2805

ヱスビー食品(2805)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 香辛料と加工食品
    ヱスビー食品は、スパイスを主原料とする食料品の製造・加工を中核事業としています。即席カレー、チューブ製品(わさび、からし等)、レトルトカレーなど、家庭で日常的に使われる幅広い製品を提供しており、これらの製造・販売が主な収益源です。
  • 原材料の調達と供給
    同社は、製品の製造に必要な原材料(スパイスなど)の調達も自社グループで行っています。ヱスビー興産や峯栄興業といった関係会社が国内外から原材料を調達し、安定的な供給体制を築くことで、製品の品質と生産を支えています。
  • 海外市場での展開
    国内だけでなく、S&B INTERNATIONAL CORPORATION(米州)、S&B FOODS SINGAPORE PTE.LTD.(東南アジア、オセアニア)、S&B SPICE CANADA INC.(カナダ)などの海外子会社を通じて、加工食品の販売をグローバルに展開しています。これにより、海外市場からも収益を得るビジネスモデルを構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 食品事業(地域)
    このセグメントは、主に各種香辛料、即席カレー、チューブ製品、レトルトカレーなどの製造・販売、および関連原材料の調達を担っています。最新年度の売上高は1,162.49億円、営業利益は75.01億円と、同社グループの収益の大部分を占める主力事業です。国内外の広範な地域で展開されています。
  • 調理済み食品事業(事業)
    このセグメントは、主に調理済みの食品に関連する事業を指すと考えられます。最新年度の売上高は101.93億円、営業利益は2.32億円となっており、食品事業に比べると規模は小さいものの、同社グループの事業ポートフォリオの一部を構成しています。
  • 海外事業展開
    食品事業の一部として、米州、東南アジア、オセアニア、カナダなどで加工食品の販売を行っています。S&B INTERNATIONAL CORPORATIONなどがその役割を担い、海外市場での事業拡大を通じて、地域分散された収益基盤を構築しています。
2024-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FoodBusinessReportableSegment 地域 1,162 75 6.5%
CookedFoodReportableSegment 事業 102 2 2.3%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|663 文字
3【事業の内容】当社および当社の関係会社は、主としてスパイスを原料とする食料品の製造・加工会社を中心に、原材料・商品の供給および販売等を担当する会社をもって構成されており、当社および主な関係会社の位置づけは次のとおりであります。なお、当連結会計年度から、報告セグメントを変更しております。変更の内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」に記載のとおりであります。 (1) 国内事業各種香辛料、即席カレー、チューブ製品、レトルトカレー等の製造・販売のほか、関連する原材料の調達を行っております。当社が製造・販売を行うほか、下記の活動を行っております。・生産関係エスビーガーリック食品株式会社、ヱスビースパイス工業株式会社、株式会社ヱスビーサンキョーフーズ、株式会社大伸は、商品の製造を担当し、当社に納入しております。・原材料関係株式会社ヱスビー興産、峯栄興業株式会社は、輸入原料および国内原材料等の調達を担当しております。 (2) 海外事業各種香辛料、即席カレー、チューブ製品、レトルトカレー等の販売を行っております。当社が販売を行うほか、S&B INTERNATIONAL CORPORATION、S&B FOODS SINGAPORE PTE.LTD.、S&B SPICE CANADA INC.が当社より供給した商品を販売しております。 上記の状況について事業系統図を示すと次のとおりであります。 (注) ※1 連結子会社 ※2 非連結子会社で持分法非適用会社

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ブランド
長年の事業活動で培われた「ヱスビー食品」のブランド力と品質管理体制。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:市場環境の変化 / 原材料の調達 / 食の安全性の問題
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 9 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★☆☆
根拠:中程度ブランド・特許・許認可

ヱスビー食品は「赤缶カレー粉」や「マジックソルト」など、長年愛されるロングセラーブランドを複数保有。これらのブランドは、消費者の間で高い認知度と信頼を得ており、新商品投入時の優位性や価格決定力に繋がっている。特にカレー粉市場においては、長年の歴史と品質へのこだわりがブランドロイヤリティを形成している。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

家庭用調味料は、一度慣れた味や使い慣れたブランドを選ぶ傾向はあるものの、価格や新商品への関心から比較的容易にスイッチする可能性がある。業務用においては、特定のメニューやレシピに合わせた調味料を選ぶが、コストや供給安定性で代替品への切り替えも起こりうる。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

同社の事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は観察されない。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の事業運営で培われた調達力や生産効率は一定のコスト優位性をもたらす可能性がある。しかし、食料品業界は原材料価格の変動や競争激化により、構造的なコスト優位性を確立することは難しい。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

国内の香辛料・調味料市場において、ヱスビー食品は主要プレイヤーの一つであり、一定の規模の経済を享受している。特に、自社工場での生産や広範な販売網は、効率的な事業運営に寄与していると考えられる。

  • 多様な製品ラインナップ
    同社は各種香辛料から即席カレー、チューブ製品、レトルトカレーまで多岐にわたる製品を展開しており、消費者の多様なニーズに応えることができます。これにより、特定の製品カテゴリーに依存せず、幅広い顧客層を獲得しています。
  • 安定的な原材料調達網
    世界的な気候変動や需給バランスの変動リスクに対し、産地分散化やサステナビリティ調達方針により、原材料の安定的な調達に努めています。これにより、製品の安定供給とコスト変動リスクの軽減を図り、競争力を維持しています。
  • 品質管理と食の安全
    FSSC22000を取り入れた品質管理体制やトレーサビリティシステムの充実、フードディフェンスの強化により、製品の安全・安心を確保しています。これは消費者の信頼を得る上で非常に重要であり、ブランド価値を高める強みとなります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社および連結子会社(以下、「当社グループ」といいます。)が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、日々の活動の拠りどころとして、理念とビジョンを掲げております。この理念とビジョンのもと、従業員一人ひとりが同じ方向に向かって活動していくことで、組織力を高め、いかなる環境においても持続的に成長し、お客様の健康としあわせに貢献し続ける企業になることを目指しております。 ・創業理念「美味求真」お客様に喜んでいただくために、ただひたすら真っすぐに“本物のおいしさ”を追い求めます。 ・企業理念「食卓に、自然としあわせを。」一)常に研究を怠らず、創意工夫をこらして高い品質と新たな価値を創出します。二)常にお客様の視点で考え、心から満足していただける製品を追求します。三)常に自然に感謝し、食卓から幸せな生活と豊かな社会づくりに貢献します。・ビジョン「『地の恵み スパイス&ハーブ』の可能性を追求し、おいしく、健やかで、明るい未来をカタチにします。」また、当社グループは2023年の100周年を機に、コーポレートメッセージ「そこに、スパイス&ハーブ」を制定しております。「S&B」は SUN(太陽)& BIRD(鳥) に由来し、「社運が、日が昇る勢いであるように、また鳥が自由に大空をかけめぐるように、自社製品が津々浦々まで行き渡る」という願いが込められています。このコーポレートメッセージは、その願いを受け継いだものであり、世界中の笑顔ある食卓、夢ある暮らしの中に「S&B」の製品が選ばれ、使われる存在となることを目指しています。 今後も、お客様はもとより、株主・投資家、取引先、地域社会、そして従業員を含め、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、選ばれる企業になるべく、鋭意事業活動に取り組んでまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、理念とビジョンのもと、経営戦略2033を策定し、その実行計画として第4次中期経営計画を定めております。ビジョンの実現に向けた長期目標として、2043年に売上高2,000億円超、海外売上高比率40%超を目指し取り組んでまいります。 [経営戦略2033]事業環境の不確実性が高まり、市場構造や社会的な要請が変化するなか、この長期目標に向けては、100年以上にわたり培ってきた、当社グループの強みであるスパイスやハーブ、カレーに関する独自の知見と技術を、多様な形で発揮し続けていくことが重要であると考えております。経営戦略2033のテーマとして、「スパイス&ハーブの価値で食の世界を変える」を掲げ、2033年までを当社グループが価値創造の在り方を進化させていく期間と位置付けております。 経営戦略2033では、成長の源泉を磨き、事業を伸ばし、価値を広げていく、これらを循環させる考え方を、「3つのGrowth」としています。成長の源泉であるスパイス・ハーブ・カレーを軸にした知見と技術に磨きをかけスパイスとハーブを進化させること、海外事業の拡大と国内事業の確実な成長を実現していくこと、そしてスパイスとハーブの新たな価値を広げることに取り組みます。さらに、これらの成長(Growth)を支えるために、経営基盤の強化に取り組んでまいります。 [第4次中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)]第4次中期経営計画は、「価値を創造し続けるための体制構築」をテーマに、経営戦略2033の実行を支える体制づくりの期間と位置付けております。「強みを伸ばす」「成長を支える」「効率を高める」「基盤を固める」の4つの重点戦略のもと、事業の質を高めていくことを重視しております。これらの取組みを一体的に推進することで、持続的な成長を支える体制への転換を図り、スパイス・ハーブ・カレーに関する事業を通じて世界のお客様の健康としあわせに貢献するとともに、社会課題の解決に取り組んでまいります。 (3) 目標とする経営指標持続的な成長と企業価値の向上を目指し、事業領域の拡張や事業の再構築を通じた収益力の向上に加え、経営の効率化および財務体質の強化を進めております。経営指標といたしましては、収益性の観点から売上高営業利益率およびROEを重視し、また、海外事業の拡大を測る指標として海外売上高比率に対し目標値を設定しております。なお、ROEにつきましては、中長期的な成長に向けた今後の設備投資等を見据え、財務の健全性を確保するために一定の内部留保を考慮したうえで、8.0%を最低水準として設定しております。これらの指標を通じて、資本効率を意識した経営を進めてまいります。 2029年3月期中期経営計画 目標値売上高1,420億円営業利益120億円売上高営業利益率8.5%海外売上高比率14.8%ROE8.0%超 (4) 経営環境及び対処すべき課題今後の経済環境につきましては、中東地域をはじめとする不安定な国際情勢に加え、米国の通商政策の動向や金融資本市場の変動の影響などにより、原材料・エネルギー価格は一段と高い水準で推移するものと見込んでおります。食品業界におきましては、さらなる原材料価格等の高騰や物価上昇懸念によりお客様の節約志向が高まるなか、引き続き消費行動や市場構造の変化への対応が求められるものと想定されます。当社グループといたしましては、こうした経営環境を踏まえ、「(2)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております経営戦略2033および第4次中期経営計画に基づき、環境変化やお客様のニーズの変化・多様化に、柔軟かつスピーディに対応してまいります。世界的な気候変動、人口構造の変化、地政学リスクの高まりなど、企業を取り巻く社会環境は大きく変化しています。加えて、ライフスタイルや価値観の多様化が進むなかで、食品をはじめとする製品や企業活動に対しても、安全・安心の確保といった社会的責任への対応はもとより、栄養・健康を含む社会的な課題への対応など、幅広い観点からの取組みが求められております。 当社グループでは、このような社会環境の変化を背景として、事業活動を通じて取り組むべき重要な社会課題「マテリアリティ」を特定しております。第4次中期経営計画においては、これらのマテリアリティに基づき非財務目標を設定し、その達成に向けた取組みを推進することで、社会課題への対応を着実に進めるとともに、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。 コーポレート・ガバナンスにつきまして、当社では執行役員制度のもと、取締役と執行役員の役割を明確化しておりますが、2024年6月の監査等委員会設置会社への移行に伴い、重要な業務執行の決定権限を取締役会から取締役へ委任いたしました。これらにより、意思決定と業務執行のスピードアップを図り、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応いたしますとともに、取締役会の実効性を高めるための取組みを継続して進めております。また、今後持続的に企業価値の創出を実現していくため、業務執行体制のさらなる強化に向けて、2026年6月よりCxO体制の導入を予定しております。このような取組みを通じて、コーポレート・ガバナンスを一層充実させ、これまで以上にグローバルな企業価値向上を目指してまいります。また、当社グループ全体の内部統制の充実を図るとともに、企業活動を取り巻くさまざまなリスクに対しては「リスクマネジメント委員会」を中心として、継続的に管理体制を強化してまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社および連結子会社(以下、「当社グループ」といいます。)が判断したものであります。 (1) 会社の経営の基本方針当社グループは、日々の活動の拠りどころとして、理念とビジョンを掲げております。この理念とビジョンのもと、従業員一人ひとりが同じ方向に向かって活動していくことで、組織力を高め、いかなる環境においても持続的に成長し、お客様の健康としあわせに貢献し続ける企業になることを目指しております。 ・創業理念「美味求真」お客様に喜んでいただくために、ただひたすら真っすぐに“本物のおいしさ”を追い求めます。 ・企業理念「食卓に、自然としあわせを。」一)常に研究を怠らず、創意工夫をこらして高い品質と新たな価値を創出します。二)常にお客様の視点で考え、心から満足していただける製品を追求します。三)常に自然に感謝し、食卓から幸せな生活と豊かな社会づくりに貢献します。・ビジョン「『地の恵み スパイス&ハーブ』の可能性を追求し、おいしく、健やかで、明るい未来をカタチにします。」また、当社グループは2023年の100周年を機に、コーポレートメッセージ「そこに、スパイス&ハーブ」を制定しております。「S&B」は SUN(太陽)& BIRD(鳥) に由来し、「社運が、日が昇る勢いであるように、また鳥が自由に大空をかけめぐるように、自社製品が津々浦々まで行き渡る」という願いが込められています。このコーポレートメッセージは、その願いを受け継いだものであり、世界中の笑顔ある食卓、夢ある暮らしの中に「S&B」の製品が選ばれ、使われる存在となることを目指しています。 今後も、お客様はもとより、株主・投資家、取引先、地域社会、そして従業員を含め、すべてのステークホルダーの皆様から信頼され、選ばれる企業になるべく、鋭意事業活動に取り組んでまいります。 (2) 中長期的な会社の経営戦略当社グループは、理念とビジョンのもと、経営戦略2033を策定し、その実行計画として第4次中期経営計画を定めております。ビジョンの実現に向けた長期目標として、2043年に売上高2,000億円超、海外売上高比率40%超を目指し取り組んでまいります。 [経営戦略2033]事業環境の不確実性が高まり、市場構造や社会的な要請が変化するなか、この長期目標に向けては、100年以上にわたり培ってきた、当社グループの強みであるスパイスやハーブ、カレーに関する独自の知見と技術を、多様な形で発揮し続けていくことが重要であると考えております。経営戦略2033のテーマとして、「スパイス&ハーブの価値で食の世界を変える」を掲げ、2033年までを当社グループが価値創造の在り方を進化させていく期間と位置付けております。 経営戦略2033では、成長の源泉を磨き、事業を伸ばし、価値を広げていく、これらを循環させる考え方を、「3つのGrowth」としています。成長の源泉であるスパイス・ハーブ・カレーを軸にした知見と技術に磨きをかけスパイスとハーブを進化させること、海外事業の拡大と国内事業の確実な成長を実現していくこと、そしてスパイスとハーブの新たな価値を広げることに取り組みます。さらに、これらの成長(Growth)を支えるために、経営基盤の強化に取り組んでまいります。 [第4次中期経営計画(2027年3月期~2029年3月期)]第4次中期経営計画は、「価値を創造し続けるための体制構築」をテーマに、経営戦略2033の実行を支える体制づくりの期間と位置付けております。「強みを伸ばす」「成長を支える」「効率を高める」「基盤を固める」の4つの重点戦略のもと、事業の質を高めていくことを重視しております。これらの取組みを一体的に推進することで、持続的な成長を支える体制への転換を図り、スパイス・ハーブ・カレーに関する事業を通じて世界のお客様の健康としあわせに貢献するとともに、社会課題の解決に取り組んでまいります。 (3) 目標とする経営指標持続的な成長と企業価値の向上を目指し、事業領域の拡張や事業の再構築を通じた収益力の向上に加え、経営の効率化および財務体質の強化を進めております。経営指標といたしましては、収益性の観点から売上高営業利益率およびROEを重視し、また、海外事業の拡大を測る指標として海外売上高比率に対し目標値を設定しております。なお、ROEにつきましては、中長期的な成長に向けた今後の設備投資等を見据え、財務の健全性を確保するために一定の内部留保を考慮したうえで、8.0%を最低水準として設定しております。これらの指標を通じて、資本効率を意識した経営を進めてまいります。 2029年3月期中期経営計画 目標値売上高1,420億円営業利益120億円売上高営業利益率8.5%海外売上高比率14.8%ROE8.0%超 (4) 経営環境及び対処すべき課題今後の経済環境につきましては、中東地域をはじめとする不安定な国際情勢に加え、米国の通商政策の動向や金融資本市場の変動の影響などにより、原材料・エネルギー価格は一段と高い水準で推移するものと見込んでおります。食品業界におきましては、さらなる原材料価格等の高騰や物価上昇懸念によりお客様の節約志向が高まるなか、引き続き消費行動や市場構造の変化への対応が求められるものと想定されます。当社グループといたしましては、こうした経営環境を踏まえ、「(2)中長期的な会社の経営戦略」に記載しております経営戦略2033および第4次中期経営計画に基づき、環境変化やお客様のニーズの変化・多様化に、柔軟かつスピーディに対応してまいります。世界的な気候変動、人口構造の変化、地政学リスクの高まりなど、企業を取り巻く社会環境は大きく変化しています。加えて、ライフスタイルや価値観の多様化が進むなかで、食品をはじめとする製品や企業活動に対しても、安全・安心の確保といった社会的責任への対応はもとより、栄養・健康を含む社会的な課題への対応など、幅広い観点からの取組みが求められております。 当社グループでは、このような社会環境の変化を背景として、事業活動を通じて取り組むべき重要な社会課題「マテリアリティ」を特定しております。第4次中期経営計画においては、これらのマテリアリティに基づき非財務目標を設定し、その達成に向けた取組みを推進することで、社会課題への対応を着実に進めるとともに、中長期的な企業価値の向上につなげてまいります。 コーポレート・ガバナンスにつきまして、当社では執行役員制度のもと、取締役と執行役員の役割を明確化しておりますが、2024年6月の監査等委員会設置会社への移行に伴い、重要な業務執行の決定権限を取締役会から取締役へ委任いたしました。これらにより、意思決定と業務執行のスピードアップを図り、経営環境の変化に迅速かつ的確に対応いたしますとともに、取締役会の実効性を高めるための取組みを継続して進めております。また、今後持続的に企業価値の創出を実現していくため、業務執行体制のさらなる強化に向けて、2026年6月よりCxO体制の導入を予定しております。このような取組みを通じて、コーポレート・ガバナンスを一層充実させ、これまで以上にグローバルな企業価値向上を目指してまいります。また、当社グループ全体の内部統制の充実を図るとともに、企業活動を取り巻くさまざまなリスクに対しては「リスクマネジメント委員会」を中心として、継続的に管理体制を強化してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」といいます。)の状況の概要は以下のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が進むなど、緩やかな回復基調で推移したものの、不安定な国際情勢に加え、米国の通商政策の動向や金融資本市場の変動の影響などから、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。食品業界におきましては、原材料価格の上昇やエネルギー価格および為替の変動などによる、さらなる物価上昇懸念等の先行きへの不安から、お客様の節約志向が継続するなど、引き続き厳しい経営環境となりました。このような状況のなかで、当社グループは、企業理念・ビジョンのもと、2023年4月より開始いたしました第3次中期経営計画に基づき、「地の恵み スパイス&ハーブ」を核とした事業活動を推進するとともに、持続可能な企業と社会の実現を目指し、社会課題の解決に向けた活動にも全社一体となって取り組んでまいりました。当連結会計年度では、国内事業においては中期経営計画に掲げるパウダールウ製品をはじめとする高付加価値製品の販売強化などに努めるとともに、海外事業においては市場特性に応じた製品開発やマーケティング活動の強化などに努めてまいりました。社会課題の解決に向けた取組みといたしましては、環境負荷の低減を目的に、容器包装の見直しや、レトルト製品のレンジ対応化によるCO2排出量削減を推進してまいりました。また、資源の有効活用や新たな価値創出の観点から、アップサイクル製品の開発・販売にも継続的に取り組んでまいりました。以上の結果、当連結会計年度の売上高は、国内事業および海外事業ともに、スパイス&ハーブグループや香辛調味料グループが順調に推移いたしましたことから、前期比55億1百万円増の1,290億22百万円(前期比4.5%増)となりました。利益面につきましては、原材料価格等の上昇に加え、広告宣伝費や人件費の増加などがあったものの、国内事業および海外事業ともに売上高が増加いたしましたことから、営業利益は前期比8億75百万円増の103億18百万円(同9.3%増)、経常利益は前期比10億75百万円増の107億26百万円(同11.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8億44百万円増の84億9百万円(同11.2%増)となりました。 セグメント別の状況(セグメント間内部取引消去前)は、以下のとおりであります。なお、当連結会計年度から、報告セグメントを変更しております。変更の内容については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 セグメント情報等」に記載のとおりであります。(単位:百万円) 売上高セグメント利益2025年3月期2026年3月期増減額2025年3月期2026年3月期増減額国内事業111,166115,3954,2286,5136,447△65海外事業12,35613,6311,2742,9293,870941 調整△2△4△1--- 合計123,520129,0225,5019,44210,318875 (注)1.各セグメントの売上高は、セグメント間内部売上高消去前の数値を記載しております。2.売上高の調整額は、セグメント間の内部売上高であります。 ア.国内事業売上高は、前期比42億28百万円増の1,153億95百万円(同3.8%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は前期比65百万円減の64億47百万円(同1.0%減)となりました。イ.海外事業売上高は、前期比12億74百万円増の136億31百万円(同10.3%増)となりました。セグメント利益(営業利益)は前期比9億41百万円増の38億70百万円(同32.1%増)となりました。 製品区分別の状況は、以下のとおりであります。また、各製品区分別の売上高は出荷価格ベースのため、その合計は国内事業および海外事業の売上高と一致いたしません。なお、当連結会計年度から、製品区分の内訳を見直したことにより、前連結会計年度の製品区分別売上高を組み替えて比較・分析を行っております。<スパイス&ハーブ>「SPICE&HERB」シリーズをはじめとする洋風スパイスやシーズニングスパイスが伸長いたしました。また、業務用香辛料も伸長いたしました。以上の結果、売上高は前期比25億71百万円増の373億18百万円となりました。<即席>「赤缶カレーパウダールウ」が順調に推移いたしました。また、主力ブランドの「ゴールデンカレー」も堅調に推移いたしますとともに、昨年8月発売の「濃いカレー」も寄与いたしました。以上の結果、売上高は前期比15億11百万円増の458億46百万円となりました。<香辛調味料>「李錦記」ブランド製品および海外における「うまみトッピング」をはじめとしたラー油関連製品が伸長いたしました。また、お徳用タイプ等のチューブ製品も順調に推移いたしました。以上の結果、売上高は前期比20億70百万円増の502億19百万円となりました。<インスタント食品その他>パスタソースが減少したものの、家庭用製品を中心にレトルトカレーが順調に推移いたしました。以上の結果、売上高は前期比6億34百万円増の330億2百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」といいます。)は、投資活動により減少したものの、営業活動および財務活動により増加し、前連結会計年度末に比べ61億3百万円増加いたしました。加えて、連結の範囲の変更に伴う資金の増加19億36百万円があったことから、当連結会計年度末には274億80百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。(単位:百万円) 2025年3月期2026年3月期増減額営業活動によるキャッシュ・フロー8,4999,331832投資活動によるキャッシュ・フロー△2,300△5,288△2,987財務活動によるキャッシュ・フロー△8,7641,64210,407現金及び現金同等物に係る換算差額△44417461現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△2,6096,1038,712現金及び現金同等物の期首残高22,05019,440△2,609連結の範囲の変更に伴う現金及び現金同等物の増減額(△は減少)-1,9361,936現金及び現金同等物の期末残高19,44027,4808,039 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果獲得した資金は、93億31百万円となりました。これは主に、仕入債務の減少による資金の減少22億4百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益115億9百万円などがあったことによるものであります。前期と比較して獲得資金は8億32百万円増加いたしましたが、この要因は主に、売上債権の増加による資金の減少(71億65百万円)、棚卸資産の減少による資金の増加(26億81百万円)、その他の負債の増加による資金の増加(25億83百万円)による影響であります。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は、52億88百万円となりました。これは主に、定期預金の預入・払戻に伴う差引支出額13億円、有形固定資産の取得による支出28億11百万円などがあったことによるものであります。前期と比較して使用資金は29億87百万円増加いたしましたが、この要因は主に、定期預金の預入・払戻に伴う差引支出額の増加(12億99百万円)、投資有価証券の取得による支出の増加(9億38百万円)による影響であります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果獲得した資金は、16億42百万円となりました。これは主に、借入金の借入・返済に伴う差引収入額29億1百万円などがあったことによるものであります。前期と比較して獲得資金は104億7百万円増加いたしましたが、この要因は主に、借入金の借入・返済に伴う差引収入額の増加(115億73百万円)による影響であります。 また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は、以下のとおりであります。 2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)48.251.858.560.2時価ベースの自己資本比率(%)32.738.047.072.5キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)4,941.3608.2238.9247.8インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)1.411.122.320.6 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。 ③ 生産、受注及び販売の実績ア.生産実績当連結会計年度における生産実績を示すと、次のとおりであります。セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比(%)国内事業(百万円)120,249101.0海外事業(百万円)8,49797.2合計(百万円)128,746100.8 (注)金額は出荷価格によっております。 イ.商品仕入実績当連結会計年度における商品仕入実績を示すと、次のとおりであります。セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比(%)国内事業(百万円)14,455102.4海外事業(百万円)514135.5合計(百万円)14,970103.3 (注)金額は商品仕入価格によっております。 ウ.受注状況主要製品の受注生産を行っていないため、記載を省略しております。 エ.販売実績当連結会計年度における販売実績を示すと、次のとおりであります。セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)前期比(%)国内事業(百万円)115,395103.8海外事業(百万円)13,626110.3合計(百万円)129,022104.5 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、出荷価格ベースの売上高により、割合を算出しております。相手先 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)三菱食品㈱37,67923.638,10122.9三井物産㈱33,61521.132,03019.3国分グループ本社㈱28,33617.827,79316.7 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識および分析・検討内容は以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。当社グループの連結財務諸表作成において判断や見積りを要する重要な会計方針等につきましては、過去の実績等合理的と考えられる前提に基づき判断し、見積りを実施しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループの当連結会計年度の経営成績等は、概ね「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しておりますが、その主な要因等は次のとおりであります。 ア.財政状態の分析(資産)資産は、前連結会計年度末と比較して194億51百万円増加し、1,565億45百万円となりました。これは主に、現金及び預金の増加108億40百万円、投資有価証券の増加50億75百万円、売上債権の増加16億66百万円などがあったことによるものであります。(負債)負債は、前連結会計年度末と比較して54億68百万円増加し、622億94百万円となりました。これは主に、仕入債務の減少24億48百万円などがあったものの、借入金の増加29億1百万円、未払法人税等の増加20億90百万円、繰延税金負債の増加16億23百万円などがあったことによるものであります。(純資産)純資産は、前連結会計年度末と比較して139億82百万円増加し、942億50百万円となりました。これは主に、利益剰余金の増加79億60百万円、その他有価証券評価差額金の増加39億28百万円などがあったことによるものであります。この結果、自己資本比率は60.2%(前期58.5%)となりました。 イ.当連結会計年度の経営成績の分析(売上高)売上高は、前期比55億1百万円増の1,290億22百万円(前期比4.5%増)となりました。これは、「国内事業」および「海外事業」の売上高がともに増加したことによるものであります。セグメント別の状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。(営業利益)売上高の増加により、売上総利益は前期比23億34百万円増の361億32百万円(同6.9%増)となりました。また、販売費及び一般管理費につきましては、広告宣伝費や人件費等が増加したことなどにより、売上高に対する比率が20.0%(前期19.7%)に増加したものの、売上総利益も増加したことから、営業利益は前期比8億75百万円増の103億18百万円(前期比9.3%増)となり、売上高営業利益率は8.0%(前期7.6%)となりました。(経常利益)営業外損益につきましては、支払利息4億43百万円などがあったものの、受取配当金4億82百万円、為替差益2億59百万円などがあったことから、4億8百万円の利益となりました。なお、営業利益が増加したことにより、経常利益は前期比10億75百万円増の107億26百万円(前期比11.1%増)となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)特別損益につきましては、減損損失などの特別損失が3億49百万円発生しましたが、受取補償金などの特別利益が11億32百万円発生したことから、7億83百万円の利益となり、税金等調整前当期純利益は前期比18億11百万円増の115億9百万円(同18.7%増)となりました。なお、当期の税効果会計適用後の法人税等の負担率は26.9%(前期22.0%)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比8億44百万円増の84億9百万円(前期比11.2%増)となりました。この結果、ROEは9.6%(前期9.9%)となりました。 2025年3月期2026年3月期 売上高営業利益率7.6%8.0%自己資本比率58.5%60.2%ROE9.9%9.6% ウ.経営成績に重要な影響を与える要因当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載したとおりであります。 エ.資本の財源及び資金の流動性a.資本政策の基本方針当社グループは、事業活動により得られた資金の配分に関しましては、安定的な株主還元を行う中で、持続的な成長と企業価値の向上に資する事業や成長分野への投資へ配分するとともに、財務体質の強化と堅実な経営基盤の確保に努めることを資本政策の基本方針としております。財務体質の強化にあたっては、事業活動に必要な水準の現金及び現金同等物を保有し流動性を確保するとともに、今後の事業展開に向けた投資と内部留保の充実のバランスを勘案しながら、自己資本比率およびROEの維持向上を目指して参ります。 b.資金需要の内容当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製品製造に必要な原材料の調達費用や、製品販売のための販売促進費や広告宣伝費、物流費などの営業費用であります。設備投資需要のうち主なものは、製品製造のための建物等の建設費用および生産設備の購入費用であります。 c.資金調達事業の持続的な成長と企業価値の向上に向けた投資を行うにあたっては、主として営業活動によるキャッシュ・フローを源泉とする自己資金に加え、金融機関からの借入や社債発行等、外部からの資金調達を有効に活用しております。設備投資に関しては、獲得した営業キャッシュ・フローの範囲を原則としておりますが、手元流動性を確保するとともに、必要な資金については調達方法を勘案しながら、安定的かつ機動的に調達を実施しております。また、当社グループにおいて借入を行っておりますが、資金調達にあたっては当社が管理を行うことにより、当社グループ全体での資金効率の向上や金融費用の抑制に努めております。 d.資金の流動性現金及び現金同等物の水準と今後見込まれる営業キャッシュ・フローから、今後の事業活動に必要な手元流動性を充分に確保していると判断しております。また、金融機関と当座貸越枠やコミットメントライン等の設定を行い、緊急時における安定的かつ機動的な資金調達手段を備えております。手元資金のうち余剰資金につきましては、社内規定に基づき、安全性および流動性を重視した運用方針のもと、短期性・低リスクの金融資産等で適切に運用しております。

事業リスク

  • 市場環境の変化
    国内人口の減少や消費者の嗜好の多様化、パンデミック、国際紛争などが消費行動に急激な変化をもたらす可能性があります。これにより、製品の需要が減少し、売上や利益に悪影響を及ぼす恐れがあります。
  • 原材料の価格変動と調達難
    世界的な需給バランス、不作、為替変動、国際紛争などにより、原材料価格が大幅に上昇したり、調達が困難になったりするリスクがあります。特にスパイスなどの輸入原材料が多い場合、これが製品コストに直結し、収益を圧迫する可能性があります。
  • 食の安全問題の発生
    品質管理体制を強化しているものの、予期せぬ食の安全性に関わる問題が発生した場合、製品回収やブランドイメージの低下につながる可能性があります。これにより、消費者の信頼を失い、業績に重大な影響を及ぼす恐れがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,528 文字
3【事業等のリスク】[方針]当社グループは、社会的責任を果たすため、企業活動を取り巻くさまざまなリスクに備えた体制を整備しております。当社グループの経営に重大な影響を及ぼすおそれのあるリスクの回避、または軽減を図るため、「リスクマネジメント基本規程」や各種マニュアルを制定・作成しております。また、諸種のリスク管理を所管する「リスクマネジメント委員会」を設置し、リスク管理体制の構築と運用にあたっております。部門横断的な対応が求められるリスクに関しては、リスクの種類に応じて設置された専門部会が、それぞれ主体的にリスク対策を構築しております。専門部会は、リスクの発生を想定した訓練や従業員向けのeラーニングを定期的に実施するなど、不測の事態が発生した時に、迅速かつ適切に対応できるよう、平時からの備えを充実させております。また、各執行部門で管轄するリスクについても、同様の考え方に基づいて対応しております。リスクマネジメント委員会は、部門横断的な対応が求められるリスクや、各執行部門で管轄するリスク(オペレーショナルリスク)について、リスクアセスメント(特定・分析・評価)の実施、対応策の策定、管理状況のモニタリングを行っております。また、これらの活動に対して、コミュニケーションおよび協議を行い、適切なリスクマネジメント活動を推進しております。そして、定期的に取締役会に活動を報告し、取締役会から重大リスクへの対応を監督されております。有価証券報告書提出日現在のリスクマネジメント体制図は次のとおりであります。 [個別のリスク]有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場環境の変化当社グループの事業の大部分は、日本国内で展開しておりますが、国内人口は依然として減少傾向にあります。また、世帯構造の変化、生活習慣や嗜好の多様化などにより、製品に求められるものも複雑になってきており、市場環境の変化に対応した製品の開発に努めております。しかしながら、国内における長期的な人口減少や、パンデミック、自然災害、国際紛争(ウクライナや中東地域における地政学リスク等)や経済的緊張、人権問題等から生ずるお客様の消費行動の急激な変化など、市場環境が大きく変わる場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (2) 原材料の調達当社グループは、世界的な気候変動や需給バランス、作柄、国際相場などさまざまな調達リスクや市場の変化に素早く対応できるよう、原料により産地を分散化し安定的に調達できるよう努めております。さらに、サステナビリティ調達基本方針および人権方針によりサプライチェーン上での人権リスクの予防・低減を図っております。また、当社グループの製品の原材料は多岐にわたっているため、通常は特定の原材料の市況変動等が当社グループの業績に与える影響は大きくありません。しかしながら、世界的な需給バランスの変化や不作、調達国における法律等の変更や政治的混乱、国際紛争、関税の変動、長期間に及ぶ大きな為替変動等により原材料の大幅な価格上昇や調達量不足が生じた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (3) 食の安全性の問題当社グループは、製品の安全・安心を経営の重要課題と捉え、原材料調達および生産・流通の各段階において食の安全性や品質を確保するため、FSSC22000の管理手法を取り入れた品質管理体制の整備拡充と食品の安全および品質の文化の発展を進めるとともに、トレーサビリティをはじめ生産履歴に関する情報管理システムのさらなる充実に努めております。また、意図的な異物混入等に対するフードディフェンス(食品防御)について、生産工場の屋外管理・アクセス管理・施設内の工程管理・従業員教育等を進めております。しかしながら、食の安全性や品質に係る社会的な問題等、このような取組みの範囲を超えた事象が発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 法的規制等当社グループは、食品衛生法、日本農林規格等に関する法律(JAS法)、食品表示法、不当景品類および不当表示防止法、環境・リサイクル関連法規等の法的規制を受けております。当社グループにおいては、これらの法的規制等を遵守すべく体制の整備を図っておりますが、これらの法的規制が強化または現時点において予期し得ない法的規制等が設けられた場合には、当社グループの活動が制限される可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) 海外での事業展開当社グループは、米州や欧州、アジア、オセアニア、中近東など、世界各地域の小売店やレストランなどに向けて製品を販売し、海外事業を展開しております。各地域で異なる地域特性や法規制、市場ニーズなどを考慮しながら事業活動を展開しております。しかしながら、これら各地域の国々における法律等の変更や政治的混乱、関税の変動、国際紛争、パンデミック、自然災害等により予期せぬ事象が発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (6) 情報および情報システム当社グループは、開発、生産、販売その他の業務を情報システムにより管理しておりますが、これらのシステムは、サイバー攻撃への対策など、現在想定しうる適切な情報セキュリティ対策を実施し保護に努めております。また、当社グループは、販売促進キャンペーン等を通じ多くのお客様の個人情報を保持しておりますが、これら個人情報を含む重要情報は、改正個人情報保護法に対応し、会社情報取扱規程、情報セキュリティ管理規程等の社内規程に基づき適切な管理体制を構築するとともに、全役職員への周知を図っております。しかしながら、ソフトウェアや情報機器の欠陥、不正アクセス、コンピューターウイルスの感染、自然災害の発生など想定を超えた事象により、情報システムに障害が発生する可能性、および情報の消失、漏えい等の被害を受ける可能性があります。このような事態が発生した場合には、事業活動への支障、社会的信用の低下等により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (7) レピュテーション当社グループは、全役職員共通の規範・価値観を持ち、企業価値の向上に努めております。また、社会的に発せられる情報に対して、迅速・適切・冷静に対応しております。しかしながら、情報の内容・発信方法等によって企業価値が下がるような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (8) 自然災害等当社グループは、上田工場、東松山工場、宮城工場等の生産工場を有しております。大地震や台風等の風水害といった自然災害等の緊急事態に備え事業継続計画(BCP)、防災マニュアルを整備し、これに基づき対処する体制をとるとともに、定期的な訓練を行っております。しかしながら、設備の重大な被害、原材料のサプライチェーンおよび社会インフラ等の問題により生産に支障をきたした場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (9) パンデミック当社グループは、ウイルスや細菌等による感染症が急速に拡大した時を想定し、全役職員が速やかに適切な行動をとれるように対応マニュアルを作成しておりますが、これまでにない新型のウイルス等による感染症の発生・流行の拡大など、予期せぬ事象が発生した場合には、国内外における消費の低迷やサプライチェーンの混乱、全役職員や協力企業、取引先への感染等による事業活動への影響により、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (10) 人財流出当社グループは、活力ある企業であり続けるために、従業員一人ひとりが個性を発揮し、生き生きとやりがいをもって働くことができることが重要であると考え、さまざまな人事施策を検討・実施し、労働市場において一定の競争力を持ち得る処遇体系を整備しております。しかしながら、国内の少子高齢化や労働市場のグローバル化等を背景とした雇用の流動化に伴って人財確保の難易度は上がっており、計画した採用予定数の不足や予期せぬ人財の流出などが発生した場合には、間接的に当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (11) 社会・環境への責任当社グループは、水使用量削減、CO2排出量削減、廃棄物再資源化等の徹底を図り、関連する各種環境規制を遵守しております。また、人権・労働基準・環境等の社会的責任にも配慮した調達・生産活動を推進しており、さらにTCFD提言に沿った対応を進めてまいりますが、気候変動や社会環境問題への注目など、当社グループの取組みの範囲を超えた社会的現象や法的規制の強化が発生した場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (12) 取引先の経営状態による影響当社グループは、債権保全のため情報収集や与信管理を徹底し、債権の回収不能という事態の未然防止に注力しております。また、売上債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を貸倒引当金として計上しておりますが、このような取組みの範囲を超える予期せぬ取引先の経営状態の悪化が生じた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (13) 投資有価証券当社グループは、主に安定的・中長期的な取引関係の維持・強化を目的として主要取引先の株式を保有しております。今後、株式相場の状況によっては、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (14) 繰延税金資産当社グループは繰延税金資産について、回収可能性を検討し計上を行っておりますが、今後の業績動向等により、その回収可能性の判断に変更が生じた場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、税率の変更を伴う税制の改正等があった場合には、法定実効税率の変動による繰延税金資産の増減が生じ、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (15) 減損会計当社グループは、継続的に収支の把握がなされている単位を基礎として資産のグルーピングを行い減損の判定を行っておりますが、収益性の低下、地価の下落等により減損損失の計上が必要となった場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

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