事業の概要
- 総合エネルギー事業中国電力グループは、電力供給を核とした総合エネルギー事業を展開しています。具体的には、発電から送配電、そして顧客への販売まで一貫して手掛けており、家庭用から産業用まで幅広い顧客にサービスを提供しています。電力の安定供給を通じて、地域社会の発展を支えることが主要な収益源となっています。
- 送配電事業電力の安定供給を支える送配電ネットワークの運営も重要な事業です。発電された電気を効率的かつ安全に各家庭や企業に届けるための送電線や配電網の維持管理、運用を行っています。この事業は、地域のインフラを支える公共性の高い役割を担っており、安定した収益基盤となっています。
- 情報通信事業電力事業で培ったインフラや技術を活用し、情報通信事業も展開しています。光ファイバーネットワークの構築・運用やデータセンターサービスなど、法人顧客を中心に情報通信ソリューションを提供しています。エネルギーと情報通信という現代社会に不可欠な二つのインフラを組み合わせることで、事業領域の拡大を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 総合エネルギー事業この事業は、中国電力グループの主要な収益源であり、電力の発電から販売までを一貫して行っています。売上高は1兆2617.27億円、営業利益は951.84億円と、グループ全体の業績を牽引する中核事業です。家庭用から産業用まで幅広い顧客に電力を供給し、安定した収益を上げています。
- 送配電事業電力の安定供給を支える送電線や配電網の建設・維持管理・運用を担う事業です。売上高は2038.7億円、営業利益は252.17億円であり、社会インフラとしての重要な役割を果たすとともに、安定的な収益基盤を形成しています。地域の電力供給を支える公共性の高い事業です。
- 情報通信事業電力事業で培ったインフラや技術を活用し、情報通信サービスを提供する事業です。売上高は333.63億円、営業利益は47.05億円となっています。光ファイバーネットワークやデータセンターサービスなどを法人顧客に提供しており、エネルギー事業以外の新たな収益源として成長を目指しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ComprehensiveEnergyReportableSegment | 事業 | 12,617 | 952 | 7.5% |
| PowerTransmissionAndDistributionReportableSegment | 事業 | 2,039 | 252 | 12.4% |
| Telecommunication | 事業 | 334 | 47 | 14.1% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社28社及び関連会社29社の計58社(2026年3月31日現在)で構成されている。事業内容は、総合エネルギー事業、送配電事業、情報通信事業を戦略的事業領域と定め、トータルソリューション事業を展開している。以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりである。 [事業系統図] 持分法を適用していない非連結子会社・関連会社18社は、記載を省略している。(注)1 2025年6月30日、当社が保有する中電工業株式会社及び中国計器工業株式会社の株式全てを中国電力ネットワーク株式会社へ譲渡したことにより、両社は直接出資の子会社から間接出資の子会社に変更となった。2 中電技術コンサルタント株式会社が株式会社ウインシステムズの株式を取得したことにより、同社は間接出資の子会社となった。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 燃料費調整制度により電気料金に燃料価格変動を反映し、市場価格調整制度で卸市場価格変動を反映。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 電気事業に係る法令やガイドライン等の変更が競争力や収益に影響を与える可能性がある。 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:原子力関連リスク / 調達リスク(資機材・資金) / 市場変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
中国電力は規制産業に属しており、特許やブランドによる明確な無形資産の優位性は限定的である。電力供給というインフラ事業であり、新規参入障壁は高いものの、それは規制によるものであり、企業固有の無形資産とは異なる。
スイッチングコスト★★★☆☆
電力自由化が進んでいるものの、家庭や中小企業が電力会社を頻繁に変更することによるスイッチング・コストは依然として高い。送電網へのアクセスや契約手続きの手間、信頼性への懸念から、既存の電力会社からの乗り換えは容易ではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
電力供給事業は、ユーザーが増えることでサービスの価値が直接的に向上するネットワーク効果は基本的に見られない。発電・送電・配電というインフラ事業であり、プラットフォーム型ビジネスとは性質が異なる。
コスト優位★★☆☆☆
燃料調達の効率化や発電所の稼働率向上など、コスト削減努力は継続されている。しかし、大規模な設備投資や燃料価格の変動リスクがあり、構造的なコスト優位性を築くことは難しい。再生可能エネルギーへの投資もコスト要因となりうる。
規模の経済★★★★☆
中国電力は中国地方における主要な電力供給事業者であり、広範な送配電網と顧客基盤を有している。この地域における電力供給の安定化と効率的な事業運営において、規模の経済は重要な競争優位性となっている。寡占的な市場構造が維持されている。
- 地域に根差した電力供給網中国電力は、中国地方を主要な事業エリアとし、長年にわたり電力供給を担ってきた実績と信頼があります。発電所から送配電網、そして顧客サービスまで一貫した体制を構築しており、地域社会のインフラを支える重要な役割を担うことで、強固な顧客基盤と安定的な事業運営を実現しています。
- 多様なエネルギー源の活用原子力発電、火力発電、再生可能エネルギーなど、多様な電源を組み合わせることで、電力の安定供給とコスト効率の最適化を図っています。特に原子力発電は、燃料費変動リスクの低減や温室効果ガス排出削減に貢献し、長期的な視点での競争優位性をもたらす可能性があります。
- 総合的なソリューション提供力電力供給だけでなく、情報通信事業や海外事業など、多角的な事業展開を行っています。これにより、顧客の多様なニーズに対応できる総合的なソリューション提供力を有しており、単なる電力会社に留まらない事業ポートフォリオを構築することで、収益源の多角化と安定化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 当社グループを取り巻く足元の事業環境は、脱炭素化の潮流、中東情勢の緊迫化などの地政学リスクの高まりを受けた燃料・卸電力市場価格のボラティリティ拡大、各種電力市場の整備をはじめとした電力システム改革の進展など、大きく変化している。国内における将来的な電力需要については、DXやGX(グリーントランスフォーメーション)の進展を背景に増加する見通しが示されている一方で、当社グループの事業基盤である中国地域は、人口減少の影響による地域経済の縮小などの課題も抱えている。こうした事業環境変化のなか、エネルギー供給の安定化・脱炭素化ニーズにお応えし、地域・社会の課題解決に向けて取り組むことは、中国地域に根差した当社グループの使命であると同時に、大きく成長する好機でもあると捉えている。当社グループは、企業理念(「ENERGIA」、「信頼。創造。成長。」)のもと、グループ経営ビジョンの実現を通じて、地域・社会の活性化と持続的な発展に貢献することで、ステークホルダーのみなさまとともに成長し、当社グループの企業価値を最大化していく。 (1)「中国電力グループ経営ビジョン2040」「中国電力グループ経営ビジョン2040」では、2040年度を見据えた「目指す姿」と、その実現に向けた「経営目標」及び「マテリアリティ(重点的に取り組むテーマ)」を設定した。また、実現に向けたステージとして、2030年度までは、島根原子力発電所3号機や柳井発電所新2号機(仮称)への投資を進め、持続的な成長に向けた変革と基盤づくりを着実に進めていく期間、2030年度以降はそれまでの投資による成果を獲得し、更なる成長・企業価値向上を図りながらステークホルダーのみなさまへの還元を充実させていく期間と位置付けている。 <中国電力グループ経営ビジョン2040の全体像>(注)1.ROIC=投下資本利益率。投下資本に対する収益性を示す。 2.WACC=加重平均資本コスト。株主資本コストと負債コストを資本構成により加重平均することで算定。 3.GHG=温室効果ガス。 (2)「中国電力グループ経営ビジョン2040」実現に向けた実行計画「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けた実行計画として、「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」を策定し、その概要を「Action Plan 2030」として公表した。「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」が対象とする5年間は、経営基盤を回復させるステージから一歩踏み出し、「持続的な成長に向けた変革と基盤づくり」を進める期間と位置付けている。この期間においては、成長のための大型投資を着実に実行すると同時に、財務の健全性を確保しながら、企業価値向上へと着実に結びつけていくため、資本効率を強く意識したROIC経営を実践していく。そしてその成果を、足元で低水準に留まるPBR(株価純資産倍率)の向上につなげていく。こうした考えに基づき、「中国電力グループ経営ビジョン2040」における経営目標達成に向けた取り組みや、マテリアリティへの対応を「成長戦略」、「財務戦略」、「サステナビリティ戦略」の3つの戦略として整理した。当社グループの総力を結集し、これらの戦略を着実に実行していく。 ① 成長戦略a.脱炭素化に向けた大型電源の確保 電源競争力の強化と脱炭素化の両立を図るため、大型電源の開発と安定稼働による供給力確保に取り組む。 ・島根原子力発電所2号機 安定運転を継続するとともに、特定重大事故等対処施設等の設置について、新規制基準への適合性審査に適切に 対応し、安全対策工事を着実に進める。 ・島根原子力発電所3号機 2030年度までの営業運転開始を目指し、新規制基準への適合性審査に適切に対応し、安全対策工事・建設工事を 着実に進める。 なお、島根原子力発電所の長期安定稼働に資する使用済燃料貯蔵対策の一環として、上関地点における使用済 燃料中間貯蔵施設の設置に向けた取り組みを進める。 ・柳井発電所新2号機(仮称) 2030年7月の運転開始を目指し、環境影響評価の対応を含め、建設工事を着実に進める。 b.域内電力需要拡大の促進 中国地域では、瀬戸内コンビナートを中心に、自家発電設備を保有するお客さまが多く、GXに向けた対応の一環として、系統電力の受電への切替や石炭からLNGへの燃料転換等のニーズが見込まれる。こうしたニーズに対し、当社グループ全体での強みである、ガスも加えた総合的なエネルギーソリューションサービスを展開することで、産業エネルギーの電化とGXの推進を通じて電力需要を拡大し、地域の発展に貢献する。 c.電力バリューチェーンの強化 送配電事業における中立性確保及び内外無差別な電力卸売を大前提に、発電事業・送配電事業において積極的な投資を行い、電力事業を中心に、お客さま・地域のニーズに寄り添ったサービスの拡大を進めるとともに、当社グループの総合力による地域・社会課題の解決を通じた価値創出に取り組む。 ② 財務戦略a.ROIC経営への移行 2026年度から、事業別にROICの目標を設定のうえ、これをもとにした経営管理を本格的に開始することで、資本効率の向上を意識した経営に取り組む。 <事業別のROIC目標>事業区分2025年度実績目標(2030年度)総合エネルギー事業1.9%3%以上送配電事業0.8%2%以上情報通信事業6.1%6%以上 (注)1.総合エネルギー事業のROICは、燃料費調整制度の期ずれ影響を除いて算定。 2.ROICの投下資本は期首・期末平均値で算定。 3.ROIC算定に用いる利益は営業利益に受取配当金等を加味した事業利益(税引き後)。 b.資金調達戦略の高度化 大型投資を支えるため、長期脱炭素電源オークションや、GX推進機構の金融支援を活用したローンなどのトランジション・ファイナンスを積極的に活用することなどにより、資本コストの上昇抑制を図りながら、必要資金を着実に確保していく。(注)1.長期脱炭素電源オークション=電力広域的運営推進機関が実施する、脱炭素電源への新規投資を対象とし た入札制度。 落札した電源に対し、固定費相当の費用(落札価格)が一定期間支払われる。 2.GX推進機構(脱炭素成長型経済構造移行推進機構)=GX推進法に基づき設立された認可法人。企業の 脱炭素投資を後押しするための債務保証等の金融支援、排出量取引制度の運営、化石燃料賦課金等の徴収 を行う。 3.トランジション・ファイナンス=脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則り、着実なGHG削減の取 り組みを行う企業が、その取り組みに必要な資金を調達するための手法。 c.配当方針 財務基盤の回復過程においても株主のみなさまに安定的な配当を行っていく趣旨から、配当の決定にあたっては、2026年度からDOE(株主資本配当率)の考え方を導入し、島根原子力発電所3号機の営業運転開始までは、DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して決定する。 <株主還元の方向性のイメージ> DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して決定。業績向上やフリー・キャッシュフローの黒字が安定的に見込まれることを踏まえて充実化を更に進める。 ③ サステナビリティ戦略「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けて、価値創造の基盤となるサステナビリティの取り組みを推進する。 <中国電力グループ経営ビジョン2040におけるサステナビリティ目標> a. Environment(環境) 電力の安定供給、カーボンニュートラルの実現、競争力強化の観点から、様々な選択肢を排除せず検討し、優先順位を付けながら、原子力発電・再生可能エネルギー・火力発電を適切に組み合わせて、「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げるサプライチェーンGHG排出量目標の達成を目指す。 b. Social(地域・社会、人材) 幅広いステークホルダーのみなさまに情報を発信し、そのニーズやご意見を事業活動に反映していく双方向のコミュニケーションを通じて、事業の基盤である「信頼」を獲得し、これを更なる収益機会や地域・社会課題の解決につなげることで、グループの企業価値の最大化を実現していく。 「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けて、内部人材の育成と外部人材の獲得を通じた必要な人材の確保と成長、それを支える職場環境の整備として、女性活躍推進など多様な人材の活躍と従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいる。また、持続的な成長に向けた基盤づくりとして、すべての世代の社員が持ち場で輝くことができる、エイジ・ダイバーシティ推進施策を展開していく。 c. Governance(ガバナンス) 公平性・透明性かつ実効性のあるガバナンスの構築に向けて取り組んでおり、その一環として、2026年度以降の取締役の報酬(業績連動型株式報酬)における業績指標について、「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げる経営目標(財務目標とサステナビリティ目標)と整合させるかたちで見直し、経営目標の達成に向けたインセンティブ機能の強化を図る。 また、本年6月に再編・設置する新たな組織のもと、リスクマネジメント等の更なる強化に取り組んでいく。 <見直し後の取締役の報酬体系> 当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しているが、役員・社員が一丸となって、株主のみなさまをはじめとするステークホルダーのみなさまから信頼いただけるよう取り組むとともに、その信頼をもとに、事業活動を通じて継続的に経済価値と社会価値を向上させていくことで、企業価値を最大化していく。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 当社グループを取り巻く足元の事業環境は、脱炭素化の潮流、中東情勢の緊迫化などの地政学リスクの高まりを受けた燃料・卸電力市場価格のボラティリティ拡大、各種電力市場の整備をはじめとした電力システム改革の進展など、大きく変化している。国内における将来的な電力需要については、DXやGX(グリーントランスフォーメーション)の進展を背景に増加する見通しが示されている一方で、当社グループの事業基盤である中国地域は、人口減少の影響による地域経済の縮小などの課題も抱えている。こうした事業環境変化のなか、エネルギー供給の安定化・脱炭素化ニーズにお応えし、地域・社会の課題解決に向けて取り組むことは、中国地域に根差した当社グループの使命であると同時に、大きく成長する好機でもあると捉えている。当社グループは、企業理念(「ENERGIA」、「信頼。創造。成長。」)のもと、グループ経営ビジョンの実現を通じて、地域・社会の活性化と持続的な発展に貢献することで、ステークホルダーのみなさまとともに成長し、当社グループの企業価値を最大化していく。 (1)「中国電力グループ経営ビジョン2040」「中国電力グループ経営ビジョン2040」では、2040年度を見据えた「目指す姿」と、その実現に向けた「経営目標」及び「マテリアリティ(重点的に取り組むテーマ)」を設定した。また、実現に向けたステージとして、2030年度までは、島根原子力発電所3号機や柳井発電所新2号機(仮称)への投資を進め、持続的な成長に向けた変革と基盤づくりを着実に進めていく期間、2030年度以降はそれまでの投資による成果を獲得し、更なる成長・企業価値向上を図りながらステークホルダーのみなさまへの還元を充実させていく期間と位置付けている。 <中国電力グループ経営ビジョン2040の全体像>(注)1.ROIC=投下資本利益率。投下資本に対する収益性を示す。 2.WACC=加重平均資本コスト。株主資本コストと負債コストを資本構成により加重平均することで算定。 3.GHG=温室効果ガス。 (2)「中国電力グループ経営ビジョン2040」実現に向けた実行計画「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けた実行計画として、「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」を策定し、その概要を「Action Plan 2030」として公表した。「中国電力グループ中期経営計画(2026-2030)」が対象とする5年間は、経営基盤を回復させるステージから一歩踏み出し、「持続的な成長に向けた変革と基盤づくり」を進める期間と位置付けている。この期間においては、成長のための大型投資を着実に実行すると同時に、財務の健全性を確保しながら、企業価値向上へと着実に結びつけていくため、資本効率を強く意識したROIC経営を実践していく。そしてその成果を、足元で低水準に留まるPBR(株価純資産倍率)の向上につなげていく。こうした考えに基づき、「中国電力グループ経営ビジョン2040」における経営目標達成に向けた取り組みや、マテリアリティへの対応を「成長戦略」、「財務戦略」、「サステナビリティ戦略」の3つの戦略として整理した。当社グループの総力を結集し、これらの戦略を着実に実行していく。 ① 成長戦略a.脱炭素化に向けた大型電源の確保 電源競争力の強化と脱炭素化の両立を図るため、大型電源の開発と安定稼働による供給力確保に取り組む。 ・島根原子力発電所2号機 安定運転を継続するとともに、特定重大事故等対処施設等の設置について、新規制基準への適合性審査に適切に 対応し、安全対策工事を着実に進める。 ・島根原子力発電所3号機 2030年度までの営業運転開始を目指し、新規制基準への適合性審査に適切に対応し、安全対策工事・建設工事を 着実に進める。 なお、島根原子力発電所の長期安定稼働に資する使用済燃料貯蔵対策の一環として、上関地点における使用済 燃料中間貯蔵施設の設置に向けた取り組みを進める。 ・柳井発電所新2号機(仮称) 2030年7月の運転開始を目指し、環境影響評価の対応を含め、建設工事を着実に進める。 b.域内電力需要拡大の促進 中国地域では、瀬戸内コンビナートを中心に、自家発電設備を保有するお客さまが多く、GXに向けた対応の一環として、系統電力の受電への切替や石炭からLNGへの燃料転換等のニーズが見込まれる。こうしたニーズに対し、当社グループ全体での強みである、ガスも加えた総合的なエネルギーソリューションサービスを展開することで、産業エネルギーの電化とGXの推進を通じて電力需要を拡大し、地域の発展に貢献する。 c.電力バリューチェーンの強化 送配電事業における中立性確保及び内外無差別な電力卸売を大前提に、発電事業・送配電事業において積極的な投資を行い、電力事業を中心に、お客さま・地域のニーズに寄り添ったサービスの拡大を進めるとともに、当社グループの総合力による地域・社会課題の解決を通じた価値創出に取り組む。 ② 財務戦略a.ROIC経営への移行 2026年度から、事業別にROICの目標を設定のうえ、これをもとにした経営管理を本格的に開始することで、資本効率の向上を意識した経営に取り組む。 <事業別のROIC目標>事業区分2025年度実績目標(2030年度)総合エネルギー事業1.9%3%以上送配電事業0.8%2%以上情報通信事業6.1%6%以上 (注)1.総合エネルギー事業のROICは、燃料費調整制度の期ずれ影響を除いて算定。 2.ROICの投下資本は期首・期末平均値で算定。 3.ROIC算定に用いる利益は営業利益に受取配当金等を加味した事業利益(税引き後)。 b.資金調達戦略の高度化 大型投資を支えるため、長期脱炭素電源オークションや、GX推進機構の金融支援を活用したローンなどのトランジション・ファイナンスを積極的に活用することなどにより、資本コストの上昇抑制を図りながら、必要資金を着実に確保していく。(注)1.長期脱炭素電源オークション=電力広域的運営推進機関が実施する、脱炭素電源への新規投資を対象とし た入札制度。 落札した電源に対し、固定費相当の費用(落札価格)が一定期間支払われる。 2.GX推進機構(脱炭素成長型経済構造移行推進機構)=GX推進法に基づき設立された認可法人。企業の 脱炭素投資を後押しするための債務保証等の金融支援、排出量取引制度の運営、化石燃料賦課金等の徴収 を行う。 3.トランジション・ファイナンス=脱炭素社会の実現に向けて長期的な戦略に則り、着実なGHG削減の取 り組みを行う企業が、その取り組みに必要な資金を調達するための手法。 c.配当方針 財務基盤の回復過程においても株主のみなさまに安定的な配当を行っていく趣旨から、配当の決定にあたっては、2026年度からDOE(株主資本配当率)の考え方を導入し、島根原子力発電所3号機の営業運転開始までは、DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して決定する。 <株主還元の方向性のイメージ> DOE2%を目指しつつ財務基盤の回復状況などを総合的に勘案して決定。業績向上やフリー・キャッシュフローの黒字が安定的に見込まれることを踏まえて充実化を更に進める。 ③ サステナビリティ戦略「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けて、価値創造の基盤となるサステナビリティの取り組みを推進する。 <中国電力グループ経営ビジョン2040におけるサステナビリティ目標> a. Environment(環境) 電力の安定供給、カーボンニュートラルの実現、競争力強化の観点から、様々な選択肢を排除せず検討し、優先順位を付けながら、原子力発電・再生可能エネルギー・火力発電を適切に組み合わせて、「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げるサプライチェーンGHG排出量目標の達成を目指す。 b. Social(地域・社会、人材) 幅広いステークホルダーのみなさまに情報を発信し、そのニーズやご意見を事業活動に反映していく双方向のコミュニケーションを通じて、事業の基盤である「信頼」を獲得し、これを更なる収益機会や地域・社会課題の解決につなげることで、グループの企業価値の最大化を実現していく。 「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向けて、内部人材の育成と外部人材の獲得を通じた必要な人材の確保と成長、それを支える職場環境の整備として、女性活躍推進など多様な人材の活躍と従業員エンゲージメントの向上に取り組んでいる。また、持続的な成長に向けた基盤づくりとして、すべての世代の社員が持ち場で輝くことができる、エイジ・ダイバーシティ推進施策を展開していく。 c. Governance(ガバナンス) 公平性・透明性かつ実効性のあるガバナンスの構築に向けて取り組んでおり、その一環として、2026年度以降の取締役の報酬(業績連動型株式報酬)における業績指標について、「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げる経営目標(財務目標とサステナビリティ目標)と整合させるかたちで見直し、経営目標の達成に向けたインセンティブ機能の強化を図る。 また、本年6月に再編・設置する新たな組織のもと、リスクマネジメント等の更なる強化に取り組んでいく。 <見直し後の取締役の報酬体系> 当社グループを取り巻く事業環境は大きく変化しているが、役員・社員が一丸となって、株主のみなさまをはじめとするステークホルダーのみなさまから信頼いただけるよう取り組むとともに、その信頼をもとに、事業活動を通じて継続的に経済価値と社会価値を向上させていくことで、企業価値を最大化していく。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりである。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものである。 (1) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成している。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いているが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性がある。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載している。 (2) 経営成績 ① 事業全体当連結会計年度におけるわが国の経済情勢をみると、設備投資を中心とする内需に支えられ、景気は緩やかに回復した。しかしながら、物価上昇や米国の通商政策等の影響により個人消費や輸出が力強さを欠くとともに、年度末にかけては中東情勢の緊迫化を受けて景気の不透明感が高まった。中国地域においても、ほぼ全国と同様の状況で推移した。このような中で、当連結会計年度の経営成績については、売上高(営業収益)は、小売販売電力量の増加はあったが、燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などにより、1兆4,423億円と前連結会計年度に比べ869億円の減収となった。営業利益は、島根原子力発電所2号機の稼働や需要獲得による総販売電力量の増などの収支改善はあったが、卸・小売事業における競争進展や送配電事業の利益減などにより、902億円と前連結会計年度に比べ389億円の減益となった。支払利息などの営業外損益を加えた経常利益は802億円と前連結会計年度に比べ483億円の減益となった。特別利益を計上して、法人税などを控除した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は685億円と前連結会計年度に比べ299億円の減益となった。 区分前連結会計年度(億円)当連結会計年度(億円)差引(億円)増減率(%)売上高(営業収益)15,29214,423△869△5.7経常利益1,285802△483△37.6親会社株主に帰属する当期純利益984685△299△30.4(参考) 営業利益1,291902△389△30.1 (参考)中国電力個別決算区分前事業年度(億円)当事業年度(億円)差引(億円)増減率(%)売上高(営業収益)13,42212,667△754△5.6経常利益952674△277△29.2当期純利益829598△231△27.9(参考)営業利益839661△178△21.2 ② 生産、受注及び販売の実績当社及び連結子会社の業種は広範囲かつ多種多様であり、また、当社の電気事業が事業の大半を占めることから、当社の電気事業の販売実績、発受電実績及び資材の状況を記載している。 a.販売実績種別前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)総販売電力量(百万kWh)小売販売電力量電灯15,52914,90596.0電力26,19230,518116.5他社販売電力量10,02411,385113.6計51,74556,808109.8料金収入(百万円)電灯料391,268361,54792.4電力料558,797572,041102.4他社販売電力料140,986146,437103.9計1,091,0511,080,02699.0 (注)1 小売販売電力量には、自社用を含んでいない。2 他社販売電力量には、インバランス・調整電源等に係る他社販売電力量を含んでいない。3 他社販売電力料には、インバランス・調整電源等に係る他社販売電力料、容量確保契約金額等を含んでいない。4 電灯料及び電力料には、「電気・ガス料金支援」により国から受領した補助金(前連結会計年度41,900百万円、当連結会計年度32,909百万円(電灯・電力計))を含んでいない。5 総販売電力量は、四捨五入の関係で合計と一致しない場合がある。 b.発受電実績種別前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前年同期比(%)発受電電力量(百万kWh)自社水力発電電力量3,5923,42795.4火力発電電力量24,94724,72499.1原子力発電電力量1,9806,315319.0新エネルギー等発電電力量105173163.7他社受電電力量26,45228,255106.8揚水発電所の揚水用電力量△1,385△1,809130.6合計55,69261,085109.7出水率(%)101.186.5- (注)1 他社受電電力量は、インバランス・調整電源等に係る電力量を含んでおり、当連結会計年度末日現在で把握している電力量を記載している。2 揚水発電所の揚水用電力量とは、貯水池運営のための揚水用に使用する電力である。3 当連結会計年度の出水率は、1994年度から2023年度までの30か年の年平均に対する比である。4 発受電電力量合計と総販売電力量の差は損失電力量等である。5 四捨五入の関係で合計と一致しない場合がある。 c. 資材の状況 主要燃料の受払状況 品名単位2024年3月末在庫量前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)2025年3月末在庫量当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)2026年3月末在庫量受入払出受入払出石炭t388,7155,956,3895,674,608670,4965,638,8185,449,678859,636バイオマスt36,604590,681593,37133,914511,280522,02823,166重油(注)kl87,59290,678101,04677,224128,43088,662116,992LNGt119,4811,570,9221,492,598197,8051,494,8641,496,947195,722 (注)助燃用重油を含む ③ セグメント情報 ○ 総合エネルギー事業売上高(営業収益)は、小売販売電力量の増加はあったが、燃料価格の低下に伴う燃料費調整額の減少などにより、1兆3,143億円と前連結会計年度に比べ937億円の減収となった。営業利益は、島根原子力発電所2号機の稼働や需要獲得による総販売電力量の増加などの収支改善はあったが、卸・小売事業における競争進展などにより、702億円と前連結会計年度に比べ249億円の減益となった。 ○ 送配電事業売上高(営業収益)は、他社エリアへの電力販売による事業者間精算収益の増加はあったが、託送需要の減少などによる基準接続託送収益の減少などにより、4,738億円と前連結会計年度に比べ376億円の減収となった。営業利益は、事業者間精算による収支影響の好転や需給調整に係る費用の減少はあったが、基準接続託送収益の減少や物価上昇等による修繕費や委託費の増加などにより、120億円と前連結会計年度に比べ131億円の減益となった。 ○ 情報通信事業売上高(営業収益)は、電気通信関係事業での受託収益の増加や新規顧客の獲得などにより、498億円と前連結会計年度に比べ4億円の増収となった。営業利益は48億円と前連結会計年度に比べ1億円の増益となった。 区分総合エネルギー事業(億円)送配電事業(億円)情報通信事業(億円)売上高前連結会計年度14,0805,115494当連結会計年度13,1434,738498差 引△937△3764営業費用前連結会計年度13,1284,863447当連結会計年度12,4404,617449差 引△688△2452営業利益前連結会計年度95125247当連結会計年度70212048差 引△249△1311 (3) 財政状態資産は、島根原子力発電所3号機に係る固定資産仮勘定の増加や現金及び預金の増加などにより、前連結会計年度末に比べ2,595億円増加し、4兆6,205億円となった。負債は、有利子負債の増加などにより、前連結会計年度末に比べ1,901億円増加し、3兆8,452億円となった。純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上などにより、前連結会計年度末に比べ694億円増加し、7,752億円となった。この結果、自己資本比率は、16.8%となった。 区分前連結会計年度末(億円)当連結会計年度末(億円)差引(億円)資産43,60946,2052,595 (うち電気事業固定資産)(うち固定資産仮勘定)(うち流動資産)(19,429)(9,550)(6,958)(19,335)(10,879)(8,298)(△94)(1,328)(1,340)負債36,55038,4521,901 (うち有利子負債)(31,813)(33,325)(1,512)純資産7,0587,752694 (うち自己資本)(7,075)(7,772)(697) (4) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報① キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容(当連結会計年度のキャッシュ・フローの概況) ○ 営業活動によるキャッシュ・フロー減価償却費の増加などにより、前連結会計年度に比べ512億円増加の2,372億円の収入となった。 ○ 投資活動によるキャッシュ・フロー固定資産の取得による支出の減少などにより、前連結会計年度に比べ1,225億円減少の2,362億円の支出となった。この結果、差引フリー・キャッシュ・フローは、10億円のプラスとなった。 ○ 財務活動によるキャッシュ・フロー社債・借入金による資金の調達を行ったことなどにより、1,353億円の収入となった。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ1,366億円増加し、4,233億円となった。区分前連結会計年度(億円)当連結会計年度(億円)差引(億円)○営業活動によるキャッシュ・フロー1,8602,372512○投資活動によるキャッシュ・フロー△3,588△2,3621,225 差引フリー・キャッシュ・フロー△1,728101,738○財務活動によるキャッシュ・フロー1,6111,353△257 うち社債・借入金による純増減1,7791,508△270 うち配当金の支払額△127△11611現金及び現金同等物(増減額)△1171,366 現金及び現金同等物(期末残高)2,8664,2331,366 島根原子力発電所2号機の稼働により原料費が大幅に減少したことで、原子力発電所の停止期間と比べて営業活動によるキャッシュ・フローが増加した結果、高水準の投資が継続するなかでも、フリー・キャッシュ・フローは10億円のプラスとなった。 ② 資本の財源エネルギー事業を中心とした既存事業の強化・進化や更なる成長に向けた新たな事業への挑戦などに必要な資金を、主に社債及び長期借入金により調達している。また、グループ全体の資金を効率的に活用するため、キャッシュ・マネジメント・サービス(CMS)を通じてグループ内資金融通を行っており、グループ全体で必要な資金を当社が一括して調達している。さらに、中長期的に安定的かつ低利な資金調達を実現するため、取引先金融機関の拡大や外貨建社債、ハイブリッド社債などによる調達手段・調達先の多様化に継続して取り組むとともに、2026年4月に改訂したサステナブル・ファイナンス・フレームワークに基づき、GX推進機構の債務保証を活用したローンをはじめ、社債やシンジケートローン等によるトランジション・ファイナンスを積極的に活用していく。なお、当社の発行する社債には電気事業法に基づき一般担保が付与されていたが、2025年4月1日以降に発行する社債には、一般担保は付与されていない。2025年度以降に新規に発行する無担保社債について、投資家保護を重視し、既に発行済の一般担保付社債と同様に、社債管理者を設置している。 ③ 資金の流動性月次資金繰りに基づき十分な現金及び預金を保有するとともに、金融機関とのコミットメントライン契約や当座貸越契約などにより、不測の資金需要に備える体制をとっている。 (5) 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、「中国電力グループ中期経営計画(2024-2025)」において収益・財務基盤回復への取り組み目標として、2024年及び2025年度の2年間で連結経常利益1,500億円以上の確保、2025年度末の連結自己資本比率15%以上への回復を掲げた。前連結会計年度では島根原子力発電所2号機の再稼働を果たし、当連結会計年度は、島根原子力発電所2号機の安定運転を継続したほか、国内電気事業の収益拡大策を実施し、近年減少傾向にあった総販売電力量を大幅に増加させることができた。こうした取り組みの結果、上記の目標をいずれも達成することができた。区分2024年度2025年度連結経常利益1,285億円802億円連結自己資本比率16.2%16.8% (6) 目標とする経営指標の達成状況等 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり、2025年9月に公表した「中国電力グループ経営ビジョン2040」において、財務目標として「ROE」「ROIC」「自己資本比率」を設定している。2030年度に向けては、資産・負債の増加を抑制しながら利益を着実に上げ、早期に財務基盤を確立させることに軸足を置いて取り組み、2030年度以降は、島根原子力発電所3号機などの投資成果を獲得し、資本収益性を更に高めていくことを目指す。また、財務目標の達成に向けたKPIとして、「連結経常利益」「総販売電力量」を設定している。財務目標の達成に向けて、国内電気事業を成長の柱とするエネルギー事業を中心に、グループ全体で成長していく。2030年度までは、経営の安定化や競争力強化、脱炭素化など当社グループの将来の成長にとって不可欠な島根原子力発電所3号機や柳井発電所新2号機(仮称)の投資を進めるとともに、負債が増加する中でもお客さまサービスの充実、電源の価値向上やトレーディングの高度化などにより利益を着実に向上させていく。2030年度以降は、これらの投資成果を獲得し、経済性と環境性を両立した競争力のある電源構成をもとに、高い資本収益性と安定的な財務基盤を実現する。 財務目標 (注)1実績目標値 2025年度2030年度2035年度2040年度ROE8.3%(注)28%以上-10%以上ROIC1.7%(注)23%以上-WACC+1%以上自己資本比率16.8%20%以上25~30%程度財務目標の達成に向けたKPI 連結経常利益702億円(注)21,100億円1,300億円1,600億円総販売電力量568億kWh600億kWh650億kWh700億kWh (注)1 財務目標はいずれも連結の数字 2 燃料費調整制度の期ずれ影響除き
事業リスク
- 原子力関連リスク原子力発電所の運転停止や運転開始の遅延が長期化する可能性があります。これは、新規制基準適合性審査の状況、トラブル、司法判断など様々な要因によるもので、代替火力燃料の調達費用増加や温室効果ガス排出対応費用が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 調達リスク原材料・資機材の価格高騰や長納期化、資金調達の不安定化が懸念されます。新たな感染症の流行や国際紛争などがサプライチェーンに影響を与え、資機材の調達コスト増や納期遅延が発生する可能性があります。また、金融市場の変動や格付け低下、ESGへの取り組みの遅れが資金調達の安定性に影響を及ぼす可能性があります。
- 市場変動リスク燃料価格や外国為替相場の変動、卸電力市場価格の変動が業績に影響を与える可能性があります。燃料費調整制度による影響緩和はあるものの、タイムラグや調整上限設定、電源構成の差異などにより、業績が変動する可能性があります。また、卸電力市場価格の変動は、電源調達費用や再生可能エネルギーの買取費用に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】(1)リスクマネジメントの取り組み① リスクマネジメントの強化に向けた体制整備電力システム改革や足元での中東情勢に伴う燃料調達への影響など、電気事業を取り巻く環境は複雑化しており、これに伴う様々なリスクに適切に対応する必要性は一層高まっているものと認識している。こうした状況下、2024年度に設置した電力取引に係る「市場リスク管理高度化プロジェクト」からさらに体制を強化し、2025年6月、リスク管理を一体的・恒常的に担う組織として「リスク管理部門」を設置した。この新たな組織体制において、「リスク」を「機会」と「損失」の両面の不確実性を表す概念として捉え直し、リスクテイクによる収益獲得を企図した電力トレーディングを行うため、トレーディング機能の強化と併せて、市場リスク管理機能についても整備を進めている。また、当社グループの事業活動に係る多様なリスクを戦略的に統制・活用するため、当社におけるリスク管理のあり方について、社長を含む経営層で構成するリスク管理委員会(注1)を経て、経営会議・取締役会においても審議を重ねた結果、統合リスクマネジメントを志向することとした。具体的にはリスク分野を再整理のうえ、各リスク分野別に統括組織を設定して3線体制における2線機能の強化を図ることに加え、経営戦略の策定・実行とリスクマネジメントの連動性を高めるため、経営上の個別の重要リスクの評価や統合リスク量の算定・管理等のスキームを導入することとしている。適切なリスクマネジメントの推進は健全な事業活動の基盤であり、企業価値の毀損防止・価値向上に資するものであるとの認識のもと、統合リスクマネジメント体制・スキームの具体化検討並びに事業活動への実装に向け、コンプライアンス・リスクマネジメント部門(注2)が中心となって引き続き取り組みを進めていく。注1:2026年6月25日に「リスクマネジメント委員会」に改称予定注2:2026年6月25日付での改編組織 <体制図>※2026年4月28日に公表している2026年6月25日付の組織改編後の体制で記載 ② 重要リスク(優先監視リスクシナリオ)の選定とモニタリング当社では、当社及びグループ企業の事業活動上、生じる可能性のあるリスクをリスクシナリオとして洗い出し、このうち重要なリスクシナリオ(優先監視リスクシナリオ)に関しては、事業戦略である中期経営計画に対策を織り込み、また対策の実行に必要となる経営資源を配分したうえ、リスク対応を行っている。また計画期間を通じて、対策の実行状況やリスクレベルの変化をモニタリングし、その結果について定期的に取締役会に報告している。2025年度においては、上述のリスク管理委員会において、当社各組織から洗い出されたリスクシナリオのリスク評価(ボトムアップアプローチ)に対し、グループ企業から洗い出されたリスク評価との比較分析や社会的なリスク認識を勘案のうえ、経営上の重要性の観点から再評価(トップダウンアプローチ)を行った。このリスク管理委員会での審議を踏まえ、最終的には取締役会において、当社経営への影響が大きいリスクシナリオを「優先監視リスクシナリオ」として選定するとともに当社グループのリスクマップを作成し、事業戦略策定上の基礎情報として活用している。 <当社グループのリスクマップ>※損失発生・企業価値毀損の観点から各リスクを評価し作成※影響度について、収支影響で評価しづらいリスクについては、以下の定性評価基準により評価を実施 「社会的信用の失墜」・「報道影響」・「規制当局による処分等」・「人的被害の発生」 (2)個別の重要リスク以下では、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があると考えられる個別の重要リスク(リスク分野)に対する認識等を記載している。文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。当社グループは、「中国電力グループ経営ビジョン2040」の実現に向け、リスク(ネガティブな影響を及ぼし得るリスク)の適切な管理及び機会(ポジティブな影響を及ぼし得るリスク)の活用に努めていく。 原子力関連(原子力不稼働・停止、原子力事故)リスク当社は、福島第一原子力発電所において発生した事故を踏まえ、地震・津波対策、外部電源の信頼性確保、フィルタ付ベント設備の設置といったシビアアクシデント対策等、2013年7月に施行された新規制基準への適合に加え、更なる安全性向上に不断に取り組んでいるものの、以下のリスクの発現により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。・原子力に関する政策変更や法規制・基準の見直し、新規制基準適合性審査を踏まえた追加安全対策の発生、トラブルや工事の輻輳化等による工期延長、従来から係争中の島根原子力発電所2・3号機の運転差止訴訟に対する司法判断等に伴う、発電所の運転停止・運転開始時期の遅延の長期化による代替火力燃料・電力の市場調達に係る費用の増加、温室効果ガス排出に係る対応費用等の発生などの業績影響・万一、原子力発電所において外部に影響を及ぼす重大な事故が発生した場合、発電所設備の損壊、外部補償の発生、社会的信用の失墜等対応策新規制基準適合性審査状況や規制動向等を注視のうえ、グループ企業・協力会社とも緊密に連携し、当社の原子力発電所の安全対策や工程管理等に計画的かつ適切に取り組んでいく。また、訴訟対応についても関係箇所と連携し、適切に対応していく。 原子力関連(原子燃料サイクル・原子力バックエンド事業)※リスク原子燃料サイクル・原子力バックエンド事業は、超長期の事業であり不確実性を有していることを踏まえ、使用済燃料の再処理及び廃炉に要する費用については使用済燃料再処理・廃炉推進機構に拠出する制度が、また、特定放射性廃棄物最終処分に要する費用については原子力発電環境整備機構に拠出する制度が、それぞれ国により措置されており、事業者のリスクが軽減されているものの、以下のリスクの発現により当社グループの業績は影響を受ける可能性がある。・今後の関係諸制度の見直し、拠出金額の変動や再処理工場の稼働不調等対応策上記制度に基づき適切に対応するとともに、再処理等事業者である日本原燃株式会社等の関係先と連携し、本事業の着実な実施に取り組んでいく。 ※本リスクについては、リスクマップ上では「原子力不稼働・停止」に包含している 市場変動リスク・電力・燃料の調達価格及び販売価格の変動による期間損益の変動・デリバティブ取引の複雑化により、リスクの把握及び評価が困難化し、想定以上の損失が発生・燃料価格の変動が電気料金に反映されるまでのタイムラグ(期ずれ)による差損発生・燃料費調整の前提とした電源構成と実際の電源構成との間の差異による業績悪化・一部のお客さまに設定されている燃料費調整の上限価格を平均燃料価格が超過することによる業績悪化・卸電力市場価格の変動による卸電力取引所における電源調達費用の増加機会・市場リスクの活用による総合エネルギー事業の収益の最大化対応策(市場リスク管理による対応)デリバティブ取引を活用した取引価格やキャッシュ・フローの固定化による市場変動リスクの低減・回避を図っている。また、市場リスクを定量化し、当社の経営体力を超過しないよう管理する上限値を設定のうえ、市場価格の変動によるリスク量を継続的にモニタリングし、当該上限値と対比することで市場リスクを管理している。(料金制度等による対応)原子力発電の稼働による電源構成に占める火力発電及び卸電力調達の割合の低減に取り組んでいる。また高圧以上のお客さまに導入している「市場価格調整制度」について、卸電力取引所の市場価格に連動して算定される回避可能費用に加えて同市場からの電源調達に係る市場価格の変動を電気料金に反映する制度を導入しており、燃料価格、外国為替相場及び卸市場価格の変動リスクの低減に努めている。 エネルギー市場競争リスク・離脱増加による収支悪化(特別高圧・高圧)対応策多様な電源調達チャネルの確保を通じて調達コストの抑制を図るとともに、中国地域において長年にわたって培ってきた営業力及び事業基盤を活用し、脱炭素をはじめとしたお客さまの多様なニーズを踏まえ、再生可能エネルギーを活用した料金メニューや太陽光発電PPAサービス、省エネ・CO₂削減コンサルティングなどのエネルギー・ソリューションの拡大などにより、需要の維持・拡大、離脱防止に取り組んでいく。 人身災害・疾病リスク・人身災害・疾病の発生に伴う人的リソースの損失・労働災害訴訟による対応コストの増大、当社の社会的信用の失墜・新型インフルエンザ等感染症の大流行による事業継続困難対応策エネルギアグループ企業行動憲章の行動原則の一つに「労働安全衛生の確保」を掲げ、労働災害の防止、健康の保持増進に向けてグループ企業・協力会社と一体となって取り組んでいる。毎年度、安全健康推進業務運営方針を定め、ライン管理者による安全衛生管理の徹底、危険予知活動による危険感受性の向上及びリスクアセスメントによる災害の未然防止、これらに対する教育・研修を計画的に実施し、従業員の安全健康意識の高揚による安全行動の習慣化と自主健康づくりを推進している。また、請負工事安全対策協議会を設置し、工事・作業実施時の連絡・調整、必要な指導・助言を行うことができるよう安全協力体制を確立・運営している。 資金調達リスク・島根原子力発電所における新規制基準対応費用の増加に伴う資金調達額の上振れ・不適切事案の発生による資金調達の困難化・財務内容悪化に伴う信用力・信用格付の変動による調達条件の悪化・金利上昇に伴う資金調達コストの増加機会・公的支援制度の拡充等による資金調達環境の改善・気候変動対策を考慮する金融機関・投資家の増加に伴うサステナブル投資額の拡大により、適切なサステナブル・ファイナンス・フレームワークを有する企業に対する資金供給の拡大対応策 「中国電力グループ経営ビジョン2040」に掲げる成長戦略の実現に向け、中長期にわたり安定的かつ持続的な資金調達を重視している。この方針のもと、2026年3月にはGX推進機構の金融支援を活用したトランジションローンによる資金調達を実施する等、公的支援制度や新たなファイナンス手法の活用により、資金調達手法の多様化を進めている。 また、同年4月にはサステナブル・ファイナンス・フレームワークの見直しを行うなど、金融機関・投資家との積極的かつ建設的な対話を通じて、当社のESG全般に関する取り組みへの理解促進を図り、取引金融機関の拡大に取り組んでいる。さらに、過去の不適切事案の発生を受け、主要取引行及び格付機関等とは、定期的な報告・意見交換の中でコンプライアンス事案については速やかに報告する体制を構築している。 一方、金利変動リスクに対しては、金利環境を定期的にモニタリングし、有利子負債における固定金利・変動金利のバランスを考慮しながら支払利息の増加抑制とリスク抑制を図り、資本コストを意識した経営を推進し、事業の収益性向上を図っていく。 システム障害・サイバー攻撃リスク・機密性の高い内部情報の流出、業務の停滞及びサービス停止等による当社グループの社会的信用の失墜・社会的信用の失墜に伴う営業機会の逸失、情報セキュリティ事故・システム障害への対応に伴う追加費用の発生等による当社グループの業績悪化機会・重大な情報セキュリティ事故・システム障害の発生防止による当社グループの社会的信用の維持・向上対応策 当社グループは、情報セキュリティに関する管理体制・ルールを整備し、技術面及び人的面の両面から多層的かつ継続的な情報セキュリティ対策を実施している。技術面では、被害の長期化・拡大が懸念されるランサムウェアへの対応を重点対策とし、不正な侵入や端末の不審な動作を早期に検知する仕組みを整備している。加えて、万一のランサムウェア被害発生時にも業務影響を最小限に抑制するため、重要システムのバックアップ環境の整備、復旧手順の確認及び訓練に取り組んでいる。 人的面では、巧妙化する不審なメール等を含む情報セキュリティの脅威全般への理解を深めるため、当社グループを対象とした教育・訓練を継続的に実施し、確認や報告といった基本行動の定着を図ることで、組織全体の対応力向上に努めている。 また、システム障害に対しても、計画的な設備更新などにより未然防止に取り組みつつ、障害発生時の初動・復旧体制の整備や復旧訓練を行うことで、対応力向上に努めている。 DX(デジタルトランスフォーメーション)遅延リスク・デジタル技術の進化や市場の変化に即応した柔軟かつ迅速なビジネスモデル変更が困難・労働生産性の低下により、競争力の確保が困難・人材育成、ノウハウ継承不足による社員のモチベーション低下、安全意識の低下機会・DXノウハウを活用した新たなサービスの提供、地域貢献・デジタル技術による業務プロセスの効率化・高度化・レガシーシステムからの脱却によるシステム対応の迅速化対応策 「エネルギアグループDX戦略」にもとづき、デジタル技術を活用した業務変革施策(以下、「DX推進施策」という。)を具体化し、中期経営計画に反映することで、計画的に取り組んでいる。具体的には、各DX推進施策の目標についてKPIを設定の上、施策の評価及び進捗管理を行うなど、PDCAを適切に管理することで、DXが遅滞なく実施できるように取り組んでいる。 また、AI等の最新技術に関するノウハウやリソース不足に対し、社外の専門能力を有効活用することで、短期間での成果事例の創出等を実現できるよう取り組んでいる。 燃料調達リスク・世界情勢の不透明さ等を背景に燃料需給がひっ迫した場合、相対的にコストが高い電力を市場調達することによる業績への影響対応策燃料の市場環境が大きく変動する中、所要量の確保を最優先とし、早期の燃料確保に取り組んでいる。また、当社にとって有利な条件での売買契約の更改や価格の値決め時期の分散化、金融取引による価格固定化等で燃料価格の変動リスクの低減に努めるとともに、柔軟な調達・輸送体制の構築を図ることで、需給変動リスク低減に努めている。 人材確保・育成、人材の多様性リスク・人材の確保の困難化・人材育成の停滞・人材の流出増加による持続的企業価値向上の阻害・多様な意見が尊重されないことによる従業員エンゲージメントや企業価値の低下対応策当社グループとしては、中長期的な視点から人員構成の変化を予測し、安定的かつ継続的な採用者数の確保や離職者数の抑制、適材適所の人材配置に取り組むとともに、キャリア採用を積極的に実施することで多様な価値観・経験を有する人材の確保・活用を推進している。人材の多様性の確保を含む人材の育成及び社内環境整備に関するグループ全体の包括的な方針として策定した「多様な人材の活躍推進方針」のもと、マテリアリティの1つである「多様な人材が活躍できる環境づくり」にグループ一体となって取り組んでいく。 環境規制・CO2リスク・温室効果ガス(GHG)排出規制(排出量取引制度における発電事業者への有償オークション、化石燃料賦課金等)の強化によるコスト増・化石電源の競争力・利用率の低下による収益減機会・非化石電源ニーズの高まりによる再生可能エネルギー、原子力発電、脱炭素技術を活用した火力発電等の導入拡大・お客さまの事業活動における省エネ・脱炭素化ニーズの高まりによる電化の進展やDR、太陽光PPA等、サービス展開に伴う収益増対応策 2025年9月に策定した「中国電力グループ経営ビジョン2040」において、中国電力グループ全体のサプライチェーンGHG排出量(Scope1+2+3)については2030年度50%削減及び2035年度60%削減(いずれも2013年度比)を、中国電力個社では小売事業・発電事業ともに2030年度CO₂排出量50%削減(2013年度比)という目標を掲げている。これらの達成及び2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、カーボンニュートラル電力の活用拡大や火力発電のトランジション等の取り組みを一体的に推進していく。 情報漏洩リスク・顧客情報や業務情報等の重要な電子情報の漏洩による当社グループの社会的信用の低下・社会的信用の失墜に伴う営業機会の逸失等による当社グループの業績悪化機会・電子情報管理の徹底による取引先や顧客との信頼関係の維持・向上対応策 当社グループは、情報セキュリティに関する管理体制・ルールを整備し、技術面及び人的面の両面から多層的かつ継続的な電子情報の漏洩対策を実施している。 技術面では、クラウドサービスやWebサイトへのアクセス制限、USBメモリ等の外部記憶媒体の利用制限といった対策を講じることにより、電子情報の適切かつ厳格な管理を行っている。 人的面では、定期的な教育・訓練の実施を通じて、組織全体の意識向上に努めている。 出資先企業リスク(出資先海外企業)・海外事業におけるカントリーリスクの顕在化や脱炭素化の急速な進展に伴う環境・エネルギー関連の政策変更等の外部環境変化(出資先国内企業)・各事業を取り巻く環境変化による業績悪化及びそれに伴う投資リターンの減少対応策(出資先海外企業)海外事業における新規案件への投資の際、あらかじめ定めた基準に基づく投資評価及び経営層への報告・決議の仕組みを通じたリスク管理を徹底する。また、出資先の取締役会・株主総会を通じた経営管理とモニタリングの強化に取り組む。(出資先国内企業)事業の業績状況等の定期的なモニタリング及び業績悪化の兆候が見られた場合、必要な対策を実施する。 自然災害リスク・大規模自然災害等の発生による設備被害・操業支障等の影響の結果、代替火力燃料・電力の市場調達等に係る費用の増大・地震・台風・豪雨等の自然災害による設備被害・系統事故の拡大に伴う、広範囲の停電発生・停電の長期化に伴う社会的信用失墜・業績悪化・電力供給設備及び業務システム等の復旧費用の増大対応策 当社グループとしては、国の法令等に準拠した電力設備設計や計画的な修繕、災害応急対策及び災害復旧を図るための防災等に係る各種業務計画の策定並びに事業継続のための体制整備について、国の審議会の検討結果等も踏まえ適切に対応を行うとともに、自治体や他電力会社、自衛隊などの関係機関との連携や防災訓練を通じ、災害対応力の強化に取り組んでいる。また、災害発生時には最新の状況を考慮した需給計画の策定及び需給計画に基づく代替火力燃料・電力の調達に取り組む。 電力規制リスク・電気事業に係る法令やガイドライン等の変更・競争環境の変化・卸電力取引市場・容量市場等からの収益の変動等が発生した場合、当社グループの業績に影響対応策 当社グループとしては、こうした制度変更等の動向及び事業への影響を把握し、必要な対応を行うことで利益最大化に取り組んでいく。 コンプライアンスリスク・事業活動に関する各種法令、ガイドライン等へ抵触したことによる行政処分や行政指導の受領、社会的信用の低下、事後対応費用の発生等対応策 当社は、コンプライアンス経営推進宣言に掲げた3つの行動(「良識に照らします」、「率直に話します」、「積極的に正します」)、エネルギアグループ企業行動憲章及び中国電力コンプライアンス行動規範を踏まえ、役員の率先垂範のもと、コンプライアンス最優先の業務運営の徹底に取り組むとともに、上記憲章に掲げる「コンプライアンス経営の推進」に基づき、グループ企業におけるコンプライアンス最優先の業務運営を支援・指導し、当社グループとして、社会の一員としての責任を果たしていく。 特に、電気事業の性質を踏まえ、公正かつ自由な競争に基づく事業活動を確保するとともに、事業活動を通じて得られる多数の個人情報を適切に取り扱う観点から、電気事業法、独占禁止法、個人情報保護法等の関連法令及びガイドライン等を遵守するための諸制度・業務運営体制を構築・運用する。 人権・ハラスメントリスク・当社グループ及びサプライチェーンにおける人権侵害の発生による人々の生命や健康、尊厳への脅威・人権侵害発生による当社グループの社会的信用の失墜とそれに伴う業績の悪化対応策 当社グループは、従来様々な啓発活動に取り組んできたが、2023年度に「中国電力グループ人権方針」を策定し、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」の考え方に則り、「人権デュー・ディリジェンス」の実践に取り組んでいる。当社は特に影響が大きいと考えられる人権への負の影響としての人権侵害リスクを特定し、教育啓発活動やサプライチェーンへの働きかけなどを通じ、負の影響の防止・軽減などに取り組んでおり、グループ全体での取り組み拡大に向けて、継続的に推進していく。 火力等事業設備リスク・火力電源の新陳代謝が進まないことによる発電事業の収益減・火力電源の脱炭素化が進まないことによる環境面への影響や規制に伴うコスト増対応策 2025年2月に閣議決定された第7次エネルギー基本計画において、火力発電は安定供給に必要な発電容量(kW)を維持・確保しつつ、非効率な石炭火力を中心に発電量(kWh)を減らしていく方針や、必要な供給力を確保するための長期脱炭素電源オークションを含めた容量市場の着実な運用や見直しの検討など、安定供給を確保するための取り組みの必要性が示されている。こういった政府の方針や中長期的な社会情勢、需要見通しなどを踏まえ、長期脱炭素電源オークションや容量市場といった国の制度を活用した電源の新陳代謝や脱炭素化を図っていく。 注:当社グループのリスクマップに記載の「リスクマネジメント」リスクに関しては、「(1)リスクマネジメントの取り組み」に認識・対応等を記載しているため、「(2)個別の重要リスク」には記載していない。