事業の概要
- システムソリューション提供キューブシステムは、ITを活用して顧客企業のビジネス変革を支援するシステムソリューション・サービスを提供しています。具体的には、顧客の情報化サイクルに合わせて「システムインテグレーション」「システムアウトソーシング」「プロフェッショナルサービス」の3つの品目でサービスを展開しており、企業のIT課題解決から運用まで一貫してサポートすることで収益を得ています。
- デジタルビジネス推進デジタル技術を駆使した企画型のビジネスモデルも展開しています。これは、キューブシステム独自のノウハウを活かしたコンサルティング、自社プロダクト開発、ソリューション提供、知的財産化などを通じて新たな事業を創出し、顧客のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するものです。これにより、高付加価値なサービス提供を目指しています。
- SI・エンハンス事業システムの企画から設計、開発、導入までを一貫して手掛けるSI(システムインテグレーション)ビジネスと、既存システムの性能・品質を向上させるエンハンスビジネスが主力です。特にエンハンスビジネスは、顧客のビジネス環境変化や新技術進化に対応し、システムの価値を高めるサービスであり、キューブシステムが長年強みとしてきた高生産性・高収益性の源泉となっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- システムインテグレーション顧客のITシステムを企画・設計・開発・導入するサービスです。企業の業務効率化や新規事業立ち上げをIT面から支援し、システムの構築を通じて収益を上げています。マルチクラウドやマイクロサービス案件を軸に、レガシー環境からクラウドへの移行を推進し、新しい運用モデルへの変革を目指しています。
- システムアウトソーシング構築されたシステムの運用・保守を顧客から請け負うサービスです。システムの安定稼働を支え、障害対応や性能改善などを行うことで、継続的な収益を得ています。顧客が本業に集中できるよう、ITインフラの管理や運用を代行し、長期的な関係構築を目指しています。
- プロフェッショナルサービスITに関する専門的な知識や技術を提供し、顧客の課題解決を支援するコンサルティングサービスです。デジタル技術を活用した企画型ビジネスや、DX推進における戦略立案、技術導入支援など、高付加価値なサービスを提供することで、顧客のビジネス変革を促進し、収益源としています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び子会社3社(2026年3月31日現在)により構成)においては、ITを用いて顧客のビジネスモデルの変革を促し、経営環境の急速な変化への対応を支援するシステムソリューション・サービスを事業としております。 当社グループは、システムソリューション・サービスの単一事業であるため、受託型ビジネスの「Sier向け事業」「プライム向け事業」、企画型ビジネスの「サービス提供事業」という3つの事業スタイルに区分しております。受託型ビジネスとは、お客様に応じたシステムソリューションをオーダーメイドで開発するビジネス、企画型ビジネスとは、当社開発ソフトウェアやIP(ノウハウ・技術を含む)を活用し、販売およびASP/SaaS等を通じて収益を確保するビジネスです。〔システムソリューション・サービス〕 加えて、当社事業の特徴をより的確に示すため、3つのビジネスモデルについてご説明いたします。 〔業務系統図〕
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 請負契約が原則で、想定外の仕様変更や追加作業で収益性低下の可能性。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 システム開発技術の向上・蓄積、DX事業推進によるシステムの高難度化への対応。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:デジタル人材不足と価格競争の激化 / 特定の取引先への依存度が高いこと / プロジェクトの品質・損益管理の難しさ
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 0 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
提供された財務サマリに具体的な無形資産に関する情報が含まれていないため、評価不能。
スイッチングコスト☆☆☆☆☆
提供された財務サマリに顧客のスイッチング・コストに関する情報が含まれていないため、評価不能。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
提供された財務サマリにネットワーク効果に関する情報が含まれていないため、評価不能。
コスト優位☆☆☆☆☆
提供された財務サマリにコスト優位性に関する情報が含まれていないため、評価不能。
規模の経済☆☆☆☆☆
提供された財務サマリに効率規模に関する情報が含まれていないため、評価不能。
- 長年の顧客関係構築キューブシステムは、特定の主要顧客(野村総合研究所グループ、富士通グループ)との長年にわたる取引実績があり、安定的な収益基盤を築いています。これらの顧客との関係を維持しつつ、常にエンドユーザーに密着したサービスを提供することで、顧客のニーズを深く理解し、信頼関係を強化している点が強みです。
- 技術力とノウハウシステムインテグレーションやエンハンスビジネスを通じて培われた高度な技術力と豊富なノウハウが競争優位性です。特に、レガシーシステムからクラウド環境への移行(Lift)と新しい運用モデルへの変革(Shift)を組み合わせた「Lift&Shiftモデル」の確立や、高難度なDX案件に対応できる技術力は、他社との差別化に繋がっています。
- 品質・損益管理体制プロジェクトの品質と損益管理を徹底する体制を構築しています。システム開発会議での工程ごとのレビューや部門QMS(品質マネジメントシステム)の基本徹底、モニタリング機能の強化により、リスクの早期発見と品質向上を図っています。また、DX事業では契約形態を準委任契約へ変更することで、リスクコントロールを強化し、安定的な事業運営を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、経済・社会を支えるインフラを担う基幹産業として、顧客の競争力強化、情報社会の更なる発展に貢献していくことを使命と考えております。 基本方針 「顧客第一主義」 全ての判断基準はお客様にとっての価値とし、お客様の視点で思考することを基本と致します。「重点主義」 企業には人、モノ、金と時間の4つの要素があります。これらを最大限に活かすために、顧客第一主義により決定された最重要事項に経営資源を集約致します。「総員営業主義」 ユーザーオリエンテッドなサービスを提供するため、全社員が自立したビジネスパーソンとして社業発展に邁進致します。 この基本方針のもと、社員一人ひとりが株主、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと向かい合い、個人と組織のもつノウハウの全てを駆使して、更なる顧客満足を創出してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画では、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献し、事業成長を果たすとともに、企業価値の向上を目指してまいります。そのために、「企画型+受託型ビジネスで事業成長を果たす」「社員自らが志とビジネスマインドを持ち、自ら考え、行動する」をミッション・ステートメントとして、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の3つのビジネスモデルを強化推進する方針と目標をそれぞれ立案し、事業成長に向けて邁進しております。 最終年度にあたる2026年度に向けて、エンハンスビジネスで創出した利益を源泉にSIビジネス、デジタルビジネスでの領域を拡大し、売上高構成比6:3:1を目指してまいります。 また、第2次中期経営計画では、以下の5つの指標を重視し、目標設定しております。 財務目標 ・株主にとっての企業価値向上の観点から、ROE14%以上 ・収益性を測る指標として、連結営業利益率10.5% ・従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めていきたいとの趣旨から、従業員(海外子会社の従業員は除く)一人当たりの連結売上高25百万円 非財務目標 ・社員の健康を最重視したウェルビーイング経営実践の為、時間外勤務時間月あたり平均25時間 ・社員の働きがいと機会の創出による能力発揮に向け、エンゲージメント指標71以上※ ※株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツール「Wevox」を利用し、キューブシステム単体の社員を対象に調査するエンゲージメント指標のやりがい度 当期における状況は、以下のとおりです。 1点目の指標であるROEは14.0%となりました。 2点目の指標である連結営業利益率は8.4%となり、目標未達となりました。資本効率を高め利益率の向上を図ることで、改善に努めます。 3点目の指標である従業員一人当たりの連結売上高は、23.4百万円となりました。業務の効率化と教育研修の充実、生産体制の強化を図り、最終年度での目標達成に向けて取り組んでまいります。 4点目と5点目の指標につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ経営 d.指標及び目標」に含まれております。 (3)対処すべき課題 当社が属する情報サービス産業は、顧客サービスの高付加価値化ならびに人材不足を背景としたDX需要が継続しており、AI技術を活用した情報化投資やその導入支援が活発化しております。また、レガシーな基幹システムのクラウドへの移行や利便性向上を目的としたシステム構築に対するニーズは依然として高く、事業・業務の活性化に向けたAIサービスの本格的活用やクラウドサービス利用の拡大に伴い、今後もIT投資は拡大する見通しです。さらに、DX化の進展に伴い、システムの性能や信頼性の向上が課題として浮き彫りになり、サイバーセキュリティ対策の需要が一層高まっております。一方で、長期化するIT人材の不足から生じる受注機会の損失や人材獲得競争の激化に起因する人件費の増加により、収益環境が悪化する懸念があります。 当社グループでは、「サステナビリティ基本方針」のもと、企業価値の向上と社会課題の解決の両立を目指し、サステナビリティ経営を遂行しております。中長期経営ビジョン 《VISION2026》 の実現に向けて事業基盤および経営基盤の整備を進め、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画において、飛躍的な事業成長に取り組んでおります。 このような状況を踏まえ、当社グループが優先的に取り組むべき重点施策は、以下のとおりです。 1 )事業の成長 当社は、これまで培ってきた強みと実績を基に、デジタルビジネス、SIビジネス、エンハンスビジネスの3つを事業の軸として展開しております。第2次中期経営計画では、受託ビジネスにおける「Sier向け事業」「プライム向け事業」と企画ビジネスの「サービス提供事業」の3つの事業スタイルを通じてお客様に価値を提供し、事業成長を加速させてまいります。 受託ビジネスにおける「Sier向け事業」では、主要Sierとの協業を基軸に、大規模案件の獲得やワンストップサービスの推進を図るとともに、レガシーシステムのモダナイゼーションへの対応や生成AIを活用したSI・エンジニアリング対応による差別化を通じて、事業領域の拡大を進めます。また、モダナイゼーション協業パターンの確立や横串組織との連携強化を通じた受注拡大を図るとともに、顧客の大型化や市場環境の変化を捉え、当社の強みであるソフトウェアエンジニアリング力を生かしつつ、幅広い業種・業務や新たな技術領域への挑戦を継続してまいります。さらに、見積・提案からプロジェクト実行までのプロセスや契約形態、サービスモデルの見直しを進め、付加価値の高いサービス提供を通じて収益性の向上を目指します。 「プライム向け事業」では、受注規模の拡大と収益性向上の両立を目指し、既存プライム顧客との関係性を一層強化するとともに、新規顧客の獲得にも取り組みます。経営課題に直結するテーマに対してコンサルティング視点を取り入れた提案活動を行い、若手メンバーも含めた組織的な営業・提案体制を構築することで、既存案件の拡大と将来の成長につながる顧客基盤の形成を進めてまいります。 企画ビジネスにおける「サービス提供事業」では、クラウド活用の高度化や仮想化基盤を取り巻く環境変化に対応し、国内企業のIT基盤変革を支えるサービスの提供を目指します。マルチクラウド移行や仮想基盤リフトを中心としたテクニカルクラウド独自サービスの展開を進めるとともに、クラウドベンダーやソリューションベンダーとの協業を強化し、多様なビジネス課題に応えるプロフェッショナルサービスを提供してまいります。あわせて、当社発の人的資本サービス『H・CUBiC※』の事業化を推進し、新たな付加価値および収益モデルの確立に取り組みます。 ※当社が構想する人的資本サービス。人的資本経営をトータルに支援するサービスとして、人材情報管理システム、AI技術を活用した分析ソリューション、人材・組織の価値向上支援プロダクトから構成されている。 《人的資本サービス H・CUBiC》 2 )事業基盤の強化 事業成長を加速・促進するための事業基盤の強化は、当社グループにおいて重要な経営課題です。特に、以下4点の分野を成長の軸と位置付け、重点的に取り組んでまいります。・研究投資・協業推進・生産体制の拡充・品質の強化 ①「研究投資」では、顧客ニーズや市場動向を的確に捉え、アンソロピックに代表される安全性・信頼性を重視したAI動向などの市場変化を踏まえつつ、AIを中心とした先進技術の活用と実装を重視した研究活動を展開します。全社横断で設定した中期的投資テーマに基づき、生産性向上や生産技術の高度化、新たな事業機会の創出に直結する研究テーマを選定し、研究プロジェクトを推進いたします。 また、新たに設置したAI推進室を中心に、先進的なAI技術の実装・運用を通じてビジネス変革と生産性向上を牽引し、AIの価値を事業成果に結びつけてまいります。プロトタイプの設計・検証・実証を通じた実践的な技術ノウハウの蓄積を進めるとともに、研究成果の早期事業適用やサービス化を図ります。加えて、ソフトウェアエンジニアリングを基盤とした生産技術やAI活用技術の知的資産化を進め、持続的な競争優位性の確立につなげてまいります。②「協業推進」では、主要Sierとの連携を深化させ、当社の強みを生かせる領域への集中を図ります。協業テーマの具体化や役割分担の明確化を通じて、社会課題や高度化する顧客ニーズに対応した付加価値の高いサービス提供を進めます。 また、上流から下流までをワンストップで担うソフトウェアエンジニアリング力を中核に、担当領域の拡大や生産技術革新、生産性向上に取り組み、開発後のエンハンスも含めた長期的な価値提供を通じて顧客との関係性強化を図ります。社内では提案力強化研修や営業ナレッジの共有を継続し、全社一丸で協業価値の最大化に取り組んでまいります。③「生産体制の拡充」では、生産革新の強化を軸に、生産性と対応力の向上を図ります。全社横断でリソースの最適配置を進めるとともに、国内各拠点において先進技術の活用やプロセス改善への投資を継続し、効率的な生産性の強化と安定化に取り組みます。 さらに、子会社への発注強化や人材育成、役割分担の明確化を通じて、内製・グループ連携による生産体制を高度化します。あわせて、ビジネスパートナーとの協業を通じた品質水準の底上げを図り、ニアショア・オフショアを含む多様な生産リソースを活用した柔軟な生産基盤を構築してまいります。④「品質の強化」では、不採算・トラブルプロジェクトの撲滅を最優先課題と位置付けております。高難度プロジェクトのリスクを早期に検知・コントロールすることに一層努めます。見積・計画段階から技術リスクおよび体制充足状況を厳格に確認し、本部QMSおよび全社QMSを有効に機能させ、層別に統制することで実効性を高めます。 また、プロジェクト監理システムを活用した情報可視化や完了報告の定着を通じ、プロジェクト管理とフォローを徹底します。加えて、プライム事業・サービス事業の拡大やAI活用を見据え、品質基準プロセスおよび品質管理ノウハウの体系化を進め、持続的な品質向上を図ってまいります。 重点的な取り組みに加えて、当社は2026年6月2日付で株式会社システムクリエイト(以下「システムクリエイト」という。)との間で資本業務提携契約を締結しました。 当社とシステムクリエイトは、長年にわたり協業を重ね、実績を築いてまいりました。両社は、システム開発受託およびシステムエンジニアリングサービスの分野で高い親和性を有しており、東京・福岡の両拠点が連携することで、生産基盤と技術領域の相互補完・強化が可能となります。こうした強みを踏まえ、両社の事業基盤の連携を一層強化し、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。 3 )経営基盤の強化 当社グループは、事業を支える経営基盤の強化・構築は重要な経営課題と位置付け、第2次中期経営計画においては、以下の3点に注力いたします。 ・人的資本の充実 ・内部統制/ガバナンス ・企業風土改革 ①「人的資本の充実」では、V2026第2次中期経営計画の最終年度として、事業成長と生産性向上を持続的に支える人的資本経営の高度化を推進してまいります。「量的拡大」「質的充実」「意欲の向上」の3つを柱とし、事業戦略と一体となった人材施策を通じて、組織全体の競争力強化を図ります。 量的拡大においては、新卒・中途採用の両面で採用チャネルの多様化を進め、事業成長に必要な人材を計画的に確保してまいります。加えて、採用後の早期戦力化を重要課題と捉え、育成・配置を含めたオンボーディングの高度化を図ることで、現場における即戦力の向上につなげてまいります。 質的充実においては、若手・中堅・リーダー層それぞれに応じた育成体系を整備し、計画的な人材育成を推進いたします。特に、次世代を担う若手リーダーの育成や、専門性を発揮するスペシャリスト人材、プロジェクトを牽引するマネジメント人材の強化を通じて、組織力の底上げを図ってまいります。また、社員一人ひとりのキャリア志向に寄り添った育成計画の運用や、学習機会の提供を通じ、主体的な能力開発を後押ししてまいります。 意欲の向上においては、評価・報酬制度の適切な運用を通じて、社員が安心して挑戦できる環境づくりに努めてまいります。あわせて、ウェルビーイング経営および健康経営の推進により、社員の働きがいとエンゲージメントの向上を図り、成長実感を持ちながら継続的に活躍できる基盤の構築を進めてまいります。②「内部統制/ガバナンス」では、事業環境の変化や社会的要請の高度化を踏まえ、公正かつ効率的な経営を支えるガバナンス体制の実効性向上に取り組んでまいります。経営の監督・モニタリング機能を強化するとともに、迅速かつ適切な意思決定を可能とする体制整備を進めることで、持続的な企業価値の向上を目指します。 特に事業戦略、人事戦略、品質・セキュリティ、コンプライアンスといった重要領域については、経営層による関与と牽制を通じてリスクコントロールを徹底し、経営判断の質の向上につなげてまいります。また、内部統制の仕組みが現場レベルまで確実に機能するよう、継続的な点検と改善を行い、実効性あるガバナンスの定着を図ります。 さらに、災害・パンデミック、地政学的リスク、サイバーセキュリティ脅威などを想定した事業継続プログラム(BCP)の高度化を進め、非常時においても事業を継続できる体制の強化に取り組んでまいります。これらの施策を通じて、社会やステークホルダーから信頼される経営基盤の確立を目指してまいります。③「企業風土改革」では、経営理念を起点に、社員一人ひとりが自律的に考え行動し、事業活動を通じて社会価値を創出する企業文化の醸成を目指します。企業価値の向上と社会課題解決を両立するため、役職や立場を問わず共通の価値観を持ち、主体的に行動できる風土づくりを推進してまいります。 その基盤となるコンプライアンスについては、単なる法令遵守にとどまらず、会社に関わるすべてのステークホルダーの信頼に応えるための行動規範と位置付け、日常業務の中で実践される意識醸成に努めてまいります。また、多様性を尊重し、協調と挑戦が両立する職場環境の整備を通じて、組織全体の活力向上を図ります。 加えて、ウェルビーイング経営の考え方のもと、社員と会社が共に成長し成果を分かち合える関係性の構築を目指します。地域社会への貢献、環境に配慮した経営、人権尊重といった取り組みも企業活動の重要な要素と位置付け、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土の定着を図ってまいります。 これらの施策により、2027年3月期の連結業績の見通しにつきましては、売上高20,000百万円(前期比8.1%増)、営業利益1,800百万円(同15.5%増)、経常利益1,810百万円(同14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,500百万円(同4.1%減)を見込んでおります。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、2026年3月期に投資有価証券の売却による特別利益の計上があったため、2026年3月期から減少しております。 《価値創造プロセス》
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)会社の経営の基本方針 当社グループは、経済・社会を支えるインフラを担う基幹産業として、顧客の競争力強化、情報社会の更なる発展に貢献していくことを使命と考えております。 基本方針 「顧客第一主義」 全ての判断基準はお客様にとっての価値とし、お客様の視点で思考することを基本と致します。「重点主義」 企業には人、モノ、金と時間の4つの要素があります。これらを最大限に活かすために、顧客第一主義により決定された最重要事項に経営資源を集約致します。「総員営業主義」 ユーザーオリエンテッドなサービスを提供するため、全社員が自立したビジネスパーソンとして社業発展に邁進致します。 この基本方針のもと、社員一人ひとりが株主、顧客をはじめとするあらゆるステークホルダーと向かい合い、個人と組織のもつノウハウの全てを駆使して、更なる顧客満足を創出してまいります。 (2)目標とする経営指標 当社グループは、中長期経営ビジョン≪VISION 2026≫の実現に向けて事業基盤と経営基盤を整備し、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画では、社員一人ひとりが事業を通じて社会に貢献し、事業成長を果たすとともに、企業価値の向上を目指してまいります。そのために、「企画型+受託型ビジネスで事業成長を果たす」「社員自らが志とビジネスマインドを持ち、自ら考え、行動する」をミッション・ステートメントとして、「第1 企業の概況 3 事業の内容」に記載の3つのビジネスモデルを強化推進する方針と目標をそれぞれ立案し、事業成長に向けて邁進しております。 最終年度にあたる2026年度に向けて、エンハンスビジネスで創出した利益を源泉にSIビジネス、デジタルビジネスでの領域を拡大し、売上高構成比6:3:1を目指してまいります。 また、第2次中期経営計画では、以下の5つの指標を重視し、目標設定しております。 財務目標 ・株主にとっての企業価値向上の観点から、ROE14%以上 ・収益性を測る指標として、連結営業利益率10.5% ・従業員一人ひとりのパフォーマンスを高めていきたいとの趣旨から、従業員(海外子会社の従業員は除く)一人当たりの連結売上高25百万円 非財務目標 ・社員の健康を最重視したウェルビーイング経営実践の為、時間外勤務時間月あたり平均25時間 ・社員の働きがいと機会の創出による能力発揮に向け、エンゲージメント指標71以上※ ※株式会社アトラエが提供するエンゲージメント解析ツール「Wevox」を利用し、キューブシステム単体の社員を対象に調査するエンゲージメント指標のやりがい度 当期における状況は、以下のとおりです。 1点目の指標であるROEは14.0%となりました。 2点目の指標である連結営業利益率は8.4%となり、目標未達となりました。資本効率を高め利益率の向上を図ることで、改善に努めます。 3点目の指標である従業員一人当たりの連結売上高は、23.4百万円となりました。業務の効率化と教育研修の充実、生産体制の強化を図り、最終年度での目標達成に向けて取り組んでまいります。 4点目と5点目の指標につきましては、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組 (1)サステナビリティ経営 d.指標及び目標」に含まれております。 (3)対処すべき課題 当社が属する情報サービス産業は、顧客サービスの高付加価値化ならびに人材不足を背景としたDX需要が継続しており、AI技術を活用した情報化投資やその導入支援が活発化しております。また、レガシーな基幹システムのクラウドへの移行や利便性向上を目的としたシステム構築に対するニーズは依然として高く、事業・業務の活性化に向けたAIサービスの本格的活用やクラウドサービス利用の拡大に伴い、今後もIT投資は拡大する見通しです。さらに、DX化の進展に伴い、システムの性能や信頼性の向上が課題として浮き彫りになり、サイバーセキュリティ対策の需要が一層高まっております。一方で、長期化するIT人材の不足から生じる受注機会の損失や人材獲得競争の激化に起因する人件費の増加により、収益環境が悪化する懸念があります。 当社グループでは、「サステナビリティ基本方針」のもと、企業価値の向上と社会課題の解決の両立を目指し、サステナビリティ経営を遂行しております。中長期経営ビジョン 《VISION2026》 の実現に向けて事業基盤および経営基盤の整備を進め、2024年度から2026年度までの第2次中期経営計画において、飛躍的な事業成長に取り組んでおります。 このような状況を踏まえ、当社グループが優先的に取り組むべき重点施策は、以下のとおりです。 1 )事業の成長 当社は、これまで培ってきた強みと実績を基に、デジタルビジネス、SIビジネス、エンハンスビジネスの3つを事業の軸として展開しております。第2次中期経営計画では、受託ビジネスにおける「Sier向け事業」「プライム向け事業」と企画ビジネスの「サービス提供事業」の3つの事業スタイルを通じてお客様に価値を提供し、事業成長を加速させてまいります。 受託ビジネスにおける「Sier向け事業」では、主要Sierとの協業を基軸に、大規模案件の獲得やワンストップサービスの推進を図るとともに、レガシーシステムのモダナイゼーションへの対応や生成AIを活用したSI・エンジニアリング対応による差別化を通じて、事業領域の拡大を進めます。また、モダナイゼーション協業パターンの確立や横串組織との連携強化を通じた受注拡大を図るとともに、顧客の大型化や市場環境の変化を捉え、当社の強みであるソフトウェアエンジニアリング力を生かしつつ、幅広い業種・業務や新たな技術領域への挑戦を継続してまいります。さらに、見積・提案からプロジェクト実行までのプロセスや契約形態、サービスモデルの見直しを進め、付加価値の高いサービス提供を通じて収益性の向上を目指します。 「プライム向け事業」では、受注規模の拡大と収益性向上の両立を目指し、既存プライム顧客との関係性を一層強化するとともに、新規顧客の獲得にも取り組みます。経営課題に直結するテーマに対してコンサルティング視点を取り入れた提案活動を行い、若手メンバーも含めた組織的な営業・提案体制を構築することで、既存案件の拡大と将来の成長につながる顧客基盤の形成を進めてまいります。 企画ビジネスにおける「サービス提供事業」では、クラウド活用の高度化や仮想化基盤を取り巻く環境変化に対応し、国内企業のIT基盤変革を支えるサービスの提供を目指します。マルチクラウド移行や仮想基盤リフトを中心としたテクニカルクラウド独自サービスの展開を進めるとともに、クラウドベンダーやソリューションベンダーとの協業を強化し、多様なビジネス課題に応えるプロフェッショナルサービスを提供してまいります。あわせて、当社発の人的資本サービス『H・CUBiC※』の事業化を推進し、新たな付加価値および収益モデルの確立に取り組みます。 ※当社が構想する人的資本サービス。人的資本経営をトータルに支援するサービスとして、人材情報管理システム、AI技術を活用した分析ソリューション、人材・組織の価値向上支援プロダクトから構成されている。 《人的資本サービス H・CUBiC》 2 )事業基盤の強化 事業成長を加速・促進するための事業基盤の強化は、当社グループにおいて重要な経営課題です。特に、以下4点の分野を成長の軸と位置付け、重点的に取り組んでまいります。・研究投資・協業推進・生産体制の拡充・品質の強化 ①「研究投資」では、顧客ニーズや市場動向を的確に捉え、アンソロピックに代表される安全性・信頼性を重視したAI動向などの市場変化を踏まえつつ、AIを中心とした先進技術の活用と実装を重視した研究活動を展開します。全社横断で設定した中期的投資テーマに基づき、生産性向上や生産技術の高度化、新たな事業機会の創出に直結する研究テーマを選定し、研究プロジェクトを推進いたします。 また、新たに設置したAI推進室を中心に、先進的なAI技術の実装・運用を通じてビジネス変革と生産性向上を牽引し、AIの価値を事業成果に結びつけてまいります。プロトタイプの設計・検証・実証を通じた実践的な技術ノウハウの蓄積を進めるとともに、研究成果の早期事業適用やサービス化を図ります。加えて、ソフトウェアエンジニアリングを基盤とした生産技術やAI活用技術の知的資産化を進め、持続的な競争優位性の確立につなげてまいります。②「協業推進」では、主要Sierとの連携を深化させ、当社の強みを生かせる領域への集中を図ります。協業テーマの具体化や役割分担の明確化を通じて、社会課題や高度化する顧客ニーズに対応した付加価値の高いサービス提供を進めます。 また、上流から下流までをワンストップで担うソフトウェアエンジニアリング力を中核に、担当領域の拡大や生産技術革新、生産性向上に取り組み、開発後のエンハンスも含めた長期的な価値提供を通じて顧客との関係性強化を図ります。社内では提案力強化研修や営業ナレッジの共有を継続し、全社一丸で協業価値の最大化に取り組んでまいります。③「生産体制の拡充」では、生産革新の強化を軸に、生産性と対応力の向上を図ります。全社横断でリソースの最適配置を進めるとともに、国内各拠点において先進技術の活用やプロセス改善への投資を継続し、効率的な生産性の強化と安定化に取り組みます。 さらに、子会社への発注強化や人材育成、役割分担の明確化を通じて、内製・グループ連携による生産体制を高度化します。あわせて、ビジネスパートナーとの協業を通じた品質水準の底上げを図り、ニアショア・オフショアを含む多様な生産リソースを活用した柔軟な生産基盤を構築してまいります。④「品質の強化」では、不採算・トラブルプロジェクトの撲滅を最優先課題と位置付けております。高難度プロジェクトのリスクを早期に検知・コントロールすることに一層努めます。見積・計画段階から技術リスクおよび体制充足状況を厳格に確認し、本部QMSおよび全社QMSを有効に機能させ、層別に統制することで実効性を高めます。 また、プロジェクト監理システムを活用した情報可視化や完了報告の定着を通じ、プロジェクト管理とフォローを徹底します。加えて、プライム事業・サービス事業の拡大やAI活用を見据え、品質基準プロセスおよび品質管理ノウハウの体系化を進め、持続的な品質向上を図ってまいります。 重点的な取り組みに加えて、当社は2026年6月2日付で株式会社システムクリエイト(以下「システムクリエイト」という。)との間で資本業務提携契約を締結しました。 当社とシステムクリエイトは、長年にわたり協業を重ね、実績を築いてまいりました。両社は、システム開発受託およびシステムエンジニアリングサービスの分野で高い親和性を有しており、東京・福岡の両拠点が連携することで、生産基盤と技術領域の相互補完・強化が可能となります。こうした強みを踏まえ、両社の事業基盤の連携を一層強化し、中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。 3 )経営基盤の強化 当社グループは、事業を支える経営基盤の強化・構築は重要な経営課題と位置付け、第2次中期経営計画においては、以下の3点に注力いたします。 ・人的資本の充実 ・内部統制/ガバナンス ・企業風土改革 ①「人的資本の充実」では、V2026第2次中期経営計画の最終年度として、事業成長と生産性向上を持続的に支える人的資本経営の高度化を推進してまいります。「量的拡大」「質的充実」「意欲の向上」の3つを柱とし、事業戦略と一体となった人材施策を通じて、組織全体の競争力強化を図ります。 量的拡大においては、新卒・中途採用の両面で採用チャネルの多様化を進め、事業成長に必要な人材を計画的に確保してまいります。加えて、採用後の早期戦力化を重要課題と捉え、育成・配置を含めたオンボーディングの高度化を図ることで、現場における即戦力の向上につなげてまいります。 質的充実においては、若手・中堅・リーダー層それぞれに応じた育成体系を整備し、計画的な人材育成を推進いたします。特に、次世代を担う若手リーダーの育成や、専門性を発揮するスペシャリスト人材、プロジェクトを牽引するマネジメント人材の強化を通じて、組織力の底上げを図ってまいります。また、社員一人ひとりのキャリア志向に寄り添った育成計画の運用や、学習機会の提供を通じ、主体的な能力開発を後押ししてまいります。 意欲の向上においては、評価・報酬制度の適切な運用を通じて、社員が安心して挑戦できる環境づくりに努めてまいります。あわせて、ウェルビーイング経営および健康経営の推進により、社員の働きがいとエンゲージメントの向上を図り、成長実感を持ちながら継続的に活躍できる基盤の構築を進めてまいります。②「内部統制/ガバナンス」では、事業環境の変化や社会的要請の高度化を踏まえ、公正かつ効率的な経営を支えるガバナンス体制の実効性向上に取り組んでまいります。経営の監督・モニタリング機能を強化するとともに、迅速かつ適切な意思決定を可能とする体制整備を進めることで、持続的な企業価値の向上を目指します。 特に事業戦略、人事戦略、品質・セキュリティ、コンプライアンスといった重要領域については、経営層による関与と牽制を通じてリスクコントロールを徹底し、経営判断の質の向上につなげてまいります。また、内部統制の仕組みが現場レベルまで確実に機能するよう、継続的な点検と改善を行い、実効性あるガバナンスの定着を図ります。 さらに、災害・パンデミック、地政学的リスク、サイバーセキュリティ脅威などを想定した事業継続プログラム(BCP)の高度化を進め、非常時においても事業を継続できる体制の強化に取り組んでまいります。これらの施策を通じて、社会やステークホルダーから信頼される経営基盤の確立を目指してまいります。③「企業風土改革」では、経営理念を起点に、社員一人ひとりが自律的に考え行動し、事業活動を通じて社会価値を創出する企業文化の醸成を目指します。企業価値の向上と社会課題解決を両立するため、役職や立場を問わず共通の価値観を持ち、主体的に行動できる風土づくりを推進してまいります。 その基盤となるコンプライアンスについては、単なる法令遵守にとどまらず、会社に関わるすべてのステークホルダーの信頼に応えるための行動規範と位置付け、日常業務の中で実践される意識醸成に努めてまいります。また、多様性を尊重し、協調と挑戦が両立する職場環境の整備を通じて、組織全体の活力向上を図ります。 加えて、ウェルビーイング経営の考え方のもと、社員と会社が共に成長し成果を分かち合える関係性の構築を目指します。地域社会への貢献、環境に配慮した経営、人権尊重といった取り組みも企業活動の重要な要素と位置付け、持続可能な社会の実現に貢献する企業風土の定着を図ってまいります。 これらの施策により、2027年3月期の連結業績の見通しにつきましては、売上高20,000百万円(前期比8.1%増)、営業利益1,800百万円(同15.5%増)、経常利益1,810百万円(同14.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,500百万円(同4.1%減)を見込んでおります。なお、親会社株主に帰属する当期純利益は、2026年3月期に投資有価証券の売却による特別利益の計上があったため、2026年3月期から減少しております。 《価値創造プロセス》
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況a.経営成績当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善に伴う所得の向上や、インバウンドの増加に伴う消費拡大、新政権の経済対策への期待感の醸成により、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で、米国の政策変更や中東情勢の緊迫化等による世界経済の不確実性は予断を許さない状況となっており、資源・原材料価格の高騰ならびに物価の上昇等、依然として先行きが不透明な状況となっております。 このような状況下において、情報サービス産業では、顧客のサービスの高付加価値化ならびに人材不足を背景としたDX(ビジネス変革・プロセス変革)需要が継続しており、AI技術を用いた情報化投資やその導入支援が活発化しております。また、レガシーな基幹システムのクラウドへの移行(Lift)、利便性の向上に向けたシステム構築(Shift)に対するニーズも根強く、事業・業務の活性化に向けたAIサービスの本格的活用やクラウドサービス利用の拡大に伴い、今後もIT投資は拡大する見通しです。さらに、DX化の進展に伴い、システムの性能や信頼性の向上が課題として浮き彫りになり、サイバーセキュリティ対策の需要が一層高まっております。一方で、長期化するIT人材の不足から生じる受注機会の損失や人材獲得競争の激化に起因する人件費の増加により、収益環境が悪化する懸念があります。 当社グループにおきましては、SIビジネスおよびデジタルビジネスにおいて、公共分野やエネルギー分野での受注が拡大する中、リソースの最適化や生産体制の確保、業容拡大に向けた施策を実施してまいりました。大規模案件において体制構築および生産性の面が追い付かず不採算となったものの、プライム向け事業では高収益化を実現しました。また、退職給付の割引率変更に伴う人件費の減少および政策保有株式の保有方針に基づく投資有価証券の売却により、当連結会計年度における業績は売上高18,498百万円(前年同期比0.8%増)、営業利益は1,558百万円(同12.9%増)、経常利益は1,581百万円(同13.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,564百万円(同24.0%増)となりました。 ビジネスモデル別の業績を示すと次のとおりであります。 (デジタルビジネス) コンサルティングおよび先進技術支援案件の受注拡大により、売上高は1,315百万円(前期比62.7%増)となりました。(SIビジネス) モダナイゼーション案件の規模拡大や新規案件の獲得により、売上高は7,731百万円(同23.9%増)となりました。(エンハンスビジネス) 収益性の低い案件を見直し、デジタルおよびSIビジネス領域へのリソース投入により、売上高は9,451百万円(同16.4%減)となりました。 b.財政状態(資産) 当連結会計年度末における流動資産は10,896百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,089百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金の増加612百万円、売掛金の増加516百万円、契約資産の減少160百万円によるものです。また、固定資産合計は4,005百万円となり、前連結会計年度末と比べ554百万円減少いたしました。これは主に投資有価証券の減少674百万円、建物の増加153百万円によるものです。 これらの結果、総資産は14,901百万円となり、前連結会計年度末に比べ535百万円増加いたしました。 (負債) 当連結会計年度末における流動負債は2,736百万円となり、前連結会計年度末に比べ349百万円増加いたしました。これは主に未払法人税等の増加165百万円、受注損失引当金の増加151百万円によるものです。固定負債は759百万円となり、前連結会計年度末に比べ344百万円減少いたしました。これは主に繰延税金負債の減少284百万円、長期未払金(固定負債「その他」に含む。)の減少129百万円、資産除去債務の増加87百万円によるものです。 これらの結果、負債合計は3,496百万円となり、前連結会計年度末に比べ5百万円増加いたしました。 (純資産) 当連結会計年度末における純資産は11,404百万円となり、前連結会計年度末に比べ530百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加934百万円、自己株式の処分による増加108百万円、その他有価証券評価差額金の減少275百万円、退職給付に係る調整累計額の減少244百万円によるものです。 この結果、自己資本比率は76.5%(前連結会計年度末は75.7%)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ612百万円増加し、6,826百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は767百万円(前期比200.3%増)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上額2,039百万円、投資有価証券売却益462百万円、法人税等の支払額371百万円、売上債権の増加354百万円によるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果獲得した資金は371百万円(前年同期は68百万円の使用)となりました。これは主に投資有価証券の売却による収入589百万円、投資有価証券の償還による収入100百万円、有形固定資産の取得による支出298百万円によるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は521百万円(前期比33.1%減)となりました。これは主に配当金の支払による支出630百万円、自己株式の減少108百万円によるものです。 ③生産、受注及び販売の実績 当社グループは、システムソリューション・サービスの単一セグメントのため、生産、受注及び販売の実績については、セグメントに代えてビジネスモデル別に示しております。 a.生産実績 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の生産実績を示すと、次のとおりであります。ビジネスモデル金額(百万円)前期比(%)デジタルビジネス1,315162.7SIビジネス7,731123.9エンハンスビジネス9,45183.6合計18,498100.8 (注)金額は販売価格によっております。 b.受注実績 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の受注実績を示すと、次のとおりであります。ビジネスモデル受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)デジタルビジネス1,307140.533997.9SIビジネス7,874120.71,765108.8エンハンスビジネス9,37284.92,74097.2合計18,555100.34,846101.2 (注)金額は販売価格によっております。 c.販売実績 当連結会計年度におけるビジネスモデル毎の販売実績を示すと、次のとおりであります。ビジネスモデル金額(百万円)前期比(%)デジタルビジネス1,315162.7SIビジネス7,731123.9エンハンスビジネス9,45183.6合計18,498100.8(注)最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度当連結会計年度金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)株式会社野村総合研究所7,33139.98,01143.3富士通株式会社3,85221.04,49424.3 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ①重要な会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表」に記載のとおりであります。 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 a.売上高 当社グループの当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べ147百万円増加し、18,498百万円(前期比0.8%増)となりました。 ビジネスモデル別では、デジタルビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ506百万円増加(同62.7%増)しております。主な要因としましては、コンサルティングおよび先進技術支援案件の受注拡大によるものであります。 SIビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ1,492百万円増加(同23.9%増)しております。主な要因としましては、モダナイゼーション案件の規模拡大や新規案件の獲得によるものであります。 エンハンスビジネスの売上高は、前連結会計年度に比べ1,851百万円減少(同16.4%減)しております。主な要因としましては、収益性の低い案件を見直し、デジタルおよびSIビジネス領域へのリソース投入によるものであります。 b.売上原価、売上総利益 売上原価は、前連結会計年度に比べ202百万円減少し、14,201百万円(前期比1.4%減)となりました。売上総利益は、前連結会計年度に比べ349百万円増加し、4,296百万円(同8.9%増)となりました。これは主に、一部高難度プロジェクトにおける体制構築および品質確保対応による不採算の発生に伴う売上原価の増加、プライム向け事業・その他のSier向け事業での収益性向上および海外子会社の収益性改善による売上原価の減少、退職給付債務の割引率変更による人件費の減少によるものであります。 c.販売費及び一般管理費、営業利益 販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ171百万円増加し、2,738百万円(前期比6.7%増)となりました。これは主に開発拠点の新設による生産体制の拡充や、自社事業(H・CUBiC)の創発および新技術の社内展開を目的とした研究開発への投資等の増加によるものであります。営業利益は、前連結会計年度に比べ177百万円増加し、1,558百万円(同12.9%増)となっております。 d.経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益 経常利益は、前連結会計年度に比べ188百万円増加し、1,581百万円(前期比13.5%増)となりました。 親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ302百万円増加し、1,564百万円(同24.0%増)となりました。これは主に投資有価証券売却に伴う特別利益の増加によるものであります。 ③当連結会計年度の財政状態の分析 「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.財政状態」をご覧ください。 ④資本の財源及び資金の流動性についての分析資金調達について 金融経済環境が大きく変化する中、コミットメントライン契約の締結により運転資金枠を確保し、資金調達の機動性と安定性を高めることで積極的な事業展開および資金効率の向上を図り、財務体質の強化に努めてまいります。
事業リスク
- 人材不足と競争激化情報サービス産業全体でシステム/ネットワークエンジニアが慢性的に不足しており、優秀な人材の確保や育成が困難になる可能性があります。また、他業種からの新規参入や海外企業の台頭により価格競争が激化したり、DXや技術革新のスピードが想定以上に速い場合、キューブシステムの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
- 特定顧客への依存野村総合研究所グループと富士通グループへの販売実績が総販売実績の大部分を占めており、これら特定顧客の受注動向がキューブシステムの業績に大きな影響を与える可能性があります。顧客の事業戦略変更や需要減少があった場合、売上や利益が大きく変動するリスクがあります。
- プロジェクトの品質・損益悪化システム開発プロジェクトは、想定外の仕様変更や追加作業、顧客との認識相違、技術力・マネジメント不足などにより、収益性が低下したり、不採算となるリスクがあります。特にDX事業の推進によりシステムの高難度化が進む中で、品質確保が困難になった場合、修補責任や売上減額請求が発生し、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項について、現時点で想定される主なものを記載いたしました。 なお、文中記載の事項のうち将来に関するものについては、有価証券報告書提出日(2026年6月18日)現在において当社グループが判断したものであります。 (1)当社グループを取り巻く事業環境について 当社グループが属する情報サービス産業では、DX需要の継続やAI技術の活用に伴う情報化投資、省力化に向けたソフトウェア投資需要等が引き続き増加する見通しです。しかしながら、デジタル人材の供給面に目を向けると、慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が継続しております。 当社では継続した積極的技術投資を行い対応に努めておりますが、他業種からの新規参入や海外企業の台頭による想定以上の価格競争の発生、DX等による顧客のビジネスモデルの変革や広範な領域における急速な技術革新が発生した場合、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (2)特定の取引先への依存度について 当社グループの当連結会計年度末における野村総合研究所グループ及び富士通グループへの販売実績の総販売実績に対する割合は、それぞれ48.7%及び26.2%となっております。このため、上記顧客の受注動向等は当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 これに対して、当社グループは常にエンドユーザーに密着したサービスを提供することを志向し、上記顧客との関係を維持しながら、新規領域の獲得を目指し、サービスの最終的な利用者であるエンドユーザーとの緊密な関係の構築に注力することで、当社グループの経営成績に及ぼす悪影響の軽減を図っております。 (3)プロジェクトの品質・損益管理について 当社グループでは、システム開発技術の向上・蓄積及び将来の受注拡大を目的として、収益性の低いプロジェクト又は赤字になると見込まれるプロジェクトであっても積極的に受託する可能性があります。また、当社グループの提供するサービスは原則として請負契約となるため、受注時に採算が取れると見込まれるプロジェクトであっても、想定外の仕様変更や当初の見積りを超える追加作業の発生等により収益性が低下し、不採算となる可能性があります。 近年、DX事業の推進により顧客から要求されるシステムの高難度化が進み、品質の確保が困難な局面は増加しつつあると考えられます。顧客との認識相違や当社の技術力・マネジメント不足による品質不良が発生した場合、2020年4月に施行された民法改正での契約不適合期間の延長による長期の修補責任や、売上の減額請求を行われる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、長引く物価高騰やそれに伴う人件費の増加等の価格転嫁の受け入れにより、プロジェクトの損益に影響を及ぼす可能性があります。 プロジェクトが高度化する中で生じる体制確保の課題については、プロジェクト参画前に各要員の得意領域や経験を特定し更なる強化を図ることと、見積時に技術スタックと体制の充足状況を把握し、適切なリソース配置を行うことで対応してまいります。また、開発工程前には、標準化および開発準備状況を確認し、対応が不十分な場合には契約形態の見直しも含めて検討してまいります。更に、システム開発会議において工程ごとのレビューを徹底することでプロジェクトに内包するリスクの早期共有や見える化を図るとともに、部門QMSを強化し、全社QMSでの統制を仕組み化することでリスク管理を行い、各プロジェクトに対するモニタリング機能の強化による品質向上を図ってまいります。加えて、DX事業を筆頭に、契約形態を準委任契約へ変更することでリスクコントロールしてまいります。 (4)情報管理・情報漏洩に関するリスク 当社グループが顧客に提供するシステムソリューション・サービスにおいては、当社グループの従業員及び当社グループが委託するビジネスパートナーの従業員が、顧客企業の保有する機密情報へアクセス可能な環境にある場合があります。当社グループでは、顧客及び従業員情報の保全や機密情報の適切な管理及び情報セキュリティ・マネジメントシステムの強化・改善を重要課題と位置づけ、昨今のビジネス環境の変化によるセキュリティリスクへの対応も含め、様々な取組みを行っております。また、重大なサイバー攻撃事件や生成AIを始めとした様々な情報漏洩事件・事故の発生を踏まえ、当社の社内環境や開発環境がサイバー攻撃にさらされるリスクについても適正な対策を行っております。しかしながら、これらの施策にもかかわらず個人情報や企業情報が万一漏洩した場合には、損害賠償責任を負う可能性があるほか、社会的信用の失墜等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。 (5)事業継続について 当社グループは、各地で相次ぐ災害への対策、地政学的リスク、また災害等の発生の影響により顧客へのサービス提供の中断が不可避となった場合等を加味した事業継続プログラム(BCP)の再構築を行い、その実効性の点検や課題の解決を図っております。しかしながら、災害規模が想定よりも甚大な場合には顧客と合意した水準でのサービス提供が困難となり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (6)海外子会社を含めた海外での事業活動について 当社グループは、海外での事業拡大を進めております。しかし多くの海外市場において、日本とは異なる法制度、商慣習及び労使関係や経済の動向並びに為替相場の変動、その他政治的及び社会的要因といった様々な要因の発生が見込まれ、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 (7)投資有価証券の価値の棄損について 当社グループは、取引先との関係強化や情報収集を目的に保有する上場株式の他に、業務提携等で取得した未上場株式や資金運用を目的とする債券を保有しております。また、新技術を保有するベンチャー企業の発掘を目的に投資事業組合への出資を行っております。これらの投資有価証券は、発行体の業績悪化や経営破綻等が発生した場合には、会計上減損処理を行うことや投資額を回収できないことがあり、当社グループの業績が影響を受ける可能性があります。 これらのリスクに対して、市場並びに運用先のモニタリングを充実させ、適切な対処を行ってまいります。 (8)人材確保に関するリスク 当社グループの事業拡大にとって、優秀な人材の確保や人材の育成は、重要な経営課題であると認識しております。当社グループが属する情報サービス産業では慢性的なシステム/ネットワークエンジニアの不足が続いており、今後、計画通りの人材を確保できない場合や人材の流出に加え、プロフェッショナルIT人材の育成に遅れが生じる場合には、生産性の高いプロジェクト遂行や案件獲得の機会損失を招く恐れがあり、当社グループの財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 これらのリスクに対して、計画的な採用活動を通じて新卒採用及び中途採用を実施していくとともに、人材育成の仕組み作りやウェルビーイング向上等の施策を引き続き実施してまいります。