9073

京極運輸商事(9073)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

京極運輸商事は、国内輸送、国際物流、ドラム缶・ペール缶、エネルギー、タンク洗浄の5つの事業を展開しています。主な収益源は、タンクローリーによる石油類や化学製品の液体輸送を主力とする国内輸送事業です。その他、港湾での荷役や倉庫保管を行う国際物流、石油容器の売買、石油類の賃貸借・売買、貯蔵タンクの洗浄・修理なども手掛けており、多角的な物流関連サービスを提供することで収益を上げています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成

京極運輸商事の事業セグメントは、主に5つで構成されています。最も売上と営業利益が大きいのは「国内輸送事業」で、石油類や化学製品の輸送が主力です。次に売上が大きいのは「ドラム缶・ペール缶事業」で、石油容器の販売を行っています。「国際物流事業」は港湾での荷役や倉庫保管が中心です。「エネルギー事業」は石油類の賃貸借や売買を手掛け、「タンク洗浄事業」は貯蔵タンクの洗浄・修理などを行っています。国内輸送事業がグループ全体の稼ぎ頭であり、国際物流事業も堅調な利益を上げています。

2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
DomesticTransportationBusinessReportableSegment 地域 39 3 6.6%
InternationalLogisticsBusinessReportableSegment 地域 6 1 18.9%
SteelDrumAndPailBusinessReportableSegment 地域 24 1 3.3%
EnergyBusinessReportableSegment 地域 11 0 0.5%
TankWashingBusinessReportableSegment 地域 5 0 0.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,031 文字
3 【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社(京極運輸商事株式会社)、子会社2社及び関連会社1社より構成されており、国内輸送事業、国際物流事業、ドラム缶・ペール缶事業、エネルギー事業並びにタンク洗浄事業の5部門に関係する事業を行っております。また、その他の関係会社等にはENEOS株式会社があります。当社グループの事業内容及び当社と関係会社等の位置付けは次のとおりであります。 (国内輸送事業)本業は顧客の需要に応じ自動車により貨物を運送し、その対価として運賃を収受するものであり、道路運送法による一般貨物自動車運送事業の許可を受けて、日本各地に拠点を設けておりますが、主として関東一円の営業を行っております。また、当該事業の関連施設における構内作業を行っております。業務の主力はタンクローリーによる石油類、化学製品等の液体貨物輸送で普通トラックは一般貨物及び容器類、石油類、化学製品類等の輸送を行っております。また、顧客の需要に応じて自己及び他人の名をもって、貨物運送業者による貨物運送の取次、受取、委託を行い対価を収受するもので貨物運送取扱事業法による許可及び登録を受けて営業活動を行うものであります。〔主な関係会社〕 ㈱弥生京極社(国際物流事業)本業は荷主及び船舶運航業者の委託を受け、貨物の受渡しを伴う港湾荷役、貨物の本船への積込み、または本船から取卸した貨物の上屋への搬出入、若しくは船舶からの積卸し、またはこれら貨物の上屋における保管、荷捌等の作業を行うものであります。また、顧客のために物品を倉庫に保管し、保管貨物の運送、入出庫及びはい替え等の諸作業を行いその対価として、保管料、運賃及び荷役料を収受するものであります。また、当該事業の関連施設における構内作業を行っております。(ドラム缶・ペール缶事業)本業は顧客の需要に応じて石油類容器の売買、これら販売における配送業務を行っております。(エネルギー事業)本業は顧客の需要に応じて石油類の賃貸借及び売買、石油製品類及びその副産物の売買を行っております。〔主な関係会社〕 京極石油㈱(タンク洗浄事業)本業は顧客の需要に応じて石油・化学製品及びその他の貯蔵タンクの洗浄・修理並びに配管工事等を行うものであります。〔主な関係会社〕 日本タンクサービス㈱ [事業の系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示しますと次のとおりであります。 *印は、連結子会社※印は、持分法適用関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
ドラム缶・ペール缶事業、タンク洗浄事業は入札制度で他社との価格競争があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
国内輸送事業は道路運送法、貨物運送取扱事業法による許可・登録が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 維持投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:法規制による車両代替の設備投資及びコスト増 / 気候条件による輸送量の減少 / 素材価格の高騰による販売量減少・燃料費高騰
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

公開情報からは、特許、ブランド力、規制ライセンス等、明確な無形資産の存在を示す証拠は見当たらない。陸運業という性質上、無形資産による競争優位性は限定的と考えられる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

長年の取引実績や、特定の顧客ニーズに合わせたカスタマイズされた物流サービスを提供している場合、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、具体的な顧客維持率や解約率に関するデータは不明。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、プラットフォーム型ではなく、物理的な輸送・保管サービスが中心であり、ネットワーク効果が発生する構造ではない。ユーザー数の増加が直接的なサービス価値向上に繋がる要素は少ない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた効率的な運行管理や、規模の経済を活かした仕入れ・調達力がコスト競争力の源泉となっている可能性がある。ただし、具体的なコスト構造や競合他社との比較データは不足している。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

陸運業において、一定の事業規模を持つことで、固定費の分散や、より広範なネットワークの構築が可能となり、効率性が高まる。同社が業界内でどの程度のシェアを持ち、効率的な規模を享受しているかは不明。

京極運輸商事の優位性は、多岐にわたる物流関連事業をグループ内で展開している点にあります。特に国内輸送事業では、道路運送法に基づく許可や日本各地の拠点、関東圏を中心とした営業網が強みです。タンクローリーによる特殊な液体貨物輸送は専門性が高く、参入障壁となり得ます。また、国際物流における港湾荷役や倉庫保管、ドラム缶・ペール缶の販売、エネルギー供給、タンク洗浄といった幅広いサービス提供能力は、顧客に対してワンストップでのソリューションを提供できる点で競争優位性があると考えられます。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは1891年(明治24年)に京極家9代目「京極高通」が創業し、石油製品、液体化学品、高圧ガス等に関連した運送事業を中心とし、港湾運送、通関業務、倉庫事業、ドラム缶等の容器販売事業、タンク洗滌・修理事業等総合物流関連事業を展開してまいりました。しかしながら、現代社会においては、デジタル技術の発展、消費者ニーズの多様化等、ビジネス環境は目まぐるしく変化しており、今後どのように変化していくのか予測がますます難しくなってきております。このように環境が大きく変化する中においても、当社は事業の方向を柔軟に決定する羅針盤として「私たちの使命」「私たちの目指す姿」「私たちの行動基準」からなる企業理念を制定しました。当社は一人ひとりが働き甲斐を感じ、自ら参加したくなる組織を目指して『いい会社にしよう』を合言葉に次の100年に向かって前進します。 (2) 目標とする経営指標事業価値の向上のため、デジタル化の推進、グループ金融による資金の効率化及びキャッシュ・フロー範囲内での設備投資を実施し、安定的な営業利益の確保に努めてまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループにおきましては、中長期的な目標として「事業価値の向上」、「サステナビリティへの取り組み」、「人的資本の充実」の3つをテーマに掲げ、2023年度4月から3ヵ年の第2次中期経営計画を策定しました。 「第2次中期経営計画」概要テ ー マ施 策目 標2021年度実績→2025年度目標実 績2025年度実績事業価値の向上・デジタル化の推進・デジタル推進部門、安全管理部門、販売管理部門の設置・資金効率の向上・キャッシュ・フローの範囲内での設備投資の実施・新規事業の創造営 業 利 益1.5億円 → 3.0億円 R O E4.1% → 5.1%営 業 利 益1.6億円 R O E3.9%サステナビリティへの取り組み(CO2排出削減)・燃費向上新車/アイドリングストップ/低燃費タイヤ・3R(リデュース/リユース/リサイクル)の推進3ヶ年で12.1%削減11,220tco2 → 9,862tco23ヶ年で6.4%削減10,503tco2人的資本の充実・働き甲斐のある職場づくり・多様性と受容性の推進 女 性 比 率事務職 19% → 33%運転職 2% → 10% 障 が い 者 比 率0.8% → 3.0% 女 性 比 率事務職 34%運転職 3% 障 が い 者 比 率0.7% (4) 中期経営計画の進捗状況第2次中期経営計画最終年度である2026年3月期については、いわゆる2024年問題対応にかかる経費増に加え、国内輸送事業における配送数量の減少、国際物流事業における輸出入取扱量の減少などの影響で営業利益は164百万円に留まり、第2次中期経営計画目標対比136百万円の未達となりました。今次策定した第3次中期経営計画(2026~2028年度)については、最終年度目標として ①売上高100億円以上②営業利益3億円以上 ③ROE5%以上を掲げ、「クロスセールス型ビジネスへの転換」「マルチワークステーション(MWS)の立ち上げ」「経営基盤の機能強化」を基本方針として、全社一丸となって取り組んでまいります。 (5) 会社の対処すべき課題ならびに対策顧客への提供価値最大化を目的に、「クロスセールス型ビジネスへの転換」「マルチワークステーション(MWS)の立ち上げ」「経営基盤の機能強化」を確実に実行していくことで、第3次中期経営計画(2026~2028年度)の達成に向けて進めてまいります。① 国内輸送事業におきましては、国際情勢の不安定化、地政学リスクの高まりや為替動向等の影響による燃料価格の高騰など、事業環境は大きく変化しております。このような状況の中、当社は安全品質の更なる向上のため、運行管理の高度化や安全教育の徹底など従来からの取り組み強化に加え、デジタル技術を活用した安全管理システムの導入を進めてまいります。人材面におきましては、持続可能な輸送体制を構築するための人材確保及び育成が不可欠であるとの認識のもと資格取得支援制度の活用による専門人材の育成を推進するとともに、多様な人材の採用や働きやすい職場環境の準備を進め、ドライバーの定着率向上及び離職率の低減に取り組んでまいります。環境対応につきましては、低燃費車両への更新や環境性能に優れたタイヤの導入、車両配置の最適化及び配送の効率化などを通じてCO₂排出量の削減に努めるとともに、荷主企業との連携により環境負荷低減と輸送効率向上を両立した持続可能な物流サービスの提供を推進してまいります。事業戦略の面では、社内各部門の連携を一層強化することで、新規顧客の開拓及び既存顧客との取引拡大を推進してまいります。また、適正運賃の収受及び輸送品質の向上を通じて収益基盤の安定化を図り、事業の持続的成長を実現してまいります。さらに、基礎化学品の輸入需要の拡大に対応するため、通関部門と輸送部門の連携を強化し、輸入物流サービスの高度化を進めてまいります。加えて、新たにマルチワークステーション(注1)を展開することでワンストップサービスを実現し、物流オペレーションの高度化とともに顧客への提供価値の向上に取り組んでまいります。当社はこれらの取り組みを通じて、安全で高品質な液体輸送サービスを提供するとともに、事業環境の変化に柔軟に対応しながら収益基盤の強化及び企業価値の向上を図り、社会及びステークホルダーから信頼される企業を目指してまいります。② 国際物流事業におきましては、輸入化学品需要の拡大が見込まれるISOタンクコンテナ(注2)による液体化学品輸送の取扱いに注力し、収益性の向上を図ってまいります。また、倉庫部門においても自社倉庫に加え提携先倉庫及び協力倉庫のネットワークを拡大し、各倉庫の機能や特性を活かした提案型営業を推進することで、顧客ニーズに即した最適な物流サービスの提供に努めてまいります。さらに、国際物流を担う企業としての社会的責任を踏まえ、認定通関業者(AEO事業者)としてコンプライアンスを最重要課題と位置付け、セキュリティ体制及び内部管理体制の一層の強化を図り、信頼性の高い物流体制の構築に取り組んでまいります。③ ドラム缶・ペール缶事業におきましては、新缶需要の減少及び仕入価格の上昇に伴う価格転嫁が課題となっております。ドラム缶等販売事業につきましては、サーキュラーエコノミーの推進と環境規制強化により更生缶のニーズが増加すると想定されるため、リユース事業の強化を軸に展開してまいります。ドラム缶等配送事業につきましては、デジタルツールの積極導入による管理体制の高度化を図り、ドラム缶積込作業等の労働環境改善及び効率化を推進してまいります。④ エネルギー事業におきましては、石油需要減少による市場縮小という環境下にありますが、ENEOSの特約店として60年以上の実績を有しており、安定的な供給体制を有しています。加えて、エネルギー周辺ビジネスとして「ENEOSでんき・ガス」「ENEOSカーリース」を既存取引先へのクロスセールス商材として、展開を強化してまいります。燃料供給とこれら商材を合わせ、顧客との長期的な取引継続と安定的な手数料収益の確保を進めてまいります。⑤ タンク洗浄事業におきましては、元売り他のタンク基数の減少と競争入札による受注価格下落等、厳しい環境下であるものの、2026年3月期は各エリアでの受注をしっかり確保した結果、好調な実績となりました。引き続き、経営資源の効率運用、安全管理、事故防止に努めることにより、業績の持続的な向上を図ってまいります。 以上の施策を着実に実行する所存でございますので、株主の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 (注)1 マルチワークステーションとは、ISOタンクコンテナの保管、詰替え、加温、洗浄、点検・整備等を行う多用途作業基地。(注)2 ISOタンクコンテナとは、国際標準化機構(ISO)によって規格化された液体や粉体等の貨物を輸送するためのコンテナ。ISO規格に準拠しているため、世界中で標準化された取り扱いが可能。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは1891年(明治24年)に京極家9代目「京極高通」が創業し、石油製品、液体化学品、高圧ガス等に関連した運送事業を中心とし、港湾運送、通関業務、倉庫事業、ドラム缶等の容器販売事業、タンク洗滌・修理事業等総合物流関連事業を展開してまいりました。しかしながら、現代社会においては、デジタル技術の発展、消費者ニーズの多様化等、ビジネス環境は目まぐるしく変化しており、今後どのように変化していくのか予測がますます難しくなってきております。このように環境が大きく変化する中においても、当社は事業の方向を柔軟に決定する羅針盤として「私たちの使命」「私たちの目指す姿」「私たちの行動基準」からなる企業理念を制定しました。当社は一人ひとりが働き甲斐を感じ、自ら参加したくなる組織を目指して『いい会社にしよう』を合言葉に次の100年に向かって前進します。 (2) 目標とする経営指標事業価値の向上のため、デジタル化の推進、グループ金融による資金の効率化及びキャッシュ・フロー範囲内での設備投資を実施し、安定的な営業利益の確保に努めてまいります。 (3) 中長期的な会社の経営戦略当社グループにおきましては、中長期的な目標として「事業価値の向上」、「サステナビリティへの取り組み」、「人的資本の充実」の3つをテーマに掲げ、2023年度4月から3ヵ年の第2次中期経営計画を策定しました。 「第2次中期経営計画」概要テ ー マ施 策目 標2021年度実績→2025年度目標実 績2025年度実績事業価値の向上・デジタル化の推進・デジタル推進部門、安全管理部門、販売管理部門の設置・資金効率の向上・キャッシュ・フローの範囲内での設備投資の実施・新規事業の創造営 業 利 益1.5億円 → 3.0億円 R O E4.1% → 5.1%営 業 利 益1.6億円 R O E3.9%サステナビリティへの取り組み(CO2排出削減)・燃費向上新車/アイドリングストップ/低燃費タイヤ・3R(リデュース/リユース/リサイクル)の推進3ヶ年で12.1%削減11,220tco2 → 9,862tco23ヶ年で6.4%削減10,503tco2人的資本の充実・働き甲斐のある職場づくり・多様性と受容性の推進 女 性 比 率事務職 19% → 33%運転職 2% → 10% 障 が い 者 比 率0.8% → 3.0% 女 性 比 率事務職 34%運転職 3% 障 が い 者 比 率0.7% (4) 中期経営計画の進捗状況第2次中期経営計画最終年度である2026年3月期については、いわゆる2024年問題対応にかかる経費増に加え、国内輸送事業における配送数量の減少、国際物流事業における輸出入取扱量の減少などの影響で営業利益は164百万円に留まり、第2次中期経営計画目標対比136百万円の未達となりました。今次策定した第3次中期経営計画(2026~2028年度)については、最終年度目標として ①売上高100億円以上②営業利益3億円以上 ③ROE5%以上を掲げ、「クロスセールス型ビジネスへの転換」「マルチワークステーション(MWS)の立ち上げ」「経営基盤の機能強化」を基本方針として、全社一丸となって取り組んでまいります。 (5) 会社の対処すべき課題ならびに対策顧客への提供価値最大化を目的に、「クロスセールス型ビジネスへの転換」「マルチワークステーション(MWS)の立ち上げ」「経営基盤の機能強化」を確実に実行していくことで、第3次中期経営計画(2026~2028年度)の達成に向けて進めてまいります。① 国内輸送事業におきましては、国際情勢の不安定化、地政学リスクの高まりや為替動向等の影響による燃料価格の高騰など、事業環境は大きく変化しております。このような状況の中、当社は安全品質の更なる向上のため、運行管理の高度化や安全教育の徹底など従来からの取り組み強化に加え、デジタル技術を活用した安全管理システムの導入を進めてまいります。人材面におきましては、持続可能な輸送体制を構築するための人材確保及び育成が不可欠であるとの認識のもと資格取得支援制度の活用による専門人材の育成を推進するとともに、多様な人材の採用や働きやすい職場環境の準備を進め、ドライバーの定着率向上及び離職率の低減に取り組んでまいります。環境対応につきましては、低燃費車両への更新や環境性能に優れたタイヤの導入、車両配置の最適化及び配送の効率化などを通じてCO₂排出量の削減に努めるとともに、荷主企業との連携により環境負荷低減と輸送効率向上を両立した持続可能な物流サービスの提供を推進してまいります。事業戦略の面では、社内各部門の連携を一層強化することで、新規顧客の開拓及び既存顧客との取引拡大を推進してまいります。また、適正運賃の収受及び輸送品質の向上を通じて収益基盤の安定化を図り、事業の持続的成長を実現してまいります。さらに、基礎化学品の輸入需要の拡大に対応するため、通関部門と輸送部門の連携を強化し、輸入物流サービスの高度化を進めてまいります。加えて、新たにマルチワークステーション(注1)を展開することでワンストップサービスを実現し、物流オペレーションの高度化とともに顧客への提供価値の向上に取り組んでまいります。当社はこれらの取り組みを通じて、安全で高品質な液体輸送サービスを提供するとともに、事業環境の変化に柔軟に対応しながら収益基盤の強化及び企業価値の向上を図り、社会及びステークホルダーから信頼される企業を目指してまいります。② 国際物流事業におきましては、輸入化学品需要の拡大が見込まれるISOタンクコンテナ(注2)による液体化学品輸送の取扱いに注力し、収益性の向上を図ってまいります。また、倉庫部門においても自社倉庫に加え提携先倉庫及び協力倉庫のネットワークを拡大し、各倉庫の機能や特性を活かした提案型営業を推進することで、顧客ニーズに即した最適な物流サービスの提供に努めてまいります。さらに、国際物流を担う企業としての社会的責任を踏まえ、認定通関業者(AEO事業者)としてコンプライアンスを最重要課題と位置付け、セキュリティ体制及び内部管理体制の一層の強化を図り、信頼性の高い物流体制の構築に取り組んでまいります。③ ドラム缶・ペール缶事業におきましては、新缶需要の減少及び仕入価格の上昇に伴う価格転嫁が課題となっております。ドラム缶等販売事業につきましては、サーキュラーエコノミーの推進と環境規制強化により更生缶のニーズが増加すると想定されるため、リユース事業の強化を軸に展開してまいります。ドラム缶等配送事業につきましては、デジタルツールの積極導入による管理体制の高度化を図り、ドラム缶積込作業等の労働環境改善及び効率化を推進してまいります。④ エネルギー事業におきましては、石油需要減少による市場縮小という環境下にありますが、ENEOSの特約店として60年以上の実績を有しており、安定的な供給体制を有しています。加えて、エネルギー周辺ビジネスとして「ENEOSでんき・ガス」「ENEOSカーリース」を既存取引先へのクロスセールス商材として、展開を強化してまいります。燃料供給とこれら商材を合わせ、顧客との長期的な取引継続と安定的な手数料収益の確保を進めてまいります。⑤ タンク洗浄事業におきましては、元売り他のタンク基数の減少と競争入札による受注価格下落等、厳しい環境下であるものの、2026年3月期は各エリアでの受注をしっかり確保した結果、好調な実績となりました。引き続き、経営資源の効率運用、安全管理、事故防止に努めることにより、業績の持続的な向上を図ってまいります。 以上の施策を着実に実行する所存でございますので、株主の皆さまにおかれましては、今後とも一層のご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。 (注)1 マルチワークステーションとは、ISOタンクコンテナの保管、詰替え、加温、洗浄、点検・整備等を行う多用途作業基地。(注)2 ISOタンクコンテナとは、国際標準化機構(ISO)によって規格化された液体や粉体等の貨物を輸送するためのコンテナ。ISO規格に準拠しているため、世界中で標準化された取り扱いが可能。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a.財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ760百万円増加し、8,929百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ319百万円増加し、4,247百万円となりました。 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ441百万円増加し、4,682百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や設備投資の持ち直しを背景に緩やかな回復基調で推移したものの、物価上昇の影響から個人消費には力強さを欠く局面もみられ、先行きは不透明な状況が続きました。物流業界におきましては、自動車運転業務に対する時間外労働上限規制等への対応が継続するなか、ドライバー不足への対応、外注費・人件費・燃料費等のコスト上昇圧力、安全確保と輸送力維持の両立、適正運賃・料金の収受など、厳しい経営課題への対応を迫られました。また、荷動きは需要産業の生産動向の影響を受けやすく、事業環境は総じて厳しい状況で推移しました。このような状況下、当連結会計年度における当社グループの売上高は、国内輸送事業における輸送数量の減少、国際物流事業における取扱数量の減少は継続しているものの、国内輸送事業を中心とした価格改定に加え、ドラム缶・ペール缶事業における更生缶販売が好調であったこと、タンク洗浄事業の工事が順調に完了したことから、売上高は8,702百万円と前連結会計年度と比べ281百万円(3.3%)の増収となりました。損益面につきましては、営業利益は164百万円と前連結会計年度と比べ147百万円(867.8%)の増益となりました。また、経常利益は244百万円と前連結会計年度と比べ140百万円(135.0%)の増益となり、親会社株主に帰属する当期純利益は173百万円と前連結会計年度と比べ69百万円(66.2%)の増益となりました。 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 (イ) 国内輸送事業車両修繕費用の増加はあったものの、適正運賃収受に向けた運賃交渉による価格改定により、増収・増益となりました。結果として、売上高は3,960百万円と前連結会計年度と比べ108百万円(2.8%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は279百万円と前連結会計年度と比べ24百万円(9.6%)の増益となりました。(ロ) 国際物流事業通関部門において、中国向けの輸出入が減少したものの、倉庫部門における保管料の価格改定により、増収・増益となりました。結果として、売上高は631百万円と前連結会計年度と比べ25百万円(4.1%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は133百万円と前連結会計年度と比べ19百万円(16.3%)の増益となりました。(ハ) ドラム缶・ペール缶事業ドラム缶販売部門における産廃用・化学品用の更生缶販売数量の増加により、増収・増益となりました。結果として、事業全体では売上高は2,462百万円と前連結会計年度と比べ96百万円(4.0%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は89百万円と前連結会計年度と比べ11百万円(13.7%)の増益となりました。(ニ) エネルギー事業石油販売においては取扱数量の減少により、減収・減益となりました。結果として、売上高は960百万円と前連結会計年度と比べ125百万円(△11.5%)の減収となり、セグメント利益(営業利益)は3百万円と前連結会計年度と比べ3百万円(△46.9%)の減益となりました。 (ホ) タンク洗浄事業前期末から仕掛中の工事が順調に完了したこと、当期の受注増により、増収・増益となりました。結果として、売上高は689百万円と前連結会計年度と比べ177百万円(34.5%)の増収となり、セグメント利益(営業利益)は108百万円と前連結会計年度と比べ104百万円(2,284.6%)の増益となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ413百万円増加し、当連結会計年度末には1,294百万円となりました。当連結会計年度に係る区分ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動により得られた資金は909百万円(前連結会計年度は393百万円の獲得)となりました。前連結会計年度からの主な変動は、税金等調整前当期純利益の増加及び売上債権の減少によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動により使用した資金は74百万円(前連結会計年度は95百万円の使用)となりました。前連結会計年度からの主な変動は、有形固定資産の取得による支出の減少によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動により使用した資金は421百万円(前連結会計年度は361百万円の使用)となりました。前連結会計年度からの主な変動は、リース債務の返済による支出の増加によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績 a. 生産実績該当事項はありません。 b. 受注実績当社は受注生産を行っていないため、受注実績の記載を省略しております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)国内輸送事業3,960,3732.8国際物流事業631,0564.1ドラム缶・ペール缶事業2,461,7544.0エネルギー事業959,844△11.5タンク洗浄事業689,40934.5合計8,702,4363.3 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)ENEOS㈱1,665,78019.81,804,39620.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(a) 財政状態の分析(資産の部)流動資産は前連結会計年度末に比べ210百万円増加し、2,742百万円となりました。これは、売掛金204百万円の減少はあったものの、現金及び預金413百万円の増加によるものであります。固定資産は前連結会計年度末に比べ550百万円増加し、6,187百万円となりました。これは主に、投資有価証券596百万円の増加によるものであります。(負債の部)流動負債は前連結会計年度末に比べ161百万円増加し、2,453百万円となりました。これは主に、賞与引当金44百万円、未払法人税等37百万円及びその他39百万円の増加によるものであります。固定負債は前連結会計年度末に比べ158百万円増加し、1,794百万円となりました。これは主に、繰延税金負債181百万円の増加によるものであります。(純資産の部)純資産は前連結会計年度末に比べ441百万円増加し、4,682百万円となりました。これは主に、その他有価証券評価差額金399百万円の増加によるものであります。 (b) 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度における売上高は8,702百万円(前年同期比3.3%増)となり、前連結会計年度に比べて281百万円の増加となりました。セグメント別の売上高については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(営業利益)当連結会計年度における営業利益は164百万円(前年同期比867.8%増)となりました。これは、国内輸送事業を中心とした価格改定に加え、ドラム缶・ペール缶事業における更生缶販売が好調であったこと、タンク洗浄事業の工事が順調に完了したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フロー)キャッシュ・フローの分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。(資金需要)当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、国内輸送事業における車両維持管理費、国際物流事業における下払費や倉庫維持管理費等があります。また、設備資金需要としては、国内輸送事業や国際物流事業における車両更新投資や倉庫設備、エネルギー事業における商品仕入費、タンク洗浄事業における機械及び装置等があります。(財務政策)当社グループの運転資金については、当面の資金需要と設備投資計画に則り自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。当連結会計年度末における現金及び現金同等物は1,293,817千円となり、有利子負債残高は1,882,603千円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成され ております。この連結財務諸表の作成にあたっては、当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与えるような見積り、予測を必要としております。当社グループは、過去の実績値や状況を踏まえ合理的と判断される前提に基づき、継続的に見積り、予測を行っております。そのため実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。 今後の見通し 今後の見通しにつきましては、主に国内輸送事業、国際物流事業及びエネルギー事業に対し、中東情勢の不安定化が与える影響が不透明な状況ではあるものの、既存事業の強化、業務効率化の推進や、燃料サーチャージの導入等の価格転嫁を通じ、通期の売上高9,061百万円、営業利益146百万円、経常利益176百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は108百万円を見込んでおります。

事業リスク

京極運輸商事の事業にはいくつかのリスクがあります。国内輸送事業では、大気汚染に関する法規制強化により、車両代替の設備投資やコスト増が発生し、収益を圧迫する可能性があります。また、暖冬による石油類輸送量の減少や冷夏による空冷用ガス輸送量の減少など、気候条件が国内輸送、国際物流、エネルギー事業の損益に影響を与えることがあります。さらに、鉄鋼や原油などの素材価格高騰は、ドラム缶販売量の減少や車両燃料費の高騰を通じて、国内輸送やドラム缶・ペール缶事業の損益に影響を及ぼす可能性があります。国際物流事業は海外の需要動向に左右され、ドラム缶・ペール缶事業やタンク洗浄事業の一部は入札制度による失注リスクも抱えています。

出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|652 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 法規制による影響当社グループの主要事業である国内輸送事業において、大気汚染にかかわる国及び地方自治体の環境確保による法規制は更に強化が予想されることから、これによる車両代替の設備投資及びコスト増が予想され、企業収益を圧迫する要因となります。(2) 気候条件の影響例えば国内の暖冬による石油類等の輸送量の減少、冷夏による空冷用ガスの輸送量の減少など、気候条件が主として国内輸送事業、国際物流事業、エネルギー事業の損益変動要因となります。(3) 素材価格の影響鉄鋼・原油等、素材の価格の高騰が、例えばドラム缶販売量の減少、車両燃料費の高騰など、主として国内輸送事業、ドラム缶・ペール缶事業(一部)の損益変動要因となります。(4) 海外の需要動向の影響海外の需要動向が得意先の販売量、仕入量に影響を与え、結果、主として国際物流事業の損益変動要因となります。(5) 入札制度による影響ドラム缶・ペール缶事業(一部)、タンク洗浄事業の受注は入札制度で行われます。入札制度により他社がより廉価で入札してくる場合など、入札制度での失注が当該事業の損益変動要因となります。

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