1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等)を軸に再資源化した木材チップを紙やパルプ原料、木質繊維板等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、資源の循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行と加速、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現等を目指していきます。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。また、中長期的には株主資本コストを上回るROE(自己資本利益率)を目標としております。 (3) 経営環境我が国の経済は、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。加えて、資源・エネルギー及び食糧の需要増加は世界規模での課題となっており、この課題に対処するためには、一方通行で消費する「線型経済」から脱却し、資源の循環利用を実現する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行とその加速が求められております。さらに、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時実現が必要な時代です。法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現、国際的な輸出入規制等、さらに近年は、災害廃棄物の適正処理と再生利用支援の連携体制構築が課題となっており、当社グループ事業への社会的な必要性はますます高まっております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。近年の新設住宅着工戸数は、建設コストの上昇、政策金利引き上げにより減少傾向にあります。長期的には人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質廃棄物の排出量については微増若しくは横這いの推移と予測しております。 (木質原料市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・木質繊維板等の建材業界に対して、当社グループは木質廃棄物等を原料に製造した木材チップを製紙原料・木質繊維板等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にありますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。 (木質燃料市場)当社が扱う木質廃棄物由来の木材チップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の高騰等から、当社が扱う国産の木質燃料の需要は高まっております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 事業戦略当社グループは、中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」において、計画策定当初より、建設費や物流費の上昇等により事業環境が大きく変化しており、工場設計や開設エリアの見直し及び工期の長期化等によって、当初計画しておりました新設工場の許認可取得時期に一部遅れを見込んでいることから、中期経営計画の期間を2年延長し、最終年度の数値目標を見直すことといたしました。中期経営計画の最終年度にあたる2030年3月期に売上高140億円、営業利益25億円、ROE15%超を目指してまいります。見直し後の中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 2030」においても、引き続き再資源化の量的拡大を重要な事業戦略と位置付けており、重点的に中日本・東日本エリアにおける工場新設等を推進させてまいります。また、木質バイオマス発電・熱利用事業によって、新たな供給先が確保され、さらなる再資源化需要並びに木質燃料の輸送等における環境負荷やコストの削減につながることから、市場開発も推進してまいります。 ② コンプライアンス体制環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、継続的な社内教育と啓蒙を行い、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。 ③ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせた人材の確保、収益基盤の創出に資する人材の育成が重要な経営課題であると認識しております。これらの課題に対応するため、当社は「多様性」「公平性」「包括性」の確保を図るとともに、従業員一人ひとりが創造力を発揮し、「高い安全性」「高い生産性」「高度な環境技術」を追求できるよう、安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、組織・人事評価等の社内環境整備を推進してまいります。さらに、業務のAI化、工場の自動化を推進し、事業の効率化、安全性及び生産性の一層の向上をはかってまいります。 ④ サステナビリティ経営持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、サステナビリティ経営を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保、経営と執行に対する実効性の高い監督機能の確立、木質バイオマス発電・熱利用事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大によるサーキュラーエコノミーの実現、自治体との災害廃棄物処理の支援等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等)を軸に再資源化した木材チップを紙やパルプ原料、木質繊維板等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、資源の循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行と加速、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現等を目指していきます。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。また、中長期的には株主資本コストを上回るROE(自己資本利益率)を目標としております。 (3) 経営環境我が国の経済は、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。加えて、資源・エネルギー及び食糧の需要増加は世界規模での課題となっており、この課題に対処するためには、一方通行で消費する「線型経済」から脱却し、資源の循環利用を実現する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行とその加速が求められております。さらに、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時実現が必要な時代です。法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現、国際的な輸出入規制等、さらに近年は、災害廃棄物の適正処理と再生利用支援の連携体制構築が課題となっており、当社グループ事業への社会的な必要性はますます高まっております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。近年の新設住宅着工戸数は、建設コストの上昇、政策金利引き上げにより減少傾向にあります。長期的には人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質廃棄物の排出量については微増若しくは横這いの推移と予測しております。 (木質原料市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・木質繊維板等の建材業界に対して、当社グループは木質廃棄物等を原料に製造した木材チップを製紙原料・木質繊維板等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にありますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。 (木質燃料市場)当社が扱う木質廃棄物由来の木材チップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の高騰等から、当社が扱う国産の木質燃料の需要は高まっております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 事業戦略当社グループは、中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」において、計画策定当初より、建設費や物流費の上昇等により事業環境が大きく変化しており、工場設計や開設エリアの見直し及び工期の長期化等によって、当初計画しておりました新設工場の許認可取得時期に一部遅れを見込んでいることから、中期経営計画の期間を2年延長し、最終年度の数値目標を見直すことといたしました。中期経営計画の最終年度にあたる2030年3月期に売上高140億円、営業利益25億円、ROE15%超を目指してまいります。見直し後の中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 2030」においても、引き続き再資源化の量的拡大を重要な事業戦略と位置付けており、重点的に中日本・東日本エリアにおける工場新設等を推進させてまいります。また、木質バイオマス発電・熱利用事業によって、新たな供給先が確保され、さらなる再資源化需要並びに木質燃料の輸送等における環境負荷やコストの削減につながることから、市場開発も推進してまいります。 ② コンプライアンス体制環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、継続的な社内教育と啓蒙を行い、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。 ③ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせた人材の確保、収益基盤の創出に資する人材の育成が重要な経営課題であると認識しております。これらの課題に対応するため、当社は「多様性」「公平性」「包括性」の確保を図るとともに、従業員一人ひとりが創造力を発揮し、「高い安全性」「高い生産性」「高度な環境技術」を追求できるよう、安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、組織・人事評価等の社内環境整備を推進してまいります。さらに、業務のAI化、工場の自動化を推進し、事業の効率化、安全性及び生産性の一層の向上をはかってまいります。 ④ サステナビリティ経営持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、サステナビリティ経営を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保、経営と執行に対する実効性の高い監督機能の確立、木質バイオマス発電・熱利用事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大によるサーキュラーエコノミーの実現、自治体との災害廃棄物処理の支援等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況当連結会計年度におけるわが国経済は、賃上げの広がりや企業収益の持ち直し、インバウンド需要の回復等を背景として、内需を中心に緩やかな回復基調で推移しました。一方で、世界的なインフレの長期化や各国の金融政策の動向、ウクライナ情勢や中東情勢、米中関係などに起因する地政学的リスクの高まりに加え、為替変動や資源・エネルギー価格の変動も続いており、企業経営を取り巻く環境は依然として先行き不透明な状況にあります。このような経済情勢の中、当社グループは、中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」において、「木質資源を軸にしたサーキュラーエコノミー・再生可能エネルギー時代の牽引」及び「増収・増益・増配・従業員還元のサステナビリティ企業への進化」を中期経営方針として掲げ、その実現のため木質再資源化の量的拡大を事業戦略として、再資源化工場の新設・増強に取組んでまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は10,007,983千円(前連結会計年度比106.7%)、営業利益は1,174,771千円(前連結会計年度比101.9%)、経常利益は1,174,608千円(前連結会計年度比82.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は890,695千円(前連結会計年度比86.2%)となりました。 各セグメント別の状況は以下のとおりであります。 <バイオマテリアル事業>「バイオマテリアル事業」では、建物の解体時に発生する廃材のほか、使用済み木質パレットや梱包材、街路樹の剪定枝等の木質廃棄物の処理を受託し、紙パルプや木質繊維板用の原料チップ、木質バイオマス発電やバイオマスボイラー等における燃料チップとして再資源化を行っております。当社はこれらの再資源化を通じて資源循環型社会の実現に貢献しております。木材チップの需要状況においては、輸入燃料価格が依然として不安定な推移を見せる中、代替燃料としての側面やカーボンニュートラル需要を背景に再資源化された木材チップの需要は引き続き増加しております。当社が製造する高品質な木材チップはCO2削減に寄与することから、持続可能なエネルギー利用を推進する企業を中心に、依然として高い需要があります。木材チップの原料調達については、建築基準法改正の影響により住宅着工件数が減少するなど厳しい市況環境ではありましたが、新規顧客開拓や既存顧客との取引拡大に注力した結果、数量面では堅調に推移しました。また、当連結会計年度においても引き続き石川県能登の被災材を受け入れ(2025年6月受入終了)、災害復興支援と循環型資源活用を通じて地域社会に貢献いたしました。さらに、愛知県名古屋市において開設を進めておりました「名古屋CEセンター」が2025年9月に稼働を開始し、2024年10月に開設した「愛知第八工場(一宮)」についても順調に稼働を続けております。これら両拠点の稼働により、原料調達体制の一層の強化と供給の安定化が図られました。単価面では、2025年1月に実施した調達単価の改定効果が当連結会計年度においても継続して寄与し、売上拡大につながりました。木材チップ販売につきましては、原料調達数量の増加に伴う生産量の増加により増収となりました。以上の結果、セグメント売上高は7,336,450千円(前連結会計年度比107.1%)、セグメント利益は1,057,558千円(前連結会計年度比96.9%)となりました。 <資源循環事業>「資源循環事業」では、住宅建設の際に発生する木くず・廃プラスチック類・金属くず等の建設副産物(廃棄物)を当社が再資源化し、資源循環型社会の実現を図っております。本事業では住宅市場の動向を注視することが重要であり、直近の住宅着工件数は、住宅資材の高騰等による住宅価格水準の上昇に加え、2025年4月に改正された建築基準法による申請・承認業務の遅延等の要因により、前年度比12.9%減となりました。このような事業環境下において、エリア展開の強化とインナーシェア拡大、地域密着型の建設会社への営業活動強化に注力いたしました。加えて、継続的に新規顧客獲得にも取組み、複数の取引開始に至る成果を得ました。これらの営業活動により取扱数量は前年度比105.9%となりました。以上の結果、セグメント売上高は1,699,811千円(前連結会計年度比106.8%)、セグメント利益は89,871千円(前連結会計年度比124.4%)となりました。 <その他>「環境物流事業」では、木質パレット等の物流機器の製造・仕入・販売を展開しております。当社を取り巻く物流業界では、人件費や燃料費の上昇、労働時間規制強化等により、「人手・コスト・環境」の課題が顕在化しております。当社グループは、こうした環境変化を踏まえ、不要物流機器の買取を積極的に実施し、物流資材のリユース・リニューアルサービスに注力いたしました。特に木質パレットについては、リユース販売に加え、独自のリメイクによる仕様変更提案を強みとし、販路拡大と顧客ニーズへの対応に大きく寄与しております。「環境コンサルティングサービス事業」では、カーボンニュートラルやサーキュラーエコノミーに関するコンサルティング、それらを推進する人材育成及び統合報告書の作成支援等、環境に特化したコンサルティングサービスを提供しております。当連結会計年度においても、受注獲得に向け積極的に注力いたしました。以上の結果、セグメント売上高は1,314,128千円(前連結会計年度比100.7%)、セグメント利益は35,210千円(前連結会計年度は、2,458千円のセグメント損失)となりました。 (ROE(自己資本利益率))ROE(自己資本利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益が142,538千円減少し、自己資本(純資産)が621,088千円増加したことにより、前連結会計年度より4.4ポイント低下し15.1%となりました。 b 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における資産合計は13,869,268千円となり、前連結会計年度末から1,699,930千円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。流動資産は前連結会計年度末から33,423千円増加しました。これは主に、仕掛品が20,006千円、商品及び製品が19,986千円減少したものの、受取手形、売掛金及び契約資産が49,310千円、原材料及び貯蔵品が20,704千円増加したことによるものです。固定資産は前連結会計年度末から1,666,507千円増加しました。これは主に、名古屋CEセンターの新設稼働により建設仮勘定が135,426千円減少した一方で、新規工場建設予定地の取得により土地が826,186千円、名古屋CEセンターの新設稼働により建物及び構築物が548,264千円、機械装置及び運搬具が207,835千円増加したことによるものです。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は7,656,448千円となり、前連結会計年度末から1,078,842千円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。流動負債は前連結会計年度末から1,311,394千円増加しました。これは主に、短期借入金が1,392,000千円増加したことによるものです。固定負債は前連結会計年度末から232,551千円減少しました。これは主に、リース債務が113,087千円増加したものの、長期借入金が339,734千円減少したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は6,212,820千円となり、前連結会計年度末から621,088千円増加しました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が554,748千円増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から17,108千円増加し1,009,972千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 a 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は、1,503,929千円(前連結会計年度は、1,319,175千円の資金増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,252,955千円によるものです。 b 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は、1,935,240千円(前連結会計年度は、2,296,457千円の資金減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,024,201千円によるものです。 c 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の増加は、448,422千円(前連結会計年度は、349,988千円の資金減少)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出624,824千円、配当金の支払額335,947千円による資金減少はあったものの、短期借入金の借入による収入1,392,000千円があったことによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業6,820,698109.5 再資源化処理受託4,436,648107.4木材チップ販売2,384,049113.8資源循環事業1,641,040103.9合計8,461,739108.4 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。 b 受注実績当社グループの廃棄物処理業、チップ販売においては、受注から最終処理完了までのリードタイムが短いことから受注実績を省略しております。 c 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業7,282,273107.4 再資源化処理受託4,436,648107.4木材チップ販売2,575,112108.0その他270,512101.7資源循環事業1,698,175106.9その他1,027,534101.3合計10,007,983106.7 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.「バイオマテリアル事業」に含まれる「その他」の主なものは、有価物売却であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。 固定資産の減損の判定当社グループは、固定資産に係る減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化により割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る資産又は資産グループについては減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績の分析経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」をご参照ください。 c 資本の財源及び資金の流動性についての分析(キャッシュ・フロー)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。(資金需要)所要資金は大きく分けて設備投資資金及び運転資金となりますが、基本的には営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより運転資金を賄い、設備投資資金につきましては、長期借入金により調達を行う方針であります。 d 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループの経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」をご参照ください。当連結会計年度における主な経営指標は以下のとおりであり、引き続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。経営指標2025年3月期(前連結会計年度実績)2026年3月期(当連結会計年度実績)売上高(千円)9,383,58510,007,983営業利益(千円)1,152,7721,174,771売上高営業利益率(%)12.311.7ROE(%)19.515.1
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等)を軸に再資源化した木材チップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、資源の循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行と加速、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現等を目指していきます。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。また、中長期的には株主資本コストを上回るROE(自己資本利益率)を目標としております。 (3) 経営環境我が国の経済は、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。加えて、資源・エネルギーおよび食糧の需要増加は世界規模での課題となっており、この課題に対処するためには、一方通行で消費する「線型経済」から脱却し、資源の循環利用を実現する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行とその加速が求められております。さらに、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時実現が必要な時代です。法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現、国際的な輸出入規制等、さらに近年は、災害廃棄物の適正処理と再生利用支援の連携体制構築が課題となっており、当社グループ事業への社会的な必要性はますます高まっております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。近年の新設住宅着工戸数は、建設コストの上昇、政策金利引き上げにより減少傾向にあります。長期的には人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質廃棄物の排出量については微増若しくは横這いの推移と予測しております。 (木質原料市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質廃棄物等を原料に製造した木材チップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にありますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。 (木質燃料市場)当社が扱う木質廃棄物由来の木材チップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の高騰等から、当社が扱う国産の木質燃料の需要は高まっております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 事業戦略当社グループは、設立80周年(2028年2月)に向け、2025年3月期から2028年3月期の4ヶ年での中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」を策定いたしました。再資源化の量的拡大を重要な事業戦略と位置付けており、重点的に北関東・東北エリアを含む東日本から、九州北部エリアを含む西日本まで全国的に工場新設及びМ&A等を推進させてまいります。また、木質バイオマス発電・熱利用事業の拡充によって、新たな供給先が確保され、さらなる再資源化需要並びに木質燃料の輸送等における環境負荷やコストの削減につながることから、市場開発も推進してまいります。 ② コンプライアンス体制環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、継続的な社内教育と啓蒙を行い、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。 ③ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせた人材の確保、収益基盤を創出できる人材育成が重要な経営課題であると認識しております。これらの課題に対応するため、「多様性」「公平性」「包括性」の確保及び経営理念に基づき「自ら未来を創造する」人材の育成を基本方針として、従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる社内環境整備(安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、組織人事評価等)を推進してまいります。さらに、AI・自動設備等の導入による省人化・無人化を推進し、さらなる生産性の向上を推進させてまいります。 ④ サステナビリティ経営持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、サステナビリティ経営を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保、経営と執行に対する実効性の高い監督機能の確立、木質バイオマス発電・熱利用事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大によるサーキュラーエコノミーの実現、自治体との災害廃棄物処理の支援等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等)を軸に再資源化した木材チップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、資源の循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行と加速、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現等を目指していきます。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。また、中長期的には株主資本コストを上回るROE(自己資本利益率)を目標としております。 (3) 経営環境我が国の経済は、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。加えて、資源・エネルギーおよび食糧の需要増加は世界規模での課題となっており、この課題に対処するためには、一方通行で消費する「線型経済」から脱却し、資源の循環利用を実現する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行とその加速が求められております。さらに、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時実現が必要な時代です。法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現、国際的な輸出入規制等、さらに近年は、災害廃棄物の適正処理と再生利用支援の連携体制構築が課題となっており、当社グループ事業への社会的な必要性はますます高まっております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。近年の新設住宅着工戸数は、建設コストの上昇、政策金利引き上げにより減少傾向にあります。長期的には人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質廃棄物の排出量については微増若しくは横這いの推移と予測しております。 (木質原料市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質廃棄物等を原料に製造した木材チップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にありますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。 (木質燃料市場)当社が扱う木質廃棄物由来の木材チップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の高騰等から、当社が扱う国産の木質燃料の需要は高まっております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 事業戦略当社グループは、設立80周年(2028年2月)に向け、2025年3月期から2028年3月期の4ヶ年での中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」を策定いたしました。再資源化の量的拡大を重要な事業戦略と位置付けており、重点的に北関東・東北エリアを含む東日本から、九州北部エリアを含む西日本まで全国的に工場新設及びМ&A等を推進させてまいります。また、木質バイオマス発電・熱利用事業の拡充によって、新たな供給先が確保され、さらなる再資源化需要並びに木質燃料の輸送等における環境負荷やコストの削減につながることから、市場開発も推進してまいります。 ② コンプライアンス体制環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、継続的な社内教育と啓蒙を行い、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。 ③ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせた人材の確保、収益基盤を創出できる人材育成が重要な経営課題であると認識しております。これらの課題に対応するため、「多様性」「公平性」「包括性」の確保及び経営理念に基づき「自ら未来を創造する」人材の育成を基本方針として、従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる社内環境整備(安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、組織人事評価等)を推進してまいります。さらに、AI・自動設備等の導入による省人化・無人化を推進し、さらなる生産性の向上を推進させてまいります。 ④ サステナビリティ経営持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、サステナビリティ経営を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保、経営と執行に対する実効性の高い監督機能の確立、木質バイオマス発電・熱利用事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大によるサーキュラーエコノミーの実現、自治体との災害廃棄物処理の支援等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加を背景に緩やかな回復の動きがみられました。しかしながら、不安定な国際情勢の長期化等によるエネルギー資源及び原材料価格の高騰、円安や米国の通商政策への懸念もあり、依然として先行きの不透明な状況が続いております。そのような経済情勢の中、当社グループは循環経済(サーキュラーエコノミー)の実現を牽引し、さらなる成長と飛躍することを目指して、中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」を策定いたしました。この中期経営計画は2025年3月期から当社の設立80周年度であります2028年3月期までの4年間にわたる成長戦略を示すものです。特に“量的拡大”を重要な事業戦略として、本期間で合計約100億円の投資を行い、中日本及び東日本を中心に新工場を建設することで、木質バイオマスを年間100万トン取り扱える体制を目指しております。中期経営計画の着実な実行のため、既存事業の生産性と効率性を強化するとともに、事業拡大に向けた積極的な投資活動を行ってまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は9,383,585千円(前連結会計年度比107.2%)、営業利益は1,152,772千円(前連結会計年度比110.9%)、経常利益は1,432,873千円(前連結会計年度比115.0%)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,033,234千円(前連結会計年度比392.5%)となりました。 各セグメント別の状況は以下のとおりです。なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しており、前連結会計年度との比較・分析は、変更後の区分に基づいております。詳細は「5.経理の状況 連結財務諸表に関する注記事項 (セグメント情報等)」をご参照ください。 <バイオマテリアル事業>「バイオマテリアル事業」では、建設工事、建物解体工事で発生する廃木材のほか、使用済み木質パレット、梱包材、街路樹剪定材等の木質廃棄物の処理を受託し、製紙用・木質建材ボード用の原料チップ、バイオマス発電向け燃料チップとして再資源化を行っております。当社はこれらの再資源化で資源循環型社会の実現に貢献しております。木材チップの需要状況においては、輸入燃料の価格変動が落ち着く中、カーボンニュートラル需要を背景にリサイクルチップの需要は引き続き増加しており、当社が製造する高品質な木材チップへの期待は増加しております。木材チップの原料調達については、厳しい市況環境においても新規顧客の獲得等に注力し、安定した数量を確保しました。2024年10月に愛知県一宮市の「愛知第八工場(一宮)」が本格稼働を開始し、初月の原料調達数量が過去最高を記録する等調達基盤の拡充に大きく貢献しました。さらに、2025年1月から能登半島震災の被災地で発生した災害廃棄物の受入れを開始したことで調達数量が増加し、全体的な原料調達数量は堅調に推移いたしました(前連結会計年度比109.6%)。原料調達の単価につきましては、2025年1月に実施した調達単価の改定が売上高増加の一因となりました。木材チップ販売につきましては、原料調達数量の増加に伴う生産量増加及び販売単価の改定効果影響により、増収となりました(販売単価前連結会計年度比105.5%)。以上の結果、セグメント売上高は6,848,372千円(前連結会計年度比109.1%)、セグメント利益は1,090,884千円(前連結会計年度比121.7%)となりました。 <資源循環事業>住宅建設の際に発生する建設副産物の再資源化でサーキュラーエコノミー社会の実現に貢献する「資源循環事業」では、住宅市場の動向を注視することが重要となります。住宅資材の高騰やそれに伴う住宅価格の上昇等の影響もありましたが、直近の住宅着工件数は前年度比2.0%増となりました。しかしながら、大手住宅メーカーでは新規での住宅受注の確保が難航しており、分譲戸建て住宅においても、完工済み住宅が過剰な状態で新規着工が遅延しがちな状況でありました。こうした中、当社グループでは、エリア展開営業の強化、工事着工件数を維持する取引先へのシェアアップ、地域に密着した中堅建設会社を中心とした既存顧客のインナーシェアアップに注力しました。さらに、廃棄物の広域的な処理に対し地方公共団体ごとの許可が不要となる広域認定制度利用を開始する取引先への営業に注力する等、受注量の確保に努めました。以上の結果、セグメント売上高は1,591,984千円(前連結会計年度比102.0%)、セグメント利益は72,254千円(前連結会計年度比90.4%)となりました。 <その他>木製パレット等の物流機器の製造・仕入・販売を展開している「環境物流事業」では、物流資材のリユース・リニューアルサービスに注力いたしました。物流業界では2024年問題の規制対応により生じる不要物流機器の再利用等、一連の製品ライフサイクルを踏まえた物流機器の買い取りサービス、また、中古リニューアル品の販売では顧客ニーズにあわせたリメイク商品提案やイニシャルコスト削減商品としての提案等により販売に注力いたしました。「環境コンサルティングサービス事業」では、TCFD「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」及び製品・サービスのライフサイクルにおける環境負荷を定量的に評価するライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)支援等のカーボンニュートラル関連におけるサービスに引き続き注力しました。費用面では今後の需要増加を見込み、人的資本への投資額が増加いたしました。以上の結果、セグメント売上高は1,305,025千円(前連結会計年度比106.6%)、セグメント損失は2,458千円(前連結会計年度は、63,006千円のセグメント利益)となりました。 (ROE(自己資本利益率))ROE(自己資本利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益が769,969千円増加したことにより、前連結会計年度より14.3ポイント上昇し19.5%となりました。 b 財政状態の状況 (資産)当連結会計年度末における資産合計は12,169,338千円となり、前連結会計年度末から843,390千円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。流動資産は前連結会計年度末から1,178,546千円減少しました。これは主に、現金及び預金が1,320,383千円減少したことによるものです。固定資産は前連結会計年度末から2,021,936千円増加しました。これは主に、新工場建設予定地の取得により土地が1,080,869千円、新設予定である名古屋工場等の設備投資等により建設仮勘定が381,570千円、愛知第八工場(一宮)を新設したことにより建物及び構築物が376,706千円、更なる業容拡大を目的とした本社機能の拡充等にかかる設備投資等により有形固定資産その他(工具、器具及び備品)が131,713千円増加したことによるものです。なお、これらの原資には保険積立金の一部を解約したことによる収入146,888千円を含んでおります。 (負債)当連結会計年度末における負債合計は6,577,605千円となり、前連結会計年度末から275,455千円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。流動負債は前連結会計年度末から543,078千円増加しました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が233,234千円減少したものの、短期借入金が941,700千円増加したことによるものです。固定負債は前連結会計年度末から267,623千円減少しました。これは主に、リース債務が93,927千円増加したものの、長期借入金が397,633千円減少したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度末における純資産合計は5,591,732千円となり、前連結会計年度末から567,935千円増加しました。これは主に、自己株式を取得したことにより自己株式が160,845千円増加(純資産は減少)したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が715,548千円増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末から1,320,383千円減少し992,864千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 a 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は、1,319,175千円(前連結会計年度は、1,742,502千円の資金増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,457,045千円によるものです。 b 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は、2,296,457千円(前連結会計年度は、634,610千円の資金減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出2,350,043千円によるものです。 c 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の減少は、349,988千円(前連結会計年度は、1,253,492千円の資金減少)となりました。主な要因は、短期借入金の借入による収入941,700千円増加したものの、長期借入金の返済による支出835,761千円、配当金の支払額317,686千円によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業6,226,861110.5 再資源化処理受託4,131,500110.4木材チップ販売2,095,361110.5資源循環事業1,579,684103.0合計7,806,545108.9 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。 b 受注実績当社グループの廃棄物処理業、チップ販売においては、受注から最終処理完了までのリードタイムが短いことから受注実績を省略しております。 c 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業6,780,792109.1 再資源化処理受託4,131,500110.4木材チップ販売2,383,415108.4その他265,87697.1資源循環事業1,588,244102.2その他1,014,549103.0合計9,383,585107.2 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.「バイオマテリアル事業」に含まれる「その他」の主なものは、有価物売却であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。 固定資産の減損の判定当社グループは、固定資産に係る減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化により割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る資産又は資産グループについては減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績の分析経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」をご参照ください。 c 資本の財源及び資金の流動性についての分析(キャッシュ・フロー)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。(資金需要)所要資金は大きく分けて設備投資資金及び運転資金となりますが、基本的には営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより運転資金を賄い、設備投資資金につきましては、長期借入金により調達を行う方針であります。 d 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループは、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しており、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における主な経営指標は以下のとおりであり、引き続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。経営指標2024年3月期(前連結会計年度実績)2025年3月期(当連結会計年度実績)売上高(千円)8,753,6279,383,585営業利益(千円)1,039,6891,152,772売上高営業利益率(%)11.912.3
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等)を再資源化した木材チップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、資源の循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行と加速、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現に貢献するとともに社会全体のSDGs達成へ寄与してまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。 (3) 経営環境我が国の経済は、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。加えて、資源・エネルギーおよび食糧の需要増加は世界規模での課題となっており、この課題に対処するためには、一方通行で消費する「線型経済」から脱却し、資源の循環利用を実現する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行とその加速が求められております。さらに、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時実現が必要な時代です。法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現、国際的な輸出入規制等から、当社事業への社会的な必要性もますます高まっております。また、2015年に国連総会において持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が採択されたことにより、当社事業とSDGsとの関係性は直結する経営環境となってきております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。新設住宅の着工戸数は2009年以降、リーマン・ショックの影響による落ち込みから回復しましたが、近年においては減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質廃棄物の排出量については今後も微増若しくは横這いと予測しております。 (木質原料市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質廃棄物等を原料に製造した木材チップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にありますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。 (木質燃料市場)当社が扱う木質廃棄物由来の木材チップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の高騰等から、当社が扱う国産の木質燃料の需要は高まっております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 経営戦略当社グループでは、経営方針、経営環境を踏まえ、持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続可能な社会の実現を目指してまいります。当社グループは、その実現のため、設立80周年(2028年2月)に向け、2025年3月期から2028年3月期の4ヶ年での中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」を策定いたしました。持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等) の調達、分別、再資源化、供給の一貫したシステムの拡充とその付加価値化(木質バイオマス発電・熱利用等)を重要な経営戦略「植林からエネルギー」と位置付けております。木質資源の有効利用のリーディングカンパニーとして、木質資源を軸にしたサーキュラーエコノミー・再生可能エネルギー時代を牽引し、国内木質バイオマスの量的拡大を図り、木質バイオマスの付加価値化(木質バイオマス発電・熱利用等)に挑戦してまいります。木質資源を軸にしたサーキュラーエコノミー・再生可能エネルギーの創出の実現のため、再資源化の量的拡大を中期経営計画の重要な戦略としております。工場新設及びM&A等も活用していく方針であります。そのため、中期経営計画では、重点的に北関東・東北エリアを含む東日本から、九州北部エリアを含む西日本まで全国展開を推進してまいります。加えて、拠点における事業の多角化・コスト低減のため、既設の「バイオマテリアル事業」の工場に併設若しくは近郊に「資源循環事業」の建設副産物の再資源化工場の展開を計画しております。また、長期的な需要が見込める木質バイオマス発電・熱利用事業の拡充によって、新たな供給先が確保され、安定的な販売利益を創出することができます。それが当社の更なる拠点拡大につながり、木質資源の調達並びに木質燃料の輸送等における環境負荷やコストの削減にもつながります。さらに、将来的な自社での発電事業、木質資源の付加価値化(改質利用等)、廃棄物系以外の木質資源の調達(未利用間伐材等)、その他バイオマスの分野(海洋バイオマス等)や食糧安全保障への寄与を目的とした食糧事業にも積極的な研究開発・事業開発を進めてまいります。 ② コンプライアンス体制の充実環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策を図り、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。これに加え、事業の過程で顧客等の個人情報や他社等の機密情報、また当社自身の機密情報を取り扱っております。重要情報の漏洩を防止するための情報セキュリティの強化にも取組んでまいります。 ③ コーポレート・ガバナンス体制の向上持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、コーポレート・ガバナンス体制の構築を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保するため、社外取締役の選任、社外監査役の選任、監査役会の設置、任意の指名報酬委員会の設置、代表取締役社長が委員長を務め、子会社の主管部門も含むリスク管理担当者で構成されるコンプライアンス委員会の設置と継続的な改善、内部監査による定期的なモニタリングを実施して、経営と執行に対する実効性の高い監督機能を確立し、様々なステークホルダーの信頼に応えることができる体制の向上を継続して取組んでまいります。 ④ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせた人材の確保、収益基盤を創出できる人材育成が重要な経営課題であると認識しております。 これらの課題に対応するため、人材多様性の確保及び経営理念に基づき「自ら未来を創造する」人材の育成を基本方針として、教育研修の拡充に取組んでまいります。また、従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる社内環境整備(安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、組織人事評価等)を推進してまいります。 将来的には、AI・設備等の導入による省人化・無人化を推進し、さらなる生産性の向上を図ってまいります。 ⑤ SDGsの取組み強化当社グループの事業は、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)における廃棄物の適正処理及び再資源化の推進、エネルギー問題及び気候変動等の解決に対するソリューションとなるものであり、当社グループは各事業展開を通じて、国際社会の目標達成に貢献できるものと考えております。今般、こうした取組みをさらに推進していくため、カーボンニュートラル推進体制の設置、木質バイオマス発電事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大によるサーキュラーエコノミーの実現、自治体との災害廃棄物対応の強化等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等)を再資源化した木材チップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、資源の循環経済(サーキュラーエコノミー)への移行と加速、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現に貢献するとともに社会全体のSDGs達成へ寄与してまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。 (3) 経営環境我が国の経済は、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。加えて、資源・エネルギーおよび食糧の需要増加は世界規模での課題となっており、この課題に対処するためには、一方通行で消費する「線型経済」から脱却し、資源の循環利用を実現する「循環経済(サーキュラーエコノミー)」への移行とその加速が求められております。さらに、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済、自然再興(ネイチャーポジティブ)の同時実現が必要な時代です。法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、炭素中立型(カーボンニュートラル)経済の実現、国際的な輸出入規制等から、当社事業への社会的な必要性もますます高まっております。また、2015年に国連総会において持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が採択されたことにより、当社事業とSDGsとの関係性は直結する経営環境となってきております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。新設住宅の着工戸数は2009年以降、リーマン・ショックの影響による落ち込みから回復しましたが、近年においては減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質廃棄物の排出量については今後も微増若しくは横這いと予測しております。 (木質原料市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質廃棄物等を原料に製造した木材チップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にありますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、再資源化原料の利用推進から当社が扱う木質原料の需要は高まっております。 (木質燃料市場)当社が扱う木質廃棄物由来の木材チップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の高騰等から、当社が扱う国産の木質燃料の需要は高まっております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 経営戦略当社グループでは、経営方針、経営環境を踏まえ、持続的に調達可能な資源の生産とその循環を長期的な成長戦略として、持続可能な社会の実現を目指してまいります。当社グループは、その実現のため、設立80周年(2028年2月)に向け、2025年3月期から2028年3月期の4ヶ年での中期経営計画「Fuluhashi Sustainable Plan 80th」を策定いたしました。持続的に調達可能な木質資源(木質廃棄物等) の調達、分別、再資源化、供給の一貫したシステムの拡充とその付加価値化(木質バイオマス発電・熱利用等)を重要な経営戦略「植林からエネルギー」と位置付けております。木質資源の有効利用のリーディングカンパニーとして、木質資源を軸にしたサーキュラーエコノミー・再生可能エネルギー時代を牽引し、国内木質バイオマスの量的拡大を図り、木質バイオマスの付加価値化(木質バイオマス発電・熱利用等)に挑戦してまいります。木質資源を軸にしたサーキュラーエコノミー・再生可能エネルギーの創出の実現のため、再資源化の量的拡大を中期経営計画の重要な戦略としております。工場新設及びM&A等も活用していく方針であります。そのため、中期経営計画では、重点的に北関東・東北エリアを含む東日本から、九州北部エリアを含む西日本まで全国展開を推進してまいります。加えて、拠点における事業の多角化・コスト低減のため、既設の「バイオマテリアル事業」の工場に併設若しくは近郊に「資源循環事業」の建設副産物の再資源化工場の展開を計画しております。また、長期的な需要が見込める木質バイオマス発電・熱利用事業の拡充によって、新たな供給先が確保され、安定的な販売利益を創出することができます。それが当社の更なる拠点拡大につながり、木質資源の調達並びに木質燃料の輸送等における環境負荷やコストの削減にもつながります。さらに、将来的な自社での発電事業、木質資源の付加価値化(改質利用等)、廃棄物系以外の木質資源の調達(未利用間伐材等)、その他バイオマスの分野(海洋バイオマス等)や食糧安全保障への寄与を目的とした食糧事業にも積極的な研究開発・事業開発を進めてまいります。 ② コンプライアンス体制の充実環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策を図り、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。これに加え、事業の過程で顧客等の個人情報や他社等の機密情報、また当社自身の機密情報を取り扱っております。重要情報の漏洩を防止するための情報セキュリティの強化にも取組んでまいります。 ③ コーポレート・ガバナンス体制の向上持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、コーポレート・ガバナンス体制の構築を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保するため、社外取締役の選任、社外監査役の選任、監査役会の設置、任意の指名報酬委員会の設置、代表取締役社長が委員長を務め、子会社の主管部門も含むリスク管理担当者で構成されるコンプライアンス委員会の設置と継続的な改善、内部監査による定期的なモニタリングを実施して、経営と執行に対する実効性の高い監督機能を確立し、様々なステークホルダーの信頼に応えることができる体制の向上を継続して取組んでまいります。 ④ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせた人材の確保、収益基盤を創出できる人材育成が重要な経営課題であると認識しております。 これらの課題に対応するため、人材多様性の確保及び経営理念に基づき「自ら未来を創造する」人材の育成を基本方針として、教育研修の拡充に取組んでまいります。また、従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる社内環境整備(安全衛生、従業員の健康確保、技能取得、組織人事評価等)を推進してまいります。 将来的には、AI・設備等の導入による省人化・無人化を推進し、さらなる生産性の向上を図ってまいります。 ⑤ SDGsの取組み強化当社グループの事業は、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)における廃棄物の適正処理及び再資源化の推進、エネルギー問題及び気候変動等の解決に対するソリューションとなるものであり、当社グループは各事業展開を通じて、国際社会の目標達成に貢献できるものと考えております。今般、こうした取組みをさらに推進していくため、カーボンニュートラル推進体制の設置、木質バイオマス発電事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大によるサーキュラーエコノミーの実現、自治体との災害廃棄物対応の強化等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の5類移行により、経済・社会活動の正常化が進むとともに、景気は緩やかな回復基調となりました。一方で、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫化による資材・原料価格の上昇、資源・エネルギー価格の高止まり、円安の進行や物価高など、景気の先行きは依然として不透明な状態が続いております。そのような経済情勢の中、当社グループでは世の中のエネルギー資源の利用環境を効率化し、サステナビリティ社会の実現に貢献するため、木質廃棄物の再資源化処理を中心に事業の拡大を図っております。特に従来、廃棄あるいは有効活用できていなかった“木質廃棄物”を再資源化し、再生可能エネルギーの原料として“燃料チップ化”する「バイオマテリアル事業」と、住宅建設に際して発生する“建築副産物”を再資源化して循環型社会を目指す「資源循環事業」の中心的な2つの事業について、さらなる利益確保のため拠点の拡大、拡充を実施してまいりました。なお、当連結会計年度においては、当社は事業拡大による従業員の増加に伴い、退職給付債務の金額の算定精度を高め、退職給付費用の期間損益計算をより適正に反映させるため、当連結会計年度末より退職給付債務の計算方法を簡便法から原則法に変更しております。また、当社の出資先であるCEPO半田バイオマス発電株式会社における減損損失計上により、当社が保有する同社株式の実質価額が著しく低下したため、特別損失として投資有価証券評価損98,799千円及び債務保証損失引当金繰入額514,477千円を計上しております。その結果、当連結会計年度の売上高は8,753,627千円(前連結会計年度比108.4%)、営業利益は1,039,689千円(前連結会計年度比123.9%)、経常利益は1,246,183千円(前連結会計年度比118.7%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は263,265千円(前連結会計年度比35.4%)となりました。 各セグメント別の状況は以下のとおりです。なお、当連結会計年度より、当社グループの主要な経営管理指標(経営資源の配分の決定や業績の評価等の検討に使用している経営指標等)を経常利益から営業利益に変更したことに伴い、セグメント利益も経常利益から営業利益に変更しております。この変更に伴い、前連結会計年度のセグメント利益又は損失も営業利益又は損失に変更したうえで比較しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表に関する注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。 <バイオマテリアル事業>「バイオマテリアル事業」では、住環境の改善や発展、環境保全や改善によって不可避的に発生する「木質廃棄物」を当社の加工技術で製造した“燃料チップ”は、再生可能エネルギーの原料として、資源循環型社会の実現に寄与するものであります。特に円安等による輸入燃料及び輸入木材の価格高騰の影響により、国内の木材チップへの需要は増加しており、当社の高品質な木材チップへの需要も引き続き増加の一途を辿っております。木材チップの原料調達におきましては、昨年度開設いたしました岐阜第二工場(大垣)及び西東京工場(入間)が順調に稼働し、入荷数量は堅調に推移いたしました(前連結会計年度比113.9%)。木材チップ販売につきましては、主要顧客であるCEPO半田バイオマス発電所において、引き続き輸入バイオマスの仕入価格高騰の影響もあり、当社からの出荷増に繋がっております。また、販売単価の改定効果として平均単価が前連結会計年度比104.3%となりました。以上の結果、セグメント売上高は6,275,353千円(前連結会計年度比112.7%)、セグメント利益は896,429千円(前連結会計年度比120.6%)となりました。 <資源循環事業>住宅建設の際に発生する建設副産物を当社が再資源化し循環型社会の実現を図る「資源循環事業」では、住宅市場の動向を注視することが重要となります。住宅資材の高騰とそれに連動した住宅価格水準の高騰などの要因により、直近の住宅着工件数は前年度比7.0%減となりましたが、分譲戸建て住宅に関しては、販売数を維持する状況でありました。こうした中、当社グループでは、既存顧客でもある住宅メーカー等の期待に応える営業方針の徹底により、当事業領域におけるシェアアップを図るとともに、全国展開する顧客取引先に対して対応可能な営業体制を構築することで受注量の増加に繋げました。また、関東における2つ目の拠点として、柏リサイクルガーデンが計画より2か月早く2023年8月に稼働を開始いたしました。以上のように営業活動を推し進めた結果、セグメント売上高は1,561,172千円(前連結会計年度比101.0%)、セグメント利益は79,960千円(前連結会計年度比70.3%)となりました。 <環境物流事業>木製パレット等の物流機器の製造・仕入・販売を展開している「環境物流事業」では、物流資材のリユース・リニューアルサービスに注力いたしました。特に、物流業界では2024年問題への対応により生じる不要物流機器の再利用等、一連の製品ライフサイクルを踏まえた物流機器買取、また、中古リニューアル品の販売では顧客ニーズにあわせたリメイク商品提案やイニシャルコスト削減商品としての提案等により販売に注力いたしました。一方で、顧客側の荷動きの低調さによる影響で、当社シェアは維持しているものの販売数量が減少した結果、セグメント売上高は752,065千円(前連結会計年度比96.5%)、セグメント利益は6,223千円(前連結会計年度は、2,606千円のセグメント損失)となりました。 <その他>気候変動問題への取組みとして、世界的に2050年のカーボンニュートラル実現に向けた検討が進んでおります。官民における環境問題対策への需要を着実に取り込んだことにより、TCFD「気候関連財務情報開示タスクフォース(Task Force on Climate-related Financial Disclosures)」及び製品・サービスのライフサイクルにおける環境負荷を定量的に評価するライフサイクルアセスメント(LCA:Life Cycle Assessment)支援等のカーボンニュートラル関連における環境コンサルティングサービス事業が伸長しました。一方で、スポット案件の住宅等の解体工事及び人材派遣業に関連した清掃業務が減少したことにより、セグメント売上高は475,215千円(前連結会計年度比93.1%)、セグメント利益は56,887千円(前連結会計年度比172.7%)となりました。 (ROE(自己資本利益率))ROE(自己資本利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益が480,457千円減少したことにより、前連結会計年度より15.6ポイント低下し5.2%となりました。 b 財政状態の状況(資産)当連結会計年度における資産合計は11,325,947千円となり、前連結会計年度末から14,424千円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。流動資産は前連結会計年度末から204,672千円減少しました。これは主に現金及び預金が173,264千円、受取手形、売掛金及び契約資産が36,941千円減少したことによるものです。固定資産は前連結会計年度末から219,096千円増加しました。これは主に、保険積立金の一部を解約したことにより保険積立金が199,999千円減少したものの、柏リサイクルガーデンの新設、既存工場の生産性向上を目的とした設備投資及び愛知第八工場(一宮)建設予定地の土地を取得したことなどにより、建設仮勘定が199,881千円、土地が109,542千円、リース資産が85,398千円、機械装置及び運搬具が12,753千円増加したことによるものです。 (負債)当連結会計年度における負債合計は6,302,150千円となり、前連結会計年度末から43,080千円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。流動負債は前連結会計年度末から196,277千円減少しました。これは主に、短期借入金が200,000千円減少したことによるものです。固定負債は前連結会計年度末から239,358千円増加しました。これは主に、長期借入金が481,143千円減少したものの、債務保証損失引当金514,477千円を計上したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度における純資産合計は5,023,797千円となり、前連結会計年度末から28,656千円減少しました。主な要因は以下のとおりであります。資本剰余金は前連結会計年度末から16,757千円増加しました。これは譲渡制限付株式報酬としての自己株式の処分差益を計上したことによるものです。利益剰余金は前連結会計年度末から65,528千円減少しました。これは親会社株主に帰属する当期純利益263,265千円の計上があったものの、剰余金の配当を328,793千円行ったことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度から145,251千円減少し2,313,247千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 a 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は、1,742,502千円(前連結会計年度は、1,282,718千円の資金増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上665,513千円、債務保証損失引当金の増加514,477千円によるものです。 b 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は、634,610千円(前連結会計年度は、444,464千円の資金減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出692,183千円によるものです。 c 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の減少は、1,253,492千円(前連結会計年度は、1,107,392千円の資金増加)となりました。主な要因は、長期借入金の返済による支出925,888千円、配当金の支払額328,793千円によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業5,637,461114.3 再資源化処理受託3,741,083113.0木材チップ販売1,896,378116.9資源循環事業1,534,341102.3環境物流事業352,131100.0合計7,523,935110.9 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。3.「その他」に関しては、生産をしておりませんので省略しております。 b 受注実績当社グループの廃棄物処理業、チップ販売、環境物流機器販売においては、受注から最終処理完了や商品発送までのリードタイムが短いことから受注実績を省略しております。 c 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業6,214,081112.8 再資源化処理受託3,741,083113.0木材チップ販売2,199,310113.3その他273,688106.4資源循環事業1,554,769101.0環境物流事業739,16595.9その他245,61095.1合計8,753,627108.4 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.「バイオマテリアル事業」に含まれる「その他」の主なものは、有価物売却であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。 固定資産の減損の判定当社グループは、固定資産に係る減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化により割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る資産又は資産グループについては減損損失の計上が必要となる可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績の分析経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」をご参照ください。 c 資本の財源及び資金の流動性についての分析(キャッシュ・フロー)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。(資金需要)所要資金は大きく分けて設備投資資金及び運転資金となりますが、基本的には営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより運転資金を賄い、設備投資資金につきましては、長期借入金により調達を行う方針であります。 d 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループは、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しており、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、営業利益に加え、事業の収益力を示す売上高営業利益率を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における主な経営指標は以下のとおりであり、引き続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。経営指標2023年3月期(前連結会計年度実績)2024年3月期(当連結会計年度実績)売上高(千円)8,076,6578,753,627営業利益(千円)839,0331,039,689売上高営業利益率(%)10.411.9
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の産出とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等)を再資源化した木質リサイクルチップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに社会全体のSDGs達成へ寄与してまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、経常利益に加え、事業の収益力を示す売上高経常利益率を重要な指標として位置付けております。 (3) 経営環境我が国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う落ち込みから脱しつつあるものの、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。一方で、法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、脱炭素化社会へのシフト(温室効果ガス排出規制、再生可能エネルギーの創出等)、少子高齢化及び社会資本の老朽化、国際的な輸出入規制等から、当社事業への社会的な必要性はますます高まっております。さらに、2015年に国連総会において持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が採択されたことにより、当社事業とSDGsとの関係性は直結する経営環境となってきております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)当社グループの事業と関連性が高い国内住宅・建設市場は、資材価格高騰の影響等により着工件数に伸び悩みが見られますが、首都圏を中心とした再開発等の民間設備投資、防災・減災、国土強靭化を背景にしたインフラ整備等の公共投資は堅調に進んでおります。2008年に人口のピークを迎え、人口減少が進行しており、人口減少社会において、利便性を確保された都市生活を維持させるため、都市機能の集約化が進行しております。一方で、使われない都市空間における社会資本の老朽化に対する更新や撤去等課題を有しております。バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。新設住宅の着工戸数は2009年以降、リーマン・ショックの影響による落ち込みから回復しましたが、近年においては減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質系廃棄物の排出量については今後も微増若しくは横這いと予測しております。 (木質リサイクルチップ・再資源化市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質系廃材を原料に製造した木質リサイクルチップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にあります。一方で通信販売等の定着とともに段ボール等の梱包資材の需要は高まっております。木質リサイクルチップは製紙用だけでなく段ボールやクラフト紙等の板紙用等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状のまま推移していく見込みです。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、木質リサイクルチップはハードボード等の木質内装材利用だけでなく、パーティクルボード等の家具・木工類全般等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状のまま推移していく見込みです。 (木質リサイクルチップ・燃料利用市場)大量生産・大量消費型の経済活動は、大量の廃棄物社会を形成する側面を有していることから、資源の循環利用の促進は、今や世界的な課題となっております。他方、経済成長を支えるエネルギー・資源の確保から、化石燃料の大量消費に伴った温室効果ガス排出による地球温暖化問題、天然資源の枯渇や、廃棄物の不法投棄事件が深刻な社会問題となっております。日本のエネルギー政策として、2018年に第5次エネルギー基本計画が閣議決定され、2030年までに温室効果ガス26%削減、2050年までに温室効果ガス80%削減、新たに政府の2030年の二酸化炭素削減目標を2013年度比46%減とする新目標等、国内の再生可能エネルギー転換、脱炭素化社会の推進の強化がなされております。当社が扱う木質系廃材由来の木質リサイクルチップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の上昇等から、当社が扱う国産の燃料資源(木質リサイクルチップ)への需要は高まっております。また、当社が製造する国内廃棄物由来の木質リサイクルチップを環境負荷の少ないグリーン電力(※1)の資源として利用する、当社参画の木質バイオマス発電プロジェクトは社会的な価値が期待されております。(※1)グリーン電力:太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱等、自然を利用した再生可能エネルギーで作った電気のことを指します。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず、比較的短い期間に再生が可能で繰り返し使えるエネルギーと定義されております。また、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素や、地球に悪影響を与える有害ガスをほとんど排出せず、環境に与える負荷が小さいといった特性(環境価値)を有しております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 経営戦略 当社グループでは、経営方針、経営環境を踏まえ、持続的に調達可能な資源の産出とその循環を長期的な成長戦略として、持続可能な社会の実現を目指していきます。持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等) の調達、分別、再資源化、供給の一貫したシステムの拡充とその付加価値化(木質バイオマス発電による再生可能エネルギー普及等)を重要な経営戦略「植林からエネルギー」と位置付けており、本業を通して世界的な資源循環、エネルギー脱炭素化に貢献して、SDGsの実現に寄与していきます。 木質資源(木質系廃材等)の再資源化拡大としては、「バイオマテリアル事業」「資源循環事業」の都市部及びその近郊において、各事業・拠点の連携性や他社参入の防止の観点から、人口が多い商圈を包括していく拠点の展開を方針としております。新設対応だけに限定せず、M&A等も活用していく方針であります。現状では、本社のある名古屋市近郊を中心とした東海地区での展開を継続するとともに、東海地区での既存大手取引先の拠点が多く、その受注が見込める東京近郊を中心とした関東地区への拠点展開を計画しております。将来的には、東日本(関東圏)及び中日本(中部圏)だけでなく、西日本(関西圏)等と全国展開を推進させていきます。また、拠点の事業多角化の一環として、既設の「バイオマテリアル事業」の工場の近郊もしくは併設して「資源循環事業」の建設副産物の再資源化拠点の展開を計画しております。 事業拡大に伴って各拠点で製造される木質リサイクルチップ、再資源化物の販売先確保によって、木質リサイクルチップ(製紙原料•木質ボード等の建材原料)の利用先拡大を目指します。また、川崎バイオマス発電株式会社への出資、CEPO半田バイオマス発電株式会社への出資等を行ってきましたが、今後も再生可能エネルギー普及のため、木質バイオマス発電事業の創出を目指してまいります。長期的な需要が見込める木質バイオマス発電事業を創出することによって、新たな供給先が確保され、安定的な販売利益を創出することができます。それが当社の拠点拡大に繫がり、木質資源の調達並びに木質リサイクルチップの輸送等における環境負荷やコストの削減にも繫がります。 さらに、将来的な自社での発電事業、木質資源の付加価値化(改質利用等)、廃棄物系以外の木質資源の調達(未利用間伐材等)、その他バイオマスの分野(海洋バイオマス等)や食糧安全保障への寄与を目的とした食糧事業にも積極的な研究開発・事業開発を行います。 ② コンプライアンス体制の充実環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策を図り、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。これに加え、事業の過程で顧客等の個人情報や他社等の機密情報、また当社自身の機密情報を取り扱っております。重要情報の漏洩を防止するための情報セキュリティの強化にも取組んでまいります。 ③ コーポレート・ガバナンス体制の向上持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、コーポレート・ガバナンス体制の構築を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保するため、社外取締役の選任、社外監査役の選任、監査役会の設置、任意の指名報酬委員会の設置、代表取締役社長が委員長を務め、子会社の主管部門も含むリスク管理担当者で構成されるコンプライアンス委員会の設置と継続的な改善、内部監査による定期的なモニタリングを実施して、経営と執行に対する実効性の高い監督機能を確立し、様々なステークホルダーの信頼に応えることができる体制の向上を継続して取組んでいきます。 ④ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせ、優秀な人材の確保、育成が重要な経営課題であると認識しております。特に、積極的な拠点展開とリサイクル資源の調達のため、工場監督者、営業人員の充実が必要であると認識しております。 これらの課題に対応するため、人材多様性の確保及び研修制度の拡充等の人材育成、また、従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる社内環境整備(安全衛生推進体制、従業員の健康確保、技能取得)を推進してまいります。 新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした働き方の変化をチャンスと捉え、eラーニングシステムの充実による業務の質の改善、技術要員の増員を図り、将来的にはAI・設備導入等による省人化・無人自動化を推進することで、さらなる生産性の向上を図ってまいります。 ⑤ SDGsの取組み強化当社グループの事業は、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)における廃棄物の適正処理及び再資源化の推進、エネルギー問題及び気候変動等の解決に対するソリューションとなるものであり、当社グループは各事業展開を通じて、国際社会の目標達成に貢献できるものと考えております。今般、こうした取組をさらに推進していくため、SDGs推進体制の設置、木質バイオマス発電事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大による高度循環型社会の実現、自治体との災害廃棄物対応の強化等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な資源の産出とその循環を長期的な成長戦略として、持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等)を再資源化した木質リサイクルチップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに社会全体のSDGs達成へ寄与してまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、経常利益に加え、事業の収益力を示す売上高経常利益率を重要な指標として位置付けております。 (3) 経営環境我が国の経済は、新型コロナウイルス感染拡大に伴う落ち込みから脱しつつあるものの、地政学リスクや為替変動等によって、エネルギー資源や原材料の価格に与える影響に注視が必要な状況であり、依然として不透明な状況となっております。一方で、法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、脱炭素化社会へのシフト(温室効果ガス排出規制、再生可能エネルギーの創出等)、少子高齢化及び社会資本の老朽化、国際的な輸出入規制等から、当社事業への社会的な必要性はますます高まっております。さらに、2015年に国連総会において持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が採択されたことにより、当社事業とSDGsとの関係性は直結する経営環境となってきております。当社グループは、再資源化に関わる事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野に取組む機会が今後も増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)当社グループの事業と関連性が高い国内住宅・建設市場は、資材価格高騰の影響等により着工件数に伸び悩みが見られますが、首都圏を中心とした再開発等の民間設備投資、防災・減災、国土強靭化を背景にしたインフラ整備等の公共投資は堅調に進んでおります。2008年に人口のピークを迎え、人口減少が進行しており、人口減少社会において、利便性を確保された都市生活を維持させるため、都市機能の集約化が進行しております。一方で、使われない都市空間における社会資本の老朽化に対する更新や撤去等課題を有しております。バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主な再資源化の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。新設住宅の着工戸数は2009年以降、リーマン・ショックの影響による落ち込みから回復しましたが、近年においては減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質系廃棄物の排出量については今後も微増若しくは横這いと予測しております。 (木質リサイクルチップ・再資源化市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質系廃材を原料に製造した木質リサイクルチップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界においては、人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にあります。一方で通信販売等の定着とともに段ボール等の梱包資材の需要は高まっております。木質リサイクルチップは製紙用だけでなく段ボールやクラフト紙等の板紙用等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状のまま推移していく見込みです。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、木質リサイクルチップはハードボード等の木質内装材利用だけでなく、パーティクルボード等の家具・木工類全般等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状のまま推移していく見込みです。 (木質リサイクルチップ・燃料利用市場)大量生産・大量消費型の経済活動は、大量の廃棄物社会を形成する側面を有していることから、資源の循環利用の促進は、今や世界的な課題となっております。他方、経済成長を支えるエネルギー・資源の確保から、化石燃料の大量消費に伴った温室効果ガス排出による地球温暖化問題、天然資源の枯渇や、廃棄物の不法投棄事件が深刻な社会問題となっております。日本のエネルギー政策として、2018年に第5次エネルギー基本計画が閣議決定され、2030年までに温室効果ガス26%削減、2050年までに温室効果ガス80%削減、新たに政府の2030年の二酸化炭素削減目標を2013年度比46%減とする新目標等、国内の再生可能エネルギー転換、脱炭素化社会の推進の強化がなされております。当社が扱う木質系廃材由来の木質リサイクルチップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、燃料利用市場は増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見、原油高や円安等による輸入単価の上昇等から、当社が扱う国産の燃料資源(木質リサイクルチップ)への需要は高まっております。また、当社が製造する国内廃棄物由来の木質リサイクルチップを環境負荷の少ないグリーン電力(※1)の資源として利用する、当社参画の木質バイオマス発電プロジェクトは社会的な価値が期待されております。(※1)グリーン電力:太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱等、自然を利用した再生可能エネルギーで作った電気のことを指します。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず、比較的短い期間に再生が可能で繰り返し使えるエネルギーと定義されております。また、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素や、地球に悪影響を与える有害ガスをほとんど排出せず、環境に与える負荷が小さいといった特性(環境価値)を有しております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 経営戦略 当社グループでは、経営方針、経営環境を踏まえ、持続的に調達可能な資源の産出とその循環を長期的な成長戦略として、持続可能な社会の実現を目指していきます。持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等) の調達、分別、再資源化、供給の一貫したシステムの拡充とその付加価値化(木質バイオマス発電による再生可能エネルギー普及等)を重要な経営戦略「植林からエネルギー」と位置付けており、本業を通して世界的な資源循環、エネルギー脱炭素化に貢献して、SDGsの実現に寄与していきます。 木質資源(木質系廃材等)の再資源化拡大としては、「バイオマテリアル事業」「資源循環事業」の都市部及びその近郊において、各事業・拠点の連携性や他社参入の防止の観点から、人口が多い商圈を包括していく拠点の展開を方針としております。新設対応だけに限定せず、M&A等も活用していく方針であります。現状では、本社のある名古屋市近郊を中心とした東海地区での展開を継続するとともに、東海地区での既存大手取引先の拠点が多く、その受注が見込める東京近郊を中心とした関東地区への拠点展開を計画しております。将来的には、東日本(関東圏)及び中日本(中部圏)だけでなく、西日本(関西圏)等と全国展開を推進させていきます。また、拠点の事業多角化の一環として、既設の「バイオマテリアル事業」の工場の近郊もしくは併設して「資源循環事業」の建設副産物の再資源化拠点の展開を計画しております。 事業拡大に伴って各拠点で製造される木質リサイクルチップ、再資源化物の販売先確保によって、木質リサイクルチップ(製紙原料•木質ボード等の建材原料)の利用先拡大を目指します。また、川崎バイオマス発電株式会社への出資、CEPO半田バイオマス発電株式会社への出資等を行ってきましたが、今後も再生可能エネルギー普及のため、木質バイオマス発電事業の創出を目指してまいります。長期的な需要が見込める木質バイオマス発電事業を創出することによって、新たな供給先が確保され、安定的な販売利益を創出することができます。それが当社の拠点拡大に繫がり、木質資源の調達並びに木質リサイクルチップの輸送等における環境負荷やコストの削減にも繫がります。 さらに、将来的な自社での発電事業、木質資源の付加価値化(改質利用等)、廃棄物系以外の木質資源の調達(未利用間伐材等)、その他バイオマスの分野(海洋バイオマス等)や食糧安全保障への寄与を目的とした食糧事業にも積極的な研究開発・事業開発を行います。 ② コンプライアンス体制の充実環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策を図り、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。これに加え、事業の過程で顧客等の個人情報や他社等の機密情報、また当社自身の機密情報を取り扱っております。重要情報の漏洩を防止するための情報セキュリティの強化にも取組んでまいります。 ③ コーポレート・ガバナンス体制の向上持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、コーポレート・ガバナンス体制の構築を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保するため、社外取締役の選任、社外監査役の選任、監査役会の設置、任意の指名報酬委員会の設置、代表取締役社長が委員長を務め、子会社の主管部門も含むリスク管理担当者で構成されるコンプライアンス委員会の設置と継続的な改善、内部監査による定期的なモニタリングを実施して、経営と執行に対する実効性の高い監督機能を確立し、様々なステークホルダーの信頼に応えることができる体制の向上を継続して取組んでいきます。 ④ 人材の確保と育成 今後の事業展開に合わせ、優秀な人材の確保、育成が重要な経営課題であると認識しております。特に、積極的な拠点展開とリサイクル資源の調達のため、工場監督者、営業人員の充実が必要であると認識しております。 これらの課題に対応するため、人材多様性の確保及び研修制度の拡充等の人材育成、また、従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる社内環境整備(安全衛生推進体制、従業員の健康確保、技能取得)を推進してまいります。 新型コロナウイルス感染症拡大を契機とした働き方の変化をチャンスと捉え、eラーニングシステムの充実による業務の質の改善、技術要員の増員を図り、将来的にはAI・設備導入等による省人化・無人自動化を推進することで、さらなる生産性の向上を図ってまいります。 ⑤ SDGsの取組み強化当社グループの事業は、持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)における廃棄物の適正処理及び再資源化の推進、エネルギー問題及び気候変動等の解決に対するソリューションとなるものであり、当社グループは各事業展開を通じて、国際社会の目標達成に貢献できるものと考えております。今般、こうした取組をさらに推進していくため、SDGs推進体制の設置、木質バイオマス発電事業の推進による脱炭素社会の実現、資源循環を目的とした拠点の拡大による高度循環型社会の実現、自治体との災害廃棄物対応の強化等、あらゆるステークホルダーとのバランスの取れた関係を一層深化させ、企業価値を高めていくことを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症による経済活動の制限の緩和により、景気は緩やかに持ち直しの動きが見られました。一方で世界的な資源価格の高騰と円安による原材料価格の上昇等による影響も見られ、依然として経済は先行き不透明な状況が続いております。このような経済情勢のもと、当社グループでは、木質廃棄物の再資源化により紙・パルプやボード建材の原料チップと再生可能エネルギー源ともなる燃料チップを製造・活用する「バイオマテリアル事業」と、住宅建設等に際して発生が不可避である建設副産物を再資源化することで資源の有効利用を図る「資源循環事業」の2つの事業を中心に、外部環境の変化に柔軟に対応し、利益を安定的に確保できる経営体質を目指し、既存工場の生産性向上を図るとともに、事業エリアの拡大展開に努めてまいりました。さらには、SDGs達成やカーボンニュートラルの実現に向けた活動に対する社会からの期待が本格化している中で、当社グループの再資源化処理を中心とした事業や環境に関するコンサルティング業務に対する当社への期待と評価が一段と高まってまいりました。このような背景のもと、積極的な営業活動を展開したことに伴い、当連結会計年度の業績は、売上高は8,076,657千円(前連結会計年度比104.7%)、営業利益は839,033千円(前連結会計年度比106.6%)、経常利益は1,049,597千円(前連結会計年度比125.3%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は743,722千円(前連結会計年度比130.5%)と増収増益を確保し、売上・利益ともに過去最高を更新いたしました。 各セグメント別の状況は以下のとおりです。 <バイオマテリアル事業>ウクライナ情勢や円安等による輸入燃料及び輸入木材の価格高騰の影響により、国内の木質資源チップの需要は増加の一途を辿っております。そこで、当社グループでは木質資源チップの原料調達エリアの拡大を図るべく、2022年5月に岐阜第二工場(大垣)、2022年11月には西東京工場(入間)を開設し、当エリアでの新規顧客獲得に注力いたしました。木質資源チップの販売先につきましては、主要顧客であるCEPO半田バイオマス発電所での定期修理期間延長及び工業用水の取水制限等により、販売が一時的に制限されましたが、発電燃料の一つであるPKS(パーム椰子殻)において原油高や円安等により単価が上昇している影響もあり、当社の木質資源チップの受注量が増加しました。また、本社地区にて賃借しておりました外部ヤードを返却し、賃借料、外部作業費の削減と生産性を高めることで利益率の向上を図りました。以上の結果、セグメント売上高は5,570,081千円(前連結会計年度比103.1%)、セグメント利益は907,911千円(前連結会計年度比109.1%)となりました。なお、セグメント利益には営業外収益に計上した保険解約返戻金のうち142,052千円が含まれております。 <資源循環事業>住宅着工件数は、社会・経済情勢の変化により住宅資材の高騰とそれに連動した住宅価格上昇などの要因により、前年度比0.6%減となりましたが、市場規模としては前年度と同水準である分譲戸建て住宅に関連する協力業者への営業強化を図ることで既存顧客へのインナーシェアアップに注力いたしました。また、全国展開する取引先に対しても、広範囲に対応できる当社の拡大した事業エリアを活かし、営業体制を水平に展開することにより受注量増加に繋げました。取引単価改定においても、取引先と継続して交渉した結果、取引単価の増加(前連結会計年度比約1.6%増)へと繋げました。以上の結果、セグメント売上高は1,545,824千円(前連結会計年度比105.7%)、セグメント利益は148,653千円(前連結会計年度比106.1%)となりました。なお、セグメント利益には営業外収益に計上した保険解約返戻金のうち29,423千円が含まれております。 <環境物流事業>物流業界におきましては、ロシアのウクライナ侵攻による物流の混乱、一部資源の高騰、為替変動等により市況は先行き不透明感から低調に推移した一方、物流業界における2024年問題解消に向けた取組みの検討が見られはじめ、今後、一部において需要の高まりが発生することが見込まれます。当社の主要エリアである愛知県では自動車業界の生産量増加傾向が見られ物流量増加の兆しが見られました。そのような状況のもと、顧客の購入コスト削減や資源有効活用等のニーズを満たす物流に係る中古リニューアル品の商品開発と企画販売に引き続き注力した結果、中古リニューアル品の販売実績は前連結会計年度比10.4%の増加となりました。また、顧客の事業縮小や移転等の計画に合わせ、不要になった物流機器の一括買取提案を実施し、取扱数量及び品目の増加による在庫強化及び販路拡大へと繋げました。その他、顧客のニーズに合わせたスチール製ラック商品や樹脂製パレット商品の大型スポット受注を獲得いたしました。以上の結果、セグメント売上高は778,982千円(前連結会計年度比105.7%)、セグメント利益は14,865千円(前連結会計年度は、31,196千円のセグメント損失)となりました。なお、セグメント利益には営業外収益に計上した保険解約返戻金のうち10,203千円が含まれております。 <その他>環境コンサルティング事業において、SDGsへの関心が高まる中、カーボンニュートラル関連サービスが堅調に推移したほか、業務提携先からの受注案件が増加しました。以上の結果、セグメント売上高は510,493千円(前連結会計年度比117.9%)、セグメント利益は42,179千円(前連結会計年度は、33,541千円のセグメント損失)となりました。なお、セグメント利益には営業外収益に計上した保険解約返戻金のうち4,708千円が含まれております。 (ROE(自己資本利益率))ROE(自己資本利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益が174,016千円、自己資本が2,936,917千円増加したことにより20.8%となりました。 b 財政状態の状況(資産)当連結会計年度における資産合計は11,311,523千円となり、前連結会計年度末から2,053,101千円増加しました。主な要因は以下のとおりであります。流動資産は前連結会計年度末から2,061,402千円増加しました。これは主に現金及び預金が1,945,915千円、受取手形、売掛金及び契約資産が83,414千円増加したことによるものです。固定資産は前連結会計年度末から8,300千円減少しました。これは主に、岐阜第二工場(大垣)と西東京工場(入間)が新設となったことにより、建物及び構築物が421,616千円増加したものの、科目振替により建設仮勘定が407,501千円減少し、保険積立金の一部を解約したことにより保険積立金が124,859千円減少したことによるものです。 (負債)当連結会計年度における負債合計は6,259,069千円となり、前連結会計年度末から883,815千円減少しました。主な要因は以下のとおりであります。流動負債は前連結会計年度末から406,532千円減少しました。これは主に、短期借入金が328,500千円、1年内返済予定の長期借入金が94,960千円減少したことによるものです。固定負債は前連結会計年度末から477,282千円減少しました。これは主に、長期借入金が411,375千円減少したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度における純資産合計は5,052,453千円となり、前連結会計年度末から2,936,917千円増加しました。これは主に、公募増資及びオーバーアロットメントによる売出しに関連して行った第三者割当増資により資本金及び資本剰余金がそれぞれ1,187,569千円、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が555,252千円増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度から1,951,014千円増加し2,458,499千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。 a 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は、1,282,718千円(前連結会計年度は、816,806千円の資金増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上1,100,983千円によるものです。 b 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は、444,464千円(前連結会計年度は、481,720千円の資金減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出462,513千円によるものです。 c 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の増加は、1,107,392千円(前連結会計年度は、379,784千円の資金減少)となりました。主な要因は、株式発行による収入2,336,739千円によるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業4,931,709104.1 リサイクル処理受託3,309,373102.2木質リサイクルチップ販売1,622,336108.3資源循環事業1,499,277108.2環境物流事業352,182101.6合計6,783,170104.9 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。3.「その他」に関しては、生産をしておりませんので省略しております。 b 受注実績当社グループの廃棄物処理業、チップ販売、環境物流機器販売においては、受注から最終処理完了や商品発送までのリードタイムが短いことから受注実績を省略しております。 c 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業5,508,027103.2 リサイクル処理受託3,309,373102.2木質リサイクルチップ販売1,941,361104.9その他257,293102.7資源循環事業1,539,717105.8環境物流事業770,777105.8その他258,134133.7合計8,076,657104.7 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.「バイオマテリアル事業」に含まれる「その他」の主なものは、有価物売却であります。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下のとおりであります。 固定資産の減損の判定当社グループは、固定資産に係る減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化により割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る資産又は資産グループについては減損損失の計上が必要となる可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞と消費の低迷は、地域差はあるものの当連結会計年度の下半期から、徐々に解消するとの仮定に基づき見積りを行っておりますが、経済活動の停滞と消費の低迷が想定以上に長期化した場合には、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績の分析経営成績の分析については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」をご参照ください。 c 資本の財源及び資金の流動性についての分析(キャッシュ・フロー)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。(資金需要)所要資金は大きく分けて設備投資資金及び運転資金となりますが、基本的には営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより運転資金を賄い、設備投資資金につきましては、長期借入金により調達を行う方針であります。 d 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループは、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しており、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、経常利益に加え、事業の収益力を示す売上高経常利益率を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における主な経営指標は以下のとおりであり、引き続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。経営指標2022年3月期(前連結会計年度実績)2023年3月期(当連結会計年度実績)売上高(千円)7,716,2198,076,657経常利益(千円)837,9601,049,597売上高経常利益率(%)10.913.0
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等)を回収、加工生産した木質リサイクルチップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに社会全体のSDGs達成へ寄与してまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、経常利益に加え、事業の収益力を示す売上高経常利益率を重要な指標として位置付けております。 (3) 経営環境新型コロナウイルス感染拡大収束の不透明感が続く経営環境下にありますが、法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、脱炭素化社会へのシフト(温室効果ガス排出規制、再生可能エネルギーの創出等)、少子高齢化及び社会資本の老朽化、国際的な輸出入規制等から、当社事業の廃棄物処理・リサイクル事業等への社会的な必要性は高まっております。さらに、2015年に国連総会において持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が採択されたことにより、当社事業とSDGsとの関係性は直結する経営環境となってきております。当社グループは、リサイクル事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野の取組む機会が増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)当社グループの事業と関連性が高い国内住宅・建設市場は、首都圏を中心とした再開発等の民間設備投資、防災・減災、国土強靭化を背景にしたインフラ整備等の公共投資が、現在も活発に行われております。2008年に人口のピークを迎え、人口減少が進行しており、人口減少社会において、利便性を確保された都市生活を維持させるため、都市機能の集約化が進行しております。一方で、使われない都市空間における社会資本の老朽化に対する更新や撤去等課題を有しております。バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主なリサイクル処理の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。新設住宅の着工戸数は2009年以降、リーマン・ショックの影響による落ち込みから回復しましたが、近年においては減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質系廃棄物の排出量については今後も微増若しくは横這いと予測しております。 (木質リサイクルチップ・再資源化市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質系廃材を原料に製造した木質リサイクルチップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界は人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にあります。一方で通信販売等の定着とともに段ボール等の梱包資材の需要は高まっております。木質リサイクルチップは製紙用だけでなく段ボールやクラフト紙等の板紙用等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状推移していく見込みです。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、木質リサイクルチップはハードボード等の木質内装材利用だけでなく、パーティクルボード等の家具・木工類全般等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状推移していく見込みです。 (木質リサイクルチップ・燃料利用市場)大量生産・大量消費型の経済活動は、大量の廃棄物社会を形成する側面を有していることから、資源の循環利用の促進は、今や世界的な課題となっております。他方、経済成長を支えるエネルギー・資源の確保から、化石燃料の大量消費に伴った温室効果ガス排出による地球温暖化問題、天然資源の枯渇や、廃棄物の不法投棄事件が深刻な社会問題となっております。日本のエネルギー政策として、2018年に第5次エネルギー基本計画が閣議決定され、2030年までに温室効果ガス26%削減、2050年までに温室効果ガス80%削減、新たに政府の2030年の二酸化炭素削減目標を2013年度比46%減とする新目標等、国内の再生可能エネルギー転換、脱炭素化社会の推進の強化がなされております。当社が扱う木質系廃材由来の木質リサイクルチップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、木質リサイクルチップの供給先としても安定した需要が見込め、燃料利用市場は緩やかに増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見もあります。そうした意味でも、当社が製造する国内廃棄物由来の木質リサイクルチップを環境負荷の少ないグリーン電力(※1)の資源として利用する、当社参画の木質バイオマス発電プロジェクトは社会的な価値が期待されております。(※1)グリーン電力:太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱等、自然を利用した再生可能エネルギーで作った電気のことを指します。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず、比較的短い期間に再生が可能で繰り返し使えるエネルギーと定義されております。また、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素や、地球に悪影響を与える有害ガスをほとんど排出せず、環境に与える負荷が小さいといった特性(環境価値)を有しております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 経営戦略当社グループでは、経営方針、経営環境を踏まえ、植林により持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等)の調達、分別、リサイクル、供給の一貫したシステムの拡充とその付加価値化(木質バイオマス発電による再生可能エネルギー普及等)を重要な経営戦略「植林からエネルギー」と位置付けており、本業を通して世界的な資源循環、エネルギー脱炭素化に貢献して、SDGsの実現に寄与していきます。木質資源(木質系廃材等)のリサイクル処理拡大としては、「バイオマテリアル事業」「資源循環事業」の都市部及びその近郊において、各事業・拠点の連携性や他社参入の防止の観点から、人口が多い商圏を包括していく拠点の展開を方針としております。現状では、本社のある名古屋市近郊を中心とした東海地区での展開を継続するとともに、東海地区での既存大手取引先の拠点が多く、その受注が見込める東京近郊を中心とした関東地区への拠点展開を計画しております。拠点の事業多角化の一環として、既設の「バイオマテリアル事業」の木質リサイクル工場に併設して「資源循環事業」の建設副産物の再資源化拠点の展開を計画しております。リサイクル事業拡大に伴って各拠点で製造される木質リサイクルチップ、再資源化物の販売先確保において、木質リサイクルチップ(製紙原料・木質ボード等の建材原料)の利用先拡大を目指します。また、燃料利用先の拡大において、川崎バイオマス発電株式会社への出資、CEPO半田バイオマス発電株式会社への出資等を行ってきましたが、今後も継続的な木質バイオマス発電事業への参画を目指してまいります。長期的な需要が見込める木質バイオマス発電事業に参画することによって、新たな供給先が確保され、安定的な販売利益を創出することができます。それが当社のリサイクル拠点拡大に繋がり、木質資源の調達並びに木質リサイクルチップの輸送コストの削減にも繋がります。さらに、将来的な自社での発電事業、木質資源の付加価値化(液体化等)、廃棄物以外の木質資源の調達(未利用間伐材等)、その他再生可能エネルギー等の分野にも積極的な研究開発・事業開発を行います。 ② コンプライアンス体制の充実環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策を図り、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。 ③ コーポレート・ガバナンス体制の向上持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、コーポレート・ガバナンス体制の構築を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保するため、社外取締役の選任、社外監査役の選任、監査役会の設置、任意の指名報酬委員会の設置、コンプライアンス委員会の設置、内部監査による定期的なモニタリングを実施して、経営と執行に対する実効性の高い監督機能を確立し、様々なステークホルダーの信頼に応えることができる体制の向上を継続して取組んでいきます。 ④ 人材の確保と育成今後の事業展開に合わせ、優秀な人材の確保、育成が重要な経営課題であると認識しております。特に積極的な拠点展開とリサイクル資源の調達のために、工場監督者、営業部隊の充足は必要と認識しております。これらの課題に対応するため、採用面の強化、従業員教育や研修制度の拡充、また従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる環境づくり(安全衛生推進体制、従業員の健康確保、技能取得)を推進してまいります。新型コロナウイルス感染拡大の防止(マスク着用、リモートワーク、WEB会議、遠距離出張の抑制、時差出勤、要所への消毒液の設置、勤務始動前の検温、工場での受付用アクリル板の設置等)の徹底だけでなく、将来的に感染リスクや人材不足は今後加速していくと判断されるため、ピンチをチャンスと捉え、eラーニングシステムの充実による業務の質の改善、技術要員の増員や将来的なAI・ロボット等の無人自動化の推進を図ってまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループは、経営理念として、「世のため 人のため 地球のため 社員のため 持続可能な社会を創造します」を掲げ、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しております。持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等)を回収、加工生産した木質リサイクルチップを紙やパルプ原料、ボード等の建材原料、及び木質バイオマス発電等への石油代替燃料として供給しております。さらには建設現場から生じる木質系以外の建設副産物の再資源化、並びに物流機器の製造・販売及び修理、中古物流機器の買取販売といった環境ソリューションへの取組みにより、カーボンニュートラルの実現に貢献するとともに社会全体のSDGs達成へ寄与してまいります。 (2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、経常利益に加え、事業の収益力を示す売上高経常利益率を重要な指標として位置付けております。 (3) 経営環境新型コロナウイルス感染拡大収束の不透明感が続く経営環境下にありますが、法規制を背景にした適正な廃棄物処理やリサイクル資源の需要増、より高度な廃棄物処理と再資源化技術の要求、脱炭素化社会へのシフト(温室効果ガス排出規制、再生可能エネルギーの創出等)、少子高齢化及び社会資本の老朽化、国際的な輸出入規制等から、当社事業の廃棄物処理・リサイクル事業等への社会的な必要性は高まっております。さらに、2015年に国連総会において持続可能な開発目標(SDGs:Sustainable Development Goals)が採択されたことにより、当社事業とSDGsとの関係性は直結する経営環境となってきております。当社グループは、リサイクル事業を先駆的に手懸け、潮流を的確に捉えた企業成長を図っており、資源循環・再生可能エネルギー分野の取組む機会が増加していくと考えております。 (国内住宅・建設市場)当社グループの事業と関連性が高い国内住宅・建設市場は、首都圏を中心とした再開発等の民間設備投資、防災・減災、国土強靭化を背景にしたインフラ整備等の公共投資が、現在も活発に行われております。2008年に人口のピークを迎え、人口減少が進行しており、人口減少社会において、利便性を確保された都市生活を維持させるため、都市機能の集約化が進行しております。一方で、使われない都市空間における社会資本の老朽化に対する更新や撤去等課題を有しております。バイオマテリアル事業及び資源循環事業の主なリサイクル処理の対象物は戸建住宅等の解体材・新築に伴う外壁材、内装材等の各種副産物であり、既設住宅の解体戸数、新設住宅の着工数が影響を及ぼします。新設住宅の着工戸数は2009年以降、リーマン・ショックの影響による落ち込みから回復しましたが、近年においては減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされております。一方で、少子高齢化により人口が減り始め、使われなくなった家屋(空き家)が社会問題化しております。2015年には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、所有者に対して解体の勧告及び補助、行政代執行等の各自治体政策が進んでおります。したがって、木質系廃棄物の排出量については今後も微増若しくは横這いと予測しております。 (木質リサイクルチップ・再資源化市場)当社グループの事業と関連性が高い製紙業界・ボード等の建材業界に対して、当社グループは木質系廃材を原料に製造した木質リサイクルチップを製紙原料・ボード等の建材原料用として販売しております。製紙業界は人口減少、インターネットや電子書籍の普及等デジタル化の影響で紙の需要は減少傾向にあります。一方で通信販売等の定着とともに段ボール等の梱包資材の需要は高まっております。木質リサイクルチップは製紙用だけでなく段ボールやクラフト紙等の板紙用等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状推移していく見込みです。建材業界は新設住宅の着工戸数と連動して減少傾向にあり、今後も人口減少に伴い緩やかに減少する予測がなされておりますが、木質リサイクルチップはハードボード等の木質内装材利用だけでなく、パーティクルボード等の家具・木工類全般等多岐に利用されていることから、再資源化の市場は現状推移していく見込みです。 (木質リサイクルチップ・燃料利用市場)大量生産・大量消費型の経済活動は、大量の廃棄物社会を形成する側面を有していることから、資源の循環利用の促進は、今や世界的な課題となっております。他方、経済成長を支えるエネルギー・資源の確保から、化石燃料の大量消費に伴った温室効果ガス排出による地球温暖化問題、天然資源の枯渇や、廃棄物の不法投棄事件が深刻な社会問題となっております。日本のエネルギー政策として、2018年に第5次エネルギー基本計画が閣議決定され、2030年までに温室効果ガス26%削減、2050年までに温室効果ガス80%削減、新たに政府の2030年の二酸化炭素削減目標を2013年度比46%減とする新目標等、国内の再生可能エネルギー転換、脱炭素化社会の推進の強化がなされております。当社が扱う木質系廃材由来の木質リサイクルチップは、植林により持続的に調達可能な資源であり、また燃料利用等で大気中に二酸化炭素として放出されても、森林の成長過程(光合成)で再度吸収されるカーボンニュートラルが可能な資源「木質バイオマス」と社会認識されており、それを用いた製造業でのボイラー燃料利用、木質バイオマス発電での環境需要が確立されております。木質バイオマス発電は、天候に左右されることなく発電が可能なことから、安定した発電事業として期待され、木質リサイクルチップの供給先としても安定した需要が見込め、燃料利用市場は緩やかに増加していくものと見込んでおります。さらに、輸入された発電用バイオマス燃料については、国内起源のものに比べ輸送距離が圧倒的に長く、その過程における二酸化炭素排出量が大きいため、環境への貢献度に疑念があるとの意見もあります。そうした意味でも、当社が製造する国内廃棄物由来の木質リサイクルチップを環境負荷の少ないグリーン電力(※1)の資源として利用する、当社参画の木質バイオマス発電プロジェクトは社会的な価値が期待されております。(※1)グリーン電力:太陽光、風力、バイオマス、水力、地熱等、自然を利用した再生可能エネルギーで作った電気のことを指します。再生可能エネルギーは、資源が枯渇せず、比較的短い期間に再生が可能で繰り返し使えるエネルギーと定義されております。また、発電時や熱利用時に地球温暖化の原因となる二酸化炭素や、地球に悪影響を与える有害ガスをほとんど排出せず、環境に与える負荷が小さいといった特性(環境価値)を有しております。 (4) 中長期的なグループの経営戦略及び優先的に対処すべき課題 ① 経営戦略当社グループでは、経営方針、経営環境を踏まえ、植林により持続的に調達可能な木質資源(木質系廃材等)の調達、分別、リサイクル、供給の一貫したシステムの拡充とその付加価値化(木質バイオマス発電による再生可能エネルギー普及等)を重要な経営戦略「植林からエネルギー」と位置付けており、本業を通して世界的な資源循環、エネルギー脱炭素化に貢献して、SDGsの実現に寄与していきます。木質資源(木質系廃材等)のリサイクル処理拡大としては、「バイオマテリアル事業」「資源循環事業」の都市部及びその近郊において、各事業・拠点の連携性や他社参入の防止の観点から、人口が多い商圏を包括していく拠点の展開を方針としております。現状では、本社のある名古屋市近郊を中心とした東海地区での展開を継続するとともに、東海地区での既存大手取引先の拠点が多く、その受注が見込める東京近郊を中心とした関東地区への拠点展開を計画しております。拠点の事業多角化の一環として、既設の「バイオマテリアル事業」の木質リサイクル工場に併設して「資源循環事業」の建設副産物の再資源化拠点の展開を計画しております。リサイクル事業拡大に伴って各拠点で製造される木質リサイクルチップ、再資源化物の販売先確保において、木質リサイクルチップ(製紙原料・木質ボード等の建材原料)の利用先拡大を目指します。また、燃料利用先の拡大において、川崎バイオマス発電株式会社への出資、CEPO半田バイオマス発電株式会社への出資等を行ってきましたが、今後も継続的な木質バイオマス発電事業への参画を目指してまいります。長期的な需要が見込める木質バイオマス発電事業に参画することによって、新たな供給先が確保され、安定的な販売利益を創出することができます。それが当社のリサイクル拠点拡大に繋がり、木質資源の調達並びに木質リサイクルチップの輸送コストの削減にも繋がります。さらに、将来的な自社での発電事業、木質資源の付加価値化(液体化等)、廃棄物以外の木質資源の調達(未利用間伐材等)、その他再生可能エネルギー等の分野にも積極的な研究開発・事業開発を行います。 ② コンプライアンス体制の充実環境関連事業である廃棄物処理業を営む当社グループは、「廃棄物の処理及び清掃に関する法律」をはじめとした環境関連法規制の遵守を経営上、最も重要な課題と位置付け、法令遵守に対する一層の意識の向上と体制強化を図るため、社内教育や継続的な施策を図り、社会的な信頼をより得る努力を行ってまいります。 ③ コーポレート・ガバナンス体制の向上持続的な成長及び中長期的な企業価値向上を目指すために、コーポレート・ガバナンス体制の構築を重視しております。法令遵守と経営の透明性を確保するため、社外取締役の選任、社外監査役の選任、監査役会の設置、任意の指名報酬委員会の設置、コンプライアンス委員会の設置、内部監査による定期的なモニタリングを実施して、経営と執行に対する実効性の高い監督機能を確立し、様々なステークホルダーの信頼に応えることができる体制の向上を継続して取組んでいきます。 ④ 人材の確保と育成今後の事業展開に合わせ、優秀な人材の確保、育成が重要な経営課題であると認識しております。特に積極的な拠点展開とリサイクル資源の調達のために、工場監督者、営業部隊の充足は必要と認識しております。これらの課題に対応するため、採用面の強化、従業員教育や研修制度の拡充、また従業員一人ひとりが創造力をもって「高い安全性、高い生産性、高度な環境技術」を追求できる環境づくり(安全衛生推進体制、従業員の健康確保、技能取得)を推進してまいります。新型コロナウイルス感染拡大の防止(マスク着用、リモートワーク、WEB会議、遠距離出張の抑制、時差出勤、要所への消毒液の設置、勤務始動前の検温、工場での受付用アクリル板の設置等)の徹底だけでなく、将来的に感染リスクや人材不足は今後加速していくと判断されるため、ピンチをチャンスと捉え、eラーニングシステムの充実による業務の質の改善、技術要員の増員や将来的なAI・ロボット等の無人自動化の推進を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況a 事業全体及びセグメント情報に記載された区分ごとの状況当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルスのワクチン接種の促進や感染拡大の防止策を講じる中で感染者数は減少し、経済活動再開による国内経済の回復が期待されたものの、新たな変異株の感染が各地で急速に拡大しました。また、ウクライナ情勢の緊迫化の影響を受け、半導体をはじめとする部材需給がさらに逼迫すると同時にエネルギー価格がより一層高騰したことなどが景気減速の懸念となり、先行きは不透明な状況で推移しました。当社グループ事業と関係度合が強い建設業界におきましては、低金利政策の恩恵や昨年の需要の落ち込みの反動などもあり、日本国内の新設住宅着工戸数は増加傾向であるものの、人件費及び資材価格の高騰などの懸念もあるため、今後も建設業界の変化を注視する必要があります。そのような状況のもと、当連結会計年度の売上高は7,716,219千円(前連結会計年度比100.3%)、営業利益は787,425千円(前連結会計年度比129.9%)、経常利益は837,960千円(前連結会計年度比134.4%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は569,706千円(前連結会計年度比138.6%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は447,466千円減少しておりますが、営業利益及び経常利益は1,591千円の増加となりました。 各セグメント別の状況は以下の通りです。 <バイオマテリアル事業>新型コロナウイルス感染症の影響による企業活動低迷、ウッドショックにおける市場の冷え込みも予測されましたが、住宅着工戸数が前年比較にて約10%増加と回復基調となり、解体工事の発生が多い状況となりました。木質燃料チップユーザーにおいても大きなトラブルもなく、市場は順調に推移しました。好況な市場動向にあわせて、顧客への木材持込キャンペーンなどの入荷促進活動を行い、入荷増量に注力致しました。また、愛知県東三河における設楽ダム関連工事の木材処理を受注し、CEPO半田バイオマス発電所への安定的な燃料供給へ繋げました。その他、中国経済好景気の影響により鉄相場が大幅に上昇し、木質処理工程にて発生する鉄くず(釘等)の有価販売売上に大きく貢献致しました。また、木質燃料チップの備蓄ヤードを返却し、賃借料の削減により収益の改善を図りました。以上の結果、セグメント売上高は5,404,872千円(前連結会計年度比97.9%)、セグメント利益は832,034千円(前連結会計年度比123.9%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は431,061千円減少しておりますが、経常利益には影響ありません。 <資源循環事業>新型コロナウイルス感染症拡大防止対策による在宅勤務の定着化により郊外への住居(拠点)移動が活発化し、大都市周辺への新築住宅建設が活発な状況となりましたが、世界的な政情不安により、引き続き主要建築部材等の調達不安・価格高騰が懸念され、依然不透明な状況が続いております。そのような状況のもと、郊外に展開する住宅メーカーへの営業により、新規大手顧客を確保しました。また、近年着工割合が堅調に推移しているパワービルダーや中堅建設会社への営業にも注力し、取扱量が増加しました。以上の結果、セグメント売上高は1,462,116千円(前連結会計年度比100.7%)、セグメント利益は140,169千円(前連結会計年度129.5%)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は17,174千円減少しておりますが、経常利益には影響ありません。 <環境物流事業>ウッドショックによる木材価格の高騰と、新規材料の確保に要する期間長期化は依然として続いております。そのような状況のもと、大手企業から排出された木製パレットを原材料とする当社オリジナルの木製再生パレットへのニーズが増えており、中古リニューアル製品の販売に注力致しました。また、SDGs意識の広まりに伴い、当社のリサイクル製品に関心を持つ企業や地方自治体が増えてきました。以上の結果、セグメント売上高は737,225千円(前連結会計年度比113.2%)、セグメント損失は31,196千円(前連結会計年度は、35,216千円のセグメント損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用による影響はありません。 <その他>環境コンサルティング事業においては、オンラインセミナー等のリモート推進により、SDGs関連の環境コンサルティングサービスが堅調に推移致しました。一方でIT事業を展開しておりました株式会社iEPOを2021年4月1日付にて当社へ吸収合併したことによりIT事業の取引量が減少致しました。以上の結果、セグメント売上高は433,125千円(前連結会計年度比95.5%)、セグメント損失は33,541千円(前連結会計年度は、42,800千円のセグメント損失)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、当連結会計年度の売上高は768千円増加し、経常利益は1,591千円の増加となりました。 (ROE(自己資本利益率))ROE(自己資本利益率)は、親会社株主に帰属する当期純利益が158,674千円増加したことにより29.6%(前連結会計年度比4.1ポイント増)となりました。 b 財政状態の状況(資産)当連結会計年度における資産合計は9,258,421千円となり、前連結会計年度末から298,976千円増加しました。主な要因は以下の通りです。流動資産は前連結会計年度末から122,230千円減少しました。これは主に現金及び預金が115,252千円、仕掛品が37,867千円減少したことによるものです。固定資産は前連結会計年度末から421,263千円増加しました。これは主に、建設仮勘定が385,635千円、保険積立金が117,587千円増加したことによるものです。 (負債)当連結会計年度における負債合計は7,142,884千円となり、前連結会計年度末から86,701千円減少しました。主な要因は以下の通りです。流動負債は前連結会計年度末から296,091千円増加しました。これは主に、短期借入金が408,500千円、リース債務30,108千円増加したことによるものです。固定負債は前連結会計年度末から382,792千円減少しました。これは主に、長期借入金が394,981千円減少したことによるものです。 (純資産)当連結会計年度における純資産合計は2,115,536千円となり、前連結会計年度末から385,677千円増加しました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が395,000千円増加したことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度から39,053千円減少し507,484千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は以下の通りです。 a 営業活動によるキャッシュ・フロー営業活動による資金の増加は、816,806千円(前連結会計年度は、1,046,745千円の資金増加)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上821,581千円によるものです。 b 投資活動によるキャッシュ・フロー投資活動による資金の減少は、481,720千円(前連結会計年度は、156,076千円の資金減少)となりました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出583,652千円によるものです。 c 財務活動によるキャッシュ・フロー財務活動による資金の減少は、379,784千円(前連結会計年度は、877,336千円の資金減少)となりました。主な要因は、長期借入れによる収入が650,000千円あったものの、長期借入金の返済による支出1,070,043千円があったことによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の実績a 生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称生産高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業4,735,34593.2 リサイクル処理受託3,237,80089.0木質リサイクルチップ販売1,497,545103.8資源循環事業1,385,893100.7環境物流事業346,644132.4合計6,467,88396.2 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.金額は、販売価格によっております。3.「その他」に関しては、生産をしていませんので省略しております。 b 受注実績当社グループの廃棄物処理業、チップ販売、環境物流機器販売においては、受注から最終処理完了や商品発送までのリードタイムが短いことから受注実績を省略しております。 c 販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次の通りであります。 セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)バイオマテリアル事業5,339,29197.9 リサイクル処理受託3,237,80089.0木質リサイクルチップ販売1,850,909106.5その他250,581330.6資源循環事業1,455,033100.9環境物流事業728,768115.3その他193,126116.1合計7,716,219100.3 (注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。2.「バイオマテリアル事業」に含まれる「その他」の主なものは、有価物売却であります。3.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次の通りであります。 相手先前連結会計年度(自 2020年4月1日至 2021年3月31日)当連結会計年度(自 2021年4月1日至 2022年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)CEPO半田バイオマス発電株式会社1,138,41814.8―― 当連結会計年度は、当該割合が10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、重要な会計方針等に基づき、資産・負債の評価及び収益・費用の認識に影響を与える見積り及び判断を行っております。これらの見積り及び判断に関しましては、過去の実績やその時点で合理的と考えられる情報に基づき継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は見積りと異なる可能性があります。連結財務諸表に与える影響が大きいと考えられる項目・事象は以下の通りであります。 固定資産の減損の判定当社グループは、固定資産に係る減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、事業計画や経営環境の変化により割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る資産又は資産グループについては減損損失の計上が必要となる可能性があります。 なお、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞と消費の低迷は、地域差はあるものの当連結会計年度の下半期から、徐々に解消するとの仮定に基づき見積りを行っておりますが、経済活動の停滞と消費の低迷が想定以上に長期化した場合には、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。 ② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a 経営成績の分析経営成績の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」をご参照ください。 b 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境」をご参照ください。 c 資本の財源及び資金の流動性についての分析(キャッシュ・フロー)当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。(資金需要)所要資金は大きく分けて設備投資資金及び運転資金となりますが、基本的には営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入れにより運転資金を賄い、設備投資資金につきましては、長期借入金により調達を行う方針であります。 d 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループは、地球環境の視点から真に必要なものをお客様の企業価値向上に役立つ製品、サービスとして創り出し、子供たちが安心して暮らすことのできる持続可能な社会の実現を目指しており、経営指標として、事業規模拡大と収益性の向上に寄与することから、売上高、経常利益に加え、事業の収益力を示す売上高経常利益率を重要な指標として位置付けております。当連結会計年度における主な経営指標は以下の通りであり、引き続き対処すべき経営課題の改善を図りながら、経営戦略を推進してまいります。経営指標2021年3月期(前連結会計年度実績)2022年3月期(当連結会計年度実績)売上高(千円)7,694,2417,716,219経常利益(千円)623,472837,960売上高経常利益率(%)8.110.9