事業の概要
- 外航海運事業子会社や同業他社から船を借りて貨物輸送を行う「自社運航」と、同業他社に船を貸す「定期用船」の二つの方法で収益を得ています。主にDELICA SHIPPING S.A.という連結子会社が、当社への定期用船を担っており、国際的な物流を支える基盤事業です。
- 倉庫・運送事業顧客の物品を倉庫で保管し、保管料を得る事業です。通常の倉庫業に加え、関税未納の輸出入貨物を扱う保税蔵置場も運営しています。また、文書保管や、倉庫に預けられた貨物の運送、引っ越し業務も行い、イヌイ運送やイヌイ倉庫オペレーションズといった連結子会社が中心となって事業を展開しています。
- 不動産事業東京都心部の勝どきエリアを中心に、自社が所有する住宅やオフィスビルなどを賃貸し、賃料収入を得ています。安定した収益源として、海運市況の変動リスクを補完する役割を担っており、同社の財務基盤を支える重要な事業の一つです。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 外航海運事業売上高235.84億円、営業利益21.39億円を計上しており、同社グループの主要な収益源です。子会社や同業他社から船を借りて貨物輸送を行う「自社運航」と、同業他社に船を貸す「定期用船」で構成され、国際物流を支えています。
- 倉庫・運送事業売上高39.03億円、営業利益3.48億円を計上しています。顧客の物品を倉庫で保管する事業、文書保管事業、そして倉庫に預けられた貨物の運送や引っ越し業務を行っており、イヌイ運送やイヌイ倉庫オペレーションズが中心となって事業を展開しています。
- 不動産事業売上高42.81億円、営業利益20.77億円を計上しており、高い収益性を誇ります。勝どきエリアを中心に、自社が所有する住宅やオフィスビルなどを賃貸し、安定した賃料収入を得ています。この事業は、海運市況の変動リスクを補完する役割も担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| OverseasShippingEnterprise | 事業 | 236 | 21 | 9.1% |
| WarehousingAndTransportationEnterprise | 地域 | 39 | 3 | 8.9% |
| RealEstateEnterprise | 事業 | 43 | 21 | 48.5% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】当社の企業集団は、当社と子会社3社で構成され、その業務は外航海運事業、倉庫・運送事業、不動産事業を展開しております。 当社は子会社3社を連結決算上の対象子会社としております。 当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりであります。 ① 外航海運事業(ロジスティクス)子会社または船主(同業他社)より定期用船した船舶による貨物輸送(自社運航)と、用船者(同業他社)への定期用船を行っております。また、主に当社への定期用船を行っているのが、DELICA SHIPPING S.A.であります。(連結子会社)DELICA SHIPPING S.A. ② 倉庫・運送事業(ロジスティクス)・倉庫保管事業顧客のために物品を倉庫に保管し、その対価として保管料等を収受する事業であります。普通倉庫業のほかに保税蔵置場の許可を受け関税未納輸出入貨物の保管業務を行っています。また、主に庫内作業を行っているのが、イヌイ倉庫オペレーションズ㈱であります。・文書保管事業国土交通省の認定を受け文書箱や什器等を倉庫に保管し、その対価として保管料等を収受する事業であります。・貨物運送事業当社倉庫他の寄託貨物を運送する事業であります。また、主として当社倉庫の受寄物の自動車運送に係る業務を行っているのが、イヌイ倉庫オペレーションズ㈱であります。また、自動車運送に係る業務や引越し業務を行っているのが、イヌイ運送㈱であります。(連結子会社)イヌイ運送㈱、イヌイ倉庫オペレーションズ㈱ ③ 不動産事業勝どきエリアを中心に、自らが所有する住宅及び事務所等を賃貸する施設賃貸業を行っております。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 外航海運事業では運賃が市況に影響を受け、倉庫・運送事業では顧客の物流コスト抑制の影響を受けるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 外航海運事業ではSOLAS条約に基づくISMコード及びISPSコード等の条約適合証書取得が必要。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:船舶の安全運航、環境問題、海難事故によるリスク / 事業環境変動のリスク / 自然災害、人災等によるリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
乾汽船は特定のブランド力や特許、規制ライセンス、独占的IPに依存する事業モデルではない。海運業はコモディティ性が高く、差別化要因は限定的。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
一部の長期契約や特定顧客との関係性により、顧客が他社へ乗り換える際の事務的・時間的コストは存在する可能性がある。しかし、運賃やサービス内容で比較されることが多く、乗り換え障壁は高くない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
乾汽船の事業は、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生む構造ではない。海運業は個別の輸送契約に基づき運営される。
コスト優位★★★☆☆
乾汽船は、特定の航路や船舶の種類に特化することで、効率的な運航体制を構築している可能性がある。また、長年の経験に基づくオペレーションノウハウがコスト削減に寄与していると考えられる。
規模の経済★★★☆☆
海運業は規模の経済が働きやすい産業であり、乾汽船は一定の船舶保有数と輸送能力を持つことで、規模のメリットを享受している。特に、特定の貨物や航路における効率的な運航が強みとなりうる。
- 都心不動産の安定収益勝どき・月島エリアに優良な不動産資産を保有しており、ここからの安定した賃料収入が、海運市況の変動に左右されやすい船舶投資を可能にする強固な財務基盤となっています。この安定収益が、事業全体の持続性を高めています。
- 長年の実業経験と信頼120年を超える海運業と倉庫業の歴史を持ち、「よくはこぶ」という使命のもと、実業に真摯に向き合ってきた経験とノウハウが強みです。商道徳を重んじ、時代の変化に適応しながら事業を継続してきたことで、顧客からの信頼を築いています。
- ハンディ船市場での存在感外航海運事業の主力であるハンディ船は、国際的な環境規制強化により新造船供給が限定的となる見込みです。このような状況下で、既存船の長寿命化と効率的な船隊整備により、ハンディ船市場での存在感を維持・強化し、長期的な収益機会を追求しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 資産を事業の力に勝どき・月島エリアの優良な不動産資産から得られる安定収益を基盤とし、海運市況の変動に左右されず船舶投資を行うことで、資産の力を事業成長に繋げています。含み益の顕在化も重視し、より強固な財務基盤の構築を目指しています。
- 「よくはこぶ」の追求120年を超える歴史を持つ海運業と倉庫業の祖業を大切にし、「よくはこぶ」という使命を掲げています。これは、人々の生活に不可欠なモノを運ぶ実業を通じて、産業や社会を支えるという誇りと責任感に基づいた経営の基本方針です。
- 長期視点での事業戦略船隊整備計画や勝どき・月島エリアの再開発など、10年を超える長期的な視点が必要な施策を重視しています。中期経営計画の期間内だけでなく、より長期的な視点で成果を追求し、持続可能な成長を目指すとともに、サステナビリティを経営の重要課題と位置付けています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社は、2026年3月に新中期経営計画「あしたも元気」(計画期間:2026年4月~2029年3月)を策定しております。計画の詳細は、当社ホームページをご参照ください。(https://www.inui.co.jp/ir/library/managementplan.html) 本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。1.経営の基本方針 当社の経営の基本方針については、①資産の力を事業の力に、②Fun to Work、③「らしさ」の追求、という3つを定めております。 ① 資産の力を事業の力に 未来に向かって進化を続ける勝どき・月島は施設賃貸業の適地であり、当社の安定収益と財務基盤を支えます。この優良な資産があるから海運市況の変動に抗い船舶投資を行うことができます。当社のNew Ship Financeは含み益の顕在化策として優秀です。そして、強化される資産の力は更に強い基盤となります。 ② Fun to Work 我らの事業は、とても面白く、やりがいのある仕事で成り立っています。今いちど、その共有から始めます。「よくはこぶ」の実践は、常に厳しく、時に険しいですが、働く喜びがあるのです。Fun to Workは「よくはこぶ」の源です。 ③ 「らしさ」の追求 われらの「らしさ」は、実業に向き合い、地道な努力を練り込みながら生まれます。「らしさ」は差別化の源です。他と違うことを恐れず、素直に独自性を追求する、それがわれらの「元気の素」です。 2.経営環境 当連結会計年度における我が国経済は、商品価格の見直しや高付加価値サービスの提供等による業績改善が設備投資の増加を促し、景気は緩やかながらも回復傾向が見られました。一方で、中東情勢の緊迫した状況が長期化する中、エネルギー供給への懸念や資源価格の変動リスクが高まり、為替動向と併せて企業活動への影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 外航海運事業においては、当社の業容であるハンディ船の輸送能力は、今後も続く国際的な環境規制強化への技術的・経済的な対応の難しさから新造船供給の伸びが限定的となるほか、老齢船の退役等により2030年代以降に減少もしくは停滞していくことが予想されます。世界に資源が遍在しており、世界人口の増加と強い相関を持つバルク材は、世界の平和を前提とした場合には緩やかに需要が増加します。ハンディ船輸送能力の停滞・減少と、バルクハンディ需要の緩やかな増加から、当社の外航海運事業における事業環境は長期的には明るいと考えております。一方で短期的には、世界経済の動向、地政学的な要因や、自然災害など、さまざまな要因の影響を受けます。米国の関税等政策を含む通商環境の変化や、中東情勢の緊迫した状況の長期化、中国経済の成長鈍化、インフレや金融引き締めによる投資抑制など世界的な経済活動の混乱が懸念されます。 倉庫・運送事業においては、当社事業は一般倉庫、文書倉庫、引越事業の3領域で構成されております。当初取り扱いの減少を見込んでいた一般倉庫の紙、文書保管、転勤引越の需要については、いずれも想定より緩やかな減少ペースとなっております。規模は縮小傾向にあるものの、サービス品質と収益性は維持しております。荷主との条件見直しや合理化策の進展、体質改善の成功により収益性の改善を図るとともに、新規顧客開拓により収益性を確保しております。今後は物量の減少に備えた中長期プランを完備し、業容拡大のためのツール整備や、残存者利得の効果によりさらなる改善を見込んでおります。 不動産事業においては、当社主要施設の立地する勝どきエリアと隅田川対岸に位置する築地市場跡地再開発計画が具体始動しているほか、都心部・臨海地域地下鉄構想による交通インフラの進化、並びに勝どき・月島エリアにおける分譲中心の5,000戸の住宅供給計画が見込まれております。これらの状況をふまえ、当社主要施設の立地するエリアは都心にある水辺のResidence Zoneとして継続的な発展が期待され、引き続き魅力的な「住む街」ではあると認識しております。一方で、今後は住戸所有者の多様化による地域秩序への懸念もあり、物件毎の差が顕著になっていくものと想定しております。 3.中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 中長期的な会社の経営戦略 乾汽船の祖業は、海運業であり、倉庫業です。当社グループの仕事は、人の営みに欠かすことのないモノを運ぶ実業の一端を担っており、産業や社会を支えている自負とともに「よくはこぶ」を続けていくことを使命としております。 当社グループの生業は120年を超えており、私たちは、その歴史の意味を知っています。 商道徳の正義に迷いはなく、難しい時にも正道を歩み、悪い時に言い訳はせず、良い時も自慢しません。資本の理屈に沿わない時もありますが、時代の変化に適応し、実業を続ける術は備えています。 当社グループの経営には、10年を超える長期の視点を優先すべき施策が存在します。例えば、船隊整備計画や勝どき・月島の再開発などはその典型であり、中期経営計画の対象期間内には成果が顕在化しない場合があります。 当社グループは、今日も明日も着実に「よくはこぶ」を積み重ねております。 また、当社グループはサステナビリティを大切にしています。私たちの考えるサステナビリティは、「よくはこぶ」とともにあります。この考え方に基づき、長期ビジョンとして「よくはこぶ」を掲げ、2026年3月に新中期経営計画「あしたも元気」(計画期間:2026年4月~2029年3月)を策定しております。 配当方針については、「事業特性」、「中長期的成長を重視した経営資源の配分」、「財務基盤」の3つのバランスがとれた株主還元策であることを基本とし(株式市場環境等を踏まえ自己株式取得する場合を含む)、現状の資本構成では、以下に記載の従来の方針を継続します。・従来どおり「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」方針とします。・業績に応じて、良いとき、悪いときの判断基準および最低配当額を定め、「悪いとき」にも無配を前提にはしません。・また、「良いとき」には配当性向の累進による増配を提案してまいりたいと考えます。 あわせて、「悪い時」における最低配当額を従来の2倍である12円に引き上げます。 ② 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 1)外航海運事業 ・事業方針 ご長寿お達者 航行のムダ排除と安心安全 徹底した効率配船 ・施策 地球環境を考えると新造船の発注は難しくなりました。しかし、船稼業には船舶が必要です。船隊整備の要諦は、勇気と資金と長期目線と心得ます。 そして、世界の変異に激しく振り回されるのが外航海運業です。予測不能の事態が、しばしば勃発しますが、鍛え続ける地力で対応します。 当社外航海運事業の事業領域であるハンディ船においては、今後も船腹の供給が難しい状況が継続すると考えております。こうした状況下においては、既存保有船の長寿命化を重視しつつ、フレキシブルな調達を並行し、2050年までの長期スパンで、一定規模の船隊形成を目指してまいります。さらに、船隊規模を確保し、効率航行にも寄与することにより、温暖化ガス排出量およびバラスト(空荷)航海の削減を図ってまいります。また、ダーティーカーゴ、クリーンカーゴのいずれも厭わず何でも「よくはこぶ」乗組員のマネジメント体制を整備し、「よくはこぶ」力の強化に取り組んでまいります。これにより、Handy市場での存在感を増していきながら、長期的に「よくはこぶ」Handy船隊を運営してまいります。 2)倉庫・運送事業・事業方針Fun to Workを基盤にした現場力を錬磨デジタルツールを活用した営業活動強化グループ企業のマルチプロダクトを扱うクロスセル体制Digital領域でPlatformとModuleを活用し、小口に分散している既存資源の有効活用に集中Logicalな戦略をDesign&Cultureで実現し、収益機会を創出・拡大 ・施策 核となってきた一般倉庫の紙、文書倉庫、引越の何れも、中長期的に見ると需要は減少傾向ではあるものの、これまでの地道な取り組みと残存者利得もあり、収益性が改善し、安定的に推移しております。 既存事業の強みを伸ばす「Basic」と、新たな取り組み「Advance」の二つの領域で事業を展開してまいります。BasicとAdvanceは協調しあい、あしたの「よくはこぶ」をかたちづくります。 当社の倉庫・運送事業の事業領域は、多様な小口荷主が主体で、標準化が難しいニッチな領域であるため、大型投資を前提とした自動化、ロボ化は適しません。また倉庫の多くが人を集めやすい市街地に立地していることも特性です。こうした特性を踏まえ、①Fun to Workを基盤にした現場力の錬磨、②デジタルツールを活用した営業活動強化、③グループ企業のマルチプロダクトを扱うクロスセル体制、の3つを「Basic」と定義し、更なる進化を図りながら、自動化、ロボ化が入りにくいニッチな実需への対応を継続してまいります。 また、①Digital領域で、PlatformとModuleを活用し、小口に分散している既存資源の有効活用に集中すること、 ②Logicalな戦略をDesign&Cultureにより実現し、収益機会の創出・拡大を図ること、の2つの取組みを「Advance」と定義し、足(配送力)・手(現場力)・倉(展開力)の拡張に取り組んでまいります。 さらに、Advanceの今後の取り組みとして、十余年にわたり探求してきたムダ・ムラ・ムリをきらう独自の物流モデル「NPPL」(Non-Profit Platform Logistics)の構築や、「ほぼModule」で考える、新しい求車求荷の仕組み“Flying Module”の始動・拡散を図ることにより新たな事業業域の開拓を進めてまいります。 3)不動産事業・事業方針再開発からRenovationへの転換・施策 工事費の高騰や工期の長期化を踏まえ、総合的に検討した結果、再開発は現時点において現実的な選択肢ではないと判断いたしました。これを踏まえ、既存建物の安全性及び更新性の検証を実施するとともに、本エリアに求められる期待要求の再定義を行った結果、新築タワーを前提としない活用が最適であるとの結論に至りました。その上で、「はたらく街TOKYO」が求めるWorkerのBase(活動基盤となる機能)の提供を目指してまいります。 当社不動産事業が長く根差してきた勝どきは、築地市場跡地再開発計画の隅田川対岸に位置しております。従来の再開発計画(Neo Plaza Kachidoki~NPK~)については、上記の環境変化を踏まえ、Renovation「PK2」へと方向転換いたしました。 PK2は「Day to Years For BIZ」をテーマとし、多様な就労期間・就業形態に対応するビジネス拠点の提供を志向しております。国際経済都市である東京において、数日から数年にわたる幅広い働き方に対応し、「働く人」視点で整備された空間として、ビジネス活動を支える基盤の構築を進めてまいります。 既存物件とPK2は当社グループの事業基盤を支える重要な資産であり、勝どきの暮らしを未来へ「はこび」ます。これら2つの資産群(2PEAKS:既存物件及びPK2)の相乗効果により、街の魅力を高め、資産の力を更に強化してまいります。さらに、資産の力による安定的な収益が当社グループの事業基盤を支え、ボラティリティに左右されずに船隊整備等への投資を適時可能にすることを目指してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社は、2026年3月に新中期経営計画「あしたも元気」(計画期間:2026年4月~2029年3月)を策定しております。計画の詳細は、当社ホームページをご参照ください。(https://www.inui.co.jp/ir/library/managementplan.html) 本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。1.経営の基本方針 当社の経営の基本方針については、①資産の力を事業の力に、②Fun to Work、③「らしさ」の追求、という3つを定めております。 ① 資産の力を事業の力に 未来に向かって進化を続ける勝どき・月島は施設賃貸業の適地であり、当社の安定収益と財務基盤を支えます。この優良な資産があるから海運市況の変動に抗い船舶投資を行うことができます。当社のNew Ship Financeは含み益の顕在化策として優秀です。そして、強化される資産の力は更に強い基盤となります。 ② Fun to Work 我らの事業は、とても面白く、やりがいのある仕事で成り立っています。今いちど、その共有から始めます。「よくはこぶ」の実践は、常に厳しく、時に険しいですが、働く喜びがあるのです。Fun to Workは「よくはこぶ」の源です。 ③ 「らしさ」の追求 われらの「らしさ」は、実業に向き合い、地道な努力を練り込みながら生まれます。「らしさ」は差別化の源です。他と違うことを恐れず、素直に独自性を追求する、それがわれらの「元気の素」です。 2.経営環境 当連結会計年度における我が国経済は、商品価格の見直しや高付加価値サービスの提供等による業績改善が設備投資の増加を促し、景気は緩やかながらも回復傾向が見られました。一方で、中東情勢の緊迫した状況が長期化する中、エネルギー供給への懸念や資源価格の変動リスクが高まり、為替動向と併せて企業活動への影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。 外航海運事業においては、当社の業容であるハンディ船の輸送能力は、今後も続く国際的な環境規制強化への技術的・経済的な対応の難しさから新造船供給の伸びが限定的となるほか、老齢船の退役等により2030年代以降に減少もしくは停滞していくことが予想されます。世界に資源が遍在しており、世界人口の増加と強い相関を持つバルク材は、世界の平和を前提とした場合には緩やかに需要が増加します。ハンディ船輸送能力の停滞・減少と、バルクハンディ需要の緩やかな増加から、当社の外航海運事業における事業環境は長期的には明るいと考えております。一方で短期的には、世界経済の動向、地政学的な要因や、自然災害など、さまざまな要因の影響を受けます。米国の関税等政策を含む通商環境の変化や、中東情勢の緊迫した状況の長期化、中国経済の成長鈍化、インフレや金融引き締めによる投資抑制など世界的な経済活動の混乱が懸念されます。 倉庫・運送事業においては、当社事業は一般倉庫、文書倉庫、引越事業の3領域で構成されております。当初取り扱いの減少を見込んでいた一般倉庫の紙、文書保管、転勤引越の需要については、いずれも想定より緩やかな減少ペースとなっております。規模は縮小傾向にあるものの、サービス品質と収益性は維持しております。荷主との条件見直しや合理化策の進展、体質改善の成功により収益性の改善を図るとともに、新規顧客開拓により収益性を確保しております。今後は物量の減少に備えた中長期プランを完備し、業容拡大のためのツール整備や、残存者利得の効果によりさらなる改善を見込んでおります。 不動産事業においては、当社主要施設の立地する勝どきエリアと隅田川対岸に位置する築地市場跡地再開発計画が具体始動しているほか、都心部・臨海地域地下鉄構想による交通インフラの進化、並びに勝どき・月島エリアにおける分譲中心の5,000戸の住宅供給計画が見込まれております。これらの状況をふまえ、当社主要施設の立地するエリアは都心にある水辺のResidence Zoneとして継続的な発展が期待され、引き続き魅力的な「住む街」ではあると認識しております。一方で、今後は住戸所有者の多様化による地域秩序への懸念もあり、物件毎の差が顕著になっていくものと想定しております。 3.中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 ① 中長期的な会社の経営戦略 乾汽船の祖業は、海運業であり、倉庫業です。当社グループの仕事は、人の営みに欠かすことのないモノを運ぶ実業の一端を担っており、産業や社会を支えている自負とともに「よくはこぶ」を続けていくことを使命としております。 当社グループの生業は120年を超えており、私たちは、その歴史の意味を知っています。 商道徳の正義に迷いはなく、難しい時にも正道を歩み、悪い時に言い訳はせず、良い時も自慢しません。資本の理屈に沿わない時もありますが、時代の変化に適応し、実業を続ける術は備えています。 当社グループの経営には、10年を超える長期の視点を優先すべき施策が存在します。例えば、船隊整備計画や勝どき・月島の再開発などはその典型であり、中期経営計画の対象期間内には成果が顕在化しない場合があります。 当社グループは、今日も明日も着実に「よくはこぶ」を積み重ねております。 また、当社グループはサステナビリティを大切にしています。私たちの考えるサステナビリティは、「よくはこぶ」とともにあります。この考え方に基づき、長期ビジョンとして「よくはこぶ」を掲げ、2026年3月に新中期経営計画「あしたも元気」(計画期間:2026年4月~2029年3月)を策定しております。 配当方針については、「事業特性」、「中長期的成長を重視した経営資源の配分」、「財務基盤」の3つのバランスがとれた株主還元策であることを基本とし(株式市場環境等を踏まえ自己株式取得する場合を含む)、現状の資本構成では、以下に記載の従来の方針を継続します。・従来どおり「良いときは笑い、悪いときにも泣かない」方針とします。・業績に応じて、良いとき、悪いときの判断基準および最低配当額を定め、「悪いとき」にも無配を前提にはしません。・また、「良いとき」には配当性向の累進による増配を提案してまいりたいと考えます。 あわせて、「悪い時」における最低配当額を従来の2倍である12円に引き上げます。 ② 中長期的な会社の経営戦略及び優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 1)外航海運事業 ・事業方針 ご長寿お達者 航行のムダ排除と安心安全 徹底した効率配船 ・施策 地球環境を考えると新造船の発注は難しくなりました。しかし、船稼業には船舶が必要です。船隊整備の要諦は、勇気と資金と長期目線と心得ます。 そして、世界の変異に激しく振り回されるのが外航海運業です。予測不能の事態が、しばしば勃発しますが、鍛え続ける地力で対応します。 当社外航海運事業の事業領域であるハンディ船においては、今後も船腹の供給が難しい状況が継続すると考えております。こうした状況下においては、既存保有船の長寿命化を重視しつつ、フレキシブルな調達を並行し、2050年までの長期スパンで、一定規模の船隊形成を目指してまいります。さらに、船隊規模を確保し、効率航行にも寄与することにより、温暖化ガス排出量およびバラスト(空荷)航海の削減を図ってまいります。また、ダーティーカーゴ、クリーンカーゴのいずれも厭わず何でも「よくはこぶ」乗組員のマネジメント体制を整備し、「よくはこぶ」力の強化に取り組んでまいります。これにより、Handy市場での存在感を増していきながら、長期的に「よくはこぶ」Handy船隊を運営してまいります。 2)倉庫・運送事業・事業方針Fun to Workを基盤にした現場力を錬磨デジタルツールを活用した営業活動強化グループ企業のマルチプロダクトを扱うクロスセル体制Digital領域でPlatformとModuleを活用し、小口に分散している既存資源の有効活用に集中Logicalな戦略をDesign&Cultureで実現し、収益機会を創出・拡大 ・施策 核となってきた一般倉庫の紙、文書倉庫、引越の何れも、中長期的に見ると需要は減少傾向ではあるものの、これまでの地道な取り組みと残存者利得もあり、収益性が改善し、安定的に推移しております。 既存事業の強みを伸ばす「Basic」と、新たな取り組み「Advance」の二つの領域で事業を展開してまいります。BasicとAdvanceは協調しあい、あしたの「よくはこぶ」をかたちづくります。 当社の倉庫・運送事業の事業領域は、多様な小口荷主が主体で、標準化が難しいニッチな領域であるため、大型投資を前提とした自動化、ロボ化は適しません。また倉庫の多くが人を集めやすい市街地に立地していることも特性です。こうした特性を踏まえ、①Fun to Workを基盤にした現場力の錬磨、②デジタルツールを活用した営業活動強化、③グループ企業のマルチプロダクトを扱うクロスセル体制、の3つを「Basic」と定義し、更なる進化を図りながら、自動化、ロボ化が入りにくいニッチな実需への対応を継続してまいります。 また、①Digital領域で、PlatformとModuleを活用し、小口に分散している既存資源の有効活用に集中すること、 ②Logicalな戦略をDesign&Cultureにより実現し、収益機会の創出・拡大を図ること、の2つの取組みを「Advance」と定義し、足(配送力)・手(現場力)・倉(展開力)の拡張に取り組んでまいります。 さらに、Advanceの今後の取り組みとして、十余年にわたり探求してきたムダ・ムラ・ムリをきらう独自の物流モデル「NPPL」(Non-Profit Platform Logistics)の構築や、「ほぼModule」で考える、新しい求車求荷の仕組み“Flying Module”の始動・拡散を図ることにより新たな事業業域の開拓を進めてまいります。 3)不動産事業・事業方針再開発からRenovationへの転換・施策 工事費の高騰や工期の長期化を踏まえ、総合的に検討した結果、再開発は現時点において現実的な選択肢ではないと判断いたしました。これを踏まえ、既存建物の安全性及び更新性の検証を実施するとともに、本エリアに求められる期待要求の再定義を行った結果、新築タワーを前提としない活用が最適であるとの結論に至りました。その上で、「はたらく街TOKYO」が求めるWorkerのBase(活動基盤となる機能)の提供を目指してまいります。 当社不動産事業が長く根差してきた勝どきは、築地市場跡地再開発計画の隅田川対岸に位置しております。従来の再開発計画(Neo Plaza Kachidoki~NPK~)については、上記の環境変化を踏まえ、Renovation「PK2」へと方向転換いたしました。 PK2は「Day to Years For BIZ」をテーマとし、多様な就労期間・就業形態に対応するビジネス拠点の提供を志向しております。国際経済都市である東京において、数日から数年にわたる幅広い働き方に対応し、「働く人」視点で整備された空間として、ビジネス活動を支える基盤の構築を進めてまいります。 既存物件とPK2は当社グループの事業基盤を支える重要な資産であり、勝どきの暮らしを未来へ「はこび」ます。これら2つの資産群(2PEAKS:既存物件及びPK2)の相乗効果により、街の魅力を高め、資産の力を更に強化してまいります。さらに、資産の力による安定的な収益が当社グループの事業基盤を支え、ボラティリティに左右されずに船隊整備等への投資を適時可能にすることを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】1.経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。(1)財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、商品価格の見直しや高付加価値サービスの提供等による業績改善が設備投資の増加を促し、景気は緩やかながらも回復傾向が見られました。一方で、中東情勢の緊迫した状況が長期化する中、エネルギー供給への懸念や資源価格の変動リスクが高まり、為替動向と併せて企業活動への影響が懸念されるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。このような状況下、当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。 当連結会計年度末における総資産は、投資有価証券の増加等により前連結会計年度末比3,795百万円増の78,698百万円となりました。負債は、営業未払金や借入金の増加等により前連結会計年度末比3,255百万円増の41,283百万円となりました。純資産は、利益剰余金の減少、その他有価証券評価差額金の増加等により前連結会計年度末比540百万円増の37,415百万円となりました。 この結果、自己資本比率は49.2%から47.5%になりました。 当連結会計年度の経営成績は、売上高は前年同期比1,866百万円増収(+5.9%)の33,636百万円、営業利益は前年同期比1,497百万円減益(△41.0%)の2,158百万円、経常利益は前年同期比1,879百万円減益(△49.0%)の1,956百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比4,188百万円減益(△83.4%)の833百万円となりました。 当社グループのセグメント別の経営成績は、次のとおりであります。① 外航海運事業(ロジスティクス)外航海運事業におけるハンディ船市況は、上期は国際的な通商環境の不透明感や荷動き停滞懸念等の影響もあり、前年同期に比して軟調に推移いたしました。第3四半期には回復の動きが見られたものの、年明けには一時的に軟化し、その後は持ち直しの動きが見られました。なお、当連結会計年度における当社グループの平均為替レートは¥149.99/対US$(前年同期は¥152.84)となりました。このような状況下、当社グループの外航海運事業におきましては、市況の変動や為替の影響を受けたものの、前連結会計年度下期及び当連結会計年度に竣工・稼働開始した新造船並びに新規用船の寄与により稼働日数が増加したことに加え、貸船収入に比して単価の高い運賃収入が増加したこと等により、売上高は前年同期比2,162百万円増収(+9.2%)の25,747百万円となりました。セグメント利益は、市況が前年同期に比して低い水準で推移した影響に加え、新造船の竣工に伴う減価償却費の増加等により前年同期比1,392百万円減益(△65.1%)の747百万円となりました。セグメント資産は、船舶の取得による有形固定資産の増加等により前連結会計年度末比2,548百万円増加し、43,932百万円となりました。② 倉庫・運送事業(ロジスティクス)物流業界におきましては、貨物保管残高は前年同期を上回る水準で推移し、貨物取扱量は前年同期をやや上回る水準で推移いたしました。このような状況下、当社グループの倉庫・運送事業におきましては、倉庫業における取扱高は前年同期とほぼ同水準であった一方、連結子会社の引越業においては取扱高が増加したため、セグメント売上高は前年同期比51百万円増収(+1.3%)の3,955百万円となりました。セグメント利益は、前年同期比45百万円増益(+13.0%)の393百万円となりました。セグメント資産は、減価償却費の計上等により前連結会計年度末比103百万円減少し、4,216百万円となりました。③ 不動産事業都心部の賃貸オフィスビル市況は、大型オフィスの供給の影響がある一方で、集約移転や館内増床等で空室の消化が進み、平均空室率は低下傾向が見られました。また、東京23区の賃貸マンション市況については引き続き堅調に推移しております。当社グループが賃貸物件を所有する月島・勝どきエリアは都心へのアクセスに優れた好立地に位置しており、市況は好調に推移しております。 このような状況下、当社グループの不動産事業におきましては、プラザ勝どきを2025年3月末に閉館したことにより、売上高は前年同期比348百万円減収(△8.1%)の3,933百万円、セグメント利益は前年同期比90百万円減益(△4.4%)の1,986百万円となりました。セグメント資産は、減価償却費の計上等により前連結会計年度比161百万円減少し、10,497百万円となりました。 (2)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して82百万円増加し、18,735百万円となりました。① 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における営業活動の結果として得られた資金は、4,445百万円(前年同期比44.4%減)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益1,502百万円、減価償却費4,003百万円、利息の支払額759百万円、法人税等の支払額782百万円等によるものです。② 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における投資活動の結果として使用した資金は、4,446百万円(前年同期比0.7%増)となりました。これは主として、固定資産の取得による支出3,967百万円、有価証券の取得による支出1,000百万円等によるものです。③ 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度における財務活動の結果として使用した資金は、584百万円(前年同期は1,175百万円の資金の獲得)となりました。これは主として、長期借入による収入7,079百万円、長期借入金の返済による支出5,806百万円、配当金の支払額1,854百万円等によるものです。 (3)生産、受注及び販売の状況①売上高当連結会計年度における売上高をセグメントごとに示すと次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)外航海運事業(百万円)25,747+9.2倉庫・運送事業(百万円)3,955+1.3不動産事業(百万円)3,933△8.1合計(百万円)33,636+5.9(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は、100分の10以上を占める相手先がないため記載を省略しております。 ②船舶の稼働状況船名第105期(2024年4月1日~2025年3月31日)第106期(2025年4月1日~2026年3月31日)総日数(日)稼働日数(日)稼働率(%)補足総日数(日)稼働日数(日)稼働率(%)補足KEN GOH36536399 365364100 KEN REI365333916月 中間検査365365100 KEN MEI2482389612月 売船--- KEN HOU1431431008月 売船--- KEN SEI365341932月 定期検査365365100 KEN TOKU2412329611月 売船--- KEN KON365365100 365341943月 中間検査KEN EI365365100 365365100 KEN SHIN3653469510月 定期検査365365100 KEN JYO365364100 365365100 KEN HOPE365365100 3653449410月 定期検査KEN BOS365346959月 定期検査365365100 KEN ANN3653479510月 定期検査36536199 KEN BREEZE365365100 365346958月 中間検査KEN SPIRIT365335929月 中間検査365364100 KEN RYU23123010011月 売船--- KEN UN365365100 3653118510月 定期検査KEN YO36535898 365347957月 中間検査KEN VOYAGER365365100 365348959月 定期検査KEN SKY365365100 365332919月 定期検査KEN VISTA365350965月 中間検査365365100 KEN HARU365365100 365348953月 定期検査KEN CITRUS74741001月 竣工365364100 KEN OH6867991月 竣工365365100 KEN FOREST--- 2112111009月 竣工KEN OLIVE--- 2502501007月 竣工他社定期用船1,9861,94298 2,7992,78299 合計又は平均9,5619,32998 10,56010,33298 ③主要品目別輸送量船名第105期(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)木材(キロトン)セメント(キロトン)肥料(キロトン)スラグ(キロトン)コークス(キロトン)その他(キロトン)合計(キロトン)KEN GOH292,69858,141---44,000394,839KEN REI347,182-31,819--23,157402,158KEN MEI-----44,00044,000KEN HOU-----44,00044,000KEN SEI-----86,70086,700KEN TOKU---27,810-84,906112,716KEN KON-33,000----33,000KEN EI-----99,00099,000KEN SHIN-63,860----63,860KEN JYO155,375270,000---35,300460,675KEN HOPE234,66088,353-121,500--444,513KEN BOS108,04372,600-61,000-70,700312,343KEN ANN297,935148,200--90,33725,000561,473KEN BREEZE-----379,182379,182KEN RYU229,012-----229,012KEN UN--32,043--106,707138,750KEN YO-138,000-66,000--204,000KEN VOYAGER-56,840-33,000--89,840KEN SKY-54,200---60,510114,710KEN VISTA407,15759,400151,093---617,650KEN HARU318,28066,000-66,000-82,382532,662KEN CITRUS110,69433,000----143,694KEN OH44,951-84,701---129,653他社定期用船1,361,323244,526506,214291,100199,94370,3802,673,487合計3,907,3111,386,120805,870666,410290,2801,255,9248,311,915(注)上記は、当社の自社運航による輸送量のみを記載し、他社への貸船による輸送量は除外しております。 船名第106期(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)木材(キロトン)セメント(キロトン)肥料(キロトン)穀物(キロトン)石膏(キロトン)その他(キロトン)合計(キロトン)KEN GOH97,728-----97,728KEN REI98,01530,03929,47530,337--187,866KEN SEI---13,000-16,50029,500KEN KON-33,530-32,42435,450-101,404KEN EI-25,580-45,981-30,227101,788KEN SHIN-33,00032,31413,00031,400-109,714KEN JYO---33,94635,300-69,246KEN HOPE100,29230,300-30,442--161,034KEN BOS36,78133,000--35,42530,800136,006KEN ANN76,24868,070-34,577--178,895KEN SPIRIT---13,000--13,000KEN UN--32,04327,125-33,64192,809KEN YO-33,001-35,644-33,000101,645KEN VOYAGER-90,01034,77036,219--160,999KEN VISTA159,41936,35062,871---258,640KEN HARU155,40333,00031,420---219,823KEN CITRUS41,59699,2809,000--37,710187,586KEN OH129,56829,70030,180--33,000222,449KEN OLIVE131,525-----131,525他社定期用船697,036354,004258,90266,783146,979229,5451,753,249合計1,723,611928,864520,976412,481284,554444,4234,314,909(注)上記は、当社の自社運航による輸送量のみを記載し、他社への貸船による輸送量は除外しております。 2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。(1)財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度は中期経営計画「不易流行」(2023年4月~2026年3月)の3年目となりました。外航海運事業におきましては、ハンディ船の市況は、上期は国際的な通商環境の不透明感や荷動き停滞懸念等の影響もあり、前年同期に比して軟調に推移、第3四半期には回復の動きが見られたものの、年明けには一時的に軟化、その後は持ち直しの動きが見られました。こうした動きにより、中期経営計画公表後の3年目の海運市況は、売上高、営業損益において計画下値を下回りました。倉庫・運送事業におきましては、倉庫業における取扱高は前年同期とほぼ同水準であった一方連結子会社の引越業においては取扱高が増加したため、営業損益において計画値を上回りました。不動産事業におきましては、プラザ勝どきは2025年3月末にて営業終了しましたが、既存賃貸物件は概ね安定して高稼働を維持しております。① 財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末における総資産は、投資有価証券の増加等により前連結会計年度末比3,795百万円増の78,698百万円となりました。(負債) 当連結会計年度末における負債は、営業未払金や借入金の増加等により前連結会計年度末比3,255百万円増の41,283百万円となりました。(純資産) 当連結会計年度末における純資産は、利益剰余金の減少、その他有価証券評価差額金の増加等により前連結会計年度末比540百万円増の37,415百万円となりました。② 経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は前年同期比1,866百万円増収(+5.9%)の33,636百万円となりました。これは主として、外航海運事業における市況の変動や為替の影響のほか、前連結会計年度下期及び当連結会計年度に竣工・稼働開始した新造船並びに新規用船の寄与による稼働日数の増加、貸船収入に比して単価の高い運賃収入が増加したこと等によるものです。 セグメント別の売上高については、「1.経営成績等の状況の概要 (1)財政状態及び経営成績の状況」に記載しております。(営業利益) 当連結会計年度における営業利益は、前年同期比1,497百万円減益(△41.0%)の2,158百万円となりました。これは主として、外航海運事業におけるハンディ船市況の変動や為替の影響に加え、新造船の竣工に伴う減価償却費の増加等によるものです。(親会社株主に帰属する当期純利益) 当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は前年同期比4,188百万円減益(△83.4%)の833百万円となりました。これは主として、前連結会計年度に計上した船舶売却に係る固定資産売却益の剥落や、プラザ勝どきの再開発計画からリノベーション計画への変更に伴う建設仮勘定の減損損失を計上した影響等によるものであります。 今後の見通しにつきましては、米国の関税等政策を含む通商環境の変化や、中東情勢の緊迫した状況の長期化、中国経済の成長鈍化、インフレや金融引き締めによる投資抑制など世界経済の先行きに対する懸念が続いております。一方で中長期的には地球環境課題の解を探しあぐねている船舶、特にハンディ船は今後も新造船供給が限定的と見込まれ、更に老齢船解撤は延命にも限界があることから、海運市況は需給ひっ迫の環境が続くことが予想されます。 倉庫・運送事業では、一般貨物や文書保管に係る倉庫事業及び引越事業において、概ね2026年3月期並みの推移となる見込みです。そのような状況の中、社会課題となっている人材不足等の課題は今後も事業環境に影響を与え続けるものと思われます。まずは、安全で働き甲斐のある労働環境づくりを推進し、事業基盤の安定を目指していきます。 不動産事業では、企業の出社回帰やそれに伴う集約移転等の流れが見られ、東京23区の賃貸マンション市況と併せて賃貸オフィスビル市況においても引き続き堅調な推移が想定されます。当社不動産事業においては、当社グループが賃貸物件を所有する月島・勝どきエリアでは、賃貸マンション市況、賃貸オフィスビル市況が引き続き好調に推移することが見込まれます。この結果、2026年3月期比で増収となる見通しである一方、修繕費等の増加により、営業利益は概ね2026年3月期並みの推移となる見込みです。③ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 (2)キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「1.経営成績等の状況の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。② 財務政策当社グループは、外航海運事業において、米ドル建てによる収入を得る一方で、従業員に対する給与の支払など円建てによる支出もあるため、為替変動による影響を受けやすい環境にあります。そのため、円・米ドル双方の通貨建てによる収益がある場合には、双方の通貨を多く保有することで、為替変動による資金効率の悪化を抑えることとしており、当社の現預金の保有は、他業種と比較して、事業規模に比して多くなる傾向にあります。また、運賃市況が悪い時は、船価は低く、絶好の船舶購入の機会が到来しますが、運賃市況の低迷時には、融資案件を成約させるのは大変な苦労が伴うため、円・米ドル双方の一定の現預金を保有して、商機を逃さないよう準備を整えております。なお、当社グループは、運転資金の効率的な調達を行うため取引銀行6行と当座貸越契約を締結しております。当連結会計年度末における当座貸越契約に係る借入未実行残高は630百万円であります。また、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は32,007百万円、現金及び現金同等物の残高は18,735百万円となっております。③ 資金需要当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、船舶の購入や重要な不動産資産の資産価値の維持等に係る設備資金、運転資金、借入金の返済、配当金の支払い等であります。また、「プラザ勝どき(賃貸マンション)」において、将来の中長期的な収益性を向上させるべく、現在、リノベーションの検討を進めております。資金計画等については何ら決定した事実はありませんが、現状、工事費のみで数百億円規模となることが見込まれており、その実現に向けた資金面での備えが必要となります。④ 資金調達当社グループは現在、運転資金については内部資金又は金融機関からの短期借入金により充当し、設備資金については、設備投資計画に基づき、調達計画を作成し、内部資金又は金融機関からの長期借入金により調達を行っております。また、主要な取引先金融機関とは良好な取引関係を維持しており、当社保有の不動産資産の一定の含み益を背景に、超長期に資産から資金を抽出するアセットバックローンや、不動産資産の含み益を活用したファイナンス等、当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保し、事業の基盤を整えております。 (3)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、「第5 経理の状況」の「1.連結財務諸表及び財務諸表の作成方法について」に記載のとおり、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。財務諸表の作成に際しては、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務の開示、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び予測を行わなければなりません。したがって、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。当社グループは、特に以下の会計上の見積りが当社グループの財務諸表に重要な影響を与えるものと考えております。 ① 固定資産の減損処理当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業所別等の管理会計上の区分を単位としてグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コストなどが含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化による収益性の変動や市況の変動により、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。 2026年3月31日現在のセグメントごとの有形固定資産及び無形固定資産の帳簿価額は以下のとおりです。セグメント主な資産金額(単位:百万円)外航海運事業船舶等29,546倉庫・運送事業倉庫用の土地、建物及び構築物等2,819不動産事業賃貸住宅や賃貸オフィス用の建物及び構築物等10,410その他全社資産103計 42,880(外航海運事業) 当社保有船舶全船を1船団としてグルーピングを行っております。今後、海運市況の悪化等により固定資産の収益性が低下した場合は、減損損失の計上の可能性があります。 なお、2016年3月期において、主に船舶について13,960百万円の減損損失を計上しております。この際の回収可能額は正味売却価額により測定しており、第三者により合理的に算定された評価額により算定致しました。(倉庫・運送事業) 主に事業所別にグルーピングを行っております。収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があります。(不動産事業) 主に事業所別にグルーピングを行っております。当社保有物件は簿価に比して多くの含み益を有しており、多額の減損損失の計上の可能性は低いものと認識しております。 なお、2026年3月期において、プラザ勝どきの再開発計画からリノベーション計画への変更に伴う建設仮勘定の減損損失の計上により425百万円の減損損失を計上しております。 ② 繰延税金資産当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性が低下した場合に評価性引当額を計上することとしております。評価性引当額の計上に関する必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得及び慎重かつ実現性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を収益として計上します。当連結会計年度末においては繰延税金資産を344百万円計上しております(但し、繰延税金負債との相殺消去により連結貸借対照表上は計上しておりません。)。詳細につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 ③ 航海日割基準に基づく収益認識当社グループは、期末日を跨ぐ航海(期跨り航海)については、各航海の海運業収益総額に、見積総航海日数に対する期末日時点の進捗率を乗じて見積り計上しております。海運業収益の測定方法に含まれる総航海日数の見積りは、将来の航行スケジュールや予想停泊期間等の仮定を用いておりますが、将来の航行スケジュールは見積りの不確実性が高く、気象海象や港の混雑状況等によって変動します。総航海日数が変動した場合、翌連結会計年度の連結財務諸表に影響を与える可能性があります。また、航海完了後に見積りと実績の比較を行い、見積りの合理性を確認しております。当連結会計年度において航海日割基準に基づき計上した海運業収益の金額は1,218百万円であります。詳細につきましては「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。 (4)経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画の3年目である当連結会計年度の達成・進捗状況は次のとおりであります。指標計画値実績値売上高(上値)(下値) 外航海運事業36,600百万円26,400百万円25,747百万円倉庫・運送事業4,000百万円3,955百万円不動産事業3,800百万円3,933百万円計44,400百万円34,200百万円33,636百万円営業利益(上値)(下値) 外航海運事業7,800百万円1,900百万円747百万円倉庫・運送事業100百万円393百万円不動産事業1,800百万円1,986百万円全社費用△1,000百万円△969百万円計8,800百万円3,000百万円2,158百万円親会社株主に帰属する当期純利益5,400百万円1,400百万円833百万円ROE(自己資本利益率)15%5%2.2%中長期経営計画は、見通しの難しい外航海運事業において、上値と下値の幅を持たせた計画となっております。当連結会計年度の売上高は計画下値を下回る33,636百万円となりました。これは、主に外航海運事業において、ハンディ船市況が軟調に推移したこと等によるものであります。2025年度のハンディ船市況は、平均1日あたり10,879ドルであり、計画下値11,500ドルを下回りました。親会社株主に帰属する当期純利益においては、当連結会計年度において、売上高と同様に市況が計画下値より低い水準で推移した影響に加え、新造船の竣工に伴う減価償却費の増加や、プラザ勝どきの再開発計画からリノベーション計画への変更に伴う建設仮勘定の減損損失425百万円を計上した影響等により、計画値に対して未達となりました。
事業リスク
- 海難事故と環境問題船舶の安全運航は最重要課題であり、海難事故が発生した場合、船舶の破損だけでなく、人的被害や海洋汚染を引き起こす可能性があります。特に油濁事故は、外航海運事業の業績に甚大な影響を及ぼすリスクがあります。
- 事業環境の変動外航海運事業は世界経済や地政学リスクに左右され、運賃や市況が変動します。倉庫・運送事業では景気変動やペーパーレス化、働き方改革による需要減少が懸念されます。不動産事業では首都圏の賃貸市場の需給バランス変化が収益に影響を与える可能性があります。
- 自然災害と資産価値変動多くの船舶や施設を保有しているため、地震や暴風雨などの自然災害、または人災により、資産の毀損や価値低下のリスクがあります。特に不動産事業は勝どき・月島エリアに資産が集中しており、大規模災害発生時には事業に甚大な支障を来す可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、次のようなものがあります。なお、本項における将来に関する事項は、当社グループが当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (特に重要なリスク)(1)船舶の安全運航、環境問題によるリスク、または、海難事故によるリスク当社グループは、SOLAS条約(海上人命安全条約)に基づくISMコード(International Safety Management Code/国際安全管理規則)及びISPSコード(International Ship and Port Facility Security Code/国際航海船舶及び国際港湾施設の保安の確保等に関する法律)等の条約適合証書を取得し、それらをグループ内に浸透させ運用しております。海難事故発生時には、当社グループの主要な事業資産である船舶の破損により物理的被害が生じると同時に、人的被害及び環境破壊が発生する可能性があります。また、油濁事故等による海洋汚染が発生した場合、当社グループの外航海運事業及び業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。 (2)事業環境変動のリスク外航海運事業においては、世界各国の経済動向、政治的・社会的要因が事業に影響を及ぼす可能性があります。特に主要な船舶の就航区域である、中国、アメリカ、大洋州(またはオセアニア)、ASEANの景況は運賃及び不定期船市況に影響を及ぼします。また、特に当社の扱い船舶であるハンディサイズ船においては、今後の環境規制への技術的・経済的な対応の困難さから、船腹供給が滞る可能性があります。当社では、船価動向や環境規制の動向をにらみながら、フレキシブルに船隊を整備してまいります。 倉庫・運送事業においては、景気動向の変化及び顧客企業の物流コスト抑制・事業再編等が、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、特に一般倉庫・文書倉庫事業においてはペーパーレス化による紙取扱量減少、引越事業においては働き方改革による需要減少の影響が想定されます。 不動産事業においては、首都圏における賃貸市場の需給バランスの変化や市況動向等の影響を受ける可能性があります。 (3)自然災害、人災等によるリスク当社グループは、外航海運事業、倉庫・運送事業、不動産事業を展開するにあたり、多くの船舶や施設を有しております。そのため、地震、暴風雨、洪水その他の自然災害、事故等が発生した場合には、船舶や施設の毀損等により、当社グループの事業に悪影響を及ぼし、また、所有資産の価値の低下につながる可能性があります。特に、不動産事業においては、所有する施設が勝どき・月島エリアに集積していることから、このエリアで大規模災害が発生した場合には、不動産事業に甚大な支障を来たす可能性があります。そのような状況において、当社は、収益の多くを勝どき・月島エリアに頼る構造となっているため、会社事業への影響悪化も甚大となる可能性があります。再開発計画からリノベーション計画への転換に際し、既存建物の耐久性、耐震性について問題がないことを検証した上で、計画を進めております。また、主導的積極的に、住民と共に災害への備えを行っております。 (4)資産価格変動のリスク当社グループが保有する資産(船舶、土地、建物、投資有価証券等)の収益性や時価が著しく下落した場合には、減損または評価損が発生する可能性があります。当連結会計年度においては、プラザ勝どきの再開発計画からリノベーション計画への転換に伴う建設仮勘定の減損損失(425百万円)を特別損失として計上しております。また、不動産資産については、その担保価値を利用して資金調達を行っており、資産価値が下落した場合には資金調達へ影響を及ぼす可能性があります。 (重要なリスク)(1)各種規制変更のリスク当社グループは、現時点の規制及び基準等に従って事業を展開しております。将来における規制及び基準等の変更並びにそれらによって発生する事態が、当社グループの業務遂行及び業績等に影響を与える可能性があります。 (2)金利変動のリスク当社グループの設備資金及び運転資金は、その大部分を金融機関より調達しております。調達した資金の金利リスクについては、金利スワップ取引による金利の固定化や有利子負債の削減等でヘッジするべく努めておりますが、変動金利で調達している資金については、金利変動の影響を受ける可能性があります。また、金利の変動により、将来の資金調達コストに影響を与える可能性があります。 (3)情報システムのリスク当社グループは、基幹業務システムについて情報セキュリティや自然災害に対する安全対策をとる等、コンピューターの運用を含めた安全管理を図り不正アクセスを防止・監視する管理体制をとっておりますが、外部からの不正侵入により当社に重大な損害が発生する可能性があります。 (4)為替レートの変動当社グループにおける外航海運事業の売上高の大部分は、米ドル建ての運賃及び定期貸船料が占めております。一方で、運航費や用船料(借船料)、船員費・潤滑油費等の主な費用については米ドル建ての割合が高いものの、国内で発生した船舶修繕費や一般管理費の多くが円建てであります。費用のドル化を進めているものの、米ドル建て収入と米ドル建て費用の収支のバランスによって、米ドル建て取引の円換算時において、為替変動が損益に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、為替換算の実現差損の縮小を図るため、円売りドル買いやドル売り円買いの為替取引を極力行わないよう円資金とドル資金それぞれでの資金繰り管理を行っております。一方で、急激な円安局面は、将来の円資金需要確保のためのドル売り円買いを行う好機であると認識しております。また、当社グループは、外貨建ての資産及び負債を保有しており、その資産と負債の差額が、為替変動によって、決算時評価損益として収支に影響を及ぼす可能性があります。 (5)船舶燃料価格の変動船舶運航に必要な船舶燃料については、SPOT契約においては都度足元の燃料価格あるいは船舶が保有する燃料価格に基づき運賃を算出しているため、燃料価格変動を運賃へ転嫁しております。しかし、急激に変動した場合は、運賃へ転嫁できず運航船の収支に影響を及ぼす可能性があります。そのため、燃料価格が国内に比べ安価なシンガポール等で調達することや、先物予約によるヘッジにより、燃料費の安定化に努めております。 (6)借入金の財務制限条項当社グループの借入金の一部には、財務制限条項が付されているものがあり、これに抵触した場合には、期限の利益喪失等、当社グループの財政状態に影響を及ぼす可能性があります。