事業の概要
- 即席めん中心の食品事業日清食品ホールディングスは、即席めんの製造・販売を中核事業としています。これは、カップ麺や袋麺といった手軽に食べられる食品を国内外で展開し、消費者の食生活を支えることで収益を上げています。
- 周辺事業への展開即席めん事業だけでなく、その他食品事業や物流業といった周辺事業にも手を広げています。これにより、食品製造から流通まで一貫したバリューチェーンを構築し、事業の多角化と安定化を図っています。
- 海外での事業拡大日本国内に留まらず、海外の現地子会社や関連会社を通じて即席めんなどの製造・販売を行っています。また、これらの海外法人への技術援助も実施しており、グローバル市場での事業領域を積極的に拡大し、成長機会を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- インスタント食品事業即席めんを主とするインスタント食品の製造及び販売が中核事業です。カップ麺や袋麺など、手軽に楽しめる食品を国内外の消費者に提供し、日清食品グループの主要な収益源となっています。
- その他食品事業即席めん以外の食品分野にも事業を展開しています。これにより、製品ポートフォリオを多様化し、消費者の幅広いニーズに応えることで、事業の安定性と成長性を高めています。
- 物流業等の周辺事業食品製造・販売を支える物流業など、周辺事業にも展開しています。これにより、サプライチェーン全体の効率化を図り、製品の安定供給を実現するとともに、事業の多角化を通じてグループ全体の収益基盤を強化しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3【事業の内容】 当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、持株会社制を採っており、即席めんを主とするインスタント食品の製造及び販売を中核として、その他食品事業、物流業等の周辺事業への展開を図っております。海外においても、現地子会社及び関連会社による即席めん等の製造・販売やこれら現地法人に対する技術援助などにより業域を拡大しております。 以上についての概要図は次のとおりであります。 なお、当社は特定上場会社等であります。特定上場会社等に該当することにより、インサイダー取引規制の重要事実の軽微基準については連結ベースの数値に基づいて判断することになります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 中程度 「チキンラーメン」、「カップヌードル」などの主力製品が永年にわたりお客様に親しまれている。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | ブランド 「チキンラーメン」、「カップヌードル」などの主力製品のブランド価値。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 低い(分散) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | ディフェンシブ |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:PL(製造物責任) / BCP(災害・事故) / コンプライアンス
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 13 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★★★★☆
「カップヌードル」「チキンラーメン」といった強力なブランド力と長年の歴史を持つ。特にカップヌードルは世界中で認知されており、海外売上高比率も4割を超える。長年のCM展開やキャラクター活用によるブランド浸透は他社が容易に模倣できない無形資産となっている。
スイッチングコスト★★☆☆☆
インスタントラーメンは一般的に価格や味の好みが乗り換えの主要因となるため、スイッチング・コストは低い。しかし、長年のブランドロイヤリティや習慣化された消費行動が一定の乗り換え障壁となっている可能性はある。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
インスタント食品の製造・販売事業において、直接的なネットワーク効果はほとんど見られない。ユーザーが増えることで製品価値が向上するような構造ではない。
コスト優位★★★☆☆
長年の経験と規模の経済により、効率的な生産体制を構築している。原材料調達や製造プロセスにおけるノウハウ蓄積は、一定のコスト優位性をもたらしていると考えられる。しかし、小麦粉価格の変動など外部要因の影響も受ける。
規模の経済★★★★☆
インスタントラーメン市場において、国内トップクラスのシェアを誇る。グローバルにも展開しており、生産・販売網の規模は大きい。この規模は、新規参入企業にとって大きな参入障壁となり得る。
- 厳格な品質管理体制食品メーカーとして、お客様に安全・安心な食品を提供するため、厳密な品質管理基準を設け、生産を行っています。高性能X線検査機の導入や原材料の自動トレースシステム、独自の食品安全監査基準(NISFOS)に基づく監査を通じて、異物混入対策や品質維持に努め、消費者からの信頼を獲得しています。
- 強固なリスク管理体制代表取締役副社長・COOを委員長とする「総合リスク対策委員会」を設置し、商品事故、BCP(事業継続計画)、コンプライアンス、情報セキュリティを重点リスクと位置付けています。3ラインモデルによる管理体制を確立し、リスクの予防・発見・管理・対応を行うことで、事業の安定性と継続性を確保しています。
- グローバルな事業展開と技術支援海外においても現地子会社や関連会社による即席めん等の製造・販売、およびこれら現地法人への技術援助を通じて業域を拡大しています。これにより、多様な市場でのブランド認知度向上と、地域ごとのニーズに合わせた製品開発・供給が可能となり、国際競争力を高めています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、創業者が掲げた「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」の4つの精神をもとに、常に新しい食の文化を創造し続ける「食文化創造集団」となり、環境・社会課題を解決しながら持続的成長を果たすことによって、グループ理念である「EARTH FOOD CREATOR」の体現を目指してまいります。また、総合食品企業グループとして、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディングコーポレーション」の実現を目指し、より一層、ゆるぎない経営基盤を築きながら、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題等当連結会計年度における世界経済は、世界秩序が大きな転換点を迎える中、地政学リスクのさらなる高まりに伴うマクロ環境の変化やエネルギー価格の高騰により、不安定な状況が継続しました。国内においては、雇用・所得環境の改善や設備投資の拡大を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、円安・金利上昇の進行等に伴う物価上昇や先行きへの不安感から、個人消費は低調に推移しました。かかる環境下、即席めん業界においては、引き続き相対的な価格の手頃感や利便性が評価され、付加価値の高いカップめんを中心にグローバルで需要が伸長し、世界総需要は過去最高となりました。こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 ① これからの利益成長への考え方 ② 中期的な経営課題 ③ “日清らしさ・強み”に立脚した取り組み ④ 「完全メシ」は、100億円ブランドへと成長・「完全メシ」とは「完全メシ」は、厚生労働省で策定されている「日本人の食事摂取基準」で設定されたビタミン・ミネラルなど33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求したブランドです。当社の最新フードテクノロジーを駆使することでたんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素のほか、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく整え、さらに栄養素独特の苦みやエグみを抑えることで、普段の食事と変わらないおいしさを実現しています。 ・ブランド認知とビジネス展開の加速「完全メシ」は、カップメシやカップめんなどの常温品・冷凍食品にとどまらず、社員食堂での提供、小売店のお惣菜弁当、他メーカー様とのコラボ商品など、多様な形で展開しています。2025年度には新たにパンやジェラートまでカテゴリーを広げることができました。加えて同年度より、米国や欧州でも「KANZEN MEAL」として本格展開を開始しています。今後もより多くのシーンで「完全メシ」をお届けし、認知拡大とビジネスの加速を図ってまいります。 ⑤ EARTH FOOD CHALLENGE 2030 日清食品グループ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指したさまざまな取り組みを進めています。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループは、創業者が掲げた「食足世平」「食創為世」「美健賢食」「食為聖職」の4つの精神をもとに、常に新しい食の文化を創造し続ける「食文化創造集団」となり、環境・社会課題を解決しながら持続的成長を果たすことによって、グループ理念である「EARTH FOOD CREATOR」の体現を目指してまいります。また、総合食品企業グループとして、各カテゴリーの中で常にNo.1ブランドを創造・育成していき、No.1ブランドの集合体として形成される「ブランディングコーポレーション」の実現を目指し、より一層、ゆるぎない経営基盤を築きながら、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に努めてまいります。 (2)経営環境及び対処すべき課題等当連結会計年度における世界経済は、世界秩序が大きな転換点を迎える中、地政学リスクのさらなる高まりに伴うマクロ環境の変化やエネルギー価格の高騰により、不安定な状況が継続しました。国内においては、雇用・所得環境の改善や設備投資の拡大を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、円安・金利上昇の進行等に伴う物価上昇や先行きへの不安感から、個人消費は低調に推移しました。かかる環境下、即席めん業界においては、引き続き相対的な価格の手頃感や利便性が評価され、付加価値の高いカップめんを中心にグローバルで需要が伸長し、世界総需要は過去最高となりました。こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 ① これからの利益成長への考え方 ② 中期的な経営課題 ③ “日清らしさ・強み”に立脚した取り組み ④ 「完全メシ」は、100億円ブランドへと成長・「完全メシ」とは「完全メシ」は、厚生労働省で策定されている「日本人の食事摂取基準」で設定されたビタミン・ミネラルなど33種類の栄養素とおいしさの完全なバランスを追求したブランドです。当社の最新フードテクノロジーを駆使することでたんぱく質、脂質、炭水化物の三大栄養素のほか、ビタミン、ミネラル、必須脂肪酸もバランスよく整え、さらに栄養素独特の苦みやエグみを抑えることで、普段の食事と変わらないおいしさを実現しています。 ・ブランド認知とビジネス展開の加速「完全メシ」は、カップメシやカップめんなどの常温品・冷凍食品にとどまらず、社員食堂での提供、小売店のお惣菜弁当、他メーカー様とのコラボ商品など、多様な形で展開しています。2025年度には新たにパンやジェラートまでカテゴリーを広げることができました。加えて同年度より、米国や欧州でも「KANZEN MEAL」として本格展開を開始しています。今後もより多くのシーンで「完全メシ」をお届けし、認知拡大とビジネスの加速を図ってまいります。 ⑤ EARTH FOOD CHALLENGE 2030 日清食品グループ環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指したさまざまな取り組みを進めています。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載しております。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、世界秩序が大きな転換点を迎える中、地政学リスクのさらなる高まりに伴うマクロ環境の変化やエネルギー価格の高騰により、不安定な状況が継続しました。国内においては、雇用・所得環境の改善や設備投資の拡大を背景に、景気は緩やかな回復基調で推移しましたが、円安・金利上昇の進行等に伴う物価上昇や先行きへの不安感から、個人消費は低調に推移しました。かかる環境下、即席めん業界においては、引き続き相対的な価格の手頃感や利便性が評価され、付加価値の高いカップめんを中心にグローバルで需要が伸長し、世界総需要は過去最高となりました。こうした中で、当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」で掲げたビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 a. 財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,327億33百万円増加し、9,811億95百万円となりました。 当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ848億17百万円増加し、4,213億77百万円となりました。 当連結会計年度末の資本合計は、前連結会計年度末に比べ479億15百万円増加し、5,598億17百万円となりました。 なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。 b. 経営成績 当連結会計年度の経営成績は、売上収益では前期比1.5%増の7,881億31百万円となりました。利益面では、既存事業コア営業利益(注1)は前期比15.5%減の706億2百万円、営業利益は前期比16.2%減の623億30百万円、税引前利益は前期比15.3%減の650億81百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は前期比17.5%減の453億80百万円となりました。 また、為替変動による影響を除くと、売上収益では前期比1.3%増の7,867億47百万円、既存事業コア営業利益は前期比16.1%減の701億30百万円となりました。(注2) なお、詳細につきましては「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。 (注1)既存事業コア営業利益とは、営業利益から新規事業にかかる損益及び非経常損益としての「その他収支」を控除したものであり、中長期成長戦略上、2022年3月期以降、積極的かつ継続的な先行投資を予定する新規事業にかかる損益を分離し、その成長投資の基盤となる既存事業の実質的な成長を測定することを目的に採用している指標であります。(注2)2026年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。 <連結業績> (単位:百万円)区分前連結会計年度当連結会計年度前期比自 2024年4月1日至 2025年3月31日自 2025年4月1日至 2026年3月31日金額%売上収益776,594788,13111,5371.5既存事業コア営業利益83,53970,602△12,937△15.5営業利益74,36962,330△12,038△16.2税引前利益76,79865,081△11,716△15.3親会社の所有者に帰属する当期利益55,01945,380△9,639△17.5 報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 当連結会計年度より、報告セグメントごとの業績をより適切に反映させるため、グループ関連費用の配賦方法を変更しております。なお、前連結会計年度のセグメント情報は、変更後の算定方法により作成したものを開示しております。 (日清食品)日清食品㈱の販売状況は、カップめん類、カップライス類が売上を伸ばし、前期比で増収となりました。カップめん類では、「カップヌードル」群が順調に推移し、特に2025年9月にリニューアルした「カップヌードル BIG」シリーズが売上に貢献しました。カップライス類は新製品が売上に大きく貢献し順調に推移しました。袋めん類では、主要ブランドである「チキンラーメン」、「出前一丁」、「日清焼そば」の売上が堅調に推移し、2026年3月発売の新ブランド「日清辛ミョン」シリーズが売上に貢献しました。利益面では、原材料価格や物流費の上昇等により減益となりました。この結果、報告セグメントにおける日清食品の売上収益は、前期比1.3%増の2,419億40百万円、コア営業利益(注3)は、前期比3.9%減の325億96百万円、営業利益は、前期比5.9%減の321億47百万円となりました。 (明星食品)明星食品㈱の販売状況は、カップめん類、袋めん類とも、前期比で増収となりました。暑さの長期化を見据えた「汁なし麺」のマーケティング戦略が奏功したほか、「主食麺シリーズ」において麺へのこだわりを追求し、袋めんが主食となり得ることを示した価値提案が好調な売上につながりました。カップめん類では、「明星 一平ちゃん夜店の焼そば」シリーズ、「明星 ぶぶか油そば」が引き続き好調に推移しました。袋めん類では、「明星 チャルメラ」シリーズが売上に貢献しました。利益面では、原材料価格や物流費の上昇等がありましたが、増収効果等により、前期比で増益となりました。この結果、報告セグメントにおける明星食品の売上収益は、前期比6.5%増の483億2百万円、コア営業利益(注3)は、前期比9.6%増の33億68百万円、営業利益は、前期比9.9%増の34億43百万円となりました。 (低温・飲料事業)チルド事業は、爆盛商品が話題となった「つけ麺の達人」、「まぜ麺の達人」、ラインナップを拡大した「麺の達人」、「スープの達人」等のラーメン群が好調に推移したほか、CVS(コンビニエンスストア)向け調理麺も貢献し、前期比で増収となりました。利益面では、原価率の上昇等によるコストアップがありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。冷凍事業は、「冷凍 日清スパ王喫茶店」、「冷凍 日清中華」シリーズが好調に推移、CVS向け冷凍ラーメンも売上増加に貢献。また、価格改定効果も寄与したことで、前期比で増収となりました。利益面では、原材料価格等のコストアップがありましたが、増収効果により前期比で増益となりました。飲料事業は、睡眠ブームのピークアウトによる「ピルクルミラクルケア」シリーズの販売減に加え、CVS向け売上が低調に推移し、また、秋の新製品「ピルクル免疫スタイル」「ピルクルエイジングライフ」の発売及び「十勝のむヨーグルト」リニューアル実施の寄与も限定的にとどまり、前期比で減収となりました。利益面では、減収の影響に加え、関西工場増築に伴う減価償却費の増加及び広告宣伝費の増加等により、前期比で減益となりました。この結果、報告セグメントにおける低温・飲料事業の売上収益は、前期比2.8%増の1,041億67百万円、コア営業利益(注3)は、前期比9.6%減の77億69百万円、営業利益は、前期比10.2%減の77億21百万円となりました。 (菓子事業)㈱湖池屋は、「ピュアポテト」のリニューアルやコーン系ブランドの好調に加え、ポテト主要ブランドの価格改定により増収となりました。一方、北海道産馬鈴薯の不作及び夏場の高温の影響により収量が減少し、これに伴う数量減や品質低下による歩留まり悪化、材料費の増加等により減益となりました。日清シスコ㈱は、積極的なマーケティング施策により、「ごろグラ」シリーズ等のシリアル及び「ココナッツサブレ」シリーズが堅調に推移し、増収増益となりました。ぼんち㈱は、価格改定及び規格変更の効果もあり、売上収益は前年並みを確保した一方、コメ価格上昇等によるコスト増加により、減益となりました。なお、2026年2月27日に㈱セリア・ロイルを連結子会社化しました。以上の結果、菓子事業全体では増収となった一方、減益となりました。この結果、報告セグメントにおける菓子事業の売上収益は、前期比3.8%増の959億42百万円、コア営業利益(注3)は、前期比1.2%減の56億95百万円、営業利益は、前期比2.1%減の52億77百万円となりました。 (米州地域)米州地域全体では、引き続き新たな需要創造に向けた高付加価値商品の提案強化や導入推進に取り組んでいます。ブラジルでは価格改定の効果に加え、「CUP NOODLES」の販売数量増加も寄与し、売上は堅調に推移しました。米国は、上期までの販売数量減少や拡販費の増加により減収となりましたが、当第4四半期では、プレミアム商品の販売数量が前期比で堅調に推移したことに加え、価格改定の浸透もあり、平均単価は上昇に転じました。上記より、セグメント全体で減収となりました。利益については、ブラジルでは増益となったものの、米国での減収により、セグメント全体で減益となりました。 この結果、報告セグメントにおける米州地域の売上収益は、前期比2.9%減の1,637億13百万円、コア営業利益(注3)は、前期比34.6%減の105億8百万円、営業利益は、前期比33.8%減の105億68百万円となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比3.2%減の1,632億31百万円となり、コア営業利益は、前期比34.8%減の104億63百万円となりました。(注4) (中国地域)中国地域においては、販売エリア拡大に加え、中国版カップヌードル「合味道」ブランドや高価格帯袋めんの販売拡大、冷凍食品や菓子へのマルチカテゴリー化、卸売ビジネスの強化を進めています。中国大陸では、既存販売網の活性化や内陸部への販売チャネル拡大が進み、「合味道」ブランド群や袋めんの「出前一丁」ブランドを中心に販売が伸長しました。香港では、大湾区における「北上消費」が進む中においても、即席めんの消費は高価格帯の新製品を中心に堅調に推移しました。加えて、インバウンド旅行客の増加によりケータリング向け販売が伸長し、袋めんの販売も引き続き好調を維持しました。また、2026年の年初以降、輸出販売も堅調に推移しています。その他地域においては、即席めんの販路拡大に加え、韓国の菓子事業会社が売上に貢献しました。こうした状況の下、売上収益は増収となりました。利益については、増収により売上原価及び販促コストの増加を吸収したことに加え、前期に固定資産等の減損損失を計上していた影響もあり、前期比で増益となりました。 この結果、報告セグメントにおける中国地域の売上収益は、前期比2.0%増の749億45百万円、コア営業利益(注3)は、前期比7.5%増の89億54百万円、営業利益は、前期比51.7%増の89億58百万円となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比3.4%増の759億54百万円となり、コア営業利益は、前期比8.9%増の90億74百万円となりました。(注4) また、報告セグメントに含まれない事業セグメントである国内のその他事業並びに欧州地域、アジア地域、新規事業を含んだ「その他」の売上収益は、前期比4.4%増の591億18百万円となり、コア営業利益(注3)は、前期比32.2%減の80億84百万円、営業利益は、前期比37.3%減の75億74百万円となりました。 なお、為替変動による影響を除くと、売上収益は、前期比1.1%増の572億7百万円となり、コア営業利益は、前期比36.8%減の75億41百万円となりました。(注4) (注3)コア営業利益とは、営業利益から非経常損益としての「その他収支」を控除したものであります。(注4)2026年3月期の外貨金額を、前期の為替レートで円換算して比較しております。 <報告セグメントの売上収益及びセグメント利益> (単位:百万円)報告セグメント売上収益前期比セグメント利益前期比2025年3月期2026年3月期2025年3月期2026年3月期日清食品238,781241,9403,15934,16832,147△2,020明星食品45,37448,3022,9273,1343,443309低温・飲料事業101,349104,1672,8178,6027,721△880菓子事業92,44395,9423,4985,3895,277△111米州地域168,565163,713△4,85115,95210,568△5,384中国地域73,47474,9451,4715,9068,9583,051そ の 他56,60459,1182,51412,0847,574△4,510小 計776,594788,13111,53785,23975,692△9,547調 整 額---△10,870△13,362△2,491合 計776,594788,13111,53774,36962,330△12,038 ② キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金という。)は、983億34百万円となり、前連結会計年度末に比べ252億98百万円の増加となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。 (単位:百万円)区分前連結会計年度当連結会計年度前期比自 2024年4月1日至 2025年3月31日自 2025年4月1日至 2026年3月31日営業活動によるキャッシュ・フロー57,05880,43123,373投資活動によるキャッシュ・フロー△76,708△72,6574,051財務活動によるキャッシュ・フロー△59111,04311,634現金及び現金同等物に係る換算差額△3,3816,4819,862現金及び現金同等物の増減額(△は減少)△23,62325,29848,922現金及び現金同等物の期首残高96,65973,036△23,623現金及び現金同等物の期末残高73,03698,33425,298 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動による資金の増加は804億31百万円(前期比233億73百万円の資金の増加)となりました。これは主に法人所得税の支払額が130億67百万円、持分法による投資損益が129億49百万円となったことに対して、税引前利益が650億81百万円、減価償却費及び償却費が358億97百万円となったことによるものであります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動による資金の減少は726億57百万円(前期比40億51百万円の資金の増加)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出が833億37百万円となったことによるものであります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動による資金の増加は110億43百万円(前期比116億34百万円の資金の増加)となりました。これは主に自己株式の取得による支出が204億74百万円、配当金の支払額が203億31百万円、長期借入金の返済による支出が146億71百万円となったことに対して、長期借入れによる収入が442億90百万円、コマーシャル・ペーパーの純増減額が220億円となったことによるものであります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a. 生産実績 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前期比(%) 日清食品187,39112.0 明星食品35,71921.9 低温・飲料事業59,3013.3 菓子事業92,690△4.4 米州地域116,1831.5 中国地域48,3852.6 報告セグメント計539,6725.3 その他31,375△2.3合計571,0474.8 (注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 b. 受注実績 重要な受注生産は行っておりませんので、記載を省略しております。 c. 販売実績 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。(単位:百万円) セグメントの名称 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) 前期比(%) 日清食品241,9401.3 明星食品48,3026.5 低温・飲料事業104,1672.8 菓子事業95,9423.8 米州地域163,713△2.9 中国地域74,9452.0 報告セグメント計729,0121.3 その他59,1184.4合計788,1311.5 (注)1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。(単位:百万円) 相手先 前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) 当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額割合(%)金額割合(%)三菱食品㈱91,40011.890,76811.52 セグメント間の取引については相殺消去しております。 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 ① 重要性がある会計方針及び見積り 当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(以下「連結財務諸表規則」という。)第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しております。 なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要性がある会計方針、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定は、「第5[経理の状況]1[連結財務諸表等](1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 3.重要性がある会計方針 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載しております。② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容a. 経営成績 当連結会計年度の売上収益は、前期比1.5%増の7,881億31百万円となりました。 国内即席めん事業においては、日清食品セグメントは主要ブランドが好調だったことに加えて、価格改定及び周年施策に向けた取り組みが奏功し、数量シェアの拡大に成功したことで増収となり、また明星食品セグメントも主要ブランドが好調だったことにより増収となりました。 国内非即席めん事業においては、低温・飲料事業セグメントの冷凍事業及び菓子事業セグメントの㈱湖池屋及び日清シスコ㈱が牽引したことにより増収となりました。 海外事業においては、米国事業の販売数量減少及び拡販費の増加等により減収となりました。 当連結会計年度の既存事業コア営業利益は、前期比15.5%減の706億2百万円となり、また当連結会計年度の営業利益は、前期比16.2%減の623億30百万円となりました。 国内即席めん事業及び国内非即席めん事業においては、資材価格上昇等によるコスト増により減益となりました。 海外事業においては、米国事業の減収及び持分法投資利益の減少等により減益となりました。 当連結会計年度の税引前利益は、前期比15.3%減の650億81百万円となり、また当連結会計年度の親会社の所有者に帰属する当期利益は、前期比17.5%減の453億80百万円となりました。これらは主に、営業利益の減少によるものであります。 なお、当社グループの経営に影響を与える主な要因は、「第2[事業の状況]3[事業等のリスク]」に記載しております。 b. 資本の財源及び資金の流動性(キャッシュ・フローの状況) キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2[事業の状況]4[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 (資金の需要と調達) 営業活動により獲得したキャッシュ・フローは、企業価値向上に資する各種投資及び配当を中心とする株主還元に優先的に配分を行っておりますが、不足資金については、資金需要に応じて、社債発行、金融機関からの調達、コマーシャル・ペーパー及び保有資産の売却等によりキャッシュ・フローの確保を行っております。 (資金の流動性) 当社グループは、従来より営業活動により安定したキャッシュ・フローを得ており、今後も引き続き資金源になると見込んでいることに加え、主要な国内金融機関に対して、融資枠を設定しております。また、当社及び主要な国内連結子会社における余剰資金の一元管理を図り、資金効率の向上と金融費用の削減を目的として、CMS(キャッシュマネジメントシステム)を導入しております。 c. 財政状態 当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,327億33百万円増加し、9,811億95百万円となりました。これは主に有形固定資産が747億9百万円、現金及び現金同等物が252億98百万円、非流動資産のその他の金融資産が103億25百万円増加したことによるものであります。 負債は、前連結会計年度末に比べ848億17百万円増加し、4,213億77百万円となりました。これは主に非流動負債の社債及び借入金が252億32百万円、コマーシャル・ペーパーが220億円、流動負債の借入金が127億43百万円増加したことによるものであります。 資本は、前連結会計年度末に比べ479億15百万円増加し、5,598億17百万円となりました。これは主にその他の資本の構成要素が404億13百万円増加したことによるものであります。 これらの結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末の56.0%から52.7%となり、3.3ポイント減少しております。 d. 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社グループは、2030年に向けた「中長期成長戦略2030」を策定しております。 ビジョンの実現と持続的成長に向け、成長戦略テーマである①既存事業のキャッシュ創出力強化、②EARTH FOOD CHALLENGE 2030、③新規事業の推進に取り組んでおります。 「中長期成長戦略2030」では、持続的な利益成長に加え、効率的な資本活用、安全性ある負債活用、そして安定的な株主還元の4つをCSV経営上の中長期的経済価値ターゲットとして掲げ、非財務目標との同時実現を追求してまいります。「中長期成長戦略2030」の進捗状況は下表のとおりであります。 項目区分項目目標値進捗レビュー財務成長性既存事業コア営業利益成長率(注1,2、3)Mid-single Digit(オーガニック)2020-2025年度 11.0%2024-2025年度 △15.5%効率性ROE(注3)長期的に15%、2030年度までに10%以上(注4)2025年度9.1%安全性Net Debt/EBITDA(注5)2倍以下2025年度0.9x安定的株主還元累進的配当配当性向:約40%2025年度 44.5%累進的配当継続自己株式の取得機動的な自己株式取得2021年度 約120億円2022年度 約120億円2024年度 約400億円2025年度 約200億円相対TSR(TOPIX食料品対比)(注6)1倍超2022年度 1.1倍2023年度 1.1倍2024年度 0.9倍2025年度 0.6倍非財務(注7)有限資源の有効活用持続可能なパーム油の調達比率(注8)100%2025年52.3%水使用量(IFRS売上100万円あたり)12.3㎥以下2025年8.9㎥流通廃棄物削減率(2015年度対比/日本国内)△50%2025年△65.4%気候変動インパクトの軽減CO₂排出削減(Scope 1+2) (2020年対比)(注9)△42%2025年△20.6%CO₂排出削減(Scope 3)(2020年対比)(注9)△25%2025年△6.0%(注)1 IFRS会計基準上の営業利益から、積極的な先行投資を予定する「新規事業に係る損益」及び非経常損益としてのその他収支」を控除したNon-GAAPの重要経営管理指標2 2023年3月期より既存事業コア営業利益成長率の計算方法を実績の為替レートに基づく方法に修正3 2024年5月に中長期的目標を上方修正既存事業コア営業利益成長率:「Mid-single Digit」→「Mid-single Digit(オーガニック)」ROE: 「長期的に10%」→「2030年度までを目途に15%」4 2026年5月に下方修正(ROE:「2030年度までを目途に15%」→「長期的に15%、2030年度までに10%以上」)5 2025年3月期より純有利子負債の計算方法を変更6 相対TSR(TOPIX食料品対比)は、以下の算定式に基づき算出 A:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均B:当事業年度の1月~3月における3か月間の当社株式の終値平均C:当事業年度を含む過去3事業年度における1株当たり配当額の累計D:当事業年度の3事業年度前の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均E:当事業年度の1月~3月における3か月間のTOPIX食料品(配当込み)の終値平均7 非財務目標については、2030年度の目標値8 外部認証の活用及び独自アセスメントによる9 2023年5月にCO₂排出削減の目標値を上方修正Scope 1+2: △30%(2018年対比)→△42%(2020年対比)、Scope 3: △15%(2018年対比)→△25%(2020年対比)
事業リスク
- 製造物責任(PL)リスク食品メーカーとして、製品の品質や安全性に問題が生じた場合、大規模なリコールや損害賠償、ブランドイメージの失墜につながる可能性があります。厳格な品質管理体制を構築していますが、予期せぬ問題発生は避けられず、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があります。
- 災害・事故(BCP)リスク国内外の事業所や工場が、地震、台風、感染症などの自然災害や大規模事故に見舞われた場合、生産活動の停止、物流の滞り、原材料価格の高騰などが発生し、事業継続が困難になる可能性があります。2024年度のリスクマップでも「災害・事故」は最も影響度が高いリスクの一つとされており、業績に甚大な影響を及ぼす恐れがあります。
- 情報セキュリティリスク生産、販売、管理等の情報システムがサイバー攻撃やシステム障害に見舞われた場合、機密情報の漏洩、システム停止、事業運営への支障が生じる可能性があります。クラウドサービスや外部委託先の利用拡大に伴い、サプライチェーン全体でのセキュリティリスクも高まっており、当社の財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末時点において当社グループが判断したものであります。 (1) リスクの定義及び管理体制当社グループ(以下「当社」という。)では、リスクを組織の収益や損益に影響を与える不確実性と定義しています。リスクにはプラス影響とマイナス影響の両面があり、環境変化の中で組織が行う事業・投資により発生するプラス・マイナス影響は機会、インシデントが与えるマイナス影響はリスクと区分しております。機会については、投融資委員会、経営会議、取締役会で判断され、リスクについては「総合リスク対策委員会」で管理されます。当社では、代表取締役副社長・COOを委員長とする「総合リスク対策委員会」を設置し、「日清食品グループリスク管理規程」に基づき、日清食品グループに係る種々のリスクの予防・発見・管理及び対応を行っております。特に、商品事故、BCP(事業継続計画)、コンプライアンス、情報セキュリティをグループの重点リスクと位置付け、「委員会」を設置し対応を行っております。環境や人権などに関する重要なリスクについては、代表取締役社長・CEOが委員長を務める「サステナビリティ委員会」でも継続的にモニタリングしております。同委員会の傘下に設置したテーマ別ワーキンググループでは、気候変動や生物多様性などのサステナビリティに関連するリスクについて議論・モニタリングし、「総合リスク対策委員会」と連携することで、グループ全体の重要リスク管理プロセスの中でもモニタリングを行い、企業価値の毀損防止に努めています。環境面などで重大事故が発生した場合には、マニュアルに従って直ちに対応し、事態の収拾・解決にあたります。リスク管理体制においては、3ラインモデルを確立し管理・運用しております。第1線は、各事業部門(国内外関連会社含む)で、各事業部門が所管するリスクオーナーとしてコントロールを行っております。第2線は、総合リスク対策委員会をはじめとする間接部門で、第1線のリスク管理状況をモニタリングし、必要な支援・助言・監督を行っております。そして、第3線は、グローバル監査部で、組織上独立性を有し、客観的にリスク管理状況を監査し、助言を行っております。 (2) 総合リスク対策委員会の具体的な活動総合リスク対策委員会はリスクを一元的に俯瞰し、各主管部門のリスクを洗い出し、リスク事象を予防する仕組みの構築を指示しています。日清食品グループに甚大な影響を及ぼすリスク事象が発生した場合は「グループ重大事案対策本部」を設置し、速やかにリスク事象に対処し、再発防止の対策をたてます。また各年度に1度、事業会社社長及び各チーフオフィサーによる発生可能性・影響度のリスク評価報告、ならびに国際基準リスク評価フレームワークに基づき財務影響・波及性・保険カバー率を係数化し、経営影響度評価として各リスクを4段階のステージに分けて評価し、管理方針を定めて管理状況を取締役会に報告しています。なお、2025年度は、情報漏えい・不正アクセス(サイバー攻撃)、原材料調達(グローバルサプライチェーン)、人財、企業イメージ毀損・風評(レピュテーション)の4つを重要リスク領域とし、全社視点で複雑化・連鎖するリスクを総合的にマネジメントしていく方針を定めています。 (3)2025年度日清食品グループリスクにおける経営影響度評価 ※経営影響度評価定義:リスク判断・対応の優先順位として想定的な評価StageⅣ:最大の警戒感を持って対策強化が必要なレベルStageⅢ:影響度大の予兆。継続的対応が必要なレベルStageⅡ:平時における取組継続で充分なレベル※総合係数定義現在のリスク管理体制の限界を突破し、企業の存続を揺るがすトップリスクをあぶり出すための閾値にて算出 2025年度は、発生可能性・影響度評価に加え、国際基準リスク評価フレームワークに基づく総合係数にて算出した結果、情報漏えい・不正アクセス(サイバー攻撃)、原材料調達(グローバルサプライチェーン)、人財、企業イメージ毀損・風評(レピュテーション)をトップ4リスク領域として特定しております。これらのリスクは、単一的に発生するのではなく、例えば、地政学リスク→サイバー攻撃→グローバルサプライチェーン分断→原材料高騰→レピュテーション低下のような連鎖シナリオに発展する可能性があり、全社的にリスクマネジメントが求められているステージとなっております。 (2025年度重要リスク領域への対応状況)① 情報漏えい・不正アクセス(サイバー攻撃)・AIガイドライン/ポリシー整備・ランサムウェア攻撃への対策強化等・外部評価制度等を踏まえたサプライチェーン管理態勢の検討② 原材料調達(グローバルサプライチェーン)・一極集中の回避対応として、複数調達国選定を重点施策として推進・サプライチェーンリスクマネジメント分科会の立上げ、リスク事象別対策強化・SCM関連システムダウン対応に関するシミュレーション訓練実施・国産農畜産物の調達(米・じゃがいも)への取組強化③ 人財・トップメッセージの全社発信・グローバル人財マネジメントの推進・次世代・グローバル人財育成メカニズムの構築・後継者育成計画の具現化④ 企業イメージ毀損・風評(レピュテーション)・価値観の多様化への対応・消費者視点を軸に判断できる文化の定着 (2025年度新興リスク)新興リスクとして注視すべき領域は「生成AI/AIエージェントリスク」で、AIガイドライン/ポリシー整備や、AIガバナンス体制の構築及び社員教育施策の実施を行うことで、AIリスクの低減を図っております。① リスクの源泉としてのAI・生成AIによる偽情報・なりすましでのレピュテーション毀損・従業員のシャドーAI利用による情報漏えい・AI生成コンテンツの著作権・人格権リスク② リスク管理の手段としてのAI・需要予測・市況予測へのAI活用によるSCMリスク低減・画像認識AIによる異物検査の高度化・AIを活用したサイバー脅威検知・契約書レビュー・法令モニタリングへのAI活用 (4) 投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。 ① PL(製造物責任)当社は、食品メーカーとして、お客様に安全・安心な食品を提供していくことを使命と考え、厳密な品質管理基準を設け生産を行っております。製造工場では、異物混入対策として社員への衛生管理の徹底や、高性能X線検査機導入によりアルミニウム片等の異物検査を強化しております。製品に使われる原材料の自動トレースができるよう、原材料情報を管理して、トレーサビリティ、品質管理カメラ、生体認証設備により、問題が発生した場合に原因を究明できる体制を整えております。グローバル食品安全研究所を中心とした独自の品質保証体制を築き上げ、原材料の安全性及び各工場での品質管理体制の強化を図っております。研究所では、原材料に対して、農薬や動物用医薬品、重金属などの危害物質や放射性物質を分析するほか、遺伝子組み換え農産物やアレルギー物質のコンタミネーションの有無、最終製品の栄養成分などを確認しております。また、各工場の製造管理状態を「食品安全管理」「有害生物対策」「製造規範」「メンテナンス(機器の定期検査)」「清掃活動」の5カテゴリーで評価する日清食品 食品安全監査基準(NISFOS)に基づいて監査し、そこで抽出された課題に対する改善策を提案し、改善の実施を確認しております。 ② BCP(災害・事故)当社は、国内外に多数の事業所や工場を有しており、当該地域における大規模な地震や台風などによる風水害、その他の自然災害の発生に対して、事業継続計画(BCP)を策定の上、BCP委員会を設置し、定期的な見直しをしております。近年の異常気象による災害の激甚化やグローバルな地政学的リスクの高まり、そして感染症による本社機能・工場操業・物流供給停止等となるリスクが高まっております。このようなリスクを可能な限り回避するため、当社は、BCPに従い、被害状況に応じて災害対策本部を速やかに立ち上げ、社員の生命を守りながら、食品企業の使命として商品供給を第一に考えて、生産・供給体制を維持できる体制をとっております。災害の多様化・複雑化を鑑み、当社ではオールハザード型BCPに基づき、サプライチェーン上の想定外のリスクを軽減するための訓練・演習を継続実施し、体制運用を定期的に確認し、改善を実施しております。 ③ コンプライアンス当社は、世界の各拠点で事業を展開しており、その中で各国の法令や企業倫理等の社会的規範に抵触することで、刑事罰、行政処分、損害賠償責任等の法的責任の追及や、社会的制裁を受ける懸念があります。こうした事象が発生した場合、当社に対する信頼やブランド価値を低下させる可能性があります。これらのリスクに対して、常務執行役員・CSOを委員長とする「コンプライアンス委員会」を原則四半期に一度開催し、内部通報窓口への相談・通報の傾向や発生事例の共有、予防策ならびに再発防止策の検討等を実施しております。また、ガバナンス部を中心に組成するコンプライアンス委員会事務局及び各社・各部署に配置する「コンプライアンス推進責任者」が、実務者として諸課題・諸事案への対応にあたっております。 ④ 情報セキュリティ当社は、生産、販売、管理等の情報をコンピュータを利用した情報システムにより管理しております。これらの情報システムの運用にあたっては、構成する機器の故障・不具合や、サイバー攻撃に対して、システム停止や外部への社内情報の漏えいが生じないよう万全の対策を講じております。また、クラウドサービスや外部委託先との連携が進む中、サプライチェーン全体に対するセキュリティリスクも重要視しております。しかしながら、当社の想定を超えた全世界的な大規模障害や、未知の技術による不正アクセスなどにより、システム障害や外部への社内情報の流出が発生した場合、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。このようなリスクを可能な限り回避するため、全社的なセキュリティ戦略を策定し、外部要因による情報漏えい防止対策やシステム復旧対策、有事におけるインシデント対応(CSIRTによるリスク事案対応)、平時における教育・啓発活動及び委託先セキュリティチェック等を実施しております。さらに、製造現場を含むOT領域との連携や、グローバル拠点のセキュリティ体制の統一にも取り組み、当社グループのITガバナンスを強化することにより、リスクの低減を図っております。 ⑤ 環境当社は、気候変動やそれに起因する自然災害により、原材料価格の高騰、製造工場の被災、カーボンプライシング制度の導入や人々の行動様式の変容など、さまざまな影響を受ける可能性があります。そのため、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース:Task Force on Climate-related Financial Disclosures)提言に則ったシナリオ分析を進め、リスク及び機会となる要因について科学的根拠をもとに業績に及ぼす影響を引き続き分析・評価しており、将来の不確実性に応じた戦略立案を進めております。そのような中で、当社は2020年4月に2030年までの環境戦略「EARTH FOOD CHALLENGE 2030」を策定し、気候変動に対する取り組みや資源の有効活用に関する目標を定めております。なかでも、CO2排出量の削減を重要課題と位置付けており、世界で議論されている「今後の平均気温の上昇を1.5℃に抑える」といった水準を意識した目標(スコープ1と2の合計排出量を2020年総量比42%削減、スコープ3では同25%削減。)を掲げております。さらに2021年2月、事業活動で使用する電力の再生可能エネルギー100%調達を目指す国際イニシアチブRE100(Renewable Energy 100%)に参画し、「2030年度までに国内外の事業活動で利用する電力の60%を再生可能エネルギーで調達する」「2050年度までに国内外の事業活動で利用する電力を100%再生可能エネルギーで調達する」ことを掲げ、国内外の製造工場を中心に電力の再生可能エネルギーへの切替えを進めており、規制対応リスクの軽減を図っております。 また、「日清食品グループ生物多様性方針」を策定し、TNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース:Taskforce on Nature-related Financial Disclosure)提言に基づき、自社の事業活動が生物多様性に与える影響を分析し、自然関連のリスクと機会の評価を実施しております。 ⑥ レピュテーション日本国内においては、当社グループのマーケティング力と技術開発力によって、「チキンラーメン」「カップヌードル」をはじめとする主力製品が永年にわたりお客様に親しまれております。しかしながら、即席めん市場には毎年多くの新製品が投入されていることに加え、将来的に他社によって画期的な技術が生み出されたり、若年層を中心に価値観の変化が生じたりすることで、当社グループ製品のブランド価値が低下するおそれがあります。そのようなリスクを考慮し、当社グループは常に創造と革新を続け、消費者ニーズの変化に対応し、新たな顧客層を取り込むことで、ブランド価値の持続的な向上に努めております。また、海外においては、「カップヌードル」のグローバルブランディング戦略を軸に、現地の市場環境や生活者の価値観を捉えたマーケティング活動を展開することで、ブランド価値を高めております。一方で、ステークホルダーが世界的に広がり、レピュテーションリスクにつながる要因が複雑化するとともに、当社グループが応えるべき社会的期待や要請のレベルも高まっております。当社グループでは「日清食品グループ人権方針」や「日清食品グループ持続可能な調達方針」を策定し、食の安全、人権の尊重、地球環境の保全を重点課題として取り組んでおります。さらに、人的資本における国際的な情報開示のガイドライン「ISO 30414」の認証取得や、人的資本に関する取り組みをまとめた「Human Capital Report 2025」の発行など、人的資本経営の高度化を推進しております。 ⑦ 有価証券の公正価値下落当社は、配当・キャピタルゲインの獲得以外に、経営戦略上、取引先との良好な関係を構築し、効率的・安定的な取引や業務提携等により事業の円滑な推進を図ることで中長期的な企業価値の向上を実現する観点から、必要と判断する株式などの有価証券を保有することがあります。当社が保有する有価証券は、将来の市況の悪化による公正価値下落や投資先の業績不振等により減損処理が必要となる場合があり、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。 ⑧ 財務会計当社は、事業の用に供するさまざまな固定資産を有しております。それらの固定資産から生み出される将来の収益性によっては減損処理が必要となる可能性があり、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。このようなリスクを低減するために、投融資委員会において社内基準に基づき経済合理性を十分に吟味し、投資判断を行っている他、実行後も投資効果について継続的にモニタリングを実施しております。また、主要な為替リスクとして為替相場の変動による外貨建て仕入値の高騰がありますが、為替予約をおこなうなど為替リスクを低減するための措置をとっております。さらに各海外地域において所在地国の通貨で作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために機能通貨である円に換算されており、為替相場の変動により当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ コーポレート国内においては、生産年齢人口の減少、労働市場の流動化、働き方や価値観の多様化等を背景に、当社グループの中長期成長戦略の遂行に必要な人財、とりわけグローバル事業を担う人財、専門性の高い人財、経営人財及び次世代リーダー人財の確保・育成・配置・定着の重要性が一層高まっております。これらの人財を十分に確保・育成できない場合や、後継者育成、グローバル経営を支える人財マネジメント体制の高度化、国内事業組織・人財基盤の強化、組織力の向上及び社内環境整備が想定どおりに進まない場合には、当社グループの成長戦略の遂行、グローバル経営の推進及び国内事業の競争力強化に支障をきたし、当社グループの企業価値、財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。このようなリスクに対し、当社グループは、創業者の「企業在人・成業在天」の考え方のもと、人財を企業価値の源泉と位置付け、企業戦略との連動性を一層高めるため、中期人財戦略を策定しております。当該戦略においては、①成長戦略を支える経営体制の整備、②グローバル経営を支える人財マネジメント体制の高度化、③国内事業組織・人財基盤の更なる強化を3つの軸とし、これらを支える組織力の向上と社内環境整備を通じて、人財基盤の強化を進めております。具体的には、グローバル主要ポストを対象としたサクセッションの枠組み整備、指名・報酬諮問委員会等を通じた経営人財に関するガバナンス体制の整備、グローバルで一貫性のある人財マネジメント基盤の整備、国内グループ横断での採用・育成・配置の高度化、自律的なキャリア形成の支援、NISSIN ACADEMY等を通じた人財育成、Mission・Vision・Valueの浸透、DE&Iの推進及びWell-beingの向上に取り組んでまいります。 ⑩ SCM当社製品の主要原材料は、小麦粉・パーム油などの農産物及び包材に使用する石油製品であり、その価格は市場の状況により変動いたします。これらの原産国で政情不安や国際紛争の発生、地球温暖化に伴う天候不順による農作物の不作など、原材料価格に影響を与える多くの要因があり、原材料価格が高騰した場合、当社の業績に影響を及ぼすおそれがあります。これらの課題に対応するため、市況情報を常に把握し適切なタイミングで購入することや、原材料の産地や購買先を分散化することで価格高騰リスクを低減するなど、安定供給体制の強化に努めております。物流業界におけるドライバー人材不足、倉庫内作業者不足の問題など、今後は市場供給力が停滞するおそれがあります。これに対して、「ホワイト物流」推進運動の趣旨に賛同し、自主行動宣言を行い、得意先のご協力のもとでのリードタイムの延長、パレットなどの活用、トラック予約受付システムの導入、荷主側の施設面の改善、物流の改善提案と協力などを行っております。また、複数企業との共同輸送や共同保管の取り組み、モーダルシフトの推進など、引き続き持続可能な物流体制にむけ活動してまいります。 ⑪ 特定の取引先への依存当社は、製品の販売及び一部原材料の仕入において、特定の取引先に大きく依存しております。販売において、一部の会社につきましては特定の取引先に依存しておりますが、信用力の極めて高い大手取引先に取引を集中させることで、与信管理の省力化及び信用リスクの低減を図ることが可能なためであります。また、一部原材料の仕入についても特定の取引先に依存しているのは、これらの原材料を効率的に、かつ安定的に調達することが可能であるためであります。取引先に対する与信管理は適切に実施しているものの、これらの取引先の経営状態が悪化した場合は、当社は売掛金の回収が困難となることにより、また、原材料の供給が断たれた場合には生産活動が停止することにより、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。 ⑫ 海外カントリーリスク当社は、海外においても、現地生産・現地販売を基本スタンスに即席めんをはじめとする食品を製造しております。これらの進出国において政情不安や国際紛争が発生した場合には従業員の安全を最優先に対応する方針であります。このほか、食品の安全性を脅かす事態や各国での法的規制により生産が困難になる場合、それらの子会社又は当社の財政状態及び業績に影響を及ぼすおそれがあります。これらの課題に対応するため、当社に専門性を有するプラットフォームを設置し、各海外現地法人のサポートに努める体制を構築しております。 ⑬ 人口動態日本国内では、現在、少子高齢化が急速に進んでおり、当社の主たる購買層である若年ユーザー層の減少が続いており、即席めん市場は、近年の新型コロナウイルス感染症による需要増を除くと、長期的には横ばい傾向にあります。このような状況の中、当社では、シニア層・若年層・女性層など各ターゲット層に対応したきめ細かな製品開発により、新たな喫食機会や価値の創出を図り、顧客層の維持・拡大に努めております。一方で海外においては、若年層は増加しボリュームゾーンとなっているため積極的に若者へのアプローチを強化する製品開発・コミュニケーション活動を展開しております。このように国内と海外主要地域における様々な人口動態の変化に柔軟に対応しながら、グローバルでの顧客の継続的な拡大に取り組んでおります。 ⑭ 顧客ニーズの多様化食における顧客ニーズの多様化が進む中、オーバーカロリーによる肥満や生活習慣病などの健康の問題が世界中で拡大しております。さらには、間違ったダイエット方法などによる隠れ栄養失調、シニアの食欲低下に伴う栄養摂取不足などによるフレイル等、新たな社会課題も発生しております。当社は、即席めん事業で培った独自のフードテクノロジーを駆使することで「見た目やおいしさはそのままに、カロリーや塩分、糖質、脂質などがコントロールされ、必要な栄養素のバランスを整えた食」を開発し、事業展開しております。この新規事業を中長期成長戦略の3つの成長戦略テーマの一つに掲げ、新たなビジネスモデルの創造を推進していくことで、社会課題の解決に努めてまいります。