事業の概要
- きのこ類の生産販売ユキグニファクトリーは、まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、マッシュルームなど多様なきのこ類を生産し、小売事業者への直接販売を主軸としています。自社開発の栽培技術により、高品質なきのこを安定的に供給し、収益を上げています。特に「雪国まいたけ 極」ブランドは、その旨味や食感で高い評価を得ています。海外事業ではマッシュルームの製造販売も手掛けています。
- きのこ加工食品の製造販売きのこ類だけでなく、きのこを原料とした加工食品の製造・販売も行っています。近年では、2025年2月に販売を開始した茸代替肉製品など、健康志向の高まりに応える新しい商品開発にも力を入れています。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、収益源の多角化を図っています。
- 独自の生産技術と流通網まいたけの人工栽培成功を皮切りに、工業生産による安定供給体制と品質管理体制を確立しました。また、小売事業者への直接販売を中心とした流通ルートを整備することで、中間コストを削減し、効率的なビジネスモデルを構築しています。この独自のノウハウを他のきのこ類にも応用し、「きのこ総合企業」としての地位を確立しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- きのこ事業(まいたけ)ユキグニファクトリーの主力事業であり、自社開発の「極」ブランドまいたけは、旨味成分が多く、歯ごたえや弾力性に優れていると評価されています。また、高品質で安定生産が可能な「雪国まいたけ極 白」も販売しており、高級感と使いやすさで好評を得ています。この事業は、同社の売上とブランドイメージを牽引する中核となっています。
- きのこ事業(エリンギ・ぶなしめじ・マッシュルーム等)エリンギは「より食べやすく、よりおいしい」を追求し、茎部分を太く、カサを小さく栽培することで品質改善と安定供給を図っています。ぶなしめじは顧客ポートフォリオの見直しと包装形態の軽量化によるコスト低減に取り組んでいます。マッシュルームはホワイトとブラウンを展開し、季節を問わず幅広い世代に好評です。これらのきのこも、同社の多様な製品ラインナップを構成し、収益に貢献しています。
- その他のきのこ事業(本しめじ・はたけしめじ)と海外事業子会社である瑞穂農林株式会社が「幻のきのこ」と呼ばれる本しめじ(大黒本しめじ)や、苦味がなくヘルシーなはたけしめじ(大粒丹波しめじ)を生産しています。海外事業では、オランダの子会社がマッシュルームの製造販売を手掛け、欧州市場での存在感を確立しています。これらの事業は、国内の主力きのこ事業を補完し、国内外での事業拡大に寄与しています。
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3 【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の子会社)は、当社と海外事業会社を含む子会社4社で構成され、きのこ類(まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、マッシュルーム、本しめじ、はたけしめじ等)及びきのこ加工食品の生産及び販売(以下「茸事業」という。)を主たる事業としております。 当社では、まいたけの人工栽培に成功した後、まいたけの工業生産による安定的な生産・供給体制及び品質管理体制並びに小売事業者への直接販売を中心とした流通ルートの整備を図るとともに、そのノウハウをエリンギ・ぶなしめじの商品化に活かし、「きのこ総合企業」としての体制を確立してまいりました。 各事業の特徴等は、次のとおりであります。セグメントの名称担当会社事業等の特徴及び取り組み状況茸事業まいたけ当社まいたけは、自社開発の「極」ブランドが市場、小売、消費者から高い評価をいただいております。当社の調査によれば、「雪国まいたけ 極」は、旨味成分が従来品と比べて多く、濃厚で旨味・風味があり、バランスのとれたすっきりとした味わいと、従来品と比べて強い歯ごたえや弾力性を有するまいたけとなっております。 また、高品質で安定生産できる新・白まいたけの自社菌の開発、量産化に成功し、「雪国まいたけ極 白」を販売しております。「雪国まいたけ極 白」は、「雪国まいたけ 極」のおいしさを引き継いだだけではなく、高級感あふれる見た目の美しさや煮汁が濁らない使いやすさなどが多方面から好評を博しております。エリンギ当社エリンギは、品質改善による安定供給を維持し、食感が良い茎部分を太く、カサを小さく栽培することで「より食べやすく、よりおいしい」エリンギを目指しております。太くしっかりしたエリンギは、調理時の切り方のバリエーションも増えるため、レシピ紹介等を通じ新たな食べ方提案を実施しております。ぶなしめじ当社ぶなしめじは、顧客ポートフォリオ(アイテム構成)を見直し、販売単価の向上を目指しております。また、包装形態の見直しを図り、トレーの材質や厚さを変更することでトレーの軽量化を図る等、生産コスト低減にも取り組んでおります。マッシュルーム当社マッシュルームは、ホワイトマッシュルームやブラウンマッシュルームを展開しており、他きのこと比べて用途に季節を問わず幅広い世代より好評をいただいております。本しめじ当社(注)本しめじは、高級料亭等だけでしかなかなか食べることのできなかった「幻のきのこ」とも呼ばれております。松茸同様に難しいとされていた栽培に成功し、「大黒本しめじ」と呼ばれる、見た目の美しさと旨味成分を兼ね備えた本しめじを生産しております。はたけしめじ当社(注)はたけしめじは、きのこ特有の苦味がなく、お子様にもおすすめのきのこであり、また、低カロリーで、食物繊維に加えビタミンやミネラルも含まれているヘルシー食材であります。現在、「大粒丹波しめじ」として、更なる認知度向上を図っております。海外事業SPROOMZ B.V.海外事業会社における主な事業はマッシュルームの製造販売であり、オランダ及び周辺国ではエキゾチック・マッシュルーム(日本で呼称されるマッシュルーム以外のきのこの総称)のトッププレーヤーの一角であります。当社と同様に幅広い直接販売ネットワークを活用し営業活動を行っております。その他当社当社グループでは、その他の事業として、健康食品の製造(外部委託)及び販売、茸代替肉製品の製造(外部委託)及び販売、培地活性剤の販売、並びに直売所の運営を行っております。(注) 当社は、2025年8月1日付で子会社である瑞穂農林株式会社の事業のすべてを譲り受けました。 [事業系統図] 当連結会計年度末現在における子会社を含めた事業の系統図は、次のとおりであります。 (注) 当社は、2025年8月1日付で子会社である瑞穂農林株式会社の事業のすべてを譲り受けました。 (当社グループの生産の特徴) 当社グループでは、独自に開発した工業生産手法により、きのこ(まいたけ、エリンギ、ぶなしめじ、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルーム)を生産しております。主なきのこの生産工程と各工程における当社グループの手法の特徴については、次のとおりであります。こうした独自の生産手法により、当社は安定した生産能力、収穫、そして品質を実現しております。 (1) 培地合成 オガ粉と栄養添加物を独自の割合で配合して栽培の土台となる培地を作成し、高温・高圧で殺菌いたします。当社グループでは、独自レシピで培地を配合し、農薬や化学肥料は一切使用しておりません。(2) 植菌 クリーンルーム管理(無菌状態に管理)した植菌室で培地に種菌を接種いたします。 まいたけの生産に関しては、2015年8月に従来菌に比べて環境変化への耐性が強い新菌を導入し、歩留まり向上と生産の安定化を実現しております。特に、この独自に開発した新菌から収穫されるまいたけ「極」は、後述の培養・育成過程での工夫等を通じて、弾力性が高く歯ごたえをもたらす「茎」の部分が大きく、食べ応えがあるとともに、旨みと風味のバランスが良い等の特徴を有しており、高品質なまいたけの生産の実現につながっております。加えて、植菌作業の自動化にも取り組んでおります。(3) 培養・育成 光、温度、湿度等の環境を制御した培養室、発生室の中で、それぞれ菌糸(菌類の栄養体を構成する糸状の細胞列)、子実体(菌類の菌糸が密に集合してできた胞子形成を行う、塊状のもの。大形のものが「きのこ」と呼ばれる。)の生長を促しております。 特にまいたけでは、広大な培養室及び発生室において、天然まいたけが繁殖する深山の気候を再現した独自のデータに基づく科学的な環境管理によって、光、温度、湿度等を適切に制御し、大量生産を実現しております。培養室及び発生室の広さはそれぞれ約1,350㎡であり、業界で最大の規模と考えております。また、当社のまいたけに関しては、培地を袋に入れて培養・育成を行う手法である袋栽培を採用し、生産工程の改善を続けてきたことにより、1株の大きさが約900グラムと大型化することに成功しており、これによって、後述の包装工程において、需給に応じた多様な容量の包装と商品展開を行うことが可能になっております。 なお、当社では、地熱利用の空調や廃棄物を熱源とするボイラー等を活用することにより、生産工程におけるユーティリティコストの低減も実現しております。(4) 収穫・包装 収穫時期を厳しくチェックし、厳格な社内基準に適合したきのこだけを収穫し、販売用に包装いたします。当社グループでは、FA化(ファクトリーオートメーション)を進めており、ぶなしめじ及びエリンギに関しては、収穫・包装を含むほとんどの工程において自動化を実現しております。また、まいたけについても、包装工程を中心に生産の自動化を推進しております。 また、当社グループのまいたけは、前述のとおり、袋栽培で1株の大きさが大きいため、1株販売、500グラムから50グラムまで自由な量目設定が可能であり、当社グループでは、市況や顧客ニーズに応じた柔軟なアイテム展開を行っております。その結果、価格相場に応じた柔軟なアイテム提案によりキログラム単価の最大化を可能にしております。 (まいたけの特徴) 2026年現在、国内の総人口減少や少子高齢化が加速し、あらゆる商品の需要減少や市場規模の縮小が予想されるため、様々な業界が警鐘を鳴らしており、国内食品業界全体の縮小は避けられない状況にあります。 しかしながら、当社の主力製品であるまいたけは、食物繊維やビタミン等の栄養素が摂取できる食材として、栄養成分の健康促進効果等もメディアで適宜紹介されており、健康意識の高いアクティブシニアからの支持が高いことから、少子高齢化の状況においても需要は相当程度高まっていくと見込んでおります。また当社のまいたけ製品ラインアップは、一人暮らしやシニア層に適した小容量製品からファミリー層向けの大容量製品に加え、調理の簡便性等、幅広いニーズの高まりに迅速に応じた柔軟な商品提案が可能であります。加えて、当社の白まいたけ「雪国まいたけ極 白」は、その見た目の美しさから、洋食メニューにおいて見栄えもよく、若年層の興味・関心を引き付ける効果的アイテムだと考えております。 当社では、創業来長年にわたって高品質・高生産性のきのこ製品の研究開発に取り組んでまいりました。特に、まいたけについては、その充実した栄養成分や健康促進効果等に関して、研究成果の学会発表を行っております。 当社の研究成果等によれば、まいたけには、食物繊維、α-グルカン、β-グルカン、ビタミンD、キチン等の栄養成分が含まれております。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 「極」ブランドのまいたけが高い評価を得ており、品質改善による安定供給を維持。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 まいたけの人工栽培成功、新・白まいたけの自社菌開発、独自の工業生産手法。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:食の安全に関する問題発生 / 自然災害による生産設備や物流機能の麻痺 / 減損会計による損失発生
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ユキグニファクトリーは水産・農林業であり、特定のブランド力や特許による無形資産の強さは限定的。独自の栽培技術や漁法があれば加点されるが、現時点では不明確。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客がユキグニファクトリーの製品に切り替える際のコストは低いと考えられる。ブランドロイヤリティや特別な供給契約などがなければ、スイッチングコストは小さい。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
水産・農林業は、ネットワーク効果が働きにくい事業である。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、利用者の増加が直接的な価値向上に繋がりにくい。
コスト優位★☆☆☆☆
規模の経済や独自の効率的な生産プロセスによるコスト優位性は、競合他社との比較で明確ではない。水産・農林業は一般的にコモディティ化しやすく、コスト競争力は重要だが、特筆すべき点はない。
規模の経済★★☆☆☆
売上高が500億円を超えており、一定の事業規模を有している。しかし、水産・農林業全体で見ると、さらに大きなプレイヤーも存在するため、圧倒的な規模の経済とは言えない。
- 独自の栽培技術と品質ユキグニファクトリーは、まいたけの人工栽培に成功した独自の技術を基盤としています。特に「雪国まいたけ 極」は、旨味成分が多く、強い歯ごたえと弾力性を持つと評価されており、高品質なきのこを安定的に生産できる点が強みです。農薬や化学肥料を一切使用しない独自の培地配合も、安全・安心な製品提供に貢献しています。
- 「極」ブランドの市場評価自社開発の「極」ブランドは、市場、小売業者、消費者から高い評価を得ています。特に「雪国まいたけ 極 白」は、美味しさに加え、見た目の美しさや調理時の使いやすさも好評です。このような強力なブランド力は、競合他社との差別化を可能にし、消費者の選択において優位性をもたらしています。
- 大規模な生産設備と効率化まいたけの培養室および発生室はそれぞれ約1,350㎡と業界最大規模であり、天然まいたけの生育環境を再現した科学的な環境管理により大量生産を実現しています。また、袋栽培による1株約900グラムの大型化は、多様な容量での包装を可能にし、需給に応じた柔軟な商品展開を可能にしています。ぶなしめじやエリンギでは、収穫・包装工程のFA化(ファクトリーオートメーション)を進め、生産コストの低減と効率化を図っています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「きのこのチカラ、ミライのセカイ」の実現ユキグニファクトリーは、「きのこのチカラ、ミライのセカイ」をパーパスとして掲げ、きのこの新たな可能性を結集し、世界の健康を創造する企業を目指しています。これは、単なるきのこ生産に留まらず、きのこが持つ健康価値を最大限に引き出し、持続可能な社会に貢献するという長期的なビジョンを示しています。
- 高収益事業基盤の再構築と海外展開中期経営計画では、「高収益を実現する収益基盤の再構築」と「海外新規拠点の統合と更なる事業展開」を基本方針としています。国内市場ではプレミアム事業を強化し、新たな事業創出を目指すとともに、全社的なビジネスプロセス・リエンジニアリング(BPR)によるコスト削減を推進します。海外では、オランダ企業の統合(PMI)を進め、北米、欧州、アジアでの販売拡大や追加買収の可能性も探り、グローバル企業としての成長を目指します。
- 定量目標と重点課題2028年3月期には売上収益420億円超、海外売上収益比率6~7%前後、コアEBITDAマージン18%前後、投下資本利益率(ROIC)10%前後を目標としています。これらの目標達成のため、国内でのプレミアム戦略強化、きのこ代替肉などの新規事業領域拡大、全社的な効率化によるコスト削減、そして海外事業の積極的な展開を重点課題としています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針<パーパス> キノコのチカラ、ミライのセカイ<コーポレートアイデンティティ> 雪国で磨いた技術や探求心をベースにきのこの新たな可能性を結集し、世界の健康を創造する企業<Mission> ・私たちは、世界の健康を創造します。 ・地域社会との調和を育みながら、すべてのステークホルダーとともに未来への価値を紡ぎ、持続可能な共生の世界を実現します。<Vision> ・高い独自性をもった技術をベースに、原価を下げ、バリューチェーンの環境負荷を軽減し、高い付加価値を見出します。 ・地域や事業領域のボーダーを越えて、ステークホルダーや社会の課題解決に臨みます。<Value> ・自然への敬意をもって、その恩恵に感謝します。 ・高い倫理観とチャレンジ精神をもって、社会課題と向き合います。 ・自然の恩恵であるキノコの無限の可能性を引き出し、私たちにしかできない、キノコを起点とした様々な価値を創造します。<Credo> ・個を磨き、オープンマインドに行動します。 ・プレミアムな活動で、周囲に感動を与えます。 ・人々と世界の健康に貢献します。 (2) 中長期的な経営戦略等 当社グループは、中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)を策定し、2023年12月19日付で公表しております。 〈中期経営計画の基本方針〉 これまで掲げてきた中長期ビジョンである「プレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長する」は変更せず、事業環境変化に対し適切に対応するため「高収益を実現する収益基盤の再構築」、「海外新規拠点の統合と更なる事業展開」を中期経営計画の更新方針として戦略の見直しを図りました。これにより、今回の中期経営計画においては以下の3つの基本方針のもと事業展開を行い、目標達成のため取り組んでまいります。A.国内きのこ市場:既存のプレミアム事業の強化と新たな事業創出・既成のプレミアムポジショニングを強化し他産地との差別化を進め、消費者の品質志向ニーズを着実に捉え、国内事業の更なる強化を図る・他産地にないプレミアムアイテムの販売を強化し、更に生きのこ事業以外の新規事業も本格的に着手するB. ビジネスプロセス: 聖域無き全プロセスの合理化・全社横断的なBPRによって事業プロセスの改善を行い、コスト削減を実現・新規投資による省人化と省エネの推進C. グローバル展開:新たに取得した海外企業のPMI(経営統合)と他のターゲットの探索・当社のノウハウを生かして、取得した海外企業の更なる業績拡大を目指す・国内の事業強化の進展や地政学的リスクを考慮し、追加買収の可能性を追求・オーガニック戦略は、アジアに加え欧米地域での自社製品販売も検討 〈定量目標(連結ベース)〉項目2028年3月期(計画)条件が整った場合のアップサイド計画 ※1売上収益420億円超600億円超海外売上収益比率6~7%前後30%前後コアEBITDAマージン ※218%前後18%前後投下資本利益率(ROIC)10%前後-※1 国内の事業強化進展状況や地政学的リスクを考慮し、前提条件が整えば、主に海外事業進展・拡大を目指す計画をアップサイド計画としております。※2 コアEBITDAマージン:コアEBITDA ÷ 売上収益コアEBITDA:IFRSの営業利益からIAS第41号「農業」適用による影響額、その他の収益及び費用、一時的な収益及び費用を除外したものに減価償却費及び償却費を加算したもの なお、各施策の詳細につきましては、2023年12月19日付にて公表いたしました「中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)説明資料」をご覧ください。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、安定的な増収・増益と企業価値向上を目指す観点から、当社グループの業績を評価するために有用な財務指標として、コア営業利益、コアEBITDA、コアEBITDAマージンを採用しております。 (4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く環境は、国内においては少子高齢化に伴う人口減少等により、食品市場全体は縮小傾向が続いております。加えて、国内労働人口の減少により、労働力確保の困難さが一層顕著となるなど、社会構造的な要因による課題を抱えております。また、材料費の高騰や物流費の上昇等の原価上昇要因は継続しており、企業活動に対する圧迫要因となっております。さらに、中東情勢の緊迫化や為替動向等の影響も重なり、先行き不透明な状況が続いております。 このような環境の中、当社グループは、中期経営計画に基づき、急激な事業環境の変化に的確に対応するとともに、国内での事業基盤を更に強化し、中長期はグローバル展開を推進することでプレミアムきのこ総合メーカーとして成長し続けることを目指して事業展開を図ってまいりました。本中期経営計画の詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な経営戦略等」に記載のとおりであり、以下の点を今後の事業展開における対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。 ① 高収益を実現する事業基盤の再構築 当社は、まいたけ、エリンギ・ぶなしめじにて長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルームにも活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤確立に努めております。食料品等の物価上昇が続き、消費者の節約志向の継続、選別消費の傾向から、当社は、プレミアム戦略を軸とした着実な成長を図る必要があります。ベース事業である国内きのこ市場については更なる高収益化に向けアイテム構成を見直しつつ、利便性を加えた新設計の商品も拡充し、顧客満足度と収益性の向上を両立いたします。また、プレミアムイメージに更に磨きをかけるべく、CM・デジタル・パッケージを連動した、高級感のある立体的なプロモーションを継続展開するなど他産地との差別化を図ってまいります。そのほか、当社がこれまで築き上げてきた当社独自の広範囲かつ強固な直接取引を引き続き活用してまいります。また、既存事業だけにとらわれることなく、さらにニッチ・プレミアム事業の拡大として国内生産のマッシュルーム等希少性の高いアイテムの拡充、加えて、きのこ原料を使用する代替肉と組み合わせた新規事業領域の拡大などを進めてまいります。これら戦略の確実な実行は、企業価値向上には必須であると考えております。 ② コスト削減のための企業活動全般にまたがる効率化の推進 原油価格の高騰や円安といった原価上昇要因の緩和が見通せない中、全社横断的なBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)によって、事業プロセスの改善を行い、コストの上昇を売上収益の上昇が上回る事業構造の構築を進めております。本取り組みは生産部門や営業部門といったセクショナリズムの中では最大限の効果を発揮することができないため、既存プロセスや慣例等にとらわれず、DXの活用も検討しつつ全社横断的に聖域なき全プロセスの合理化に取り組んでまいります。 ③ 海外新規拠点の統合と更なる事業展開 世界的な健康意識の高まりを受け、海外のきのこ生産量は安定成長が見込まれております。海外きのこ市場における生産・販売の自社基盤の構築及びきのこ栽培及び周辺領域での事業機会の獲得は、当社グループの持続的成長のため重要となります。オーガニック戦略としては北米、欧州、アジアをターゲットとし、国内で培った独自のチャネルモデルで販売開拓のスピードを加速しつつアライアンスも検討してまいります。インオーガニック戦略としては、2023年12月に株式を取得しましたオランダ企業に対し着実なPMIを継続的に実施し、国境を越えて優れた技術や製品を共有し、グループ全体の競争力を強化してまいります。そのほか、戦略展開に応じて追加買収の可能性も探索してまいります。 また、当社グループの持続的な成長と社会課題の解決に向けて取り組むべき重要なテーマ(マテリアリティ)として7つを特定し、それぞれに施策の方向性と目標を定め、取り組みを進めております。マテリアリティを含むサステナビリティ活動の詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針<パーパス> キノコのチカラ、ミライのセカイ<コーポレートアイデンティティ> 雪国で磨いた技術や探求心をベースにきのこの新たな可能性を結集し、世界の健康を創造する企業<Mission> ・私たちは、世界の健康を創造します。 ・地域社会との調和を育みながら、すべてのステークホルダーとともに未来への価値を紡ぎ、持続可能な共生の世界を実現します。<Vision> ・高い独自性をもった技術をベースに、原価を下げ、バリューチェーンの環境負荷を軽減し、高い付加価値を見出します。 ・地域や事業領域のボーダーを越えて、ステークホルダーや社会の課題解決に臨みます。<Value> ・自然への敬意をもって、その恩恵に感謝します。 ・高い倫理観とチャレンジ精神をもって、社会課題と向き合います。 ・自然の恩恵であるキノコの無限の可能性を引き出し、私たちにしかできない、キノコを起点とした様々な価値を創造します。<Credo> ・個を磨き、オープンマインドに行動します。 ・プレミアムな活動で、周囲に感動を与えます。 ・人々と世界の健康に貢献します。 (2) 中長期的な経営戦略等 当社グループは、中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)を策定し、2023年12月19日付で公表しております。 〈中期経営計画の基本方針〉 これまで掲げてきた中長期ビジョンである「プレミアムきのこ総合メーカーとしてグローバルに展開し成長する」は変更せず、事業環境変化に対し適切に対応するため「高収益を実現する収益基盤の再構築」、「海外新規拠点の統合と更なる事業展開」を中期経営計画の更新方針として戦略の見直しを図りました。これにより、今回の中期経営計画においては以下の3つの基本方針のもと事業展開を行い、目標達成のため取り組んでまいります。A.国内きのこ市場:既存のプレミアム事業の強化と新たな事業創出・既成のプレミアムポジショニングを強化し他産地との差別化を進め、消費者の品質志向ニーズを着実に捉え、国内事業の更なる強化を図る・他産地にないプレミアムアイテムの販売を強化し、更に生きのこ事業以外の新規事業も本格的に着手するB. ビジネスプロセス: 聖域無き全プロセスの合理化・全社横断的なBPRによって事業プロセスの改善を行い、コスト削減を実現・新規投資による省人化と省エネの推進C. グローバル展開:新たに取得した海外企業のPMI(経営統合)と他のターゲットの探索・当社のノウハウを生かして、取得した海外企業の更なる業績拡大を目指す・国内の事業強化の進展や地政学的リスクを考慮し、追加買収の可能性を追求・オーガニック戦略は、アジアに加え欧米地域での自社製品販売も検討 〈定量目標(連結ベース)〉項目2028年3月期(計画)条件が整った場合のアップサイド計画 ※1売上収益420億円超600億円超海外売上収益比率6~7%前後30%前後コアEBITDAマージン ※218%前後18%前後投下資本利益率(ROIC)10%前後-※1 国内の事業強化進展状況や地政学的リスクを考慮し、前提条件が整えば、主に海外事業進展・拡大を目指す計画をアップサイド計画としております。※2 コアEBITDAマージン:コアEBITDA ÷ 売上収益コアEBITDA:IFRSの営業利益からIAS第41号「農業」適用による影響額、その他の収益及び費用、一時的な収益及び費用を除外したものに減価償却費及び償却費を加算したもの なお、各施策の詳細につきましては、2023年12月19日付にて公表いたしました「中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)説明資料」をご覧ください。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、安定的な増収・増益と企業価値向上を目指す観点から、当社グループの業績を評価するために有用な財務指標として、コア営業利益、コアEBITDA、コアEBITDAマージンを採用しております。 (4) 経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題 当社グループを取り巻く環境は、国内においては少子高齢化に伴う人口減少等により、食品市場全体は縮小傾向が続いております。加えて、国内労働人口の減少により、労働力確保の困難さが一層顕著となるなど、社会構造的な要因による課題を抱えております。また、材料費の高騰や物流費の上昇等の原価上昇要因は継続しており、企業活動に対する圧迫要因となっております。さらに、中東情勢の緊迫化や為替動向等の影響も重なり、先行き不透明な状況が続いております。 このような環境の中、当社グループは、中期経営計画に基づき、急激な事業環境の変化に的確に対応するとともに、国内での事業基盤を更に強化し、中長期はグローバル展開を推進することでプレミアムきのこ総合メーカーとして成長し続けることを目指して事業展開を図ってまいりました。本中期経営計画の詳細は「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な経営戦略等」に記載のとおりであり、以下の点を今後の事業展開における対処すべき課題と認識し、解決に向けて重点的に取り組んでまいります。 ① 高収益を実現する事業基盤の再構築 当社は、まいたけ、エリンギ・ぶなしめじにて長年培ってきた当社の生産技術・ノウハウ、販売力を、本しめじ、はたけしめじ、マッシュルームにも活かし、プレミアムきのこ総合メーカーとしての基盤確立に努めております。食料品等の物価上昇が続き、消費者の節約志向の継続、選別消費の傾向から、当社は、プレミアム戦略を軸とした着実な成長を図る必要があります。ベース事業である国内きのこ市場については更なる高収益化に向けアイテム構成を見直しつつ、利便性を加えた新設計の商品も拡充し、顧客満足度と収益性の向上を両立いたします。また、プレミアムイメージに更に磨きをかけるべく、CM・デジタル・パッケージを連動した、高級感のある立体的なプロモーションを継続展開するなど他産地との差別化を図ってまいります。そのほか、当社がこれまで築き上げてきた当社独自の広範囲かつ強固な直接取引を引き続き活用してまいります。また、既存事業だけにとらわれることなく、さらにニッチ・プレミアム事業の拡大として国内生産のマッシュルーム等希少性の高いアイテムの拡充、加えて、きのこ原料を使用する代替肉と組み合わせた新規事業領域の拡大などを進めてまいります。これら戦略の確実な実行は、企業価値向上には必須であると考えております。 ② コスト削減のための企業活動全般にまたがる効率化の推進 原油価格の高騰や円安といった原価上昇要因の緩和が見通せない中、全社横断的なBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)によって、事業プロセスの改善を行い、コストの上昇を売上収益の上昇が上回る事業構造の構築を進めております。本取り組みは生産部門や営業部門といったセクショナリズムの中では最大限の効果を発揮することができないため、既存プロセスや慣例等にとらわれず、DXの活用も検討しつつ全社横断的に聖域なき全プロセスの合理化に取り組んでまいります。 ③ 海外新規拠点の統合と更なる事業展開 世界的な健康意識の高まりを受け、海外のきのこ生産量は安定成長が見込まれております。海外きのこ市場における生産・販売の自社基盤の構築及びきのこ栽培及び周辺領域での事業機会の獲得は、当社グループの持続的成長のため重要となります。オーガニック戦略としては北米、欧州、アジアをターゲットとし、国内で培った独自のチャネルモデルで販売開拓のスピードを加速しつつアライアンスも検討してまいります。インオーガニック戦略としては、2023年12月に株式を取得しましたオランダ企業に対し着実なPMIを継続的に実施し、国境を越えて優れた技術や製品を共有し、グループ全体の競争力を強化してまいります。そのほか、戦略展開に応じて追加買収の可能性も探索してまいります。 また、当社グループの持続的な成長と社会課題の解決に向けて取り組むべき重要なテーマ(マテリアリティ)として7つを特定し、それぞれに施策の方向性と目標を定め、取り組みを進めております。マテリアリティを含むサステナビリティ活動の詳細は「2 サステナビリティに関する考え方及び取組」に記載のとおりであります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度における国内経済は、雇用・所得環境の改善が続いた一方で、物価上昇の長期化や為替変動の影響を受け、家計への負担が継続いたしました。また、地政学リスクの長期化に加え、中東情勢の緊迫化や米国の通商政策の動向、金融資本市場の変動等により、経済の先行きにつきましては引き続き不透明な状況が続いております。 このような経済環境の中、当社グループでは、中長期的な成長の確保及び事業基盤の強化が一層重要になると認識しております。その一環として、当社グループは、2025年11月1日付で組織体制を変更いたしました。本組織改編は、2023年12月に公表した中期経営計画に基づき、中長期的な成長に向けた研究開発機能の強化を目的としております。具体的には、これまでの「研究開発室」を「研究開発本部」へ拡大し、他本部と同列に位置づけることで、経営資源の配分の最適化及び全社的な連携強化を進めております。併せて、既存キノコの研究開発を深化させる「キノコ研究所」と、機能性素材や新技術の研究開発を担う「ミライ研究所」を新設し、研究領域の専門性向上と研究開発体制の充実を図っております。 当社グループは、引き続き、キノコを軸とした研究開発を着実に推進することで、新技術・新製品の創出を進め、付加価値の向上を図り、持続的な成長の実現に取り組んでまいります。 当連結会計年度におきましては、市場動向に即した供給・販売体制の最適化を進めるとともに、消費者ニーズに合わせた新商品の投入により販売機会を拡大し、前連結会計年度に対し増収増益となりました。 以上の結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、次のとおりとなりました。 a.財政状態 当連結会計年度末(2026年3月31日時点)の資産合計は、37,686百万円(前連結会計年度末に比べ182百万円減)となりました。流動資産は、11,688百万円(同187百万円増)となりました。これは主に、棚卸資産が354百万円減少した一方、営業債権及びその他の債権が189百万円、生物資産が158百万円、その他の資産が126百万円増加したこと等によるものであります。非流動資産は、25,997百万円(同369百万円減)となりました。これは主に、繰延税金資産が190百万円、退職給付に係る資産が148百万円減少したこと等によるものであります。 当連結会計年度末の負債合計は、22,916百万円(同2,426百万円減)となりました。流動負債は、11,467百万円(同1,965百万円増)となりました。これは主に、未払法人所得税が489百万円、従業員給付に係る負債が256百万円、営業債務及びその他の債務が159百万円それぞれ減少した一方、1年内返済予定の長期借入金が3,000百万円増加したこと等によるものであります。非流動負債は、11,448百万円(同4,392百万円減)となりました。これは主に、約定返済の実施に加え、長期借入金の一部を1年以内返済予定に振り替えたことにより借入金が4,422百万円減少したこと等によるものであります。 当連結会計年度末の資本合計は、14,770百万円(同2,244百万円増)となりました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益2,958百万円の計上及び剰余金の配当638百万円の支払いを実施したことにより利益剰余金が2,212百万円増加したこと等によるものであります。 b.経営成績 当連結会計年度の収益は53,449百万円(前連結会計年度比0.6%増)、このうち、売上収益は37,845百万円(同2.0%増)となりました。社名変更に伴うパッケージ刷新に加え、新商品の拡充により消費者ニーズを捉えた提案活動を強化し、店頭シェアの向上に努めました。また、季節提案等による需要喚起も進めた結果、茸事業の売上収益は37,471百万円(同1.9%増)となりました。また、原材料価格高騰や円安等が原価押し上げ要因となった一方、公正価値変動による利得が減少し、売上原価は39,357百万円(同0.3%減)、売上総利益は14,092百万円(同3.2%増)となりました。販売費及び一般管理費は、運賃、販売手数料などが増加し、9,757百万円(同2.2%増)となりました。 また、当社が業績を評価する上で有用な指標であるとしているコア営業利益は4,139百万円(同7.3%増)、コアEBITDAは6,422百万円(同3.7%増)と、いずれも前連結会計年度を上回る結果となりました。(「コア営業利益」等の定義については、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (参考情報)」を参照ください。) なお、当社では、IFRS農業会計(IAS第41号)の適用に伴い、きのこ製品で構成される生物資産を売却費用控除後の公正価値で測定しており、当該公正価値の変動による利益又は損失が、連結損益計算書の「公正価値変動による利得」に含まれております。当連結会計年度においては、IAS第41号「農業」の適用に関する公正価値変動による利得が、収益に15,604百万円、売上原価に15,532百万円、それぞれ含まれております。 当連結会計年度における事業セグメント別の売上収益の状況は、次のとおりであります。 〔茸事業〕(ⅰ) まいたけ 社名変更に伴い商品パッケージを一新するとともに、当社の強みである豊富な製品ラインアップに、大株を大ぶりにカットした利便性の高い製品や、お得感を加えた新設計製品等の更なる拡充を図り、消費者の皆様のニーズを着実に捉えた幅広い商品提案や販促企画提案に努め、店頭シェアの拡大及びプレミアムブランド戦略の強化に取り組んでおります。また、季節行事に応じた売り場展開や調理メニュー提案等により、更なる需要拡大を推進しております。前年同期に比べ販売単価は下回りましたが、販売量は上回りました。この結果、まいたけ事業の売上収益は、20,264百万円(前年同期比1.0%増)となりました。 (ⅱ) エリンギ 定番製品は小型パックから大型パックまで各種量目を取り揃え、また、利便性の高いカットエリンギ製品や量り売り製品等、多様なお客様ニーズに応じた商品開発に取り組み、需要拡大を図っております。前年同期に比べ販売量、販売単価はいずれも上回りました。この結果、エリンギ事業の売上収益は、3,973百万円(同3.9%増)となりました。 (ⅲ) ぶなしめじ 1株製品を中心に販売施策を組み立て、安定した価格運営を推進するとともに、青果市況と市場の動向を注視し、需給バランスに応じて量目の異なる2株製品を活用する等、柔軟な製品投入に取り組んでおります。前年同期に比べ販売量、販売単価はいずれも上回りました。この結果、ぶなしめじ事業の売上収益は、7,948百万円(同5.1%増)となりました。 (ⅳ) その他の茸 マッシュルームは、引き続き生産状況の安定化に注力するとともに、販促企画の実施による販売強化及び新たな需要創造に取り組んでおりますが、前年同期に比べ売上は低調に推移いたしました。また、はたけしめじ及び本しめじの売上も前年同期に比べ低調に推移いたしましたが、当社海外グループ会社で扱うエキゾチック・マッシュルームの売上は好調に推移いたしました。この結果、その他の茸事業の売上収益は、5,284百万円(同1.0%減)となりました。 〔その他〕 その他の売上収益は、主に健康食品及び培地活性剤、また、2025年2月に販売を開始いたしました新規事業製品「キノコのお肉」シリーズの販売によるものであります。当連結会計年度においては、健康食品及び培地活性剤の売上はいずれも好調に推移いたしました。また「キノコのお肉」シリーズは、積極的な販促施策の実施により製品の認知度向上に努め、販売強化に取り組んでおります。この結果、その他の売上収益は、373百万円(同15.9%増)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ65百万円増加し、3,968百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (ⅰ) 営業活動によるキャッシュ・フロー 営業活動の結果獲得した資金は、4,534百万円(前期は5,519百万円の獲得)となりました。これは主に、税引前利益4,195百万円や減価償却費及び償却費2,292百万円、棚卸資産の減少額361百万円等の計上があった一方、法人所得税の支払い1,519百万円、営業債務及びその他の債務の減少額355百万円、従業員給付に係る負債の減少額256百万円があったこと等によるものであります。 (ⅱ) 投資活動によるキャッシュ・フロー 投資活動の結果使用した資金は、2,085百万円(前期は2,252百万円の使用)となりました。これは主に、生産設備の増強・更新等に伴う有形固定資産の取得による支出2,095百万円があったこと等によるものであります。 (ⅲ) 財務活動によるキャッシュ・フロー 財務活動の結果使用した資金は、2,406百万円(前期は2,159百万円の使用)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出1,431百万円や配当金の支払額638百万円、リース負債の返済による支出234百万円があったこと等によるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)茸事業46,070△0.8その他--合計46,070△0.8(注) 1.生産実績は、販売価格にて算定しております。2.上記生産実績は国内における茸事業を算定しております。3.その他セグメントは生産活動によらない事業を含むため記載を省略しております。 b.受注実績 当社グループは主に見込み生産を行っており、当連結会計年度における受注実績の重要性が乏しいため記載を省略しております。 c.販売実績 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円)セグメントの名称当連結会計年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)前年同期比(%)茸事業まいたけ20,2641.0エリンギ3,9733.9ぶなしめじ7,9485.1その他の茸5,284△1.0その他37315.9合計37,8452.0(注) 1.茸事業のその他の茸には、マッシュルーム、本しめじ、はたけしめじ、海外事業等の売上収益が含まれております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績については、連結売上収益10%以上に該当する販売先がないため、その記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容① 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(ⅰ) 資産 資産につきましては、当連結会計年度末37,686百万円となり、前連結会計年度末に比べ182百万円減少いたしました。これは主に、営業債権及びその他の債権や生物資産、その他の資産が増加したこと等により、流動資産が187百万円増加した一方、繰延税金資産や退職給付に係る資産が減少したこと等により、非流動資産が369百万円減少したこと等によるものであります。 (ⅱ) 負債 負債につきましては、当連結会計年度末22,916百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,426百万円減少いたしました。これは主に、1年内返済予定の長期借入金が増加したこと等により、流動負債が1,965百万円増加した一方、約定返済の実施に加え、長期借入金の一部を1年以内返済予定に振り替えたことにより借入金が減少し、非流動負債が4,392百万円減少したこと等によるものであります。また、結果として当連結会計年度末時点のレバレッジ・レシオ(連結総有利子負債/直前12カ月のコアEBITDA)は2.4倍となっております。 (ⅲ) 資本 資本につきましては、当連結会計年度末14,770百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,244百万円増加いたしました。これは主に、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上及び剰余金の配当の支払いを実施したことにより利益剰余金が2,212百万円増加したこと等によるものであります。 経営成績の分析につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」を参照ください。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に関する情報 キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、前記「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」を参照ください。 資本の財源及び資金の流動性に関する情報につきましては、当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。当社グループの主な資金の源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金となります。 設備投資等の長期資金需要は、自己資金又は金融機関からの長期借入金等により賄い、運転資金等の短期資金需要は、主に自己資金にて賄っており、必要に応じて金融機関からの短期借入金にて調達しております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、IFRSに基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりましては、決算日における財政状態、報告期間における経営成績及びキャッシュ・フローの状況に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社グループは、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しております。なお、重要な会計上の見積りとした項目は「生物資産の測定」、「非金融資産の減損」及び「確定給付債務の測定」であり、見積りの詳細及び当該見積りに用いた仮定は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 2.作成の基礎 (4) 見積り及び判断の利用」及び「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針」に記載のとおりであります。 これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果はこれらと異なる場合があります。 (参考情報) 当社グループは、経営成績の推移を把握するために、以下の算式により算定されたコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンを、重要な経営指標として位置づけております。 コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、次のとおりであります。 なお、中期経営計画における定量目標については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)中長期的な経営戦略等」に記載しております。(単位:百万円)回次国際会計基準第8期第9期決算年月2025年3月2026年3月売上収益37,10237,845営業利益2,4194,319(調整額) - IAS第41号「農業」適用による影響額 (注) 4△242△195- その他の収益及び費用 (注) 51,68116- 一時的な収益及び費用 (注) 6--調整額小計1,438△179コア営業利益 (注) 1、73,8584,139(調整額)+ 減価償却費及び償却費2,3372,282コアEBITDA (注) 2、76,1966,422コアEBITDAマージン(%) (注) 3、716.717.0 (注) 1.コア営業利益=営業利益 - IAS第41号「農業」適用による影響額 - その他の収益及び費用 - 一時的な収益及び費用2.コアEBITDA=コア営業利益 + 減価償却費及び償却費3.コアEBITDAマージン=コアEBITDA ÷ 売上収益4.IAS第41号「農業」適用による影響額とは、IAS第41号「農業」を適用し、きのこの生産工程である仕込みから収穫時までのきのこを生物資産として、売却費用控除後の公正価値で測定するものであり、当該公正価値の変動による利得及び損失を影響額としております。5.その他の収益及び費用とは、主に減損損失、固定資産除却損等となります。6.一時的な収益及び費用とは、通常の営業活動では発生しない一過性の収益及び費用となります。2025年3月期及び2026年3月期においては、一時的な収益及び費用の発生はありません。7.コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは国際会計基準により規定された指標ではなく、投資家が当社グループの業績を評価する上で、当社グループが有用であると考える財務指標であります。当該財務指標は、非経常的損益項目及び競合他社に対する当社グループの業績を適切に示さない項目の影響を除外しております。なお、コア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、国際会計基準に準拠して表示された他の指標の代替的指標として考慮されるべきではありません。当社グループにおけるコア営業利益、コアEBITDA及びコアEBITDAマージンは、同業他社の同指標あるいは類似の指標とは算定方法が異なるために、他社における指標とは比較可能でない場合があり、その結果、有用性が低下する可能性があります。
事業リスク
- 食の安全に関するリスク食品会社として最も重要な「安全・安心」を確保するため、重金属検査、農薬検査、放射能検査、衛生検査など高度な検査体制を構築しています。しかし、偶発的な異物混入や誤表示、社会全体にわたる重大な品質問題などが発生した場合、消費者の健康被害や信用失墜につながり、業績や財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。
- 自然災害による事業中断リスク国内に20拠点、海外に1拠点の生産・営業拠点を有しており、地震や風水害などの大規模な自然災害が発生した場合、生産設備の破損や物流機能の麻痺により、事業活動が停止する可能性があります。これにより、製品供給に支障が生じ、売上減少や復旧費用発生など、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
- 財務に関するリスク多額ののれん(2025年3月末時点で5,431百万円)や借入金(有利子負債比率137%)を計上しており、事業収益性の低下や金利変動は財務状況に影響を与えます。特に、のれんはIFRS上非償却性資産ですが、事業収益性が低下した場合には減損損失が発生し、財政状態を悪化させる可能性があります。また、借入金の一部に付されている財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し、ただちに債務返済が必要となるリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、当社グループの経営及び事業に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、次のとおりであります。 当社グループでは、リスクマップを用いたリスクアセスメントを行い、事業等のリスクを特定しております。特定された事業等のリスクは、それぞれ主管部署ごとにリスク管理方針を策定し、当該リスクの防止及び低減等の施策を設定し、運用しております。なお、各施策の進捗状況については、リスク管理委員会に対し報告がなされ、確認を実施しております。 しかしながら、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの信用、財政状態及び経営成績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 また、以下の内容は、当社グループに係るすべてのリスクを網羅したものではありません。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 食の安全 当社グループでは、製品の安全性を保証するため、「重金属検査」「農薬検査」「放射能検査」「衛生検査」を実施する等高度な検査体制を構築し、食品会社の存立基盤となる「安全・安心」を確保するために、万全の体制で臨んでおります。また、内部監査等を通じて食品安全マネジメントシステムの課題を抽出し、改善を図るとともに、消費者等からクレームが生じた場合には、品質保証室を中心に是正のフォローアップ及び水平展開を図ることにより、再発防止に努めております。 また、外部製造委託先に対しては技術指導を実施し、計画的な監査を行うとともに出荷判定を適正に実施しております。 しかしながら、当社グループにおいても、偶発的な事由によるものを含めて、異物混入や誤表示等、消費者に健康被害を及ぼす製品事故が発生するほか、社会全般にわたる重大な品質問題等、当社グループの取り組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 自然災害 当社グループは、国内の複数地域に合計21拠点(本社2ヶ所、営業拠点8ヶ所、生産拠点・研究開発センター11ヶ所)を有し、海外ではオランダに生産拠点1ヶ所を有しております。地震や風水害等の大規模な自然災害が発生し、生産設備の破損、物流機能の麻痺等、当社グループの危機管理対策の想定範囲を超えた被害が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当連結会計年度においては、前年度に策定したまいたけの生産拠点における大規模な地震を想定した初動対応マニュアルに引き続き、復旧までのプロセスを纏めたマニュアルを整備いたしました。また、大規模な自然災害等が生じた場合に従業員の安否情報を適時適切に把握するための、安否確認システムにより、発災を想定した訓練を実施いたしました。 (3) 財務に関するリスク① 減損会計について 当社グループは、多額ののれんを計上しているとともに、事業用資産としての様々な有形・無形の固定資産を所有しております。 当社グループののれんは、旧商号BCJ-22が旧雪国まいたけ②を2015年4月に子会社化、YUKIGUNI FACTORY NETHERLANDS B.V.(旧商号:Yukiguni Maitake Netherlands Holdings B.V.)がSPROOMZ B.V.(旧商号:Oakfield Champignons B.V.)及びYUKIGUNI FACTORY NETHERLANDS REAL ESTATE B.V.(旧商号:Oakfield Onroerend Goed B.V.)を子会社化した際に発生し、2026年3月末時点ののれんの金額は5,469百万円で、資産合計額に占める割合14.5%となっております。 当社グループの連結財務諸表はIFRSを採用しておりますので、のれんは非償却性資産であり毎期の定期的な償却は発生いたしませんが、今後、これらの資産に係る事業収益性が低下した場合等には減損損失が発生し、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。のれんの減損に係るリスクを低減するため、事業の収益力強化に努めております。 なお、のれんは、個別財務諸表上においては20年の償却期間で償却されており、2026年3月31日現在の残高は、16,627百万円となっております。 ② 多額の借入金及び金利の変動について 当社グループは、金融機関を貸付人とする借入契約を締結し多額の借入れを行っており、2026年3月末における有利子負債比率((借入金+1年内返済予定の長期借入金+リース負債)÷資本合計)は107%であります。当社グループでは、金利上昇によるリスクを軽減するため、固定金利による金銭消費貸借契約を締結しております。 なお、当社グループの借入金の一部には財務制限条項が付されており、これに抵触する場合、貸付人の請求があれば当該契約上の期限の利益を失うため、ただちに債務の返済をするための資金の確保が必要となります。 財務制限条項の主な内容は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 17.借入金」に記載しております。 (4) 人材の確保について① 次世代を担う優秀な人材の獲得 当社グループは、今後更なる業容拡大を図る上で、優秀な人材の確保と育成が重要課題であると認識しており、採用計画に基づいた新卒採用並びに中途採用に係る運用を徹底するとともに、階層別研修や通信研修等を通じて従業員の育成を図っております。 また、定期的な従業員アンケートを実施し、ケアが必要と判断した従業員に対しては面談等のフォローを行っております。 昨今の労働力の減少による人材確保競争の激化、物価の高騰を背景に強まる賃上げ圧力の増大等に起因した労務費コストの増加、社内人材の育成の遅れによる外部への流出、及び採用自体が困難になった場合は、当社グループの事業活動に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ② 生産現場における人手不足 当社グループは、今後も持続的な生産活動を続けるために、効率性の高い生産活動への改善と不足している労働力をパート・アルバイト労働者、外国人材の活用で補うことが不可欠であると認識しております。 当社は多くの外国人技能実習生を雇用しており、今後の技能実習制度の廃止や新たな制度への移行の検討が進められている中、今後の動向を注視し、適切な人材の確保に努めてまいります。 ③ 労働安全の確保 当社グループは、全社の統括管理・調整機関として中央安全衛生委員会を設置し、労働災害の防止及び従業員の安全と健康の保持増進のため、労働安全衛生関係法令に基づく体制の整備・強化を進めております。併せて、労働時間管理を徹底し、長時間労働の抑制に取り組むなど、事故や健康障害の予防を図っております。 また、労働災害未然防止のため定常業務及び非定常業務に関するリスクアセスメントを実施しており、優先順位に応じたリスク低減対策を立案し実行しております。 従業員の安全確保にあたっては、業務上の負傷や交通事故等への対応に加え、疾病やメンタルヘルス等の健康課題への取り組みも重要と認識しております。万一重大な労働災害等が発生した場合、人材の損失に加え、補償等の費用負担や風評被害が生じ、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 人権侵害 当社グループは、「ビジネスと人権」に関する国際的な指導原則等を踏まえ、すべての従業員が尊厳をもって働くことのできる職場環境の整備を事業運営上の重要な課題の一つとして認識しております。 当社グループでは、生産現場を中心に多様な人材が働いており、外国人材を含む従業員間において、ハラスメント、不当な差別、暴力行為等の人権侵害が発生する可能性があります。 また、制度理解の不足や文化的背景の違い等が、かかるリスクを高める要因となる場合があります。このため当社グループでは、従業員に対する人権及びコンプライアンス教育の実施、適切な指導体制の構築、人権侵害の早期発見・是正を目的とした各種取り組みを推進しております。 しかしながら、これらの取り組みにもかかわらず、万一重大な人権侵害が発生した場合には、当社グループの社会的信用やブランド価値の毀損、並びに財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 低酸素経済への移行リスク 地球温暖化に伴う世界規模での気候変動は、集中豪雨や台風の増加、洪水や土砂崩れによる被害の甚大化や、酷暑や暖冬によって様々な被害が引き起こされる可能性があります。当社グループにおいては、原油価格の高騰等に起因する原材料価格等のコスト増加や、消費者志向の変化に伴う販売動向への影響などにより、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 これらの課題に対し当社は、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言への賛同を表明するとともに、サステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティ方針の策定や温室効果ガス(以下「GHG」という。)サプライチェーン排出量の削減に向けた取り組みや、気候変動に関する事業や財務への影響について議論を進め、想定されるリスク及び機会を整理し、シナリオ分析と財務インパクト評価を実施するなど、環境にも配慮した事業経営を行っております。今後は、2050年度までに当社グループのGHG排出量ネット・ゼロを目指し、再生可能エネルギーの導入検討やプラスチック使用量の低減、森林整備・保全活動等の取り組みを引き続き実施し、持続可能な社会の実現に向けて取り組んでまいります。 当会計事業年度においては、主要生産拠点を中心に、電力契約の見直しを行い、再生可能エネルギー由来電力への切り替えを実施いたしました。 本切り替えは、当社グループにおけるGHG排出量削減施策の一環として位置づけており、エネルギー調達面における中長期的な環境負荷低減に向けた具体的な取り組みの一つと認識しております。 今後も、再生可能エネルギーの活用拡大やエネルギー効率の向上を含め、気候変動への対応を継続的に進めることで、中長期的な事業リスクの抑制と持続的な企業価値の向上を目指してまいります。 当社グループでは、GHG排出量の正確な算定と効率化を目的として、GHG排出量算定システムを導入し、運用しております。 (7) 競争優位性低下リスク外部環境変化 当社グループは、きのこの製造・販売を主要事業としているため、少子高齢化による国内人口減少等による国内食品市場全体の縮小や消費動向を左右する国内景気動向は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、きのこ生産に使用する原材料は国内外から調達するため、日本及び関係諸国の政治経済状況の影響を受けることとなり、ロシア・ウクライナや中東情勢、米国や中国等の影響による世界的な景気後退に伴う経済環境の変化も、当社グループの財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、これら外的環境の変化に対し、中期経営計画を通じ、海外展開やBPRの推進を実施しております。 他社との競合当社グループは、主力製品であるきのこ類の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や市場シェア拡大を図っております。しかしながら、消費者のニーズの変化や業界のコスト構造の変化等により、当社グループが属する市場の規模が想定したほど拡大しない、当社グループの市場シェアが低下する、他社の増産等業界競争の激化に伴う価格下落圧力が生じる場合等は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 気候、天候条件による需要動向当社グループの主要製品であるきのこの需要には、季節変動(9月~12月が最需要期、1月~3月が需要期、4月~8月が非需要期)があります。この季節変動に加え、きのこの需要は、一般野菜市場の影響を受けることから、一般野菜の需給に大きく影響を及ぼす気候・天候条件を起因とした影響を受けることがあります。野菜市況が長期にわたって低価格で推移する等、その影響が大きい場合は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの主要製品であるきのこの季節性より、春から夏にかけては需要が低調に推移することから単価は下がり、秋から冬にかけては需要が拡大することから単価も上昇するという傾向にあります。したがって、通常の市場動向であれば、当社グループの売上収益は、需要が拡大する第3四半期から第4四半期にかけて増加する傾向があります。そのため、特定の四半期業績のみによって通期の業績見通しを判断することは困難であります。また、当社グループでは、気候・天候条件の影響を受けにくい収益構造の構築を目的として、キノコのお肉等の付加価値製品の開発・製造・販売に取り組んでおり、収益源の多様化を進めております。 なお、2026年3月期の当社グループの四半期業績の推移は、次のとおりであります。(単位:百万円)(会計期間)2026年3月期第1四半期2026年3月期第2四半期2026年3月期第3四半期2026年3月期第4四半期売上収益7,2847,67512,50310,382営業利益△7191,1503,8779 主要製品への依存 当社グループの主要製品はまいたけ、エリンギ、ぶなしめじで、売上収益の約半数をまいたけが占めております。当社グループでは、これら製品の緊密な生販連携に加え、生産技術の革新、機能性研究の推進によりマーケット需要の創造や当社の市場シェア拡大を図っておりますが、これら製品、特にまいたけの需要が大幅に縮小した場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 情報セキュリティについて 当社グループでは、受注・生産・出荷等の基幹業務を含め、事業運営の中核を情報システムに依存しております。このため、サイバー攻撃、不正アクセス、ランサムウェア感染等により基幹システムの停止やデータ毀損が発生した場合、受注処理や出荷業務の停滞、サプライチェーンへの影響、さらには顧客情報の漏洩等による社会的信用の毀損を通じて、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 当該リスクに対し、当社グループでは、情報セキュリティ管理体制を構築し、基幹システムのデータバックアップの多重化、エンドポイントセキュリティ(EDR)の導入、外部からの不正アクセスに対する24時間監視体制の整備、並びに脆弱性診断の実施等の対策を講じております。また、従業員に対するセキュリティ教育も定期的に実施し、人的リスクの低減にも努めております。 (9) 法的規制等の遵守について 当社グループは、事業活動に伴い、環境関連法令や条例等の各種法的規制の適用を受けており、これらの遵守を重要な経営課題の一つとして認識しております。特に、生産活動においては、原材料の取り扱いや排水、臭気等が周辺環境へ影響を及ぼす可能性があり、適切な管理が求められます。 当社グループでは、関係法令の遵守はもとより、設備の維持管理や運用方法の見直し、環境負荷低減に向けた対策の検討・実施などを通じて、周辺環境への影響の抑制に努めております。また、必要に応じて行政機関や地域関係者との対話を行い、相互理解を図りながら事業運営を行っております。 しかしながら、環境規制の強化や社会的要請の高まり、地域住民からの環境に関する懸念の表明等が生じた場合には、追加的な対策や設備投資が必要となる可能性があり、対応の内容や状況によっては、当社グループの事業活動の制約やレピュテーションの低下を通じて、財政状態や経営成績に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 親会社との関係① 資本関係、人的関係等 当社は、株式会社神明ホールディングスから出資を受け入れております。当連結会計年度末現在において、株式会社神明ホールディングスは当社発行済株式総数の50.05%を保有しており、当社は株式会社神明ホールディングスの連結子会社であります。また、当社の取締役である藤尾益雄を株式会社神明ホールディングスから招聘しております。また、当社は、株式会社神明ホールディングスのグループ会社に対して当社製品の販売を行っております。 ② 株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理 株式会社神明ホールディングスのグループ経営管理に関して、当社が同社の事前承認を必要とする事項はありません。 また、同社から当社に対する役職員の派遣や各種取引に関しては、少数株主保護の観点で問題がなく、かつ、必然性及び経済合理性が認められる範囲において、各社の経営判断のもとに実施されております。当社の側でも、同社のグループ経営管理に関して、当社の経営の独立性が阻害されることがないよう、東京証券取引所に独立役員として届け出た社外取締役(以下「独立社外取締役」という。)を確保するとともに、独立社外取締役が過半数を占める任意の指名・報酬委員会を設置する等の措置を講じております。 また、当社では、少数株主保護の観点よりコーポレートガバナンス・コードに準じ、独立社外取締役にて構成される特別委員会を設置しております。当事業年度におきましては、少数株主の権利保護及びガバナンス強化のため、支配株主である同社に加え、同社グループ企業との重要な取引・行為について、特別委員会での審議・検討及び継続取引について妥当性確認を実施し、取締役会に対し答申を行っております。なお、取締役会は、同社及び同社グループとの各種取引について、特別委員会からの答申を確認するとともに、「関連当事者取引管理規程」に基づいて、重要な行為・取引の開始について取締役会決議を実施することとしており、既存取引の継続についても期初に取締役会にて取引状況を確認し、取引の継続の可否を決議をしております。 ③ 神明ホールディングスグループにおける当社の位置づけ 神明ホールディングスグループは、米の卸売事業を基軸として、「川上から川下までの食のバリューチェーン」構築を目指しており、その上で、米の卸売事業の周辺事業に止まらず、食品製造業への進出も同社の成長戦略の一つとして位置づけております。当社グループは、当該成長戦略の一翼を担っております。 また、現在、神明ホールディングスグループには、当社グループ以外に、きのこの製造販売やそれに類似する事業を営む企業が存在しないため、当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間で事業の競合は発生しておりません。 当社グループとその他の神明ホールディングスグループ企業との間には、当社が従来まいたけの消費量の少なかった西日本等で販売拡大に取り組む場合等での神明ホールディングスグループのネットワークの活用や、米ときのこを組み合わせた商品開発と小売店・外食チェーンでの展開、広域量販店を中心とした両社の商品のクロスセル推進等の形でシナジーが見込まれ、当社及び株式会社神明ホールディングスは、両社の協働を通じて、それぞれにおいて企業価値向上を図ることができる関係にあると考えております。 ④ 今後の関係 当社グループは今後も神明ホールディングスグループとの取引拡大に向けて株式会社神明ホールディングスと協業を継続していく方針であります(なお、神明ホールディングスグループとの取引は、他のクライアント企業と同様の取引条件で行っており、今後も同様の方針であります。)。当社といたしましては、株式会社神明ホールディングスの関係について重大な変化は生じないものと認識しておりますが、将来において、何らかの要因により株式会社神明ホールディングスが経営方針や営業戦略(当社株式の保有方針も含む。)を変更した場合、当社株式の流動性及び株価形成等に影響を及ぼす可能性があります。また、株式会社神明ホールディングスが過半数の当社株式を保有しており、当社の役員の選解任等の当社の株主総会決議の結果に重要な影響を及ぼす可能性があります。 このように、株式会社神明ホールディングスは、当社について他の一般株主と異なる利害関係を有しており、一般株主が期待する議決権の行使その他の行為を行わない可能性があります。 (11) 中期経営計画について 当社グループは、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 中長期的な経営戦略等」に記載のとおり、2023年12月に「中期経営計画(2024年3月期~2028年3月期)」を公表しております。 本中期経営計画は過去・現状を踏まえての現時点での想定に基づいて作成されておりますが、今後における国内外の経済動向、地政学的リスク、消費者のニーズの変化、取引先の方針変更、テクノロジーの革新等により、かかる想定通りとならない、あるいは想定していない事象の発生等により、本中期経営計画における目標を達成できない可能性があります。