9033

広島電鉄(9033)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 多角的な事業展開
    広島電鉄グループは、電車やバスなどの運輸事業を核に、物品販売の流通、不動産の賃貸・販売、建設、そして飲食やレジャー施設運営といった多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存せず、地域社会の様々なニーズに応えることで安定した収益基盤を築いています。
  • 地域密着型ビジネス
    主要な事業活動は広島県西部地域に集中しており、地域住民の生活に密着したサービスを提供しています。運輸事業では通勤・通学・観光客の移動を支え、不動産や流通、レジャー事業を通じて地域の活性化にも貢献し、地域経済の成長と共に自社の収益を拡大するビジネスモデルです。
  • 公共交通と周辺事業の連携
    鉄軌道や自動車といった公共交通機関を運営する一方で、その利用者や地域住民をターゲットとした流通(物品販売)や不動産(賃貸・販売)、レジャー(飲食・ゴルフ・ボウリング)事業を展開しています。これにより、グループ内で顧客を循環させ、相乗効果を生み出すことで収益の最大化を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 運輸事業
    売上209.88億円、営業利益-31.1億円。電車、バス、索道(ロープウェイ)、海上運送、航空運送代理、ハイヤーといった多様な交通手段を提供しています。G7広島サミット開催で注目された宮島への観光客輸送も担うなど、地域住民の生活と観光を支える基幹事業ですが、最新年度は赤字となっています。
  • 不動産事業
    売上52.29億円、営業利益15.84億円。不動産の賃貸と販売を手掛けており、グループ内で最も高い営業利益を上げています。広島市や呉市とその近郊に集中する営業拠点・施設を活用し、安定した収益源としてグループ全体の経営を支える重要な事業です。
  • 建設事業
    売上54.81億円、営業利益2.45億円。土木・建築業や電気通信工事業を展開しています。グループ内の施設建設や改修工事だけでなく、外部からの受注も手掛けることで、安定した収益を確保しています。地域のインフラ整備にも貢献する事業です。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Transportation 事業 210 -31 -14.8%
Logistics 事業 12 0 0.3%
RealEstate 事業 52 16 30.3%
Construction 事業 55 2 4.5%
LeisureAndService 事業 9 -1 -8.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|567 文字
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社、連結子会社13社及び持分法適用会社3社で構成されております。セグメントごとの主な事業内容と当社及び主要な関係会社の当該事業における位置付け等は、次のとおりであります。 (1) 運輸部門事業の内容会社名鉄軌道事業当社自動車事業当社、備北交通㈱※1、エイチ・ディー西広島㈱※1、芸陽バス㈱※1索道業広島観光開発㈱※1海上運送業宮島松大汽船㈱※1航空運送代理業広電エアサポート㈱※1ハイヤー業ひろでんモビリティサービス㈱※1 (2) 流通部門事業の内容会社名物品販売業㈱広電宮島ガーデン※1 (3) 不動産部門事業の内容会社名不動産賃貸業当社、㈱交通会館※1、㈱広島バスセンター※2不動産販売業当社 (4) 建設部門事業の内容会社名土木・建築業広電建設㈱※1、㈱A&C※1電気通信工事業大亜工業㈱※2 (5) レジャー・サービス部門事業の内容会社名飲食業㈱広電宮島ガーデン※1、㈱A&C※1ボウリング業㈱ヒロデンプラザ※1ゴルフ業㈱グリーンバーズ・ヒロデン※1旅行業㈱たびまちゲート広島※2ホテル業㈱A&C※1 (注) 1 ※1 連結子会社2 ※2 持分法適用の関連会社 以上に記載した事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注) 1 ※1 連結子会社2 ※2 持分法適用の関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
鉄軌道事業、自動車事業において運賃の上限等、法令に基づく許可、認可が必要。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
鉄道事業法、軌道法、道路運送法、建築基準法等の各種法令の適用と許可・認可。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:自然災害・感染症の拡大 / 運輸部門における事故 / 広島県西部地域の経済情勢の変化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

広島電鉄は地域における長年の歴史と公共交通機関としての信頼性を有しており、ブランド価値は一定程度存在する。しかし、特許や独占的IPといった明確な無形資産の強みは限定的である。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

広島市とその近郊の住民にとって、広島電鉄の路面電車やバスは生活に不可欠な移動手段であり、代替交通手段への乗り換えには時間的・金銭的コストが発生する。特に高齢者や学生など、日常的に利用する層にとってはスイッチング・コストは高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

広島電鉄の事業には、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は基本的に見られない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

公共交通インフラの維持・更新には巨額の投資が必要であり、新規参入のハードルは高い。しかし、老朽化したインフラの維持コストや、人件費の上昇圧力は無視できず、構造的なコスト優位性は限定的である。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

広島市とその周辺地域において、路面電車網とバス路線網を広範に展開しており、地域内での一定の規模の経済を享受している。しかし、全国的な陸運業と比較すると規模は限定的である。

  • 地域公共交通の基盤
    広島電鉄は広島県西部地域において、鉄軌道やバス、船舶、索道といった多様な公共交通手段を提供しており、地域住民の生活に不可欠なインフラとしての地位を確立しています。この広範な交通ネットワークは、新規参入が極めて困難な強固な競争優位性となります。
  • 多角化による安定性
    運輸事業を核としながらも、流通、不動産、建設、レジャー・サービスといった幅広い事業を展開することで、特定の事業環境の変化によるリスクを分散しています。例えば、運輸事業が不振でも、不動産賃貸業が安定収益を生み出すなど、グループ全体としての経営の安定性に寄与しています。
  • 地域社会との強い結びつき
    長年にわたり広島地域で事業を展開してきた実績と、地域住民の生活を支える公共性の高いサービス提供を通じて、地域社会からの高い信頼とブランド力を築いています。これは、単なる企業活動を超えた地域貢献という側面から、顧客基盤の維持・強化に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 広島のワクワク創造
    広電グループは「広島のワクワクを創造する」をパーパス(存在意義)に掲げ、人々の快適な移動や豊かな暮らしに貢献し、魅力ある広島を創り出すことを目指しています。これは、公共交通の進化や新たな事業機会への挑戦を通じて、地域社会の持続可能な発展と自社の成長を両立させるという長期的な視点を示しています。
  • 中期経営計画「2025」
    2025年度の広島駅乗り入れを見据え、「広電グループ経営総合3ヵ年計画2025」を策定し、ESG(環境・社会・ガバナンス)やSDGs(持続可能な開発目標)を意識した経営戦略を推進しています。具体的には、安全・安心なサービス提供、交通サービスの価値向上、新たな収益機会の獲得、人材育成、財務基盤強化、SDGs・ESG推進を柱とし、企業価値向上を目指します。
  • 交通サービスのDX化と連携強化
    運輸部門では、新しい乗車券サービス「MOBIRY DAYS」の導入や、広島駅前大橋ルートの開業による利便性向上、電車連接車両のワンマン運行拡大など、DX(デジタルトランスフォーメーション)を活用した効率化とサービス向上を図っています。また、「バス協調・共創プラットフォームひろしま」との連携により、地域全体の交通ネットワーク最適化にも貢献し、持続可能な公共交通の維持を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)広電グループのパーパス 当社グループは、「広島のワクワクを創造する」をパーパスとして掲げ、すべての行動の判断軸としています。運輸、流通、不動産、建設及びレジャー・サービス業により構成され、多面的な事業展開を行っており、以下に掲げる長期ビジョン(2045年のありたい姿)及びサステナビリティ基本方針をもとに、グループの総合力を活かして持続可能な地域社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立に取り組みます。 (2)長期ビジョン(2045年のありたい姿) 当社グループは、2026年度から2028年度を対象とする中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028」において長期ビジョンを定め、被爆100年となる2045年を「過去を継承し未来を創造する起点」と捉え、2045年に向けた持続可能で魅力ある広島と広電グループの姿を描きます。 <長期ビジョン(2045年のありたい姿)>私たち広電グループは・人々の快適で安全・安心な移動を担います・新たな価値を求め生み出し続けます・社会の一員としての責任を果たし続けます・地域で選ばれ、従業員が誇れる存在であり続けます (3)サステナビリティ基本方針 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (4)長期経営戦略 長期ビジョン実現のため、企業価値を高めるための仕組み強化に向けた「コーポレート戦略」と、地域に価値を届ける実行力強化に向けた「事業戦略」により、人々の安全・安心な移動と新たな地域価値を創造し、持続可能で魅力ある広島と広電グループの実現を目指します。 <コーポレート戦略>■ グループ経営体制の強化■ 財務戦略■ 人財戦略<事業戦略>■ 安全・安心なサービスの提供■ 交通サービスの価値向上■ 新たな収益機会獲得への挑戦 (5)中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028」人口減少・高齢化、人材不足、インフラ老朽化といった構造課題が顕在化する一方、観光回復や都心再開発といった追い風を成長に転換すべく、安全への取り組みを絶対的なものとし、「財務基盤の再構築」と「成長領域への経営資源配分強化」を同時に進め、2026年度から2028年度の3年間を持続的な成長の循環を生み出す基盤づくりの期間とします。 <長期経営戦略に基づいた重点戦略>■ 持続可能な公共交通サービスの確立と進化■ 不動産・建設事業の収益基盤強化■ 観光の成長ドライバー化■ 事業機能の独立・外部展開■ グループ経営体制の最適化 (6)目標とする経営指標中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028」において、2028年度までにROE4.5%達成を最重要KGIとし、以下のとおり経営指標を掲げております。 2028年度 目標将来目指す水準(2045年度までの早期に)営業収益450億円600億円当期純利益20億円36億円ROE4.5%8.0%EBITDA有利子負債倍率7.0倍以下7.0倍以下 なお、「営業収益」「営業利益」「親会社株主に帰属する当期純利益」「ROE」「EBITDA有利子負債倍率」の進捗状況等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております 。 (7)経営環境及び対処すべき課題 当社グループは、人口減少・高齢化や人手不足、施設老朽化等構造的な課題が顕在化する一方、観光回復や都心再開発の追い風を成長に転換すべく、2026年5月に中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028(2026~2028年度)」を策定いたしました。本中期経営計画では、当社グループのパーパスである「広島のワクワクを創造する」のもと、計画に掲げる経営戦略を着実に実行することで、安定した財務基盤の確保と強化を図り、交通サービスの価値向上や新たな収益機会の獲得に挑戦してまいります。さらに、地域社会との協力関係の強化や地域経済への貢献を通じ、地域の持続可能な発展に向けて当社グループとしての社会的責任を果たしていくことに加え、社員一人ひとりの力を最大限発揮できるよう社内環境整備にも積極的に取り組んでまいります。 各セグメントにおける対処すべき課題については、次のとおりであります。 ①運輸業 運輸業におきましては、新乗車券サービス「MOBIRY DAYS」の拡充により、より使いやすく利便性の高い公共交通サービスの実現を図ってまいります。2026年7月には、MOBIRY DAYSリーダにおけるICOCA等の交通系電子マネー及びWAONの取り扱いを開始する等、さらなる利便性向上に取り組みます。今後もお客さまの声を踏まえ、継続的にアップデートしてまいります。また、2026年3月には軌道線の新線「循環線」を開業し、広島にお住まいの方や観光で訪れる方の利便性向上に加え、都心部の回遊性向上にも寄与しております。引き続き、まちの回遊性向上とにぎわい創出に貢献できる事業を展開してまいります。鉄軌道事業では、電車連接車両のワンマン運行の拡大や運行管理の集中管理システムの導入による運行の効率化に加え、技術部門のDX化推進や検査業務の一部を外注化すること等による業務の省力化を図ってまいります。自動車事業では、広島市と広島県内のバス事業者8社が設立した「一般社団法人バス協調・共創プラットフォームひろしま」と連携し、路線の最適化、利用促進、リソースの共有等に取り組んでまいります。海上運送業におきましては、2026年度は世界遺産登録30周年という節目の年ということもあり、新規クルーザー事業の開始やグループ内での連携強化等、この好機を活かす取り組みを行ってまいります。索道業におきましては、物価上昇等により、運営経費の増加が予想されますが、経費の削減と輸送の安全確保の設備投資の両立に取り組んでまいります。 航空運送代理業におきましては、安全運航の堅持に努め、社員のスキル向上やマルチ資格者の養成、研修・教育を柔軟に計画することで、増便及び新規路線の就航に応需できる体制を整えてまいります。 ②流通業流通業におきましては、山陽自動車道の宮島サービスエリア店舗につきまして、仕入価格高騰に対する原材料の見直しと価格転嫁、繁忙期の人員効率化、老朽化機材への対応、仕出し弁当等の販路拡大に全社一丸で取り組み、収益確保に努めてまいります。 ③不動産業不動産業におきましては、分譲マンション事業を戦略的に実行し、安定して収益を確保するとともに、他事業者との協業にも積極的に取り組み、新たなビジネスチャンスの獲得を目指してまいります。また、CRE戦略による社有地の有効活用・高度利用によって資産価値の最大化を図り、安定した収益源を創出してまいります。 ④建設業建設業におきましては、慢性的な人手不足の中で、働きやすい職場環境の整備による人材確保、DX化等による更なる業務効率化や生産性の向上に努めるとともに、工事が終盤に差し掛かっている広島駅前大橋ルート整備事業やRC造マンションの施工事業、広島市安佐南区の大塚中央地区の戸建住宅販売事業等着実に進めてまいります。また、公共工事や民間の大型案件の受注に積極的に取り組み、新たな収入源となる宅地の新規開発の検討も進めてまいります。 ⑤レジャー・サービス業レジャー・サービス業におきましては、全施設とも引き続き安全・快適な施設環境を提供するとともに、原価の高騰に対応するため、費用の見直しにも努めてまいります。広島県三原市の「グリーンバーズゴルフ倶楽部」では、顧客の高齢化に対応したコース設定を新たに導入することや、ジュニア層向けのラウンド体験を実施する等、安定した収益確保に向けた取り組みを行ってまいります。広島市東区のゴルフ練習場「広電ゴルフ」では、2026年2月に導入した弾道測定器「トラックマンレンジ」のさらなる周知に努めるとともに、質の高い練習環境の提供を通じて、来場者数の増加を図ってまいります。2026年2月に広電グループに加入した㈱A&Cが運営する宮島口の「宮島コーラルホテル」におきましては、適切な設備改修を進めることで宿泊者の評価をより一層高め、稼働率のさらなる向上に取り組んでまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中に将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)広電グループのパーパス 当社グループは、「広島のワクワクを創造する」をパーパスとして掲げ、すべての行動の判断軸としています。運輸、流通、不動産、建設及びレジャー・サービス業により構成され、多面的な事業展開を行っており、以下に掲げる長期ビジョン(2045年のありたい姿)及びサステナビリティ基本方針をもとに、グループの総合力を活かして持続可能な地域社会の実現と中長期的な企業価値向上の両立に取り組みます。 (2)長期ビジョン(2045年のありたい姿) 当社グループは、2026年度から2028年度を対象とする中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028」において長期ビジョンを定め、被爆100年となる2045年を「過去を継承し未来を創造する起点」と捉え、2045年に向けた持続可能で魅力ある広島と広電グループの姿を描きます。 <長期ビジョン(2045年のありたい姿)>私たち広電グループは・人々の快適で安全・安心な移動を担います・新たな価値を求め生み出し続けます・社会の一員としての責任を果たし続けます・地域で選ばれ、従業員が誇れる存在であり続けます (3)サステナビリティ基本方針 「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 (4)長期経営戦略 長期ビジョン実現のため、企業価値を高めるための仕組み強化に向けた「コーポレート戦略」と、地域に価値を届ける実行力強化に向けた「事業戦略」により、人々の安全・安心な移動と新たな地域価値を創造し、持続可能で魅力ある広島と広電グループの実現を目指します。 <コーポレート戦略>■ グループ経営体制の強化■ 財務戦略■ 人財戦略<事業戦略>■ 安全・安心なサービスの提供■ 交通サービスの価値向上■ 新たな収益機会獲得への挑戦 (5)中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028」人口減少・高齢化、人材不足、インフラ老朽化といった構造課題が顕在化する一方、観光回復や都心再開発といった追い風を成長に転換すべく、安全への取り組みを絶対的なものとし、「財務基盤の再構築」と「成長領域への経営資源配分強化」を同時に進め、2026年度から2028年度の3年間を持続的な成長の循環を生み出す基盤づくりの期間とします。 <長期経営戦略に基づいた重点戦略>■ 持続可能な公共交通サービスの確立と進化■ 不動産・建設事業の収益基盤強化■ 観光の成長ドライバー化■ 事業機能の独立・外部展開■ グループ経営体制の最適化 (6)目標とする経営指標中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028」において、2028年度までにROE4.5%達成を最重要KGIとし、以下のとおり経営指標を掲げております。 2028年度 目標将来目指す水準(2045年度までの早期に)営業収益450億円600億円当期純利益20億円36億円ROE4.5%8.0%EBITDA有利子負債倍率7.0倍以下7.0倍以下 なお、「営業収益」「営業利益」「親会社株主に帰属する当期純利益」「ROE」「EBITDA有利子負債倍率」の進捗状況等については「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております 。 (7)経営環境及び対処すべき課題 当社グループは、人口減少・高齢化や人手不足、施設老朽化等構造的な課題が顕在化する一方、観光回復や都心再開発の追い風を成長に転換すべく、2026年5月に中期経営計画「広電グループ経営総合3ヵ年計画2028(2026~2028年度)」を策定いたしました。本中期経営計画では、当社グループのパーパスである「広島のワクワクを創造する」のもと、計画に掲げる経営戦略を着実に実行することで、安定した財務基盤の確保と強化を図り、交通サービスの価値向上や新たな収益機会の獲得に挑戦してまいります。さらに、地域社会との協力関係の強化や地域経済への貢献を通じ、地域の持続可能な発展に向けて当社グループとしての社会的責任を果たしていくことに加え、社員一人ひとりの力を最大限発揮できるよう社内環境整備にも積極的に取り組んでまいります。 各セグメントにおける対処すべき課題については、次のとおりであります。 ①運輸業 運輸業におきましては、新乗車券サービス「MOBIRY DAYS」の拡充により、より使いやすく利便性の高い公共交通サービスの実現を図ってまいります。2026年7月には、MOBIRY DAYSリーダにおけるICOCA等の交通系電子マネー及びWAONの取り扱いを開始する等、さらなる利便性向上に取り組みます。今後もお客さまの声を踏まえ、継続的にアップデートしてまいります。また、2026年3月には軌道線の新線「循環線」を開業し、広島にお住まいの方や観光で訪れる方の利便性向上に加え、都心部の回遊性向上にも寄与しております。引き続き、まちの回遊性向上とにぎわい創出に貢献できる事業を展開してまいります。鉄軌道事業では、電車連接車両のワンマン運行の拡大や運行管理の集中管理システムの導入による運行の効率化に加え、技術部門のDX化推進や検査業務の一部を外注化すること等による業務の省力化を図ってまいります。自動車事業では、広島市と広島県内のバス事業者8社が設立した「一般社団法人バス協調・共創プラットフォームひろしま」と連携し、路線の最適化、利用促進、リソースの共有等に取り組んでまいります。海上運送業におきましては、2026年度は世界遺産登録30周年という節目の年ということもあり、新規クルーザー事業の開始やグループ内での連携強化等、この好機を活かす取り組みを行ってまいります。索道業におきましては、物価上昇等により、運営経費の増加が予想されますが、経費の削減と輸送の安全確保の設備投資の両立に取り組んでまいります。 航空運送代理業におきましては、安全運航の堅持に努め、社員のスキル向上やマルチ資格者の養成、研修・教育を柔軟に計画することで、増便及び新規路線の就航に応需できる体制を整えてまいります。 ②流通業流通業におきましては、山陽自動車道の宮島サービスエリア店舗につきまして、仕入価格高騰に対する原材料の見直しと価格転嫁、繁忙期の人員効率化、老朽化機材への対応、仕出し弁当等の販路拡大に全社一丸で取り組み、収益確保に努めてまいります。 ③不動産業不動産業におきましては、分譲マンション事業を戦略的に実行し、安定して収益を確保するとともに、他事業者との協業にも積極的に取り組み、新たなビジネスチャンスの獲得を目指してまいります。また、CRE戦略による社有地の有効活用・高度利用によって資産価値の最大化を図り、安定した収益源を創出してまいります。 ④建設業建設業におきましては、慢性的な人手不足の中で、働きやすい職場環境の整備による人材確保、DX化等による更なる業務効率化や生産性の向上に努めるとともに、工事が終盤に差し掛かっている広島駅前大橋ルート整備事業やRC造マンションの施工事業、広島市安佐南区の大塚中央地区の戸建住宅販売事業等着実に進めてまいります。また、公共工事や民間の大型案件の受注に積極的に取り組み、新たな収入源となる宅地の新規開発の検討も進めてまいります。 ⑤レジャー・サービス業レジャー・サービス業におきましては、全施設とも引き続き安全・快適な施設環境を提供するとともに、原価の高騰に対応するため、費用の見直しにも努めてまいります。広島県三原市の「グリーンバーズゴルフ倶楽部」では、顧客の高齢化に対応したコース設定を新たに導入することや、ジュニア層向けのラウンド体験を実施する等、安定した収益確保に向けた取り組みを行ってまいります。広島市東区のゴルフ練習場「広電ゴルフ」では、2026年2月に導入した弾道測定器「トラックマンレンジ」のさらなる周知に努めるとともに、質の高い練習環境の提供を通じて、来場者数の増加を図ってまいります。2026年2月に広電グループに加入した㈱A&Cが運営する宮島口の「宮島コーラルホテル」におきましては、適切な設備改修を進めることで宿泊者の評価をより一層高め、稼働率のさらなる向上に取り組んでまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (1) 経営成績等の状況の概要①経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、訪日旅行者数の増加によるインバウンド需要の拡大や、雇用・所得環境改善の動きが続き、緩やかな回復基調を維持している一方で、中東情勢の悪化等による燃料価格の高騰や、国際情勢の緊張に伴う資材・物価上昇等、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループにおきましては、2025年8月に軌道線の新路線「駅前大橋ルート」を開業し、JR広島駅ターミナルビル2階への乗り入れにより、広島駅周辺の交通利便性と回遊性の向上に寄与しました。また、来広するインバウンド客や国内旅行客の増加、「MOBIRY DAYS」の利便性向上等の交通サービスの維持・向上により、運輸業、観光関連事業の収益が堅調に推移し、不動産業も好調だったためグループ全体として増収となりました。この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して11.2%、3,761百万円増加し、37,470百万円となりました。営業損益につきましては、人件費や経費、減価償却費の増加もありましたが、前連結会計年度の営業損失1,419百万円に対し、290百万円の営業損失となりました。経常損益は、前連結会計年度の経常損失1,243百万円に対し、129百万円の経常損失となりました。特別損益につきましては、運輸業に係る「運行補助金」が増加したものの、特別損失として、「減損損失」と「投資有価証券評価損」を計上し、法人税等も増加したため親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比較して16.0%、220百万円減少して1,158百万円となりました。 各セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。 (運輸業)鉄軌道事業では、「駅前大橋ルート」の開業や被爆80年に伴う来広者の増加により、利用者数が増加しました。自動車事業では、行楽需要やイベント輸送に対応し、需要動向に応じた運行を継続しました。また、2025年2月に実施した電車・バス運賃改定の効果もあり、鉄軌道事業・自動車事業ともに増収となりました。海上運送業及び索道業におきましては、2025年度の宮島来島者数は過去最多となり、特に円安を背景としたインバウンド客が大幅に増加した効果もあり、増収となりました。航空運送代理業におきましては、国内線及び国際線について、受託する路線はほぼ計画通り運航されました。運航機材の小型化や幹線空港への大型機・中型機の投入による減便もありましたが、受託手数料単価の増額が寄与し、増収となりました。この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して10.7%、2,238百万円増加して23,247百万円となり、営業損益は前連結会計年度の営業損失3,110百万円に対し2,739百万円の営業損失となりました。なお、運行補助金を含めた損益は、前連結会計年度の918百万円の損失に対し、341百万円の損失となりました。 提出会社の運輸成績表(鉄軌道事業)種別単位当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)対前期増減率(%)営業日数日365―営業キロキロ35.81.99客車走行キロ千キロ7,341△5.93輸送人員定期千人20,87636.54定期外〃32,4502.50計〃53,32612.52旅客運輸収入定期百万円1,55421.50定期外〃5,37714.61計〃6,93216.09運輸雑収〃1,12848.30運輸収入合計〃8,06019.731日平均収入〃2220.06乗車効率%50.538.36 (注) 乗車効率の算出方法乗車効率=延人キロ/延定員走行キロ×100 (自動車事業)種別単位当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)対前期増減率(%)営業日数日365―営業キロキロ1,186.00.60客車走行キロ千キロ22,066△2.41乗合旅客人員定期千人9,77816.14定期外〃24,226△7.39計〃34,0041.04乗合旅客運送収入定期百万円2,45527.10定期外〃7,2026.91計〃9,65811.41貸切旅客運送収入〃57△2.28旅客運送雑収〃58250.65運送収入合計〃10,29712.981日平均収入〃2813.29乗車効率%18.63.63 (注) 乗車効率の算出方法乗車効率=延人キロ/延定員走行キロ×100 業種別営業成績業種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益(百万円)対前期増減率(%)鉄軌道事業8,06015.27自動車事業12,9788.02その他3,4125.12消去△1,204―計23,24710.66 (流通業)流通業におきましては、大阪・関西万博の開催、全国高校総体の中国地方開催、好天に恵まれた秋の行楽シーズン等により、高速道路利用者の増加が見られ、増収となりました。この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して3.9%、45百万円増加して1,237百万円となり、営業利益は前連結会計年度と比較して、145.4%、6百万円増加し、11百万円となりました。 業種別営業成績業種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益(百万円)対前期増減率(%)物品販売業1,2373.85消去――計1,2373.85 (不動産業)不動産業におきましては、不動産賃貸業では、2024年12月にオープンした広島市佐伯区の「イオンタウン楽々園」の土地賃料を通期で計上したこと等により増収となりました。不動産販売業では、広島市南区の分譲マンション「ザ・広島フロント」の物件の引渡し等により、増収となりました。この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して17.9%、955百万円増加して6,292百万円となり、営業利益は前連結会計年度と比較して、37.2%、588百万円増加し、2,172百万円となりました。 業種別営業成績業種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益(百万円)対前期増減率(%)不動産販売業3,23440.28不動産賃貸業3,0600.89消去△2―計6,29217.91 (建設業)建設業におきましては、官公庁工事の受注は堅調でしたが、民間の建築工事の受注が減少したため減収となりました。この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して7.8%、572百万円減少して6,816百万円となり、営業利益は前連結会計年度と比較して、4.0%、9百万円減少し、235百万円となりました。 業種別営業成績業種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益(百万円)対前期増減率(%)土木・建築業6,816△7.75消去――計6,816△7.75 (レジャー・サービス業)レジャー・サービス業におきましては、ボウリング業では、来場者数は減少したものの、2024年12月に実施した料金改定の効果により、増収となりました。なお、ボウリング業は2026年5月をもって営業を終了することといたしました。ゴルフ業におきましては、「グリーンバーズゴルフ倶楽部」では、コースを維持・整備し、各種プランの拡充、アプリ等を活用した広報活動を実施し、来場者数は増加しましたが、会費収入の減少により減収となりました。一方、ゴルフ練習場では打ち放題メニューの拡充や毎月のイベント実施、練習環境を整える設備投資により、増収となりました。この結果、当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度と比較して1.3%、11百万円増加して、876百万円となり、営業損益は前連結会計年度の営業損失73百万円に対し、26百万円の営業損失となりました。 業種別営業成績業種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益(百万円)対前期増減率(%)ゴルフ業297△7.32その他5806.31消去△0―計8761.29 ② 生産、受注及び販売の実績 当社グループが扱うサービス・商品は多種、多様にわたり、その内容が一様でないため、生産能力の画一的表示が困難であり、セグメントごとに生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。 そのため生産、受注及び販売の状況については、「(1)① 経営成績の状況」における各セグメントごとに業績に関連付けて示しております。 ③財政状態の状況当連結会計年度の財政状態は、総資産は、建設業で受注完成した工事代金など「受取手形、売掛金及び契約資産」が増加したほか、保有する上場株式の時価評価などにより「投資有価証券」が1,954百万円増加した結果、前連結会計年度末と比較して4,640百万円の増加となりました。負債は、広島駅南口広場の再整備受託工事や設備投資に係る「未払金」が減少した一方、株式会社A&Cを連結子会社に含めた影響もあり、借入金を含めた有利子負債が増加したほか、同社を連結子会社に含めた影響に加え、保有する上場株式の時価評価などにより「繰延税金負債」が増加した結果、前連結会計年度末と比較して1,879百万円の増加となりました。純資産は親会社株主に帰属する当期純利益の計上や「その他有価証券評価差額金」の増加などにより前連結会計年度末と比較して2,760百万円の増加となり、自己資本比率は、0.7ポイント増加の40.8%となりました。 ④キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の「営業活動によるキャッシュ・フロー」は、税金等調整前当期純利益が増加した一方、広島駅南口広場の再整備受託工事にかかる「未払金」の支払いなどにより、前連結会計年度5,077百万円の資金収入に対し、1,714百万円の資金収入となりました。「投資活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度は広島駅南口広場の再整備工事に係る「有形固定資産」への設備投資支出などの影響により、5,568百万円の資金支出となりました。当連結会計年度においても同工事への設備投資支出などの影響により4,307百万円の資金支出となりました。「財務活動によるキャッシュ・フロー」は、前連結会計年度は有利子負債が増加した影響等により604百万円の資金収入となりました。当連結会計年度においても有利子負債が増加した影響等により、1,776百万円の資金収入となりました。この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末と比較して816百万円減少し、3,202百万円となりました。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態の分析) 当連結会計年度の財政状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③財政状態の状況」に記載しております。 (経営成績の分析) 当連結会計年度の経営状態の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。 (キャッシュ・フローの分析) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ④キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 (経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)当社グループが運輸業を中心とする公共性の高い業種であることに鑑みて、安全性の確保を最優先としながら、財務健全性を維持し、成長分野への積極的な投資を行っていく方針を数値目標として表現するために、2028年度の展望を見据えた連結経営数値目標として「営業収益」、「営業利益」、「親会社株主に帰属する当期純利益」、「ROE」、「EBITDA有利子負債倍率」を設定しております。 KPI2022年度実績2025年度実績2028年度計画営業収益274億円374億円450億円営業利益△32△226親会社株主に帰属する当期純利益91120ROE計画・目標―%―%4.5%実績2.42.7―EBITDA有利子負債倍率計画・目標―倍7.0倍7.0倍実績18.25.5― ※1 有利子負債:借入金と社債の合計額※2 EBITDA:営業利益に減価償却費と自動車事業に係る運行補助金を加えて算出 2025年度の実績につきましては、2025年8月の「駅前大橋ルート」の開業や被爆80年等に伴う国内外からの多くの観光客の来広によって収益が堅調に推移し、EBITDA有利子負債倍率につきましては2023年5月に公表した目標値の水準で推移しております。 主力である運輸業においては、「MOBIRY DAYS」の拡充や電車運行制御の自動化、バス共同事業化等によって、便利で使いやすい新たな公共交通への進化に向け取り組んでまいります。また、貸切バス事業の拡大や新たにグループ加入した㈱A&Cを含むグループ各社の連携により、観光需要を積極的に取り込みます。また、不動産業をはじめとした運輸業以外への投資を強化して新たな事業機会への挑戦に取り組み、企業としての持続的な成長の実現を目指してまいります。経営指標につきましては、2028年度にはROE4.5%を目指し、成長分野への積極的な投資をすることで、グループ全体の収益性を高めてまいります。その際には、EBITDA有利子負債倍率7.0倍以内を保つことで、財務健全性を維持してまいります。 ②重要な会計方針及び見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は特有の不確実性があるため、実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5章 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ③資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの主要な資金需要は、運輸業を中心とする車両や各種施設に対する設備投資、改修及び安定した人材確保のための労務費、また、沿線地域の活性化を目的とした収益不動産物件への投資であります。手許の運転資金については、2015年度より当社及び連結子会社においてCMSを導入し、各社における余剰資金を当社へ集中させ、一元管理を行うことで資金効率の向上を図っております。また、突発的な資金需要に対しては、迅速かつ確実に資金を調達できるように当座貸越契約を締結し、流動性リスクに備えております。

事業リスク

  • 自然災害・感染症リスク
    広島県西部地域に事業拠点が集中しているため、大規模な自然災害(地震、豪雨など)や感染症の流行は、設備損害や事業運営の停止、利用客の減少に直結します。これにより、運輸収入の減少や復旧費用が発生し、経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。
  • 運輸部門の事故発生
    鉄軌道やバス、船舶といった運輸事業では、大規模な事故が発生した場合、運行停止による収入減、復旧費用や損害賠償の発生に加え、企業の信頼失墜に繋がるリスクがあります。これは、長期的な顧客離れやブランドイメージの低下を招き、今後の営業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。
  • 地域経済・人口変動の影響
    主要な事業展開地域が広島県西部地域に限定されているため、この地域の経済情勢(消費動向、地価変動)や人口構造の変化(少子高齢化、人口減少)が、直接的に事業収益に影響を与えます。特に、通勤・通学客が中心の運輸事業は、人口減少による利用客の減少が収益悪化に繋がる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,837 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業等に関するリスク要因には様々なものがありますが、当社グループの事業等に特有かつ重要と思われるリスク要因としては以下のものが想定されます。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①自然災害・感染症の拡大について当社グループの事業展開地域は主に広島県西部地域であり、営業拠点・施設は広島市及び呉市とその近郊に集中しており、大規模な自然災害などに起因する設備等の損害や、感染症が大規模に流行した場合、及び国内外の治安の悪化やテロの発生等により、運輸業をはじめとした事業の継続に関して安全の確保が難しい状況に至った場合には、各事業の運営が影響を受ける可能性があります。当社グループでは、BCP(事業継続計画)・災害対策マニュアルの策定、防災訓練などの実施や、重要な施設の高床化などの対策を順次講じておりますが、自然災害等による被害を完全に排除できるものではなく、当社グループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、感染症が大規模に流行した場合は、BCPに基づき、運行計画の見直し、乗務員に対する罹患防止策の実施、従業員への時差出勤・在宅勤務の奨励など、感染状況に応じた対策を実施してまいります。 ②運輸部門における事故について当社グループが主として展開する鉄軌道事業、自動車事業など運輸業においては、安全確保はお客様の信頼を得るうえで最も重要であると認識しており、事業用車両(電車、バス、船舶、索道)、各種事業用設備の安全性確保、安全運転に資する教育・訓練を通常より努めておりますが、車両等事業用設備などに、製造業者に起因する安全上の欠陥など人為的要因を含むさまざまな原因にもとづき大規模な事故が発生した場合、運行停止による減収や復旧・損害賠償などに係る費用の発生のほか、当社グループの信頼失墜につながり、今後の営業活動に多大な影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、車両や設備の細かな点検・修繕の実施はもとより、電車・バスの車両管理表を作成し、取締役会や経営会議の場での議論を踏まえて計画的な代替を進めております。また、運輸安全マネジメントの運営を教育・訓練のなかに体系的に整理し、積極的な取組を継続しております。 ③広島県西部地域の経済情勢の変化について当社グループの事業展開地域は主に広島県西部地域であり、営業拠点・施設は広島市及び呉市とその近郊に集中しており、当該地域における消費動向や、人口の増減、地価の変動などが、当社グループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、「広電グループのパーパス」にもとづいた各経営戦略によって、当該地域の活性化とともに当社グループの成長が可能となるよう展開を進めてまいります。 ④法的規制・法令改正への対応について当社グループの事業は、鉄道事業法、軌道法、道路運送法、建築基準法等の各種法令の適用を受けており、事業運営上、これらの法令による規制を受けるほか、特に鉄軌道事業及び自動車事業においては、法令に基づく許可・認可等により運賃上限の設定等が行われており、これらが事業遂行の前提となっております。このため、事業運営上、必要に応じた運賃の変更などを機動的に実施できない場合や、法令の改正などの動向によっては、目標値の達成や規制に準拠するための設備投資などが必要となり、多額の資金需要や償却負担が生じた場合は、当社グループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。また、法令に関わらず、国や地方自治体の交通政策等の変更が事業計画や当社グループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤少子高齢化の進行について当社グループが主として事業展開する広島県西部地域において、少子高齢化が進行した場合、就業・就学人口の減少は、通勤・通学客輸送が中心の鉄軌道事業及び自動車事業の収益を減少させる要因となります。当社グループでは「安全・安心なサービスの提供」「交通サービスの価値向上」を経営戦略に掲げ、バリアフリーな車両への代替や、誰もが利用しやすい移動環境を整備することで、高齢者などの利用客増加に努めてまいります。 ⑥国際情勢や経済情勢の変化について当社グループは、運輸業を中心として各事業において継続的に設備投資を行っておりますが、これらの必要資金は主として金融機関からの借入れによって調達しているため、今後、経済情勢等によって金利が上昇基調になった場合には、金利負担の増加を招くこととなり、当社グループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの主要な事業である運輸業は、動力費及び燃料費の営業費に占めるウエイトが高いため、国際情勢や経済情勢による原油価格の高騰に伴って、電力料金や軽油費等燃料費の価格が上昇した場合には、運輸業燃料費の増加を招き、当社グループの経営成績等の状況に影響を及ぼす可能性があります。借入金依存や金利負担については、中期経営計画において目標とする経営指標に「EBITDA有利子負債倍率」を設定して、中長期視点で収益力と有利子負債のバランスを保っていく方針であり、金融機関との情報交換により、金利等の市場動向の予測を入手するなどの対応を行っております。動力費、燃料費の増加に対しては、電車車両につきましては省電力車両、バス車両につきましてはハイブリッド車両への代替を進めるとともに、石油元売先等との情報交換による石油価格の相場動向にもとづく予測を入手するなどの対応を行っております。 ⑦人材の育成・確保について当社グループは、運輸業を中心として労働集約型の事業が多く、労働力として質の高い人材の確保が重要となり、人材の確保が難しい場合にはグループ各事業の運営に影響を及ぼす可能性があります。そのため、従業員の健康管理を徹底しているほか、多様な働き方へ対応できるように、短時間正社員制度の導入、企業内保育園の運営などを通じて優秀な人材を確保、育成し、働きやすい職場環境の整備に努めております。 ⑧情報システムについて当社グループの各事業は、コンピュータシステムや通信ネットワークといった情報システムに大きく依存しており、コンピュータウイルス等の第三者による妨害行為や自然災害等により重大な障害が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。このため、各種セキュリティシステムの導入、堅牢なデータセンターへのバックアップ等の対策を講じております。また、ICTの進展やデジタル化等への適切な対応が進まないことにより新たな商品・サービスが提供できず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。今後、ICTを複合的に活用した運行管理の高度化を着実に進める等、業務の効率化や生産性の向上を図ってまいります。

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