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J−オイルミルズ(2613)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 油脂事業が主力
    J-オイルミルズグループは、主に食用油の製造・加工・販売を行う油脂事業を核としています。家庭用のサラダ油や業務用油、飼料となるミールなどが主要製品で、日々の食卓から外食産業まで幅広く供給し、安定した収益基盤を築いています。
  • スペシャリティフード事業
    乳製品代替品(PBF)や食品素材の製造・加工・販売を手掛けています。これは、健康志向の高まりや多様な食のニーズに対応するための事業で、油脂事業とは異なる専門的な技術やノウハウが求められます。
  • 多角的な事業展開
    油脂事業とスペシャリティフード事業の他に、不動産賃貸などの事業も展開しています。これにより、特定の事業に依存するリスクを分散し、グループ全体の収益安定化を図る多角的なビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 油脂事業
    売上高2,092.31億円、営業利益82.43億円を計上しており、グループ全体の収益の大部分を占める主力事業です。家庭用・業務用油脂やミールの製造・販売を通じて、日本の食生活を支える重要な役割を担っており、安定した収益源となっています。
  • スペシャリティフード事業
    売上高205.66億円、営業利益1.35億円と、油脂事業に次ぐ規模の事業です。乳系プラントベースフード(PBF)や食品素材の製造・販売を手掛けており、健康志向や多様な食のニーズに応えることで、今後の成長が期待される分野です。
  • その他事業
    主に不動産賃貸などを行っており、グループ全体の事業ポートフォリオの多様化に貢献しています。これらの事業は、特定の市場変動リスクを分散し、安定的な収益確保の一助となっています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
OilAndFatsReportableSegment 事業 2,092 82 3.9%
SpecialityFoodReportableSegment 事業 206 1 0.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|525 文字
3 【事業の内容】当社グループは、株式会社J-オイルミルズ(当社)、子会社6社、関連会社6社により構成され、油脂事業を中心に複数の事業を営んでおります。油脂事業は主に家庭用油脂・業務用油脂・ミールの製造・加工・販売を行い、スペシャリティフード事業は乳系PBF・食品素材等の製造・加工・販売を行っております。その他の事業は主にその他付帯業務、不動産賃貸等を行っております。当社グループの事業に係る位置づけおよびセグメントとの関連は次のとおりであります。なお、事業区分はセグメントと同一であります。(事業の系統図) (注)1.株式会社J-若松サービスは、2026年4月1日付で当社を存続会社とする吸収合併により消滅したため、子会社から除外されます。2.当社は、2026年5月28日付でPremium Fats Sdn Bhdの全株式を、当社関連会社であるPremium Vegetable Oils Sdn Bhdに譲渡いたしました。本譲渡に伴い、Premium Fats Sdn Bhdは子会社から除外されます。子会社株式の譲渡については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
原材料調達・為替相場等の変動に伴うコストアップ分を販売価格に反映できない場合があるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
独自の加工技術を用いた機能性澱粉の商品開発や、ISO9001、ISO22000/FSSC22000認証取得による品質・食品安全マネジメントシステム。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:原材料調達・為替相場等に関するリスク / 自然災害・感染症・事故等に関するリスク / 海外展開に関するリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 10 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

J-オイルミルズは「味の素KK」のグループ企業であり、味の素のブランド力や技術ノウハウの一部を活用できる可能性がある。ただし、独立した強力なブランドや特許による競争優位性は限定的と見られる。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

BtoB取引が中心であり、大手食品メーカーや外食産業との長期契約や、特定の用途に合わせた製品開発により、顧客の乗り換えには一定のコストや手間が発生する可能性がある。しかし、代替品の存在や価格競争力も考慮すると、スイッチング・コストは限定的。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果が働く事業モデルではない。製品の普及やブランド認知度向上は広告宣伝や販売チャネルによるものが主であり、ユーザー数の増加が直接的に製品価値を高める構造ではない。

コスト優位★★★☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

油脂製品の製造・販売において、原料調達力、生産効率、物流網の最適化により、一定のコスト優位性を構築していると考えられる。特に、大規模な生産設備や長年のノウハウがコスト競争力に寄与している可能性がある。

規模の経済★★★★☆
根拠:強い規模が参入障壁になる

日本の食用油市場において、主要プレイヤーの一つであり、一定の市場シェアを有している。大規模な生産能力と販売網を持つことで、規模の経済による効率的な事業運営が可能であり、中小企業に対する優位性を保っている。

  • 品質と供給の安定性
    長年にわたる油脂事業で培われた製造・加工技術と、国内外からの安定した原材料調達網が強みです。これにより、高品質な製品を安定的に市場に供給できる体制を確立しており、消費者や取引先からの信頼を得ています。
  • リスク管理体制の構築
    経営リスク委員会を設置し、原材料調達、自然災害、製品安全、情報漏洩など多岐にわたるリスクを特定・評価し、対応策を講じています。特に、原材料調達における為替変動や地政学リスクへのヘッジ戦略は、収益の安定化に寄与する競争優位性と言えます。
  • サステナビリティへの対応
    人権や気候変動・環境問題といったサステナビリティ関連のリスクにも積極的に取り組んでいます。これは、企業の社会的責任を果たすだけでなく、持続可能なサプライチェーンの構築や企業イメージ向上に繋がり、長期的な企業価値向上に貢献する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、2021年4月に、私たちの目指すべき未来、私たちの使命、私たちの価値/存在意義をあらわした、新たな企業理念体系を制定いたしました。同時に、コミュニケーションブランド「JOYL」を導入し、新企業理念体系を基にした企業活動およびすべてのステークホルダーの皆様とのコミュニケーションで「JOYL」を活用し、「JOYL」を受け皿として、生まれた価値を蓄積、資産化していきます。コミュニケーションブランド「JOYL」の下、「Joy for Life® -食で未来によろこびを®-」のビジョン実現に向け、ステークホルダーの皆様や社会、環境の「Joy」を「おいしさデザイン®」で創出し、社会課題の解決に貢献してまいります。 (2) 経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2025年度の経営環境について、インバウンド需要の回復基調は継続、国内経済は緩やかなプラス成長を維持しており、中食・外食市場を中心に需要は堅調に推移しました。一方で物流費・エネルギーコストや原材料価格の高止まり、円安の長期化など、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況にあります。また、気候変動対応、脱炭素社会への移行といった社会課題への対応も、これまで以上に重要性を増しています。このような環境下において、当社グループは2030年の目指す姿を見据え、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を推進しています。「Joy for Life®-食で未来によろこびを®-」の理念のもと、「おいしさ×健康×低負荷」を通じた社会課題の解決と企業価値の持続的向上に向けた取組みを一層強化し、事業ポートフォリオの高度化、海外展開の推進などの成長戦略を加速させ、企業価値のさらなる向上に努めます。 対処すべき課題は以下のとおりです。 <収益力強化の早期実現>バイオ燃料需要の拡大に伴うミールバリューの低下、物流費・人件費の上昇など、想定以上に厳しい事業環境変化に直面し、また油脂事業の収益力向上や新規事業・海外事業の収益化が計画どおりに進まず、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画の当初目標は未達となる見込みです。こうした現状を踏まえ、足元の収益力強化に向けて、2026年度は次の二点に最優先で取り組みます。第一に、販売価格適正化の早期実現です。2026年度は、販売重量よりも適正な市場価格形成に軸足を置き、既に公表した価格改定を着実に実行します。なお、足元の中東紛争等の不透明な状況に鑑み、引き続きコスト影響の水準を見極めつつ、安定供給を最優先に、さらなる価格改定を含めた必要な対策を講じます。第二に、DXの推進による業務革新に注力します。これまでの経験に依存した業務プロセスを、客観的なデータに基づく判断に転換し、業務の精度を徹底的に高めます。 <成長戦略>足元の収益力強化に加え、次期中計を見据えて「利益率の改善」と「期待収益率の向上」を推進します。具体的には、「おいしさデザイン®」の磨きこみと並行して対象範囲を川上・川下・海外市場へ拡げ、新たな価値創出と事業機会の獲得を目指します。家庭用油脂分野では、おいしさや品質といった価値が評価されているオリーブオイルに加え、機能性表示食品であるアマニ油・えごま油などのサプリメントオイルについても、健康志向の高まりを背景に、引き続き拡販に注力します。業務用油脂分野では、「SUSTEC®(サステック)」シリーズや業務負荷を低減する製品を展開するとともに、お客様の課題解決につながる提案活動を一層強化し、油脂と他素材との組み合わせによる「おいしさデザイン®」提案を通じて、お客様の商品・メニュー全体の付加価値向上につながる提案を進めます。海外事業においては、成長市場であるASEANを中心に、「おいしさデザイン®」を軸とした事業展開を進め、タイでは、J-OIL MILLS(THAILAND)Co.,Ltd.をASEAN戦略の起点として、これまでの油脂・スターチ販売に加え、マーガリンやショートニングなど加工油脂分野への展開を進めるため、体制強化を図ります。 <構造改革>これまで実行してきた不採算事業からの撤退や事業ポートフォリオの見直しにより、収益性の改善は着実に進展しており、これらの成果を一過性のものとせず、持続的な利益創出につなげるべく、原価低減、在庫水準の最適化、資産効率の向上といった取組みを継続的に推進します。DXの取組みについては、2025年11月1日に経済産業省が定める「DX認定制度」に基づく「DX認定事業者」としての認定を取得いたしました。今後は、営業・マーケティングにおける投資採算性の仕組みの活用や、全社的な倉庫管理システムの導入による在庫の適正化、物流効率の向上を図ることで、収益力の強化につなげます。 <経営基盤強化>人的資本経営の推進においては、2025年度に設置した人財委員会を通じて、次世代経営人財の育成基盤を整備するなど、成長戦略を実現する人財の育成を最重要テーマの一つとして取り組んでいます。サステナビリティ領域では、CO2排出量削減、プラスチック廃棄物削減、女性管理職比率向上などの目標達成に向け、気候変動対応およびDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)施策を継続して推進します。健康経営においては、2025年度から「リチャージデー」を導入するなど、従業員のウェルビーイングに資する取組みを推進しています。また、2026年4月1日付で完全子会社である株式会社J-若松サービスを吸収合併するなど、グループ全体のガバナンス強化および業務運営の効率化にも取り組んでいます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであり、その達成を保証するものではありません。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、2021年4月に、私たちの目指すべき未来、私たちの使命、私たちの価値/存在意義をあらわした、新たな企業理念体系を制定いたしました。同時に、コミュニケーションブランド「JOYL」を導入し、新企業理念体系を基にした企業活動およびすべてのステークホルダーの皆様とのコミュニケーションで「JOYL」を活用し、「JOYL」を受け皿として、生まれた価値を蓄積、資産化していきます。コミュニケーションブランド「JOYL」の下、「Joy for Life® -食で未来によろこびを®-」のビジョン実現に向け、ステークホルダーの皆様や社会、環境の「Joy」を「おいしさデザイン®」で創出し、社会課題の解決に貢献してまいります。 (2) 経営環境と優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題2025年度の経営環境について、インバウンド需要の回復基調は継続、国内経済は緩やかなプラス成長を維持しており、中食・外食市場を中心に需要は堅調に推移しました。一方で物流費・エネルギーコストや原材料価格の高止まり、円安の長期化など、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しい状況にあります。また、気候変動対応、脱炭素社会への移行といった社会課題への対応も、これまで以上に重要性を増しています。このような環境下において、当社グループは2030年の目指す姿を見据え、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を推進しています。「Joy for Life®-食で未来によろこびを®-」の理念のもと、「おいしさ×健康×低負荷」を通じた社会課題の解決と企業価値の持続的向上に向けた取組みを一層強化し、事業ポートフォリオの高度化、海外展開の推進などの成長戦略を加速させ、企業価値のさらなる向上に努めます。 対処すべき課題は以下のとおりです。 <収益力強化の早期実現>バイオ燃料需要の拡大に伴うミールバリューの低下、物流費・人件費の上昇など、想定以上に厳しい事業環境変化に直面し、また油脂事業の収益力向上や新規事業・海外事業の収益化が計画どおりに進まず、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画の当初目標は未達となる見込みです。こうした現状を踏まえ、足元の収益力強化に向けて、2026年度は次の二点に最優先で取り組みます。第一に、販売価格適正化の早期実現です。2026年度は、販売重量よりも適正な市場価格形成に軸足を置き、既に公表した価格改定を着実に実行します。なお、足元の中東紛争等の不透明な状況に鑑み、引き続きコスト影響の水準を見極めつつ、安定供給を最優先に、さらなる価格改定を含めた必要な対策を講じます。第二に、DXの推進による業務革新に注力します。これまでの経験に依存した業務プロセスを、客観的なデータに基づく判断に転換し、業務の精度を徹底的に高めます。 <成長戦略>足元の収益力強化に加え、次期中計を見据えて「利益率の改善」と「期待収益率の向上」を推進します。具体的には、「おいしさデザイン®」の磨きこみと並行して対象範囲を川上・川下・海外市場へ拡げ、新たな価値創出と事業機会の獲得を目指します。家庭用油脂分野では、おいしさや品質といった価値が評価されているオリーブオイルに加え、機能性表示食品であるアマニ油・えごま油などのサプリメントオイルについても、健康志向の高まりを背景に、引き続き拡販に注力します。業務用油脂分野では、「SUSTEC®(サステック)」シリーズや業務負荷を低減する製品を展開するとともに、お客様の課題解決につながる提案活動を一層強化し、油脂と他素材との組み合わせによる「おいしさデザイン®」提案を通じて、お客様の商品・メニュー全体の付加価値向上につながる提案を進めます。海外事業においては、成長市場であるASEANを中心に、「おいしさデザイン®」を軸とした事業展開を進め、タイでは、J-OIL MILLS(THAILAND)Co.,Ltd.をASEAN戦略の起点として、これまでの油脂・スターチ販売に加え、マーガリンやショートニングなど加工油脂分野への展開を進めるため、体制強化を図ります。 <構造改革>これまで実行してきた不採算事業からの撤退や事業ポートフォリオの見直しにより、収益性の改善は着実に進展しており、これらの成果を一過性のものとせず、持続的な利益創出につなげるべく、原価低減、在庫水準の最適化、資産効率の向上といった取組みを継続的に推進します。DXの取組みについては、2025年11月1日に経済産業省が定める「DX認定制度」に基づく「DX認定事業者」としての認定を取得いたしました。今後は、営業・マーケティングにおける投資採算性の仕組みの活用や、全社的な倉庫管理システムの導入による在庫の適正化、物流効率の向上を図ることで、収益力の強化につなげます。 <経営基盤強化>人的資本経営の推進においては、2025年度に設置した人財委員会を通じて、次世代経営人財の育成基盤を整備するなど、成長戦略を実現する人財の育成を最重要テーマの一つとして取り組んでいます。サステナビリティ領域では、CO2排出量削減、プラスチック廃棄物削減、女性管理職比率向上などの目標達成に向け、気候変動対応およびDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)施策を継続して推進します。健康経営においては、2025年度から「リチャージデー」を導入するなど、従業員のウェルビーイングに資する取組みを推進しています。また、2026年4月1日付で完全子会社である株式会社J-若松サービスを吸収合併するなど、グループ全体のガバナンス強化および業務運営の効率化にも取り組んでいます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報に基づき、当社グループが判断したものであります。 (1) 経営成績① 主原料・為替相場の動向主原料である大豆相場は、南米の豊作期待や米中通商摩擦の激化を背景に4月には1ブッシェル当たり9米ドル台まで下落いたしました。その後、米国における再生可能燃料の混合義務量引き上げや、米中関税協議の進展期待などを受けて上昇に転じ、米国産地での天候懸念も材料に9米ドル台後半から10米ドル台後半で推移いたしました。10月以降は、米中協議の進展を受けて中国による米国産大豆の輸入再開が確認されたことから上昇ペースを早め、一時11米ドル台後半まで上昇したものの、年末にかけては、南米産地での豊作期待が高まる中、10米ドル台中盤から11米ドル台で推移いたしました。2月以降は中東情勢の悪化などを背景に急上昇し、3月には12米ドル台まで上昇いたしました。菜種相場は、米国における再生可能燃料の混合義務量引き上げや、カナダ産地の天候懸念などを背景に、7月には1トン当たり700加ドル台中盤まで上昇いたしました。その後、カナダ産地の天候回復や中国によるカナダ産菜種へのアンチダンピング課税導入などから軟調に推移し、600加ドル付近まで下落いたしました。10月以降は、大豆相場の上昇に連れ高となる局面もありましたが、カナダ産菜種の豊作観測などを背景に再び下落傾向となり、500加ドル台まで下落いたしました。1月以降は、中加通商交渉の進展を受けて中国によるカナダ産菜種の買い付けが再開されたことから上昇傾向に転じ、中東情勢の悪化も加わり3月には700加ドル台まで急上昇いたしました。為替相場は、米国の関税政策に伴う世界経済減速懸念から、4月には一時1米ドル140円を超える円高ドル安が進行いたしました。その後、米国の経済指標や日米関税交渉の動向、日銀の利上げ先送り観測などを背景に円安ドル高傾向が続きました。10月以降は日本の積極財政への懸念から円売りが加速し、年始には1米ドル160円目前まで円安ドル高が進行いたしました。1月には日米協調によるレートチェックを受けて一時的に円高ドル安となる局面も見られましたが、その後も円安ドル高基調は継続し、中東情勢の悪化を受けて3月には1米ドル160円台に達しました。 ② 経営成績の状況連結損益計算書前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)売上高230,783226,574売上原価192,748192,492販売費及び一般管理費29,46229,677営業利益8,5724,404経常利益10,0315,781親会社株主に帰属する当期純利益6,9964,753 (売上高)当連結会計年度は、業務用油脂の販売は堅調に推移した一方、ミールについては相場の下落の影響を受け販売価格が下落したことから、売上高は2,265億74百万円(前年同期比1.8%減)となりました。(売上原価、販売費及び一般管理費)当連結会計年度は、為替相場の円安進行に加え、ミールバリューの歴史的低水準およびカナダ産菜種の油分低下などにより油脂コストは大幅に上昇しましたが、製造費用のコストダウン等により、売上原価は1,924億92百万円(前年同期比0.1%減)となりました。販売費及び一般管理費は、各種経費の抑制に取り組んだものの、物流費の上昇等の影響により、296億77百万円(前年同期比0.7%増)となりました。(営業利益)価格改定の浸透や高付加価値品の拡販を推進したものの、コスト上昇の影響を吸収できず、営業利益は44億4百万円(前年同期比48.6%減)となりました。(経常利益)受取配当金や持分法による投資利益の計上により、経常利益は57億81百万円(前年同期比42.4%減)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)投資有価証券売却益等を特別利益として計上し、特別損失では固定資産除却損や災害損失を計上しました。以上により、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は47億53百万円(前年同期比32.1%減)となりました。 ③ セグメントの概況 セグメントの名称売上高(百万円)セグメント利益(百万円)セグメント資産(百万円) 前年同期比(%) 前年同期比(%) 前期末比(百万円)油脂事業206,849△1.13,375△59.1134,5213,964スペシャリティフード事業18,991△7.7828513.116,003△1,528その他733△25.52004.0690△7全社----15,101△6,275合計226,574△1.84,404△48.6166,316△3,848 (油脂事業)油脂事業は、インバウンド需要の拡大や外食市場の回復を背景に、業務用油脂の販売が堅調に推移した一方、家庭用油脂は、物価上昇による節約志向の高まりにより需要が減少いたしました。収益面では、円安の進行や物流費・エネルギー価格の高止まりに加え、ミールバリューの歴史的低水準やカナダ産菜種の油分低下などにより油脂コストが大きく上昇いたしました。このような環境下において、価格改定の浸透や「SUSTEC®(サステック)」シリーズおよび「スマートグリーンパック®」などの高付加価値品の拡販を推進したものの、コスト上昇の影響が大きく、油脂事業全体では前年同期比で減収減益となりました。 <油脂部門>家庭用油脂は、販売数量は前年同期をやや上回ったものの、原料コストの軟化に伴うオリーブオイルの販売価格下落が影響し、売上高は前年同期をやや下回りました。環境負荷の低減やお客様の使いやすさが特長である「スマートグリーンパック®」においては、ラインアップの拡充やTVCMと連動した各種キャンペーンの展開などを通じ、引き続き拡販に努めました。業務用油脂は、インバウンド需要の拡大や国内の人流活性化による外食市場の回復、内食から中食へのシフトなどを背景に、販売数量、売上高ともに堅調に推移いたしました。食材コストの上昇や深刻化する人手不足などの顧客課題に対し、品質の劣化を抑えて長く使用できる「SUSTEC®(サステック)」シリーズや、調理にかかる時間や負荷を軽減する「調味油」「調理油」など、機能性を強化した高付加価値品の拡販に努めました。 <油糧部門>大豆ミールは、搾油量の増加により販売数量は順調に推移いたしましたが、シカゴ大豆ミール相場が下落したことから、販売価格は前年同期を下回りました。菜種ミールは、搾油量は前年同期と同程度だったものの、ミール歩留りの良化により、販売数量は前年同期をわずかに上回りました。一方、販売価格は大豆ミール相場に連動して下落し、前年同期を大きく下回りました。 以上の結果、当事業は、売上高2,068億49百万円(前年同期比1.1%減)、セグメント利益33億75百万円(前年同期比59.1%減)、セグメント資産1,345億21百万円(前期末比39億64百万円増)となりました。 (スペシャリティフード事業)スペシャリティフード事業は、不採算事業からの撤退や構造改革の推進により売上高は前年同期比で減収となりましたが、粉末油脂の価格改定効果や機能性スターチに特化した食品素材の販売強化により、前年同期比で増益となりました。 <乳系PBF部門>業務用油脂加工品は、コンビニやスーパー向けの菓子需要の堅調さに加え、大手製パン向けの販売が好調に推移いたしました。一方で、原材料価格の高騰を背景とした価格改定に注力したことにより、販売数量は低調に推移し、売上高は前年同期をわずかに下回りました。粉末油脂事業は、受注量の変動により販売数量は前年同期を下回りましたが、原料・為替相場の変動を販売価格に適切に反映した結果、売上高は前年同期を上回りました。 <食品素材部門>テクスチャーデザイン事業は、食品用澱粉において油脂事業との協働による「おいしさデザイン®」のソリューション提案を推進し、顧客価値の向上とともに拡販に努めました。一方、段ボール用途などの汎用スターチ終売の影響により、全体の販売数量および売上高は前年同期を大きく下回りました。ファインは、ビタミンK2の販売数量が前年同期を下回ったものの、全体の販売数量は順調に推移し、売上高は前年同期をわずかに上回りました。大豆たん白をベースとした大豆シート食品「まめのりさん®」は、主要販売先である北米向け出荷の伸長に加え、欧州や中東への取組みを強化した結果、販売数量、売上高ともに前年同期を大きく上回りました。 以上の結果、当事業は売上高189億91百万円(前年同期比7.7%減)、セグメント利益8億28百万円(前年同期比513.1%増)、セグメント資産160億3百万円(前期末比15億28百万円減)となりました。 (その他)その他の事業につきましては、売上高7億33百万円(前年同期比25.5%減)、セグメント利益2億円(前年同期比4.0%増)、セグメント資産6億90百万円(前期末比7百万円減)となりました。 ④ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)油脂事業174,400△0.3スペシャリティフード事業11,405△15.4合計185,806△1.4 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 金額は製造原価によっております。b. 受注実績当社グループは受注生産を行っておりません。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと次のとおりになります。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)油脂事業206,849△1.1スペシャリティフード事業18,991△7.7その他733△25.5合計226,574△1.8 (注) 1 セグメント間取引については相殺消去しております。2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合相手先前連結会計年度当連結会計年度販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)味の素株式会社48,77821.146,73620.6全国農業協同組合連合会23,01310.020,2558.9 ⑤ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、2026年度を最終年度とする第六期中期経営計画「Transforming for Growth」を推進しており、その達成・進捗状況は以下のとおりであります。2026年度は、基礎収益力の一層の向上および次期中期経営計画に向けた重点施策の検討・準備を進め、持続的成長に向けた強化を図ってまいります。 2021年度実績2022年度実績2023年度実績2024年度実績2025年度実績2026年度目標売上高201,551百万円260,410百万円244,319百万円230,783百万円226,574百万円-営業利益△21百万円734百万円7,243百万円8,572百万円4,404百万円110億円営業利益率△0.0%0.3%3.0%3.7%1.9%-ROE2.1%1.0%7.0%6.7%4.4%8.0%ROIC△0.0%0.4%3.7%4.6%2.4%5.0%EPS59.24円29.82円205.36円211.52円143.59円260円 (2) 財政状態連結貸借対照表前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)流動資産101,41595,686固定資産68,73370,621繰延資産158資産合計170,164166,316流動負債37,54028,767固定負債26,33526,447負債合計63,87655,214純資産106,288111,102負債純資産合計170,164166,316 (資産)当連結会計年度末における流動資産は956億86百万円で、前連結会計年度末に比べ57億28百万円減少しました。主な増加は、棚卸資産が11億9百万円、受取手形、売掛金及び契約資産が14億36百万円であります。主な減少は、有価証券が87億円、電子記録債権が5億93百万円であります。固定資産は706億21百万円で、前連結会計年度末に比べ18億87百万円増加しました。主な増加は、退職給付に係る資産が16億13百万円、有形固定資産が6億77百万円であります。主な減少は、無形固定資産が4億84百万円であります。これにより、総資産は1,663億16百万円(前期末比38億48百万円減)となりました。 (負債)当連結会計年度末における流動負債は287億67百万円で、前連結会計年度末に比べ87億73百万円減少しました。主な増加は、短期借入金が8億50百万円であります。主な減少は、1年内返済予定の長期借入金が61億90百万円、流動負債その他が19億36百万円、未払法人税等が6億60百万円、支払手形及び買掛金が3億92百万円であります。固定負債は264億47百万円で、前連結会計年度末に比べ1億11百万円増加しました。主な増加は、繰延税金負債が10億12百万円であります。主な減少は、退職給付に係る負債が7億20百万円、長期借入金が2億円であります。これにより、負債は552億14百万円(前期末比86億61百万円減)となりました。(純資産)当連結会計年度末における純資産は1,111億2百万円で、前連結会計年度末に比べ48億13百万円増加しております。主な増加は、利益剰余金が22億53百万円、退職給付に係る調整累計額が14億79百万円、その他有価証券評価差額金が4億30百万円、為替換算調整勘定が3億59百万円であります。 (3) キャッシュ・フロー① キャッシュ・フローの状況連結キャッシュ・フロー計算書前連結会計年度(百万円)当連結会計年度(百万円)営業活動によるキャッシュ・フロー18,2942,998投資活動によるキャッシュ・フロー△3,776△3,523財務活動によるキャッシュ・フロー△6,855△8,208現金及び現金同等物の増減額7,703△8,649現金及び現金同等物の期末残高11,9503,300 当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前年同期と比べ86億49百万円減少し、33億円となりました。営業活動によるキャッシュ・フローは、29億98百万円(前連結会計年度は182億94百万円)となりました。この主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上や売上債権および棚卸資産が増加したことによります。投資活動によるキャッシュ・フローは、△35億23百万円(前連結会計年度は△37億76百万円)となりました。この主な要因は、有形固定資産の取得による支出を計上したことによります。財務活動によるキャッシュ・フローは、△82億8百万円(前連結会計年度は△68億55百万円)となりました。この主な要因は、長期借入金を返済したことによります。 ② キャッシュ・フロー関連指標の推移 2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度自己資本比率(%)58.252.557.162.266.5時価ベースの自己資本比率(%)32.928.236.039.440.2キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)――1.41.57.4インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)――174.9161.526.9 (注)自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利払い※株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。※有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。※2021、2022年度のキャッシュ・フロー対有利子負債比率およびインタレスト・カバレッジ・レシオは、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載しておりません。 ③ 資本の財源主要な資金需要は、製造および販売活動に必要な運転資金、有利子負債の返済、配当金の支払い、法人税等の支払い、事業基盤整備のための設備投資、新規事業への投資であり、これらの資金需要に対しましては、営業活動によるキャッシュ・フローおよび内部留保資金、社債発行、金融機関からの借入により資金調達しております。 ④ 資金の流動性当社グループは、現金及び現金同等物において、グループ各社の余剰資金を一元管理することによって資金の効率化と金融費用の極小化を図っております。また、当座貸越契約、コミットメントライン契約、売掛債権の流動化による機動的な資金調達手段を備えており、十分な資金の流動性を確保しております。 ⑤ 財務政策当社グループは、資本効率性と格付を考慮した財務健全性の最適バランスを取りながら、営業活動によるキャッシュ・フロー創出力を強化し、持続的な企業価値の向上を追求していく方針であります。これにより、事業活動の維持に必要な手許資金の水準を確保するとともに、安定した株主還元と、企業体質の強化や積極的な事業展開のための成長投資など、長期的視野に立った安定的かつ適正な利益配分を行うこととしております。加重平均資本コスト(WACC)等を用いて資産効率向上を進めてROA等の改善を図ることとし、原料相場や為替相場の変動等による経営環境の変化を踏まえ、財務政策における目標値を見直すこととしております。なお、キャッシュ・フローの推移実績は以下のとおりであります。項目(億円)2021年度2022年度2023年度2024年度2025年度キャッシュ・イン 営業活動キャッシュ・フロー△168△10022418229 資産売却7412111219 借入金残高306446288242187キャッシュ・アウト 成長投資等5550445062 株主還元1611131924 有利子負債返済または調達(△は調達)△120△1391594655フリー・キャッシュ・フロー△148△137191145△5 (注)フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー+投資活動によるキャッシュ・フロー※借入金残高は、社債を含みます。 (4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを用いることが必要となりますが、これらの見積りについては過去の実績や現状等を総合的に勘案し合理的に判断しております。しかしながら実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。詳細は「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。 退職給付債務の算定当社グループは確定給付制度を採用しております。退職給付債務および勤務費用は、数理計算上の仮定を用いて退職給付見込額を見積り、割引くことにより算定しております。数理計算上の仮定には、割引率、昇給率、期待運用収益率等の様々な計算基礎があり、当該見積り及び当該仮定について、将来の不確実な経済条件の変動等により見直しが必要となった場合、退職給付に係る負債および退職給付費用の金額に重要な影響を与える可能性があります。 なお、棚卸資産(原材料)の評価および固定資産の減損については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 原材料調達・為替変動リスク
    大豆や菜種などの主要原料を海外から調達しているため、国際的な穀物相場の変動、為替レート(円安)、海上運賃の高騰が直接的に調達コストを押し上げます。これにより、製品価格への転嫁が難しい場合、利益率が大きく低下する可能性があります。
  • 自然災害・感染症リスク
    大規模な自然災害や感染症の発生は、生産設備の停止、物流網の寸断、従業員の健康被害などを引き起こし、製品の安定供給に支障をきたす恐れがあります。これは、売上減少や復旧費用発生により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
  • 製品の安全・品質リスク
    食品を扱う企業として、製品の安全性や品質に関する問題が発生した場合、大規模なリコールやブランドイメージの失墜につながる可能性があります。これにより、消費者からの信頼を失い、長期的な売上減少や企業価値の毀損に繋がる重大なリスクです。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|14,804 文字
3 【事業等のリスク】(1) 当社グループのリスクマネジメント体制当社グループは、経営会議の諮問機関として、社長執行役員を委員長とし、執行役員などをメンバーとする「経営リスク委員会」を設置しております。同委員会は、全社のリスクマネジメントを統括し、当社グループの経営に重大な影響を及ぼす可能性のあるリスク(経営リスク)の特定やそのリスクの低減に向けた取組み、顕在化したリスクに対する対応策など、リスクマネジメントに関する重要事項を審議しております。また、監査役(社外を含む)も出席し、必要に応じて助言等を行っております。経営リスク委員会で審議された内容は、その都度経営会議および取締役会に報告され、取締役会では、その報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しております。経営リスク委員会は、その傘下に「リスクマネジメント部会」および「コンプライアンス部会」を置き、両部会を統括管理することで、リスクマネジメントおよびコンプライアンスを中心とする内部統制システムの運用と維持管理の機能も果たしております。リスクマネジメント部会は、リスクの想定と予防、危機への対応を任務としており、コンプライアンス部会は、リスクマネジメントの重要な要素であるコンプライアンスを司り、従業員意識の向上やコンプライアンス違反への対処などを任務としております。特定した経営リスクには、それぞれリスク管理責任者が設定され、リスク管理責任者のリーダーシップの下、リスク対応計画の策定および具体的な施策に取り組みます。リスク管理責任者には、経営リスク委員会が指名したCxOを含む執行役員が充てられ、社長執行役員であるCEOは経営リスク全体を統括する責任者として位置づけております。当社各部門および子会社は、上記体制の下、自律的にリスク対応策に取り組めるよう、各リスク責任部門や各種委員会・会議等が指導・支援します。経営リスクのうち、人権や気候変動・環境問題などのサステナビリティに関連するリスクについては、サステナビリティ委員会が審議し、リスク対応策を検討、推進しております。 (2) リスクマネジメントプロセスマテリアリティや中期経営計画、行動規範等を踏まえ、またESG(環境・社会・ガバナンス)に関するリスクにも着目し、毎年度、経営リスクの見直しを行っております。2025年度においても、経営上のリスク認識を把握するべく、執行役員アンケートおよびトップインタビューを実施した上で、当社グループを取り巻く経営環境の変化や社会情勢などを踏まえ、また中長期的な視点での潜在リスクや経営課題なども鑑み、経営リスク委員会で審議し、2026年度の経営リスクを特定しました。また、リスク管理責任者として、CxOを含む執行役員を指名しました。特定した経営リスクについては、リスクを低減・防止する取組み施策が有効に機能しているかを半期に1回、経営リスク委員会がモニタリングしております。さらに、期中に発生したクライシス(リスクが顕在化し企業価値に重大な影響を及ぼすもの)については、当社社長執行役員CEOを最高責任者とし、リスクマネジメント部会長が陣頭指揮を執る危機管理体制を整備し、迅速・適切な対応を図っております。クライシス鎮静後は、経営リスク委員会の主導の下、発生したクライシスの真因分析を行った上で、是正措置を展開し全社的な再発防止に努めております。 経営リスクリスク管理責任者前期比較① 事業環境の変化に関するリスク常務執行役員CCO新規事業環境の変化が与える影響は、今後高まると考え、経営リスクとして新設しました② 原材料調達・為替相場等に関するリスク執行役員製油統括部長継続 ③ 自然災害・感染症・事故等に関するリスク副社長執行役員CTO継続 ④ 海外展開に関するリスク執行役員事業戦略統括部長継続 ⑤ 製品の安全、品質、安定供給に関するリスク副社長執行役員CTO継続「設備の老朽化等に起因する生産設備故障」を具体的なリスクとして追加しました⑥ 物流に関するリスク執行役員SCM統括部長継続 ⑦ 情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク副社長執行役員CTO継続 ⑧ 気候変動・環境に関するリスク副社長執行役員CTO継続「水リスク」を要素として追加しました⑨ 人権に関するリスク執行役員人事・法務統括部長CHRO継続 ⑩ 人財確保・労務に関するリスク執行役員人事・法務統括部長CHRO継続 ⑪ 資金調達に関するリスク執行役員財務・コーポレートコミュニケーション統括部長CFO継続「ESGの取組みに対する評価の低下」を要素として追加しました⑫ のれんや固定資産の減損損失に関するリスク執行役員財務・コーポレートコミュニケーション統括部長CFO継続 ⑬ 知的財産に関するリスク副社長執行役員研究開発統括部長CTO継続 ⑭ コンプライアンスに関するリスク執行役員人事・法務統括部長CHRO継続 ⑮ グループ経営体制の整備に関するリスク執行役員経営戦略統括部長CSO継続 (3) リスクテーマとそれに対する影響と対応有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、当社グループが定義する「経営リスク」であります。当社グループでは、特定した経営リスクを影響度および発生可能性で評価したリスクマップを作成し、当社グループへの影響を把握しております。なお、このリスクマップは、当社グループにおける状況から独自に評価したものであり、定期的に見直しを図っております。2025年度は、リスクマップの改善に取り組み、影響度および発生可能性について精度の向上を図りました。そして、特定した15の経営リスクについて、リスクマップの更新を含め、再評価を行い、経営リスク委員会でレビューしました。2026年3月期末時点におけるリスクマップは以下のとおりであります。 リスクマップを踏まえ、また他の委員会や会議体における審議事項との重複を避け、経営リスク委員会で重点的に討議するリスクを選定し、リスク対策の実効性を高めております。2025年度は、次の2つの経営リスクについて重点討議を行いました。・自然災害・感染症・事故等に関するリスク・製品の安全、品質、安定供給に関するリスク2026年度においては、さらに緊急性や発生可能性の高まりなども考慮し、次の2つについて、経営リスク委員会にて重点的に討議します。・自然災害・感染症・事故等に関するリスク・情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク 《事業環境の変化に関するリスク》○少子高齢化や人口減少ならびに消費者のライフスタイル変化等による国内油脂市場縮小と需要の低下○顧客の統廃合等の進展に伴う、取引先政策や販売政策の変更によるシェアの喪失 (影響)当社グループが主力とする大豆油・菜種油等の国内油脂市場は、少子高齢化や人口減少の進行に伴い、食用油脂の需要が中長期的に縮小する可能性があります。また、消費者のライフスタイルや価値観が多様化する中、こうした変化を十分に捉えた商品開発や商品構成の見直しが適切に行えなかった場合、当社グループの商品・サービスに対する競争力が低下する可能性があります。加えて、競争環境の激化を背景に顧客の統合・再編が進んだ場合、取引先の調達・販売政策の変化等により、当社グループの販売シェアや収益性に影響が生じるおそれがあります。(対応)当社グループでは、国内油脂市場の構造変化や需要動向を重要な経営課題として認識しており、基盤事業の競争力維持・強化に向けた取組みを進めております。具体的には、当社の強みである「油脂」や「スターチ」等の素材・技術を起点に、顧客および最終消費者のニーズを踏まえ高付加価値品・サービスの開発、商品構成の継続的な見直しや提案力の強化を通じて、顧客との取引基盤の安定化や長期的な関係構築に努めております。また、国内市場における需要動向の変化に伴う影響を緩和するため、海外市場への展開を通じた事業機会の拡大および地域分散を進めるとともに、食用分野にとどまらず、SAF(※1)等の非可食領域を含む新たな事業分野における事業開発にも取り組んでおります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献※1 SAF(Sustainable Aviation Fuel):持続可能な航空燃料 《原材料調達・為替相場等に関するリスク》○地政学リスクや各国の規制等による調達不能および調達コスト増加○バイオ燃料その他用途での需要増加による調達コスト増加○主要原料の品質変化、相場変動による調達コスト増加○為替・海上運賃などの相場変動による調達コスト増加○気温上昇や異常気象による収穫量減少や品質変化などによる原料の安定確保困難 (影響)当社グループは主要原料の大豆・菜種等を海外から調達するため、原料コストは海外の穀物相場の影響を受けております。穀物・油糧種子の相場は、世界人口の増加による需要の増加や異常気象による減産、バイオ燃料その他向けの新規需要の増加など、需給バランスの変化により大きく変動いたします。また、海上運賃(フレート)は世界経済の成長や石油価格の影響を受けて変動いたします。海外からの調達であるため、原料代決済において為替相場の影響を受けます。さらに、ミール相場が下落しますと、オイルコストの上昇につながります。当期において、大豆や菜種、パーム油などの原料コストは依然として高い水準にあり、ドル円為替相場も30年来の円安水準にあるなど、厳しい事業環境は継続しております。加えて、米国の関税施策による世界的なインフレ懸念や中東情勢の緊迫化による影響もあり、調達コストは増加し、原料や油脂の安定調達にも懸念が生じております。これらの穀物・油糧種子、為替、海上運賃、ミールなどの相場変動に伴うコストアップ分や価格が高い時点で調達した原料在庫を販売価格に反映できない場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に大きく影響を及ぼす可能性があります。また、原材料調達においては、安全性や品質の確保だけでなく、環境保全や労働者の人権問題など、サステナビリティの問題に積極的に取組むことも求められており、これらの課題に対応できないとみなされた場合、企業価値を損なう可能性があります。 (対応)当社グループは、海外からの原料や油脂の調達にあたり、原料・為替に関わる環境を精査の上、競争優位な産地の選定・最適な組合わせに努めております。値決めについては、商品先物取引を用いた売買と為替予約を用いた一定のヘッジを行うと同時に、原料購買規程、外国為替予約運用規程の範囲内で、製品の販売価格の確度を見極めながら競争優位と思われるポジションを取っております。また、新規の原料産地とサプライヤーの調査・採用も継続的に行っております。一方で、国内搾油産業の長期的な課題についての共有認識の下、油脂と油粕の安定的な供給を継続的に行うために、日清オイリオグループ株式会社と川上領域である搾油工程までを事業範囲とした製油パートナーズジャパン株式会社を設立し、その取組みを着実に実行しております。また、製品の価格改定の継続的な取組みや経費削減により収益改善を図ってまいります。さらに、持続可能な原料調達のため、「環境方針」や「人権方針」を基盤に「サステナブル調達方針・調達基準」を定め、サプライチェーン全体で持続可能な調達活動を推進しております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《自然災害・感染症・事故等に関するリスク》○大規模な地震、台風、集中豪雨、火災や爆発などの事故等による従業員等の人的被害、施設・設備等の損壊○感染症の蔓延による操業停止、製品供給の停滞○サプライチェーンの分断や社会インフラの機能停止による事業活動の継続困難 (影響)大規模な地震、台風、集中豪雨などによる災害リスクが年々高まってきており、人的被害、施設・設備等の損壊が生じた際には、安定供給に支障をきたす可能性があります。また、感染症が発生・蔓延した場合には、従業員の感染による操業停止やサプライチェーンの停滞などにより、当社グループの事業運営、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。さらに、海外輸入品に関しては、自然災害・感染症の他、国際情勢の変化により、物流の遅延・変更が生じた場合には、供給不安定になり、顧客に対する供給責任へ影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、食品事業などに携わるものとして、従業員の安全を確保した上で、お客様への供給責任と社会的責任を果たすことなどを基本方針としております。昨今の台風や豪雨に伴う水害等の発生頻度の高まりを受けて、危機管理体制の見直しを行い、有事・平時の危機管理体制を強化するとともに、BCPの見直しを通じて、委託先や協力先の確保などによる生産・供給体制の複線化を講じることで、災害に対する対応力強化を図っております。感染症対応については、発生した場合にも事業が継続できるよう、リモートワークの推進など、従業員間の接触頻度を極小化するなどの対応をフレキシブルに行える体制を整えて、今後も安定供給を実現してまいります。海外輸入品に関しては、適正な在庫確保と顧客への連絡・情報共有のスピード化で影響を最小限にする対応を行ってまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現コーポレートガバナンスの強化 《海外展開に関するリスク》○事業展開する地域における不利な影響を及ぼす法律・規制・税制等の変更○紛争・テロなどの発生、政治的・社会的情勢の変動、自然災害の発生○海外子会社におけるガバナンス不全による不正会計や不法行為の発生 (影響)当社グループは、海外事業の拡大を重点目標として取り組んでおります。法規や税制の改正、また紛争・テロなどの地政学リスクや自然災害の発生により、当社グループの財政状態及び経営成績、従業員の安全に影響を及ぼす可能性があります。特に昨今は異常気象による自然災害頻発に加え、国家間における緊張の高まりや、保護貿易的な政策転換による経済環境の変化といった、地政学的な要因が事業に及ぼす影響がさらに高まっております。また、海外子会社での不正・不法行為は、当社グループの財政状態及び経営成績に影響ならびに信用の棄損および企業価値の低下につながる可能性があります。(対応)リスク課題が発生した場合に迅速に対策が取れるように、事業が関係する海外各国の法規やリスク情報を外部コンサルタント、海外情報サービス、外務省の海外安全ホームページ、進出しているグループ企業、海外で協業しているパートナー企業などから入手しております。入手したリスク情報をもとに、リスクが顕在化する前の具体的対応ならびにその影響を最小限にするための対応を行っております。海外子会社での不正・不法行為に対しては、内部統制の強化と定期的な監査の実施などによる対応を行っております。(関連するマテリアリティ)食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献コーポレートガバナンスの強化 《製品の安全、品質、安定供給に関するリスク》○お客様への健康危害や表示等の法令違反、異物混入などによる製品回収の発生、および食品偽装やデータ改ざんの発生○外部委託先における品質、食品安全等に関する法令違反、事業中断、製造の遅延や不良品発生などによる欠品○設備の老朽化等に起因する生産設備故障による製品供給の停止 (影響)お客様への健康危害や表示等の法令違反により製品回収が発生した場合、異物混入および食品偽装やデータ改ざんが行われた場合、またはお客様への欠品リスクにつながるような設備故障による製造遅延や不良品が発生した場合は、当社ブランドの信頼失墜に加え、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、ISO9001に基づく品質マネジメントシステムを運用し、商品の開発・設計および工業化段階における品質アセスメントの実施ならびに仕組みの強化により、品質リスクの低減に取り組んでおります。また、全ての自社工場において食品安全マネジメントシステム(ISO22000またはFSSC22000)の認証を取得するとともに、サプライヤーおよび製造委託先を含めた品質監査を実施し、当社が定める基準に基づき、品質および食品安全に関する管理状況を継続的に確認しております。さらに、原料受入れから製品出荷に至るまでのトレーサビリティシステムを整備するとともに、製品回収体制を構築し、有事において迅速な対応が可能な体制を確保しております。加えて、品質および食品安全に関する従業員教育を継続的に実施し、内部統制の実効性向上および組織風土の醸成に努めております。また、お客様に安心して商品をご利用いただけるよう、お客様相談室に寄せられた、お客様の声を適切に収集・分析し、商品開発および品質改善に活かしてまいります。生産設備故障の予防のため、予防保全を基盤とした整備と、中長期更新計画と全社視点での投資判断を進め、トラブル未然防止と持続的競争力強化に取り組んでまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《物流に関するリスク》○ドライバーや荷役作業員の不足や配送車両を確保できないことによる製品供給の停滞や大幅な配送遅延等、適切な物流コスト管理の未実施による物流破綻○原料・包装資材の入荷遅延や停滞による生産および出荷の停止 (影響)ドライバーや倉庫作業者の不足などの物流危機に対する対応を講じなかった場合や物流業務に関する料金適正化を怠った場合、物流事業者が当社業務から撤退してしまう可能性があります。当社製品の供給停滞や大幅な配送遅延は販売機会の損失につながり、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、サステナブルな物流環境を構築するために、物流事業者とともにドライバーや倉庫作業者の労働環境の改善に努めております。具体的には、配送業務外の附帯作業の改善、納品待機時間の把握と長時間待機の削減、計画的な車両確保が出来るようなリードタイムの確保など物流環境改善や適切な料金設定を販売物流(発荷主)と調達物流(着荷主)の両面で進めております。また、行政方針に沿った活動に取り組んでおり、国内物流問題への対応を目指して2025年4月に施行された「物資の流通の効率化に関する法律」に沿った改善活動を進めながら、2026年に施行される「特定事業者」の役割を全うすべく、社内の取組み体制の構築と社外との連携強化を図っております。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《情報漏洩・サイバーセキュリティに関するリスク》○不正アクセスやコンピュータウイルスの感染、ランサムウェア等による情報の漏洩・改ざん・消失、ICT(※2)インフラ・生産ラインなどの停止○インシデント発生時の対応不備 (影響)年を追うごとに多様化・巧妙化するサイバーセキュリティリスクは、当社グループにおいても、サプライチェーン機能の安定的維持や個人情報を含む情報資産の適切な保持に対する大きな脅威となっており、コンピュータウイルスの感染や情報漏洩・データ改ざんが発生した場合、経営成績や社会的責任の遂行に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループでは、最新のサイバーセキュリティリスクについての動向を協力会社との連携により常に把握し、以下の観点から対策の継続的強化を図っております。1.社内ネットワークへの不正侵入を防御するシステムの導入、サーバーおよび従業員パソコンへの最新対策ソフトの導入。また、在宅勤務を前提にしたPC対策ソフトを導入。2.全社員を対象としたe-ラーニング実施、標的型攻撃メール訓練、セキュリティ自己点検による従業員へのセキュリティ意識向上と周知徹底。3.インシデント発生時の早期解決と被害局限化を実現するCSIRT(※3)の継続的強化。4.情報漏洩対策を目的とした、個人情報取扱いシステムのセキュリティ対策向上。5.ゼロトラストセキュリティ(※4)基盤への移行推進。また、今後も引き続き拡大するサイバーセキュリティリスクへの対策を講じるとともにインシデントが発生した場合に被害を最小化し迅速な回復を図るための対応手順強化に取り組んでまいります。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化※2 ICT(Information and Communication Technology):情報通信技術※3 CSIRT(Computer Security Incident Response Team):コンピュータシステムやネットワークに保安上の問題につながる事象が発生した際に対応する組織※4 ゼロトラストセキュリティ:社内外を問わず、すべてのユーザーやデバイス、ネットワークを最初から信用せず、アクセスのたびに厳格な認証や検証を行うことで情報資産を守る、新しいセキュリティの考え方。従来の「社内は安全」という前提を捨て、常に監視・確認を徹底することで、不正アクセスや情報漏洩のリスク低減を図る。 《気候変動・環境に関するリスク》○CO2排出規制強化による生産コスト増加○環境対策の対応不足や環境関連法令違反による企業価値の低下○生物多様性、水資源リスクへの対応不備による社会的信用の失墜 (影響)当社グループは、各工場でISO14001を取得し、また国や地方自治体に応じた環境法令等への対応や、環境トラブル防止に配慮した事業運営に取り組んでおりますが、環境対策の取組みが不十分な場合、当社の企業価値を損ね、資金調達や従業員の確保などに影響を及ぼす可能性があります。また、近年、自然資本や生物多様性に関する動きも加速しており、それらへの対応や情報開示が不十分とみなされた場合、社会的信用を失い、資金調達などに影響を及ぼす可能性があります。(対応)ESGの取組みは、当社グループの事業活動の基盤であり、競争力を左右する重要な要素と捉え、事業と一体となったESG経営を推進しております。環境負荷を極小化するために、省資源・省エネルギー、CO2排出量の低減、脱プラスチック、水資源の有効活用、バリューチェーンにおけるAIの活用に努め、資源の利用効率の最大化を図るためのゼロエミッションなどに積極的に取り組んでまいります。加えて、当社事業が依存し影響を与えている自然資本の状況を適切に把握し、生物多様性の保全、持続可能な資源利用を目指してまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現 《人権に関するリスク》○サプライチェーンにおける人権対応不備による企業価値の低下○ハラスメントなどの人権侵害 (影響)近年、サプライチェーン全体における人権尊重に対する社会的要請が世界的に高まっており、企業は自社のみならず、取引先や委託先を含めたサプライチェーン全体での人権への配慮と適切な対応が求められております。このような環境下において、サプライチェーン上で強制労働や差別、不適切な労働環境等の人権侵害が発生し、またはその対応が不十分であると認識された場合には、取引先との関係悪化や取引停止、不買運動の発生等を通じて、当社グループの企業価値やブランド価値が低下する可能性があります。また、当社グループの事業活動において、ハラスメントを含む人権侵害が発生した場合には、従業員の就労意欲や職場環境の悪化を招くのみならず、訴訟や行政対応等による直接的な影響に加え、社会的信用の低下を通じて、当社グループの経営成績及び事業継続に影響を及ぼす可能性があります。これらの事象は、経営リスク委員会において特定された重要な経営リスクとして、影響度および発生可能性の観点から管理すべきリスクに位置づけられています。(対応)当社グループは、「人権に関するリスク」を重要な経営リスクの一つと認識し、リスクマップを活用した影響度および発生可能性の評価、対応方針の策定ならびに進捗状況のモニタリングを継続的に実施しております。また、当社は2021年9月に国連グローバル・コンパクトに署名し、人権の保護、不当な労働の排除、環境への配慮および腐敗防止に関する10原則の順守と実践に取り組んでおります。こうした考えのもと、「サステナブル調達方針・調達基準」ならびに「パーム油調達方針」「大豆調達方針」を定め、原料・資材のサプライヤーに対して順守を要請するとともに、CSR調達セルフ・アセスメント質問表(SAQ)を通じて、人権を含むサステナビリティへの取組み状況の確認と対話を行っております。また、サプライチェーンを含めた人権尊重の重要性について、グループ会社を対象に含めた研修を実施し、意識の醸成を図っております。2026年度は、これまでの人権デューデリジェンスの結果を踏まえ、人権に関する負の影響の把握および評価の深化を図るとともに、重要な人権リスクへの対応の実効性向上を通じて、企業価値の低下につながり得るリスクの低減に取り組んでまいります。さらに、外部ステークホルダーが利用可能な苦情処理メカニズムを整備し、人権に関する懸念や問題を早期に把握し、適切に対応する体制の構築を進めてまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現多様性の尊重と従業員の働きがい向上 《人財確保・労務に関するリスク》○労働人口減少等における継続的な採用や育成が計画通りに進まないことによる、高度な専門性を持つ人財、多様な価値観を持つ人財および次世代を担う人財の不足○労働災害、労働関連法令違反や労務トラブル等による企業価値の失墜、損害賠償請求など (影響)日本全体における少子高齢化や労働人口の減少、雇用環境の変化、ならびに働き方やキャリアに対する価値観の多様化が進展する中、当社グループの事業戦略の遂行および中長期的な成長を支える高度な専門性を有する人財、次世代を担う人財、多様な価値観を有する人財の確保・育成・適正配置が、計画どおりに進まない可能性があります。このような状況が生じた場合には、研究開発力や技術力の低下、事業運営の停滞、組織の活力低下等を通じて、当社グループの事業活動、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、労働災害の発生や労働関連法令違反、ハラスメントを含む労務トラブル等が発生した場合には、損害賠償請求や行政指導等による直接的な損失に加え、社会的信用や企業価値の低下を招くおそれがあり、当社グループの経営成績及び事業継続に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、人的資本経営を重要な経営課題の一つと位置づけ、多様な人財が挑戦と成長を実感できる職場環境の整備を通じて、「サステナブルに強い個の創出」および「強い個が高いエンゲージメントをもってチームとして活躍すること」を目指しております。具体的には、公正で透明性の高い人事・処遇制度の構築と適正な運用を進めるとともに、高度な専門性を有する人財や次世代の経営を担う人財の計画的な育成に取り組んでおります。また、女性活躍やシニア活躍を含むDE&I(ダイバーシティ・エクイティ&インクルージョン)の推進、柔軟な働き方の導入、健康経営の推進等を通じて、多様な人財が継続的に能力を発揮できる環境づくりを進めております。加えて、労働安全衛生については、当社グループ共通の重要課題として位置づけ、毎年労働安全衛生目標を設定し、安全衛生教育の実施、安全衛生管理体制の整備、職場環境の改善等を継続的に実施しております。万一、労働災害や労務上の問題が発生した場合においても、迅速かつ適切な対応を行うとともに、原因分析と再発防止策の徹底を図ることで、リスクの低減に努めております。(関連するマテリアリティ)多様性の尊重と従業員の働きがい向上 《資金調達に関するリスク》○市中金利の上昇による金利負担の増加○金融市場の混乱による資金調達難○格付やESGの取組みに対する評価が低下した場合における資金調達難 (影響)当社グループは、銀行借入や社債発行、債権流動化などによる資金調達を行っております。市場金利が上昇した場合、または金融市場の混乱による取引金融機関の融資方針が変更された場合には、資金調達コストが増加し、当社グループの事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。これにより、格付会社による当社グループの信用格付やESGの取組みに対する評価が大幅に低下した場合には、資金調達条件の悪化や調達に制約が課される可能性があります。(対応)資金調達に際しては、短中期的な大規模資金需要も踏まえ、財務健全性に配慮した資金調達を行うこととし、資金需要の性質、金融市場環境、長短バランス、資金調達コスト、調達先の分散などを総合的に検討し、資金調達手法を選択しております。金利上昇リスクに対しては、社債や長期借入による固定金利での資金調達を併用することで、金利変動リスクの低減を図っております。格付低下リスクに対しては、定期的に自己資本比率やD/Eレシオなど格付け機関が重視する指標をモニタリングするとともに、適正水準の維持に努め、さらにキャッシュフロー創出力の向上、運転資本管理や政策保有株式縮減などによる資産圧縮を徹底し、資本効率の改善を目指しております。また、減損懸念資産や繰延税金資産の継続的なモニタリングを通じて自己資本毀損リスク規模を把握しております。あわせてESGの取組みに対する評価低下リスクに対しては、サステナビリティに関する取組みの推進や適切な情報開示を通じて、外部評価の維持向上に努めております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《のれんや固定資産の減損損失に関するリスク》○買収・資本参加した子会社等の業績不振、事業計画の大幅未達○固定資産の公正価値の下落 (影響)当社グループは、事業用の設備、不動産や企業買収などにより取得したのれんをはじめとする有形固定資産・無形固定資産を所有しております。こうした資産は、公正価値の下落や、金利の上昇、買収・資本参加した子会社等の業績が事業計画に対して大幅に未達となるなどにより、減損損失が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、投資案件について投融資委員会や経営会議において買収価格の妥当性を審議し、買収後のシナジー実現に向けた定期的なモニタリングおよび評価を実施しております。さらに、マクロ経済環境の変化を継続的に注視し、事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積りを定期的に見直すことで、減損の兆候を早期に把握し、減損処理の適否を適切に判断することで、資産価値の毀損回避および財務の健全性確保に努めております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 《知的財産に関するリスク》○競合他社による同様の技術開発に対し当社の知的財産の権利化が不十分なこと、あるいは競合他社により自社の知的財産を侵害されることによる競争優位性の喪失○第三者の知的財産権の侵害による販売の差し止めや損害賠償請求など (影響)知的財産の権利化が不十分なこと、あるいは発明を権利化した技術を他者に模倣・侵害されることにより、競争優位性が失われ、開発投資を充分に回収できなくなる可能性があります。この競争力の低下により、次への開発投資ができなくなることで、お客様に価値の高い製品の提供が難しくなる可能性があります。また、第三者の知的財産権の侵害により販売の差し止めや損害賠償請求を受けると、お客様への製品提供の継続が困難になるだけでなく、当社ブランドの信頼失墜につながる恐れがあります。これらの結果、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)知的財産部門からの開発や生産部門等の定期的な会議への参加や、相互連携による発明等の早期発掘により迅速に知的財産の権利化を実施するとともに、自社知的財産の保護に努め、侵害が疑われる際には適切に対処してまいります。また、製品化の際には、第三者の知的財産権の侵害調査を実施し、侵害による差し止めなどを未然に防ぐ仕組みを構築しております。さらに、知的財産の権利化の重要性や第三者の知的財産権の侵害リスクの認識を向上させるために、継続的な研修を実施してまいります。(関連するマテリアリティ)食の安定供給による持続可能な社会の実現食の安全安心を通じすべての人のウェルビーイングへ貢献 《コンプライアンスに関するリスク》○法規制や社会規範に反した行為や不正・ハラスメントなどの発生○法規制の変更や追加による事業上の制約 (影響)当社グループは、食品衛生法、食品表示法、JAS法等以外に、環境・リサイクル関連法規、独占禁止法などの様々な法的規制の下で事業展開しております。法規制や社会規範に反した行為や不正、またはハラスメントなどが発生した場合には、当社グループの信用の失墜により財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。また、法規制の変更や追加による事業上の制約などにより当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(対応)当社グループは、法規制および社会規範を遵守することを目的とした「J-オイルミルズ行動規範」を策定し、有効性の見直しを定期的に行うとともに、継続的な啓発と全社員を対象とした研修やeラーニングなどを実施することで周知しております。加えて、不正やハラスメントなどを早期に見出し、是正していくために社内外に内部通報窓口を設けることで、法規制や社会規範に反した行為などの発生を低減することを進めております。また、法規制の変更や追加に対応するため、法令改正情報を注視し、関連する法令改正に適切に対応してまいります。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 《グループ経営体制の整備に関するリスク》○グループガバナンスやグループ内における内部統制に重大な不備や弱点が認められた場合の改善に要する追加コストの発生○グループ戦略の立案や見直しが適切に行われないことによるシナジー効果の希薄化 (影響)当社は、国内外に子会社、関連会社を有しております。当社グループとしての企業価値の向上と業務の適正を確保する体制を整備しておりますが、グループ会社の統治が十分に機能せず、発生したインシデントの対応の遅れなどが生じた場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、業績に影響を及ぼす可能性があります。また、事業環境の変化に対してグループ戦略の策定・推進が適切に行われない場合には、グループ経営の効率化や競争力が低下する可能性があります。(対応)当社グループは、中期経営計画の策定と推進を通じて、グループ経営によるシナジー創出を推進し、企業価値向上に努めております。また、グループ会社の事業運営の独立性と自立性を尊重しつつ、グループ会社の内部統制の有効性を確保するため、「関係会社運営規程」において、管理項目ごとに報告等の手続き方法を定め、報告を受けることとしております。さらに、グループ会社トップミーティングや役員向けのガバナンス研修会の開催、グループ横断的支援体制の推進により、グループガバナンスの強化に努めております。(関連するマテリアリティ)コーポレートガバナンスの強化 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報にもとづき、当社グループが判断したものであります。

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