事業の概要
- 建設事業が主体日特建設グループは、親会社である日特建設と7つの子会社、そして実質的な親会社1社で構成されており、その主要な事業は「建設事業」です。具体的には、道路、トンネル、橋梁などの社会インフラを整備する土木工事を請け負っています。
- グループ内での連携連結子会社である緑興産株式会社は、土木工事業だけでなく、建設に必要な材料の販売も行っています。日特建設はここから材料を仕入れることで、グループ内で効率的な調達を実現しています。また、麻生フオームクリート株式会社(2025年3月より連結子会社)には、一部の工事を外部委託することで、専門的な技術やリソースを活用しています。
- 専門子会社による地域展開山口、島根、愛媛、福井のアースエンジニアリング各社や、インドネシアのPT. NITTOC CONSTRUCTION INDONESIAは、それぞれ特定の地域や海外で土木工事業を展開しています。これにより、地域ごとのニーズに対応し、事業範囲を広げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 建設事業日特建設グループの主要な事業であり、道路、トンネル、橋梁、ダムなどの社会インフラを整備する土木工事を請け負っています。この事業がグループ全体の収益の大部分を占める基幹事業であり、日本国内を中心に展開しています。
- 材料販売事業連結子会社である緑興産株式会社が担っており、土木工事に必要な建設資材の販売を行っています。この事業は、グループ内の建設事業への材料供給源としても機能し、安定した資材調達とコスト管理に貢献しています。
- 地域特化型土木事業山口、島根、愛媛、福井のアースエンジニアリング各社が、それぞれの地域に密着した土木工事業を展開しています。これにより、地域ごとの特性やニーズに合わせた工事を提供し、地域社会への貢献と事業基盤の強化を図っています。
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3【事業の内容】 当社の企業集団は、当社、子会社7社、実質的な親会社1社で構成され、主な事業内容は建設事業であります。当社は建設業を営んでおります。連結子会社緑興産株式会社は土木工事業と材料販売を営んでおり、当社は材料等の仕入れを行っております。連結子会社麻生フオームクリート株式会社は、土木工事業を営んでおり、当社は施工する工事の一部を同社に発注しております。島根アースエンジニアリング株式会社、山口アースエンジニアリング株式会社、愛媛アースエンジニアリング株式会社、福井アースエンジニアリング株式会社、PT. NITTOC CONSTRUCTION INDONESIAは、土木工事業を営んでおります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 受注産業であり、他社との競合が激化することで採算が悪化する可能性があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業法をはじめとする法的規制を受けており、法改正等により業績に影響を与える可能性がある。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | 中程度 |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:公共事業への依存 / 他社との競合 / 取引先の与信
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★☆☆☆
日特建設は、長年の実績と信頼に基づくブランド力を持つ。特に、インフラ整備や災害復旧など、社会インフラ分野での専門性と技術力は、容易に模倣されない無形資産となり得る。ただし、建設業全体として技術者の高齢化や後継者不足といった課題も抱える。
スイッチングコスト★★★☆☆
顧客(官公庁、デベロッパー等)は、公共事業や大規模開発において、実績、信頼性、技術力、安全性を重視するため、建設業者の切り替えには高いハードルが存在する。特に、特殊な工法や長期間にわたるプロジェクトでは、既存業者との継続的な関係が有利に働く。
ネットワーク効果★☆☆☆☆
建設業において、特定のプラットフォームやエコシステムを形成するようなネットワーク効果は限定的。協力会社やサプライヤーとの関係は重要だが、これは主に取引関係であり、顧客がサービス提供者を囲い込むようなネットワーク効果とは異なる。
コスト優位★☆☆☆☆
建設業は、資材調達や労務費などのコスト競争が激しい側面がある。日特建設が独自の調達網や効率的な生産プロセスを構築している可能性はあるが、一般的に、建設業全体で顕著なコスト優位性を築くことは難しい。
規模の経済★★★☆☆
長年の事業継続と実績により、一定の規模と事業基盤を確立している。大規模プロジェクトの受注能力や、複数のプロジェクトを同時に遂行する能力は、規模の経済性を示唆する。ただし、建設業は景気変動の影響を受けやすく、規模だけでは持続的な優位性とはなりにくい。
- 戦略的なグループ連携日特建設グループは、材料販売を行う子会社(緑興産)からの仕入れや、専門工事を担う子会社(麻生フオームクリート)への発注を通じて、グループ内での効率的な事業運営とコスト管理を図っています。これにより、外部への依存度を下げ、安定した事業基盤を構築しています。
- 品質管理体制の強化同社は、工事部門による現場パトロールや過去のトラブル事例の水平展開に加え、2020年度には安全環境品質本部内に品質管理専門の「品質部」を新設しました。これにより、品質不良の発生を未然に防ぎ、顧客からの信頼を維持・向上させるための体制を強化しています。
- リスク分散と対応策公共事業への高い依存度というリスクに対し、民間工事や海外工事の受注を推進しています。また、建設資材価格や労務単価の高騰リスクに対しては、工期の短い工事を多く手掛けることで影響を最小限に抑え、交渉による価格調整も行っています。さらに、下請債権保全支援事業を利用した債権保証ファクタリングで、取引先の与信リスクにも備えています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営理念、経営方針等当社グループは、社是を「私たちは、見えないところにこそ、誠実に技術を提供して、社会から必要とされる企業であり続ける」、ブランドメッセージを「見えないところにこそ、私たちのプライドがある」、社訓を「安全第一」、「信用確立」、「技術発展」とし、「使命(Mission):安全・安心な国土造りに貢献する会社」、「価値観(Value):基礎工事における総合技術力と効率的な経営」、「あるべき姿(Vision):信頼される技術力に培われた、環境・防災工事を主力とした基礎工事のエキスパートであり続ける」を経営理念に掲げ、これらに基づき、企業価値向上を目指すとともに、株主、顧客、取引先、地域社会、従業員等のステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題①事業環境の現状と見通し 当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化に伴う人材不足に加え、時間外労働の上限規制への対応や生産性向上が急務となる働き方改革の推進、国際情勢の影響による資材・エネルギー価格の高騰など多くの課題に直面しています。これに加え、脱炭素・環境対応の加速やデジタル技術の急速な進展による構造的な変化が進む中、事業環境の先行きは不透明さを増しており、これらの変化に対応し続ける力が強く求められています。 一方で国土強靭化、インフラ老朽化対策、エネルギー転換や都市再生といった取り組みを背景に、特に防災・減災や維持補修分野を中心とした建設需要は引き続き堅調に推移することが見込まれています。 a.外部環境(中東情勢等)が業績に与える影響 懸念される資材・エネルギー価格の高騰が業績に与える影響について、当社では工期の比較的短い工事を主として受注しているため、工事期間中の価格上昇による影響は限定的とみています。また、公共工事の受注が多いことから、高騰した資材・エネルギー価格が見積価格に比較的早く反映されています。その結果、一部の資材納期遅延が施工に影響を及ぼす懸念はあるものの、契約時における原油高やエネルギー・資材コストの上昇による業績への影響は限定的であると認識しております。 b.当社の経営課題 こうした外部環境を踏まえ、当社が持続的に成長を実現するためには、具体的な課題として、技術人財や経営人財の確保、安定した利益体質を支える現場組織と体制の確立が挙げられます。また、事業ポートフォリオ改革の観点からは、地盤改良事業の強化やリニューアル市場の開拓加速が重要です。さらに、大型案件や民間案件における生産性の向上を目指した計画的な受注の推進、開発技術の効率的な現場展開と定着、新規事業の探索による成長ドライバーの構築が急務となっております。 c.課題解決に向けた経営計画 当社グループは、これらの事業環境と課題に対応するため、2026年5月11日に「中期経営計画2026」(2026年度~2028年度)を公表しました。本計画では、「現場力の強化を通じて、持続的・安定的に収益を上げ、成長を続けられる体制を確立する」ことを基本方針としています。同時に10年後の社会を見据えた「長期ビジョン2035」を策定し、当社の目指す姿を「信頼される技術力を基盤とした、環境・防災工事を主力とする基礎工事のエキスパート」と定義した上で、売上高1,500億円、営業利益120億円、時価総額1,000億円を長期的に目指す到達水準として掲げております。 d.今後の取り組み方針 この「長期ビジョン2035」の達成に向けて、これからの3年間を「安定的に収益を上げ、持続的な成長を続けられる体制の確立」を目指す重要な基盤形成期間と位置付け、当社グループは、地域特性と顧客ニーズを的確に捉え、地域密着型の「エリアコミット経営」を推進しながら、社会課題への対応や顧客満足度の向上に取り組みます。 こうした取り組みを支える基盤として、事業運営の核となる「現場力のさらなる強化」は不可欠となります。「現場力の強化」を通じて、目に見えない部分で社会や顧客からの信頼を得る基盤を構築し、持続可能な事業運営を実現してまいります。 中期経営計画2026では、最優先課題として「現場力の強化」を掲げ、この目標を具体化するために、「技術開発」(建設のオートメーション化など)、「DX推進」(生産性と安全性を高める施策)、「人財育成」(自律的人財の育成など)を重点的に推進します。また、併せて「事業ポートフォリオの変革」と「経営基盤の強化」を成長の軸に据え、「事業戦略」「財務・投資戦略」の観点から計画を具現化してまいります。※中期経営計画2026では、社員を会社の財産と位置づけ「人財」と記しております。また自律的人財(一人一人がプロフェッショナルとして現場で自ら課題を発見し、チームで解を出せる人財)を目指すべき姿として掲げております。 (3)「中期経営計画2026(2026年度~2028年度)」 中期経営計画2026は、長期ビジョンで掲げる成長目標の実現に向けた最初の3年間として、規模の拡大だけでなく、安定的に収益を創出する事業ポートフォリオの構築と、人財育成・組織基盤の確立を重点テーマとしております。 特に、案件構成により単年度業績が変動しやすい当社事業の特性を踏まえ、売上高および営業利益を3か年平均で安定的に確保することを目指しております。 事業ポートフォリオの再構築では、法面工事を安定収益基盤として維持しつつ、基礎・地盤改良工事とリニューアル工事を強化することにより、事業の三本柱を確固たるものとし、持続的・安定的な収益基盤の構築を進めてまいります。人財育成では、当社の事業を支える自律的人財の育成を目指し、加えて現場支援体制の確立、DX推進などにより自律的人財が活躍できる組織の構築を目指してまいります。 また、建設業界における資材価格・労務費の上昇が継続する中、当社グループでは、現場支援体制の強化、DXの活用、受注・施工段階における採算管理の高度化を進め、収益性の維持・向上を図ってまいります。 以上を踏まえ、中期経営計画2026では「事業戦略」、「経営基盤戦略」、「財務・投資戦略」の3つの戦略について計画を立案しております。 a.事業戦略ア.事業の三本柱の確立 当社は、安全安心な国土づくりにかかわる事業を支える三本の柱として、「法面工事」「基礎・地盤改良工事」「リニューアル工事」を掲げています。一本目の柱として、法面工事のトップクラスのシェアを維持しつつ、二本目の柱として、「基礎・地盤改良工事」を成長領域と位置づけ積極的な事業拡大を図るとともに、三本目の柱である新たな事業として、保有技術を活用し下水道や斜面インフラなど社会インフラの更新・改修需要を含む「リニューアル工事」領域の開拓を加速し、事業の三本柱として確立することにより、安定的かつ持続的に成長できる事業ポートフォリオへの転換を図ります。今後は、単年度の大型案件に左右されにくい安定的な収益体質の構築に取り組んでまいります。 イ.技術開発 第一に、下水道管路メンテナンス、交通インフラの大規模改修など社会インフラの強化・安全性向上や国土強靭化への貢献を目指す「社会課題・プロジェクトへの対応」、第二に、施工自動化・機械化・遠隔化やフィジカルAIを駆使したロボティクスの活用による生産性向上・施工省人化と働き方改革に資する「建設のオートメーション化」、第三に、サステナブル社会の実現に向けたCO₂排出削減や「環境負荷低減に則した技術」開発の3つをテーマとして、技術レベルの向上および新規技術の開発・導入と、開発技術の早期現場展開・定着を推進してまいります。 ウ.近未来プロジェクト 新たな事業の確立を目的に、既存事業の深化と新規事業の探索を進める「近未来プロジェクト」を2025年度にスタートさせました。この「近未来プロジェクト」を通じて既存事業の深化および新規成長事業・技術の探索・育成を進め、将来の成長ドライバーとなる事業領域の創出に取り組んでまいります。 b.経営基盤強化戦略ア.人と組織(人的資本の確保・育成) 安定的に収益を上げ成長を続けられる体制の確立に向け、「人財活用を進める組織の設置と施策推進」、「エリアコミット経営を支える自律的人財の確保・育成」、「人財が活躍できる現場組織の確立」を基本方針とし、安定的に収益を上げ成長を続けられる体制の確立をめざします。人財活用に取り組む組織として、中長期を見据えた人財戦略の立案や次世代経営者・管理職育成計画を担う「人財育成委員会」を設置するとともに、バックオフィス制度の整備・充実を推進するため「支援課」を設置し、自律的人財の育成、人財の確保、人財を生かす現場組織の確立を進めてまいります。 イ.DX推進 「デジタル技術で現場と経営をつなぎ、現場の安全性と生産性を革新する」ことをDX推進方針として掲げ、データ・ナレッジ共有による生産性の向上、i-Construction2.0(現場のオートメーション化)の推進等により、工事の安全性と生産性の向上を図ります。そのほか、DX人財の育成やSFA(営業支援システム)による情報共有・データ活用により、営業競争力の強化にも取り組んでまいります。 ウ.社会インフラを守る責任経営(サステナビリティ) 当社の事業は、社会インフラの持続可能性を支えるものであり、サステナビリティは経営の根幹をなすものです。 以下の事項に重点的に取り組んでいます。 環 境(E)生物多様性、気候変動、汚染と資源、水の安全保障 社 会(S)労働安全衛生、品質・技術の確保、地域連携、人権/労働基準 ガバナンス(G)コンプライアンス、リスクマネジメント c.財務・投資戦略ア.ROICツリー ROICを構成要素に分解し、改善に寄与する主要なドライバーを特定した上で、重点施策を策定し、具体的な取り組みを推進してまいります。イ.ROE向上に向けた取り組み 中期経営計画の着実な推進を通じて収益性を向上させるとともに、適正な財務レバレッジを活用し、ROE向上を目指してまいります。ウ.キャッシュアロケーション 営業CFおよび資金調達を活用し、財務健全性を維持しながら、将来投資と株主還元の戦略的配分を行ってまいります。エ.事業成長および未来志向のアライアンス・投資 既存事業の深化のためには、M&Aをはじめとする事業拡大・強化策を検討します。一方で、新規分野では、スタートアップ企業との連携を軸に幅広い手段を用いて事業の探索を計画してまいります。オ.株主還元方針 配当指標として、DOEは現状水準を維持し、当計画期間内は前年度実績を下回らない累進配当を採用し、企業価値向上の成果を株主の皆様と共有してまいります。 d.経営目標・目標指標 当社グループの業績は、災害復旧工事や大型案件の進捗状況および案件構成により、単年度で大きく変動する場合があります。経営の安定化を図るため、中期経営計画2026では、業績の変動幅を抑制し、継続して安定的な業績を上げることを目的に掲げています。その目標として、3か年平均で売上高815億円以上、営業利益57億円以上を設け、安定的な売上高と営業利益の確保を目指してまいります。ア.中期経営計画2026 業績目標 2024/3-2026/3中期経営計画2023 3か年平均(実績)2027/3-2029/33か年平均増減売上高743億円815億円9.7%営業利益46億円57億円23.9%営業利益率 6.2%7.0%0.8ポイント イ.財務面の指標(2028年度) ROIC :10.0%以上 ROE :10.0%以上 PBR :1.5倍以上 EBITDA:3か年平均 60億円
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。(1)経営理念、経営方針等当社グループは、社是を「私たちは、見えないところにこそ、誠実に技術を提供して、社会から必要とされる企業であり続ける」、ブランドメッセージを「見えないところにこそ、私たちのプライドがある」、社訓を「安全第一」、「信用確立」、「技術発展」とし、「使命(Mission):安全・安心な国土造りに貢献する会社」、「価値観(Value):基礎工事における総合技術力と効率的な経営」、「あるべき姿(Vision):信頼される技術力に培われた、環境・防災工事を主力とした基礎工事のエキスパートであり続ける」を経営理念に掲げ、これらに基づき、企業価値向上を目指すとともに、株主、顧客、取引先、地域社会、従業員等のステークホルダーの信頼と期待に応えてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題①事業環境の現状と見通し 当社グループを取り巻く事業環境は、少子高齢化に伴う人材不足に加え、時間外労働の上限規制への対応や生産性向上が急務となる働き方改革の推進、国際情勢の影響による資材・エネルギー価格の高騰など多くの課題に直面しています。これに加え、脱炭素・環境対応の加速やデジタル技術の急速な進展による構造的な変化が進む中、事業環境の先行きは不透明さを増しており、これらの変化に対応し続ける力が強く求められています。 一方で国土強靭化、インフラ老朽化対策、エネルギー転換や都市再生といった取り組みを背景に、特に防災・減災や維持補修分野を中心とした建設需要は引き続き堅調に推移することが見込まれています。 a.外部環境(中東情勢等)が業績に与える影響 懸念される資材・エネルギー価格の高騰が業績に与える影響について、当社では工期の比較的短い工事を主として受注しているため、工事期間中の価格上昇による影響は限定的とみています。また、公共工事の受注が多いことから、高騰した資材・エネルギー価格が見積価格に比較的早く反映されています。その結果、一部の資材納期遅延が施工に影響を及ぼす懸念はあるものの、契約時における原油高やエネルギー・資材コストの上昇による業績への影響は限定的であると認識しております。 b.当社の経営課題 こうした外部環境を踏まえ、当社が持続的に成長を実現するためには、具体的な課題として、技術人財や経営人財の確保、安定した利益体質を支える現場組織と体制の確立が挙げられます。また、事業ポートフォリオ改革の観点からは、地盤改良事業の強化やリニューアル市場の開拓加速が重要です。さらに、大型案件や民間案件における生産性の向上を目指した計画的な受注の推進、開発技術の効率的な現場展開と定着、新規事業の探索による成長ドライバーの構築が急務となっております。 c.課題解決に向けた経営計画 当社グループは、これらの事業環境と課題に対応するため、2026年5月11日に「中期経営計画2026」(2026年度~2028年度)を公表しました。本計画では、「現場力の強化を通じて、持続的・安定的に収益を上げ、成長を続けられる体制を確立する」ことを基本方針としています。同時に10年後の社会を見据えた「長期ビジョン2035」を策定し、当社の目指す姿を「信頼される技術力を基盤とした、環境・防災工事を主力とする基礎工事のエキスパート」と定義した上で、売上高1,500億円、営業利益120億円、時価総額1,000億円を長期的に目指す到達水準として掲げております。 d.今後の取り組み方針 この「長期ビジョン2035」の達成に向けて、これからの3年間を「安定的に収益を上げ、持続的な成長を続けられる体制の確立」を目指す重要な基盤形成期間と位置付け、当社グループは、地域特性と顧客ニーズを的確に捉え、地域密着型の「エリアコミット経営」を推進しながら、社会課題への対応や顧客満足度の向上に取り組みます。 こうした取り組みを支える基盤として、事業運営の核となる「現場力のさらなる強化」は不可欠となります。「現場力の強化」を通じて、目に見えない部分で社会や顧客からの信頼を得る基盤を構築し、持続可能な事業運営を実現してまいります。 中期経営計画2026では、最優先課題として「現場力の強化」を掲げ、この目標を具体化するために、「技術開発」(建設のオートメーション化など)、「DX推進」(生産性と安全性を高める施策)、「人財育成」(自律的人財の育成など)を重点的に推進します。また、併せて「事業ポートフォリオの変革」と「経営基盤の強化」を成長の軸に据え、「事業戦略」「財務・投資戦略」の観点から計画を具現化してまいります。※中期経営計画2026では、社員を会社の財産と位置づけ「人財」と記しております。また自律的人財(一人一人がプロフェッショナルとして現場で自ら課題を発見し、チームで解を出せる人財)を目指すべき姿として掲げております。 (3)「中期経営計画2026(2026年度~2028年度)」 中期経営計画2026は、長期ビジョンで掲げる成長目標の実現に向けた最初の3年間として、規模の拡大だけでなく、安定的に収益を創出する事業ポートフォリオの構築と、人財育成・組織基盤の確立を重点テーマとしております。 特に、案件構成により単年度業績が変動しやすい当社事業の特性を踏まえ、売上高および営業利益を3か年平均で安定的に確保することを目指しております。 事業ポートフォリオの再構築では、法面工事を安定収益基盤として維持しつつ、基礎・地盤改良工事とリニューアル工事を強化することにより、事業の三本柱を確固たるものとし、持続的・安定的な収益基盤の構築を進めてまいります。人財育成では、当社の事業を支える自律的人財の育成を目指し、加えて現場支援体制の確立、DX推進などにより自律的人財が活躍できる組織の構築を目指してまいります。 また、建設業界における資材価格・労務費の上昇が継続する中、当社グループでは、現場支援体制の強化、DXの活用、受注・施工段階における採算管理の高度化を進め、収益性の維持・向上を図ってまいります。 以上を踏まえ、中期経営計画2026では「事業戦略」、「経営基盤戦略」、「財務・投資戦略」の3つの戦略について計画を立案しております。 a.事業戦略ア.事業の三本柱の確立 当社は、安全安心な国土づくりにかかわる事業を支える三本の柱として、「法面工事」「基礎・地盤改良工事」「リニューアル工事」を掲げています。一本目の柱として、法面工事のトップクラスのシェアを維持しつつ、二本目の柱として、「基礎・地盤改良工事」を成長領域と位置づけ積極的な事業拡大を図るとともに、三本目の柱である新たな事業として、保有技術を活用し下水道や斜面インフラなど社会インフラの更新・改修需要を含む「リニューアル工事」領域の開拓を加速し、事業の三本柱として確立することにより、安定的かつ持続的に成長できる事業ポートフォリオへの転換を図ります。今後は、単年度の大型案件に左右されにくい安定的な収益体質の構築に取り組んでまいります。 イ.技術開発 第一に、下水道管路メンテナンス、交通インフラの大規模改修など社会インフラの強化・安全性向上や国土強靭化への貢献を目指す「社会課題・プロジェクトへの対応」、第二に、施工自動化・機械化・遠隔化やフィジカルAIを駆使したロボティクスの活用による生産性向上・施工省人化と働き方改革に資する「建設のオートメーション化」、第三に、サステナブル社会の実現に向けたCO₂排出削減や「環境負荷低減に則した技術」開発の3つをテーマとして、技術レベルの向上および新規技術の開発・導入と、開発技術の早期現場展開・定着を推進してまいります。 ウ.近未来プロジェクト 新たな事業の確立を目的に、既存事業の深化と新規事業の探索を進める「近未来プロジェクト」を2025年度にスタートさせました。この「近未来プロジェクト」を通じて既存事業の深化および新規成長事業・技術の探索・育成を進め、将来の成長ドライバーとなる事業領域の創出に取り組んでまいります。 b.経営基盤強化戦略ア.人と組織(人的資本の確保・育成) 安定的に収益を上げ成長を続けられる体制の確立に向け、「人財活用を進める組織の設置と施策推進」、「エリアコミット経営を支える自律的人財の確保・育成」、「人財が活躍できる現場組織の確立」を基本方針とし、安定的に収益を上げ成長を続けられる体制の確立をめざします。人財活用に取り組む組織として、中長期を見据えた人財戦略の立案や次世代経営者・管理職育成計画を担う「人財育成委員会」を設置するとともに、バックオフィス制度の整備・充実を推進するため「支援課」を設置し、自律的人財の育成、人財の確保、人財を生かす現場組織の確立を進めてまいります。 イ.DX推進 「デジタル技術で現場と経営をつなぎ、現場の安全性と生産性を革新する」ことをDX推進方針として掲げ、データ・ナレッジ共有による生産性の向上、i-Construction2.0(現場のオートメーション化)の推進等により、工事の安全性と生産性の向上を図ります。そのほか、DX人財の育成やSFA(営業支援システム)による情報共有・データ活用により、営業競争力の強化にも取り組んでまいります。 ウ.社会インフラを守る責任経営(サステナビリティ) 当社の事業は、社会インフラの持続可能性を支えるものであり、サステナビリティは経営の根幹をなすものです。 以下の事項に重点的に取り組んでいます。 環 境(E)生物多様性、気候変動、汚染と資源、水の安全保障 社 会(S)労働安全衛生、品質・技術の確保、地域連携、人権/労働基準 ガバナンス(G)コンプライアンス、リスクマネジメント c.財務・投資戦略ア.ROICツリー ROICを構成要素に分解し、改善に寄与する主要なドライバーを特定した上で、重点施策を策定し、具体的な取り組みを推進してまいります。イ.ROE向上に向けた取り組み 中期経営計画の着実な推進を通じて収益性を向上させるとともに、適正な財務レバレッジを活用し、ROE向上を目指してまいります。ウ.キャッシュアロケーション 営業CFおよび資金調達を活用し、財務健全性を維持しながら、将来投資と株主還元の戦略的配分を行ってまいります。エ.事業成長および未来志向のアライアンス・投資 既存事業の深化のためには、M&Aをはじめとする事業拡大・強化策を検討します。一方で、新規分野では、スタートアップ企業との連携を軸に幅広い手段を用いて事業の探索を計画してまいります。オ.株主還元方針 配当指標として、DOEは現状水準を維持し、当計画期間内は前年度実績を下回らない累進配当を採用し、企業価値向上の成果を株主の皆様と共有してまいります。 d.経営目標・目標指標 当社グループの業績は、災害復旧工事や大型案件の進捗状況および案件構成により、単年度で大きく変動する場合があります。経営の安定化を図るため、中期経営計画2026では、業績の変動幅を抑制し、継続して安定的な業績を上げることを目的に掲げています。その目標として、3か年平均で売上高815億円以上、営業利益57億円以上を設け、安定的な売上高と営業利益の確保を目指してまいります。ア.中期経営計画2026 業績目標 2024/3-2026/3中期経営計画2023 3か年平均(実績)2027/3-2029/33か年平均増減売上高743億円815億円9.7%営業利益46億円57億円23.9%営業利益率 6.2%7.0%0.8ポイント イ.財務面の指標(2028年度) ROIC :10.0%以上 ROE :10.0%以上 PBR :1.5倍以上 EBITDA:3か年平均 60億円
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。①経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果もあり、緩やかな回復傾向が続きました。一方で、米国の通商政策の影響や中国経済の動向、東欧地域を中心とした地政学的リスクの増大などに加え、中東情勢の悪化や円安の進行に伴う資源・エネルギー価格の高騰、物流費の増加、さらに物価上昇の継続への懸念が広がり、先行きは依然として不透明な状況にあります。 建設市場におきましては、公共建設投資については、国土強靭化関連を中心に堅調に推移しました。また、民間設備投資についても、鉄道、電力、都市開発等の社会インフラ関連分野において、当社技術を活用できる案件機会が継続しています。 このような環境下において、当社グループの主な事業領域である法面工事、基礎・地盤改良工事、補修補強工事においては、国土強靭化、防災・減災、災害復旧・復興に加え、社会インフラ老朽化対応を背景とした需要が継続しました。 一方で、資材価格・労務費等の上昇により、受注段階からの採算性確認、施工段階における原価管理、設計変更・追加工事への適切な対応の重要性が一層高まりました。 このような事業環境の中で、当社グループは中期経営計画2023(2023年度~2025年度)の最終年度としての取り組みを推進してまいりました。その中で前期末に連結子会社として迎え入れた麻生フオームクリート株式会社が強みとする気泡コンクリート工事をはじめとした事業において、当社の営業ネットワークを最大限に活用することで、グループ全体の売上高および利益の拡大を図り、当期の公表計画の目標達成に向けて全力で取り組みました。 その結果、当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。 a.受注高、売上高 受注高は、4.1%増の81,056百万円となり、高水準を維持しました。主な内訳として、法面工事に関しては、能登半島地震の復興工事の受注増加などが寄与し、38,971百万円(前連結会計年度比3.5%増)となりました。一方、注力している基礎・地盤改良工事に関しては、北海道新幹線延伸などの鉄道関連工事や北春日部駅周辺の土地区画整理事業関連工事などを受注しましたが、25,970百万円(同 4.4%減)に留まりました。補修工事に関しては、社会インフラ老朽化対応に関連する工事等が寄与し、9,632百万円(同29.3%増)となりました。今後は、中期経営計画2026で掲げる「リニューアル工事」の確立に向け、補修補強分野に加え、社会インフラの更新・改修需要を含めた領域として再整理し、事業ポートフォリオの強化を進めてまいります。 売上高は、法面工事に関しては能登半島地震の復興工事や奈良県冷水地区の砂防・地すべり対策工事などの災害復旧・防災関連工事の進捗に加え、基礎・地盤改良工事に関しては北海道新幹線延伸などの鉄道関連工事など、当連結会計年度に寄与する工事が堅調に推移したことにより、83,797百万円(前連結会計年度比24.7%増)となりました。 なお、当期の補修工事には、麻生フオームクリート株式会社の工事のうち、地盤改良以外の工事を含めて整理しております。2027年3月期以降は、中期経営計画2026の事業戦略に合わせ、従来の補修補強分野に加え、社会インフラの更新・改修需要を含む「リニューアル工事」として再整理してまいります。 b.売上原価、販売費及び一般管理費当連結会計年度の売上原価は67,945百万円(前連結会計年度比24.3%増)、原価率は81.1%(同0.2%良化)となり、販売費及び一般管理費は、10,024百万円(同12.9%増)となりました。 c.営業利益 利益面につきましては、増収効果に加え、受注段階からの採算性確認、施工段階における原価管理・工程管理、設計変更・追加工事への適切な対応を継続したことにより、売上総利益率が改善し、売上総利益が増加しました。その結果、営業利益は5,827百万円(前連結会計年度比58.4%増)となりました。 d.営業外損益、特別損益当連結会計年度の営業外収益は252百万円(前連結会計年度比43.9%増)となり、営業外費用は44百万円(同50.4%減)となりました。特別利益は固定資産売却益および投資有価証券売却益の計上により7百万円(前連結会計年度比93.7%減)となり、特別損失は固定資産除却損、減損損失の計上により77百万円(前連結会計年度比54.6%減)となりました。 e.親会社株主に帰属する当期純利益上記の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、4,165百万円(前連結会計年度比72.9%増)となりました。 過去5年間の売上高と原価率、販売費及び一般管理費と売上高販売費及び一般管理費比率の推移は以下のとおりであります。(単位:百万円) 第75期第76期第77期第78期第79期 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期売上高66,07672,91871,88067,21683,797原価率81.6%81.2%82.3%81.3%81.1%販売費及び一般管理費7,6118,2338,3518,88310,024売上高販売費及び一般管理費比率11.5%11.3%11.6%13.2%12.0% ②財政状態の状況 当連結会計年度末における流動資産の残高は43,984百万円で、前連結会計年度末に比べ3,641百万円増加しております。これは主に、受取手形・完成工事未収入金等が3,049百万円、電子記録債権が1,181百万円増加した一方、現金預金が419百万円減少したことによるものです。固定資産の残高は18,411百万円で、前連結会計年度末に比べ1,808百万円増加しております。これは主に、能登地域の復旧・復興工事の拠点(能登工事事務所)を開設したことにより建物・構築物が422百万円、地盤改良工事の受注拡大を目的とした機械装置を購入したことにより機械、運搬具及び工具器具備品が497百万円、投資有価証券が1,687百万円増加した一方、建設仮勘定が398百万円、繰延税金資産が354百万円減少したことによるものです。 当連結会計年度末における流動負債の残高は19,847百万円で、前連結会計年度末に比べ2,299百万円増加しております。これは主に、電子記録債務が6,761百万円、未払法人税等が562百万円、賞与引当金が492百万円増加した一方、支払手形・工事未払金等が5,436百万円、未成工事受入金が417百万円減少したことによるものです。固定負債の残高は4,586百万円で前連結会計年度末に比べ243百万円減少しております。これは主に、長期借入金が168百万円、役員退職慰労引当金が66百万円減少したことによるものです。当連結会計年度末における純資産の残高は37,961百万円で、前連結会計年度末に比べ3,393百万円増加しております。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を4,165百万円、その他有価証券評価差額金を989百万円計上した一方、2,004百万円の配当を実施したことによるものです。 ③キャッシュ・フローの状況当連結会計年度の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動により獲得した資金は3,471百万円(前連結会計年度は4,513百万円の獲得)、投資活動により使用した資金は1,766百万円(同4,005百万円の使用)、財務活動により使用した資金は2,192百万円(同1,961百万円の使用)となった結果、現金及び現金同等物は452百万円減少し、当連結会計年度末残高は17,699百万円となっております。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりです。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果獲得した資金は、3,471百万円となっております。これは主に、税金等調整前当期純利益5,965百万円を計上し、減価償却費1,070百万円、賞与引当金の増加492百万円、仕入債務の増加1,392百万円により資金が増加しましたが、売上債権の増加4,172百万円、法人税等の支払い1,550百万円により資金が減少したものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は、1,766百万円となっております。これは主に、有形固定資産の取得による支出1,260百万円、投資有価証券の取得による支出259百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出175百万円により資金が減少したものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は、2,192百万円となっております。これは主に、長期借入金の返済による支出177百万円、配当金の支払い2,004百万円により資金が減少したものです。 ④生産、受注及び販売の実績a.受注実績セグメントの名称前連結会計年度(百万円)(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建設事業77,72180,863その他の事業139192合計77,86181,056 b.販売実績セグメントの名称前連結会計年度(百万円)(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(百万円)(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建設事業67,07683,605その他の事業139192合計67,21683,797 (注)1 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。2 セグメント間の取引については相殺消去しております。なお、参考までに提出会社個別の事業の状況を記載すると次のとおりであります。① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高期別工事別前期繰越工事高(百万円)当期受注工事高(百万円)計(百万円)当期完成工事高(百万円)次期繰越工事高(百万円)当期施工高(百万円)手持工事高うち施工高 第78期自 2024年4月1日至 2025年3月31日 土木43,18274,946118,12863,90254,2261.2%64763,932計43,18274,946118,12863,90254,2261.2%64763,932 第79期自 2025年4月1日至 2026年3月31日 土木54,22676,314130,54075,43455,1061.4%77675,563計54,22676,314130,54075,43455,1061.4%77675,563 (注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越工事高(うち施工高)-前期繰越工事高(うち施工高))に一致しております。② 受注工事高の受注方法別比率 工事の受注方法は、特命と競争に大別されております。期別区分特命(%)競争(%)計(%)第78期自 2024年4月1日至 2025年3月31日土木工事90.39.7100.0第79期自 2025年4月1日至 2026年3月31日土木工事93.96.1100.0 (注) 百分比は請負金額比であります。③ 完成工事高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円) 第78期自 2024年4月1日至 2025年3月31日 土木工事50,73113,17163,902計50,73113,17163,902 第79期自 2025年4月1日至 2026年3月31日 土木工事62,64712,78775,434計62,64712,78775,434 (注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。第78期 請負金額5億円以上の主なもの (注文者) (工事名) 大成建設㈱ 南摩ダム本体建設工事 西松建設㈱ R2国道357号多摩川トンネル羽田立坑工事 ㈱河野建設 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事 前田建設工業㈱ 石巻市石巻中央幹線管渠復興建設工事その5 ㈱安藤・間 東海第二防潮堤(海水ポンプ室エリア区間)設置 奥村組土木興業㈱ 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)のり面補強工事 ㈱大林組 島根原子力発電所2号機 FS南西ヤード掘削箇所背面地盤改良工事 ㈱熊谷組 (仮称)川又発電所導水路修繕工事 ㈱安藤・間 黒川第一発電所復旧工事のうち土木本工事他〔第3工区〕 ㈱安藤・間 稲城大丸法面工事 大豊建設㈱ 大滝江筋取水口斜面落石対策工事 西松建設㈱ 鳥海ダム右岸上部掘削整備工事 第79期 請負金額5億円以上の主なもの (注文者) (工事名) 飛島建設㈱ 北海道新幹線、新八雲(仮称)駅高架橋 ㈱安藤・間 冷水地区北西部斜面対策工事 ㈱熊谷組 北海道新幹線、岩尾別高架橋 大成建設㈱ 堰堤改良の内 豊平峡ダム耐震補強工事 ㈱鴻池組 瑞穂環境保全センター第三期保全計画埋立地工事 ㈱奥村組 中央新幹線神奈川県駅(仮称)新設 鹿島建設㈱ 常磐道 日立地区災害復旧工事 佐藤工業㈱ 輪島(5)災害復旧工事 ㈱安藤・間 駒込ダム本体建設工事 ㈱熊谷組 九州新幹線(西九州)、17k5・44k2間線路諸設 ㈱奥村組 関越自動車道六日町地区函渠工工事 ㈱関電工 (仮)日本橋N1中C街区計画 大成建設㈱ 北海道新幹線、札樽トンネル(桑園)他 前田建設工業㈱ 足羽発電所 導水路他改良及び関連除去・修繕工事 三井住友建設㈱ 北海道新幹線、祭礼トンネル他 戸田建設㈱ 中央新幹線美佐野トンネルほか新設工事 ㈱安藤・間 駒込ダム本体建設工事 ㈱熊谷組 矢作川総合第二期農地防災事業 北部併設水路(下流)一期建設工事 ヒロセ㈱ 新宿駅西口再開発計画3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。 ④ 手持工事高(2026年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)土木工事46,1928,91455,106 (注)1 当社が総合建設業者を通じて受注した官公庁発注工事は官公庁欄に計上しております。2 手持工事のうち、請負金額5億円以上の主なもの(注文者)(工事名)(完成予定)ケミカルグラウト㈱成瀬ダム堤体打設工事2026年12月㈱大林組新丸山ダム本体建設第1期工事2029年3月前田建設工業㈱清水・仁江地区地すべり災害復旧工事2028年3月大成建設㈱本明川ダム建設(一期)工事2028年8月清水建設㈱利賀ダム本体建設(第1期)工事2026年12月㈱熊谷組東大島幹線工事2026年8月㈱熊谷組北海道新幹線、羊蹄トンネル(有島)他2026年4月西日本高速道路㈱令和6年度 沖縄自動車道(特定更新等)那覇IC~沖縄南IC間のり面補強工事2027年6月㈱宮地組6災 主要地方道 七尾輪島線 道路災害復旧工事(法面工)2026年9月大成建設㈱泊発電所防潮堤母材採取他工事および関連除却工事2026年11月㈱大林組市道高速1号他新洲崎工区改築事業(工事)2026年7月奥村組土木興業㈱高知自動車道 井床橋他4橋耐震補強工事2027年3月大成建設㈱福島第一原子力発電所建屋間ギャップ端部止水工事2027年3月㈱安藤・間令和7-11年度 山鳥坂ダム本体建設(第1期)工事2029年3月富崎建設㈱和歌山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事(令和4年度)2026年10月西松建設㈱鳥海ダム本体建設(第1期)工事2026年8月西松建設㈱令和5年度電建工第2-2号RN水圧鉄管路他更新工事2028年3月奥村組土木興業㈱中国自動車道(特定更新等)高尾トンネル他7トンネル覆工補強工事2026年8月大成建設㈱北海道新幹線、琴平高架橋2026年9月清水建設㈱足羽川ダム本体建設工事2026年12月前田建設工業㈱内ケ谷ダム本体建設工事2026年12月㈱安藤・間新佐久間FC新設工事 敷地造成工事2026年12月㈱鴻池組名塩道路城山地区切土工事2027年3月奥村組土木興業㈱京都縦貫自動車道(特定更新等)のり面補強工事2026年12月清水建設㈱中央新幹線第一木曽川橋りょう他新設2026年10月㈱安藤・間冷水地区北西部斜面対策他工事2026年10月㈱大林組横浜環状南線公田インターチェンジ工事2026年12月㈱安藤・間駒込ダム本体建設工事2026年11月株本建設工業㈱令和7年度 福知山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事2030年5月奥村組土木興業㈱徳島自動車道 脇工事2026年9月大成建設㈱重要文化財 大谷派本願寺函館別院本堂ほか4棟保存修理工事2027年6月㈱大本組北春日部駅周辺地区 土地区画整理事業2027年12月東亜建設工業㈱神戸複合産業団地南地区造成工事(その1)2029年3月飛島建設㈱北海道新幹線、札樽トンネル(富丘)2027年6月大成建設㈱なにわ筋線梅田地区T新設他工事2027年1月三和建設㈱メーカーズパーク生駒第4期工事2028年3月東日本高速道路㈱北陸自動車道 R5新潟管内橋梁補修工事2026年11月奥村組土木興業㈱和歌山高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事(令和4年度)2026年10月臼杵市令和6年度公共下水道丸尾川排水区雨水渠整備工事2026年6月㈱島村工業総選除)023水整第701号 大久保浄水場西部系2系1ブロック沈でん池 南側場内配管布設工事2026年10月㈱不動テトラ新東名高速道路滝沢川橋他1橋(下部工)2026年8月奥村組土木興業㈱徳島自動車道 脇(その2)工事2027年5月奥村組土木興業㈱令和7年度 京都高速道路事務所管内(特定更新等)盛土補強工事2028年3月西日本高速道路㈱令和5年度 京都高速道路事務所管内 はく落防止対策工事2026年12月株木建設㈱(仮称)新産業廃棄物最終処分場建設工事2027年8月前田建設工業㈱R6 249号珠洲地区道路復旧その2工事2027年3月大成建設㈱なにわ筋線梅田地区T新設工事2026年8月西松建設㈱平良丘陵開発土地区画整理事業 造成工事2027年3月戸田建設㈱創成川処理区Ⅳ-01000(北18条東2丁目ほか)下水道新設工事2026年10月㈱熊谷組国庫補助事業 創成川処理区Ⅳ-01000(北45条東1丁目ほか)下水道新設工事2026年11月㈱大林組第四南巨摩トンネル新設(東工区)工事2026年7月西日本高速道路㈱令和5年度 米子自動車道 米子高速道路事務所管内のり面補修工事2026年7月㈱鴻池組祝園(6)造成工事2026年4月 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績の分析当連結会計年度の経営成績の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。 ③経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの資金需要の主なものは、工事施工に伴う材料費、外注費等の支払であり、その資金は営業活動からのキャッシュ・フローにより調達しております。施工が集中することにより、一時的に営業キャッシュ・フローを上回る資金需要があった場合に備え、金融機関と借入枠5,000百万円のコミットメントライン契約を結んでおります。なお、2026年3月31日現在における貸出コミットメント契約に係る借入未実行残高は5,000百万円、現金預金勘定残高は17,732百万円であり、通常の事業活動を継続するための資金調達は十分であると考えております。 ⑤経営者の問題認識と今後の方針について経営者の問題認識と今後の方針については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 公共事業への高い依存日特建設の受注高の約8割が公共事業に依存しているため、国や地方自治体の財政状況の変化や政策による公共事業の削減があった場合、会社の売上高や利益が大きく減少する可能性があります。これは、事業の安定性に影響を及ぼす重要なリスクです。
- 建設資材・労務費の高騰と人手不足建設資材の価格や建設現場で働く人々の賃金が急激に上昇したり、熟練した技能労働者が不足したりすると、工事にかかる費用が増えて利益が圧迫される可能性があります。また、人手不足は工事の遅延を招き、売上や収益に悪影響を与える恐れがあります。
- 海外事業と法的規制のリスクインドネシアなど海外でも事業を展開しているため、現地の政治・経済情勢の変動、法規制の変更、為替レートの変動などが工事の採算や進捗に影響を与える可能性があります。また、建設業法をはじめとする様々な法的規制の改正も、事業運営に影響を及ぼすリスクとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)公共事業への依存 当社は受注高の約8割を公共事業に依存しているため、予想を超える公共事業の削減が行われた場合には、売上高・利益の減少等、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、現在のところ、業績に影響を及ぼすような大きな市場・環境の変化は認識していません。また、公共工事への依存を軽減するため、民間工事及び海外工事の受注にも取り組んでおります。(2)他社との競合 当社の事業は受注産業であるため、他社との競合が激化することで採算が悪化し、売上高・利益の減少等、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、現在のところ、業績に影響を及ぼすような大きな市場・環境の変化は認識しておりません。(3)取引先の与信 工事の受注から代金回収まで、相当な期間を要する場合がありますので、取引先の業況悪化等により工事代金の回収遅延、貸倒れ損失等が発生し、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、与信管理の徹底により貸倒れ防止に努めております。また、リスクに備えるため、下請債権保全支援事業による債権保証ファクタリングを利用し、貸倒れが発生した場合でも損失を回避、または低減しております。(4)品質管理 品質管理には万全を期しておりますが契約不適合及び製造物責任による損害賠償が発生した場合は、賠償金の発生、売上高・利益の減少等、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、工事部門による現場の品質パトロールを行い、品質不良の発生を防ぐと共に、過去の品質トラブル事例を水平展開して再発防止に努めております。また、2020年度より安全環境品質本部内に品質管理を専門に行う品質部を新設し、品質管理の強化徹底に努めております。(5)建設資材価格および労務単価の高騰、技能労働者の不足 建設資材や労務単価の急激な上昇および技能労働者の不足が生じた場合は、工事の採算悪化や工事進捗に遅延を招く恐れがあり、売上高・利益の減少、採算性の悪化等、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、工期が一年を超える大型工事の割合は少なく、仮に建設資材費、労務費単価が上昇した場合でも交渉を行い、業績への影響は最小限とするように努めております。また協力業者の技能労働者配置計画については、本店にて支店間の調整の他、多能工の養成にも積極的に取り組んでおります。(6)労働災害および事故の発生 工事施工にあたっては、労働災害および事故の発生を防ぐべく対策を講じておりますが、万が一、重大災害や大きな事故、トラブルが発生した場合は、売上高・利益の減少、採算性の悪化等、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループでは、労働安全衛生法遵守はもちろん、社内で定めたより厳しい基準で安全管理を行っております。また、過去の労働災害事例を水平展開して再発防止に努めております。さらに、安全指導の基本方針、安全強化項目を定め、各現場の管理とともに安全パトロールで重点的に点検し、災害発生防止に努めております。(7)海外事業におけるリスク 海外で事業を展開しており、海外での政治・経済情勢、法的規制、為替相場等に著しい変化が生じた場合や、資材価格や労務単価の急激な上昇などがあった場合には、工事利益の確保や工事進捗に支障をきたし、業績に影響を与える可能性があります。 当社グループは、さまざまなリスク回避のため、日系企業からの受注及び情報収集を行っております。また海外事業は、現在のところ売上高、利益ともグループ全体におけるシェアが小さく、当社グループ全体の業績への影響は、軽微であります。(8)法的規制 当社グループは建設業を主たる事業としており、建設業法をはじめとする法的規制を受けているため、法改正等により業績に影響を与える可能性があります。 当社グループについて、市場や業績に影響を及ぼすような法改正等は認識しておりません。(9)不正によるリスク 役職員の不正が発生し、著しい損害が発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、行動倫理規範により、高い倫理観を持ち業務を行うように指導するとともに、コンプライアンス研修、および内部管理体制、監査等で不正の防止に努めております。(10)気候変動に関するリスク 脱炭素社会への移行に向けて、事業活動で発生する温室効果ガス排出量の規制や炭素税が導入された場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。また温暖化により気温の上昇を招き、それにより災害が甚大化する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 環境負荷軽減のため、CO2排出量削減に資する研究開発の推進や、CO2排出量削減に資する工法の設計・施工の推進に取り組むほか、オフィス、現場事務所の省エネの推進にも取り組んでまいります。(11)感染症拡大によるリスク 感染症拡大により、市場の変化や工事の採算悪化や工事進捗に遅延を招く恐れがあり、業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、従業員に対する感染予防対策を徹底し、WEB会議等を活用することにより、事業継続が可能な体制強化を進めてまいります。(12)情報漏洩によるリスク 個人情報や機密情報などが漏洩した場合、社会的な信用の失墜、損害賠償の請求などにより、当社の業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、このリスクに対応するために、情報管理についての規則を定め、社員に順守させるとともに、情報セキュリティについての教育を定期的に行い、情報管理の徹底と社員の意識向上に努めております。 その他、当社グループ会社につきましては、当社の内部統制システムに組み入れて、その業務が適正に遂行されるように監視・監督しておりますが、業況の変化により当社の業績に影響を与える可能性があります。