2907

あじかん(2907)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

食料品 食品

事業の概要

  • 卵・野菜加工食品製造販売
    あじかんグループは、卵加工品、野菜加工品、水産練製品、その他の食品の製造・販売・卸売を主な事業としています。具体的には、業務用食品としてスーパーやコンビニエンスストア向けの中食製品、健康志向の消費者向けのヘルスフードなどを手掛けています。また、農産物の生産・販売も行い、原材料の安定供給にも努めています。
  • 多様な食品カテゴリ展開
    同社グループは、卵加工製品(例:厚焼き卵、錦糸卵)、野菜加工製品(例:ごぼうサラダ、きんぴらごぼう)、水産練製品(例:カニ風味かまぼこ)、その他食品(例:おでん種)と幅広いカテゴリの食品を提供しています。これにより、特定の食品市場の変動リスクを分散し、多様な顧客ニーズに対応できるビジネスモデルを構築しています。
  • 国内外での事業展開
    国内市場だけでなく、中国や米国にも連結子会社を持ち、海外での製造・販売活動も積極的に行っています。特に中国では山東安吉丸食品有限公司や愛康食品(青島)有限公司が、米国ではAHJIKAN FOODS,INC.が事業を展開しており、グローバルな視点での収益機会を追求しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 業務用食品等事業
    このセグメントは、あじかんグループの売上の大部分を占める主力事業で、売上高は470.00378億円、営業利益は36.52899億円です。主にスーパーマーケットやコンビニエンスストアなどの中食業態向けに、卵加工製品や野菜加工製品などを製造・販売しています。日本国内だけでなく、中国や米国の子会社もこの事業に貢献しており、グローバルな展開が特徴です。
  • ヘルスフード事業
    このセグメントは、健康志向の消費者向けに特化した製品を提供しており、売上高は35.85712億円、営業利益は2.1449億円です。健康を意識した食品の開発・販売を通じて、新たな市場ニーズに応えています。株式会社あじかんアグリファームもこの事業に関与し、原材料の生産から手掛けることで、製品の品質と安全性を高めています。
  • その他事業
    このセグメントは、上記の主要事業以外の活動を含み、売上高は4.59288億円、営業利益は0.12354億円です。株式会社井口産交がこのセグメントに属しており、グループ全体の事業を多角的に支える役割を担っています。規模は小さいものの、グループ全体の事業ポートフォリオを補完する重要な位置づけです。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
FoodForBusinessUse 地域 470 37 7.8%
HealthFood 事業 36 2 6.0%
Other 事業 5 0 2.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|294 文字
3【事業の内容】 当社グループは、当社および連結子会社4社、持分法適用関連会社1社で構成されており、鶏卵加工製品・野菜加工製品・水産練製品・その他食品の製造、販売、および卸売、農産物の生産、販売ならびに運輸業を主な事業としております。 当社と関係会社の当該事業に係る位置づけ、およびセグメントの関連は、次のとおりであります。セグメントの名称主要な会社 業務用食品等当社、山東安吉丸食品有限公司、愛康食品(青島)有限公司、AHJIKAN FOODS,INC. ヘルスフード当社、株式会社あじかんアグリファーム その他株式会社井口産交 以上の企業集団について図示すると、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
主要原材料の価格変動の影響を受けやすく、競合による新製品投入や販売促進活動の影響を受けるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
「品質保証システム(ISO9001)」や「衛生管理システム(HACCP)」、FSSC22000認証取得による品質管理体制。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか ディフェンシブ
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:主要原材料の調達価格・調達量変動リスク / 中食業態における競合激化と販売機会減少リスク / 為替相場の変動による影響リスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 3 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、独占的IPに関する具体的な評価は不可能。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

「ごぼう茶」など特定の健康食品分野での一定のブランド認知はあるものの、顧客が他社製品へ乗り換える際の直接的な経済的損失は限定的と推測される。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

ネットワーク効果を形成するようなプラットフォームビジネスやSNS連携は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

食料品業界における規模の経済や効率的な生産体制の有無は不明だが、一般的に同業他社との価格競争は存在する可能性があり、明確なコスト優位性は見出しにくい。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

食料品業界は競争が激しく、あじかんが業界規模に対して最適な少数寡占を形成しているとは考えにくい。市場シェアに関する情報も不足している。

  • 品質管理と安全性の追求
    あじかんグループは、食品の安全性確保に非常に力を入れています。製造工程では「品質保証システム(ISO9001)」や「衛生管理システム(HACCP)」を導入し、さらに食品安全のための国際規格である「FSSC22000」も認証取得しています。これにより、起源原料まで追跡可能なトレーサビリティ体制を構築し、高品質で安全な製品を安定的に供給できる強みがあります。
  • 多様な製品開発力
    消費者の嗜好の変化や多様化に対応するため、商品開発力と調達力の強化に注力しています。特に中食業態(スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど)向けには、競合との差別化を図る新製品を投入し、品揃えの充実を図っています。これにより、市場の変化に柔軟に対応し、顧客のニーズに応じた製品を提供できる点が強みです。
  • 原材料の安定調達体制
    鶏卵、干瓢、椎茸、ごぼう、魚肉すり身といった主要原材料については、契約購買や分散調達を行うことで、安定した数量の確保と特定の調達先への集中回避を図っています。これにより、原材料価格の変動や供給リスクを軽減し、安定的な生産活動を支える体制を構築していると考えられます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「調和・創造・革新」の経営理念のもと、“顧客、株主、従業員、社会への喜びを創造する企業になる”ことを経営の基本方針としております。特に、“食”に携わる企業として、“常に安全性を追求し、高品質な食品で安心と健康を顧客ならびに消費者の方へお届けする”ことが、企業活動において果たすべき最重要な使命と認識しております。 この使命を果たしていく中で得られる顧客との信頼関係を、より広くより強固なものとしていくことが、企業価値を高めることに繋がり、ひいては株主のみなさまの期待にお応えできることになると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループは、「製造直販」の販売スタイルを堅持し、技術力を核とした研究開発力の強化、ならびにチルド製品の安全性確保を根底においた独自の「コールドチェーン・システム(低温流通体制)」の整備に努めてまいりました。これらは、顧客ニーズへの迅速かつ的確な対応と商品の“品質と安全”の両立を可能とする、当社の強みとなっております。また、安定した成長を続ける中食市場を中心とした業務用食品事業の基盤強化に加え、国内の少子高齢化を見据え、ヘルスフード事業および海外事業などの成長事業の拡大にも積極的に取り組んでまいりました。 当社グループは、2030年3月期を着地点とする長期ビジョン“あじかんV30 ver.2.0”を策定しております。同ビジョンでは“「需要創造」「収益構造改革」「経営品質向上」により『選ばれる企業』になる”こと、および、“「地球環境」「ステークホルダー」「人的資本」を重視した『サステナビリティ経営』を推進する”ことを基本方針としています。『選ばれる企業』とは、「お客様、取引先・従業員・地域社会と強固な共存共栄の関係を築き、その責任を果たし続ける企業」と定義しています。また、同ビジョンにおける基本戦略として、「需要創造型食品メーカーへの挑戦」と「収益構造改革と経営品質の向上」を掲げております。「需要創造型食品メーカーへの挑戦」では、①業務用食品事業における創造的かつ効率的な需要対応の推進 ②需要創造によるヘルスフード・海外事業の成長 ③市販事業開発の推進とブランド価値の創出に取り組んでおります。また、「収益構造改革と経営品質の向上」では、①業務用事業の収益構造の改革 ②ライン部門とスタッフ部門の生産性向上 ③改革を推進する組織と人材開発に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、主な経営指標として売上高、営業利益率の他に、「資本コストや株価を意識した経営」にも取り組んでおり、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)を判断軸に資本コストを上回る収益基盤の構築に努めてまいります。また、PBR(株価純資産倍率)の向上も図っていくとともに、DOE(株主資本配当率)を基準として、適時適切な株主還元を行ってまいります。 2030年3月期を着地点とします長期ビジョン“あじかんV30 ver.2.0”においては、売上高 590億円、営業利益率 4.5%以上、ROE 8%以上、ROIC 6%以上、DOE 3%以上、PBR 1倍以上を目標としております。 (4)経営環境 為替や株価の変動は、当社の仕入原価やデリバティブなどの時価評価に大きな影響を与えます。特に近年の金融資本市場は不安定な動きとなっており、安定的な経営成績を確保することが困難になることも予想されます。また、当社主要原材料である鶏卵価格が鳥インフルエンザの影響や、飼料価格の高騰などから高値で推移していることに加え、人件費、エネルギーコストの上昇など厳しい経営環境が継続しております。 他方、販売面におきましても、食品の安全・安心への関心が高まる中で、同業他社との販売競争は以前にも増して激しくなってきており、引き続き厳しい経営環境となることを予想しております。 (5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 当社グループを取り巻く経営環境は、世界情勢の不安定さに加え、原材料費・人件費・物流費などの諸経費の上昇が続くことで需要の減退に繋がっています。また、主要原材料である鶏卵についても価格が高止まりしていることに加え、鳥インフルエンザに対する発生メカニズムも依然として未解明であることから、常に発生のリスクを保有しながらの事業活動となり、引き続き厳しい経営環境になると予想されます。当社は、製品の安定供給に努めるとともに、安定的に利益を確保し、新しい事業へ投資することで、企業の成長促進を加速させていくことが最重点の課題であると認識しております。 このような状況の中、当社グループは、「“おやくだち”の精神でお客さまや取引先、株主、社会へ貢献し、社員がいきいきと働く風土づくりと安定した収益構造および価値創造ビジネスの推進により、“選ばれる企業”として持続的に成長していく」ことを基本方針とする第13次中期経営計画を達成するため、各施策を展開しております。 次期におきましては、第13次中期経営計画のもと、長期ビジョン「あじかんV30 ver.2.0」の実現に向けた設備・人的投資を進めるための収益構造改革の完遂と新たな価値創造へ向けて、営業のシステム化の促進や配合集約などによる生産効率の向上など、既存事業での収益構造の安定化に加え、2026年3月期に新設したマーケティング部で、巻寿司文化の啓蒙活動を強化するとともに市販事業など当社の次期の柱となる事業を構築してまいります。また、サステナビリティ経営を実践することで、環境に配慮した活動を進めるとともに、人材への成長投資も行い、従業員のエンゲージメントを向上させ、より強い組織を作ってまいります。 次期の重点取組項目は、以下のとおりです。 ① 収益構造改革の完遂 ② 業務用事業の質的成長と拡大 ③ ヘルスフード事業、海外事業の成長拡大 ④ ごぼう事業、市販事業の新たな価値の創造 ⑤ 経営品質の向上
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境および対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針 当社グループは、「調和・創造・革新」の経営理念のもと、“顧客、株主、従業員、社会への喜びを創造する企業になる”ことを経営の基本方針としております。特に、“食”に携わる企業として、“常に安全性を追求し、高品質な食品で安心と健康を顧客ならびに消費者の方へお届けする”ことが、企業活動において果たすべき最重要な使命と認識しております。 この使命を果たしていく中で得られる顧客との信頼関係を、より広くより強固なものとしていくことが、企業価値を高めることに繋がり、ひいては株主のみなさまの期待にお応えできることになると考えております。 (2)経営戦略等 当社グループは、「製造直販」の販売スタイルを堅持し、技術力を核とした研究開発力の強化、ならびにチルド製品の安全性確保を根底においた独自の「コールドチェーン・システム(低温流通体制)」の整備に努めてまいりました。これらは、顧客ニーズへの迅速かつ的確な対応と商品の“品質と安全”の両立を可能とする、当社の強みとなっております。また、安定した成長を続ける中食市場を中心とした業務用食品事業の基盤強化に加え、国内の少子高齢化を見据え、ヘルスフード事業および海外事業などの成長事業の拡大にも積極的に取り組んでまいりました。 当社グループは、2030年3月期を着地点とする長期ビジョン“あじかんV30 ver.2.0”を策定しております。同ビジョンでは“「需要創造」「収益構造改革」「経営品質向上」により『選ばれる企業』になる”こと、および、“「地球環境」「ステークホルダー」「人的資本」を重視した『サステナビリティ経営』を推進する”ことを基本方針としています。『選ばれる企業』とは、「お客様、取引先・従業員・地域社会と強固な共存共栄の関係を築き、その責任を果たし続ける企業」と定義しています。また、同ビジョンにおける基本戦略として、「需要創造型食品メーカーへの挑戦」と「収益構造改革と経営品質の向上」を掲げております。「需要創造型食品メーカーへの挑戦」では、①業務用食品事業における創造的かつ効率的な需要対応の推進 ②需要創造によるヘルスフード・海外事業の成長 ③市販事業開発の推進とブランド価値の創出に取り組んでおります。また、「収益構造改革と経営品質の向上」では、①業務用事業の収益構造の改革 ②ライン部門とスタッフ部門の生産性向上 ③改革を推進する組織と人材開発に取り組み、持続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等 当社は、主な経営指標として売上高、営業利益率の他に、「資本コストや株価を意識した経営」にも取り組んでおり、ROE(自己資本利益率)、ROIC(投下資本利益率)を判断軸に資本コストを上回る収益基盤の構築に努めてまいります。また、PBR(株価純資産倍率)の向上も図っていくとともに、DOE(株主資本配当率)を基準として、適時適切な株主還元を行ってまいります。 2030年3月期を着地点とします長期ビジョン“あじかんV30 ver.2.0”においては、売上高 590億円、営業利益率 4.5%以上、ROE 8%以上、ROIC 6%以上、DOE 3%以上、PBR 1倍以上を目標としております。 (4)経営環境 為替や株価の変動は、当社の仕入原価やデリバティブなどの時価評価に大きな影響を与えます。特に近年の金融資本市場は不安定な動きとなっており、安定的な経営成績を確保することが困難になることも予想されます。また、当社主要原材料である鶏卵価格が鳥インフルエンザの影響や、飼料価格の高騰などから高値で推移していることに加え、人件費、エネルギーコストの上昇など厳しい経営環境が継続しております。 他方、販売面におきましても、食品の安全・安心への関心が高まる中で、同業他社との販売競争は以前にも増して激しくなってきており、引き続き厳しい経営環境となることを予想しております。 (5)優先的に対処すべき事業上および財務上の課題 当社グループを取り巻く経営環境は、世界情勢の不安定さに加え、原材料費・人件費・物流費などの諸経費の上昇が続くことで需要の減退に繋がっています。また、主要原材料である鶏卵についても価格が高止まりしていることに加え、鳥インフルエンザに対する発生メカニズムも依然として未解明であることから、常に発生のリスクを保有しながらの事業活動となり、引き続き厳しい経営環境になると予想されます。当社は、製品の安定供給に努めるとともに、安定的に利益を確保し、新しい事業へ投資することで、企業の成長促進を加速させていくことが最重点の課題であると認識しております。 このような状況の中、当社グループは、「“おやくだち”の精神でお客さまや取引先、株主、社会へ貢献し、社員がいきいきと働く風土づくりと安定した収益構造および価値創造ビジネスの推進により、“選ばれる企業”として持続的に成長していく」ことを基本方針とする第13次中期経営計画を達成するため、各施策を展開しております。 次期におきましては、第13次中期経営計画のもと、長期ビジョン「あじかんV30 ver.2.0」の実現に向けた設備・人的投資を進めるための収益構造改革の完遂と新たな価値創造へ向けて、営業のシステム化の促進や配合集約などによる生産効率の向上など、既存事業での収益構造の安定化に加え、2026年3月期に新設したマーケティング部で、巻寿司文化の啓蒙活動を強化するとともに市販事業など当社の次期の柱となる事業を構築してまいります。また、サステナビリティ経営を実践することで、環境に配慮した活動を進めるとともに、人材への成長投資も行い、従業員のエンゲージメントを向上させ、より強い組織を作ってまいります。 次期の重点取組項目は、以下のとおりです。 ① 収益構造改革の完遂 ② 業務用事業の質的成長と拡大 ③ ヘルスフード事業、海外事業の成長拡大 ④ ごぼう事業、市販事業の新たな価値の創造 ⑤ 経営品質の向上
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態および経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善が続く中で、個人消費や設備投資に持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、物価上昇の継続や、海外経済の不確実性、金融資本市場の変動に加え、中東情勢の緊迫化や国際情勢の不安定化などもあり、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。 食品業界におきましては、原材料価格やエネルギーコストの高止まりに加え、人手不足を背景とした人件費の上昇が続くなど、引き続き厳しい経営環境で推移いたしました。 このような状況の中、当社グループは「“おやくだち”の精神でお客さまや取引先、株主、社会へ貢献し、社員がいきいきと働く風土づくりと安定した収益構造および価値創造ビジネスの推進により、“選ばれる企業”として持続的に成長していく」ことを基本方針とした第13次中期経営計画の2年目を開始し、第一に「収益構造改革の完遂」、第二に「業務用事業の質的成長と拡大」、第三に「ヘルスフード事業、海外事業の成長拡大」、第四に「ごぼう事業、市販事業の新たな価値の創造」、第五に「経営品質の向上」を重点施策とした取り組みを展開してまいりました。 この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態(資産) 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ261百万円増加し27,158百万円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末に比べ40百万円増加し13,803百万円となりました。 固定資産は、前連結会計年度末に比べ220百万円増加し13,354百万円となりました。 (負債) 負債合計は、前連結会計年度末に比べ652百万円減少し8,855百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末に比べ737百万円減少し7,544百万円となりました。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ85百万円増加し1,311百万円となりました。 (純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ913百万円増加し18,302百万円となりました。 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.8ポイント上昇し67.4%となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の売上高は、業務用食品等においてはほぼ前連結会計年度並みとなりましたが、ヘルスフードが伸長し、51,430百万円(前連結会計年度比0.8%増加)となり、前連結会計年度を上回りました。 利益面につきましては、売価改定を実施したものの、当社の主要原材料である鶏卵価格が過去に類を見ない高値で推移したことに加え、人件費や物流コストの上昇などもあり、営業利益は1,279百万円(前連結会計年度比34.9%減少)となりました。経常利益は、為替差益や持分法による投資利益、長期為替予約評価益などを計上し、1,642百万円(前連結会計年度比26.1%減少)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損の計上などにより1,111百万円(前連結会計年度比28.3%減少)となりました。 報告セグメント別の経営成績は次のとおりであります。 (業務用食品等) 販売面におきましては、米や海苔などの価格高騰を背景に巻寿司需要が減少し、当社主力製品である味付けかんぴょうなどの野菜加工品や、かに風味蒲鉾などのすり身製品の販売が低調に推移いたしました。 また、食料品価格上昇に伴う消費行動の変化やインバウンド需要の影響などにより市場環境が変化し、当社の主要取引先であるスーパーマーケットやコンビニエンスストアを中心とした米飯市場の需要は減少いたしました。 このような需要動向および主要原材料価格の高騰を背景に、2025年4月および2026年2月に売価改定を実施し、一定の増収効果があったほか、ビジネスホテルなどの新たな業態への販促活動を強化するなど販路拡大に努めたものの、国内売上高は前連結会計年度を下回る結果となりました。 一方、海外輸出売上高につきましては、アメリカではカリフォルニア州における動物福祉法(Prop.12)の発令で玉子製品の流通に一定の制約があったものの、規制対象外の州への拡販によって売上の下支えとなりました。加えて、オセアニアやシンガポール、香港などを中心に玉子製品の需要が拡大し、海外売上高は前連結会計年度を上回る結果となりました。 生産面におきましては、生産効率の向上に努めましたが、主要原材料である鶏卵価格が高値で推移したことに加え、巻寿司用具材の生産高減少影響により、製造原価率は前連結会計年度に比べ大幅に上昇しました。 また、販売費につきましては、人件費および物流コストの上昇により、前連結会計年度に比べ増加しました。 これらの結果、外部顧客への売上高は46,960百万円(前連結会計年度比0.1%減少)となり、セグメント利益(営業利益)は2,564百万円(前連結会計年度比29.8%減少)となりました。 (ヘルスフード) 販売面におきましては、通信販売においては、テレビCMを中心に積極的な広告宣伝を実施したことなどにより、「焙煎ごぼう茶 ごぼうのおかげW」をはじめとした機能性表示食品の売上が好調に推移したことで、売上高は前連結会計年度を上回る結果となりました。一方、ドラッグストアなどでの市販品では、ペットボトルタイプの「おいしい!ごぼう茶」の売上が好調に推移したことや、ごぼうを原料としたチョコレート風の菓子「GOVOCE」「GOVOCEミルク」などの発売効果もあり、売上高は前連結会計年度を上回る結果となりました。 生産面におきましては、生産高が増加したことで固定費率が低下しましたが、主要原材料であるごぼうが高値で推移した結果、製造原価率は前連結会計年度に比べ上昇しました。 販売費につきましては、増収に伴う変動費の増加に加え、戦略的な広告宣伝の実施、人件費の上昇などにより、前連結会計年度に比べ増加しました。 これらの結果、外部顧客への売上高は4,007百万円(前連結会計年度比11.8%増加)となり、セグメント利益(営業利益)は339百万円(前連結会計年度比58.2%増加)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ71百万円増加し2,326百万円となりました。 (営業活動によるキャッシュ・フロー) 営業活動によるキャッシュ・フローは1,735百万円(前連結会計年度比49.8%減少)となりました。これは、法人税等の支払605百万円などもありましたが、税金等調整前当期純利益の計上1,597百万円や、減価償却費1,301百万円、売上債権・棚卸資産・仕入債務を合計した運転資金面での増加153百万円などが主な内容となっております。 (投資活動によるキャッシュ・フロー) 投資活動の結果、使用した資金は1,173百万円(前連結会計年度比53.6%増加)となりました。これは、生産設備の増強投資・メンテナンス投資、営業関連システムの構築などが主な内容となっております。 (財務活動によるキャッシュ・フロー) 財務活動の結果、使用した資金は518百万円(前連結会計年度比79.9%減少)となりました。これは、短期・長期借入金の借入による収入(純額)72百万円、配当金の支払額229百万円、自己株式の取得による支出185百万円、リース債務の返済による支出130百万円などが主な内容となっております。 なお、借入金の期末残高は、前連結会計年度末より72百万円増加し3,158百万円となっております。 ③生産、仕入、受注及び販売の実績a.生産実績 当連結会計年度のセグメントの生産実績を製品別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前連結会計年度比(%)業務用食品等(百万円)22,70896.4玉子焼類(百万円)16,285102.8味付かんぴょう・しいたけ類(百万円)3,58785.0蒲鉾類(百万円)1,63774.0その他(百万円)1,19893.8ヘルスフード(百万円)4,015104.3ごぼう茶関連製品(百万円)4,015104.3合計(百万円)26,72497.5 (注)金額は販売価格で表示しております。 b.製品仕入実績 当連結会計年度のセグメントの仕入実績を製品別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前連結会計年度比(%)業務用食品等(百万円)8,07691.9玉子焼類(百万円)1,30299.1味付かんぴょう・しいたけ類(百万円)6998.3自社企画ブランド品(百万円)5,56990.9その他(百万円)1,13489.0ヘルスフード(百万円)134145.6ごぼう茶関連製品(百万円)134145.6合計(百万円)8,21092.4 (注)金額は仕入価格で表示しております。 c.商品仕入実績 当連結会計年度のセグメントの仕入実績を商品別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前連結会計年度比(%)業務用食品等(百万円)10,897102.0常温食品(百万円)2,638113.9冷凍・冷蔵食品(百万円)8,24698.7その他(百万円)12113.3ヘルスフード(百万円)1055.5その他(百万円)1055.5合計(百万円)10,908101.9 (注)金額は仕入価格で表示しております。 d.受注実績 当社グループ(当社及び連結子会社)は、主に見込み生産を行っており、受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。 e.販売実績 当連結会計年度のセグメントの販売実績を製商品別に示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前連結会計年度比(%)業務用食品等(百万円)46,96099.9玉子焼類(百万円)18,092106.2味付かんぴょう・しいたけ類(百万円)3,43391.9蒲鉾類(百万円)1,93686.7自社企画ブランド品(百万円)7,21394.1その他(百万円)2,84594.8製品計(百万円)33,52099.6常温食品(百万円)3,230102.3冷凍・冷蔵食品(百万円)10,194100.3その他(百万円)15110.4商品計(百万円)13,440100.8ヘルスフード(百万円)4,007111.8ごぼう茶関連製品(百万円)3,916111.8その他(百万円)90110.3報告セグメント計(百万円)50,967100.8その他(百万円)462100.7合計(百万円)51,430100.8 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10に満たないため記載を省略しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態および経営成績の状況に関する認識および分析・検討内容a.財政状態(資産) 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ261百万円増加し27,158百万円となりました。 流動資産は、前連結会計年度末に比べ40百万円増加し13,803百万円となりました。主な増減要因は、原材料及び貯蔵品の増加122百万円、その他に含まれる為替予約の増加119百万円、商品及び製品の減少438百万円などであります。 固定資産は、前連結会計年度末に比べ220百万円増加し13,354百万円となりました。これは、投資有価証券の時価評価や、退職給付に係る資産が増加したためであります。 (負債) 負債合計は、前連結会計年度末に比べ652百万円減少し8,855百万円となりました。 流動負債は、前連結会計年度末に比べ737百万円減少し7,544百万円となりました。主な減少要因は、買掛金の減少144百万円、未払法人税等の減少199百万円、その他に含まれる未払金の減少191百万円などであります。 固定負債は、前連結会計年度末に比べ85百万円増加し1,311百万円となりました。主な増減要因は、繰延税金負債の増加125百万円、リース債務の減少47百万円などであります。 (純資産) 純資産合計は、前連結会計年度末に比べ913百万円増加し18,302百万円となりました。主な増減要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による増加1,111百万円、その他有価証券評価差額金の増加119百万円、為替換算調整勘定の増加68百万円、剰余金の配当による減少228百万円などであります。 この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.8ポイント上昇し67.4%となりました。 b.経営成績 当連結会計年度の売上高は、業務用食品等が前年並みで推移する中、ヘルスフード分野が成長を牽引し、売上高は、51,430百万円(前連結会計年度比0.8%増加)と増収を確保いたしました。市場環境や消費動向が大きく変化する中においても、重点領域への取り組みが一定の成果につながったものと認識しております。 一方で、利益面においては、主要原材料である鶏卵価格が過去に例を見ない水準で高騰したことに加え、人件費や物流コストなど各種コスト上昇の影響を大きく受けました。売価改定など収益改善施策を進めたものの、コスト増加を十分に吸収するには至らず、営業利益は1,279百万円(前連結会計年度比34.9%減少)となりました。 経常利益につきましては、為替差益、持分法による投資利益、長期為替予約評価益などを計上しましたが、1,642百万円(前連結会計年度比26.1%減少)となりました。また、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産除却損の計上などにより、1,111百万円(前連結会計年度比28.3%減少)となりました。 セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。 (業務用食品等) 販売面におきましては、米や海苔などの価格高騰を背景とした巻寿司需要の減少や、食料品価格上昇に伴う消費行動の変化などにより、主要販売先であるスーパーマーケットやコンビニエンスストアを中心とした米飯市場の需要が減少いたしました。このような環境下、2025年4月および2026年2月に売価改定を実施したほか、ビジネスホテルなど新たな業態への販促活動を強化し、販路拡大に取り組みました。また、海外ではアメリカの規制影響への対応を進めるとともに、オセアニアやシンガポール、香港などで玉子製品の需要拡大を取り込み、海外売上高は前年を上回りました。しかしながら、国内需要減少の影響が大きく、外部顧客への売上高は減収(前連結会計年度比0.1%減少)となりました。 利益面におきましては、生産効率向上に努めたものの、主要原材料である鶏卵価格が高水準で推移したことに加え、巻寿司用具材の生産高減少による操業度低下の影響などにより、製造原価率が上昇いたしました。また、人件費や物流コストの増加も利益を圧迫し、セグメント利益(営業利益)は減益(前連結会計年度比29.8%減少)となりました。今後におきましては、2026年3月期に新設したマーケティング部を中心に、営業と開発部門の連携をさらに強化し、引き続き需要創造型の営業・開発を推進してまいります。 (ヘルスフード) 販売面におきましては、通信販売においてテレビCMを中心とした積極的な広告宣伝を展開した結果、「焙煎ごぼう茶ごぼうのおかげW」をはじめとする機能性表示食品の販売が好調に推移いたしました。また、市販品につきましても、ドラッグストアなどへの新規開拓やインストアプロモーション強化に取り組んだことにより、売上拡大につながりました。この結果、外部顧客への売上高は増収(前連結会計年度比11.8%増加)となりました。 利益面におきましては、主要原材料であるごぼう価格の高騰や、戦略的な広告宣伝投資、人件費上昇などのコスト増加要因があったものの、増収効果によりこれらを吸収し、セグメント利益(営業利益)は増益(前連結会計年度比58.2%増加)となりました。今後につきましては、環境変化や消費者ニーズに対応した新製品開発を進めるとともに、ごぼう関連製品を中心とした販路拡大と新市場開拓を推進し、持続的な成長と収益基盤の強化に取り組んでまいります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源および資金の流動性に係る情報 当社は、フリーキャッシュ・フローを営業活動により獲得したキャッシュ・フローと投資活動により支出したキャッシュ・フローの合計として定義しております。当社は、フリーキャッシュ・フローを借入金などの負債の返済に充当可能な資金であるとともに、戦略的投資など、事業拡大に充当可能な資金として有用な指標と考えております。前連結会計年度と当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは、次のとおりであります。 前連結会計年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)キャッシュ・フロー増減営業活動によるキャッシュ・フロー3,455百万円1,735百万円△1,719百万円投資活動によるキャッシュ・フロー△763△1,173△409フリーキャッシュ・フロー2,691562△2,129 営業活動によるキャッシュ・フローが前連結会計年度を下回ったことに加え、投資活動によるキャッシュ・フローの支出増加などにより、フリーキャッシュ・フローはプラスを維持したものの、前連結会計年度より2,129百万円減少いたしました。また、財務活動によるキャッシュ・フローは、リース債務の返済による支出130百万円、自己株式の取得による支出185百万円、配当金の支払い229百万円などがありましたが、必要な資金水準は維持しております。 また、現金及び現金同等物につきましては、厳密な目標水準は定めていませんが、事業展開に伴う資金需要への対応、および有利子負債の返済に対して必要十分な額を確保しているものと認識しております。 当社グループの資本の財源および資金の流動性につきましては、持続的な成長拡大のための積極的投資と株主への安定的な利益還元に必要な資金の確保、並びに財務基盤の安定化を目的とし、安定的な営業キャッシュ・フローの創出に努めております。 当連結会計年度末時点において、重要な資本的支出の予定はなく、運転資金および設備投資資金については、主として自己資金から充当し、必要に応じて金融機関からの借入により調達していく方針です。 ③重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去の実績や最も合理的と判断される前提に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 主要原材料の調達リスク
    鶏卵、干瓢、椎茸、ごぼう、魚肉すり身といった主要原材料は、作況、自然災害、鳥インフルエンザの発生、漁獲量制限などにより、調達価格や調達量が大きく変動する可能性があります。特に鶏卵は鳥インフルエンザの拡大傾向により、価格高騰や安定調達が困難になるリスクがあり、収益に大きな影響を与える可能性があります。
  • 市場競争と消費者嗜好の変化
    中食業態(スーパー、コンビニなど)は消費者の嗜好の変化に強く影響されるため、競合他社の新製品投入や販売促進活動により、自社製品の競争力が低下したり、販売機会が減少したりする可能性があります。また、取引先の経営状態や販売政策の変化も、販売価格や販売量に影響を及ぼすリスクがあります。
  • 海外事業におけるカントリーリスク
    中国や東南アジア諸国での生産委託、米国での販売拠点設立など、海外での事業展開を強化しています。しかし、これらの国々での政治・経済情勢の変化、法規制・税制の改正、反日デモ、鳥インフルエンザの感染拡大など、予期せぬカントリーリスクが発生した場合、製品の生産・調達・販売に支障が生じ、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,798 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を及ぼす可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)主要原材料の調達について当社グループが生産する製品は、鶏卵、干瓢、椎茸、ごぼう、魚肉すり身を主原料としており、契約購買や分散調達により安定した数量の確保と特定の調達先への集中の回避を図っております。しかし、これらの原料は、作況、自然災害や大規模事故等の産地や生産者への影響、相場の変動、漁獲量制限、調達先の経済状況などによって、調達価格や調達量に影響を受ける可能性があります。特に鶏卵においては、近年、鳥インフルエンザの発生が日本各地で拡大する傾向にあり、採卵鶏の減少から需給バランスが崩れ大幅な価格変動や安定的な調達が困難となる可能性があります。また、調味料、食用油といった副原料や包装資材などの原材料全般にわたって、需給動向や原油価格、穀物価格、為替などにより調達価格が変動する可能性があります。特に、中東地域における地政学的リスクの高まりなどにより、原油価格や海上輸送費が上昇した場合には、包装資材価格、物流費、エネルギーコスト等が増加するほか、資材の入荷遅延や調達困難が発生し、当社グループの生産活動に影響を及ぼす可能性があります。その結果、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。 (2)業界動向および競合などについて当社の主要取引業態であります中食業態(スーパーマーケット、コンビニエンスストアなど)は、消費者の嗜好の変化および多様化の影響を強く受ける分野であります。そのため当社におきましては、商品開発力ならびに調達力を強化し、当社取扱品の差別化を推し進めるとともに、品揃えの充実を図っております。しかしながら、競合による新製品の投入や販売促進活動により、当社取扱品の競争力低下や販売機会の減少などの影響を受ける可能性があります。また、中食業界や取引先の経営状態、販売政策などの変化によって、販売機会や販売価格に影響を受ける可能性があります。 (3)為替相場の変動による影響について当社の取扱品には海外からの輸入品が含まれており、為替相場の変動によるリスクをヘッジする目的で、為替予約による対策を講じております。しかしながら、リスクヘッジにより為替相場変動の影響を緩和することは可能であっても、影響をすべて排除することは不可能であり、当社の財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。 (4)年金債務について当社の退職給付費用および退職給付債務は、割引率、年金資産の長期期待運用収益率などの基礎率を前提に算出しております。この前提が経済環境の変化、その他の要因により変動した場合や、年金資産の運用実績が低下した場合には、当社の財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。 (5)固定資産の減損について当社グループは、土地、建物、機械装置等の様々な資産を所有しております。工場の新設など新たな投資を行う場合は、投資効果や、回収可能性を十分に検証したうえで、投資をおこなっておりますが、外部環境の急激な変化や、時価の下落などにより、投資額の回収が見込めなくなった場合、減損損失を計上する可能性があり、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。 (6)人材・労務関連について当社グループは、継続的な新卒・中途採用による人材確保、労働環境の改善による人材の定着化に取り組んでおりますが、生産や販売を担う人材の不足によって、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。また、生産を担う従業員は、正社員に加え、パート、アルバイト、外国人技能実習生が多数従事しており、これら勤務者の就業等に関する法改正などが行われた場合は製造コストが上昇し、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。 (7)食品の安全性について食品業界におきましては、鳥インフルエンザの流行、無認可添加物の使用問題、産地の偽装表示などの諸問題が過去に発生しております。 これらに対し、当社グループでは、製造工程に導入しております「品質保証システム(ISO9001)」や「衛生管理システム(HACCP)」を構築し対処してまいりました。 また、起源原料まで溯って追査できるトレーサビリティの仕組みに加えて、フードディフェンス面の強化をする目的で、食品安全のための規格である「FSSC22000」を認証取得しており、品質管理については万全な体制で臨んでおりますが、今後も当社グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な食品の安全性や品質に係る問題が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。 (8)自然災害およびウイルス感染症による影響について当社グループは、国内および中国、米国に複数の拠点を構え、生産および営業活動を行っております。これらの拠点やその周辺で大規模な地震や風水害などが発生した場合に備え、BCP(事業継続計画)を整備することにより早期に復旧できる体制を整えておりますが、自然災害を未然に防止することは困難であり、各拠点での事業活動に支障を来す可能性があります。また、新たなウイルス感染症の発生などにより、今後の事業活動に影響を与える可能性があります。 (9)気候変動による影響について当社グループでは、気候変動などの環境問題に対し、食品ロスの削減、CO₂排出量の低減、プラスチック包材の削減などへの取り組みを進めておりますが、地球温暖化により、主要原材料である農作物などの調達価格、調達量に影響を及ぼす可能性があり、財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。 (10)事業展開に伴うカントリーリスクについて当社グループは、中国の関係会社に加え、東南アジア諸国の生産委託先にて、日本国内のみならず米国、アジア、オセアニア向けの製品を開発・生産・供給しております。また、近年は中国国内における販売事業へ注力する一方で、米国において販売拠点となる子会社を設立するなど、海外販売事業を強化してまいりました。当社グループでは、これらの製品の供給先・販売先のカントリーリスクを事前に調査、把握して対処するよう努力しておりますが、不測の政治・経済的環境変化や法規制・税制の改正、反日デモの発生、鳥インフルエンザの感染拡大などにより、製品の生産や調達、販売ができなくなった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を与える可能性があります。

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