9536

西部ガスホールディングス(9536)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

電気・ガス業 電気・ガス

事業の概要

  • ガス事業の多角展開
    西部ガスホールディングスは、都市ガスの製造、供給、販売を中核事業としています。これには、家庭や企業へのガス供給だけでなく、ガス機器の販売や内管工事も含まれ、顧客のエネルギーニーズに幅広く対応しています。
  • エネルギー関連事業の拡大
    LPガスや電力、再生可能エネルギー事業も展開しており、エネルギー供給の多様化を進めています。特に、太陽光発電やガス火力発電への投資を通じて、持続可能なエネルギー源へのシフトを図っています。
  • 不動産事業による収益確保
    不動産分譲、賃貸、住宅建築、宅地開発など、多岐にわたる不動産事業も手掛けています。これにより、エネルギー事業以外の安定的な収益源を確保し、グループ全体の経営基盤を強化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • ガス事業
    ガスの製造、供給、販売を主軸とし、都市ガス販売に付随する内管工事やガス機器販売も行っています。売上高は1,528.23億円、営業利益は55.19億円と、グループの主要な収益源であり、安定した基盤を形成しています。
  • LPガス事業
    LPガスおよびLPガス用ガス機器の販売、関連工事の施工を行っています。売上高は220.08億円ですが、営業利益は-0.65億円と、現状では収益貢献が限定的であり、今後の改善が課題となっています。
  • 電力・その他エネルギー事業
    熱供給事業や太陽光などの再生可能エネルギーによる発電事業、ガス火力発電事業への出資を行っています。売上高は225.09億円、営業利益は5.01億円と、今後の成長が期待される分野であり、エネルギーミックスの多様化に貢献しています。
  • 不動産事業
    不動産分譲、賃貸、住宅建築、宅地開発、不動産売買など、多岐にわたる事業を展開しています。売上高は378.58億円、営業利益は42.99億円と、エネルギー事業に次ぐ主要な収益源であり、グループの安定経営に寄与しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
GAS 事業 1,528 55 3.6%
LPG 事業 220 -1 -0.3%
ElectricPowerAndOtherEnergy 事業 225 5 2.2%
RealEstate 事業 379 43 11.4%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,900 文字
3【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社45社、持分法適用関連会社5社及びその他の子会社・関連会社で構成され、ガス、LPG、電力・その他エネルギー、不動産等の事業を行っている。当社グループの事業内容及び当社と関係会社の当該事業に係る位置付けは次のとおりである。なお、次の4部門は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げるセグメントの区分と同一である。また、当社は、有価証券の取引等の規制に関する内閣府令第49条第2項に規定する特定上場会社等に該当しており、これにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することとなる。 (ガス)西部瓦斯㈱(連結子会社)は、ガスの製造、供給及び販売を行っている。また、都市ガス販売に付随して、お客さまからのお申し込みによるお客さま負担の内管工事を行うほか、メーカーからガス機器を購入し、ガスを使われるお客さま等へ販売している。ひびきエル・エヌ・ジー㈱(連結子会社)及び九州ガス圧送㈱(連結子会社)は、西部瓦斯㈱(連結子会社)等よりガスの製造を受託している。西部瓦斯熊本㈱(連結子会社)、西部瓦斯長崎㈱(連結子会社)及び西部瓦斯佐世保㈱(連結子会社)は、西部瓦斯㈱(連結子会社)から購入したLNGによって製造したガスにより、ガスの販売を行っている。久留米ガス㈱(連結子会社)及び大牟田瓦斯㈱(連結子会社)は、西部瓦斯㈱(連結子会社)等から購入した製品ガスにより、ガスの供給及び販売を行っている。筑後ガス圧送㈱(連結子会社)は、西部瓦斯㈱(連結子会社)から購入した製品ガス及び西部瓦斯㈱(連結子会社)から購入したLNGによって製造したガスにより、ガスの供給及び販売を行っている。西部ガス・カスタマーサービス㈱(連結子会社)は、西部瓦斯㈱(連結子会社)のガス消費機器調査業務、内管検査業務、ガスメーターの検針業務及びガス料金の収納業務を行っている。西部ガスリビング㈱(連結子会社)は、ガス機器の販売を行っている。PETROVIETNAM LOW PRESSURE GAS DISTRIBUTION JOINT STOCK COMPANY(持分法適用関連会社)は、ベトナムにおいて産業用ガス等の販売を行っている。(LPG)西部ガスエネルギー㈱(連結子会社)は、LPG及びLPG用ガス機器の販売並びにこれに伴う工事の施工等を行っている。また、西部瓦斯㈱(連結子会社)に対して都市ガス原料用LPGを販売している。(電力・その他エネルギー)西部ガステクノソリューション㈱(連結子会社)は熱供給事業を行っており、その熱源の一部として、西部瓦斯㈱(連結子会社)からガスを購入している。また、西部瓦斯㈱(連結子会社)等のガス設備の設計・施工業務等を行っている。エネ・シード㈱(連結子会社)及びエネ・シードひびき㈱(連結子会社)は、太陽光等再生可能エネルギーによる発電事業を行っている。TSH Birdsboro LLC(持分法適用関連会社)は、米国においてガス火力発電事業への出資を行っている。ひびき発電(同)(持分法適用関連会社)は、ガス火力発電事業を行っている。(不動産)㈱エストラスト(連結子会社)は、不動産分譲事業及び不動産賃貸事業を行っている。西部ガス都市開発㈱(連結子会社)は、当社等に対して不動産賃貸を行っている。九州八重洲㈱(連結子会社)は、住宅建築、宅地開発及び不動産の売買を行っている。SG ENRICH CO.,LTD.(連結子会社)は、タイにおいて住宅建築、宅地開発及び不動産の販売を行っている。(その他)SGインキュベート第2号投資事業有限責任組合(連結子会社)、SGインキュベート第1号投資事業有限責任組合(連結子会社)及びSGインキュベート第3号投資事業有限責任組合(連結子会社)は、投資事業を行っている。西部ガス情報システム㈱(連結子会社)は、当社等に対してコンピュータによる情報処理サービス等を提供している。㈱八仙閣(連結子会社)は、飲食店の経営を行っている。エスジーケミカル㈱(連結子会社)は、炭素材、塗料・化成品の製造及び販売を行っている。西部ガスシェアードサービス㈱(連結子会社)は、当社等に対して経理・人事の業務を受託している。グリーンランドリゾート㈱(持分法適用関連会社)は、遊園地及びゴルフ場の経営を行っている。㈱マルタイ(持分法適用関連会社)は、即席めんの製造及び販売を行っている。 事業系統図以上の事項を事業系統図によって示すと、次のとおりである。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
ガス小売全面自由化以降、他エネルギー事業者や新規参入事業者等との競争が厳しさを増しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 規制
ガス事業は地域社会の重要なインフラであり、法令・制度等の変更リスクや供給設備への大規模投資が必要。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:社会情勢や景気の変動等の社会環境の変化 / 事業戦略達成の遅れ / 企業の社会的責任の変化や、法令・制度等の変更リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

地域独占的なガス供給事業であり、新規参入には許認可が必要。しかし、ブランド力や特許による明確な優位性は限定的。地域社会との関係性が無形資産の一部となりうるが、定量化は難しい。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ガスインフラは地域ごとに固定されており、顧客が他のガス会社に切り替えることは物理的に不可能。ただし、電力との自由化競争は存在し、完全なスイッチング・コストとは言えない。インフラ維持・管理の手間も乗り換え障壁。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ガス供給事業はネットワーク効果を生む構造ではない。顧客が増えても、個々の顧客にとってのサービスの価値が直接的に向上するわけではない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模なインフラ投資と維持管理コストがかかる。規模の経済は存在するが、規制料金によって価格決定されるため、コスト優位を直接的な利益に結びつけにくい。調達コストの変動リスクあり。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

特定の地域(福岡県、佐賀県の一部、長崎県の一部)におけるガス供給において、ほぼ独占的な地位を確立している。インフラ投資は巨額であり、新規参入が困難なため、既存事業者の規模が優位性となる。

  • 地域に根差したガス供給網
    長年にわたり培ってきたガス製造・供給のインフラとノウハウは、安定したエネルギー供給を可能にし、地域社会の生活と産業を支える基盤となっています。これにより、新規参入企業に対する高い参入障壁を築いています。
  • 多様なエネルギーソリューション
    ガス、LPガス、電力、再生可能エネルギーを組み合わせた多様なエネルギー供給能力は、顧客の様々なニーズに応える強みです。これにより、顧客のエネルギーコスト削減や環境負荷低減に貢献し、顧客との長期的な関係を構築しています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    エネルギー事業だけでなく、不動産や情報システム、飲食、化学品製造など、幅広い事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを低減し、安定した収益基盤を築くとともに、グループ全体でのシナジー効果も期待できます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • カーボンニュートラルへの貢献
    2050年のカーボンニュートラル実現に向け、「天然ガスシフト」「ガスの脱炭素化」「電源の脱炭素化」を3つの柱としています。e-methane導入や水素活用、再生可能エネルギーの拡大を通じて、持続可能な社会の実現に貢献することを目指しています。
  • エネルギー事業の成長加速
    グループ中期経営計画「ACT2027」では、ガスと電力を中心とするエネルギー事業の成長を最重要課題と位置付けています。これにより、収益の最大化を図り、競争が激化するエネルギー市場での優位性を確立することを目指しています。
  • 不動産事業の安定収益確保
    不動産分譲や賃貸事業を通じて、安定的な収益基盤を確保し、グループ全体の経営安定化を図ります。地域とのつながりを活かしたまちづくりや、新たな価値創造にも取り組み、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1) 会社の経営の基本方針及び中長期的な経営戦略当社グループは、創業100周年を迎える2030年に向けた「西部ガスグループビジョン2030」を2021年11月に公表し、未来を変える価値創造や持続可能で豊かな社会の実現に向けて、各施策に鋭意取り組んでいる。当社グループを取り巻く事業環境は、人口減少・少子高齢化はもとより、カーボンニュートラルやサステナビリティの潮流加速、エネルギー情勢の変化、デジタルの急速な発展等、大きく変化している。これらの環境変化や事業機会に応じて、グループ一体となった取り組みを推進するため、2025~2027年度の3年間を対象期間とするグループ中期経営計画「ACT2027」を2025年3月に発表した。 ■グループ中期経営計画「ACT2027」の概要「ACT2027」では、ガスと電力を中心とするエネルギー事業の成長の加速と、不動産事業の安定的な収益確保により、利益を最大化するとともに、グループ経営管理の高度化による資本効率の向上に取り組んでいく。 (2) 目標とする経営指標「ACT2027」の目標とする経営指標は次のとおりである。 達成時期 目標経常利益 2025~2027 年度合計 380億円ROE 2027 年度 8.0%程度ROIC 2027 年度 2.3%程度 2030 年代前半 3.0%程度自己資本比率 2027 年度 23.0%以上 (3) 優先的に対処すべき課題「ACT2027」では、全ての戦略を支える人的資本を強化し、「サステナビリティ経営」「グループネットワーク経営」「資本コスト経営」を推進するため、9つの重点取り組みを設定している。 ①カーボンニュートラルへの取り組み推進・天然ガスによるトランジション需要の獲得を最重要課題と捉え、天然ガスの普及拡大・高度利用、ひびき発電所の稼働等を通じた「エネルギーの低炭素化」に向けた取り組みを推進していく。・e-methane導入に向けた実証事業や水素活用等の「ガスの脱炭素化」への取り組みを推進するとともに、PPA事業の推進や電源種の多様化等による再エネ電源取扱量の拡大を通じて「電源の脱炭素化」にも注力していく。 ②エネルギーサプライチェーン・レジリエンスの強化・国際情勢の不安定化や自然災害の頻発・激甚化が進むなか、更なるエネルギーサプライチェーンの強化とレジリエンスの向上に取り組み、ガスの安定供給を通じてお客さま・地域社会の安全・安心を支え続けていく。 ③未来に向けた新たな価値の共創・グループのお客さま価値最大化に向け「エネルギー周辺領域」を中心に新たな価値の創造を推進するとともに、財務規律に基づいた戦略的なM&A等により、将来の成長の柱となり得る事業の創出にチャレンジしていく。 ④コーポレートガバナンスの強化・多様なステークホルダーからの信頼向上に向け、経営の透明性・公平性を担保するためのグループガバナンスの推進や、統合報告書の発行等による情報開示の充実・ステークホルダーとの対話に取り組み、コーポレートガバナンスを強化していく。 ⑤地域やお客さまとの「つながり」強化・エネルギー事業を通じて長年培ってきた地域とのつながりを活かして、不動産事業の推進やまちづくり、地域のお困りごと解決に取り組み、当社グループの成長の源泉となる地域活性化と地域・お客さまとの更なるつながり強化を実現していく。・グループの強みであるリアルなお客さま接点(フロントライン)に、デジタルプラットフォームの強化を通じた接点を融合してお客さまとのつながりを強化し、グループLTV(Life Time Value)を最大化するとともに、住まい・生活・食分野を中心により豊かな暮らしに貢献するサービスをグループ各社が連携して提供していく。 ⑥企業変革に向けたDX戦略の推進・データ・デジタル技術とヒトを掛け合わせ、「サービス・業務プロセス」と「組織風土・マインド」を変革し続け、お客さまの利便性やサービスの向上等を通じて、グループの競争力を強化していく。 ⑦事業ポートフォリオマネジメントの高度化・事業管理単位・責任体制の再構築と、ROICを活用したポートフォリオマネジメントにより資本コストを意識した戦略的な経営資源配分を実施していく。 ⑧ROICツリーマネジメントの推進・ROICツリーを活用したマネジメントを導入し、グループ全従業員参加型で改善活動を推進していく。・ROICを構成要素に分解、改善に寄与するドライバーを特定し、KPIと重点施策を定めて取り組みを実行していく。 ⑨人的資本経営の強化・「人財」への投資強化により、従業員エンゲージメントを向上し、企業価値を最大化するとともに、多様な人財が幸せに働くことができる環境を整備し、従業員を大切にする企業風土を醸成していく。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1) 会社の経営の基本方針及び中長期的な経営戦略当社グループは、創業100周年を迎える2030年に向けた「西部ガスグループビジョン2030」を2021年11月に公表し、未来を変える価値創造や持続可能で豊かな社会の実現に向けて、各施策に鋭意取り組んでいる。当社グループを取り巻く事業環境は、人口減少・少子高齢化はもとより、カーボンニュートラルやサステナビリティの潮流加速、エネルギー情勢の変化、デジタルの急速な発展等、大きく変化している。これらの環境変化や事業機会に応じて、グループ一体となった取り組みを推進するため、2025~2027年度の3年間を対象期間とするグループ中期経営計画「ACT2027」を2025年3月に発表した。 ■グループ中期経営計画「ACT2027」の概要「ACT2027」では、ガスと電力を中心とするエネルギー事業の成長の加速と、不動産事業の安定的な収益確保により、利益を最大化するとともに、グループ経営管理の高度化による資本効率の向上に取り組んでいく。 (2) 目標とする経営指標「ACT2027」の目標とする経営指標は次のとおりである。 達成時期 目標経常利益 2025~2027 年度合計 380億円ROE 2027 年度 8.0%程度ROIC 2027 年度 2.3%程度 2030 年代前半 3.0%程度自己資本比率 2027 年度 23.0%以上 (3) 優先的に対処すべき課題「ACT2027」では、全ての戦略を支える人的資本を強化し、「サステナビリティ経営」「グループネットワーク経営」「資本コスト経営」を推進するため、9つの重点取り組みを設定している。 ①カーボンニュートラルへの取り組み推進・天然ガスによるトランジション需要の獲得を最重要課題と捉え、天然ガスの普及拡大・高度利用、ひびき発電所の稼働等を通じた「エネルギーの低炭素化」に向けた取り組みを推進していく。・e-methane導入に向けた実証事業や水素活用等の「ガスの脱炭素化」への取り組みを推進するとともに、PPA事業の推進や電源種の多様化等による再エネ電源取扱量の拡大を通じて「電源の脱炭素化」にも注力していく。 ②エネルギーサプライチェーン・レジリエンスの強化・国際情勢の不安定化や自然災害の頻発・激甚化が進むなか、更なるエネルギーサプライチェーンの強化とレジリエンスの向上に取り組み、ガスの安定供給を通じてお客さま・地域社会の安全・安心を支え続けていく。 ③未来に向けた新たな価値の共創・グループのお客さま価値最大化に向け「エネルギー周辺領域」を中心に新たな価値の創造を推進するとともに、財務規律に基づいた戦略的なM&A等により、将来の成長の柱となり得る事業の創出にチャレンジしていく。 ④コーポレートガバナンスの強化・多様なステークホルダーからの信頼向上に向け、経営の透明性・公平性を担保するためのグループガバナンスの推進や、統合報告書の発行等による情報開示の充実・ステークホルダーとの対話に取り組み、コーポレートガバナンスを強化していく。 ⑤地域やお客さまとの「つながり」強化・エネルギー事業を通じて長年培ってきた地域とのつながりを活かして、不動産事業の推進やまちづくり、地域のお困りごと解決に取り組み、当社グループの成長の源泉となる地域活性化と地域・お客さまとの更なるつながり強化を実現していく。・グループの強みであるリアルなお客さま接点(フロントライン)に、デジタルプラットフォームの強化を通じた接点を融合してお客さまとのつながりを強化し、グループLTV(Life Time Value)を最大化するとともに、住まい・生活・食分野を中心により豊かな暮らしに貢献するサービスをグループ各社が連携して提供していく。 ⑥企業変革に向けたDX戦略の推進・データ・デジタル技術とヒトを掛け合わせ、「サービス・業務プロセス」と「組織風土・マインド」を変革し続け、お客さまの利便性やサービスの向上等を通じて、グループの競争力を強化していく。 ⑦事業ポートフォリオマネジメントの高度化・事業管理単位・責任体制の再構築と、ROICを活用したポートフォリオマネジメントにより資本コストを意識した戦略的な経営資源配分を実施していく。 ⑧ROICツリーマネジメントの推進・ROICツリーを活用したマネジメントを導入し、グループ全従業員参加型で改善活動を推進していく。・ROICを構成要素に分解、改善に寄与するドライバーを特定し、KPIと重点施策を定めて取り組みを実行していく。 ⑨人的資本経営の強化・「人財」への投資強化により、従業員エンゲージメントを向上し、企業価値を最大化するとともに、多様な人財が幸せに働くことができる環境を整備し、従業員を大切にする企業風土を醸成していく。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されている。経営者の視点による当連結会計年度の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況に関する分析等は次のとおりである。本項に記載した将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものである。 1.経営成績の状況当期におけるわが国経済は、物価上昇の影響を受けつつも個人消費に持ち直しの動きが見られる等、景気は緩やかに回復した。一方、国際情勢の変化により地政学リスクが顕在化し、先行きについては不透明感が高まる状況となった。エネルギー業界においては、脱炭素化の加速に向けた取り組みの強化や、国際エネルギー市場の動向を踏まえた安定供給の確保が課題である。このような状況において、当社グループは、2025年度~2027年度を対象とする中期経営計画「ACT2027」のもと、ガスと電力を中心とするエネルギー事業の成長の加速と不動産事業の安定的な収益確保により、利益を最大化するとともに、グループ経営管理の高度化による資本効率の向上に取り組んでいる。 特に西部ガスグループの中核をなす都市ガス、LPG、LNGのガスエネルギー事業においては、地域に根差した事業体制のもと、2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、カーボン・オフセット都市ガスの普及拡大、メタネーション実証事業やISOタンクコンテナ開発等に取り組んでいる。また、国内の天然ガス需要への対応による低炭素化社会への貢献や安定供給の更なる向上を可能とするため、LNGタンク増設等によるひびきLNG基地の能力増強を決定した。 第2の収益の柱と位置付ける不動産事業においては、まちづくり・再開発・建物建築等の計画段階から、ディベロッパーさま・ハウスメーカーさま等に西部ガスグループのソリューション力を活かした提案を行い、西部ガスグループを真のパートナーとして選んでいただき、ガスエネルギー事業とのシナジー効果を生み出せるように取り組んでいる。また、大型賃貸用物流施設開発を実施し、新たな不動産領域への参入も果たした。 国際エネルギー事業においては、ひびきLNG基地の立地条件の優位性や拡張性を活かし、LNG船による再出荷、LNG船のガスアップ/クールダウンやLNGの一時貯蔵/積替等に取り組み、着実に実績を積み重ねてきた。また、ひびきLNG基地の能力増強の決定は、基地を活用したグローバルビジネスの推進を可能とする。 その他の分野では、ベンチャー企業をはじめとする成長企業への出資等を行うファンドの運営、ひびき発電所の営業運転を開始する等、当社グループの強みと経営資源を最大限活用しながら、ガスエネルギー以外の事業拡大による事業構造の多様化・強靭化に向けたグループ変革を推進した。 このような事業活動の結果、当連結会計年度の経営成績は、売上高は前期に比べ2.9%増の261,823百万円、営業利益は同18.4%増の12,463百万円、経常利益は同18.6%増の12,583百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は同12.3%増の7,147百万円となった。 セグメント別の状況は次のとおりである。(1) ガス当連結会計年度の都市ガス販売量は前期に比べ1.8%減の913,410千㎥となった。このうち家庭用ガス販売量については、平均気温が高かったこと等により前期に比べ2.7%減の200,962千㎥となった。業務用ガス販売量については、既存顧客の稼働減等により前期に比べ1.4%減の592,840千㎥となった。他の事業者への卸供給ガス販売量については、卸供給先の需要減により前期に比べ2.6%減の119,608千㎥となった。以上のような都市ガス販売量の結果と原料費調整によるガス料金単価の下方調整の影響等により、売上高は前期に比べ3.5%減の153,490百万円となったものの、セグメント利益はひびきLNG基地の減価償却費が減少したこと等により、同39.3%増の7,914百万円となった。 (2) LPG売上高はLPG販売単価の下落等により前期に比べ2.9%減の26,098百万円となったものの、セグメント利益はLPG購入単価の下落等により、1百万円(前期はセグメント損失217百万円)となった。 (3) 電力・その他エネルギー売上高は電力販売事業や国際エネルギー事業における販売量の増加等により前期に比べ35.0%増の31,419百万円となり、セグメント利益は売上高の増加等により、同441.8%増の1,235百万円となった。 (4) 不動産売上高は分譲マンション販売価格の上昇等により前期に比べ15.4%増の47,700百万円となったものの、セグメント利益は海外事業における売上原価が増加したこと等により、同20.1%減の3,329百万円となった。 (5) その他その他の事業には、食関連事業(食品販売事業、飲食店事業)、情報処理事業等が含まれている。売上高は情報処理事業の売上増加等により前期に比べ6.1%増の23,603百万円となったものの、セグメント利益は販売費及び一般管理費が増加したこと等により、同79.1%減の60百万円となった。 (注)1.セグメント別売上高及びセグメント利益には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。2.本報告書では、ガス販売量は、毎月の検針による使用量の計量に基づいたものを45MJ(メガジュール)/㎥で表記している。 セグメント別の売上高及びその構成比は次のとおりである。 区分前連結会計年度当連結会計年度 金額(百万円)構成比(%)金額(百万円)構成比(%) ガス159,10958.3153,49054.4 LPG26,8649.926,0989.2 電力・その他エネルギー23,2748.531,41911.1 不動産41,31715.147,70016.9 その他22,2568.223,6038.4 計272,821100.0282,312100.0 2.財政状態の状況(1) 資産当連結会計年度末における資産の残高は465,845百万円となり、前連結会計年度末に比べ18,071百万円増加した。固定資産の残高は351,533百万円であり、前連結会計年度末に比べ28,148百万円増加した。これは、株価上昇に伴い投資有価証券が増加したこと等によるものである。流動資産の残高は114,312百万円であり、前連結会計年度末に比べ10,076百万円減少した。これは、現金及び預金の減少等によるものである。 セグメント別の状況は次のとおりである。① ガス固定資産の取得等により、資産合計は190,907百万円(前期比12,974百万円 7.3%増)となった。 ② LPG固定資産の減価償却が進んだこと等により、資産合計は21,874百万円(前期比1,100百万円 4.8%減)となった。 ③ 電力・その他エネルギー長期貸付金が増加したこと等により、資産合計は49,256百万円(前期比8,681百万円 21.4%増)となった。 ④ 不動産販売用不動産の減少等により、資産合計は136,944百万円(前期比7,892百万円 5.4%減)となった。 ⑤ その他固定資産の取得等により、資産合計は27,541百万円(前期比558百万円 2.1%増)となった。 (注)セグメント別資産には、セグメント間の内部取引に係る金額を含んでいる。 (2) 負債当連結会計年度末における負債の残高は342,514百万円となり、前連結会計年度末に比べ6,449百万円増加した。固定負債の残高は220,837百万円であり、前連結会計年度末に比べ7,758百万円増加した。これは、長期借入金が増加したこと等によるものである。流動負債の残高は121,676百万円であり、前連結会計年度末に比べ1,309百万円減少した。これは、支払手形及び買掛金が減少したこと等によるものである。なお、当連結会計年度末における有利子負債残高は288,195百万円となり、前連結会計年度末に比べ8,375百万円増加した。 (3) 純資産当連結会計年度末における純資産の残高は123,331百万円であり、前連結会計年度末に比べ11,622百万円増加した。これは株価上昇に伴いその他有価証券評価差額金が増加したこと等によるものである。なお、当連結会計年度末における自己資本比率は、24.7%(前連結会計年度末は23.2%)となった。 3.キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5,521百万円減の22,834百万円となった。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。 (1) 営業活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度に営業活動により増加した資金は、25,329百万円となり、前連結会計年度に比べ13,228百万円の収入の減少となった。これは、仕入債務の増減額が減少したこと等によるものである。 (2) 投資活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度に投資活動により減少した資金は、33,812百万円となり、前連結会計年度に比べ3,860百万円の支出の増加となった。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出が増加したこと等によるものである。 (3) 財務活動によるキャッシュ・フロー当連結会計年度に財務活動により増加した資金は、2,898百万円となり、前連結会計年度に比べ9,598百万円の収入の増加となった。これは、短期借入金の純増減額が増加したこと等によるものである。 4.生産、受注及び販売の実績当社グループにおいては、ガスセグメントが生産及び販売活動の中心となっており、外部顧客に対する売上高及び営業費用の大半を占めている。また、当該セグメント以外のセグメントが生産及び販売する製品・サービスは広範囲かつ多種多様であり、受注形態をとらないものも多い。このため、以下は、ガスセグメントにおける生産、受注及び販売の実績について記載している。 (1) 生産実績当連結会計年度における生産実績は次のとおりである。 品名 数量(千m3) 前期比(%) ガス928,908△1.6 (2) 受注実績ガスについては、その性質上受注生産は行っていない。 (3) 販売実績当連結会計年度におけるガスの販売実績は次のとおりである。項目数量(千m3) 金額(百万円) 前期比(%)前期比(%) 家庭用200,962△2.748,541△4.2 業務用592,840△1.460,223△6.2 卸供給119,608△2.610,619△9.1 計913,410△1.8119,384△5.7 期末ガス小売お客さま 件数(千件)874△0.0 期末ガスメーター 取付個数(千個)1,1470.5 5.経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループの主要な原材料であるLNGは、海外から輸入しているため為替や原油価格の変動により大きな影響を受ける。そのリスクをヘッジする手段として為替予約や原料価格に関するスワップ等を検討している。また、都市ガス事業においては、原料価格の変動は原料費調整により、タイムラグは生じるもののガス販売価格に反映して対応することが可能である。また、当社グループの売上高の大半を占めているガスによる売上高は、気温・水温等の変動により、大きな影響を受ける。このため、当社グループは、金融機関等とのデリバティブ契約の締結等、そのリスクの軽減を検討している。さらに、都市ガス事業は、需要拡大や安定供給のためにガス導管の敷設等の多大な設備投資が必要であるため、社債や借入金等の残高が多く、金利変動の影響が大きい。このため、金利の固定化等により、そのリスクを軽減している。 6.資本の財源及び資金の流動性(1) 資金需要当社グループの運転資金需要の主なものは、ガス事業における原料LNG購入費用のほか、製造費、供給販売費及び一般管理費等の営業費用である。また、投資を目的とした資金需要は、ガス事業における製造設備(LNG貯槽等)、供給設備(導管等)投資及び電力・その他エネルギー事業や不動産事業等成長を見込める分野への投資等によるものである。なお、当社グループ内で運転資金が不足する子会社については、融資等による支援を行っている。 (2) 財務政策当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資及びグループ事業拡大に向けた投資資金については、金融機関からの長期借入と社債の発行による調達を基本としている。また、当社は、当社グループ内でキャッシュ・マネジメント・サービスを実施しており、資金調達の一元化、余剰資金の活用等により、当社グループ全体の有利子負債の削減に努めている。なお、金融機関には十分な借入枠を有しているため、当社グループの事業の維持拡大、運営に必要な運転資金、設備投資資金の調達は、今後も可能であると考えている。 7.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されている。当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項) 4.会計方針に関する事項」に記載している。この連結財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる要因等に基づき見積り及び判断を行っているが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合がある。また、当社グループにおける重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載している。 8.目標とする経営指標の実績当社グループは、2028年3月期を最終年度とするグループ中期経営計画「ACT2027」において、「経常利益」、「ROE」、「ROIC」、「自己資本比率」を、目標とする経営指標と定めた。当連結会計年度における当該指標は次のとおりである。「経常利益」は12,583百万円(前期10,611百万円)となった。「ROE」は6.5%(前期6.3%)となった。「ROIC」は2.3%(前期2.1%)となった。「自己資本比率」は24.7%(前期23.2%)となった。 なお、グループ中期経営計画「ACT2027」の目標とする経営指標は次のとおりである。項 目達成時期経営指標経常利益(3年合計)2025~2027年度合計380億円ROE2027年度8.0%程度ROIC2027年度2.3%程度2030年代前半3.0%程度自己資本比率2027年度23.0%以上

事業リスク

  • 社会情勢や景気変動の影響
    国内外の経済状況や社会情勢の変化、大規模な感染症の流行は、売上減少や取引先の倒産などにより、グループ全体の経営成績や財政状態に影響を与える可能性があります。これにより、事業計画の達成が困難になるリスクがあります。
  • 法令・制度変更と社会的責任
    気候変動対策やエネルギー関連の政策、国内外の法令・制度変更への対応が遅れたり不十分な場合、事業運営や業績に大きな影響が生じる可能性があります。また、サステナビリティ課題への取り組み不足は、ステークホルダーからの信頼を損なう恐れがあります。
  • 大規模災害やシステム障害
    地震、台風などの自然災害やテロ、基幹ITシステムの停止や情報漏洩は、ガス製造・供給設備の損害や業務の滞り、顧客情報の流出などを引き起こし、事業継続に重大な支障をきたす可能性があります。これにより、社会的信用失墜や損害賠償責任が発生するリスクがあります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|6,149 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。 (1) 当社グループの事業全体に係るリスク① 社会情勢や景気の変動等の社会環境の変化国内外における経済、金融、社会情勢の変化や景気変動、大規模な感染症の流行等により、売上高の減少や取引先の倒産等の事象が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を与える可能性がある。当社グループは、環境変化に迅速かつ適切に対応するため、来るべき社会におけるありたい姿を描き、その実現に向けた戦略を「西部ガスグループビジョン2030」として策定している。また、ビジョンの実現に向けて注力する取り組みをグループ中期経営計画「ACT2027(2025~2027年度)」にまとめ、ガスと電力を中心とするエネルギー事業の成長の加速と不動産事業の安定的な収益確保に取り組むことで利益を最大化するとともに、グループ経営管理の高度化により、資本効率の向上を図っていく。 ② 事業戦略達成の遅れ 当社グループは、利益の最大化と資本効率の向上を図るため新たにグループ中期経営計画「ACT2027(2025~2027年度)」を策定し、複数の事業戦略に取り組んでいく。事業戦略策定にあたっては様々なリスク事象を考慮しているが、想定外の経済環境、社会環境の変化等により、当初想定した成果をもたらさない可能性がある。また事業戦略達成にあたってはグループ会社への経営支援や経営基盤の強化が重要な役割を果たすが、その実行の遅れは事業計画の達成に大きな影響を与える可能性がある。経営支援や経営基盤の強化については、経営戦略部、エネルギー統括部及び不動産統括部が中心となって、グループ内における人事交流やグループ事業発展のための専門的な知識・経験を有する人財の積極的な採用等、グループ事業の連携及び統制の強化を図っていく。 ③ 企業の社会的責任の変化や、法令・制度等の変更リスク企業を取り巻く環境の変化により、気候変動をはじめとするサステナビリティ課題への取り組み不足や取り組み内容の開示不足は、ステークホルダーからの不信を招き当社グループの持続的成長を阻害する恐れがある。また、エネルギー関連の政策や国内外の法令や制度等の変更に対して、当社の対応が遅れたり、不足することによって、当社グループの事業運営や業績に多大な影響が生じる可能性がある。当社グループの中核であるエネルギー事業は、地域社会の低炭素・脱炭素に大きく影響するものであり、当社グループのカーボンニュートラル実現に向けた取り組みは最優先課題である。この課題解決に向け「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」に2030年目標数値や実現を目指す3つの柱「天然ガスシフト」「ガスの脱炭素化」「電源の脱炭素化」を掲げ、着実に実行するために、具体的な取り組みを「カーボンニュートラルアクションプラン」にまとめ、目標達成を目指して取り組んでいる。 ④ 大規模な災害、テロ、感染症等の発生地震、台風等の大規模な自然災害やテロが発生した場合、LNG基地等のガス製造設備や導管等の供給設備に損害が生じ、当社グループの事業運営に重大な支障をきたす恐れがある。さらに、復旧に時間がかかる場合、当社グループの経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性があるほか、社会活動に影響を及ぼす可能性がある。そのため、設備の一元的な管理及び計画的な改善による耐震性の向上、災害保険等の各種保険への加入、大規模災害や事故発生時の事業継続計画(BCP)の策定や見直し等の取り組みを進めている。また、感染症の蔓延により、都市ガスを含む当社グループ事業の継続が困難になることで、重大な損害が発生するリスクがある。そのため、新型インフルエンザ等対策に関する業務計画に基づき、感染症が国内外に蔓延した場合においても、都市ガスの供給や当社グループ事業を維持するよう対策を講じている。 ⑤ 金利上昇リスク市場金利の上昇により、資金調達コストが上昇することによって、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。金利上昇リスクについては、固定金利のウエイトを高くする等により、リスクを抑制している。 ⑥ 投資未回収もしくは損失の計上 当社グループは、事業構造の多様化・強靭化に向けたグループ変革に継続的に取り組んでおり、ガスエネルギー事業や不動産事業等へ成長投資を行っている。大規模な投資を行った後の国内外の経済情勢の変化等により、適切な回収がされず投資時に見込んだ将来の収支予測を達成できない場合、減損損失や評価損の計上等により、当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。当社グループは、このようなリスクを低減するため、投資を行うにあたっては、投資評価委員会において採算性及びリスク評価を行い、その結果を踏まえて経営会議・取締役会に諮る等、慎重な経営判断の下に投資を決定している。また、投資後は、定期的に検証を実施し、必要に応じて事業等の見直しや協業及び支援等の対策を実施している。 ⑦ 基幹ITシステムの停止、誤作動、情報漏洩 当社グループは、社会経済活動を支える重要なインフラを担っており、基幹システムの機能維持や情報セキュリティの確保は、当社グループの社会的責任として真摯に取り組むべき重要なテーマと考えている。ガス製造・供給システムやお客さま情報システム等の基幹システムの機能に重大な障害が発生した場合、ガスの製造と供給やガス料金計算及びお客さま受付をはじめとした各種業務が滞ることになり、お客さまや社会に多大なご迷惑をおかけし、当社にとって有形無形の損害が発生する可能性がある。そのため、不測の事態でも業務への影響を最小限にとどめるよう、情報関連子会社と緊密な連携を図っている。また、当社グループは、様々な経営及び事業に関する重要情報や多数の顧客情報等の個人情報を保有している。万一これらの情報がサイバー攻撃やITシステムの不備及び情報の持ち出し等で外部に漏洩した場合は、当社の事業に重大な影響を与え、あるいは社会的信用を低下させる可能性がある。そのため、個人情報保護規程、情報セキュリティガイド等を制定し、全従業員に対して情報セキュリティ教育を実施する等、情報漏洩の対策を推進している。さらに、サイバー攻撃に対する各種セキュリティ対策を行うとともに、関係機関等との情報共有・分析、事案発生時の対応訓練等を継続的に実施している。 ⑧ コンプライアンスリスク 法令・定款及び企業倫理・社会規範に反する行為が発生した場合には、その対応に直接的に要する費用のみならず、社会的信用の失墜等の有形無形の損害が発生する可能性がある。そのため、グループガバナンス委員会で策定されたコンプライアンス基本方針に基づき、様々な意識啓発・教育を行い、当社グループ全体のコンプライアンスの統制を強化し、社内監査を定期的に実施している。 (2) 主要事業に係るリスク(a)エネルギー事業⑨ 気候や経済環境の変動によるエネルギー需要への影響気候変動による猛暑や暖冬の影響により、給湯・暖房用を中心としたガス需要量の減少が見込まれ、ガスエネルギー事業の売上に影響を及ぼす可能性がある。さらに、中長期的には「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現」に向け、化石燃料の中でCO2排出量が比較的少ない天然ガスやLPGであっても、競争力低下により既存のガス需要が縮小するリスクがある。そのため、気候変動の影響が少ない産業用やコージェネレーション向けのガス販売を強化するとともに、業務用や産業用のお客さまへのカーボン・オフセット都市ガス(LPG含む)の販売を拡大し、環境価値を付加した商品で差別化を図っている。また、「西部ガスグループカーボンニュートラル2050」に則り、トランジション(移行期)においては、石油・石炭から天然ガスへのシフトによる低炭素化を促進し、メタネーション技術の導入によるガス自体の脱炭素化及び再生可能エネルギーの普及拡大による電源の脱炭素化を推進していく。 ⑩ 競争激化ガスエネルギー事業は、ガス小売全面自由化以降、他エネルギー事業者や新規参入事業者との競争が一段と激化している。今後さらに競争が進展した場合、当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性がある。そのため、当社グループは、小売電気事業にてガスと電気のセット販売を積極的に展開し、顧客基盤の維持・拡大を図る。また、お客さまのニーズを汲み取った魅力ある付加価値サービスの充実や、最適なエネルギーシステムの導入に加え運転・保守管理等のエネルギーソリューションサービスを提供することで、エネルギー消費における当社グループのサービスのシェア拡大を目指す。 ⑪ 原料価格高騰リスクLNGは海外より調達しているので為替や原油価格の変動によってはコストの増加に繋がる可能性があるため、LNGの調達元との契約更改や価格見直しにより、調達コストの低減に努めている。 ⑫ 原燃料調達に関するトラブル当社グループは、LNG等の原燃料の多くを海外からの輸入に依存しているため、調達先における設備・操業上のトラブル、自然災害、国際情勢の緊張や紛争等のカントリーリスク、輸送ルートの制約等により、原燃料が計画どおり調達できない可能性がある。これに対し、調達先の分散化、迅速なスポット調達の体制構築等により、調達の安定性及び柔軟性の確保に努めている。 ⑬ ガスの製造及び供給に関するトラブル当社グループは、「お客さまの安全・安心の確保と安定供給は、エネルギー事業者にとっての最大の責務」と考え、保安対策や防災機能の充実・強化に取り組んでいる。しかし、製造・供給・消費の各段階において、ガス漏えいや爆発等のガス事故やトラブルが発生した場合、直接的な損害に止まらず、社会的責任の発生等、重大な影響を及ぼし、当社グループの事業運営に支障をきたす可能性がある。そのため、重大な事故やトラブルを想定した実践的な訓練等による対応力の強化や、ガス導管網の整備、安全性の高いガス機器の普及等、保安の確保と安定供給に向けた対策を行っている。 ⑭ 海外事業展開当社グループでは、電力その他エネルギー分野における成長拡大の一手法として、海外事業展開は有効な手段と考えている。そこで、海外エネルギー事業への投資のほか、アジアの玄関口に位置するひびきLNG基地を活用したLNG出荷事業の拡大を推進している。海外事業においては、当該国における政治的又は経済的要因、社会情勢の悪化等により当社グループの業績が影響を受ける可能性がある。そのため、専門コンサルタントやアドバイザーの活用等、早期に情報収集をすることで様々なリスクの低減を図っている。 ⑮ 電力調達価格変動リスク電力調達は日本卸電力取引市場や発電事業者等からの調達であるが、猛暑や寒波等による電力需要の逼迫及び自然災害や発電所トラブル等による供給力の減少等により需給バランスが悪化し、日本卸電力取引所からの電力調達価格が高騰する可能性がある。このような事態が生じると当社グループの業績に影響を及ぼす可能性がある。そのため、当社グループは、発電事業者等との相対契約や電力先物取引により調達コストの固定化を図っている。今後は、ひびき発電所や再生エネルギー事業の拡大等により安定電源を確保していく。 (b)不動産事業⑯ 事業環境の変化等による採算の悪化 当社グループは、不動産事業をガスエネルギー事業に次ぐ収益の柱として成長分野と位置付け事業の拡大に取り組んでいる。不動産事業は、戸建分譲事業、マンション分譲事業ともに順調に推移しており、2019年度からは海外不動産事業を開始している。また、賃貸事業はこれまで住宅やオフィス、物流倉庫等一定数の収益不動産を蓄積し、不動産事業全体の収益拡大と事業の安定性向上を図っている。しかし、不動産業界は、景気動向、金利動向、不動産市況、新規供給物件動向、不動産販売価格動向、不動産税制等の影響を受けやすい。景気見通しの悪化や、大幅な金利の上昇、供給過剰による販売価格の下落発生等、諸情勢に変化があった場合には、消費者購買心理の悪化、地価の下落、賃貸価格の下落が生じ、業績等に悪影響を及ぼす可能性がある。さらに、その場合には、当社グループが保有する不動産の評価額の引き下げが必要となる可能性がある。 そのため、当社グループは、競合物件の販売状況や近隣の市況を十分に勘案し各社の投資判断基準及び撤退基準を基にした取得用地の検討、近隣の販売状況や建築資材高騰等の外的要因から収益性を厳格に評価したうえ事業化判断を行っている。 また、進行中のプロジェクトや保有する不動産の収益性については適宜モニタリングを実施し、収益性が悪化する兆候を検知した場合は、改善策の策定・実施、事業撤退、売却等適切な対処を実施している。 ⑰ 海外事業展開不動産事業においては、2019年に現地デベロッパーとの合弁により開始したタイ国における戸建分譲販売事業を皮切りに、海外における事業展開を進めている。海外事業は、当該国の社会や経済環境の変動、法規制及び税制の変更、人権問題や内乱又は紛争等のカントリーリスク等の影響を受ける恐れがあり、その結果、プロジェクトの中止、遅延、採算の悪化が生じる可能性がある。このようなリスクを低減するため、プロジェクト開始にあたっては、外部コンサルタントやファイナンシャルアドバイザーの活用、早期の情報収集のほか、現地の市場や法規制等に精通した現地企業を提携先として選定することを実施している。提携先の選定に当たっても、当該提携先の財務状態や提携関係等により、現地での事業展開に影響を受ける恐れがあることから、調査の徹底を図っている。さらに、プロジェクトの進行過程においても、当社グループは、提携先からを含め随時必要な情報収集に努め、リスクの変化等を把握し、必要に応じて事業計画の見直しを行っている。 ⑱ 住宅の品質管理及び保証物件の品質管理には、グループごとに独自の標準仕様書、品質管理基準書等を定め検査確認を行い、万全を期しているが、販売した物件に重大な瑕疵があるとされた場合には、直接的な原因が当社以外の責任によるものであったとしても、売主として契約不適合責任を負う可能性がある。その結果、保証工事費の増加や、当社の信用の毀損等により、当社グループの業績に影響を与える可能性がある。そのため、当社グループは、外部の与信調査機関のデータベース活用による施工会社の信用調査、リスク発生時に備えた保険(建設工事保険、住宅瑕疵担保責任保険等)への加入等の対策を実施している。

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