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テレビ朝日ホールディングス(9409)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • テレビ放送事業
    テレビ番組の制作から放送までを一貫して手掛ける事業で、テレビ朝日グループの中核を成しています。子会社のテレビ朝日、BS朝日などが地上波、BS、CS放送を通じて番組を視聴者に届け、広告収入を主な収益源としています。視聴率が広告枠の販売価格に直結するため、魅力的なコンテンツ制作が重要です。
  • インターネット事業
    インターネットを活用した広告付き動画配信や、動画コンテンツの制作・権利許諾などを行う事業です。テレビ番組のインターネット配信や、AbemaTVのような新しいプラットフォームとの協業を通じて、多様化する視聴者のニーズに応え、収益機会の拡大を図っています。
  • ショッピング事業
    テレビ通販番組や自社のECサイトを通じて商品を販売する事業です。子会社のロッピングライフなどが中心となり、テレビ放送で培った集客力と信頼を活かして、視聴者層に合わせた商品を提供し、通信販売による収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • テレビ放送事業
    テレビ番組の制作と放送を主とする事業で、グループの売上の大部分を占める主力事業です。最新年度の売上高は2,333.61億円、営業利益は112.89億円と、最も大きな収益を上げており、テレビ朝日グループの基盤を支えています。
  • インターネット事業
    インターネットを利用した動画配信やコンテンツ制作・権利許諾を行う事業です。最新年度の売上高は296.6億円、営業利益は36.98億円であり、テレビ放送事業に次ぐ規模で成長を続けています。デジタル化の進展に対応し、新たな収益源として期待されています。
  • ショッピング事業
    テレビ通販番組やECサイトでの通信販売を行う事業です。最新年度の売上高は202.03億円、営業利益は15.05億円です。テレビ放送のリーチ力を活用し、視聴者層に合わせた商品を展開することで、安定した収益を上げています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
TVBroadcasting 事業 2,334 113 4.8%
InternetReportableSegment 事業 297 37 12.5%
ShoppingReportableSegment 事業 202 15 7.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|726 文字
3 【事業の内容】当社の企業グループは、当社、子会社36社及び関連会社22社(2026年3月31日現在)で構成され、番組制作に伴う業務をはじめ、各社それぞれの特色を活かし各分野にて事業活動を展開しております。また当社グループは、当社のその他の関係会社である㈱朝日新聞社及び当社の持分法適用の関連会社かつその他の関係会社である東映㈱とも継続的な事業上の関係を有しております。このうち、当社の企業グループの、セグメントとの関連(セグメント情報の区分と同一)及び各関係会社の位置付けは次のとおりであります。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。 (1) テレビ放送事業テレビ番組の制作及び放送に係る事業であり、子会社の㈱テレビ朝日、㈱BS朝日、㈱シーエス・ワンテン及びテレビ朝日映像㈱ほかが行っております。(2) インターネット事業インターネットを利用した広告付動画配信や動画配信コンテンツの制作及び権利許諾等に係る事業であり、子会社の㈱テレビ朝日、㈱テレビ朝日メディアプレックス及びシンエイ動画㈱ほかが行っております。(3) ショッピング事業テレビ通販番組やECサイトにおける通信販売に係る事業であり、子会社の㈱ロッピングライフほかが行っております。(4) その他事業音楽出版事業、イベント事業、機器販売・リース事業、出資映画事業等であり、子会社の㈱テレビ朝日、㈱テレビ朝日ミュージック及び㈱テレビ朝日サービスほかが行っております。 以上を系統図で示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
視聴率の低迷が広告収入の減少に直結し、コンテンツ制作費増加と広告収入減少で収益性悪化リスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
放送法及び関連法令の法的規制、認定放送持株会社の認定、電波法・放送法による放送免許。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:事業環境および経営管理体制に関するリスク / 設備・投融資に関するリスク / 個人情報の取り扱いに関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

テレビ朝日は長年にわたり、国民的な人気を誇るドラマ(例:相棒、科捜研の女)、アニメ(例:ドラえもん、クレヨンしんちゃん)、報道番組などを制作・放送しており、強力なブランド力とコンテンツIPを蓄積している。これらのコンテンツは、放送権料、配信権料、グッズ販売など多角的な収益源となっている。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

視聴者は特定の番組やチャンネルに愛着を持つことはあるが、テレビ視聴習慣自体に高いスイッチングコストは存在しない。無料放送や多様な配信サービスへの移行は容易であり、特定のプラットフォームへの固定化は限定的である。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

視聴率という形でネットワーク効果は一部存在するが、視聴者数が増えることでコンテンツの価値が直接的に向上するわけではない。広告主にとって視聴率の高さは重要だが、これはネットワーク効果というよりはブランド力やコンテンツ力に起因する。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

テレビ放送事業は、大規模な設備投資、コンテンツ制作費、人件費など固定費が高く、構造的なコスト優位性を築くことは難しい。他社とのコスト競争よりも、コンテンツの質と独自性が重視される。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

テレビ朝日ホールディングスは、テレビ朝日系列のキー局として、全国規模の放送網と強力なコンテンツ制作能力を有している。この規模は、地方局や独立局と比較して圧倒的な優位性をもたらし、広告収入やコンテンツ販売において効率的な事業運営を可能にしている。

  • 強力なコンテンツ制作力
    長年にわたるテレビ放送事業で培われた番組制作ノウハウと、多数の子会社・関連会社との連携により、多様なジャンルの高品質なコンテンツを安定的に供給できる点が強みです。これにより、視聴者の高い支持を得て、広告収入の基盤を強化しています。
  • 多角的なメディア展開
    地上波、BS、CS放送に加え、インターネット動画配信プラットフォーム「AbemaTV」との協業など、複数のメディアチャネルでコンテンツを展開する「360°戦略」を推進しています。これにより、視聴者の視聴形態の変化に対応し、収益機会を最大化できる体制を構築しています。
  • 認定放送持株会社としての地位
    放送法に基づき認定放送持株会社として、複数の放送局を傘下に持つことが認められています。これにより、放送事業における安定的な事業基盤と、メディア業界における影響力を確保しており、新規参入が難しい業界での競争優位性を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 新しい時代のテレビ局への変革
    急速に変化するメディア環境に対応し、「新しい時代のテレビ局」となることを目指しています。コンテンツを価値の源泉と捉え、時代の要請に応える多様なコンテンツを制作し、地上波、衛星波、インターネット、メディアシティといったあらゆるチャネルで展開する戦略です。
  • 「360°戦略」による収益最大化
    コンテンツをあらゆるメディアで多角的に展開する「360°戦略」を推進し、収益機会の最大化を図ります。具体的には、地上波での視聴率トップ奪還と広告収入トップグループ入り、BSでの全国視聴データトップグループ維持、インターネット事業の拡大を目指しています。
  • 戦略的投資と企業価値向上
    経営計画「テレビ朝日360°2017-2020」に基づき、4年間で300億円の戦略投資枠を設定し、M&Aや新規事業、不動産投資などに充てる計画です。これにより、コンテンツ制作力の強化やメディア戦略の推進を図り、連結売上高3,200億円、連結経常利益220億円の達成を目指し、企業価値の継続的な向上を図ります。
出典: FY2018 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。当社グループは放送の公共性・公益性を常に自覚し、展開する事業を通じて魅力的かつ社会から求められる情報やコンテンツを提供し、夢や希望を持ち続けられる社会の実現に貢献することを経営の基本方針としております。現在、当社グループを取り巻く経営環境は、急激なスピードで変化しています。スマートフォンやタブレット端末などデバイスの高機能化による視聴スタイルやコンテンツ流通路の多様化、少子高齢化などによる人々のライフスタイルの急速な変化に直面しています。こうした状況に適切に対応するため、放送事業の競争力を強化しながら、“コンテンツ・IP”を核とした収益基盤の多様化を推進することが重要な経営課題と認識しています。このような認識に基づき、2026年度から開局70周年をむかえる2029年度まで4ヶ年の経営計画「START UP テレ朝!! 経営計画 2026-2029」を策定しました。前経営計画「BREAKOUT STATION!新しい時代のテレビ朝日 経営計画2023-2025」では、2024年度及び2025年度、年間・年度の個人全体視聴率3冠を獲得し、業績も過去最高水準となるなど、大きな成果をあげることができました。新経営計画では、これらの成果にとどまることなく、さらなる成長実現のためテレビ朝日のコンテンツ制作力と、2026年3月に開業した「東京ドリームパーク」を両輪に新たなイノベーション及び持続的な企業価値向上を図っていきます。コンテンツファーストで、“IP開発”でトップ、“イベント”でトップを獲得し、魅力的な“コンテンツ・IP”をもとにグローバル展開を目指してまいります。こうした姿を実現するため、具体的な成長戦略として「5つのキーストラテジー」を設定しました。 ・〔TDP(東京ドリームパーク)〕 戦略的なIP展開や有明地区の賑わいの演出により新たな事業拠点として 大きく成長させていきます。大型イベントも多数開発し、トップレベルの業績を目指していきます。・〔IP〕 魅力的なIPを多数創出し、地上波では視聴率トップを維持していきます。アニメの制作体制や配信 戦略の強化によりコンテンツ価値の最大化を図るとともに、グローバル展開も推進します。・〔ABEMA〕 リニアとデジタルのハイブリッドモデルの連携をさらに強化し、コンテンツの相互補完やデー タ基盤の統合・活用など進め、ブランド価値最大化を図ります。・〔CVC〕 既存事業の成長加速と新領域の探索を行い、テレビ朝日グループのイノベーションの促進を図り ます。また、「戦略投資枠1,000億円」を活用したM&Aも実施していきます。・〔AI〕 全社的な業務効率化を推進し、それにより生み出された経営資源をクリエイティブ領域に集中的に 投下します。また、「AIクリエイティブスタジオ」を新設し、クリエイティブ面でのAI活用を進めるこ とにくわえ、AI起点のビジネス開発にも努めていきます。 これらの成長戦略を踏まえ、新経営計画では定量目標として2029年度までに連結売上高4,000億円、営業利益330億円、経常利益430億円、親会社株主に帰属する当期純利益380億円の達成を目指します。あわせて資本効率の改善を図り、ROE(自己資本利益率)7%台の達成(2030年代早期に8%達成)及びPBR1倍を目指していきます。また、これらの事業戦略の実現を支える事業基盤として「人事戦略」「サステナビリティ」「財務戦略」に基づく取り組みも進めていく方針です。「人事戦略」では、新たに人財ポリシーをさだめ、経営戦略の実現やクリエイティブの強化を支える多様な人財の採用や育成、配置を展開していきます。また、エンゲージメント向上に主眼をおいた人事制度の改定などを実施します。「サステナビリティ」では、テレビ朝日グループの「サステナビリティ宣言」や「未来に向けた5つの重点テーマ(マテリアリティ)」に基づき、自ら持続可能な社会の実現に取り組むために、気候変動対応や人的資本に関する情報開示を継続的に行っています。さらに、公共性や社会的責任を持つメディア企業として、人権尊重・コンプライアンスの意識を高め、ガバナンスの強化を図りながら、メディアが持つコンテンツパワーを活かしながら持続可能な未来の実現に貢献していきます。「財務戦略」では、キャピタル・アロケーションの計画に沿って、資本効率の改善・向上のための施策を着実に進めてまいります。政策保有株式の縮減を着実に進め、それらを成長投資(4年間で1,000億円)や放送設備等の投資を行うとともに、配当・自己株式の取得と株主還元の強化も図っていく方針です。今後もテレビ放送事業者を傘下に持つ認定放送持株会社としての公共性や社会的責任を全うできるよう良質なコンテンツの提供に努めるとともに、さらなる企業価値の向上を目指して、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えしてまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。当社グループは放送の公共性・公益性を常に自覚し、展開する事業を通じて魅力的かつ社会から求められる情報やコンテンツを提供し、夢や希望を持ち続けられる社会の実現に貢献することを経営の基本方針としております。現在、当社グループを取り巻く経営環境は、急激なスピードで変化しています。スマートフォンやタブレット端末などデバイスの高機能化による視聴スタイルやコンテンツ流通路の多様化、少子高齢化などによる人々のライフスタイルの急速な変化に直面しています。こうした状況に適切に対応するため、放送事業の競争力を強化しながら、“コンテンツ・IP”を核とした収益基盤の多様化を推進することが重要な経営課題と認識しています。このような認識に基づき、2026年度から開局70周年をむかえる2029年度まで4ヶ年の経営計画「START UP テレ朝!! 経営計画 2026-2029」を策定しました。前経営計画「BREAKOUT STATION!新しい時代のテレビ朝日 経営計画2023-2025」では、2024年度及び2025年度、年間・年度の個人全体視聴率3冠を獲得し、業績も過去最高水準となるなど、大きな成果をあげることができました。新経営計画では、これらの成果にとどまることなく、さらなる成長実現のためテレビ朝日のコンテンツ制作力と、2026年3月に開業した「東京ドリームパーク」を両輪に新たなイノベーション及び持続的な企業価値向上を図っていきます。コンテンツファーストで、“IP開発”でトップ、“イベント”でトップを獲得し、魅力的な“コンテンツ・IP”をもとにグローバル展開を目指してまいります。こうした姿を実現するため、具体的な成長戦略として「5つのキーストラテジー」を設定しました。 ・〔TDP(東京ドリームパーク)〕 戦略的なIP展開や有明地区の賑わいの演出により新たな事業拠点として 大きく成長させていきます。大型イベントも多数開発し、トップレベルの業績を目指していきます。・〔IP〕 魅力的なIPを多数創出し、地上波では視聴率トップを維持していきます。アニメの制作体制や配信 戦略の強化によりコンテンツ価値の最大化を図るとともに、グローバル展開も推進します。・〔ABEMA〕 リニアとデジタルのハイブリッドモデルの連携をさらに強化し、コンテンツの相互補完やデー タ基盤の統合・活用など進め、ブランド価値最大化を図ります。・〔CVC〕 既存事業の成長加速と新領域の探索を行い、テレビ朝日グループのイノベーションの促進を図り ます。また、「戦略投資枠1,000億円」を活用したM&Aも実施していきます。・〔AI〕 全社的な業務効率化を推進し、それにより生み出された経営資源をクリエイティブ領域に集中的に 投下します。また、「AIクリエイティブスタジオ」を新設し、クリエイティブ面でのAI活用を進めるこ とにくわえ、AI起点のビジネス開発にも努めていきます。 これらの成長戦略を踏まえ、新経営計画では定量目標として2029年度までに連結売上高4,000億円、営業利益330億円、経常利益430億円、親会社株主に帰属する当期純利益380億円の達成を目指します。あわせて資本効率の改善を図り、ROE(自己資本利益率)7%台の達成(2030年代早期に8%達成)及びPBR1倍を目指していきます。また、これらの事業戦略の実現を支える事業基盤として「人事戦略」「サステナビリティ」「財務戦略」に基づく取り組みも進めていく方針です。「人事戦略」では、新たに人財ポリシーをさだめ、経営戦略の実現やクリエイティブの強化を支える多様な人財の採用や育成、配置を展開していきます。また、エンゲージメント向上に主眼をおいた人事制度の改定などを実施します。「サステナビリティ」では、テレビ朝日グループの「サステナビリティ宣言」や「未来に向けた5つの重点テーマ(マテリアリティ)」に基づき、自ら持続可能な社会の実現に取り組むために、気候変動対応や人的資本に関する情報開示を継続的に行っています。さらに、公共性や社会的責任を持つメディア企業として、人権尊重・コンプライアンスの意識を高め、ガバナンスの強化を図りながら、メディアが持つコンテンツパワーを活かしながら持続可能な未来の実現に貢献していきます。「財務戦略」では、キャピタル・アロケーションの計画に沿って、資本効率の改善・向上のための施策を着実に進めてまいります。政策保有株式の縮減を着実に進め、それらを成長投資(4年間で1,000億円)や放送設備等の投資を行うとともに、配当・自己株式の取得と株主還元の強化も図っていく方針です。今後もテレビ放送事業者を傘下に持つ認定放送持株会社としての公共性や社会的責任を全うできるよう良質なコンテンツの提供に努めるとともに、さらなる企業価値の向上を目指して、ステークホルダーの皆様のご期待にお応えしてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の日本経済は、米国の関税引上げという逆風に見舞われながらも、内需を中心とした緩やかな回復が続いています。景気の先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待されるものの、中東情勢の影響を注視する必要があります。また、金融資本市場の変動の影響や米国の通商政策をめぐる動向などに注意する必要があります。このような経済環境のなか、当連結会計年度の売上高は、スポット収入が好調なテレビ放送事業セグメントや音楽出版事業が好調なその他事業セグメント及びインターネット事業セグメントの増収などにより、3,394億8千7百万円(前期比+4.8%)となり、売上原価、販売費及び一般管理費の合計が3,133億6百万円(同+2.9%)となりました結果、営業利益は261億8千1百万円(同+32.9%)、経常利益は365億7千2百万円(同+28.2%)となりました。また、特別利益において投資有価証券売却益、特別損失においては貸倒引当金繰入額を計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は、296億5千4百万円(同+14.9%)となりました。これにより、売上高及び各段階利益ともに、上場来最高を更新しました。 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。テレビ放送事業当連結会計年度は、全日視聴率(6時~24時)個人全体が3.4%、世帯が6.3%でともに1位、ゴールデンタイム(19時~22時)個人全体が5.2%、世帯が8.8%でともに1位、プライムタイム(19時~23時)個人全体が5.2%、世帯が8.9%でともに1位で終了し、個人全体では、2年連続の3冠、世帯では、4年連続の3冠となりました。ゴールデン・プライム帯では、「報道ステーション」が7年連続、「サタデーステーション」が5年連続で同時間帯トップ、「有働Times」が同時間帯2位を獲得しました。連続ドラマでは、「相棒season24」(平均:個人全体5.6%、世帯9.8%)、「緊急取調室」(平均:個人全体5.0%、世帯9.0%)などの5作品が2025年度の民放連続ドラマトップ10に入りました。バラエティー番組では、金曜の「ザワつく!金曜日」、土曜の「サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん」「池上彰のニュースそうだったのか!!」など週末の番組に加え、月曜の「クイズプレゼンバラエティーQさま!!」、水曜の「くりぃむクイズミラクル9」などの平日のクイズ番組が高い数字となりました。スポーツでは、各シーズンで大型スポーツイベントの中継を実施しました。サッカーでは日本代表(A代表)がブラジルに歴史的初勝利をあげた「サッカーキリンチャレンジカップ2025『日本×ブラジル』」(個人全体10.4%・世帯16.0%)が高視聴率となりました。冬に開催された「ミラノ・コルティナオリンピック」では、「フィギュアスケート団体 女子ショート・ペアショート・アイスダンスリズム」(個人全体6.6%・世帯11.5%)、「スキー女子スロープスタイル予選」(個人全体5.6%・世帯8.8%)などを中継。「フィギュアスケート団体」は五輪中継枠の中で民放トップの数字となりました。野球では3月にWBCに向けた強化試合をゴールデンタイムで2試合中継し、「WBC強化試合『日本×阪神』」(個人全体10.3%・世帯17.0%)が高視聴率となりました。全日帯では、「グッド!モーニング」が平日6時台・7時台で番組開始以来初の同時間帯トップを獲得、さらに「羽鳥慎一モーニングショー」は6年連続、「大下容子ワイド!スクランブル」は第1部が12年連続で同時間帯トップ、第2部が5年連続同時間帯民放トップと、平日午前帯のベルト番組が高視聴率を獲得し、全日帯トップに貢献しました。以上のような状況のなか、収益の拡大を図るため、積極的な営業活動を展開しました。 タイム収入は、物価高や為替変動等による先行き不透明感は残るものの、底堅い企業業績が下支えとなり、レギュラー番組における継続的な広告単価水準の引き上げが奏功し、増収となりました。 加えて、単発番組においても「世界フィギュアスケート国別対抗戦2025」や「ミラノ・コルティナオリンピック」等の大型スポーツ番組のセールスが好調に推移し、タイム収入合計は815億4千1百万円(前期比+2.3%)となりました。 スポット収入は、視聴率3冠という良好な媒体力を背景に、上期の旺盛な広告需要を確実に取り込んだことに加え、下期の広告枠が限定的な環境下においても単価重視の販売戦略を推進したことなどから、大幅な増収となりました。 業種別では、「外食・各種サービス」「情報・通信」「薬品・医療用品」「交通・レジャー」をはじめとする多業種で増収となりました。その結果、スポット収入全体では1,052億3千1百万円(同+11.2%)となり過去最高を更新いたしました。 また、BS・CS収入は259億7百万円(同△1.2%)、番組販売収入は134億4千3百万円(同△8.0%)、その他収入は226億2千6百万円(同+4.6%)となりました。 以上により、テレビ放送事業の売上高は2,487億5千万円(同+5.0%)、営業費用は2,299億9千2百万円 (同+2.0%)となりました結果、営業利益は187億5千8百万円(同+66.2%)となりました。 インターネット事業株式会社サイバーエージェントとの共同事業「ABEMA」は、オリジナルバラエティ番組やアニメが支持を得ており2,200万WAU(ウィークリーアクティブユーザー)前後で推移、有料の「プレミアム会員」も増えており、収益獲得フェーズに入っています。「ABEMA NEWS」では注目度の高いニュースや記者会見、災害情報などをリアルタイムに配信し、緊急時の重要な「生活インフラ」としても定着してきています。また、2026年4月には開局10周年を迎え、特別番組の放送や10周年を盛り上げるキャンペーンを展開しています。KDDI株式会社との共同事業としてSVOD(定額制動画配信)サービスを提供する「TELASA」は、テレビ朝日の番組との連動コンテンツやオリジナルコンテンツなど積極的に展開しています。大手動画配信プラットフォームとの連携も強化しており、他社動画配信プラットフォーム上にTELASAチャンネルを開設するなどした結果、会員数233万人を超えています。無料見逃し動画配信サービスを提供する「TVer」は、2026年1月に月間ユーザー数が4,470万と2か月連続で記録を更新するなど、着実に成長しています。コネクテッドTVでの再生数も大きく増加しており、再生数、視聴時間の増加に伴って業績も順調に伸ばしています。そのほか個別のコンテンツでは、当社が運営するYouTube公式アカウント「ANNnewsCH」がチャンネル登録者数490万人を突破しました。ニュース配信については、コンテンツの充実を図るとともに、ライブ配信の強化や様々なプラットフォームへの配信など多角的な展開も行っております。また、コアファン事業(特定のファンを囲うWEBサブスクリプション事業)においては、「NJPW WORLD」の会員数が引き続き堅調に推移、「アメトーークCLUB」「東映特撮ファンクラブ」は過去最高の会員数を記録しました。また、人気IPの月額見放題動画配信サービス「ドラえもんTV」「クレヨンしんちゃんぶりぶりCLUB」なども順調に伸びており、過去最高の会員数となっています。以上により、インターネット事業の売上高は360億8千7百万円(前期比+13.3%)、営業費用は307億7千7百万円(同+9.4%)となりました結果、営業利益は53億1千万円(同+43.6%)となりました。 ショッピング事業世界情勢の先行き不透明感や生活必需品の価格上昇等を背景に消費者の購買行動が慎重となるなか、レギュラー番組「じゅん散歩」「午後もじゅん散歩」及び通販特番は想定より伸び悩みました。商品面では、宝飾品(特に純金関連商材)が引き続き好調に推移したものの、事業全体としては収益面で厳しい結果となりました。以上により、ショッピング事業の売上高は184億円(前期比△9.0%)、営業費用は173億1千8百万円(同△7.5%)となりました結果、営業利益は10億8千2百万円(同△28.1%)となりました。 その他事業音楽出版事業では所属アーティストの「湘南乃風」「平井大」や共同マネージメントアーティスト「新しい学校のリーダーズ」「竹下☆ぱらだいす」がコンサートツアーを行ったことなどから好調に推移しました。イベント事業では、前期のテレビ朝日開局65周年イベントの反動により減収となったものの、2026年3月開業の東京ドリームパークに向けて、これまで以上に番組イベントの開発を進めました。番組イベントとしては、「アメトーーク初ライーーブ」「夫が寝たあとにママ会ライブ」「NEW KAWAIIってしてよ?フェス」「M:ZINE LIVE」「フルタの方程式 ファン感謝デー2025」等を初開催して、今後に繋げました。また、日本全国を巡回するイベントとして、舞台「家政夫のミタゾノ THE STAGE」、アニメ「ブルーロック展」、フルオーケストラコンサート「UNDERTALE 10th Anniversary Concert」を新たに展開。「高嶋ちさ子のザワつく!音楽会2025全国ツアー」「高嶋ちさ子のザワつく!昭和歌謡祭2025」も好調でした。さらに、スーパー戦隊シリーズ放送開始50周年を記念した「全スーパー戦隊展」や横浜アリーナでは初の2日間開催した「超英雄祭 KAMEN RIDER X SUPER SENTAI LIVE & SHOW」は大盛況となりました。そして当連結会計年度から「テレビ朝日・六本木ヒルズ SUMMER FES」と題し、音楽ライブと番組連動イベントを強化したテレビ局らしい新しいイベントを30日間にわたって開催し、多数の来場客でにぎわいました。機器販売・リース事業では、映像機器レンタルなどがイベント、コンサート関連市場の回復傾向を受けて好調に推移しました。DVD販売では、人気シリーズ「相棒」や「青島くんはいじわる」「大追跡~警視庁SSBC強行犯係~」「しあわせな結婚」など、様々なタイトルをリリースしました。出資映画事業では、アニメ作品は2025年8月に公開した「映画クレヨンしんちゃん 超華麗!灼熱のカスカベダンサーズ」が興行収入23億6千万円を記録し、2026年2月公開の「映画ドラえもん 新・のび太の海底鬼岩城」も3月31日時点で30億円を超える興行収入となっております。実写作品は2025年12月に公開した劇場版「緊急取調室 THE FINAL」が興行収入14億円超えを記録。その他、日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞した「TOKYOタクシー」をはじめとし、「ババンババンバンバンパイア」「仮面ライダーガヴ&ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー Wヒーロー夏映画2025」など、バラエティに富んだ出資作品を公開しました。以上により、その他事業の売上高は524億8千1百万円(前期比+3.2%)、営業費用は514億7百万円(同+8.0%)となりました結果、営業利益は10億7千4百万円(同△66.9%)となりました。 報告セグメントごとの経営成績の状況は、次のとおりであります。 (単位:百万円、%表示は対前期増減率) 売上高前連結会計年度当連結会計年度テレビ放送事業236,798248,7505.0%インターネット事業31,84036,08713.3%ショッピング事業20,22318,400△9.0%その他事業50,85752,4813.2%調整額△15,662△16,232―合計324,056339,4874.8% (単位:百万円、%表示は対前期増減率) セグメント利益前連結会計年度当連結会計年度テレビ放送事業11,28918,75866.2%インターネット事業3,6985,31043.6%ショッピング事業1,5051,082△28.1%その他事業3,2421,074△66.9%調整額△31△43―合計19,70426,18132.9% 当社グループの当連結会計年度の財政状態は、次のとおりであります。資産の部流動資産は1,851億7千4百万円で、前連結会計年度末に比べ82億3千2百万円の増加となりました。これは、現金及び預金が15億3千1百万円減少したものの、有価証券が60億2千4百万円、受取手形及び売掛金が17億3千5百万円増加したことなどによります。固定資産は3,959億3千4百万円で、前連結会計年度末に比べ133億1千8百万円の増加となりました。これは、建設仮勘定が358億7千5百万円減少したものの、建物及び構築物(純額)が364億1千万円、機械装置及び運搬具(純額)が51億6千4百万円、投資有価証券が40億7千5百万円増加したことなどによります。以上の結果、資産合計は前連結会計年度末に比べ215億5千万円増加し、5,811億9百万円となりました。 負債の部流動負債は865億4千2百万円で、前連結会計年度末に比べ36億8千4百万円の増加となりました。これは、未払法人税等が20億8千4百万円減少したものの、未払費用が56億1千7百万円増加したことなどによります。固定負債は268億8千万円で、前連結会計年度末に比べ19億7千7百万円の減少となりました。これは、退職給付に係る負債が17億2千7百万円減少したことなどによります。以上の結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ17億6百万円増加し、1,134億2千2百万円となりました。 純資産の部純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ198億4千3百万円増加し、4,676億8千6百万円となりました。これは、その他有価証券評価差額金が35億8千6百万円減少、自己株式が28億7千9百万円増加したものの、利益剰余金が222億6千7百万円、退職給付に係る調整累計額が36億4百万円増加したことなどによります。この結果、自己資本比率は80.1%となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ44億6千7百万円増加し、442億3千万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、249億4千6百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ収入額が15億7千4百万円減少しました。これは、税金等調整前当期純利益が48億6千4百万円増加したものの、法人税等の支払額が79億1千7百万円増加したことなどによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、92億8千2百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出額が232億2千2百万円減少しました。これは、有価証券の償還による収入が269億円減少したものの、有価証券の取得による支出が349億7千5百万円、有形固定資産の取得による支出が190億9千3百万円減少したことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、111億8千9百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ支出額が40億6千9百万円増加しました。これは、自己株式の取得による支出が30億円、配当金の支払額が10億2千4百万円増加したことなどによるものです。 ③生産、受注及び販売の実績販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)テレビ放送事業 タイム収入81,5412.3 スポット収入105,23111.2 番組販売収入13,443△8.0 BS・CS収入25,907△1.2 その他収入22,6264.6小計248,7505.0インターネット事業36,08713.3ショッピング事業18,400△9.0その他事業52,4813.2計355,7204.7調整額△16,232-合計339,4874.8 (注) 主な相手先別の売上実績及びそれぞれの総売上高に対する割合は次のとおりであります。 相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)㈱電通89,05827.4895,23528.05㈱博報堂DYメディアパートナーズ56,38517.40--㈱博報堂--61,88718.23 ㈱博報堂DYメディアパートナーズは、2025年4月1日付で㈱博報堂を承継会社とする吸収分割により、㈱博報堂に統合しております。なお、前連結会計年度における㈱博報堂への販売実績は、総販売実績に対する割合が10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容(単位:百万円、%表示は対前期増減率) 前連結会計年度当連結会計年度前期比増減増減率売上高324,056339,48715,4314.8%営業利益19,70426,1816,47732.9%経常利益28,53336,5728,03928.2%親会社株主に帰属する当期純利益25,81629,6543,83814.9% (売上高及び営業利益)「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。 (経常利益)営業外収益は106億9千3百万円で、前連結会計年度に比べ15億3千8百万円の増加となりました。これは、持分法による投資利益が増加したことなどによります。営業外費用は3億2百万円で、前連結会計年度に比べ2千3百万円の減少となりました。以上の結果、経常利益は365億7千2百万円(前期比+28.2%)となりました。 (親会社株主に帰属する当期純利益)特別利益は74億9千8百万円で、前連結会計年度に比べ6億7千5百万円の減少となりました。投資有価証券売却益を70億1百万円、その他を4億9千7百万円計上しております。特別損失は29億8千6百万円で、前連結会計年度に比べ24億9千9百万円の増加となりました。貸倒引当金繰入額を17億3千6百万円、システム開発計画変更に伴う損失を5億5千1百万円、投資有価証券評価損を3億6千2百万円、その他を3億3千7百万円計上しております。以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は296億5千4百万円(前期比+14.9%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおりです。 (資本の財源及び資金の流動性に係る情報)資本の財源として当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高が、総資産の7.6%を占める442億3千万円となりました。当社グループでは、主に営業活動から得た資金及び内部留保による自己資金を財源とし、コンテンツ力強化に向けた投資や設備投資、さらなる成長のための戦略投資などを行っております。なお、当社はグループ会社の資金調達及び資金運用を効率的に行うため、キャッシュ・マネジメント・システムを活用し、一括した管理を行っております。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 (繰延税金資産)当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、決算時点で入手可能な情報や資料に基づき将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性の見込めない部分を評価性引当額として繰延税金資産から控除しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、市場の動向や経済環境の変化などにより見積りの前提条件や仮定に変更が生じた場合、課税所得の見積りが大きく変動し、繰延税金資産の取崩しなど税金費用の計上額に影響を及ぼす可能性があります。 (退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用)当社グループは、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算について、数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、昇給率、退職率及び年金資産の長期期待運用収益率等が含まれます。経済環境や金融市場の変化等により実際の結果が前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される退職給付費用や計上される退職給付に係る資産、退職給付に係る負債に影響を及ぼします。

事業リスク

  • 景気変動と広告収入の依存
    テレビ放送事業の主要な収入源である広告宣伝費は、日本経済の景気動向に大きく左右されます。景気後退や消費マインドの冷え込みは、企業の広告出稿抑制に繋がり、テレビ朝日グループの経営成績に直接的な悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 視聴形態の変化と競争激化
    スマートフォンや動画配信プラットフォームの普及により、テレビの視聴形態が多様化し、インターネット広告など多様なメディアとの競争が激化しています。これにより、従来のテレビ広告収入が減少する圧力となり、収益性の悪化に繋がるリスクがあります。
  • コンプライアンス違反と信用失墜
    公正・公平な情報提供と良質なコンテンツを基盤とする事業であるため、コンプライアンス違反や内部統制の不備が発生した場合、社会的な信用が失墜し、広告主の出稿控えや契約解除、訴訟、規制当局からの処分などにより、経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,001 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであり、すべてのリスクを網羅したものではありません。また、当社はこれまで、顕在化したクライシス・インシデントに対し、必要な対処や改善策の実施など、迅速な有事対応体制をとってきましたが、多様化するリスクへの対応を強化するため、将来のリスク等にも対応する「リスクマネジメント委員会」を設置する方針について、取締役会において確認しております。すでに設置済みのサステナビリティ委員会での当該分野におけるリスク管理に加え、本委員会の設置により、放送・その他の分野でこれまで対応してきた事案発生後の対応に加え、災害やサイバー分野等、今後発生しうるリスクへの機敏な対応も含めた、時代に合致したリスクマネジメント体制を構築・強化していく方針です。 (1) 事業環境および経営管理体制に関するリスク当社グループの売上高の多くを占めるテレビ放送事業収入は、日本経済の動向に大きく左右される企業の広告宣伝費に依存しています。景気後退や消費マインドの冷え込みは、広告出稿の抑制を通じて当社の経営成績に直接的な影響を及ぼす可能性があります。さらに、当社グループを取り巻く事業環境は急速に変化しており、スマートフォンやタブレット端末の普及、動画配信プラットフォームの台頭などにより、テレビの視聴形態は多様化の一途を辿っています。コンテンツの消費行動の変化や、インターネット広告をはじめとする多様なメディアとの競争激化は、従来のテレビ広告収入の減少圧力となる可能性があります。地上波放送が多様なコンテンツ流通経路の一つとなる中で、テレビ受像機における地上波放送の相対的な地位が低下することも懸念されます。加えて、テレビ放送事業においては、視聴率が広告枠の販売価格を決定する重要な指標の一つです。そのため、視聴率の低迷は広告収入の減少に直結し、当社の経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。また、コンテンツ制作費や番組配信にかかるコストが増加する一方で、広告収入が減少した場合、収益性が悪化するリスクがあります。また、公正・公平な情報、良質なコンテンツの提供により広告収入を得る当社グループの業態は、視聴者、アドバタイザーをはじめステークホルダーからの信用・信頼に大きく依拠しております。このため、コンプライアンス違反や内部統制の不備による、社会的な信用失墜とそれに伴うアドバタイザーの広告出稿控えが急速に進行するというリスクを内在しております。当社グループにおいても、不適切な会計処理、情報漏洩、ハラスメントといったコンプライアンス上の問題や、業務プロセスの脆弱性、情報システムにおけるセキュリティ上の欠陥など内部統制の不備が万が一にも発生した場合、企業イメージの著しい毀損、アドバタイザーからの契約の解除、訴訟や規制当局からの処分等につながり、経営成績に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。このような複合的な事業環境の変化と、コンプライアンス及び内部統制に関するリスクの顕在化は、当社グループの売上高の減少、収益性の悪化、ひいては財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。このようなリスクに対応するため、当社グループは、様々なコンテンツを制作、それらをあらゆるメディアで多角的に展開して、収益機会の最大化を図っております。その中核として、株式会社テレビ朝日のビジネスソリューション本部が中心となり、「コンテンツ編成部門」「営業部門」「ビジネス部門」「イベント部門」「イノベーション戦略部門」などが一体となって、ステークホルダーのニーズに応えるコンテンツの制作・提供、データ・テクノロジーの活用、情報発信の強化に取り組んでまいります。また、これらの施策を推進するための戦略的な投資を継続的に実施するとともに、ガバナンスおよびコンプライアンス体制の強化と内部統制システムの高度化を経営の重要課題と位置づけ、全社的な取り組みを強化してまいります。具体的には、役職員に対するコンプライアンスの周知徹底、内部監査機能の強化のほか、2026年7月に新設する方針の「リスクマネジメント委員会」による統合的なリスクマネジメント体制のもと、放送・その他の分野でこれまで対応してきた事案発生後の対応に加え、災害やサイバー分野等、今後発生しうる多様なリスクへの機敏な対応も含め、健全な企業運営に努めてまいります。 (2) 設備・投融資に関するリスク当社グループは、適切な設備投資及び投融資を継続し、技術水準を維持するとともに、企業競争力の強化に向けた戦略的投資を推進し、コンテンツ制作力の増強並びに魅力的なコンテンツの獲得、メディア戦略の強化などを図っております。こうした設備・投融資が、安定的かつ更なる利益貢献をするよう投融資の規模、性質、態様などに応じてリスクを判断する社内体制を構築しておりますが、かかる投資が期待されるリターンをもたらすという保証はなく、リターンが想定を下回る場合は、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。 (3) 個人情報の取り扱いに関するリスク当社グループは、番組出演者、番組観覧者、視聴者のほか、インターネット事業の会員やショッピング事業の顧客などに関する個人情報を保有しております。また、当社は既存の放送という概念のみに固執せず、インターネット技術を取り込み、視聴者・消費者とアドバタイザーのニーズに応えるため、多種多様なデータの活用にも取り組んでおります。当該個人情報の取り扱いやセキュリティ確保については様々な技術的な対策に加え、コンプライアンス統括局デジタルガバナンス推進部を中心に社内ルールの整備やスタッフ教育の実施などを行い情報管理に十分な注意を払っております。しかし万が一、不正アクセス、不正利用などにより情報の外部流出が発生した場合には、当社の情報・データ管理に対する信用性が低下し、これらを利用・活用する業務の停滞や当社グループへの信頼性が失われることにより、当該事業や取引から得られる当社の収益、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 自然災害等によるリスク当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業では、大規模な災害が発生し、放送の継続が困難な状況となる場合や、CMを入れない災害情報番組を放送する場合があります。また、電力不足への対応から、放送時間を短縮する可能性もあります。さらに、地震、大雨、洪水などの自然災害などにより、事業に必要な設備に被害が発生した場合や社員が被災した場合、予見困難な事象により放送機器に障害が発生した場合、通常の事業継続に影響が出る可能性があります。当社では、非常災害対策マニュアルや事業継続に向けたシミュレーション、社員安否確認システムの構築、防災訓練、バックアップ体制の強化などの対策を講じておりますが、自然災害等による影響・被害を完全に排除できるものではなく、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 未知の感染症の影響に関するリスク2020年から2023年にかけての新型コロナウイルス感染症拡大下においては、アドバタイザーからの広告出稿量の減少や開催を予定していたイベント・出資映画の延期・中止などテレビ放送事業やその他の事業収入の減収につながる状況が発生し、感染リスクを避けるためのドラマの撮影中断など、コンテンツの提供継続に影響を与える事態も生じました。株式会社テレビ朝日では、緊急の対策会議とチームを編成し、感染予防の徹底はもとより、感染者が発生した場合の拡大防止策などを詳細に策定のうえ、徹底することにより、事業を継続いたしました。3年余りにわたる新型コロナウイルス感染症拡大下での対応・対策・ノウハウについては、その詳細を記録にまとめ、今後、未知の感染症が発生した場合の対策構築の参考となるよう、当社グループ内で共有・継承しております。また、前述のビジネスソリューション本部を中心に、様々な環境下でコンテンツを提供し事業継続するための対応力強化にも注力しております。しかし、今後、感染力や致死率がさらに高い未知の感染症が発生した場合、新型コロナウイルス感染症の影響を上回る事業への影響を受ける可能性があります。 (6) コンプライアンスに関するリスク当社グループの主たる事業であるテレビ放送事業は、放送法及び関連法令の法的規制を受けています。当社は、放送法により、認定放送持株会社の認定を受けることで、複数の地上放送局とBS放送局及びCS放送局を子会社として保有することが認められています。今後、認定放送持株会社の資産に関する基準等、放送法で定める基準を満たさなくなった場合には、認定の取り消しを受ける可能性があります。仮に認定の取り消しを受けた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に重大な影響を与える可能性があります。また、当社グループの主たる事業はテレビ放送事業であり、株式会社テレビ朝日、株式会社BS朝日、株式会社シーエス・ワンテンは、当該事業を行うにあたっては「電波法」・「放送法」などの法令による規制を受けております。これらの事業に関して、法令違反により放送免許が取り消される場合や、免許を受けることができない場合は、当社グループの経営成績に重大な影響を及ぼす可能性があります。さらに、上記以外にも、事業活動を継続するうえで、様々な法的規制を受けています。これらの法令等に違反した場合や社会的要請に反した行動等により、法令による処罰・訴訟の提起、社会的制裁を受ける可能性があり、この結果、当社グループへの信頼性が失われ、情報発信の信頼性を基礎に放送局・報道機関として活動する当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。このため、当社グループでは、内部統制の基本は、「経営トップから従業員に至る法令等ルール順守のための多面的な連携」にあるとの考えに基づき、内部統制の仕組みを構築し、組織・規程などにより権限・責任を明示するとともに、必要に応じて、法務部・コンプライアンス統括局など社内の複数の部門におけるチェックを受け、活動状況を常務会ほかに報告する体制としております。また、経営トップを統括責任者とし、その指示のもと、コンプライアンスに基礎を置く内部統制に必要な研修・啓蒙活動を推進しております。以上のような対応を通じて、当社グループ及びその従業員の法令違反や社会規範に反した行為等の発生可能性を低減するよう努めております。 (7) 外国人等が取得した株式の取扱等に関するリスク当社は、放送法で定める外国人等((ⅰ)日本の国籍を有しない人、(ⅱ)外国政府又はその代表者、(ⅲ)外国の法人又は団体、(ⅳ)前記(ⅰ)から(ⅲ)に掲げる者により直接に占められる議決権の割合が総務省令で定める割合以上である法人又は団体)(以下「外国人等」という)の有する当社の議決権について、(ⅰ)から(ⅲ)に掲げる者により直接に占められる議決権の割合とこれらの者により上記(ⅳ)に掲げる者を通じて間接に占められる議決権の割合として総務省で定める割合とを合計した割合が20%以上となる場合には、放送法によって認定放送持株会社の認定が取り消されることとなります。このため、2026年3月期では、放送法等に則り、20%を上回る部分について名義書換の拒否を実施するなど適正に対処したほか、今後もそうした状態に至るときには、放送法の規定により、外国人等の氏名及び住所を株主名簿に記載し、又は記録することを拒むことができ、また、その議決権行使は制限されることとなります。 (8) 気候変動や人的資本をはじめとする環境・サステナビリティ課題に関するリスク気候変動をはじめとする地球環境問題は、世界的な規模で深刻化しております。日本国内でも異常気象による大規模な自然災害が多発し、気候変動リスクに関連する規制や開示強化に向けた動きもあり、あらゆる企業にとって看過できない問題となっています。このため、当社では企業としても気候変動課題の解決に向けて行動するため、TCFD提言への賛同を表明するとともに、このフレームワークに沿った分析を行い、気候変動に対するレジリエンスの強化を図っており、この問題へのガバナンスの強化やリスク管理に注力しておりますが、想定以上の規模とスピードで、気候変動リスクが進行した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、人的資本に関しては、前述の「サステナビリティに関する考え方及び取組」の「人的資本への対応」に記載されている通り、ライフスタイルや価値観が多様化する社会において、当社グループの企業使命を果たすために、「ダイバーシティの確保」「人材育成」「エンゲージメントの向上」の3つを柱として、具体的な施策と指標及び目標を策定・実施しております。しかし、少子高齢化に伴う労働人口の減少等により、人材獲得競争は激化しており、適切な人材の確保や育成が計画通りに進まない場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお2025年9月より、気候変動対応チーム、人的資本チームが発足し、関連する諸課題に対応しております。さらに、昨今の社会全体における人権意識の高まりを踏まえ、当社グループでは、すべての役職員が人権尊重の重要性を改めて認識するとともに、今後も公共的使命を果たし、社会から信頼される企業であり続けるために、2024年2月に「テレビ朝日グループ 人権方針」を公表し、4月に人権デュー・デリジェンスチームを発足させました。同年7月には社内向けと社外向けの人権相談窓口を設置し、9月に株式会社テレビ朝日の全役職員を対象とするアンケートと部署別のヒアリングを実施して、重要人権リスク領域を特定のうえ、人権侵害の防止・軽減・救済に向けた対応策を進めております。2025年度には対象をグループ会社23社に広げるとともに、株式会社テレビ朝日においてアンケートを改めて行い、重要人権リスクの特定・モニタリングを行い、継続した人権デュー・デリジェンスを実施しております。こうした取組みが不十分である場合には、ステークホルダーの信用失墜等により、当社グループの事業に影響を及ぼす可能性があります。

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