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レノバ(9519)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気・ガス業 電気・ガス

事業の概要

  • 再生可能エネルギー発電等事業
    レノバグループは、太陽光、バイオマス、風力、地熱、水力といった多様な再生可能エネルギー発電所を開発し、これらを長期にわたって所有・運営することで収益を得ています。発電した電力を電力会社などに売却し、安定的な売電収入を確保することが主なビジネスモデルです。
  • 開発・運営事業
    新たな発電所や蓄電所の開発を手掛け、運転開始後の発電所や蓄電所の運営管理も行っています。これにより、プロジェクトの初期段階から長期的な運用まで一貫して関与し、開発による収益と運営管理による継続的な収益の両方を追求しています。
  • グリーン・トランスフォーメーション事業
    既存の再生可能エネルギー発電事業に加え、蓄電池やアンモニア・水素などの新燃料を含む次世代のエネルギー関連事業(GX事業)も推進しています。これは、脱炭素社会への移行を加速させるための新たな収益源を確立し、事業領域を拡大する取り組みです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 再生可能エネルギー発電等事業
    レノバグループの主要な収益源であり、自社で開発・所有する太陽光、バイオマス、風力、地熱、水力などの発電所から電力を生産し、売電することで収益を上げています。長期にわたる安定的な売電収入が特徴で、グループ全体の基盤を支える事業です。
  • 開発・運営事業
    新たな再生可能エネルギー発電所や蓄電所の開発プロジェクトを推進し、運転開始後の施設運営管理も行っています。この事業は、新規プロジェクトの創出と、既存施設の効率的な運用を通じて、グループの成長と収益拡大に貢献しています。
  • グリーン・トランスフォーメーション事業
    蓄電池やアンモニア・水素といった次世代エネルギー技術の開発・導入を進める事業です。これは、脱炭素社会の実現に向けた新たなビジネスチャンスを捉え、将来的な収益の柱を育成するための戦略的な取り組みであり、事業領域の多角化を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|17,050 文字
3 【事業の内容】当社グループは「グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する」という経営理念のもと、再生可能エネルギー発電所等を開発し、所有・運営しています。再生可能エネルギーとは、エネルギー源として永続的に利用可能な太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称です。当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電、地熱発電等のマルチ電源の発電事業を開発し運営することを事業の目的としています。そして、上記に留まらず、蓄電池、アンモニア・水素等を含む新燃料等、グリーン・トランスフォーメーション事業(以下、「GX事業」という)を推進しています。当社グループは、(Ⅰ)長期にわたる再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の所有と当該発電所による売電及び蓄電所による調整力・容量確保価値の販売(「再生可能エネルギー発電等事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所及び蓄電所の開発と運転開始済み発電所及び蓄電所の運営管理(「開発・運営事業」)を主な事業として取り組んでいます。当社グループは、当社に加え、運転開始済みの発電等事業を運営又は管理する連結子会社21社、持分法適用会社5社を中心に構成されています。当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなります。(1) 概要(再生可能エネルギー業界の概観)再生可能エネルギーの導入は世界的なエネルギー政策の潮流であり、加えて地政学リスクの増大を背景としたエネルギー安全保障への意識の高まりにより、化石燃料から再生可能エネルギーへのエネルギーシフトが進展しています。近年のCOP(国連気候変動枠組条約締約国会議)においても、世界全体の再生可能エネルギー及び蓄電池の大幅な拡大が継続して誓約される等、脱炭素化に向けた動きが活発化しています。一方で、米国においては、2025年1月の政権交代に伴い、自国内のエネルギー安全保障を最優先した化石燃料の増産や、前政権が進めたクリーンエネルギー補助金の見直しを行う等の動向も見られます。日本国内においても、日本政府が2025年2月に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」において、2040年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率を40~50%程度まで高める目標を設定する等、再生可能エネルギーの導入に向けた動きが加速しています。また、近年のAIの急速な普及に伴うデータセンターや半導体工場の新増設を背景に電力需要の増加が見込まれており、膨大な電力を消費するデータセンター等の稼働にあたっては、CO2を排出しない電源の確保が不可欠となっています。一方で、日本国内においては、一部の不適切な開発事例を背景とした大規模太陽光発電に対する規制強化の動きが進められています。また、系統用蓄電池の領域においても、事業実現確度の高い案件を優先的に導入するための新制度の適用や、重要インフラの安全性を担保するサイバーセキュリティ認証(JC-STAR等)の確保が新たに求められる等、規制強化が進んでいます。ただし、これら一連の動きは、国内インフラとしてより適切で安全な開発を促進するものであり、今後、事業者に対しては、より一層適切な開発が求められるようになります。また、市場の健全化が進むことにより、中長期的には市場のより一層の成長に寄与する見通しです。加えて、日本国内のエネルギー自給率は、15.3%と極めて低い水準にあり、一次エネルギーの約8割を海外からの化石燃料に依存することによる国富の流出が大きな課題となっています。現在、この自給率の約7割(11.3%)を支えているのが再生可能エネルギーです。昨今の緊迫する中東情勢等の地政学リスクや原油価格の高騰等を背景に、エネルギー安全保障及び国富流出の観点からも、有事に左右されず純国産エネルギーとして機能する再生可能エネルギーの導入拡大はますます重要性を増しています。国内の市場・制度環境としては、固定価格買取制度(FIT制度)(*1)や2022年度から導入されたFeed in Premium制度(FIP制度)(*2)による買い取りが継続する中、RE100(*3)に賛同する企業等を中心に、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPA(*4)の実例も増加しています。さらに、長期脱炭素電源オークション(*5)の開始や需給調整市場(*7)での取引開始、GX実行会議の下で改定された「分野別投資戦略」において、2030年の系統用蓄電池の導入目標(累計14.1~23.8GWh)が設定される等、政府による各種支援制度の整備が進められています。加えて、国際的な温室効果ガス排出量算定基準であるGHGプロトコルの改定議論が進んでいます。足元では詳細ルールの確定を待つ姿勢があるものの、発電と消費の時間的・物理的な一致等が厳格化される方向にあることから、中長期的にはベースロード電源であるバイオマス発電や蓄電池併設型の再生可能エネルギーの重要性が一層高まると予想されます。これらの政府の支援姿勢の継続及び電力需要家のニーズの高まりにより、国内再生可能エネルギー及び系統用蓄電池市場はより一層拡大していく見通しです。 (*1)固定価格買取制度(FIT制度):「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」(再エネ特措法)に基づき、買取義務者が再生可能エネルギーで発電された電力を固定価格で一定期間買い取る制度です。太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等により発電された電力が当該制度に基づいて電気事業者に販売され、その買取価格及び買取期間等は経済産業省・資源エネルギー庁の調達価格等算定委員会や関係省庁の意見に基づき経済産業大臣が決定します。2015年1月に、太陽光発電所や風力発電所等の自然変動電源による発電量が大幅に増加した場合でも電力需給バランスを保ち、電力供給の安定化を図ることを目的とし、出力抑制ルールを拡充する制度改定が行われています。出力抑制ルールに基づき、一般送配電事業者は、一定条件のもとで再生可能エネルギーを電源とする発電所による系統への送電電力の数量や質に制限を加えることができます。 (*2)Feed in Premium制度(FIP制度):再エネ特措法に基づき、再生可能エネルギー発電事業者が卸電力取引市場や相対取引で自ら売電し、市場価格を踏まえて算定される一定のプレミアムを受け取る制度です。電力市場への統合を促しながら、投資インセンティブの確保と国民負担の抑制を両立していくことを狙いとしています。 (*3)RE100:「Renewable Electricity 100%」の略称で、企業が事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーで賄うことを目指す国際的なイニシアティブのことを指しています。 (*4)コーポレートPPA:企業等の電力需要家が発電事業者から再生可能エネルギーの電力を長期に購入する契約のことを指しています。PPAは電力購入契約(Power Purchase Agreement)の略称です。 (*5)長期脱炭素電源オークション国全体で必要となる脱炭素電源の容量確保のため、再エネや蓄電池等の新規電源投資(リプレース、改修も含む)の促進を目的に、2023年度より容量市場(*6)の一部として開設された入札制度です。容量提供事業者の長期的な収入予見性を確保するため、電力広域的運営推進機関より、原則20年間、設備容量に落札金額を乗じた容量確保契約金額が長期固定収入(ただし、物価変動分が制度適用期間の年度ごとに毎年補正される)として保証されます。 (*6)容量市場4年後に必要な電力供給力をあらかじめ確保するため、電気の「量」ではなく「発電できる能力(容量確保価値)」を取引する市場です。将来の供給不足を防ぐとともに、多額の投資を要する発電所の維持・新設に向けた投資回収の予見性を高める役割を担っています。 (*7)需給調整市場一般送配電事業者が電力系統の周波数調整や需給バランスの維持に必要な「調整力」を調達するための市場です。これまで電力会社が個別に確保していた調整力を広域的かつ市場原理に基づいて取引することで、再生可能エネルギーの導入拡大への対応とコスト効率化の両立を目的とし、2021年4月より三次調整力の取引が開始され、2024年4月からは一次調整力を含む全ての商品区分での取引が開始されました。 (国内外における再生可能エネルギー発電及び蓄電池業界における主な事業者群及び当社グループの事業領域)当社グループが事業を展開する再生可能エネルギー発電及び蓄電池業界は、①各種メーカーによる発電等設備(太陽光パネル、タービン、ボイラー、風車、蓄電池等)の製造、②開発事業者、AM事業者(*8)及びEPC事業者(*9)や施工事業者による発電所又は蓄電所の建設、③運転開始済み発電所による発電又は蓄電所による調整力・容量確保価値の提供、AM事業者やO&M事業者(*10)による当該発電所の運営・管理・保守、並びに特定卸供給事業者(*11)による電力の需給調整運用業務、そして④一般送配電事業者等(*12)のオフテイカー(*13)による電力小売又は電力需要家の各分野に大別されます。上記①及び②における事業者は発電所又は蓄電所の建設工事に際して一般的に一括して収益を享受します。一方、③及び④における事業者は発電所又は蓄電所の長期にわたる発電及び売電、調整力・容量確保価値の提供に関与するため、一般的に複数年にわたり安定的に収益を享受します。当社グループが手掛ける事業は(Ⅰ)長期にわたる再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の所有と当該発電所による売電及び蓄電所による調整力・容量確保価値の提供(「再生可能エネルギー発電等事業」)及び(Ⅱ)新たな発電所及び蓄電所の開発と運転開始済み発電所及び蓄電所の運営管理(「開発・運営事業」)であり、上記バリューチェーンにおいて下記の図のとおり位置づけられます。 (*8)AM事業者:発電所・蓄電所の建設や運営においてアセットマネジメント(管理業務)を請け負う事業者のことを指しています。 (*9)EPC事業者:発電所・蓄電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者のことを指しています。 (*10)O&M事業者:発電所・蓄電所の運営において、Operation(運転)及びMaintenance(維持)を請け負う事業者のことを指しています。 (*11)特定卸供給事業者:再生可能エネルギー発電所や蓄電所、需要側のリソースを統合して、市場動向や電源動向等、様々な情報を踏まえながらリソース運用を行う事業者のことを指します。蓄電事業者が蓄電池の運用を特定卸供給事業者に委託する場合や蓄電事業者が自ら特定卸供給事業者としての業務を担う場合があります。 (*12)一般送配電事業者等電気事業法第2条第17項における一般送配電事業者又は小売電気事業者を指します。本書では主として電力需要家又は卸売事業者に対して電力販売を行う事業者全般を意味しています。 (*13)オフテイカー事業会社が生み出すサービス(当社グループのSPCの場合は電力や蓄電所の利用権)を購入する者(引き取り手)のことを指しています。 (国内外における当社グループの事業領域) (2) 再生可能エネルギー発電等事業「再生可能エネルギー発電等事業」は、当社グループが開発した再生可能エネルギー発電所及び系統用蓄電所を長期にわたり所有・運営し、収益を得る事業です。本事業における収益構造は、主に以下のとおりです。再生可能エネルギー発電所においては、発電した電力及び当該電力由来の環境価値を、FIT制度、FIP制度、又は売電契約等を通じてオフテイカーに販売し、収益として計上します。これらは制度や契約等に基づき所定の買取期間にわたり売電価格が保証されるため、長期的に安定した収益を得ることができます。一方、系統用蓄電所においては、調整力・容量確保価値の販売を通じて収益を獲得します。なお、収益化にあたっては、当社の最適運用知見を活かし、需給調整市場等での取引を通じて収益の最大化を図る市場運用を軸としています。これに加え、オフテイク契約を通じた利用権付与に対する対価や、長期脱炭素電源オークションを通じた長期の電力供給能力の維持に対する対価を、収益として計上していく見込みです。このように、市場運用と、制度や契約に基づく長期的な安定収益を組み合わせることで、持続的な収益の最大化を図る事業モデルとしています。現在、当社グループは、2026年3月31日時点において、大型太陽光発電に関しては連結子会社12社及びその他の出資先1社、小規模分散型太陽光発電に関しては連結子会社2社、バイオマス発電に関しては連結子会社7社、陸上風力発電に関しては持分法適用会社3社及びその他の出資先1社、地熱発電に関しては持分法適用会社1社、蓄電所に関しては持分法適用会社1社にて発電・売電、環境価値及び調整力・容量確保価値の販売を行っています。現在運転中の発電所及び蓄電所の概要は以下のとおりです。 (運転中の太陽光発電所一覧)(2026年3月31日時点)法人・組合等名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)(%)出力(MW)運転開始時期収益モデル買取価格(1kWh当たり)株式会社水郷潮来ソーラー同左茨城県潮来市68.0(連結)15.32014年2月FIT40円株式会社富津ソーラー同左千葉県富津市51.0(連結)40.42014年7月FIT40円株式会社菊川石山ソーラー同左静岡県菊川市63.0(連結)9.42015年2月FIT40円株式会社菊川堀之内谷ソーラー同左静岡県菊川市61.0(連結)7.52015年2月FIT40円九重ソーラー匿名組合事業合同会社九重ソーラー大分県玖珠郡九重町100.0(連結)25.42015年5月FIT40円那須塩原ソーラー匿名組合事業合同会社那須塩原ソーラー栃木県那須塩原市100.0(連結)26.22015年9月FIT40円大津ソーラー匿名組合事業合同会社大津ソーラー熊本県菊池郡大津町100.0(連結)19.02016年4月FIT36円四日市ソーラー匿名組合事業合同会社四日市ソーラー三重県四日市市20.021.62019年3月FIT36円那須烏山ソーラー匿名組合事業合同会社那須烏山ソーラー栃木県那須烏山市100.0(連結)19.22019年5月FIT36円軽米西ソーラー匿名組合事業合同会社軽米西ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0(連結)48.02019年7月FIT36円軽米東ソーラー匿名組合事業合同会社軽米東ソーラー岩手県九戸郡軽米町100.0(連結)80.82019年12月FIT36円軽米尊坊ソーラー匿名組合事業合同会社軽米尊坊ソーラー岩手県九戸郡軽米町55.0(連結)40.82021年10月FIT36円第一太陽光発電合同会社同左東京都中央区100.0(連結)-2023年1月以降順次PPA固定価格人吉ソーラー匿名組合事業合同会社人吉ソーラー熊本県人吉市100.0(連結)20.82023年6月FIT36円 法人・組合等名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)(%)出力(MW)運転開始時期収益モデル買取価格(1kWh当たり)第二太陽光発電合同会社同左東京都中央区100.0(連結)-2026年2月以降順次PPA固定価格 (注) 1.出力はモジュールベース(太陽電池モジュール最大出力の和)の設備容量表記です。2.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3. 当社は、2022年4月に四日市ソーラー匿名組合事業の出資持分の一部を譲渡し連結対象及び持分法適用対象外としました。4. 「固定価格」は、長期の契約期間においてあらかじめ設定された価格を指します。ただし、契約内容によっては、期間中にわたり常に一定の価格ではなく、年次等により価格が異なるものが含まれます。 (運転中のバイオマス発電所一覧)(2026年3月31日時点)法人・組合等名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)(%)出力(MW)運転開始時期収益モデル買取価格(1kWh当たり)ユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社同左秋田県秋田市69.2(連結)20.52016年7月PPA固定価格苅田バイオマスエナジー株式会社同左福岡県京都郡苅田町53.1(連結)75.02021年6月FIT24円/32円合同会社杜の都バイオマスエナジー同左宮城県仙台市60.0(連結)74.952023年11月FIT24円/32円徳島津田バイオマス発電所合同会社同左徳島県徳島市60.8(連結)74.82023年12月FIT24円/32円合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー同左宮城県石巻市51.0(連結)74.952024年3月PPA固定価格合同会社御前崎港バイオマスエナジー同左静岡県御前崎市及び牧之原市56.0(連結)75.02025年1月FIT24円/32円合同会社唐津バイオマスエナジー同左佐賀県唐津市51.0(連結)49.92025年9月PPA固定価格 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2.買取価格は、固定PPA以外においては、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜表示)を示しています。3.バイオマス発電事業のFIT制度に基づき適用される買取価格(消費税抜)は、間伐材等由来の木質バイオマスが32円/kWh、一般木質等バイオマスが24円/kWhです。4.当社は当社連結子会社である千秋ホールディングス株式会社(以下、「千秋HD」という)を通じてユナイテッドリニューアブルエナジー株式会社(以下、「URE」という。)に出資しています。当社の千秋HDに対する持株比率(51.0%)に千秋HDのUREに対する持株比率(69.2%)を乗じて計算される、当社のUREに対する実質持株比率は35.3%です。5.徳島津田バイオマス発電所合同会社の配当比率は、70.4%です。6.合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジーの配当比率は、62.93%です。7. 合同会社御前崎港バイオマスエナジーの配当比率は、75.0%です。8. 「固定価格」は、長期の契約期間においてあらかじめ設定された価格を指します。ただし、契約内容によっては、期間中にわたり常に一定の価格ではなく、年次等により価格が異なるものが含まれます。 (運転中の陸上風力発電所一覧)(2026年3月31日時点)法人・組合等名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)(%)出力(MW)運転開始時期収益モデル買取価格(1kWh当たり)LIEN LAP WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0(持分法)48.02021年10月FIT8.5cents(US$)PHONG HUY WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0(持分法)48.02021年10月FIT8.5cents(US$)PHONG NGUYEN WIND POWER JOINT STOCK COMPANY同左ベトナムクアンチ省40.0(持分法)48.02021年10月FIT8.5cents(US$) 福島復興風力 合同会社同左福島県田村市ほか10%未満約1472025年4月PPA固定価格 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。2. 「固定価格」は、長期の契約期間においてあらかじめ設定された価格を指します。ただし、契約内容によっては、期間中にわたり常に一定の価格ではなく、年次等により価格が異なるものが含まれます。 (運転中の地熱発電所一覧)(2026年3月31日時点)法人・組合等名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)(%)出力(MW)運転開始時期収益モデル買取価格(1kWh当たり)株式会社南阿蘇湯の谷地熱同左熊本県阿蘇郡南阿蘇村30.0(持分法)2.02023年3月FIT40円 (注) 1.出力は発電端出力ベースの設備容量表記です。 (運転中の蓄電所一覧)(2026年3月31日時点)法人・組合等名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)(%)出力(MW)運転開始時期収益モデル買取価格(1kWh当たり)姫路蓄電池匿名組合事業合同会社姫路蓄電所兵庫県姫路市22.0(持分法)15.02025年10月市場販売市場価格 (3) 開発・運営事業「開発・運営事業」は、デベロッパーとして、新しい発電所や蓄電所等の企画・開発及び建設管理を行い、その後の運営・管理も行う事業です。各再生可能エネルギー発電所及び蓄電所は前述の「再生可能エネルギー発電等事業」を行う当社の連結子会社又は関連会社により所有され、「開発・運営事業」を行う当社及び当社の連結子会社により開発・運営・管理されています。当社グループの一般的な再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発・運営スキームは以下の例示のとおりです。当社はプロジェクトを遂行するSPC(*14)を設立し、資金的な制約の中で複数のプロジェクトへの投資を実現させるため、共同事業者による出資を募ります。当該SPCは事業者として自治体許認可の取得、地権者と土地賃借・売買契約の締結、金融機関からの資金調達及びEPC事業者との工事契約締結(EPC契約)(*15)等を行い、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所を建設します。再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の運転開始後、発電所SPCにおいては発電した電気及び環境価値をオフテイカーに販売し、蓄電所SPCにおいては需給調整市場、容量市場及び卸電力市場を通じて調整力、容量確保価値及び電力を販売します。売電、環境価値の販売及び調整力・容量確保価値の販売から得たキャッシュ・フローを原資として金融機関からの借入を返済し、余剰キャッシュを当社及び共同事業者に分配します。また、当社が開発を初期からリードする事業については、原則として、SPCの設立当初は、資金的な制約により当社からSPCへの出資持分比率を持分法適用水準とし、SPCが再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の運転開始後の売電及び環境価値の販売による安定したキャッシュ・フローを計上できる段階から、順次出資持分比率を高め、SPCを連結子会社化する方針を有しています。発電所の保守・運営業務に関しては、太陽光発電及び陸上風力発電の場合はO&M事業者が行い、また、バイオマス発電の場合はSPC又はO&M事業者が行います。また、蓄電所の保守・運営業務に関しては、SPC又はO&M事業者が行い、需給調整業務等の運用管理は当社又は特定卸供給事業者が行います。SPCの運営管理業務に関しては当社又は当社グループのAM事業者が行います。 (再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発・運営スキームの例示) (*14)SPC:特別目的会社(Special Purpose Company)のことを指しています。当社グループでは基本的に発電所及び蓄電所毎に共同事業者が異なること、また、プロジェクトファイナンスを行う上でリスク分散を図ることを理由として、発電所及び蓄電所の立ち上げに応じてSPCを設立し、当該SPCに発電所を所有させています。なお、当社グループにおいてはSPCを株式会社として設立して株式による出資を行う場合、合同会社(GK)として設立して持分による出資を行う場合に加え、SPCを会社法上の合同会社(GK)として設立して商法上の匿名組合(TK)として営業者に出資を行う場合(TK-GKスキーム)があります。TK-GKスキームの主な特徴としては匿名組合員が有限責任であること及び営業者であるSPCの段階で法人税課税が発生せず、匿名組合員に直接課税されることが挙げられます。 (*15)EPC契約:発電所建設において、Engineering(設計)、Procurement(調達)及びConstruction(建設)を含む一連の工程を請け負う事業者との契約を指します。 「開発・運営事業」は、発電所及び蓄電所の建設・運営管理に係る報酬(運営管理報酬(*16))、配当・匿名組合分配益(*17)、当社が主導又は参画して開発する再生可能エネルギー発電所又は蓄電所の開発成功時に発電所又は蓄電所を所有するSPC又は共同スポンサーから支払われる報酬(事業開発報酬(*18))を収益として計上しています。年間の事業開発報酬の総額は新規発電所又は蓄電所の開発状況により変化します。そのため「開発・運営事業」の業績は、「再生可能エネルギー発電等事業」と異なり大きく変動する傾向にあります。 (*16)運営管理報酬:発電所・蓄電所建設の工程管理、決算及び金融機関へのレポーティング等に代表される業務に対して、発電所・蓄電所の建設期間及び売電期間にわたり支払われる報酬です。なお、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する運営管理報酬については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*17)配当・匿名組合分配益:「再生可能エネルギー発電等事業」に属するSPCが株式会社ないし合同会社として運営されている場合は、当該SPCから当社へ支払われた配当金については当社単体の営業外収益に計上され、また、これはセグメント間取引として「開発・運営事業」のセグメント利益に反映されます。また、「再生可能エネルギー発電等事業」に属するSPCが匿名組合として運営されている場合は、当該SPCで計上された利益のうちの当社出資割合分相当額についてその発生年度に匿名組合分配益として当社単体の売上高に計上し、一方損失が発生した場合は、その損失のうちの当社出資割合分相当額を匿名組合分配損として当社単体の販売費及び一般管理費へ計上しています。これらもセグメント間取引として「開発・運営事業」の収益に反映されます。なお、これら「開発・運営事業」の収益に反映されたSPCからの配当金及び分配損益については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (*18)事業開発報酬:再生可能エネルギー発電所又は蓄電所に係る事業用地確保、主要な融資関連契約の締結及び主要なプロジェクト関連契約の締結等のマイルストーンの達成をもって開発支援に係る役務の提供を完了とみなし、役務提供の完了をもって概ね開発規模に応じて支払われる報酬です。なお、SPCから受領する事業開発報酬のうち、子会社や関連会社に対する当社の持分に相当する金額については、連結決算上は連結グループ内取引として連結消去されます。 (当社グループのセグメント間取引の例示) (事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割)再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発から運転までの流れは、新たな事業候補の「用地開拓」、事業用地の確保・発電所及び蓄電所の設計・許認可取得等の「開発」、「電力需要家開拓」、「オフテイカー協議」、出資・融資両面での「資金調達」、発電所及び蓄電所の「工事」及び「運転・所有」に大別されます。当社グループは、この再生可能エネルギー発電所及び蓄電所開発の一連のプロセスにおいて「用地開拓」から「工事」までにおける、事業設計やエンジニアリング業務、オフテイカーとの協議、協力業者や資金調達先の選定・交渉やプロセス全般の指揮・監督といった上流領域を内製化しています。次の図は再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発における一般的なプロセスを図示しています。 (再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発から運転開始までの流れの概要と当社の役割) (注) 上記は開発プロセスの代表的な例示であり、国・地域、電源種、各案件の個別要因等によって異なる場合があります。蓄電事業の場合、蓄電所の運用委託先協議を含みます。 「用地開拓」段階において、当社は事業候補の事業性評価を行い、有望事業を選別します。主な評価事項は地権者・地域関係者から同意取得の蓋然性、許認可取得の蓋然性、当社の開発基準に見合った収益性の確保、事業リスクの評価及び資金調達の蓋然性等です。当社は、当社の保有する既存発電所が存在する地域の関係者も含めた環境関連の人的・情報ネットワーク、金融機関との関係等を活用して新規事業開拓に取り組んでいます。また、電力需要家の開拓にも取り組んでいます。一定の事業性が認められた事業については、「開発」段階に進み、より詳細な検証を行うと同時に地権者協議、設計・エンジニアリング、電力会社協議、燃料の確保及び許認可取得を進めていきます。なお、風力、地熱及び水力事業においては当該検証と同時に資源量調査を行います。風力事業においては、風況観測機器を設置して一定期間にわたる風の状況を分析することにより事業性を評価します。地熱事業においては、地表調査及び掘削調査により資源量を推計して事業性を評価します。水力事業においては、流況調査により資源量を推計して事業性を評価します。また、当該検証において事業性がより高まったと判断し、かつ法令や条例により環境アセスメントの実施が定められる場合には、環境アセスメント(*19)を本格的に実施して開発を推進します。なお、Non-FIT発電事業においては売電契約締結に向け、売電先との協議も並行して進めていきます。また、蓄電事業においては、需給調整市場や容量市場における調整力・容量確保価値の提供に向けた蓄電池運用方針検討を始め、オフテイク契約(*20)を締結する場合にはオフテイカーとの協議や、日本においては、2023年度より開始された長期脱炭素電源オークションでの応札も視野に入れて開発を進めます。当社は再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の立ち上げ・運営に必要な知見・技術・プロジェクトマネジメントのノウハウを有する専門人材を擁しています。また、大手企業グループの系列に属さない独立系の事業者として、事業毎に多様な事業パートナーと連携して事業開発を推進しています。再生可能エネルギー事業及び蓄電事業は、発電所等の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、地域社会に対する配慮及び地域環境への最大限の配慮の上で開発していくものです。法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、地域社会との対話や貢献、地域環境への配慮を重視しながら開発を進めていくことも、当該業務における当社事業開発の特徴の1つです。「開発」が終盤に差し掛かった時点で、共同出資者を募り、プロジェクトファイナンスを組成する「資金調達」を実施します。当社は、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所のプロジェクトファイナンスにおいて、ハイレバレッジのファイナンス組成を実現しており、再生可能エネルギー及び蓄電事業において2026年3月末時点までに累計約5,000億円超のプロジェクトファイナンス組成実績(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)があります。なお、前述の事業開発報酬は本段階における主要な融資関連契約及びプロジェクト関連契約の締結等に伴い発生します。また、この段階で同時に売電契約等の締結も行います。「資金調達」、「売電契約等締結」後は「工事」、「運転・所有」段階に進みます。当社は発電所及び蓄電所の工事自体に関してはEPC事業者に委託し、大規模な事業を多数立ち上げて運営しているノウハウを活かして発電所及び蓄電所の建設の指揮・監督を行います。なお、前述の運営管理報酬は本段階以降、継続的に発生します。また、当社は運転開始後、長期にわたり発電所及び蓄電所を所有・運営する方針です。当社グループは長期にわたる事業と地域へのコミットメントを示して各ステークホルダーからの信頼を醸成し、次なる事業開拓に繋げていきます。 (*19)環境アセスメント:1997年6月に制定された国内における環境影響評価法(環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。また、各地方自治体が規定する環境影響評価条例(環境アセスメント条例)においては、各地域に適した環境アセスメント対象事業が別途定められています。環境アセスメント法や環境アセスメント条例の対象事業となる場合、事業者は環境アセスメントを行うことが義務付けられています。なお、海外の事業においては、各国及び各自治体の基準に則り環境影響評価を行います。国内の環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。 (*20)オフテイク契約:オフテイカーが蓄電所運用権を取得する対価として、蓄電所に対して蓄電所利用料等を長期間固定で支払う契約のことを指します。 (開発中の事業)当社グループの開発中の事業に係る進捗評価基準は次のとおりです。事業の進捗度合いに応じて、①ファイナンス関連契約及びプロジェクト関連契約を締結した「建設中事業」、②開発が一定程度進捗している「推進中事業」、③一定の事業性が確認され、経営資源を投下の上での事業開発の推進が認められた「先行投資事業」と分類しています。事業開発が成功し各発電所の運転開始に至る確率は、①建設中事業が最も高く、②推進中事業は今後の開発進捗に伴い計画が変更又は中止となる可能性もあり、③先行投資事業は今後の調査検討に伴い中止となる可能性が相応にあります。①建設中事業②推進中事業③先行投資事業・ローン契約締結・EPC契約締結下記全項目の一定の蓋然性を確認済み・事業用地利用・系統接続・売電契約締結・主要許認可取得・一定の事業性に関する確認・開発に必要な先行投資を開始済み (注)1. 国・地域による規制の相違、電源種による開発プロセスや事業性確保に向けた条件の相違、及び各事業の個別要因等により、事業の分類の判断基準が上記と必ずしも一致しない場合があります。 2. 建設中事業には、ローン契約・EPC契約締結済みの着工準備中の事業も含みます。 なお、開発中の事業は当社が主導して開発を実施し、SPCに対する出資持分についても当社が筆頭の出資者となる「当社主導」事業と、パートナー企業と共同で事業を開発する「共同推進」事業に分類しています。 (開発中の事業一覧 ①建設中事業)(2026年3月31日時点)法人・組合等名称事業者住所議決権の所有(被所有)割合又は出資割合(連結区分)(%)出力(MW)建設着手時期収益モデル買取価格(1kWh当たり)KIANGAN MINI HYDRO CORPORATION同左フィリピンイフガオ州40.0(持分法)8.32021年4月FIT5.87 PHP苓北風力合同会社同左熊本県天草郡苓北町38.0(持分法)54.62023年3月FIT21円アールワン蓄電所合同会社同左東京都中央区40.0(持分法)90.02026年3月市場販売市場価格アールツー蓄電所合同会社同左東京都中央区39.0(持分法)215.02025年2月LTDA容量確保契約金額アールスリー蓄電所合同会社同左東京都中央区39.0(持分法)30.02025年6月オフテイク契約固定価格株式会社レノバ同左東京都中央区-2.02025年11月市場販売市場価格 (注) 1.買取価格は、売電先との実際の契約価格ではなく、各発電設備に対してFIT制度に基づき適用されている固定買取価格(消費税抜)を示しています。2. 「固定価格」は、長期の契約期間においてあらかじめ設定された価格を指します。ただし、契約内容によっては、期間中にわたり常に一定の価格ではなく、年次等により価格が異なるものが含まれます。3.フィリピン共和国イフガオ州キアンガンにおけるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONの買取価格は、小水力発電に関するFIT対象枠の残存期間中に運転開始した場合の想定FIT単価です。4.アールワン蓄電所合同会社は、静岡県菊川市において市場販売型蓄電所である菊川西村蓄電所を建設中です。当社は2026年3月31日現在において、当該事業の覚書に基づき運転開始以降、共同スポンサーの出資持分(出資比率40.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は80.0%となります。なお、当蓄電所の竣工は2028年度を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。5. アールツー蓄電所合同会社は、2023年度長期脱炭素電源オークションにおいて選定された系統用蓄電所3ヵ所(北海道苫小牧市、北海道白老郡白老町、静岡県周智郡森町睦実)を建設中です。当社は2026年3月31日現在において、当該事業の出資者間契約に基づき長期脱炭素電源オークションの制度適用以降、共同スポンサーの出資持分(出資比率48.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は87.0%となります。なお、当蓄電所の竣工は2028年度中を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。 6.アールスリー蓄電所合同会社は、北海道石狩市において東京瓦斯株式会社とのオフテイク契約に基づき石狩蓄電所を建設中です。当社は2026年3月31日現在において、当該事業の覚書に基づき運転開始以降、共同スポンサーの出資持分(出資比率36.0%分)を買い増す権利を有しています。当該権利を行使した場合には、当社の議決権所有割合は75.0%となります。なお、当蓄電所の竣工は2027年度を予定していますが、工事の進捗により前後する可能性があります。7. LTDA: 長期脱炭素電源オークション(Long Term Decarbonization Auction)は、国全体で必要となる脱炭素電源の容量確保のため、再エネや蓄電池等の新設・リプレース/改修を入札対象とした制度で、電力広域的運営推進機関より、原則20年間、設備容量に落札金額を乗じた容量確保契約金額が支払われます。落札金額については、物価変動分が制度適用期間の年度ごとに毎年補正される仕組みとなっています。8. 市場販売:国による価格保証(FIT 制度等)や特定の相手との長期固定価格契約に頼らず、「需給調整市場」や「容量市場」等の市場で「調整力」や「容量確保価値」を提供することで収益を確保する事業形態を指します。9. EPC契約を締結した時点を「建設開始/着工」としており、「建設開始/着工」は詳細設計開始や機器発注等を含むため、現地での工事開始とは異なる場合があります。10. 上記6事業のうち、「共同推進」事業であるKIANGAN MINI HYDRO CORPORATIONにおける事業以外の事業は「当社主導」事業です。 (開発中の事業一覧 ②推進中事業)(2026年3月31日時点)地域/電源出力(MW)買取価格(1kWh当たり)(税別)環境アセスメント事業推進形態(当社主導/共同推進)非開示(国内)(蓄電池)100-該当無し当社主導非開示(国内)(蓄電池)75-該当無し当社主導韓国(陸上風力)40--当社主導米国(蓄電池)200--当社主導米国(蓄電池+太陽光)(蓄電池)150(太陽光)150--共同推進フィリピン(太陽光)150--共同推進 (注)1.推進中事業の一覧表は、2026年3月31日現在において、一般公知となった代表的な事業に限定したものであり、このほかに開発中の未公表事業があります。 (開発中の事業一覧 ③先行投資事業)(2026年3月31日時点)地域/電源出力(MW)買取価格(1kWh当たり)(税別)環境アセスメント事業推進形態(当社主導/共同推進)秋田県(陸上風力)80-方法書完了当社主導青森県(陸上風力)170-方法書完了当社主導フィリピン(陸上風力)50--当社主導韓国(陸上風力)40--当社主導 (注)1.先行投資事業の一覧表は、2026年3月31日現在において、一般公知となった代表的な事業に限定したものであり、このほかに開発中の未公表事業があります。 このほか、当社は主に太陽光発電、陸上風力発電、蓄電事業等の種別毎に専属チームを組織し、国内外で複数事業の事業開発を進めています。これらの事業開発には当社が主導で開発を進めている事業に加え、事業パートナーと共同で推進している事業もあります。本章にて述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりです。 (事業の主な系統図)

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
FIT制度、FIP制度、長期脱炭素電源オークション、補助金制度等の政策に左右されるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
農地転用、林地開発、道路の占用等の許認可取得、環境アセスメントの実施が必要。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:エネルギー政策動向の変化 / FIT/FIP制度、補助金制度の変更・終了 / 出力制御による売電収入の減少
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

レノバは再生可能エネルギー発電事業を主軸としており、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPに依存するビジネスモデルではない。技術開発は行っているものの、それが他社との明確な差別化要因となり、長期的な競争優位を築くほどの無形資産とは評価しにくい。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

電力小売事業においては、顧客が電力会社を切り替える際の事務手続きは比較的容易であり、スイッチングコストは低い。しかし、一部の法人顧客や長期契約においては、契約内容や電力供給の安定性から、一定のスイッチングコストが発生する可能性は否定できない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

レノバの事業モデルは、発電所の開発・運営・売電が中心であり、ユーザー数の増加がサービス価値を向上させるネットワーク効果は基本的に働かない。プラットフォーム型ビジネスではないため、ネットワーク効果による競争優位は期待できない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

再生可能エネルギー発電事業は、規模の経済や効率的なプラント運営によりコスト競争力が生まれる可能性がある。しかし、燃料費の変動リスクや、新規参入企業とのコスト競争は激しく、構造的なコスト優位を確立しているとは言い難い。政府の固定価格買取制度(FIT)への依存度もコスト構造に影響を与える。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

再生可能エネルギー発電分野において、複数の大規模プロジェクトを開発・運営する実績は、一定の規模と経験を示唆する。特に、国内における再生可能エネルギー導入拡大の流れの中で、一定の市場シェアを確保し、効率的な事業運営を行うことで、規模の経済による優位性を構築しつつある。

  • マルチ電源開発・運営
    レノバグループは、太陽光、バイオマス、風力、地熱、水力といった多様な再生可能エネルギー源に対応できる技術とノウハウを持っています。これにより、特定の電源に依存せず、地域や市場の状況に応じて最適な発電方式を選択・開発できる柔軟性が強みです。
  • 政策支援と市場拡大
    世界的に脱炭素化とエネルギー安全保障への意識が高まる中、各国政府は再生可能エネルギー導入を強力に推進しています。日本政府も2040年度に再生可能エネルギー比率を40~50%に高める目標を設定しており、FIT/FIP制度や補助金、長期脱炭素電源オークションなどの支援策がレノバグループの事業拡大を後押ししています。
  • 垂直統合型ビジネスモデル
    発電所の開発から建設、長期的な所有・運営管理までを一貫して手掛けることで、プロジェクト全体を効率的に管理し、収益性を最大化しています。これにより、外部委託によるコスト増やリスクを低減し、安定した事業運営を実現しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは次の「ミッション/経営理念」、「ビジョン/目指すべき企業の姿」及び「経営原則/レノバのコミットメント」を掲げています。 ■ミッション/経営理念 グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する ■ビジョン/目指すべき企業の姿 日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること ■経営原則/レノバのコミットメント 地球:人類と地球の、永遠の共生に貢献します 地域:歴史と文化を尊重し、新たな価値を共に創ります 顧客:経済的で環境にやさしいエネルギーを供給します 株主:株式価値を持続的に創出します 社員:有能な人材を集結し、エキサイティングな自己実現の機会を提供します 上記の達成のため、当社グループは現在、次の5点を重視した経営を行っています。 ①再生可能エネルギーへ中長期的にフォーカスする当社グループは「日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること」というビジョンの実現を目指しており、再生可能エネルギー市場に経営資源を集中的に投下しています。脱炭素化と再生可能エネルギーの導入拡大は世界の潮流です。日本政府は、2025年2月、2040年度の再生可能エネルギーの比率を40~50%とする「第7次エネルギー基本計画」と温室効果ガスを2013年度比で73%削減する「地球温暖化対策計画」を閣議決定しました。加えて、昨今のAIの急速な普及等に伴うデータセンターや半導体工場の新増設を背景に、将来的な電力需要の大幅な増大が予測されています。これら膨大な電力を消費する施設の稼働にあたっては、CO2を排出しない電源の確保が不可欠な課題となっており、再生可能エネルギーの重要性はより一層鮮明となっています。また、自社事業の使用電力を再生可能エネルギー由来100%とすることを目指す国際的なイニシアティブであるRE100に参加する企業による取り組みが積極化しており、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPAの実例も増加していることを背景に、再生可能エネルギー電力の調達需要が高まっています。再生可能エネルギーの需要拡大に伴い、発電量の変動が大きくなることが予想される中、安定供給を維持するために、電力の需給バランスを調整する系統用蓄電池や再生可能エネルギー電源併設型蓄電池の重要性が高まっています。当社グループは、この成長市場である再生可能エネルギー市場及び蓄電池市場において、中長期的に事業を拡大させていきます。 ②独立系企業として、国内外において電源開発とGX事業を推進する当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電、地熱発電等の複数種類電源(マルチ電源)を保有していますが、今後は、太陽光発電及び陸上風力発電の集中的な開発を志向しています。FIT制度だけに依拠せず、再生可能エネルギー電力の調達ニーズが高まっている電力需要家に対して直接電力を販売するコーポレートPPAによる事業も促進し、更なる発電容量の増加を目指していきます。加えて、GX事業を加速しており、中でも蓄電事業の集中的な開発を志向しています。需給調整市場や容量市場における調整力・容量確保価値の取引を始め、長期脱炭素電源オークションの活用やオフテイク契約による収益モデルでの事業も促進し、蓄電事業の拡大を目指していきます。 ③エンジニアリングと主要な開発業務を内製化し、高い収益性を追求する事業開発の成功確度向上や高収益化を実現し、かつスピーディーな事業開発の推進を行うために、当社はエンジニアリングをはじめとした、事業開発における重要なプロセスにおいて各分野のスペシャリストを社内に擁し、高付加価値業務を内製化する方針です。 ④安定したキャッシュ・フローを新規事業の開発及び既存事業の内部成長のため積極的に再投資する当社グループは既存の発電所から長期に得られる強固なキャッシュ・フローを新規の事業開発に積極的に再投資し、持続的成長を図ることで企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めていきます。また、当社グループは借入れを活用したハイレバレッジのファイナンススキームを開発事業ごとに組成し、各事業における必要出資額を抑えています。さらに、ファイナンス組成の初期において複数の共同出資者を募ることにより当社の出資持分を抑制して、少ない投下資本で数多くの事業を手掛けられる投資モデルを採用しています。これによって建中リスクの低減を実現させることは、リスク分散の一助となっています。また、コール・オプションの行使や共同出資者との出資交渉により出資持分を追加取得し、事業期間(FIT及びPPA期間又は、設備の耐用年数や保証期間、以下同じ)を通じて得られるリターンの最大化を図っています。 ⑤地域との共生・共創により、長期的な発展を目指す当社グループは、各地に広がる再生可能エネルギー発電所及び蓄電所を長期にわたって所有・運営していきます。また、再生可能エネルギーとは本来それが存在する地域の資源であり、発電所等はその資源を活用させていただいているという視点を、当社グループは大事にしています。今後も、当社グループの各発電所及び蓄電所がそれぞれの地域に根ざし、地域関係者との長期的な共生・共創の関係を構築・維持できるよう尽力していきます。 (2) 目標とする経営指標①EBITDAを重視した経営管理当社グループの再生可能エネルギー事業及び蓄電事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の割合は大きい傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは経営指標としてEBITDA(売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益+その他収益・費用)を重視し、その持続的な増大を目指していきます。太陽光発電所については、売上収益、EBITDA、営業利益のいずれも事業期間にわたって安定しています。売上収益は、時間の経過に伴う設備の経年劣化による発電効率の低下(主に太陽光パネルの劣化)は見られるものの、全発電量に対して固定価格による売電契約を締結していることから高い予見性があります。費用及び償却性費用についても平準化されており、事業期間を通じてEBITDA及び営業利益についても高い予見性があります。バイオマス発電所においても、基本的な傾向は太陽光発電所と同様ですが、発電効率は長期間にわたり一定であることが見込まれる一方で、メンテナンス期間や計画外停止期間、燃料価格の変動に伴い売上収益、EBITDA及び営業利益は変動します。当社グループでは、長期にわたる安定的な事業運営を目的として、燃料供給会社との間で長期の固定価格、固定数量の燃料購入契約を多く締結することで、前述のEBITDAや営業利益の変動の極小化に努めています。系統用蓄電所においては、需給調整市場や容量市場等を通じて調整力及び容量確保価値を販売しますが、大規模化によるコスト優位性を築き、長期に渡り市場競争力を有する事業を構築すること、及び長期脱炭素電源オークションを通した長期固定の容量確保収入、又はオフテイク契約に則った長期固定化した利用料収入を活用することで、売上収益、EBITDA、営業利益の変動の極小化に努めています。なお、事業期間満了後の事業性が認められる場合の売電等収入、EBITDA及び営業利益は、電力市場の状況、新規設備導入の状況及び土地賃料や燃料価格の水準等により変動します。 ②事業の現在価値を重視した投資当社グループは、再生可能エネルギー発電事業及び蓄電事業の開発から運転までの長期にわたる事業保有を志向しています。また、その多くは売電価格が長期間にわたり固定されているため、当社グループが開発する発電所又は蓄電所への最終投資意思決定をした段階で、当該事業の長期間にわたる売上及びキャッシュ・フローを予見することが可能であるという特性があります。そのため、当社グループは、事業の正味現在価値(NPV)を重要な経営指標と位置づけ、厳格な投資基準を定め、NPV最大化に向けた投資を進めてまいります。さらに当初想定の事業期間後においても、売電契約等の更新による事業期間の延長、設備更新や高効率設備へのリプレースによる売電量の増加、並びに環境価値の増大等による更なる事業価値の増大が可能であるという特徴があり、当社グループは事業の長期保有を前提としているため、事業の現在価値の最大化を主導していくことが可能です。当社グループは、新たな開発投資、既存事業の価値増大を積極的に進めることで、持続的な成長を実現していきます。 (3) 中期的な会社の経営戦略当社グループは再生可能エネルギーによるマルチ電源化及びGX事業等による事業領域の拡大を推進しており、2025年5月に「中期経営計画2030」を発表しました。同計画では、太陽光、蓄電池、陸上風力の3事業を注力領域と位置づけ、2030年度において運転中・建設中の発電所及び蓄電所の合計設備容量5.0GW、EBITDA600億円、累計GHG削減量2,000万トンを達成することを中期的な通過点として捉えています。(2025年5月13日公表「中期経営計画2030」https://www.renovainc.com/news/company/pdf/20250513_02_PRESS.pdf)これに向けて、当面は先行投資を継続し優良な事業に対して積極的な投資を実行していく中で、当社グループでは現在、次の経営戦略を実行しています。 ①建設中事業の着実な運転開始及び安定稼働による更なる収益基盤の構築2026年3月31日現在、建設中事業は、陸上風力発電所が1ヵ所、水力発電所が1ヵ所、蓄電所が6ヵ所ありますが、今後、工事が完了し運転を開始する予定です。これらの事業が予定どおりに運転開始することにより、当社の収益に大きな貢献をする予定です。また、2025年9月に唐津バイオマス発電所が運転を開始し、計7ヵ所の稼働体制となったバイオマス発電事業においては、既存の発電所で培ったノウハウを共有・活用することで、高稼働率の発電事業の実現を目指します。さらに、既に運転を行っている多くの太陽光発電所からの安定的な収益と合わせ、当社の基盤収益の更なる拡大を構築し、中長期的な成長を実現していきます。 ②国内再生可能エネルギー事業の積み上げ日本政府は、2025年2月、2040年度の再生可能エネルギーの比率を40~50%とする「第7次エネルギー基本計画」と温室効果ガスを2013年度比で73%削減する「地球温暖化対策計画」を閣議決定しました。また、電力需要家側での再生可能エネルギーへのニーズの高まりやAIの普及等による電力需要の増加を背景に、国内の再生可能エネルギー市場は引き続き拡大していく見通しです。当社は、これまでに培った開発ノウハウを活用し、太陽光発電、陸上風力発電等のマルチ電源の開発を推進していきます。 ③脱炭素に向けたGX事業の展開従来型の再生可能エネルギーによる発電事業に加え、国内外の脱炭素化をさらに加速するため、再生可能エネルギー電源併設型を含む蓄電事業等、環境に関する社会的課題を脱炭素の観点から解決するGX事業の開拓も推進しています。2025年10月に当社系統用蓄電事業第一号案件の姫路蓄電所が運転を開始しました。さらに2025年6月に石狩蓄電所において東京瓦斯株式会社(以下、「東京ガス」という)とのオフテイク契約を締結し、2026年3月には、国内最大規模の市場販売型蓄電事業である菊川西村蓄電所の融資関連契約を締結しました。これにより、2026年3月現在、運転中及び建設着手済みの蓄電事業の設備容量は352MWに達しています。なお、2026年4月には安来蓄電所が稼働し、蓄電池価値を最大化する最適運用機能の内製化を推進しています。 ④海外事業開発の加速化アジアにおいては、ベトナム、フィリピン、韓国並びにアメリカに拠点を構え、エンジニアリングチームを含め約40名程度の体制で海外事業の開発を推進しています。米国においては、昨今のAI普及に伴うデータセンターの建設急増等を背景に電力需要が急増しており、低コストかつ迅速に導入可能な再生可能エネルギーへの需要が高まっていることを背景に、蓄電所や太陽光・蓄電池ハイブリッド事業の開発を進めています。また、フィリピンにおいては太陽光発電及び陸上風力発電、韓国においては陸上風力発電の開発をそれぞれ推進しています。海外においても日本で培ったノウハウを横展開し、開拓・開発・資金調達・保守運営に至るまで一気通貫で当社が積極的に関与することで、海外での事業開発を加速し、長期的な成長と更なる株式価値の向上を実現していきます。 ⑤オペレーションにおける最重要機能を内製化し、持続的かつ安定的な操業の実現バイオマス発電所及び風力発電所を持続的かつ安定的に操業するには、一定のオペレーションのノウハウが必要です。現在、当社グループにおいては、保有する7ヵ所の大型バイオマス発電所が全て運転を開始しており、最重要機能を内製化したオペレーション組織をハブとして、知見やノウハウを各発電所間で共有し、各発電所の運転、モニタリングや安全管理を、効率的かつ安定的に行っていきます。また、蓄電所の安定的かつ収益最大化を実現するためには、蓄電池の最適運用ノウハウが必要です。当社グループにおいては、2026年3月現在で市場販売型の大規模蓄電所を1ヵ所建設中で、2030年度の中期経営計画目標達成に向け連続した大規模蓄電所の開発を計画しており、その蓄電所群の安定的な収益最大化を実現するために蓄電池の最適運用機能の内製化を進めています。安定稼働の実現によって、社会的責任を果たすと同時に、予見性の高い安定的なキャッシュ・フローの創出を実現してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループは、再生可能エネルギー市場に参入した2012年から、安定的な収益獲得が見込め、事業の着実な積上げによる収益成長が期待できる発電事業の開拓・開発に注力してきました。国内においては、太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電、地熱発電及び蓄電事業を中心に、アジアにおいては陸上風力発電及び水力発電事業を中心に開発を行った結果、当社グループの太陽光発電所、バイオマス発電所、陸上風力発電所、地熱発電所、水力発電所及び蓄電所等は運転開始済み及び現在建設中の事業を合算すると約1.6GWとなり、本邦有数の規模を有する事業会社に成長しました。当社グループでは、国内外において積極的な先行投資と事業開発を継続し、更なる成長を目指す方針です。新たな事業領域での開発に係る各課題への適切な対処に加え、事業規模の拡大に伴いより高度な経営管理体制の構築が求められる中、当社グループでは以下の項目に取り組んでいきます。 ①持続的な成長に向けた、新たな発電事業の開拓と実現 a.新規の「再生可能エネルギー発電等事業」、新たな事業領域の開拓再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の新規事業を開拓することは、当社グループの持続的な成長のために重要です。当社グループは、これまで太陽光発電及びバイオマス発電を中心に「再生可能エネルギー発電等事業」の展開を進めてきました。今後も引き続き、国内外において太陽光発電、及び陸上風力発電等のマルチ電源開発の開拓・推進、さらに、蓄電池を含むGX事業等による事業領域の拡大を当面の注力領域として、人員・経営リソースを重点的に配分しています。多様化した電源・事業領域にて同時に複数の新規事業を検討するためには、事業情報の収集及び開発可能性の見極めを効率的かつ効果的に行う必要があります。内製化したエンジニアリング機能によって蓄積されたノウハウと専門人材の知見、現地化による適時的確な意思決定を行う体制、過去10年以上にわたる発電事業開発によって構築した情報ネットワークとパートナーシップ等を最大限に活用し、収益拡大に貢献する新規の再生可能エネルギー発電事業及び蓄電事業の開拓を行っていきます。 b.専門性の高い人材の確保と育成国内外の新たな市場において更なる事業の拡大を図り、変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、当社グループの強みとなる専門性を高め差別化を図っていくためには、多様な人材の確保と育成が重要です。当社グループでは、優秀で専門性の高い人材にとって魅力ある会社づくりを行うために、組織構成や人事考課制度の見直しを図るとともに、公正な評価基準設定と目標達成度に応じた評価及びフォローアップ、教育研修の充実等に引き続き取り組んでいきます。また、人材採用においては、今後の当社グループの軸となる人材を育てるために新卒採用を行いながら、一方で即戦力となる人材を中途採用することで効率的に人員体制の拡充を図っていきます。特に、マルチ電源及びGX事業の開発方針を踏まえた人員拡充や、事業拡大に伴う管理部門の強化・育成、今後の海外展開を見据えた海外経験の豊富な人材の拡充と社内人材育成を引き続き行っていきます。 c.開発中の再生可能エネルギー発電事業及びGX事業の着実な実現一定の事業性が認められた事業の開発を着実かつ迅速に推進することは、当社グループの持続的な成長を実現する上で重要です。当社グループは2026年3月末時点で、苓北風力合同会社(出力54.6MW)において陸上風力発電所の建設、アールワン蓄電所合同会社(出力90.0MW)、アールツー蓄電所合同会社(出力215.0MW)、アールスリー蓄電所合同会社(出力30.0MW)、島根県安来市(出力2.0MW)において蓄電所の建設、フィリピンにおいて水力発電所(出力8.3MW)の建設を推進しており、マルチ電源及びGX事業の開発に向け積極的に取り組んでいます。当社グループは今後も地域社会や環境に配慮しつつ、当社の開発基準に見合った収益性を確保した上で、地域関係者協議、発電所・蓄電所設計、電力会社協議及び許認可取得等、事業化に向けて着実かつ迅速に開発を進めていきます。また、建設工程においても、安全管理・工程管理・コスト管理を徹底し、運転開始までのスケジュールを順守していきます。 d.事業パートナーシップの拡大今後の持続的な成長のために、国内外の有力なパートナー企業と協力し、大型事業や先進的事業への取り組みを実行することが必要です。豊富な実績に裏打ちされた当社グループへの信頼及び評判は、再生可能エネルギー及び蓄電事業の分野における取り組みを通じて、自治体や学術機関、有力企業とのネットワークの構築に貢献してきました。当社は、再生可能エネルギー及び系統用蓄電池業界における有力企業との戦略的事業パートナーシップを拡大しており、複数の開発中事業において、有力企業と共同で事業開発を推進しています。当社グループは、東京ガスと2024年4月に資本業務提携契約を締結し、国内の陸上風力発電事業の共同開発、小規模分散型のNon-FIT太陽光発電事業の電力の販売、バイオマス発電事業における燃料・オペレーションでの協業、さらに系統用蓄電事業での協業を進めています。また、海外事業においては、現地の有力なパートナーとの連携により、着実な事業開発の推進を実現しています。 当社グループは、個別事業の開発における有力パートナー企業との連携を一層強化し、再生可能エネルギー事業や蓄電池を含むGX事業の新たなノウハウと実績を蓄積し、更なる事業の好循環を目指して経営を行っていきます。 ②事業運営・オペレーション機能の強化 a.既存発電所及び蓄電所による安定的キャッシュ・フローの創出当社グループの所有する再生可能エネルギー発電所及び蓄電所による予見性の高い安定的なキャッシュ・フローの創出は、当社グループが長期的かつ持続的な事業開発を行う上で重要です。当社グループは、2026年3月末時点での運転中の発電所及び蓄電所として、合計出力約1.2GWを有しており、これらの発電所及び蓄電所において適切なメンテナンス及びモニタリング体制を構築することで、安定的な稼働を実現していきます。太陽光発電所及び陸上風力発電所における日射量や風量等の天候発生確率は、統計的に一定の割合に収束すると見込まれることから、事業期間を通した総発電量は比較的予見可能性が高いものと見込まれます。さらに、当社グループの太陽光発電所の所在地は、日本各地に地理的に分散しており、局地的な異常気象に左右されにくい安定的なキャッシュ・フローを創出する構造となっています。また、当社グループの所有するFIT制度に基づく太陽光発電所は、全て40円/kWh又は36円/kWhでの買取価格を確保しており、FIT期間にわたり高い収益性を有しています。また、バイオマス発電所においては、安定的な燃料の調達及び適切な運転・メンテナンス体制を構築することで、安定した発電を行うことが可能となり、結果、長期的に安定的なキャッシュ・フローを生み出すことが可能となります。当社グループの所有するFIT制度に基づくバイオマス発電所は、全て32円/kWh又は24円/kWhでの買取価格を確保しており、FIT期間にわたり高い収益性を有しています。なお、FIT制度に基づかない発電所においては、需要家と長期にわたり固定価格で売電するコーポレートPPAを締結しており、市場価格の変動に左右されることなく、安定的なキャッシュ・フローを創出することができます。さらに、蓄電事業においても、オフテイク契約や長期脱炭素電源オークションに則った事業は、所定の期間にわたり、オフテイク価格、又は容量確保収入が保証されるため、長期的に安定した収益が見込まれます。また、市場販売型の蓄電事業においては、大型化を図り、需給調整市場等での蓄電池の最適運用を実現することで、安定的で持続的なキャッシュ・フローを創出できる事業モデルを構築しています。当社グループでは引き続き、予見性の高い安定的なキャッシュ・フローを創出するべく、既存発電所及び蓄電所の適切な運営に取り組んでいきます。 b.オペレーション機能の充実と安全管理当社グループでは、事業基盤をより強固にするべく電源の多様化を進めています。当社グループの建設中・運転中の発電所・蓄電所は、2026年3月31日現在、約1.6GWとなり、さらに今後は大型の蓄電事業等が順次運転を開始する予定です。こうした多様な電源の中でも、とりわけバイオマス発電所は定期修繕等の場合を除いて24時間稼働を行うため、安定的に電力を供給する社会インフラとしての責任を果たすことがより一層求められ、発電所を安定的・持続的かつ安全に運転することが、重要な経営課題であると認識しています。当社は、発電所のオペレーションを専門的に行う部門の内製化により各発電所間での知見・ノウハウ・安全対策の共有を行い、さらに、バイオマス事業本部をオペレーション本部から独立させ、バイオマス発電事業に特化したチームを編成することで安全管理の充実を図り、万全の体制でバイオマス発電所の運転に臨んでいます。今後も国内外の発電所及び蓄電所を持続的、安定的に運営するための体制を充実させていきます。 ③高い資本効率と、持続的な成長のための財務基盤の実現 a.継続的な資金調達の実施及び資本効率の向上当社グループでは、資本効率を向上させながら大型の再生可能エネルギー事業及びGX事業の開発投資を行うために、長期及び短期借入金を組み合わせた財務レバレッジを活用しています。当社グループは、2026年3月末までに、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業化に係るプロジェクトファイナンス関連契約を締結し、銀行を中心とする金融機関より、累計約5,000億円超(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)の長期のプロジェクトファイナンスを組成しています。その結果、2026年3月末時点において、当社グループの連結有利子負債残高の約8割がSPCにおけるプロジェクトファイナンスにより調達されています。今後も大型の事業への開発投資を継続的に行っていくにあたり、一定の強固な財務基盤を維持していくことが重要であると認識しています。当社グループは、引き続き好条件での資金調達を実施するために、資本市場における情報収集及び分析に努めるほか、調達先の多様化、先進的な調達手法の検討や金融機関との関係性強化を行っていきます。また、グループ全体の資金管理や調達管理の充実、SPCからの資金回収の早期化を進め、受領した配当資金等により新たな事業の再投資を行うことで、資本効率の向上に一層取り組んでいきます。 b.事業投資及び経営に関する指標設定と運営当社グループでは、経営原則の1つとして株式価値の持続的な向上を掲げています。これに関連し、当社グループは、新規再生可能エネルギー事業及びGX事業への投資判断を行う際には、出資金額に対する内部収益率(IRR)の見込み値が一定水準を上回ることを原則としています。また、IRR水準を満たす事業候補の中で、株式価値の向上がより大きく見込まれる事業への投資を優先的に行うために、事業のNPVを重視しています。加えて、事業投資を決定した後も、事業毎にIRR水準、NPV及び予実差異を管理分析し、収益性の管理を強化していきます。当社グループの再生可能エネルギー事業及びGX事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは引き続き経営指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視し、その持続的な増大を目指していきます。 c.発電所及び蓄電所SPC持分の追加取得による内部成長当社は、資金制約がある中でより多くの再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業を早期に事業化するべく、開発段階における投資資金の配分を各発電所・蓄電所SPCへ分散化させることを志向しています。そのため、事業成立時点で当社が所有する多くの発電所及び蓄電所SPCの出資持分比率は持分法適用水準としており、当該SPCの出資持分の追加取得による連結化及び内部成長の実現は当社グループの持続的な成長のために重要です。「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2) ファイナンスに関する事項 ②各発電所及び蓄電所SPCに対する出資持分」に記載のとおり、当社は共同出資者との出資者間合意の定めにより、一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る権利(コール・オプション)を有し、また、他共同出資者がその出資持分を当社に売り渡す権利(プット・オプション)を有している場合があります。なお、共同出資者とオプション契約を締結していない場合においても、共同出資者との合意が得られた場合には、当社は再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の出資持分を追加取得する可能性があります。なお、出資持分追加取得の判断は当該時点における当社の経営方針、資金状況、その他状況等を総合的に勘案の上で決定します。 ④事業の成長を促す強い組織とガバナンス体制の構築 a.内部統制及びガバナンスの強化社会的に内部統制の重要性が増大し、また事業拡大に伴い関係会社を含めた当社グループの売上規模も拡大していく中、持続的に健全な成長を果たすためには、当社及び関係会社の内部統制及びガバナンスの一層の強化が不可欠であると考えています。現在、当社は、基本方針として取締役の過半数が独立社外取締役によって構成されるモニタリング型の取締役会を志向しています。経営の監督と執行の分離による経営のモニタリングレベル向上に加え、リスク管理等の内部統制レベルの向上を継続的に図るとともに、事業推進に必要な意思決定の迅速化にも邁進しています。また、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置する等、取締役会機能を強化しています。今後も、コーポレートガバナンス・コードの精神に則った実効的なコーポレート・ガバナンスの実現を目指していきます。 b.関係会社の事業運営状況のモニタリング強化当社グループにおいては業績に占める関係会社の貢献割合が高いため、当社によるグループ経営管理体制を整備し、適切に運用することが重要です。当社は、関係会社の継続的なモニタリング活動を通じて、各社の直近の運営状況を適時に把握する仕組みを講じています。また、関係会社の事業計画の策定支援及び予実分析を実施しています。さらに、関係会社と連携して、各社の業務プロセスや各種規程の定期的な見直しを行うとともに、安全衛生管理や労務管理等含め、グループ一体となった管理体制の構築にも取り組んでいます。今後も引き続き、関係会社のモニタリングを一層強化し、より良い経営管理体制の整備及び運用を推進していきます。 c.コンプライアンス対応当社グループにおいては、当社グループのコンプライアンス憲章に則って社内遵法体制の整備を行ってきました。事業に関連する法令、会社法、労働法への対応等、コンプライアンス管理体制の一層の強化と厳格な運用が重要な経営課題と認識しています。当社グループでは代表取締役社長CEOを委員長とするコンプライアンス委員会を設置しており、当該委員会の充実を図ることでコンプライアンス意識の浸透を徹底し、一層のコンプライアンス管理体制の強化を図っていきます。さらに、連結子会社内におけるコンプライアンス意識向上のための教育・指導にも継続して取り組んでいきます。 d.発電等事業者を取り巻く法令規則等への対応事業に関連する法令の制定や改正が行われた場合、新たなルールに迅速かつ適切に対応することは、当社グループの競争力の維持強化に資するものです。当社グループでは、関連法規等の改正の状況を常時モニタリングする従業員を配置し早期の情報収集に努めるとともに、必要に応じほかの発電等事業者や業界団体と協力して政策提言を実施していきます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 会社の経営の基本方針当社グループは次の「ミッション/経営理念」、「ビジョン/目指すべき企業の姿」及び「経営原則/レノバのコミットメント」を掲げています。 ■ミッション/経営理念 グリーンかつ自立可能なエネルギー・システムを構築し枢要な社会的課題を解決する ■ビジョン/目指すべき企業の姿 日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること ■経営原則/レノバのコミットメント 地球:人類と地球の、永遠の共生に貢献します 地域:歴史と文化を尊重し、新たな価値を共に創ります 顧客:経済的で環境にやさしいエネルギーを供給します 株主:株式価値を持続的に創出します 社員:有能な人材を集結し、エキサイティングな自己実現の機会を提供します 上記の達成のため、当社グループは現在、次の5点を重視した経営を行っています。 ①再生可能エネルギーへ中長期的にフォーカスする当社グループは「日本とアジアにおけるエネルギー変革のリーディング・カンパニーとなること」というビジョンの実現を目指しており、再生可能エネルギー市場に経営資源を集中的に投下しています。脱炭素化と再生可能エネルギーの導入拡大は世界の潮流です。日本政府は、2025年2月、2040年度の再生可能エネルギーの比率を40~50%とする「第7次エネルギー基本計画」と温室効果ガスを2013年度比で73%削減する「地球温暖化対策計画」を閣議決定しました。加えて、昨今のAIの急速な普及等に伴うデータセンターや半導体工場の新増設を背景に、将来的な電力需要の大幅な増大が予測されています。これら膨大な電力を消費する施設の稼働にあたっては、CO2を排出しない電源の確保が不可欠な課題となっており、再生可能エネルギーの重要性はより一層鮮明となっています。また、自社事業の使用電力を再生可能エネルギー由来100%とすることを目指す国際的なイニシアティブであるRE100に参加する企業による取り組みが積極化しており、電力需要家が発電事業者と直接電力契約を締結するコーポレートPPAの実例も増加していることを背景に、再生可能エネルギー電力の調達需要が高まっています。再生可能エネルギーの需要拡大に伴い、発電量の変動が大きくなることが予想される中、安定供給を維持するために、電力の需給バランスを調整する系統用蓄電池や再生可能エネルギー電源併設型蓄電池の重要性が高まっています。当社グループは、この成長市場である再生可能エネルギー市場及び蓄電池市場において、中長期的に事業を拡大させていきます。 ②独立系企業として、国内外において電源開発とGX事業を推進する当社グループは、太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電、地熱発電等の複数種類電源(マルチ電源)を保有していますが、今後は、太陽光発電及び陸上風力発電の集中的な開発を志向しています。FIT制度だけに依拠せず、再生可能エネルギー電力の調達ニーズが高まっている電力需要家に対して直接電力を販売するコーポレートPPAによる事業も促進し、更なる発電容量の増加を目指していきます。加えて、GX事業を加速しており、中でも蓄電事業の集中的な開発を志向しています。需給調整市場や容量市場における調整力・容量確保価値の取引を始め、長期脱炭素電源オークションの活用やオフテイク契約による収益モデルでの事業も促進し、蓄電事業の拡大を目指していきます。 ③エンジニアリングと主要な開発業務を内製化し、高い収益性を追求する事業開発の成功確度向上や高収益化を実現し、かつスピーディーな事業開発の推進を行うために、当社はエンジニアリングをはじめとした、事業開発における重要なプロセスにおいて各分野のスペシャリストを社内に擁し、高付加価値業務を内製化する方針です。 ④安定したキャッシュ・フローを新規事業の開発及び既存事業の内部成長のため積極的に再投資する当社グループは既存の発電所から長期に得られる強固なキャッシュ・フローを新規の事業開発に積極的に再投資し、持続的成長を図ることで企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めていきます。また、当社グループは借入れを活用したハイレバレッジのファイナンススキームを開発事業ごとに組成し、各事業における必要出資額を抑えています。さらに、ファイナンス組成の初期において複数の共同出資者を募ることにより当社の出資持分を抑制して、少ない投下資本で数多くの事業を手掛けられる投資モデルを採用しています。これによって建中リスクの低減を実現させることは、リスク分散の一助となっています。また、コール・オプションの行使や共同出資者との出資交渉により出資持分を追加取得し、事業期間(FIT及びPPA期間又は、設備の耐用年数や保証期間、以下同じ)を通じて得られるリターンの最大化を図っています。 ⑤地域との共生・共創により、長期的な発展を目指す当社グループは、各地に広がる再生可能エネルギー発電所及び蓄電所を長期にわたって所有・運営していきます。また、再生可能エネルギーとは本来それが存在する地域の資源であり、発電所等はその資源を活用させていただいているという視点を、当社グループは大事にしています。今後も、当社グループの各発電所及び蓄電所がそれぞれの地域に根ざし、地域関係者との長期的な共生・共創の関係を構築・維持できるよう尽力していきます。 (2) 目標とする経営指標①EBITDAを重視した経営管理当社グループの再生可能エネルギー事業及び蓄電事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の割合は大きい傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは経営指標としてEBITDA(売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益+その他収益・費用)を重視し、その持続的な増大を目指していきます。太陽光発電所については、売上収益、EBITDA、営業利益のいずれも事業期間にわたって安定しています。売上収益は、時間の経過に伴う設備の経年劣化による発電効率の低下(主に太陽光パネルの劣化)は見られるものの、全発電量に対して固定価格による売電契約を締結していることから高い予見性があります。費用及び償却性費用についても平準化されており、事業期間を通じてEBITDA及び営業利益についても高い予見性があります。バイオマス発電所においても、基本的な傾向は太陽光発電所と同様ですが、発電効率は長期間にわたり一定であることが見込まれる一方で、メンテナンス期間や計画外停止期間、燃料価格の変動に伴い売上収益、EBITDA及び営業利益は変動します。当社グループでは、長期にわたる安定的な事業運営を目的として、燃料供給会社との間で長期の固定価格、固定数量の燃料購入契約を多く締結することで、前述のEBITDAや営業利益の変動の極小化に努めています。系統用蓄電所においては、需給調整市場や容量市場等を通じて調整力及び容量確保価値を販売しますが、大規模化によるコスト優位性を築き、長期に渡り市場競争力を有する事業を構築すること、及び長期脱炭素電源オークションを通した長期固定の容量確保収入、又はオフテイク契約に則った長期固定化した利用料収入を活用することで、売上収益、EBITDA、営業利益の変動の極小化に努めています。なお、事業期間満了後の事業性が認められる場合の売電等収入、EBITDA及び営業利益は、電力市場の状況、新規設備導入の状況及び土地賃料や燃料価格の水準等により変動します。 ②事業の現在価値を重視した投資当社グループは、再生可能エネルギー発電事業及び蓄電事業の開発から運転までの長期にわたる事業保有を志向しています。また、その多くは売電価格が長期間にわたり固定されているため、当社グループが開発する発電所又は蓄電所への最終投資意思決定をした段階で、当該事業の長期間にわたる売上及びキャッシュ・フローを予見することが可能であるという特性があります。そのため、当社グループは、事業の正味現在価値(NPV)を重要な経営指標と位置づけ、厳格な投資基準を定め、NPV最大化に向けた投資を進めてまいります。さらに当初想定の事業期間後においても、売電契約等の更新による事業期間の延長、設備更新や高効率設備へのリプレースによる売電量の増加、並びに環境価値の増大等による更なる事業価値の増大が可能であるという特徴があり、当社グループは事業の長期保有を前提としているため、事業の現在価値の最大化を主導していくことが可能です。当社グループは、新たな開発投資、既存事業の価値増大を積極的に進めることで、持続的な成長を実現していきます。 (3) 中期的な会社の経営戦略当社グループは再生可能エネルギーによるマルチ電源化及びGX事業等による事業領域の拡大を推進しており、2025年5月に「中期経営計画2030」を発表しました。同計画では、太陽光、蓄電池、陸上風力の3事業を注力領域と位置づけ、2030年度において運転中・建設中の発電所及び蓄電所の合計設備容量5.0GW、EBITDA600億円、累計GHG削減量2,000万トンを達成することを中期的な通過点として捉えています。(2025年5月13日公表「中期経営計画2030」https://www.renovainc.com/news/company/pdf/20250513_02_PRESS.pdf)これに向けて、当面は先行投資を継続し優良な事業に対して積極的な投資を実行していく中で、当社グループでは現在、次の経営戦略を実行しています。 ①建設中事業の着実な運転開始及び安定稼働による更なる収益基盤の構築2026年3月31日現在、建設中事業は、陸上風力発電所が1ヵ所、水力発電所が1ヵ所、蓄電所が6ヵ所ありますが、今後、工事が完了し運転を開始する予定です。これらの事業が予定どおりに運転開始することにより、当社の収益に大きな貢献をする予定です。また、2025年9月に唐津バイオマス発電所が運転を開始し、計7ヵ所の稼働体制となったバイオマス発電事業においては、既存の発電所で培ったノウハウを共有・活用することで、高稼働率の発電事業の実現を目指します。さらに、既に運転を行っている多くの太陽光発電所からの安定的な収益と合わせ、当社の基盤収益の更なる拡大を構築し、中長期的な成長を実現していきます。 ②国内再生可能エネルギー事業の積み上げ日本政府は、2025年2月、2040年度の再生可能エネルギーの比率を40~50%とする「第7次エネルギー基本計画」と温室効果ガスを2013年度比で73%削減する「地球温暖化対策計画」を閣議決定しました。また、電力需要家側での再生可能エネルギーへのニーズの高まりやAIの普及等による電力需要の増加を背景に、国内の再生可能エネルギー市場は引き続き拡大していく見通しです。当社は、これまでに培った開発ノウハウを活用し、太陽光発電、陸上風力発電等のマルチ電源の開発を推進していきます。 ③脱炭素に向けたGX事業の展開従来型の再生可能エネルギーによる発電事業に加え、国内外の脱炭素化をさらに加速するため、再生可能エネルギー電源併設型を含む蓄電事業等、環境に関する社会的課題を脱炭素の観点から解決するGX事業の開拓も推進しています。2025年10月に当社系統用蓄電事業第一号案件の姫路蓄電所が運転を開始しました。さらに2025年6月に石狩蓄電所において東京瓦斯株式会社(以下、「東京ガス」という)とのオフテイク契約を締結し、2026年3月には、国内最大規模の市場販売型蓄電事業である菊川西村蓄電所の融資関連契約を締結しました。これにより、2026年3月現在、運転中及び建設着手済みの蓄電事業の設備容量は352MWに達しています。なお、2026年4月には安来蓄電所が稼働し、蓄電池価値を最大化する最適運用機能の内製化を推進しています。 ④海外事業開発の加速化アジアにおいては、ベトナム、フィリピン、韓国並びにアメリカに拠点を構え、エンジニアリングチームを含め約40名程度の体制で海外事業の開発を推進しています。米国においては、昨今のAI普及に伴うデータセンターの建設急増等を背景に電力需要が急増しており、低コストかつ迅速に導入可能な再生可能エネルギーへの需要が高まっていることを背景に、蓄電所や太陽光・蓄電池ハイブリッド事業の開発を進めています。また、フィリピンにおいては太陽光発電及び陸上風力発電、韓国においては陸上風力発電の開発をそれぞれ推進しています。海外においても日本で培ったノウハウを横展開し、開拓・開発・資金調達・保守運営に至るまで一気通貫で当社が積極的に関与することで、海外での事業開発を加速し、長期的な成長と更なる株式価値の向上を実現していきます。 ⑤オペレーションにおける最重要機能を内製化し、持続的かつ安定的な操業の実現バイオマス発電所及び風力発電所を持続的かつ安定的に操業するには、一定のオペレーションのノウハウが必要です。現在、当社グループにおいては、保有する7ヵ所の大型バイオマス発電所が全て運転を開始しており、最重要機能を内製化したオペレーション組織をハブとして、知見やノウハウを各発電所間で共有し、各発電所の運転、モニタリングや安全管理を、効率的かつ安定的に行っていきます。また、蓄電所の安定的かつ収益最大化を実現するためには、蓄電池の最適運用ノウハウが必要です。当社グループにおいては、2026年3月現在で市場販売型の大規模蓄電所を1ヵ所建設中で、2030年度の中期経営計画目標達成に向け連続した大規模蓄電所の開発を計画しており、その蓄電所群の安定的な収益最大化を実現するために蓄電池の最適運用機能の内製化を進めています。安定稼働の実現によって、社会的責任を果たすと同時に、予見性の高い安定的なキャッシュ・フローの創出を実現してまいります。 (4) 会社の対処すべき課題当社グループは、再生可能エネルギー市場に参入した2012年から、安定的な収益獲得が見込め、事業の着実な積上げによる収益成長が期待できる発電事業の開拓・開発に注力してきました。国内においては、太陽光発電、バイオマス発電、陸上風力発電、地熱発電及び蓄電事業を中心に、アジアにおいては陸上風力発電及び水力発電事業を中心に開発を行った結果、当社グループの太陽光発電所、バイオマス発電所、陸上風力発電所、地熱発電所、水力発電所及び蓄電所等は運転開始済み及び現在建設中の事業を合算すると約1.6GWとなり、本邦有数の規模を有する事業会社に成長しました。当社グループでは、国内外において積極的な先行投資と事業開発を継続し、更なる成長を目指す方針です。新たな事業領域での開発に係る各課題への適切な対処に加え、事業規模の拡大に伴いより高度な経営管理体制の構築が求められる中、当社グループでは以下の項目に取り組んでいきます。 ①持続的な成長に向けた、新たな発電事業の開拓と実現 a.新規の「再生可能エネルギー発電等事業」、新たな事業領域の開拓再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の新規事業を開拓することは、当社グループの持続的な成長のために重要です。当社グループは、これまで太陽光発電及びバイオマス発電を中心に「再生可能エネルギー発電等事業」の展開を進めてきました。今後も引き続き、国内外において太陽光発電、及び陸上風力発電等のマルチ電源開発の開拓・推進、さらに、蓄電池を含むGX事業等による事業領域の拡大を当面の注力領域として、人員・経営リソースを重点的に配分しています。多様化した電源・事業領域にて同時に複数の新規事業を検討するためには、事業情報の収集及び開発可能性の見極めを効率的かつ効果的に行う必要があります。内製化したエンジニアリング機能によって蓄積されたノウハウと専門人材の知見、現地化による適時的確な意思決定を行う体制、過去10年以上にわたる発電事業開発によって構築した情報ネットワークとパートナーシップ等を最大限に活用し、収益拡大に貢献する新規の再生可能エネルギー発電事業及び蓄電事業の開拓を行っていきます。 b.専門性の高い人材の確保と育成国内外の新たな市場において更なる事業の拡大を図り、変化し続ける事業環境に柔軟に対応し、当社グループの強みとなる専門性を高め差別化を図っていくためには、多様な人材の確保と育成が重要です。当社グループでは、優秀で専門性の高い人材にとって魅力ある会社づくりを行うために、組織構成や人事考課制度の見直しを図るとともに、公正な評価基準設定と目標達成度に応じた評価及びフォローアップ、教育研修の充実等に引き続き取り組んでいきます。また、人材採用においては、今後の当社グループの軸となる人材を育てるために新卒採用を行いながら、一方で即戦力となる人材を中途採用することで効率的に人員体制の拡充を図っていきます。特に、マルチ電源及びGX事業の開発方針を踏まえた人員拡充や、事業拡大に伴う管理部門の強化・育成、今後の海外展開を見据えた海外経験の豊富な人材の拡充と社内人材育成を引き続き行っていきます。 c.開発中の再生可能エネルギー発電事業及びGX事業の着実な実現一定の事業性が認められた事業の開発を着実かつ迅速に推進することは、当社グループの持続的な成長を実現する上で重要です。当社グループは2026年3月末時点で、苓北風力合同会社(出力54.6MW)において陸上風力発電所の建設、アールワン蓄電所合同会社(出力90.0MW)、アールツー蓄電所合同会社(出力215.0MW)、アールスリー蓄電所合同会社(出力30.0MW)、島根県安来市(出力2.0MW)において蓄電所の建設、フィリピンにおいて水力発電所(出力8.3MW)の建設を推進しており、マルチ電源及びGX事業の開発に向け積極的に取り組んでいます。当社グループは今後も地域社会や環境に配慮しつつ、当社の開発基準に見合った収益性を確保した上で、地域関係者協議、発電所・蓄電所設計、電力会社協議及び許認可取得等、事業化に向けて着実かつ迅速に開発を進めていきます。また、建設工程においても、安全管理・工程管理・コスト管理を徹底し、運転開始までのスケジュールを順守していきます。 d.事業パートナーシップの拡大今後の持続的な成長のために、国内外の有力なパートナー企業と協力し、大型事業や先進的事業への取り組みを実行することが必要です。豊富な実績に裏打ちされた当社グループへの信頼及び評判は、再生可能エネルギー及び蓄電事業の分野における取り組みを通じて、自治体や学術機関、有力企業とのネットワークの構築に貢献してきました。当社は、再生可能エネルギー及び系統用蓄電池業界における有力企業との戦略的事業パートナーシップを拡大しており、複数の開発中事業において、有力企業と共同で事業開発を推進しています。当社グループは、東京ガスと2024年4月に資本業務提携契約を締結し、国内の陸上風力発電事業の共同開発、小規模分散型のNon-FIT太陽光発電事業の電力の販売、バイオマス発電事業における燃料・オペレーションでの協業、さらに系統用蓄電事業での協業を進めています。また、海外事業においては、現地の有力なパートナーとの連携により、着実な事業開発の推進を実現しています。 当社グループは、個別事業の開発における有力パートナー企業との連携を一層強化し、再生可能エネルギー事業や蓄電池を含むGX事業の新たなノウハウと実績を蓄積し、更なる事業の好循環を目指して経営を行っていきます。 ②事業運営・オペレーション機能の強化 a.既存発電所及び蓄電所による安定的キャッシュ・フローの創出当社グループの所有する再生可能エネルギー発電所及び蓄電所による予見性の高い安定的なキャッシュ・フローの創出は、当社グループが長期的かつ持続的な事業開発を行う上で重要です。当社グループは、2026年3月末時点での運転中の発電所及び蓄電所として、合計出力約1.2GWを有しており、これらの発電所及び蓄電所において適切なメンテナンス及びモニタリング体制を構築することで、安定的な稼働を実現していきます。太陽光発電所及び陸上風力発電所における日射量や風量等の天候発生確率は、統計的に一定の割合に収束すると見込まれることから、事業期間を通した総発電量は比較的予見可能性が高いものと見込まれます。さらに、当社グループの太陽光発電所の所在地は、日本各地に地理的に分散しており、局地的な異常気象に左右されにくい安定的なキャッシュ・フローを創出する構造となっています。また、当社グループの所有するFIT制度に基づく太陽光発電所は、全て40円/kWh又は36円/kWhでの買取価格を確保しており、FIT期間にわたり高い収益性を有しています。また、バイオマス発電所においては、安定的な燃料の調達及び適切な運転・メンテナンス体制を構築することで、安定した発電を行うことが可能となり、結果、長期的に安定的なキャッシュ・フローを生み出すことが可能となります。当社グループの所有するFIT制度に基づくバイオマス発電所は、全て32円/kWh又は24円/kWhでの買取価格を確保しており、FIT期間にわたり高い収益性を有しています。なお、FIT制度に基づかない発電所においては、需要家と長期にわたり固定価格で売電するコーポレートPPAを締結しており、市場価格の変動に左右されることなく、安定的なキャッシュ・フローを創出することができます。さらに、蓄電事業においても、オフテイク契約や長期脱炭素電源オークションに則った事業は、所定の期間にわたり、オフテイク価格、又は容量確保収入が保証されるため、長期的に安定した収益が見込まれます。また、市場販売型の蓄電事業においては、大型化を図り、需給調整市場等での蓄電池の最適運用を実現することで、安定的で持続的なキャッシュ・フローを創出できる事業モデルを構築しています。当社グループでは引き続き、予見性の高い安定的なキャッシュ・フローを創出するべく、既存発電所及び蓄電所の適切な運営に取り組んでいきます。 b.オペレーション機能の充実と安全管理当社グループでは、事業基盤をより強固にするべく電源の多様化を進めています。当社グループの建設中・運転中の発電所・蓄電所は、2026年3月31日現在、約1.6GWとなり、さらに今後は大型の蓄電事業等が順次運転を開始する予定です。こうした多様な電源の中でも、とりわけバイオマス発電所は定期修繕等の場合を除いて24時間稼働を行うため、安定的に電力を供給する社会インフラとしての責任を果たすことがより一層求められ、発電所を安定的・持続的かつ安全に運転することが、重要な経営課題であると認識しています。当社は、発電所のオペレーションを専門的に行う部門の内製化により各発電所間での知見・ノウハウ・安全対策の共有を行い、さらに、バイオマス事業本部をオペレーション本部から独立させ、バイオマス発電事業に特化したチームを編成することで安全管理の充実を図り、万全の体制でバイオマス発電所の運転に臨んでいます。今後も国内外の発電所及び蓄電所を持続的、安定的に運営するための体制を充実させていきます。 ③高い資本効率と、持続的な成長のための財務基盤の実現 a.継続的な資金調達の実施及び資本効率の向上当社グループでは、資本効率を向上させながら大型の再生可能エネルギー事業及びGX事業の開発投資を行うために、長期及び短期借入金を組み合わせた財務レバレッジを活用しています。当社グループは、2026年3月末までに、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業化に係るプロジェクトファイナンス関連契約を締結し、銀行を中心とする金融機関より、累計約5,000億円超(連結子会社及び持分法適用会社における約定ベース)の長期のプロジェクトファイナンスを組成しています。その結果、2026年3月末時点において、当社グループの連結有利子負債残高の約8割がSPCにおけるプロジェクトファイナンスにより調達されています。今後も大型の事業への開発投資を継続的に行っていくにあたり、一定の強固な財務基盤を維持していくことが重要であると認識しています。当社グループは、引き続き好条件での資金調達を実施するために、資本市場における情報収集及び分析に努めるほか、調達先の多様化、先進的な調達手法の検討や金融機関との関係性強化を行っていきます。また、グループ全体の資金管理や調達管理の充実、SPCからの資金回収の早期化を進め、受領した配当資金等により新たな事業の再投資を行うことで、資本効率の向上に一層取り組んでいきます。 b.事業投資及び経営に関する指標設定と運営当社グループでは、経営原則の1つとして株式価値の持続的な向上を掲げています。これに関連し、当社グループは、新規再生可能エネルギー事業及びGX事業への投資判断を行う際には、出資金額に対する内部収益率(IRR)の見込み値が一定水準を上回ることを原則としています。また、IRR水準を満たす事業候補の中で、株式価値の向上がより大きく見込まれる事業への投資を優先的に行うために、事業のNPVを重視しています。加えて、事業投資を決定した後も、事業毎にIRR水準、NPV及び予実差異を管理分析し、収益性の管理を強化していきます。当社グループの再生可能エネルギー事業及びGX事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは引き続き経営指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視し、その持続的な増大を目指していきます。 c.発電所及び蓄電所SPC持分の追加取得による内部成長当社は、資金制約がある中でより多くの再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業を早期に事業化するべく、開発段階における投資資金の配分を各発電所・蓄電所SPCへ分散化させることを志向しています。そのため、事業成立時点で当社が所有する多くの発電所及び蓄電所SPCの出資持分比率は持分法適用水準としており、当該SPCの出資持分の追加取得による連結化及び内部成長の実現は当社グループの持続的な成長のために重要です。「第2 事業の状況 3 事業等のリスク (2) ファイナンスに関する事項 ②各発電所及び蓄電所SPCに対する出資持分」に記載のとおり、当社は共同出資者との出資者間合意の定めにより、一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る権利(コール・オプション)を有し、また、他共同出資者がその出資持分を当社に売り渡す権利(プット・オプション)を有している場合があります。なお、共同出資者とオプション契約を締結していない場合においても、共同出資者との合意が得られた場合には、当社は再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の出資持分を追加取得する可能性があります。なお、出資持分追加取得の判断は当該時点における当社の経営方針、資金状況、その他状況等を総合的に勘案の上で決定します。 ④事業の成長を促す強い組織とガバナンス体制の構築 a.内部統制及びガバナンスの強化社会的に内部統制の重要性が増大し、また事業拡大に伴い関係会社を含めた当社グループの売上規模も拡大していく中、持続的に健全な成長を果たすためには、当社及び関係会社の内部統制及びガバナンスの一層の強化が不可欠であると考えています。現在、当社は、基本方針として取締役の過半数が独立社外取締役によって構成されるモニタリング型の取締役会を志向しています。経営の監督と執行の分離による経営のモニタリングレベル向上に加え、リスク管理等の内部統制レベルの向上を継続的に図るとともに、事業推進に必要な意思決定の迅速化にも邁進しています。また、取締役会の任意の諮問機関として指名・報酬委員会を設置する等、取締役会機能を強化しています。今後も、コーポレートガバナンス・コードの精神に則った実効的なコーポレート・ガバナンスの実現を目指していきます。 b.関係会社の事業運営状況のモニタリング強化当社グループにおいては業績に占める関係会社の貢献割合が高いため、当社によるグループ経営管理体制を整備し、適切に運用することが重要です。当社は、関係会社の継続的なモニタリング活動を通じて、各社の直近の運営状況を適時に把握する仕組みを講じています。また、関係会社の事業計画の策定支援及び予実分析を実施しています。さらに、関係会社と連携して、各社の業務プロセスや各種規程の定期的な見直しを行うとともに、安全衛生管理や労務管理等含め、グループ一体となった管理体制の構築にも取り組んでいます。今後も引き続き、関係会社のモニタリングを一層強化し、より良い経営管理体制の整備及び運用を推進していきます。 c.コンプライアンス対応当社グループにおいては、当社グループのコンプライアンス憲章に則って社内遵法体制の整備を行ってきました。事業に関連する法令、会社法、労働法への対応等、コンプライアンス管理体制の一層の強化と厳格な運用が重要な経営課題と認識しています。当社グループでは代表取締役社長CEOを委員長とするコンプライアンス委員会を設置しており、当該委員会の充実を図ることでコンプライアンス意識の浸透を徹底し、一層のコンプライアンス管理体制の強化を図っていきます。さらに、連結子会社内におけるコンプライアンス意識向上のための教育・指導にも継続して取り組んでいきます。 d.発電等事業者を取り巻く法令規則等への対応事業に関連する法令の制定や改正が行われた場合、新たなルールに迅速かつ適切に対応することは、当社グループの競争力の維持強化に資するものです。当社グループでは、関連法規等の改正の状況を常時モニタリングする従業員を配置し早期の情報収集に努めるとともに、必要に応じほかの発電等事業者や業界団体と協力して政策提言を実施していきます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という)の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等に関する認識及び分析、検討内容は以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。(1) 重要性がある会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下、「連結財務諸表規則」という)第312条の規則によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。連結財務諸表の作成にあたり、経営者の判断に基づく会計方針の選択と適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となりますが、その判断及び見積りに関しては連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しています。しかしながら、実際の結果は、見積り特有の不確実性を伴うことから、これら見積りと異なる可能性があります。なお、再生可能エネルギー事業及び蓄電事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、減価償却費等の償却費の費用に占める割合が大きくなる傾向にあります。一過性の償却負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指し、もって株式価値の向上に努めるべく、当社グループでは業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。当社グループの連結財務諸表の作成にあたって採用している重要性がある会計方針、会計上の見積り及び判断は、「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 3 重要性がある会計方針」、「2 作成の基礎 (5) 見積り及び判断の利用」に記載しています。 (2) 経営成績の分析当連結会計年度における当社グループの「再生可能エネルギー発電等事業」においては、運転開始済みの太陽光発電所、バイオマス発電所、陸上風力発電所、地熱発電所及び蓄電所(合計設備容量約1,228.7MW)において、全体としての発電量は概ね順調に推移しました。2025年9月27日に唐津バイオマス発電所(出力49.9MW。発電端出力ベースの発電容量)が営業運転を開始し、同発電所を運営する合同会社唐津バイオマスエナジーが当社の連結子会社となりました。さらに法人間のコーポレートPPAを前提とした小規模・分散型太陽光発電所も順次運転を開始したことで、発電量は順調に増加しました。当社の連結子会社である合同会社御前崎港バイオマスエナジーが保有する御前崎港バイオマス発電所は、2025年6月末から進めていた点検及び補修工事が完了し、2025年10月10日に通常操業を再開しました。また、2025年10月10日に、姫路蓄電池匿名組合事業(持分法適用会社)を通じて開発をしていた姫路蓄電所が当社グループ初の系統用蓄電事業として運転を開始しました。本蓄電事業は、送配電ネットワークへ直接接続する蓄電池システムを設置し、電力需給に応じて電力を充放電することで電力需給バランスの調整に寄与しています。なお、当連結会計年度において、各電力会社より出力制御指示が発令され、当社が運営する一部の発電所は出力の制御を実施しました。2026年3月の出力制御に伴う逸失発電量の合計が、当社が運営する全ての発電所の年間計画売電量に占める比率は0.270%であり、当社の連結業績に対する影響は軽微です。「開発・運営事業」においては、引き続き、国内外の新たな発電所・蓄電所の建設及び開発が進捗しています。2025年6月30日に、東京瓦斯株式会社(東京ガス)とのオフテイク契約(2025年6月23日締結)に基づき、北海道石狩市で30MWの蓄電事業の開発を進めるアールスリー蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2027年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、当社グループが蓄電所の開発、所有及び維持管理を行い、20年間にわたり固定価格による施設使用権の付与を行うオフテイク契約を通じて、安定的に収益を得られる事業となっています。2027年度の運転開始を予定している本事業では、共同スポンサーであるSMFLみらいパートナーズ株式会社及びほか1社と「アールスリー蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しており、この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計36%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は75.0%となります。加えて、2025年11月28日には、島根県安来市において市場販売型蓄電事業で安来蓄電所(出力2MW/容量6.5MWh)の建設を開始し、2026年4月17日に運転を開始いたしました。本事業を通じて、当社自らが蓄電池の市場運用を直接担うことで蓄電池の最適運用知見を確立し、運営戦略の立案・実施機能を内製化及び高度化することで、今後運転・開発を予定している大規模な系統用蓄電事業における競争力を高め、長期的な収益の最大化を実現してまいります。さらに、2026年3月31日には、静岡県菊川市において菊川西村蓄電所(出力90MW/容量270MWh)の開発を進めるアールワン蓄電所合同会社(持分法適用会社)が、金融機関との間で融資関連契約を締結しました。着工を経て、2028年度に運転開始する予定です。本蓄電事業は、国内最大規模の市場販売型蓄電事業であり、主に、「需給調整市場」及び「容量市場」での活用を予定しています。大規模化による事業費低減を通じたコスト競争力と、当社が内製化した最適運用知見を組み合わせることで、将来、蓄電所間の競争が激化する環境下においても持続的な収益確保と収益の最大化を実現します。2028年度の運転開始を予定している同事業では、共同スポンサーであるNCSアールイーキャピタル株式会社及びSMFLみらいパートナーズ株式会社と「アールワン蓄電所合同会社に係る持分等の譲渡に関する覚書」を締結しています。この覚書に基づき、当社は、運転開始以降に保有する特別目的会社出資持分(計40.0%)を取得する権利を有しているため、当該権利を行使した場合には、当社の出資比率は80.0%となります。これにより、2026年3月現在、運転中及び建設着手済みの蓄電事業の設備容量は352MWに達しています。また、RE100に取り組む企業や小売電気事業者等との間でコーポレートPPA需要は拡大傾向にあり、当社の太陽光発電によるコーポレートPPAの契約設備容量は合計で206MWとなっています。2025年12月に、コーポレートPPA向けの小規模・分散型太陽光発電事業の更なる規模拡大を目指し、連結子会社である第一太陽光発電合同会社を通じて、PPA締結済み契約設備容量の206MWのうち約170MWを対象としたプロジェクト・ファイナンスを組成しました。本件を通じて、全国に分散する多数の発電所を複数のパートナーとともに開発・管理する仕組みの標準化やAIを活用した効率化、高品質な発電所と長期保有への信頼を背景としたPPAの獲得体制を構築したことにより、中期経営計画に掲げる2030年度の小規模・分散型太陽光事業0.9GW(運転中・建設中)の目標に向けた事業モデルが確立されました。今後は確立した事業モデルに基づき、完工・運営の体制を一段と強化し、事業成長を加速させてまいります。さらに、電力需要の増加や企業の脱炭素化需要を背景に、昼夜問わず安定的な電力供給が可能なバイオマス発電所の重要性が増しています。当社が開発・保有するバイオマス発電所においても、FIT制度に基づく売電からコーポレートPPAへの切り替えを推進しています。コーポレートPPAにおいては、FIT価格に環境プレミアムを上乗せした価格での売電を実現しており、長期にわたり安定的な売上への貢献が見込まれます。2026年3月現在、バイオマス発電事業におけるコーポレートPPAの契約設備容量は、145.4MW(3発電所)となっています。 これらの結果を受けた、当連結会計年度における経営成績は次のとおりです。(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 増減増減率 (%)増減の主要因売上収益70,24687,62217,37524.7①合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+7,677)(注)4②徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加 (+6,369)③合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+3,842)(注)5④事業開発報酬の減少(△900)⑤小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+730)EBITDA(注)1,323,30730,5267,21931.0①徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+4,665)②バイオマス発電所における補助金等収益の計上(+1,007)③合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+908)(注)5④事業開発報酬の減少(△900)⑤合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+872)(注)4⑥小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+496)EBITDAマージン(%)(注)2,333.234.81.7- 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日) 増減増減率 (%)増減の主要因営業利益4,0668,2834,217103.7①徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+4,701)②合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(△1,144)(注)4③バイオマス発電所における補助金等収益の計上(+1,007)④事業開発報酬の減少(△900) ⑤小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+216) ⑥合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+67)(注)5親会社の所有者に帰属する当期利益2,6873,30862223.1①営業利益の増加(+4,217)②前期における合同会社御前崎港バイオマスエナジーの企業結合に伴う再測定による利益の計上(△4,428)③合同会社唐津バイオマスエナジーの企業結合に伴う再測定による利益の計上(+ 1,676)④オプション公正価値評価益の増加(+1,023)⑤バイオマス発電所運転開始等に伴う支払利息の増加(△924)⑥利益増加に伴う法人所得税費用の増加(△785) (注)1.EBITDA=売上収益-燃料費-外注費-人件費+持分法による投資損益+その他の収益・費用 燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。 ・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響 2.EBITDAマージン=EBITDA/売上収益 3.EBITDAはNon-GAAP指標です。 4.前第4四半期連結会計期間より、合同会社御前崎港バイオマスエナジーが運転を開始しました。 5.当第2四半期連結会計期間より、合同会社唐津バイオマスエナジーが運転を開始しました。 セグメント別の業績は以下のとおりとなりました。各セグメントの業績数値につきましては、セグメント間の内部取引高等を含めて表示しています。また、セグメント利益は、EBITDAにて表示しています。再生可能エネルギー事業は多額の初期投資を必要とする事業であり、全体の費用に占める減価償却費等の償却費の割合が大きい傾向にあります。当社グループでは、一過性の償却費負担に過度に左右されることなく、企業価値の増大を目指すべく、株式価値の向上に努めています。そのため、業績指標として金利・税金・償却前利益であるEBITDAを重視しています。 (報告セグメントごとの売上収益)(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減額増減率(%)増減の主要因再生可能エネルギー発電等事業68,29286,42918,13726.6①合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+7,677)②徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+6,369)③合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+3,842)④小規模・分散型太陽光の売電収入増加(+730)開発・運営事業6,1025,584△518△8.5①事業開発報酬の減少(△1,450)②匿名組合分配益の増加(+491)③運営管理報酬の増加(+222)調整額△4,148△4,391△243 連結財務諸表計上額70,24687,62217,37524.7 (注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりです。 相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)東北電力ネットワーク株式会社22,94732.719,73222.5NTTアノードエナジー株式会社15,32621.818,59921.2九州電力送配電株式会社15,97922.716,06818.3四国電力送配電株式会社6,0148.612,38314.1中部電力パワーグリッド株式会社2,2853.39,98611.4 2.上記の金額には、消費税等は含まれていません。 (報告セグメントごとの利益又は損失)(単位:百万円) 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)増減額増減率(%)増減の主要因再生可能エネルギー発電等事業26,82333,8627,03826.2①徳島津田バイオマス発電所合同会社の売電収入増加(+4,665)②合同会社唐津バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+908)③合同会社御前崎港バイオマスエナジーの運転開始と連結化(+872)開発・運営事業5371,8961,360253.5①事業開発報酬の減少(△1,450)②受取配当金の増加(+1,095)③匿名組合分配益の増加(+491)④海外拠点における開発費用減少等の影響(+378)⑤運営管理報酬の増加(+222)セグメント間取引消去△4,052△5,232△1,179-①受取配当金の消去(△1,095)②事業開発報酬に係る未実現利益の消去(+550)③匿名組合分配益の消去(△491)④運営管理報酬の消去(△222)EBITDA23,30730,5267,21931.0 (注)セグメント利益は、売上収益から燃料費、外注費、人件費を差し引き、持分法による投資損益並びにその他の収益・費用を加算したEBITDA(Non-GAAP指標)にて表示しています。 燃料費は、連結損益計算書における燃料費より、下記の影響額を調整しています。なお、当連結会計年度における調整額は△4,446百万円です。・当社が企業結合したバイオマス発電所が保有する為替予約について、企業結合時点の包括利益累計額が消去された影響 (3) 財政状態の分析当社グループでは、資本効率を向上させながら再生可能エネルギー発電所の開発投資を行うために、金融機関からの長期の借入れを活用しています。また、財務健全性を適切にモニタリングする観点から、保有する資産の実態的な価値を把握するほか、資本比率や親会社所有者帰属持分比率、純有利子負債とEBITDAの倍率(純有利子負債/EBITDA倍率)等の指標を重視しています。連結子会社及び関連会社が保有する為替予約の公正価値変動を主要因とするその他の資本の構成要素の増加等により当連結会計年度末の資本比率は30.4%(前連結会計年度末は25.2%)、親会社所有者帰属持分比率は20.1%(前連結会計年度末は16.8%)となりました。また、純有利子負債/EBITDA倍率(純有利子負債と直近の12ヶ月間に計上したEBITDAの倍率。なお、純有利子負債は、借入金及び社債、リース負債、並びにその他の金融負債に含まれる金融負債の合計から、現金及び現金同等物並びに引出制限付預金を差し引いた金額と定義)は、当連結会計年度末において8.4倍(前連結会計年度末は10.5倍)となりました。(資産の部)当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ81,413百万円増加し、611,464百万円となりました。主な増減要因は、連結子会社が保有する為替予約の公正価値変動等によるその他の金融資産(非流動)の増加(+79,862百万円)、及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による有形固定資産の増加(+7,243百万円)です。(負債の部)当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ28,957百万円増加し、425,584百万円となりました。 主な増減要因は、主に連結子会社における繰延税金負債の増加(+22,692百万円)及び唐津バイオマス発電所の新規連結等による社債及び借入金(非流動)の増加(+14,260百万円)です。(資本の部)当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ52,455百万円増加し、185,879百万円となりました。主な増減要因は、連結子会社及び関連会社が保有する金利スワップ及び為替予約の公正価値変動によるその他の資本の構成要素の増加(+30,263百万円)、唐津バイオマス発電所の新規連結及び連結子会社保有の為替予約の公正価値変動等による非支配持分の増加(+18,711百万円)です。 (4)キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末と比較して846百万円減少し、23,081百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は、次のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は、28,273百万円の収入(前年同期は31,499百万円の収入)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における売電先からの売電収入です。主なキャッシュ・アウト・フローは、「再生可能エネルギー発電等事業」における発電設備の維持管理費用、事業用地の賃借料、各種税金、バイオマス燃料の仕入及び「開発・運営事業」における開発支出(人件費等を含む)です。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、11,715百万円の支出(前年同期は16,498百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、建設立替金の回収による収入1,589百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、主にバイオマス発電所及び第一太陽光発電合同会社における有形固定資産の取得による支出5,416百万円、契約履行コストの取得による支出4,037百万円です。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は、17,438百万円の支出(前年同期は8,285百万円の支出)となりました。主なキャッシュ・イン・フローは、主に当社及び第一太陽光合同会社における長期借入れの実行による収入33,129百万円です。主なキャッシュ・アウト・フローは、長期借入金の返済による支出43,939百万円及び社債の償還による支出6,997百万円です。

事業リスク

  • エネルギー政策の変動
    国内外のエネルギー政策は、気候変動、資源価格、政治動向、技術競争など様々な要因で変化する可能性があります。もし政府の再生可能エネルギー導入目標が下方修正されたり、FIT/FIP制度や補助金制度が縮小・廃止されたりした場合、レノバグループの事業計画や収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 制度変更と規制強化
    固定価格買取制度(FIT制度)やFeed in Premium制度(FIP制度)、長期脱炭素電源オークション、補助金制度などが変更されたり、事業者に不利な義務が課されたりするリスクがあります。特に、入札による買取価格の著しい低下や、再生可能エネルギー特別措置法(再エネ特措法)の改定に対応できない場合、事業の収益性や財政状態に影響が出る可能性があります。
  • 出力制御の増加
    太陽光や風力発電のような自然変動電源は、電力の需給バランスを保つために出力制御(発電量の抑制)が行われることがあります。特に、2021年4月以降に新規接続する事業には無制限・無補償ルールが適用されており、想定を上回る出力制御が発生した場合、売電収入が減少し、レノバグループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|24,988 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる事項には以下のようなものがありますが、これらに限定されるものではありません。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針です。当社株式に関する投資判断は、本項及び本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えています。なお、本文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性がある全てのリスクを網羅したものではありません。 (1) 再生可能エネルギー事業及び蓄電事業のリスク① 法令規制及び政策動向a.エネルギー政策動向日本国内の発電電力量に占める再生可能エネルギー(太陽光、バイオマス、風力、地熱及び水力等の総称)の比率は、2024年度においては23.1%(水力7.4%、太陽光9.9%、風力・バイオマス・地熱は合計5.8%)となりました(出典:経済産業省・資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」2026年4月14日公表)。このような状況の中、日本政府は、2025年2月に「第7次エネルギー基本計画」を閣議決定し、2040年度の総発電電力量に占める再生可能エネルギー比率を40~50%程度まで高める目標を設定しました。本目標は、同日に閣議決定された地球温暖化対策計画において定められた、2040年度において温室効果ガスを2013年度比で73%削減する目標と整合する形で設定されました。 出典:経済産業省・資源エネルギー庁「総合エネルギー統計」(2026年4月公表)及び「第7次エネルギー基本計画の概要」(2025年2月公表)より当社作成 また、世界各国においても、日本と同様に、脱炭素化及び再生可能エネルギーや蓄電池、アンモニア・水素等を含む新燃料等の導入拡大を企図した政策が掲げられています。このように、国内外において再生可能エネルギー発電市場及びGX市場の更なる拡大が期待されています。昨今のAIの急速な普及に伴い、その基盤となるデータセンターや半導体工場の新増設が加速しています。2026年1月に、電力広域的運営推進機関(OCCTO)が公表した電力需要見通しにおいても、データセンターや半導体工場の新増設を背景に、2035年度の電力需要量が2025年度想定実績比で5.3%増の846,129百万kWhに達する予測が示されました。特に、膨大な電力を消費するデータセンター等の稼働にあたっては、CO2を排出しない電源の確保が不可欠な課題となっています。加えて、日本国内のエネルギー自給率は、15.3%と極めて低い水準にあり、一次エネルギーの約8割を海外からの化石燃料に依存することによる国富の流出が大きな課題となっています。現在、この自給率の約7割(11.3%)を支えているのが再生可能エネルギーです。昨今の緊迫する中東情勢等の地政学リスクや原油価格の高騰等を背景に、エネルギー安全保障及び国富流出の観点からも、有事に左右されず純国産エネルギーとして機能する再生可能エネルギーの導入拡大はますます重要性を増しています。2024年4月より需給調整市場の一次~二次調整力も商品として導入されたことで全ての商品区分で市場取引が開始され、2024年12月には、日本政府はGX実行会議の下で取りまとめた「分野別投資戦略」を改定し、2030年に累計14.1~23.8GWhの系統用蓄電池の導入見通しを公表しています。再生可能エネルギーや蓄電池の導入に対する政府の支援姿勢の継続及び電力需要家のニーズの高まりにより、国内再生可能エネルギー及び蓄電池市場はより一層拡大していく見通しです。このような我が国のエネルギー政策や脱炭素化に向けた国際的潮流を背景に、当社グループは、今後も再生可能エネルギーの導入及びGX事業の拡大を後押しする経営環境が継続するものと見込んでいます。しかしながら、我が国及び世界各国のエネルギー政策は、気候変動の進行状況や再生可能エネルギーを含む資源の利用状況とこれを受けて形成される多国間合意や国際的な議論の状況、政権交代を含む国内の政治動向、資源価格等の経済環境、社会情勢、発電設備の安全性、脱炭素化に向けたエネルギー技術間競争、技術の変化が増幅する地政学リスク、国家間・企業間の競争の本格化等に関する世論、国際紛争、海外諸外国の金融政策等様々な事象による影響を受けます。かかる政策に変化が生じた場合、当社グループの事業、業績、財政状態及び将来的な成長性に影響を及ぼす可能性があります。 b.固定価格買取制度(FIT制度)、Feed in Premium制度(FIP制度)、長期脱炭素電源オークション及び補助金制度当社グループの日本国内における主要事業である再生可能エネルギー事業においては、FIT制度に基づいた一般送配電事業者等のオフテイカーとの契約により、長期間にわたる買取期間において固定価格で再生可能エネルギー電源からの電力供給を行っていますが、現在のFIT制度及び政府による再生可能エネルギー導入目標が今後も変更なく継続する保証はありません。また、日本政府は2022年4月からFIP制度を導入しました。価格や需給を意識した効率的な発電や売電を促し、再生可能エネルギー由来の電気が適切に市場で取引できる環境を整えることを目的とした制度です。さらに、日本政府は2050年のカーボンニュートラルに向けて、系統用蓄電池を含む脱炭素電源による供給力を確保するため、2023年度より、長期脱炭素電源オークションを開始しました。長期にわたって脱炭素電源による供給力を確保することを目的として、落札電源には、固定費水準の容量収入を原則20年間得られる仕組みとすることで、巨額の初期投資の回収に対し、長期的な収入の予見可能性を付与する制度です。加えて、再生可能エネルギーの導入拡大を進めるため、経済産業省は2021年度より、系統用蓄電池やエネルギーマネジメントシステム等の導入促進に向けて「再生可能エネルギー導入拡大に資する分散型エネルギーリソース導入支援事業」の補助金制度を実施しています。将来において経済状況に著しい変動が生じること等を理由として、政府又は管轄省庁の決定により、現在のFIT制度、FIP制度、長期脱炭素電源オークションや補助金制度が縮小又は終了する、当初想定していなかった義務を事業者に課す等、既存の電力受給契約を含めて再生可能エネルギー事業者及び蓄電事業者に不利な制度変更がなされた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり、また、当社グループの事業計画の見直しが必要となる可能性もあります。さらに、今後入札により決定される買取価格が著しく低下する場合には、当社の開発事業に影響を及ぼす可能性もあります。また、再エネ特措法又は再エネ特措法に関連する各種法令の改正が行われ、当社グループが、新制度に適時かつ適切に対応できない場合、又はこれに対応するためのコストや負担が増加した場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このほか、当社ではコンプライアンスには十分に留意し、各種法制度の運用について十分に確認を行いながら事業を運営していますが、再エネ特措法において認定取消事由に該当する法令違反や届出の不備等があった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 c.出力制御当社グループが開発を進める電源のうち、国内における太陽光発電や風力発電といった発電出力が気候の影響を受ける自然変動電源においては、需給バランスの調整のため、年間のうち電力需要が小さい時期・時間帯において、火力発電の出力の制御、揚水発電のくみ上げ運転による需要創出、地域間連携線を活用した他エリアへの送電を行い、それでもなお発電量が需要量を上回る場合には、バイオマス発電の出力の制御の後に、太陽光発電、風力発電の制御が行われます。なお、需給バランスの調整のための太陽光発電や風力発電に関する出力制御は、指定電気事業者(*1)の廃止により、2021年4月1日以降に新規に接続を申し込む事業について、全国で無制限・無補償ルールが適用されます。バイオマス発電については「優先給電ルール」に基づき、火力発電の出力の制御、揚水発電のくみ上げ運転による需要創出、地域間連携線を活用した他エリアへの送電を行い、それでもなお発電量が需要量を上回る場合には、出力制御の対象となります。また、電力会社による系統工事等に伴い、上記出力制御とは別に計画停電が行われることがあります。世界各国においても同様に、電力の需給バランスの調整や電力系統の工事等を目的として、出力制御や計画停電が行われる場合があります。当社は、出力制御の実施予測についてシミュレーション分析を行った上で事業化の可否を判断していますが、かかる分析の結果、事業化を断念せざるを得なくなった場合又は事業化に成功した場合であっても想定を上回る出力制御が実施されることにより想定した売電収入を得られなかった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、日本政府はFITからFIPへの移行を促す新たな施策として、「優先給電ルール」の見直しを公表しており、早ければ2026年度中から出力制御の順番について、FIT電源を先、FIP電源を後とする方向で議論されています。当社グループが保有するFIT制度に基づく太陽光発電所のほとんどは、1年の出力制御が30日又は360時間を上限とする30日ルールもしくは、360時間ルールが適用されており、それ以上の出力制御がかかることは見込まれないため、新制度が適用された場合にも影響は限定的ですが、無制限ルールが適用されている発電所については、新制度による影響を精査した上で、適切な対策を講じます。 (*1)指定電気事業者:接続申込量が接続可能量を超過した場合には、無制限・無補償の出力制御を前提として、再生可能エネルギー発電設備の系統への連系ができるよう経済産業大臣から指定された電気事業者を意味しています。 d.事業認定当社グループのFIT制度及びFIP制度に基づいた国内の再生可能エネルギー発電事業においては、経済産業省所管の下、当社連結子会社及び関連会社が「事業認定」(再生可能エネルギー発電設備の認定)を取得しています。しかし、再エネ特措法の規定に違反する等、認定された事業計画どおりに事業を実施していない場合、認定時の基準に適合しなくなったと経済産業大臣が認めるときは、当該認定は取り消されることがあります。当社グループとして、発電を既に開始した発電設備の「事業認定」を取り消される可能性は相当程度限定的と考えていますが、取り消された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 事業の開発プロセス一般a.土地の取得・事業用地の確保一般的に、土地には権利及び地盤地質等に関し欠陥や契約不適合が存在している可能性があります。当社グループが再生可能エネルギー発電所及び蓄電所に係る土地を購入又は賃借するに当たっては、原則として全所有者又は賃貸人から対象となる土地について欠陥や契約不適合が存在しないことにつき一定の表明及び保証を得ています。しかしながら、表明及び保証の対象となった事項が完全かつ正確でなかった、又は地権者等が知り得なかった事情により、後になって欠陥や契約不適合が判明する可能性があります。例として、土砂の流出、治水の変化又は土壌汚染等が発生し、近隣住民からの損害賠償、操業停止又はレピュテーションのリスクが発生する可能性があり、かかるリスクは所有者又は賃貸人による表明保証により補完できるとは限りません。さらに、土地をめぐる権利義務関係の複雑さゆえに、当社グループが取得した権利が第三者の権利や行政法規等との関係で制限を受け、開発期間や規模が変動する可能性があり、これにより当社グループの事業の採算性が悪化する等、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、これらのリスクが発電所の運転開始後に生じた場合には、行政当局又は地域住民等から事業停止の要請等を受け、稼働発電所の一部撤去や操業停止を受け入れざるを得なくなる可能性があり、当該事業の継続にも影響を及ぼす可能性があります。当社は海外における事業開発等のために海外子会社等により土地の取得・事業用地の確保を行う場合があります。当社が陸上風力発電事業を手掛けているベトナム社会主義共和国(以下、「ベトナム」という)では、土地の使用権はあるものの、所有権はありません。また、フィリピン共和国(以下、「フィリピン」という)では、原則として全ての土地を国家が所有する国有制度(Regalian Doctrine)が採用されているため、所有権はありませんが、外国企業が株主である現地法人も土地を賃借することが可能です。アメリカ合衆国(以下、「アメリカ」という)では、土地の所有権に関する規制は州ごとに異なりますが、一般的には個人や企業が土地を完全に所有することが可能です。ただし、アメリカでは、地下資源の採掘権(Mineral rights)が存在し、事業を行う際には、土地の所有者に加え、当該土地の地表から垂直に伸びる地下の採掘権の所有者との交渉も必要になります。土地の取得、利用に関して各国で法令が異なるため、当社ではコンプライアンスに十分に留意し、各種法制度の運用について十分に確認を行いながら事業を運営していますが、土地の取得、利用に関して法令違反や届出の不備等があった場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 b.許認可の取得及び発電所及び蓄電所サイトにおける地域関係者等との合意国内外の再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の開発に際しては、管轄省庁及び地方自治体が管轄する農地転用、林地開発、道路の占用等の複数の許認可取得が必要な場合があります。また、発電所や蓄電所の立地する地域の自然環境資源を活用して行うものであり、許認可取得には地権者のみならず周辺地域住民の合意が必要となります。当社グループにおいては、事前調査を通じて各種許認可取得に必要な措置を講じており、また、地域社会及び地域環境に対する最大限の配慮の上で、法令や条例で定められた許認可や環境アセスメントの実施のみならず、事業実施地域における住民向けの各種説明会等を通じて地域社会からの理解を得ながら事業化を進める方針としています。したがって、再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の開発に係る許認可の取得が不可能又は時間を要する場合、埋蔵文化財の発見等により追加調査や移築に時間が必要な場合、並びに地方自治体、地元住民及び環境団体等の関係者との合意形成が遅延あるいは成されなかった場合等においては、当社グループが想定するスケジュールや規模にて事業化が行えない可能性があり、かかる場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 c.環境アセスメント1997年6月に制定された環境影響評価法(通称:環境アセスメント法)は、道路、ダム、鉄道、空港、発電所等13種類の事業において環境アセスメントの手続きを行うことを定めています。環境アセスメントにおいては、「環境の自然的構成要素の良好な状態の保持」(大気環境、水環境及び土壌環境・その他の環境)、「生物の多様性の確保及び自然環境の体系的保全」(植物、動物及び生態系)、「人と自然との豊かな触れ合い」(景観及び触れ合い活動の場)、「環境への負荷」(廃棄物等及び温室効果ガス等)の中から対象事業の性質に応じて適切な環境要素が選定され、事業者自らが調査・予測・評価を行っていきます。当社グループの主要事業である再生可能エネルギー事業においては、一定規模以上の太陽光、風力、地熱及びバイオマス発電所の建設に当たって、環境アセスメントの実施が義務付けられています。また、都道府県又は自治体によっては、当該都道府県又は自治体の条例に基づき、再生可能エネルギー発電所の建設に際して、環境アセスメントの実施が要請されることがあります。当社は海外における事業開発においても、海外子会社等により環境アセスメントを実施しています。環境アセスメントの実施の際には、その国で定められた基準に沿った形で実施しています。また、国際的金融機関から資金を調達する場合、別途国際基準に則ったアセスメントが要求される場合があります。当社グループにおいては、各発電所の事業化に当たって、当該地域における過去の環境アセスメント実施履歴の調査や自主調査等により環境アセスメントにおける必要対処項目の事前確認を行っています。しかしながら、事前調査では想定されていない必要対処項目が発生した場合や、環境アセスメントにかかる法令又は条例の改定が行われた場合には、事業化時期、各発電所の開発規模又は開発可否等に影響を及ぼし、又は環境アセスメントに要する費用が増加する可能性があります。このような場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 d.電力系統への接続及び電力供給国内外の発電事業及び蓄電事業において発電所及び蓄電所から電力供給を行うに際しては、電力系統への接続が必要となります。電力系統へ接続するためには、接続に必要な工事費等の費用負担が求められる場合があります。また、通常、接続予定の電力系統に空容量がある場合は、接続地点までの送電設備を建設する費用が発生し、電力系統に空容量がない場合は、送電設備の建設費用のほかに、電力系統の増強費用が追加で発生する場合があります。この増強費用は、当社グループ単独での負担、もしくは周辺地域で同じく事業を計画し、電力系統への接続を希望する他事業者との分担となる場合があります。当社グループにおいては、事前に系統の空容量及び接続にかかる費用を確認し、計画的に電力系統への接続を確保する取り組みを行っていますが、他事業者が先行して接続契約を結んだ場合には、当社グループは電力系統の容量が確保できない可能性があります。また、他事業者が事業継続を断念した結果、当社グループが当初想定していた以上に接続費用が増加する可能性や、電力系統に接続をする上で入札が行われる場合(国内における募集プロセス等)においては、接続までに当社の想定以上に時間を要する可能性があります。なお、操業後に電力供給先の送電網が深刻なトラブルに見舞われる場合があり、かかる場合には当該送電網に接続して電力供給を行うことが不可能又は困難となる場合があります。また、送電線敷設用地を使用する際に、有効期間のある道路使用許可等の許認可が必要となる場合もあります。事業計画時に想定していなかった何らかの事情により、発電事業を継続している間に当該許認可が失効し、既存の送電線敷設用地が使用できなくなった場合には、電力供給が不可能又は困難となる可能性があります。このような状況により当社グループが発電した電力を完全に売電できない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 e.競合他社当社グループが特定の事業候補地で事業開発を進めるにあたり、競合他社が当該候補地を確保することや公募事業で競合他社が採択される等により、当社グループの予定している開発が中止した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 f.設備調達・外注当社グループは、成長市場である再生可能エネルギー市場及び蓄電池市場において、大型・先進的な発電所及び蓄電所の開発に取り組んでいます。一般的に成長市場においては、先進的又は特殊な設備・業務等について、市場全体で一時的に需要が供給を上回る場合があります。業界全体での設備、資材又はサービスの供給能力が不足し、当社グループの発電所及び蓄電所の開発又は建設等が遅延する場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、一部の設備調達先候補・外注先候補の事業者の与信評価が想定外に悪化し、かつ信用リスクの補完が短期的になされない場合、事業者選定プロセスの長期化により、当社グループの発電所及び蓄電所の開発又は建設等が遅延し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、完工期日指定・フルターンキー・ランプサム契約ではない建設請負契約での設備・工事の発注を行った場合には、設備・資材価格の高騰、工程遅延等により当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 g.その他上記a~fに記載しています、土地取得、事業用地の確保、許認可、環境アセスメント、系統連系、競合他社、設備調達・外注等に係るリスク、また、これらの複数のリスクが同時に顕在化する場合、また、その他計画外・想定外の事象の発生により、当社グループの予定している開発が中止した場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 各種電源のリスクa.太陽光発電1.運転開始済みの大規模太陽光発電所(FIT制度)当社グループにおいては、2026年3月31日現在、連結子会社12社(FIT制度)による太陽光発電所の運転を行っています。太陽光発電における発電量は「日射量」に比例するところ、かかる日射量は当社グループによるコントロールが及ぶ事象ではありません。国内においては、日射量の多い春季から秋季にかけての全国的な長期間の悪天候、新しい建物の建築や樹木の成長等による周辺環境の変化、また、降灰・粉じん・黄砂・ガス等による直達光・散乱光の減少さらに冬季にかけての降雪等により、当社グループの太陽光発電所が設置された地域における日射量が低下し、これにより当社グループの太陽光発電における年間総発電量が想定より減少した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。加えて、上記のような事象が発生した場合にこれに対応するための補修や追加設備の導入等に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなる場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.運転開始済みの小規模・分散型太陽光発電所(Non-FIT)当社グループにおいては、2026年3月31日現在、連結子会社2社による小規模・分散型太陽光発電所の運転を開始しています。Non-FIT太陽光発電事業は、長期間にわたり、固定単価で電力及び非化石価値(又は非化石価値のみ)をオフテイカーに販売する契約を締結します。国が定めたFIT制度に基づいた契約ではなく、FIP制度も活用し、オフテイカーとの間で相対での契約を締結します。よって、オフテイカーの業績悪化、信用悪化事由の発生により販売した電力や非化石価値の資金回収が困難となる可能性があり、その場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、小規模・分散型太陽光発電事業においても、上記1.と同様に、天候による発電量の変動リスクやそれに付随する追加費用の負担リスクが、同様の影響を及ぼす可能性があります。 3.建設中の小規模・分散型太陽光発電所(Non-FIT)当社グループにおいては、2026年3月31日現在、複数の小規模・分散型太陽光発電所を建設工事中です。太陽光発電所の建設に関して、EPC事業者との間で資材調達及び工事の諸条件を定め、原則として綿密な設計計画を作成した上で合意・締結された固定金額での工事請負契約(ランプサム契約)を締結していますが、小規模・分散型太陽光発電所の場合は、工期が短く、規模も小さいため、ランプサムではない工事契約を締結しています。しかしながら同時に多数の建設中の発電所の納期が遅延した場合や工事契約金額が大きく変更した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 b.バイオマス発電1.運転開始済みのバイオマス発電所当社グループにおいては、2026年3月31日現在、連結子会社7社によるバイオマス発電所の運転を行っています。バイオマス発電における発電量は稼働時間に比例するところ、毎年行われるプラントの定期点検においては数週間の稼働停止期間が見込まれます。定期点検において、事前に想定されていなかった修繕項目が発見された場合は、稼働停止期間の長期化に伴い発電量が低下し、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、バイオマス発電所の運転及びメンテナンスについては、一部外注しています。主設備であるボイラー等の運転に関し、故意又は過失等により運転停止が発生した場合、又は技術者の確保や技術の習得が適切に行えなかったこと等の不測の事態によりプラントの運転に支障が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、バイオマス発電所では、燃料の性質上、粉塵の発生や自然発火のリスクを伴うため、貯蔵・搬送工程において、火災が発生する可能性があります。こうした事象が発生した場合、設備の損傷や発電の停止等を通じて、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループのバイオマス発電所においては、巡視・点検・清掃の徹底や燃料の貯蔵タンクに窒素封入設備を設置する等して、火災予防対策を実施しています。加えて、上記のような事象が発生した場合にこれに対応するための補修や追加設備の導入等に係る予定外の費用を負担せざるを得なくなる場合は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.燃料のリスクバイオマス発電事業の燃料は、主に、国内未利用木材、及び木質ペレットやパーム椰子殻を原料としたPKS等の海外からの輸入材に大別されます。ⅰ.国内未利用材の調達におけるリスクUREにおいては、重量ベースで約7割を国内未利用材にて調達しており、秋田県内における複数の主要な木材生産業者との間で、長期間にわたり安定的に調達できる単価・数量での長期供給契約を締結しています。また、苅田バイオマスエナジー株式会社は重量ベースで約1割を国内未利用材にて調達しており、住友林業グループとの間で長期間にわたり、数量固定、価格は上限価格を定めた契約を締結しています。しかしながら、木材生産業者もしくは燃料供給会社が国内未利用材の十分な供給を行えない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⅱ.輸入材(木質ペレット、PKS等)の調達におけるリスク(供給契約に付帯するリスク)URE以外の運転中及び建設中のバイオマス発電所においては、木質ペレット及びPKSを中心とした輸入材燃料を主体とするため、長期にわたる安定的な事業運営を目的として、複数の燃料供給会社との間で長期の固定価格、固定数量の燃料購入契約(以下、「長期固定価格契約」という)と、市況や燃料の需要の変化に応じ柔軟な調達を行うスポット契約を締結しています。また、徳島津田バイオマス発電所合同会社、合同会社御前崎港バイオマスエナジー、合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー、合同会社杜の都バイオマスエナジー、合同会社唐津バイオマスエナジーの一部の燃料については、長期の変動価格、固定数量の燃料購入契約(以下、「長期変動価格契約」という)を締結しています。なお、発電所毎に、契約の期間、重量を含む諸条件は異なっています。いずれの契約においても、供給会社の倒産等による不測の事態が発生した場合や、輸送運賃が変動した場合には、当社グループの事業、業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、長期変動価格契約やスポット契約においては、燃料価格が変動した場合等には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。長期固定価格契約においては数量・価格いずれも固定されていますが、一部の契約においては、長期継続的な供給不調等によって燃料供給会社側に発生する損失累計額が一定金額に達するまでは燃料供給会社が燃料供給義務を負っています。しかしながら、長期継続的な供給不調等によって損失累計額が一定金額を超えることとなった場合は、スポット契約の場合と同様に当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。さらに、長期固定価格契約及び長期変動価格契約で調達していた部分の契約期間が満了した後は、スポット契約の場合と同様に当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社は苅田バイオマスエナジー株式会社の主たる出資者として、一部の共同出資者とともに燃料供給会社に対して、苅田バイオマスエナジー株式会社への燃料供給に付随して将来的に燃料供給会社において追加的に発生し得る費用の一定部分に対する個別保証を差し入れています。運転開始後における発電所の長期停止等が発生し、燃料購入の量や時期が当初計画から大幅に乖離する場合には、燃料供給会社において付随費用が発生して、その結果当社において当該保証義務の履行が必要となる可能性があります。なお、当該保証義務に係る負担金額は金融市場環境等に応じて変動します。これらの結果として当該保証義務の履行が必要となった場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(為替変動によるリスク)当社グループのバイオマス発電事業では、ほぼ全ての燃料調達を米国ドル建ての契約で行っています。具体的には、徳島津田バイオマス発電所合同会社、合同会社御前崎港バイオマスエナジー、合同会社石巻ひばり野バイオマスエナジー、合同会社杜の都バイオマスエナジー及び合同会社唐津バイオマスエナジーの長期供給契約、並びに全発電所におけるスポット契約がこれに該当します。これらの契約に基づき燃料を調達している各発電所では、その運転開始後に為替相場が変動した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これらのSPCでは、この将来の為替変動リスクをヘッジするために、これら長期燃料購入契約等に対して2026年3月末時点において4,344百万米国ドルの為替予約を締結しています。当該為替予約にヘッジ会計を適用した結果、2026年3月末時点のその他の資本の構成要素における計上金額は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 32.金融商品(2)財務上のリスク③市場リスク(ⅰ)為替変動リスク」に記載のとおりです。今後も、為替変動に伴うキャッシュ・フロー・ヘッジの増減により、連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分が増減する可能性があります。なお、燃料購入金額やスケジュールの大幅な計画変更等、ヘッジ会計の有効性が認められないと判断されるような事象が将来的に発生した場合、ヘッジ会計が中止されることにより為替予約に係る損失が金融費用を通じて当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (その他のリスク)木質ペレットの主要な調達地である北米及び東南アジア、PKS材の主要な調達地である東南アジアにおいて、政情不安等が生じた場合、将来当該地域、国における政府又は日本国政府が木質ペレット、PKS材の輸出入や使用に関する規制を強化した場合、また、不可抗力事由(新型コロナウイルス感染症、紛争・戦争を含む)の発生等により、FIT及びFIP売電が認められるバイオマス燃料の供給又は輸送が困難となる場合には、当社グループの輸入材調達計画に影響を及ぼし、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、上記リスクの顕在化により、発電事業の運営に影響が生じた場合、当社から子会社への追加の資金拠出を行う可能性があり、その場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 c.風力発電1.建設中の風力発電所当社グループにおいては、2026年3月31日現在、陸上風力発電所1ヵ所を建設工事中です。苓北風力合同会社における陸上風力発電所の建設に関しては、EPC事業者との間で資材調達及び工事の諸条件を定めた契約を締結しています。当該契約は、原則として綿密な設計計画を作成した上で合意・締結された固定金額の工事請負契約(ランプサム契約)です。しかしながら、EPC事業者との契約範囲外の事由により、設計当初に想定しなかった追加工事が発生した場合や、天災、感染症、戦争・紛争等の不可抗力事由の発生により事業計画に遅延が生じた場合、又は発注先のEPC事業者の信用悪化事由の発生等により工事期間に影響が生じる場合には、工事請負契約の金額が増加、FIT売電期間が短縮化する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2.陸上風力発電事業の開発当社グループは、陸上風力発電の事業化に向けた検討を行っています。風力発電の事業化に際しては各種許認可の取得に加え、風況観測及び環境アセスメント(事業の規模や地域条例による)が必要となるため、開発段階において建設工事着工前から一定程度の先行的な投資が発生します。当社グループでは、当該開発投資に対する補助金の活用や、事業パートナーとの共同事業化により、開発リスクの分散・低減を図っています。事業化の各段階における開発投資について、陸上風力発電事業については、事業用地の確保以降に発生した支出については資産計上を行っています。しかしながら、風況観測もしくは環境アセスメントの結果等を受けて事業化を断念した場合には、開発に関連し資産計上されていた支出が損失として計上されるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 d.地熱発電1.運転開始済みの地熱発電所当社グループにおいては、2026年3月31日現在、持分法適用会社1社による地熱発電所の運転を行っています。地熱発電は、地下で熱せられた地熱貯留層から蒸気・熱水を取り出し、蒸気によりタービン発電機を回します。そのため、発電量は、蒸気量に依存します。運転開始後において発電に使用する熱源からの蒸気量が経年等により減少する場合があるため、事業計画の策定においては、蒸気量の減少に備え、事業期間中に新たな生産井の掘削やスケールの除去等を行うことを一定織り込んでいます。当該対応にも関わらず、事業期間中に一定の蒸気量を確保できない場合においては、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 e. 蓄電池1. 運転開始済みの蓄電所 当社グループにおいては、2026年3月31日現在、持分法適用会社1社による蓄電所1ヵ所の運転を行っています。稼働済みの蓄電所において、需給調整市場、容量市場、卸電力取引市場等での取引を通じた市場販売型事業を展開しています。市場販売型の蓄電事業においては、その収益は、需給調整市場や容量市場における約定価格や卸電力取引市場における価格差に依存します。将来的な国内の電力需給バランスの変化、他電源の稼働状況、又は各種電力市場の制度・ルールの変更等により、想定していた取引価格、約定量等が確保できない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、本事業における市場取引では、蓄電池運用システムを通じて精緻な入札及び充放電のオペレーションが必要となります。そのため、予期せぬシステムの不具合やシステム運用上の不備等が生じた場合、市場ルールへの不適合を理由に取引の一時的な停止等のペナルティが発生し、売上機会を喪失する可能性があります。さらに、蓄電池特有の充放電サイクルに伴う想定以上の設備劣化(容量低下)がメーカー等の保証範囲を超えて発生した場合や、一般送配電事業者の系統工事等に起因する長期間の運用停止等が発生した場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 2. 建設中の蓄電所当社グループにおいては、2026年3月31日現在、系統用蓄電所6ヵ所を建設工事中です。当社グループは、蓄電所の建設に関して、EPC事業者との間で資材調達及び工事の諸条件を定めた契約を締結しています。当該契約は原則として綿密な設計計画を作成した上で合意・締結された固定金額での工事請負契約(ランプサム契約)です。しかしながら、EPC事業者との契約範囲外の事由により、設計当初に想定しなかった追加工事が発生した場合や、天災、感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)、戦争・紛争等の不可抗力事由の発生により事業計画に遅延が生じた場合、発注先のEPC事業者の信用悪化事由の発生等により工事期間に影響が生じる場合には、工事請負契約の金額が増加する可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、長期脱炭素電源オークションを含む容量市場で落札した案件が何等かの事由により制度上定められた運転開始期限を超過した場合、又は、開発中止となった場合には、制度上定められたペナルティが発生し、損失が計上される可能性があります。また、他社に蓄電所の利用権を付与するオフテイク契約において、建設が遅延し契約上の商業運転開始予定日を超過した場合には遅延損害金が発生する可能性があり、さらに一定期限を超過した場合には契約を解除されるリスクがあります。加えて、市場販売型の蓄電事業においては、建設期間中に各種電力市場の制度変更や、蓄電池の電圧変動対策等に伴う運用制限の発生、将来のボラティリティ予測等の市場環境に著しい悪化が生じた場合、当初見込んでいた投資回収計画に支障をきたし、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 3.開発中の蓄電所当社グループは蓄電所の事業化に向けた検討を行っています。事業化の蓋然性が確保された以降の支出を資産計上しているため、何らかの事由により開発が中止となった場合には、当社グループは損失を計上することになり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、長期脱炭素電源オークションを含む容量市場で落札した案件が何等かの事由により制度上定められた運転開始期限を超過した場合、又は、開発中止となった場合には、制度収入期間が短縮化する等制度上定められたペナルティが発生し、損失が計上される可能性があります。また、市場販売型での運用を想定している蓄電事業においては、需給調整市場等における将来の価格予測の下振れや、市場制度・ルールの変更等により、当初想定していた事業収益が見込めなくなった場合、開発に関連し資産計上されていた支出が損失として計上されるため、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 事業開発報酬による業績変動当社グループにおける再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業開発においては、運転を開始するまでに、地権者との協定書締結、各種許認可取得、エンジニアリング、ファイナンスの組成、建設管理といった各段階における取り組みがあります。当社は、社外の出資者と共同事業として発電所又は蓄電所を所有するSPCに対して、発電所又は蓄電所の設立に係る重要な許認可の取得、エンジニアリング、土地確保及びファイナンス関連契約の締結に係る開発支援等の業務を提供しており、当該業務の提供完了をもってSPC又は事業パートナーから事業開発報酬を受領する場合があります。当社は開発段階におけるSPCに対する持分を持分法適用水準としているため、当該事業開発報酬は、当社の未実現利益を控除した金額を当社の連結売上収益に計上します。事業開発報酬の計上金額は、各事業年度における新規プロジェクトに係る開発支援業務完了の有無又はその規模・件数により変動します。そのため「開発・運営事業」の売上収益及び利益は事業開発報酬の有無又はその金額により増減します。 ⑤ 業績の季節変動一般的に太陽光や風力といった自然由来の再生可能エネルギーを活用する電源は、日々の天候変化に加えて、年変動や季節変化といった長期的なサイクルの変動による発電量の変動があります。日本国内においては、太陽光発電では日射量の多い春季から秋季、風力発電では季節風により風の強い冬季に発電量が多い傾向があります。2026年3月31日現在、当社グループ全体の発電量は増加しており、季節による偏りが当社グループの業績に与える影響は限定的です。 ⑥ 開発出資プロセス及び管理再生可能エネルギー事業及び蓄電事業の開発出資から発生する損失の予防・抑制を目的として、当社グループは開発出資事業の審議における厳格なスクリーニング、撤退判断及び事業投資後の管理について各々基準を設け、管理を行っています。新規事業投資のスクリーニングでは、事業期間におけるキャッシュ・フロー計画を含めた事業計画を精査し事業性を厳格に評価するとともに、内部収益率(IRR)のハードルを設定し、リスクに見合った収益が得られる事業を選別できる仕組みを整えています。既に実行済みの開発出資事業については、各事業における課題を早期に発見し、適切な措置を講じることで損失を極小化するために、予実管理の徹底及び定期的な事業性評価を行うモニタリング体制を構築しています。このように、新規事業投資実行時のスクリーニングの仕組み及び事業投資後の管理に係る手続きを整備していますが、期待どおりの収益を獲得できない場合や、プロジェクト関係者との調整が遅滞する場合、事業投資や事業提携が計画どおりに実現できない場合等は、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) ファイナンスに関する事項① 有利子負債への依存当社グループは、運転資金や設備投資資金について金融機関から借入れを行っています。2026年3月期末時点の連結有利子負債残高及び純有利子負債は340,796百万円及び254,994百万円であり、純有利子負債及び純資産の合計額における純有利子負債依存度(純有利子負債/総資本比率)は約57.8%です。新規及び借り換え時の資金調達において金融機関との折衝が滞り資金の調達に支障が生じた場合には、当社グループの事業、業績、財政状態や事業計画に影響を及ぼす可能性があります。連結有利子負債及び純有利子負債の定義は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 32.金融商品(1)資本管理」を参照ください。また、当社グループにおける有利子負債の多くには財務制限条項が付されており、これら財務制限条項に抵触した場合には当社グループの事業、業績、財政状態や事業計画に影響を及ぼす可能性があります。市場金利が上昇した場合には、変動金利借入金に対する利払い費用の増加により当社グループの事業、業績、財政状態や事業計画に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループにおける変動金利借入金に対しては、一部を除き、金利スワップを締結することにより金利変動リスクの低減を図っています。2026年3月末において、当社グループの連結財政状態計算書に計上されている変動金利借入金残高、そのうち金利スワップの対象外となる残高及び金利の感応度に関する情報は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 32.金融商品(2)財務上のリスク③市場リスク(ⅱ)金利変動リスク 金利変動リスクの内容及び管理方針」を参照ください。また、市場金利が上昇した場合、今後建設及び開発を行う新規発電所における負債の調達コストが増大するため、将来における当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 各発電所及び蓄電所SPCに対する出資持分当社は、資金的な制約の中で、今後開発が見込まれている再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の事業に対して、機会を逃さず、また、早期に事業化するために、開発段階においては投資資金の配分を分散化させることを志向しています。そのため、基本方針として、当社が主導する事業として設立したSPCへの出資持分比率については、財務戦略上の観点から持分法適用水準としています。併せて、各発電所及び蓄電所を開発運営するSPCへの出資持分比率については、共同出資者との出資者間合意の定めにより、一定期間の経過後に一定の価格にて当社が他共同出資者の出資持分を買い取る権利(コール・オプション)を有し、また、他共同出資者がその出資持分を当社に売り渡す権利(プット・オプション)を有している場合があります。当社グループは、多数の開発事業に投資するために事業ごとの初期の出資時には投資額を抑制しつつ、当該コール・オプションの行使により将来的に各発電事業への出資持分比率を引き上げる方針です。しかしながら、当社グループにおける資金制約等により、共同出資者からの出資持分の買い増しが遅れる場合には、再生可能エネルギー及び蓄電事業における収益への貢献も限定的となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループの事業計画上予定された時期以外の時期に、他共同出資者がプット・オプションを行使し、当社グループが出資持分を買い取る義務が生じた場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、共同出資者とオプション契約を締結していない場合においても、共同出資者との合意が得られた場合には、当社は再生可能エネルギー発電所の持分を追加取得する可能性があり、かかる場合には当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、出資持分を追加取得する等により、対象となるSPCを連結化した場合、追加取得価額の水準に応じて企業結合に伴う再測定による利益及び無形資産が計上される場合があります。また、その場合において、当社グループが推進する再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の開発スケジュールの遅延が生じた場合には、企業結合に伴う再測定による利益の計上時期も遅延することとなり、当該連結会計年度における当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 関係会社におけるスポンサーサポート当社グループにおいて発電等事業を運営するSPCである連結子会社及び関連会社各社は、発電所及び蓄電所建設に際して、融資団からの資金調達(借入金)を行います。SPCの業績悪化等、一定の条件が発生した場合には融資関連契約に従い、当社を含むSPCへの出資者はSPCに対するスポンサーサポート義務を負う場合があります。国内において太陽光発電所に関してはプロジェクトファイナンスの組成実績が豊富であるため、一般的に融資関連契約に規定されるスポンサーサポートはほかの再生可能エネルギー電源に比べると限定的となる傾向にあります。一方で、継続的な燃料材の供給と運営が必要なバイオマス発電や風車のメンテナンスが必要となる風力発電、蓄電池、アジアにおける発電事業の場合には、融資団はSPCへの出資者からより多くのスポンサーサポートを求める傾向にあります。当社グループの太陽光発電所を運営するSPC各社において、不測の事態により発電を行うことができない場合や、想定以上の悪天候が複数年連続した場合等、これらの要因により財務制限条項の指標の悪化等融資関連契約に定められた事象に該当したときは、当社は当社の連結子会社又は関連会社である発電事業者の出資者として、一定の限度額内において劣後貸付又は株式での追加出資の義務を負う場合があります。また、当社が出資する太陽光発電以外のSPCにおいては、不測の事態により収益性が計画を大きく下回った場合等においては、当社による追加出資が必要となる場合があります。これらの場合、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 海外からの調達及び海外事業展開に関するリスク① カントリーリスク当社グループは、各国・地域の再生可能エネルギー及び蓄電池の導入政策、法規制又はマクロ経済環境の状況を見極めた上で海外地域からの資材調達や現地での事業化に取り組む方針を採用しています。しかし、これらの国・地域での事業展開及び資材調達においては、政治、経済、社会情勢、文化、宗教、慣習、戦争・紛争、テロリズム等の様々な要因に起因して生じる予期せぬ事態、各種法令・規制の変更等による国家収用・送金停止・輸出入規制・関税その他の課税のほか、カントリーリスクが存在します。このようなリスクが顕在化した場合には、事業遂行の遅延・不能等が生じる可能性があり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② 為替リスク及び兌換リスク「(1) 再生可能エネルギー事業及び蓄電事業のリスク ③ 各種電源のリスク b.バイオマス発電」に記載したバイオマス燃料のほか、再生可能エネルギー発電所の発電設備や蓄電所の蓄電設備には海外から輸入する設備・資材も含まれています。そのため、為替相場の変動によりこれら設備・資材の購入費用等に変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、当社は海外における事業開発等のために海外子会社等を設立しており、海外事業の収益及び費用は外貨建てとなります。当社が出資・参画するベトナムにおける陸上風力発電事業においては、ベトナムにおけるFIT制度に基づき、売電収入はベトナム・ドン建てですが、FIT制度における売電単価は米国ドルとベトナム・ドンの為替相場に応じて改定されます。また、当社が出資・参画するフィリピンにおける水力発電事業においては、フィリピンにおけるFIT制度に基づき、売電収入はフィリピン・ペソ建てです。なお、当社が出資・参画するアメリカにおける蓄電事業においては、売電収入は米国ドル建てで、為替相場の変動により、円換算後の収益に影響を及ぼす可能性があります。アメリカ事業に限らず、今後、為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、海外事業において、売電収益等が国際通貨等以外によって支払われる可能性があります。そのため、外国為替市場における流動性の低下等が生じた場合には、売電収入を適時に円や米国ドル等の国際通貨に兌換を行うことが困難となる可能性があります。かかる事象が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 ③ 海外のFIT制度及び再生可能エネルギー・蓄電池導入促進制度当社は、日本国内の再生可能エネルギー発電事業及び蓄電事業の開発において培った強みを活かして、海外における再生可能エネルギー発電事業及び蓄電事業の開発を進めています。海外のFIT制度、再生可能エネルギー導入促進制度は各国毎に設計されており、日本国内のFIT制度と仕組みが異なります。また、海外の蓄電池導入促進制度も各国毎に設計されており、日本国内の制度と仕組みが異なります。当社はフィリピンにおける水力発電事業に出資・参画しています。フィリピンにおける水力発電事業のFIT制度においては、運転開始した事業に対してFIT価格が認定・適用され、当該FIT認定を受けることができる水力発電事業の合計容量には上限枠が定められています。当社が出資・参画する事業は現在建設工事中であり、運転開始時点において当該上限枠の範囲内に入ることを見込んでいます。しかし、運転開始の遅延や、運転開始時点における他事業者による想定を上回るFIT認定取得等により FIT認定枠が上限に達している場合には、当社が出資・参画する事業はFIT認定を受けることができない可能性があります。なお、FIT認定を受けることができない場合においても、オフテイカーへの相対での売電や市場での売電は可能ですが、FIT価格未満での売電を余儀なくされた場合においては、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。また、同国における太陽光発電事業においては、政府のグリーンエネルギーオークションプログラム(GEAP)を活用した開発を推進しています。同プログラムにおいて落札した案件が予定商業運転開始日から遅延した場合には日次で遅延損害金が発生し、遅延が一定期間を超えた場合には差し入れた履行保証が全額没収された上で落札資格が取り消されるペナルティが定められています。事業の遅延等によりこれらの事象が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 売電リスク一般的に、電力事業は公共性の高いインフラ事業であるため、電力供給設備の構築及び運営に関わる事業リスクは、その国の経済水準や信用力と関連があります。海外における発電事業においては、国内事業に比べて信用力の低い電気事業者へ売電を行う可能性があります。売電先である電力事業者が業績悪化等により信用不安に陥った場合には、売電に係る資金回収等が困難となる可能性があります。その場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 ⑤ 物価上昇リスク多くのFIT制度又は再生可能エネルギー促進制度導入制度の下での売電単価は、長期にわたり固定されています。そのため、当社グループが事業を手掛ける諸外国において急激な物価上昇が生じ、当該物価上昇に応じて売電単価の改定がなされない場合には、当該国における発電事業の維持・運営管理費用等が増加し、利益を圧迫する可能性があります。かかる事象が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。 (4) その他のリスク① 自然災害・火災・事故・戦争当社グループの本社機能及び事業開発機能の多くは東京にあります。そのため、東京又は首都圏において、大規模な災害や感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)、テロリズム、戦争・紛争等が発生し、社会機能に障害をきたした場合は、当社の業績、財務及び中長期的な成長に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループは国内外の幅広い地域に複数の運転中又は建設中の発電所及び蓄電所を有しています。大規模な台風、地震、火山の噴火、津波、洪水、地滑り、豪雨、大雪等の自然災害又は異常気象のほか、感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)による社会機能の障害、戦争、テロリズム、武装紛争等の人的災害、送電障害等の主要な社会的インフラ障害等が発生した場合には、長期間にわたる操業の停止や、発電所及び蓄電所等の設備の大規模な修繕が必要となる等、当社グループの事業運営が継続できない又は重大な支障を生じる可能性があります。また、資材や燃料のサプライチェーンにおける重大な事故や故障、発電設備及び送電インフラの重大な事故や故障、重大な労働災害等が発生した場合にも、発電所及び蓄電所の建設又は操業に支障が生じ、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ② コンプライアンス及び各種法令の施行・改正等当社グループの事業領域は、各事業の法的規制において記載した法令以外にも、大気汚染、排水等に伴う水質汚染、騒音、廃棄物等をはじめとする環境関連法令の適用を受けています。さらに、開発プロセスやサプライチェーン上での法令違反も当社グループの事業におけるリスクとなります。当社グループはコンプライアンス憲章に基づき、コンプライアンス体制を構築し、法令遵守の徹底に取り組んでいます。しかしながら、法令違反等が発生した場合、また、新たな法規制が追加された場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 個人情報や機密情報の管理当社グループの事業においては、個人情報や取引先の機密情報を取り扱っており、それらの情報の管理や、セキュリティ管理は重要な事項です。このため、当社グループでは、情報を保管している部屋への入退室管理、情報・ネットワーク機器のセキュリティ対策、従業員を対象とした教育等情報管理の強化・徹底を図っています。また、外部の委託先についても、守秘義務契約を締結し、機密情報の漏洩を防ぐべく、情報の管理を行っています。このような取り組みにもかかわらず、当社グループの取扱う個人情報や取引先の機密情報につき、情報漏洩、紛失、破壊等の事態が発生した場合には、顧客等からの損害賠償請求や信用失墜等につながり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループのみならず、当社が開発中のプロジェクトに関連する関係者による重要な情報の漏洩等が発生した場合、当社の事業開発が遅延又は頓挫するリスクがあり、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ④ 知的財産権当社グループにおいて他者の知的財産権その他の権利を侵害する結果となった場合には、損害賠償請求や信用失墜等につながり、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑤ 人材の採用・育成・維持当社グループは、新しい事業分野に進出し、事業規模を拡大していくために、高度な専門性、独自性、創造性を持つ多様な人材を採用・育成・維持することが極めて重要であると考えています。そのために、戦略的な人材採用活動の実施、人材開発プログラムの実施、育児支援制度をはじめとする福利厚生の充実等により、優秀な人材を発見して採用・育成し、従業員にとって働きやすい労働環境と就業環境を確保することに努めています。このような取り組みにも関わらず、労働市場における人材流動性の高まり又は当社グループの魅力度低下等の理由により、新卒及び中途での人材の採用が困難になった場合や多くの人材流出が生じた等の場合には、将来、当社グループが求める前述の人材を十分に確保できない可能性があります。このような場合には、当社グループの将来的な事業活動に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 保有資産及びSPC出資持分の減損当社グループは、再生可能エネルギー発電所等に係る有形固定資産等の資産を所有するとともに、リース契約に基づき使用権資産を計上しています。当社グループは、連結子会社又は関連会社の収益性の低下により各関係会社の簿価を回収できない場合、当該事業にかかる資産について減損処理を行うことがあります。また、当社は原則として再生可能エネルギー発電所及び蓄電所の開発に際してプロジェクト関連契約や融資関連契約の締結確度が高まった段階においてSPCに出資を行いますが、先行してSPCに出資を行い、その後に事業化を断念した場合等においては当該出資に係る減損処理を行うことがあり、このような場合には当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ 訴訟当社は、コンプライアンスを重視し、取引先との紛争の未然防止に努めていますが、何らかの理由によりトラブルが生じた場合には、当社が訴訟等の対象となる可能性があります。訴訟等により、損害賠償責任等が発生した場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ 潜在株式当社グループは、役員及び従業員へのインセンティブ付与を目的として、新株予約権(以下「ストック・オプション」という)を付与しており、「取締役等向け株式交付信託」も導入しています。2026年3月31日現在において、自己株式控除後の発行済株式総数に対して0.1%(55,300株)の潜在株式が存在します。このストック・オプションが行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があります。また、ストック・オプションの行使により発行された当社普通株式が株式市場で売却された場合は、需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 配当政策再生可能エネルギー事業においては大規模な事業投資が必要なことから、当社では財務体質の強化を重要課題の1つとして位置づけています。当社は、これまで配当は実施していません。また、当面の間は内部留保の充実を図り、剰余金を再生可能エネルギー事業の拡大のための投資に活用していくことが、株式価値の向上に資すると考えています。将来的には、各事業年度の経営成績を勘案しながら株主への利益還元を検討していく方針です。しかしながら、現時点において配当実施の可否及びその実施時期等については未定です。

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