましては、次のとおりです。 ① 運輸業鉄道事業では、高架橋の耐震強化工事や列車運行管理装置の代替を進めるとともに、西鉄福岡(天神)駅においてホームドア設置に向けた準備を進めるなど、安全を最優先した輸送サービスの提供に取り組んでまいります。また、太宰府駅のリニューアルを進めるなど、駅施設の魅力および利便性の向上を図ってまいります。さらに、新型観光列車「THE RAIL KITCHEN CHIKUGO」の2019年春の運行開始に向けた取り組みを進めてまいります。 バス事業では、乗務員の健康に起因する事故の防止等に取り組むなど、引き続き安全性の向上に努めてまいります。また、都心部における運行効率を高める路線再編の実施や自治体との連携推進等により、交通ネットワークの維持・拡充に努めてまいります。さらに、利用者の多いバス停に、よりわかりやすい行き先案内や時刻表を掲示する取り組みを進めるほか、福岡空港国際線ターミナルにおいてバスの案内窓口機能を強化するなど、インバウンド需要の取り込みを推進してまいります。そのほか、営業所の建て替え等による職場環境改善を図るなど、安定した労働力の確保に努めてまいります。 ② 不動産業賃貸事業では、「大橋西鉄名店街」や西鉄福岡(天神)駅外コンコースの店舗部分のリニューアルを進めるなど、収益力の強化を図ってまいります。また、「福ビル街区」再開発への対応等、天神地区の機能更新に向けた取り組みを強化してまいります。 住宅事業では、アイランドシティにおける分譲マンションやシニアマンション等の複合開発を進めるほか、首都圏において分譲マンション「ブラントン日本橋大伝馬町」の販売や新規物件の開発をさらに推進してまいります。また、有料老人ホーム「サンカルナ」シリーズに加え、シニアマンションの新たな業態として、サービス付き高齢者向け住宅の展開を進めてまいります。さらに、ベトナムおよびインドネシアに加え、米国テキサス州においても新たな開発を進めてまいります。 ③ 流通業ストア事業では、既存店舗を地域特性に合った店舗にリニューアルするなど、競争力の強化に努めてまいります。また、店舗従業員が意見を出し合い、店内作業の改善活動を行うなど、生産性の向上を図ってまいります。 生活雑貨販売業では、「雑貨館インキューブ」の新規出店を進めるなど、収益力の強化に努めてまいります。 ④ 物流業国際物流事業では、ニュージーランドやフランス等に営業拠点の開設を進めるなど、国際物流ネットワークの拡充を図ってまいります。また、航空貨物、海運およびロジスティクスの各事業の連携を強化するなど、収益力の向上に努めてまいります。 ⑤ レジャー・サービス業ホテル事業では、クルームブランド2号店となる「西鉄ホテルクルーム名古屋(仮称)」の開業準備や「ソラリア西鉄ホテルバンコク(仮称)」の建設を進めてまいります。また、福岡において「ソラリア西鉄ホテル」の客室およびレストランのリニューアルを行うなど、競争力の強化に努めてまいります。 ⑥ その他各事業におきまして、営業活動の強化と業務の効率化を図ってまいります。 (3) 目標とする経営指標「西鉄グループ第14次中期経営計画」(2016年度~2018年度)において設定した数値目標及び、当連結会計年度(2018年3月期)の実績は次のとおりです。当社グループでは、目標の達成に向け、引き続き計画の着実な実施に取り組んでまいります。 2019年3月期 計画2018年3月期 実績連結営業収益4,000 億円3,752 億円連結営業利益210 億円204 億円ROA(総資産営業利益率) (注)1 4.0 %4.0 %ROE(株主資本当期純利益率)7.5 %7.2 %EBITDA (注)2430 億円410 億円有利子負債/EBITDA倍率5.7 倍5.3 倍 (注)1.総資産はその他有価証券の時価評価による影響額及び鉄道の受託工事前受金相当額を除いて算出しています。 2.EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費(営業費) (4) 当社の財務および事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針① 基本方針の内容の概要当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保・向上していくことを可能とする者である必要があると考えます。 当社は、当社株式について大量買付がなされる場合、これが当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案についての判断は、最終的には株主の皆様全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。 しかしながら、株式の大量買付の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。 当社株式の買付けを行う者が当社の企業価値の源泉を理解し、これらを中長期的に確保し、向上させられるのでなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益は毀損されることになります。当社は、このような当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えております。 ② 基本方針実現のための取組みの具体的内容の概要ア.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要変化の激しい時代にあって、当社が企業価値を安定的かつ持続的に向上させていくためには、地域の交通機関として利用者および地域社会に支持され、より存在感のある企業グループとして発展していくことが必要です。そのために、当社は、「『出逢いをつくり、期待をはこぶ』事業を通して、“あんしん”と“かいてき”と“ときめき”を提供しつづけ、地域とともに歩み、ともに発展します。」という「にしてつグループの企業理念」に基づき、①お客さまの期待に応え、何より安全で、良質なサービスを提供し続けていくこと、②人間性を尊重し、人を活かし育む「人を活かす経営」を実践していくこと、③時代の要請を的確にとらえ、社会の共感を得られる新しい事業価値を創造していくこと、④個性や自立性を尊重し、連携、協働しあってグループの総合力を発揮していくことに努めております。 当社グループは、2016年3月に、次の10年の目指す姿を描いた長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2025」を策定しました。地域マーケットビジネスでは、中核エリアの福岡において、地域と連携した利便性の高い交通の提供や、人が集うまちづくりへの取り組み等を進め、福岡のまちの発展をけん引してまいります。一方、重点開拓エリアであるアジアにおいては、国際物流ビジネスの拠点・人材を活かしながらグループ事業を展開し、首都圏マーケットにおいても、ホテルや住宅事業等を展開してまいります。さらに、国際物流ビジネスにおいて、グローバルネットワークの拡充等に取り組み、アジアを中心とするグローバルビジネスを拡大してまいります。また、これらを達成するために必要な要素である、チャレンジ精神・グローバル感覚を高める仕組みづくりや事業環境の変化に対応した事業の新陳代謝、CSR経営の推進及び内部統制の強化等に取り組んでまいります。 また、長期ビジョンの策定とあわせて、「第14次中期経営計画(2016~2018年度)」を策定しました。基本方針を「まち夢ビジョン2025の実現に向けて、既存事業の深化とグローバル市場での事業拡大を推し進め、“次のにしてつ”へ向けて一歩踏み出す。」とし、重点戦略として、「地域マーケットビジネスの深化」「地域マーケットビジネスの域外展開の加速」「国際物流ビジネスの拡大」「成長実現のための体制整備」の4つを掲げております。長期ビジョンの実現に向けて、更なる成長を加速させる施策を展開すると同時に、次期中計以降に控える大型投資の実行に備え、キャッシュ創出力の拡大、相当程度の財務の健全性の確保を図ってまいります。 また、これらの戦略実行の基盤として、安全を最優先とした事業運営、コンプライアンス体制の推進・改善、環境問題への取り組み等CSR経営を引き続き推進してまいります。 そのほか、当社は、2016年6月、重要な業務執行の決定を幅広く取締役へ委任することを通じて、迅速な経営の意思決定を実現するとともに業務執行に対する取締役会の監督機能を強化するため、監査等委員会設置会社へ移行しました。業務執行を行う経営陣から独立した社外取締役を3名(うち監査等委員である取締役1名)選任し、当社経営に対する監督・監視機能の充実を図るなど、コーポレートガバナンスの一層の強化を図っております。 イ.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要当社は、2018年5月9日開催の取締役会において、株主の皆様の承認を条件として、「当社株式の大量取得行為に関する対応策」を従前の内容を一部改定のうえ更新することを決議し、同年6月28日開催の第178期定時株主総会(以下「第178期定時株主総会」といいます。)において、当該対応策を更新することの承認を得ております(以下、変更後の当該対応策を「本プラン」といいます。)。 当社取締役会は、基本方針に定めるとおり、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株券等の大量買付を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考えています。本プランは、こうした不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としています。本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。 買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株券等の大量買付を行うことができるものとされています。 買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株券等の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プラン所定の発動要件を満たす場合等には、当社は、買収者等による権利行使は原則として認められないとの行使条件および当社が買収者等以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権に係る新株予約権無償割当てその他の法令および当社定款の下でとりうる合理的な施策を実施します。 本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使または当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、買収者の有する当社の議決権割合は、約2分の1まで希釈化される可能性があります。 当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施または取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プラン所定の場合には、株主意思確認総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することがあります。 こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示がなされ、その透明性を確保することとしております。 本プランの有効期間は、原則として、第178期定時株主総会終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する定時株主総会の終結の時までです。 ③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由当社のにしてつグループまち夢ビジョン2025、第14次中期経営計画およびコーポレートガバナンスの強化のための上記施策は、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに上記基本方針の実現に資するものです。したがって、これらの取組みは、上記基本方針に沿い、当社の株主共同の利益に合致するものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。 また、本プランは、当社株券等に対する買付等がなされた際に、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる目的をもって導入されたものであり、同じく上記基本方針に沿うものです。さらに、本プランは、「企業価値・株主共同の利益の確保または向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則を全て充足していること、第178期定時株主総会において株主の承認を得たうえ更新されたものであること、本プランの発動に際しての実質的な判断は、経営陣から独立した社外取締役等のみから構成される独立委員会により行われること、独立委員会は当社の費用で独立した第三者専門家等の助言を受けることができるものとされていること、本プランの内容として発動に関する合理的かつ客観的な要件が設定されていること、有効期間が約3年間と定められたうえ、当社株主総会により廃止できるものとされていること、さらに、監査等委員会設置会社では、監査等委員でない取締役の任期は1年と定められていること等により、その公正性・客観性が担保されております。したがって、本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。(1) 経営成績(連結経営成績)当連結会計年度におけるわが国の経済は、企業業績の堅調な推移や雇用情勢の着実な改善等により、緩やかな回復基調が継続しましたが、先行きについては、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響が懸念されます。このような情勢のなか、当社グループでは、長期ビジョン「にしてつグループまち夢ビジョン2025」実現の第一歩となる第14次中期経営計画の達成に向け、「地域マーケットビジネスの深化」「地域マーケットビジネスの域外展開の加速」「国際物流ビジネスの拡大」「成長実現のための体制整備」の4つの重点戦略に取り組みました。その結果、当連結会計年度の経営成績は以下のとおりとなりました。 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益358,273375,15316,8794.7営業利益19,35420,4301,0765.6経常利益19,15520,7041,5488.1親会社株主に帰属する当期純利益12,17911,562△617△5.1 なお、連結損益計算書の主要項目ごとの前連結会計年度との主な増減要因等は、次のとおりです。 ① 営業収益及び営業利益当連結会計年度の営業収益は、物流業、不動産業およびレジャー・サービス業などで増収となったことから、前連結会計年度から168億7千9百万円増加し、3,751億5千3百万円(前期比 4.7%増)となりました。営業利益は、前連結会計年度から10億7千6百万円増加し、204億3千万円(前期比 5.6%増)となりました。なお、セグメントごとの営業収益及び営業利益は、次のとおりです。 セグメントの名称営業収益営業利益前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減率(%)運輸業86,30588,0232.06,1595,546△10.0不動産業55,57461,58610.88,3308,174△1.9流通業81,79680,560△1.51,050937△10.8物流業82,30489,1468.32,2042,78226.2レジャー・サービス業39,83844,57511.91,1442,12285.5計345,818363,8935.218,88919,5623.6その他47,11248,0151.91,6092,00124.3調整額△34,657△36,755-△1,144△1,133-連結358,273375,1534.719,35420,4305.6 なお、「第2 事業の状況」及び「第3 設備の状況」について、特に記載のない限り消費税等抜きで記載しています。 ② 営業外損益及び経常利益営業外収益は、海外住宅投資に伴う受取配当金が増加したことなどにより、前連結会計年度から5億4百万円増加し、25億7千9百万円となりました。営業外費用は、前連結会計年度から3千2百万円増加し、23億5百万円となりました。この結果、経常利益は、前連結会計年度から15億4千8百万円増加し、207億4百万円(前期比 8.1%増)となりました。 ③ 特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益特別利益は、固定資産売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度から12億5千9百万円減少し、24億3千4百万円となりました。特別損失は、減損損失が増加したことなどにより、前連結会計年度から18億1千9百万円増加し、57億4千5百万円となりました。この結果、税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度から15億3千万円減少し、173億9千3百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度から6億1千7百万円減少し、115億6千2百万円(前期比5.1%減)となりました。 (セグメント別概況)① 運輸業鉄道事業では、西鉄福岡(天神)駅~大橋駅間高架橋の耐震強化工事を進めるなど、安全性の向上に努めました。また、観光列車「旅人」「水都」のリニューアルを行うなど、さらなる観光客の取り込みを図りました。さらに、新型車両9000形への代替を進めたほか、2017年8月にダイヤ改正を実施し大橋駅を特急停車駅とするなど、利便性の向上を図りました。バス事業では、乗務員の運転特性の分析に基づく教育方法を導入するなど、安全性の向上に努めました。また、西鉄香椎駅や高宮駅への乗り入れを開始したほか、連節バスの増便を実施するなど、交通ネットワークの維持・拡充を図りました。さらに、「SUNQパス」等の海外での販売促進に努めたほか、博多駅から福岡空港国際線ターミナルへのアクセスを増強するなど、インバウンド需要の拡大に対応した取り組みを行いました。以上により、運輸業の営業収益は880億2千3百万円(前期比 2.0%増)、営業利益は、鉄道事業において新型車両9000形の導入に伴い費用が増加したことや、バス事業において軽油価格の上昇に伴い動力費が増加したことなどから、55億4千6百万円(前期比 10.0%減)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益86,30588,0231,7182.0 鉄道事業22,51022,6471370.6 バス事業62,42463,5311,107※ 1.8 タクシー事業4,2454,3701252.9 運輸関連事業5,4705,542721.3 消去△8,345△8,068276-営業利益6,1595,546△613△10.0 ※バス事業の内部取引を除くと2.7%の増となります。 ロ 提出会社の鉄道事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365-営業キロキロ106.1106.1-走行キロ千キロ39,87839,841△0.1旅客人員定期千人55,68056,6671.8定期外千人46,22946,7581.1計千人101,909103,4261.5旅客収入定期百万円7,4597,5891.8定期外百万円12,61912,6710.4計百万円20,07820,2610.9手小荷物・その他収入百万円00△35.0運輸雑収百万円1,3671,347△1.5運輸収入合計百万円21,44621,6090.8乗車効率 (注)%29.129.3- ハ 提出会社のバス事業の運輸成績種別単位前連結会計年度当連結会計年度増減率(%)営業日数日365365-営業キロキロ4,427.64,419.1△0.2走行キロ千キロ91,28988,759△2.8旅客人員定期千人77,87077,593△0.4定期外千人111,526115,6683.7計千人189,395193,2612.0旅客収入定期百万円8,4218,409△0.1定期外百万円25,79326,6183.2計百万円34,21435,0282.4手荷物・その他収入百万円21△12.5運輸雑収百万円3,5173,98113.2運輸収入合計百万円37,73339,0113.4乗車効率 (注)%19.120.0- (注)乗車効率算出方式延人キロ×100 1車平均定員×走行キロ ② 不動産業賃貸事業では、「ソラリアプラザ」および「エマックス・クルメ」をリニューアルしたほか、「ソラリアステージ」にレンタルスペース「SPACE on the Station」を開業するなど、収益力と集客力の強化に努めました。住宅事業では、「サンリヤン箱崎九大前ステーションレジデンス」等の分譲マンション299戸、「あすみ」等の戸建住宅や土地あわせて190区画、リノベーションマンション37戸を販売しました。また、ベトナムおよびインドネシアにおいて分譲マンションおよび戸建住宅を他社と共同で開発、販売しました。さらに、2017年11月に開業した「サンカルナテラス三国が丘駅前」等のシニアマンションの充足に努めました。以上により、不動産業の営業収益は、615億8千6百万円(前期比 10.8%増)、営業利益は、住宅事業において分譲マンションの販売費が増加したことなどにより81億7千4百万円(前期比 1.9%減)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益55,57461,5866,01110.8 賃貸事業26,88726,649△237△0.9 住宅事業20,31525,8515,53527.2 その他不動産事業11,75412,5017466.4 消去△3,382△3,415△33-営業利益8,3308,174△156△1.9 ロ 分譲販売区画数 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)分譲販売区画数区画490526367.3 マンション戸2632993613.7 戸建区画193190△3△1.6 リノベーション戸343738.8 ③ 流通業ストア事業では、㈱西鉄ストアと㈱あんくるふじやを合併し、仕入の統合および管理部門の集約等により効率化を図るなど、収益力の強化に努めました。また、より魅力的な売場づくりのモデルとして「スピナマート高見店」を「スピナラソリエ」にリニューアルしました。生活雑貨販売業では、「雑貨館インキューブ」を千葉県および滋賀県に出店するなど、収益力の強化に努めました。しかしながら、ストア事業において、建替えによる一部店舗の休業などで減収となったことにより、流通業の営業収益は805億6千万円(前期比 1.5%減)、営業利益は9億3千7百万円(前期比 10.8%減)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益81,79680,560△1,236△1.5 ストア事業 ※179,32876,000△3,328※2 △4.2 生活雑貨販売業 ※14,2344,5603257.7 消去△1,766-1,766-営業利益1,050937△113△10.8 ※1 従来、「ストア事業」に区分していた㈱インキューブ西鉄は、重要性が増したため「生活雑貨販売業」として事業セグメントを変更し、当連結会計年度の期首より組替えています。当該変更を反映させるため、前連結会計年度において、同様に組替えています。※2 ストア事業の内部取引を除くと2.0%の減となります。 ④ 物流業国際物流事業では、オーストラリアやインドネシア等において営業拠点を開設するなど、国際物流ネットワークの拡充に努めました。また、海運事業において船会社との包括契約により輸送原価の低減を図るなど、競争力の強化に努めました。以上により、物流業の営業収益は891億4千6百万円(前期比 8.3%増)、営業利益は27億8千2百万円(前期比 26.2%増)となりました。 イ 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益82,30489,1466,8428.3 国際物流事業81,61690,4728,85610.9 国内物流事業9,80510,4486436.6 消去△9,117△11,774△2,656-営業利益2,2042,78257826.2 ロ 国際貨物取扱高 単位前連結会計年度当連結会計年度増減増減率(%)航空輸出千トン12813686.4航空輸入千件39440392.5海運輸出千TEU ※656823.7海運輸入千TEU ※818879.1 ※TEU:20フィートの海上輸送コンテナを1単位とした換算個数 ⑤ レジャー・サービス業ホテル事業では、「ソラリア西鉄ホテル京都プレミア 三条鴨川」および海外2号店となる「ソラリア西鉄ホテル釜山」を開業しました。また、「西鉄イン日本橋」および「西鉄イン福岡」やソラリアリゾートシップ「マリエラ」のリニューアルを行うなど、競争力の強化に努めました。旅行事業では、新規出店を進めるとともに、WEB販売やインバウンド商品の販売を強化するなど、収益力の向上に努めました。娯楽事業では、遊園地「かしいかえんシルバニアガーデン」において、パークゴルフ場を新設したほか、プロジェクションマッピングを用いたイルミネーションを実施するなど、施設の魅力向上を図りました。また、水族館「マリンワールド海の中道」は、2017年4月にリニューアルオープンしました。以上により、レジャー・サービス業の営業収益は445億7千5百万円(前期比 11.9%増)、営業利益は21億2千2百万円(前期比 85.5%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益39,83844,5754,73711.9 ホテル事業24,07026,9952,924※ 12.1 旅行事業3,7253,798722.0 娯楽事業3,3995,1591,76051.8 飲食事業3,9114,0301193.1 広告事業6,9466,913△33△0.5 その他サービス事業6,0017,2641,26321.0 消去△8,217△9,586△1,369-営業利益1,1442,12297885.5 ※ホテル事業の内部取引を除くと11.1%の増となります。 ⑥ その他ICカード事業では、ICカード「nimoca」と全日本空輸㈱のクレジットカード「ANAカード」の機能を一体化した「ANA VISA nimocaカード」を発行するなど、利便性の向上に努めました。また、車両整備関連事業等の各事業において、積極的な営業活動に努めました。以上により、その他の営業収益は480億1千5百万円(前期比 1.9%増)、営業利益は20億1百万円(前期比 24.3%増)となりました。 業種別営業成績 前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)増減額(百万円)増減率(%)営業収益47,11248,0159031.9 ICカード事業1,7361,062△674△38.8 車両整備関連事業29,74128,648△1,093△3.7 建設関連事業13,14616,6713,52426.8 金属リサイクル事業3,3734,6531,27937.9 消去△886△3,020△2,133-営業利益1,6092,00139124.3 (2) 財政状態 前連結会計年度2017年3月末(百万円)当連結会計年度2018年3月末(百万円)増減額(百万円)資産合計523,179568,99945,819負債合計355,632387,61331,980純資産合計167,547181,38513,838社債及び借入金197,421215,80218,381 資産は、有形固定資産や投資有価証券、受取手形及び売掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ458億1千9百万円増加し、5,689億9千9百万円となりました。負債は、社債や支払手形及び買掛金の増加等により、前連結会計年度末に比べ319億8千万円増加し、3,876億1千3百万円となりました。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等による利益剰余金やその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ138億3千8百万円増加し、1,813億8千5百万円となりました。社債及び借入金は、第47回無担保社債の発行等により、前連結会計年度末に比べ183億8千1百万円増加し、2,158億2百万円となりました。 (3) キャッシュ・フロー 前連結会計年度2017年3月末(百万円)当連結会計年度2018年3月末(百万円)増減額(百万円)現金及び現金同等物の期末残高32,03832,275237 通期増減額(百万円)2017年3月期(百万円)2018年3月期(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー21,08327,4096,326投資活動によるキャッシュ・フロー△30,272△41,596△11,323フリー・キャッシュ・フロー(営業活動+投資活動)△9,189△14,187△4,997財務活動によるキャッシュ・フロー3,77214,27310,500 ① キャッシュ・フロー概況当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ2億3千7百万円増加し、322億7千5百万円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益173億9千3百万円、減価償却費203億9千万円、たな卸資産の増加額(支出)65億3百万円、法人税等の支払額65億7千9百万円等により、274億9百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ63億2千6百万円の収入増となりました。投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出465億8百万円、投資有価証券の取得による支出48億9千9百万円、工事負担金等受入による収入80億5千万円等により、415億9千6百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ113億2千3百万円の支出増となりました。その結果、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合わせたフリー・キャッシュ・フローは、141億8千7百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ49億9千7百万円の支出増となりました。財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の純増による収入22億2千8百万円、社債の純増による収入160億円、配当金の支払額27億6千4百万円等により、142億7千3百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ105億円の収入増となりました。 ② 資本の財源及び資金の流動性について(設備投資による資本の投下)当社グループは、運輸業において安全対策に着実に取り組むほか、不動産業、レジャー・サービス業等において、今後の成長を見据えた投資を行っています。当連結会計年度においては、総額400億8千万円の設備投資を実施しました。なお、各セグメントの設備投資等の概要については「第3 設備の状況」の「1 設備投資等の概要」に記載しています。 (資金調達)当社グループの資金調達は、鉄道事業における設備投資に対する㈱日本政策投資銀行からの借入金のほか、社債及び民間金融機関からの借入金など、市場環境や金利動向等を総合的に勘案しながら行っています。なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュマネジメントシステム(CMS)を導入しています。(資金の流動性)当社グループは、運輸業や流通業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しています。 (4) 生産、受注及び販売の実績当社グループの各事業において提供するサービスや製品は多種多様であり、同じセグメント内のサービスや製品であっても、その内容、形式等は必ずしも一様ではないため、生産、受注及び販売の実績について、セグメントごとに生産規模あるいは数量で示すことはしていません。そのため、生産、受注及び販売の状況については、「(1) 経営成績」における各セグメント業績に関連付けて示しています。