事業の概要
- 多角的な人材サービス: パソナグループは、人材派遣、人材紹介、業務委託・請負(BPO)、再就職支援といった幅広い人材関連サービスを提供しています。企業の人材ニーズに応えるだけでなく、個人のキャリア形成も支援することで、多様な働き方を社会に提供し、収益を上げています。
- 地方創生事業への注力: 人材サービスで培ったノウハウを活かし、地方創生・観光ソリューション事業にも力を入れています。地域と連携して新たな産業や雇用を創出し、飲食、アミューズメント、宿泊事業などを展開することで、地域活性化と収益源の多様化を図っています。
- 海外展開とライフサポート: グローバルソリューションとして海外での人材サービスを展開し、事業の地理的範囲を広げています。また、子育て支援、家事代行、介護サービスなどのライフソリューションも提供し、人々の生活全般をサポートすることで、社会貢献と事業拡大を両立させています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- BPOソリューション(委託・請負): 顧客から業務を受託・請け負い、パソナグループの社員が業務を遂行する事業です。オンサイトでの業務代行や、BPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)、コンタクトセンター運営などが含まれます。フリーランスやプロフェッショナル人材によるコンサルティングもこのセグメントに含まれ、売上2,693.49億円、営業利益97.59億円と、グループの稼ぎ頭となっています。
- キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援): 転職・就職希望者と求人企業をマッチングする人材紹介事業と、企業の退職予定者などに対し、次の再就職先が見つかるまで職務経歴書作成や面接対策、求人情報提供などを行う再就職支援事業です。売上144.87億円、営業利益50.48億円と、利益率の高い事業です。
- 地方創生・観光ソリューション: 地域住民や企業、自治体と連携し、地方に新たな産業と雇用を創出する事業です。地域の特産品を活用した飲食、アミューズメント、宿泊事業のほか、観光促進や企業誘致も行っています。売上61.76億円に対し、営業利益は-19億円と、現在は先行投資段階であり赤字となっています。
2025-05 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| BPOSolutionExpertSolutionReportableSegment | 事業 | 2,693 | 98 | 3.6% |
| CareerSolutionsReportableSegment | 事業 | 145 | 50 | 34.8% |
| GrobalSolutionReportableSegment | 事業 | 111 | 4 | 3.6% |
| LifeSolution | 事業 | 81 | -0 | -0.3% |
| RegionalRevitalizationSightseeingSolutionReportableSegment | 地域 | 62 | -19 | -30.8% |
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、持株会社である当社と連結子会社66社及び持分法適用関連会社4社で構成されております。報告セグメントについては、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)、地方創生・観光ソリューションの6セグメントに分類し、人材関連事業や地方創生事業等を行っております。2026年5月31日現在の事業セグメントと主なグループ各社の位置付けは以下のとおりです。 (1) 事業のセグメントと主なグループ会社 セグメント主なグループ会社 HRソリューション BPOソリューション(委託・請負) エキスパートソリューション(人材派遣) (株)パソナ(株)パソナHS(株)パソナJOB HUB(株)パソナロジコム(株)Pasona art now(株)パソナHRソリューション(株)パソナマスターズ(株)パソナナレッジパートナー(株)パソナ知財信託(株)パソナサステナビリティ(株)パソナハートフル(株)パソナハートフルウエスト(株)PASONA VIV JAPANビーウィズ(株)(株)パソナ日本総務部(株)アサヒビールコミュニケーションズ長崎ダイヤモンドスタッフ(株) (株)パソナジョイナス(株)パソナフォース(株)パソナデータ&デザイン(株)パソナセーフティネット(株)プロフェリエ(株)テクノリサーチ(株)アイブリット(株)ドゥアイネットRadiant Communication Sdn. Bhd. キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)(株)パソナ グローバルソリューション(海外人材サービス) Pasona N A, Inc. Pasona Canada, Inc. PT. Dutagriya Sarana Pasona Taiwan Co., Ltd. MGR Consulting Co., Ltd. Pasona Asia Co., Limited Pasona Korea Co., Ltd. Pasona India Private Limited Pasona Vietnam Co., Ltd. PT Pasona HR IndonesiaPasona Singapore Pte. Ltd. Pasona Education Co. Limited Pasona HR Malaysia Sdn. Bhd. Agensi Pekerjaan Pasona Sdn. Bhd. Pasona Human Resources (Shanghai) Co., Ltd. Pasona Recruitment (Thailand) Co., Ltd. Pasona HR Consulting (Thailand) Co., Ltd. Pasona Oversea Recruitment (Thailand) Co., Ltd.ライフソリューション (子育て支援、ライフサポート等)(株)パソナフォスター(株)パソナライフケア地方創生・観光ソリューション (株)パソナふるさとインキュベーション(株)ニジゲンノモリ(株)パソナ農援隊(株)Awaji Nature Farm(株)パソナHR HUB(株)匠創生(株)パソナ古酒蔵(株)日本の古酒蔵(株)丹後王国ブルワリー(株)丹後蔵(株)パソナ東北創生(株)地方創生(株)リボーン(株)パソナふるさとマルシェ(株)パソナウェルネスツーリズム(株)パソナツーリズム(株)Pasona resort(株)Pasona Future Gateway(株)PASONA NATIVE Design (注1)2026年6月1日付で(株)CCHサウンドの株式を追加取得し子会社化するとともに、商号を(株)パソナCCHサウンドに変更しております。(注2)2026年7月1日付で(株)地方創生の商号を(株)パソナ地方創生に変更しております。 (2) 主要なセグメントの内容HRソリューション①BPOソリューション(委託・請負) 顧客から業務を受託または請け負い、当社グループの社員、その業務遂行のため雇用契約を締結した労働者等の体制で、当社グループが業務処理するものです。業務委託・請負契約による取引には、オンサイト(顧客内)において受託業務を行う形態と、当社グループが自ら設備・システム等を有して、顧客の業務プロセスを受託するBPO(ビジネスプロセス・アウトソーシング)やコンタクトセンター運営等の形態があります。加えて、フリーランスや上場企業の元役員などのプロフェッショナル人材によるコンサルティングや経営支援を行う顧問コンサルティング事業など、企業の経営課題に対する多様な事業を展開しており、いずれの事業もBPOソリューションに含めております。 人材派遣契約では派遣スタッフへの指揮命令は派遣先が行うのに対し、業務委託・請負契約では当社グループが労働者に指揮命令を行います。 ②エキスパートソリューション(人材派遣) 「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律(以下「労働者派遣法」という。)」の規定に従い、厚生労働大臣の許可を受けて派遣スタッフを募集・登録し、企業等へ派遣する「労働者派遣事業」を行っております。当社グループが労働者を派遣するに際しては、予め派遣スタッフを募集・登録し、派遣スタッフの希望と派遣先の条件を合致させたうえで、派遣スタッフと当社グループとの間に雇用契約を締結し、派遣先へ派遣しております。 ③キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援) 「人材紹介」は、「職業安定法」に基づき、厚生労働大臣の許可を受けて、転職・就職の希望者を募集・登録し、同時に求人情報を収集して相互のニーズをマッチングする有料職業紹介事業です。 また「再就職支援」は、会社都合による企業の退職者または退職予定者等(以下、サービス利用者)に対して、次の再就職先が決定するまで、職務経歴書作成や面接対策、求人情報の提供、独立支援などを行う事業です。企業が早期退職制度の実施や外部への出向など社員の転進支援を行う場合において、こうした企業と基本契約を締結し、その企業から対価を受けて、サービス利用者のキャリア構築を支援しております。 グローバルソリューション(海外人材サービス) 海外において、人材紹介、人材派遣・請負、給与計算、教育・研修などのフルラインの人材関連サービスを提供しております。 ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等) 認可・認証保育所、企業内保育施設、学童保育施設の運営、児童教育などの子育て支援事業、家事代行などのライフサポート事業、デイサービス、訪問介護などを行う介護事業を行っております。 地方創生・観光ソリューション 地域住民や地域企業、地方自治体と協力、連携しながら、地方に新たな産業と雇用を創出する地方創生・観光事業に取り組んでおり、地域の特産品を活用した飲食事業やアミューズメント事業、宿泊事業のほか、地域活性化のための観光促進や企業誘致に関する事業を行っています。 (事業系統図)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 特定の領域に偏らない事業ポートフォリオを構築し、リスク分散を図っているため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 規制 労働者派遣法、職業安定法に基づく厚生労働大臣の許可が必要。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 高い |
会社が挙げる主要リスク:景気動向等のマクロ環境の影響 / 官公庁等との事業認可・契約関係及び労働関係諸法令への対応 / 訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
パソナグループは人材派遣・紹介事業を主軸としており、長年の事業運営で培われたブランド力や顧客基盤は一定の無形資産となり得る。しかし、特許や独自IPによる明確な競争優位性は見られず、競合他社との差別化は限定的である。
スイッチングコスト★★☆☆☆
企業顧客にとっては、人材派遣・紹介サービスの切り替えは、新たな業者選定や契約手続きの手間が発生するため、一定のスイッチング・コストが存在する。しかし、サービス内容の標準化が進んでおり、他社への乗り換え障壁はそれほど高くない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
人材派遣・紹介事業において、プラットフォーム型のネットワーク効果は限定的である。求職者と企業のマッチングは重要だが、ユーザー数の増加が直接的にサービス価値を指数関数的に高める構造ではない。
コスト優位★☆☆☆☆
人材派遣・紹介事業は、一般的に労働集約型であり、大規模な設備投資を伴わない。パソナグループは一定の規模を持つが、競合他社と比較して構造的なコスト優位性を示す明確な証拠はない。IT投資による効率化は進めている可能性がある。
規模の経済★★★☆☆
パソナグループは国内有数の総合人材サービス企業であり、幅広い業界・職種に対応できるネットワークとサービス提供能力を持つ。この規模は、多様な顧客ニーズに応え、効率的な人材供給を可能にする点で一定の効率規模の優位性をもたらす。特に地方創生や特定分野での事業展開は強み。
- 幅広い事業領域とネットワーク: 人材派遣からBPO、地方創生、海外事業まで多岐にわたる事業を展開しており、それぞれの分野で培ったノウハウと顧客基盤が強みです。これにより、顧客企業の多様なニーズにワンストップで対応できるだけでなく、事業間のシナジー効果も期待できます。
- 社会課題解決への貢献: 「社会の問題点を解決する」という企業理念のもと、ダイバーシティ推進や子育て支援、地方創生といった社会貢献性の高い事業に取り組んでいます。これにより、企業としてのブランドイメージを高め、社会からの信頼を得ることで、持続的な成長を支える基盤を築いています。
- 専門性と実績の蓄積: 創業から50年にわたり人材ビジネスを展開してきた実績と専門知識は、同社の大きな強みです。特にBPOソリューションでは、顧客の業務を効率的に代行するノウハウがあり、エキスパートソリューションでは、多様なスキルを持つ人材を企業に提供することで、安定した収益を確保しています。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
- 「NATUREVERSE」の実現: パソナグループは、人と自然、テクノロジーが共生し、人々が思いやりの心でつながることで、一人ひとりの、社会の、地球のWell-beingが実現した「NATUREVERSE」な社会を目指しています。これは、同社の企業理念である「社会の問題点を解決する」を具現化する長期的なビジョンです。
- 中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」: 2026年5月期から2030年5月期を対象期間とする中期経営計画では、売上高4,000億円、経常利益率5%、ROE8%以上、PBR1倍超を財務目標として掲げています。この目標達成のため、収益構造の改革と新たなWell-being産業の創造を成長戦略の柱としています。
- HRソリューションとWell-being事業の強化: 国内人口減少や働き方の多様化、AI技術の進展といった事業環境の変化に対応するため、HRソリューション事業において高付加価値サービスを提供し収益力を強化します。また、人生100年時代を見据え、個人の健康を支える新たなWell-being産業を創造することで、社会課題解決と事業成長の両立を目指します。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年8月14日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、創業以来「社会の問題点を解決する」という明確な企業理念のもと、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に好きな仕事を選択でき、働く機会を得られることを目指して、様々な社会インフラを構築してきました。 パソナグループの仕事は「人を活かす」こと。すなわち、人々の心豊かな生活を創造する「ライフプロデュース」です。そして「常に高い志をもって、社会復帰を望む人、新しい人生にチャレンジする人、人生の目標に果敢に挑戦する人、誰もがそれぞれのライフスタイルにあわせた働き方で、豊かな人生設計を描ける社会を創ること」これこそが、当社グループの社会的責任(CSR)だと考えます。 私たちは、その社会的責任を果たすため、「パソナグループ 企業行動憲章」を定め、当社グループの経営トップ以下、全役員・従業員が行動指針として正しく理解し、世界中のPASONAで共有しています。あらゆるステークホルダーの皆様に対して、「Pasona Way」に掲げたそれぞれの役割を果たし、時代とともに変化する社会問題に果敢に挑み、当社グループの目指すSDGsへの取り組みを通して、更なる企業価値の向上を実現します。 これからも、ソーシャルソリューションカンパニーとして、社会的良識をもって健全な企業活動を展開し、人々の心豊かな生活を創造する『NATUREVERSE』な社会の実現を目指してまいります。 (2)経営戦略 ●パソナグループが目指す社会 当社は昨年、創業から50年の節目を迎えるとともに、2024年5月期に連結子会社の株式を売却したことから事業ポートフォリオの構成が変化したことで、次の50年の持続的な成長に向け、中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」を策定し、収益構造の改革及び新たな事業成長に向けた成長戦略を掲げ、持続的な企業成長と更なる企業価値の向上を目指しております。 中期VISIONでは、これまでの事業ノウハウ及びネットワークを礎に、新たな「Well-being産業」を創造し、あらゆる人々の「からだの健康・こころの健康・社会の健康」が実現した「NATUREVERSE(ネイチャーバース)」(※)の世界を目指しております。 「PASONA GROUP VISION 2030」の詳細については、当社ホームページに記載しております。(URL https://www.pasonagroup.co.jp/Portals/0/resources/ir/pdf/VISION2030_20250717.pdf) (※)NATUREVERSE(ネイチャーバース)とは、パソナグループが目指す、人と自然、テクノロジーが共生し、人々が思いやりの心でつながることで、一人ひとりの、社会の、地球のWell-beingが実現した、真に豊かな世界 ●中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」の達成に向けて 2026年5月期から2030年5月期を対象期間とする5ヵ年の中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」では、2030年5月期の財務目標として、売上高4,000億円、経常利益率5%、ROE8%以上、PBR1倍超を目指しております。 現在、当社を取り巻く事業環境は、国内人口の高齢化により生産年齢人口が減少するとともに、人々の価値観やライフスタイルが年々多様化しています。また、AI等のデジタルテクノロジーの技術進歩は目覚ましく、働き方のみならず仕事内容そのものが大きく変化しています。 こうした中、当社がこれまで培ってきた事業領域では、より高付加価値なサービスを提供することで収益力を強化するとともに、収益構造の改革に取り組んでまいります。また人生100年時代を迎え、人が生涯を通じて働く期間が長期化し、ライフスタイルやキャリアアップに応じて柔軟に働き方を変化させる社会へと移行する中で、個々人の健康を支え維持させる取り組みは、これから人口が減少する我が国において、企業や個人、また社会にとっても重要なテーマとなります。当社は、これまでの事業ノウハウを活かしながら、新たなWell-being産業を創造することで、将来の社会課題を解決するとともに、当社の事業成長につなげてまいります。 2026年5月期通期連結業績については、業績見通しに変更が生じたことから期初計画から通期連結業績予想を下方修正いたしました。2027年5月期については、中期VISIONで掲げる専門領域でのBPO事業を拡大させるなど、HRソリューションを改めて成長させるとともに、新たに始めるWell-being事業により、事業成長を促進させてまいります。また、収益構造の改革にも取り組んでおり、全社コストについては、2026年5月期は各管理部門でコスト課題の抽出と見直し項目の選定を実施しており、2027年5月期には具体的な項目ごとに事業成長に応じた適正なコスト配分と削減目標を設定するなど、コストコントロールの徹底に取り組んでまいります。中期VISIONで掲げる「売上高に占める全社コストの割合(2030年5月期3.5%以下)」の達成に向けて、グループ全体で事業効率を高め収益力の改善を図ってまいります。 ●キャッシュアロケーション(資金使途について) 当社は、2024年5月期に連結子会社の株式を売却したことから、一時的に手元資金が増加いたしました。売却資金については、新規事業投資や設備投資、M&A投資等の成長投資に充当するとともに、経営基盤の強化ならびに株主還元に充当することで、中期VISIONの達成を目指しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2026年8月14日)現在において当社グループが判断したものです。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、創業以来「社会の問題点を解決する」という明確な企業理念のもと、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に好きな仕事を選択でき、働く機会を得られることを目指して、様々な社会インフラを構築してきました。 パソナグループの仕事は「人を活かす」こと。すなわち、人々の心豊かな生活を創造する「ライフプロデュース」です。そして「常に高い志をもって、社会復帰を望む人、新しい人生にチャレンジする人、人生の目標に果敢に挑戦する人、誰もがそれぞれのライフスタイルにあわせた働き方で、豊かな人生設計を描ける社会を創ること」これこそが、当社グループの社会的責任(CSR)だと考えます。 私たちは、その社会的責任を果たすため、「パソナグループ 企業行動憲章」を定め、当社グループの経営トップ以下、全役員・従業員が行動指針として正しく理解し、世界中のPASONAで共有しています。あらゆるステークホルダーの皆様に対して、「Pasona Way」に掲げたそれぞれの役割を果たし、時代とともに変化する社会問題に果敢に挑み、当社グループの目指すSDGsへの取り組みを通して、更なる企業価値の向上を実現します。 これからも、ソーシャルソリューションカンパニーとして、社会的良識をもって健全な企業活動を展開し、人々の心豊かな生活を創造する『NATUREVERSE』な社会の実現を目指してまいります。 (2)経営戦略 ●パソナグループが目指す社会 当社は昨年、創業から50年の節目を迎えるとともに、2024年5月期に連結子会社の株式を売却したことから事業ポートフォリオの構成が変化したことで、次の50年の持続的な成長に向け、中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」を策定し、収益構造の改革及び新たな事業成長に向けた成長戦略を掲げ、持続的な企業成長と更なる企業価値の向上を目指しております。 中期VISIONでは、これまでの事業ノウハウ及びネットワークを礎に、新たな「Well-being産業」を創造し、あらゆる人々の「からだの健康・こころの健康・社会の健康」が実現した「NATUREVERSE(ネイチャーバース)」(※)の世界を目指しております。 「PASONA GROUP VISION 2030」の詳細については、当社ホームページに記載しております。(URL https://www.pasonagroup.co.jp/Portals/0/resources/ir/pdf/VISION2030_20250717.pdf) (※)NATUREVERSE(ネイチャーバース)とは、パソナグループが目指す、人と自然、テクノロジーが共生し、人々が思いやりの心でつながることで、一人ひとりの、社会の、地球のWell-beingが実現した、真に豊かな世界 ●中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」の達成に向けて 2026年5月期から2030年5月期を対象期間とする5ヵ年の中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」では、2030年5月期の財務目標として、売上高4,000億円、経常利益率5%、ROE8%以上、PBR1倍超を目指しております。 現在、当社を取り巻く事業環境は、国内人口の高齢化により生産年齢人口が減少するとともに、人々の価値観やライフスタイルが年々多様化しています。また、AI等のデジタルテクノロジーの技術進歩は目覚ましく、働き方のみならず仕事内容そのものが大きく変化しています。 こうした中、当社がこれまで培ってきた事業領域では、より高付加価値なサービスを提供することで収益力を強化するとともに、収益構造の改革に取り組んでまいります。また人生100年時代を迎え、人が生涯を通じて働く期間が長期化し、ライフスタイルやキャリアアップに応じて柔軟に働き方を変化させる社会へと移行する中で、個々人の健康を支え維持させる取り組みは、これから人口が減少する我が国において、企業や個人、また社会にとっても重要なテーマとなります。当社は、これまでの事業ノウハウを活かしながら、新たなWell-being産業を創造することで、将来の社会課題を解決するとともに、当社の事業成長につなげてまいります。 2026年5月期通期連結業績については、業績見通しに変更が生じたことから期初計画から通期連結業績予想を下方修正いたしました。2027年5月期については、中期VISIONで掲げる専門領域でのBPO事業を拡大させるなど、HRソリューションを改めて成長させるとともに、新たに始めるWell-being事業により、事業成長を促進させてまいります。また、収益構造の改革にも取り組んでおり、全社コストについては、2026年5月期は各管理部門でコスト課題の抽出と見直し項目の選定を実施しており、2027年5月期には具体的な項目ごとに事業成長に応じた適正なコスト配分と削減目標を設定するなど、コストコントロールの徹底に取り組んでまいります。中期VISIONで掲げる「売上高に占める全社コストの割合(2030年5月期3.5%以下)」の達成に向けて、グループ全体で事業効率を高め収益力の改善を図ってまいります。 ●キャッシュアロケーション(資金使途について) 当社は、2024年5月期に連結子会社の株式を売却したことから、一時的に手元資金が増加いたしました。売却資金については、新規事業投資や設備投資、M&A投資等の成長投資に充当するとともに、経営基盤の強化ならびに株主還元に充当することで、中期VISIONの達成を目指しております。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要ならびに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 (1)経営成績 ①当期の経営成績■連結業績 2025年5月期2026年5月期増減額増減率売上高309,240百万円308,496百万円△744百万円△0.2%売上総利益67,958百万円70,278百万円+2,319百万円+3.4%販売費及び一般管理費69,196百万円71,428百万円+2,231百万円+3.2%営業損失(△)△1,237百万円△1,149百万円+88百万円-経常利益又は経常損失(△)△460百万円138百万円+598百万円-親会社株主に帰属する当期純損失(△)△8,658百万円△3,388百万円+5,269百万円- 当連結会計年度(以下「当期」という。)における我が国経済は、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費に持ち直しの動きがみられ、企業収益及び雇用情勢も改善の動きが続いたことから、景気は緩やかに回復しました。 一方で、期末にかけては、物価上昇による消費者マインドへの影響に加え、米国の通商政策をめぐる動向、中東情勢に伴う原油価格や金融資本市場の変動等により、景気の先行きに不透明感がみられました。こうした経済環境の中、当期はBPOソリューションの大型受託案件がピークアウトした影響、ならびにキャリアソリューションの人材紹介事業において社内システムの刷新及び人員の入れ替えに伴う営業効率の低下により、連結売上高は減収となりました。一方で、保育などの子育て支援サービスや家事代行サービスが順調に拡大したライフソリューションが好調に推移したほか、人気コンテンツの誘致やコアファン層の獲得により観光客が増加した兵庫県淡路島の「ニジゲンノモリ」が地方創生・観光ソリューションを牽引しました。利益面では、退職給付費用増により人件費が増加したことに加え、グループで導入しているITインフラの利用料金改定に伴うIT関連費用が膨らんだことから販管費が増加したものの、売上総利益率の改善による売上総利益の拡大で吸収し、連結営業損失は前期から改善しました。また、大阪・関西万博でのパビリオン出展による協賛金収入及び物販収入により、営業外収益が前期から増加しました。これらの結果、売上高は308,496百万円(前期比0.2%減)、営業損失は1,149百万円(前期は営業損失1,237百万円)、経常利益は138百万円(前期は経常損失460百万円)、親会社株主に帰属する当期純損失は、当期も万博出展関連費用を特別損失に計上したものの前期から5,269百万円改善し、3,388百万円(前期は親会社株主に帰属する当期純損失8,658百万円)となりました。 ②事業別の状況(セグメント間取引消去前)■セグメント別業績売上高2025年5月期2026年5月期増減額増減率HRソリューション286,552百万円283,241百万円△3,310百万円△1.2% BPOソリューション(委託・請負)137,236百万円132,928百万円△4,307百万円△3.1% エキスパートソリューション(人材派遣)134,807百万円136,279百万円+1,471百万円+1.1% キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)14,507百万円14,033百万円△474百万円△3.3%グローバルソリューション(海外人材サービス)11,407百万円12,128百万円+721百万円+6.3%ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)8,623百万円9,684百万円+1,060百万円+12.3%地方創生・観光ソリューション7,083百万円8,296百万円+1,212百万円+17.1%消去又は全社△4,425百万円△4,854百万円△428百万円-合計309,240百万円308,496百万円△744百万円△0.2% 営業利益2025年5月期2026年5月期増減額増減率HRソリューション14,808百万円14,235百万円△572百万円△3.9% BPOソリューション(委託・請負)9,759百万円9,990百万円+230百万円+2.4%エキスパートソリューション(人材派遣)キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)5,048百万円4,244百万円△803百万円△15.9%グローバルソリューション(海外人材サービス)401百万円266百万円△134百万円△33.5%ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)△26百万円475百万円+502百万円-地方創生・観光ソリューション△1,900百万円△1,491百万円+409百万円-消去又は全社△14,519百万円△14,636百万円△116百万円-合計△1,237百万円△1,149百万円+88百万円- HRソリューション 売上高 283,241百万円 営業利益 14,235百万円〔BPOソリューション(委託・請負)〕 売上高 132,928百万円BPOサービスの需要は、企業のDX推進や経営課題の高度化を背景に底堅く推移しているものの、当期もパブリックセクターでの大型受託案件のピークアウトや案件終了の影響により、売上高は前期比で減収となりました。一方で、専門分野のBPOサービスの拡充を図っており、当期はプロ人材が企業の経営課題を解決するサービス「ProShare(プロシェア)」が引き続き拡大し、これまで進めてきた社内人材の育成等が奏功したことで、人事支援及び技術支援領域などで成約率が向上しました。また、企業の健康経営を推進する新サービス「ウェルネスクラウド」の提供を開始したほか、企業のDX支援やシステム開発等を支援する専門子会社を設立するなど事業拡大に取り組んでいます。これらの戦略的に付加価値の高い専門分野の拡大に取り組んだ結果、売上総利益率は前期から1.4ポイント改善し22.7%となりました。 〔エキスパートソリューション(人材派遣)〕 売上高 136,279百万円国内の有効求人倍率に低下傾向がみられたものの企業では人材不足の状況が続いたため、人材派遣の受注は安定的に推移しました。当期は登録時の利便性の向上やAIツールの活用により、新規派遣登録者数は前期比で二桁増加となりました。しかしながら、成約率が低下したことから派遣稼働者数は前期並みで推移しました。一方で、派遣スタッフの処遇向上に伴う派遣料金単価の改定に取り組んだことから、売上高は前期比で微増となりました。 〔BPOソリューション・エキスパートソリューション〕 営業利益 9,990百万円以上のBPOソリューション及びエキスパートソリューションの営業利益は、BPOソリューションが減収となったものの、中期VISIONで掲げる粗利率の改善により売上総利益が増加しました。販管費は、IT関連費用及び社員の賃金上昇等により人件費が増加しましたが、営業利益は前期から増益となりました。 〔キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)〕 売上高 14,033百万円 営業利益 4,244百万円人材紹介事業では、期初に実施した社内システムのリプレイス影響及び下期にかけては人員の入れ替わりによる営業効率の低下があったほか、一部企業では採用抑制や厳選採用の傾向があったこと、また求職者側でも転職への慎重姿勢の広がりもあり、成約数は前期から減少しました。再就職支援事業では、企業が業績動向に関わらず、将来の事業転換や人員構成の見直しを図る構造改革に着手しており、同サービスの需要が継続しました。また従業員の自律的なキャリア形成を支援する「セーフプレースメント・トータルサービス」でも、新規の契約企業数が堅調に推移しました。これらの結果、人材紹介事業のマイナス影響によりセグメントの売上高は減収、営業利益も新システムの費用負担増などにより販管費が増え、減益となりました。 グローバルソリューション(海外人材サービス) 売上高 12,128百万円 営業利益 266百万円米国では、採用市場でダイレクトリクルーティングが進んだことから、人材紹介サービスの利用が減少したものの、経理・給与計算業務等のBPOサービスが牽引して売上高は増収となりました。台湾では、半導体製造業を中心に引き続き人材紹介サービスが拡大し、人事コンサルティングサービスも増収となりました。また、インドネシアでは新規顧客の獲得により人材派遣サービスの売上が拡大したほか、タイやマレーシアでも人材紹介サービスが回復し、人事コンサルティングサービスも伸長しました。これらの結果、セグメントの売上高は増収となりましたが、費用面では各国で営業強化や新規事業創出に向けた人材採用を進めたことで人件費が増加し、減益となりました。 ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等) 売上高 9,684百万円 営業利益 475百万円子育て支援事業では、期初から東京都内で新規学童クラブ等の運営が拡大したため、売上高は増収となりました。加えて、施設ごとに収支管理を強化したことから原価率が低減し、人件費等のコストの適正化や、前期に発生した一時的な費用の解消も加わって収益が改善しました。家事代行等のライフサポート事業では、民間や自治体など新規の取引先を拡大するとともに、既存取引先ではサービス利用時間の増加等により増収となりました。また、大阪・関西万博で受託案件も獲得したことから、セグメント全体で増収増益となりました。 地方創生・観光ソリューション 売上高 8,296百万円 営業利益 △1,491百万円兵庫県淡路島の「ニジゲンノモリ」では、期間限定イベント「鬼滅の刃」(2025年3月15日から12月14日まで)のアトラクションが来場者数を牽引したほか、海外でも人気が高い「NARUTO & BORUTO 忍里」がインバウンドの獲得やコアファン層からの支持を受けて来場者数を順調に伸ばしました。また曜日や天候に応じた繁閑予測に基づいた人材の適正配置及びプロモーション費用の効率化によって利益改善が進みました。レストラン等の飲食施設では、ハローキティの世界観が楽しめる「HELLO KITTY SMILE」や「HELLO KITTY SHOW BOX」が体験コンテンツやフォトスポットの人気により来場者数が増加しました。これらの結果、売上高は増収となり、既存事業の収益改善も進んだことから、新たにチャレンジしたゲーム事業や、新規宿泊施設の立ち上がりの遅れがあったものの、赤字幅は改善しました。 消去又は全社 売上高 △4,854百万円 営業利益 △14,636百万円当期は、人材の適正配置を進めるなどコストコントロールに取り組んだ一方で、グループで導入しているITインフラの利用料金改定の影響によりIT関連費用が増加したため、コストが膨らみました。 (2)生産、受注及び販売の実績①生産実績当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)、地方創生・観光ソリューションなどの事業を行っており、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載しておりません。 ②受注実績生産実績と同様の理由により、記載しておりません。 ③販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりとなります。セグメントの名称2026年5月期売上高(百万円)構成比(%)前期比(%)HRソリューション280,22190.898.7 BPOソリューション(委託・請負)エキスパートソリューション(人材派遣)266,21186.398.8 BPOソリューション(委託・請負)130,45942.396.6 エキスパートソリューション(人材派遣)135,75144.0101.1 キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)14,0104.596.7グローバルソリューション(海外人材サービス)11,7173.8105.4ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)9,1953.0113.4地方創生・観光ソリューション7,3622.4119.2合計308,496100.099.8 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 上記に記載した当連結会計年度における売上高を地域別に示すと、次のとおりとなります。区分2026年5月期売上高(百万円)構成比(%)前期比(%)北海道・東北12,742 4.1 102.6 関東(東京以外)32,23810.5 88.1東京127,48041.3 100.0 東海・北信越20,3046.6 100.9 関西71,29323.1 102.0 中国・四国・九州32,675 10.6 103.7 海外11,7623.8 105.3 合計308,496100.099.8 (3)財政状態資産、負債及び純資産の状況当連結会計年度末の資産及び負債には、当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」が8,802百万円(前連結会計年度末35,319百万円)計上されております。当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べて29,556百万円減少(11.2%減)し、235,482百万円となりました。地方創生事業等の有形固定資産が15,341百万円増加、HRソリューション領域における新基幹システムの開発等により無形固定資産が3,551百万円増加した一方で、上記の「預り金」の減少や、固定資産の取得及び配当金の支払い等により現金及び預金が47,991百万円減少したことなどによるものです。当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて21,351百万円減少(17.2%減)し、102,552百万円となりました。資金調達により長期借入金が7,280百万円増加した一方で、上記の受託案件等による預り金が26,819百万円減少したことなどによるものです。当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて8,204百万円減少(5.8%減)し、132,929百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純損失が3,388百万円、配当金の支払いが2,956百万円あったことにより利益剰余金が6,345百万円減少、自己株式の取得等により自己株式が2,264百万円増加したことなどによるものです。以上の結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、53.9%(前連結会計年度末50.9%)となりました。なお、受託案件に係る「預り金」に伴う「現金及び預金」を控除した総資産は、226,679百万円(同229,719百万円)であり、自己資本比率は56.0%(同58.7%)となります。 (4)キャッシュ・フロー当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて、24,087百万円減少し、54,577百万円となりました。なお、「資金」には、受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」に見合う「現金及び預金」は含まれておりません。詳細は89ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結キャッシュ・フロー計算書関係)」に記載のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果増加した資金は2,897百万円(前連結会計年度4,327百万円の増加)となりました。 資金増加の主な内訳は、減価償却費2,731百万円(同2,756百万円)、売上債権及び契約資産の減少4,175百万円(同2,244百万円の減少)、未払消費税等の増加1,123百万円(同371百万円の増加)等によるものです。 資金減少の主な内訳は、税金等調整前当期純損失1,006百万円(同5,826百万円)、営業債務の減少1,104百万円(同763百万円の増加)、未払金の減少1,160百万円(同425百万円の増加)、法人税等の支払1,822百万円(同322百万円)等によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果減少した資金は27,285百万円(前連結会計年度47,600百万円の減少)となりました。 資金増加の主な内訳は、有価証券の償還22,500百万円(前連結会計年度は発生なし)等によるものです。 資金減少の主な内訳は、有価証券の取得24,000百万円(同14,500百万円)、有形固定資産の取得18,071百万円(同14,909百万円)、無形固定資産の取得3,697百万円(同3,421百万円)等によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果増加した資金は101百万円(前連結会計年度15,055百万円の減少)となりました。 資金増加の主な内訳は、長期借入れ12,300百万円(前連結会計年度は発生なし)等によるものです。 資金減少の主な内訳は、長期借入金の返済5,728百万円(同9,099百万円)、自己株式の取得2,467百万円(同1,731百万円)、配当金の支払3,514百万円(同3,417百万円)等によるものです。 (参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移項目2022年5月期2023年5月期2024年5月期2025年5月期2026年5月期自己資本比率24.5%19.6%49.3%50.9%53.9%時価ベースの自己資本比率40.3%24.7%28.4%33.0%25.6%キャッシュ・フロー対有利子負債比率5.3年9.9年5.8年7.7年13.6年インタレスト・カバレッジ・レシオ35.4倍15.9倍16.6倍12.9倍7.4倍 (注)1 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い2 いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。3 株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。4 キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。5 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。6 当社グループによる使用が制限されている受託案件に係る顧客からの一時的な「預り金」とそれに見合う「現金及び預金」を控除した自己資本比率は、前項「(3) 財政状態 資産、負債及び純資産の状況」に記載のとおりであり、また、時価ベースの自己資本比率は、26.5%(前連結会計年度末38.1%)となります。 (5)資本の財源及び資金の流動性①財務戦略の考え方 当社グループは、財務体質の強化と資金効率の向上を両立しつつ、企業価値の向上のために資金を適切に調達・配分することを財務戦略の基本方針としております。HRソリューション領域における業務プロセス最適化のためのIT関連投資、地方創生・観光ソリューションの収益力向上に資する設備投資、DX人材の育成等の人的資本投資など、当社グループの成長、企業価値の向上に必要な資金及び経常の運転資金を効率的に確保しております。さらに、グループ会社との間ではCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しており、グループ各社における余剰資金の有効活用に努めております。 ②資金調達の基本方針 当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的、かつ機動的に確保するため、内部資金及び外部資金の有効活用に努めております。月中の短期運転資金需要に対しては、金融機関との間に設定しているコミットメントラインや当座借越枠を機動的に活用しています。長期借入については、約定返済額や投資計画等を勘案しながら、年度の資金調達計画を策定し、取引金融機関からの調達を実施しています。資金調達にあたっては、財務体質や資本コストにも留意しながら、その可否を判断しています。自己資本比率やEBITDA有利子負債倍率等を見据えつつ、銀行借入、社債をはじめとした負債を有効に活用することで、資本コストの低減及び資本効率の向上に努めております。 ③資金配分についての考え方 当社グループ全体として得られた資金は、成長投資、株主還元、手元資金に振り分けています。成長投資については、経営戦略を踏まえたグループとしての投資意義や、投資資金の回収可能性や期待されるリターン等を吟味し、投資の可否を判断しています。また、業績に応じた株主還元を実施することを基本方針としており、配当政策については、連結配当性向40%を目途に継続的かつ安定的な配当の維持に努めてまいります。さらに2030年5月期までの「PASONA GROUP VISION 2030」の期間中は、一時的な業績変動に左右されることなく、1株当たり75円を下限とした配当維持または増配を実施する累進配当を導入しております。手元資金については、金融機関との間に設定しているコミットメントライン等を活用することで、グループ全体の資金効率を高めていくよう努めております。 (6)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっての会計方針は、76ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。また、この連結財務諸表の作成にあたり、決算日における資産・負債の報告数値及び報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りや判断を行う必要があります。過去の実績や現在の状況に応じ、合理的と考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表を作成するにあたって、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、79ページ「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
事業リスク
- 個人情報・機密情報管理: パソナグループは、派遣スタッフや顧客企業などから大量の個人情報や機密情報を保有しています。これらの情報が漏洩した場合、損害賠償請求や社会的信用の失墜、関係当局からの処分などにより、会社の財政状態や業績に深刻な影響を及ぼす可能性があります。GDPRなど海外の法規制遵守も重要です。
- システム障害・サイバー攻撃: 事業運営がコンピュータシステムや通信ネットワークに大きく依存しており、リモートワークの拡大によりリスクの重要性が増しています。サイバー攻撃や自然災害、外部業者のトラブルなどによりシステムが停止した場合、業務やサービス提供が滞り、信頼性の低下や業績悪化につながる可能性があります。
- 事業投資の不確実性: 「NATUREVERSEの実現」に向けた成長戦略として、事業投資や企業買収を積極的に行っています。しかし、投資先の事業計画が想定通りに進まない場合、固定資産の減損損失が発生したり、買収後のシナジー効果が十分に得られなかったりすることで、会社の財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2026 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】(1)当社グループのリスクマネジメント体制当社グループは経営に重大な影響を及ぼす危機を未然に防止し、万一発生した場合には損失の極小化を図るため、リスクマネジメント規程を定め、リスクに関する統括組織としてリスクマネジメント委員会を設置しております。同委員会では、想定される重大リスクごとに担当部を定めたうえ、平時の継続的な監視により新たなリスクを含めた危機の事前予知に務め、危機管理マニュアルに基づいて日常の対策及び緊急時に適切な対応を行う体制を整備するとともに、委員会の主要な活動状況について平時においては定期的に取締役会へ報告することで、取締役会が当社グループの状況や対応を適切にモニタリングできる体制を整えております。また、事業運営上生じる日常的なリスクについては、コンプライアンス担当部内で適正に対応し、適宜経営会議等で報告するほか、監査室及びグループ内部監査室による内部監査を通じて各部署の日常的なリスク管理状況を監視しております。 (2)リスクの抽出・評価プロセス 当社グループの事業運営上のリスクの抽出と評価プロセスは以下のとおりです。・リスクの抽出当社グループを取り巻く環境変化を踏まえ抽出したリスクを、危機管理マニュアルのリスク類型に基づき分類・リスクの評価リスク管理部門・各部門・グループ会社において、各リスクを発生可能性、事業活動への影響度、信用・評判への影響、法的な影響度、ステークホルダーへの影響、業務継続への影響度から評価・リスクの検証各部門・グループ会社において評価した各リスクを、リスクマネジメント委員会において検証・リスクの見直し(更新プロセス)各部門・グループ会社において、定期的にリスクの抽出・評価内容を更新し、リスク管理の実効性を継続的に向上 (3)当社グループの経営成績等に影響を与える可能性のある主要なリスクリスクマネジメントを行うなかで、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。また、重要と識別された主要な危機・脅威のほか、経営戦略の実現に関連する不確実性としてのリスク及び当社グループの事業活動・経営方針を理解するうえで重要と考えられる事項についても記載しております。リスクの抽出・評価プロセスで得られた各リスクの重要性評価に加え、実際に顕在化したリスクの状況も踏まえたうえで、当社グループの経営戦略や中長期的な経営目標への影響度を鑑み、重要性が高いと判断されるリスクを「重点対策リスク」として選定しております。なお、文中の将来に関する事項は、別段の記載のない限り当連結会計年度末現在において判断したものであり、当社株式への投資に関連する全てのリスクを網羅するものではありません。<リスク項目一覧> ※「影響度:大、発生可能性:中」以上の項目を「重点対策リスク」と特定 <重点対策リスク>① 個人情報及び機密情報の管理について <影響度:大、発生可能性:中> ●リスク当社グループは各事業の運営に際し、派遣スタッフ、求職者、各サービス利用者、顧客企業、従業員、その他関係者等の個人情報及び機密情報を大量に保有しております。当社グループによる個人情報の取扱いについては、日本における「個人情報の保護に関する法律」だけでなく、2018年5月に施行された「欧州連合一般データ保護規則(GDPR)」をはじめ当該国の個人情報に関する法律が適用されます。これらの法規制は、国境を越えて適用される傾向にあり、その遵守や事業運営における費用が増加する可能性があります。また、従業員等の故意または過失、不測の事態等により個人情報及び機密情報が外部に漏洩した場合、関係当局の処分等に加え、損害賠償請求や社会的信用の失墜等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。●対応策当社グループでは、GDPRにも対応した個人情報保護方針等を策定し、個人情報の適正な取得・利用・提供等を行うとともに、個人情報の漏洩や滅失を防止するために技術面及び組織面における必要かつ適切な安全管理措置を講じ、全役職員に個人情報保護管理に関する教育を徹底しております。また、当社グループ及び取引先に関する営業秘密・重要情報の漏洩を防止すべき情報管理体制・管理手法を定め、その周知と実施の徹底に努めております。具体的には、前述した様々な秘密保持義務については、各就業規則、秘密情報保持規程において定めるとともに、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。 ② システム障害及びサイバー攻撃に対するリスク <影響度:大、発生可能性:中> ●リスク当社グループの事業は、国内外を問わず、コンピュータシステム及びその通信ネットワークに多くを依存していることに加え、近年の当社グループにおけるリモートワーク拡大により、当該リスクの重要性は一段と高いものとして認識しております。またシステムインフラ及びそのメンテナンス等の一部は、クラウドシステム業者を含む外部業者に委託しております。これらのコンピュータシステムや通信ネットワークが、人為的過誤、サイバー攻撃、広範な自然災害や外部業者のトラブル等によって利用できなくなることにより、当社グループの業務や提供するサービスが停止する可能性があり、係る状況が長期にわたる場合、当社グループに対する信頼性の低下や、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。●対応策当社グループでは、システムの利用範囲の拡大や運用形態の多様化に伴い、不測の事態への備えとして、障害発生時の体制整備、システムセキュリティの強化、通信回線やハードウェアの増強等、様々な対策を講じております。特に、近年より高度かつ複雑化するサイバー攻撃への対応については、より一層の全社的な情報セキュリティ体制の強化を目的に、経済産業省が定めるサイバーセキュリティガイドラインに沿ってPASONA-CSIRT(パソナ シーサート)を策定し、ランサムウェアや標的型攻撃といった情報セキュリティ脅威への防御のための技術的対策、及び社員に対する定期的な研修や訓練等を実施しております。 ③事業投資について <影響度:大、発生可能性:中> 当社は創業から50年の節目を迎え、次の50年に向けて「NATUREVERSEの実現」を長期VISIONに掲げております。 また、2026年5月期から始まる5ヵ年を中期VISION「PASONA GROUP VISION 2030」と位置付け、収益構造の改革及び新たな事業成長に向けた成長戦略により、持続的な企業成長と更なる企業価値の向上を目指しております。こうした成長戦略に伴う各種の事業投資を行う中で以下のようなリスクが生じます。 a.減損会計について●リスク当社グループは、地方創生・観光ソリューション事業に係る商業施設を含めた事業用の不動産や、のれん、ソフトウエア等の有形・無形固定資産を所有し、連結貸借対照表に計上しております。こうした資産は、当該資産が生み出す将来キャッシュ・フローの状況により減損損失が発生する可能性があります。固定資産減損の認識判定における将来キャッシュ・フローは、資金生成単位ごとの事業計画を基礎として行っておりますが、これらの将来予測には不確実性が伴うため、事業が想定通り進捗しない場合、固定資産の減損損失の計上により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。●対応策当社グループでは、投資段階における収益性評価に加え、投資後においても資産ごとの収益性及びキャッシュ・フローの状況を継続的にモニタリングしております。資金生成単位ごとの事業計画の進捗状況について定期的に確認を行い、計画との乖離が生じた場合には、原因分析を行ったうえで収益改善策の検討及び実行を迅速に行うことで、資産価値の維持・向上に努めております。 また、新規投資や企業買収の実行に際しては、投資検討の段階から投資後の事業運営及びシナジー創出を見据えた計画策定を行うとともに、関係部門が連携して早期の収益化及び事業改善を推進しております。 b.企業買収について●リスク当社グループは、事業の強化補強を図る有効な手段として、企業買収を行う場合があります。こうした企業買収に伴い、多額の資金需要及びのれんの償却等が発生する可能性があります。また企業買収にあたっては市場動向や顧客のニーズ、相手先企業の業績及び財政状況などを考慮し進めておりますが、これらの買収が必ずしも当社グループの見込みどおりに連結収益への貢献や、シナジー効果を生むとは限らず、経営環境や事業の状況の著しい変化等によりそれぞれの経営成績が想定どおり進捗しない場合、のれんの減損損失や株式の評価損が生じるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。●対応策当社グループでは、企業買収に伴うリスクの低減を図るため、投資検討段階において、対象企業の事業内容、財務状況、法務・契約関係等について外部専門家も活用した詳細なデューデリジェンスを実施しております。また、投資判断にあたっては、当社の成長戦略との整合性や収益性、資本効率等を総合的に勘案するとともに、社内の承認プロセスにおける審議を通じて意思決定の適正性を確保しております。買収後においては、PMI(Post Merger Integration)を重視し、対象会社の経営体制や業務プロセスの統合、当社グループとの連携強化を計画的に推進することで、シナジーの早期実現に努めております。さらに、買収後の業績及び事業進捗について継続的なモニタリングを実施し、当初計画との乖離が生じた場合には、速やかに改善施策を講じる体制を構築しております。 c.子会社・関連会社への投融資●リスク当社グループは、企業や就労者の多様なニーズに応じたサービス領域の拡大、また次の50年を見据えた成長戦略の実現に向けて、社会の問題点の解決につながる新規事業投資を行っていく考えであります。新規事業投資については、多額の資金需要が発生する可能性があるほか、収益が必ずしも当初の計画通りに推移する保証はなく、想定した収益規模が確保できない可能性があります。事業の進捗状況を適時に把握し、既存の事業インフラや営業網も活用しながら、早期育成に取り組みますが、こうした取り組みにも関わらず期待した収益を生まない場合には、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。こうした事業投資を、子会社・関連会社への投融資を通じて行う場合がありますが、当社が保有する関係会社株式は、市場動向や経営環境及び業績動向によっては実質価額の著しい下落による評価損の計上により、当社の個別財務諸表における業績や資産の額に影響を与える可能性があります。また、実質価額がマイナスになった場合には、当該会社への貸付を含めた債権及び債務保証に係る損失やこれらを超えて当該会社で発生する損失の負担に備えるため、損失見込額に対する引当金の計上が必要になるなど、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。●対応策当社グループでは、子会社・関連会社への投融資に伴うリスクを適切に管理するため、投融資実行前において事業性及び収益性の十分な検証を行うとともに、投融資実行後は各社の経営状況及び財務状況を定期的に把握するモニタリング体制を整備しております。具体的には、各社の事業計画の進捗管理及び収益状況の確認を継続的に実施し、計画との乖離が認められる場合には、早期に課題を抽出し、必要な改善支援や経営指導を行っております。また、当社グループの既存事業インフラや営業基盤との連携を通じて、事業の早期立上げ及び収益化を支援しております。なお、子会社・関連会社の財務状況や市場環境の変化等については継続的に注視し、必要に応じて適切な会計処理やリスク対応を行うことで、財務への影響の最小化に努めております。 ④地方創生・観光ソリューション事業におけるリスク <影響度:大、発生可能性:中> ●リスク当社グループの地方創生・観光ソリューション事業においては、地方の活性化と人材育成及び雇用創造の拠点として複数の商業施設を運営しており、以下のような固有のリスクが存在します。・商業施設の新規開設については、施設規模に応じて多額の設備投資ならびに運転資金の負担が生じます。開設後に利用者数が一定水準に至るまでの期間においては、人件費等の費用負担が先行する傾向があるため、短期的には当社グループの利益を圧迫する場合があります。・天候、災害、パンデミック等の影響により利用者の減少や営業休止を余儀なくされる可能性があります。また、利用者への訴求が不十分であった場合や、利用者の満足度を得られなかった場合は、収益が計画に届かず、事業計画を下回ったり、追加投資が必要になる可能性があります。・当該事業では、施設運営やサービス提供を担う人材の確保及び育成が重要となります。人材確保が計画どおり進まない場合や、人材の定着が十分に図られない場合には、サービス品質の低下や人件費の増加等により、事業運営に影響を及ぼす可能性があります。・当該事業は、地方自治体や事業者等との連携を前提として推進していることから、地方自治体の政策変更や財政状況の変化、地域関係者との協力体制が想定どおり構築できない場合、また連携する事業者との関係に変化が生じた場合には、事業計画の見直しや追加的な対応が必要となる可能性があります。・当該事業は、その事業特性上、施設で提供するサービスに応じて、旅館業法、食品衛生法、建築基準法等の各種法令や規制の適用を受けており、関連法令の改正や新たな規制の導入が行われた場合には、追加的な設備投資や運営コストが発生し、事業収益に影響を及ぼす可能性があります。・施設におけるアトラクション等の安全管理をはじめ、宿泊施設におけるサービスの質や安全性、食事の提供や食品の販売における品質管理や食品衛生には十分注意しておりますが、万一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や訴訟などが発生し、または営業休止を余儀なくされる可能性があります。・これらの結果として、当該事業から見込まれる将来キャッシュ・フローが低下した場合には、固定資産の減損損失を計上する必要が生じる可能性があり、さらに事業の縮小または撤退を判断した場合には、一時的な費用負担が発生する可能性があります。●対応策・新規施設の開設や事業投資にあたっては、需要動向や収益性、投資回収可能性を慎重に検証するとともに、開業後も定期的に利用状況や収支のモニタリングを行い、必要に応じて運営方法やコスト構造の見直しを行っております。・地域特性を踏まえた施設コンテンツの企画やイベントの実施、デジタル施策の活用等により、新規来訪者の拡大やリピーターの創出に努めるとともに、外部環境の変化に応じた柔軟な集客施策を講じております。・人材面においては、教育・研修体制の整備を通じて、安定した施設運営とサービス品質の維持・向上を図っております。・自治体や地域事業者等との継続的な対話と協力関係の構築を通じて、地域一体となった事業運営を推進するとともに、政策や環境変化への対応力の強化に努めております。・関係法令の遵守を徹底するとともに、法令改正等の動向を注視し、必要な体制整備や投資を適時に行うことで、事業への影響を最小限に抑えるよう努めております。・安全管理、品質管理及び危機管理体制の整備を進めるとともに、自然災害や感染症等の発生に備えた事業継続計画(BCP)を整備しており、適宜見直しを行うことで事業継続性の確保に取り組んでおります。また、激甚化する自然災害への備えとして、保険の活用によるリスク低減にも努めております。 <その他のリスク>⑤官公庁等との事業認可、契約関係の対応及び関係諸法令への対応 <影響度:大、発生可能性:低>当社グループのBPOソリューションの委託・請負事業は、民間企業のほか官公庁や地方自治体、各種団体など様々な取引先から、総務・庶務、経理・財務、受付、営業事務・受発注、人事・労務・給与計算、教育・研修などの業務を受託しサービスを提供しています。特に官公庁・地方自治体から受託した事業の遂行にあたっては、委託元の指示に沿って適正な業務運営を行う必要がありますが、近年これら事業が大型化かつ複雑化しており、当社グループのみならず再委託先と共同で取り組む事業も増加しております。当社グループにおいては関連法規の遵守や社員教育の徹底、また再委託先選定に関わる調査の実施などのガイドラインに則り、適正な業務運営に努めておりますが、当社グループまたは再委託先において、関連法規違反、重大な過誤その他不適正な運営が生じた場合は当社グループの信頼性の低下や社会的な信用が毀損されるほか、委託元の規程により入札指名停止などの措置を受けることで財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、実施規模及び期間の上限が予め設定されている事業もあることから、年度ごとに業績が大きく変動する可能性があります。エキスパートソリューションの人材派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、「労働者派遣法」)に基づき、主として労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を取得して行っている事業であります。労働者派遣法は、労働者派遣事業の適正な運営を確保するために、派遣事業を行う者(派遣元事業主)が派遣元事業主としての欠格事由に該当したり法令に違反した場合には、事業の許可を取り消し、または事業の停止を命じる旨を定めております。当社グループでは株式会社パソナグループのコーポレートガバナンス本部が主導して適正な派遣取引のためのガイドラインを作成し、徹底して社員教育に努めるとともに、内部監査等により関連法規の遵守状況を日頃より監視し、法令違反等の防止に努めております。しかしながら、万一当社グループ各社及び役職員による重大な法令違反等が発生し、事業許可の取消しまたは事業停止を命じられるようなことがあれば、労働者派遣事業を行えなくなることが考えられます。キャリアソリューションの人材紹介事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。人材紹介事業は人材派遣事業と同様に、一定の要件を満たさない場合には事業許可の取消し、事業の停止といった措置が規定されていることから、同様のリスクが想定されます。同じくキャリアソリューションの再就職支援事業は、職業安定法に基づき、有料職業紹介事業として厚生労働大臣の許可を受けて行っている事業であります。収益構造やビジネスモデルは人材紹介事業とは異なりますが、求職者を求人企業に紹介するという点において前述の人材紹介事業と同様の規制、指導及び監督を受けることから、同様のリスクが想定されます。さらに、関係諸法令は、労働市場を取り巻く状況の変化等に応じて改正されることから、当社グループにおいては改正に応じてその都度、適宜対応し、適切な事業運営ができる諸施策を講じていますが、今後の更なる改正によっては、当社グループの事業運営ならびに業績に影響が生じる可能性があります。 ⑥資金調達について <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金及び外部資金を有効に活用しております。グループ資金については、グループCMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入し、グループ各社間の資金の有効活用と資金調達の一元化を図っております。また、金融機関とは、主に短期的な運転資金需要に対応するためにコミットメントラインを設定しているほか、長期借入や社債等により長期運転資金や設備投資資金等を調達しております。今後の経営状況や信用収縮、金利上昇等の金融情勢の変化などのほか、コミットメントラインや一部の長期借入金等に付されている財務制限条項に抵触することなどにより、必要な資金調達ができない場合や直ちに債務の弁済が必要となる場合、調達コストが増加する場合等、当社グループの事業遂行や業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑦景気動向等のマクロ環境の影響 <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、企業・組織向けの人材活用や生産性向上に関する各種ソリューションサービスの提供に加え、個人に対して多様な働き方を支援する就労インフラを展開しています。これらのサービスは、国内外の景気動向、技術革新等のビジネス環境の変化や、労働関連法令の規制等の影響を受けます。当社グループは、BPOソリューション(委託・請負)、エキスパートソリューション(人材派遣)、キャリアソリューション(人材紹介、再就職支援)、グローバルソリューション(海外人材サービス)、ライフソリューション(子育て支援、ライフサポート等)、地方創生・観光ソリューション等を展開し、特定分野に依存しない事業ポートフォリオの構築を進めています。しかしながら、市場環境や雇用情勢、顧客需要が急激に変化した場合には、各事業の業績や収益構造に影響を及ぼす可能性があります。また、長期的には国内の人口動態の変化により、人手不足の進行や市場縮小が生じる可能性があります。当社グループは、社会環境の変化を踏まえつつ、新規事業・サービスの開発・拡充を通じて、リスク分散と持続的成長を図っています。 ⑧技術革新によるリスク <影響度:大、発生可能性:低>生成AIを含むAI技術及びデジタル技術の急速な進展により、企業の業務プロセス、人材活用及び意思決定は変化しており、当社グループを取り巻く事業環境は構造的な転換局面にあります。デジタル技術やAI技術の普及により、業務の自動化や意思決定の高度化が進み、顧客企業における効率化、内製化及び省人化が進展した場合、人材サービス及びBPOサービスの需要構造が変化し、当社グループの既存サービスに対する需要の減少、価格水準の低下、受託範囲の縮小、競争環境の変化等が生じる可能性があります。当社グループでは、技術動向の継続的な把握、デジタル分野への投資、人材育成及び外部パートナーとの連携、AI活用によるサービス高度化等を通じて、技術革新への対応に取り組んでおりますが、技術革新に伴う顧客企業の人材活用及び人材需要の変化に対応したサービス提供や、データ・AIを活用した事業モデルの変革を適時適切に進めることができない場合、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、AIの利用にあたっては、情報漏洩、知的財産権侵害、不正確な情報利用及びバイアス等のリスクがあり、これらが顕在化した場合には信用毀損や損害賠償等につながる可能性があります。当社グループではAI基本方針の下、ガイドライン整備や教育、ガバナンス強化等により対応していますが、技術進展や法規制の動向により十分に機能しない場合があります。 ⑨自然災害及びパンデミック等による事業継続リスク <影響度:大、発生可能性:低>当社グループは、全国にグループ会社及び営業拠点を有しており、地震や水害など大規模な自然災害、パンデミック、事件・事故、その他企業存続を脅かす事象(以下「自然災害等」という。)が発生した場合に備えて、従業員及び派遣スタッフの安否を確認し、安全を確保するための対策を危機管理マニュアルに定めております。また、事業継続のための施策としてBCPマニュアルの策定、事業拠点や情報システムの機能分散なども講じております。また、2020年9月からは感染症への対策に加え、自然災害等のリスクにも対応するBCP対策の一環として、当社グループは本社・本部機能の分散と兵庫県淡路島への移転を段階的に実施しました。危機発生時は迅速かつ適切な対応をとる所存でありますが、想定を大きく上回る規模で自然災害等が発生した場合、当社グループの事業運営、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑩投資有価証券の保有について <影響度:中、発生可能性:中>当社グループは、中長期的な視点で企業価値を高めるために、お客様及び取引先との信頼関係の強化や維持、取引の拡大、協業や事業シナジーの創出等を目的に、上場及び非上場の株式等の投資有価証券を保有しております。市場価格等の時価を把握できる有価証券については株式市況及び債券市況等の動向により、また、市場価格のない有価証券については投資先の財政状態や業績動向等により、実質価額の著しい下落による評価損を計上するなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑪訴訟・不祥事及びレピュテーションリスク <影響度:中、発生可能性:中>当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、各種訴訟、係争、損害賠償請求の当事者となる可能性や不祥事、誹謗中傷等のリスクを排除できない場合があります。これらの発生に起因し、当社グループの社会的信用や企業イメージが低下し、売上の減少などにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑫人材の確保について <影響度:中、発生可能性:低>当社グループは、創業以来「社会の問題点を解決する」という明確な企業理念のもと、ダイバーシティを推進し、誰もが自由に好きな仕事を選択でき、働く機会を得られることを目指して、様々な社会インフラを構築してきました。事業環境の変化に対応し、持続的な成長を実現するためには、未来を創造する人材を確保・育成し続ける必要があります。そのため、当社グループが必要な人材を適時十分に確保できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクへの対応方針・施策等、人的資本経営に関する詳細は、15ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営 ②人的資本への取り組み」に記載のとおりです。 ⑬気候変動リスク <影響度:中、発生可能性:低>当社グループは、環境経営戦略会議において当社グループの環境経営及び気候変動対応における戦略・方針・目標を策定しております。当該方針をもとに、環境マネジメント推進委員会が各部門・各グループ会社に対して実効的なアクションプランを推進するとともに、社員一人ひとりの環境に対する意識醸成を図るための環境教育を実施しております。リスクマネジメント委員会では、気候変動のリスクマネジメントに関する事項についての審議を行い、内部監査部門は各部門や関係会社に対する環境監査を実施しております。取締役会は、気候変動に関する重要な事項について、環境経営戦略会議から報告を受け適切な助言を行うことで、モニタリングを行っております。気候変動に伴う事業等のリスクへの対応については、12ページ「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (2)ESG・サステナビリティ経営 ①持続可能な地球環境への取り組み」に記載のとおりです。 ⑭子育て支援・ライフサポート事業におけるリスク <影響度:小、発生可能性:中>当社グループは地域での保育施設や企業内保育施設、学童クラブの運営など子育てに関する施設の運営と家事代行などのライフサポート事業、居宅介護(デイサービス)や訪問介護などの介護事業を行っています。施設及び事業の運営にあたっては安全管理に万全の配慮をしておりますが、事業特有の予期しない事故が発生する可能性があります。万が一事故が発生した場合、当社グループの信頼性の低下や業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。