1961

三機工業(1961)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

建設業 建設・資材

事業の概要

  • 建築設備事業が主力
    三機工業は、ビルや工場向けの空調・衛生設備、電気設備、ファシリティシステム全般を手掛ける建築設備事業を主軸としています。これは、快適な室内環境や生産効率の高い工場環境を構築するための基盤となる事業であり、同社の売上の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 機械・環境システムも展開
    搬送システムや廃棄物処理施設、上下水道施設といった社会インフラを支える機械システム事業と環境システム事業も手掛けています。これらは、物流の効率化や公衆衛生の維持に貢献する重要な事業であり、多角的な収益源となっています。
  • 不動産賃貸で安定収益
    保有する不動産の賃貸・管理を行う不動産事業も展開しており、安定的な収益基盤を構築しています。これにより、建設・設備工事という景気変動の影響を受けやすい事業の変動を一部補完し、経営の安定化に寄与しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 建築設備事業
    ビルや工場向けの空調・衛生設備、電気設備、ファシリティシステム全般を手掛ける主力事業です。2082.62億円の売上を計上しており、同社の事業の中で最も大きな割合を占め、収益の柱となっています。大都市圏の再開発やデータセンター、半導体関連施設などの民間投資が活発で、堅調に推移しています。
  • 機械システム事業
    搬送システムや搬送機器の製造販売を行う事業です。109.35億円の売上を計上しており、製造業や非製造業における自動化・省人化ニーズに対応しています。二次電池製造施設の物流設備など、特定の分野での投資動向が業績に影響を与える可能性があります。
  • 環境システム事業
    上下水道施設や廃棄物処理施設に関する事業です。312.44億円の売上を計上しており、社会インフラの整備・維持に貢献しています。地方自治体の財政状況や脱炭素社会に向けた省エネルギーニーズが市場環境に影響を与え、D.B.O.案件(設計・建設・運営)の増加に伴う長期的な価格変動リスクも存在します。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
BuildingEquipment 事業 2,083 − −
MachinerySystem 事業 109 − −
EnvironmentalSystem 事業 312 − −
RealEstate 事業 25 − −
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|599 文字
3 【事業の内容】当社及び当社の関係会社(連結子会社8社(2026年3月31日現在)により構成)においては、建築設備事業、機械システム事業、環境システム事業、不動産事業を主な事業として取り組んでおります。当社及び当社の関係会社の事業における当社及び関係会社の位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。 <建築設備事業>ビル空調衛生、主に工場向けの空調設備を中心とする産業空調、電気設備及びファシリティシステムなどの建築設備全般に関する事業を行っております。(主な関係会社)三機テクノサポート㈱、THAI SANKI ENGINEERING & CONSTRUCTION CO.,LTD.、 三机建筑工程(上海)有限公司 <機械システム事業>搬送システム及び搬送機器に関する製造販売事業を行っております。(主な関係会社)三機産業設備㈱ <環境システム事業>上下水道施設及び廃棄物処理施設に関する事業を行っております。(主な関係会社)三機グリーンテック㈱、三機アクアテック㈱、AQUACONSULT Anlagenbau GmbH <不動産事業>保有不動産の賃貸・管理事業を行っております。 <その他>主に保険代理事業、リース事業及び人材派遣事業等を行っております。(主な関係会社)三機パートナーズ㈱ 以上に述べた事項の事業系統図は次のとおりです。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
資機材価格及び労務費の高騰を請負金額に反映させることが困難な場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
クリーンルーム向け空調システムや極低湿度環境試験室などの技術開発を行っている。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:人財確保に関するリスク / 資機材の調達・納期及び労務費に関するリスク / 不採算工事に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

三機工業は、特定のブランド力や特許による強力な無形資産は限定的。長年の実績と信頼は存在するが、定量化しにくい。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

ビル設備のメンテナンスや改修においては、既存の設備との互換性や業者の実績が重視されるため、一定のスイッチングコストが発生する可能性がある。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

建設業全体として、ゼネコンやサブコンとの関係性は重要だが、三機工業独自の強力なネットワーク効果は限定的。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

大規模プロジェクトにおける調達力や、長年の経験に基づく効率的な施工ノウハウはコスト面での優位性につながる可能性があるが、競合との差は大きくない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

売上高2,500億円超、営業利益200億円超の規模は、設備投資や人材確保において有利に働く。特に大型案件の受注力に影響。

  • 長年の実績と技術力
    三機工業は、創業以来培ってきた建築設備や機械システム、環境システムに関する高度な技術力と豊富な実績が強みです。特に脱炭素化や省エネルギーに関する最新技術の開発に積極的であり、顧客の多様なニーズに応えることで競争優位性を確立しています。
  • 多角的な事業ポートフォリオ
    建築設備、機械システム、環境システム、不動産と多岐にわたる事業を展開しているため、特定の市場変動に左右されにくい安定した事業構造を持っています。これにより、リスクを分散し、持続的な成長を可能にしています。
  • 強固な顧客基盤と信頼関係
    長年にわたる事業活動を通じて、多くの企業や自治体との間に強固な信頼関係を築いています。協力会社との連携強化や教育にも力を入れており、質の高いサービス提供体制を維持することで、顧客からの継続的な受注に繋がっています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 超長期ビジョン「選ばれ続ける三機へ!」
    2050年を見据えた超長期ビジョンとして「選ばれ続ける三機へ!」を掲げ、サステナビリティ経営を推進しています。環境・社会価値の向上と企業価値の向上を両立させるCSV(共有価値の創造)を目指し、持続的な成長と社会貢献の両面を重視しています。
  • 中期経営計画“MIRAI 2030”と「深化と共創」
    2030年までの経営ビジョン“MIRAI 2030”では「人に快適を。地球に最適を。」をテーマに、環境・社会価値と企業価値の向上を目指しています。2027年までの中期経営計画では「深化と共創」を重点テーマとし、既存事業の効率化・省力化(深化)と、多様なパートナーとの連携(共創)を通じて目標達成を目指します。
  • 重点戦略と具体的な目標
    中期経営計画2027では、2027年度に売上高3,000億円、営業利益300億円、営業利益率10.0%を目標に掲げています。また、自己資本当期純利益率(ROE)16.0%以上、成長投資500億円程度、純資産配当率(DOE)5.0%以上、自己株式取得1,200万株程度といった具体的な財務目標を設定し、企業価値向上に向けた取り組みを推進しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針①三機工業グループ経営理念当社グループは、「三機工業グループ経営理念」を掲げ、社会における当社グループの存在意義と役員・従業員のあるべき姿を総合的に表現しております。当社グループではこれを「三機スタンダード」と呼んで社内外への浸透を図っております。三機工業グループ経営理念(三機スタンダード) エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し広く社会の発展に貢献する 技術と英知を磨き、顧客満足の向上に努めるコミュニケーションを重視し、相互に尊重する社会の一員であることを意識し、行動する ②超長期ビジョン当社グループは、超長期ビジョンとして2050年の姿「選ばれ続ける三機へ!」を掲げています。5つのマテリアリティ(重要課題)に注力したサステナビリティ経営の推進により、環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上を両立させるCSV(Creating Shared Values:共有価値の創造)を実現します。 ③経営ビジョン及び中期経営計画当社グループは、創立100周年を迎えた2025年度を新たな出発点と位置づけ、2030年度までの期間を対象とする経営ビジョン“MIRAI 2030”及び2027年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画2027を策定しております。経営ビジョン“MIRAI 2030”では、「人に快適を。地球に最適を。」をテーマに環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上の両立を目指し、2050年の超長期ビジョン「選ばれ続ける三機へ!」の実現に繋げていきます。中期経営計画2027は、経営ビジョン“MIRAI 2030”に向けた飛躍のための土台作り期間と位置づけており、「深化と共創」を重点テーマに掲げ、以下のとおり重点戦略を定めております。 また、中期経営計画2027における経営目標値は以下のとおりです。・2027年度経営目標 2027年度売上高3,000億円営業利益300億円営業利益率10.0%1株当たり当期純利益(EPS)(※1、3)144円以上 ・2025年度から2027年度の期間経営目標 2025年度~2027年度自己資本当期純利益率(ROE)(※1)16.0%以上成長投資(※2)500億円程度配当方針純資産配当率(DOE)5.0%以上自己株式取得(※2、3)1,200万株程度 (※1)EPS、ROEは政策保有株式の売却益を除く(※2)計画期間中の累計(※3)当社は、2026年5月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。中期経営計画2027において掲げている各種の目標数値は、当該株式分割後の株式数で再計算しており、株式分割による実質的な計画内容の変更はありません。 エンジニアリング企業である当社が保有する様々な技術を磨き続け、施工の効率化・省人化・省力化を進めるなど、既存事業を「深化」させていきます。また、協力会社からスタートアップ企業にいたるまでの多様なパートナーと「共創」し、『選ばれ続ける三機へ!』としてステークホルダーの皆さまとの共存共栄を目指していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題等経営環境については、脱炭素化の動き、少子高齢化、働き方改革、AI技術の急速な進展等、大きく環境が変化していると認識しております。これらの環境変化に対応すべく、「省エネルギー・創エネルギー事業」、「自動化・省人化事業」、そして長時間労働の削減を主眼とした当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」を推進しております。当連結会計年度の主な取り組みと今後の課題は次のとおりであります。 ①グループ全体(E)事業活動を通じた地球環境課題解決・脱炭素社会実現に向けた技術開発や省エネルギーに貢献する製品の拡販・当社独自の寄付制度「SANKI YOUエコ貢献ポイント」の強化・環境省「生物多様性のための30by30アライアンス」の継続参加・CDP「気候変動Aリスト(最高評価)」に4年連続で選定・内閣官房水循環政策本部事務局が定める「水循環ACTIVE企業※1」に認証・人間・テクノロジー・自然の調和する持続可能な未来社会を目指して「未来へ2050 Eco-Sphere®(エコスフィア)※2」を始動・持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、次世代のグローバル交流である長岡技術科学大学主催国際会議「10th STI-Gigaku 2025」に特別協賛(S)働き方改革、コミュニケーション向上、文化・スポーツ支援の積極実施・当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」Phase2への移行:Phase1で推進してきた長時間労働の削減から業務プロセスの抜本的な見直しと自動化・デジタル技術の積極活用による生産性の向上へとミッションをシフトし、従業員一人ひとりの働く価値の最大化を目指します。・2026年4月より給与水準の引き上げ等人事制度の改正を実施・「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に4年連続認定・次世代育成と地域社会貢献として、小学生向けに身近な化学や環境保全に関する出前授業の実施・6言語版安全衛生手帳で多様な人材に対応した安全衛生教育を継続推進・フレキシブルダクト施工や複合機能計測のロボット開発、2D図面から3Dモデルを自動生成するソフトウェア「S-TRANDIM™」の開発など、業務や作業の効率化への取り組み(G)三機工業コーポレートガバナンス・ガイドラインに基づく取り組み継続・東証プライム市場に求められる一段高いガバナンス水準に到達・維持・2030年度までの経営ビジョン“MIRAI 2030”、2027年度までの中期経営計画2027を策定し、ありたい姿を実現させるための取り組みを推進・当社及び国内子会社5社でBCMS(※3)の運用継続 ②事業別・建築設備事業大都市圏での大型再開発事業、データセンター及び半導体や研究施設などの産業空調分野の民間投資が活発で、市場は堅調に推移したことから、前年を上回る繰越受注を確保しました。その一方で、機器類納期の長期化は改善傾向にあるものの、中東情勢の悪化から一部資機材の調達に懸念が出てきております。そして、労務費・資機材価格の上昇、技術者不足は継続しております。また、案件の大型化が進んでおりますが、工程が長期間にわたる大型工事に関しては、計画工期の変更や施工中物件の工程遅れも見られ、労務費・資機材価格高騰等のリスクと併せて、影響を軽減することが課題となります。 ・機械システム事業人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズは製造業・非製造業ともに底堅くあるものの横ばいの状況が続き、注力分野として位置づけている二次電池製造施設の物流設備に関しては、BEVへの投資が不透明化するなどの影響があり、厳しい受注環境となりました。その一方で、首都圏の国際空港に関連する物流施設の大規模な再編計画などの明るい兆しがあり、案件獲得に向けて体制を強化してまいります。 ・環境システム事業社会インフラとしての上下水処理施設、廃棄物処理施設への公共投資は前年並みの水準で推移していますが、脱炭素社会に向けた省エネルギーニーズが高いことから、省エネルギー性能の高い製品の拡販に注力してまいります。また、DBO(※4)方式による温室効果ガス排出量削減を主体とした案件が増加していることから、課題としている事業提案力の強化を図ります。また、海外市場においても、エアロウイング®(省エネ型散気装置)の拡販に向けて国内外で設備投資を積極的に進め、事業拡大を図ってまいります。 また、東京証券取引所からの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請につきましては、当社取締役会における資本収益性や市場評価についての現状分析をもとに、2025年度からスタートした中期経営計画2027において、企業価値向上に資する経営資源の適切な配分の方針を策定いたしました。今後は各事業の資本収益性や成長性の分析をもとに、事業ポートフォリオの強化に努めてまいります。中期経営計画2027の初年度となる2025年度のROEは18.6%、EPSは137円(いずれも政策保有株式の売却益は除く、EPSについては株式分割後の株式数をもとに算定)となりました。また、株式時価総額は3,000億円超と1年で約2倍となり、PBR(株価純資産倍率)も約3倍となりました。一方、昨今の金利上昇により、当社が認識している株主資本コストは、従来の7~8%から現時点では8~9%に上昇しております。中期経営計画2027では、エクイティスプレッドを意識し、ROE・EPSの持続的な向上により企業価値の更なる増大を目指してまいります。 当社グループは、超長期ビジョンで掲げる「選ばれ続ける三機へ!」を実現するため、経営ビジョン“MIRAI 2030”では「人に快適を。地球に最適を。」をコーポレートメッセージに掲げております。サステナブルな世界の実現を目指し、新技術の開発、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組み、コンプライアンスの徹底を土台として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け鋭意努力を重ねてまいります。※1 水循環ACTIVE企業:水循環の健全化に積極的に取り組む企業・団体を内閣官房水循環政策本部事務局が認証する制度※2 未来へ2050 Eco-Sphere®(エコスフィア):AIと自然が共生し、資源が循環し続ける「生きたインフラ」を実現する未来創造プロジェクト※3 BCMS:事業継続マネジメントシステム※4 DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注する手法
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営の基本方針①三機工業グループ経営理念当社グループは、「三機工業グループ経営理念」を掲げ、社会における当社グループの存在意義と役員・従業員のあるべき姿を総合的に表現しております。当社グループではこれを「三機スタンダード」と呼んで社内外への浸透を図っております。三機工業グループ経営理念(三機スタンダード) エンジニアリングをつうじて快適環境を創造し広く社会の発展に貢献する 技術と英知を磨き、顧客満足の向上に努めるコミュニケーションを重視し、相互に尊重する社会の一員であることを意識し、行動する ②超長期ビジョン当社グループは、超長期ビジョンとして2050年の姿「選ばれ続ける三機へ!」を掲げています。5つのマテリアリティ(重要課題)に注力したサステナビリティ経営の推進により、環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上を両立させるCSV(Creating Shared Values:共有価値の創造)を実現します。 ③経営ビジョン及び中期経営計画当社グループは、創立100周年を迎えた2025年度を新たな出発点と位置づけ、2030年度までの期間を対象とする経営ビジョン“MIRAI 2030”及び2027年度までの3ヵ年を対象とする中期経営計画2027を策定しております。経営ビジョン“MIRAI 2030”では、「人に快適を。地球に最適を。」をテーマに環境・社会価値の向上と企業価値(経済価値)の向上の両立を目指し、2050年の超長期ビジョン「選ばれ続ける三機へ!」の実現に繋げていきます。中期経営計画2027は、経営ビジョン“MIRAI 2030”に向けた飛躍のための土台作り期間と位置づけており、「深化と共創」を重点テーマに掲げ、以下のとおり重点戦略を定めております。 また、中期経営計画2027における経営目標値は以下のとおりです。・2027年度経営目標 2027年度売上高3,000億円営業利益300億円営業利益率10.0%1株当たり当期純利益(EPS)(※1、3)144円以上 ・2025年度から2027年度の期間経営目標 2025年度~2027年度自己資本当期純利益率(ROE)(※1)16.0%以上成長投資(※2)500億円程度配当方針純資産配当率(DOE)5.0%以上自己株式取得(※2、3)1,200万株程度 (※1)EPS、ROEは政策保有株式の売却益を除く(※2)計画期間中の累計(※3)当社は、2026年5月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。中期経営計画2027において掲げている各種の目標数値は、当該株式分割後の株式数で再計算しており、株式分割による実質的な計画内容の変更はありません。 エンジニアリング企業である当社が保有する様々な技術を磨き続け、施工の効率化・省人化・省力化を進めるなど、既存事業を「深化」させていきます。また、協力会社からスタートアップ企業にいたるまでの多様なパートナーと「共創」し、『選ばれ続ける三機へ!』としてステークホルダーの皆さまとの共存共栄を目指していきます。 (2) 経営環境及び対処すべき課題等経営環境については、脱炭素化の動き、少子高齢化、働き方改革、AI技術の急速な進展等、大きく環境が変化していると認識しております。これらの環境変化に対応すべく、「省エネルギー・創エネルギー事業」、「自動化・省人化事業」、そして長時間労働の削減を主眼とした当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」を推進しております。当連結会計年度の主な取り組みと今後の課題は次のとおりであります。 ①グループ全体(E)事業活動を通じた地球環境課題解決・脱炭素社会実現に向けた技術開発や省エネルギーに貢献する製品の拡販・当社独自の寄付制度「SANKI YOUエコ貢献ポイント」の強化・環境省「生物多様性のための30by30アライアンス」の継続参加・CDP「気候変動Aリスト(最高評価)」に4年連続で選定・内閣官房水循環政策本部事務局が定める「水循環ACTIVE企業※1」に認証・人間・テクノロジー・自然の調和する持続可能な未来社会を目指して「未来へ2050 Eco-Sphere®(エコスフィア)※2」を始動・持続可能な開発目標(SDGs)達成に向け、次世代のグローバル交流である長岡技術科学大学主催国際会議「10th STI-Gigaku 2025」に特別協賛(S)働き方改革、コミュニケーション向上、文化・スポーツ支援の積極実施・当社独自の働き方改革「スマイル・プロジェクト」Phase2への移行:Phase1で推進してきた長時間労働の削減から業務プロセスの抜本的な見直しと自動化・デジタル技術の積極活用による生産性の向上へとミッションをシフトし、従業員一人ひとりの働く価値の最大化を目指します。・2026年4月より給与水準の引き上げ等人事制度の改正を実施・「健康経営優良法人2026(大規模法人部門)」に4年連続認定・次世代育成と地域社会貢献として、小学生向けに身近な化学や環境保全に関する出前授業の実施・6言語版安全衛生手帳で多様な人材に対応した安全衛生教育を継続推進・フレキシブルダクト施工や複合機能計測のロボット開発、2D図面から3Dモデルを自動生成するソフトウェア「S-TRANDIM™」の開発など、業務や作業の効率化への取り組み(G)三機工業コーポレートガバナンス・ガイドラインに基づく取り組み継続・東証プライム市場に求められる一段高いガバナンス水準に到達・維持・2030年度までの経営ビジョン“MIRAI 2030”、2027年度までの中期経営計画2027を策定し、ありたい姿を実現させるための取り組みを推進・当社及び国内子会社5社でBCMS(※3)の運用継続 ②事業別・建築設備事業大都市圏での大型再開発事業、データセンター及び半導体や研究施設などの産業空調分野の民間投資が活発で、市場は堅調に推移したことから、前年を上回る繰越受注を確保しました。その一方で、機器類納期の長期化は改善傾向にあるものの、中東情勢の悪化から一部資機材の調達に懸念が出てきております。そして、労務費・資機材価格の上昇、技術者不足は継続しております。また、案件の大型化が進んでおりますが、工程が長期間にわたる大型工事に関しては、計画工期の変更や施工中物件の工程遅れも見られ、労務費・資機材価格高騰等のリスクと併せて、影響を軽減することが課題となります。 ・機械システム事業人手不足を背景とした自動化・省人化ニーズは製造業・非製造業ともに底堅くあるものの横ばいの状況が続き、注力分野として位置づけている二次電池製造施設の物流設備に関しては、BEVへの投資が不透明化するなどの影響があり、厳しい受注環境となりました。その一方で、首都圏の国際空港に関連する物流施設の大規模な再編計画などの明るい兆しがあり、案件獲得に向けて体制を強化してまいります。 ・環境システム事業社会インフラとしての上下水処理施設、廃棄物処理施設への公共投資は前年並みの水準で推移していますが、脱炭素社会に向けた省エネルギーニーズが高いことから、省エネルギー性能の高い製品の拡販に注力してまいります。また、DBO(※4)方式による温室効果ガス排出量削減を主体とした案件が増加していることから、課題としている事業提案力の強化を図ります。また、海外市場においても、エアロウイング®(省エネ型散気装置)の拡販に向けて国内外で設備投資を積極的に進め、事業拡大を図ってまいります。 また、東京証券取引所からの「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応」の要請につきましては、当社取締役会における資本収益性や市場評価についての現状分析をもとに、2025年度からスタートした中期経営計画2027において、企業価値向上に資する経営資源の適切な配分の方針を策定いたしました。今後は各事業の資本収益性や成長性の分析をもとに、事業ポートフォリオの強化に努めてまいります。中期経営計画2027の初年度となる2025年度のROEは18.6%、EPSは137円(いずれも政策保有株式の売却益は除く、EPSについては株式分割後の株式数をもとに算定)となりました。また、株式時価総額は3,000億円超と1年で約2倍となり、PBR(株価純資産倍率)も約3倍となりました。一方、昨今の金利上昇により、当社が認識している株主資本コストは、従来の7~8%から現時点では8~9%に上昇しております。中期経営計画2027では、エクイティスプレッドを意識し、ROE・EPSの持続的な向上により企業価値の更なる増大を目指してまいります。 当社グループは、超長期ビジョンで掲げる「選ばれ続ける三機へ!」を実現するため、経営ビジョン“MIRAI 2030”では「人に快適を。地球に最適を。」をコーポレートメッセージに掲げております。サステナブルな世界の実現を目指し、新技術の開発、コーポレートガバナンスの一層の強化に取り組み、コンプライアンスの徹底を土台として、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に向け鋭意努力を重ねてまいります。※1 水循環ACTIVE企業:水循環の健全化に積極的に取り組む企業・団体を内閣官房水循環政策本部事務局が認証する制度※2 未来へ2050 Eco-Sphere®(エコスフィア):AIと自然が共生し、資源が循環し続ける「生きたインフラ」を実現する未来創造プロジェクト※3 BCMS:事業継続マネジメントシステム※4 DBO(Design Build Operate):設計・建設と運営・維持管理を民間事業者に一括発注する手法
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度は、経営ビジョン“MIRAI 2030”に向けた飛躍のための土台作り期間である中期経営計画2027の初年度となります。「深化と共創」を重点テーマに掲げ、『選ばれ続ける三機へ!』としてステークホルダーの皆様との共存共栄を目指してまいりました。当連結会計年度の受注高につきましては、都市再開発関連の大型工事を受注したこと等により増加しました。また、売上高は中小型工事が順調に推移したこと等により増収し、利益については受注時や施工時の利益改善に向けた取り組みが寄与し、増益となりました。その結果、当連結会計年度における当社グループの財政状態及び経営成績は次のとおりとなりました。(財政状態)(単位:百万円) 2024年度末(前連結会計年度末)2025年度末(当連結会計年度末)増減増減率主な増減要因流動資産138,834149,98611,1528.0%工事量の増加に伴い完成工事未収入金等が増加及び時価の上昇により投資有価証券が増加固定資産62,00569,4977,49212.1%総資産200,839219,48318,6449.3%流動負債82,28385,0302,7473.3%工事量の増加に伴い契約負債が増加及び投資有価証券の時価の上昇に伴い繰延税金負債が増加固定負債12,17513,0168406.9%負債計94,45898,0463,5873.8%純資産106,380121,43715,05614.2%親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が増加及び時価の上昇によりその他有価証券評価差額金が増加 (経営成績)(単位:百万円) 2024年度2025年度増減増減率主な増減要因受注高264,965294,73829,77311.2%次項<主要セグメント別経営成績>に記載のとおりであります。次期繰越受注高210,731250,79440,06319.0%売上高253,136254,6741,5380.6%売上総利益47,49556,0708,57518.1%(率)(18.8%)(22.0%)(3.2%) 営業利益21,89327,9916,09827.9%(率)(8.6%)(11.0%)(2.4%) 経常利益23,07129,2876,21526.9%(率)(9.1%)(11.5%)(2.4%) 親会社株主に帰属する当期純利益17,20323,6886,48537.7%(率)(6.8%)(9.3%)(2.5%) (注)各利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。 <主要セグメント別経営成績> 〇建築設備事業(単位:百万円)ビル空調衛生、主に工場向けの空調設備を中心とする産業空調、電気設備及びファシリティシステムに関する事業等で構成されております。受注高は、ビル空調衛生、産業空調、電気設備の大型工事を受注したこと等により増加いたしました。売上高は、前期からの繰越工事が順調に進捗したこと等により増加しました。セグメント利益は、利益率改善等により増益となりました。 2024年度2025年度増減増減率受注高218,590262,48043,89020.1%売上高208,981212,9083,9261.9%セグメント利益20,54828,0547,50536.5% 〇機械システム事業(単位:百万円)主に搬送システム及び搬送機器に関する製造販売事業で構成されております。受注高は、前年同期に大型工事を受注したことによる反動等で減少いたしました。売上高及びセグメント損失は、前年同期に大型工事の売上があったことによる反動等で減収減益となりました。 2024年度2025年度増減増減率受注高10,9338,324△2,609△23.9%売上高10,9349,767△1,167△10.7%セグメント利益(△は損失)△614△918△304- 〇環境システム事業(単位:百万円)主に官公庁発注の上下水道施設及び廃棄物処理施設に関する事業で構成されております。受注高は、前年同期に大型の上下水処理施設を受注したことによる反動等で減少いたしました。売上高及びセグメント利益は、前年同期に大型工事の売上があったことによる反動等で減収減益となりました。 2024年度2025年度増減増減率受注高33,39622,024△11,371△34.1%売上高31,30030,107△1,193△3.8%セグメント利益1,7871,146△641△35.9% 〇不動産事業(単位:百万円)主に保有不動産の賃貸業務と建物管理にかかわる事業を行っております。テナント賃貸収入が増加し増収、一部の賃貸物件で改修工事を行ったこと等により減益となりました。 2024年度2025年度増減増減率受注高2,5922,655622.4%売上高2,5922,655622.4%セグメント利益905837△67△7.4% ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末におけるキャッシュ・フロー(C/F)の状況は次のとおりであります。(単位:百万円) 2024年度2025年度当期C/Fの増減要因現金及び現金同等物期首残高23,50043,848 営業活動C/F29,72513,167主に税金等調整前当期純利益の計上が売上債権の増加及び税金等の支払いを上回ったことにより増加投資活動C/F1,897△1,338主に有価証券の取得により減少財務活動C/F△11,398△16,068主に財務・資本政策に基づく配当金の支払い及び自己株式の取得により減少現金及び現金同等物に係る換算差額など123174 現金及び現金同等物期末残高43,84839,784 ③ 生産、受注及び販売の実績当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事事業では生産実績を定義することが困難であり、また請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。また、当社グループにおいては設備工事事業以外では受注生産形態をとっておりません。よって受注及び販売の状況については、可能な限り「① 財政状態及び経営成績の状況」において報告セグメントの種類に関連付けて記載しております。なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。受注高及び売上高の状況a.受注高、売上高及び繰越高期別部門別前期繰越高(百万円)当期受注高(百万円)計(百万円)当期売上高(百万円)次期繰越高(百万円)前事業年度(自2024年4月1日至2025年3月31日)設備工事事業建築設備ビ ル空調衛生56,29660,009116,30665,54550,760産業空調61,93690,658152,59587,66364,931電 気18,90439,80458,70930,18328,526ファシリティシステム4,16313,65017,81312,6145,199計141,301204,122345,424196,006149,417プラント設備機 械システム7,09810,28117,38010,2457,134環 境システム28,85419,82448,67815,95932,718計35,95230,10666,05826,20539,853計177,253234,229411,483222,211189,271不動産事業-2,5392,5392,539-合計177,253236,768414,022224,750189,271当事業年度(自2025年4月1日至2026年3月31日)設備工事事業建築設備ビ ル空調衛生50,760116,656167,41764,695102,721産業空調64,93186,175151,10787,15963,947電 気28,52627,83856,36433,43122,933ファシリティシステム5,19915,11320,31212,6557,657計149,417245,784395,202197,941197,260プラント設備機 械システム7,1347,64014,7749,0515,722環 境システム32,7187,49640,21513,24126,973計39,85315,13654,99022,29332,696計189,271260,921450,192220,235229,956不動産事業-2,5902,5902,590-合計189,271263,512452,783222,826229,956 (注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれております。2 次期繰越高は(前期繰越高+当期受注高-当期売上高)に一致しております。 b.受注工事高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築設備11,873192,249204,122プラント設備19,57310,53330,106計31,446202,783234,229当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築設備25,152220,632245,784プラント設備7,4647,67215,136計32,616228,305260,921 受注方法は、特命と競争に大別されます。これを受注金額比で示すと次のとおりであります。 期別区分特命(%)競争(%)計(%)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築設備66.833.2100プラント設備9.990.1100当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築設備70.429.6100プラント設備29.770.3100 c.完成工事高期別区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)建築設備7,567188,439196,006プラント設備14,16712,03826,205計21,734200,477222,211当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)建築設備7,666190,275197,941プラント設備10,29711,99622,293計17,963202,272220,235 (注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。 前事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの㈱大林組 共同企業体 トヨタ自動車株式会社 明知1C 電池工場建設工事双葉地方広域市町村圏組合 双葉地方広域市町村圏組合 南部衛生センター焼却施設整備工事キオクシア㈱ キオクシア岩手株式会社新管理棟第1期機械設備工事㈱フジタ 北里新M号館新築及びインフラ改修工事鹿島建設㈱ アーバンネット御堂筋ビル 当事業年度完成工事のうち請負金額10億円以上の主なもの虎ノ門・麻布台地区市街地再開発組合 虎ノ門・麻布台地区第一種市街地再開発事業に係るB-1街区施設建築物等新築空調設備工事(全体共用等工区)東京熱供給株式会社 竹芝第1プラント更新工事三菱ケミカルエンジニアリング株式会社 日本血液製剤機構京都工場フィブリノゲン製剤等新棟千歳市 千歳市スラッジセンター汚泥処理設備機械工事ダイドー株式会社 ダイドー株式会社ロジポート名古屋 部品在庫システム 2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。 d.次期繰越工事高(2026年3月31日現在)区分官公庁(百万円)民間(百万円)計(百万円)建築設備28,216169,044197,260プラント設備21,03011,66632,696計49,246180,710229,956 次期繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりであります。大成建設株式会社 (仮称)品川駅西口地区A地区新築計画空調設備工事 <2029年1月完成予定>日本銀行 日本銀行本店 基幹設備空調更新工事Ⅲ期 <2030年2月完成予定>国立研究開発法人 理化学研究所 理化学研究所 新研究棟建設工事 <2029年3月完成予定>キオクシア株式会社 キオクシア岩手株式会社 第2製造棟 冷温熱源・一般空調設備工事 <2027年9月完成予定>株式会社 大林組 (仮称)GSユアサ横江工場建設工事 <2027年9月完成予定> (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容(財政状態)(単位:億円) 2023年度末2024年度末(前連結会計年度末)2025年度末(当連結会計年度末)増減総資産2,0212,0082,194186純資産1,0461,0631,214150自己資本1,0441,0621,213150自己資本比率51.7%52.9%55.3%2.4% 前連結会計年度との主な増減要因については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。なお、当社グループは次項「(経営成績)」に記載のとおり、中期経営計画2027で策定、開示した財務・資本政策に則り、資本効率の向上に取り組んでまいりました。当連結会計年度においては、自己株式の取得や、積極的な株主還元(増配)など資本効率の向上に努めてまいりました。 (経営成績)前連結会計年度との主な増減要因については「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。(単位:億円) 2023年度2024年度2025年度増減売上高2,2192,5312,54615営業利益11521827960(率)(5.2%)(8.6%)(11.0%)(2.4%) (注)利益項目の率は、売上高に対する利益率を表しております。 当期は次の施策を実施してまいりました。○セグメント別の施策<建築設備事業>・フレキシブルダクト施工や複合機能計測のロボット開発、2D図面から3Dモデルを自動生成するソフトウ ェア「S-TRANDIM™」の開発など、業務や作業の効率化への取り組み・ダクト系試運転調整作業を効率化する「試運転調整支援ツール」の開発・小型ドローンによる画像データからの3Dモデリング技術を確立・三機テクノセンター内に構築したマイナス80℃露点クラスの極低湿度環境試験室を本格的に運用開始・GHG排出削減量が第三者認証された鋼材であるGXスチール「NSCarbolex® Neutral」を空調ダクトおよび配管 に日本初採用・省エネコントローラ「ECO-STAR™(エコスター)」を開発・マレーシアを拠点に半導体やデータセンター関連の電気・通信設備工事を手掛けるES Matrix社の株式40%を 取得する株式譲渡契約を締結(2026年5月13日 株式取得完了)<機械システム事業>・空港事業や、半導体等の成長分野に注力する組織を新設、体制を強化(2026年4月1日付機構改正)・「2025国際ロボット展」にロボット搬送システム「メリス・ビアンカ®」及び固定設備を必要としない「棚 レス自動倉庫」を出展・アパレルや封筒などの軽量・薄物に対応した革新的三方向仕分け装置「Branch Ball」の開発<環境システム事業>・廃棄物処理施設の施工等を手掛ける邦英商興㈱の全株式を取得・水処理装置エアロウイングの増産に向けた国内外での生産設備増強 上記施策のほか、次の全社的な施策を実施いたしました。 ・原価管理の徹底(内部統制プロセスの徹底)・協力会社との関係強化 すべての協力会社(工事取引先)に対する支払を全額現金振込とする支払条件の改善 三機スーパーマイスター制度の実施 三機ベストパートナー制度の実施 また、中期経営計画2027の目標及び当連結会計年度の実績は以下のとおりであります。①2027年度経営目標 2027年度売上高3,000億円営業利益300億円営業利益率10.0%1株当たり当期純利益(EPS) (※1、3)144円以上 ②2025年度から2027年度の期間経営目標と結果 2025年度~2027年度実績2025年度自己資本当期純利益率(ROE) (※1)16.0%以上 18.6%成長投資(※2)500億円程度 66億円配当方針純資産配当率(DOE)5.0%以上 8.8%自己株式取得(※2、3)1,200万株程度 287万株 (※1)EPS、ROEは政策保有株式の売却益を除く(※2)計画期間中の累計 (※3)当社は、2026年5月1日付で普通株式1株につき3株の割合で株式分割を行っております。中期経営計画 2027において掲げている各種の目標数値は、当該株式分割後の株式数で再計算しており、株式分割によ る実質的な計画内容の変更はありません。実績につきましては、当連結会計年度の期首に当該株式分割 が行われたと仮定して「1株当たり当期純利益」「自己株式取得」を算定しております。 2025年度の成果・全ての段階利益において過去最高を更新 また、政策保有株式の売却益を除くROEは18.6%となり、期間経営目標を上回る水準を達成・成長投資は、M&A投資、人的投資等に66億円を実施 ・DOE8.8%となる通期195円の配当を実施・自己株式は、計画値の24%を取得 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、資金需要のうち主なものは、工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の支払によるものであります。運転資金等の必要資金については、内部資金又は借入により資金調達することとしております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。すなわち、貸倒引当金、完成工事補償引当金等各種引当金及び法人税等、並びに履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり収益を認識する方法を適用した工事の予定利益率等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。当社グループは建設業を営んでおり、収益計上の殆どを履行義務を充足するにつれて一定期間にわたり収益を認識する方法により計上しております。そのため、同方法に基づき適正に計上することは当社グループにとって重要なプロセスであると認識しております。当社グループでは、同方法に基づき個々の工事契約について契約の締結状況、予定原価の見直し、工事進捗に応じた原価計上がされているかを精査のうえ、会計処理を行っております。これら手続きは標準的なプロセスとして整備・運用し、当連結会計年度においても適正な手続きを経て連結財務諸表に反映しております。なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。

事業リスク

  • 人財確保と労働環境の変化
    大幅な採用計画の未達や離職率の増加、協力会社の技術者不足は、工事遂行能力の低下を招き、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、建設業における労働時間上限規制の適用により、対応可能な工事量が減少し、収益に影響が出るリスクがあります。
  • 資機材価格高騰と調達遅延
    中東情勢の緊迫化や為替変動、エネルギー価格の上昇などにより、資機材価格や労務費が急激に高騰し、請負金額に反映できない場合、採算が悪化する可能性があります。また、資機材の納入遅延は工期遅延を招き、顧客からの信用失墜や業績への影響が懸念されます。
  • 不採算工事と大規模プロジェクトのリスク
    工事途中での設計変更、工程遅延、追加原価の発生などにより不採算工事が発生するリスクがあります。特に大規模プロジェクトでは、工程管理の複雑化によりコスト超過、納期遅延、品質問題が発生しやすく、業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,984 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業運営に影響を与える可能性のあるリスクを統合的に把握し、リスクの顕在化を未然に防止するとともに、顕在化した場合の損失を極小化することを目的に、「リスク管理委員会」を中心としたリスクマネジメント体制を構築しています。有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項につき、重大な影響を及ぼす可能性のある主なリスクには、以下のようなものがあります。リスク項目及びカテゴリーの記載にあたっては、影響度及び顕在化の可能性から判断し、優先順位が高いものから、その具体的な内容と対策を記載しています。なお、記載内容には、将来の予想に関する事項も含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1) 設備工事事業共通(建築設備事業、機械システム事業、環境システム事業)リスク項目カテゴリー内容対策人財確保に関するリスク人財・労務大幅な採用計画の未達や離職率の増加があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある・新卒社員の初任給ならびに従業員の給与水準引き上げ・認知度向上・働き甲斐のある職場環境構築による従業員エンゲージメントの向上 協力会社の技術者が減少し、施工に必要な人数の確保ができない場合、業績に影響を及ぼす可能性がある・協力会社との信頼関係強化・三機テクノセンターを活用した協力会社教育・新規協力会社の探索・施工の自動化、省力化労働関連法令に関するリスク人財・労務建設業における労働時間上限規制が適用されたことに伴い、延べ労働時間が低下することで、対応可能工事量が低減し、業績に影響を及ぼす可能性があるBIMなどのICTの活用による設計及び施工の効率化中東情勢緊迫に関するリスク地政学・海外 中東情勢緊迫化による原油の供給不安により、資機材価格の高騰や納入遅延が発生した場合は、業績に影響を及ぼす可能性がある・早期発注と原価圧縮の工夫・納期情報を常に更新し、水平展開を図る資機材の調達・納期及び労務費に関するリスク経済・市場・為替変動やエネルギー価格の上昇等により、資機材価格及び労務費が急激に高騰しそれを請負金額に反映させることが困難な場合には業績に影響を及ぼす可能性がある・資機材納入遅延により全体工期が遅れ、客先業務に支障を来し、信用・信頼を失うことにより、業績に影響を及ぼす可能性がある・受注前:物価上昇に対する請負金額の見直しを契約に取り入れる交渉・受注後:早期発注と原価圧縮の工夫・納期情報を常に更新し、水平展開を図る施工中の事故及び災害に関するリスク技術・競争工事施工中の事故や災害の発生に伴い、業績に影響を及ぼす可能性がある・工事の安全衛生管理の徹底・品質リスクアセスメントを活用したトラブル未然防止・不測の事態に備えて工事賠償責任保険に加入不採算工事に関するリスク技術・競争・工事途中での設計変更や、工程遅れなどによる設備工程の圧迫や作業員の増員、手直し工事等による想定外の追加原価により不採算工事が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある・大規模プロジェクトにおける工程管理の複雑化により、コスト超過・納期遅延・品質問題が発生し採算が悪化する可能性がある・定期的に工事進捗管理を行うことによるリスクの早期把握及び対策の徹底・プロジェクトマネジメント体制強化・BIM/CIM等のデジタルツールの活用による設計段階での干渉チェックや施工シミュレーションの徹底 リスク項目カテゴリー内容対策米国関税政策に関するリスク経済・市場米国政府による関税政策の変更により、顧客の設備投資動向の変化や資機材価格が上昇した場合は、業績に影響を及ぼす可能性がある・顧客の設備投資動向及び資機材価格のモニタリング強化・資機材の多様な供給源確保・為替ヘッジ等による市場変動リスクの抑制技術開発に関するリスク技術・競争主に脱炭素化のための省エネに関する最新技術の導入需要が高まっているため、新技術の開発・導入や体制の構築遅れ等が発生し、既存の技術が陳腐化した場合は、業績に影響を及ぼす可能性がある・省エネに関する積極的な技術開発投資の実施・技術開発要員の増強や開発体制の連携強化 海外事業に関するリスク法令現地法令・規制及び当局による監督・規制の内容の認識不足により、行政指導や罰金の対象になる可能性がある・現地スタッフへの教育推進・現地情報の的確な収集分析・「海外危機管理マニュアル」の検証/更新の検討 地政学・海外・戦争・テロの発生やその国の政情悪化、経済状況の変動、予期しない法律・規制の変更等があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある・中国経済悪化により事業採算が悪化する可能性がある (2) 建築設備事業リスク項目カテゴリー内容対策計画案件の過多及び物件の大型化に伴う要員計画に関するリスク人財・労務・半導体や自動車、データセンター関連の計画が続出、大都市圏の再開発が増加。施工要員の配置や、協力会社の確保が困難になり事業遂行に影響を及ぼす可能性がある・物件の大型化に伴い、工期が長期化し、物価上昇、施工対象地域での要員確保や投資計画の変更による要員計画への影響が高まり、業績に影響を及ぼす可能性がある・施工管理計画のフロントローディングによる施工の合理化・施工要員と協力会社工事量を踏まえた事業活動・大型物件と特殊物件に対応するため全社横断的な要員調整・応援体制を構築・工期及び物価上昇リスクを含めた契約内容の検討 (3) 機械システム事業リスク項目カテゴリー内容対策競争力低下に関するリスク技術・競争同業他社との競争が激しく、価格競争に陥る等により業績に影響を及ぼす可能性がある・大和プロダクトセンターの生産工程を見直し、合理化・技術開発やサービス高度化による差別化要素の強化 (4) 環境システム事業リスク項目カテゴリー内容対策市場環境変化に関するリスク技術・競争地方自治体の財政悪化を背景として、価格競争が激化する可能性がある・LCE事業の展開(※)・価格優位性のある商品を核とした受注長期事業に伴う価格変動に関するリスク経済・市場DBO案件は、長期にわたる運営維持管理を伴うため、著しい物価上昇等予期しない事象が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある物価スライド条項等を契約に取り入れる交渉及び事業運営のモニタリング徹底 ※ライフサイクルエンジニアリング(Life Cycle Engineering)事業の略称。新築、保守・メンテナンス、リニューアル、建替えといった建築物のライフサイクル全体を通じてサービスを提供する当社グループの事業コンセプト (5) 不動産事業リスク項目カテゴリー内容対策保有物件及び景気動向等外部環境に関するリスク経済・市場建物や設備の老朽化・陳腐化による、テナント入居率の低下や景気動向等に伴う賃貸料相場の急激な下落が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性がある・テナントの入居状況のモニタリング・テナントニーズの早期把握・テナント与信に係わるモニタリング精度の向上・環境や災害対応他、テナントニーズに対応した設備導入等、物件の付加価値向上のための投資 (6) 当社グループ共通リスクリスク項目カテゴリー内容対策法令違反に関するリスク法令建設業法、独占禁止法、労働基準法等の法令違反に対する行政処分等により事業活動に制限を受ける可能性がある・行動規範、行動指針の浸透・企業倫理研修の継続実施・モニタリングや監査による不正兆候の早期把握過重労働に関するリスク人財・労務長時間労働等により、従業員の健康被害が発生した場合、人的資本が毀損されることで、事業遂行に影響を及ぼす可能性がある・適正な人員配置の実施・業務効率化の推進・緻密な労務管理の実施人権に関するリスク人財・労務当社グループ及びサプライチェーンにおける人権侵害が起きた場合に、取引停止や株価の下落、罰金の支払、訴訟の提起が発生し、業績に影響を及ぼす可能性がある・人権方針に基づく人権デューデリジェンスの実施および教育・通報相談窓口の設置データセキュリティ・システム障害に関するリスクIT情報管理の不備やサイバー攻撃・システム障害により業務の停止や個人情報、顧客名簿、施工図面(顧客機密情報)等の流出により損害を被る可能性がある・不正アクセス対策の強化・情報セキュリティに関するeラーニングの実施・不審メールなどへの啓蒙教育・協力会社への情報セキュリティ対策状況確認の継続実施・不正プログラムの侵入を検知する専用ソフトを導入、専門業者による常時監視の実施・システム停止時の代替運用手順等のBCP対策整備訴訟等に関するリスク法令事業活動において契約不適合責任、製造物責任、特許、契約上の債権債務等に関する訴訟提起及びその他の法的な請求をされる可能性がある・契約締結前の法務部門によるチェックの徹底・品質リスクの抽出とプロセスごとの品質管理の徹底・トラブル関係情報の早期把握及び対策の徹底・教育・研修の実施株式相場の変動に関するリスク財務・保有する株式の時価が下落し、資産が減少するとともに損失が発生する可能性がある・株価の下落により退職給付年金資産・信託資産が減少し、積立不足が発生する可能性がある・2028年3月末までに政策保有株式を連結純資産の20%未満とすることを目標に、2024年3月末時点から上場株式の銘柄数、金額ともに50%以上削減・退職給付年金資産・信託資産の運用状況のモニタリング及び体制の強化戦争・テロ・自然災害に関するリスク地政学・海外戦争・テロ・地震や台風等の大規模な自然災害が発生した場合には、事業の継続が困難となり、業績に影響を及ぼす可能性がある実効性のあるBCPを整備・更新、訓練の実施気候変動に関するリスク経済・市場気候変動リスクの内容及びその対策については、「2. サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)重要なサステナビリティ項目 ①気候変動関連」に記載のとおりであります リスク項目カテゴリー内容対策デジタル競争に関するリスクIT生成AIを始めとした、デジタル技術の導入遅れが原因で、業務プロセスの最適化が遂行されないことにより、競争力が失われ、業績に影響を及ぼす可能性がある・生成AIサービスの導入及び利用方法の教育を実施・経済産業省「DX認定事業者」に認定・デジタル改革推進部を設置・デジタル人財の育成、強化を目的とし、独自の「三機ITパスポート」の受検を実施AI利用に関するリスクIT生成AIの不適切な利用により、情報漏洩、著作権侵害、不正なデータ収集等が行われ、ステークホルダーからの信頼を損ない、業績に影響を及ぼす可能性がある「情報セキュリティ対策ガイドライン」に生成AI利用時の注意点を追加し、全社員にeラーニングによる教育を実施顧客の信用に関するリスク財務顧客の倒産等によって債権が回収不能となり、損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性がある・顧客の与信・回収状況に係わるモニタリング精度の向上・与信リスクの高い特定の顧客に対する綿密な債権管理金利の変動に関するリスク財務・金利変動等により退職給付年金資産・信託資産が減少し、積立不足が発生する可能性がある・金利上昇により、資金調達コストが増加する可能性がある・年金資産・信託資産の運用状況のモニタリング及び体制の強化・退職給付債務増加の抑制・割引率及び期待運用収益率の定期的な見直し・代金回収の早期化促進による借入金増大抑制感染症流行に関するリスク人財・労務感染症の大規模流行に伴い、当社グループ及び協力会社従業員等関係者に多数の罹患者が発生した場合や、移動・外出他、種々の制限が継続した場合、事業遂行に影響を及ぼす可能性がある・感染症拡大に対応できるBCP対策の整備・平常時からテレワーク等の行動制限対応を習熟・感染防止対策に必要となる衛生用品の常時備蓄業績の季節変動に関するリスク財務年度末にかけて工事の完成が集中することや工事進捗が急進する傾向にあるため、それに伴い、資金需要が大きく変動する可能性がある・資金繰り予想精度の向上・業績の進捗管理の徹底

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