事業の概要
- ITプラットフォーム提供システム・ロケーションは、自動車関連事業者向けに、ファイナンスとITを融合した「ITプラットフォーム」を提供するクラウド型BPOサービス企業です。オートリース会社や自動車販売会社を主な顧客とし、業務効率化や資産評価を支援するシステムを提供することで収益を得ています。
- 中古車価値評価システム主なサービスは、中古車の相場情報を基にした車両の価値評価・算定システムです。「RV Doctor」は過去の販売実績から現在価値や将来の売却価格を予測し、「PV Doctor」は客観的な車両価値を算出します。これらのシステムを通じて、顧客の資産管理や販売戦略をサポートしています。
- 多様なソリューション展開上記評価システムの他にも、メーカーオプションや税金情報を含む「車種カタログデータベース」、オートファイナンス事業者向けASPサービス「シスろけっと」、新車販売支援システム「CA Doctor」など、幅広いITソリューションを提供しています。これにより、自動車関連事業者の多様なニーズに応え、収益源を多角化しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 国内自動車関連ソリューション事業システム・ロケーションの主要な事業は、国内のオートリース事業者や自動車販売事業者向けに、ファイナンスとITを融合したクラウド型BPOサービスを提供することです。主力製品である「RV Doctor」や「PV Doctor」などの自動車資産評価システム、および関連する各種ITソリューションを通じて、国内市場での収益を上げています。
- 海外自動車コンテンツ・システム事業連結子会社であるValuAble Co., Ltd.を通じて、韓国市場での自動車コンテンツ開発事業および自動車関連事業者向けシステムサービス事業を展開しています。これは、国内で培ったノウハウを海外市場に応用し、新たな成長機会を追求する取り組みであり、国際的な事業拡大を目指しています。
- 国内自動車リース・レンタル支援事業持分法適用関連会社である株式会社エヴリスは、国内で自動車リース・レンタル取扱店の加盟募集や加盟店へのコンサルティングを行っています。システム・ロケーションのITプラットフォームと連携することで、自動車関連事業者のエコシステムを強化し、間接的に事業領域を広げています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、「ファイナンステクノロジー(*1)、及びインフォメーションテクノロジー(*2)を融合した『ITプラットフォーム』を提供する」ことを目指す自動車関連事業者向けのクラウド型BPOサービス企業です。*1 オートリース事業者等を中心にファイナンス事業者全般を対象にしています。*2 自動車ファイナンス事業者及び自動車販売事業者に必要なシステムの開発並びに提供を行っております。 当社グループのビジネスにおいて提供するサービスメニューは、中古車の相場を中心とした情報をフィードバックして構築する、中古車両の価値の評価・算定システムを自動車関連事業者に対して提供する事業を行っております。 具体的な提供商品としては、① 「RV Doctor」 過去の中古車販売実績で統計学的分析を行い、自動車資産の現在価値算定(時価算定)・将来価値算定(予想売却価格算定)を可能にした当社グループ独自開発の自動車資産評価システム② 「PV Doctor」 将来価値算出のノウハウを活かし、恣意性無く現在の標準的な車両価値(現在価値)を算出するシステム③ 「車種カタログデータベース」 メーカー/ディーラーオプションの価格、税金等の情報を含む、文字ベースの車のカタログを階層的なデータベースにした車種カタログデータベース④ 「シスろけっと」 オートリース会社をはじめとしたオートファイナンス事業者に有用な機能をパッケージ化したASPサービス⑤ 「CA Doctor」 当社ソリューションを融合して開発した、新車販売会社向け販売支援システム⑥ CAV Monitor CAV(=Car Asset Value) の一括算出を提供 過去に設定した残価と現在の車両価値を照らし合わすことで、リスクの見える化を実現⑦ 「インターネット/イントラネット用残価付ファイナンス見積提案システム」 「RV Doctor」「車種カタログデータベース」をベースにして、車両の将来価値(残価)を見込んだファイナンス見積作成をネットワーク上で提供するシステム等があります。 当社グループは2026年3月31日現在、当社のほか連結子会社3社及び持分法適用関連会社1社により構成されております。連結子会社及び持分法適用関連会社の位置付けは以下のとおりです。連結子会社であるInspiration株式会社は、自動車販売店向けソリューション事業を行っております。ジェイ・コア株式会社は、休眠会社となっており、現在、事業活動は行っておりません。ValuAble Co., Ltd.は韓国に設立した合弁会社(出資比率80.0%)で韓国における自動車コンテンツ開発事業及び自動車関連事業者向けシステムサービス事業の展開を図っています。また、持分法適用関連会社である株式会社エヴリス(出資比率24.5%)は国内における自動車リース・レンタル取扱店の加盟募集や加盟店へのコンサルティング等を行っております。 当社グループのビジネスモデル 連結子会社 :Inspiration株式会社(設立1997年11月25日,資本金35,000千円) ジェイ・コア株式会社(設立2000年8月15日,資本金100,000千円) ValuAble Co.,Ltd.(設立:2020年12月4日,資本金:KRW500,000,000)持分法適用関連会社:株式会社エヴリス (設立:2009年8月24日,資本金:20,000千円)
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 独自開発の自動車資産評価システムやノウハウを提供しているため |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 過去の中古車販売実績で統計学的分析を行い、自動車資産の現在価値・将来価値算定を可能にした独自開発システム |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 成長投資 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:新商品開発と新規事業の先行投資が収益に繋がらないリスク / 有能な人材の確保と育成ができないリスク / 人為的過誤、自然災害等によるシステムトラブル
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
開示情報からは、特許、ブランド、規制ライセンスなどの具体的な無形資産に関する情報は確認できませんでした。事業内容も汎用的なシステム開発・運用が中心と見られ、独自の強固な無形資産の存在は示唆されていません。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
顧客の基幹システムやインフラ運用を受託している場合、システム変更に伴うコストやリスクから、一定のスイッチング・コストが発生する可能性があります。しかし、具体的な顧客事例や契約形態の詳細が不明なため、その強度は限定的と評価されます。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
事業内容から、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果が働くビジネスモデルとは考えにくいです。プラットフォーム型サービスではなく、受託開発・運用が中心と推測されます。
コスト優位★☆☆☆☆
情報通信業におけるシステム開発・運用は、一般的に人件費がコストの大部分を占めます。同社が他社と比較して構造的に低い人件費を維持できる、あるいは生産性を大幅に高める独自のノウハウを持っているという情報は現時点では確認できません。
規模の経済★☆☆☆☆
システム開発・運用業界は多数のプレイヤーが存在する競争環境です。同社が業界規模に対して最適化された少数寡占を形成している、あるいは規模の経済を享受しているという明確な証拠はありません。市場シェアに関する情報も不足しています。
- 独自の自動車資産評価技術システム・ロケーションは、過去の中古車販売実績を統計学的に分析し、自動車資産の現在価値(時価)や将来価値(予想売却価格)を算定する独自の「RV Doctor」システムを開発しています。この技術は、他社にはない精度の高い評価を可能にし、顧客の意思決定を強力に支援する競争優位性となっています。
- 自動車関連事業者向け専門性オートリース事業者や自動車販売事業者など、特定の自動車関連事業者に特化したITプラットフォームとBPOサービスを提供しています。これにより、業界特有のニーズや課題に深く対応できる専門知識とノウハウを蓄積しており、顧客からの信頼と高いスイッチングコストを生み出しています。
- 多角的なソリューションとデータベース車両価値評価システムだけでなく、「車種カタログデータベース」や「シスろけっと」などのASPサービス、販売支援システムなど、多岐にわたるソリューションを提供しています。これにより、顧客は一貫したサービスを受けることができ、同社は顧客の様々な業務プロセスに深く入り込むことで、安定的な収益基盤を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 今後、当社グループが企業価値を高め、成長シナリオを実現していくため、事業基盤、経営基盤の強化拡充を図ってまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等 当社グループは、クルマの「価値(将来価値・現在価値)」を算出し、自動車に係る企業・金融機関とユーザー、さらには潜在的ユーザーを結び、クルマの購入・売却、所有・シェアに係るプロセスに変化をもたらすシステムを提供いたします。そして、あらゆる人や企業がクルマの価値を日常的に自然と意識できるよう、事業を構築するプラットフォーム企業を目指してまいります。 また、短中期の経営戦略として、以下の取り組みを進めてまいります。・クルマの価値解析エンジンの一層の進化(データ解析の深化)・当該エンジンをユニット化した「RV Doctor」、「PV Doctor」及び「車種DB」を組み込んだプラットフォームの利用拡大・自動車に係る企業の業務効率を高めるプラットフォームの提供拡大 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営の基本方針に基づき、安定的かつ持続的な成長を実現する企業であり続けるために、財務体質の強化を図り、収益性と安定性を総合的に向上させるべく、株主資本利益率(ROE)を重要な経営指標として捉えております。 (3)経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、自動車業界全体の構造変化や技術革新の進展、環境規制の強化、ならびに中古車市場の需要変動等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。特にCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)関連技術の普及や、サプライチェーンの変動、半導体等の部品供給の不安定化が、当社の事業に直接的な影響を及ぼす可能性があります。こうした環境下、当社グループの主力事業である価値算出サービス及びデータベースサービスにおいては、精度の高いデータ分析と市場動向の的確な把握が求められるとともに、リスク管理体制の強化とITシステムの高度化が急務となっております。当社グループにおいてはこれらの課題に対し、以下の取り組みを進めてまいります。第一に、最新の市場データやAI技術を活用した価値算出モデル及びデータベースの高度化を推進し、顧客企業の多様なニーズに応えてまいります。第二に、ITインフラおよびサイバーセキュリティ対策の継続的な強化を通じて、安定したサービス提供体制を維持してまいります。第三に、AIやビッグデータ活用によるシステム投資の拡充や、サイバーセキュリティ対策への継続的な資源の投入に加え、人的資本への投資を強化し、専門性の高い人材の確保・育成に努めてまいります。今後も、これらの課題に適切に対応し、企業価値の持続的な向上を目指してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①システム事業の推進 当社のクラウド型BPO(※)サービスをより拡充・進化させ、個々のメニューを有機的に組み合わせて、収益の拡大・収益力の向上に努めてまいります。具体的には、既存ドメインである自動車ファイナンス市場への新たなサービスの開発や投入、成長ドメインである自動車流通市場への営業強化を図ってまいります。 ※Business Process Outsourcingの略 ②人材の採用と育成 事業の継続と拡大、成長戦略の実現などすべての企業活動において、優れた人材の確保と育成が重要と認識しております。特に、今後の事業成長を牽引する中核として、AIをはじめとする先端技術を活用できる「AI人材」の確保と育成は急務であると捉えております。また、事業規模の成長スピードを加速させ、事業収益力の確実性を高めるには、組織の活性化や社内環境づくりが必要不可欠と認識しており、今後もさらなる優秀な人材の採用と育成(全社的なAIリテラシーの向上を含む)を推進し、生産性を高める職場環境構築を図ってまいります。 ③企画力・技術力の強化 技術が加速度的に進展するなか、「100年に1度の大変革」と言われる自動車業界における当社のドメインにおいても、戦略的なIT活用やAI技術の実践的な活用による事業運営、事業拡大、また新規事業への対応ニーズが高まっております。AI技術の活用は、既存業務の高度化・効率化のみならず、競争力のある新たなビジネスモデルを創出する上で極めて重要であると認識しております。 今後もこのような顧客ニーズに十分に対応し、顧客に価値を提供し続けるために、企画力・技術力の強化は主要な課題であると捉えております。これまでの当社固有の専門性や当社ドメインに対する企画力に加え、より付加価値の高いサービスの開発・提供を実現するため、顧客の新たなニーズに応える企画力、AIをはじめとする新技術への取り組みの強化に努めてまいります。 ④経営環境変化への対応 ロシア・ウクライナ情勢の長期化に加え、ホルムズ海峡をめぐる中東地域の情勢不安など、世界経済および日本経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。当社の事業活動においても少なからず影響が及ぶと想定しておりますが、その規模や継続期間、また直接的・間接的な波及効果など、現時点では予測が困難な要素が多く含まれていると認識しております。 当社では、こうした不確実性を外部環境の大きな変化として捉え、これに迅速に対応するため、前記③の「企画力・技術力の強化」を推進してまいります。加えて、営業面においても市場環境に応じたスタイルへと柔軟に変化させるなど、営業力の厚みを増すことで、マイナスの影響の最小化を図るだけでなく、変化を当社の新たな強みへと転換できるよう努めてまいります。なお、ロシア・ウクライナおよび中東地域における当社の直接的な事業活動はございません。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 今後、当社グループが企業価値を高め、成長シナリオを実現していくため、事業基盤、経営基盤の強化拡充を図ってまいります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針・経営戦略等 当社グループは、クルマの「価値(将来価値・現在価値)」を算出し、自動車に係る企業・金融機関とユーザー、さらには潜在的ユーザーを結び、クルマの購入・売却、所有・シェアに係るプロセスに変化をもたらすシステムを提供いたします。そして、あらゆる人や企業がクルマの価値を日常的に自然と意識できるよう、事業を構築するプラットフォーム企業を目指してまいります。 また、短中期の経営戦略として、以下の取り組みを進めてまいります。・クルマの価値解析エンジンの一層の進化(データ解析の深化)・当該エンジンをユニット化した「RV Doctor」、「PV Doctor」及び「車種DB」を組み込んだプラットフォームの利用拡大・自動車に係る企業の業務効率を高めるプラットフォームの提供拡大 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、経営の基本方針に基づき、安定的かつ持続的な成長を実現する企業であり続けるために、財務体質の強化を図り、収益性と安定性を総合的に向上させるべく、株主資本利益率(ROE)を重要な経営指標として捉えております。 (3)経営環境当社グループを取り巻く経営環境は、自動車業界全体の構造変化や技術革新の進展、環境規制の強化、ならびに中古車市場の需要変動等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。特にCASE(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)関連技術の普及や、サプライチェーンの変動、半導体等の部品供給の不安定化が、当社の事業に直接的な影響を及ぼす可能性があります。こうした環境下、当社グループの主力事業である価値算出サービス及びデータベースサービスにおいては、精度の高いデータ分析と市場動向の的確な把握が求められるとともに、リスク管理体制の強化とITシステムの高度化が急務となっております。当社グループにおいてはこれらの課題に対し、以下の取り組みを進めてまいります。第一に、最新の市場データやAI技術を活用した価値算出モデル及びデータベースの高度化を推進し、顧客企業の多様なニーズに応えてまいります。第二に、ITインフラおよびサイバーセキュリティ対策の継続的な強化を通じて、安定したサービス提供体制を維持してまいります。第三に、AIやビッグデータ活用によるシステム投資の拡充や、サイバーセキュリティ対策への継続的な資源の投入に加え、人的資本への投資を強化し、専門性の高い人材の確保・育成に努めてまいります。今後も、これらの課題に適切に対応し、企業価値の持続的な向上を目指してまいります。 (4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題①システム事業の推進 当社のクラウド型BPO(※)サービスをより拡充・進化させ、個々のメニューを有機的に組み合わせて、収益の拡大・収益力の向上に努めてまいります。具体的には、既存ドメインである自動車ファイナンス市場への新たなサービスの開発や投入、成長ドメインである自動車流通市場への営業強化を図ってまいります。 ※Business Process Outsourcingの略 ②人材の採用と育成 事業の継続と拡大、成長戦略の実現などすべての企業活動において、優れた人材の確保と育成が重要と認識しております。特に、今後の事業成長を牽引する中核として、AIをはじめとする先端技術を活用できる「AI人材」の確保と育成は急務であると捉えております。また、事業規模の成長スピードを加速させ、事業収益力の確実性を高めるには、組織の活性化や社内環境づくりが必要不可欠と認識しており、今後もさらなる優秀な人材の採用と育成(全社的なAIリテラシーの向上を含む)を推進し、生産性を高める職場環境構築を図ってまいります。 ③企画力・技術力の強化 技術が加速度的に進展するなか、「100年に1度の大変革」と言われる自動車業界における当社のドメインにおいても、戦略的なIT活用やAI技術の実践的な活用による事業運営、事業拡大、また新規事業への対応ニーズが高まっております。AI技術の活用は、既存業務の高度化・効率化のみならず、競争力のある新たなビジネスモデルを創出する上で極めて重要であると認識しております。 今後もこのような顧客ニーズに十分に対応し、顧客に価値を提供し続けるために、企画力・技術力の強化は主要な課題であると捉えております。これまでの当社固有の専門性や当社ドメインに対する企画力に加え、より付加価値の高いサービスの開発・提供を実現するため、顧客の新たなニーズに応える企画力、AIをはじめとする新技術への取り組みの強化に努めてまいります。 ④経営環境変化への対応 ロシア・ウクライナ情勢の長期化に加え、ホルムズ海峡をめぐる中東地域の情勢不安など、世界経済および日本経済の先行きは依然として不透明な状況にあります。当社の事業活動においても少なからず影響が及ぶと想定しておりますが、その規模や継続期間、また直接的・間接的な波及効果など、現時点では予測が困難な要素が多く含まれていると認識しております。 当社では、こうした不確実性を外部環境の大きな変化として捉え、これに迅速に対応するため、前記③の「企画力・技術力の強化」を推進してまいります。加えて、営業面においても市場環境に応じたスタイルへと柔軟に変化させるなど、営業力の厚みを増すことで、マイナスの影響の最小化を図るだけでなく、変化を当社の新たな強みへと転換できるよう努めてまいります。なお、ロシア・ウクライナおよび中東地域における当社の直接的な事業活動はございません。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況第58期(2025年4月1日~2026年3月31日、以下「当期」)における当社の関連市場である自動車産業は、新車乗用車販売台数(登録車+軽自動車)が前期比2.2%減となり、4年ぶりに前年実績を下回るなど、停滞感が強い市場環境となりました。 特に、登録車は7月以降9ヶ月連続で前年割れが継続し前期比4.9%減となった一方、軽自動車は4~6月に一昨年の出荷停止に伴う反動増があったことから年間を通してみると3.4%増となっておりますが、7月以降はほぼ前年横ばいの水準で推移しております。この要因としては、物価高や新車販売価格の上昇による消費者の購買意欲の低下に加え、メーカー各社の個別要因として、人気車種の受注枠制限やモデルサイクルの長期化による供給不足等が挙げられます。さらに外部要因として、年明けには「自動車環境性能割」廃止に伴う買い控えが発生した可能性も推測されます。中古車市場においては、中古乗用車登録台数(登録車+軽自動車)が前期比0.4%増となりました。登録車は新車市場の伸び悩みの影響や、輸出に流れた車両が多かったことなどにより前年を下回りましたが、流通量が回復した軽自動車の伸びが牽引し、全体として前年を上回りました。新車価格の上昇を背景に、割安な中古車を選択するユーザーは今後も増加する見通しであります。このような市場動向の下、当社グループは前期に引き続き、自動車販売事業者や自動車関連金融事業者などの取引先を中心に、商品・ソリューションの提供に積極的に取り組んでまいりました。 当社の主力商品である「CA Doctor」につきましては、提案書の幅と質の向上、業務支援システムとの連携、新規営業スタッフの育成支援、ブランディング向上への貢献など、複数の改善要素の積み上げによって商品力を強化した結果、顧客から良好な反応を得ることができ、業績回復の兆しが現れております。また、リース関連事業者や中古車事業者等からの当社商品・ソリューションに対するニーズは引き続き根強く、売上高は増加基調で推移しております。今後も、AI活用による商品機能の向上や、中古車事業の効率的な運用・強化に貢献する新商品の展開等を通じて、既存取引先とのさらなる関係深化と新規取引先の拡大を企図しております。これらの取り組みの結果、当期における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。 売上高は、1,733,471千円(前年同期比4.0%増)となりました。引き続きリカーリング(継続課金)の性質を持つ売上が大半を占めており、ストック売上としてフロー型ビジネスと比較して安定的に推移しております。 営業利益は、増収効果に加え、売上原価の低減(前年同期比8.4%減)が寄与し、604,256千円(前年同期比12.7%増)となりました。なお、売上原価の低減は、前年度に発生した一時的な償却負担の解消、ならびにシステム開発・運用の内製化や事業方針の変更等によるものであります。 経常利益は639,913千円(前年同期比8.6%増)となりましたが、親会社株主に帰属する当期純利益は、投資有価証券評価損等の計上により297,027千円(前年同期比10.2%減)となりました。 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上、法人税等の支払額及び配当金の支払、有価証券及び投資有価証券の取得による支出等により、889,632千円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動の結果得られた資金は659,752千円(前期比33.1%増)となりました。 主なプラス要因は、税金等調整前当期純利益521,937千円の計上及び、減価償却費87,416千円の計上によるものであります。主なマイナス要因は、法人税等の支払額156,845千円によるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果使用した資金は1,844,013千円(前期は135,168千円の使用)となりました。 これは主に、有価証券及び投資有価証券の取得による支出2,053,762千円によるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果使用した資金は133,774千円(前期比0.2%減)となりました。 これは、主に配当金の支払額133,569千円があったことによるものであります。 ③生産、受注及び販売の実績1.生産実績 該当事項はありません。2.受注実績 該当事項はありません。3.販売実績 当社グループでは、システム業務支援の単一セグメントであるためセグメント区分は行っておりません。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 当社の当連結会計年度の経営成績等は、以下のとおりであります。 (a)財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末における資産の額は4,900,060千円となり、前連結会計年度末に比べ517,697千円増加しております。これは、主に、有価証券の増加1,150,000千円の一方、現金及び預金の減少815,915千円及び顧客関連資産の減少50,000千円が主因であります。(負債) 当連結会計年度末における負債の額は855,489千円となり、前連結会計年度末に比べ174,150千円増加しております。これは、主に、未払法人税等が83,924千円及び繰延税金負債が83,423千円増加したことによるものであります。(純資産) 当連結会計年度末における純資産の額4,044,571千円となり、前連結会計年度末に比べ343,546千円増加しております。これは、主に配当金の支払額134,072千円がありましたが、親会社株主に帰属する当期純利益の計上297,027千円があったことにより、利益剰余金が162,955千円増加したことによるものであります。 (b)経営成績の分析(売上高) 当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度に比べ66,545千円増加し、1,733,471千円(前期比4.0%増)となりました。(売上総利益) 当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ98,625千円増加し、1,383,296千円(前期比7.7%増)となりました。(営業利益) 当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ30,530千円増加し、779,039千円(前期比4.1%増)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ68,095千円増加し、604,256千円(前期比12.7%増)となり、営業利益率は、2.6ポイント増加し、34.8%となりました。(経常利益) 営業外収益39,870千円を計上した一方、営業外費用4,213千円計上した結果、当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度末に比べ50,816千円増加し、639,913千円(前期比8.6%増)となりました。(当期純利益) 法人税等合計を225,720千円計上した結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度末に比べ33,802千円減少し、297,027千円(前期比10.2%減)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(a)キャッシュ・フローの分析 当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご覧ください。(b)資本の財源及び資金の流動性に係る情報 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、データ購入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に当社システム開発費用によるものであります。 当社は、運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することに努めております。運転資金は、自己資金を基本としております。当連結会計年度末における借入残高はありません。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は889,632千円となっております。 なお、当社はシステム業務支援の単一セグメントであるため、セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は記載を省略しております。 ③重要な会計方針及び見積り 当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。 連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、以下のとおりであります。 ・繰延税金資産の回収可能性 当社グループの連結財務諸表に計上されている繰延税金資産は、将来減算一時差異について、将来の収益力に基づく課税所得により回収が見込まれる金額に対して認識していますが、将来の課税所得の見積額の変動に伴い、回収可能と考えられる繰延税金資産の額が変動する可能性があります。 ・引当金等引当金については、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項、4会計方針に関する事項 (3)重要な引当金の計上基準」に記載しております。 ・投資有価証券の評価当社グループは、当社の事業戦略において、当社事業の拡大や成長につながると判断した企業の株式を取得する可能性があります。その場合、当該有価証券の評価は、市場取引価格等の市場情報、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチなどの一般的な株式価値評価アプローチについて検討し、対象に合った評価方法を採用し、採用した算出手順に基づき決定しています。具体的には、市場性のある有価証券については、市場における市場価格により評価しています。市場価格のない株式等については、将来キャッシュ・フローの割引現在価値、類似取引事例との比較、1株当たり修正純資産価値、及び第三者による鑑定評価等により評価しています。また期末時に市場価格のない株式等については主として原価法を採用し、その評価は1株当たり純資産と取得原価を比較して1株当たり純資産が著しく低下した場合に減損の要否を検討することとしております。経営者は、当社が保有する投資有価証券の評価は合理的であると判断しておりますが、特に市場価格のない株式等の評価には、その評価要素に不確実性が含まれるため、予測不能な前提条件の変化などにより評価に関する見積りが変化した場合には、結果として将来当社及び連結子会社における評価額が変動する可能性があります。
事業リスク
- 新商品開発と新規事業のリスク新たな業務支援サービスの開発や新規事業への参入には先行投資が必要であり、予測した収益を上げられない場合、業績や財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。特に、自動車関連市場の変化が速い中で、投資回収が遅れるリスクが考えられます。
- 有能な人材確保・育成のリスクサービスの質を維持・向上させるためには、優秀な開発スタッフの確保と育成が不可欠です。十分な人材を確保できなかったり、既存の人材が退職したりした場合、サービス品質の低下や事業展開の遅延につながり、将来的に人材投資コストが増加する可能性もあります。
- システムトラブルと情報管理のリスク事業の根幹であるコンピュータシステムやネットワークに、人為的過誤や自然災害、サイバー攻撃などによるトラブルが発生した場合、損害賠償やサービスへの信頼低下を招く可能性があります。また、顧客の機密情報や個人情報の漏洩が発生した場合は、信用失墜や業績・財務状況への悪影響が懸念されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に当社グループの経営成績等の状況に与える影響につきましては、合理的に予見することが困難であるため記載しておりません。当社はこれらのリスク発生の可能性を認識したうえで、可能な限り発生の回避に努め、また、発生した場合の的確な対応に努めてまいります。これらの項目のうち、将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ① 新商品開発と新規事業 当社グループの成長性を確保するため、自動車ファイナンス事業者に限らず広く自動車関連事業者向けの新たな業務支援サービスの開発を行うとともに、それに伴う新規事業への参入を進めており、開発または新規事業参入に必要な先行投資を行う可能性があります。当該先行投資を行った場合に、一定期間内に当初予測した収益を上げられなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。② 有能な人材の確保と育成 当社グループでは、自動車関連事業者に向けた総合的かつ幅広い業務支援サービスを提供しており、当社グループが提供するサービスの品質向上あるいは維持のためには、優秀な人材による開発体制が必要不可欠であると考えております。今後の更なる成長に向け、現在当社グループに在籍している人材と同等もしくはそれ以上の人材を採用して確保し、育成していくことが重要となります。 当社グループは引き続きこうした人材の確保・育成に努めてまいりますが、必要な人材を適時に確保できない場合、あるいは現在在籍している人材が予期せず退職した場合には、当社グループの提供するサービス品質や事業展開の計画に悪影響を及ぼす可能性があります。また、将来的に人材投資コストが増加する可能性があります。③ 人為的過誤、自然災害等によるシステムトラブル 当社グループでは、コンピュータシステム及びネットワークを活用することで事業の拡充を実現しております。そのため、セキュリティの強化をはじめ、ハッカーやコンピュータウイルス等に対しても現時点における最善の対策を講じるとともに、データ量やアクセス数の増加に応じた、データのバックアップ体制の構築及びハードウェアの増強等のシステムトラブル対策を講じております。 しかしながら、これらの対策にもかかわらず、人為的過誤、自然災害等によりシステムトラブルが発生した場合には、発生した損害の賠償や当社グループが提供するサービスに対する信頼の低下などによって、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。④ システム開発の外部委託 当社グループでは、システム開発の規模によっては、グループ外の企業に委託しております。また特定の委託先に依存しないよう、複数の委託先を確保し、それぞれと良好な関係を継続するよう努めております。当社グループがシステム開発を委託する企業は、開発実績もあり、安定的な取引を行っておりますが、これらの企業の経営環境等に問題が発生し、開発の委託が継続できなくなった場合、開発スケジュールに支障をきたすなど、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。⑤ 法的規制等 当社グループの業務遂行に関しては、様々な法律や規制の適用を受けております。これらの法律、規制等を遵守すべく、社内体制の確立や従業員教育等に万全を期しておりますが、万一当社グループに対して訴訟や法的手続が行われた場合には、多額の訴訟対応費用の発生や、損害賠償金の支払いの可能性があります。このような場合、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。⑥ 情報管理 当社グループは、自動車関連事業者へITサービスを提供する立場として、業務受託やシステム開発において、顧客の機密情報や個人情報に関与する業務を行っております。これらの情報管理を徹底することはもとより、当社自体の保有する内部情報、機密情報やノウハウの社外への流出を防止することを経営の重要課題のひとつと位置づけており、情報セキュリティ委員会を設置するなど、情報管理の重要性を認識した体制整備に取り組み、プライバシーマークを取得しております。 しかしながら、不正アクセスその他予期せぬ事態により、万が一、情報漏洩が発生した場合、当社グループの信用失墜につながり、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。⑦ 知的財産権 当社グループでは、知的財産権の侵害を行っていないものと認識しておりますが、当社グループの事業分野における知的財産権の完全な現況を把握することは困難であり、当社グループが把握できていないところで他社が特許権等を保有している可能性は否めません。また、今後当社グループの事業分野における第三者の特許権が新たに成立し、損害賠償または使用差止等の請求を受ける可能性もあり、その場合当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。⑧ 大規模災害等 地震、台風、津波等の自然災害や火災等の事故災害が発生し、当社グループの拠点等が被災した場合、その一部または全部の操業が中断し、当社サービスの提供ができなくなる可能性があります。また大規模災害等により、当社サーバーの保管場所への損害が発生し、システム提供に支障が生じた場合は、当社システム事業の収益に悪影響を及ぼす可能性があります。⑨ 海外進出 当社グループは、新たな成長機会を求めて当社ビジネスモデルの海外展開を進めておりますが、各国政府の予期しない法律や規制の変更、各種税制の変更、政治・社会及び経済情勢の変化や治安の悪化、為替変動や為替制限、商習慣の違いによる信用リスク、労働環境の違いや変化による労働争議リスク、人材確保の困難性、疾病の発生等、不測かつ不可避の事態が生じた場合は、投下資本の回収計画の遅延や、撤退等により、当社グループの業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。 以上の他にも当社グループが事業を遂行する過程におきましては、同業他社及び他業種企業と同様に、経済環境、自然災害、金融・株式市場の動向等、様々なリスクが内包されております。これらについて、どのような影響が発生しうるか予測することは困難でありますが、場合によっては当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。