9081

神奈川中央交通(9081)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

陸運業 運輸・物流

事業の概要

  • 地域密着の総合交通事業
    神奈川中央交通グループは、神奈川県を中心に、バスやタクシーといった公共交通機関の運行を主軸としています。地域住民の移動を支えることで安定的な収益基盤を築き、生活に不可欠なサービスを提供しています。
  • 不動産事業による収益多様化
    バス事業で培った地域とのつながりを活かし、不動産の賃貸や分譲も手掛けています。これにより、単一事業に依存しない収益構造を構築し、事業の安定性を高めています。特に不動産関連領域への重点投資を計画しており、今後の成長ドライバーとなる可能性があります。
  • 多角的な事業展開
    自動車販売(三菱ふそうの商用車や輸入車)、流通、レジャー・スポーツ、飲食、ホテル、自動車整備など、多岐にわたる事業を展開しています。これにより、地域社会の様々なニーズに応えながら、グループ全体の収益源を多様化し、リスク分散を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 旅客自動車事業
    売上高570.22億円、営業利益27.99億円と、グループの主力事業であり最大の稼ぎ頭です。乗合バス、貸切バス、タクシー事業を展開し、神奈川県を中心に地域住民の移動を支えています。公共性の高いサービス提供を通じて安定的な収益を確保しています。
  • 不動産事業
    売上高66.43億円、営業利益21.79億円と、売上規模は旅客自動車事業に劣るものの、高い利益率を誇る重要な事業です。賃貸事業と分譲事業を手掛けており、グループ全体の収益性を高める役割を担っています。今後の成長戦略においても重点領域とされています。
  • 自動車販売事業
    売上高341.38億円、営業利益14.05億円と、旅客自動車事業に次ぐ売上規模を持つ事業です。商用車(神奈川三菱ふそう自動車販売)と輸入車(神奈中相模ヤナセ)の販売を行っており、グループの多角化戦略の一翼を担っています。安定した収益源としてグループ全体の事業基盤を支えています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
PassengerAutomobile 事業 570 28 4.9%
RealEstate 事業 66 22 32.8%
AutomobileSales 事業 341 14 4.1%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|765 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社19社および関連会社2社で構成され、その営んでいる主要な事業内容をセグメントに関連付けて示すと、次のとおりであります。また、小田急電鉄㈱はその他の関係会社であり、鉄道事業等を営んでおります。 (1) 旅客自動車事業 事業の内容会社名乗合バス事業当社貸切バス事業神奈中観光㈱タクシー事業神奈中タクシー㈱、㈱海老名相中 (2) 不動産事業 事業の内容会社名賃貸事業当社、神奈中タクシー㈱、神中興業㈱、㈱水島商事分譲事業当社、㈱水島商事、㈲林間商事、㈱エムエス企画 (3) 自動車販売事業 事業の内容会社名商用車販売事業神奈川三菱ふそう自動車販売㈱、㈱中央自動車輸入車販売事業神奈中相模ヤナセ㈱ (4) その他の事業 事業の内容会社名流通事業㈱神奈中商事レジャー・スポーツ事業㈱神奈中スポーツデザイン飲食事業㈱神奈中システムプランホテル事業当社、㈱グランドホテル神奈中自動車整備事業神中興業㈱その他㈱神奈中情報システム、横浜ビルシステム㈱、㈱神奈中アカウンティングサービス、横浜車輌工業㈱、東光㈱、大山観光電鉄㈱、㈱朋栄(※) (注) 1 上記は、当社、神奈中タクシー㈱、神中興業㈱および㈱水島商事が重複しております。2 (※) ㈱朋栄は持分法を適用していない関連会社であります。3 2025年4月1日付で当社は、神奈川中央交通東㈱および神奈川中央交通西㈱を吸収合併いたしました。4 2025年4月1日付で横浜ビルシステム㈱は、東光㈱の全株式を取得し、同社は当社の連結子会社となりました。5 2026年1月7日付で当社は、㈱水島商事、㈲林間商事および㈱エムエス企画の全株式を取得し、各社は当社の連結子会社となりました。 概要図は次のとおりであります。 (※) 持分法を適用していない関連会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
公共性の高い旅客自動車事業を中核としているため
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
公共性の高い旅客自動車事業を中核としており、許認可や地域ネットワークが障壁となる
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:人材の不足 / 輸送中の事故 / 感染症の拡大および長期化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

地域密着型のブランド認知度は一定程度存在するが、特許や独占的IPのような強力な無形資産は確認できない。特定の地域での運行権は存在するものの、それが競争優位に直結するほどの強さはない。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

バス路線は生活インフラの一部であり、代替交通手段がない地域では利用者の乗り換えコストは高い。しかし、鉄道や自家用車など代替手段が存在する地域では、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

バス利用者の増加がバス路線の価値を直接高めるネットワーク効果は基本的に存在しない。プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年のバス運行ノウハウによる効率的な運行管理や、燃料費・人件費の抑制努力は一定のコスト優位性につながる可能性がある。しかし、公共交通機関としての制約もあり、抜本的なコスト削減は難しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

神奈川県央地域におけるバス運行事業者として、広範な路線網と多数の車両・従業員を擁しており、地域内では一定の規模の経済が働いている。しかし、全国規模で見ると寡占度は低い。

  • 地域に根差した強固なネットワーク
    神奈川県を中心に長年にわたり乗合バス事業を展開しており、地域住民の生活に密着した広範な路線網と高い認知度を誇ります。これは新規参入が難しい強固な競争優位性であり、安定的な顧客基盤と収益源を確保しています。
  • 公共交通機関としての許認可と信頼
    旅客自動車事業は、国や自治体からの許認可が必要な公共性の高い事業です。神奈川中央交通は、長年の実績と安全運行への取り組みを通じて、地域社会からの高い信頼とブランド力を確立しており、これが事業継続の大きな強みとなっています。
  • 多角化による事業安定性
    バス事業を核としつつも、不動産、自動車販売、レジャーなど多岐にわたる事業を展開することで、特定の事業環境変化による影響を緩和しています。特に不動産事業は安定した賃料収入をもたらし、グループ全体の収益基盤を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 地域価値創造と社会課題解決
    長期ビジョン「Vision 2030 NEXT 神奈中」では、時代のニーズに即したサービス提供と事業を通じた社会・環境問題の解決を掲げています。地域に新しい価値を創造することで、持続的な成長と企業価値向上を目指します。
  • 不動産事業の再構築と強化
    事業ポートフォリオの再構築として、不動産関連領域への重点投資を推進し、不動産事業の拡大を目指しています。グループ保有資産の高度利用や効率化を図り、安定的な収益基盤を強化することで、事業全体の安定性を高める戦略です。
  • サステナビリティ経営の推進
    カーボンニュートラルやSDGsへの取り組みを経営の重要課題と位置付け、環境配慮車両の導入や再生可能エネルギー活用を進めています。また、人材戦略やデジタル戦略も強化し、持続可能な社会と企業の成長を両立させることを目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社を中心とする神奈川中央交通グループは、以下のとおり経営理念を掲げ、事業活動を通じて社会に貢献するとともに、関わり合うすべてのステークホルダーの発展と企業価値の向上を目指すことを経営の基本方針としております。 神奈中グループ経営理念お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献します。経営方針・お客さまの視点に立ち、期待に応える価値を提供します。・地域の明日を考え、みなさまとともに歩みます。・従業員が働くよろこびを実感できる、活気ある企業を目指します。 (2) 会社の経営環境および対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、本格的な少子高齢社会を迎え、人口減少による国内マーケットの縮小が進んでおります。また、コロナ禍による新しい生活様式の定着は、当社グループのお客さまの行動や価値観を大きく変化させました。さらに、デジタル技術の急速な進展により、新たなサービスが展開されるとともに、カーボンニュートラルやSDGs(持続可能な開発目標)など、企業によるサステナビリティへの取り組みが加速しております。加えて、あらゆる業種・業態で人手不足が顕在化する昨今、人財戦略の重要性が一層高まっております。 このような状況のもと、当社グループは、私たちの「ありたい姿」(「多様化するお客さまニーズに応え続けるために、時代の変化に柔軟に対応し、新たなサービスの創造に挑戦し続ける」)の実現に向けて、2030年度を最終年度とする長期ビジョン「Vision 2030 NEXT 神奈中~地域価値創造型企業にむけて~」を2023年4月に策定いたしました。 長期ビジョンでは、以下の3つの方針を掲げております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 長期ビジョン実現に向けた方針1.地域価値の創造当社グループは、時代のニーズに即したサービスの提供や事業を通じて社会・環境問題の解決に貢献し、地域に新しい価値を創造してまいります。2.事業ポートフォリオの再構築不動産関連領域へ重点的に投資を行うなど、不動産事業を拡大し、事業ポートフォリオを再構築してまいります。3.サステナビリティ経営の推進サステナビリティへの取り組みを推進していくため、「サステナビリティ基本方針」を基に特定した5つのマテリアリティの課題解決に取り組んでまいります。 2024年4月に策定いたしました「神奈中グループ中期経営計画(2024年度~2026年度)」では、長期ビジョンの実現に向けた「飛躍期」の第1ステージと位置づけ、以下の3つの重点課題と3つの重点戦略に取り組んでおります。 重点課題1. 持続可能なモビリティサービスの実現自治体等との協働やデジタル技術の活用を通じて、次世代モビリティへの転換を加速するとともに、グループ全体で輸送の効率化・最適化を図り、地域交通ネットワークの維持・向上を通じて「持続可能なモビリティサービス」の実現を目指してまいります。2. 不動産関連領域の強化グループ会社が保有する資産の管理を一元化し、高度利用の推進と効率化を図ってまいります。あわせて、建築費高騰など市況変化に応じて計画を適宜見直し、不動産事業の持続的な成長を目指してまいります。3.「ゆたかなくらし」への貢献外部パートナーとの協働や多様な施策を通じて、健康増進や外出機会の創出を図るとともに、地域社会への価値提供を通じて「ゆたかなくらし」の実現に貢献してまいります。 重点戦略1.環境戦略神奈中グループカーボンニュートラルロードマップの中間目標(2030年度に2013年度比35%削減)達成に向けて、EV車両の導入や再生可能エネルギーの活用を推進するとともに、エネルギー使用の最適化と効率化を図り、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。2.人財戦略全ての社員が能力を発揮できる環境を整備し、パフォーマンス向上を通じて企業価値の向上を図ります。運転職については、待遇改善と制度拡充により多様な働き方を実現し、人材確保を進めてまいります。3.デジタル戦略グループを横断したデジタル推進体制を整備し、生成AIや最新テクノロジーの活用により、次世代モビリティをはじめとするビジネスモデルの変革を推進してまいります。あわせて、近年深刻化するサイバーリスクに対して、システム・体制両面からの対応を強化してまいります。 (3) 目標とする経営指標財務健全性を確保しつつ、着実な利益成長と資本コストを意識した経営に取り組むため、以下の経営指標を目標値として定め、長期ビジョンの実現を目指してまいります。 経営指標2026年度(計画)(参考)2030年度(目標)利益の成長 営業利益 60億円 76億円+α(過去最高益)財務健全性の確保 有利子負債/EBITDA倍率6倍台5倍台 資本コストを 意識した経営 ROE(自己資本利益率)6%水準7%水準 なお、当社グループでは、経営理念の実現と持続的な企業価値の向上を図るため、将来への事業投資や財務の健全性の維持に努めるとともに、業績の動向を踏まえた安定的な配当を実施し株主還元の充実を図ることを資本政策の基本的な方針としております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 会社の経営の基本方針当社を中心とする神奈川中央交通グループは、以下のとおり経営理念を掲げ、事業活動を通じて社会に貢献するとともに、関わり合うすべてのステークホルダーの発展と企業価値の向上を目指すことを経営の基本方針としております。 神奈中グループ経営理念お客さまの「かけがえのない時間(とき)」と「ゆたかなくらし」の実現に貢献します。経営方針・お客さまの視点に立ち、期待に応える価値を提供します。・地域の明日を考え、みなさまとともに歩みます。・従業員が働くよろこびを実感できる、活気ある企業を目指します。 (2) 会社の経営環境および対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、本格的な少子高齢社会を迎え、人口減少による国内マーケットの縮小が進んでおります。また、コロナ禍による新しい生活様式の定着は、当社グループのお客さまの行動や価値観を大きく変化させました。さらに、デジタル技術の急速な進展により、新たなサービスが展開されるとともに、カーボンニュートラルやSDGs(持続可能な開発目標)など、企業によるサステナビリティへの取り組みが加速しております。加えて、あらゆる業種・業態で人手不足が顕在化する昨今、人財戦略の重要性が一層高まっております。 このような状況のもと、当社グループは、私たちの「ありたい姿」(「多様化するお客さまニーズに応え続けるために、時代の変化に柔軟に対応し、新たなサービスの創造に挑戦し続ける」)の実現に向けて、2030年度を最終年度とする長期ビジョン「Vision 2030 NEXT 神奈中~地域価値創造型企業にむけて~」を2023年4月に策定いたしました。 長期ビジョンでは、以下の3つの方針を掲げております。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 長期ビジョン実現に向けた方針1.地域価値の創造当社グループは、時代のニーズに即したサービスの提供や事業を通じて社会・環境問題の解決に貢献し、地域に新しい価値を創造してまいります。2.事業ポートフォリオの再構築不動産関連領域へ重点的に投資を行うなど、不動産事業を拡大し、事業ポートフォリオを再構築してまいります。3.サステナビリティ経営の推進サステナビリティへの取り組みを推進していくため、「サステナビリティ基本方針」を基に特定した5つのマテリアリティの課題解決に取り組んでまいります。 2024年4月に策定いたしました「神奈中グループ中期経営計画(2024年度~2026年度)」では、長期ビジョンの実現に向けた「飛躍期」の第1ステージと位置づけ、以下の3つの重点課題と3つの重点戦略に取り組んでおります。 重点課題1. 持続可能なモビリティサービスの実現自治体等との協働やデジタル技術の活用を通じて、次世代モビリティへの転換を加速するとともに、グループ全体で輸送の効率化・最適化を図り、地域交通ネットワークの維持・向上を通じて「持続可能なモビリティサービス」の実現を目指してまいります。2. 不動産関連領域の強化グループ会社が保有する資産の管理を一元化し、高度利用の推進と効率化を図ってまいります。あわせて、建築費高騰など市況変化に応じて計画を適宜見直し、不動産事業の持続的な成長を目指してまいります。3.「ゆたかなくらし」への貢献外部パートナーとの協働や多様な施策を通じて、健康増進や外出機会の創出を図るとともに、地域社会への価値提供を通じて「ゆたかなくらし」の実現に貢献してまいります。 重点戦略1.環境戦略神奈中グループカーボンニュートラルロードマップの中間目標(2030年度に2013年度比35%削減)達成に向けて、EV車両の導入や再生可能エネルギーの活用を推進するとともに、エネルギー使用の最適化と効率化を図り、脱炭素社会の実現に貢献してまいります。2.人財戦略全ての社員が能力を発揮できる環境を整備し、パフォーマンス向上を通じて企業価値の向上を図ります。運転職については、待遇改善と制度拡充により多様な働き方を実現し、人材確保を進めてまいります。3.デジタル戦略グループを横断したデジタル推進体制を整備し、生成AIや最新テクノロジーの活用により、次世代モビリティをはじめとするビジネスモデルの変革を推進してまいります。あわせて、近年深刻化するサイバーリスクに対して、システム・体制両面からの対応を強化してまいります。 (3) 目標とする経営指標財務健全性を確保しつつ、着実な利益成長と資本コストを意識した経営に取り組むため、以下の経営指標を目標値として定め、長期ビジョンの実現を目指してまいります。 経営指標2026年度(計画)(参考)2030年度(目標)利益の成長 営業利益 60億円 76億円+α(過去最高益)財務健全性の確保 有利子負債/EBITDA倍率6倍台5倍台 資本コストを 意識した経営 ROE(自己資本利益率)6%水準7%水準 なお、当社グループでは、経営理念の実現と持続的な企業価値の向上を図るため、将来への事業投資や財務の健全性の維持に努めるとともに、業績の動向を踏まえた安定的な配当を実施し株主還元の充実を図ることを資本政策の基本的な方針としております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①経営成績の状況当期におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善により緩やかな回復基調にある一方、米国の通商政策の影響や不安定な国際情勢による資源価格の変動など先行きは依然として不透明な状況が続いております。このような状況のもと、当社グループ各社は、各部門において積極的な営業施策を図るとともに、経営の効率化に努めてまいりました。その結果、当期における売上高は126,773百万円(前期比7.3%増)となりましたが、設備投資拡大による減価償却費の増加などにより、営業利益は6,776百万円(前期比8.3%減)、経常利益は6,664百万円(前期比14.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,619百万円(前期比28.8%減)となりました。 セグメントの業績の概況は、次のとおりであります。 (旅客自動車事業)乗合バス事業においては、旅客需要が堅調に推移したことにより増収となりました。また、7月に道の駅「湘南ちがさき」の開業に伴い、茅ヶ崎駅南口と同施設を結ぶ新系統の運行を開始し新たな需要に対応いたしました。さらに、湘南エリアにおいてAIオンデマンドバスや自動運転バスの実証実験を引き続き実施するなど、持続可能なモビリティサービスの実現に向けた取り組みを推進しました。タクシー事業においては、神奈中タクシー㈱にて一車当たりの収入が増加したことにより増収となりました。貸切バス事業においては、神奈中観光㈱にて契約単価の向上を図ったことにより増収となりました。以上の結果、旅客自動車事業全体の売上高は57,908百万円(前期比1.2%増)となりましたが、減価償却費の増加や従業員の待遇改善による人件費の増加により、営業利益は2,232百万円(前期比20.2%減)となりました。 (不動産事業)賃貸事業においては、高稼働率の維持に努めたものの、一部テナントの解約などにより減収となりました。分譲事業においては、湘南エリアを中心に戸建分譲を推進し、販売戸数が増加したことにより増収となりました。以上の結果、不動産事業全体の売上高は6,842百万円(前期比1.8%増)となりましたが、賃貸施設の修繕費が増加したことなどにより、営業利益は1,588百万円(前期比27.1%減)となりました。 (自動車販売事業)商用車販売事業においては、神奈川三菱ふそう自動車販売㈱にてトラックの新車販売台数が増加したことや、車両整備収入が増加したことなどにより増収となりました。輸入車販売事業においては、神奈中相模ヤナセ㈱にて中古車販売台数の増加により増収となりました。以上の結果、自動車販売事業全体の売上高は44,907百万円(前期比16.4%増)、営業利益は1,687百万円(前期比20.0%増)となりました。 (その他の事業)商用車架装事業においては、横浜車輌工業㈱にてカプラ架装の受注が増加したことなどにより増収となりました。飲食事業においては、㈱神奈中システムプランにて「ミスタードーナツ」や「ドトールコーヒーショップ」の新規出店などにより増収となりました。流通事業においては、㈱神奈中商事にて前期に販売したバス運賃箱の反動減などにより減収となりました。情報サービス事業においては、㈱神奈中情報システムにて前期に販売したドライブレコーダーなどのバス車載器の反動減などにより減収となりました。ホテル事業においては、前期に平塚別館を閉館したことなどにより減収となりました。以上の結果、その他の事業全体の売上高は30,121百万円(前期比2.2%減)となりましたが、商用車架装事業の増収に加え、不採算店舗の閉店を進め費用の削減を図ったことなどにより、営業利益は1,602百万円(前期比16.6%増)となりました。 ②財政状態(資産の部)流動資産は、分譲土地建物の取得による商品及び製品の増加などにより、前連結会計年度末に比べて2,339百万円増加し、34,213百万円となりました。また、固定資産は、新規連結および商用車架装事業における事務所・工場移転用地取得に伴い土地が増加したことや、投資有価証券の時価評価額が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて17,609百万円増加し、151,179百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて19,948百万円増加し、185,392百万円となりました。 (負債・純資産の部)負債は、借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて13,689百万円増加し、115,731百万円となりました。なお、借入金、社債及びリース債務残高は、前連結会計年度末に比べて10,391百万円増加し、72,267百万円となりました。また、純資産は、その他有価証券評価差額金や利益剰余金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べて6,258百万円増加し、69,661百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末と比べて0.7ポイント低下し、34.2%となりました。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べて757百万円減少し、3,514百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益5,801百万円に、減価償却費などを加減した結果、9,169百万円の資金収入となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出14,222百万円などにより、16,912百万円の資金支出となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入などにより、6,985百万円の資金収入となりました。 ④生産、受注及び販売の実績当社グループは、その主要な事業である旅客自動車事業をはじめ、受注生産の形態をとらないものが多く、セグメントごとに生産規模および受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。なお、販売の状況につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要」におけるセグメントの経営成績に関連付けて示しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①重要な会計方針および見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況を勘案し合理的と考えられるさまざまな要因に基づき、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り、判断および仮定設定を行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性により、これらの見積りと異なる場合があります。当社の重要な会計方針のうち、連結財務諸表の作成において当社の重要な見積り、判断および仮定設定に大きな影響を及ぼすものは以下のとおりです。 (投資の減損)当社グループでは、時価のある有価証券について個々の銘柄ごとに有価証券の期末時価が取得価額に比べ50%以上下落し、かつ、その下落が一時的でない場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。また、期末時価が取得価額に比べ30%以上50%未満下落した場合につきましては、対象銘柄の過去3年間の毎月末の時価の平均値が、30%以上の下落率の場合は回復可能性がないと判断して減損処理を行っております。(固定資産の減損)当社グループは、旅客自動車事業および不動産事業を中心に多くの固定資産を保有しております。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額など多くの前提条件に基づき算出しているため、当初見込んだ収益が得られなかった場合、または算出の前提条件が変更された場合には、損失が発生する可能性があります。(繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産について実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。評価性引当額は将来年度の課税所得の見込額等を考慮して計上しますが、将来の業績変動により課税所得の見込額が減少又は増加した場合には、評価性引当額の追加計上又は取崩が必要となる場合があります。(退職給付費用)従業員の退職給付に備えるため、当連結会計年度末における退職給付債務および年金資産の見込額に基づき計上しております。当社グループの採用した見込額は妥当なものと考えておりますが、実績との差異または見込額自体の変更により、退職給付の費用および債務に影響を与える可能性があります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容(売上高および営業損益)売上高は、自動車販売事業において、販売台数や車両整備収入が増加したことに加え、旅客自動車事業において、旅客需要が堅調に推移したことなどにより、前連結会計年度に比べ8,624百万円増加し、126,773百万円(前期比7.3%増)となりました。営業利益は、売上高が増加した一方で、設備投資拡大による減価償却費の増加や、従業員の待遇改善などにより、前連結会計年度に比べ612百万円減少し、6,776百万円(前期比8.3%減)となりました。なお、セグメントごとの売上高および営業利益については、前掲の「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。(営業外損益および経常損益)営業外収益は、旅客自動車事業において助成金収入が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ80百万円減少し、912百万円となりました。営業外費用は、支払利息が増加したことなどにより、前連結会計年度に比べ387百万円増加し、1,023百万円となりました。この結果、経常利益は6,664百万円(前期比14.0%減)となりました。(特別損益および親会社株主に帰属する当期純損益)特別利益は、固定資産や投資有価証券などの保有資産の売却益が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ339百万円減少し、753百万円となりました。特別損失は、環境対策引当金繰入額を前期に計上した反動減などにより、前連結会計年度に比べ727百万円減少し、1,616百万円となりました。また、前期において税効果会計における企業分類の見直しを行い、回収可能性のある部分について繰延税金資産を再計上した反動により、親会社株主に帰属する当期純利益は3,619百万円(前期比28.8%減)となりました。 ③資本の財源及び資金の流動性についての分析(資金調達)当社グループの資金調達は、社債および市中金融機関からの借入金のほか、㈱日本政策投資銀行からの借入金など、市場環境や金利動向を総合的に勘案しながら決定しております。なお、当社グループでは資金効率向上のため、キャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入しております。(資金の流動性)当社グループは旅客自動車事業を中心に日々の収入金があることから、必要な流動性資金は十分に確保しており、これらの資金をCMSにより集中管理することでグループ内において有効に活用しております。 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、前掲の「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (3)目標とする指標の進捗状況 当社グループでは、現中期経営計画(2024年度~2026年度)の3ヵ年を長期ビジョンの実現に向けた「飛躍期」の第1ステージと位置づけ、重点課題と重点戦略に取り組むとともに、一定の財務規律と資本収益性を重視しながら成長分野へ重点的に投資を行うこととしております。 当連結会計年度では、自動車販売事業において商用車販売事業における車両整備収入の増加や、その他の事業において商用車架装事業におけるカプラ架装の受注増加などにより、営業利益をはじめEBITDAおよびROEはいずれも計画を上回りました。また、不動産関連会社の取得や商用車架装事業における工場の移転・拡大に向けた設備投資など、成長投資を実施いたしました。 現中期経営計画(2024年度~2026年度)の数値計画と実績については以下の通りであります。 (単位:百万円)2024年度2025年度2026年度当初計画実績当初計画実績当初計画業績予想売上高113,300118,149115,000126,773122,000129,700営業利益4,5207,3884,800 6,7766,0006,200経常利益4,4207,7454,500 6,6645,6005,630親会社株主に帰属する当期純利益3,6005,0832,5003,6193,6003,730売上高営業利益率(%)4.06.34.25.34.94.8EBITDA10,37012,97411,600 13,23313,60013,570有利子負債77,14061,87684,000 72,26792,60083,950有利子負債/EBITDA倍率(倍)7.44.87.25.56.86.2ROE(%)6.59.14.46.06.06.0設備投資額20,35013,50910,500 15,02518,60014,310

事業リスク

  • 人材不足による事業継続性への影響
    旅客自動車事業は労働集約型であり、運転士をはじめとする人材不足は路線の維持困難や稼働率低下に直結します。これは業績と財政状態に直接的な負の影響を及ぼす可能性があり、採用強化や働きやすい環境整備が喫緊の課題です。
  • 輸送中の事故による社会的信用の失墜
    バスやタクシーといった旅客自動車事業を中核とするため、交通事故の多発や重大事故の発生は、社会的信頼の低下や行政処分につながるリスクがあります。これにより、顧客離れや事業活動の制限が発生し、業績に深刻な影響を与える可能性があります。
  • 感染症拡大・長期化による需要減少
    感染症の拡大や長期化は、外出自粛や行動変容を促し、旅客自動車事業をはじめとする多くの事業で需要が減少する可能性があります。また、従業員の罹患による事業継続困難も懸念され、収益の確保と事業の安定運営に影響を及ぼします。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,490 文字
3 【事業等のリスク】当社グループは、公共性の高い旅客自動車事業をはじめとして、不動産事業、自動車販売事業、その他の事業を展開しておりますが、特にグループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクについては、以下のようなものがあります。当社グループといたしましては、これらのリスクを認識したうえで、その発生の抑制、回避および発生した場合の対応に努めてまいります。なお、各事項中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。また、以下のリスクは、当社グループにおける事業等のすべてのリスクを網羅したものではありませんのでご留意願います。 リスク項目リスクの説明リスク対策(1)人材の不足当社グループは、主要な事業である旅客自動車事業をはじめ労働集約型の事業が多いことから、人材の不足は乗合バス事業における路線の維持が困難となることやタクシー事業において稼働率の減少につながることなどが予想され、当社グループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。昨今の人材不足は業績に負の影響を与えております。当社グループでは、従業員が働きやすい会社・働きたい会社を目指し、多様な働き方に対応した環境の整備を進めております。グループ従業員の多くを占める旅客自動車事業の運転士については、多様な広告媒体の活用により採用活動を強化しているほか、乗務に必要な運転免許取得を支援することにより、新卒者をはじめとする免許未取得者に対しても採用の門戸を広げております。さらに、自社教習コースを活用した基礎訓練の反復など充実したプログラムにより運転技術を習得させるほか、定期的なフォローアップにより従業員の定着を促進してまいります。(2)輸送中の事故当社グループは、旅客自動車事業を中核として事業展開していることから、業務中に交通事故を多発させることや重大事故を発生させることは社会的信頼を低下させるだけでなく、これらの事故の結果、行政処分を受けることによって当社グループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。お客様の安全・安心な運行への信頼を得るため、運輸安全マネジメント制度のより一層の推進を図り、輸送の安全に関する計画等のPDCAサイクルを確実に実施し、輸送の安全性向上に努めております。また、各営業所においてドライブレコーダー映像などを活用し、事故防止・安全運行に関する教育を実施しているほか、事故防止対策委員会など各種委員会を組織し、定期的に議論する場を設け原因究明と事故防止対策を検討しております。さらに、運行管理業務においてデジタル技術を導入することにより、対面点呼の実効性を向上させるとともに、乗務員の健康に起因する事故を防止するため、乗務員の健康管理の充実を図っております。また、バス車両についてはドライバー異常時対応システム(EDSS)搭載車の導入を進めるなど安全性の向上に努めてまいります。(3)感染症の拡大 および長期化当社グループは、各種感染症の拡大および長期化により、旅客自動車事業をはじめとする多くの事業でお客様の行動変容に伴い需要が減少するほか、従業員が罹患することによって事業継続が困難となり、業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、各種感染症の拡大や長期化が想定される際には、お客様および従業員の安全を最優先に考え、グループ間でより緊密な連携を取りながら関係機関の指針に則った感染予防および感染拡大防止対策を実施し、事業の継続を図る体制を整えております。また、コロナ禍に伴い生じたお客様の行動変容に対応した営業施策を展開し、収益の確保に努めております。 リスク項目リスクの説明リスク対策(4)機密情報の 漏えい当社グループは、各事業において情報システムを活用していることから、サイバー攻撃、コンピューターウイルスへの感染、人為的ミス等により個人情報を含む機密情報が漏えいすることにより、当社グループの信用が失墜し、業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、個人情報保護ならびに情報セキュリティに関する規程に基づく情報管理体制を整備しており、個人情報などの機密情報については利用者を制限するなど厳正な情報管理を行っております。また、情報システム機器に関しては、セキュリティ面の定期的な更新を行うとともに、複数のセキュリティソフトなどによる対策を実施しているほか、従業員へ定期的な情報提供や注意喚起を行うことでセキュリティ意識の向上を図り、情報漏洩の防止に取り組んでおります。(5)自然災害当社グループは、地震、津波、その他大規模自然災害が生じた場合、施設の損壊被害に加え、道路や電力、水道などの社会インフラ機能の低下、燃料の供給不足等により事業運営に支障をきたし、業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。有事発生時に想定されるリスクの逓減を目的として、国や自治体からの情報収集を随時行い、事業領域ごとに事業の継続および早期復旧するための事業継続計画を策定しております。また、事業継続計画の実効性を高めるため、全グループ会社を対象とした災害時対応訓練を定期的に実施し、安否確認や被害報告など、不測の事態に備えた対応力の強化に努めております。(6)気候変動気候変動対策としてカーボンニュートラルに向けた取り組みが一層求められる中で、会社としての取り組みが不十分であると評価された場合、ステークホルダーからの信頼が失墜し、企業価値が低下することで資金調達が困難となり、結果として業績と財政状況に負の影響を及ぼす可能性があります。当社では、国が定める2050年度のカーボンニュートラル実現に向けて、グループ全体のCO2排出量削減の具体的な目標数値の設定およびロードマップを策定しております。当ロードマップに従い、環境配慮車両の導入や太陽光発電設備の導入を進めるとともに、省エネのための各種取り組みを継続するなど、グループ全体でCO2排出量削減に取り組んでおります。

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