9307

杉村倉庫(9307)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

倉庫・運輸関連業 運輸・物流

事業の概要

  • 物流事業の展開
    杉村倉庫グループは、貨物の保管、荷役、運送などを一貫して行う物流事業を主軸としています。顧客から預かった貨物を安全に管理し、必要な場所へ効率的に配送することで収益を得ています。子会社の杉村運輸株式会社と連携し、自動車運送や梱包、流通加工まで幅広く手掛けています。
  • 不動産賃貸事業
    物流事業と並ぶもう一つの柱は、土地や建物の賃貸を行う不動産事業です。自社で保有する土地や建物を企業や個人に貸し出すことで、安定的な賃料収入を得ています。一部は子会社の杉村興産株式会社に貸し付け、駐車場事業などにも活用されています。
  • 多角的な事業展開
    物流と不動産に加え、ゴルフ練習場の運営や太陽光発電による売電事業も手掛けています。特に大阪市港区の倉庫屋上での太陽光発電は、再生可能エネルギーの活用を通じて環境貢献と収益確保を両立させる取り組みです。これにより、収益源の多様化を図り、事業の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 物流事業
    杉村倉庫グループの主要な収益源であり、売上高95.9億円、営業利益10.4億円を計上しています。この事業では、顧客から依頼された貨物の保管、荷役(積み下ろし)、トラックによる運送などを総合的に提供しています。グループ会社である杉村運輸株式会社と連携し、梱包や流通加工といった付加価値サービスも手掛けています。
  • 不動産事業
    物流事業に次ぐ収益の柱で、売上高13.3億円、営業利益8.8億円を計上しています。自社で保有する土地や建物を企業や個人に貸し出すことで、賃料収入を得ています。一部の施設は子会社の杉村興産株式会社に貸し付け、駐車場事業などにも活用されており、安定した収益基盤となっています。
  • その他の事業
    ゴルフ練習場の運営や、倉庫屋上での太陽光発電による売電事業など、多角的な事業を展開しています。これらの事業は、物流・不動産事業を補完し、収益源の多様化に貢献しています。特に売電事業は、環境に配慮した取り組みとして、持続可能な社会への貢献も目指しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
LogisticsBusiness 地域 96 10 10.9%
RealEstateBusiness 地域 13 9 66.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|720 文字
3 【事業の内容】当社グループは、2026年3月末日現在で当社、親会社、その他の関係会社、子会社2社で構成されております。当社と子会社は貨物保管・荷役荷捌・貨物自動車運送等を行う物流事業を中心として、土地・家屋・駐車場等の賃貸を行う不動産事業とゴルフ練習場等のサービス業務、売電事業のその他の事業を行っております。物流事業については、当社は得意先から受託した貨物の保管業務を行っております。杉村運輸㈱は自動車運送事業を行っており、当社は貨物運送事業を行い、その一部について杉村運輸㈱に運送の委託をしております。また杉村運輸㈱は当社倉庫の保管貨物の梱包作業及び流通加工業務並びに他社貨物の荷捌業務も行っております。不動産事業については、当社が土地、建物等の貸付けを行っており、その一部を杉村興産㈱に貸付けております。同社は、その施設を利用して駐車場業務を行っております。その他の事業については、杉村興産㈱が、当社より賃借している施設を利用してゴルフ練習場を営んでおります。また、当社は大阪市港区の倉庫屋上にて太陽光発電設備が稼働をしており、売電事業を行っております。当社の親会社の野村ホールディングス㈱は金融業を営んでおり、野村ホールディングス㈱の子会社(その他の関係会社)の野村プロパティーズ㈱は不動産賃貸及び管理業を営んでおります。当社は物流に関する事業に加えて不動産賃貸業務を行っており、野村プロパティーズ株式会社と協力関係を保ちながら事業展開をしておりますが、事業形態が異なっているため、事業の棲み分けがなされています。 以上の当社グループの事業内容はセグメント情報における報告セグメントと同一であり、図示すれば次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
他社との競業激化の可能性があり、市況の変化に影響されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
物流事業や不動産事業で多くの施設を保有しており、事業用資産の新設や更新に継続的な設備投資が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:事業環境の変化(景気変動、顧客の物流政策変更、市況変化) / 法的規制の影響(法令規制の変更・強化によるコスト増加) / 金利の動向の変化(金利上昇による業績影響)
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

杉村倉庫は特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPを保有しているという明確な証拠はない。事業は倉庫・運輸というコモディティ性の高いサービスが中心である。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

既存顧客との長年の取引関係や、特定の顧客ニーズに合わせたカスタマイズされたサービス提供により、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、倉庫・運輸業界全体としては代替サービスも多く、乗り換え障壁は限定的と考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

杉村倉庫の事業モデルには、ユーザー数の増加がサービスの価値を向上させるネットワーク効果は基本的に見られない。個々の顧客との取引が中心であり、プラットフォーム型ビジネスではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた効率的なオペレーションや、立地条件によるコスト優位性がある可能性は否定できない。しかし、業界全体として設備投資や人件費の変動要因が多く、構造的なコスト優位性を確立しているとは言い難い。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

東京港や横浜港周辺に複数の拠点を持ち、一定の規模のオペレーションを展開している。特に首都圏の港湾エリアにおける倉庫・運輸サービスでは、規模の経済が働き、効率的なサービス提供に繋がっている可能性がある。業界内での一定の地位を占めている。

  • 長年の物流ノウハウと連携体制
    杉村倉庫グループは、長年にわたり培ってきた貨物保管・荷役・運送のノウハウと、グループ会社間の強固な連携体制が強みです。特に、杉村運輸株式会社との協業により、倉庫での保管から自動車運送、梱包、流通加工まで一貫した高品質な物流サービスを提供できる点は、顧客にとって大きなメリットとなります。
  • 主要都市圏の不動産資産
    大阪市港区など、主要都市圏に物流施設や土地・建物を保有していることは、事業の安定性につながる優位性です。これらの不動産は物流事業の拠点となるだけでなく、賃貸物件としても活用され、安定した賃料収入を生み出しています。立地条件の良い資産は、景気変動時にも価値が下がりにくい傾向があります。
  • 親会社との協力関係
    親会社である野村ホールディングス株式会社や、その子会社である野村プロパティーズ株式会社との協力関係も強みの一つです。特に不動産賃貸・管理業を営む野村プロパティーズ株式会社との連携は、不動産事業の展開において情報共有やノウハウの活用に繋がり、事業機会の創出に貢献する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 中期経営計画の推進と目標達成
    杉村倉庫グループは、2022年度に策定した中期経営計画(2022年度~2026年度)に基づき、2026年度に連結営業収益111億円、連結営業利益13億円の達成を目指しています。既に営業利益目標に到達しており、今後は新たな中期経営計画の策定も視野に入れつつ、持続的な成長を目指します。
  • 取扱貨物と拠点の拡大
    グループ各社の連携を強化し、顧客のニーズに合わせた有益な物流を提案することで、新規貨物や顧客の獲得を目指します。特に、物流アウトソーシング受託領域の拡大や顧客満足度の向上に注力します。また、大阪港営業所福崎倉庫の第二期工事や、首都圏・中部圏での新規拠点設置を検討し、事業規模の拡大を図ります。
  • 生産性向上と人材育成、サステナビリティ
    業務効率化と省人化のため、DX推進や新型物流機器の導入、運送業務の効率化に取り組みます。また、OJTや外部研修を通じて自律型の人材育成に力を入れます。さらに、「環境保護方針」に基づく環境配慮活動、安心・安全な労働環境の確保、健全なガバナンス体制の維持といったサステナビリティ課題にも継続的に取り組み、企業価値向上を目指します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】現在、我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、総じて緩やかな回復基調にあります。一方で、各国の通商政策や金融・為替動向の変化に加え、中東情勢の緊張をはじめとする地政学的リスクの高まりなどから、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。また、物価上昇の影響を受け、企業活動を取り巻く事業環境には変化が生じております。物流業界におきましては、eコマースの浸透やサプライチェーン再構築の動きが進むなかで、中長期的には物流需要の底堅さが見込まれるものの、燃料費や人件費の上昇などを要因として、事業運営を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあります。加えて、いわゆる「2024年問題」に象徴される人手不足は、国内労働人口の減少と相まって今後も継続するものと見込まれており、物流現場を担う人材の確保および定着が、安定的な事業運営を行ううえで重要な経営課題となっております。物流不動産市場においては、個人向け配送需要の拡大や物流効率化ニーズを背景に、大都市圏を中心として大型賃貸物流施設の供給が引き続き高水準で推移しております。当社グループにおいては、こうした市場動向を踏まえ、拠点立地や設備投資について、顧客ニーズや需給環境、投資効率等を総合的に勘案し、慎重に検討していく必要があると認識しております。当社グループは、2022年度に策定した「杉村グループ中期経営計画(2022年度~2026年度)」に基づき事業を展開してまいりましたが、前期において同計画に掲げた営業利益目標を達成いたしました。現在、新たな中期経営計画の策定に向けた検討を進めておりますが、当面は、現中期経営計画に掲げる以下の課題への対応を継続し、外部環境の変化にも適切に対応しながら、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 ① 取扱貨物拡大当社グループ各社の連携を一層強化し、それぞれの強みを生かした物流提案を行うことにより、物流アウトソーシング受託領域の拡大を図ってまいります。また、顧客満足度の向上に継続して取り組むことで、新規貨物および新規顧客の獲得を進め、安定的な収益基盤の確立を目指してまいります。 ② 拠点拡大グループ一体となって顧客ニーズに関する情報収集を行い、地理的条件や設備面において顧客ニーズに適合した新規拠点の設置や既存拠点の機能強化について検討してまいります。具体的には、大阪港エリアに立地する当社大阪港営業所について、当社物流事業における中核拠点としての役割を踏まえ、同営業所内の老朽化した倉庫を解体し、将来の取扱貨物動向や顧客ニーズを勘案しながら、施設機能の増強に向けた検討を進めております。その内容および実施要否については、事業環境の変化も踏まえ、投資効率や需給動向等を慎重に見極めたうえで判断してまいります。 ③ 生産性の向上人手不足や事業環境の変化への対応として、グループ内の各業務において、業務効率化および省人化に継続して取り組んでまいります。倉庫業務においては、社内DX推進グループやCSミーティングを起点として、事務処理や荷捌手順等の業務プロセスの見直しや新型物流機器の導入検討を進めてまいります。また、運送業務においては、事業所間での車両およびドライバーの稼働情報の共有や、顧客との調整の高度化を通じて、配送業務や移転作業等の効率化を図ってまいります。 ④ 人材の育成当社グループにおいては、物流業界における人手不足が中長期的に継続することを見据え、人材の確保・育成および定着を重要な経営課題と位置付けております。CSミーティングを活用したOJTや外部研修への参加を通じて、従業員の業務遂行能力の向上を図るとともに、現場力の底上げに取り組んでまいります。また、安心・安全で働きやすい労働環境の整備や業務負荷の軽減を進めることで、多様な人材が継続して活躍できる職場づくりに努め、安定的な物流サービスの提供に繋げてまいります。 ⑤ サステナビリティへの取組み当社グループは、持続的な成長の実現に向け、以下のサステナビリティ課題に取り組んでまいります。(1)環境課題への取組み「環境保護方針」を基に環境に配慮した事業活動への取組を推進してまいります。(2)社会課題への取組み安心・安全・健全な労働環境を確保し、持続的成長を支える人材の確保と育成に取り組みます。(3)ガバナンス健全な経営を行うための社内ガバナンス体制を堅持し、社会から信頼される企業を目指します。 当社は、「常にお客様のニーズを先取りし期待に応える」「物流業務を通じて社会に貢献する」「株主、従業員に豊かさを還元する」という経営理念のもと、これらの課題に着実に対処することにより、すべてのステークホルダーにとって価値ある企業となることを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】現在、我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に、総じて緩やかな回復基調にあります。一方で、各国の通商政策や金融・為替動向の変化に加え、中東情勢の緊張をはじめとする地政学的リスクの高まりなどから、先行きについては依然として不透明な状況が続いております。また、物価上昇の影響を受け、企業活動を取り巻く事業環境には変化が生じております。物流業界におきましては、eコマースの浸透やサプライチェーン再構築の動きが進むなかで、中長期的には物流需要の底堅さが見込まれるものの、燃料費や人件費の上昇などを要因として、事業運営を取り巻く環境は引き続き厳しい状況にあります。加えて、いわゆる「2024年問題」に象徴される人手不足は、国内労働人口の減少と相まって今後も継続するものと見込まれており、物流現場を担う人材の確保および定着が、安定的な事業運営を行ううえで重要な経営課題となっております。物流不動産市場においては、個人向け配送需要の拡大や物流効率化ニーズを背景に、大都市圏を中心として大型賃貸物流施設の供給が引き続き高水準で推移しております。当社グループにおいては、こうした市場動向を踏まえ、拠点立地や設備投資について、顧客ニーズや需給環境、投資効率等を総合的に勘案し、慎重に検討していく必要があると認識しております。当社グループは、2022年度に策定した「杉村グループ中期経営計画(2022年度~2026年度)」に基づき事業を展開してまいりましたが、前期において同計画に掲げた営業利益目標を達成いたしました。現在、新たな中期経営計画の策定に向けた検討を進めておりますが、当面は、現中期経営計画に掲げる以下の課題への対応を継続し、外部環境の変化にも適切に対応しながら、持続的な成長と企業価値の向上に取り組んでまいります。 ① 取扱貨物拡大当社グループ各社の連携を一層強化し、それぞれの強みを生かした物流提案を行うことにより、物流アウトソーシング受託領域の拡大を図ってまいります。また、顧客満足度の向上に継続して取り組むことで、新規貨物および新規顧客の獲得を進め、安定的な収益基盤の確立を目指してまいります。 ② 拠点拡大グループ一体となって顧客ニーズに関する情報収集を行い、地理的条件や設備面において顧客ニーズに適合した新規拠点の設置や既存拠点の機能強化について検討してまいります。具体的には、大阪港エリアに立地する当社大阪港営業所について、当社物流事業における中核拠点としての役割を踏まえ、同営業所内の老朽化した倉庫を解体し、将来の取扱貨物動向や顧客ニーズを勘案しながら、施設機能の増強に向けた検討を進めております。その内容および実施要否については、事業環境の変化も踏まえ、投資効率や需給動向等を慎重に見極めたうえで判断してまいります。 ③ 生産性の向上人手不足や事業環境の変化への対応として、グループ内の各業務において、業務効率化および省人化に継続して取り組んでまいります。倉庫業務においては、社内DX推進グループやCSミーティングを起点として、事務処理や荷捌手順等の業務プロセスの見直しや新型物流機器の導入検討を進めてまいります。また、運送業務においては、事業所間での車両およびドライバーの稼働情報の共有や、顧客との調整の高度化を通じて、配送業務や移転作業等の効率化を図ってまいります。 ④ 人材の育成当社グループにおいては、物流業界における人手不足が中長期的に継続することを見据え、人材の確保・育成および定着を重要な経営課題と位置付けております。CSミーティングを活用したOJTや外部研修への参加を通じて、従業員の業務遂行能力の向上を図るとともに、現場力の底上げに取り組んでまいります。また、安心・安全で働きやすい労働環境の整備や業務負荷の軽減を進めることで、多様な人材が継続して活躍できる職場づくりに努め、安定的な物流サービスの提供に繋げてまいります。 ⑤ サステナビリティへの取組み当社グループは、持続的な成長の実現に向け、以下のサステナビリティ課題に取り組んでまいります。(1)環境課題への取組み「環境保護方針」を基に環境に配慮した事業活動への取組を推進してまいります。(2)社会課題への取組み安心・安全・健全な労働環境を確保し、持続的成長を支える人材の確保と育成に取り組みます。(3)ガバナンス健全な経営を行うための社内ガバナンス体制を堅持し、社会から信頼される企業を目指します。 当社は、「常にお客様のニーズを先取りし期待に応える」「物流業務を通じて社会に貢献する」「株主、従業員に豊かさを還元する」という経営理念のもと、これらの課題に着実に対処することにより、すべてのステークホルダーにとって価値ある企業となることを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ3億6千6百万円増加し、227億1千9百万円となりました。これは、流動資産において現金及び預金が増加し、固定資産において建設仮勘定が増加したことなどによります。負債合計は、前連結会計年度末に比べて6億7百万円減少し、49億7千万円となりました。これは、流動負債において未払法人税等や未払金が減少したことに加え、固定負債において長期借入金が減少したことなどによります。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ9億7千3百万円増加し、177億4千8百万円となりました。これは、株主資本の利益剰余金が増加したことなどによります。当連結会計年度は、倉庫建造等の大口支出が発生しなかったことなどにより現金及び預金が増加しました。また、前連結会計年度に引き続き新規に資金調達をしなかったことと借入金の返済が進んだことにより、有利子負債が減少しました。 セグメントごとの財政状態は次のとおりであります。 (物流事業)当連結会計年度末は、建物及び構築物等や基幹システムの減価償却などにより固定資産が減少しましたが、現金及び預金が増加したことなどにより流動資産が増加し、前連結会計年度に比べセグメント資産は5億8千万円増加し、165億1千1百万円となりました。(不動産事業)当連結会計年度末は、建物及び構築物等の減価償却やリース投資資産の減少などにより、前連結会計年度末に比べセグメント資産は1億9千1百万円減少し、56億4千3百万円となりました。(その他の事業)当連結会計年度末は、現金及び預金が増加したことなどにより流動資産が増加しましたが、ゴルフ練習場や売電事業の設備の減価償却などにより固定資産が減少したことにより、前連結会計年度末に比べセグメント資産は2千2百万円減少し、5億6千5百万円となりました。 (2) 経営成績当連結会計年度における当社グループの営業収益は、112億4千2百万円となり、前連結会計年度に比べ6百万円(0.1%)の増収となりました。営業原価は、前連結会計年度に比べ3千1百万円(0.4%)減少し85億8千8百万円となり、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ6百万円(0.5%)減少し12億4千2百万円となりました。これらにより、営業利益は14億1千万円となり、前連結会計年度に比べ4千4百万円(3.3%)の増益となりました。経常利益は14億3千7百万円となって、前連結会計年度に比べ5千8百万円(4.2%)の増益となりました。また、特別損失に減損損失1千1百万円を計上し、法人税等合計4億5千8百万円を差し引くと、親会社株主に帰属する当期純利益は9億6千7百万円となり、前連結会計年度に比べ5千万円(5.5%)の増益となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 (物流事業)倉庫業務は、食品をはじめとする既存顧客の取扱物量増加などにより、前連結会計年度に比べ保管料や荷役荷捌料収入が増加しました。運送業務につきましては、配送の取扱量は前連結会計年度並みに推移したものの、オフィス移転作業については、好調であった前連結会計年度の受注水準に当期は及びませんでした。この結果、外部顧客に対する営業収益は95億8千1百万円となり、前連結会計年度に比べ9百万円(0.1%)の減収となりました。営業原価において人件費が増加したものの、下払費用などが減少したことから、セグメント利益は10億8千3百万円となり、前連結会計年度に比べ4千1百万円(4.0%)の増益となりました。倉庫の稼働状況は、貨物入庫高が24万2千トンとなって前連結会計年度に比べ5.9%の減少となりました。貨物出庫高は24万9千トンとなり1.3%減少し、期末在庫残高は4万1千トンとなり13.6%の減少となりました。運送においては、取扱トン数が13万5千トンとなり4.2%減少しました。当連結会計年度における物流業界は、建設関連貨物の低迷や荷主企業による在庫圧縮・発注平準化等を背景として、荷動きが総じて伸び悩む傾向にありました。当社グループにおいても、物流業界全体と概ね同様の荷動きの推移となりましたが、食品をはじめとする既存顧客からの受注増加等の増加要因も見られました。また、海外情勢や各国の金融政策の変動等に伴う物価上昇は、人件費や燃料費等のコスト増加として事業運営に影響を及ぼしております。加えて、トラックドライバー不足を背景とした、いわゆる「2024年問題」の影響が本格化しており、輸送および荷役の効率化がこれまで以上に強く求められております。このような情勢のなか、当社グループが主に展開する倉庫事業においては、保管物量の増減よりも荷役効率や入出庫オペレーションの高度化が収益性に与える影響が相対的に大きくなっており、物流事業者間の競争もコスト上昇や人手不足を背景として一段と厳しさを増しております。このため、当社グループとしては、取扱貨物の内容や荷動きの変化に的確に対応しつつ、自動化推進等による業務効率化を通じて、安定的な物流サービスの維持・向上に取り組むとともに、より顧客との対話を深耕し、ニーズに沿った新たな倉庫機能の提供や拠点の設置を積極的に推進してまいります。 (不動産事業)既存物件での賃料改定や駐車場利用台数の増加などにより、外部顧客に対する営業収益は13億4千2百万円となり、前連結会計年度に比べ1千3百万円(1.0%)の増収となりました。一方で、営業原価では修繕費などが増加したことにより、セグメント利益は8億7千6百万円となり、前連結会計年度に比べ6百万円(0.7%)の減益となりました。当連結会計年度におけるオフィスビル市場については、国内景気の持ち直しや、オフィスへの出社を回帰する動き等を背景として、前連結会計年度に回復へ転じた市況が引き続き底堅く推移しており、主要都市を中心に空室率の低下が継続するとともに、賃料水準についても緩やかな上昇基調が見られました。一方、物流不動産市場においては、近年における大型物流施設の新規供給増加を背景として、当連結会計年度においても首都圏および関西圏の一部エリアにおいて空室率が上昇する局面が見られました。このような市場環境のもと、当社グループの不動産事業においては、物流業務を用途とするテナント顧客が多くを占めており、荷主企業における物流コスト削減意識も引き続き根強いことから、賃貸物件における賃料改定については慎重な対応を要する事業環境となっております。当社グループの不動産事業においては、大阪市港区の当社本店近辺の保有地について、新規物件建造等の有効活用に向けての検討を進めております。市況動向や建設コスト、長期的な収益性等を総合的に勘案するとともに、既存物流事業とのシナジーも視野に入れながら、慎重に検討を進めてまいります。 (その他の事業)ゴルフ練習場は前連結会計年度から入場者数に大きな変動はなく、営業収益は2億9千9百万円となり、前連結会計年度とほぼ同水準となりました。売電事業は前連結会計年度に比べ出力制御回数が減少したことなどにより、営業収益が7千8百万円となり増収となりました。以上により、その他の事業の外部顧客に対する営業収益は3億1千8百万円となり、前連結会計年度に比べ3百万円(1.0%)の増収となりました。セグメント利益は9千7百万円となり、前連結会計年度に比べ6百万円(7.7%)の増益となりました。 ゴルフ練習場は、前年比で来場者数が1.2%の増加となり、利用球数は2.3%の増加となりました。練習球打ち放題メニューを導入いたしましたが、厳冬などの天候要因とインドア練習場の普及の背景もあり、来場者数は前連結会計年度とほぼ同数となりました。売電事業は、1号機を2013年に新設以降、安定した発電を継続しております。 当連結会計年度においては、海外情勢や各国金融政策の変動などに起因するインフレ状況により、物価高や人件費上昇が一層顕著となりました。また、当年においての中東情勢緊迫により、世界経済動向の下振れが懸念されております。これらの今後の動静により、当社グループにおいては、動力光熱費、人件費等の事業コストの更なる増加や顧客からの委託物量の減少等が生じる可能性があり、2027年3月期の経営成績への影響が生じる可能性があります。今後の経済情勢等の推移を注視しながら、公表すべき事項が生じた場合は速やかに開示いたします。なお、前連結会計年度の連結業績におきまして、2022年4月28日に公表いたしました中期経営計画に定める営業利益目標に到達したことから、新たな中期経営計画の策定に向けての検討を現在進めており、公表が可能となりましたら速やかに開示いたします。 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 a.生産及び受注の状況該当事項がないため記載しておりません。b.販売実績前連結会計年度及び当連結会計年度におけるセグメントごとの販売実績(セグメント間の取引を含んでおりません。)は次のとおりであります。 セグメントの名称前連結会計年度2024年4月~2025年3月当連結会計年度2025年4月~2026年3月前年同期比(%)物流事業9,591,622千円9,581,914千円△0.1不動産事業1,328,982 1,342,560 1.0その他の事業314,874 318,000 1.0合計11,235,479 11,242,475 0.1 (注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度2024年4月~2025年3月当連結会計年度2025年4月~2026年3月販売高(千円)割合(%)販売高(千円)割合(%)富士フイルムロジスティックス㈱4,239,39837.74,182,87437.2 2 物流事業における取扱実績等は以下のとおりであります。 ① 物流事業(倉庫)イ 保管面積利用率 区分前連結会計年度2024年4月~2025年3月当連結会計年度2025年4月~2026年3月期末月平均期末月平均保管面積(㎡)133,564130,680133,564133,564在貨面積(㎡)124,080123,421121,974122,454利用率(%)92.994.491.391.6 (注) (算定方式):在貨面積×100保管面積 ロ 貨物入出庫高及び保管残高 区分前連結会計年度2024年4月~2025年3月当連結会計年度2025年4月~2026年3月数量(トン)数量(トン)貨物入庫高257,381242,215貨物出庫高251,918248,662保管残高期末47,43140,984月平均46,85443,896 ② 物流事業(運送) 区分前連結会計年度2024年4月~2025年3月当連結会計年度2025年4月~2026年3月取扱数量(トン)140,515134,574 (3) キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度に比べて4億4千9百万円増加し、56億6千3百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、18億8千万円の収入超過(前連結会計年度は19億4千6百万円の収入超過)となりました。収入の主な内訳は税金等調整前当期純利益14億2千5百万円、減価償却費9億2千2百万円等であり、支出の主な内訳は法人税等の支払額4億7千3百万円等であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、6億1百万円の支出超過(前連結会計年度は2億4千2百万円の支出超過)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出6億9百万円等によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、8億3千万円の支出超過(前連結会計年度は7億4千6百万円の支出超過)となりました。これは主に長期借入金の返済による支出5億8百万円等によるものであります。 当連結会計年度は、営業活動によるキャッシュ・フローにおける税金等調整前当期純利益や減価償却による資金の留保等に対し、投資活動によるキャッシュ・フローが建物付属設備や機械装置及び運搬具の取得による支出などにより支出超過となりました。また、財務活動によるキャッシュ・フローにおいても、借入金の返済が進んだことなどにより支出超過となりましたが、税金等調整前当期純利益が前期より増加したことなどから、現金及び現金同等物の期末残高は前連結会計年度を上回りました。なお、キャッシュ・フローの次期の見通しについては、倉庫建造等による大口支出の予定がないことや借入金の返済が当期と同等の額の予定であることから、現金及び現金同等物の期末残高は当連結会計年度を上回ると予想しております。 資本の財源及び資金の流動性については、当社グループの事業活動における資本の財源は、新規の投資や設備の維持・更新などに多大な費用を費やすことから、内部資金に加え金融機関からの借入金により資金を調達しております。資金の調達に関しては、将来の金利上昇リスクを回避するため、一部金利スワップを利用しております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 事業環境の変化
    国内外の景気変動や顧客企業の物流政策変更、賃貸不動産市場の市況悪化は、物流事業の取扱貨物量減少や不動産賃料の下落を招き、業績に影響を与える可能性があります。特に、特定の主要顧客への依存度が高い場合、その顧客の動向が業績に与える影響は大きくなる可能性があります。
  • 法的規制と金利変動
    物流事業は、運送業法などの関連法規による規制を受けており、これらの法令が変更・強化された場合、コンプライアンス対応コストが増加し、収益を圧迫する可能性があります。また、設備投資のための借入金があるため、金利が上昇すると利払い負担が増加し、業績に悪影響を及ぼすリスクがあります。
  • 災害・システム障害・情報漏洩
    地震、台風、津波などの自然災害により、物流施設が損壊したり、社会インフラが停止したりすると、貨物の保管・配送機能が停止し、事業活動に大きな支障をきたす可能性があります。また、情報システムのトラブルや顧客情報の漏洩が発生した場合、業務停止や信頼失墜により、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,518 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの財政状態及び経営成績等に重要な影響を及ぼす可能性のあると考えられる主なリスクには次のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 事業環境の変化当社グループは、物流事業、不動産事業、その他の事業等を営んでおりますが、国内外の景気変動や顧客の経営活動に影響されます。主要顧客の物流政策の変更や賃貸不動産物件の市況の変化などにより、他社との競業が激化して当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。とりわけ、販売比率の高い顧客の動向によっては、影響度合いがより高まる可能性があります。当社の顧客は製造業、卸売業、サービス業等多岐にわたり、当該顧客企業は国内または海外にて当社に物流委託する貨物を生産、調達しております。海外での戦争等の情勢変動による物流網混乱や原材料確保困難により、顧客企業の生産、調達活動が長期に停滞した場合、当社への業務委託量が減少することとなり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ② 法的規制の影響当社グループの主たる事業である物流事業は、関連法規による規制を受けており、これらの法令規制の変更・強化がコストの増加につながり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 金利の動向の変化当社グループは、事業用資産の新設や更新のために継続的に設備投資を行っており、金融機関から資金調達を行っております。現在、取引銀行との関係は友好的に推移しておりますが、金融不安の再燃、インフレなどの問題が発生すれば、当社の資金調達に影響を受けることもあり、金利の上昇は業績に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 減損損失の発生当社の保有している土地、建物、投資有価証券等の資産の時価が下落したり、運営している事業所等の採算性が著しく悪化した場合、また、新規投資における採算性の見積りを誤った場合等には、減損処理を行う必要が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 情報システムトラブルのリスク当社グループは、在庫管理や財務情報を掌る物流情報システムを構築しております。安全対策としてウイルス対策システム等の導入により、外部からの不正アクセスやコンピュータウイルスの感染に備えておりますが、一時的なシステム障害が発生した場合、復旧までの間に業務への影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 顧客情報の漏洩当社グループは、事業の過程において個人情報を取り扱っております。情報保護方針に基づき策定した「情報セキュリティ基本方針」に則り、すべての役職員がこれを遵守することにより、個人情報漏洩等の予防に努めております。しかし、万一予期せぬ不正アクセスやコンピュータウィルス等の不法行為により、個人情報等重要な情報が漏洩し問題が発生した場合には、当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 自然現象による災害当社グループは、物流事業や不動産事業を中心に多くの施設を保有しております。地震、台風、津波等自然現象による災害で、施設の損壊や社会インフラの障害が発生した場合、保管・荷捌・配送機能の停止に繋がります。また、新種のウイルス感染症が感染拡大した場合、当社グループにおいて感染者の発生により事業活動の制限から取扱貨物の滞留が生じることとなり、経営成績、財政状況等に影響を及ぼす可能性があります。 なお、これらは当社グループの財政状態や業績に影響を及ぼす可能性がある主なリスクを例示したものであり、これらに限定されるものではありません。

このページのバフェット流コメンタリーは順次自動生成中です。生成されると、ここに「数値の読み解き方」「同業比較」「投資判断のポイント」を表示します。

もっと深く分析したい?

モート先生 AI が 杉村倉庫 の事業を 4 賢人の理論で詳しく解説します

モート先生に聞く →