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因幡電機産業(9934)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

卸売業 商社・卸売

事業の概要

  • 電設資材の卸売
    電線、照明器具、空調機器など、電気設備に必要な幅広い資材を建設業者や工務店に販売しています。多様な商品を一括で提供することで、顧客の調達の手間を省き、効率的な事業運営をサポートするビジネスモデルです。
  • 産業機器の卸売
    工場などで使われる制御機器や電子部品、FA(ファクトリーオートメーション)関連機器などを企業に提供しています。生産ラインの自動化や効率化に貢献する製品を幅広く扱い、顧客のニーズに応じたソリューションを提供することで収益を上げています。
  • 自社製品の製造販売
    空調用の被覆銅管や配管化粧カバー、表示灯、回転灯などを自社で開発・製造し、国内外に販売しています。特に「因幡電工」ブランドの空調部材は業界で広く認知されており、高い技術力とブランド力で安定した収益基盤を築いています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 電設資材事業
    電線ケーブル、照明器具、空調機器、太陽光発電システムなど、電気設備全般に関わる資材の卸売が主な事業です。2710.54億円の売上を上げており、グループの主要な稼ぎ頭となっています。主に国内の建設市場や設備投資需要に支えられています。
  • 産業機器事業
    制御機器、電子部品、FA(ファクトリーオートメーション)関連機器の卸売を行っています。売上は381.44億円で、工場や物流現場の生産性向上に貢献する製品を提供しています。企業の設備投資動向に影響を受けやすい特性があります。
  • 自社製品事業
    空調用被覆銅管、空調配管化粧カバー、表示灯、回転灯などを自社で製造・販売しています。売上は748.14億円で、国内外で「因幡電工」や「パトライト」といったブランドを展開しています。特に空調関連製品は季節変動の影響を受けやすい特徴があります。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
ElectricalEquipmentAndMaterialsDivision 事業 2,711 − −
IndustrialSolutionsDivision 地域 381 − −
ProprietaryProductsDivision 事業 748 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|648 文字
3【事業の内容】当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び関係会社13社により構成されており、電設資材及び産業機器等の卸販売並びに空調部材等の製造販売を主な事業としております。セグメントごとの主要品目と主要な関係会社は次のとおりであります。セグメント主要品目主要な関係会社電設資材事業電線ケーブル類、配管類、照明器具、配線器具、受配電機器、空調機器、音響通信システム、防災セキュリティシステム、発電機、太陽光発電システム、計測機器、工具類当社、アイティエフ㈱産業機器事業制御機器、電子部品、FA関連機器当社自社製品事業空調用被覆銅管、空調配管化粧カバー、空調関連部材、表示灯、回転灯、散光式警光灯、情報配線システム、給排水管当社、㈱パトライト、SIAM ORIENT ELECTRIC CO.,LTD.、PATLITE(U.S.A.) Corporation、PATLITE Europe GmbH、PATLITE (SINGAPORE) PTE LTD、派特莱電子(上海)有限公司、PATLITE KOREA CO.,LTD.、PT.PATLITE INDONESIA、PATLITE TAIWAN CO.,LTD.、PATLITE (THAILAND) CO.,LTD.、PATLITE UK LTD、Inaba Denko America Inc.以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。 (注) 無印 連結子会社 4社※ 非連結子会社で持分法非適用会社 9社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
新規参入企業を含めた競合他社との厳しい価格競争に晒されているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
空調分野、住宅分野、産業分野等における研究開発活動と特許権等の産業財産権。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:価格競争の激化 / 販売先の倒産増加による債権管理リスク / 夏季の天候による空調部材販売量の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

特定の強力なブランドや特許は確認できないが、長年の事業継続で培われた業界内での信頼や、一部のプライベートブランド(PB)商品における認知度は存在する可能性がある。しかし、その優位性は限定的。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

顧客である電気工事業者や設備業者との間に、長年の取引実績に基づく一定の信頼関係や、発注・納品プロセスの慣れといったスイッチングコストは存在する。しかし、代替サプライヤーへの乗り換えは比較的容易であると考えられる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が事業モデルの根幹をなす要素とは考えにくい。顧客やサプライヤーが増加しても、それが直接的にサービスの価値を飛躍的に向上させる構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

全国に広がる物流網と、長年の取引で培われた仕入れ交渉力により、一定のコスト優位性を確立していると考えられる。特に、効率的な在庫管理と配送システムが競争力の源泉となっている可能性がある。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

電気設備資材卸売業界において、売上高・利益ともにトップクラスの規模を誇る。広範な商品ラインナップと全国的な販売網は、中小規模の競合他社に対する強力な優位性となっている。業界再編が進む中で、規模の経済はさらに重要性を増す。

  • 幅広い製品ラインナップ
    電設資材から産業機器、自社製品まで多岐にわたる製品を取り扱っており、顧客は必要な資材や機器をまとめて調達できます。これにより、顧客にとっての利便性が高く、同社は多様な顧客ニーズに対応できる強みを持っています。
  • 「因幡電工」ブランド力
    空調用被覆銅管や配管化粧カバーといった自社製品は「因幡電工」ブランドとして業界内で高い認知度と信頼を得ています。長年の実績と品質の高さが評価されており、これが安定した顧客基盤と競争優位性につながっています。
  • グローバルな事業展開
    子会社パトライトの製品開発力や販売網、SIAM ORIENT ELECTRICによる空調部材の海外製造などを活用し、北米や欧州、アジアなど世界各地で事業を展開しています。これにより、特定の地域市場の変動リスクを分散し、持続的な成長を目指せる体制を構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 自社製品の開発と拡充
    コア製品である「因幡電工」ブランドの被覆銅管や空調配管化粧カバーの改良を継続し、防火区画貫通部材の「タイカエックス/タイカX」のリブランドなど、新規需要の開拓に注力しています。また、子会社パトライトではネットワーク製品を中心に新製品開発を進め、新たな研究開発施設「イノベーションセンター」の建設も決定し、技術革新による競争力強化を目指しています。
  • 省エネ・省力化ソリューションの推進
    LED照明や太陽光発電部材の拡販に加え、脱炭素化の提案や協働ロボットの導入支援など、環境商材や省力化ソリューションの提供を強化しています。これにより、社会のニーズに応えながら、新たな事業機会を創出し、持続的な成長を目指しています。
  • グローバル展開の加速と事業領域の拡大
    米国の現地法人を軸に北米での「因幡電工」ブランドの拡販を進め、欧州市場向け製品の開発も強化しています。また、電設資材事業での情報通信分野への進出や、産業機器事業でのメカトロ分野開拓、自社製品事業での管工機材分野への展開など、既存事業の隣接領域への拡大やM&Aも視野に入れ、企業価値の最大化を図っています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における予想、計画、目標等の将来に関する記述は、当社グループが当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の経営成績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。(1) 経営方針当社グループは、電設資材及び産業機器等の卸販売並びに空調部材等の製造販売を通じて「省エネルギー、省資源など地球環境に配慮し、豊かで快適な社会づくりに貢献する」ことを経営の基本理念としております。信頼される企業であり続けるため、コンプライアンス経営を第一義として、成長と変革によって企業価値の最大化を図り、すべてのステークホルダー(株主、投資家、従業員、取引先、地域社会等の利害関係者)にご満足いただける企業を目指してまいります。(2) 目標とする経営指標当社グループは、中期経営計画の策定に当たって、経営環境の変化や計画の進捗状況に応じ、毎年度、向こう3カ年の数値目標を更新するローリング方式を採用しております。2026~2028年度中期経営計画における最終年度(2029年3月期)の数値目標は、次のとおりであります。・連結売上高 4,700億円・連結営業利益 352億円 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、原材料価格や金融資本市場の動向、米国の通商政策に加え中東情勢の影響など先行き不透明な状況が続くものの、大都市圏における再開発や企業における設備投資需要の継続などを背景に底堅く推移するものと予想されます。中東情勢の影響については、当社グループの自社製品事業において一部製品の原材料調達に制約が生じており、供給数量及び供給時期の確約が難しい状況となっております。このような認識のもと、当社グループは中長期的な成長を目指し、①自社製品(PB商品を含む)の開発・拡充、②省エネ・省力化ソリューションの推進、③首都圏市場におけるシェア拡大、④グローバル展開の加速、⑤事業領域の拡大、⑥サステナビリティ経営の推進といった重点施策を着実に実行していくことによって企業価値の最大化を追求してまいります。「①自社製品(PB商品を含む)の開発・拡充」に関しましては、コア製品である「因幡電工」ブランドとして業界に広く認知されている被覆銅管や空調配管化粧カバーの改良を重ねるほか、防火区画貫通部材を「タイカエックス/タイカX」としてリブランドを実施し認知拡大を図るなど、新規需要の発掘に努めております。住宅設備分野の「アバニアクト」では、高速・大容量通信に対応した情報配線システムや、汎用性・施工性に優れたEVコンセントポールなどを展開し、社会の変化に対応した快適な住環境の提案に取り組んでおります。子会社パトライトでは、工場や物流現場等における生産性向上に貢献すべく、ネットワーク製品を中心に新製品開発を進めております。また、更なる成長に向けて、新たな研究開発施設「イノベーションセンター」の建設を決定いたしました。事業拡大に伴う人員増加や、新分野の研究に向けた設備の導入を可能とするほか、サステナブルな先進建築物としてウェルビーイングを叶える空間を創ることで、採用競争力の強化や従業員のモチベーション向上を図ってまいります。「②省エネ・省力化ソリューションの推進」に関しましては、LED照明や太陽光発電部材などの拡販に加え、環境商材の更なる普及に向けて商材情報の収集と分類を進めており、プロモーションの強化や新商材の発掘に活かしてまいります。また、取引先である専業メーカー各社の機器を組み合わせた脱炭素化の提案や、省力化に向けた協働ロボットの導入やシステム構築などの支援に注力してまいります。「③首都圏市場におけるシェア拡大」に関しましては、当社は西日本での売上比率が高く、首都圏は市場規模の観点から成長の余地があること、首都圏の再開発需要の継続が期待されることから、積極的な人材投入や物流機能の強化によって首都圏市場の需要の取り込みを目指してまいります。なお、全社一丸となって成長機会を確実に取り込むため、各事業に横断的に関与し、組織間の連携を高めることを目的に2026年度より東京本社代表役員を設置しております。「④グローバル展開の加速」に関しましては、米国の現地法人であるInaba Denko Americaを軸に北米での「因幡電工」ブランドの拡販に注力しているほか、欧州市場向けローカライズ製品の開発を進めております。また、経済産業省のグローバルニッチトップ100選に選出された子会社パトライトの製品開発力や販売網に加え、子会社SIAM ORIENT ELECTRICによる空調部材の海外製造などを活用し、グループ一丸となって積極的な海外展開を推進してまいります。「⑤事業領域の拡大」に関しましては、既存事業の隣接領域に向けて業容拡大を図ってまいります。電設資材事業では統合IPネットワークなどを取り扱う情報通信分野への進出を目指しているほか、産業機器事業では協働ロボットをはじめとしたメカトロ分野の開拓に加え、電子事業の拡大を推進しております。また、自社製品事業では空調分野で培った技術力を活かし、管工機材分野の製品開発に取り組んでおります。今後、既存事業とのシナジーなどが期待されることを前提にM&Aによる事業領域の拡大も模索してまいります。「⑥サステナビリティ経営の推進」に関しましては、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会の下に各事業部門の実務リーダーを中心に構成する「サステナビリティ推進会議」を設置しており、同会議において重要課題への取り組みを進めております。これまでの主なテーマとして、気候変動への対応、人的資本経営の推進、サステナビリティ経営の具体化を取り上げてまいりました。気候変動対応につきましては、TCFD開示の枠組みに沿ってリスクや機会を抽出し、事業戦略へ反映するほか、外部評価機関への対応についても検討を進めております。人的資本経営につきましては、「経営戦略と人材戦略の連動」の観点から、事業戦略の実現に必要な人材像や人員構成を特定し、そこから具体化された人材戦略をもとに従業員の採用や能力開発に取り組んでおります。また、各組織が抱える人的課題を整理し、全社として優先的に取り組むべき課題を特定したうえで、具体的な施策の検討を進めております。主なテーマとしては、女性活躍の推進やキャリア採用者の受入体制の整備などに取り組んでおります。サステナビリティ経営の具体化につきましては、創業100年を見据えた社会課題や事業課題を整理し、中長期的な価値創造に向けて再定義したマテリアリティを踏まえ、現在はマテリアリティを組織の戦略や行動計画に反映させるため、各マテリアリティに対する組織ごとの評価指標の設定を進めております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における予想、計画、目標等の将来に関する記述は、当社グループが当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の経営成績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。(1) 経営方針当社グループは、電設資材及び産業機器等の卸販売並びに空調部材等の製造販売を通じて「省エネルギー、省資源など地球環境に配慮し、豊かで快適な社会づくりに貢献する」ことを経営の基本理念としております。信頼される企業であり続けるため、コンプライアンス経営を第一義として、成長と変革によって企業価値の最大化を図り、すべてのステークホルダー(株主、投資家、従業員、取引先、地域社会等の利害関係者)にご満足いただける企業を目指してまいります。(2) 目標とする経営指標当社グループは、中期経営計画の策定に当たって、経営環境の変化や計画の進捗状況に応じ、毎年度、向こう3カ年の数値目標を更新するローリング方式を採用しております。2026~2028年度中期経営計画における最終年度(2029年3月期)の数値目標は、次のとおりであります。・連結売上高 4,700億円・連結営業利益 352億円 (3) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、原材料価格や金融資本市場の動向、米国の通商政策に加え中東情勢の影響など先行き不透明な状況が続くものの、大都市圏における再開発や企業における設備投資需要の継続などを背景に底堅く推移するものと予想されます。中東情勢の影響については、当社グループの自社製品事業において一部製品の原材料調達に制約が生じており、供給数量及び供給時期の確約が難しい状況となっております。このような認識のもと、当社グループは中長期的な成長を目指し、①自社製品(PB商品を含む)の開発・拡充、②省エネ・省力化ソリューションの推進、③首都圏市場におけるシェア拡大、④グローバル展開の加速、⑤事業領域の拡大、⑥サステナビリティ経営の推進といった重点施策を着実に実行していくことによって企業価値の最大化を追求してまいります。「①自社製品(PB商品を含む)の開発・拡充」に関しましては、コア製品である「因幡電工」ブランドとして業界に広く認知されている被覆銅管や空調配管化粧カバーの改良を重ねるほか、防火区画貫通部材を「タイカエックス/タイカX」としてリブランドを実施し認知拡大を図るなど、新規需要の発掘に努めております。住宅設備分野の「アバニアクト」では、高速・大容量通信に対応した情報配線システムや、汎用性・施工性に優れたEVコンセントポールなどを展開し、社会の変化に対応した快適な住環境の提案に取り組んでおります。子会社パトライトでは、工場や物流現場等における生産性向上に貢献すべく、ネットワーク製品を中心に新製品開発を進めております。また、更なる成長に向けて、新たな研究開発施設「イノベーションセンター」の建設を決定いたしました。事業拡大に伴う人員増加や、新分野の研究に向けた設備の導入を可能とするほか、サステナブルな先進建築物としてウェルビーイングを叶える空間を創ることで、採用競争力の強化や従業員のモチベーション向上を図ってまいります。「②省エネ・省力化ソリューションの推進」に関しましては、LED照明や太陽光発電部材などの拡販に加え、環境商材の更なる普及に向けて商材情報の収集と分類を進めており、プロモーションの強化や新商材の発掘に活かしてまいります。また、取引先である専業メーカー各社の機器を組み合わせた脱炭素化の提案や、省力化に向けた協働ロボットの導入やシステム構築などの支援に注力してまいります。「③首都圏市場におけるシェア拡大」に関しましては、当社は西日本での売上比率が高く、首都圏は市場規模の観点から成長の余地があること、首都圏の再開発需要の継続が期待されることから、積極的な人材投入や物流機能の強化によって首都圏市場の需要の取り込みを目指してまいります。なお、全社一丸となって成長機会を確実に取り込むため、各事業に横断的に関与し、組織間の連携を高めることを目的に2026年度より東京本社代表役員を設置しております。「④グローバル展開の加速」に関しましては、米国の現地法人であるInaba Denko Americaを軸に北米での「因幡電工」ブランドの拡販に注力しているほか、欧州市場向けローカライズ製品の開発を進めております。また、経済産業省のグローバルニッチトップ100選に選出された子会社パトライトの製品開発力や販売網に加え、子会社SIAM ORIENT ELECTRICによる空調部材の海外製造などを活用し、グループ一丸となって積極的な海外展開を推進してまいります。「⑤事業領域の拡大」に関しましては、既存事業の隣接領域に向けて業容拡大を図ってまいります。電設資材事業では統合IPネットワークなどを取り扱う情報通信分野への進出を目指しているほか、産業機器事業では協働ロボットをはじめとしたメカトロ分野の開拓に加え、電子事業の拡大を推進しております。また、自社製品事業では空調分野で培った技術力を活かし、管工機材分野の製品開発に取り組んでおります。今後、既存事業とのシナジーなどが期待されることを前提にM&Aによる事業領域の拡大も模索してまいります。「⑥サステナビリティ経営の推進」に関しましては、取締役会の諮問機関であるサステナビリティ委員会の下に各事業部門の実務リーダーを中心に構成する「サステナビリティ推進会議」を設置しており、同会議において重要課題への取り組みを進めております。これまでの主なテーマとして、気候変動への対応、人的資本経営の推進、サステナビリティ経営の具体化を取り上げてまいりました。気候変動対応につきましては、TCFD開示の枠組みに沿ってリスクや機会を抽出し、事業戦略へ反映するほか、外部評価機関への対応についても検討を進めております。人的資本経営につきましては、「経営戦略と人材戦略の連動」の観点から、事業戦略の実現に必要な人材像や人員構成を特定し、そこから具体化された人材戦略をもとに従業員の採用や能力開発に取り組んでおります。また、各組織が抱える人的課題を整理し、全社として優先的に取り組むべき課題を特定したうえで、具体的な施策の検討を進めております。主なテーマとしては、女性活躍の推進やキャリア採用者の受入体制の整備などに取り組んでおります。サステナビリティ経営の具体化につきましては、創業100年を見据えた社会課題や事業課題を整理し、中長期的な価値創造に向けて再定義したマテリアリティを踏まえ、現在はマテリアリティを組織の戦略や行動計画に反映させるため、各マテリアリティに対する組織ごとの評価指標の設定を進めております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 重要な会計方針及び見積りに用いた仮定本項に記載されているすべての財務情報は本有価証券報告書における連結財務諸表に基づいております。同財務諸表はわが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、経営者は、見積りが必要な事項については過去の実績や現状等を考慮し、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。ただし、将来に関する事項には不確実性があるためこれらの見積りと異なる可能性があります。重要な会計方針及び見積りにつきましては、「経理の状況」に記載しております。 (2) 経営成績の分析<概況> 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用及び所得環境の改善を背景に個人消費に持ち直しの動きが見られるなど緩やかな回復傾向を示した一方で、物価上昇や金融資本市場の変動、米国の通商政策の影響など景気の下振れリスクもあり、依然として不確実性の高い状況が続きました。 当社グループの係わる電設資材業界は、物流コストや資材価格の上昇などの影響があったものの、大都市圏の再開発や企業の設備投資需要を背景に底堅く推移しました。また、自社製品の係わる空調業界は、全国的な猛暑を背景にルームエアコンの出荷台数が過去最高水準に達する(国内1,002万台 前年同期比6.5%増)など、好調に推移しました。 このような情勢のなか、当社グループは中長期的な経営戦略に沿って重点施策を着実に推進するとともに、積極的な営業活動を展開しました。 その結果、過去最高業績を更新しました。 経営成績に重要な影響を与えた要因は、次のとおりであります。<売上高>売上高は前連結会計年度と比べ330億10百万円(8.6%)増加し、4,170億23百万円となりました。電設資材事業は、電設資材全般において物流コストや原材料価格の高騰などによる販売価格の上昇が継続しました。大都市圏の再開発や工場、データセンターなど大型物件向けの納入が好調に推移し、商品別では受配電設備や空調設備などの販売が増加したほか、銅価格の高騰が電線ケーブル類の売上に寄与しました。その結果、売上高2,932億89百万円(前年同期比8.2%増)となりました。産業機器事業は、半導体関連の在庫調整の影響が縮小したことや、人手不足に伴う省力化・自動化需要の拡大などを背景に製造業における設備投資に持ち直しの動きが見られたことにより、制御機器及び電子部品の販売が増加しました。その結果、売上高433億65百万円(前年同期比13.7%増)となりました。自社製品事業は、前年度に価格改定前の駆け込み需要が発生したことや北日本における販売が上振れしたことによる反動減の影響がありましたが、ルームエアコンの出荷が好調に推移したことで主力製品である被覆銅管や空調配管化粧カバー「スリムダクトシリーズ」などの販売が増加しました。連結子会社の㈱パトライトにおいては、半導体業界の市況回復を背景に海外向け販売が増加しました。その結果、売上高803億68百万円(前年同期比7.4%増)となりました。<売上総利益>売上総利益は前連結会計年度と比べ75億24百万円(11.6%)増加し、726億10百万円となりました。また、売上総利益率は前連結会計年度と比べ0.5ポイント上昇し、17.4%となりました。<販売費及び一般管理費>販売費及び一般管理費は前連結会計年度と比べ33億69百万円(8.5%)増加し、428億98百万円となりました。これは主に、人員増加等に伴う人件費の増加や賃借料の増加によるものであります。<営業利益>営業利益は前連結会計年度と比べ41億55百万円(16.3%)増加し、297億11百万円となりました。また、売上高営業利益率は前連結会計年度と比べ0.5ポイント上昇し、7.1%となりました。<営業外損益> 前連結会計年度と比べ営業外収益は9億76百万円増加しましたが、これは主に、受取配当金や為替差益の増加によるものであります。<特別損益>特別利益は前連結会計年度と比べ9億55百万円増加しましたが、これは主に、投資有価証券売却益の増加によるものであります。特別損失は前連結会計年度と比べ2億20百万円減少しましたが、これは主に、前連結会計年度に計上した減損損失の影響が剥落したことによるものであります。<親会社株主に帰属する当期純利益>以上の結果に加え、「賃上げ促進税制」の適用条件を満たしたことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度と比べ46億37百万円(24.7%)増加し、234億20百万円となりました。また、EPS(1株当たり当期純利益)は前連結会計年度と比べ41円57銭(24.9%)増加し、208円49銭となりました。<ROE(自己資本当期純利益率)>ROEは前連結会計年度と比べ1.4ポイント上昇し、12.7%となりました。 (3) 中期経営計画の進捗状況中期経営計画については、ローリング方式により策定しておりますが、当連結会計年度における経営成績は当初の予想を上回って推移し、目標達成に向けて順調に推移しているものと認識しております。当社グループを取り巻く経営環境は、原材料価格や金融資本市場の動向、米国の通商政策に加え中東情勢の影響など先行き不透明な状況が続くものの、大都市圏における再開発や企業における設備投資需要の継続などを背景に底堅く推移するものと予想されます。引き続き、重点施策を着実に実行していくことによって企業価値の最大化を追求してまいります。 (4) 資本の財源及び資金の流動性に係る分析 将来の成長に向けた投資資金については、自己資金で賄うことを基本方針としております。財政状態及びキャッシュ・フローの状況を踏まえ、必要な資金需要に対応できる財務健全性は確保されているものと判断しております。 当社は、事業活動で獲得した営業キャッシュ・フローや手元資金を成長投資や株主還元に配分することで、さらなる資本効率の向上を図ってまいります。また、資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応の一環として、2027年3月期~2029年3月期を対象としたキャッシュ・アロケーションを策定しております。具体的には、成長投資として「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3) 経営環境及び対処すべき課題」で記載した6つの重点施策を実現するための重点機能である「物流・研究開発・DX・エンジニアリング」などの分野への投資、総還元性向60%程度の株主還元、M&Aや資本提携などの実行枠を設定しております。 なお、株主還元につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」に記載しております。<財政状態>総資産は前連結会計年度末に比べ343億41百万円増加し、3,133億25百万円となりました。これは主に保有株式の時価上昇に伴う投資有価証券の増加によるものであります。負債は前連結会計年度末に比べ99億81百万円増加し、1,159億40百万円となりました。これは主に保有株式の時価上昇に伴う繰延税金負債の増加によるものであります。純資産は前連結会計年度末に比べ243億60百万円増加し、1,973億84百万円となりました。これは主に利益剰余金及びその他有価証券評価差額金の増加によるものであります。<キャッシュ・フローの分析>当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ101億40百万円増加し、762億2百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。営業活動の結果得られた資金は269億9百万円(前年同期は232億円79百万円)となりました。これは主に法人税等の支払(88億65百万円)、売上債権の増加(46億75百万円)がありましたが、税金等調整前当期純利益(328億87百万円)があったことによるものであります。投資活動の結果使用した資金は66億1百万円(前年同期は104億55百万円)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入(18億23百万円)がありましたが、有形固定資産の取得による支出(48億24百万円)、無形固定資産の取得による支出(12億71百万円)があったことによるものであります。財務活動の結果使用した資金は102億66百万円(前年同期は83億71百万円)となりました。これは主にストックオプションの行使による収入(18億79百万円)がありましたが、配当金の支払(84億48百万円)、自己株式の取得による支出(36億63百万円)があったことによるものであります。

事業リスク

  • 激しい価格競争
    電設資材や産業機器の市場では、新規参入企業を含む競合他社との厳しい価格競争に常に晒されています。建設投資や設備投資の減少など市場環境が悪化した場合、価格競争がさらに激化し、収益性が悪化する可能性があります。
  • 原材料価格の変動と調達
    空調部材等の製造に必要な銅、鉄、樹脂などの原材料は国際的な価格変動の影響を受けやすく、製造コストが大きく変動するリスクがあります。原材料価格の高騰を製品価格に転嫁できない場合や、安定的な調達が困難になった場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 天候による販売量変動
    空調部材はエアコンの販売台数に連動するため、夏季の気温など天候に販売量が大きく左右される傾向があります。冷夏などによりエアコンの需要が低迷した場合、空調関連製品の販売量が減少し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,316 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものが挙げられます。また当社グループでは、事業遂行上の危機や重大なクライシスに転じる可能性があるリスクを把握・検討し、重要リスクとして取締役会に報告しております。これらのリスクを適切に管理・統制するとともに、可能な限り、危機の発生防止に努めております。しかしながら、危機が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。なお、以下のリスクは当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、あらゆるリスクを網羅している訳ではありません。(1) 事業環境に関するリスク①価格競争当社グループは新規参入企業を含めた競合他社との厳しい価格競争に晒されております。競争力強化に努めているものの、建設投資や設備投資が激減するなどの市場環境の変動により価格競争が熾烈化した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。②債権管理上述のような市場環境の変動によって、中小業者の倒産が増加する危険性があり、当社グループでは販売先の定期調査分析を実施するなど債権管理に細心の注意を払っております。適正な貸倒引当金を計上し、営業保証金の受入や取引信用保険の活用など対策を講じておりますが、想定外の倒産が頻発した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(2) 天候に関するリスク当社が製造及び販売する空調部材等は空調設備に付随する製品であるため、その販売量はエアコン国内出荷台数の影響を少なからず受け、最需要期である夏季の天候に左右される傾向にあります。従って、当社の空調関連製品における市場環境の季節的変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 事業の拡大・展開に関するリスク①品質保証当社グループは品質保証の専任部署を設置し、製品の品質管理を行っております。しかしながら、全ての製品に欠陥がなく将来に損失が発生しないという保証はありません。欠陥の内容によっては、対外コストや製品の評価に影響を与え、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。②知的財産当社グループは空調分野、住宅分野、産業分野等において研究開発活動を進めており、知的財産保護のため特許権をはじめとする産業財産権を出願及び取得しております。しかしながら、違法に産業財産権が侵害され、これらを盗用した模倣品により損害を被る可能性、競合他社が当社グループよりも優れた技術を開発し、現有する産業財産権が陳腐化する可能性は否定できません。こうした知的財産にまつわる重大な問題が予期せず発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。③M&A当社グループは成長戦略の一環としてM&Aを実施することがあります。しかしながら、M&Aにおける買収価格が常に適正、妥当であるという保証はありません。買収後の収益が、買収時に見込んだ将来の収益予想を大幅に下回った場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (4) 調達に関するリスク当社が製造及び販売する空調部材等は銅、鉄、ステンレス、樹脂等を原材料としております。これらは、国際的な価格変動により製造コストを変動させる可能性を有しております。また、需給の逼迫や供給網の混乱等により、原材料の安定的な調達が困難となる可能性があります。原材料価格の高騰が当初の予想を上回りコスト増を自社で吸収しきれない場合や、原材料価格上昇分を製品価格に転嫁できない場合、あるいは必要な原材料を適時に調達できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 (5) 法的規制に関するリスク当社グループは多様な法的規制のもと事業活動を行っておりますが、将来において不可測な規制変更、当社グループに不利益な規制変更が起こった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。一例を挙げると、建築基準法・消防法などの改正によって当社が取扱う製品の競争力が失われるおそれや、会計基準及び税制の新たな導入・変更等による影響などがあります。(6) 保有資産に関するリスク当社グループが保有している土地、投資有価証券等において、その資産価値が時価等に基づき著しく下落した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(7) 情報セキュリティに関するリスク当社グループが保有する取引先情報や営業秘密・社外秘情報等が漏洩した場合、当社グループの管理責任を問われ損害賠償を請求されるおそれがあるほか、情報漏洩によって毀損した社会的信用の回復には大変な時間や労力を要することが予想されます。また、システム障害や外部からのサイバー攻撃などによって社内システムが停止すると、当該システムの対象業務が処理不能となり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。(8) 天災・感染症等に関するリスク地震・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、テロや戦争、気候変動、その他の要因により社会的混乱等が発生した場合、事業活動の停止や建設工事や設備投資の先送りによる機会損失、設備の損壊による復旧のための多額の費用負担等により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

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