事業の概要
- 電気設備工事日本リーテックグループは、鉄道、道路、屋内外の電気設備、送電線といった幅広いインフラの電気設備工事を主力事業としています。これは、社会の基盤を支える重要な役割を担っており、安定した需要が見込まれる分野です。特に鉄道関連の工事は、東日本旅客鉄道株式会社との強固な関係を背景に、売上高の大部分を占めています。
- 兼業事業交通安全施設に関する標識や交通安全用品の製造・販売、機械工具・工事用資材の販売、建物や設備の保守・管理、事務代行業務など、多岐にわたる事業を展開しています。これらの事業は、主力である電気設備工事を補完し、グループ全体の収益源の多様化に貢献しています。
- 不動産賃貸事業土地や建物の賃貸業務も行っています。これは、安定的な賃料収入を確保することで、グループの収益基盤をさらに安定させる役割を果たしています。主要な事業活動とは異なりますが、リスク分散や資産の有効活用という点で重要な位置づけです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 電気設備工事業当グループの売上高の大部分を占める主力事業で、652億6351万円の売上と82億4969万円の営業利益を上げています。鉄道電気設備工事、道路設備工事、屋内外電気設備工事、送電線設備工事など、社会インフラの基盤を支える幅広い電気設備工事を手掛けており、安定した需要が特徴です。
- 兼業事業交通安全用品の製造・販売、機械工具・工事用資材の販売、保守・管理・事務代行業務などを行う事業で、売上高は30億1762万円、営業利益は3億8797万円です。主力事業を補完し、グループ全体の収益源の多様化に貢献しています。地域は日本国内が中心です。
- 不動産賃貸事業土地や建物の賃貸業務を行う事業で、売上高は3億8859万円、営業利益は1億8710万円です。安定的な賃料収入を確保することで、グループの収益基盤を安定させる役割を担っています。主要な事業活動とは異なりますが、リスク分散の観点から重要な位置づけです。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| ElectricityInstallationWorkBusiness | 地域 | 653 | 82 | 12.6% |
| SideLineBusiness | 地域 | 30 | 4 | 12.9% |
| RealEstateLeasingBusiness | 地域 | 4 | 2 | 48.2% |
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3 【事業の内容】当社グループは、当社、子会社7社及び関連会社3社(2026年3月31日現在)で構成され、電気設備工事業(鉄道電気設備工事、道路設備工事、屋内外電気設備工事、送電線設備工事)、兼業事業及び不動産賃貸事業を主な内容として事業活動を展開しております。 当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 区分内容関係会社電気設備工事業鉄道電気設備工事信号設備、電車線設備、発変電設備、電灯・電力設備、情報・通信システム、鉄道送電線工事当社、㈱保工北海道、東日本電気エンジニアリング㈱、日本鉄道電気設計㈱、NR電気システム㈱道路設備工事交通信号・道路情報制御システム、標識・標示、遮音壁・防護柵・裏面吸音板、景観サイン工事当社、㈱保工北海道、㈱保工東北、交通安全施設㈱屋内外電気設備工事屋外電気設備、屋内電気設備、太陽光発電システム工事当社、㈱シーディーサービス送電線設備工事送電線設備工事当社、㈱シーディーサービス、㈱ケンセイ兼業事業製造・販売業務交通施設に関する標識及び交通安全用品の製造・販売業務当社、㈱保安サプライ、㈱保工北海道、㈱保工東北、交通安全施設㈱機械工具・工事用資材販売業務㈱シーディーサービス保守・管理・事務代行業務建物・関連設備の保守・管理業務、機械装置・仮設材関係の保守・管理業務・事務代行業務㈱シーディーサービス、NRシェアードサービス㈱不動産賃貸事業不動産賃貸業務土地・建物の賃貸業務当社 事業の系統図は次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 競合他社との受注競争激化による低採算化、収益力低下の可能性 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 建設業法に基づく特定建設業許可が必要であり、許可取り消しリスクがある |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:市場の動向及び競合 / 東日本旅客鉄道株式会社との関係悪化 / 人財の確保と育成
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
ブランド力や特許などの無形資産は限定的。建設業という性質上、技術力やノウハウは存在するが、それが明確な競争優位性として数値化されにくい。
スイッチングコスト★★☆☆☆
顧客は建設会社であり、一度取引が始まると、品質、コスト、納期などの理由で他社への乗り換えには一定の手間やコストがかかる可能性がある。しかし、新規顧客獲得のハードルはそれほど高くない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
ネットワーク効果が期待できる事業モデルではない。顧客やサプライヤーとの関係性は重要だが、それが直接的な競争優位性には繋がりにくい。
コスト優位★☆☆☆☆
規模の経済によるコスト優位性は限定的。建設業は一般的に労働集約的であり、材料調達や工事プロセスにおける効率化が重要だが、圧倒的なコスト削減能力は示されていない。
規模の経済★★★☆☆
売上高が直近3期で増加傾向にあり、一定の規模を持つ。大規模プロジェクトの受注能力や、仕入れにおける交渉力など、規模の経済による恩恵を受ける可能性がある。
- 鉄道電気工事の専門性長年にわたり培ってきた鉄道電気設備工事の技術とノウハウは、日本リーテックグループの大きな強みです。信号設備、電車線設備、発変電設備など、鉄道の安全運行に不可欠な専門性の高い工事を手掛けており、この分野での高い技術力と実績は、他社との差別化につながっています。
- 東日本旅客鉄道との関係東日本旅客鉄道株式会社が筆頭株主であり、鉄道事業分野における重要なパートナーとして位置づけられています。この強固な関係は、鉄道電気設備工事の安定的な受注に繋がり、事業基盤の安定性を高めています。独立性は保たれているものの、協力関係は大きな競争優位性です。
- 多角的な事業展開電気設備工事だけでなく、交通安全用品の製造販売、機械工具販売、不動産賃貸など、複数の事業を展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを軽減し、市場環境の変化にも柔軟に対応できる体制を構築しています。各事業が相互に補完し合うことで、グループ全体の安定性を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 安全と品質の追求経営の根幹として「安全第一」を掲げ、労働災害や重大事故ゼロを目指しています。また、工事、業務、サービスの品質向上を永遠のテーマとし、施工精度や厳格な工程管理を通じて最高水準の品質を提供することを目指しています。これにより、顧客からの信頼をさらに高め、持続的な成長を支えます。
- 収益力の向上と多角化既存事業の収益力強化と事業基盤の深度化を図るとともに、新たな社会ニーズや課題解決に貢献する多角化戦略を推進しています。鉄道、道路、送電線などのコア技術を融合し、既存事業の周辺領域や価値創造事業への参画を通じて、収益源を多様化し、新たな成長ストーリーを構築することを目指します。
- 人財確保とエンゲージメント向上将来を担う技術者の確保と育成を重要課題とし、従来の価値観にとらわれない採用活動や、従業員が誇りを持って働けるキャリアパスの構築に注力しています。多様な研修や資格取得支援を通じて技術力と人間力を兼ね備えた人財を育成し、従業員の働きがいを高めることで、組織全体の活性化と成長を実現します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)NRグループパーパス 当社グループは、「卓越した技術と誠実な施工でインフラを支え、安全・安心な社会と豊かな暮らしを未来につなぐ」というグループパーパスを制定しております。時代の移り変わりとともに、当社グループが果たすべき役割も進化しておりますが、これまで以上に高い安全意識と専門性を兼ね備えた人財育成に取り組み、社会インフラを支える存在として、すべてのステークホルダーとともに未来へ歩んでまいります。 (2)経営の基本方針 当社グループは、「当社は、鉄道の技術から発展した総合電気工事会社として、安全を第一に、品質の向上と技術の研鑽に努め、変革に挑み続けます。そして、卓越した技術と誠実な施工により、お客様から信頼され、共に成長し、広く社会基盤の構築に貢献することで、持続可能な社会を目指します。」という経営理念を掲げ、お客様の期待と信頼に応え、社会に貢献してまいります。また、以下の3つの基本方針を掲げ、時代の変遷に対応するため、「変革と挑戦」への意識改革の取り組みをより一層強化するとともに、会社の変革を目指して社員一人ひとりが仕事の仕組みを変え、会社を変革し続けることにより企業価値の向上を図ってまいります。 (安全) 安全は経営の根幹である。労働災害及び重大事故ゼロを目指して、役員、社員一人ひとりが自らの職責を全うして安全を築き上げます。 (意識改革で会社・社会の発展) 役員、社員一人ひとりが、常にチャレンジ精神で自ら考え行動することにより、競争力と収益力に優れた企業として、持続的に成長し企業価値と社会価値の向上を目指します。 (社員の働きがい) 役員、社員一人ひとりが、仕事に誇りを持って自らの成長に努め、社会への貢献を通じて、仕事と生活の調和のとれた働きがいのある職場を実現します。 (3)環境基本理念 当社グループは、以下のとおり環境基本理念を制定しております。省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの利用拡大など、事業活動のあらゆる場面で当社グループの環境戦略「REACH:RIETEC’s Environmental Approaches to Create new Horizons」を推進し、2050年カーボンニュートラルの達成に向けて貢献いたします。なお、「REACH」については当社ホームページ(https://www.j-rietec.co.jp/esg/environment/reach/)をご参照ください。 (環境基本理念) 日本リーテックグループは「広く社会基盤の構築に貢献する」という経営理念のもと、地球環境に対する継続的改善を経営の重要課題と位置づけ、事業活動の全ての場面において、環境負荷の低減に努め、持続可能な社会の実現に向けて貢献いたします。 (4)中長期的な経営環境と対処すべき課題への取り組み今後の日本経済につきましては、景気の回復基調を背景に企業収益や雇用・所得環境の更なる改善が期待されております。一方で、中東情勢や海外の経済動向に伴うサプライチェーンの混乱に伴い、物価の上昇や原材料の供給不足など、経済活動に影響を及ぼす不確実性が増しており、引き続き注視が必要な状況となっております。このような状況の中、当社グループが10年後に目指す姿「NR Vision 2035」の達成に向けた第1ステップである「中期経営計画2027」の初年度が終了いたしました。人財の確保や建設コストの上昇など多くの課題に直面しておりますが、顧客との継続的な価格協議に加え、DXや技術開発の推進、柔軟な要員操配等による生産性の向上に努めた結果、受注高・売上高・各利益ともに過去最高を更新する決算となりました。今後も電気設備工事業の各部門ともに、主要顧客を中心に受注は堅調に推移すると見込んでおります。加えて既存事業の知見や技術を部門横断的に活かしたデータセンターや系統用蓄電池等の新たな事業もスタートいたしました。現在の堅調な受注環境を確実に成長へと繋げるため、不確実性が増す外部環境への注意を払いつつ、引き続き「中期経営計画2027」で掲げる各種戦略を着実に実行し、企業価値、株主価値の向上を実現してまいります。 (長期ビジョン「NR Vision 2035」)当社グループは、10年後の目指す姿として長期ビジョン「NR Vision 2035」を定めております。当社グループの強みである高い専門性と強固な顧客基盤を活かし、新たな事業領域等の開拓を積極的に行い、持続的成長を実現してまいります。そして、卓越した技術と誠実な施工でインフラを支え、安全・安心な社会と豊かな暮らしを未来につなぎ、多様な価値を創造し続けることにより、すべてのステークホルダーから「選ばれる企業」を目指してまいります。 10年後の目指す姿 (「中期経営計画 2027」の骨子)2025年度を初年度とする3年間の「中期経営計画 2027」は、長期ビジョンの実現に向けた第1ステップと位置付け、その方向性を明確化するとともに、成長ドライブとなる以下の戦略を策定しております。本計画を着実に実行することで、長期ビジョンへと続く確かな道筋を築き上げ、当社グループの企業価値向上に努めてまいります。 磨き抜くべき普遍的価値① 安全第一経営の根幹である「安全」は、安全品質№1企業を目指し、当社の安全ポリシー「NR安全の樹」を企業文化として、そのこころをグループ一人ひとりがアイデンティティとなるまでに高めること、そして、安全を支える活力ある職場作りを通じ、私たちの仕事が社会を支えているという高い志「NR品質・NRプライド」を持つ人財の育成に取り組み、お客様から更なる信頼をいただけるよう努めてまいります。 ② 品質の維持・向上 「品質の維持・向上」は、当社グループの永遠のテーマであり、工事の品質、業務の品質、サービスの品質の3つの重点項目に注力してまいります。具体的には、施工精度、設計図書との適合性、厳格な工程管理を実施することで品質を確保してまいります。さらに、顧客の要望への対応や技術提案などの付加価値の提供、施工技術の向上、厳格な品質管理、安全意識の向上など、常に最高水準の品質を目指し、不断の努力を続けてまいります。 ③ 技術の研鑽従業員一人ひとりが技術力向上に励み、安全・安心で持続可能な社会基盤を築くことで、持続的な成長と社会貢献を目指してまいります。プロジェクト管理能力、専門技術力、そして人財育成の強化を柱に、技術の研鑽に努めてまいります。多様な研修や資格取得支援、OJTなどを推進し従業員一人ひとりがプロフェッショナル意識を高め、技術力と人間力を兼ね備えた人財へと成長することで、顧客の期待を超えるサービスを提供し、一層の信頼を獲得してまいります。 ④ コンプライアンスコンプライアンスの維持・強化は、継続的で不断の努力が必要であり、働きがいのある心理的安全性の高い職場を実現することにつながることを深く認識し、従業員一人ひとりが計画的に取り組んでまいります。具体的には、コンプライアンス意識醸成の「態勢」、社内ルールや法令等の本質を追求する「知識習得」、コンプライアンスに繋がる行為や振舞いを実践する「行動促進」の3つの推進により、コンプライアンスの維持・強化を図り、行動指針に従った社会の期待に応える経営を実現してまいります。 事業戦略① 収益力の向上a.既存事業の収益力向上・深度化戦略当社グループの持続的成長を確実なものとするため、既存事業の収益力を強化し、事業基盤を一層厚くしてまいります。今後の市場動向を的確に捉え、成長分野への経営資源集中を図るとともに、生産性の向上を追求し、収益力の強化・深度化を力強く推進してまいります。 b.多角化戦略当社グループには、鉄道、道路、送電線、各種施設の電気・通信工事等において、それぞれに専門性の高いコア技術やノウハウがあり、これらを融合そして活用した総合力により、新たな社会ニーズや課題の解決に貢献してまいります。時代の変化をチャンスと捉え、既存事業の周辺領域への進出と未来に向けた価値創造事業への参画を通じて収益源の多角化を図り、新たな成長ストーリーを構築してまいります。 c.グループ会社戦略 グループ各社の強みや専門性を活かした最適な事業体制を構築することで事業基盤と収益力の強化を推進してまいります。また、各社の独立性を保ちつつ、人事交流やコミュニケーションの活性化を推進し、グループ力の底上げを目指してまいります。 ② 人財確保・エンゲージメント向上a.リクルート戦略従来の価値観に縛られない採用活動と当社グループで働きたいという強い動機付けとなる施策によりブランド力向上を図ることで、将来の当社グループを担う技術者を獲得し、組織の活性化と成長を実現してまいります。 b.キャリアパス戦略従業員が誇りを持って働き、成長を実感しながら自己実現できるよう、明確なキャリアパスを提示いたします。そのうえで、従業員が自らの価値を自覚・理解し、キャリア形成に意欲的に取り組むことができる仕組みを構築し、個の能力の最大化を図ってまいります。 c.多能化戦略従業員一人ひとりのキャリア目標に応じた多様な職務経験の機会を提供し、専門性を高めながら領域を広げるための能力開発を支援することで、従業員の自己成長を促進してまいります。その成長により個々の能力を最大限に引き出し、互いに作用し合うことで組織全体の総合力を高め、収益力強化につなげてまいります。 d.働きがい・働きやすさ向上戦略従業員のキャリア自律を促すとともに成長支援に重点を置き、従業員一人ひとりが安心して仕事に取り組むことができ、成長できる職場風土を築いてまいります。 ③ DXや技術開発による生産性向上a.DX戦略工事施工に係る業務から本店・支店における管理部門の業務まで、グループ会社を含む全ての業務にDXを推進してまいります。DX推進体制の強化と当社グループ全従業員のデジタルスキル及びリテラシー向上により、当社の目指すイノベーション戦略の未来像である「RICS:RIETEC Innovation & Challenge for Sustainability」の実現を目指してまいります。なお、「RICS」については当社ホームページ(https://www.j-rietec.co.jp/esg/social/social02/)をご参照ください。 b.技術開発戦略現場の開発環境を改善することで、これまで以上に技術開発を推進してまいります。また、新たな開発体制を構築し、革新的な技術開発に挑戦することで、一層の生産性向上、安全性向上、そして現場施工の変革や新たな価値創出を実現してまいります。 ④ カーボンニュートラルとレジリエンス強化による持続可能な社会への貢献a.事業活動におけるカーボンニュートラル戦略2050年のカーボンニュートラルを目指し、事業活動における環境負荷低減に取り組んでまいります。具体的には、省エネルギー化、再生可能エネルギー導入、合理的なCO2排出量算定とデータ収集基盤の構築を進めてまいります。 b.再生可能エネルギー関連工事や設備強靭化工事を通じて持続可能な社会の実現に貢献脱炭素社会の実現と地域の安全・安心に貢献するため、再生可能エネルギー事業と防災・減災関連事業を推進してまいります。再生可能エネルギー事業では施工実績を積み、既存建物への設備導入や系統用蓄電池設置等を目指してまいります。防災・減災関連事業では、ライフラインの強靭化を支えるべく、当社が得意とする耐震補強工事や電力連系線強化工事を推進することで、災害に強い地域づくりに参画してまいります。 企業価値向上に向けた財務戦略当社は2026年5月18日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」をアップデートし、取り組むべき課題として引き続きROEの改善と成長戦略の着実な実行を掲げ、企業価値と市場評価の向上に取り組んでおります。現在、ROEの改善については「中期経営計画2027」の最終年度目標として8.0%を2年前倒しで達成するなど、一定の成果が出ております。一方で市場評価(PBR)については1倍前後で推移しており、更に踏み込んだ取り組みが必要であることを踏まえ、今般の中期経営計画においても財務戦略としての重点実施事項を掲げ、全てのステークホルダーから選ばれる企業となるために、一つひとつの施策に着実に取り組んでまいります。① 資本効率の向上(総資本回転率)「効率的なバランスシート」の実現は、ROE改善の重要な要素であり、加えてキャッシュフロー改善の効果を生み出し、安定的な配当還元や機動的な投資を実現し得ることを踏まえ、適正なキャッシュポジションの確保を目指してまいります。 ② 株主還元の拡充(配当方針)当社は株主の皆様への利益還元を経営の重要課題と位置付けており、安定的な配当の継続と機動的な自己株式の取得を通じて、利益還元の拡充と資本効率の向上を目指すことを株主還元の基本方針としております。今般の中期経営計画においてもその基本方針に則った上で、配当還元の水準と安定性の強化に努めております。具体的には、短期的な業績に左右されない安定的、かつ累進的な配当を実現すべく、DOE3.6%を目安として決定してまいります。 ③ 株主とのエンゲージメント向上資本コストや株価を意識した経営の実現のためには、株主との対話や財務・非財務両面での情報開示などにより、株主からの理解を深めることが重要であると考え、積極的な株主とのエンゲージメント向上に努めてまいります。 事業戦略実現に向けた投資戦略事業戦略の実現に向けて、デジタル化、人財育成、環境対策など、成長機会と捉えられる分野に積極的に投資を実行し、持続的な成長と収益力強化を目指してまいります。成長投資を機動的に実施していくため、資金は手元資金に限定せず、財務レバレッジを効かせた負債調達も積極的に活用してまいります。同時に、投資案件ごとに厳格な収益性評価を実施し、市場動向や金利変動などのリスク要因を常にモニタリングすることで、リスクを最小限に抑えながら、着実な成長を実現してまいります。① 安全関連投資ICT技術導入、遠隔安パト・サポート体制の充実 等 ② 施工基盤強化投資作業環境の整備、協力会社との関係強化 等 ③ 人的資本関連投資採用強化、働きがい向上、多能化強化 等 ④ 新技術・DX関連投資研究開発・技術開発推進、ICT技術導入 等 ⑤ 環境経営・GX関連投資再生可能エネルギー関連、環境負荷低減活動 等 ⑥ 戦略的M&A、資本・事業提携施工体制やエリア拡大に向けた戦略的M&A 等 キャピタル・アロケーション 「中期経営計画2027」の達成目標2025年度の決算を受け、2026年5月に目標数値を一部修正いたしました。 ※2026 年3月期において、政策保有株式の売却実績はありませんでしたが、中期経営計画期間内で達成できる 見込みとなっております。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1)NRグループパーパス 当社グループは、「卓越した技術と誠実な施工でインフラを支え、安全・安心な社会と豊かな暮らしを未来につなぐ」というグループパーパスを制定しております。時代の移り変わりとともに、当社グループが果たすべき役割も進化しておりますが、これまで以上に高い安全意識と専門性を兼ね備えた人財育成に取り組み、社会インフラを支える存在として、すべてのステークホルダーとともに未来へ歩んでまいります。 (2)経営の基本方針 当社グループは、「当社は、鉄道の技術から発展した総合電気工事会社として、安全を第一に、品質の向上と技術の研鑽に努め、変革に挑み続けます。そして、卓越した技術と誠実な施工により、お客様から信頼され、共に成長し、広く社会基盤の構築に貢献することで、持続可能な社会を目指します。」という経営理念を掲げ、お客様の期待と信頼に応え、社会に貢献してまいります。また、以下の3つの基本方針を掲げ、時代の変遷に対応するため、「変革と挑戦」への意識改革の取り組みをより一層強化するとともに、会社の変革を目指して社員一人ひとりが仕事の仕組みを変え、会社を変革し続けることにより企業価値の向上を図ってまいります。 (安全) 安全は経営の根幹である。労働災害及び重大事故ゼロを目指して、役員、社員一人ひとりが自らの職責を全うして安全を築き上げます。 (意識改革で会社・社会の発展) 役員、社員一人ひとりが、常にチャレンジ精神で自ら考え行動することにより、競争力と収益力に優れた企業として、持続的に成長し企業価値と社会価値の向上を目指します。 (社員の働きがい) 役員、社員一人ひとりが、仕事に誇りを持って自らの成長に努め、社会への貢献を通じて、仕事と生活の調和のとれた働きがいのある職場を実現します。 (3)環境基本理念 当社グループは、以下のとおり環境基本理念を制定しております。省エネルギーの推進、再生可能エネルギーの利用拡大など、事業活動のあらゆる場面で当社グループの環境戦略「REACH:RIETEC’s Environmental Approaches to Create new Horizons」を推進し、2050年カーボンニュートラルの達成に向けて貢献いたします。なお、「REACH」については当社ホームページ(https://www.j-rietec.co.jp/esg/environment/reach/)をご参照ください。 (環境基本理念) 日本リーテックグループは「広く社会基盤の構築に貢献する」という経営理念のもと、地球環境に対する継続的改善を経営の重要課題と位置づけ、事業活動の全ての場面において、環境負荷の低減に努め、持続可能な社会の実現に向けて貢献いたします。 (4)中長期的な経営環境と対処すべき課題への取り組み今後の日本経済につきましては、景気の回復基調を背景に企業収益や雇用・所得環境の更なる改善が期待されております。一方で、中東情勢や海外の経済動向に伴うサプライチェーンの混乱に伴い、物価の上昇や原材料の供給不足など、経済活動に影響を及ぼす不確実性が増しており、引き続き注視が必要な状況となっております。このような状況の中、当社グループが10年後に目指す姿「NR Vision 2035」の達成に向けた第1ステップである「中期経営計画2027」の初年度が終了いたしました。人財の確保や建設コストの上昇など多くの課題に直面しておりますが、顧客との継続的な価格協議に加え、DXや技術開発の推進、柔軟な要員操配等による生産性の向上に努めた結果、受注高・売上高・各利益ともに過去最高を更新する決算となりました。今後も電気設備工事業の各部門ともに、主要顧客を中心に受注は堅調に推移すると見込んでおります。加えて既存事業の知見や技術を部門横断的に活かしたデータセンターや系統用蓄電池等の新たな事業もスタートいたしました。現在の堅調な受注環境を確実に成長へと繋げるため、不確実性が増す外部環境への注意を払いつつ、引き続き「中期経営計画2027」で掲げる各種戦略を着実に実行し、企業価値、株主価値の向上を実現してまいります。 (長期ビジョン「NR Vision 2035」)当社グループは、10年後の目指す姿として長期ビジョン「NR Vision 2035」を定めております。当社グループの強みである高い専門性と強固な顧客基盤を活かし、新たな事業領域等の開拓を積極的に行い、持続的成長を実現してまいります。そして、卓越した技術と誠実な施工でインフラを支え、安全・安心な社会と豊かな暮らしを未来につなぎ、多様な価値を創造し続けることにより、すべてのステークホルダーから「選ばれる企業」を目指してまいります。 10年後の目指す姿 (「中期経営計画 2027」の骨子)2025年度を初年度とする3年間の「中期経営計画 2027」は、長期ビジョンの実現に向けた第1ステップと位置付け、その方向性を明確化するとともに、成長ドライブとなる以下の戦略を策定しております。本計画を着実に実行することで、長期ビジョンへと続く確かな道筋を築き上げ、当社グループの企業価値向上に努めてまいります。 磨き抜くべき普遍的価値① 安全第一経営の根幹である「安全」は、安全品質№1企業を目指し、当社の安全ポリシー「NR安全の樹」を企業文化として、そのこころをグループ一人ひとりがアイデンティティとなるまでに高めること、そして、安全を支える活力ある職場作りを通じ、私たちの仕事が社会を支えているという高い志「NR品質・NRプライド」を持つ人財の育成に取り組み、お客様から更なる信頼をいただけるよう努めてまいります。 ② 品質の維持・向上 「品質の維持・向上」は、当社グループの永遠のテーマであり、工事の品質、業務の品質、サービスの品質の3つの重点項目に注力してまいります。具体的には、施工精度、設計図書との適合性、厳格な工程管理を実施することで品質を確保してまいります。さらに、顧客の要望への対応や技術提案などの付加価値の提供、施工技術の向上、厳格な品質管理、安全意識の向上など、常に最高水準の品質を目指し、不断の努力を続けてまいります。 ③ 技術の研鑽従業員一人ひとりが技術力向上に励み、安全・安心で持続可能な社会基盤を築くことで、持続的な成長と社会貢献を目指してまいります。プロジェクト管理能力、専門技術力、そして人財育成の強化を柱に、技術の研鑽に努めてまいります。多様な研修や資格取得支援、OJTなどを推進し従業員一人ひとりがプロフェッショナル意識を高め、技術力と人間力を兼ね備えた人財へと成長することで、顧客の期待を超えるサービスを提供し、一層の信頼を獲得してまいります。 ④ コンプライアンスコンプライアンスの維持・強化は、継続的で不断の努力が必要であり、働きがいのある心理的安全性の高い職場を実現することにつながることを深く認識し、従業員一人ひとりが計画的に取り組んでまいります。具体的には、コンプライアンス意識醸成の「態勢」、社内ルールや法令等の本質を追求する「知識習得」、コンプライアンスに繋がる行為や振舞いを実践する「行動促進」の3つの推進により、コンプライアンスの維持・強化を図り、行動指針に従った社会の期待に応える経営を実現してまいります。 事業戦略① 収益力の向上a.既存事業の収益力向上・深度化戦略当社グループの持続的成長を確実なものとするため、既存事業の収益力を強化し、事業基盤を一層厚くしてまいります。今後の市場動向を的確に捉え、成長分野への経営資源集中を図るとともに、生産性の向上を追求し、収益力の強化・深度化を力強く推進してまいります。 b.多角化戦略当社グループには、鉄道、道路、送電線、各種施設の電気・通信工事等において、それぞれに専門性の高いコア技術やノウハウがあり、これらを融合そして活用した総合力により、新たな社会ニーズや課題の解決に貢献してまいります。時代の変化をチャンスと捉え、既存事業の周辺領域への進出と未来に向けた価値創造事業への参画を通じて収益源の多角化を図り、新たな成長ストーリーを構築してまいります。 c.グループ会社戦略 グループ各社の強みや専門性を活かした最適な事業体制を構築することで事業基盤と収益力の強化を推進してまいります。また、各社の独立性を保ちつつ、人事交流やコミュニケーションの活性化を推進し、グループ力の底上げを目指してまいります。 ② 人財確保・エンゲージメント向上a.リクルート戦略従来の価値観に縛られない採用活動と当社グループで働きたいという強い動機付けとなる施策によりブランド力向上を図ることで、将来の当社グループを担う技術者を獲得し、組織の活性化と成長を実現してまいります。 b.キャリアパス戦略従業員が誇りを持って働き、成長を実感しながら自己実現できるよう、明確なキャリアパスを提示いたします。そのうえで、従業員が自らの価値を自覚・理解し、キャリア形成に意欲的に取り組むことができる仕組みを構築し、個の能力の最大化を図ってまいります。 c.多能化戦略従業員一人ひとりのキャリア目標に応じた多様な職務経験の機会を提供し、専門性を高めながら領域を広げるための能力開発を支援することで、従業員の自己成長を促進してまいります。その成長により個々の能力を最大限に引き出し、互いに作用し合うことで組織全体の総合力を高め、収益力強化につなげてまいります。 d.働きがい・働きやすさ向上戦略従業員のキャリア自律を促すとともに成長支援に重点を置き、従業員一人ひとりが安心して仕事に取り組むことができ、成長できる職場風土を築いてまいります。 ③ DXや技術開発による生産性向上a.DX戦略工事施工に係る業務から本店・支店における管理部門の業務まで、グループ会社を含む全ての業務にDXを推進してまいります。DX推進体制の強化と当社グループ全従業員のデジタルスキル及びリテラシー向上により、当社の目指すイノベーション戦略の未来像である「RICS:RIETEC Innovation & Challenge for Sustainability」の実現を目指してまいります。なお、「RICS」については当社ホームページ(https://www.j-rietec.co.jp/esg/social/social02/)をご参照ください。 b.技術開発戦略現場の開発環境を改善することで、これまで以上に技術開発を推進してまいります。また、新たな開発体制を構築し、革新的な技術開発に挑戦することで、一層の生産性向上、安全性向上、そして現場施工の変革や新たな価値創出を実現してまいります。 ④ カーボンニュートラルとレジリエンス強化による持続可能な社会への貢献a.事業活動におけるカーボンニュートラル戦略2050年のカーボンニュートラルを目指し、事業活動における環境負荷低減に取り組んでまいります。具体的には、省エネルギー化、再生可能エネルギー導入、合理的なCO2排出量算定とデータ収集基盤の構築を進めてまいります。 b.再生可能エネルギー関連工事や設備強靭化工事を通じて持続可能な社会の実現に貢献脱炭素社会の実現と地域の安全・安心に貢献するため、再生可能エネルギー事業と防災・減災関連事業を推進してまいります。再生可能エネルギー事業では施工実績を積み、既存建物への設備導入や系統用蓄電池設置等を目指してまいります。防災・減災関連事業では、ライフラインの強靭化を支えるべく、当社が得意とする耐震補強工事や電力連系線強化工事を推進することで、災害に強い地域づくりに参画してまいります。 企業価値向上に向けた財務戦略当社は2026年5月18日に「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」をアップデートし、取り組むべき課題として引き続きROEの改善と成長戦略の着実な実行を掲げ、企業価値と市場評価の向上に取り組んでおります。現在、ROEの改善については「中期経営計画2027」の最終年度目標として8.0%を2年前倒しで達成するなど、一定の成果が出ております。一方で市場評価(PBR)については1倍前後で推移しており、更に踏み込んだ取り組みが必要であることを踏まえ、今般の中期経営計画においても財務戦略としての重点実施事項を掲げ、全てのステークホルダーから選ばれる企業となるために、一つひとつの施策に着実に取り組んでまいります。① 資本効率の向上(総資本回転率)「効率的なバランスシート」の実現は、ROE改善の重要な要素であり、加えてキャッシュフロー改善の効果を生み出し、安定的な配当還元や機動的な投資を実現し得ることを踏まえ、適正なキャッシュポジションの確保を目指してまいります。 ② 株主還元の拡充(配当方針)当社は株主の皆様への利益還元を経営の重要課題と位置付けており、安定的な配当の継続と機動的な自己株式の取得を通じて、利益還元の拡充と資本効率の向上を目指すことを株主還元の基本方針としております。今般の中期経営計画においてもその基本方針に則った上で、配当還元の水準と安定性の強化に努めております。具体的には、短期的な業績に左右されない安定的、かつ累進的な配当を実現すべく、DOE3.6%を目安として決定してまいります。 ③ 株主とのエンゲージメント向上資本コストや株価を意識した経営の実現のためには、株主との対話や財務・非財務両面での情報開示などにより、株主からの理解を深めることが重要であると考え、積極的な株主とのエンゲージメント向上に努めてまいります。 事業戦略実現に向けた投資戦略事業戦略の実現に向けて、デジタル化、人財育成、環境対策など、成長機会と捉えられる分野に積極的に投資を実行し、持続的な成長と収益力強化を目指してまいります。成長投資を機動的に実施していくため、資金は手元資金に限定せず、財務レバレッジを効かせた負債調達も積極的に活用してまいります。同時に、投資案件ごとに厳格な収益性評価を実施し、市場動向や金利変動などのリスク要因を常にモニタリングすることで、リスクを最小限に抑えながら、着実な成長を実現してまいります。① 安全関連投資ICT技術導入、遠隔安パト・サポート体制の充実 等 ② 施工基盤強化投資作業環境の整備、協力会社との関係強化 等 ③ 人的資本関連投資採用強化、働きがい向上、多能化強化 等 ④ 新技術・DX関連投資研究開発・技術開発推進、ICT技術導入 等 ⑤ 環境経営・GX関連投資再生可能エネルギー関連、環境負荷低減活動 等 ⑥ 戦略的M&A、資本・事業提携施工体制やエリア拡大に向けた戦略的M&A 等 キャピタル・アロケーション 「中期経営計画2027」の達成目標2025年度の決算を受け、2026年5月に目標数値を一部修正いたしました。 ※2026 年3月期において、政策保有株式の売却実績はありませんでしたが、中期経営計画期間内で達成できる 見込みとなっております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善や継続的な賃上げ、円安による旺盛なインバウンド需要等を背景に、資本市場も活況を呈するなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、日本銀行による政策金利の段階的な引き上げに加え、不安定な国際情勢に起因する原材料・エネルギー価格の上昇、さらには関税強化をはじめとする米国政権の動向など、景気の下振れ要因が内在しており、先行きには十分な留意が必要な状況となっております。建設業界におきましては、インフラ設備の老朽化対策やデジタル化、脱炭素社会の実現に向けた投資は堅調さを維持しているものの、深刻な人手不足やコスト上昇など多くの課題を抱えており、適正な価格転嫁や生産性向上の推進など、的確な対応が不可欠な状況となっております。このような状況の中、当連結会計年度は受注高が823億8千9百万円(前連結会計年度は627億5千万円)、売上高が740億4千4百万円(前連結会計年度は686億6千9百万円)となりました。利益については、営業利益が71億1千3百万円(前連結会計年度は51億9千9百万円)、経常利益が78億1千7百万円(前連結会計年度は59億5千5百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益が55億5千1百万円(前連結会計年度は47億3千3百万円)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。 ( 電気設備工事業 )電気設備工事業については、受注工事高が823億8千9百万円(前連結会計年度は627億5千万円)、完成工事高が704億8千2百万円(前連結会計年度は652億6千3百万円)、営業利益が101億5千2百万円(前年度は82億4千9百万円)となりました。〔鉄道電気設備部門〕鉄道電気設備工事については、東日本旅客鉄道株式会社の安全・安定輸送に伴う設備更新工事等により、受注工事高が399億7千3百万円(前連結会計年度は379億8千8百万円)、完成工事高が369億8千9百万円(前連結会計年度は356億3千4百万円)となりました。〔道路設備部門〕道路設備工事については、高速道路会社各社の標識工事、電気通信工事、警視庁及び各警察本部の交通信号機工事等により、受注工事高が127億4千8百万円(前連結会計年度は121億1千2百万円)、完成工事高が119億8千7百万円(前連結会計年度は117億3千1百万円)となりました。〔屋内外電気設備部門〕屋内外電気設備工事については、官公庁・民間事業者の電気設備工事、太陽光発電設備工事等により、受注工事高が91億9千2百万円(前連結会計年度は57億5千9百万円)、完成工事高が88億7千3百万円(前連結会計年度は64億6千8百万円)となりました。〔送電線設備部門〕送電線設備工事については、電力会社各社の架空送電線路工事等により、受注工事高が204億7千5百万円(前連結会計年度は68億9千1百万円)、完成工事高が126億3千2百万円(前連結会計年度は114億2千8百万円)となりました。 ( 兼 業 事 業 )兼業事業については、主に道路標識、交通安全用品の販売等により、売上高が31億6千4百万円(前連結会計年度は30億1千7百万円)、営業利益が4億1千8百万円(前連結会計年度は3億8千7百万円)となりました。 ( 不動産賃貸事業 )不動産賃貸事業については、主にオフィスビルの賃貸等により、売上高が3億9千7百万円(前年度は3億8千8百万円)、営業利益が2億3百万円(前年度は1億8千7百万円)となりました。 ② 財政状態の状況(流動資産)当連結会計年度末における流動資産の残高は、587億3千4百万円(前連結会計年度末は556億9千5百万円)となり、30億3千9百万円増加いたしました。主な要因は、現金預金の増加(83億1千4百万円から83億9千4百万円へ7千9百万円の増)、受取手形・完成工事未収入金等の増加(451億4千1百万円から482億1千7百万円へ30億7千6百万円の増)、未成工事支出金の減少(11億5千8百万円から10億7千2百万円へ8千5百万円の減)であります。 (固定資産)当連結会計年度末における固定資産の残高は、426億円(前連結会計年度末は389億3千万円)となり、36億7千万円増加いたしました。主な要因は、建物・構築物の減少(175億1千4百万円から174億7千万円へ4千4百万円の減)、リース資産の減少(33億6千4百万円から29億4千万円へ4億2千3百万円の減)、建設仮勘定の増加(4百万円から5億6千2百万円へ5億5千8百万円の増)、投資有価証券の増加(161億8千5百万円から200億6千2百万円へ38億7千7百万円の増)であります。 (流動負債)当連結会計年度末における流動負債の残高は、253億6千4百万円(前連結会計年度末は244億2百万円)となり、9億6千2百万円増加いたしました。主な要因は、支払手形・工事未払金等の増加(96億6千万円から104億3千4百万円へ7億7千3百万円の増)、電子記録債務の減少(32億5千8百万円から13億6千7百万円へ18億9千万円の減)、未成工事受入金の増加(4億5千8百万円から12億5千9百万円へ8億円の増)、賞与引当金の増加(23億8百万円から28億4千2百万円へ5億3千4百万円の増)であります。 (固定負債)当連結会計年度末における固定負債の残高は、67億1百万円(前連結会計年度末は64億9千4百万円)となり、2億7百万円増加いたしました。主な要因は、リース債務の減少(12億6千1百万円から8億7千3百万円へ3億8千7百万円の減)、退職給付に係る負債の減少(48億8千8百万円から47億7千万円へ1億1千8百万円の減)、その他の増加(3億2千万円から10億3千4百万円へ7億1千4百万円の増)であります。 (純資産)当連結会計年度末における純資産の残高は、692億6千9百万円(前連結会計年度末は637億2千8百万円)となり、55億4千万円増加いたしました。主な要因は、利益剰余金の増加(569億8千8百万円から605億2千5百万円へ35億3千6百万円の増)、その他有価証券評価差額金の増加(23億2千1百万円から46億5千4百万円へ23億3千3百万円の増)、退職給付に係る調整累計額の減少(5億5千2百万円から1億6千5百万円へ3億8千6百万円の減)であります。 ③ キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の期末残高は、営業活動による資金の流入、投資活動及び財務活動による資金の流出により前連結会計年度末より7千9百万円増加し、83億8千4百万円となりました。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローの流入額は、47億4千1百万円(前連結会計年度は20億4千万円の流入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の計上による資金の流入、売上債権の増加、仕入債務の減少、法人税等の支払による資金の流出によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動によるキャッシュ・フローの流出額は、16億5百万円(前連結会計年度は11億8千5百万円の流出)となりました。これは主に、東日本道路インフラ支店建替え等の有形固定資産の取得による資金の流出によるものであります。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動によるキャッシュ・フローの流出額は、29億3千5百万円(前連結会計年度は14億4千2百万円の流出)となりました。これは主に、ファイナンス・リース債務の返済及び配当金の支払による資金の流出によるものであります。 ④ 生産、受注及び販売の実績 a.受注実績 (単位:千円)区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)比較増減増減率(%)電気設備工事業 鉄道電気設備37,988,38139,973,0611,984,6805.2道路設備12,112,15612,748,319636,1635.3屋内外電気設備5,759,2719,192,8133,433,54259.6送電線設備6,891,16220,475,10613,583,943197.1合 計62,750,97182,389,30119,638,32931.3 b. 売上実績 (単位:千円)区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)比較増減増減率(%)電気設備工事業 鉄道電気設備35,634,43936,989,8001,355,3613.8道路設備11,731,77211,987,387255,6152.2屋内外電気設備6,468,3588,873,3002,404,94137.2送電線設備11,428,94612,632,3821,203,43510.5小 計65,263,51770,482,8705,219,3538.0兼業事業3,017,6203,164,449146,8284.9不動産賃貸事業388,590397,5788,9872.3合 計68,669,72874,044,8985,375,1697.8 (注) 1.当連結グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。2.セグメント間取引については、相殺消去しております。3.売上実績に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。第16期東日本旅客鉄道㈱32,206,383千円46.9%第17期東日本旅客鉄道㈱33,510,733千円45.3% c. 繰越高 (単位:千円)区 分前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)比較増減増減率(%)電気設備工事業 鉄道電気設備26,102,15329,085,4142,983,26011.4道路設備4,474,2685,235,200760,93217.0屋内外電気設備7,434,4247,753,938319,5134.3送電線設備9,706,80817,549,5327,842,72480.8合 計47,717,65559,624,08511,906,43025.0 なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。電気設備工事業における受注工事高及び完成工事高の状況 (ⅰ) 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高 期別区分前期繰越工事高(千円)当期受注工事高(千円)計(千円)当期完成工事高(千円)次期繰越工事高(千円)第16期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)鉄道電気設備23,718,02437,631,54661,349,57035,328,57426,020,996道路設備2,076,0457,408,3509,484,3966,186,9733,297,422屋内外電気設備8,143,5125,759,82913,903,3416,468,9167,434,424送電線設備14,243,3986,774,00121,017,39911,326,6959,690,703合計48,180,98057,573,727105,754,70759,311,16146,443,546第17期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)鉄道電気設備26,020,99639,604,95565,625,95136,603,28529,022,666道路設備3,297,4227,633,08010,930,5026,880,4034,050,099屋内外電気設備7,434,4249,192,81316,627,2388,873,3007,753,938送電線設備9,690,70320,402,12630,092,83012,568,46917,524,361合計46,443,54676,832,976123,276,52364,925,45858,351,064 (注) 前期以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更があるものについては、当期受注工事高にその増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。 (ⅱ) 受注工事高の受注方法別比率工事受注方法は、特命と競争に大別されます。 区分第16期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)第17期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)特命(%)競争(%)計(%)特命(%)競争(%)計(%)鉄道電気設備95.64.410094.65.4100道路設備32.367.710028.571.5100屋内外電気設備2.297.81003.496.6100送電線設備32.068.010038.861.2100 (注) 百分比は請負金額比であります。 (ⅲ) 完成工事高 期別区分官公庁(千円)民間(千円)計(千円)第16期(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)鉄道電気設備28,93335,299,64135,328,574道路設備2,705,5353,481,4386,186,973屋内外電気設備1,007,5775,461,3396,468,916送電線設備-11,326,69511,326,695計3,742,04655,569,11559,311,161第17期(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)鉄道電気設備21,89336,581,39236,603,285道路設備2,701,8994,178,5036,880,403屋内外電気設備1,844,6157,028,6848,873,300送電線設備-12,568,46912,568,469計4,568,40860,357,04964,925,458 (注) 1.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 第16期の完成工事のうち主なもの 注文者工事件名東日本旅客鉄道(株)尾久駅(構内)連動取替信号設備改良他東日本旅客鉄道(株)東北新幹線福島・一ノ関間電化柱耐震補強6東京電力パワーグリッド(株)御坂線ルート変更工事並びに関連除却工事(その1)首都高速道路(株)標識補修2024-1(単契1-1)町田市町田市立陸上競技場ナイター照明設備改修工事 第17期の完成工事のうち主なもの 注文者工事件名(株)えきまちエナジークリエイト品川開発プロジェクト(第Ⅰ期)まちエネ(電気)イ工事東京電力パワーグリッド(株)双葉線電線張替工事ならびに関連除却工事(2工区)東日本旅客鉄道(株)東北本線郡山駅信号設備改良他(株)大林組高輪ゲートウェイ駅開発(4-1街区)商業エリア中日本高速道路(株)東海北陸自動車道 真木トンネル照明設備工事 (注) 2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。第16期東日本旅客鉄道㈱32,130,748千円54.2%第17期東日本旅客鉄道㈱33,427,935千円51.5% (ⅳ) 次期繰越工事高 期別区分官公庁(千円)民間(千円)計(千円)第17期(2026年3月31日)鉄道電気設備9,38029,013,28629,022,666道路設備595,1023,454,9974,050,099屋内外電気設備3,811,7103,942,2287,753,938送電線設備-17,524,36117,524,361計4,416,19253,934,87258,351,064 (注) 次期繰越工事のうち主なものは、次のとおりであります。 注文者工事件名完成予定東京電力パワーグリッド(株)新袖ヶ浦線No.37~No.52移設工事(3工区)2028年7月東京電力パワーグリッド(株)清水南線NO45-NO55鉄塔建替工事並びに関連除却工事ほか2件2028年11月東京都都庁第二本庁舎(7)高圧電気設備その他改修工事2030年2月東日運送(株)大和・仙台東・三春物流センター系統用蓄電池設備工事2027年12月東日本旅客鉄道(株)幕張車両センター連動装置取替信号設備改良他2030年2月 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる見積りの部分があり、見積り特有の不確実性により、実際の結果が異なる場合があるため、連結財務諸表に影響を及ぼすものと考えられます。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針、見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績当連結会計年度は、主要顧客を中心とした旺盛な需要環境を反映し、電気設備工事業の各部門ともに、受注が堅調に推移いたしました。なかでも、屋内外電気設備部門において官公庁や金融機関、商業施設等の電気設備改修工事、送電線設備部門において地域間連系線工事や増強工事に加え、次世代の社会基盤を構築する系統用蓄電池やデータセンター等のエネルギー基盤工事など、複数の大型プロジェクト工事を受注しており、受注高の大幅な増加に寄与いたしました。これにより、前連結会計年度と比較して受注高は196億3千8百万円(31.3%)の増加、繰越工事高は119億6百万円(25.0%)の増加となりました。このような状況の中、当社グループは「中期経営計画2027」を長期ビジョン「NR Vision 2035」の実現に向けた第1ステップと位置付け、持続的な成長と中長期的な企業価値向上を目指し、各種施策の実施に取り組んでまいりました。その初年度となる当連結会計年度の売上高につきましては、前年度からの繰越工事を含む豊富な手持工事の施工が、年度初から一年間を通じて順調に進捗・完成した結果、740億4千4百万円(前連結会計年度は686億6千9百万円)となりました。利益につきましても、売上高の伸長による増収効果に加え、継続的な価格交渉を通じた受注時採算の改善、デジタル化の更なる推進や柔軟な要員操配など生産性の向上に取り組んだ結果、営業利益が71億1千3百万円(前連結会計年度は51億9千9百万円)、経常利益が78億1千7百万円(前連結会計年度は59億5千5百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は55億5千1百万円(前連結会計年度は47億3千3百万円)となり、受注高・売上高・各利益ともに過去最高となりました。なお、部門別の経営成績に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。 (鉄道電気設備部門)受注工事高は、主な顧客である東日本旅客鉄道㈱の幕張車両センター連動装置取替信号設備改良工事や長野駅連動装置取替信号設備改良工事等を受注した結果、399億7千3百万円(前連結会計年度は379億8千8百万円)となりました。完成工事高は、郡山駅信号設備改良工事や川崎・鶴見間電車線路修繕など各大型工事が順調に進捗・竣工した結果、369億8千9百万円(前連結会計年度は356億3千4百万円)となりました。(道路設備部門)受注工事高は、首都高速道路の新線建設(新大宮上尾道路)に伴う標識・遮音壁等設置工事、警視庁及び各警察本部の交通信号機改良等の工事を受注した結果、127億4千8百万円(前連結会計年度は121億1千2百万円)となりました。完成工事高は、首都高速道路の標識補修工事や東海北陸自動車道のトンネル照明工事の他、全国の交通信号機工事が順調に進捗・竣工した結果、119億8千7百万円(前連結会計年度は117億3千1百万円)となりました。(屋内外電気設備部門)受注工事高は、中央省庁や地方公共団体、金融機関の電気設備改修・更新工事等を受注した結果、91億9千2百万円(前連結会計年度は57億5千9百万円)となりました。完成工事高は、高輪ゲートウェイシティ開発プロジェクトや駅ビルをはじめとした商業施設の電気設備新設・改修工事等が順調に進捗・竣工したことにより、88億7千3百万円(前連結会計年度は64億6千8百万円)となりました。(送電線設備部門)受注工事高は、各電力会社からの送電線鉄塔建替工事や電線張替工事、地域間連系線工事のほか、系統用蓄電池やデータセンター等のエネルギー基盤工事等、複数の大型プロジェクト工事を受注した結果、204億7千5百万円(前連結会計年度は68億9千1百万円)となりました。完成工事高は、地域間連系線工事の他、各地区における大型送電線建設・改修工事が順調に進捗・竣工したことにより、126億3千2百万円(前連結会計年度は114億2千8百万円)となりました。 b.財政状態当連結会計年度末における資産合計の残高につきましては、1,013億3千5百万円(前連結会計年度末は946億2千5百万円)となり67億1千万円増加いたしました。主な要因は受取手形・完成工事未収入金等の増加、建物・構築物の減少、建設仮勘定の増加、投資有価証券の増加であります。負債合計の残高につきましては、320億6千5百万円(前連結会計年度末は308億9千6百万円)となり11億6千9百万円増加いたしました。主な要因は支払手形・工事未払金等の増加、電子記録債務の減少、賞与引当金の増加、リース債務の減少であります。純資産合計の残高につきましては、692億6千9百万円(前連結会計年度末は637億2千8百万円)となり55億4千万円増加いたしました。主な要因は利益剰余金の増加、その他有価証券評価差額金の増加であります。以上の結果、自己資本比率は68.4%(前連結会計年度末は67.3%)となり前連結会計年度末同様、安定的な財政状態を維持しております。 c.キャッシュ・フロー並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当連結会計年度末におけるフリーキャッシュ・フローについては、東日本道路インフラ支店建替え等の有形固定資産の取得による資金の流出があったものの、営業活動による資金の流入により、黒字となりました。当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は83億8千4百万円(前連結会計年度末は83億4百万円)となり当社グループの連結売上高を勘案しますと、適正な水準を維持しております。また、当社グループの資金需要は、事業を行う上で必要となる運転資金、持続的成長のための成長投資及び配当金があります。これらの資金は営業キャッシュ・フローを主とした内部資金を基本としておりますが、当社が営業活動から得られるキャッシュ・フローは季節的変動があり短期的に資金が不足した場合には金融機関からの借入にて資金調達を行っております。借入金は安定的なキャッシュポジションを見極めながら営業活動から得られるキャッシュ・フローで返済しており、今後においても適切に調達することが可能であります。 当社キャッシュ・フロー指標のトレンドについては下記のとおりであります。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)68.568.567.368.4時価ベースの自己資本比率(%)28.238.938.961.6キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)0.00.10.20.0インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)36.062.723.243.3 (注) 1.各指標の算出方法は以下のとおりであります。自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い 2.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。3.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。4.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、リース債務を除く利子を支払っている負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。 d.経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営に影響を与える大きな要因は、3「事業等のリスク」に記載しております。
事業リスク
- 市場の動向と競合建設業に属する事業のため、公共投資や民間の設備投資の動向に大きく左右されます。市場が縮小した場合、受注額が減少し業績に影響が出る可能性があります。また、競合他社との受注競争が激化すると、工事の採算性が悪化し、収益力が低下するリスクがあります。
- 東日本旅客鉄道との関係悪化東日本旅客鉄道株式会社は筆頭株主であり、売上高の大きな割合を占める重要な取引先です。何らかの理由でこの関係が悪化した場合、鉄道電気設備工事の受注に影響が出たり、グループ全体の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。取引の健全性確保に努めていますが、依存度は高いです。
- 人財の確保と育成電気工事施工管理技士などの専門資格を持つ技術者の確保と育成は、事業拡大に不可欠です。人財の流出防止や多様な採用活動、研修制度の充実に取り組んでいますが、必要な人財を確保・育成できない場合、工事の施工体制に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場の動向及び競合 当社グループの事業は、主として建設業に属しているため、公共投資及び民間の設備投資等の動向により市場が著しく縮小する可能性があり、この場合受注額が減少し業績等に影響を及ぼす可能性があります。 また、競合する他社との受注競争の激化等により、低採算化、収益力の低下等、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 法令違反 当社グループは、法令遵守及び企業倫理を確立し、その意識を社内に徹底させるため、コンプライアンス担当役員及びコンプライアンス委員会を設置して企業倫理の強化を図っておりますが、法令・諸規則に違反する行為又は疑義を持たれる行為が万一発生した場合は、受注状況及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 工事における事故の発生 当社グループは、工事の安全を全てに優先し各種工事の施工を行っておりますが、施工過程において事故や労働災害を発生させた場合、顧客からの信用を失墜させる恐れがあり、受注環境に多大な影響を与えることから、業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 工事における品質不良の発生 当社グループは、品質管理には万全を期しておりますが、万一、重大な契約不適合が発生し、その修復に多大な費用負担が生じた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 東日本旅客鉄道株式会社との関係について 当社と東日本旅客鉄道㈱との間の主な関係等については、下記「① 資本関係について」から「④ 東日本旅客鉄道グループとの取引関係について」に記載のとおりでありますが、当社の重要事項決定等に際して東日本旅客鉄道㈱への報告や決裁を必要とするといった事業活動上の制約等は受けておりません。また、鉄道電気設備工事の施工についても、特別な取引条件等はなく、一般的な取引内容の範囲を逸脱するものではないことから、当社の独立性は確保されていると判断しております。 これらの東日本旅客鉄道㈱との関係について、何らかの理由により関係が現実に悪化した場合又は悪化したと受け取られた場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ① 資本関係について 東日本旅客鉄道㈱は、当連結会計年度末現在において当社発行済株式(自己株式を除く。)の総数に対して19.6%の株式を所有する「その他の関係会社」で筆頭株主であります。また、当社は東日本旅客鉄道㈱の持分法適用会社となっております。なお、当社と同様に鉄道電気設備工事を施工する東日本旅客鉄道㈱の持分法適用会社が存在しますが、当該持分法適用会社及び当社それぞれが独自で受注活動を行っております。 ② 取引関係について 当社は、東日本旅客鉄道㈱の鉄道事業分野において、列車の安全・安定輸送を支えるための電気設備を施工するパートナー会社として位置付けられており、事業上の協力関係にあります。東日本旅客鉄道㈱との取引は関連当事者との取引に該当しますが、当該取引の内容、合理性、取引条件の妥当性等について独立社外取締役が3分の1以上を構成する当社取締役会にて定期的に検証を行い、取引の健全性及び適正性を確保する体制としております。東日本旅客鉄道㈱に対する売上高は、当社グループの売上高構成で大きな割合を占めていることから、同社の設備投資等の計画が、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 ③ 人的交流について 当社グループの売上高構成で鉄道電気設備工事は大きな割合を占めていることから、鉄道に関する安全や技術をはじめとした幅広い知識や経験は、当社グループの事業戦略上、必須となるものであります。従って、当社と東日本旅客鉄道㈱の間において、マネジメント強化、人財育成、業務習得等の観点から人事交流が行われており、出向社員の派遣及び受入れを行っております。また、専門的・客観的な視野による助言を得ることで、これら事業戦略をより一層強固なものとすべく、東日本旅客鉄道㈱より社外取締役1名を選任しております。 ④ 東日本旅客鉄道グループとの取引関係について 当社グループは、鉄道軌道上の工事用車両をリースするJR東日本レンタリース㈱等、東日本旅客鉄道グループ内の各社と取引を行っております。これら東日本旅客鉄道グループ内各社との取引は関連当事者との取引に該当しますが、当該取引の内容、合理性、取引条件の妥当性等について検証を行い、取引の健全性及び適正性を確保する体制としております。 (6) 人財の確保と育成 当社グループの事業拡大にあたっては、電気工事施工管理技士や土木施工管理技士等の公的資格及び顧客固有の資格を有する技術者の確保及び育成が不可欠であります。当社グループは採用活動における多様性の推進、社内外の充実した研修設備による人財育成、個々の働き方に合わせた社内制度拡充等による人財流出の防止に努めておりますが、工事施工を賄える人財確保、育成ができない場合には、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (7) 自然災害の発生 当社グループは、今後想定される震災等の大規模災害への備えとして、地震等災害対策要領並びに防災マニュアルを整備しておりますが、地震・洪水・台風等の自然災害が発生した場合は、事業活動の一時的な停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 感染症の流行 当社グループは、感染症の流行にあたり、従業員や協力会社の安全を第一に考え、衛生管理の徹底や時差通勤・テレワーク勤務等を推奨し、可能な限りの感染予防や拡大防止に努めておりますが、安全や施工体制の維持・確保ができない状況となった場合は、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (9) 資材価格及び労務費の高騰 当社グループは、原材料価格及び人件費をはじめとした建設コストの上昇に対して、発注者との価格交渉や効率化・生産性向上による原価低減を通じて利益改善に注力しておりますが、取り組みの成果を上回る建設コストの上昇が続く場合は、業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 情報システム障害等の発生 当社グループは、総務・人事・会計・工事管理等の基幹業務を社内システムにより処理しており、セキュリティ対策は万全を期しておりますが、万一、そのシステムに人的ミス・自然災害・コンピュータウイルス等により障害が発生した場合は、事業運営に支障をきたす可能性があります。また、情報の流出等が発生した場合は、当社グループのイメージの低下や損害賠償の発生等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 環境関連法令及び規制等の強化 当社グループは、有害物質、廃棄物、商品リサイクル及び土壌・地下水の汚染などに関する種々の環境関連法令及び規制等の適用を受けており、グループを挙げて環境問題に取り組んでおりますが、サステナブルな社会の実現に向けた意識の高まりに伴い、将来、環境関連法令及び規制等が強化されるなど、当社グループの環境保全のより一層の取り組みが求められる場合には、対応コストの発生等により、業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 気候変動 当社グループは、公共性が高い社会インフラ整備事業を主体としているため、中長期的な気候変動が工事の受注に与える影響は限定的と考えております。洪水・台風等の自然災害の頻発化・激甚化や夏季の記録的な猛暑等が発生した場合は、事業活動の一時的な停止や施工中物件の復旧に多額の費用と時間を要する等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 特有の法的規制等 当社グループの売上高構成で約9割を占める電気設備工事業は、建設業法に基づく特定建設業許可を受けておりますが、不正な手段による許可の取得や経営業務管理責任者・専任技術者等の欠格条項違反に該当した場合は、建設業法第29条により許可の取り消しとなります。当社グループでは、当該許可の諸条件や法令等の遵守に努めており、当連結会計年度末現在において、これらの許可の取消事由に該当する事実はないと認識しておりますが、万一、法令違反等によって許可が取り消された場合、当社グループの業績や財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。 法令等許認可等有効期限取消事由建設業法特定建設業の許可国土交通大臣許可(般・特-4)第997号令和4年5月21日から令和9年5月20日まで(5年ごとの更新)建設業法第29条 ※なお、当社が許可を受けている業種のうち管工事業については、許認可を受けた時期が異なるため、許可番号は国土交通大臣許可(般-7)第997号、有効期限は令和7年10月23日から令和12年10月22日まで(5年ごとの更新)となっております。 (14) 業績の季節的変動 当社グループの主たる事業である電気設備工事業の売上高は、契約により工事の完成引渡しが第4四半期に集中するため、第4四半期の売上高が事業年度の売上高の4割程度となる傾向があります。また、販売費及び一般管理費等の固定費は各四半期に概ね均等に発生するため、利益についても第4四半期に偏重する傾向があります。