経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「中期経営計画2025」において、目指すべきありたい姿を「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」として位置づけております。前「中期経営計画2022」においては、Omnia LINKを開発し、自社で利用しながら、外販する「勝てるビジネスモデル」を確立しました。このコンタクトセンター・BPO事業とOmnia LINK外販の2つの事業を両面で成長しながら、持続的に成長していくことを目指しています。 また、「中期経営計画2025」では、経営ビジョンを達成するために以下の方針を定めております。 i. Omnia LINKの強力な成長事業ポートフォリオの改善に向けて、高収益事業であるOmnia LINK外販事業の強力な成長を目指し、全社の収益性の改善を目指します。 ii. 特徴あるコンタクトセンター・BPOの継続的成長 日本の労働力人口は減少する中で、AIを賢く利用し、人の応対はより高度になるものと当社グループは想定しております。その中で、Omnia LINKや当社グループのノウハウを活かした高度なオペレーションの実現によって、顧客企業への提供価値を高めるとともに、付加価値の向上を目指します。iii. 事業基盤を支える経営基盤の構築ビジネスを支える、コーポレート基盤の強化を行ないます。主には人材戦略やサステナビリティ、コーポレートガバナンスの強化等を実行します。 (2)経営戦略当社の成長戦略は、「根元」事業であるコンタクトセンター・BPOサービスと、「新芽」事業であるOmnia LINKを始めとするシステムソリューションの販売を両面で成長させることにあります。その成長の在り方として、コンタクトセンター・BPOサービスは事業規模及び売上高の成長、システムソリューション販売は利益額・利益率の成長のドライバーとして位置づけております。コンタクトセンター・BPOにおいては、重点分野としてスマートライフ領域(金融業界・情報通信業界・小売流通業界)を設定し、重点分野における顧客の新規獲得や、取引開始済の顧客の深耕等を通じて、事業規模及び売上高の成長を牽引する方針です。システムソリューション販売においては、Omnia LINKの外販拡大によるユーザー数の拡大、音声認識などのオプション販売の拡大によるユーザー当たりの売上高の拡大、また、生成AIを活用した新たなソリューション開発を行ないます。新たなソリューション開発としては、コンタクトセンター向け応対品質評価システム「Omnia LINK auto-score(オートスコア)」の販売を開始しております。このシステムは応対評価スコアリングと評価コメント作成を、生成AIで完全自動化し、コンタクトセンター管理者の大幅な業務効率化を実現します。コンタクトセンター運営に必要な機能をオールインワンで提供するOmnia LINKの商品競争力をさらに増すことで販売を強化していきます。 (3)目標とする経営指標当社は堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。当社が経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は売上高成長率、営業利益成長率です。 (4)経営環境「2025コールセンター市場総覧~サービス&ソリューション~」(㈱矢野総合研究所・2025年9月26日発表)によると、2024年度のテレマーケティング市場規模は、約1.1兆円と推計されております。同市場は、同研究所によると国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)やチャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることを背景にコールセンターのアウトソーシングニーズの需要は引き続き拡大するとされています。また、生成AIや音声認識技術をはじめとする先端テクノロジーの急速な進展により、コール/非コール両領域における業務は高度化・複雑化の一途を辿っており、自社内での対応が技術的・人的両面において困難となる傾向が強まっております。こうした背景から、外部リソースの活用による業務効率化・専門性の確保を目的としたアウトソーシング需要が高まるものと想定されます。 さらに、生成AIや音声認識技術の進化は顧客の声の収集・分析を容易にし、コンタクトセンターの機能を従来の枠を超えて拡張させる要因となっています。「顧客体験価値(注:商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念)」を重視する企業の増加が見込まれる中、顧客接点として重要な役割を持つコンタクトセンターは従来のコストセンター的機能から、顧客接点としての戦略的価値を有するプロフィットセンターへと転換しつつあります。「窓口のマルチチャネル化による問い合わせ方法の多様化」や「ワンストップ化による問題解決力の向上」など、1つのセンターで対応しなければならない範囲の拡大と、問題解決力向上に向けた業務への深い理解が求められ、運営難易度が高まる傾向にあります。そのため、専門業者の知見へのニーズの増加から市場の成長が期待されるものと認識しております。 外部へ販売するシステムとしてのOmnia LINKの市場であるCRMシステム市場規模(オンプレミス・クラウド含む)は2024年に9,618億円(デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望 2025年度版 クラウド型CRM市場編」 2025年11月13日)となっており、クラウド型CRM市場の2025年から2029年までのCAGR予測は12.5%となっております。また、Omnia LINKの今後の展開としてRadiant Communication Sdn. Bhd.のAIエージェントソリューション「KeyAI」とOmnia LINKの融合を進め、AI活用を含む、より付加価値の高い機能や領域を広げていく予定です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記経営環境において、当社が対処すべき課題は下記のとおりです。 ① 中期経営計画の実行当社グループは、2025年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画において、経営ビジョンである「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」の実現に向けて、以下3点を取り組みの柱として設定し、企業価値の最大化を目指しております。 (ア)Omnia LINKの強力な成長当社グループの最大の特徴、強みであり、成長ポテンシャルも大きいOmnia LINK外販事業について、その販売ライセンス数を加速度的に拡大してまいります。また、成長に向けて、内部体制の強化や取り組みの高度化を進めるとともに、顧客単価の上昇、サービスラインナップの拡充、対象市場の拡大に取り組みます。また、海外進出に向けた具体的な検討を加速させ、ASEAN地域での販売実現に向けて取り組みます。 (イ)特徴あるコンタクトセンター・BPO事業の継続的成長引き続き当社グループの足元を支えるコンタクトセンター・BPO事業においては、Omnia LINKのさらなる内部活用を進めるとともに、ターゲット顧客に応じた営業戦略の策定と実行、人材・体制強化、現場主導での改善サイクルの実現など、さらに根元を強化するための施策に取り組みます。また、今後の競争環境に勝ち抜くため、継続的に魅力的なサービスを開発・提供し続けるべく、次の成功例となりうるプロダクトのスケール拡大や新たなサービス・プロダクト開発を継続します。 (ウ)事業成長を支える経営基盤の構築さらなる事業成長を目指す当社グループにおいて、成長スピードに合わせた経営基盤を構築・維持し続けるため、人的資本経営に資する人材戦略、気候変動に対応したGXの推進、成長に資する財務戦略の策定と実行、内部統制・ITガバナンス・コンプライアンス強化等の施策に取り組みます。特に、人的資本への取り組みについては、前述の(ア)(イ)の実現のためにも必須の要素となります。当社の理念や事業戦略と結びついた人事戦略の遂行により、当社らしさを体現し、事業変革にあわせた人材ポートフォリオの改善を実現するとともに、さらなる将来を踏まえた人づくりを進めてまいります。 なお、2026年度を初年度とする新たな中長期経営計画においても、新たな経営に2030年度に目指すべきビジョンとして「全てのステークホルダーの持続的な成長を支え続ける『エンビジョナリー・カンパニー(※1)』の実現」を掲げ、さらなる企業価値の最大化を目指してまいります。(※1:「Envision(未来を洞察し、思い描く)」 と、長期にわたり成長と社会的価値を創出し続ける 「Visionary Company」を融合した独自の姿を指す造語) ② 流動性の確保及び企業価値の拡大当社株式は、当連結会計年度末においてプライム市場の上場維持基準を満たしているものの、流通株式時価総額については将来に渡って安定的に基準を充足し続けるといえる水準には至っておりません。当社株式の流通株式数は投資家による売買を通じて変動することとなりますが、上場維持基準を充足し続けるために、当面の間は、㈱パソナグループとの連結関係を維持できる範囲において実施可能な資本政策を検討し、大株主(親会社等)と連携のうえで流動性確保に努めるとともに、当社グループの経営方針・経営戦略に沿い、事業規模・売上高並びに利益額・利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで流通株式時価総額の拡大に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「中期経営計画2025」において、目指すべきありたい姿を「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」として位置づけております。前「中期経営計画2022」においては、Omnia LINKを開発し、自社で利用しながら、外販する「勝てるビジネスモデル」を確立しました。このコンタクトセンター・BPO事業とOmnia LINK外販の2つの事業を両面で成長しながら、持続的に成長していくことを目指しています。 また、「中期経営計画2025」では、経営ビジョンを達成するために以下の方針を定めております。 i. Omnia LINKの強力な成長事業ポートフォリオの改善に向けて、高収益事業であるOmnia LINK外販事業の強力な成長を目指し、全社の収益性の改善を目指します。 ii. 特徴あるコンタクトセンター・BPOの継続的成長 日本の労働力人口は減少する中で、AIを賢く利用し、人の応対はより高度になるものと当社グループは想定しております。その中で、Omnia LINKや当社グループのノウハウを活かした高度なオペレーションの実現によって、顧客企業への提供価値を高めるとともに、付加価値の向上を目指します。iii. 事業基盤を支える経営基盤の構築ビジネスを支える、コーポレート基盤の強化を行ないます。主には人材戦略やサステナビリティ、コーポレートガバナンスの強化等を実行します。 (2)経営戦略当社の成長戦略は、「根元」事業であるコンタクトセンター・BPOサービスと、「新芽」事業であるOmnia LINKを始めとするシステムソリューションの販売を両面で成長させることにあります。その成長の在り方として、コンタクトセンター・BPOサービスは事業規模及び売上高の成長、システムソリューション販売は利益額・利益率の成長のドライバーとして位置づけております。コンタクトセンター・BPOにおいては、重点分野としてスマートライフ領域(金融業界・情報通信業界・小売流通業界)を設定し、重点分野における顧客の新規獲得や、取引開始済の顧客の深耕等を通じて、事業規模及び売上高の成長を牽引する方針です。システムソリューション販売においては、Omnia LINKの外販拡大によるユーザー数の拡大、音声認識などのオプション販売の拡大によるユーザー当たりの売上高の拡大、また、生成AIを活用した新たなソリューション開発を行ないます。新たなソリューション開発としては、コンタクトセンター向け応対品質評価システム「Omnia LINK auto-score(オートスコア)」の販売を開始しております。このシステムは応対評価スコアリングと評価コメント作成を、生成AIで完全自動化し、コンタクトセンター管理者の大幅な業務効率化を実現します。コンタクトセンター運営に必要な機能をオールインワンで提供するOmnia LINKの商品競争力をさらに増すことで販売を強化していきます。 (3)目標とする経営指標当社は堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。当社が経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は売上高成長率、営業利益成長率です。 (4)経営環境「2025コールセンター市場総覧~サービス&ソリューション~」(㈱矢野総合研究所・2025年9月26日発表)によると、2024年度のテレマーケティング市場規模は、約1.1兆円と推計されております。同市場は、同研究所によると国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)やチャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることを背景にコールセンターのアウトソーシングニーズの需要は引き続き拡大するとされています。また、生成AIや音声認識技術をはじめとする先端テクノロジーの急速な進展により、コール/非コール両領域における業務は高度化・複雑化の一途を辿っており、自社内での対応が技術的・人的両面において困難となる傾向が強まっております。こうした背景から、外部リソースの活用による業務効率化・専門性の確保を目的としたアウトソーシング需要が高まるものと想定されます。 さらに、生成AIや音声認識技術の進化は顧客の声の収集・分析を容易にし、コンタクトセンターの機能を従来の枠を超えて拡張させる要因となっています。「顧客体験価値(注:商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念)」を重視する企業の増加が見込まれる中、顧客接点として重要な役割を持つコンタクトセンターは従来のコストセンター的機能から、顧客接点としての戦略的価値を有するプロフィットセンターへと転換しつつあります。「窓口のマルチチャネル化による問い合わせ方法の多様化」や「ワンストップ化による問題解決力の向上」など、1つのセンターで対応しなければならない範囲の拡大と、問題解決力向上に向けた業務への深い理解が求められ、運営難易度が高まる傾向にあります。そのため、専門業者の知見へのニーズの増加から市場の成長が期待されるものと認識しております。 外部へ販売するシステムとしてのOmnia LINKの市場であるCRMシステム市場規模(オンプレミス・クラウド含む)は2024年に9,618億円(デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望 2025年度版 クラウド型CRM市場編」 2025年11月13日)となっており、クラウド型CRM市場の2025年から2029年までのCAGR予測は12.5%となっております。また、Omnia LINKの今後の展開としてRadiant Communication Sdn. Bhd.のAIエージェントソリューション「KeyAI」とOmnia LINKの融合を進め、AI活用を含む、より付加価値の高い機能や領域を広げていく予定です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記経営環境において、当社が対処すべき課題は下記のとおりです。 ① 中期経営計画の実行当社グループは、2025年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画において、経営ビジョンである「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」の実現に向けて、以下3点を取り組みの柱として設定し、企業価値の最大化を目指しております。 (ア)Omnia LINKの強力な成長当社グループの最大の特徴、強みであり、成長ポテンシャルも大きいOmnia LINK外販事業について、その販売ライセンス数を加速度的に拡大してまいります。また、成長に向けて、内部体制の強化や取り組みの高度化を進めるとともに、顧客単価の上昇、サービスラインナップの拡充、対象市場の拡大に取り組みます。また、海外進出に向けた具体的な検討を加速させ、ASEAN地域での販売実現に向けて取り組みます。 (イ)特徴あるコンタクトセンター・BPO事業の継続的成長引き続き当社グループの足元を支えるコンタクトセンター・BPO事業においては、Omnia LINKのさらなる内部活用を進めるとともに、ターゲット顧客に応じた営業戦略の策定と実行、人材・体制強化、現場主導での改善サイクルの実現など、さらに根元を強化するための施策に取り組みます。また、今後の競争環境に勝ち抜くため、継続的に魅力的なサービスを開発・提供し続けるべく、次の成功例となりうるプロダクトのスケール拡大や新たなサービス・プロダクト開発を継続します。 (ウ)事業成長を支える経営基盤の構築さらなる事業成長を目指す当社グループにおいて、成長スピードに合わせた経営基盤を構築・維持し続けるため、人的資本経営に資する人材戦略、気候変動に対応したGXの推進、成長に資する財務戦略の策定と実行、内部統制・ITガバナンス・コンプライアンス強化等の施策に取り組みます。特に、人的資本への取り組みについては、前述の(ア)(イ)の実現のためにも必須の要素となります。当社の理念や事業戦略と結びついた人事戦略の遂行により、当社らしさを体現し、事業変革にあわせた人材ポートフォリオの改善を実現するとともに、さらなる将来を踏まえた人づくりを進めてまいります。 なお、2026年度を初年度とする新たな中長期経営計画においても、新たな経営に2030年度に目指すべきビジョンとして「全てのステークホルダーの持続的な成長を支え続ける『エンビジョナリー・カンパニー(※1)』の実現」を掲げ、さらなる企業価値の最大化を目指してまいります。(※1:「Envision(未来を洞察し、思い描く)」 と、長期にわたり成長と社会的価値を創出し続ける 「Visionary Company」を融合した独自の姿を指す造語) ② 流動性の確保及び企業価値の拡大当社株式は、当連結会計年度末においてプライム市場の上場維持基準を満たしているものの、流通株式時価総額については将来に渡って安定的に基準を充足し続けるといえる水準には至っておりません。当社株式の流通株式数は投資家による売買を通じて変動することとなりますが、上場維持基準を充足し続けるために、当面の間は、㈱パソナグループとの連結関係を維持できる範囲において実施可能な資本政策を検討し、大株主(親会社等)と連携のうえで流動性確保に努めるとともに、当社グループの経営方針・経営戦略に沿い、事業規模・売上高並びに利益額・利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで流通株式時価総額の拡大に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国の経済は、賃上げ継続に伴う所得環境の改善や、AI関連需要の拡大を背景とした企業収益の底堅い推移を背景に、緩やかな回復基調がみられました。設備投資についても、人手不足への対応を目的とした省人化やDX(デジタルトランスフォーメーション)関連投資を中心に底堅く推移いたしました。一方で、エネルギー価格や原材料価格の高騰に伴う物価上昇に加え、人手不足に伴うコスト上昇圧力の継続が、家計や企業活動に影響を及ぼしており、景気動向は依然として不透明な状況が続いております。国際情勢においては、AIやデジタル分野への投資拡大が世界経済を下支えする要因として期待されているものの、データセンターの増設等に伴うエネルギー需要の増加に加え、中東地域における地政学的緊張の高まりによる供給懸念も重なり、エネルギー価格やインフレ動向への影響が懸念されております。さらに、為替相場やサプライチェーンを取り巻く不確実性なども企業活動に影響を及ぼす要因となっており、国際的な経済環境は予断を許さない状況となっております。当社グループの属するコンタクトセンター・BPO業界においては、労働市場の引き締まりを背景とした企業のアウトソーシング需要が底堅く推移している一方で、人材確保の難易度上昇や人件費の上昇が供給面における課題となっております。こうした課題への対応策として、生成AIやAIエージェントの活用に向けた取り組みが加速しており、AIと人材の協働を前提とした業務設計や業務プロセスの変革が業界全体に広がっております。このような経営環境の下、当社グループは2026年5月期までを対象期間とする「中期経営計画2025」において、「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」をビジョンとし、経営方針として①Omnia LINKの強力な成長、②特徴あるコンタクトセンター・BPOの継続的成長、③事業成長を支える経営基盤の構築、の3点の実現に向けて取り組んでまいりました。 (コンタクトセンター・BPOサービス)当連結会計年度のコンタクトセンター・BPOサービスでは、重点分野であるスマートライフ領域(金融業界・情報通信業界・小売流通業界)において、新規案件の獲得及び既存案件の拡大が進展しました。特に金融業界では、資産運用ニーズの高まりを背景としたカスタマーサポート案件のほか、新リース会計基準対応などの制度対応需要を取り込みました。情報通信業界では、生成AIをはじめとするデジタルサービスの普及を背景に、本人確認審査やヘルプデスク等の案件が拡大しました。また、小売流通業界では、美容・ヘルスケア関連商材を扱う案件が堅調に推移しました。一方で、特定公共案件の業務量縮小の影響により、前年同期比の売上高は微減となりました。なお、当連結会計年度末のオペレーションブース数は、全国16拠点、6,660ブースとなっております。 (クラウドPBX Omnia LINKをはじめとするシステム開発・販売)クラウドPBX「Omnia LINK」外販については、当連結会計年度末のライセンス数は5,721(前年同期比+28.3%)、ARR(年次経常収益:毎月継続して生じる収益×12か月で算出)は14.7億円(前年同期比+37.8%)となりました。当連結会計年度においても大型案件の出荷が進み、ライセンス数及びARRは着実に増加しております。また、当社はOmnia LINKの成長加速に向け、中期経営計画においても掲げていた海外展開の第一歩として、マレーシアのAI・コンタクトセンター関連企業であるRadiant Communication Sdn. Bhd.の株式85%を取得し、連結子会社化いたしました。同社にはマレーシア国内においてコンタクトセンター向けシステムやAIソリューションを提供してきた実績とノウハウがあり、当社との高い事業親和性を有しております。同社が有する知見やネットワークを活用し、Omnia LINKのローカライズ及び海外市場への展開を推進するとともに、同社の自社開発AIエージェントソリューション「KeyAI」の日本市場での展開も検討してまいります。 営業費用に関しては、当連結会計年度を通じて、2025年5月29日に開示した短期プランに基づき、拠点総席数の適正化及び間接人件費率の抑制施策を実施し、売上高の水準に応じたコスト適正化を進めてまいりました。第4四半期においてRadiant Communication Sdn. Bhd.の連結子会社化に伴う取得関連費用が発生いたしましたが、通期計での営業利益は前年同期に対し増益となりました。 上記の取り組みの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は36,322百万円(前年同期比0.3%減)、営業利益は1,167百万円(同9.1%増)、経常利益は1,181百万円(同17.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は579百万円(同27.9%増)となりました。なお、当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産額は、16,484百万円となり、前連結会計年度末比1,989百万円の増加となりました。これは主に、現金及び預金の増加403百万円、売掛金の増加476百万円、のれんの増加679百万円等によるものであります。 (負債)当連結会計年度末における総負債額は、7,669百万円となり、前連結会計年度末比2,127百万円の増加となりました。これは主に、長期借入金の増加1,496百万円、未払金の増加258百万円等によるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産額は、8,815百万円となり、前連結会計年度末比137百万円の減少となりました。これは主に、新株予約権行使による資本金及び資本剰余金の増加256百万円、親会社株主に帰属する当期純利益579百万円を計上した一方で、剰余金の配当1,087百万円により利益剰余金が減少したためです。 ③ キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、1,299百万円(前年同期は1,176百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因として税金等調整前当期純利益1,013百万円(前年同期834百万円)等があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は、1,490百万円(前年同期は479百万円の支出)となりました。主な減少要因として拠点の増床に伴う有形固定資産の取得による支出211百万円(前年同期234百万円)、無形固定資産の取得による支出92百万円(前年同期269百万円)、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,245百万円(前年同期発生なし)等があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、463百万円(前年同期は706百万円の支出)となりました。主な増加要因として新株予約権の行使による株式の発行による収入254百万円(前年同期44百万円)、長期借入れによる収入1,300百万円があった一方で、減少要因として配当金の支払額1,087百万円(前年同期746百万円)等があったことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。 b 受注実績当社グループは、受注生産をしておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。 c 販売実績当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)コンタクトセンター・BPO事業36,322△0.3 (注)なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。相手先第26期連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)第27期連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日)販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)東京電力エナジーパートナー(株)5,45915.05,13114.1(株)パソナ3,74710.31,7064.7 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.売上高当連結会計年度における売上高は36,322百万円(前年同期比0.3%減)となりました。コンタクトセンター・BPOサービスは重点分野であるスマートライフ領域(金融業界・情報通信業界・小売流通業界)において、制度改定関連の需要や業界構造の変化による業務量拡大の需要を取り込み、新規案件の獲得を進め、売上を順調に積み上げました。しかしながら、特定の公共案件の業務量縮小に加え、一部ライフライン案件の業務量減少が重なったことにより、全体では減収となりました。クラウドPBX「Omnia LINK」外販は、大型案件の新規出荷及び既存顧客における利用拡大を背景に、外販ライセンス数が増加するとともに、オプション利用の拡大等も寄与し、売上高は堅調に推移しました。 b.売上原価、売上総利益当連結会計年度の売上原価は30,964百万円(前年同期比0.9%減)となりました。売上原価については、臨時従業員の減少により人件費が減少しました。売上原価率を低減させるための適正な人員配置やデジタル技術を活用した生産性向上の取り組みを継続した結果、当連結会計年度における売上総利益は5,358百万円(前年同期比3.3%増)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,191百万円(前年同期比1.8%増)となりました。増加の主な要因は戦略投資としてのM&A関連費用によるものですが、拠点再編による賃料の減少や、間接人員の配置転換による人件費の減少によって増加を抑制しています。当連結会計年度における販管費率は11.5%となり、前連結会計年度から0.2%の増加となりました。これにより、当連結会計年度における営業利益は1,167百万円(前年同期比9.1%増)となりました。 d.営業外損益、経常利益当連結会計年度において補助金収入13百万円等により営業外収益は28百万円(前年同期比228.8%増)、持分法による投資損失12百万円等により営業外費用は13百万円(前年同期比81.3%減)となりました。結果、経常利益は1,181百万円(前年同期比17.6%増)となりました。 e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度において、減損損失161百万円、固定資産除却損5百万円により特別損失は167百万円(前年同期比31.8%減)、法人税等合計は438百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は579百万円(前年同期比27.9%増)となりました。 ② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。 ③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループは堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しており、売上高成長率及び営業利益成長率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としております。当連結会計年度における売上高は36,322百万円となり前年同期比からの成長率は△0.3%となっております。売上高の減少は、主にコンタクトセンター・BPO事業における特定の公共案件の業務量縮小によるものですが、同事業における新規案件の獲得に加えて、Omnia LINK外販事業でのライセンス増加と大型案件の出荷により、減少幅を縮減しました。2027年5月期以降においては、特定の公共案件における業務量減少の継続とともに、電力業界の減少も見込まれるため、更なる新規案件の受注活動を活発化させていく方針です。売上原価や販売費及び一般管理費において、2025年5月に開示した「短期プラン」で発表のとおり、2025年上期中に拠点の一部統廃合の実施、および人材再配置を実施し、賃料等の固定費とコーポレート等の間接人件費を削減したことで営業利益率の改善につながりました。結果、営業利益は1,167百万円で前年同期比の成長率は9.1%となっております。2027年5月期においても、AI等の活用を推進し間接人件費の抑制を継続する予定です。また、コンサルティング等の高単価サービスを「プロフェッショナルサービス」として強化し、メリハリをつけた事業運営を行います。 ④ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る内容 a.キャッシュ・フローの状況分析 キャッシュ・フローの状況の詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び流動性に係る内容 当社グループの主な資金需要は運転資金と設備投資資金になります。運転資金は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」及び銀行借入金にて賄う方針であります。具体的には、手元流動性資金、国内金融機関2行と締結している特殊当座貸越枠のフレキシブルな資金調達手段を確保し、流動性リスクを適切にコントロールしてまいります。また、設備投資資金に関しては、内部留保及び資金計画に基づき、長期借入による調達を行い、財務の安定性を確保してまいります。 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「中期経営計画2025」において、目指すべきありたい姿を「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」として位置づけております。前「中期経営計画2022」においては、Omnia LINKを開発し、自社で利用しながら、外販する「勝てるビジネスモデル」を確立しました。このコンタクトセンター・BPO事業とOmnia LINK外販の2つの事業を両面で成長しながら、持続的に成長していくことを目指しています。 また、「中期経営計画2025」では、経営ビジョンを達成するために以下の方針を定めております。 i. Omnia LINKの強力な成長事業ポートフォリオの改善に向けて、高収益事業であるOmnia LINK外販事業の強力な成長を目指し、全社の収益性の改善を目指します。 ii. 特徴あるコンタクトセンター・BPOの継続的成長 日本の労働力人口は減少する中で、AIを賢く利用し、人の応対はより高度になるものと当社グループは想定しております。その中で、Omnia LINKや当社グループのノウハウを活かした高度なオペレーションの実現によって、顧客企業への提供価値を高めるとともに、付加価値の向上を目指します。iii. 事業基盤を支える経営基盤の構築ビジネスを支える、コーポレート基盤の強化を行ないます。主には人材戦略やサステナビリティ、コーポレートガバナンスの強化等を実行します。 (2)経営戦略当社の成長戦略は、「根元」事業であるコンタクトセンター・BPOサービスと、「新芽」事業であるOmnia LINKを始めとするシステムソリューションの販売を両面で成長させることにあります。その成長の在り方として、コンタクトセンター・BPOサービスは事業規模及び売上高の成長、システムソリューション販売は利益額・利益率の成長のドライバーとして位置づけております。コンタクトセンター・BPOにおいては、重点戦略グループ(金融業界・情報通信業界)を設定し、重点戦略グループにおける顧客の新規獲得や、取引開始済の顧客の深耕等を通じて、事業規模及び売上高の成長を牽引する方針です。システムソリューション販売においては、Omnia LINKの外販拡大によるユーザー数の拡大、音声認識などのオプション販売の拡大によるユーザー当たりの売上高の拡大、また、コンタクトセンターに限らないオフィス向け製品となる「Omnia LINK ANYPUT」の販売によるターゲットユーザーの拡大の他、新たなソリューション開発を行ないます。新たなソリューション開発としては、金融機関を中心とした、店舗統廃合後のサービスのコンタクトセンターの集約化に必須となる、「商談、申込、電子契約」をワンストップで対応可能とした「UnisonConnnect(ユニゾンコネクト)」の販売を開始しております。このシステムはコンタクトセンター市場全体の拡大に資する取り組みと考えており、システムだけの販売のみならず、コンタクトセンター・BPO事業のセットでの販売も強化していきます。 (3)目標とする経営指標当社は堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。当社が経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は売上高成長率、営業利益成長率です。 (4)経営環境「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2024年)」(㈱矢野総合研究所・2025年1月14日発表)によると、2023年度のテレマーケティング市場規模は、約1.1兆円と推計されております。同市場は、同研究所によると国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)やチャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることを背景にコールセンターのアウトソーシングニーズの需要は引き続き拡大するとされています。また、近年はAIやRPAなどのデジタル技術と人材によるオペレーションを組み合わせたサービスニーズが増加しており、当該市場へのプラス効果として働いております。合わせて、「顧客体験価値(注:商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念)」を追求する企業が増加しており、顧客接点として重要な役割を持つコンタクトセンターにおいては、「窓口のマルチチャネル化による問い合わせ方法の多様化」や「ワンストップ化による問題解決力の向上」など、1つのセンターで対応しなければならない範囲の拡大と、問題解決力向上に向けた業務への深い理解が求められ、運営難易度が高まる傾向にあると考えております。そのため、専門業者の知見への期待から、アウトソーシングニーズの増加につながっております。 さらには、金融機関のような全国に店舗を持つ企業においては、店舗の統廃合が進んでおり対面での接客をコンタクトセンターに集約する動きも見られます。この対面からコンタクトセンターへの集約の動きはこれまでになかった新たな市場であり、コンタクトセンター市場においては新市場開拓とも言えることから、今後も市場の成長が期待されるものと認識しております。 外部へ販売するシステムとしてのOmnia LINKの市場であるCRMシステム市場規模(オンプレミス・クラウド含む)は2023年に1181億円(デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望 2024年度版 クラウド型CRM市場編」 2024年12月12日)となっており、クラウド型CRM市場の2021年から2025年までのCAGRは約14%となっております。また、当連結会計年度末において、Omnia LINKはコンタクトセンター向けの専門システムとなっておりますが、今後の展開として物流問題2024年におけるドライバーの負担を軽減するビジネスコラボレーションツール「Omnia LINK ANYPUT(オムニアリンク エニプット)」の提供を2024年6月に開始しました。さらに、2025年4月には、火災保険2025年問題を解決する損害保険業界特化型のCRM「Omnia LINK PILOTe(オムニアリンク パイロット)」をリリースしました。これは、従前、保険会社や保険代理店に従事する営業担当者が属人的に行っていた火災保険における一連の更改手続きを一元的に管理できるよう可視化し、業務の品質を担保しながら、業務の分業や外部委託を可能にするものです。このように、今後は、Omnia LINKはコンタクトセンターに閉じたものではなく、生成AIによる事務処理業務における不備の検知など、コンタクトセンター以外のオフィス全般でご利用いただけるアプリケーションとして、領域を広げていく予定です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記経営環境において、当社が対処すべき課題は下記のとおりです。 ① 中期経営計画の実行当社グループは、2025年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画において、経営ビジョンである「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」の実現に向けて、以下3点を取り組みの柱として設定し、さらなる企業価値の最大化を目指してまいります。 (ア)Omnia LINKの強力な成長当社グループの最大の特徴、強みであり、成長ポテンシャルも大きいOmnia LINK外販事業について、その販売ライセンス数を加速度的に拡大してまいります。また、成長に向けて、内部体制の強化や取り組みの高度化を進めるとともに、顧客単価の上昇、サービスラインナップの拡充、対象市場の拡大に取り組みます。また、海外進出に向けた具体的な検討を加速させ、ASEAN地域での販売実現に向けて取り組みます。 (イ)特徴あるコンタクトセンター・BPO事業の継続的成長引き続き当社グループの足元を支えるコンタクトセンター・BPO事業においては、Omnia LINKのさらなる内部活用を進めるとともに、ターゲット顧客に応じた営業戦略の策定と実行、人材・体制強化、現場主導での改善サイクルの実現など、さらに根元を強化するための施策に取り組みます。また、今後の競争環境に勝ち抜くため、継続的に魅力的なサービスを開発・提供し続けるべく、次の成功例となりうるプロダクトのスケール拡大や新たなサービス・プロダクト開発を継続します。 (ウ)事業成長を支える経営基盤の構築さらなる事業成長を目指す当社グループにおいて、成長スピードに合わせた経営基盤を構築・維持し続けるため、人的資本経営に資する人材戦略、気候変動に対応したGXの推進、成長に資する財務戦略の策定と実行、内部統制・ITガバナンス・コンプライアンス強化等の施策に取り組みます。特に、人的資本への取り組みについては、前述の(ア)(イ)の実現のためにも必須の要素となります。当社の理念や事業戦略と結びついた人事戦略の遂行により、当社らしさを体現し、事業変革にあわせた人材ポートフォリオの改善を実現するとともに、さらなる将来を踏まえた人づくりを進めてまいります。 ② 流動性の確保及び企業価値の拡大当連結会計年度末における当社株式の流通株式比率はプライム市場の上場維持基準を満たしているものの、流通株式時価総額については同基準を充たしておりません。当社株式の流通株式数は投資家による売買を通じて変動することとなりますが、上場維持基準を充足し続けるために、当面の間は、㈱パソナグループとの連結関係を維持できる範囲において実施可能な資本政策を検討し、大株主(親会社等)と連携のうえで流動性確保に努めるとともに、当社グループの経営方針・経営戦略に沿い、事業規模・売上高並びに利益額・利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで流通株式時価総額の拡大に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、「中期経営計画2025」において、目指すべきありたい姿を「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」として位置づけております。前「中期経営計画2022」においては、Omnia LINKを開発し、自社で利用しながら、外販する「勝てるビジネスモデル」を確立しました。このコンタクトセンター・BPO事業とOmnia LINK外販の2つの事業を両面で成長しながら、持続的に成長していくことを目指しています。 また、「中期経営計画2025」では、経営ビジョンを達成するために以下の方針を定めております。 i. Omnia LINKの強力な成長事業ポートフォリオの改善に向けて、高収益事業であるOmnia LINK外販事業の強力な成長を目指し、全社の収益性の改善を目指します。 ii. 特徴あるコンタクトセンター・BPOの継続的成長 日本の労働力人口は減少する中で、AIを賢く利用し、人の応対はより高度になるものと当社グループは想定しております。その中で、Omnia LINKや当社グループのノウハウを活かした高度なオペレーションの実現によって、顧客企業への提供価値を高めるとともに、付加価値の向上を目指します。iii. 事業基盤を支える経営基盤の構築ビジネスを支える、コーポレート基盤の強化を行ないます。主には人材戦略やサステナビリティ、コーポレートガバナンスの強化等を実行します。 (2)経営戦略当社の成長戦略は、「根元」事業であるコンタクトセンター・BPOサービスと、「新芽」事業であるOmnia LINKを始めとするシステムソリューションの販売を両面で成長させることにあります。その成長の在り方として、コンタクトセンター・BPOサービスは事業規模及び売上高の成長、システムソリューション販売は利益額・利益率の成長のドライバーとして位置づけております。コンタクトセンター・BPOにおいては、重点戦略グループ(金融業界・情報通信業界)を設定し、重点戦略グループにおける顧客の新規獲得や、取引開始済の顧客の深耕等を通じて、事業規模及び売上高の成長を牽引する方針です。システムソリューション販売においては、Omnia LINKの外販拡大によるユーザー数の拡大、音声認識などのオプション販売の拡大によるユーザー当たりの売上高の拡大、また、コンタクトセンターに限らないオフィス向け製品となる「Omnia LINK ANYPUT」の販売によるターゲットユーザーの拡大の他、新たなソリューション開発を行ないます。新たなソリューション開発としては、金融機関を中心とした、店舗統廃合後のサービスのコンタクトセンターの集約化に必須となる、「商談、申込、電子契約」をワンストップで対応可能とした「UnisonConnnect(ユニゾンコネクト)」の販売を開始しております。このシステムはコンタクトセンター市場全体の拡大に資する取り組みと考えており、システムだけの販売のみならず、コンタクトセンター・BPO事業のセットでの販売も強化していきます。 (3)目標とする経営指標当社は堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しています。当社が経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標は売上高成長率、営業利益成長率です。 (4)経営環境「コールセンターサービス/コンタクトセンターソリューション市場の調査(2024年)」(㈱矢野総合研究所・2025年1月14日発表)によると、2023年度のテレマーケティング市場規模は、約1.1兆円と推計されております。同市場は、同研究所によると国内経済を取り巻く厳しい外部環境(生産年齢人口の減少、労働力不足、人件費高騰など)やチャットやソーシャルメディア対応などの非コール業務が増加していることを背景にコールセンターのアウトソーシングニーズの需要は引き続き拡大するとされています。また、近年はAIやRPAなどのデジタル技術と人材によるオペレーションを組み合わせたサービスニーズが増加しており、当該市場へのプラス効果として働いております。合わせて、「顧客体験価値(注:商品やサービスの「価格」や「機能性」といった物理的な価値だけではなく、それらを通して得られる「満足感」や「喜び」というような感情や経験の価値も含めた概念)」を追求する企業が増加しており、顧客接点として重要な役割を持つコンタクトセンターにおいては、「窓口のマルチチャネル化による問い合わせ方法の多様化」や「ワンストップ化による問題解決力の向上」など、1つのセンターで対応しなければならない範囲の拡大と、問題解決力向上に向けた業務への深い理解が求められ、運営難易度が高まる傾向にあると考えております。そのため、専門業者の知見への期待から、アウトソーシングニーズの増加につながっております。 さらには、金融機関のような全国に店舗を持つ企業においては、店舗の統廃合が進んでおり対面での接客をコンタクトセンターに集約する動きも見られます。この対面からコンタクトセンターへの集約の動きはこれまでになかった新たな市場であり、コンタクトセンター市場においては新市場開拓とも言えることから、今後も市場の成長が期待されるものと認識しております。 外部へ販売するシステムとしてのOmnia LINKの市場であるCRMシステム市場規模(オンプレミス・クラウド含む)は2023年に1181億円(デロイト トーマツ ミック経済研究所「マーテック市場の現状と展望 2024年度版 クラウド型CRM市場編」 2024年12月12日)となっており、クラウド型CRM市場の2021年から2025年までのCAGRは約14%となっております。また、当連結会計年度末において、Omnia LINKはコンタクトセンター向けの専門システムとなっておりますが、今後の展開として物流問題2024年におけるドライバーの負担を軽減するビジネスコラボレーションツール「Omnia LINK ANYPUT(オムニアリンク エニプット)」の提供を2024年6月に開始しました。さらに、2025年4月には、火災保険2025年問題を解決する損害保険業界特化型のCRM「Omnia LINK PILOTe(オムニアリンク パイロット)」をリリースしました。これは、従前、保険会社や保険代理店に従事する営業担当者が属人的に行っていた火災保険における一連の更改手続きを一元的に管理できるよう可視化し、業務の品質を担保しながら、業務の分業や外部委託を可能にするものです。このように、今後は、Omnia LINKはコンタクトセンターに閉じたものではなく、生成AIによる事務処理業務における不備の検知など、コンタクトセンター以外のオフィス全般でご利用いただけるアプリケーションとして、領域を広げていく予定です。 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記経営環境において、当社が対処すべき課題は下記のとおりです。 ① 中期経営計画の実行当社グループは、2025年度を最終年度とする3カ年の中期経営計画において、経営ビジョンである「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」の実現に向けて、以下3点を取り組みの柱として設定し、さらなる企業価値の最大化を目指してまいります。 (ア)Omnia LINKの強力な成長当社グループの最大の特徴、強みであり、成長ポテンシャルも大きいOmnia LINK外販事業について、その販売ライセンス数を加速度的に拡大してまいります。また、成長に向けて、内部体制の強化や取り組みの高度化を進めるとともに、顧客単価の上昇、サービスラインナップの拡充、対象市場の拡大に取り組みます。また、海外進出に向けた具体的な検討を加速させ、ASEAN地域での販売実現に向けて取り組みます。 (イ)特徴あるコンタクトセンター・BPO事業の継続的成長引き続き当社グループの足元を支えるコンタクトセンター・BPO事業においては、Omnia LINKのさらなる内部活用を進めるとともに、ターゲット顧客に応じた営業戦略の策定と実行、人材・体制強化、現場主導での改善サイクルの実現など、さらに根元を強化するための施策に取り組みます。また、今後の競争環境に勝ち抜くため、継続的に魅力的なサービスを開発・提供し続けるべく、次の成功例となりうるプロダクトのスケール拡大や新たなサービス・プロダクト開発を継続します。 (ウ)事業成長を支える経営基盤の構築さらなる事業成長を目指す当社グループにおいて、成長スピードに合わせた経営基盤を構築・維持し続けるため、人的資本経営に資する人材戦略、気候変動に対応したGXの推進、成長に資する財務戦略の策定と実行、内部統制・ITガバナンス・コンプライアンス強化等の施策に取り組みます。特に、人的資本への取り組みについては、前述の(ア)(イ)の実現のためにも必須の要素となります。当社の理念や事業戦略と結びついた人事戦略の遂行により、当社らしさを体現し、事業変革にあわせた人材ポートフォリオの改善を実現するとともに、さらなる将来を踏まえた人づくりを進めてまいります。 ② 流動性の確保及び企業価値の拡大当連結会計年度末における当社株式の流通株式比率はプライム市場の上場維持基準を満たしているものの、流通株式時価総額については同基準を充たしておりません。当社株式の流通株式数は投資家による売買を通じて変動することとなりますが、上場維持基準を充足し続けるために、当面の間は、㈱パソナグループとの連結関係を維持できる範囲において実施可能な資本政策を検討し、大株主(親会社等)と連携のうえで流動性確保に努めるとともに、当社グループの経営方針・経営戦略に沿い、事業規模・売上高並びに利益額・利益の成長を通じて企業価値を継続的に向上させることで流通株式時価総額の拡大に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 経営成績の状況当連結会計年度における日本経済は、雇用や所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調を維持しました。しかしながら、米国大統領の就任に伴う関税政策が引き金となり、中国経済をはじめとする各国への影響が懸念されるほか、ウクライナやイスラエルにおける地政学的リスクなど、不透明な状況が依然として続いています。当社グループの属するコンタクトセンター・BPO業界は、人手不足やサービスの高度化・複雑化を背景に、旺盛な需要が続き、堅調に推移しております。このような経営環境の下、当社グループは2026年5月期までを対象期間とする「中期経営計画2025」において、「根元から新芽まで健康に成長し続ける会社」をビジョンとし、既存(根元)事業である「コンタクトセンター・BPOサービス」と、新規(新芽)事業である「クラウドPBX(注) Omnia LINK(オムニアリンク)をはじめとするシステム開発・販売」の両面での成長を掲げてまいりました。(注)PBX:Private Branch eXchangeの略・構内交換機 (コンタクトセンター・BPOサービス)コンタクトセンター・BPOサービスは、重点戦略グループのひとつである金融業界・通信業界におけるリプレイス案件等の獲得を進め、新規案件の売上を順調に積み上げました。しかしながら、特定の公共案件の業務量縮小による減少や、電力業界における一時的な業務量増に対する反動減、コロナワクチン接種受付センター等の案件終了による反動減といった、3つの減少要因が重なり、減収となりました。営業費用に関しては、売上高の水準に対して変動費は一定の水準を維持しているものの、拠点賃料等の設備費や間接人件費等の固定費の上昇が影響し、減益となりました。なお、当連結会計年度末におけるオペレーションブース数は、全国18拠点、7,017ブースとなりました。 (クラウドPBX Omnia LINKをはじめとするシステム開発・販売)当連結会計年度において、クラウドPBX「Omnia LINK」は、コンタクトセンター分野における音声認識技術の市場浸透を背景に、堅調な需要を維持しました。前期より営業方針を大きく転換し、1社あたりのライセンス数を100ライセンス規模とする大型案件の獲得に注力した結果、第4四半期には四半期単位で過去最高となる964ライセンスを出荷しました。これは、複数の大型案件を獲得したことによるものです。今後も「Omnia LINK」の特性を活かした大型案件の獲得を目指し、営業体制およびサービス提供体制の強化を進めてまいります。これにより、「Omnia LINK」販売事業を当社の成長をけん引する主要事業として位置づけ、さらなる拡大を図ります。当連結会計年度末におけるライセンス販売数は、期初に設定した目標を下回ったものの、前年同期比で約1.4倍の4,460ライセンスを達成しました。ARPU(1ライセンスあたりの単価)は当初想定通りの約20千円となりました。これに伴い、「Omnia LINK」の外販によるARR(年間経常収益)は10.7億円となり、前年同期比で35.6%の増加を記録しました。 上記の取り組みの結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は36,424百万円(前年同期比4.8%減)、営業利益は1,069百万円(同57.9%減)、経常利益は1,004百万円(同60.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は452百万円(同75.3%減)となりました。なお、当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。 ② 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産額は、14,494百万円となり、前連結会計年度末比397百万円増加となりました。これは主に、建物の増加646百万円、ソフトウエアの増加134百万円、投資有価証券の減少106百万円等によるものであります。 (負債)当連結会計年度末における総負債額は、5,541百万円となり、前連結会計年度末比638百万円の増加となりました。これは主に、株主優待引当金の増加122百万円、資産除去債務の増加571百万円等によるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産額は、8,952百万円となり、前連結会計年度末比240百万円の減少となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益452百万円を計上した一方で、剰余金の配当746百万円により利益剰余金が減少したためです。 ③ キャッシュ・フローの状況(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、1,176百万円(前年同期は2,569百万円の資金の獲得)となりました。主な増加要因として税金等調整前当期純利益834百万円(前年同期2,537百万円)等があったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果支出した資金は、479百万円(前年同期は894百万円の支出)となりました。主な減少要因としてコンタクトセンター拠点の増床に伴う有形固定資産の取得による支出234百万円(前年同期360百万円)、無形固定資産の取得による支出269百万円(前年同期305百万円)、敷金及び保証金の差入による支出138百万円(前年同期126百万円)等があったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果支出した資金は、706百万円(前年同期は492百万円の支出)となりました。主な増加要因として新株予約権の行使による株式の発行による収入44百万円(前年同期198百万円)があった一方で、減少要因として配当金の支払額746百万円(前年同期680百万円)等があったことによるものです。 ④ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当社グループは、生産に該当する事項がないため、生産実績に関する記載はしておりません。 b 受注実績当社グループは、受注生産をしておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。 c 販売実績当社グループは、コンタクトセンター・BPO事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載をしておりません。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)コンタクトセンター・BPO事業36,424,310△4.8 (注)なお、主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりです。相手先第25期連結会計年度(自 2023年6月1日至 2024年5月31日)第26期連結会計年度(自 2024年6月1日至 2025年5月31日)販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)東京電力エナジーパートナー(株)6,288,67716.45,459,31015.0(株)パソナ5,902,64915.43,747,25710.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 ① 経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.売上高当連結会計年度における売上高は36,424百万円(前期比95.2%)となりました。重点戦略グループのひとつである金融業界・通信業界におけるリプレイス案件等の獲得を進め、新規案件の売上を順調に積み上げました。しかしながら、特定の公共案件の業務量縮小による減少や、電力業界における一時的な業務量増に対する反動減、コロナワクチン接種受付センター等の案件終了による反動減といった、3つの減少要因が重なり、減収となりました。クラウドPBX「Omnia LINK」は、コンタクトセンター分野における音声認識技術の市場浸透を背景に、堅調な需要を維持しました。第4四半期には四半期単位で過去最高となる964ライセンスを出荷しました。 b.売上原価、売上総利益当連結会計年度の売上原価は31,236百万円(前期比97.1%)となりました。売上原価については、人件費、業務委託費が減少しました。これは臨時従業員の減少、人材派遣の起用の減少によるものです。売上原価率を低減させるための人材派遣の起用の縮小やデジタル技術を活用した生産性向上に取り組みを継続して実施しましたが、当連結会計年度における売上総利益は5,187百万円(前期比85.5%)となりました。 c.販売費及び一般管理費、営業利益当連結会計年度の販売費及び一般管理費は4,117百万円(前期比116.8%)となりました。増加の主な要因は賃料の値上げや、賃上げによる人件費の増加、株主優待制度の利用増加によるものです。当連結会計年度における販管費率は11.3%となり、前連結会計年度から2.1%の増加となりました。これにより、当連結会計年度における営業利益は1,069百万円(前期比42.1%)となりました。 d.営業外損益、経常利益当連結会計年度において補助金収入5百万円等により営業外収益は8百万円(前期比53.3%)、持分法による投資損失73百万円等により営業外費用は74百万円(前期比235.0%)となりました。結果、経常利益は1,004百万円(前期比39.7%)となりました。 e.特別損益、親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度において投資有価証券売却益75百万円により特別利益75百万円、減損損失232百万円、固定資産除却損13百万円により特別損失は245百万円、法人税等合計は372百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は452百万円(前期比24.7%)となりました。 ② 財政状態に関する認識及び分析・検討内容財政状態の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。 ③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループは堅実で持続的な成長の実現を通じて新たな事業創出を図り、豊かな社会づくりへの貢献を目指しており、売上高成長率及び営業利益成長率を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標としております。当連結会計年度における売上高は36,424百万円となり前年同期比からの成長率は△4.8%となっております。売上高の減少は、コンタクトセンターBPO事業における以下の3つの要因によるものです。①特定の公共案件の業務量縮小 ②電力業界における反動減 ③コロナワクチン案件終了による反動減このうち、②および③については2025年5月期で一巡し、2026年5月期以降の業績への影響は限定的と見込んでおります。一方で、①に関しては業務量の減少が継続する見込みではあり、①に代替する新規案件の受注活動が活発化させていく方針です。売上原価や販売費及び一般管理費において一部減少要因はあったものの、売上の減少に対して、オペレーションブース数の増加に伴う賃料等の固定費の増加、コーポレート等の間接人件費の増加が回収できない状況にあり、営業利益率の悪化につながりました。結果、営業利益は1,069百万円で前年同期比の成長率は△57.9%となっております。2026年5月期においては、2025年5月に開示した「短期プラン」で発表のとおり、2025年上期中に拠点の一部統廃合の実施、および人材再配置を実施する予定です。また、売上の成長性や収益性の高い「Omnia LINK外販」事業の営業体制を強化し、メリハリをつけた事業運営を行います。 ④ キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る内容 a.キャッシュ・フローの状況分析 キャッシュ・フローの状況の詳細は「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 b.資本の財源及び流動性に係る内容 当社グループの主な資金需要は運転資金と設備投資資金になります。運転資金は、「営業活動によるキャッシュ・フロー」および銀行借入金にて賄う方針であります。具体的には、手元流動性資金、国内金融機関2行と締結している特殊当座貸越枠のフレキシブルな資金調達手段を確保し、流動性リスクを適切にコントロールしてまいります。また、設備投資資金に関しては、内部留保及び資金計画に基づき、長期借入による調達を行い、財務の安定性を確保してまいります。 ⑤ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。