事業の概要
- 水産物の調達・加工・販売極洋グループは、水産物の買付け、加工、販売を一貫して手掛ける水産事業を中核としています。世界中から水産物を調達し、加工して市場に供給することで収益を上げています。特に、カツオやマグロなどの主要魚種において、漁獲から販売までをグループ内で完結させる体制を構築しています。
- 生鮮食品の提供寿司ネタや刺身といった生食用の水産物を加工し、販売する生鮮事業も重要な収益源です。消費者の食の安全への意識の高まりに対応し、鮮度と品質にこだわった商品を提供することで、顧客からの信頼を獲得し、安定的な収益を確保しています。
- 加工食品の製造・販売業務用および市販用の冷凍食品、缶詰、海産物珍味の製造・販売を行う食品事業も展開しています。特に「だんどり上手」シリーズのような簡便性の高い商品は、中食・内食需要の増加を背景に成長が見込まれており、多様な食のニーズに応えることで収益を多角化しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 水産事業水産物の買付け、加工、販売を行う事業で、売上高1,686.68億円、営業利益61.09億円とグループ最大の収益源です。世界中から水産物を調達し、情報量と提案力を強みに主要魚種のトップレベルの取り扱いを確保しています。海外での「海外でつくり海外で売る」方針のもと、現地法人との連携を強化し、売上と利益の向上を目指しています。
- 生鮮事業寿司ネタや刺身などの生食商材の加工・販売、カツオ・マグロの漁獲・養殖・買付け・販売を手掛ける事業で、売上高658.5億円、営業利益36.15億円です。カツオ・マグロの一貫体制が強みで、取引先の海外展開に合わせた商品提案や、養殖事業の推進により事業の安定化と成長を図っています。
- 食品事業業務用・市販用冷凍食品、缶詰、海産物珍味の製造・販売を行う事業で、売上高659.4億円、営業利益24.46億円です。ローコストオペレーションを徹底し、中食・内食向けの商品開発や、業務用での簡便性商品、市販用での生産能力増強、新規カテゴリへの挑戦を通じて事業拡大を目指しています。また、水産加工事業が新設され、魚の切身や「だんどり上手」シリーズの生産拡大を図ります。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| MarineProductsBusinessReportableSegment | 地域 | 1,687 | 61 | 3.6% |
| FreshfoodsBusinessReportableSegment | 地域 | 659 | 36 | 5.5% |
| ProcessedFoodBusinessReportableSegment | 地域 | 659 | 24 | 3.7% |
| LogisticsBusiness | 地域 | 17 | 3 | 17.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社は、株式会社極洋(当社)、子会社36社、関連会社5社及び非連結子会社1社により構成され、水産事業、生鮮事業、食品事業、物流サービス事業を主として行っております。各事業における当社グループの位置付けは次のとおりであります。 下記の事業区分は、セグメント情報の区分と同一であります。水産事業…当社及びKyokuyo America Corporation他において水産物の買付及び加工、販売を行っております。生鮮事業…当社他において寿司種や刺身などの生食商材の加工及び販売を行っております。カツオ・マグロ等については、当社及び極洋水産㈱他において漁獲、養殖、買付、販売を行っております。食品事業…当社、極洋食品㈱及び㈱ジョッキ他において業務用冷凍食品、市販用冷凍食品・缶詰・海産物珍味の製造及び販売を行っております。物流サービス…キョクヨー秋津冷蔵㈱において冷蔵倉庫事業等を行っております。その他事業…キョクヨー総合サービス㈱他において保険代理店業等を行っております。 以上述べた事項を事業系統図によって示すと、次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格や為替レートの変動が業績に影響を与えるため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 設備 水産物の買付・加工・販売、食品製造、冷蔵倉庫事業には設備投資が必要 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:食品の安全性の問題 / 海外事業に関するリスク / 原材料価格の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
極洋は水産物の加工・販売を主軸としており、長年培ってきたブランド力や品質への信頼が一定の無形資産となっている。特に、特定の魚種や加工技術に関するノウハウは模倣が難しい可能性がある。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客(主に食品メーカーや小売業者)は、品質や価格、供給安定性を重視してサプライヤーを選定する。一度取引が始まると、切り替えにはコストや品質リスクが伴うため、一定のスイッチングコストは存在するが、強力なものではない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
水産物のサプライチェーンは、漁獲から加工、流通、販売まで多岐にわたるが、ネットワーク効果が直接的に競争優位に繋がるビジネスモデルではない。
コスト優位★★☆☆☆
大規模な仕入れや加工、効率的な物流網の構築により、コスト競争力を維持している可能性がある。特に、海外からの調達や加工におけるスケールメリットがコスト優位に寄与しうる。
規模の経済★★★☆☆
水産物の加工・販売業界において、極洋は国内有数の規模を誇る。この規模は、仕入れ交渉力、生産効率、物流網の構築において優位性をもたらし、競合他社に対する競争力の源泉となっている。
- 一貫したサプライチェーン水産物の漁獲・養殖から加工、販売までを一貫して手掛ける体制が強みです。これにより、品質管理を徹底し、安定した供給能力を確保できるため、競合他社に対する優位性を確立しています。特にカツオ・マグロにおいては、この垂直統合モデルが競争力の源泉となっています。
- 多様な事業ポートフォリオ水産事業、生鮮事業、食品事業、物流サービス事業と多角的な事業を展開しているため、特定の事業に依存することなく、市場の変化やリスクに対応できる柔軟性を持っています。例えば、水産資源の変動リスクを加工食品で補うなど、事業間のシナジー効果も期待できます。
- グローバルな調達・販売網世界各地からの水産物調達力と、海外での加工・販売拠点を持つグローバルネットワークが強みです。これにより、特定の地域に依存しない安定的な原材料調達と、海外市場での収益機会を追求できるため、事業規模の拡大と利益の向上に貢献しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 企業理念に基づく成長人間尊重を経営の基本とし、健康で心豊かな生活と食文化への貢献を目指しています。安心・安全な食品の供給と環境保全を重点課題に掲げ、企業倫理の徹底と法令遵守を通じて企業価値を高め、社会とともに持続的な成長を実現することを目指しています。
- 事業基盤の拡充と多角化中期経営計画「Gear Up Kyokuyo 2027」に基づき、水産事業での調達力強化、水産加工事業の新設による商品提案力向上、生鮮事業での一貫体制強化、食品事業でのローコストオペレーションと新商品開発を進めます。これにより、事業規模の拡大と収益性の向上を図ります。
- 財務基盤とパートナーシップ強化不透明な事業環境に対応するため、収益性を重視した在庫管理やキャッシュ・フロー創出により財務基盤を強化します。また、お客様、取引先、株主・投資家との積極的なコミュニケーションとサステナビリティへの取り組みを通じて、信頼関係を構築し、持続的な成長を支えることを目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは企業理念として、人間尊重を経営の基本に、健康で心豊かな生活と食文化に貢献し、社会とともに成長することを目指しております。その実現のため、魚を中心とした総合食品会社として成長するとともに、安心・安全な食品の供給と環境保全を経営の重点課題に掲げております。また、内部統制システムを整備し企業倫理の徹底、法令の遵守、情報の共有化を進めるとともに、的確な情報開示による透明度の高い事業運営を行うことにより企業価値を高め、社会に貢献してまいります。 (2) 対処すべき課題 国内においては、所得・賃金の上昇は期待されるものの、原材料価格の高騰や円安を要因とした物価高の継続により消費者の消費意欲の低下が進むと見込まれ、金融政策においては、日銀による政策金利引き上げが想定されます。 世界的には、中東情勢をはじめ地政学リスクや米国等の政策による経済への影響など不透明感の増大が予測されます。世界的な水産資源の動向については、天然資源の減少・枯渇が懸念されるなか、人口増加、健康志向の高まりにより需要の増加が見込まれております。 このような事業環境において、当社グループは、取引先との関係を強めて、安定的な原料調達と商品提案力の強化により持続的な成長に努めます。さらに、海外での収益性の向上により、一層の事業規模の拡大と利益伸長を図ります。財務面においては、不透明な事業環境のなか、環境変化に耐えうる財務基盤の拡充を目指してまいります。 中期経営計画『Gear Up Kyokuyo 2027』の概要 企業パーパスのもと、「事業基盤」の拡充、「財務基盤」と「ステークホルダーとのパートナーシップ」の強化を図りながら、「人財・組織」、「4つの事業」、「グローバル化」の3つの視座で施策を実行してまいります。詳細は当社ウェブサイトをご参照ください。(https://www.kyokuyo.co.jp/files/gearupkyokuyo2027.pdf) 各セグメントの施策は次のとおりであります。なお、第104期より、水産事業セグメントで取り扱っていた魚の切身、フィーレ商品と食品事業セグメントで取り扱っていた「だんどり上手」シリーズを主に取り扱う水産加工事業セグメントを新設いたします。水産事業セグメントでは、サプライヤーとの取組強化や出資などによって調達力と資源アクセス力を高めて、水産物の安定供給体制を構築します。「魚の極洋」として情報量と提案力を強みに、主要魚種トップレベルの取り扱いを確保し、事業の拡大を図ります。海外においては、「海外でつくり海外で売る」方針のもと、現地法人各社と本社の連携強化により、売上高の増加と利益の向上に努めてまいります。水産加工事業セグメントでは、水産事業での原料調達力と食品事業の販売力を活かして、ニーズを先取りした商品提案を行うことで、事業の拡大を目指してまいります。また、海外工場において、「だんどり上手」シリーズの魚の切身などの生産の拡大を図ります。生鮮事業セグメントでは、カツオ・マグロの漁獲・原料調達から加工・販売までの一気通貫体制の強みを活かし、事業の拡大を図ります。取引先の海外展開にあわせて、グループ内の連携強化によって、ニーズを的確に捉えた商品提案により、主力商材の販売を増加し、事業の成長を進展させていきます。養殖においては、短期養殖の取り組みの推進やグループ全体の連携強化でシナジーを高めて事業の安定化を図ります。食品事業セグメントでは、ローコストオペレーションを徹底し、中食・内食向けの商品開発と販売を進めます。業務用は、簡便性を備えた商品や新商品開発など当社グループ工場製品の販売を伸ばしていきます。市販用は、西日本エリアの基幹工場として、極洋食品㈱倉吉工場の生産能力を増強し、物流経費の削減などで競争力を高め事業の拡大を図ってまいります。常温食品は、新たに投入した魚肉ソーセージやツナパウチ商品の販売に注力し、今後も積極的に新規カテゴリに挑戦していきます。物流サービスセグメントでは、運送会社・荷主の情報収集を強化し、保管と配送のセットでの提案により売上拡大を図るとともに、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、パレット輸送等荷役時間の短縮など事業効率性を高めてまいります。財務内容の強化のために、収益性を重視した在庫管理を行うことで、在庫の利益貢献度を高めて資本を積み上げるとともに、キャッシュ・フローの創出に努めて、負債と資本のバランスを意識した財務運営を行います。調達面においては、事業運営・成長投資に必要となる資金の調達力と多様化により財務基盤の拡充を目指します。また、ステークホルダーとのパートナーシップ強化策として、積極的なコミュニケーションやサステナビリティを意識した取り組みを行い、お客様には安心・安全でおいしい食の提供を、取引先には有効な販売戦略や商品開発を通じて、株主・投資家には情報開示と安定的な配当を通じて、信頼関係の構築を図ってまいります。 (3) 目標とする経営指標 当社グループにおける中期的な連結経営指標の目標は海外売上高比率15.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6%以上、DOE(株主資本配当率)3%以上としております。なお当期(2026年3月期)実績は、海外売上高比率16.4%、ROIC(投下資本利益率)5.1%、DOE(株主資本配当率)2.5%でした。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは企業理念として、人間尊重を経営の基本に、健康で心豊かな生活と食文化に貢献し、社会とともに成長することを目指しております。その実現のため、魚を中心とした総合食品会社として成長するとともに、安心・安全な食品の供給と環境保全を経営の重点課題に掲げております。また、内部統制システムを整備し企業倫理の徹底、法令の遵守、情報の共有化を進めるとともに、的確な情報開示による透明度の高い事業運営を行うことにより企業価値を高め、社会に貢献してまいります。 (2) 対処すべき課題 国内においては、所得・賃金の上昇は期待されるものの、原材料価格の高騰や円安を要因とした物価高の継続により消費者の消費意欲の低下が進むと見込まれ、金融政策においては、日銀による政策金利引き上げが想定されます。 世界的には、中東情勢をはじめ地政学リスクや米国等の政策による経済への影響など不透明感の増大が予測されます。世界的な水産資源の動向については、天然資源の減少・枯渇が懸念されるなか、人口増加、健康志向の高まりにより需要の増加が見込まれております。 このような事業環境において、当社グループは、取引先との関係を強めて、安定的な原料調達と商品提案力の強化により持続的な成長に努めます。さらに、海外での収益性の向上により、一層の事業規模の拡大と利益伸長を図ります。財務面においては、不透明な事業環境のなか、環境変化に耐えうる財務基盤の拡充を目指してまいります。 中期経営計画『Gear Up Kyokuyo 2027』の概要 企業パーパスのもと、「事業基盤」の拡充、「財務基盤」と「ステークホルダーとのパートナーシップ」の強化を図りながら、「人財・組織」、「4つの事業」、「グローバル化」の3つの視座で施策を実行してまいります。詳細は当社ウェブサイトをご参照ください。(https://www.kyokuyo.co.jp/files/gearupkyokuyo2027.pdf) 各セグメントの施策は次のとおりであります。なお、第104期より、水産事業セグメントで取り扱っていた魚の切身、フィーレ商品と食品事業セグメントで取り扱っていた「だんどり上手」シリーズを主に取り扱う水産加工事業セグメントを新設いたします。水産事業セグメントでは、サプライヤーとの取組強化や出資などによって調達力と資源アクセス力を高めて、水産物の安定供給体制を構築します。「魚の極洋」として情報量と提案力を強みに、主要魚種トップレベルの取り扱いを確保し、事業の拡大を図ります。海外においては、「海外でつくり海外で売る」方針のもと、現地法人各社と本社の連携強化により、売上高の増加と利益の向上に努めてまいります。水産加工事業セグメントでは、水産事業での原料調達力と食品事業の販売力を活かして、ニーズを先取りした商品提案を行うことで、事業の拡大を目指してまいります。また、海外工場において、「だんどり上手」シリーズの魚の切身などの生産の拡大を図ります。生鮮事業セグメントでは、カツオ・マグロの漁獲・原料調達から加工・販売までの一気通貫体制の強みを活かし、事業の拡大を図ります。取引先の海外展開にあわせて、グループ内の連携強化によって、ニーズを的確に捉えた商品提案により、主力商材の販売を増加し、事業の成長を進展させていきます。養殖においては、短期養殖の取り組みの推進やグループ全体の連携強化でシナジーを高めて事業の安定化を図ります。食品事業セグメントでは、ローコストオペレーションを徹底し、中食・内食向けの商品開発と販売を進めます。業務用は、簡便性を備えた商品や新商品開発など当社グループ工場製品の販売を伸ばしていきます。市販用は、西日本エリアの基幹工場として、極洋食品㈱倉吉工場の生産能力を増強し、物流経費の削減などで競争力を高め事業の拡大を図ってまいります。常温食品は、新たに投入した魚肉ソーセージやツナパウチ商品の販売に注力し、今後も積極的に新規カテゴリに挑戦していきます。物流サービスセグメントでは、運送会社・荷主の情報収集を強化し、保管と配送のセットでの提案により売上拡大を図るとともに、積載効率の向上、荷待ち時間の短縮、パレット輸送等荷役時間の短縮など事業効率性を高めてまいります。財務内容の強化のために、収益性を重視した在庫管理を行うことで、在庫の利益貢献度を高めて資本を積み上げるとともに、キャッシュ・フローの創出に努めて、負債と資本のバランスを意識した財務運営を行います。調達面においては、事業運営・成長投資に必要となる資金の調達力と多様化により財務基盤の拡充を目指します。また、ステークホルダーとのパートナーシップ強化策として、積極的なコミュニケーションやサステナビリティを意識した取り組みを行い、お客様には安心・安全でおいしい食の提供を、取引先には有効な販売戦略や商品開発を通じて、株主・投資家には情報開示と安定的な配当を通じて、信頼関係の構築を図ってまいります。 (3) 目標とする経営指標 当社グループにおける中期的な連結経営指標の目標は海外売上高比率15.0%以上、ROIC(投下資本利益率)6%以上、DOE(株主資本配当率)3%以上としております。なお当期(2026年3月期)実績は、海外売上高比率16.4%、ROIC(投下資本利益率)5.1%、DOE(株主資本配当率)2.5%でした。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において判断したものであります。 (1) 経営成績 当連結会計年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善や経済対策効果を背景に、緩やかな景気回復基調で推移しました。一方、米国の政策動向や不安定な国際情勢による経済への影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続きました。 水産・食品業界におきましては、原材料価格をはじめ生産コストが増加するなか、物価上昇による消費者の節約志向が高まり、厳しい経営環境が続きました。 このような状況の中、中期経営計画『Gear Up Kyokuyo 2027』(2024年度~2026年度)の2年目として、「魚を中心に、食で人と暮らしと地球によりそう サステナブルな世界へ」という企業パーパスのもと、「事業基盤」の拡充、「財務基盤」と「ステークホルダーとのパートナーシップ」の強化を進め、目標達成に取り組んでまいりました。 当連結会計年度における当社グループの売上高は3,346億12百万円(前期比10.5%増)、営業利益は107億31百万円(前期比3.1%減)、経常利益は100億31百万円(前期比7.6%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億41百万円(前期比1.5%増)となりました。 水産事業セグメント 国内販売は、水産物市況が高値で推移するなか、物価上昇による消費マインドの低下により主力のサケやエビを中心に全体の販売量は減少しました。一方で、高額商材の魚卵・カニは買付、販売の商談が順調に進み、年末商戦などで販売が増加しました。 ホタテは海外における底堅い需要が継続し、堅調に推移しました。市況が大幅に上昇したサバは、販売量は減少したものの、加工品を中心に売上は伸長しました。また、北洋魚の拡販に努めて、シマホッケ、スケソウダラ加工品などの販売が伸長し売上に寄与しました。 海外事業について、輸出は国内で加工したホタテ製品、加工原料用や飼料用のサバ、イワシなどの販売が伸長しました。海外現地事業では前年買収した会社が売上に貢献するとともに、タイでの寿司種などの販売が好調に推移、北米や欧州の現地法人も取り扱いを増やすなど事業規模が拡大しました。しかしながら、原料供給不足により欧州の加工場の稼働率が低下したことや米国・ベトナムの新規工場稼働に伴う先行費用の発生などにより事業全体の利益は計画を下回りました。 この結果、売上は前期を上回りましたが、利益は前期を下回りました。水産事業セグメントの売上高は1,950億39百万円(前期比15.6%増)、営業利益は57億50百万円(前期比5.9%減)となりました。 生鮮事業セグメント マグロは、養殖コストの増加や円安の影響で相場上昇のなかではありましたが、計画通りの販売量となり、冷凍クロマグロ、キハダマグロ、インドマグロ、加工品を中心に伸長し、売上・利益ともに拡大しました。海外まき網事業は、上半期に漁獲量の減少により苦戦したものの、下半期は漁獲量の回復と市況の上昇により、通期では、売上は伸長しましたが、利益の減少を賄うことはできませんでした。 養殖事業は、自社グループで生産している国産養殖マグロの品質的の優位性を活かして、販売の拡大に努めました。 寿司種をはじめとする生食商材は、回転すし向けの販売の増加によって、売上・利益とも伸長しました。 この結果、売上・利益とも前期を上回りました。生鮮事業セグメントの売上高は717億25百万円(前期比8.9%増)、営業利益は38億56百万円(前期比6.7%増)となりました。 食品事業セグメント 業務用冷凍食品は、骨なし切り身などについて、安価な海外商品との競争激化や原料高による値上げにより、売上・利益とも減少したものの、カニ風味かまぼこやエビフリッターなどのフライ商品は販売量が増加し、前期並みの売上・利益を確保しました。 市販用冷凍食品は、水産原料価格の上昇によりコンビニエンスストア向けを中心に定番の煮魚・焼魚商品の苦戦が続き、売上は減少しました。収益面は、生産コストや販売費の上昇により利益が圧迫され減益となりました。 缶詰は、カツオ、イワシ缶の販売は減少しましたが、主力のサバ缶のほかマグロ缶、サンマ缶の販売は伸長し、売上・利益とも増加しました。 おつまみ・珍味製品は、価格改定により売上高が減少し、原材料価格の上昇が続き、販売費も増加したことから、利益は減少しました。 この結果、売上は前期並みとなりましたが、利益は前期を上回りました。食品事業セグメントの売上高は655億28百万円(前期比0.6%減)、営業利益は25億34百万円(前期比3.6%増)となりました。 物流サービスセグメント 冷凍倉庫事業においては、入庫数量・荷動きの増加により売上が伸長しました。 利用運送事業については、経費等コストを反映した価格改定を進め利益改善を図りました。 この結果、売上・利益とも前期を上回りました。物流サービスセグメントの売上高は17億37百万円(前期比4.2%増)、営業利益は3億47百万円(前期比18.0%増)となりました。 生産・仕入、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。 ① 生産・仕入実績当連結会計年度における生産・仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)水産事業215,48115.9生鮮事業54,8339.9食品事業47,8865.9物流サービス--その他657△5.4合計318,85813.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 ② 受注実績 受注生産は行っておりません。 ③ 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)水産事業195,03915.6生鮮事業71,7258.9食品事業65,528△0.6物流サービス1,7374.2その他5814.9合計334,61210.5 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 (2) 財政状態 総資産は、前連結会計年度末に比べ320億2百万円増加し、2,141億28百万円となりました。流動資産は、棚卸資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ224億45百万円増加し、1,567億6百万円となりました。固定資産は、投資その他の資産が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ95億57百万円増加し、574億22百万円となりました。 負債合計は、短期借入金が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ214億90百万円増加し、1,352億60百万円となりました。 純資産は、前連結会計年度末に比べ105億12百万円増加し、788億68百万円となりました。 この結果、自己資本比率は36.1%(前連結会計年度末比0.4ポイント減)となりました。 (3) キャッシュ・フロー(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度増減営業活動によるキャッシュ・フロー投資活動によるキャッシュ・フロー財務活動によるキャッシュ・フロー現金及び現金同等物に係る換算差額現金及び現金同等物の増減額現金及び現金同等物の期首残高現金及び現金同等物の期末残高5,843△9,0362,149105△9388,4527,514△745△5,2169,0794163,5337,51411,047△6,5883,8206,9303114,471△9383,533 当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、棚卸資産の増加などにより、7億45百万円の支出となりました。 投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産の取得による支出などにより、52億16百万円の支出となりました。 財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の増加などにより、90億79百万円の収入となりました。 この結果、現金及び現金同等物の期末残高は期首残高より35億33百万円増加し、110億47百万円となりました。 当社グループは、事業活動に適切な流動性の維持と十分な資金を確保すると共に、グループ内でキャッシュマネージメントシステムを活用するなど運転資金の効率的な管理により、事業活動における資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を資金の主な源泉と考え、さらに金融機関からの借入、コマーシャル・ペーパーの発行などによる資金調達を必要に応じて行い、十分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
事業リスク
- 食品の安全性問題食品の安全は消費者の信頼に直結するため、製品クレームや食中毒などの問題が発生した場合、製品回収費用やブランドイメージの低下により、業績や財務状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。品質保証体制を構築していますが、予期せぬ事態への対応が課題です。
- 原材料価格の変動水産物などの原材料を国内外から調達しているため、漁獲量の変動や規制強化、為替レートの変動などにより原材料価格が高騰した場合、仕入れコストが増加し、利益を圧迫する可能性があります。在庫保有や為替予約でリスクヘッジを図っていますが、完全に回避することは困難です。
- 海外事業固有のリスク海外での加工や販売事業を展開しているため、物流の混乱、法規制の変更、紛争、テロ、為替レートの変動などが業績に影響を及ぼす可能性があります。特に円安は輸入コストを押し上げ、円高は輸出収入を減少させるため、為替変動への対応が重要となります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものです。(1) 食品の安全性の問題当社グループは、総合食品グループとして安心・安全な商品およびサービスを提供し、消費者・ユーザーの信頼を獲得することを最重要課題としております。当社では品質保証部を設置し、当社及び当社グループ全体を対象として品質保証体制の構築と維持管理を行い、継続的に見直しを図っております。また社内規則を整備するなどして食品事故を未然に防ぐとともに、問題が発生した場合でも速やかに対応できる体制を構築しております。しかしながら、当社の管理体制でカバーしきれない不測の製品クレームなどが発生した場合、製品の回収など想定外の費用の発生やグループ信用力の低下により、当社グループの業績と財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。また原材料の調達や当社製品の加工・製造を行っている国や地域における食品の安全性に係わる問題の発生により、出荷制限や輸入禁止措置が発令された場合に原材料の調達及び製品の供給に支障をきたし、当社グループの業績と財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。(2) 原材料価格の変動当社グループは、国内外から水産物をはじめとする原材料を買付しており、将来の原材料市況を想定したうえで在庫を保有しております。しかしながら、漁獲規制の強化や水揚げ数量の変動など予想以上に原材料市況に影響を与える事象が生じた場合、当社グループの業績と財政状況に大きな影響を及ぼす可能性があります。(3) 海外事業に関するリスク当社グループは、中国・東南アジアでの海外加工をはじめとして、欧州、北米などで海外事業を営んでおり、調達リスクに応じた適正在庫を保有しております。しかしながら、海外における物流の混乱、予期しない法律または関税等規制・ルールの変更、紛争、テロ、暴動などの要因による社会的混乱が、当社グループの業績とそれらの国々における在庫資産や人材確保に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 為替レート・金利の変動当社グループは、水産物を中心に原材料・製品の輸出入など為替変動の影響を受ける事業を行っております。円建て決済、為替予約などによるリスクヘッジで、為替レートの急激な変動による影響を最小限にとどめる対応を行っておりますが、当該リスクを完全に回避する方策はなく、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。一般的には、水産物の外貨建て輸入代金決済において円安はコスト高に、外貨建て輸出代金決済において円高は売上収入の減少になります。また、政策金利の引き上げに伴い金融機関からの資金調達コストの上昇が予想されます。資金調達手段の分散化・多様化により調達コストの抑制を図っておりますが、財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 固定資産の減損リスク当社グループは、有形固定資産、のれん等の固定資産を保有しておりますが、これらの資産については減損会計を適用し、当該資産から得られる将来キャッシュ・フローによって資産の帳簿価額を回収できるかどうかを検証しており、減損処理が必要な資産については適切に処理を行っています。しかし、将来の経営環境の変化等により将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、追加の減損処理により、当社グループの業績と財政状態に影響を及ぼす可能性があります。(6) 人材リスク当社グループは、日本国内の事業のほかアジア、欧州、北米を中心とした海外事業や商品開発などの業務・研究などを営んでおります。しかしながら、海外人材や専門的知識を有する人材の流出・不足が発生した場合、あるいは十分な人材育成や人材獲得ができなかった場合、当社グループの競争力や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(7) 原油価格の変動当社グループは、海外まき網船の操業など重油を燃料とした事業を行っております。効率的な事業運営を図っておりますが、原油価格の高騰はコストの上昇につながり、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(8) 養殖事業におけるリスク当社グループは、漁獲規制などが年々厳しくなる中、原料の確保を目的に養殖事業を行っております。施設管理に細心の注意を払い、歩留まりの向上に努めておりますが、予防困難な魚病、台風や津波など自然災害によって魚の大量斃死や養殖設備が破損する場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(9) 自然災害への対応当社グループは、大規模な地震をはじめとする自然災害が発生した場合に備え、事業継続計画(BCP)の策定、社員安否確認システムの整備などの対策を講じておりますが、被害が発生した場合には、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報システムに関するリスク当社グループは、コンピューターウィルス感染などによるシステム障害や情報漏洩に対し、適切な対策を講じておりますが、予測不能のウィルスの進入や情報への不正アクセスなどにより、事業運営に支障をきたす場合や内部情報が漏洩するおそれがあり、その結果、当社グループの業績と財政状況に影響を及ぼす可能性があります。(11) サステナビリティに関するリスク「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。