事業の概要
- 園芸商材のグローバル卸売サカタのタネは、野菜や花の種子、球根、苗木、農園芸資材といった園芸商材を世界中で生産・仕入れ、主に国内外の種苗会社や生産者へ卸販売しています。特に海外卸売事業が売上の大部分を占めており、世界170カ国以上で事業を展開し、多様な気候やニーズに対応した品種を提供することで収益を上げています。
- 小売事業とその他国内では、一般の園芸愛好家向けにホームセンターや通信販売を通じて商品を販売しています。また、造園工事の施工・管理、人材派遣、研究開発の受託といった多角的な事業も展開しており、これらがグループ全体の収益構造を補完しています。
- 研究開発と生産体制同社は、育種開発に10年以上を要する長期的な視点で投資を行い、高品質な種子の安定生産と供給を目指しています。世界19カ国に生産拠点を分散し、同一地域でも複数の生産者に委託することで、天候リスクを軽減しつつ、安定した商品供給体制を構築しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 国内卸売事業この事業は、主に国内の種苗会社や生産者に対し、野菜種子、花種子、球根、苗木、農園芸資材などを卸販売しています。売上高は126.61億円、営業利益は47.6億円で、安定した収益源となっています。当社を含む3社がこの事業を担っており、国内市場における基盤を支えています。
- 海外卸売事業サカタのタネの最も大きな収益源であり、野菜種子、花種子、苗木などを世界中の種苗会社や生産者へ卸販売・生産しています。売上高は719.77億円、営業利益は200.21億円と、グループ全体の約7割の売上と8割以上の営業利益を占める稼ぎ頭です。Sakata Seed America, Inc.など、多数の海外子会社がこのグローバル展開を支えています。
- 小売事業一般の園芸愛好家を対象に、ホームセンターや通信販売を通じて野菜種子、花種子、球根、苗木、園芸資材などを販売しています。売上高は45.31億円ですが、営業利益は-2.56億円と赤字であり、他の事業と比較して規模は小さいです。この事業は、一般消費者との接点を持ち、ブランド認知度向上に貢献しています。
2025-05 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| DomesticWholesalingReportableSegment | 事業 | 127 | 48 | 37.6% |
| OverseasWholesalingReportableSegment | 事業 | 720 | 200 | 27.8% |
| RetailingReportableSegment | 事業 | 45 | -3 | -5.6% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループ(当社および当社の関係会社)は、当社、子会社37社および関連会社4社により構成されており、園芸商材(野菜種子、花種子、球根、苗木、農園芸資材)の販売業務を営んでおります。事業内容と、当社および関係会社の当該事業に係る位置付けは、次のとおりです。(1) 国内卸売事業野菜種子、花種子、球根、苗木および農園芸資材等を生産もしくは仕入れ、国内の種苗会社等へ卸販売しております。 (2) 海外卸売事業野菜種子、花種子および苗木等を生産もしくは仕入れ、海外の種苗会社等へ卸販売しております。 (3) 小売事業一般園芸愛好家を対象とした商品を仕入れ、国内のホームセンター向けに販売しているほか、通信販売での販売を行っております。 (4) その他、全社(共通)官公庁・民間向け造園工事の施工・管理、人材派遣業務、研究開発の受託業務を行っております。 事業内容と当社および関係会社の当該事業に係る位置付けおよびセグメントとの関連は、次のとおりです。事業区分主な業務内容主要な会社国内卸売事業種苗会社、生産者への農園芸商材の卸売(扱い品目:野菜種子・花種子・球根・苗木)当社含む計3社当社(連結子会社)㈱サカタ ロジスティックス㈱ブロリード種苗会社、生産者への農園芸商材の卸売(扱い品目:農園芸資材)当社当社種苗会社、生産者への農園芸商材の生産(扱い品目:苗木)計3社(連結子会社)㈱山形セルトップ㈱飛騨セルトップ㈱福岡セルトップ海外卸売事業種苗会社、生産者への農園芸商材の卸売および生産(扱い品目:野菜種子・花種子・苗木)当社含む計34社当社(連結子会社)Sakata Seed America,Inc.Sakata Vegetables Europe S.A.S.Sakata Ornamentals Europe A/SSakata Seed Sudamerica Ltda.Sakata Seed Chile S.A.Sakata Korea Co.,Ltd.坂田種苗(蘇州)有限公司Sakata Siam Seed Co.,Ltd.Sakata Seed India Pvt Ltd.Sakata Vietnam Co.,Ltd. ほか計30社(関連会社)NewBreed Ltd.Tikal Holding,LLCDomina S.R.L小売事業ホームセンターを通じた園芸愛好家への販売(扱い品目:野菜種子・花種子・球根・苗木・園芸資材)当社当社通信販売(扱い品目:野菜種子・花種子・球根・苗木・園芸資材)当社当社その他、全社(共通)造園工事・管理、人材派遣業、研究開発受託業務計3社(連結子会社)㈲サカタテクノサービスサカタのタネ グリーンサービス㈱(関連会社)Genetwister Holding B.V. 以上の企業集団等の状況について事業系統図を示すと次のとおりです。(2026年5月31日現在)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 育種開発による差別化と知的財産権保護により一定の価格決定力を持つ |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 10年以上を要する育種開発、育種工学の拡充、遺伝資源の保護、品種登録・特許 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:天候・自然災害リスク / 育種開発・知的財産権侵害リスク / 保有資産の価値変動リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
- グローバルな育種開発力と品種多様性サカタのタネは、育種目標設定から10年以上を要する長期的な研究開発に投資し、世界中の多様な気候や土壌に適応する高品質な野菜種子や花種子を開発しています。これにより、市場ニーズの変化や気候変動に対応できる革新的な品種を継続的に生み出し、他社との差別化を図っています。
- 強固な知的財産権保護と生産分散同社は、種苗法に基づく品種登録や特許を活用して、開発した品種の知的財産権を厳重に保護しています。また、商品種子の生産を世界19カ国に分散し、さらに同一地域でも複数の生産者に委託することで、特定の地域での天候不良や自然災害による供給リスクを低減し、安定供給能力を高めています。
- 世界規模の販売ネットワークとブランド信頼性世界170カ国以上に広がる販売ネットワークを通じて、多様な地域の顧客に園芸商材を供給しています。長年にわたる「品質・誠実・奉仕」の社是に基づいた事業運営により、顧客からの高い信頼を獲得しており、これがグローバル市場における強力なブランド力と競争優位性につながっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「PASSION2035」による長期成長戦略サカタのタネは、2035年を見据えた長期経営計画「PASSION2035」を策定し、「世界で最も信頼されるパートナー」として種苗業界を牽引することを目指しています。この計画では、地域の自主性を尊重しつつグローバルな戦略・ガバナンスを統合する「Integrated Autonomy」を基本方針としています。
- イノベーションとサステナビリティの追求革新的な価値を生み出す企業として、グローバルな研究開発体制と新技術活用により、独自性と収益性を兼ね備えた高付加価値品種の開発を推進します。また、持続可能な農業に貢献する品種・サービスの提供と、自社オペレーションにおける環境負荷低減を通じて、社会・環境との共生を目指します。
- 定量目標と株主還元2036年5月期に売上高2,000億円、営業利益率17.5%、ROE10%以上を目標とし、2031年5月期までに約500億円の成長投資を計画しています。株主還元では、株主資本配当率2.5%以上、配当性向35%を目安とし、自己株式取得を含めた総還元性向60%を目指し、企業価値向上と株主利益の追求を両立させます。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は、「品質・誠実・奉仕」を社是に掲げ、良質な商品とサービスの提供により世界の人々の生活文化向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指すこと、そして顧客、取引先、サカタグループの三者が共に栄える「三者共栄」、社員、経営者、株主は一体であり共に繁栄する「三位一体」、地球上の自然とその自然に内包される社会、そして社会に帰属する企業の持続的な共生を目指す「三層共生」を経営理念として掲げています。当社は、採算性と財務の健全性を重視する堅実な経営と株主利益の追求によって企業価値の増大に努めます。また、生産者にも消費者にも喜んでいただける「野菜と花の種苗」をいち早く開発するとともに、高品質種子の安定生産と供給を実現することによって、世界の種苗界をリードする種苗会社として躍進することを目指します。 (2) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な食料需要の拡大を背景とした中長期的な市場成長が見込まれる一方、気候変動の進行、地域ごとの生産構造の変化、地政学的リスク、さらには技術革新の加速により、大きな転換期を迎えております。このような環境認識のもと、当社グループは、2026年7月13日に、2027年5月期を初年度とする10年間の長期経営計画「PASSION2035」を策定いたしました。 長期経営計画「PASSION2035」及び目標とする経営指標 (1)基本方針PASSION2035では、キーステートメントである「Cultivating Tomorrow’s Harvest with You」(あなたと共に培う、未来の豊かさ)のもと、ステークホルダーの皆様とともに価値を創出しながら、「世界で最も信頼されるパートナー」として種苗業界の進化をけん引していくことを目指しております。その実現に向けて、当社グループは、地域の自主性を尊重しつつ、グローバルでの戦略・ルール・ガバナンスの統合を図る「Integrated Autonomy」の考え方を基本に、各地域の市場特性に応じた迅速な意思決定と、グループ全体での最適化を両立させてまいります。また、収益性向上と持続的な成長基盤の確立のため、積極的な成長投資の実行、研究開発の強化、グローバル展開の加速、IT/DX/AIの活用に重点的に取り組むと共に、資本効率の向上および株主還元の強化を図ってまいります。 (2)2035年のありたい姿PASSION2035では、以下の6つの「2035年のありたい姿」を掲げ、その実現に向けた取り組みを進めてまいります。 ①イノベーション:革新的な価値を生み続ける企業市場ニーズの高度化や気候変動への対応が求められる中、継続的な技術革新と高付加価値品種の創出が重要な課題であります。当社グループは、グローバルな研究開発体制の推進および新技術の活用により、独自性と収益性を兼ね備えた品種の開発を推進してまいります。 ②サステナビリティ:社会・環境と共生する企業気候変動や環境負荷低減への対応は、事業継続および企業価値向上における重要課題となっております。当社グループは、持続可能な農業に資する品種・サービスの提供と、自社オペレーションにおける環境負荷低減の両面から、サステナビリティへの取り組みを強化してまいります。 ③業界でのポジション:グローバルに確固たる信頼と競争優位を有する企業市場成長が見込まれる一方、競争環境は一層激化しており、業界内におけるポジションの確立が重要な課題となっております。当社グループは、戦略品目の強化、地域特性に応じた事業展開、ならびに新規領域への挑戦を通じて、グローバル市場において顧客から最も高い評価と信頼を獲得し続ける企業を目指し、プレゼンスおよび競争力の向上に取り組み、持続的な競争優位性の確立に向けた取り組みを強化してまいります。 ④ビジネスパートナーシップ:多様なパートナーと価値を共創する企業事業の高度化・グローバル化が進む中、外部パートナーとの連携強化が重要な成長要因となっております。当社グループは、生産者・顧客・販売代理店・研究機関等との協働を深化させ、バリューチェーンの拡大と全体での価値創出力を強化してまいります。 ⑤グローバルマネジメント&ガバナンス:地域自主性と統合性を持ち合わせた企業グローバル展開の進展に伴い、各地域の事業を統合的にマネジメントし、ガバナンスおよびリスク管理を高度化することが重要な課題となっております。当社グループは、最適な組織成長のために、ローカルな対応力を保持しながら、グローバルで一貫したマネジメント体制の構築と内部統制の強化を通じ、透明性および信頼性の高い経営を推進してまいります。 ⑥企業文化:自律的で挑戦を促す組織文化を有する企業持続的な成長を実現するためには、多様な人財が活躍し、挑戦と成長を支える企業文化の醸成が不可欠であります。当社グループは、多様性の尊重と卓越性への情熱(Passion)を基盤に、人財育成の強化、多様性の推進および従業員エンゲージメントの向上を通じて、組織の持続的な競争力の源泉となる企業文化の確立に取り組んでまいります。 (3)定量目標PASSION2035では、2036年5月期に売上高2,000億円、営業利益率17.5%を目指すとともに、ROEについては、2031年5月期に8%以上、2036年5月期に10%以上を目標としております。これらの目標の実現に向けて、2031年5月期までの5年間で総額約500億円の成長投資を計画しております。研究開発、グローバル展開、IT/DX/AIの活用等に対する投資を加速することで、将来の成長基盤を強化してまいります。また、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等を通じて資産効率を高めるとともに、健全な財務規律を維持しながら財務レバレッジを活用し、自己資本比率は60%台を目安として、資本収益性の向上に取り組んでまいります。 KPI2026年5月期(実績)2031年5月期 目標2036年5月期 目標売上高1,043億円1,400億円2,000億円営業利益131億円195億円350億円営業利益率12.6%13.9%17.5%当期純利益122億円155億円280億円ROE7.2%8%以上10%以上 (4)株主還元株主還元については、株主資本配当率 2.5%以上としつつ、配当性向は35%を目安とし安定的な株主還元を実施いたします。また、自己株式の取得を適切に実施することにより、今後5年間における総還元性向は60%を目安としております。 (5)事業戦略PASSION2035より新たに、野菜・花・環境の3つのビジネスドメインを軸に業績管理を行い、それぞれを強化し、2036年5月期の売上高目標である、野菜事業1,635億円、花事業300億円、環境事業65億円を達成することを目指します。また、プロダクトポートフォリオの健全化に加えて、グローバルな需給管理を強化することで営業利益率の向上に取り組んでまいります。 ①野菜事業戦略品目の強化、マーケットシェアの拡大、プロダクトポートフォリオマネジメント、種子ビジネスを起点としたバリューチェーンの拡大、農園芸サポートビジネスの5つのテーマについて、各地域の市場特性を踏まえながら、グローバルに取り組みを進めてまいります。 ②花事業グローバルで花事業を一体的に運営する「ONE HOUSE」の理念に基づき、事業基盤の再構築、マーケティング戦略の構築、プロダクトポートフォリオの最適化、事業オペレーションの強化を推進してまいります。 ③環境事業種苗メーカーとして培ってきた花卉の品種開発力や芝草の栽培ノウハウを活かして、造園や植栽による景観整備を通じ、快適な都市環境や緑豊かな空間づくりに貢献してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 経営方針当社は、「品質・誠実・奉仕」を社是に掲げ、良質な商品とサービスの提供により世界の人々の生活文化向上に貢献し、世界一の種苗会社を目指すこと、そして顧客、取引先、サカタグループの三者が共に栄える「三者共栄」、社員、経営者、株主は一体であり共に繁栄する「三位一体」、地球上の自然とその自然に内包される社会、そして社会に帰属する企業の持続的な共生を目指す「三層共生」を経営理念として掲げています。当社は、採算性と財務の健全性を重視する堅実な経営と株主利益の追求によって企業価値の増大に努めます。また、生産者にも消費者にも喜んでいただける「野菜と花の種苗」をいち早く開発するとともに、高品質種子の安定生産と供給を実現することによって、世界の種苗界をリードする種苗会社として躍進することを目指します。 (2) 経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く事業環境は、世界的な食料需要の拡大を背景とした中長期的な市場成長が見込まれる一方、気候変動の進行、地域ごとの生産構造の変化、地政学的リスク、さらには技術革新の加速により、大きな転換期を迎えております。このような環境認識のもと、当社グループは、2026年7月13日に、2027年5月期を初年度とする10年間の長期経営計画「PASSION2035」を策定いたしました。 長期経営計画「PASSION2035」及び目標とする経営指標 (1)基本方針PASSION2035では、キーステートメントである「Cultivating Tomorrow’s Harvest with You」(あなたと共に培う、未来の豊かさ)のもと、ステークホルダーの皆様とともに価値を創出しながら、「世界で最も信頼されるパートナー」として種苗業界の進化をけん引していくことを目指しております。その実現に向けて、当社グループは、地域の自主性を尊重しつつ、グローバルでの戦略・ルール・ガバナンスの統合を図る「Integrated Autonomy」の考え方を基本に、各地域の市場特性に応じた迅速な意思決定と、グループ全体での最適化を両立させてまいります。また、収益性向上と持続的な成長基盤の確立のため、積極的な成長投資の実行、研究開発の強化、グローバル展開の加速、IT/DX/AIの活用に重点的に取り組むと共に、資本効率の向上および株主還元の強化を図ってまいります。 (2)2035年のありたい姿PASSION2035では、以下の6つの「2035年のありたい姿」を掲げ、その実現に向けた取り組みを進めてまいります。 ①イノベーション:革新的な価値を生み続ける企業市場ニーズの高度化や気候変動への対応が求められる中、継続的な技術革新と高付加価値品種の創出が重要な課題であります。当社グループは、グローバルな研究開発体制の推進および新技術の活用により、独自性と収益性を兼ね備えた品種の開発を推進してまいります。 ②サステナビリティ:社会・環境と共生する企業気候変動や環境負荷低減への対応は、事業継続および企業価値向上における重要課題となっております。当社グループは、持続可能な農業に資する品種・サービスの提供と、自社オペレーションにおける環境負荷低減の両面から、サステナビリティへの取り組みを強化してまいります。 ③業界でのポジション:グローバルに確固たる信頼と競争優位を有する企業市場成長が見込まれる一方、競争環境は一層激化しており、業界内におけるポジションの確立が重要な課題となっております。当社グループは、戦略品目の強化、地域特性に応じた事業展開、ならびに新規領域への挑戦を通じて、グローバル市場において顧客から最も高い評価と信頼を獲得し続ける企業を目指し、プレゼンスおよび競争力の向上に取り組み、持続的な競争優位性の確立に向けた取り組みを強化してまいります。 ④ビジネスパートナーシップ:多様なパートナーと価値を共創する企業事業の高度化・グローバル化が進む中、外部パートナーとの連携強化が重要な成長要因となっております。当社グループは、生産者・顧客・販売代理店・研究機関等との協働を深化させ、バリューチェーンの拡大と全体での価値創出力を強化してまいります。 ⑤グローバルマネジメント&ガバナンス:地域自主性と統合性を持ち合わせた企業グローバル展開の進展に伴い、各地域の事業を統合的にマネジメントし、ガバナンスおよびリスク管理を高度化することが重要な課題となっております。当社グループは、最適な組織成長のために、ローカルな対応力を保持しながら、グローバルで一貫したマネジメント体制の構築と内部統制の強化を通じ、透明性および信頼性の高い経営を推進してまいります。 ⑥企業文化:自律的で挑戦を促す組織文化を有する企業持続的な成長を実現するためには、多様な人財が活躍し、挑戦と成長を支える企業文化の醸成が不可欠であります。当社グループは、多様性の尊重と卓越性への情熱(Passion)を基盤に、人財育成の強化、多様性の推進および従業員エンゲージメントの向上を通じて、組織の持続的な競争力の源泉となる企業文化の確立に取り組んでまいります。 (3)定量目標PASSION2035では、2036年5月期に売上高2,000億円、営業利益率17.5%を目指すとともに、ROEについては、2031年5月期に8%以上、2036年5月期に10%以上を目標としております。これらの目標の実現に向けて、2031年5月期までの5年間で総額約500億円の成長投資を計画しております。研究開発、グローバル展開、IT/DX/AIの活用等に対する投資を加速することで、将来の成長基盤を強化してまいります。また、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等を通じて資産効率を高めるとともに、健全な財務規律を維持しながら財務レバレッジを活用し、自己資本比率は60%台を目安として、資本収益性の向上に取り組んでまいります。 KPI2026年5月期(実績)2031年5月期 目標2036年5月期 目標売上高1,043億円1,400億円2,000億円営業利益131億円195億円350億円営業利益率12.6%13.9%17.5%当期純利益122億円155億円280億円ROE7.2%8%以上10%以上 (4)株主還元株主還元については、株主資本配当率 2.5%以上としつつ、配当性向は35%を目安とし安定的な株主還元を実施いたします。また、自己株式の取得を適切に実施することにより、今後5年間における総還元性向は60%を目安としております。 (5)事業戦略PASSION2035より新たに、野菜・花・環境の3つのビジネスドメインを軸に業績管理を行い、それぞれを強化し、2036年5月期の売上高目標である、野菜事業1,635億円、花事業300億円、環境事業65億円を達成することを目指します。また、プロダクトポートフォリオの健全化に加えて、グローバルな需給管理を強化することで営業利益率の向上に取り組んでまいります。 ①野菜事業戦略品目の強化、マーケットシェアの拡大、プロダクトポートフォリオマネジメント、種子ビジネスを起点としたバリューチェーンの拡大、農園芸サポートビジネスの5つのテーマについて、各地域の市場特性を踏まえながら、グローバルに取り組みを進めてまいります。 ②花事業グローバルで花事業を一体的に運営する「ONE HOUSE」の理念に基づき、事業基盤の再構築、マーケティング戦略の構築、プロダクトポートフォリオの最適化、事業オペレーションの強化を推進してまいります。 ③環境事業種苗メーカーとして培ってきた花卉の品種開発力や芝草の栽培ノウハウを活かして、造園や植栽による景観整備を通じ、快適な都市環境や緑豊かな空間づくりに貢献してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の概要① 経営成績の状況当社グループの当連結会計年度(2025年6月1日から2026年5月31日まで)における業績は、売上高は1,042億80百万円(前期比113億60百万円、12.2%増)、営業利益は131億22百万円(前期比8億64百万円、7.1%増)、経常利益は142億78百万円(前期比19億66百万円、16.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は121億63百万円(前期比24億51百万円、25.2%増)となりました。 ② 財政状態の状況(資産)資産合計は、2,167億78百万円(前連結会計年度末比257億92百万円増加)となりました。・流動資産:商品及び製品、受取手形、売掛金及び契約資産が増加したことなどにより153億79百万円増加・固定資産:建設仮勘定が減少した一方、建物及び構築物(純額)が増加したことなどにより104億12百万円増加 (負債)負債合計は、377億95百万円(前連結会計年度末比85億77百万円増加)となりました。・流動負債:短期借入金、支払手形及び買掛金が増加したことなどにより60億39百万円増加・固定負債:退職給付に係る負債が減少した一方、繰延税金負債、長期借入金が増加したことなどにより25億38百万円増加 (純資産)純資産合計は、1,789億83百万円(前連結会計年度末比172億14百万円増加)となりました。・株主資本:親会社株主に帰属する当期純利益の計上、配当金の支払などにより54億49百万円増加・その他の包括利益累計額:為替換算調整勘定、その他有価証券評価差額金の増加などにより117億7百万円増加 以上の結果、自己資本比率は82.3%となりました。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比72百万円増加し、225億18百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、91億74百万円(前期比40億74百万円の収入の増加)となりました。・主な増加要因:税金等調整前当期純利益161億4百万円の計上、減価償却費54億79百万円の計上、法人税等の還付額の計上16億72百万円・主な減少要因:棚卸資産の増加66億95百万円の計上、売上債権及び契約資産の増加31億20百万円の計上、法人税等の支払額28億24百万円の計上、投資有価証券売却益16億90百万円の計上 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、△54億95百万円(前期比95億61百万円の収入の減少)となりました。・主な増加要因:定期預金の払戻による収入41億30百万円の計上、投資有価証券の売却による収入28億9百万円の計上・主な減少要因:有形固定資産の取得による支出68億28百万円の計上、定期預金の預入による支出37億29百万円の計上 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、△51億83百万円(前期比14億86百万円の収入の増加)となりました。・主な増加要因:短期借入金の純増減額15億14百万円の計上、長期借入れによる収入11億10百万円の計上・主な減少要因:配当金の支払額34億63百万円の計上、自己株式の取得による支出32億85百万円の計上 ④ 仕入および販売の実績a.仕入実績当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日)前期比(%)国内卸売事業(百万円)7,4349.1海外卸売事業(百万円)30,60516.0小売事業(百万円)2,883△3.9報告セグメント計(百万円)40,92313.1その他(百万円)3,54712.5合計(百万円)44,47013.0 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年6月1日至 2026年5月31日)前期比(%)国内卸売事業(百万円)13,1934.2海外卸売事業(百万円)82,86215.1小売事業(百万円)4,062△10.3報告セグメント計(百万円)100,11812.3その他(百万円)4,16111.0合計(百万円)104,28012.2 (注) セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度(2025年6月1日から2026年5月31日まで)における日本経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が底堅く推移するとともに、企業収益の回復を受けた設備投資の増加にも支えられ、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。海外経済については、地域ごとに景況感の差が見られるなか、中東情勢の不安定化や貿易摩擦の長期化などにより、不透明な状況が継続いたしました。このような状況のなか、当社グループの当連結会計年度における業績は、国内卸売の野菜種子と資材が好調に推移したことや、海外における野菜種子と花種子の販売が増加したことに加え、為替が円安になったことから、売上高は1,042億80百万円(前期比113億60百万円、12.2%増)となりました。品目別では、野菜種子はブロッコリー、トマト、カボチャ・スカッシュ、スイカ、花種子はトルコギキョウ、ストック、カンパニュラが好調に推移いたしました。売上総利益は、増収および利益率の向上により大幅な増益となりました。販売費及び一般管理費は、給与水準の上昇や海外での事業拡大に伴う人員増加により人件費が大きく伸びたこと、減価償却費や消耗品費などの増加や為替影響もあり、前期比増加いたしましたが、売上総利益の増益額が販管費の増加分を吸収し、営業利益は131億22百万円(前期比8億64百万円、7.1%増)となりました。経常利益は、営業利益の増加と為替差損益の改善などにより、142億78百万円(前期比19億66百万円、16.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、前期に計上した固定資産売却益が剥落いたしましたが、投資有価証券売却益と受取和解金の計上などにより、121億63百万円(前期比24億51百万円、25.2%増)となりました。 2026年1月に公表した業績予想に対しては、売上高は32億80百万円、営業利益は6億22百万円、経常利益は12億78百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は21億63百万円、それぞれ上回りました。なお、売上高と営業利益、経常利益は過去最高を更新いたしました。 セグメントごとの財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容は次のとおりです。a.国内卸売事業国内卸売事業は、花種子は減収となりましたが、野菜種子、資材の売上が伸びたことから、前期比増収となりました。品目別では、野菜種子は、トマト、ブロッコリー、ダイコン、スイートコーン、ニンジンなどが増加いたしました。トマトとブロッコリーは従来品種の再評価や新品種が導入されたこと、ダイコンは新品種が拡大したことなどにより好調に推移いたしました。花種子は、花の需要停滞の影響を受け、全般的に低調でした。資材は、被覆資材、農園芸用品、ハウス部材などを中心に好調に推移いたしました。また、中東情勢の不安定化によるナフサ供給懸念を背景に、農業資材の前倒し受注が増加し、前期比で大幅な増収となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は131億93百万円(前期比5億31百万円、4.2%増)、営業利益は48億35百万円(前期比74百万円、1.6%増)となりました。また、国内卸売事業の総資産は前期比19億57百万円増(9.1%増)の234億2百万円となりました。 b.海外卸売事業海外卸売事業は、野菜種子、花種子ともに売上を伸ばしたことに加え、為替要因もあり、前期比大幅な増収となりました。地域ごとの現地通貨ベースの業績は次の通りです。北中米は、スイカ、ブロッコリー、キャベツ、レタスといった野菜種子に加え、カンパニュラやストック、トルコギキョウなどの花種子も好調に推移し、増収となりました。欧州・中近東においては、野菜種子はカボチャ・スカッシュ、トマト、ブロッコリー、ペッパー、花種子はトルコギキョウやストック、ヒマワリなどが伸長し、増収となりました。南米では、カボチャ・スカッシュ、トマト、ペッパーなどの野菜種子に加え、トルコギキョウ、キンギョソウなどの花種子も増加したほか、買収したAgritu Sementes Ltda.のタマネギ種子の寄与もあり、増収となりました。一方、アジアは、野菜種子はニガウリ、ハクサイなど、花種子はカンパニュラ、トルコギキョウは好調に推移いたしましたが、中国の市況低迷の影響などもあり、ブロッコリー、ニンジン、ヒマワリが減少し、減収となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は828億62百万円(前期比108億85百万円、15.1%増)、営業利益は209億81百万円(前期比9億60百万円、4.8%増)となりました。また、海外卸売事業の総資産は前期比238億88百万円増(20.1%増)の1,429億60百万円となりました。 c.小売事業小売事業は、通信販売分野および量販店向けホームガーデン分野において、全国的な厳しい天候要因や物価高騰の影響を受ける中、当社品種の花苗は堅調に推移いたしましたが、市場全体の低迷により、前期比で減収となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は40億62百万円(前期比4億68百万円、10.3%減)、営業損益は4億40百万円の損失(前期は2億56百万円の損失)となりました。また、小売事業の総資産は前期比20百万円減(1.4%減)の13億98百万円となりました。 d.その他造園緑花分野は、資材や燃料の価格高騰など厳しい状況下にありましたが、公共・民間の植栽工事とマンションなどの植栽維持管理業務が順調に推移したことに加え、営業強化によりスポット工事も受注できたことから、前期比増収となりました。これらの結果、外部顧客への売上高は41億61百万円(前期比4億11百万円、11.0%増)、営業利益は1億84百万円(前期比78百万円、74.6%増)となりました。また、その他の総資産は前期比1億71百万円増(8.0%増)の23億18百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容キャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の概要 ③キャッシュ・フローの状況」にて記載したとおりです。なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりです。 2022年5月期2023年5月期2024年5月期2025年5月期2026年5月期自己資本比率(%)84.985.783.184.582.3時価ベースの自己資本比率(%)133.3107.676.878.280.5キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)14.817.652.256.360.9インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)94.3106.832.214.825.4 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債(リース債務は除く)/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い※1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。※2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。※3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。※4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。※5.利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 b.資金需要の主な内容当社グループの資金需要のうち主なものは、種子および資材の購入費用のほか、生産経費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは、給与、賞与等の人件費、運搬費、販売荷造費、広告宣伝費等です。また、当社グループは、生産設備の拡充、合理化および研究開発力の強化等を目的として、継続的に設備投資を実施しております。当社グループの当連結会計年度末における有利子負債に対する金利負担は、支出に占める割合としては十分低く、金利上昇による影響が限定的な範囲にとどまる有利子負債残高水準にあります。 c.資金調達の可能性資金の流動性については、手元流動性の確保により不測の事態に対応できるようにしております。資金の調達については、本社、国内各子会社および海外各子会社とも、取引金融機関との良好な関係を維持しており、適切な対応が可能な体制をとっております。なお、長期経営計画「PASSION2035」に基づく成長投資や株主還元の強化に対する資金需要については、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等の資産効率の向上による増加運転資金の抑制など、健全な財務規律は維持しつつも、不足する額については外部資金を活用する方針としております。 ③ 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2027年5月期を初年度とする長期経営計画「PASSION2035」のもと、「Cultivating Tomorrow's Harvest with You(あなたと共に培う、未来の豊かさ)」をキーステートメントとして掲げ、ステークホルダーとの共創を通じて、「世界で最も信頼されるパートナー」として種苗業界の進化をけん引することを目指しております。 また、当社グループは、地域の自主性を尊重しながらグローバルでの最適化を図る「Integrated Autonomy」を経営の基本的な考え方とし、成長市場への展開、研究開発の強化、IT・DX・AIの活用及びグローバル事業基盤の強化を通じて、持続的な成長と企業価値向上の実現に取り組んでおります。 当社グループは、これらの戦略の進捗及び成果を把握するため、売上高、営業利益、営業利益率、当期純利益及びROEを主要な経営指標としております。 PASSION2035では、事業成長と資本効率向上の両立を図ることにより、2031年5月期及び2036年5月期において以下の定量目標の達成を目指しております。 KPI2026年5月期(実績)2031年5月期 目標2036年5月期 目標売上高1,043億円1,400億円2,000億円営業利益131億円195億円350億円営業利益率12.6%13.9%17.5%当期純利益122億円155億円280億円ROE7.2%8%以上10%以上 これらの目標達成に向けて、当社グループは2031年5月期までの5年間で総額500億円の成長投資を計画しております。研究開発、グローバル展開、IT/DX/AIの活用等への投資を通じて将来の成長基盤を強化するとともに、棚卸資産回転率や現預金月商比率の改善等を通じて資産効率の向上を図ってまいります。 また、当社グループは、資本収益性の向上を重要な経営課題として認識しております。成長投資による収益力向上に加え、資産効率の改善、政策保有株式の縮減、財務レバレッジの活用及び株主還元の強化を通じて、自己資本比率を中長期的に60%台へ適正化し、資本効率の向上に取り組んでまいります。 さらに、ROEを株主資本コストとの比較において重要な経営指標と位置付け、2031年5月期に8%以上、2036年5月期に10%以上とすることを目標としております。資本コスト及び株価を意識した経営を推進し、資本コストを上回る資本収益性の実現と、中長期的な企業価値及び株主価値の向上を目指してまいります。これは、成長投資、資本効率向上及び株主還元を一体的に推進することで、持続的な企業価値向上と市場評価の向上の好循環を実現することを目的とするものです。 株主還元については、株主資本配当率2.5%以上及び配当性向35%を目安とし、自己株式取得を機動的に実施することにより、2031年5月期までの5年間における総還元性向60%水準を目安としております。 ④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、当連結会計年度における財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に影響を及ぼす見積りおよび仮定を用いておりますが、これらの見積りおよび仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。当社グループが連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、連結財務諸表作成にあたって用いた会計上の見積りおよび仮定のうち、重要なものは以下のとおりです。 a.棚卸資産の評価見積りによる影響「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載のとおりです。 b.固定資産の減損判定による影響当社グループは、主に研究開発や生産、販売などの事業を行うため、土地や建物、機械などの固定資産を多く保有しております。原則として、管理会計上の単位を資産グループの基礎として、独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位でグルーピングしており、また、賃貸資産および遊休資産については、個別の資産ごとにグルーピングを行っております。収益性が低下した資産グループについては固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少分を減損損失として計上しております。回収可能価額は、将来の利益計画に基づく将来キャッシュ・フローや不動産の時価を前提に作成されるため、経営環境の悪化や不動産の価格変動などにより回収可能価額が下がり、減損損失を計上するなどの影響が生じる可能性があります。
事業リスク
- 天候・自然災害リスク種苗の生育は天候に大きく左右されるため、暴風雨などの自然災害や異常気象による不作は、販売減少や生産コスト上昇に直結します。世界各地での異常気象の増加傾向は、売上低迷や欠品による業績悪化につながる可能性があります。
- 育種開発・知的財産権侵害リスク育種開発には10年以上の長期投資が必要であり、開発コスト負担、開発の実現性、市場ニーズの変化、他社との競争激化といったリスクがあります。また、ブリーダーの流出や遺伝資源の流出による模倣品の出現は、知的財産権侵害となり、業績に悪影響を与える可能性があります。
- カントリーリスクと為替変動リスク世界23カ国に事業展開しているため、予期せぬ法律・規制の変更、政治・経済の混乱、テロ、自然災害、情報漏洩などが各地で発生する可能性があります。これらの事象は事業継続を困難にし、需要の大幅な低下を招く恐れがあります。また、海外での生産・販売活動に伴う為替相場の急激な変動は、円換算後の業績に悪影響を与える可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。 (1) 天候・自然災害リスク当社グループの主要販売商材である「種苗」の生育は天候に大きく左右されるため、天候状況は販売および生産に影響を与えます。まず販売面では、暴風雨などの自然災害や天候不良による不作などは生産者の活動に影響を与え、当社商材の販売が減少するリスクがあります。販売地域を世界170か国以上に広げたり、厳しい生育環境にも適応する品種を開発することなどによりリスクの軽減に努めていますが、世界的に異常気象は増加傾向にあると認識しており、各地における天候不良は売上の低迷をもたらす可能性があります。また、商品種子の生産については、天候不良により充分な品質や数量を確保できないリスクや生産コストが上昇するリスクがあります。このため世界19か国に生産を分散し、かつ同一地域でも複数の種子生産者にその生産を委託してリスク分散を図っているほか、一定量の安全在庫を保有することとしております。しかしながら、特に主要な産地において播種期から採種期までに大規模な天候変化や自然災害が生じた場合、欠品による売上減少や生産コストの大幅な上昇など、業績に悪影響を与える可能性があります。 (2) 育種開発リスク・知的財産権の侵害リスク育種開発リスクとしては、育種目標を設定してから10年以上を必要とする育種開発の性格上、投資コスト負担リスク、開発実現性リスク、商品ニーズが変化してしまうリスク、他社との開発競争リスク、新規育種技術の普及により参入障壁が下がり開発競争が激化するリスクなどがあります。さらに、育種研究者であるブリーダーが社外流出することにより、担当する品種の育成に障害が出て良質な商品の完成が難しくなるリスクや、遺伝資源の流出により模倣品が出回り知的財産が侵害されるリスクを有しております。当社グループでは、育種工学の拡充や社外研究機関との連携などを含めた研究開発体制の整備、開発者に対する報奨制度の導入やチーム体制での育種の採用、種苗法に基づく品種登録や特許などを用いての知的財産権保護などを行っておりますが、急激に需要が変化した場合や強力な他社品種が出現した場合などは、業績に悪影響を与える可能性があります。 (3) 保有資産の価値変動リスク当社グループは様々な資産を保有しておりますが、定期的な不動産の現状確認や政策保有株式に関する社内規程整備などの管理体制を構築し、適切な評価・管理に努めております。しかしながら、土地や有価証券などの資産価値が急激に下落した場合には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。また、『(1) 天候・自然災害リスク』にて記載したとおり、商品種子の生産は天候条件に大きく左右されるという当社グループの事業の特性上、顧客への安定供給責任を果たし、事業を安定的に継続するための安全策として、棚卸資産である種子を一定量確保しているため、種子の品質低下や商品の需要変化などにより、棚卸資産の廃棄・評価損が増加するリスクがあります。品質や販売動向に基づき定期的に評価の見直しを行っておりますが、生産や販売実績が計画から大きく乖離した場合などには、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (4) 品質と安全性に関するリスク当社グループでは、創業者坂田武雄の唱えた社是「品質・誠実・奉仕」に則り、品質と安全性に対する信頼を最重要課題のひとつと位置づけ、品質管理部を設け当社の品質基準に照らした商品チェックを行うと同時に、お客様相談室を設けるなどして商品クレームに適切に対応できる体制を採っております。しかしながら、「生き物」である商品の性質上、品質の水準や均一性などに不測の事態が生じるケースや、種子に由来しない環境や生産技術面からのリスクが発生し、業績に悪影響を与える可能性があります。 (5) カントリーリスク当社グループは、生産・研究開発・販売拠点として、日本を含めて全世界で23か国に事業展開を行っております。うち、農場および研究施設として、国内5か所、海外で12か国16か所に拠点を持っております。これらの事業展開地域の一部においては、次のようなリスクが内在しております。a.予期しない法律又は規制の制定又は改廃b.政治・経済の混乱c.テロ・紛争の発生などによる社会的混乱d.地震などの天変地異の発生e.コンピューターウイルスや諸情報の漏洩など、情報化に伴う問題の発生グローバルに事業を展開することで、販売や生産のリスク分散が図れるメリットはありますが、一定の地域において何らかのリスク事象が生じる可能性が高まる面もあります。拠点展開先の各国からは、常に情報を早期に収集し、迅速な意思決定ができるように、経営やリスク管理体制の強化を図っておりますが、これらの事象が発生した場合、当地での事業の継続、需要の大幅な低下、種子生産から撤退などのリスクがあり、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (6) 為替変動に関するリスク当社グループは海外各地において商品を生産・販売しており、各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、為替相場の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、業績に影響を与えます。また、当社グループが原材料および商品の一部を調達あるいは輸出している海外との取引は、為替変動の影響を受けます。こうした影響を最小限に止めるべく、当社グループでは通貨別金額の変化に常時注意を払っており、適切な管理体制の下、先物為替予約取引や通貨オプションなどを活用し、リスクの軽減に努めております。しかしながら、予測を超えて急激に為替レートが変動した場合などには、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (7) 取引先の信用リスク当社グループでは、国内外の様々な顧客や仕入先との取引を行っており、売掛金、前渡金などの信用供与を行っております。当社グループでは、定期的な信用調査や信用リスクに応じた取引限度額の設定、貸倒引当金の計上など、信用リスク管理のための施策を講じておりますが、取引先の財政状態の悪化や経営破綻等が生じた場合、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 (8) 情報システム・情報セキュリティのリスク当社グループは、事業活動の重要なインフラとして情報システムを利用しております。また、研究開発・生産・営業活動に関する情報に加え、取引先や関係者に関する機密情報および個人情報を保有しています。サイバー攻撃やシステム障害等により情報システムの機能に支障が生じた場合、当グループの事業活動、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があるほか、情報漏えいにより社会的な信用の低下を招く可能性があります。以上のようなリスクを認識した上で対策を講じてまいりましたが、2025年11月11日に、当社サーバーに対する第三者の不正な侵入を確認し、その後の調査から、データの一部に不正アクセスされ、それらの情報が外部に漏えいした可能性が判明しました。当社は、ステークホルダーの皆さまの大切な情報を預かる責任ある企業として本件を重く受け止め、外部専門家のチェックを受けながら再発防止策とセキュリティ対策の徹底を図り、再発防止に全力を尽くしてまいります。