9049

京福電気鉄道(9049)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 地域密着型交通インフラ
    京福電気鉄道グループは、京都と福井を拠点に、鉄道・バス・タクシーといった公共交通機関を運営しています。これは、地域住民の日常生活や観光客の移動を支える重要なインフラ事業であり、安定的な収益源となっています。特に京都では嵐山線、福井ではバス・タクシーが中心です。
  • 不動産事業の展開
    自社で保有する土地や建物の販売・賃貸を行う不動産事業も手掛けています。沿線の不動産開発や賃貸住宅の提供を通じて、地域の活性化に貢献しつつ、安定した賃料収入や売却益を得ることで、グループ全体の収益基盤を強化しています。
  • レジャー・サービス事業
    物販、ホテル、水族館、広告代理店など、多岐にわたるレジャー・サービス事業を展開しています。特に観光地である嵐山周辺での物販や、越前松島水族館の運営は、地域の観光資源と連携し、集客力を高めることで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 運輸事業
    京福電気鉄道グループの主要な収益源であり、売上高78.29億円、営業利益4.2億円を計上しています。鉄道(嵐山線)、バス(京都バス、京福バス)、タクシー(ケイカン交通、福井交通)の運営を通じて、地域住民の移動手段や観光客の交通インフラを担っており、安定的な収益基盤を形成しています。
  • 不動産事業
    グループ内で最も高い収益性を誇り、売上高54.24億円に対し、営業利益は16.36億円と非常に高い利益率を達成しています。不動産の販売や賃貸(京福不動産、三国観光産業)を通じて、安定した賃料収入や売却益を得ており、グループ全体の収益を大きく牽引する稼ぎ頭となっています。
  • レジャー・サービス事業
    物販、ホテル、水族館、広告代理店など、多岐にわたるサービスを提供しており、売上高12.05億円、営業利益2.45億円を計上しています。特に観光地である嵐山駅ビルでの物販や、越前松島水族館の運営(三国観光産業)は、地域の観光資源と連携し、集客力を高めることで収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Transportation 事業 78 4 5.4%
RealEstate 事業 54 16 30.2%
LeisureAndService 事業 12 2 20.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|376 文字
3【事業の内容】 当社は京阪ホールディングス株式会社の連結子会社であり、当社グループは当社(京福電気鉄道株式会社)および子会社6社で構成されており、運輸業、不動産業、レジャー・サービス業を主たる業務としております。 当社グループの営んでいる主要な事業内容及びセグメントとの関連は次のとおりであります。(1)運輸業(5社)事業の内容会社名鉄軌道事業当社バス運送事業京都バス㈱、京福バス㈱タクシー事業ケイカン交通㈱、福井交通㈱ (2)不動産業(3社)事業の内容会社名不動産販売事業当社、京福不動産㈱不動産賃貸事業当社、三国観光産業㈱、京福不動産㈱ (3)レジャー・サービス業(3社)事業の内容会社名物販業当社、京福不動産㈱ホテル業京福不動産㈱水族館業三国観光産業㈱広告代理店業京福不動産㈱ (注)当社は三国観光産業㈱に対し、不動産の賃貸等を行っております。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
景気変動による価格競争の激化が進展する可能性があり、価格決定権が弱い。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
公共交通機関である運輸業(鉄軌道事業、バス運送事業、タクシー事業)は許認可等の規制がある。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:少子高齢化による輸送人員減少・採用難 / 景気変動による需要減少・価格競争激化 / 材料・資材価格の高騰および燃料費増加
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

嵐山線沿線という観光地におけるブランド力は一定程度存在するが、特許や規制ライセンスによる明確な独占的優位性は限定的。地域住民の生活路線としての側面も持つが、競合交通手段との差別化は強くない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

沿線住民にとっては生活に不可欠な交通手段であり、一定のスイッチングコストは存在する。しかし、代替交通手段(バス、自家用車)への乗り換えは比較的容易であり、強固な顧客固定化には至っていない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

鉄道事業において、ユーザー数の増加が直接的にサービスの価値を高めるネットワーク効果はほとんど見られない。乗客数が増えても、個々の乗客にとっての利便性が劇的に向上するわけではない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

鉄道インフラの維持管理コストは固定費として大きい。新規参入障壁は高いものの、既存事業者として構造的に他社より大幅に低いコストで運営できる優位性は見出しにくい。運賃設定も規制を受ける。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

京都市西部という限定された地域において、嵐山線、北野線、叡山線といった路線網を運営しており、地域内では一定の寡占状態を形成している。この地域における鉄道輸送の主要プレイヤーとしての規模の経済は存在する。

  • 地域に根差した交通ネットワーク
    京福電気鉄道グループは、京都と福井において長年にわたり鉄道、バス、タクシーといった公共交通機関を運営しており、地域住民の生活に不可欠な存在です。この強固な交通ネットワークは、新規参入が難しい許認可事業であり、安定的な顧客基盤を形成しています。
  • 観光資源との連携
    京都の嵐山や福井の越前松島水族館など、沿線の主要な観光地と密接に連携した事業展開が強みです。鉄道やバスが観光客の主要な移動手段となるだけでなく、駅ビルでの物販やホテル事業を通じて、観光客の消費を取り込み、相乗効果を生み出しています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    運輸業を核としながらも、不動産販売・賃貸、ホテル、水族館、広告代理店など、複数の事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存することなく、景気変動や社会情勢の変化に対するリスクを分散し、安定した経営基盤を築いています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 安全・安心の追求と地域貢献
    京福グループは、安全・安心を経営の基盤とし、地域社会と一体となって発展することを目指しています。運輸安全マネジメントの継続や新型車両の導入、バリアフリー化の推進など、安全対策への投資を強化し、地域住民や観光客に信頼される交通インフラを提供することで、企業価値の向上を図ります。
  • 事業基盤の強化と成長投資
    中期経営計画では、ビジネスチャンスを捉え、安定的な経営を継続するための適切な投資を重視しています。運輸業では新型車両導入やダイヤ改正、不動産業では収益物件の取得や賃貸住宅シリーズの展開拡大、レジャー・サービス業では施設運営体制の強化など、各事業での成長投資を通じて収益拡大を目指します。
  • 持続可能な経営と環境配慮
    環境負荷の低減を目指し、新型車両への回生ブレーキ導入や電気バスの導入など、ハード・ソフト両面での環境対策を推進しています。また、自然災害への備えや多様な人材が活躍できる職場環境の整備、ガバナンス強化を通じて、持続可能で強固な組織体制を構築し、長期的な企業価値向上を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループでは、以下に掲げる「京福グループ経営理念」および「経営姿勢」を基本方針に、京都地区では鉄軌道事業を、福井地区ではバス・タクシー事業を中心とした交通インフラをそれぞれ核に、地域と協働して沿線の魅力を高めることで企業価値の向上を図っております。 <京福グループ経営理念>京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。 <経営姿勢>私たちは、「経営理念」を実現し、愛され、なくてはならない企業となることを誓います。・安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。・進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。・人と自然を敬愛します。 <経営ビジョン>沿線深耕~私たちのまちをさらに楽しくにぎやかに~・沿線地域で住む人・働く人・学ぶ人・楽しむ人を増やしていくための、地域ブランドの創出と発信。・エリア屈指の「なくてはならない交通機関」への成長。・住んでよかった・来てよかったと感じていただける沿線づくり。 (2) 経営環境京福グループを取り巻く経営環境は、人口減少・少子高齢化、技術革新によるライフスタイルや価値観の変化、自然災害の激甚化、世界的な地政学リスクの常態化等、変化と不確実性がますます高まっています。事業エリアのうち、京都エリアではインバウンドを中心に観光客のさらなる増加が見込まれ、福井エリアでは北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業後の環境変化が今後も継続していくことが予想されます。 (3) 中長期的な経営戦略と対処すべき課題当社グループは、安全・安心をブランドの礎として地域に根差した事業を展開し、地域になくてはならない企業グループへの成長を目指しております。変化と不確実性が増す事業環境のなかで将来を見据えて適切な投資を行い、経営基盤を強化することにより事業リスクの最小化に努め、安定的に経営を持続していくことを目指し、2026年6月に「京福グループ中期経営計画2028」(2026年度~2028年度)を定めております。 ①基本戦略・安全・安心に関する取り組みを着実に継続し、地域インフラ・観光二次交通としての輸送の価値をお客さまに提供しま す。・沿線地域の皆さまとの連携を通じて沿線の魅力を深耕・発信することにより、地域のにぎわいづくりに貢献します。・一定規模の不動産投資を継続的に行って良質な不動産賃貸事業を展開することにより、よりよいまちとくらしの創造に 貢献していきます。・ソフト・ハード両面で環境負荷の低減を目指すとともに、自然災害等のリスクにそなえることにより、持続可能で強固 な組織体を目指します。 ②各事業における主要施策a.運輸業・運輸安全マネジメントの確実な実践による安全・安心な輸送サービスの提供・老朽設備の更新など次代に向けた基盤強化を図る設備投資・安全性・快適性・デザイン・環境性能の高い車両モボ1形KYOTRAMの継続導入・需要に応じたダイヤ・バス路線経路の見直し継続、乗継利便性の向上・ユニバーサルデザインタクシーの継続導入・観光資源の深耕と情報発信による誘客策の企画・実施・観光需要の最大化と分散化(京都地区)・デマンド交通、自動運転実証実験など行政との連携を活かした次代に向けた地域の総合的交通インフラ提供(福井地 区) b.不動産業・利便性の高い収益物件を取得することにより、地域に根差し地域のにぎわいづくりに貢献する不動産事業を展開・老朽物件の更新など次代に向けた基盤強化・地域・関係先と連携した駅ビル事業のさらなる活性化(嵐山駅ビル、帷子ノ辻駅ビル) c.レジャー・サービス業・観光資源の深耕と情報発信による誘客策の企画・実施・老朽設備の更新など次代に向けた基盤強化を図る設備投資・自然・環境とふれあう新展示施設の開設(越前松島水族館) d.環境・サステナビリティ経営の推進・GHG排出量の削減、カーボンニュートラルへの貢献・「KES・環境マネジメントシステム・スタンダード ステップ2」認証に基づく環境活動の継続・多様な人材が能力を伸長・発揮することにより個人と組織がともに成長する企業風土の醸成・京福電気鉄道㈱新本社事務所建設など、働く環境を整備し、職員のエンゲージメントと業務効率の向上を両立する施策 の継続実施 ③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 中期経営計画の期間中(2026年度~2028年度)に収益力の向上と適切な投資による足固めを並行して進め、2030年度において営業利益28億円を達成するとともに、各年度安定的に18億円以上の親会社株主に帰属する当期純利益確保を目指します。 2026年度2027年度2028年度営業収益149億円155億円160億円営業利益20億円23億円26億円親会社株主に帰属する当期純利益18億円18億円20億円
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループでは、以下に掲げる「京福グループ経営理念」および「経営姿勢」を基本方針に、京都地区では鉄軌道事業を、福井地区ではバス・タクシー事業を中心とした交通インフラをそれぞれ核に、地域と協働して沿線の魅力を高めることで企業価値の向上を図っております。 <京福グループ経営理念>京福グループは、安全・安心をブランドの礎とし、人と社会に貢献します。 <経営姿勢>私たちは、「経営理念」を実現し、愛され、なくてはならない企業となることを誓います。・安全・安心・感動を基礎に、社会と一体となって歩みます。・進取・挑戦の歩みを止めず、日々進化し続けます。・人と自然を敬愛します。 <経営ビジョン>沿線深耕~私たちのまちをさらに楽しくにぎやかに~・沿線地域で住む人・働く人・学ぶ人・楽しむ人を増やしていくための、地域ブランドの創出と発信。・エリア屈指の「なくてはならない交通機関」への成長。・住んでよかった・来てよかったと感じていただける沿線づくり。 (2) 経営環境京福グループを取り巻く経営環境は、人口減少・少子高齢化、技術革新によるライフスタイルや価値観の変化、自然災害の激甚化、世界的な地政学リスクの常態化等、変化と不確実性がますます高まっています。事業エリアのうち、京都エリアではインバウンドを中心に観光客のさらなる増加が見込まれ、福井エリアでは北陸新幹線の金沢・敦賀間延伸開業後の環境変化が今後も継続していくことが予想されます。 (3) 中長期的な経営戦略と対処すべき課題当社グループは、安全・安心をブランドの礎として地域に根差した事業を展開し、地域になくてはならない企業グループへの成長を目指しております。変化と不確実性が増す事業環境のなかで将来を見据えて適切な投資を行い、経営基盤を強化することにより事業リスクの最小化に努め、安定的に経営を持続していくことを目指し、2026年6月に「京福グループ中期経営計画2028」(2026年度~2028年度)を定めております。 ①基本戦略・安全・安心に関する取り組みを着実に継続し、地域インフラ・観光二次交通としての輸送の価値をお客さまに提供しま す。・沿線地域の皆さまとの連携を通じて沿線の魅力を深耕・発信することにより、地域のにぎわいづくりに貢献します。・一定規模の不動産投資を継続的に行って良質な不動産賃貸事業を展開することにより、よりよいまちとくらしの創造に 貢献していきます。・ソフト・ハード両面で環境負荷の低減を目指すとともに、自然災害等のリスクにそなえることにより、持続可能で強固 な組織体を目指します。 ②各事業における主要施策a.運輸業・運輸安全マネジメントの確実な実践による安全・安心な輸送サービスの提供・老朽設備の更新など次代に向けた基盤強化を図る設備投資・安全性・快適性・デザイン・環境性能の高い車両モボ1形KYOTRAMの継続導入・需要に応じたダイヤ・バス路線経路の見直し継続、乗継利便性の向上・ユニバーサルデザインタクシーの継続導入・観光資源の深耕と情報発信による誘客策の企画・実施・観光需要の最大化と分散化(京都地区)・デマンド交通、自動運転実証実験など行政との連携を活かした次代に向けた地域の総合的交通インフラ提供(福井地 区) b.不動産業・利便性の高い収益物件を取得することにより、地域に根差し地域のにぎわいづくりに貢献する不動産事業を展開・老朽物件の更新など次代に向けた基盤強化・地域・関係先と連携した駅ビル事業のさらなる活性化(嵐山駅ビル、帷子ノ辻駅ビル) c.レジャー・サービス業・観光資源の深耕と情報発信による誘客策の企画・実施・老朽設備の更新など次代に向けた基盤強化を図る設備投資・自然・環境とふれあう新展示施設の開設(越前松島水族館) d.環境・サステナビリティ経営の推進・GHG排出量の削減、カーボンニュートラルへの貢献・「KES・環境マネジメントシステム・スタンダード ステップ2」認証に基づく環境活動の継続・多様な人材が能力を伸長・発揮することにより個人と組織がともに成長する企業風土の醸成・京福電気鉄道㈱新本社事務所建設など、働く環境を整備し、職員のエンゲージメントと業務効率の向上を両立する施策 の継続実施 ③経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 中期経営計画の期間中(2026年度~2028年度)に収益力の向上と適切な投資による足固めを並行して進め、2030年度において営業利益28億円を達成するとともに、各年度安定的に18億円以上の親会社株主に帰属する当期純利益確保を目指します。 2026年度2027年度2028年度営業収益149億円155億円160億円営業利益20億円23億円26億円親会社株主に帰属する当期純利益18億円18億円20億円
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の当社グループの営業収益は14,881百万円(前期比421百万円、2.9%増)となり、営業利益は2,420百万円(前期比118百万円、5.1%増)となりました。これに営業外収益および営業外費用を加減した経常利益は2,428百万円(前期比103百万円、4.4%増)となり、特別利益および特別損失ならびに法人税等を加減し、非支配株主に帰属する当期純利益を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は1,833百万円(前期比96百万円、5.6%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (運輸業)輸業におきましては、鉄軌道事業では嵐山線で引き続き観光利用が堅調で増収となりました。嵐山線では、2024年度から導入を開始した新型車両モボ1形KYOTRAMを今年度さらに2両導入しました。また本年3月10日の嵐電北野線全線開通100周年に合わせた記念イベントの開催や、台湾の高雄捷運股份有限公司(通称「高雄メトロ」)および江ノ島電鉄㈱との三社連携による共同PRなどを通じ、嵐山線のブランドイメージの向上と利用促進を図りました。鋼索線・架空索道では、安全性の向上と快適なサービス提供を図るため、昨年4月1日に運賃改定を実施しました。叡山ケーブルでは索条交換など設備更新工事を行うとともに、叡山ケーブル開業100周年を記念し、叡山ケーブルおよび叡山ロープウェイの車両内装をリニューアルして、快適性と魅力向上を図りました。バス運送事業・タクシー事業では、京都バス㈱は、インバウンドを中心とする観光需要が堅調に推移したものの、運転士不足により昨年3月のダイヤ改正で減便を実施したほか、下期以降は中国からの観光客減少の影響も受け、減収となりました。京福バス㈱・ケイカン交通㈱・福井交通㈱の福井地区バス・タクシー事業では、高速バス名古屋線や、京都・大阪線の大阪・関西万博会場への延伸運行が好調に推移しましたが、貸切バス部門を中心に、運転士不足による受注抑制の影響が続きました。一方で、京福バス㈱ではスマートフォンで定期券の購入・利用が可能なサービス「iCONPASS」(アイコンパス)を導入し、ケイカン交通㈱ではオンデマンド交通における自動運転技術の実証事業「イータクプラス」へ参画するなど、利便性向上と事業の将来を見据えた取り組みを推進いたしました。以上の結果、運輸業の営業収益は7,912百万円(前期比58百万円、0.7%増)となり、営業利益は480百万円(前期比59百万円、14.3%増)となりました。 (提出会社の鉄軌道事業の運輸成績表) 種別単位当連結会計年度 (2025.4.1~2026.3.31) 対前期増減率(%)輸送人員定期千人2,851△0.8定期外〃5,5881.8計〃8,4390.9旅客運輸収入定期百万円291△0.3定期外〃1,3012.6計〃1,5922.1 (業種別営業成績)種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益対前期増減率 百万円%鉄軌道事業1,6842.8バス運送事業5,3590.4タクシー事業947△6.2消去△78-計7,9120.7 (不動産業)不動産業におきましては、京福電気鉄道㈱が2024年度に取得したワコーレヴィータ高槻八丁畷町および京福茨木ビル、京福不動産㈱が昨年10月に福井市内で取得した学生向け賃貸マンションUni E'terna 福井乾徳(ユニエターナふくいけんとく)など、新たな賃貸物件からの賃料収入が寄与、販売用不動産の売却もあり増収となりました。「ボートレース三国」では引き続きインターネット投票が好調に推移し、施設賃貸収入が増収となりました。また、競艇施設内で子供向け職業体験イベント「Kids ジョブチャレンジ2025 in ボートレース三国」を開催するなど、ボートレースを身近に感じていただき、新たなファン層獲得にもつながる取り組みも実施しました。以上の結果、不動産業の営業収益は5,925百万円(前期比332百万円、5.9%増)となり、営業利益は1,751百万円(前期比115百万円、7.0%増)となりました。 (業種別営業成績)種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益対前期増減率 百万円% 不動産賃貸事業6,6485.9 不動産販売事業203158.8 消去△926-計5,9255.9 (主な相手先別の収益実績及び総営業収益に対する割合)相手先前連結会計年度(2024.4.1~2025.3.31)当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)越前三国競艇企業団4,38730.344,53630.49 (レジャー・サービス業)レジャー・サービス業におきましては、ホテル京福福井駅前では、引き続き稼働が堅調に推移し増収となりました。越前松島水族館では、ミズダコに特化した展示施設みずだこ館の話題性と集客力に加え、各メディアで積極的に情報発信を行った結果、入館客数が増加し、増収となりました。嵐山駅ビルなど京都地区の物販業は、下期を中心にインバウンド利用の伸び悩みなどから減収となりました。以上の結果、レジャー・サービス業の営業収益は、1,259百万円(前期比4百万円、0.4%減)となり、営業利益は188百万円(前期比57百万円、23.3%減)となりました。 (業種別営業成績)種別当連結会計年度(2025.4.1~2026.3.31)営業収益対前期増減率 百万円% ホテル業2120.9 水族館業6765.6 物販業288△5.8 その他101△20.3 消去△19-計1,259△0.4 ②キャッシュ・フローの状況 営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益に加え、減価償却費等の非現金支出項目による資金留保などにより2,884百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ742百万円の収入減となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより1,652百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,294百万円の支出減となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済などにより1,010百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ547百万円の支出増となりました。 以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は2,376百万円となり、前連結会計年度末に比べ221百万円の増加となりました。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループのサービス・販売等は、必ずしも一様ではないため、セグメント毎に金額あるいは数量での記載は行なっておりません。 そのため生産、受注及び販売の実績については、「(1)経営成績等の状況の概要」における各セグメント業績に関連付けて記載しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりであります。 (経営成績の分析) 当連結会計年度のわが国経済は、個人消費等の内需の拡大やインバウンドの増加により緩やかな回復傾向が見られた一方、物価上昇や地政学リスクの影響により、依然として先行き不透明な状況で推移いたしました。 このような状況のもと、当社グループでは、各事業において積極的な営業活動とサービス向上に取り組んでまいりました。 (財政状態の分析) 総資産は、有形固定資産の取得などにより、前連結会計年度末に比べ1,366百万円増加し、26,619百万円となりました。 負債は、長期借入金の減少などにより、前連結会計年度末に比べ697百万円減少し、10,899百万円となりました。 純資産は親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,063百万円増加し、15,720百万円となりました。 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、当社グループは、「連結営業収益」、「連結ROE」、「連結有利子負債/EBITDA倍率」を重要な指標として位置付けております。各指標は、以下のとおりです。経営指標前連結会計年度当連結会計年度連結営業収益14,459百万円14,881百万円連結ROE15.0%13.7%連結有利子負債/EBITDA倍率※1.68倍1.37倍※連結有利子負債/EBITDA倍率=(社債+借入金)÷(営業利益+減価償却費) ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報 (キャッシュ・フローの状況の分析) 当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。 (資本の財源及び資金の流動性) 当社グループの資金需要の主な内容は運転資金及び設備投資資金であり、これらの調達方法につきましては、営業活動により獲得した資金を充当し、不足分を借入金など有利子負債により調達することとしております。 借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、設備投資資金については、長期借入金及び社債の調達を基本としております。 なお、重要な設備投資の計画につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画 (1)重要な設備の新設等」に記載のとおりです。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 少子高齢化による需要減
    日本全体の少子高齢化の進行は、運輸業における就業・就学人口の減少に直結し、鉄道やバスの輸送人員の減少を招く可能性があります。また、従業員の採用難にもつながり、事業継続に支障をきたすことで、グループ全体の業績に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 燃料・資材価格の高騰
    バス運送事業やタクシー事業では、原油価格の変動が燃料費に直接影響を与えます。また、鉄道や不動産事業における材料・資材価格の高騰は、設備投資や修繕費用を増加させ、経費の増加を通じてグループの収益性を圧迫する可能性があります。
  • 自然災害・感染症の流行
    大規模な地震や風水害といった自然災害、あるいは新型コロナウイルスのような感染症の流行は、公共交通機関の運行停止や観光客の減少を招き、運輸業、レジャー・サービス業を中心に事業活動に著しい支障が生じる可能性があります。これにより、経営成績や財政状態に大きな影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,648 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)少子高齢化について 少子高齢化の進行に伴い、今後就業・就学人口の落ち込みが続いていくものと予測されています。この問題は当社グループにおきましては、運輸業である鉄軌道事業およびバス運送事業の輸送人員の減少や採用難による従業員不足から事業継続への支障等を招くこととなり業績に影響を及ぼす可能性があります。 (2)テロ等の社会不安について 公共交通機関の一端を担っている当社グループは、お客様の安全輸送を確保するため、随時、関係省庁からの情報収集に努めるとともに、自主警備の強化を行っておりますが、不測の事態により業績に影響を及ぼす可能性があります。 (3)景気の変動について 景気の大幅な変動により個人消費や民間設備投資が激変する場合、当社グループが提供する製品需要や鉄軌道・バス・タクシー等の輸送旅客の減少や価格競争の激化が進展する可能性があります。このような環境下において、当社グループの営業収益や収益性に影響を及ぼす可能性があります。 (4)材料・資材価格の高騰について 経済情勢や国際情勢の変化により材料・資材価格が高騰する可能性および材料資材が不足する可能性があります。当社グループにおきましては単価・内容・発注方法等の見直しなどによる経費軽減を実施しておりますが、価格上昇により業績に影響を及ぼす可能性があります。 また、バス運送事業、タクシー事業においては、地政学的リスクの高まりにより原油価格の不安定な状況が続くことで燃料費の増加が予想され、業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)時価の下落について 当社グループが保有する棚卸資産、有形・無形固定資産および投資有価証券等は今後時価が著しく下落した場合、減損損失または評価損を計上し業績に影響を及ぼす可能性があります。 (6)事故について 当社グループは安全輸送について従業員教育や業務管理等のソフト面の他、設備改良等のハード面からも万全の施策を実施しておりますが、事故が発生した場合には業績に影響を及ぼす可能性があります。 (7)市場金利の上昇について 経済情勢において金利上昇が予測され、当社グループにおきましては金利による負担軽減を図るべく、保有資産の効率性を高め有利子負債の圧縮を目指しておりますが、急激な経済情勢の変動あるいは金融機関等の動向により業績に影響を及ぼす可能性があります。 (8)感染症の流行等について 感染症の流行等によるパンデミックに対し、当社グループにおきましては「危機管理規程」や「事業継続計画(BCPマニュアル)」などを定め、事態への迅速かつ適切な対応を行う体制を整えておりますが、不測の事態においては、経済活動や個人消費が大きな影響を受けることにより当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (9)自然災害・気候変動について 当社グループは、自然災害等の発生に対しては社内体制を整備し、緊急時の対応に備えておりますが、万一、大規模な地震や風水害、沿線の観光資源である自然環境に気候変動等に伴う想定外の変化等が発生した場合、当社グループの営業活動に著しい支障が生じ、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10)電力供給不足への対応について 発電所の稼働停止により、各電力会社の電力供給能力は大幅に低下し、大規模停電などのトラブルが発生することが予想されます。 車両運行のため電力を使用する当社にとって、電力供給が不十分となった場合には、車両運行等サービスの安定的な提供が行えず、事業継続に大きな支障が生じる可能性があります。

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