事業の概要
- メディカルプラットフォーム事業医療機関の紹介記事を自社メディア「Medical DOC」に掲載することで収益を得ています。医師監修の医療情報記事や著名人の闘病体験記事などを通じて、利用者に信頼性の高い情報を提供し、医療機関と患者をつなぐ役割を担っています。この事業は、医療機関からの有料記事制作が主な収益源です。
- スマートクリニック事業医療機関の業務効率化を支援するサービスを提供しています。具体的には、自動精算機「NOMOCa-Stand」やスマートレジ「NOMOCa-Regi」といったハードウェアの販売に加え、LINEを活用した予約・問い合わせシステム「CLINIC BOT」やAIチャットボット「NOMOCa AI chat」などのソフトウェアサービスも提供し、医療機関の非診療業務の負担軽減に貢献しています。
- 顧客基盤と収益構造同社グループは、医療機関向けに長年サービスを提供することで培った全国約16,000件の顧客接点と、既存顧客からの売上が全体の77.5%を占める安定した収益基盤を持っています。これは、医療機関のニーズを捉えたサービス改善を継続的に行い、顧客との長期的な関係を構築していることを示しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- メディカルプラットフォーム事業この事業は、医療情報メディア「Medical DOC」の運営が中心です。利用者の不安解消を目指し、医師監修の医療情報記事や著名人の闘病体験記事などを提供しています。医療機関に対しては、有料で紹介記事の制作・掲載サービスを提供しており、これが主な収益源です。2025年3月期には売上高62.67億円、営業利益31.43億円を計上しており、同社グループの稼ぎ頭となっています。
- スマートクリニック事業医療機関の業務効率化を支援するサービスを提供しています。具体的には、自動精算機「NOMOCa-Stand」やスマートレジ「NOMOCa-Regi」の販売、LINEを活用したCRMサービス「CLINIC BOT」、AIチャットボット「NOMOCa AI chat」などがあります。これらのサービスは、医療機関の受付業務の省力化や患者とのコミュニケーション円滑化に貢献し、2025年3月期には売上高31.75億円、営業利益5.79億円を計上しています。
- 事業構成と地域展開同社グループは、主に上記2つの事業で構成されており、日本全国に営業拠点を展開しています。メディカルプラットフォーム事業は全国10地域に営業拠点を持ち、スマートクリニック事業も同様に10の営業拠点と多くの代理店網を整備しています。これにより、全国の医療機関に対してサービスを提供し、市場シェアの拡大を目指しています。連結子会社として、株式会社GENOVA DESiGNがウェブサイト制作や運用保守を、智樹(大連)技術開発有限公司がHTMLコーディング作業を担っています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MedicalPlatformBusiness | 地域 | 63 | 31 | 50.2% |
| SmartClinicBusiness | 地域 | 32 | 6 | 18.2% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」をミッションに掲げ、利用者(患者)にとって分かりやすく情報の信頼性が高いwebメディアを運営するメディカルプラットフォーム事業と、医療機関現場における診療行為以外の利便性向上や効率化につながるサービスの開発及び提供を行うスマートクリニック事業の2つで構成しておりましたが、株式会社ASANOの設立及び事業譲受に伴い、当連結会計年度より事業セグメントの区分方法の見直しを行い、歯科用器械・材料・薬品等の販売を行う歯科流通事業、医療機関向けのDXソリューションの提供を行うDX事業、医療機関向けのWebサイト制作や、制作したWebサイトの運用保守及び予防医療等に関するサービスの提供を行うその他事業の5つとなっております。メディカルプラットフォーム事業は、近年の高齢化に伴う持続的な健康意識の高まりを受け、正しい予防情報や健康知識を求める人々に医療情報を提供するため、「Medical DOC」(メディカルドック)という自社メディアにおいて、医師が監修する医療情報記事の掲載や、身近な健康問題への関心を高める啓蒙コンテンツとして、著名人による闘病体験記事、未病への取組記事等を配信しております。また、自社メディアへ医療機関の紹介記事を制作するサービスを提供しております。「Medical DOC」では利用者が目当ての医療機関を簡単に探すことができるように、全国の医療機関の情報をデータベース化し、地域や診療科目といった区分で容易に検索できるような機能を提供しております。このように当社グループが運営する医療メディアは、利用者及び医療機関双方にとって有用なサービスとして認識されており、2026年3月末時点で、医療情報に関する記事数19,184件、月間PV数は約1,674万PVに達しております。また2026年3月期では、「Medical DOC」に加え、「特化型メディア」を立ち上げました。こちらはより良い医療を求める利用者(患者)に対して、質の高い医療を受けられるクリニックを選べる医療メディアになっております。「『価格』や『アクセスの良さ』で選んだクリニックで失敗してしまった」という利用者の声が出ないための医療メディアを目指しており、長年「Medical DOC」を運営してきた実績に基づき、クリニックを運営する先生の経歴・実績・先生が有する技術・所属学会なども紹介し、ユーザーにより良い医療体験の手助けになるコンテンツを提供しています。当社グループは、自社メディアへ医療機関の紹介記事を掲載するための有料記事制作を請け負っており、メディカルプラットフォーム事業の収益源となっております。メディカルプラットフォーム事業は、医療機関に長年サービスを提供することで培った全国の医療機関との営業接点や、当社メディアの医療広告規制に準拠した記事制作ノウハウ及び品質管理体制に強みがあります。スマートクリニック事業は、医療機関現場における診療行為以外の利便性向上や効率化につながるサービスの開発及び提供を目的に、医療機関向けに「NOMOCa-Stand」(ノモカスタンド)というスマート簡易自動精算機・再来受付機や「NOMOCa-Regi」(ノモカレジ)というスマートレジを販売しております。また、ソフトウエア関連のサービスでは、LINE上からの予約や気軽に直接医療機関に問い合わせ予約を行うことのできる「CLINIC BOT」やクリニック専用に開発された高機能AIチャットボットが利用者(患者)の問い合わせに24時間自動で回答する新サービス「NOMOCa AI chat」の提供を行なっております。当社グループは、2026年3月末時点で累計既存顧客数約17,000件(注1)の営業接点があることや、2026年3月期の既存顧客売上高比率は73.9%(注2)となっていることなど、現場の不満や課題の汲み上げによりサービス改善を行っております。その結果、2026年3月期の当社の主要なサービスの年間契約件数は6,143件に達しております。 (注) 1.医療機関で契約中、もしくは過去契約実績がある顧客数(法人数)として算出しております。2.年間契約件数に占める「過去に一度でも取引のある顧客」の割合として算出しております。 当社グループが運営する事業は主にメディカルプラットフォーム事業とスマートクリニック事業の2つの事業で構成されておりましたが、株式会社ASANOの設立及び事業譲受に伴い、当連結会計年度より事業セグメントの区分方法の見直しを行うことといたしました。その結果、「メディカルプラットフォーム事業」、「スマートクリニック事業」、「歯科流通事業」、「DX事業」、「その他事業」の5つとなっております。主に以下の5つの主要サービスから成り立っております。 なお、当社グループは、当社と連結子会社である株式会社ASANO、株式会社GENOVA DESiGN、智樹(大連)技術開発有限公司の4社で構成されております。従前の株式会社GENOVA マーケティングは、メディカルプラットフォーム事業におけるサイトの企画や記事制作の管理等を担っておりましたが、2023年11月に株式会社GENOVA DESiGNに事業譲渡し、会社清算を実施しております。株式会社GENOVA DESiGNは、上記に加え、その他事業としてウェブサイト制作や運用保守を担っており、智樹(大連)技術開発有限公司は、その他事業であるウェブサイト制作におけるHTMLコーディング作業を担っております。加えて、当連結会計年度においては、事業譲渡契約によりグループインした子会社の株式会社ASANOが2025年7月1日から事業を開始しており、当子会社は「歯科医療の今と未来を繋ぐ」をミッションに掲げ、歯科医療用機器・器材・材料・薬品等の開発・販売、歯科医院用クラウドサービスの開発・販売の2事業を主に行っております。 当社グループの各事業の内容 (メディカルプラットフォーム事業)(1) Medical DOC(メディカルドック):医療メディアサービス現在の当社グループ主力商品である「Medical DOC」(メディカルドック)は、利用者の不安の解消を目指した医療メディアです。健康であり続けたい、予防医療や治療医療、自分の病気のことを身近な周りの人に理解してほしいなど、利用者間や利用者と医療従事者の間には大きな情報格差が存在します。そうした情報格差を解消すべくMedical DOCを運営しております。 当社グループが運営するメディアでは、有料にて医療機関の紹介記事の制作を請け負っております。医療機関においては、当社メディアに記事を掲載することにより、立地や医療機関の特長から集めたい患者層に的確にアプローチすることができるメリットがあります。 (スマートクリニック事業)(1) NOMOCa(ノモカ):業務効率化サービススマートクリニック事業の主力サービスであるNOMOCa-Standは医療機関(無床診療所)向けスマート簡易自動精算機・再来受付機です。電子カルテとの連携など、レセプトコンピュータ(診療報酬を請求するために「レセプト(診療報酬明細書)」を作成するコンピューターシステム)との連携が可能な仕組みになっており、医療機関に特化した設計が特徴となっております。少子高齢化により医療機関における働き手の確保が難しくなるなか、医療機関における受付業務の省力化、効率化を実現するためのサービスとして展開しております。これらの商品は株式会社APOSTROに製造を委託しており、当社及び販売代理店を通じて商品の販売を行っております。医療機関現場における利便性向上に資する商品を提供することで事業展開しており、2026年3月末時点で累計導入台数2,911台に達しております。 (2) CLINIC BOT:LINEを使ったCRMサービス当社グループは、LINEを使ったCRMサービスを医療機関に提供しております。従来、LINEの公式アカウントでは、通知登録を希望されている患者に対して、適宜、情報を一斉案内することはできましたが、患者単位で情報を管理し、セグメンテーション・ターゲティングをした情報発信はできませんでした。医療機関は、CLINIC BOTを導入することにより、患者に対してターゲティングした情報配信が行えるようになり、また、患者がLINEを通じて直接医療機関に問い合わせをすることができるようになります。さらに、患者がLINE上から診療予約を行うことが可能になり、LINEを通じて診察券の機能を付加することができるようになるなど、医療機関と患者とのコミュニケーションを円滑にするサービスを提供しております。 (3) NOMOCa AI chat:AI Chat自動応答システム当社グループは、クリニック専用に開発された高機能AIチャットボットが利用者(患者)の問い合わせに24時間自動で回答する新サービスを提供しております。スタッフの代わりに24時間問い合わせに自動対応してくれるので、利用者(患者)のストレスを減らし、スタッフの電話対応業務などの工数を削減することが可能になります。新たに分析機能では問い合わせの内容を日別、時間帯別などで細かく分析することで業務の生産性向上につながり、さらに業務効率化・サービスレベル改善で利用者(患者)の満足度アップも期待できます。 名称概要特性NOMOCa-Stand(ノモカスタンド) 既に医療機関向けにリリースされている予約システム、レセプトコンピュータ、電子カルテシステムと連携が可能な非対面型の自動精算機・再来受付機。受付機能をオプションで付加することができ、科目のニーズに応じた運用が可能です。実際に以下の科目別開発を行ってまいりました。・整形外科におけるリハビリ運用対応・診察券のない診療所・救急対応診療所の夜間無人会計対応・その他未収金回収対応などNOMOCa-Regi(ノモカレジ) 患者自らお金を投入し、窓口会計速度の向上と会計ミスの防止に役立つ、医療機関専門の自動会計釣銭機。保険診療はもちろん、同一施設内における他法人の物販対応も可能です。またNOMOCa-Standとの連携や有床診療所対応も可能となっております。 (歯科流通事業)当社グループは、海外先進メーカーと国内大手とのアライアンスを一段と深化させ、歯科用CT、口腔内スキャナー、AI画像診断といったデジタル診断、3DプリンターやCAD/CAM、治療用レーザー等の精密治療機器、予防・メンテナンス機器まで高付加価値領域を拡充し、医院の診断精度・治療効率・患者負担軽減を同時実現しています。単なる機器納入に留まらず、デジタル導入に伴うワークフロー再設計、スタッフ研修、保守・校正を含む長期契約、ファイナンス提案、開業支援をパッケージ化しており、網羅的なソリューションを提供しております。 (DX事業)当社グループは、医療機関向けのDXソリューションの提供を行っております。具体的には、クラウド型のカルテサービス「カルテクラウド」の導入や、予約管理などのクラウド型サービスを提供し、LINEと連携している「クリニッククラウドGR」の導入を加速しております。予約の完全自動化で電話・受付業務を大幅に削減し、24時間の予約・変更を可能にすることで患者利便性を高めています。導入先では、業務内容の可視化テンプレートを用いて作業標準化を支援し、権限設計・監査ログにより在宅勤務の可否判断と遠隔運用の統制を担保し、オンボーディングとeラーニングを強化して導入担当者の不安を解消することで、解約率の低位安定を促進しています。 (その他事業)当社グループは、主に医療機関向けのWebサイト制作や、制作したWebサイトの運用保守及び予防医療等に関するサービスを提供しております。なお、Webサイト制作は以前の主力サービスであったことから、現在は運用保守や、既存のお客様からの追加修正等の対応が主な内容となっており、新規の顧客開拓は積極的に行わない方針です。 [事業系統図]以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 医療機関現場のニーズを捉えた設計と他システムとの連携性、徹底した利用者目線。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」及び「医療広告ガイドライン」等の各種法令。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:医療業界および医療システム市場への依存 / インターネット関連市場の急速な技術革新 / 医療関連の各種規制の改廃や新設
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 1 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
5年財務サマリが未収録であり、ブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な情報が入手できないため、無形資産による競争優位性は評価できない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
サービス業であり、顧客がサービスを乗り換える際のコスト(学習コスト、データ移行コスト等)が一定程度存在する可能性はあるが、具体的なスイッチング・コストを裏付ける情報はない。現時点では弱いシグナルに留まる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
現時点でネットワーク効果を構築している、あるいは将来的に構築する可能性を示す具体的な情報や事業モデルが見当たらないため、ネットワーク効果による競争優位性は評価できない。
コスト優位☆☆☆☆☆
財務データが未収録のため、生産・提供コストに関する比較優位性を評価できない。また、競合他社に関する情報も乏しく、コスト構造の優位性を判断する材料がない。
規模の経済☆☆☆☆☆
財務データおよび競合情報が不足しているため、業界規模に対する効率的な事業規模による競争優位性を評価できない。市場におけるポジションや規模感の判断が困難である。
- 医療情報メディアの信頼性自社メディア「Medical DOC」は、医師監修の医療情報記事や著名人の体験談を通じて、利用者に信頼性の高い医療情報を提供しています。これにより、患者は正しい知識を得られ、医療機関は適切な患者層にアプローチできるため、双方にとって有用なプラットフォームとして認識されており、月間PV数は約1,848万PVに達しています。
- 医療現場の課題解決力スマートクリニック事業では、医療機関の業務効率化に特化したサービスを提供しています。自動精算機「NOMOCa-Stand」は電子カルテとの連携が可能で、受付業務の省力化に貢献し、累計導入台数は2,430台に上ります。また、「CLINIC BOT」や「NOMOCa AI chat」は、患者からの問い合わせ対応や予約業務を効率化し、医療人材不足という社会課題に対応しています。
- 医療広告規制への対応力同社グループは、医療広告規制に準拠した記事制作ノウハウと品質管理体制に強みを持っています。これは、医療業界特有の厳格な規制環境下で、信頼性の高い情報提供とサービス展開を可能にする重要な競争優位性であり、医療機関が安心してサービスを利用できる基盤となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- クライアント基盤の拡大同社グループは、医科・歯科診療所を中心に、現在のクライアント基盤をさらに拡大することを目指しています。新規顧客の開拓に加え、過去にサービスを利用した顧客への再販を強化することで、顧客数を増やし、事業の成長を加速させる方針です。これは、医療機関全体で約17.3万件の開拓余地があるという認識に基づいています。
- 契約件数の増加重視経営戦略として、セグメント別の年間契約件数の増加を重要な目標としています。メディカルプラットフォーム事業では4,900件、スマートクリニック事業の自動受付精算機・レジでは467件、ソフトウェアサービスでは1,092件といった具体的な目標を掲げ、これらの最大化に向けて営業人員の採用・教育、サービスラインナップへの投資を積極的に行います。
- 新サービス・新事業の創出利用者(患者)、医療機関従業員、医療機関経営者など、様々なステークホルダーの課題解決を目指し、新たなサービスの開発に注力しています。また、非連続的な成長を実現するため、外部企業との事業提携も積極的に検討し、提供できるサービスのラインナップを拡充することで、将来的な成長機会を創出する戦略です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループのミッションは、「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」であります。医療は人々にとって必要不可欠な存在でありますが、利用者(患者)が知りたい情報が正確に伝わらず、健康・病気・治療に不安を抱いております。また利用者(患者)と医療従事者は快適な医療体験を求めており医療行為ではない待ち時間、受付業務、精算業務に不満を抱いております。当社グループは、メディカルプラットフォーム事業とスマートクリニック事業を通じて、このような不安と不満の解決を図り、事業譲渡契約によりグループインした子会社の株式会社ASANOの歯科流通事業及びDX事業による歯科医療用機器・器材・材料・薬品等の開発・販売、歯科医院用クラウドサービスの開発・販売によって社会的な責任を果たしながら継続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 経営戦略当社は以下の4つの項目について注力してまいります。① クライアント基盤の更なる拡大多くの人々に支持されるサービスを背景に、現在のクライアントである医科・歯科診療所シェアの更なる拡大を目指してまいります。継続的な新規顧客の開拓に加え、過去受注した顧客に対する再販を加速することで更なる成長を目指します。 ② 契約件数の拡大当社グループでは契約件数を重視しており、セグメント別の年間契約件数の増加を目指します。 ③ 人材の採用・育成顧客開拓及び契約数の増加において欠かせないのがサービスを届ける人材です。積極的な教育投資及び採用投資を実施してまいります。 ④ 新サービス・新事業の創出当社グループの各ステークホルダー(利用者<患者>、医療機関従業員、医療機関経営者<医師>等)の課題解決を実現するために、新たなサービスの開発を進めてまいります。また、非連続的な成長の創出にも積極的に取り組むため、外部企業との事業提携も引続き検討し、提供できるサービスのラインアップを拡充いたします。 (3) 経営環境当社グループの事業が対象とする市場は、医療業界における広告市場、医療システム市場および歯科流通市場です。当社グループは、医療機関全体で28.6万事業所(注1)を市場全体のターゲットと考えており、そのうち、17.3万医院(注2)が、現在のサービスで提供可能なターゲット範囲と考えており、大きな開拓余地があると考えております。このような市場環境下において、多くの顧客を獲得するため、当社グループでは営業組織の拡充に取り組んでまいりました。当社グループではメディカルプラットフォーム事業のメインサービスである「Medical DOC」(医療メディア)とスマートクリニック事業の「NOMOCa Stand、NOMOCa Regi」(自動精算機・再来受付機等)、「CLINIC BOT」(LINEを使ったCRMサービス)、「NOMOCa AI chat」(電話業務を削減するchatbotサービス)を提供しております。Medical DOCでは医療機関との適切な患者マッチングを実現すべくサービスを提供しており、全国10つの地域に営業拠点を展開しております。NOMOCaシリーズでは医院の業務負荷軽減を目指してサービスを展開しており、全国10つの営業拠点に加え、多くの代理店網を整備しております。医療機関の業務負荷軽減のニーズは今後益々加速すると考えられ、自社サービスはもとより、他社サービスと連携することで拡充し、シェア拡大はもちろんのこと、クロスセルによる更なる成長を目指します。そのような販売体制で、更に薬局や柔道整復の施術所など医療周辺領域においても同様の課題は存在するため、当該市場シェアを獲得していくことも将来的な戦略としております。加えて当連結会計年度においては、事業譲渡契約によりグループインした子会社の株式会社ASANOが2025年7月1日から事業を開始しており、当子会社は「歯科医療の今と未来を繋ぐ」をミッションに掲げ、歯科医療用機器・器材・材料・薬品等の開発・販売、歯科医院用クラウドサービスの開発・販売の2事業を主に行っております。当社として当子会社の事業を開始するにあたり、最適なサプライチェーンの構築とグループのマーケティング・DX領域との連携により、医療現場の課題解決と新たな価値創出の貢献を目指しております。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、医療機関と診療所の機能分化・連携等の推進、かかりつけ機能の普及、医療・介護分野におけるデータ利活用やオンライン化の加速、PHR(Personal Health Record:個人の健康・医療・介護に関する情報)の拡充も含めたデータヘルスオンラインでの健康相談の活用の推進などの対策が政府により掲げられており、その他にも新型コロナウイルス感染者や濃厚接触者に対する対策、長期に亘るテレワークによる健康状況、メンタルヘルスなどの医療・健康関連の情報ニーズが多岐にわたり、適切な医療情報の発信を求められています。 このような中、「健康・医療・介護」を包摂した医療全般に浸透・普及させるため、厚生労働省や総務省が情報化推進を行っております。加えて、超高齢化社会、医療・健康関連テクノロジーの変革とともに、健康寿命の増進・医療資源の配分適正化が求められ、今後さらなる医療・健康産業の市場規模の拡大が見込まれております。 (注) 1.令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況によれば、医科診療所約10.5万件、歯科診療所約6.8万件となっており、また、令和4年度衛生行政報告例(就業医療関係者)によれば、薬局約6.3万件、柔道整復の施術所約5.1万件となっており、これらを合算した事業所数として算出しております。2.現状、当社グループのサービスの提供ターゲットは、歯科診療所、および、医科診療所であります。令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況によれば、医科診療所約10.5万件、歯科診療所約6.8万件となっており、これらを合算した事業所数として算出しております。3.2018年3月期以降メディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業領域のサービスにおいて顧客とのタッチポイント件数(両事業がスタートしたのが2018年3月期であるため2018年3月期以降としております) 2025年3月期第3四半期末時点4.2018年3月期以降メディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業領域のサービスを契約いただいた顧客数(両事業がスタートしたのが2018年3月期であるため2018年3月期以降としております) (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中長期的な企業価値最大化を目指す上で、売上高、営業利益のほか、成長性と収益性を重視しており、売上高成長率、営業利益率を重要な指標としております。具体的には、全国の拠点ごとの顧客数の最大化を図ると同時に、サービスラインナップの強化を図ることで、「セグメント別の契約件数の増加」に取り組んでまいります。また、これらを実現するため、営業人員一人当たり売上高(注)についても重要指標として捉えております。2026年3月期においては、営業人員一人当たり売上高31,587千円、メディカルプラットフォーム事業の年間契約件数4,627件、スマートクリニック事業の自動受付精算機及びセルフ精算レジは年間契約件数482件、CLINIC BOTやNOMOCa AI chatを含むソフトウエアサービスは年間契約件数1,117件となっておりますが、これらを最大化するための営業人員の採用、教育、サービスラインナップへの投資を今後も行っていく方針です。(注) 単体売上高を当社に所属する期初営業人員数と期末営業人員数の平均値で除して算出しています。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記を踏まえ、当社グループは以下の項目を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として認識しており、これに対処してまいります。 ① 既存事業の継続的な成長持続的な成長を続けるためには、既存事業であるメディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業を通じた医療業界における顧客基盤の拡大、及び、顧客単価の向上が重要であると考えております。既存事業においては、これまでサービス単価の観点から成約に至っていない層に向けた低単価サービスの企画開発を行うことで、顧客数の更なる拡大を目指してまいります。また既存の顧客に対しては、顧客の声を取り入れながらサービスの改善を行い、顧客満足度の向上やオプションサービス(メディカルプラットフォーム事業では、動画を組み込んだ記事作成、スマートクリニック事業では、QR決済機能オプション)等によるアップセルを図り、顧客単価の向上に努め、継続的な成長を目指してまいります。加えて、メディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業の両事業において顧客生涯価値の向上を重要指標として位置づけ、継続的な収益基盤の強化を図るとともに、2026年4月1日を効力発生日とする株式会社GENOVA DESiGNの吸収合併により、経営資源の集約及び意思決定の迅速化を実現し、運営効率の向上を図ってまいります。また、当社は2026年4月1日開催の取締役会において、有限会社アカサカ歯材社の全持分を取得し、子会社化することを決議し、同年4月21日に取得を完了いたしました。今後は、同社および新たにグループへ参画した株式会社ASANOとのPMI(経営統合プロセス)を加速させ、顧客基盤とノウハウの融合によるクロスセルの強化や新サービスの創出を通じて、グループ全体のシナジー最大化に努めてまいります。 ② 組織体制の強化今後、日本では世界が経験したことのない高齢化社会を迎えようとしており、当社グループが属する市場においては、事業環境の変化がますます激しくなっていくことが予測されます。こうした変化に対応すべく、当社グループでは、顧客基盤の拡大、既存サービスの信頼性・利便性の強化及び新規事業開発等の様々な取り組みにより継続的な成長を図っていくことが必要であると考えております。その実行のためには、各事業フェーズに沿った組織デザインの整備及び多様なバックグラウンドを有する優秀な人材の採用・育成により、持続的成長が可能な組織体制をさらに強化していくことが重要であると認識しております。このような組織体制の強化を実現するためにも当社グループでは様々な経営資源の活用により、事業環境の変化により生じる課題に取り組んでまいります。また、今後の継続的なM&Aによる事業拡大を見据え、柔軟かつ強固なグループ管理体制の構築を推進してまいります。新たな拠点や人員が加わった際にも、グループ全体として一体的な運営が可能となるよう、管理体制及び意思決定プロセスの整備を進めてまいります。 ③ 人的資本経営の推進と営業組織のエンゲージメント向上当社グループの持続的成長には、優秀な人材の適時採用と育成が不可欠です。現状、営業職の平均勤続年数は他職種に比べ短い傾向にありますが、この課題に対し、2026年4月に新設した「戦略人事部」を中心に抜本的な対策を講じております。具体的には、成果に報いる公正な評価報酬制度の刷新やインフレに対応した処遇改善を推進するとともに、入社前後の期待値ギャップを解消する採用プロセスの厳格化、及び入社直後の立ち上がり支援を強化しております。また、管理型から自律型組織への文化変革を進めることで、社歴に関わらず個々の専門性が正当に評価され、長期的に活躍できる職場環境の整備に努めております。これらの施策を通じて、人材のリテンション(定着)とエンゲージメントの向上を図り、組織全体の労働生産性を高めることで、事業計画の着実な遂行と業績への貢献を実現してまいります。 ④ 情報管理体制の強化当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱っております。そのため、当社グループでは、情報管理体制を事業上の重要事項と認識しており、当該情報の取扱いについては、情報管理規程等や業務フローを定めて厳格に管理しております。また、全従業員を対象とした社内教育、当該情報管理体制の構築・運用に積極的に取り組んでおります。なお、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得しており、情報管理の徹底を行っております。加えて、グループの拡大に伴い、全体での情報管理水準の統一及び高度化が重要であると認識しており、当該管理体制を新たに加わったグループ会社へも展開・浸透させてまいります。 ⑤ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化当社グループが持続的成長により中長期的な企業価値を創出するには、利用者(患者)・医療関係者・従業員・地域社会等の多様なステークホルダーとの協働が不可欠と考えております。このような多様なステークホルダーからの信頼を得るためにはコーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の更なる強化により、公正・透明な経営を行うことが重要な経営課題と考えており、コンプライアンス体制及び内部管理体制の強化を図ってまいります。また、M&Aの推進に伴う事業規模の拡大を踏まえ、グループ全体として統一されたガバナンス体制の構築を進め、リスク管理及び内部統制の実効性向上に努めてまいります。 ⑥ 財務上の課題当社グループは、これまで金融機関からの借入に大きく依存せず、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした財務基盤を維持しており、優先的に対処すべき財務上の課題はありません。一方で、今後はM&Aの実行やグループ再編に伴う資金需要の増加が見込まれることから、これらの成長投資機会を適切に捉えつつ、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを図ってまいります。上記事業上の課題に対する対処及び継続的な設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処するなど、財務体質の更なる強化に努めてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針当社グループのミッションは、「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」であります。医療は人々にとって必要不可欠な存在でありますが、利用者(患者)が知りたい情報が正確に伝わらず、健康・病気・治療に不安を抱いております。また利用者(患者)と医療従事者は快適な医療体験を求めており医療行為ではない待ち時間、受付業務、精算業務に不満を抱いております。当社グループは、メディカルプラットフォーム事業とスマートクリニック事業を通じて、このような不安と不満の解決を図り、事業譲渡契約によりグループインした子会社の株式会社ASANOの歯科流通事業及びDX事業による歯科医療用機器・器材・材料・薬品等の開発・販売、歯科医院用クラウドサービスの開発・販売によって社会的な責任を果たしながら継続的な企業価値の向上に努めてまいります。 (2) 経営戦略当社は以下の4つの項目について注力してまいります。① クライアント基盤の更なる拡大多くの人々に支持されるサービスを背景に、現在のクライアントである医科・歯科診療所シェアの更なる拡大を目指してまいります。継続的な新規顧客の開拓に加え、過去受注した顧客に対する再販を加速することで更なる成長を目指します。 ② 契約件数の拡大当社グループでは契約件数を重視しており、セグメント別の年間契約件数の増加を目指します。 ③ 人材の採用・育成顧客開拓及び契約数の増加において欠かせないのがサービスを届ける人材です。積極的な教育投資及び採用投資を実施してまいります。 ④ 新サービス・新事業の創出当社グループの各ステークホルダー(利用者<患者>、医療機関従業員、医療機関経営者<医師>等)の課題解決を実現するために、新たなサービスの開発を進めてまいります。また、非連続的な成長の創出にも積極的に取り組むため、外部企業との事業提携も引続き検討し、提供できるサービスのラインアップを拡充いたします。 (3) 経営環境当社グループの事業が対象とする市場は、医療業界における広告市場、医療システム市場および歯科流通市場です。当社グループは、医療機関全体で28.6万事業所(注1)を市場全体のターゲットと考えており、そのうち、17.3万医院(注2)が、現在のサービスで提供可能なターゲット範囲と考えており、大きな開拓余地があると考えております。このような市場環境下において、多くの顧客を獲得するため、当社グループでは営業組織の拡充に取り組んでまいりました。当社グループではメディカルプラットフォーム事業のメインサービスである「Medical DOC」(医療メディア)とスマートクリニック事業の「NOMOCa Stand、NOMOCa Regi」(自動精算機・再来受付機等)、「CLINIC BOT」(LINEを使ったCRMサービス)、「NOMOCa AI chat」(電話業務を削減するchatbotサービス)を提供しております。Medical DOCでは医療機関との適切な患者マッチングを実現すべくサービスを提供しており、全国10つの地域に営業拠点を展開しております。NOMOCaシリーズでは医院の業務負荷軽減を目指してサービスを展開しており、全国10つの営業拠点に加え、多くの代理店網を整備しております。医療機関の業務負荷軽減のニーズは今後益々加速すると考えられ、自社サービスはもとより、他社サービスと連携することで拡充し、シェア拡大はもちろんのこと、クロスセルによる更なる成長を目指します。そのような販売体制で、更に薬局や柔道整復の施術所など医療周辺領域においても同様の課題は存在するため、当該市場シェアを獲得していくことも将来的な戦略としております。加えて当連結会計年度においては、事業譲渡契約によりグループインした子会社の株式会社ASANOが2025年7月1日から事業を開始しており、当子会社は「歯科医療の今と未来を繋ぐ」をミッションに掲げ、歯科医療用機器・器材・材料・薬品等の開発・販売、歯科医院用クラウドサービスの開発・販売の2事業を主に行っております。当社として当子会社の事業を開始するにあたり、最適なサプライチェーンの構築とグループのマーケティング・DX領域との連携により、医療現場の課題解決と新たな価値創出の貢献を目指しております。また、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、医療機関と診療所の機能分化・連携等の推進、かかりつけ機能の普及、医療・介護分野におけるデータ利活用やオンライン化の加速、PHR(Personal Health Record:個人の健康・医療・介護に関する情報)の拡充も含めたデータヘルスオンラインでの健康相談の活用の推進などの対策が政府により掲げられており、その他にも新型コロナウイルス感染者や濃厚接触者に対する対策、長期に亘るテレワークによる健康状況、メンタルヘルスなどの医療・健康関連の情報ニーズが多岐にわたり、適切な医療情報の発信を求められています。 このような中、「健康・医療・介護」を包摂した医療全般に浸透・普及させるため、厚生労働省や総務省が情報化推進を行っております。加えて、超高齢化社会、医療・健康関連テクノロジーの変革とともに、健康寿命の増進・医療資源の配分適正化が求められ、今後さらなる医療・健康産業の市場規模の拡大が見込まれております。 (注) 1.令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況によれば、医科診療所約10.5万件、歯科診療所約6.8万件となっており、また、令和4年度衛生行政報告例(就業医療関係者)によれば、薬局約6.3万件、柔道整復の施術所約5.1万件となっており、これらを合算した事業所数として算出しております。2.現状、当社グループのサービスの提供ターゲットは、歯科診療所、および、医科診療所であります。令和4(2022)年医療施設(動態)調査・病院報告の概況によれば、医科診療所約10.5万件、歯科診療所約6.8万件となっており、これらを合算した事業所数として算出しております。3.2018年3月期以降メディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業領域のサービスにおいて顧客とのタッチポイント件数(両事業がスタートしたのが2018年3月期であるため2018年3月期以降としております) 2025年3月期第3四半期末時点4.2018年3月期以降メディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業領域のサービスを契約いただいた顧客数(両事業がスタートしたのが2018年3月期であるため2018年3月期以降としております) (4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、中長期的な企業価値最大化を目指す上で、売上高、営業利益のほか、成長性と収益性を重視しており、売上高成長率、営業利益率を重要な指標としております。具体的には、全国の拠点ごとの顧客数の最大化を図ると同時に、サービスラインナップの強化を図ることで、「セグメント別の契約件数の増加」に取り組んでまいります。また、これらを実現するため、営業人員一人当たり売上高(注)についても重要指標として捉えております。2026年3月期においては、営業人員一人当たり売上高31,587千円、メディカルプラットフォーム事業の年間契約件数4,627件、スマートクリニック事業の自動受付精算機及びセルフ精算レジは年間契約件数482件、CLINIC BOTやNOMOCa AI chatを含むソフトウエアサービスは年間契約件数1,117件となっておりますが、これらを最大化するための営業人員の採用、教育、サービスラインナップへの投資を今後も行っていく方針です。(注) 単体売上高を当社に所属する期初営業人員数と期末営業人員数の平均値で除して算出しています。 (5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題上記を踏まえ、当社グループは以下の項目を優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題として認識しており、これに対処してまいります。 ① 既存事業の継続的な成長持続的な成長を続けるためには、既存事業であるメディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業を通じた医療業界における顧客基盤の拡大、及び、顧客単価の向上が重要であると考えております。既存事業においては、これまでサービス単価の観点から成約に至っていない層に向けた低単価サービスの企画開発を行うことで、顧客数の更なる拡大を目指してまいります。また既存の顧客に対しては、顧客の声を取り入れながらサービスの改善を行い、顧客満足度の向上やオプションサービス(メディカルプラットフォーム事業では、動画を組み込んだ記事作成、スマートクリニック事業では、QR決済機能オプション)等によるアップセルを図り、顧客単価の向上に努め、継続的な成長を目指してまいります。加えて、メディカルプラットフォーム事業及びスマートクリニック事業の両事業において顧客生涯価値の向上を重要指標として位置づけ、継続的な収益基盤の強化を図るとともに、2026年4月1日を効力発生日とする株式会社GENOVA DESiGNの吸収合併により、経営資源の集約及び意思決定の迅速化を実現し、運営効率の向上を図ってまいります。また、当社は2026年4月1日開催の取締役会において、有限会社アカサカ歯材社の全持分を取得し、子会社化することを決議し、同年4月21日に取得を完了いたしました。今後は、同社および新たにグループへ参画した株式会社ASANOとのPMI(経営統合プロセス)を加速させ、顧客基盤とノウハウの融合によるクロスセルの強化や新サービスの創出を通じて、グループ全体のシナジー最大化に努めてまいります。 ② 組織体制の強化今後、日本では世界が経験したことのない高齢化社会を迎えようとしており、当社グループが属する市場においては、事業環境の変化がますます激しくなっていくことが予測されます。こうした変化に対応すべく、当社グループでは、顧客基盤の拡大、既存サービスの信頼性・利便性の強化及び新規事業開発等の様々な取り組みにより継続的な成長を図っていくことが必要であると考えております。その実行のためには、各事業フェーズに沿った組織デザインの整備及び多様なバックグラウンドを有する優秀な人材の採用・育成により、持続的成長が可能な組織体制をさらに強化していくことが重要であると認識しております。このような組織体制の強化を実現するためにも当社グループでは様々な経営資源の活用により、事業環境の変化により生じる課題に取り組んでまいります。また、今後の継続的なM&Aによる事業拡大を見据え、柔軟かつ強固なグループ管理体制の構築を推進してまいります。新たな拠点や人員が加わった際にも、グループ全体として一体的な運営が可能となるよう、管理体制及び意思決定プロセスの整備を進めてまいります。 ③ 人的資本経営の推進と営業組織のエンゲージメント向上当社グループの持続的成長には、優秀な人材の適時採用と育成が不可欠です。現状、営業職の平均勤続年数は他職種に比べ短い傾向にありますが、この課題に対し、2026年4月に新設した「戦略人事部」を中心に抜本的な対策を講じております。具体的には、成果に報いる公正な評価報酬制度の刷新やインフレに対応した処遇改善を推進するとともに、入社前後の期待値ギャップを解消する採用プロセスの厳格化、及び入社直後の立ち上がり支援を強化しております。また、管理型から自律型組織への文化変革を進めることで、社歴に関わらず個々の専門性が正当に評価され、長期的に活躍できる職場環境の整備に努めております。これらの施策を通じて、人材のリテンション(定着)とエンゲージメントの向上を図り、組織全体の労働生産性を高めることで、事業計画の着実な遂行と業績への貢献を実現してまいります。 ④ 情報管理体制の強化当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱っております。そのため、当社グループでは、情報管理体制を事業上の重要事項と認識しており、当該情報の取扱いについては、情報管理規程等や業務フローを定めて厳格に管理しております。また、全従業員を対象とした社内教育、当該情報管理体制の構築・運用に積極的に取り組んでおります。なお、ISO27001(情報セキュリティマネジメントシステム)を取得しており、情報管理の徹底を行っております。加えて、グループの拡大に伴い、全体での情報管理水準の統一及び高度化が重要であると認識しており、当該管理体制を新たに加わったグループ会社へも展開・浸透させてまいります。 ⑤ コーポレート・ガバナンス及び内部管理体制の強化当社グループが持続的成長により中長期的な企業価値を創出するには、利用者(患者)・医療関係者・従業員・地域社会等の多様なステークホルダーとの協働が不可欠と考えております。このような多様なステークホルダーからの信頼を得るためにはコーポレート・ガバナンス体制及び内部管理体制の更なる強化により、公正・透明な経営を行うことが重要な経営課題と考えており、コンプライアンス体制及び内部管理体制の強化を図ってまいります。また、M&Aの推進に伴う事業規模の拡大を踏まえ、グループ全体として統一されたガバナンス体制の構築を進め、リスク管理及び内部統制の実効性向上に努めてまいります。 ⑥ 財務上の課題当社グループは、これまで金融機関からの借入に大きく依存せず、資金需要は自己資金及び営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とした財務基盤を維持しており、優先的に対処すべき財務上の課題はありません。一方で、今後はM&Aの実行やグループ再編に伴う資金需要の増加が見込まれることから、これらの成長投資機会を適切に捉えつつ、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを図ってまいります。上記事業上の課題に対する対処及び継続的な設備投資を実行できるよう、内部留保の確保と株主還元の適切なバランスを検討し、既存事業の営業キャッシュ・フローの改善等に対処するなど、財務体質の更なる強化に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態の状況(資産)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ1,729,671千円増加し、10,255,867千円となりました。これは主にのれんが1,031,470千円増加したこと、繰延税金資産が407,305千円増加したことによるものであります。(負債)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ1,829,733千円増加し、3,357,273千円となりました。これは主に長期借入金が617,990千円増加したこと、長期前受収益が503,411千円増加したこと、買掛金が331,756千円増加したことによるものであります。(純資産)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ100,062千円減少し、6,898,593千円となりました。これは主に新株予約権が133,229千円増加したこと、親会社株主に帰属する当期純利益275,397千円を計上した一方、剰余金の配当で519,195千円減少したことにより、利益剰余金が減少したことによるものであります。 ② 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や堅調な企業収益を背景に、個人消費や設備投資の持ち直しやインバウンド需要の拡大などで、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、継続的な物価上昇に伴う家計への負担が懸念されるほか、中東情勢の緊迫化及び米国の通商政策の動向など依然として先行きが不透明な状況が続いております。このような経済環境の下、当社グループは「ヒトと医療をつないで健康な社会を創る」をミッションに掲げ、最適な医療情報の提供やクリニックの業務効率化などに取り組んでまいりました。当社グループの主力事業であるメディカルプラットフォーム事業は、信頼性の高い医療情報を提供する日本最大級のヘルスケアプラットフォーム「Medical DOC」において、引き続き専門医監修の医療記事、クリニック検索・紹介、医院紹介などのタイアップ記事が好評であり、当第4四半期は第3四半期よりPV数は増加となりました。「Medical DOC」は、医師や医療アドバイザーが監修している信頼性の高い記事であり、重度の病気に対する記事も多く含まれていることから当社の医療関連記事はChatGPTを含む生成AIに参照されるケースが増加しており、生成AIの回答からMedical DOCのページにランディングするなど、今後も引き続きこの好循環が継続するものと考えております。また、スマートクリニック事業においても、自動受付精算機の「NOMOCaシリーズ」や株式会社未来トレンド研究機構が2025年10月に実施した「チャットボット(クリニック業界向け)」に関する市場調査」において3部門でNo.1となった「NOMOCa AI chat」など、主力ソリューションは引き続き医療機関から高い評価を受けております。AI電話自動応答サービス「NOMOCa AI call」もサービス開始から1年が経過し、サービスのPDCAサイクルを回すことで品質は飛躍的に向上し、現在は患者さんからのお問い合わせ(診療時間や休診日など)に対して対話型AIが、人に近い音声で対応できるようになっております。これにより、従前の機械音声とは異なり、聞き取りやすく抑揚のある音声での対応が可能になったため、導入に踏みきっていただくクリニックも増え、電話対応業務にかかっていた時間やコスト削減が可能となり、スタッフの業務効率化を実感いただいております。さらに、患者さんの利便性向上とサービスレベルの改善も期待でき、満足度の向上にも繋がるサービスとなっております。なお、当連結会計年度においては、事業譲渡契約によりグループインした子会社の株式会社ASANOが2025年7月1日から事業を開始しており、当子会社は「歯科医療の今と未来を繋ぐ」をミッションに掲げ、歯科医療用機器・器材・材料・薬品等の開発・販売、歯科医院用クラウドサービスの開発・販売の2事業を主に行っております。当社として当子会社の事業を開始するにあたり、最適なサプライチェーンの構築とグループのマーケティング・DX領域との連携により、医療現場の課題解決と新たな価値創出の貢献を目指しておりますが、従前民事再生を申請していたことから、当連結会計年度においても、引き続き主要取引先との取引再開に時間を割いております。新たな子会社のグループインも含め、人的資本経営のより重要性が問われる現在ですが、営業人員一人当たりの生産性も改善し、親子会社間でも営業とサービスが連携しながら取り組みを強化しております。このような様々な取り組みは、当社グループの主力事業のオーガニック成長に貢献し、また、非連続的な成長の創出にも積極的に取り組むため、新事業・新サービスに向けた事業提携も引き続き検討を進めております。これらの結果、当連結会計年度における売上高は11,565,971千円(前年同期比15.6%増)となり、営業利益は400,375千円(前年同期比80.2%減)、経常利益は432,436千円(前年同期比78.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は275,397千円(前年同期比80.5%減)となりました。 セグメント別の経営成績は次のとおりであります。当社グループの報告セグメントは「メディカルプラットフォーム事業」、「スマートクリニック事業」、「その他」の3つとしておりましたが、株式会社ASANOの設立及び事業譲受に伴い、当連結会計年度より事業セグメントの区分方法の見直しを行うことといたしました。その結果、「メディカルプラットフォーム事業」、「スマートクリニック事業」、「歯科流通事業」、「DX事業」、「その他事業」の5つとなっております。なお、2025年7月1日付で株式会社ASANOを子会社化したため、歯科流通事業及びDX事業の前年同期比較は記載しておりません。 (メディカルプラットフォーム事業)メディカルプラットフォーム事業では、超高齢化社会を迎えた現代の日本において健康寿命増進という社会課題を解決すべく、利用者の皆様により一層適切な情報へアクセスいただくことを目的としており、日本最大級のヘルスケアプラットフォーム「Medical DOC」を中心に、医療機関と患者さんへの適切な医療情報のマッチングを引き続き実現しております。「Medical DOC」は、月間PV数が直近では横ばい圏で推移しておりましたが、2026年1月から3月の3カ月平均では1,546万PV超となっており、2025年10月から12月の3カ月平均のPV数と比べ増加となりました。「Medical DOC」の記事は、医師や医療アドバイザーが監修している信頼性の高い記事であり、検索のアルゴリズムに沿ったものであり、かつ生成AIの参照元としても利用されており、PVの増加はもちろん、プラットフォームとしての価値も上がってきております。このような背景もあり、主たるサービスである当社の医療機関の紹介記事やそれに付帯するサービスの反響も大きく、当連結会計年度において契約件数は4,627件となりました。このような取り組みの結果、セグメント売上高は5,034,669千円(前年同期比19.7%減)、セグメント利益は1,784,678千円(前年同期比43.2%減)となりました。 (スマートクリニック事業)スマートクリニック事業では、「クリニックオートメーションによる患者さんの利便性・クリニックの生産性最大化」をビジョンに掲げ、主にクリニックの業務効率化を進め、医療人材不足への対応、不要な医療事務業務の撲滅、患者さんの待ち時間短縮を目指し、サービス開発を進めております。受付業務の省力化・電話件数の削減を目的とした「NOMOCa AI chat」の販売に続き、前連結会計年度の第3四半期においては、電話対応を完全自動化させる「NOMOCa AI call」の提供を開始いたしました。当サービスの提供は、ChatとCallの商品があることにより、クリニックの最も負荷が多い受付業務である「電話業務」にかかる時間やコストを削減し、医療DX化により、ヒトからAIへタスクシフトすることでスタッフに余裕を生み出すこと、更には患者さんの利便性が向上することが可能となる取り組みになります。前連結会計年度の第3四半期から開始した無償トライアルを含め、現時点では既存客を含めてサービスをご利用いただき、サービスのPDCAサイクルを引き続き回しております。現時点では無償と有償含めて209件の契約を締結させていただき、サービスの提供を進めており、当連結会計年度においては、主力サービスに成長いたしました。今後も医療機関の事務業務量の課題を解決するとともに、「クリニックオートメーションによる患者さんの利便性・クリニックの生産性最大化」という当事業のビジョンを達成するために引き続き取り組んでまいります。このような取り組みの結果、セグメント売上高は3,354,787千円(前年同期比5.7%増)、セグメント利益は553,376千円(前年同期比4.4%減)となりました。 (歯科流通事業)歯科流通事業では、当社子会社である株式会社ASANOが「歯科医療の今と未来を繋ぐ」というビジョンのもと、卸売業を成長エンジンの一つに据え、DX事業との連動で収益性と持続成長性の両立を進めております。卸売業では、海外先進メーカーと国内大手とのアライアンスを一段と深化させ、歯科用CT、口腔内スキャナー、AI画像診断といったデジタル診断、3DプリンターやCAD/CAM、治療用レーザー等の精密治療機器、予防・メンテナンス機器まで高付加価値領域を拡充し、医院の診断精度・治療効率・患者負担軽減を同時実現しています。単なる機器納入に留まらず、デジタル導入に伴うワークフロー再設計、スタッフ研修、保守・校正を含む長期契約、ファイナンス提案、開業支援をパッケージ化しており、網羅的なソリューションを提供しております。これにより初期負担を抑えつつ投資回収を明確化し、消耗材・保守を含む継続収益を強化することで、製品ミックスの高付加価値化と在庫回転の改善を同時に進めております。また、仕入価格・物流費の変動には複線調達と価格最適化で対応し、為替リスクと供給網の不確実性を抑制しております。加えて、アフターメンテナンスの即応体制を再構築し、稼働率向上と顧客満足の向上がクロスセル・リピートに寄与しています。当社グループとしては、当社のマーケティングオートメーションとインサイドセールスを活用し、見込み顧客の質と量の改善を図っております。案件化から受注、保守契約・クラウドサービス契約への展開までパイプライン管理を高度化し、CACの早期回収に繋げています。今後もアライアンス拡大、価格・在庫の精緻運営、プロダクト・サービスの連携強化により、現場で選ばれる提案力と安定したキャッシュ・フローを確立し、中長期の成長機会を的確に捉えてまいります。このような取り組みの結果、セグメント売上高は2,391,401千円、セグメント損失は140,514千円となりました。 (DX事業)DX事業では、医療機関向けのDXソリューションの提供を行っております。具体的には、クラウド型のカルテサービス「カルテクラウド」の導入や、予約管理などのクラウド型サービスを提供し、LINEと連携している「クリニッククラウドGR」の導入を加速しております。予約の完全自動化で電話・受付業務を大幅に削減し、24時間の予約・変更を可能にすることで患者利便性を高めています。導入先では、業務内容の可視化テンプレートを用いて作業標準化を支援し、権限設計・監査ログにより在宅勤務の可否判断と遠隔運用の統制を担保し、オンボーディングとeラーニングを強化して導入担当者の不安を解消することで、解約率の低位安定を促進しています。卸売業の広範な顧客網とDXのクラウドサービスを一体提案することで導入障壁を下げ、LTVの最大化とストック収益の積み上げを実現しています。 このような取り組みの結果、セグメント売上高は311,686千円、セグメント利益は85,144千円となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ554,729千円減少し、5,317,442千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、196,159千円(前連結会計年度は1,194,851千円の収入)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益507,658千円、仕入債務の増加331,756千円、株式報酬費用135,944千円、主な減少要因は、売上債権の増加額242,590千円、法人税等の支払額666,106千円であります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、952,054千円(前連結会計年度は275,933千円の支出)となりました。主な減少要因は、事業譲受による支出675,714千円、有形固定資産の取得による支出98,729千円、敷金及び保証金の差入による支出178,410千円であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果得られた資金は、199,631千円(前連結会計年度は1,014,917千円の支出)となりました。主な増加要因は、長期借入による収入824,000千円、主な減少要因は、配当金の支払額519,195千円、長期借入金の返済による支出109,125千円であります。 ④ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。 b.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)セグメントの名称受注高(千円)前期比(%)メディカルプラットフォーム事業4,821,23979.4スマートクリニック事業2,977,865115.5 その他229,12578.0合計8,028,23089.7 (注)歯科流通及びDX事業は、提供するサービスの性格上、当該記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)セグメントの名称販売高(千円)前期比(%)メディカルプラットフォーム事業5,034,66980.3スマートクリニック事業3,347,582105.5歯科流通事業2,391,401-DX事業311,686- その他480,63085.1合計11,565,971115.6 また、サービスごとの販売実績は次のとおりであります。 当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)サービスの名称販売高(千円)前期比(%)Medical DOC5,032,52280.3NOMOCa2,997,287105.2CLINIC BOT179,60383.2スケッチピストン157,578155.2歯科用商材2,391,401-DXサービス311,686-その他495,89086.5合計11,565,971115.6 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、その割合が100分の10以上に該当する相手先がないため記載を省略しております。(注)2.2025年7月1日付で株式会社ASANOを子会社化したため、歯科流通事業及びDX事業の前年同期比較は記載しておりません。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える判断・仮定・見積りを必要としておりますが、これらは期末日における資産・負債の金額、開示期間の収益・費用の金額及び開示情報に影響を与えます。ただし、これらの見積り、判断並びに仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。連結財務諸表に関して、経営者が認識している特に重要な見積りを伴う会計方針は、以下のとおりです。 貸倒引当金当社は、債権の貸倒損失に備えるため一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。経済環境や取引先の経営環境の急激な悪化などに起因し、貸倒実績率を超える債権の貸倒れや回収遅延が生じた場合、追加で貸倒引当金の計上が必要となる可能性があります。 のれんの減損当社グループは、のれんについて、発生日以降20年以内の年数(主として国内連結子会社は14年間)で均等償却しております。減損の兆候があると認められる場合には、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額と帳簿価額を比較することによって、減損損失の認識の要否を判定しておりますが、当連結会計年度において減損の兆候はないと判断しております。のれんの金額の算定の基礎となる事業計画は過去の実績等に基づく見積り販売単価、見込み受注数等を主要な仮定としております。これらの主要な仮定は見積りの不確実性を伴うため、重要な変更が生じ超過収益力が毀損していると判断された場合には、将来においてのれんの減損処理が必要となる可能性があります。 ② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりであります。 b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(売上高)当連結会計年度における売上高は、メディカルプラットフォーム事業では運営するメディアのPV数が増加したことから顧客事業所数は依然として高い水準を維持し、契約件数が4,627件(前期は4,900件)となりました。スマートクリニック事業では精算業務の改善ニーズに加え、医療機関のDX化の推進もあり、新サービスのNOMOCa AI chatの自動チャットボットが順調なニーズを捉え契約件数がハードウェアとソフトウエアを合算して1,599件(前期は1,516件)と伸長し、スマートクリニック事業において契約件数が増加したことや、サービスごとの営業手法の改善や組織的な営業効率の改善やオンライン商談の定着により営業効率が向上した結果、11,565,971千円(前期比15.6%増)となりました。 (売上原価、売上総利益)当連結会計年度における売上原価は、事業セグメントのうち、新たに追加した歯科流通事業の原価比率が高まったことにより44.0%となり、5,095,493千円(前期比93.9%増)となりました。その結果、売上総利益は6,470,477千円(前期比12.3%減)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、積極的に採用を実施したことに伴う人員の増加や株式会社ASANOの設立及び事業譲受により、人件費が428,139千円増加したことから、6,070,101千円(前期比13.4%増)となりました。その結果、営業利益は400,375千円(前期比80.2%減)となりました。 (営業外収益、営業外費用、経常利益)当連結会計年度における営業外収益は38,634千円となり、営業外費用は6,574千円となりました。その結果、経常利益は432,436千円(前期比78.6%減)となりました。 (特別利益、特別損失)当連結会計年度における特別利益は77,846千円、特別損失は2,624千円となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、法人税等を232,260千円計上したことにより、275,397千円(前期比80.5%減)となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。当社グループは、事業運営上、必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの主な資金需要は、事業規模の拡大による人件費に係る運転資金となります。これらの資金需要につきましては、自己資金によることを基本としておりますが、必要に応じて銀行借入で調達する方針であります。当社グループの事業は先行投資となる仕入等は無く、提供サービスに対する対価を顧客から受領するビジネスモデルであります。現時点で、短期的な資本の財源及び資金の流動性に問題はありませんが、今後も資金の残高及び各キャッシュ・フローの状況を常にモニタリングしつつ、資本の財源及び資金の流動性の確保・向上に努めて参ります。 ④ 経営成績に重要な影響を与える要因について「3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社は常に市場動向、政府の政策に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保と育成等に力を入れ、当社の経営成績に重要な影響を与えるリスクに対し、適切に対応を行ってまいります。 ⑤ 経営の問題意識と今後の方針について今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照ください。 ⑥ 経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について当社グループは、事業の進捗を図るため売上高及び営業利益を重要な経営指標としており、高い成長と高収益な事業体制を構築するため売上高成長率と営業利益率についても重要な経営指標としております。また、売上高を構成する要素として主要なセグメント別の年間契約件数を経営成績に影響を与える重要な指標として捉えております。加えて、当社グループは全国の医療機関に向けた営業力を強みとしており、それを図る指標として、営業人員一人当たり売上高を重要な経営指標として位置付けております。当該指標に対する今後の方針としては、主要な2軸のセグメントをそれぞれ強化していくことで売上高、営業利益の成長につなげていきたいと考えております。また、顧客満足度の向上の結果セグメント別の年間契約件数及び営業人員一人当たり売上高の増加に繋がると考えており、顧客満足度の向上を促すためのサポート体制を構築しております。なお、各指標については、売上高は株式会社ASANOの設立及び事業譲受もあり、堅調に伸長いたしました。売上高成長率は15%を超過しており、経営目標の達成に向けて進捗は良好であると判断しております。 決算情報等第20期連結会計年度第21期連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高(千円)10,006,10111,565,971営業利益(千円)2,026,131400,375売上高成長率(%)15.215.6営業利益率(%)20.23.5年間契約件数(件) メディカルプラットフォーム事業4,9004,627スマートクリニック事業1,5161,599営業人員一人当たり売上高(千円)38,93431,587
事業リスク
- 医療業界への高い依存同社グループの売上高の多くは医療機関へのサービス提供によるもので、医療業界の広告市場およびシステム市場に大きく依存しています。高齢化社会の進展により市場拡大が見込まれるものの、予期せぬ要因で市場が停滞・縮小した場合や、市場動向に対応できない場合には、事業や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- インターネット技術革新の影響メディカルプラットフォーム事業はインターネットを利用した事業展開を行っており、急速な技術革新が進むインターネット業界の影響を受けやすいです。予期しない技術革新や閲覧媒体・方法の変化、メディア運営に支障をきたす事象が発生し、これらに適時対応できない場合、事業や業績に影響を与える可能性があります。
- 生成AIの普及と競争激化生成AIの急速な普及は、医療情報の正確性や倫理的表現の担保、個人情報漏洩、著作権侵害といった新たな課題を生じさせる可能性があります。また、生成AIを活用した競合他社が低コストでサービス開発を進めた場合、同社グループが競争上不利な立場に置かれ、事業や業績に影響を与える可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中に記載している将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき当社グループが判断したものであります。 (1) 事業環境について① 業界への依存について当社グループは、医療機関を主要な顧客基盤としており、その事業領域は医療広告市場および医療システム市場ならびに歯科流通市場に特化しております。現在、日本国内における少子高齢化の進展や医療資源の最適配分への要請を背景に、医療・健康産業の市場規模は中長期的な拡大が見込まれております。しかしながら、医療制度の抜本的な変更、診療報酬や自由診療に関する法的規制の改定、あるいは予測不能な社会情勢の変化により、市場の成長が停滞または縮小する可能性があります。また、テクノロジーの急速な進化に対し、当社グループのサービス開発が適時に対応できない場合には、競争力が低下し、当社グループの事業展開および業績に影響を及ぼす恐れがあります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、サービス部門の人員体制強化を通じて顧客ニーズの変化を迅速にフィードバックできる体制を構築するとともに、生成AIの活用や医療DXの最新トレンドを常時モニタリングし、次世代サービスの開発・改良へ機動的に反映させております。また、医療行政の動向や業界内のパラダイムシフトを早期に察知すべく、外部専門機関とも連携し、複数のリスクシナリオに基づいた戦略策定を推進しております。これらの施策を通じて、市場動向への高い感度を維持し、変化を先取りした事業運営を行うことで、当該リスクが当社グループに及ぼす影響を最小限に留めるよう努めております。 ② インターネット関連市場について当社グループのメディカルプラットフォーム事業は、インターネットを利用した医療関連における事業展開を行っております。かかるインターネット業界においては、急速な技術革新が進んでおり、当社グループではこれらに対応すべく、最新の技術に関するセミナーや勉強会への出席及びパートナー企業との協業を通じた人材・知見の獲得により、最新の技術の把握に努め対応を図っております。ただし、予期しない技術革新(生成AIの普及に伴う情報検索・取得行動の変化、閲覧媒体の変化や閲覧方法の変化、インターネット上のメディア運営に支障を与える事象)等があった場合や適時な対応ができない場合には、インターネット利用の順調な発展が阻害され、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、技術動向について常時モニタリングを行い、社内の開発体制及び事業戦略を柔軟に見直す体制を構築しております。また、外部の専門機関や有識者との連携を強化し、リスクの早期発見と迅速な対応を図ることで、技術革新による影響を最小限に抑え、持続的な事業成長を実現できるよう努めてまいります。 ③ 事業領域特有の各種規制について当社グループが属している医療関連のインターネット市場では、サービス等を展開する上で、「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」及び「医療広告ガイドライン」等の各種法令や監督官庁の指針、ガイドライン等による規制の適用を受けております。また、連結子会社であるASANOにおいては、事業の遂行にあたり、関係法令に基づく許可、登録、届出その他の許認可等を要する事業を営んでおります。当社グループではこれら法規制及び許認可等に適切に対応し準拠して事業活動を行うため、規程やマニュアル、チェックリスト等を制定し、これらに基づいて業務を行っております。現在のところ、当社グループの事業に重大な影響を及ぼすような法令改正や新たな規制の導入は発生しておらず、ASANOの許認可事業についても、現時点において事業継続に重大な支障を及ぼす事情は生じておりません。また、当社グループでは、法務部を中心として各種規制の動向を常時把握し、法改正等に迅速かつ適切に対応できる体制を整えているほか、ASANOにおける許認可等の維持、更新その他法令遵守に必要な管理体制の整備に努めております。そのため、各種規制の改廃や新設が行われた場合、又はASANOにおいて必要な許認可等の維持若しくは更新ができず、若しくはこれらに関して行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性がありますが、現時点ではそのリスクは高くないと考えております。 ④ 競合について当社グループのメディカルプラットフォーム事業、スマートクリニック事業、歯科流通事業およびDX事業は、同様の事業領域において類似したサービスや商材を提供している企業が一定数存在しております。メディカルプラットフォーム事業は、医療情報を提供するメディアを運営し、医療機関から費用を頂くビジネスモデルではありますが、利用者のために分かりやすく正確な医療情報を提供することを目的として事業展開しております。また、スマートクリニック事業は、医療人材不足への対応・不要な医療事務業務の撲滅・患者の待ち時間短縮を目指してサービス開発を進めております。主に、医療機関の現場において必要となるレセプトコンピュータ等、他システムの連携性において、様々な企業が提供するシステムとの連携ができることや、医療機関現場のニーズを捉えた設計を可能とし、事業展開しております。さらに、歯科流通事業においては、歯科医療現場へ必要な資材や機器を安定的に供給する独自のネットワークを構築しております。加えて、DX事業においては、医療・歯科現場の各種業務プロセスをデジタル化し、データ活用や最新テクノロジーを通じて医療機関の抜本的な業務効率化と経営課題の解決を支援するサービスを提供しております。このような競争環境の下、当社グループでは徹底した利用者目線で事業を運営することを心がけており、「情報(メディア)」「システム」「流通」「DX」の4つのアプローチを掛け合わせた総合的なソリューションの提供を通じて、利用者(患者)と医療機関の不安と不満の解消を目指すべく、他社との差別化を図り事業展開しております。しかし、当領域においては、高齢化社会の進展等により今後も市場の成長が見込まれることから、新規参入や既存競合との競争激化等の影響により競争が激化した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。このような競争環境に対応するため、当社グループでは、医療現場との対話を通じて、現場ニーズを的確に把握し、サービスの改善・機能追加に迅速に反映できる体制を整えております。さらに、技術革新や医療制度の変化を見据えた柔軟な開発方針を採用するとともに、強固な流通網と高度なDX技術を融合させた他社にはない独自性のあるサービス提供を強化することで、競争優位性の確保に努めてまいります。また、既存顧客との関係強化やブランド価値の向上により、長期的な顧客ロイヤルティの獲得を図ることで、安定した収益基盤の構築に取り組んでおります。 ⑤ 生成AIの普及による業務・競争環境への影響生成AIの技術は急速に普及しており、導入・活用には、医療情報の正確性や倫理的表現の担保、個人情報漏洩リスク、著作権侵害の懸念など、新たな課題が生じてまいります。また、生成AIを活用した競合他社による急速なサービス開発や低コストオペレーションが進んだ場合、当社グループが市場において競争上の不利な立場に置かれる可能性も否定できません。当社グループでは、生成AIを単なる効率化ツールとしてではなく、あくまで「医療機関及び利用者の安心」を最優先とする視点から、慎重かつ段階的な導入を検討してまいります。現在は、AIが生成したコンテンツに対する社内ルール・ガイドラインの策定を含め、将来的な技術変化にも柔軟に対応できる体制構築の検討の段階におります。しかしながら、これらの対応が十分に機能せず、生成AI活用における適切なリスクコントロールが行われない場合には、サービスの信頼性低下や市場競争力の低下を招き、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社グループにおいては、社内外との連携を通じた適正な技術導入を進めていくと共に、生成AIとの共存を前提とした業務改革・人材教育・ガバナンス強化を今後も継続していく予定です。 (2) 事業運営に対して① 人材の確保及び育成について当社グループが持続的な成長を実現していくためには、医療関連の諸法令・規制等に関する高度な専門知識を有し、付加価値の高い情報コンテンツを制作・提供できる優秀な人材の確保及び育成が不可欠であります。当社グループでは、従来からの課題である営業職を中心とした早期離職(入社前後のミスマッチやスキル不足等)に対し抜本的な解決を図るとともに、労働生産性の向上と新たな価値創出を実現するため、2026年4月より人事・採用機能を統合した「戦略人事体制」へと移行いたしました。本体制のもと、以下の重点施策を通じて人事戦略の達成を推進しております。・組織文化・評価制度の刷新: 自律型組織への変革を促すとともに、成果に報いる公正な評価報酬制度を構 築・運用。・次世代リーダーの獲得・定着: 企業文化への適合性(カルチャーフィット)を重視した採用と、早期戦力化 支援の強化。・専門人材の最適配置: 事業計画に直結する高度な専門スキルを持つ人材の直接採用(ダイレクトリクルーテ ィング)と適正配置。・グループガバナンスの強化: 組織再編やM&Aに伴う人事統合プロセス(PMI)の主導と、グループ全体への人 事ポリシーの浸透。当社グループでは「人材は資本である」との認識のもと、昨今のインフレ状況を鑑みたベースアップの実施や、経営陣と人事部門が一体となった施策推進により、人材関連リスクの極小化に努めております。しかしながら、労働市場における採用競争のさらなる激化や、一連の人事組織改革・統合プロセスが計画通りに進捗せず、事業遂行に必要な人員を十分に確保・育成できない場合には、当社グループの事業展開、経営成績(営業利益等)及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 品質関連について当社グループは、提供するサービスの品質維持がブランド価値の根幹であり、競争力の源泉であると認識しております。事業領域ごとに想定される品質リスクに対し、以下の通り対応しております。メディカルプラットフォーム事業においては、発信する情報の正確性および信頼性が極めて重要です。制作した記事の品質低下や薬機法等の法令に抵触する不適切な表現があった場合、社会的信用の失墜により、事業および業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。このリスクを回避するため、専門知識を有する医療アドバイザーの増員および連携強化を図り、コンテンツの多角的な監修体制を構築しております。また、社内弁護士を起用することで、リーガルチェックの専門性と迅速性を高め、コンプライアンスを徹底した体制整備に努めております。スマートクリニック事業においては、技術の高度化や部材の多様化に伴い、出荷段階で予見できない欠陥や故障が製品に発生する可能性があります。これらにより、製品の返品・交換や損害賠償、リコール等が発生した場合には、多額の費用の発生や信頼低下を招く恐れがあります。当社グループでは、2024年2月に主要サプライヤーである株式会社APOSTROと総販売代理店契約を締結し、部材の品質管理から開発・販売に至るまでの管理体制を強固にしております。これにより、外部調達部材の品質保証水準を向上させ、製品の安全性を担保しております。歯科流通事業においては、取り扱う歯科用器材や消耗品等における仕入先由来の品質不良や、流通過程における汚損・破損、使用期限の超過等のトラブルが発生する可能性があります。これらにより、歯科医療現場での治療に支障が生じ、製品の回収対応や当社グループの信頼低下を招く恐れがあります。このリスクに対し、当社グループでは、仕入先に対する厳格な選定・評価を行うとともに、入出荷時の徹底した検品体制、およびロット管理や適正な温度管理等を含む適切な在庫・保管環境の整備を実施し、流通する製品の品質および安全性の維持に努めております。DX事業においては、提供するクラウドサービスやソフトウェアの不具合、サーバーダウン等のシステム障害、あるいはサイバー攻撃等によるデータ漏洩・消失が発生する可能性があります。これらの事象が生じた場合、医療機関の業務に重大な支障をきたし、損害賠償請求や当社グループの信用低下に発展する恐れがあります。このリスクに対し、当社グループでは、開発プロセスにおける厳格な品質保証(QA)体制を構築するとともに、定期的なセキュリティ診断の実施、インフラ環境の冗長化、およびシステムの常時監視体制を敷くことで、サービスの安定稼働と安全性の確保に努めております。各事業共通の対策として、万が一品質に関連する問題が発生した場合に備え、サポートセンターの体制を強化しております。人員の適正配置に加え、高度な対応教育を継続的に実施することで、事案発生時における迅速かつ適切な初動対応と被害の最小化を可能とする体制を構築しております。 ③ クレームについて当社グループの事業では、品質、サービス、納期、または電話営業等の手法に関し、顧客等から意見やクレームが発生する場合があります。これらを早期に把握・是正するため、当社グループでは以下の体制を構築しております。CS部(サポートセンター)においては、受電対応に加え、自ら顧客へのフォローコール、フォローメールやアンケート調査を実施することで、潜在的な不満の吸い上げに努めております。あわせて、営業部門が実施するテレマーケティング活動の監視・管理を行い、適切な営業手法の徹底を図っております。また、既存顧客のサポートを担うクライアントアカウント部においては、営業担当のディレクション業務を一部集約することで、対応不備の軽減に努めるとともに、第三者的視点から顧客対応状況を確認することで、不適切な案内の防止や課題の早期発見を図っております。当社グループでは、これらの部署が連携してトラブルの削減に取り組み、発生した事例については社内で再発防止策を講じておりますが、対策が十分に機能せず、顧客からの信頼低下を招いた場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。こうしたリスクへの対応として、収集した情報をデータベース化し、定期的な分析に基づく改善活動を推進しております。また、お客様の視点に立ったサービス設計や、継続的な従業員研修により個々の対応品質の底上げを図り、顧客満足度の維持・向上に努めてまいります。 ④ 個人情報について当社グループは、各サービスの運営過程において、顧客の個人情報を含む重要情報や機密情報を取り扱っております。これら情報の管理を経営上の最重要課題の一つと認識し、情報管理規程の整備や業務フローのシステム化により、厳格な管理体制を構築しております。しかしながら、サイバー攻撃の高度化・巧妙化、当社グループまたは業務委託先における役職員の過失や不正、あるいはハードウェア・ソフトウェアの欠陥等による想定外の事態が発生した場合、情報の漏洩、破壊、改ざんやシステム停止を招く可能性があります。このような事態が生じた場合には、社会的信用の失墜、顧客との取引停止、多額の損害賠償費用の発生等により、当社グループの事業遂行、業績および財務状況に重大な影響を及ぼす恐れがあります。 このようなリスクに対処するため、当社グループでは、セキュリティ監査や脆弱性診断を実施し、システム上のリスクの早期発見と是正に努めております。また、個人情報の取り扱いに関する社内ルールや教育プログラムについても継続的に見直しを行い、従業員の情報リテラシー向上を図っております。加えて、外部の専門機関との連携による最新セキュリティ技術の導入や、情報漏洩等発生時の緊急対応マニュアルの整備・訓練を通じて、万が一の事態に備えた危機管理体制を強化し、情報の安全性確保に万全を期しております。 ⑤ 風評に関するリスクについて当社グループの事業においては、利用者や医療関係者の信用、評判が大きな影響力を持つと認識しています。また、業容の拡大に伴い、特にインターネット上においては根拠のないあるいは事実に基づかない誹謗中傷が一定数発生する可能性があり、当社グループが運営する情報メディアの信頼性を毀損する可能性があります。従いまして、インターネット等において当社グループに帰責事由のない悪評が発生した場合は、速やかに適切な対応を図る方針としておりますが、何らかの理由により当社グループの評判が損なわれた場合、当社グループの社会的信用が毀損し、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。このような風評リスクに対処するため、当社グループでは、インターネット上の情報を常時監視するモニタリング体制を整備し、誤情報や悪意ある投稿に対しては法的措置も視野に入れた迅速かつ適切な対応を行っております。また、正確で透明性の高い情報発信を心がけ、医療関係者や利用者との信頼関係の構築に努めております。加えて、万が一風評被害が発生した際にも冷静かつ誠実に説明責任を果たし、信頼回復に向けた広報対応を速やかに実施できる体制を構築しております。 ⑥ 特定の取引先への依存について当社グループのスマートクリニック事業における商品は、その機材の生産について製造委託し(詳細は 重要な契約等をご参照ください。)、株式会社APOSTROに依存しております。当社グループは2024年2月より当該企業と総販売代理店契約を締結し、今後更なる連携を図っていく予定ではありますが、当該企業の受注状況や経営戦略の状況により、供給量の減少や供給が滞った場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社としてはAPOSTRO社とより密に会話を重ね、パートナーシップを強化していくことにより当該リスクを未然に防ぐこと、また、リスクが顕在化した場合においても、迅速に対応ができる関係構築に取り組んでいく予定であります。 ⑦ ネットワーク及びシステムに関するリスク(サイバーセキュリティを含む)当社グループは、インターネット通信インフラや情報システム、ネットワークに広く依存して事業運営及びサービス提供を行っており、顧客情報や営業機密などの重要情報も多数取り扱っています。このため、ハードウェア・ソフトウェアの不具合や障害、人為的ミス、ネットワーク障害、通信事業者のサービス停止、サイバー攻撃(コンピュータウイルス・マルウェア・不正アクセス等)、クラウドサービスや委託先におけるセキュリティ事故、内部関係者による情報漏洩など、様々なリスクに常にさらされています。当社はこれらのリスクに対応するため、バックアップシステムの構築、サーバー設備の増強や老朽化対策、セキュリティ対策の強化、社内教育の実施、外部専門機関との連携などを推進しています。しかしながら、予測不能な事象によりシステム障害や情報漏洩等が発生した場合には、業務の停止やサービス提供の中断、売上の減少、復旧コストの増大、損害賠償の発生、社会的信用の失墜など、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。これらのリスクに対処し、影響を最小限にとどめるため、当社では継続的なモニタリング体制の強化、最新のセキュリティ技術の導入、インシデント発生時の対応マニュアルの整備及び訓練の実施などを通じて、安定的かつ安全なシステム運用の確保に努めております。 (3) 事業内容について① 技術力の向上について当社グループが提供するスマート簡易自動精算機・再来受付機等については、継続的に顧客の要求を満たす機能の改善等を図っております。しかしながら、既存技術の進化や新たな開発が遅れ、また市場における技術標準の急速な変化によって、当社グループが保有する技能・ノウハウ(レセプトコンピュータの連携機能や筐体のさらなる小型化)等が陳腐化し、競争優位性を喪失する可能性があります。その場合、当社が同業他社と比較して優位性あるサービス提供ができず、受注機会を逸した場合は、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当該リスクが発生する未然防止策として、当社グループは2024年2月に仕入先である株式会社APOSTROと総販売代理店契約を締結し、より強固なパートナーシップを構築し、企画開発に積極的に取り組める体制に至りました。その結果、技術の進化や開発の遅れは生じにくくなったと考えております。 ② 半導体、原材料の価格変動について現在、世界的な半導体不足や鉄鋼、非鉄金属をはじめとする原材料価格の高騰、および物流コストの上昇が継続しております。当社グループの製品・サービスにおいて、これら部材や原材料の価格上昇が当初の予測を超え、自社での原価低減努力による吸収が困難となった場合、あるいは上昇分を製品価格に適正に転嫁できない場合には、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループは2024年2月に主要な仕入先である株式会社APOSTROと総販売代理店契約を締結いたしました。本契約に基づき、当社グループの販売計画とAPOSTRO社の生産・納品状況をリアルタイムで共有する密接な連携体制を構築しております。これにより、需要予測に基づく見込み生産や、年間の販売計画に沿った早期かつ大口ロットでの一括調達が可能となりました。これらの取り組みを通じて、原材料価格の急激な変動に対する耐性を高めるとともに、部材の安定確保と調達コストの固定化・最適化を図っております。今後もサプライヤーとの戦略的なパートナーシップを強化し、サプライチェーンの安定化と収益性の維持に努めてまいります。 ③ 販売価格の変動に関するリスクについて当社グループのスマートクリニック事業における主要製品の部材調達については、株式会社APOSTROをはじめとする特定のサプライヤーへの依存度が高い状況にあります。当社グループでは、収益性の維持・向上のため、調達コストの削減に継続的に取り組んでおりますが、世界的な原材料価格の高騰や物流費の上昇、為替変動等により調達コストが大幅に上昇した場合、その上昇分を製品の販売価格に適正かつ迅速に転嫁できない可能性があります。また、市場における価格競争の激化等により製品の販売価格を引き下げざるを得ない局面において、部材等の調達価格の低減が十分に進まない場合、売上総利益率が低下し、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、サプライヤーとの長期的かつ安定的な取引関係の構築により、価格交渉力の強化を図るとともに、原価低減に資する製品設計の見直しや製造プロセスの最適化など、内製化・効率化の取り組みも進めております。加えて、付加価値の高い製品・サービスの開発を通じた価格競争力の維持と、市場動向に応じた柔軟な価格体系の構築に努めることで、調達コストの変動による収益への影響を最小限に留める体制構築に取り組んでおります。 ④ M&A及び資本業務提携について当社グループは、持続的な成長および事業領域の拡大、既存事業とのシナジー創出を目的として、M&Aや資本業務提携を重要な事業戦略の一環として位置づけております。これらの施策の実施にあたっては、外部専門家の知見を活用し、対象会社の事業、財務、税務、法務、人事、システム等の多角的な観点から包括的なデューデリジェンスを徹底し、リスクの把握に努めております。しかしながら、買収・提携後の事業環境の変化、予期せぬリスクの顕在化、あるいは統合プロセスの遅延等により、当初期待したシナジー効果が得られない可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、2026年4月に「MA事業室」を新設し、専門人材を集約することで、案件の発掘から執行、PMIに至るまでの一貫した管理体制を強化いたしました。投資判断にあたっては、投資委員会および取締役会における多面的な評価・検討を経て、投資の適否を慎重に判断しております。実施後においては、同室が中心となり、早期にPMIを推進する体制を構築し、経営方針の共有、内部統制の整備、および現場レベルでのコミュニケーションの強化を通じて、リスクの早期発見とシナジーの最大化に注力しております。加えて、既存投資案件についても定期的なモニタリングを実施し、当初の投資計画に対する進捗状況を検証することで、機動的かつ規律ある投資管理に努めております。 ⑤ 新規事業領域について当社グループは、持続的な成長基盤の構築を目的として、既存事業の周辺領域における新規事業の立ち上げやM&Aを積極的に推進しております。当連結会計年度においては、株式会社ASANOの事業譲受による新規事業を開始いたしました。また、2026年4月には有限会社アカサカ歯材社の株式取得(子会社化)を決定いたしました。これら新規領域への進出およびグループ会社の拡大に際しては、以下のリスクを認識しております。 まず、新規事業領域における不確実性についてであります。新たに参入した歯科関連事業等の領域においては、既存事業で培った知見やノウハウが十分に活用できない可能性に加え、当該業界特有の商慣習、法規制、競合動向等の変化により、当初の事業計画どおりに収益が上がらず、投資資金の回収に遅延が生じる、あるいは困難となる可能性があります。次に、PMIおよびシナジー創出に関するリスクであります。事業譲受やM&Aの効果を最大化するためには、当社グループの経営システムの導入、組織文化の融合、および営業・調達面等におけるグループ間シナジーの早期創出が不可欠です。しかしながら、複数の統合プロセスが並行することによる経営管理リソースの分散や、キーマンの流出、システムの統合遅延等が発生した場合、期待した相乗効果が得られないばかりか、当社グループの経営成績および財務状況に悪影響を及ぼす恐れがあります。 これらのリスクに対応するため、当社グループでは、対象領域に精通した外部専門家や知見を有する人材を積極的に登用し、専門性の高い事業管理体制を構築しております。また、経営陣によるモニタリングを通じて、各事業の進捗状況の把握とリスクの早期検知に努めるとともに、グループ各社間のコミュニケーションを密にすることで、組織的一体感の醸成と機動的な意思決定を行っております。さらに、投資判断の際には、撤退基準を含む厳格な投資評価を実施し、資本効率を重視した規律ある事業運営に取り組んでおります。 ⑥ のれんの減損リスクについて 当社グループは、持続的な成長に向けた成長投資の一環としてM&Aを推進しており、その結果として連結貸借対照表上、相当規模の「のれん」を計上しております。これらの計上にあたっては、外部専門家による精緻な価値算定や多角的なデューデリジェンスに基づき、適切な投資対価を決定しております。しかしながら、買収後の事業環境の急変や、当初想定した収益計画が未達となった場合には、会計基準に基づき減損テストを実施し、帳簿価額を減額(減損処理)する必要があります。これにより、当社グループの業績および財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 こうした会計上のリスクを適切にコントロールするため、当社グループでは投資管理体制およびPMIプロセスのさらなる高度化を推進しております。具体的には、専門人材の集約により案件の発掘から執行、ポストマージ後の統合フェーズまでを一貫して管理する機能の拡充を図り、早期にグループシナジーを顕在化させることで、のれんの源泉である超過収益力の維持・強化に注力しております。また、投資委員会による定期的なモニタリングを通じて各案件の進捗を厳格に監督するとともに、業績乖離の兆候が見られる場合には迅速に経営リソースの再配置等の改善策を講じる体制を構築しております。このように、規律ある投資判断と価値最大化に向けたガバナンスを徹底することで、減損リスクの低減と資本効率の向上に努めております。 ⑦ 業績の季節的変動について 当社グループの収益は、主要顧客である医療機関や関連企業の予算執行サイクル、および公的施策のスケジュール等の影響を受ける傾向にあります。 一般的に、これらの顧客層においては年度末にあたる第4四半期(1月~3月)または12月末にかけて予算消化に伴う需要が高まる特性があり、当社グループの売上高も下期に偏重する可能性があります。一方で、人件費やシステム維持費等の固定費は通期で概ね一定に発生するため、相対的に上期の利益水準が低くなるなど、四半期ごとの経営成績に変動が生じる場合があります。 当社グループでは、年間を通じた計画的な案件受注と進捗管理に努めておりますが、年度末にプロジェクトの遅延や検収時期のずれ込みが発生した場合には、通期の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 歯科流通事業における商品調達および供給体制に関するリスク 歯科用貴金属(パラジウム等)や歯科材料の調達において、地政学リスクの高まり(中東情勢の緊迫化等)を含む国際情勢の急激な変化や、物流網の混乱により供給が停滞した場合、製品供給能力が低下するリスクがあります。特に今般グループインした子会社においては、仕入価格の急激な高騰や、政情不安等に起因する使い捨てゴム手袋のような衛生用品の深刻な品薄が発生した際、それらの影響を速やかに販売価格へ転嫁できない可能性があります。 当社グループでは、調達ルートの多角化(分散)や在庫管理の最適化、市況に応じた柔軟な価格改定プロセスの構築等を進めますが、調達環境の悪化が長期化、あるいは想定を超えて深刻化した場合、仕入原価の上昇や商品不足による機会損失を完全には回避できず、当社グループの売上高の減少および利益率の低下など、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) その他リスクについて① 特定人物への依存について当社グループでは、現在、代表取締役社長平瀬智樹が経営戦略の決定を始め、事業開発や営業活動等、グループの事業推進に重要な役割を果たしております。そのため、当社グループでは過度に依存しない体制を構築すべく、経営組織の強化を図っておりますが、何らかの理由により同氏の業務継続が困難となった場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループでは、経営意思決定の属人化を防ぐべく、経営陣の層の厚みを確保するための人材登用や、役員・幹部社員間での情報共有体制の強化を進めております。また、経営判断や事業運営に関わる重要事項については、複数の取締役・執行役員による合議体制のもとで行うことで、代表取締役への依存度を低減するとともに、組織としての持続的な成長と安定運営を可能とするガバナンス体制の強化に取り組んでおります。 ② 配当政策について当社は、現在成長過程にあると認識しており、持続的な事業拡大や組織体制の整備、および新規投資に向けた内部留保の充実が重要であると考え、資本政策を構築しております。一方で、株主の皆様への利益還元も経営の重要課題として認識しており、直近連結会計年度においては、創業20周年の節目として初配当(記念配当を含む)を実施いたしました。今後におきましても、収益力の向上や事業基盤の整備を進めつつ、経営成績や財務状態、将来の投資計画等を総合的に勘案した上で、株主に対する継続的かつ安定的な利益還元を検討していく方針であります。しかしながら、当社は現在、配当性向や配当金額等の目標値を定めた具体的な配当方針を確定させておらず、将来的な配当の実施およびその継続性を保証するものではありません。急激な市場環境の変化や業績の悪化、あるいは機動的な事業投資のための資金需要が発生した場合には、当社の資本政策に基づき、無配あるいは減配となる可能性があります。 ③ 新株予約権の行使による株式価値の希薄化について当社グループでは、役員および従業員に対する中長期的な企業価値向上へのインセンティブ付与、および優秀な人材の確保・リテンションを目的として、新株予約権(ストック・オプション)を付与しております。これらの新株予約権が権利行使された場合には、当社株式が新たに発行され、既存株主が保有する株式の価値および議決権割合が希薄化する可能性があります。また、今後においても、役員および従業員へのインセンティブとして、新たに新株予約権を付与する方針であり、これらが将来的に行使されることで、同様に株式価値の希薄化を招く可能性があります。このようなリスクに対し、当社は、新株予約権の付与にあたっては、将来的な希薄化の規模と企業価値向上による株主利益の拡大とのバランスを十分に勘案し、適切な発行数量および行使条件を設定する方針です。また、発行に際しては、その趣旨、目的および希薄化の程度について、株主の皆様に対し適切かつ透明性の高い情報開示を行うとともに、持続的な企業価値の向上を通じて既存株主の利益に報いるよう努めてまいります。 ④ 自然災害、事故、戦争、感染症等について当社グループでは、大規模な自然災害、事故、感染症等の重大リスクを経営上の重要課題と位置づけ、各事業および営業拠点が継続的かつ安定的に運営できるよう、日常的に予防策を講じております。万が一、これらのリスクが顕在化した場合には、被害を最小限に留め、早期復旧を図るための適切な措置を講じる体制を確保しております。しかしながら、今後、想定を超える規模の地震、台風・豪雨等の風水害、火災や大規模停電、通信・交通インフラの損壊を伴う大事故、あるいは戦争、テロ、大規模な感染症のパンデミック等の事態が発生した場合、当社グループの役職員の安全確保、施設・設備の毀損、サプライチェーンの分断等により、サービスの提供停止や事業活動の中断を余儀なくされる可能性があります。このような事態が長期化した場合、当社グループの業績および財務状況に重大な影響を及ぼす恐れがあります。これらに対し、当社グループでは各種リスクを想定した事業継続計画(BCP)を策定し、災害や緊急事態発生時においても重要業務を継続できる体制の整備に努めております。また、クラウド基盤へのシステム移行やリモートワーク環境の高度化を推進し、事業活動の柔軟性・耐障害性を高めることで、物理的な被災に対するレジリエンス(回復力)を高めております。さらに、全社員への防災教育、各拠点における備蓄品の整備、安否確認体制の強化等、実効性のある対策を継続的に講じ、被害の最小化と早期復旧が可能な組織基盤の構築に取り組んでおります。