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イーレックス(9517)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気・ガス業 電気・ガス

事業の概要

  • 再生可能エネルギーを核とした電力事業
    イーレックスグループは、2030年ビジョンとして「再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」を掲げています。燃料調達から発電、電力取引、そして最終的な電力小売まで、電力供給のバリューチェーン全体を自社グループ内で一貫して手掛けることで収益を上げています。これにより、市場の変動リスクを抑えつつ、安定的な電力供給と収益確保を目指しています。
  • バイオマス発電を主力とした電力供給
    同社グループは、パーム椰子殻や木質ペレットといったバイオマス燃料を使った発電所を複数保有しており、再生可能エネルギーの固定価格買取制度(FIT制度)を活用して発電した電力を販売しています。このFIT制度により、一定期間は安定した価格で電力を売却できるため、収益の安定化に貢献しています。土佐発電所や糸魚川発電所のように、稼働を休止・見合わせる発電所もありますが、主力はバイオマス発電です。
  • 多角的な電力関連事業の展開
    電力小売事業では、法人・個人向けに多様な料金プランを提供し、新規顧客獲得に注力しています。また、燃料事業ではバイオマス燃料の安定調達とコスト削減を追求し、トレーディング事業では電力市場からの調達と販売を柔軟に行うことで収益機会を最大化しています。さらに、海外での再生可能エネルギー事業にも積極的に取り組み、事業領域の拡大を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 電力小売事業
    エバーグリーン・マーケティングやエバーグリーン・リテイリングなどを中核とし、全国の法人・個人向けに電力を販売しています。高圧分野ではコーポレートPPAやDRといった脱炭素ソリューションを提供し、低圧分野では市場連動型プランや転居者向けアプローチで新規顧客を獲得しています。顧客ニーズに合わせた多様なプラン展開が特徴です。
  • 発電事業
    佐伯、豊前、大船渡、沖縄の4つのバイオマス発電所を保有し、PKSや木質ペレットを燃料として電力を生産しています。これらの発電所はFIT制度の認定を受けており、安定した価格で電力を販売しています。総出力は418MW(2025年3月31日現在)で、再生可能エネルギーによる安定供給を担う主力事業です。
  • 燃料事業
    バイオマス発電に必要なパーム椰子殻や木質ペレットといった燃料を、インドネシア、マレーシア、ベトナムなどの生産国から直接調達し、自社発電所だけでなく他社にも販売しています。現地に備蓄ヤードや工場を整備することで、高品質な燃料を安定的に、かつコスト優位性を持って供給することを目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,160 文字
3【事業の内容】当社グループは、「~持続可能な社会実現のために~再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」という 2030 年ビジョンのもと、再生可能エネルギーを基軸にして、電力小売事業、発電事業、燃料事業、トレーディング事業の4つの事業を一体化させ事業を推進しております。これら4事業の内容は以下のとおりです。また、海外事業にも取り組んでおり、併せて記載しております。 当社グループの事業内容(1) 電力小売事業 当社グループの販売子会社であるエバーグリーン・マーケティング株式会社、エバーグリーン・リテイリング株式会社を中核として、株式会社沖縄ガスニューパワー及び株式会社イーセルの4社が、全国の法人・個人の需要家に対し、電力を販売しております。高圧分野においては、完全固定プラン、ハイブリッドプラン等の先駆的なプランの販売に取り組むとともに、脱炭素社会の実現に向けたコーポレートPPA、DR等のソリューションの提供を行っています。また、低圧分野においては、全国の代理店網を活用し、市場連動型プランを中心に販売しており、顧客ニーズに合った新しいプランの提案や、転居する方々へのアプローチを通じて新規顧客の獲得にも取り組んでいます。加えて、アグリゲーション機能を活用した蓄電池事業にも取り組んでおります。 (2) 発電事業 当社グループが現在保有する発電所のうち、佐伯、豊前、大船渡及び沖縄の4発電所は、パーム椰子殻(以下、PKS)や木質ペレットといったバイオマスを燃料とする発電所で、再生可能エネルギーのFIT制度に基づく事業認定を受けており、当該制度下において発電した電力を当社グループ及び一般送配電事業者等に販売しております。石炭火力発電所である糸魚川発電所については、電力市場価格の状況を踏まえ、2026年度も運転を見合わせる予定です。 (3) 燃料事業 バイオマス発電の先駆者として培ったノウハウを活かし、良質なバイオマス燃料(PKSや木質ペレット)の安定供給とコスト低減を実現しております。当社グループの発電所向けに加え、他社に販売するバイオマス燃料を、インドネシア・マレーシア・ベトナム等生産国のサプライヤーから直接または当社子会社及び商社を通じて調達しております。当社グループでは、インドネシアにPKSの備蓄ヤードを整備、ベトナムでは木質ペレット工場を運営し、現地生産者との直接交渉により、品質及び価格優位性のあるバイオマス燃料の安定供給に努めております。 (4) トレーディング事業 LNGや原油等のエネルギーや電力の市場価格が大きく変動する中、当社グループの発電所及び相対契約事業者からの調達を主体として、一般社団法人日本卸電力取引所等の市場からの調達を柔軟に組み合わせ、安定的かつ価格競争力のある電力調達に努めております。また、トレーディング事業のノウハウを活かし、電力小売事業における独自プランやスキームの立案、組成にも取り組み、販売に貢献しております。さらに、海外事業から創出されるクレジットの活用を含め、カーボンクレジット取引を行うことを計画しております。 (5) 海外事業 当社グループでは、東南アジア諸国の脱炭素とエネルギー自給率向上に貢献すべく、再生可能エネルギー事業を展開しております。 ベトナムのハウジャン省においては、当社にとって海外初の発電所であり、かつベトナムとしても初めてとなる大型の商用バイオマス発電所(発電出力20MW)を運営しています。また、ベトナムのトゥエンクアン省の工場で木質ペレットを製造しています。加えて、ベトナム北部のイエンバイ(現ラオカイ)省及びトゥエンクアン省において、2027年度中の運転開始に向けてバイオマス発電所(それぞれ発電出力50MW)の建設を進めております(ハウジャン省(発電出力20MW)は令和4年度、イエンバイ(現ラオカイ)省及びトゥエンクアン省のバイオマス発電所(それぞれ発電出力50MW)は令和5年度の環境省「二国間クレジット制度(JointCrediting Mechanism(JCM))資金支援事業のうち設備補助事業」※に採択)。さらに、ベトナムの石炭火力事業者であるビナコミンパワー社の既設石炭火力発電所において2025年から2026年にかけて実施した実証試験を踏まえ、バイオマス燃料の混焼事業の計画を進めております。カンボジアにおいては、水力発電所(発電出力80MW)の建設を進めており、2026年度中には商業運転を開始する予定です。加えて、バイオマス発電所(発電出力50MW)と太陽光発電(発電出力40MW)がカンボジア政府の閣僚会議で承認され、2027年度中の運転開始に向けて建設の準備を進めております。 ※優れた脱炭素技術等を活用し、途上国等における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行う事業。途上国等における温室効果ガスの削減とともに、JCMを通じて我が国及びパートナー国の温室効果ガスの排出削減目標の達成に資することを目的とする。優れた脱炭素技術等に対する初期投資費用の2分の1を上限として補助を行う。なお、本事業はベトナム政府と日本政府の協力の下、実施されている。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
電力小売全面自由化に伴う競合他社の新規参入による競争激化。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
電気事業法、再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT制度)に基づく事業運営。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:電気事業制度改正による影響 / 法令等の改正による影響 / 気候変動問題へのリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

イーレックスはバイオマス発電に特化しており、再生可能エネルギー分野における一定のブランド認知と技術ノウハウを持つ。しかし、特許や規制ライセンスによる明確な独占性は限定的であり、参入障壁は相対的に低い。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

電力小売市場は自由化されており、顧客は比較的容易に電力会社を乗り換え可能。イーレックスの顧客基盤は、特定の付加価値サービスやブランドロイヤルティによって強く繋ぎ止められているわけではない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

イーレックスの事業モデルは、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果を生み出す構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

バイオマス燃料の安定調達と効率的な発電技術により、一定のコスト競争力を有する。特に、燃料調達におけるスケールメリットや長期契約がコスト優位性に寄与している可能性がある。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内有数のバイオマス発電事業者として、一定の事業規模を持つ。大規模な発電設備と燃料調達網は、新規参入者に対する参入障壁となり得る。

  • 再生可能エネルギーの垂直統合モデル
    イーレックスグループは、バイオマス燃料の調達から発電、電力の卸売・小売までを一貫して手掛ける垂直統合型のビジネスモデルを構築しています。これにより、燃料価格や電力市場価格の変動リスクを内部で吸収しやすくなり、安定した事業運営と収益確保に繋がっています。他社に依存する部分が少ないため、サプライチェーン全体の効率化も図れます。
  • バイオマス燃料の安定調達力
    バイオマス発電の先駆者として培ったノウハウを活かし、インドネシアやベトナムなどの生産国から直接、または子会社や商社を通じて良質なバイオマス燃料(PKS、木質ペレット)を安定的に調達しています。現地に備蓄ヤードや工場を整備することで、品質と価格の優位性を確保し、燃料供給の安定性を高めている点が強みです。
  • 海外事業展開による成長機会
    ベトナムやカンボジアといった東南アジア諸国で、バイオマス発電所や水力発電所の建設を進めるなど、海外での再生可能エネルギー事業に積極的に取り組んでいます。これらの海外事業は、各国の脱炭素化とエネルギー自給率向上に貢献するとともに、イーレックスグループにとって新たな収益源となり、将来的な成長ドライバーとなる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社経営の基本方針当社グループは、「~持続可能な社会実現のために~再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」というビジョンの下、日本市場のみならず、ベトナムを始めとするアジア諸国においても脱炭素に向けた取り組みを段階的に着実に具現化し、創業より受け継ぐ「挑む文化」をもって「総合エネルギー企業」へと進化してまいります。 (2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題 中東情勢の影響により燃料価格の変動が大きく、これに伴い電力価格の先行きは不透明な状況が続いております。加えて、実体経済への影響も想定され、電力需要についても合理的な見通しを立てることが困難であることから、2026年度の業績見通しは未定としております。一方で、世界的に異常気象が数多く発生しており、脱炭素ニーズは継続すると認識しており、下記のように事業拡大に取り組みます。 ① 電力小売事業の取組み高圧分野においては、完全固定プランやハイブリッドプランなど、顧客ニーズの多様化に対応した料金プランの提案を推進するとともに、既存顧客の料金プランの見直し等による顧客LTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図り、事業の拡大に取り組んでまいります。あわせて、脱炭素社会の実現に貢献すべく、アグリゲーション機能を活用した蓄電池事業、コーポレートPPA、デマンドレスポンス(DR)などのエネルギーソリューションの提供も強化してまいります。低圧分野においては、全国を網羅する販売ネットワークを最大限に活用し、転入時の新規顧客獲得の強化及び既存顧客の転居に伴う契約継続の促進に注力してまいります。加えて、付加価値商材の検討・導入を進めるとともに、中長期的な収益基盤の拡大を見据えた供給件数の増加にも継続的に取り組んでまいります。 ② トレーディング事業の取組み前期に引き続き、販売電力量に応じて適正な量と価格で都度調達する運用を基本としつつ、電力先物市場等も活用し、調達・販売に伴う変動リスクの抑制に努めてまいります。また、トレーディングで培ったノウハウを電力小売事業へ展開し、電力先物等を活用した独自の電力小売販売プランやスキームの立案・組成に取り組むことで、当社グループの電力小売事業に貢献してまいります。加えて、市況に応じて相対取引も機動的に活用し、収益の安定化を図ってまいります。 ③ 発電事業の取組み国内のバイオマス発電所については、定期修繕の効率化による所要日数の短縮や設備トラブルの防止を図るため、日常整備を徹底してまいります。また、2025年度長期脱炭素オークションで落札した「イーレックス新潟(仮称)」バイオマス発電所について、2029年度の運転開始に向け建設の準備を進めてまいります。 ④ 燃料事業の取組み2025年度に稼働を開始したベトナムの自社ペレット工場を含め、さらなる調達ソースの拡大とグループ外の新規取引先の開拓を通じて、バイオマス燃料の安定的な調達・供給に取り組んでまいります。 ⑤ 海外事業の取組みベトナムにおいては、既に稼働を開始しているハウジャンバイオマス発電所及びトゥエンクアンペレット工場の収益改善に取り組みます。加えて、2025年12月に起工式を行ったイエンバイ(現ラオカイ)省及びトゥエンクアン省のバイオマス発電所について、2027年度中の稼働開始に向けて引き続き、機器の製作、建設を推進します。また、昨年度に混焼試験を実施したビナコミンパワー社が保有する石炭火力発電所でのバイオマス燃料混焼事業について、早期の事業化を目指してまいります。カンボジアにおいては、水力発電所が完工間近であり、2026年度中の運転開始を予定しています。加えて、2024年9月にカンボジア政府の認可を受けた新設バイオマス発電所の建設準備に取り組んでまいります。 ⑥ 脱炭素戦略当社グループは、上記の事業別の取り組みに加え、中長期的には、海外のバイオマス発電所や石炭火力発電所によるバイオマス燃料混焼により創出されるカーボンクレジットを獲得する計画です。このカーボンクレジットを日本に持ち込み、2026年4月に日本で開始されたGX-ETS市場の活用等を通じて、日本のカーボンニュートラルにも貢献してまいります。 当社の事業戦略 AIの普及によるデータセンターの増加や東南アジアの経済成長により国内外の電力需要が増加し供給力が不足することが懸念されています。また、世界的な脱炭素方針は継続し、地政学リスクの高まりによるエネルギー安全保障への対応の機運も高まっています。このような環境下、当社は、供給力・創出・最適化を一体化したエネルギープラットフォームを構築し、上流から下流までの一貫体制のバリューチェーンを実現し、収益源の多層化を図ってまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社経営の基本方針当社グループは、「~持続可能な社会実現のために~再生可能エネルギーをコアに電力新時代の先駆者になる」というビジョンの下、日本市場のみならず、ベトナムを始めとするアジア諸国においても脱炭素に向けた取り組みを段階的に着実に具現化し、創業より受け継ぐ「挑む文化」をもって「総合エネルギー企業」へと進化してまいります。 (2)経営方針、経営環境及び対処すべき課題 中東情勢の影響により燃料価格の変動が大きく、これに伴い電力価格の先行きは不透明な状況が続いております。加えて、実体経済への影響も想定され、電力需要についても合理的な見通しを立てることが困難であることから、2026年度の業績見通しは未定としております。一方で、世界的に異常気象が数多く発生しており、脱炭素ニーズは継続すると認識しており、下記のように事業拡大に取り組みます。 ① 電力小売事業の取組み高圧分野においては、完全固定プランやハイブリッドプランなど、顧客ニーズの多様化に対応した料金プランの提案を推進するとともに、既存顧客の料金プランの見直し等による顧客LTV(ライフタイムバリュー)の最大化を図り、事業の拡大に取り組んでまいります。あわせて、脱炭素社会の実現に貢献すべく、アグリゲーション機能を活用した蓄電池事業、コーポレートPPA、デマンドレスポンス(DR)などのエネルギーソリューションの提供も強化してまいります。低圧分野においては、全国を網羅する販売ネットワークを最大限に活用し、転入時の新規顧客獲得の強化及び既存顧客の転居に伴う契約継続の促進に注力してまいります。加えて、付加価値商材の検討・導入を進めるとともに、中長期的な収益基盤の拡大を見据えた供給件数の増加にも継続的に取り組んでまいります。 ② トレーディング事業の取組み前期に引き続き、販売電力量に応じて適正な量と価格で都度調達する運用を基本としつつ、電力先物市場等も活用し、調達・販売に伴う変動リスクの抑制に努めてまいります。また、トレーディングで培ったノウハウを電力小売事業へ展開し、電力先物等を活用した独自の電力小売販売プランやスキームの立案・組成に取り組むことで、当社グループの電力小売事業に貢献してまいります。加えて、市況に応じて相対取引も機動的に活用し、収益の安定化を図ってまいります。 ③ 発電事業の取組み国内のバイオマス発電所については、定期修繕の効率化による所要日数の短縮や設備トラブルの防止を図るため、日常整備を徹底してまいります。また、2025年度長期脱炭素オークションで落札した「イーレックス新潟(仮称)」バイオマス発電所について、2029年度の運転開始に向け建設の準備を進めてまいります。 ④ 燃料事業の取組み2025年度に稼働を開始したベトナムの自社ペレット工場を含め、さらなる調達ソースの拡大とグループ外の新規取引先の開拓を通じて、バイオマス燃料の安定的な調達・供給に取り組んでまいります。 ⑤ 海外事業の取組みベトナムにおいては、既に稼働を開始しているハウジャンバイオマス発電所及びトゥエンクアンペレット工場の収益改善に取り組みます。加えて、2025年12月に起工式を行ったイエンバイ(現ラオカイ)省及びトゥエンクアン省のバイオマス発電所について、2027年度中の稼働開始に向けて引き続き、機器の製作、建設を推進します。また、昨年度に混焼試験を実施したビナコミンパワー社が保有する石炭火力発電所でのバイオマス燃料混焼事業について、早期の事業化を目指してまいります。カンボジアにおいては、水力発電所が完工間近であり、2026年度中の運転開始を予定しています。加えて、2024年9月にカンボジア政府の認可を受けた新設バイオマス発電所の建設準備に取り組んでまいります。 ⑥ 脱炭素戦略当社グループは、上記の事業別の取り組みに加え、中長期的には、海外のバイオマス発電所や石炭火力発電所によるバイオマス燃料混焼により創出されるカーボンクレジットを獲得する計画です。このカーボンクレジットを日本に持ち込み、2026年4月に日本で開始されたGX-ETS市場の活用等を通じて、日本のカーボンニュートラルにも貢献してまいります。 当社の事業戦略 AIの普及によるデータセンターの増加や東南アジアの経済成長により国内外の電力需要が増加し供給力が不足することが懸念されています。また、世界的な脱炭素方針は継続し、地政学リスクの高まりによるエネルギー安全保障への対応の機運も高まっています。このような環境下、当社は、供給力・創出・最適化を一体化したエネルギープラットフォームを構築し、上流から下流までの一貫体制のバリューチェーンを実現し、収益源の多層化を図ってまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 ア.財政状態当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ16,712百万円増加し、170,095百万円となりました。当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,529百万円減少し、92,431百万円となりました。当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ5,183百万円増加し、77,663百万円となりました。 イ.経営成績区分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減率(%)金額(百万円)金額(百万円)売上高171,217169,170△1.2営業利益7,1377,5185.3税引前利益6,3308,97441.8親会社の所有者に帰属する当期利益2,1185,332151.7 当連結会計年度における連結経営成績は、売上高は169,170百万円(前年度比△1.2%)、売上原価は149,686百万円(前年度比△0.7%)となり、売上総利益は19,484百万円(前年度比△5.0%)となりました。販売費及び一般管理費は13,453百万円(前年度比+23.5%)となり、営業利益は7,518百万円(前年度比+5.3%)、税引前利益は8,974百万円(前年度比+41.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,332百万円(前年度比+151.7%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ6,043百万円減少し、27,569百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。 (単位:百万円)区分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減額営業活動によるキャッシュ・フロー19,4952,218△17,276投資活動によるキャッシュ・フロー△5,533△15,855△10,322財務活動によるキャッシュ・フロー327,1647,131現金及び現金同等物期末残高33,61327,569△6,044 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は2,218百万円(前年同期比88.6%減)となりました。主な要因は、税引前利益8,974百万円があったものの、棚卸資産の増減額(資金の減少)843百万円、営業債務及びその他の債務の増減額(資金の減少)1,801百万円、未払又は未収消費税等の増減額(資金の減少)982百万円、デリバティブ債権債務の増減(資金の減少)2,542百万円等が生じたことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動により使用した資金は15,855百万円(前年同期比186.6%減)となりました。主な要因は、定期預金の払戻による収入1,648百万円、補助金による収入2,053百万円等があったものの、有形固定資産の取得による支出13,566百万円及び貸付けによる支出4,310百万円等が生じたことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、得られた資金は7,164百万円(前年同期比21,645.2%増)となりました。主な要因は、短期借入金(3ヶ月超)の返済による支出3,399百万円及び長期借入金の返済による支出6,497百万円等があったものの、短期借入れ(3ヶ月超)による収入10,769百万円、長期借入れによる収入7,404百万円等が生じたことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績当社グループは電力事業の単一セグメントであるため、以下の事項はサービス別に記載しております。 a.生産実績当連結会計年度の生産実績は次のとおりであります。区分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減率(%)発電実績(MWh)発電実績(MWh)電源開発(連結子会社による発電)844,871709,134△16.1合計844,871709,134△16.1 b.受注実績当社グループは電力事業を主たる事業として行っており、事業の性質上記載になじまないため、当該記載を省略しております。 c.販売実績当連結会計年度の販売実績をサービス別に示すと、次のとおりであります。区分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減率(%)金額(百万円)金額(百万円)電力小売97,18591,326△6.0電力卸売53,73851,660△3.9燃料卸売14,82622,75053.5その他3,7873,433△37.2合計171,217169,170△1.2 (注)主要な販売先前連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は一般社団法人日本卸電力取引所29,060百万円(17.0%)となります。当連結会計年度は10%未満の販売先のため記載を省略しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次の通りであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容ア.財政状態の分析区分前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)増減額金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)流動資産65,52142.763,82437.5△1,697非流動資産87,86057.3106,27162.518,410資産合計153,382100.0170,095100.016,712流動負債37,56924.544,34225.86,773非流動負債43,33228.348,08828.64,756負債合計80,90152.792,43154.211,529親会社の所有者に帰属する持分64,14441.870,38841.56,244非支配持分8,3355.47,2744.3△1,061資本合計72,48047.377,66345.85,183負債及び資本合計153,382100.0170,095100.016,712 (資産)当連結会計年度末における流動資産は63,824百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,697百万円減少いたしました。これは主に現金及び現金同等物が減少したことによるものであります。非流動資産は106,271百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,410百万円増加いたしました。これは主にカンボジア事業への貸付金が増加したことにより貸付金が増加したことによるものであります。この結果、資産合計は170,095百万円となり、前連結会計年度末に比べ16,712百万円増加いたしました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は44,342百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,773百万円増加いたしました。これは主に借入金(流動)が増加したことによります。非流動負債は48,088百万円となり、前連結会計年度末に比べ4,756百万円増加いたしました。これは主に借入金(非流動)が増加したことによるものであります。この結果、負債合計は92,431百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,529百万円増加いたしました。 (資本)当連結会計年度末における資本合計は77,663百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,183百万円増加いたしました。親会社の所有者に帰属する当期利益の計上による利益剰余金の増加があったことによるものであります。この結果、親会社所有者帰属持分比率は41.4%となりました。 イ.経営成績の分析区分上期(自 2025年4月1日至 2025年9月30日)下期(自 2025年10月1日至 2026年3月31日)通期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)売上高(百万円)86,54482,626169,170営業利益(百万円)3,6213,8977,518営業利益率(%)4.24.74.4税引前利益(百万円)3,2125,7618,974税引前利益率(%)3.77.05.3 区分計画2026年3月期実績2026年3月期計画達成率(%)金額(百万円)金額(百万円)売上高176,181169,170△4.0営業利益8,6017,518△12.6税引前利益7,5108,97419.5親会社の所有者に帰属する当期利益3,4155,33256.1 当連結会計年度における我が国経済およびエネルギー価格は、堅調な企業業績や設備投資の継続、賃金上昇等を背景に、2月までは概ね安定的に推移いたしました。しかしながら、エネルギー価格につきましては、期末にかけてイラン情勢の急変を受け、大幅に上昇する局面が見られました。もっとも、これらの動向が当連結会計年度の当社業績に与える影響は限定的なものにとどまりました。一方、当社事業にとって重要な脱炭素化の潮流につきましては、国内外において引き続き着実に進展しております。このような状況の中、当連結会計年度における連結経営成績は、売上高は169,170百万円(前年度比△1.2%)、売上原価は149,686百万円(前年度比△0.7%)となり、売上総利益は19,484百万円(前年度比△5.0%)となりました。販売費及び一般管理費は13,453百万円(前年度比+23.5%)となり、営業利益は7,518百万円(前年度比+5.3%)、税引前利益は8,974百万円(前年度比+41.8%)、親会社の所有者に帰属する当期利益は5,332百万円(前年度比+151.7%)となりました。 事業別に状況をご説明します。 電力小売事業については、当社グループの販売子会社であるエバーグリーン・マーケティング株式会社及びエバーグリーン・リテイリング株式会社を中核として、他に株式会社沖縄ガスニューパワー、株式会社イーセルが販売を行っております。高圧分野においては、独自性の高いプランを中心とした販売に加え、顧客ニーズの高い市場連動プランについて新規代理店及び直販チャネルを通じた販売に注力しました。その結果、販売電力量は2,959百万kWhと前年同期比21.4%増加しました。売上高は、市場価格の下落に伴う販売単価の低下により、57,249百万円(前年同期比4.2%増)となりました。利益につきましては、収益性が相対的に低い市場連動プランのウェイトが高くなったことにより、減少しました。低圧分野においては、不動産等の新規チャネルを通じた顧客獲得に積極的に取り組み、供給件数は268千件と前年同期比11.6%増加しましたが、ティーダッシュ合同会社(販売子会社)譲渡(2024年12月)の影響、一件当たりの販売電力量の減少により、販売電力量は1,138万kWh(前年同期比15.9%減)となり、市場価格の下落の影響もあり、売上高は34,077百万円(前年同期比19.3%減)となりました。利益につきましても、販売費の増加もあり、減少しました。 トレーディング事業については、前年度に引き続き、確定した販売量に対して適正な量と価格で都度調達する戦略を採用しております。当期においては、市場連動プランの販売増加によりヘッジ取引(小売向け相対調達)が減少したため取引機会が少なくなり、卸取引数量及び利益は減少しました。 発電事業については、佐伯、豊前、大船渡、中城の各バイオマス発電所が概ね計画通り稼働いたしました。一方で、糸魚川発電所は電力市況価格等を考慮し2025年度は休止しております。 燃料事業については、PKSを前年及び計画を下回る価格で調達できたことに加え、他社への販売数量が増加したことに伴い、売上高及び利益が大きく伸長しました。また、イーレックスグループ初の木質ペレット工場であるベトナム・トゥエンクアンペレット工場で製造した木質ペレットを、国内の他社バイオマス発電所向けに販売しました。 海外事業については、ベトナムで初めて商用化されたハウジャンバイオマス発電所が2025年4月に運転を開始しました。また、2025年12月には、ベトナム北部2か所のバイオマス発電所の造成工事がほぼ完了し、起工式を執り行いました。足元では、ボイラー・タービン等の主機を発注し、2027年度末の稼働開始に向けて取り組んでおります。カンボジアにおいては、2026年6月の完工に向けて水力発電所の建設工事が順調に進捗しております。また、バイオマス発電所及び太陽光発電のプロジェクトについても、2027年度中の運転開始を目標に開発を進めております。 販売費および一般管理費については、販売電力量の増加による代理店報酬の増加、人員増による人件費の増加があり、6.7%増加いたしました。 ウ.キャッシュ・フローの状況の分析キャッシュ・フローの状況の分析は「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 エ.資本の財源及び資金の流動性当社グループの主要な資金需要は設備投資等であり、自己資金及び長期借入金により調達しております。また、短期的な資金需要に対しては、短期借入金による調達に加えて当座貸越契約やコミットメントライン契約により充分な流動性を確保しております。 オ.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 電気事業制度・法令改正のリスク
    電力システムに関する制度設計や見直し、エネルギー基本計画の改定など、電気事業法やFIT制度といった関連法令の変更は、電力市場の競争環境や電源構成に大きな影響を与える可能性があります。これにより、電力の買取価格や販売価格が変動し、イーレックスグループの収益性やキャッシュ・フローに悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 市場価格変動と競争激化のリスク
    電力小売全面自由化により競合他社が多数参入しており、競争激化によって電力販売価格が下落する可能性があります。また、日本卸電力取引所における電力卸売価格は、原油・天然ガス価格、需給バランス、天候など様々な要因で大きく変動するため、電力調達コストの増加や販売価格とのミスマッチが生じ、収益を圧迫するリスクがあります。
  • 燃料調達・操業に関するリスク
    バイオマス燃料のPKSや木質ペレットは主に海外からの輸入に依存しており、生産国の法令変更、政情不安、自然災害、為替変動などにより、調達が困難になったり、価格が大幅に上昇したりする可能性があります。また、発電所の設備故障や計画外の停止が発生した場合、発電量が減少し、収益に悪影響を及ぼすリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|5,124 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経営成績並びに現在及び将来の事業等に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在(2026年6月25日)において当社が入手可能な情報等に基づいて判断したものです。また、投資家に対する積極的な情報開示の観点から、当社が必ずしも重要なリスクとは考えていない事項であっても、事業等のリスクを理解する上で投資家にとって参考となる情報は記載しております。 (1)電気事業制度改正による当社グループの影響に関するリスク当社グループは「電気事業法」に基づいた事業を行っております。電気事業法については、電力システムに関する詳細制度設計、制度見直しの議論が継続的に行われており、その内容によっては、競争状況等への影響がでる可能性があります。また、エネルギー基本計画の改定により、電源構成の大幅な変化が生じる可能性もあり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (2)法令等の改正による当社グループへの影響に関するリスク当社グループが運営する発電所は、「電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法」(FIT制度 再生可能エネルギー固定価格買取制度)の設備認定を受けた発電設備による発電事業を行っております。現行制度では、一度適用された買取価格は上記法で定める調達期間内において変更されることはありません。経済産業省・資源エネルギー庁による再生可能エネルギー固定価格買取制度の検討によっては、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に何らかの影響を及ぼす可能性があります。また、エネルギー政策及びその他当社グループの事業に関連する各種法令等が変更された場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす場合があります。 (3)気候変動問題へのリスク当社グループは、バイオマス発電を中心にCO2フリー電源である再生可能エネルギーの拡大、バイオマス燃料の開発などにも取り組んでおります。2050年のカーボンニュートラル実現を目指すという政府目標が示され、電力部門においては、再生可能エネルギーの最大限の導入を進めるとされているなか、当社の主軸事業を担うバイオマス発電事業を中心に、長期かつ不確実性の高い未来に対し事業のレジリエンスを高められるよう、世界の平均気温上昇を仮定したシナリオ分析を行い、2050年を想定した自社への影響についてリスク評価を行いました。例えば気候変動問題への対応のために新たな法的規制等が導入された場合、その内容によっては、事業計画・事業運営に大幅な変更や制約等が生じる可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。なお、「第2事業の状況2 サステナビリティに関する考え方及び取組」にて具体的に世界の気温上昇に関し仮定した上で、リスク等を想定しています。 (4)競争激化に伴うリスク 当社グループの総販売電力量は、気温・気候の変化、経済・景気動向などの避けがたい外部環境の影響を受けるほか、2016年4月に開始された電力小売全面自由化に伴う競合他社の新規参入などによる競争環境の変化、電力取引市場における卸電力取引の動向、相対取引の価格の動向などにより、影響を受ける可能性があります。新規参入者の急増は、電力購入価格の上昇と、電力販売価格の下落を招く可能性があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5)卸電力取引市場の取引価格の変動リスク当社グループが行う電力卸売事業は、主として一般社団法人日本卸電力取引所への電力販売によるものです。また、同時に一般社団法人日本卸電力取引所から電力の調達も行っております。一般社団法人日本卸電力取引所における取引価格は、国際情勢を反映した原油、天然ガス等の資源価格の動向、季節や時間帯の電気の需要動向、太陽光発電の稼働状況、原子力発電所の稼働状況等、様々な要因によって変動します。当社は、変動リスクの軽減のためのヘッジ取引も行っておりますが、同取引所の取引価格が大きく変動した場合、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6)需給バランス調整リスク当社グループを含む小売電気事業者は一般送配電事業者の送電ネットワークを介して電力を供給するにあたり、一般送配電事業者の定める託送供給約款等に基づき、発電計画と実際の発電量、需要想定と実際の需要量を、それぞれ30分毎に一致させる義務(計画値同時同量制度)を負っており、事前に計画した需給量と実際の需給量の差分は、インバランス(料金)として一般送配電事業者との間で精算されることになります。当社グループでは、需給管理システムを用い、時間毎の需給バランスの最適化を図っておりますが、同時同量を達成できない場合において精算するインバランス料金が多額に生じる場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7)電力調達先が当社グループ収益に与えるリスク当社グループでは旧一般電気事業者及び発電設備を有する事業会社等からも電力の購入を行っております。当社が電力の購入を行っている発電所の多くは、化石燃料を用いた火力発電を行っており、燃料調整条項が付されているケースでは、輸入化石燃料の価格の変動により調達先発電所からの電力購入価格が変動する場合があり、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。また、調達先電力会社等からの契約解除や契約更新の見送り、契約条件の変更等が行われた場合、並びに電力調達先の発電所のトラブル等により発電量が低下した場合も、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8)燃料輸入元に関するリスク当社グループが運営する発電所で使用するバイオマス燃料であるPKSや木質ペレットは、主に海外の国々を産地としています。これらの国において、法令の変更や政情不安、その他の理由から禁輸措置が執られた場合、または自然災害等により輸出が不可能になった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (9)バイオマス燃料の価格上昇リスク当社グループが運営する発電所で使用するバイオマス燃料であるPKSや木質ペレットが、今後、産業構造改革や技術伸展、生産国による法令、税制変更、不可抗力事由の発生及び需要増加による価格上昇が生じた場合、原材料費が増加し、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、バイオマス燃料の価格変動リスクに備えて、調達するバイオマス燃料の一部について外貨建て固定価格での長期バイオマス燃料調達契約を締結しております。 (10)為替相場の変動リスク当社グループが運営する発電所では、海外からの輸入によるバイオマス燃料を用いた発電事業を行っており、為替相場の影響を受けます。また、今後もアジアでの発電事業、燃料事業の拡大も計画しており、為替レートの急激な変動は、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。当社では、一部の外貨建て営業債務について為替相場の変動リスクに対するヘッジを目的とした為替予約取引を行っております。 (11)当社グループが運営する発電所の操業リスク当社グループが運営する発電所においては、安全操業及び設備の安定運転を心がけております。保守・保安作業については当社グループ従業員のみならず、発電設備メーカー及びメンテナンス会社と協議を重ねた上で実施しております。定期点検において、数週間の稼働停止期間が見込まれ、同点検において想定外の設備故障等により、計画通りの操業ができなくなった場合、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (12)当社グループの所有する発電所の出力制御のリスク太陽光発電や風力発電といった発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源においては、電力需給バランスを保ち電力供給の安定化を図ることを目的とし、運転開始後における無制限・無補償の出力制御を受け入れることが系統への接続要件となる出力抑制ルールを拡充する制度改定が2015年1月に行われました。バイオマス発電については電力広域的運営推進機関の定める送配電等業務指針に基づき、原則として火力発電に準じた電源として出力制御を受けることになります。今後、想定を上回る出力制御が実施された場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (13)多額の設備投資に関するリスク当社グループは、小売電気事業者として電力の小売を行うとともに、安価で再生可能なベース電源を確保するため、バイオマス発電所に積極的な設備投資を実施してまいりました。今後も国内外での再生可能エネルギーの発電所建設を推進、計画してまいります。当社グループでは、設備投資の決定は市場動向、競合他社の動向等も検討しつつ、事業戦略及び当該投資の収益性等を総合的に勘案し、慎重に実施していくことにしています。しかしながら、経済動向や市場動向を正確に予測することは困難であり、当社の想定どおりに需要が拡大しなかった等の場合には、使用設備の除却や減損が生じるなど、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (14)エネルギー情勢の変動に伴うリスク 国際情勢及び国内の政治、経済、社会情勢や政策の変化などにより、国際的なエネルギー情勢は大きく影響を受ける可能性があります。前述(5)、(7)の通りエネルギー価格の変動は、当社グループの電源調達に大きな影響を与える他、物流などの問題から燃料調達への支障が生ずる可能性もあります。当社グループの事業運営に影響が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 (15)情報管理・セキュリティ 当社グループは、大量のお客様情報をはじめ、業務上の重要な情報を保有しています。社内規程の整備、社員教育等を通じて、情報の厳正な管理に留意しておりますが、サイバー事案などにより、これらの情報が流出した場合には、社会的信用が低下し、事業運営に影響が生じる可能性があります。 (16)海外バイオマス事業をはじめとする国内外での新たな事業への取組みについて 当社グループは、収益基盤の強化を目的として、ベトナムを中心とした東南アジアにおけるバイオマス燃料事業およびバイオマス発電事業、石炭火力発電所におけるバイオマス燃料の混焼事業、カンボジアにおける水力発電事業等、海外における新規事業の展開を進めております。また、国内の小売電気事業においても、アグリゲーション事業やディマンド・リスポンス(DR)等の分野への取組みを強化しております。 これらの事業は、前提条件の変動や市場環境・需要動向の変化、関連法規制の変更、資金調達環境の悪化等の不確実性を内包しており、当初想定した収益を確保できない可能性があります。その結果、事業計画の見直し、事業または建設計画の中止・延期等が生じた場合には、関連費用の発生や追加的な資金負担等により、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。 さらに、海外事業においては、為替変動リスクに加え、各国の政治・経済情勢の変化等に起因するカントリーリスクが存在します。また、海外におけるバイオマス発電事業および燃料製造事業においては、原料について、需給動向や天候その他の要因により調達状況が変動する可能性があり、その結果、燃料・原料の調達価格および調達量に影響が生じるおそれがあります。これらの要因により当社グループの事業運営に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす可能性があります。

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