2004

昭和産業(2004)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 穀物加工食品の製造販売
    昭和産業グループは、小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物を主要原料とし、小麦粉、プレミックス(調理済み粉)、植物油、糖化製品(水あめなど)、配合飼料といった幅広い食品と飼料を製造・販売しています。これらの製品は、私たちの食卓に並ぶパンや麺類、揚げ物、お菓子、さらには畜産物の生産に不可欠な飼料として、社会の食生活を支える基盤となっています。
  • 多角的な事業展開
    主要な食品事業は、「製粉」「製油」「糖質」の3つのカテゴリに分かれています。製粉では小麦粉やプレミックス、製油では植物油、糖質では糖化製品やコーンスターチなどを製造し、グループ会社を通じて販売しています。また、飼料事業では配合飼料の製造販売や鶏卵の販売も手掛けています。さらに、倉庫業や不動産賃貸といった周辺事業も行い、事業の多角化を図っています。
  • サプライチェーンの統合
    グループ内には、原材料の調達から加工、販売までを一貫して行う体制が構築されています。例えば、製粉カテゴリでは複数の製粉会社が小麦粉等を製造し、昭産商事株式会社が製品の販売を担っています。飼料事業では、配合飼料の製造販売から畜産物の販売、鶏卵の選別・販売までを手掛けることで、安定した供給と品質管理を実現しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 食品事業
    昭和産業グループの主力事業であり、売上高は2,735.33億円、営業利益は109.75億円と、グループ全体の収益の大部分を占めています。この事業は、製粉(小麦粉、プレミックス)、製油(植物油)、糖質(糖化製品、コーンスターチ)の3つの主要カテゴリで構成されており、コンビニエンスストア向けのパン製造販売や冷凍食品の製造販売も行っています。
  • 飼料事業
    畜産物の生産に不可欠な配合飼料の製造販売を主に行う事業で、売上高は561.62億円、営業利益は4.85億円です。九州昭和産業株式会社が配合飼料の製造販売や畜産物の販売を行い、昭和鶏卵株式会社などが鶏卵の洗卵・選別・販売を手掛けています。飼料原料の調達から畜産物の生産・販売までを一貫して行う独自のビジネスモデルを展開しています。
  • その他事業
    食品事業と飼料事業を支える周辺事業として、倉庫業や不動産の賃貸事業を行っています。鹿島サイロ株式会社や志布志サイロ株式会社が穀物の荷役・保管を、株式会社ショウレイが冷凍食品等の保管を担い、昭和産業本体や昭産開発株式会社が建物等の賃貸事業を行っています。これらの事業は、グループ全体の効率的な運営と収益安定化に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FoodBusinessReportableSegment 地域 2,735 110 4.0%
AnimalFeedBusinessReportableSegment 地域 562 5 0.9%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,080 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社、連結子会社28社及び持分法適用会社7社他により構成されており、小麦粉、植物油、糖化製品等の食品と飼料の製造販売を主要な内容とし、他に倉庫業、不動産の賃貸等の事業を行っております。当社グループの事業に係わる位置付け及びセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、以下に示す区分は、セグメントと同一の区分であります。 (1) 食品事業① 製粉カテゴリ当社は小麦粉及びプレミックス等の製造販売を行っており、昭産商事㈱は当社製品を購入して販売しております。奥本製粉㈱、木田製粉㈱、㈱内外製粉、セントラル製粉㈱は小麦粉等の製造販売を行い、当社はそれらの製品の一部を購入して販売しております。Showa Sangyo International Vietnam Co., Ltd.はプレミックスの製造販売を行っております。㈱スウィングベーカリー、グランソールベーカリー㈱、ガーデンベーカリー㈱、タワーベーカリー㈱はコンビニエンスストア向けのパン類の製造販売を行っております。 ② 製油カテゴリ当社は植物油等の製造販売を行っており、昭産商事㈱は当社製品を購入して販売しております。ボーソー油脂㈱及び辻製油㈱は植物油等の製造販売を行い、当社はそれらの製品の一部を購入して販売しております。昭和冷凍食品㈱は冷凍食品の製造販売を、東葛食品㈱は中華まんじゅう等の製造販売を行っております。 ③ 糖質カテゴリ当社は糖化製品及びコーンスターチ等の製造販売を行っており、昭産商事㈱は当社製品を購入して販売しております。敷島スターチ㈱及びサンエイ糖化㈱は糖化製品及びコーンスターチ等の製造販売を、新日本化学工業㈱は食品用酵素等の製造販売を行っており、当社はその製品の一部を購入しております。 (注) 製粉カテゴリ、製油カテゴリ、糖質カテゴリに属さない食品等の販売を行う「その他食品カテゴリ」は重要性が乏しいため、事業の内容の記載及び事業の系統図への記載を省略しております。 (2) 飼料事業当社は配合飼料の生産を委託して販売しており、昭産商事㈱は当社製品を購入して販売しております。九州昭和産業㈱は配合飼料の製造販売、畜産物等の販売を行っており、昭和鶏卵㈱及び中一食品股份有限公司は洗卵・選別による鶏卵の販売等を行っております。 (3) その他当社、鹿島サイロ㈱及び志布志サイロ㈱は当社他穀物の荷役・保管、㈱ショウレイは当社グループ他の冷凍食品等の保管、当社及び昭産開発㈱は建物等の賃貸事業を行っております。 事業の系統図は次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
原料価格に見合った適正な製品価格への転嫁に努めているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 設備
全国各地に工場を有し、生産拠点として機能している。神戸工場の製粉立体自動倉庫の更新も予定。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原料穀物調達(穀物相場・為替の変動等) / 製品安全 / 災害・事故・感染症
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

昭和産業は食品メーカーとして一定のブランド認知度を持つが、強力な特許や独自の技術による差別化は限定的。主力製品の多くは汎用品であり、無形資産による競争優位性は低いと判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

業務用食品においては、既存のサプライヤーとの関係性や品質・価格への慣れから、顧客が他社へ切り替えるには一定のハードルが存在する。ただし、代替品の選択肢は多く、スイッチングコストは高くない。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルは、ネットワーク効果を直接的に活用するものではない。プラットフォームビジネスやSNSのような、利用者の増加が価値を高める構造は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

食品業界全体として、規模の経済によるコスト優位性は存在するが、昭和産業特有の圧倒的なコストリーダーシップを示す証拠は乏しい。原料調達や生産効率の改善努力は継続している。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

長年の事業継続と多岐にわたる食品事業(製粉、食品、健康産業、鳥卵)を展開することで、一定の規模の経済を享受している。広範な販売網と生産能力は競争力の源泉となりうる。

  • 穀物調達の安定性
    主要原料である小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの穀物は主に海外から調達していますが、異常気象や輸出国の物流障害に備え、調達地域の分散化を推進しています。特に小麦は国の売渡制度を通じて調達し、2〜3ヶ月分の備蓄在庫を確保。飼料用穀物も災害時の復旧期間を想定した十分な在庫を保有することで、サプライチェーンの断絶リスクを最小化し、安定供給を可能にしています。
  • 多様な製品ポートフォリオ
    製粉、製油、糖質、飼料といった幅広い事業カテゴリを持ち、それぞれで多様な製品を展開しています。例えば、製油ではこめ油やコーン油など多様な油種を扱い、糖質では業界トップレベルの事業規模を誇ります。これにより、特定の市場変動に左右されにくい事業構造を構築し、安定的な収益基盤を築いています。
  • 国内外の事業展開
    国内市場の少子高齢化・人口減少による需要減退に対応するため、ASEAN地域を中心に海外市場への展開を加速しています。現地拠点の強化や輸出の拡大を図ることで、収益基盤の多様化と成長を取り込み、持続的な成長を目指しています。これにより、国内市場の成熟化リスクを分散し、新たな成長機会を獲得しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

  • 穀物の可能性を追求する長期ビジョン
    2035年度をターゲットとする長期ビジョン「SHOWA VISION 2035」では、「穀物のあらゆる可能性をひろげていく」ことを掲げています。これは、食領域だけでなく、人々の生活環境向上や持続可能な社会に貢献する「Life Solution」分野での新たな価値創造を目指すものです。穀物という自社の強みを起点に、事業領域の拡大を図る方針です。
  • ROIC経営による資本効率の向上
    中期経営計画26-29では、ROIC(投下資本利益率)を重要な指標とし、資本効率経営を推進することでROIC-WACCスプレッド(ROICと加重平均資本コストの差)の最大化を目指しています。これにより、グループ全体の損益と資本効率を向上させ、最適な資源配分を通じて企業価値の最大化とPBR(株価純資産倍率)1倍以上を目指す方針です。
  • 事業ポートフォリオの再構築と成長投資
    国内基盤分野での事業規模拡大が厳しさを増す中、オレオケミカル・ファインケミカルなど食領域を超えた「戦略的価値創出領域」で将来の収益の柱となる事業を育成します。具体的には、バイオ燃料や石油由来製品の代替技術への参入、副産物活用による機能性素材の拡販などを推進し、成長分野への積極的な投資を実行することで、持続的な成長を目指しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、1936年の創立以来、大地の恵みである小麦、大豆、菜種、トウモロコシ、米などの穀物を余すところなく、小麦粉、プレミックス、植物油、糖化製品、配合飼料などに加工し、皆様の食生活を豊かにする事業に取り組んでまいりました。創立90周年を迎える2026年2月に創立100周年、さらにその先を見据え、当社グループを取り巻く環境の変化に対応し、持続的成長及び企業価値向上を図るべく、新たなグループ経営理念「ひと粒の可能性から、価値をひろげ、日々の幸せを共につくる。」を策定し、長期ビジョンを含むグループの理念体系を再構築いたしました。新たなグループ経営理念のもと、当社グループのオリジンである“穀物”と“人”の無限の可能性を追求し、地球環境を含めた社会全体によりそい、未来につづく幸せをつくってまいります。また、当社グループの持続的成長及び企業価値向上に向けて大切にすべき価値観や行動を示した行動指針として、「誠実。」、「本質。」、「共助。」、「打破。」、「研鑽。」の5つを定めました。新たな羅針盤のもと組織文化を変革し、100周年、その先も選ばれ続ける昭和産業グループを目指してまいります。 (2)経営戦略(長期ビジョン・中期経営計画)新理念体系のもと、創立100周年を迎える2035年度をターゲットとする長期ビジョン「SHOWA VISION 2035」及び、長期ビジョンに基づく4ヵ年計画「中期経営計画26-29」を今年2月に策定し、その実現に向けて取り組んでおります。 ①長期ビジョンについて当社グループは、2035年度のありたい姿として「穀物のあらゆる可能性をひろげていく」を掲げ、当社グループのオリジンである「穀物」を起点に、食領域における可能性のひろがりはもとより、食領域を超えて人々の生活環境の向上や持続可能な社会への貢献に資する「Life Solution」分野での可能性のひろがりも追求いたします。具体的には、事業成長性と資本効率性を軸に事業ポートフォリオを再定義し、ROICを指標に各領域の位置付けを明確化することで、基盤分野におけるキャッシュ・フロー創出力を強化し、新規分野などの価値創出領域への積極的な成長投資を実行してまいります。また、資本戦略の強化により資本コストの最適化と株主還元の充実を図ってまいります。 〔2035年度 ありたい姿〕 〔長期ビジョン 定量目標〕 〔事業ポートフォリオマネジメント〕②中期経営計画26-29について長期ビジョン「SHOWA VISION 2035」の実現に向けて、収益体質の強化を掲げ、基盤分野における高付加価値商品へのシフトやコスト削減、事業横断での事業基盤の強化に取り組んでまいります。そして、成長戦略の実現に向け、海外への展開や新規分野といった成長分野への取り組みを一層拡大してまいります。また、ROIC経営の推進により、グループ全体の損益及び資本効率を向上し、最適な資源配分を通じて企業価値の最大化とPBR1倍以上を目指してまいります。全社WACCを4%と認識し、資本効率経営を推進することでROICーWACCスプレッドの最大化を目指してまいります。個々の事業においては、事業別にWACCを設定することでROICスプレッドの最大化に取り組み、事業ポートフォリオマネジメントの最適化を実現してまいります。さらに、ROIC経営の推進による基礎収益力の強化に加え、政策保有株式等の売却を戦略的に推進し、成長投資と株主還元のバランスを重視して実行することにより、持続的な企業価値向上の実現を目指してまいります。 〔中期経営計画26-29の位置付け〕 〔中期経営計画26-29 定量目標〕 2025年度実績2026年度計画2029年度目標差異(2025年度比)ROE(%)7.5%6.3%8.0%0.5%ROIC(%)(※1)5.1%4.6%6.0%0.9%営業利益119億円120億円140億円20億円営業利益率3.6%3.4%4.0%0.4% 配当方針:配当性向40%または、DOE3.0%のいずれか高い方を基準とする(※2) ※1)ROIC経営管理体制の本格導入に当たり、改めて当社でのROICの考え方を精査した結果、計算方法の見直しを実施ROIC=税引後事業利益÷ 投下資本(期首期末平均)、事業利益:経常利益-金融収支、投下資本:有利子負債+自己資本(計算方法の見直し前の2025年度実績ROICは4.4%)※2)事業ポートフォリオ再構築や資産売却等の一時的な特殊要因を除く (3)対処すべき課題当社グループを取り巻く重要な外部環境及びリスクとして、気候変動による異常気象の頻発や地政学リスクの増大による原料穀物の安定調達の困難化、日本国内における少子高齢化による需要の減退等が想定されます。また、円安の進行や環境規制の強化等による生産コストの上昇等が見込まれます。このような状況から、国内基盤分野での事業規模の拡大はより厳しさが増し、収益性の維持拡大には社内のコスト構造の見直しを含む取り組みが必要になると認識しております。一方で、消費者のニーズの多様化や海外市場における日系商品の普及拡大により、基盤分野においては高付加価値商品や海外市場に事業拡大の機会が見込まれます。また、循環型経済の進展により、穀物に係る食分野及び非食分野それぞれの新たな価値創出に事業機会があると認識しております。これらのリスクと機会を的確にとらえ、当社グループの持続的な成長を実現するために、中期経営計画26-29で取り組むべき重要な課題として6つのマテリアリティを特定し、関連する取り組みテーマを推進してまいります。そして、マテリアリティを具体的な事業戦略として落とし込むことにより事業の成長に繋げてまいります。当社グループの「6つのマテリアリティ」の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 〔事業戦略〕中期経営計画26-29では、ROICを基に事業ポートフォリオの各領域の位置付け及び方針を明確にし、戦略の推進に取り組んでまいります。各領域における中期経営計画26-29の方針は次のとおりです。〔具体的な方針〕①戦略的価値創出領域国内の基盤分野における事業規模の拡大はより厳しさが増していることから、オレオケミカル・ファインケミカル等食領域を超えた穀物の新たな価値を創出することにより、将来の収益の柱となる事業を育成してまいります。具体的には、バイオ燃料等の次世代エネルギーや石油由来製品の代替技術への参入、製造工程で発生する副産物を活用した機能性素材の拡販などの取り組みを推進してまいります。 ②付加価値創出領域及び、コア領域製粉、製油、糖質及び、飼料を「基盤分野」と位置付け、基幹製品を取り扱う領域を「コア領域」、高付加価値商品や海外展開への取り組みについては「付加価値創出領域」とし、それぞれの取り組みを推進してまいります。「コア領域」は効率化を進め、「付加価値創出領域」においては、研究・開発を中心としたリソースを積極的に投入し収益力の強化に向けて新たな素材や商品の研究・開発に注力していくことで基盤分野における安定的な収益構造の確立を目指してまいります。基盤の各分野における具体的な取り組みは次のとおりです。・製粉グループ会社を含め7工場ある国内製粉工場の一体運営の確立と製造拠点の最適化による効率化を進めるとともに、多様な取引先へのソリューション提案により、付加価値商品の拡販や商品ポートフォリオの最適化を進めてまいります。・製油サプライチェーンマネジメントの強化によるコスト低減に注力するとともに、こめ油やコーン油等多様な油種を生かして最適な油種ポートフォリオを構築することにより、事業環境の変動によるボラティリティの低減に取り組んでまいります。・糖質業界トップレベルの事業規模を有することから、業界トップの地位の確立を目指し、主力工場である鹿島工場への重点的な設備投資を実行してまいります。また、グループ会社と連携して高付加価値商品へ注力することにより、更なる収益力の強化を目指してまいります。・飼料飼料原料の調達から畜産物の生産・販売管理までを一気通貫で展開する当社独自のビジネスモデルにより、市場のニーズに合った付加価値畜産物の展開等に取り組むことで、畜産分野における収益拡大を目指してまいります。また、当社グループの食品事業の製造過程で発生する副製品を活用することで、当社グループ全体の収益最大化に努めてまいります。 ③体質強化領域冷凍食品、焼成パン、不動産は、体質強化領域として様々な施策を通じてROIC指標の向上に取り組んでまいります。収益性改善に向けた見直しを進めるとともに、今後の方向性を検討してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営の基本方針当社グループは、1936年の創立以来、大地の恵みである小麦、大豆、菜種、トウモロコシ、米などの穀物を余すところなく、小麦粉、プレミックス、植物油、糖化製品、配合飼料などに加工し、皆様の食生活を豊かにする事業に取り組んでまいりました。創立90周年を迎える2026年2月に創立100周年、さらにその先を見据え、当社グループを取り巻く環境の変化に対応し、持続的成長及び企業価値向上を図るべく、新たなグループ経営理念「ひと粒の可能性から、価値をひろげ、日々の幸せを共につくる。」を策定し、長期ビジョンを含むグループの理念体系を再構築いたしました。新たなグループ経営理念のもと、当社グループのオリジンである“穀物”と“人”の無限の可能性を追求し、地球環境を含めた社会全体によりそい、未来につづく幸せをつくってまいります。また、当社グループの持続的成長及び企業価値向上に向けて大切にすべき価値観や行動を示した行動指針として、「誠実。」、「本質。」、「共助。」、「打破。」、「研鑽。」の5つを定めました。新たな羅針盤のもと組織文化を変革し、100周年、その先も選ばれ続ける昭和産業グループを目指してまいります。 (2)経営戦略(長期ビジョン・中期経営計画)新理念体系のもと、創立100周年を迎える2035年度をターゲットとする長期ビジョン「SHOWA VISION 2035」及び、長期ビジョンに基づく4ヵ年計画「中期経営計画26-29」を今年2月に策定し、その実現に向けて取り組んでおります。 ①長期ビジョンについて当社グループは、2035年度のありたい姿として「穀物のあらゆる可能性をひろげていく」を掲げ、当社グループのオリジンである「穀物」を起点に、食領域における可能性のひろがりはもとより、食領域を超えて人々の生活環境の向上や持続可能な社会への貢献に資する「Life Solution」分野での可能性のひろがりも追求いたします。具体的には、事業成長性と資本効率性を軸に事業ポートフォリオを再定義し、ROICを指標に各領域の位置付けを明確化することで、基盤分野におけるキャッシュ・フロー創出力を強化し、新規分野などの価値創出領域への積極的な成長投資を実行してまいります。また、資本戦略の強化により資本コストの最適化と株主還元の充実を図ってまいります。 〔2035年度 ありたい姿〕 〔長期ビジョン 定量目標〕 〔事業ポートフォリオマネジメント〕②中期経営計画26-29について長期ビジョン「SHOWA VISION 2035」の実現に向けて、収益体質の強化を掲げ、基盤分野における高付加価値商品へのシフトやコスト削減、事業横断での事業基盤の強化に取り組んでまいります。そして、成長戦略の実現に向け、海外への展開や新規分野といった成長分野への取り組みを一層拡大してまいります。また、ROIC経営の推進により、グループ全体の損益及び資本効率を向上し、最適な資源配分を通じて企業価値の最大化とPBR1倍以上を目指してまいります。全社WACCを4%と認識し、資本効率経営を推進することでROICーWACCスプレッドの最大化を目指してまいります。個々の事業においては、事業別にWACCを設定することでROICスプレッドの最大化に取り組み、事業ポートフォリオマネジメントの最適化を実現してまいります。さらに、ROIC経営の推進による基礎収益力の強化に加え、政策保有株式等の売却を戦略的に推進し、成長投資と株主還元のバランスを重視して実行することにより、持続的な企業価値向上の実現を目指してまいります。 〔中期経営計画26-29の位置付け〕 〔中期経営計画26-29 定量目標〕 2025年度実績2026年度計画2029年度目標差異(2025年度比)ROE(%)7.5%6.3%8.0%0.5%ROIC(%)(※1)5.1%4.6%6.0%0.9%営業利益119億円120億円140億円20億円営業利益率3.6%3.4%4.0%0.4% 配当方針:配当性向40%または、DOE3.0%のいずれか高い方を基準とする(※2) ※1)ROIC経営管理体制の本格導入に当たり、改めて当社でのROICの考え方を精査した結果、計算方法の見直しを実施ROIC=税引後事業利益÷ 投下資本(期首期末平均)、事業利益:経常利益-金融収支、投下資本:有利子負債+自己資本(計算方法の見直し前の2025年度実績ROICは4.4%)※2)事業ポートフォリオ再構築や資産売却等の一時的な特殊要因を除く (3)対処すべき課題当社グループを取り巻く重要な外部環境及びリスクとして、気候変動による異常気象の頻発や地政学リスクの増大による原料穀物の安定調達の困難化、日本国内における少子高齢化による需要の減退等が想定されます。また、円安の進行や環境規制の強化等による生産コストの上昇等が見込まれます。このような状況から、国内基盤分野での事業規模の拡大はより厳しさが増し、収益性の維持拡大には社内のコスト構造の見直しを含む取り組みが必要になると認識しております。一方で、消費者のニーズの多様化や海外市場における日系商品の普及拡大により、基盤分野においては高付加価値商品や海外市場に事業拡大の機会が見込まれます。また、循環型経済の進展により、穀物に係る食分野及び非食分野それぞれの新たな価値創出に事業機会があると認識しております。これらのリスクと機会を的確にとらえ、当社グループの持続的な成長を実現するために、中期経営計画26-29で取り組むべき重要な課題として6つのマテリアリティを特定し、関連する取り組みテーマを推進してまいります。そして、マテリアリティを具体的な事業戦略として落とし込むことにより事業の成長に繋げてまいります。当社グループの「6つのマテリアリティ」の詳細につきましては、「第2 事業の状況 2.サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照ください。 〔事業戦略〕中期経営計画26-29では、ROICを基に事業ポートフォリオの各領域の位置付け及び方針を明確にし、戦略の推進に取り組んでまいります。各領域における中期経営計画26-29の方針は次のとおりです。〔具体的な方針〕①戦略的価値創出領域国内の基盤分野における事業規模の拡大はより厳しさが増していることから、オレオケミカル・ファインケミカル等食領域を超えた穀物の新たな価値を創出することにより、将来の収益の柱となる事業を育成してまいります。具体的には、バイオ燃料等の次世代エネルギーや石油由来製品の代替技術への参入、製造工程で発生する副産物を活用した機能性素材の拡販などの取り組みを推進してまいります。 ②付加価値創出領域及び、コア領域製粉、製油、糖質及び、飼料を「基盤分野」と位置付け、基幹製品を取り扱う領域を「コア領域」、高付加価値商品や海外展開への取り組みについては「付加価値創出領域」とし、それぞれの取り組みを推進してまいります。「コア領域」は効率化を進め、「付加価値創出領域」においては、研究・開発を中心としたリソースを積極的に投入し収益力の強化に向けて新たな素材や商品の研究・開発に注力していくことで基盤分野における安定的な収益構造の確立を目指してまいります。基盤の各分野における具体的な取り組みは次のとおりです。・製粉グループ会社を含め7工場ある国内製粉工場の一体運営の確立と製造拠点の最適化による効率化を進めるとともに、多様な取引先へのソリューション提案により、付加価値商品の拡販や商品ポートフォリオの最適化を進めてまいります。・製油サプライチェーンマネジメントの強化によるコスト低減に注力するとともに、こめ油やコーン油等多様な油種を生かして最適な油種ポートフォリオを構築することにより、事業環境の変動によるボラティリティの低減に取り組んでまいります。・糖質業界トップレベルの事業規模を有することから、業界トップの地位の確立を目指し、主力工場である鹿島工場への重点的な設備投資を実行してまいります。また、グループ会社と連携して高付加価値商品へ注力することにより、更なる収益力の強化を目指してまいります。・飼料飼料原料の調達から畜産物の生産・販売管理までを一気通貫で展開する当社独自のビジネスモデルにより、市場のニーズに合った付加価値畜産物の展開等に取り組むことで、畜産分野における収益拡大を目指してまいります。また、当社グループの食品事業の製造過程で発生する副製品を活用することで、当社グループ全体の収益最大化に努めてまいります。 ③体質強化領域冷凍食品、焼成パン、不動産は、体質強化領域として様々な施策を通じてROIC指標の向上に取り組んでまいります。収益性改善に向けた見直しを進めるとともに、今後の方向性を検討してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況1) 経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、雇用・所得環境の改善等により、緩やかな回復基調となっております。しかしながら、物価上昇による消費者の節約志向の一層の高まりや、物流コスト・人件費の増加、米国の関税政策の動向による世界経済への影響に加え、中東情勢の緊迫化にともなう原油価格上昇を背景とした原材料価格の高騰等もあり、インバウンド消費等も含めて依然として先行きは不透明な状況が続いております。このような状況の中、当社は創立90周年を迎える2025年度のありたい姿(長期ビジョン)「SHOWA Next Stage for 2025」の実現に向け、3rd Stage「中期経営計画23-25」を2023年4月にスタートし、基本コンセプト『SHOWAの“SHIN-KA”宣言~90年、そしてその先へ~』を掲げ、5つの基本戦略「①基盤事業の強化」「②事業領域の拡大」「③環境負荷の低減」「④プラットフォームの再構築」「⑤ステークホルダーエンゲージメントの強化」の各施策を推進してまいりました。当連結会計年度では、「①基盤事業の強化」において、グループ一体となった生産拠点の運用最適化を進めたことで収益力強化を実現しました。糖質カテゴリでは、当社、当社連結子会社である敷島スターチ株式会社、サンエイ糖化株式会社の3工場体制による安定供給の仕組みを確立し、グループ全体での収益の安定化に大きく貢献しました。「②事業領域の拡大」において、当社連結子会社であるShowa Sangyo International Vietnam Co., Ltd.の新工場が竣工し、プレミックスの製造を開始しました。また、中華まんじゅう、中華惣菜等の製造販売を主な事業とする東葛食品株式会社の全株式を取得し、完全子会社化しました。「③環境負荷の低減」では、「昭和産業グループ 環境目標」CO2排出量46%以上削減(グループ全体2030年度目標、対2013年度)、食品ロス30%以上削減(昭和産業および食品ロス発生量が100t/年以上のグループ会社6社2025年度目標、対2018年度)、水使用量原単位12%以上削減(グループ全体2030年度目標、対2019年度)の実現を目指してまいりました。そして、2026年2月に脱炭素・環境負荷低減に向けた新グループ環境目標を策定しました。脱炭素を経営の重要課題と捉え、2050年目標の達成に加え、食品ロス・水使用量削減を含む多角的な環境負荷低減を同時並行で推進してまいります。当連結会計年度の経営成績は、連結売上高が335,413百万円と前年同期に比べ988百万円(0.3%)の増収となりました。営業利益は11,941百万円と前年同期に比べ815百万円(7.3%)の増益、経常利益は14,458百万円と前年同期に比べ867百万円(6.4%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は10,611百万円と前年同期に比べ988百万円(8.5%)の減益となりました。 (単位:百万円) 2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度前年同期差前年同期比増減率売上高334,425335,4139880.3%営業利益11,12611,9418157.3%経常利益13,59114,4588676.4%親会社株主に帰属する当期純利益11,59910,611△988△8.5% セグメントの経営成績を示すと、次のとおりであります。 <食品事業>食品事業は、円安基調が続く中でコスト要因である物流コスト・人件費、資材価格等の高止まりや消費者の根強い節約志向が続き、販売環境は厳しい状況となりました。このような市場環境の中、当社の強みであるマーケット分析力を生かした、ターゲット業態ごとのソリューション型営業の強化、適正価格での販売に取り組みました。製粉カテゴリは、輸入小麦の政府売渡価格が昨年4月に平均4.6%(税込価格)、10月に平均4.0%(税込価格)引き下げられたことを受け、小麦粉製品の価格改定を実施しました。一方で、当社連結子会社を含めた生産拠点の一体運用を図ることで、物流コスト低減や生産効率化などを進めております。業務用小麦粉の販売数量は前年同期を上回りましたが、業務用プレミックスの販売数量は前年同期を下回りました。業務用パスタの販売数量は外食市場中心に好調であったため、前年同期を上回りました。ふすまの販売数量については、前年同期並みとなりました。なお、家庭用の小麦粉およびプレミックス、家庭用パスタの販売数量は前年同期を下回りました。これらにより製粉カテゴリの売上高は、前年同期を下回りました。製油カテゴリは、コストを踏まえた適正価格での販売活動と、長寿命オイルや油染みの少ないベーカリー用オイルなど機能的に価値のある商品提案や課題解決型営業に取り組んでまいりました。また、コスト抑制と安定供給を目的に、当社連結子会社であるボーソー油脂株式会社、持分法適用関連会社である辻製油株式会社と連携して、生産拠点の効率的運用、原材料調達の効率化などを進めております。油脂については、業務用の販売数量は前年同期を上回りましたが、家庭用の販売数量は前年同期並みとなりました。また、ミールの販売数量は前年同期を上回りましたが、販売単価は前年同期を下回りました。これらにより製油カテゴリの売上高は、適正価格での販売に努めましたが前年同期並みとなりました。糖質カテゴリは、当社連結子会社である敷島スターチ株式会社やサンエイ糖化株式会社との連携を図り、グループ一体となった課題解決や生産効率化などを進めております。糖化品の販売数量については、飲料向けが猛暑などの影響で減少しましたが、製パン・調味料用向けの増加により前年同期並みとなりました。コーンスターチの販売数量については、食品用途は前年同期を上回っているものの、製紙用途等の需要減少により前年同期を下回りました。加工でん粉の販売数量については、前年同期並みとなりました。副製品については、販売価格は前年同期を上回りましたが、販売数量は前年同期を下回りました。これらにより糖質カテゴリの売上高は、前年同期並みとなりました。これらの結果、食品事業の売上高は271,828百万円と前年同期に比べ1,704百万円(0.6%)の減収、営業利益は11,323百万円と前年同期に比べ348百万円(3.2%)の増益となりました。 <飼料事業>飼料事業は、顧客ニーズに対する提案型営業、畜産物の販売支援や付加価値向上へのサポート等の生産者との取り組み強化、高付加価値商材の拡販に努めてまいりました。配合飼料および鶏卵の販売数量は、2024年10月からの鳥インフルエンザ感染拡大による影響を受け前年同期を下回りました。配合飼料の平均販売価格は前年同期を下回りましたが、鶏卵の販売価格は鶏卵相場が堅調に推移したことにより前年同期を上回りました。これらの結果、飼料事業の売上高は58,740百万円と前年同期に比べ2,577百万円(4.6%)の増収、営業利益は1,005百万円と前年同期に比べ520百万円(107.2%)の増益となりました。 <その他>倉庫業につきましては、貨物獲得競争が激化する中、貨物取扱量は前年同期を下回りましたが、荷役料金の適正価格への改定に努めてまいりました。これらの結果、不動産業、保険代理業、自動車等リース業、運輸業、植物工場等をあわせたその他の売上高は4,844百万円と前年同期に比べ115百万円(2.4%)の増収、営業利益は1,389百万円と前年同期に比べ38百万円(2.7%)の減益となりました。 2) 財政状態の状況(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期前期末差流動資産112,749115,0612,311固定資産142,754159,91117,157資産 計255,504274,97319,469流動負債78,36282,0213,659固定負債38,52140,3401,818負債 計116,884122,3615,477純資産 計138,619152,61113,991 当連結会計年度末における資産、負債及び純資産の状況及び分析は次のとおりであります。 総資産は、274,973百万円と前連結会計年度に比べ19,469百万円増加しております。主な増加要因は、投資有価証券が11,295百万円増加したこと、機械装置及び運搬具(純額)が4,037百万円増加したこと、建物及び構築物(純額)が3,673百万円増加したことであります。一方、主な減少要因は、建設仮勘定が2,886百万円減少したことであります。負債は、122,361百万円と前連結会計年度に比べ5,477百万円増加しております。主な増加要因は、繰延税金負債が2,838百万円増加したこと、設備関係債務が2,837百万円増加したことであります。純資産は、152,611百万円と前連結会計年度に比べ13,991百万円増加しております。主な増加要因は、親会社株主に帰属する当期純利益10,611百万円の計上により増加したこと、その他有価証券評価差額金が6,050百万円増加したことであります。一方、主な減少要因は、配当金の支払により3,576百万円減少したことであります。これらの結果、自己資本比率は52.8%から54.3%となりました。 ② キャッシュ・フローの状況(単位:百万円) 2025年3月期連結会計年度2026年3月期連結会計年度前年同期差営業活動によるキャッシュ・フロー20,27418,009△2,265投資活動によるキャッシュ・フロー△11,385△12,542△1,156フリー・キャッシュ・フロー8,8885,467△3,421財務活動によるキャッシュ・フロー△10,057△3,9746,082現金及び現金同等物の期末残高6,8688,3491,481 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益14,972百万円、減価償却費10,344百万円、売上債権の減少及び仕入債務の増加等による資金の増加がありましたが、法人税等の支払4,769百万円、棚卸資産の増加及び未払消費税等の減少等があった結果、合計では18,009百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ2,265百万円(11.2%)収入が減少しました。投資活動によるキャッシュ・フローは、子会社株式の取得1,208百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得636百万円及び有形固定資産の取得11,425百万円等に資金を使用した一方、定期預金の払戻による収入1,450百万円の収入等があった結果、合計では12,542百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ1,156百万円(10.2%)支出が増加しました。財務活動によるキャッシュ・フローは、これらで得たフリー・キャッシュ・フロー5,467百万円を原資として、社債の償還7,000百万円及び配当金3,576百万円の支払等を行った一方、コマーシャル・ペーパーの発行8,000百万円の収入等があった結果、合計では3,974百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ6,082百万円(60.5%)支出が減少しました。以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は8,349百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,481百万円(21.6%)の増加となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)食品事業211,221△1.5飼料事業31,307△3.8その他147△9.3合計242,675△1.8 (注) 1 金額は製造原価によっており、セグメント間取引については相殺消去しております。2 当該内容は、製品ベースの生産実績によっております。 2) 受注実績当社グループは、受注生産を行っておりません。 3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)食品事業271,828△0.6飼料事業58,7404.6その他4,8442.4合計335,4130.3 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 総販売実績に対する主要な取引先の販売実績の割合が10%未満のため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表等は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準等に基づき作成されております。この連結財務諸表等の作成にあたっては、期末日における資産及び負債、会計期間における収益及び費用に影響を与えるような仮定や見積りを必要とします。過去の経験及び状況下において妥当と考えられた見積りであっても、仮定あるいは条件の変化等の不確実性により、実際の結果と異なる場合があります。また、連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。当社グループはこの仮定のもと、会計上の見積り(固定資産の減損、棚卸資産の評価、繰延税金資産の見積り等の検討)を行っておりますが、翌連結会計年度の経営成績及び財政状態に与える影響については、現時点において重要な影響はありません。 ② 財政状態及び経営成績の分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照下さい。 ③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性の分析1) キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。 2) 財務政策当社グループは、経済環境や金利動向を考慮しながら、「金利優位性の高い資金を、必要な金額だけ、安定的に調達すること」を基本方針とし、事業運営上必要な資金の確保及び経済環境の急激な変化に耐えうる流動性の維持に努めております。 3) 資金需要当社グループの運転資金需要のうち主なものは、当社グループ製品製造のための原材料の購入等の製造費並びに販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び発送配達費です。投資資金需要のうち主なものは、製造工場の設備新設、維持、更新等、基盤事業における生産効率向上のための設備投資です。また、長期ビジョン実現のための資金需要として、将来の企業価値の源泉となる投資については、財務健全性の維持と資本効率性の向上を考慮しながら積極的且つ継続的に実施していく方針です。 4) 資金調達当社グループの調達手段として、長期運転資金及び設備投資資金については、原則営業活動により得られたキャッシュ・フロー及び金融機関からの長期借入を基本とし、必要に応じて社債等による資金調達も実施してまいります。短期資金調達については、営業活動により得られたキャッシュ・フロー、コマーシャル・ペーパーの発行及び金融機関からの短期借入を基本としております。また、当社グループは、当社及び国内連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、グループ内資金を一元管理しております。グループ内の余剰資金を集中、配分することで、コスト低減に努めつつ資金の流動性確保、資金効率の向上及び金融負債の極小化を図っております。さらに、緊急時の流動性確保への備えとして、複数年のコミットメントライン契約を締結しております。 ④ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等「中期経営計画23-25」における財務目標及び非財務目標の実績は次のとおりとなります。〔財務目標〕 2025年度目標2025年度実績連結経常利益(億円)130144ROE(%)7.0以上7.5ROIC(%)(※1)4.0以上4.4CCC(日)(※2)7583.5NET D/Eレシオ0.6以下0.28 (※1):ROIC=税引後営業利益/投下資本なお、中期経営計画26-29におけるROIC経営管理体制の本格導入に当たり、改めて当社でのROICの考え方を精査した結果、計算方法の見直しを実施。見直し後の計算方法は以下のとおりです。ROIC=税引後事業利益÷ 投下資本(期首期末平均)、事業利益:経常利益-金融収支、投下資本:有利子負債+自己資本2025年度実績を見直し後の計算方法で算出すると5.1%となります。(※2):キャッシュ・コンバージョン・サイクルユーザンス金利上昇に伴う支払いサイト短縮の影響(11.3日程度)があります。 〔非財務目標〕 項目2025年度目標2025年度実績グループ環境目標CO2排出量の削減(※1)30%以上削減(2013年度比)29.4%削減食品ロスの削減(※2)30%以上削減(2018年度比)36.9%削減水使用量の削減(原単位)(※3)9%以上削減(2019年度比)6.9%削減プラスチック使用量の削減(原単位)(※4)7%以上削減(2013年度比)3.5%削減人的資本経営女性管理職比率10%以上11.2%リスキル投資額2倍以上(2021年度比)2.4倍 (※1)対象:当社及び連結子会社連結子会社にShowa Sangyo International Vietnam Co., Ltd.及び東葛食品株式会社は含んでおりません。(※2)対象:当社及び食品ロス発生量が100t/年以上のグループ会社(※3)対象:当社及び子会社9社(水質汚濁防止法、下水道法による特定施設を有する事業者)(※4)化石燃料由来容器包装材に使用するワンウェイプラスチック 「中期経営計画26-29」における目標は「第2 事業の状況 1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)対処すべき課題」をご参照下さい。

事業リスク

  • 原料穀物調達の変動リスク
    小麦、大豆、菜種、トウモロコシなどの主要原料は海外調達が主であり、国際的な穀物市況、為替変動、海上運賃の急激な高騰は製造原価を押し上げ、経営成績に大きな影響を与える可能性があります。これに対し、コスト削減や販売価格への転嫁、為替予約などのデリバティブ取引を活用し、影響の平準化を図っています。
  • 国内市場の需要減少リスク
    日本国内の少子高齢化と人口減少は、中長期的に製品需要の低下を招き、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対し、カテゴリ横断的な「提案型営業」による顧客ニーズに即した製品提供の強化、付加価値商品の拡販、非食品分野への新規事業創出、そして海外市場への展開加速で対応しています。
  • 災害・事故・感染症リスク
    大規模な自然災害(地震、風水害)、火災・爆発事故、感染症の流行は、従業員の出勤不能、サプライチェーンの断絶、工場の操業停止を引き起こし、製品供給体制の停滞により経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。各拠点での災害訓練、BCP(事業継続計画)の整備と訓練、システム冗長化、安全管理体制の強化などでリスク低減に努めています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,598 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が経営成績等に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 当社グループでは、「リスクマネジメント基本方針」に基づきリスクマネジメント委員会を設置し、企業経営に対する重大なリスクへの適切かつ迅速な対応の強化に取り組んでおります。年1回、経営目標の達成を阻害する可能性のあるリスクを洗い出し、「経営への影響度」と「発生可能性」の両面で評価を行いリスクの重要度を決定します。重要度の高いリスクについては、部門統轄役員の管理の下で主管部署が対策を講じることによりリスクの最小化に取り組んでおります。こうした取り組みは、リスクマネジメント委員会での審議を経て、経営会議及び取締役会に報告され、経営層からの継続的な監督を受けております。また万が一、危機が発生した場合は、対策本部を設置し、迅速かつ的確に対応することで、影響の極小化に努めてまいります。各リスク項目は、戦略リスク/財務リスク/ハザードリスク/オペレーションリスクの4つに分類して管理しています。認識しているリスクのうち、当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性が特に高いと判断しているリスクには以下のようなものがあります。リスクが顕在化した際の影響度を示した上で、内容の詳細を記載しております。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(2026年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。 大分類定義1.戦略リスク経営戦略の不確実性事業選択、M&A、投資判断や社会環境変化への対応遅れによる競争優位性の低下2.財務リスク財務基盤への影響資金調達・運用、為替、金利変動などによる財務状況悪化と経済損失3.ハザードリスク外的危機による損害自然災害、火災、事故、健康被害などの偶発的事象による物的人的影響と事業継続への影響4.オペレーションリスク業務遂行の障害業務プロセス、人財、システム、情報セキュリティ、コンプライアンスなどに起因する日常業務の混乱 1.原料穀物調達(穀物相場・為替の変動等)リスク分類:戦略リスク影響度:非常に大当社グループの主要製品原料である小麦、大豆、菜種、トウモロコシ等の穀物は、主に海外から調達しております。そのため、原料コストは、国際的な穀物市況、為替変動、及び海上運賃の影響を強く受けます。小麦については、国の売渡制度を通じた調達が主であるため、国際貿易交渉の進展等に伴う制度変更が、当社の調達基盤に影響を及ぼす可能性があります。穀物相場やエネルギーコストの急激な高騰は、製造原価を押し上げ、経営成績を左右する重要な要因であります。これに対し、当社グループでは徹底したコスト削減に加え、原料価格の変動に応じた適正な販売価格への転嫁を進め、収益性の維持に努めております。また、為替変動リスクに対しては、社内ルールに基づき為替予約等のデリバティブ取引を活用し、影響の平準化を図っております。安定調達の面では、異常気象や輸出国の物流障害に備え、調達地域の分散化を推進しております。食糧安全保障の観点から、小麦については国による一元的な輸入体制のもと、2.3ヶ月分の備蓄在庫を確保しております。また、飼料用穀物についても、災害等の緊急時における復旧期間(3週間)を想定し、関連会社のサイロ等において十分な在庫を保有することで、サプライチェーンの断絶リスクを最小化しております。 2.少子高齢化・人口減少リスク分類:戦略リスク影響度:非常に大日本国内における人口減少及び少子高齢化の進行により、中長期的な国内需要の低下が懸念されます。こうした市場環境の変化は、当社グループの製品需要の減退を招き、経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、こうした構造的な変化に対応すべく、カテゴリ横断的な「提案型営業」による顧客ニーズに即した製品提供を強化しております。また、差別化戦略による付加価値商品の拡販や、グループ各社の連携による収益力強化に取り組むとともに、オレオケミカルなどの非食品分野も視野に入れた新規事業の創出による事業領域の拡大に努めております。さらに、人口増加と経済成長が著しい海外市場への展開を加速させております。需要が旺盛なASEAN地域を中心に、現地拠点の強化や輸出の拡大を図り、収益基盤の多様化と成長の取り込みを推進してまいります。 3.企業買収及び合弁事業リスク分類:戦略リスク影響度:非常に大当社グループは、長期ビジョン「SHOWA VISION 2035」及び中期経営計画26-29を実現するための手段として、国内外の企業買収や海外現地パートナーとの合弁等の可能性を常に検討しております。企業買収や合弁事業の実施にあたっては、当社グループ独自に策定したガイドラインに基づいた検証・審査プロセスを実施するとともに、外部専門家を活用することでリスクの低減を図っております。しかし、対象となる事業の環境変化等により、当初の想定通りにシナジー効果等が創出できない場合、当社グループの期待する成果が得られない可能性があります。また、企業買収等に伴い計上したのれん及び顧客関連資産については、それぞれの事業価値及び将来の収益力を適切に反映したものと考えておりますが、対象となる事業において当初想定していた収益力が低下する等の理由により減損損失が発生し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 4.海外での事業運営リスク分類:戦略リスク影響度:大当社グループは、海外において生産・加工・販売拠点を有し事業を展開するほか、当社製品の輸出を行っております。今後も海外事業の拡大を推進する方針でありますが、海外においては、他国との政治関係の悪化、現地の政治・経済情勢の変動、法令・規制の変更、関税・貿易政策の変化、為替変動、輸送・物流の混乱、自然災害、感染症の流行、紛争・テロ、及び現地パートナーや子会社のガバナンス・コンプライアンスの不備等により、当該地域での事業の継続や輸出継続に支障が生じる可能性があり、当社の業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。対応策として、海外情勢及び関連法令の継続的なモニタリング、外部専門家との連携、日本政府や商社からの情報収集、現地ガバナンス体制及び内部統制の強化、保険の活用、並びに現地従業員への教育・研修・安全対策の実施等により、リスクの低減に努めております。 5.災害・事故・感染症リスク分類:ハザードリスク影響度:非常に大将来発生が想定される大型地震(南海トラフ巨大地震、首都直下地震等)や近年多発している風水害(台風・大雨等)等の大規模自然災害、火災・爆発等の事故や国家的警戒レベルの感染症の流行は、当社グループとしても重大なリスクと認識しております。当社グループは、生産拠点として全国各地に工場を有しております。これら工場設置地域においては、安全管理体制の確立や設備補強等の対策を講じておりますが、想定以上の大規模災害、事故、パンデミックが発生した場合は従業員の出勤不能、サプライチェーンの断絶、工場の操業停止による製品供給体制の停滞等を招き、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。災害対策として、各拠点では定期的な災害訓練の実施により有事対応力を強化すると共に、災害対策委員会を定期的に開催し、災害発生時の連絡手段や災害備蓄物資等の見直し、整備を行っております。万が一、災害が発生した場合、まず従業員とその家族の安否を確認の上、災害対策規程に基づき、災害にかかる応急措置を迅速かつ的確に実施し、被害の軽減を図ってまいります。また、事業継続の観点からBCPを整備し、訓練等を通じて検証と改善を実施し、BCPの実効性を高めております。さらに、必要となる業務システムについては、データセンターの複数拠点化やシステムダウン時の予備機への即時切替えなど業務を継続できる体制を整えております。火災・爆発等の事故対策として、管理体制の強化や事故発生を防止する設備の充実、定期的な訓練や安全巡視の実施、教育・啓発活動を行うとともに緊急事態発生時に対応するためのマニュアルの整備等を行っております。感染症対策として、感染者が出た場合あるいはその蓋然性が高まった場合には、危機管理規程に基づき対策本部を設置し、感染症のまん延防止及び事業継続に向けて、国・自治体等の指針に沿って適宜適切に対応する体制を整えております。 6.製品安全リスク分類:オペレーションリスク影響度:非常に大当社グループでは、「食品の安全・安心3原則※」を定め、独自の「食品安全・品質マネジメントシステム(FSQMS)」を運用しております。FSQMSは、HACCPを基本として、FSSC22000、ISO22000、ISO9001、AIBフードセーフティシステムなどの国際基準を取り入れた統合的なマネジメントシステムです。また、食品安全・品質に関する従業員教育に力を入れ、組織全体での食品安全・品質文化の醸成に努めております。しかしながら、万が一の食品安全上の予期せぬ事態により、以下のような影響が想定されます。健康被害が発生した際の賠償金や、製品回収の際の費用が発生します。原材料調達が中断すれば、操業停止や出荷停止による売上高の減少につながります。また、食品安全上の問題により信用が失墜した場合には、顧客の喪失に伴う中長期的な売上高の減少へと発展する可能性があります。当社では、このようなリスクに対応するため、万が一の食品安全における重大事故発生時、迅速に対応する体制と手順を備え、定期的な訓練も行っております。健康被害や法令違反が疑われる事象が想定される場合は、速やかに緊急製品安全委員会を立ち上げ、対応内容を検討します。併せて、危機対策本部を立ち上げ、被害を受けられた方がいる場合はその対応にあたるとともに、製品回収が必要と判断した場合は、社告やホームページ等を通じて透明性をもって情報開示を行い、影響の極小化、信用の維持に努めてまいります。また、配合飼料についても、当社グループでは安全・安心を確保するための品質保証体制を構築しております。想定を超える規模の家畜伝染病、例えばBSE、口蹄疫、鳥インフルエンザ、豚熱などが発生した場合、配合飼料の販売減少につながるとともに、飼料畜産業界全体への波及的な影響が懸念されますが、その場合も、迅速かつ的確な対応体制を維持し、影響の最小化に努めてまいります。 ※原則1. 原材料の調達段階:問題のあるものを持ち込まない。原則2. 工場の製造段階:問題のある製品を作らない。原則3. 出荷の段階:問題のある製品を持ち出さない。 7.気候変動リスク分類:オペレーションリスク影響度:非常に大当社グループは、主要原料として多種多量な穀物を扱っており、その安定的な調達は事業継続の根幹をなすものです。気候変動に伴う異常気象や平均気温の上昇は、穀物の生育・品質悪化や収穫量の減少を招き、原料調達価格の高騰や供給不安を引き起こす可能性があります。また、炭素税の導入や排出規制の強化といった「移行リスク」への対応が不十分な場合、操業コストの増加や、脱炭素社会への適応を求めるステークホルダーからの信頼低下を招き、当社グループの財務状況及びブランド価値に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、マテリアリティの一つに「未来に繋ぐ地球環境の実現」を掲げ、2021年12月のTCFD提言への賛同以降、気候変動が事業に与える影響の把握に努めております。ガバナンス体制については、環境管理委員会傘下の「TCFD委員会」において、1.5℃、2℃及び4℃シナリオに基づいたリスクと機会の特定・分析を継続的に実施しております。特定されたリスク(原料調達、物流、操業コスト等)については、経営戦略における重要事項として検討し、取締役会へ定期的に報告・審議を行う体制を構築しております。具体的な施策としては、分析結果を「昭和産業グループ環境目標」に反映し、GHG排出量、食品ロス、水、プラスチックの4領域を重要項目として設定いたしました。環境管理委員会の下に設置した各削減部会(CO2、食品ロス、水、プラスチック)が中心となり、省エネルギー設備の導入、廃棄物削減、水資源の有効活用等、目標達成に向けた活動をグループ横断的に推進しております。これらの取り組みを通じて、気候変動に伴う不確実性に対する事業のレジリエンス(適応力)を強化し、持続可能な食の供給体制の構築に努めてまいります。 8.物流に関するリスクリスク分類:オペレーションリスク影響度:大運送・物流業界においては、ドライバーや倉庫作業員の減少、ドライバーの時間外労働時間の上限規制の適用開始などにより運送能力が不足することが懸念されており、「物流の2024年問題」として社会的な課題となっております。これらは原材料の調達と製品の供給の両面に影響することから、結果としてお客さまへの商品の供給が滞る可能性があります。また、ドライバーや倉庫作業員の維持・確保に向けた運賃・倉庫利用料等の値上げ要請による物流コスト上昇が想定されることから、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。これに対し、当社は「ホワイト物流」推進運動への賛同や、物流の適正化・生産性向上に向けた「自主行動計画」の策定を行っております。2025年4月に一部施行された「物流効率化法」で全ての荷主に対する努力義務として挙げられている3つの物流効率化では、以下の取組みを実施しました。①積載効率の向上:同業他社とのラウンド輸送による復路便の活用②荷待ち時間の短縮:車両受付管理システム導入③荷役等時間の短縮:神戸工場製粉立体自動倉庫の更新による効率化(2026年2月稼働)また、2026年4月には「物流効率化法」が全面施行され、特定荷主としての届出及び物流統括管理者(CLO)の選任を行い、2026年10月までに中長期計画の提出予定としております。当社グループでは物流事業者や得意先様のご理解・ご協力をいただきつつ、今後も持続可能な物流の実現に努めてまいります。 9.情報セキュリティリスク分類:オペレーションリスク影響度:大ICTの発展に伴いサイバー攻撃の手口も年々高度化・巧妙化するなど、当社グループを取り巻く経営環境において、サイバーリスクは高まっております。当社グループでは、リスクマネジメント委員会傘下の部会として情報セキュリティ委員会を開催し、セキュリティ対策の検討・見直しを継続的に実施しております。また、パソコンの不審なプログラムの動作を検知し、実行を防止する「ゼロトラスト」の考えに基づいたセキュリティシステムを導入すると共に、IT-BCPマニュアルの策定により、ランサムウエア等のサイバー攻撃を受けた場合を想定した社内体制を構築し、実効性確保のための訓練を実施しております。さらに、近年では年々増加する標的型メール攻撃に対するeラーニング、各部署に配置した「IT推進者」への教育の徹底や人的対応力強化に注力しております。ただし、当社グループの想定を上回る新手のサイバー攻撃を受けた場合、システム停止による製品供給の遅れ、情報漏洩による損害賠償、信用低下による顧客離れ等による売上高の減少など、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 10.人権リスク分類:オペレーションリスク影響度:大多種多様な事業ポートフォリオを有する当社グループにとって、不当な職場待遇、強制労働、ハラスメント等の人権諸課題への対応及び従業員の人権保護と関連法規制の遵守は極めて重要な経営課題であると認識しております。万が一、一人ひとりの多様な個性・人格・能力を尊重し合う職場づくりが実現できない場合や、サプライチェーンにおける人権侵害が発生した場合には、社会的信用の失墜やブランドイメージの低下を招くか、従業員の生産性低下、優秀な人財の獲得困難、ひいては当社グループの競争力低下や事業継続に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、人権尊重の取り組みを実効的なものとするため、2025年度に「人権委員会」を設置いたしました。当委員会の主導により、従来の指針を刷新した「昭和産業グループ人権方針」を策定し、経営トップの強いコミットメントのもと、グループ全体及びサプライチェーンにおける人権尊重の姿勢を明確にいたしました。また、実効性のある救済メカニズムの構築に向け、内部通報制度に加え、2026年度からは、昭和産業グループと取引のあるサプライヤーを対象とした通報窓口「サプライヤー・ホットライン」を当社ホームページに新設、受付を開始いたしました。2023年度に実施したリスクアセスメントの結果(「長時間労働」「労働災害」「ハラスメント」を優先リスクと特定)に基づき、2026年度からは、人権委員会を中心とした人権デュー・ディリジェンス(人権課題の特定・是正・継続的なモニタリングのサイクル)の本格運用を開始する予定であります。これにより、組織横断的なリスク管理体制を強化し、人権リスクの低減と負の影響の特定に努めてまいります。 11.コンプライアンスリスク分類:オペレーションリスク影響度:大当社グループが事業活動を行う上で、食品衛生法、独占禁止法、取適法、景品表示法、個人情報保護法等、国内外の様々な法的規制や社会的規範を遵守することが求められております。重大なコンプライアンス違反を起こした場合、民事上の責任(損害賠償等)、刑事上の責任(刑事罰)、行政上の責任(行政処分)といった法的責任の追及だけでなく、社会的信用やブランドイメージが大きく低下し、当社グループの経営成績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、経営理念である「ひと粒の可能性から、価値をひろげ、日々の幸せを共につくる。」の具現化に向け、「コンプライアンス基本方針」の下、従業員一人ひとりが企業市民としての自覚を持ち、コンプライアンスの実践者となり透明性の高い組織としていくため、抑止及び検知に向けた活動を推進しております。具体的には、必要な規程類の整備や、社会情勢によって変化する課題抽出とその対策として研修等の教育・啓発活動の展開、内部通報制度を通じた不正行為の早期発見や再発防止策の検討等を実施しております。2026年度からは、昭和産業グループと取引のあるサプライヤーを対象とした通報窓口「サプライヤー・ホットライン」を当社ホームページに新設、受付を開始いたしました。 12.人財確保リスク分類:オペレーションリスク影響度:大国内における少子高齢化に伴う労働人口の減少により、必要とする人財の確保や育成ができない場合には、当社グループの経営状況や事業継続に影響を及ぼす可能性があります。特に製造現場での活動を担う人財が不足することは事業継続の大きなリスクであると認識しております。当社グループでは「従業員のウェルビーイング向上」を通じて人財の確保及び定着を図るため、多様な従業員が心理的安全性の高い職場で意欲高く、スキルや知識を身につけ成長していくことのできる環境整備に努めております。具体的には、研修の充実化や、毎年実施するエンゲージメントサーベイの結果を基に各セクションにてスコア改善に向けた行動計画を策定・実行しております。また、「昭和産業健康宣言」に基づき、産業医・健康保険組合と連携を取りながら全社一体で従業員の健康増進に取り組み、健康経営優良法人の認定を受けるなど、従業員の健康維持・増進に関する取り組みを継続しております。これらの取り組みにより、従業員の定着率及び生産性の向上を図り、人財確保に関するリスクの低減に努めております。 13.知的財産リスク分類:オペレーションリスク影響度:大当社グループが知的財産権の取得、維持、防衛、保護を計画通りに実行できなかった場合、当社グループ独自の技術による競争優位性を維持できなくなる可能性があります。適切な知的財産権を取得し、その維持と防衛に努めることと、秘匿技術の保護に取り組んでおります。また、当社グループの知的財産権が第三者に侵害される可能性や、当社グループが意図せず第三者の知的財産権を侵害し、販売差止請求や損害賠償請求を受ける可能性があります。第三者による侵害製品や冒認出願について調査し、それに対応することで知的財産権とブランドイメージを保護するとともに、継続して教育活動を実施することで第三者の知的財産権を尊重する風土の醸成に取り組んでおります。このような取り組みを通じて、当社グループの経営成績に影響を及ぼすリスクや、当社グループ及びブランドのイメージが毀損するリスクの低減を図っております。

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