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ツクルバ(2978)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

不動産業 不動産

事業の概要

  • 中古・リノベ住宅流通
    ツクルバは、ITを活用した中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」を運営しています。オンラインメディアを通じて物件情報を提供し、自社のエージェントが売買仲介サービスを行います。また、定額パッケージのリノベーションサービスや自社企画商品の開発・販売も手掛けています。
  • 売買仲介手数料が主な収益源
    主な収益源は、中古・リノベーション住宅の売買が成立した際に、売主と買主の双方から受け取る仲介手数料です。その他、リノベーションの斡旋手数料や、自社で企画・開発した商品の販売収益も得ています。広告掲載料は受け取っていません。
  • ITで住宅購入体験を刷新
    従来の不動産情報サイトとは異なり、ソーシャルメディアを活用し、独自に撮影した写真や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアで物件情報を流通させています。会員向けには、ユーザーの好みに合わせた物件を提案するアプリや、エージェントとのオンラインチャットで相談できるアプリを提供し、住宅購入体験をデジタルで統合・刷新しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • カウカモ事業
    ツクルバの主力事業であり、中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo」を運営しています。オンラインメディアでの物件情報提供、自社エージェントによる売買仲介、リノベーションサービス、自社企画商品の開発・販売が主な内容です。最新年度の売上高は53.96億円、営業利益は10.25億円と、同社の収益の大部分を占める稼ぎ頭です。
  • 不動産企画・設計事業
    このセグメントは、不動産の企画や設計に関連する事業を行っています。具体的な内容は記載されていませんが、カウカモ事業と連携し、リノベーション物件の企画やデザインなどを手掛けている可能性があります。最新年度の売上高は0.87億円、営業利益は0.08億円と、カウカモ事業と比較すると規模は小さいです。
  • 事業構成と地域
    ツクルバグループは、主に「カウカモ事業」と「不動産企画・設計事業」の2つのセグメントで構成されています。カウカモ事業が圧倒的な売上と利益を上げており、同社の事業の中心です。事業展開は主に首都圏を中心に行われています。
2024-07 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
CowcamoBusinessReportableSegment 地域 54 10 19.0%
PropertyPlanningAndDesignDivisionReportableSegment 事業 1 0 9.5%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,132 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び連結子会社2社(株式会社ツクルバボックス、株式会社カウカモ工務店)の計3社により構成されております。当社グループは、「住まいの『もつ』を自由に。『かえる』を何度でも。」をビジョンに掲げ、情報通信技術、デザインを高次に融合させることで、誰もが個性豊かな生き方を実現できる仕組みを提供すべく事業活動を行っております。 (1) cowcamo(カウカモ)事業当事業では、ITを活用した中古・リノベーション住宅流通プラットフォーム「cowcamo」において、オンラインメディアを通じた物件情報流通サービス、自社エージェント(※1)による売買仲介サービス、定額パッケージも含めたリノベーションサービス、自社企画商品の開発・販売を主なサービスとして提供しております。当事業の特徴は、中古住宅流通のバリューチェーン(※2)を、テクノロジーを用いて統合している点にあります。具体的には、中古・リノベーション住宅における一連の顧客体験の統合・刷新(特徴①-1)、住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化(特徴①-2)、顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用(特徴②)にあります。当事業では、中古・リノベーション住宅に特化した住宅情報メディアサービス及びエージェントによる仲介サービスを提供しております。主な収益源は、中古・リノベーション住宅の売買に関して売手及び買手から受領する売買仲介手数料、その他付随するリノベーション等の斡旋手数料等、自社企画商品の販売収益であり、広告掲載料等は受領しておりません。 特徴①-1:中古・リノベーション住宅購入における一連の顧客体験の統合・刷新当事業では、オンラインの住宅情報流通メディアを中心に、中古・リノベーション住宅の購入体験の統合・刷新を図っております。具体的には、従来の店舗やチラシ、物件情報検索サイトを通じた画一的な物件情報流通に対して、ソーシャルメディア等のチャネルに特化し、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアとしての物件情報流通モデルを確立しております。また、会員向けに、当社グループ独自の物件情報データベースからユーザーの嗜好にあった物件を選定・提案するネイティブアプリ(※3)や、住宅購入検討プロセスにおけるエージェントとのコミュニケーションをオンラインチャット上で行うことができるネイティブアプリを相次いで開発し、多数の会員を有する住宅購入サービスへと成長いたしました。なお、「cowcamo」における会員数は60万人に達しております。 特徴①-2:住宅デザイン企画・メディア運営・エージェントサービスの一連のオペレーションの統合・最適化一連の業務フローにおいて自社開発したシステムを活用することにより、高い生産性と顧客満足の両立を図っております。具体的には、顧客の個別的な嗜好性や住まい探しの状況を一元的に把握・管理することが可能な顧客管理システム、エージェントによる顧客への提案支援、顧客とのアポイントメント管理、業務の優先度管理等を支援する業務支援システム、顧客とのコミュニケーションを円滑化・効率化するチャットアプリなど、一連の業務フローが全て自社開発プロダクトによりシステム化されております。これにより、各々の業務プロセスにおいて高い生産性を実現するとともに、非熟練者でもオペレーションを遂行できることから事業拡大に柔軟に対応可能な組織の拡張性を実現していると考えております。当社グループの組織的能力である特徴①-2により当社グループのサービス価値である特徴①-1の提供が実現していると考えております。 特徴②:顧客ニーズや物件のデザイン、物件の取引データなどの独自データの活用cowcamoでは、前述したメディアサービス、エージェントサービスを通じて、顧客ニーズやリノベーションのデザイン、物件・取引情報等の多数のデータを蓄積しております。これらのデータを解析・活用することで、ユーザーのニーズの分析や、最適なリノベーション企画の立案、販売価格の推計等が可能となります。当事業ではこれらを応用し、当サービスを利用する売主・事業者に対してリノベーション物件の商品企画や販売支援などの業務支援サービスの提供や自社企画商品の開発・販売を行っております。これにより、収益機会が拡大するとともに、cowcamoのユーザー・会員に適した物件の供給が増大し、サービス全体の価値向上に寄与するものと考えております。 〔用語説明〕(※1)エージェント エージェントとは、顧客の住まい探しから物件購入における仲介業務を行う不動産仲介者のこと。 (※2)バリューチェーン バリューチェーンとは、一連の事業活動を、個々の工程の集合体ではなく価値の連鎖として捉えること。 (※3)ネイティブアプリ Apple Inc.が運営する「App Store」やGoogle Inc.が運営する「Google Play」等のアプリマーケットよりプログラムをダウンロードして利用するアプリケーションのこと。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
テクノロジーを用いたバリューチェーン統合と独自データ活用により、顧客体験を刷新しているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 ネットワーク
オンラインメディアを通じた物件情報流通サービス、自社エージェントによる売買仲介サービス、リノベーションサービス、自社企画商品の開発・販売を統合。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 低い(分散)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 成長投資
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 高い
会社が挙げる主要リスク:不動産市況の低迷 / 技術革新への対応遅れ / 競合企業の新規参入
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 4 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

ツクルバは不動産テック事業を展開しており、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、独占的IPの存在を示す公開情報は現時点では確認できない。事業の性質上、無形資産による競争優位性は限定的と判断される。

スイッチングコスト★★☆☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

「cowcamo」などのプラットフォームは、ユーザーが物件情報や契約情報を蓄積していくことで、一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、不動産探しや売買はライフイベントであり、プラットフォームへの依存度は他のSaaSサービスと比較して低いと考えられる。

ネットワーク効果★☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

不動産情報プラットフォームとしての側面はあるが、ユーザー数が増加することで物件情報が質・量ともに向上し、それが更なるユーザーを呼び込むという強力なネットワーク効果は現時点では限定的である。情報提供者と利用者間の直接的なインタラクションも少ない。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

不動産テック事業において、構造的に競合他社よりも低コストで生産・提供できる優位性は見られない。物件情報や仲介手数料など、業界標準に近いコスト構造であると推測される。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

不動産テック市場は成長途上であり、ツクルバも一定の規模を持つが、業界全体を寡占するほどの圧倒的な規模の経済性はまだ確立されていない。大手不動産会社や他のテック企業との競争は激しい。

  • テクノロジーによる業務効率化
    住宅デザインの企画からメディア運営、エージェントサービスまでの一連の業務フローを自社開発システムで統合・最適化しています。顧客管理システムや業務支援システム、チャットアプリなどを活用することで、高い生産性を実現し、経験の少ないエージェントでも業務を遂行できる体制を構築しています。
  • 独自データの活用と収益拡大
    メディアサービスやエージェントサービスを通じて、顧客のニーズ、リノベーションのデザイン、物件・取引情報といった独自のデータを大量に蓄積しています。これらのデータを分析・活用することで、ユーザーニーズの把握、最適なリノベーション企画の立案、販売価格の推計が可能となり、売主や事業者への業務支援サービス提供や自社企画商品の開発・販売につながり、収益機会を拡大しています。
  • 中古・リノベに特化した顧客体験
    オンラインメディアを中心に、中古・リノベーション住宅の購入体験を統合・刷新しています。従来の画一的な物件情報流通ではなく、独自のコンテンツ型メディアやパーソナライズされた物件提案アプリ、オンラインチャットでのエージェントとのコミュニケーションを通じて、ユーザーの嗜好に合わせたきめ細やかなサービスを提供し、55万人以上の会員を獲得しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針等(i)経営方針当社グループは、「住まいの『もつ』を自由に。『かえる』を何度でも。」をビジョンに掲げ、デザイン×テクノロジーを活用した、顧客本位の住宅流通の変革を目指しています。(ⅱ)事業アプローチ当社グループは、経営方針に基づき、分断された流通構造をデザイン×テクノロジーで統合し、ユーザー本位にアップデートします。当社グループの競争優位性の源泉であるユーザー基盤、データ、ノウハウを活用することにより、顧客価値の高く効率的な流通構造を実現します。 (2) 経営戦略等当社グループは、主力事業であるcowcamo(カウカモ)事業のサービス改善および組織体制の強化により事業規模を拡大させてまいります。具体的な経営戦略につきましては、以下のとおりであります。 (i)統合型の住宅流通プラットフォーム「cowcamo」の確立・拡大① cowcamoが目指す流通構造の改革(a)中古住宅流通のバリューチェーンをテクノロジーで統合中古住宅に関する既存の流通構造では、再販事業者が売主から物件を買取り、リノベーションを施して再販する「買取/企画開発」のプロセス、不動産ポータルサイトの運営事業者が物件情報を掲載する「情報流通」のプロセス、不動産売買仲介事業者を通じて買主が中古住宅を購入する「不動産流通」のプロセスが、いずれも別個の事業者に分散して行われています。当社グループのcowcamoでは、中古・リノベーション住宅の企画開発、情報流通、不動産流通の一連のプロセスをデザインとテクノロジーで統合することにより、一貫した顧客体験と業務の生産性向上の両立を図っております。 (b)徹底的なユーザー視点で住宅購入の体験を革新当事業では、デザインとテクノロジーを用いたメディアサービス及びエージェントサービスの統合により、ソーシャルメディア等のチャネルに特化した物件との出会いの体験、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアを通じた物件選びの体験、エージェントとのコミュニケーションをオンラインチャットやオンラインミーティング等で行うことによる物件購入の体験等、住まい探しの初期段階から購入までの一連の顧客体験すべてをデザインする事で、住宅購入に関する顧客体験の刷新を図っております。 ② 独自のポジショニング当社グループは、cowcamo(カウカモ)事業において、情報解析等のテクノロジーによって、従来は独立に存在していた不動産ポータル、仲介業ならびに不動産事業者支援サービスを統合した新しいプラットフォームを確立・拡大したいと考えております。日本の住宅流通領域におけるサービスは、Web業界を出自とする不動産ポータル事業者、不動産業界を出自とする仲介事業者、建設業界を出自とするリノベーション施工業者、またシステム・ソフトウエア業界を出自とする不動産事業者向けシステムの提供など、事業体の出自により、それぞれが独立に事業・サービスを提供し、分散されてきました。しかしながら、当社グループが市場機会として着目する中古・リノベーション住宅の流通におきましては、物件の固有性と多様化する顧客ニーズを適切にマッチングさせた上で、顧客の求める一点ものの商品を企画することが重要となるため、各事業体が提供するサービスを統合した事業モデルが有効であると考えております。また、このような統合型の住宅流通プラットフォームを確立する上では、Webサービスの開発力、仲介業務の理解並びに仲介業務を効率化する業務システムの開発力、物件情報を供給する不動産事業者やリノベーションを請け負う施工業者とのネットワーク及び同事業者に対する業務支援サービス・システムの開発力など、テクノロジーと業務オペレーション、組織力の高度な統合が必要となり、これが同業他社による類似サービスの展開に対する障壁として有効に機能するものと考えております。 ③ 一連のプロセスをデザインとテクノロジーによって統合・最適化当社グループは、データ(物件データ、顧客データ、デザインデータ)を中心として、一連の業務プロセスを自社開発のシステムによって効率的にデザインして統合・最適化し、エージェントの生産性を継続的に改善する方針です。業務プロセスの具体例は以下の通りです。(a) マーケティング:マーケティング支援ツールを用いた会員データ解析、マーケティングオートメーション (※3)(b) 物件企画・開発:企画支援ツールを用いた査定業務の自動化、物件・デザインデータの解析(c) コンテンツ制作:制作支援ツールを用いたコンテンツ管理、物件選定の自動化(d) エージェント・業務支援:エージェントCRMツール(※4)を用いた顧客データ管理、顧客と物件のマッチングによる提案支援、顧客応答の自動化、エージェントアサイン(※5)の自動化 ④ ユーザーを起点とした自律的成長サイクルの実現当社グループは、中古マンション購入における一連の顧客体験の統合・刷新等により、ユーザーのエンゲージメント(※6)を高めることで会員数の拡大を図る方針です。主な会員数の拡大のサイクルは以下の通りです。(i) オンライン・オフラインを統合してデザインされた洗練されたユーザー体験によりユーザーが蓄積(ii) 蓄積されたユーザーの購買行動により、顧客嗜好、取引、空間・企画のデータが蓄積(iii)蓄積されたデータを活用して売主側の仕入、リノベーション企画・開発、売却を提案(iv) データを基にユーザーニーズに基づく物件が供給される(v) ストーリー調の魅力的な記事により、蓄積された豊富なユーザーに訴求(vi) ユーザーがさらに集まり、反響(※7)も集まり、早く適正な価格で売れる(vii)それによってさらに売主が集まる 上記のように、洗練されたユーザー体験により既に蓄積されているユーザー基盤を起点とし、そのユーザー基盤に対して売主が集まり、さらにデータ活用によりユーザーが望む魅力的な物件が増え、さらにそれによってユーザーが増える、というユーザー基盤を起点とした自律的成長サイクルを実現しています。 ⑤ 顧客、データ、ノウハウの蓄積により持続的な競争優位を確立当社グループは、これまでの事業運営において、独自の顧客基盤、データ、オペレーションノウハウを蓄積してまいりました。今後も独自の顧客基盤、データ、オペレーションノウハウの蓄積により、持続的な競争優位の構築を図る方針です。(a) 顧客基盤の蓄積:cowcamoは首都圏における中古・リノベーション住宅流通プラットフォームとして多数の利用事業者数・ユーザー数を擁しております。(b) データの蓄積:当社グループは、首都圏の中古・リノベーション住宅流通に関する独自のデータを蓄積しております。これらのデータは、自社での取材や実際の取引に基づく統合的なデータ(物件の定性的な評価情報や内装写真等の物件固有のデータ、売出から成約にいたるまでの価格推移等の取引情報データ、cowcamo上でのユーザーの物件への反響行動に関するデータ等)であり、これまでも部分的には存在していましたが、これらのデータを統合的に蓄積している点で、希少性の高い情報資産であると考えております。(c) オペレーションノウハウの蓄積:当社グループは、オペレーション(物件情報取得、企画・デザイン、取材・記事制作、マーケティング、顧客管理、マッチング、接客支援等)をテクノロジーを活用して統合しております。一連のバリューチェーンを統合したノウハウが、同業他社による類似サービスの展開に対する障壁として有効に機能するものと考えております。 ⑥ 一貫した世界観を実現するための組織当社グループの組織的な能力であるテクノロジー、オペレーション、デザイン力、構想力、プロダクト力、マーケティング力を発現する事で、中古住宅流通のバリューチェーンの統合による一貫した世界観が実現されると考えております。(a) テクノロジー:エンジニア、データサイエンティスト(※8)を中心としたメンバーにより実現(b) オペレーション:営業、マーケティング、コンテンツ制作を中心としたメンバーにより実現(c) デザイン:Web/UXデザインに加え、建築デザインを専門とするメンバーにより実現 ⑦ 「cowcamo」による市場創出当社グループは、cowcamoを通じて、中古・リノベーション住宅の適切な価格形成と生涯買い替え頻度の向上により、中古物件流通市場の活性化をリードしたいと考えております。cowcamoは中古住宅の流通市場を対象としておりますが、(a)価格形成×(b)買い替え頻度向上により対象市場の拡大を図る方針です。なお、国土交通省「住生活基本計画(令和3年3月19日)」では、2018年に全国12兆円であった中古住宅・リフォーム市場が長期的に20兆円となることが目標として掲げられております。 (a) 価格形成の観点これまで・再販時の物件価格は、リノベーション物件購入時の物件価格を大きく下回る傾向・リノベーション物件の履歴事項や物件の固有性が評価されず、経年での価格下落が大きいcowcamoが果たす役割・リノベーション物件の流通データの蓄積によるリノベーション物件の公正な評価・一点ものの魅力を伝えるプレゼンテーションこれから・再販時の物件価格が、リノベーション物件購入時の物件価格に近づく・リノベーション物件の履歴事項や物件固有性を評価・伝達し、経年での価格下落を緩やかにする (b) 買い替え頻度向上の観点これまで・20代は賃貸、30代で持ち家を購入し、同じ住宅に住み続ける「持ち家は一生もの」という価値観cowcamoが果たす役割・ライフスタイルに応じた住み替えの促進・流通中間コストの削減による買い替えの経済性向上これから・従来の価値観に囚われず、ライフスタイルに応じて住宅を買い替える価値観 ⑧ 事業アセットを活用したさらなる成長ポテンシャル当社グループでは、cowcamo(カウカモ)事業の事業アセットであるデータ、デザインノウハウ、オペレーションモデル、ブランドを活用することで、収益機会の拡大と収益性の向上を図る方針です。(a) データ、デザインノウハウの横展開による収益機会の拡大:売主・事業者向けサービス・蓄積したデータを活用し売主・再販事業者へ企画・開発を支援(供給物件の質・量の向上、収益源の拡大)(b) デザインノウハウ、ブランドの横展開による収益機会の拡大:自社企画商品・デザインノウハウ、ブランドを活用し、自社企画商品を提供(流通額に対する収益性向上)(c) オペレーションモデル、ブランドの横展開による収益機会の拡大:パートナーモデル・自社エージェントにて確立されたオペレーションモデルを横展開(事業の拡張可能性の向上、収益源の拡大) ⑨ リノベーション時代の住宅流通プラットフォームとしてのポジションを確立当社グループはリノベーション時代の競争原理の変化の特徴として、自分らしい生活を志向する購入者層の増加、ビジュアルコミュニケーションの重要度の高まりがあると考えております。当社グループはcowcamoを通じて、リノベーション時代の住宅流通プラットフォームとしてのポジション確立を図ってまいります。 従来の住宅流通産業cowcamoが実現するプラットフォームバリューチェーン上の力点川上(住宅の供給者)川下(住宅の購入者)顧客の物件選択の軸スペック(住宅の広さ、間取り、部屋数等)ストーリー・デザイン(ユーザーの視点に立ち、住みたい街や理想の暮らしを想像できる記事)情報流通に求められる機能検索・絞り込みマッチング・提案キーコンテンツ定量情報定性情報・ビジュアルイメージオペレーション分散的統合的 ⑩ 企業価値向上に関する当社グループの考え当社グループは、ユーザー基盤の蓄積と成約率改善による売上総利益の継続的な成長及びオペレーション最適化による営業利益率の改善、並びに創出された利益の再投資による売上総利益のさらなる拡大により、企業価値の向上を図る方針です。具体的には(a)取引件数の増加及び(b)取引あたり収益の増加による売上総利益の成長と、(c)広告効率及び(d)オペレーション効率等の向上による営業利益率の改善を通じた企業価値の向上を目指して参ります。(a) 取引件数の増加要因:会員数の蓄積、成約率の向上、生涯取引機会の拡大等(b) 取引あたり収益の増加要因:流通価格の適正化、テイクレート(※9)の向上、周辺領域での収益化(c) 広告効率の改善要因:広告運用パフォーマンスの継続的改善(広告運用の内製化・最適化、顧客別のナーチャリング(※10)、プロダクトの継続的改善(d) オペレーション効率の改善要因:エージェントオペレーションの型化・高度化(営業プロセスの型化と独自CRM開発、独自ツール開発、営業支援システム導入などによる業務プロセスの省人化)、その他オペレーションの型化・高度化なお、(c)広告効率の改善及び(d)オペレーション効率の改善により「cowcamo(カウカモ)事業」のセグメント利益率は継続的に改善しております。 当社グループの経営管理上重要視しているKPI(Key Performance Indicator の略称で主要な業績評価指標のこと)は以下の通りです。 「cowcamo」のKPIの推移期間売上総利益の内訳単位:百万円仲介・付帯サービスの主要業績指標仲介・付帯サービス自社企画商品取引件数単位:件収益単価単位:百万円営業人員数単位:人営業生産性単位:件2022年7月期1,615928152.2441.42023年7月期2,3101029582.4531.52024年7月期2,4933041,0482.5671.42025年7月期2,8966461,0962.7721.32026年7月期3,1747201,0773.1771.2 (注)1. 「売上総利益の内訳」は、決済ベースにて算出しております。 2.「取引件数」は、住宅販売件数の合計値です。契約ベースにて算出しております。なお、従来は買主向けの自社企画商品の仲介を件数に含めていませんでしたが、より事業実態に合わせるため今回より含める形に変更しております。 3.「収益単価」は、仲介・付帯サービスにおける契約ベースの売上総利益を取引件数で割ることにより算出しております。 4.「営業人員数」は、特定期間の平均人数を記載しております。 5.「営業生産性」は、稼働営業人員あたりの成約ベースの取引件数を記載しております。なお、同一取引においても、当社が買主サイド及び売主サイド双方で仲介を行う場合は、それぞれ別の営業人員が担当するため、取引件数を重複してカウントしております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、上記「企業価値向上に関する当社グループの考え」に記載の通り、売上総利益、取引件数、収益単価、営業人員数、営業生産性を重要な経営指標とし、高収益事業を展開していくことにより利益率の向上を図ってまいります。 (4) 経営環境当社グループは、cowcamo(カウカモ)事業に係る事業環境を以下のように認識しています。 ① 市場規模cowcamoがターゲットする首都圏の中古マンション流通市場は、2025年時点で10兆円と推計されます(注1)。中古マンションストックにおいては、築年数25年以上の物件の割合が32%(2015年)から、2025年には全体の6割に上ると推定されます(注2)。築年数の古い物件においては、リノベーションが実施される割合が高いことから、当社グループがターゲットとしている中古・リノベーション住宅セグメントの流通量は中長期的に拡大するものと考えております。当社グループでは、首都圏での住宅購入においてリノベーションが普及するなかで、市場の拡大・一般化に伴ういくつかの変化を予想しております。(a) リノベーション住宅市場の形成・リノベーションを前提とした流通価格の形成・「安いから」中古リノベーションから「こだわるなら」中古リノベーションへ(b) 中古住宅の流通方法の多様化・リノベーション済住宅の購入・中古住宅の購入後にリノベーションを実施・リノベーション済住宅の購入後に追加でリノベーションを実施(c) 中古住宅流通事業者の変化・再販事業者の拡大・リノベーション住宅専門サイトの成長 ② ユーザー基盤の拡大当社グループは、ユーザー基盤の拡大を軸に、収益機会の最大化と市場創出に取り組む方針です。cowcamoの更なる認知拡大やプロダクトの機能向上を通じて、より多くのユーザーにご利用頂けるサービスを目指して参ります。また、現在の営業エリアである東京・横浜エリアから首都圏への展開を通じて、一層のユーザー基盤の拡大を図って参ります。 (注) 1.公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ 2025年度」、公益財団法人不動産流通推進センター「2025不動産業統計集(3月期改訂)3不動産流通」、リフォーム産業新聞社「中古住宅リノベ市場データブック 2022-2023」から首都圏における40㎡超のマンションの市場規模を当社グループが推計2.公益財団法人東日本不動産流通機構等のデータより当社グループが推計 (5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループの対処すべき課題としましては、既存事業の拡大、収益性の向上及び中長期的な成長に資する体制整備が重要であると認識しており、特に下記を重要課題として取り組んでおります。① サービスの知名度向上当社グループは、主にこれまで培ってきたデジタルマーケティングのノウハウを活用することにより、ユーザー、会員を獲得してまいりました。一方で、当面の対象市場としている首都圏の中古マンション流通市場の規模は10兆円(上記(4)参照) と広大であり、中でもリノベーションマンション市場は今後も堅調に拡大していくものと想定します。このため、今後のユーザー、会員獲得においては、より広範な認知の獲得が重要であると認識しており、今後はデジタルマーケティングの効率改善と並行し、費用対効果を慎重に検討した上で、その他の手法による広告宣伝活動も検討してまいります。② エージェントサービスのオペレーションの高度化・効率化当社グループは、これまでに開発してきた業務管理システム、蓄積してきたノウハウにより、エージェントサービスの生産性向上とサービス品質の両立に取り組んでまいりました。しかしながら、今後の事業成長のためには更なるユーザー数の増加が必要であり、恒常的な収益性の向上を実現するためには、引き続きオペレーションの高度化・効率化が重要であると考えております。そのため、蓄積された顧客データ・業務データの更なる活用、業務の自動化等の施策を実施してまいります。③ 事業開発の強化当社グループは、早期の事業拡大のために適切な外部の事業者との連携が重要であると考えております。そのため、取引先事業者との関係を強化し、事業開発の推進を図ってまいります。具体的には、cowcamo(カウカモ)事業においては、他の事業者との連携を通じた顧客向けサービスの拡充を推進すると同時に、物件供給及び事業者向けサービスの強化を図ってまいります。④ 技術開発体制の強化cowcamo(カウカモ)事業においては、技術革新のスピードは非常に早く、類似のサービスや競合の参入が予測されるため、新規サービスの展開スピードを速めるべく、エンジニアの採用・チーム体制の整備を通じて開発体制を早期に強化してまいります。⑤ 組織体制の強化当社グループは、事業規模の拡大及び成長のためには、専門性を有する人材の採用及び社員の育成、社員への企業理念・経営方針の伝達が重要な課題と考えております。当社グループは社内研修の強化、福利厚生の充実を図っていくとともに、志望者を惹きつけるような事業を展開していくことで、優秀な人材の採用強化に取組んでまいります。また、社員に対して経営ビジョン・ミッションを踏まえた当社グループの経験とノウハウに基づく研修を計画的に実施していくことで、社員の育成及び企業理念・経営方針の伝達を行ってまいります。⑥ 資金調達・財務体質の強化当社グループは、今後の事業拡大及び持続的な成長を支えるため、資金需要に応じた安定的かつ機動的な資金調達体制の構築及び財務基盤の強化が重要な課題であると認識しております。特に、不動産の仕入再販事業において、物件の仕入れから販売代金の回収までの間に運転資金を必要としており、事業規模に応じた資金の確保が求められます。このため、金融機関との良好な関係の維持・強化を通じて必要な資金の安定的な確保を図るとともに、事業計画に基づく資金管理の徹底及び資金効率の向上に取り組み、財務の健全性を確保しながら、成長を支える財務基盤の構築を進めてまいります。⑦ 情報管理体制の強化当社グループは、社内の情報管理体制を整備し、情報管理の徹底を図っておりますが、個人情報等の機密情報につきましては、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、情報セキュリティマネジメントシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図ってまいります。⑧ 内部統制の強化当社グループ事業が継続的に成長し、顧客に安定したサービスを提供し続けていくためには、継続的な内部統制の整備、強化に取り組んでいくことが重要であると考えております。当社グループは、組織が健全かつ有効的に運営されるように、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部統制の整備、強化を行っていく方針であります。 〔用語説明〕(※1)CRM CRMとは、顧客関係管理(Customer Relationship Management)の略称であり、顧客満足度等の向上を通じて、売上高の拡大及び利益率の向上を目指す経営戦略手法またはシステムのこと。 (※2)リスティングサイト リスティングサイトとは、売主または売主に依頼された不動産売買仲介が売出中の物件を掲載するウェブサイトのこと。 (※3)マーケティングオートメーション マーケティングオートメーションとは、顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツールのことです。 (※4)エージェントCRMツール エージェントCRMツール(Agent CRM)とは、エージェント向けの顧客関係管理による顧客満足度等の向上を通じて、売上高の拡大及び利益率の向上を目指す業務支援システムです。 (※5)エージェントアサイン エージェントアサインとは、自社エージェントと問い合わせがあった顧客とのアポイントメント管理のことです。 (※6)エンゲージメント エンゲージメントとは、特定の企業(企業自体、企業が提供する商品、ブランド等)に対して、顧客が高い好感度や忠誠心を抱き、強い絆で結びついている状態のこと。 (※7)反響 反響とは、顧客から電話またはメール等で受ける物件に対する問い合わせのこと。 (※8)データサイエンティスト データサイエンティストとは、主に、ITやビジネスに精通するデータ分析やマーケティングを行う専門家です。 (※9)テイクレート テイクレートとは、Eコマース等の業態において、プラットフォーム上で取引されるGMV(Gross Merchandise Value:流通総額)に対して課される手数料率(Eコマース等の運営事業者の売上高となる)のこと。 (※10)ナーチャリング ナーチャリングとは「養育」「育成」等を意味し、マーケティング戦略の分野においては「見込み客を顧客にする」という意味で用いられる。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針等(i)経営方針当社グループは、「住まいの『もつ』を自由に。『かえる』を何度でも。」をビジョンに掲げ、デザイン×テクノロジーを活用した、顧客本位の住宅流通の変革を目指しています。(ⅱ)事業アプローチ当社グループは、経営方針に基づき、分断された流通構造をデザイン×テクノロジーで統合し、ユーザー本位にアップデートします。当社グループの競争優位性の源泉であるユーザー基盤、データ、ノウハウを活用することにより、顧客価値の高く効率的な流通構造を実現します。 (2) 経営戦略等当社グループは、主力事業であるcowcamo(カウカモ)事業のサービス改善および組織体制の強化により事業規模を拡大させてまいります。具体的な経営戦略につきましては、以下のとおりであります。 (i)統合型の住宅流通プラットフォーム「cowcamo」の確立・拡大① cowcamoが目指す流通構造の改革(a)中古住宅流通のバリューチェーンをテクノロジーで統合中古住宅に関する既存の流通構造では、再販事業者が売主から物件を買取り、リノベーションを施して再販する「買取/企画開発」のプロセス、不動産ポータルサイトの運営事業者が物件情報を掲載する「情報流通」のプロセス、不動産売買仲介事業者を通じて買主が中古住宅を購入する「不動産流通」のプロセスが、いずれも別個の事業者に分散して行われています。当社グループのcowcamoでは、中古・リノベーション住宅の企画開発、情報流通、不動産流通の一連のプロセスをデザインとテクノロジーで統合することにより、一貫した顧客体験と業務の生産性向上の両立を図っております。 (b)徹底的なユーザー視点で住宅購入の体験を革新当事業では、デザインとテクノロジーを用いたメディアサービス及びエージェントサービスの統合により、ソーシャルメディア等のチャネルに特化した物件との出会いの体験、独自に撮影した画像や取材記事を中心としたコンテンツ型メディアを通じた物件選びの体験、エージェントとのコミュニケーションをオンラインチャットやオンラインミーティング等で行うことによる物件購入の体験等、住まい探しの初期段階から購入までの一連の顧客体験すべてをデザインする事で、住宅購入に関する顧客体験の刷新を図っております。 ② 独自のポジショニング当社グループは、cowcamo(カウカモ)事業において、情報解析等のテクノロジーによって、従来は独立に存在していた不動産ポータル、仲介業ならびに不動産事業者支援サービスを統合した新しいプラットフォームを確立・拡大したいと考えております。日本の住宅流通領域におけるサービスは、Web業界を出自とする不動産ポータル事業者、不動産業界を出自とする仲介事業者、建設業界を出自とするリノベーション施工業者、またシステム・ソフトウエア業界を出自とする不動産事業者向けシステムの提供など、事業体の出自により、それぞれが独立に事業・サービスを提供し、分散されてきました。しかしながら、当社グループが市場機会として着目する中古・リノベーション住宅の流通におきましては、物件の固有性と多様化する顧客ニーズを適切にマッチングさせた上で、顧客の求める一点ものの商品を企画することが重要となるため、各事業体が提供するサービスを統合した事業モデルが有効であると考えております。また、このような統合型の住宅流通プラットフォームを確立する上では、Webサービスの開発力、仲介業務の理解並びに仲介業務を効率化する業務システムの開発力、物件情報を供給する不動産事業者やリノベーションを請け負う施工業者とのネットワーク及び同事業者に対する業務支援サービス・システムの開発力など、テクノロジーと業務オペレーション、組織力の高度な統合が必要となり、これが同業他社による類似サービスの展開に対する障壁として有効に機能するものと考えております。 ③ 一連のプロセスをデザインとテクノロジーによって統合・最適化当社グループは、データ(物件データ、顧客データ、デザインデータ)を中心として、一連の業務プロセスを自社開発のシステムによって効率的にデザインして統合・最適化し、エージェントの生産性を継続的に改善する方針です。業務プロセスの具体例は以下の通りです。(a) マーケティング:マーケティング支援ツールを用いた会員データ解析、マーケティングオートメーション (※3)(b) 物件企画・開発:企画支援ツールを用いた査定業務の自動化、物件・デザインデータの解析(c) コンテンツ制作:制作支援ツールを用いたコンテンツ管理、物件選定の自動化(d) エージェント・業務支援:エージェントCRMツール(※4)を用いた顧客データ管理、顧客と物件のマッチングによる提案支援、顧客応答の自動化、エージェントアサイン(※5)の自動化 ④ ユーザーを起点とした自律的成長サイクルの実現当社グループは、中古マンション購入における一連の顧客体験の統合・刷新等により、ユーザーのエンゲージメント(※6)を高めることで会員数の拡大を図る方針です。主な会員数の拡大のサイクルは以下の通りです。(i) オンライン・オフラインを統合してデザインされた洗練されたユーザー体験によりユーザーが蓄積(ii) 蓄積されたユーザーの購買行動により、顧客嗜好、取引、空間・企画のデータが蓄積(iii)蓄積されたデータを活用して売主側の仕入、リノベーション企画・開発、売却を提案(iv) データを基にユーザーニーズに基づく物件が供給される(v) ストーリー調の魅力的な記事により、蓄積された豊富なユーザーに訴求(vi) ユーザーがさらに集まり、反響(※7)も集まり、早く適正な価格で売れる(vii)それによってさらに売主が集まる 上記のように、洗練されたユーザー体験により既に蓄積されているユーザー基盤を起点とし、そのユーザー基盤に対して売主が集まり、さらにデータ活用によりユーザーが望む魅力的な物件が増え、さらにそれによってユーザーが増える、というユーザー基盤を起点とした自律的成長サイクルを実現しています。 ⑤ 顧客、データ、ノウハウの蓄積により持続的な競争優位を確立当社グループは、これまでの事業運営において、独自の顧客基盤、データ、オペレーションノウハウを蓄積してまいりました。今後も独自の顧客基盤、データ、オペレーションノウハウの蓄積により、持続的な競争優位の構築を図る方針です。(a) 顧客基盤の蓄積:cowcamoは首都圏における中古・リノベーション住宅流通プラットフォームとして多数の利用事業者数・ユーザー数を擁しております。(b) データの蓄積:当社グループは、首都圏の中古・リノベーション住宅流通に関する独自のデータを蓄積しております。これらのデータは、自社での取材や実際の取引に基づく統合的なデータ(物件の定性的な評価情報や内装写真等の物件固有のデータ、売出から成約にいたるまでの価格推移等の取引情報データ、cowcamo上でのユーザーの物件への反響行動に関するデータ等)であり、これまでも部分的には存在していましたが、これらのデータを統合的に蓄積している点で、希少性の高い情報資産であると考えております。(c) オペレーションノウハウの蓄積:当社グループは、オペレーション(物件情報取得、企画・デザイン、取材・記事制作、マーケティング、顧客管理、マッチング、接客支援等)をテクノロジーを活用して統合しております。一連のバリューチェーンを統合したノウハウが、同業他社による類似サービスの展開に対する障壁として有効に機能するものと考えております。 ⑥ 一貫した世界観を実現するための組織当社グループの組織的な能力であるテクノロジー、オペレーション、デザイン力、構想力、プロダクト力、マーケティング力を発現する事で、中古住宅流通のバリューチェーンの統合による一貫した世界観が実現されると考えております。(a) テクノロジー:エンジニア、データサイエンティスト(※8)を中心としたメンバーにより実現(b) オペレーション:営業、マーケティング、コンテンツ制作を中心としたメンバーにより実現(c) デザイン:Web/UXデザインに加え、建築デザインを専門とするメンバーにより実現 ⑦ 「cowcamo」による市場創出当社グループは、cowcamoを通じて、中古・リノベーション住宅の適切な価格形成と生涯買い替え頻度の向上により、中古物件流通市場の活性化をリードしたいと考えております。cowcamoは中古住宅の流通市場を対象としておりますが、(a)価格形成×(b)買い替え頻度向上により対象市場の拡大を図る方針です。なお、国土交通省「住生活基本計画(令和3年3月19日)」では、2018年に全国12兆円であった中古住宅・リフォーム市場が長期的に20兆円となることが目標として掲げられております。 (a) 価格形成の観点これまで・再販時の物件価格は、リノベーション物件購入時の物件価格を大きく下回る傾向・リノベーション物件の履歴事項や物件の固有性が評価されず、経年での価格下落が大きいcowcamoが果たす役割・リノベーション物件の流通データの蓄積によるリノベーション物件の公正な評価・一点ものの魅力を伝えるプレゼンテーションこれから・再販時の物件価格が、リノベーション物件購入時の物件価格に近づく・リノベーション物件の履歴事項や物件固有性を評価・伝達し、経年での価格下落を緩やかにする (b) 買い替え頻度向上の観点これまで・20代は賃貸、30代で持ち家を購入し、同じ住宅に住み続ける「持ち家は一生もの」という価値観cowcamoが果たす役割・ライフスタイルに応じた住み替えの促進・流通中間コストの削減による買い替えの経済性向上これから・従来の価値観に囚われず、ライフスタイルに応じて住宅を買い替える価値観 ⑧ 事業アセットを活用したさらなる成長ポテンシャル当社グループでは、cowcamo(カウカモ)事業の事業アセットであるデータ、デザインノウハウ、オペレーションモデル、ブランドを活用することで、収益機会の拡大と収益性の向上を図る方針です。(a) データ、デザインノウハウの横展開による収益機会の拡大:売主・事業者向けサービス・蓄積したデータを活用し売主・再販事業者へ企画・開発を支援(供給物件の質・量の向上、収益源の拡大)(b) デザインノウハウ、ブランドの横展開による収益機会の拡大:自社企画商品・デザインノウハウ、ブランドを活用し、自社企画商品を提供(流通額に対する収益性向上)(c) オペレーションモデル、ブランドの横展開による収益機会の拡大:パートナーモデル・自社エージェントにて確立されたオペレーションモデルを横展開(事業の拡張可能性の向上、収益源の拡大) ⑨ リノベーション時代の住宅流通プラットフォームとしてのポジションを確立当社グループはリノベーション時代の競争原理の変化の特徴として、自分らしい生活を志向する購入者層の増加、ビジュアルコミュニケーションの重要度の高まりがあると考えております。当社グループはcowcamoを通じて、リノベーション時代の住宅流通プラットフォームとしてのポジション確立を図ってまいります。 従来の住宅流通産業cowcamoが実現するプラットフォームバリューチェーン上の力点川上(住宅の供給者)川下(住宅の購入者)顧客の物件選択の軸スペック(住宅の広さ、間取り、部屋数等)ストーリー・デザイン(ユーザーの視点に立ち、住みたい街や理想の暮らしを想像できる記事)情報流通に求められる機能検索・絞り込みマッチング・提案キーコンテンツ定量情報定性情報・ビジュアルイメージオペレーション分散的統合的 ⑩ 企業価値向上に関する当社グループの考え当社グループは、ユーザー基盤の蓄積と成約率改善による売上総利益の継続的な成長及びオペレーション最適化による営業利益率の改善、並びに創出された利益の再投資による売上総利益のさらなる拡大により、企業価値の向上を図る方針です。具体的には(a)取引件数の増加及び(b)取引あたり収益の増加による売上総利益の成長と、(c)広告効率及び(d)オペレーション効率等の向上による営業利益率の改善を通じた企業価値の向上を目指して参ります。(a) 取引件数の増加要因:会員数の蓄積、成約率の向上、生涯取引機会の拡大等(b) 取引あたり収益の増加要因:流通価格の適正化、テイクレート(※9)の向上、周辺領域での収益化(c) 広告効率の改善要因:広告運用パフォーマンスの継続的改善(広告運用の内製化・最適化、顧客別のナーチャリング(※10)、プロダクトの継続的改善(d) オペレーション効率の改善要因:エージェントオペレーションの型化・高度化(営業プロセスの型化と独自CRM開発、独自ツール開発、営業支援システム導入などによる業務プロセスの省人化)、その他オペレーションの型化・高度化なお、(c)広告効率の改善及び(d)オペレーション効率の改善により「cowcamo(カウカモ)事業」のセグメント利益率は継続的に改善しております。 当社グループの経営管理上重要視しているKPI(Key Performance Indicator の略称で主要な業績評価指標のこと)は以下の通りです。 「cowcamo」のKPIの推移期間売上総利益の内訳単位:百万円仲介・付帯サービスの主要業績指標仲介・付帯サービス自社企画商品取引件数単位:件収益単価単位:百万円営業人員数単位:人営業生産性単位:件2022年7月期1,615928152.2441.42023年7月期2,3101029582.4531.52024年7月期2,4933041,0482.5671.42025年7月期2,8966461,0962.7721.32026年7月期3,1747201,0773.1771.2 (注)1. 「売上総利益の内訳」は、決済ベースにて算出しております。 2.「取引件数」は、住宅販売件数の合計値です。契約ベースにて算出しております。なお、従来は買主向けの自社企画商品の仲介を件数に含めていませんでしたが、より事業実態に合わせるため今回より含める形に変更しております。 3.「収益単価」は、仲介・付帯サービスにおける契約ベースの売上総利益を取引件数で割ることにより算出しております。 4.「営業人員数」は、特定期間の平均人数を記載しております。 5.「営業生産性」は、稼働営業人員あたりの成約ベースの取引件数を記載しております。なお、同一取引においても、当社が買主サイド及び売主サイド双方で仲介を行う場合は、それぞれ別の営業人員が担当するため、取引件数を重複してカウントしております。 (3) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループは、上記「企業価値向上に関する当社グループの考え」に記載の通り、売上総利益、取引件数、収益単価、営業人員数、営業生産性を重要な経営指標とし、高収益事業を展開していくことにより利益率の向上を図ってまいります。 (4) 経営環境当社グループは、cowcamo(カウカモ)事業に係る事業環境を以下のように認識しています。 ① 市場規模cowcamoがターゲットする首都圏の中古マンション流通市場は、2025年時点で10兆円と推計されます(注1)。中古マンションストックにおいては、築年数25年以上の物件の割合が32%(2015年)から、2025年には全体の6割に上ると推定されます(注2)。築年数の古い物件においては、リノベーションが実施される割合が高いことから、当社グループがターゲットとしている中古・リノベーション住宅セグメントの流通量は中長期的に拡大するものと考えております。当社グループでは、首都圏での住宅購入においてリノベーションが普及するなかで、市場の拡大・一般化に伴ういくつかの変化を予想しております。(a) リノベーション住宅市場の形成・リノベーションを前提とした流通価格の形成・「安いから」中古リノベーションから「こだわるなら」中古リノベーションへ(b) 中古住宅の流通方法の多様化・リノベーション済住宅の購入・中古住宅の購入後にリノベーションを実施・リノベーション済住宅の購入後に追加でリノベーションを実施(c) 中古住宅流通事業者の変化・再販事業者の拡大・リノベーション住宅専門サイトの成長 ② ユーザー基盤の拡大当社グループは、ユーザー基盤の拡大を軸に、収益機会の最大化と市場創出に取り組む方針です。cowcamoの更なる認知拡大やプロダクトの機能向上を通じて、より多くのユーザーにご利用頂けるサービスを目指して参ります。また、現在の営業エリアである東京・横浜エリアから首都圏への展開を通じて、一層のユーザー基盤の拡大を図って参ります。 (注) 1.公益財団法人東日本不動産流通機構「年報マーケットウォッチ 2025年度」、公益財団法人不動産流通推進センター「2025不動産業統計集(3月期改訂)3不動産流通」、リフォーム産業新聞社「中古住宅リノベ市場データブック 2022-2023」から首都圏における40㎡超のマンションの市場規模を当社グループが推計2.公益財団法人東日本不動産流通機構等のデータより当社グループが推計 (5) 事業上及び財務上の対処すべき課題当社グループの対処すべき課題としましては、既存事業の拡大、収益性の向上及び中長期的な成長に資する体制整備が重要であると認識しており、特に下記を重要課題として取り組んでおります。① サービスの知名度向上当社グループは、主にこれまで培ってきたデジタルマーケティングのノウハウを活用することにより、ユーザー、会員を獲得してまいりました。一方で、当面の対象市場としている首都圏の中古マンション流通市場の規模は10兆円(上記(4)参照) と広大であり、中でもリノベーションマンション市場は今後も堅調に拡大していくものと想定します。このため、今後のユーザー、会員獲得においては、より広範な認知の獲得が重要であると認識しており、今後はデジタルマーケティングの効率改善と並行し、費用対効果を慎重に検討した上で、その他の手法による広告宣伝活動も検討してまいります。② エージェントサービスのオペレーションの高度化・効率化当社グループは、これまでに開発してきた業務管理システム、蓄積してきたノウハウにより、エージェントサービスの生産性向上とサービス品質の両立に取り組んでまいりました。しかしながら、今後の事業成長のためには更なるユーザー数の増加が必要であり、恒常的な収益性の向上を実現するためには、引き続きオペレーションの高度化・効率化が重要であると考えております。そのため、蓄積された顧客データ・業務データの更なる活用、業務の自動化等の施策を実施してまいります。③ 事業開発の強化当社グループは、早期の事業拡大のために適切な外部の事業者との連携が重要であると考えております。そのため、取引先事業者との関係を強化し、事業開発の推進を図ってまいります。具体的には、cowcamo(カウカモ)事業においては、他の事業者との連携を通じた顧客向けサービスの拡充を推進すると同時に、物件供給及び事業者向けサービスの強化を図ってまいります。④ 技術開発体制の強化cowcamo(カウカモ)事業においては、技術革新のスピードは非常に早く、類似のサービスや競合の参入が予測されるため、新規サービスの展開スピードを速めるべく、エンジニアの採用・チーム体制の整備を通じて開発体制を早期に強化してまいります。⑤ 組織体制の強化当社グループは、事業規模の拡大及び成長のためには、専門性を有する人材の採用及び社員の育成、社員への企業理念・経営方針の伝達が重要な課題と考えております。当社グループは社内研修の強化、福利厚生の充実を図っていくとともに、志望者を惹きつけるような事業を展開していくことで、優秀な人材の採用強化に取組んでまいります。また、社員に対して経営ビジョン・ミッションを踏まえた当社グループの経験とノウハウに基づく研修を計画的に実施していくことで、社員の育成及び企業理念・経営方針の伝達を行ってまいります。⑥ 資金調達・財務体質の強化当社グループは、今後の事業拡大及び持続的な成長を支えるため、資金需要に応じた安定的かつ機動的な資金調達体制の構築及び財務基盤の強化が重要な課題であると認識しております。特に、不動産の仕入再販事業において、物件の仕入れから販売代金の回収までの間に運転資金を必要としており、事業規模に応じた資金の確保が求められます。このため、金融機関との良好な関係の維持・強化を通じて必要な資金の安定的な確保を図るとともに、事業計画に基づく資金管理の徹底及び資金効率の向上に取り組み、財務の健全性を確保しながら、成長を支える財務基盤の構築を進めてまいります。⑦ 情報管理体制の強化当社グループは、社内の情報管理体制を整備し、情報管理の徹底を図っておりますが、個人情報等の機密情報につきましては、社内規程の厳格な運用、定期的な社内教育の実施、情報セキュリティマネジメントシステムの整備等により、今後も引き続き、情報管理体制の強化を図ってまいります。⑧ 内部統制の強化当社グループ事業が継続的に成長し、顧客に安定したサービスを提供し続けていくためには、継続的な内部統制の整備、強化に取り組んでいくことが重要であると考えております。当社グループは、組織が健全かつ有効的に運営されるように、内部統制の実効性を高めるための環境を整備し、コーポレート・ガバナンスを充実していくことにより、内部統制の整備、強化を行っていく方針であります。 〔用語説明〕(※1)CRM CRMとは、顧客関係管理(Customer Relationship Management)の略称であり、顧客満足度等の向上を通じて、売上高の拡大及び利益率の向上を目指す経営戦略手法またはシステムのこと。 (※2)リスティングサイト リスティングサイトとは、売主または売主に依頼された不動産売買仲介が売出中の物件を掲載するウェブサイトのこと。 (※3)マーケティングオートメーション マーケティングオートメーションとは、顧客開拓におけるマーケティング活動を可視化・自動化するツールのことです。 (※4)エージェントCRMツール エージェントCRMツール(Agent CRM)とは、エージェント向けの顧客関係管理による顧客満足度等の向上を通じて、売上高の拡大及び利益率の向上を目指す業務支援システムです。 (※5)エージェントアサイン エージェントアサインとは、自社エージェントと問い合わせがあった顧客とのアポイントメント管理のことです。 (※6)エンゲージメント エンゲージメントとは、特定の企業(企業自体、企業が提供する商品、ブランド等)に対して、顧客が高い好感度や忠誠心を抱き、強い絆で結びついている状態のこと。 (※7)反響 反響とは、顧客から電話またはメール等で受ける物件に対する問い合わせのこと。 (※8)データサイエンティスト データサイエンティストとは、主に、ITやビジネスに精通するデータ分析やマーケティングを行う専門家です。 (※9)テイクレート テイクレートとは、Eコマース等の業態において、プラットフォーム上で取引されるGMV(Gross Merchandise Value:流通総額)に対して課される手数料率(Eコマース等の運営事業者の売上高となる)のこと。 (※10)ナーチャリング ナーチャリングとは「養育」「育成」等を意味し、マーケティング戦略の分野においては「見込み客を顧客にする」という意味で用いられる。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。なお、経営上の客観的な指標等にかかる分析につきましては、「1経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2) 経営戦略等」をご参照ください。(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度においては、景気は企業収益や雇用・所得環境を中心として堅調さを継続しました。先行きとしては、企業・消費者心理が改善する中で緩やかな回復の継続が期待される一方で、急速な物価上昇の継続が、購買力の低下や消費者心理の悪化を通じて個人消費に影響を及ぼし、景気が下振れするリスクには留意が必要です。また、金融資本市場の変動等の影響に引き続き注意する必要があります。当社グループがターゲットとする中古マンション市場は、新築マンション価格の高止まりを背景とした中古マンション流通の拡大や、リノベーションに対する顧客認知の高まりなどを受け、中長期的には拡大基調にあります。首都圏中古マンション市場において、当社の当連結会計年度に対応する期間(2025年8月から2026年7月までの12ヶ月間)の成約件数は48,736件となり、前年同期比で12.7%増加しました。一方、当社の当第4四半期連結会計期間に対応する期間(2026年5月から2026年7月までの3ヶ月間)の成約件数は11,588件となり、前年同期比で4.4%減少しました。2026年7月度の成約㎡単価は84.17万円(前年同月比1.5%減)、成約価格は5,267万円(同0.7%減)となり、いずれも前年同月を下回りました。また、在庫件数は47,151件(同5.5%増)となり、前年同月を上回りました。このような経済環境のもと、当社グループは、営業活動などにおける生産性向上に注力しながら、主力サービスである中古・リノベーション住宅の流通プラットフォーム「cowcamo(カウカモ)」のマーケティング活動を強化することで、事業規模の拡大を推進してまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高は11,310,952千円(前年同期比39.7%増)、営業利益は169,866千円(前年同期比38.1%減)、経常利益は38,164千円(前年同期比80.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は127,429千円(前年同期比19.5%増)となりました。 当連結会計年度末における総資産は6,210,082千円となりました。財政状態の状況につきましては、「(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 財政状態の分析」に記載しております。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,636,220千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果得られた資金は16,085千円となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益119,087千円などの資金増加要因が、棚卸資産の増加189,025千円などの資金減少要因を上回ったことによります。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果使用した資金は105,795千円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出91,125千円、敷金及び保証金の差入による支出58,357千円などによります。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果使用した資金は95,580千円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出2,049,654千円などの資金減少要因が、長期借入金による収入1,862,900千円、株式の発行による収入135,813千円などの資金増加要因を上回ったことによります。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績及び受注実績当社グループは主に、インターネット上において、中古・リノベーション住宅の売主と買主のマッチングを実現するプラットフォーム「cowcamo」の運営(cowcamo(カウカモ)事業)を行っております。提供するサービスの性格上、生産実績及び受注実績の記載に馴染まないため、記載を省略しております。 b.販売実績当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。なお、当社はcowcamo(カウカモ)事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載はしておりません。 セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年8月1日至 2026年7月31日)販売高(千円)前年同期比(%)cowcamo(カウカモ)事業11,310,95239.7合計11,310,95239.7 (注) 1.主要な相手先別の販売実績は、総販売実績に対する割合が100分の10以上の相手先がいないため、記載を省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次の通りであります。① 重要な会計方針及び見積り当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を合理的に勘案し判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの財務諸表の作成にあたって採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況」に記載しております。 ② 財政状態の分析(資産の部)当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比較して68,635千円増加し、6,210,082千円となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比較して12,214千円減少し、5,790,025千円となりました。これは主に、仕掛販売用不動産が1,130,842千円減少した一方、販売用不動産が1,263,182千円増加したことによるものです。固定資産は、前連結会計年度末と比較して80,850千円増加し、420,056千円となりました。これは主に、有形固定資産が82,773千円増加したことによるものです。 (負債の部)当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末と比較して192,923千円減少し、4,016,824千円となりました。流動負債は、前連結会計年度末と比較して19,475千円減少し、3,480,154千円となりました。これは主に、未払法人税等が86,742千円減少した一方、契約負債が114,837千円増加したことによるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比較して173,447千円減少し、536,670千円となりました。これは主に、長期借入金が151,287千円減少し、社債が41,000千円減少したことによるものです。 (純資産の部)当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末と比較して261,558千円増加し、2,193,258千円となりました。これは主に、新株予約権が120,252千円減少した一方、資本剰余金が133,392千円増加し、利益剰余金が127,429千円増加したことによるものです。 ③ 経営成績の分析(売上高)当連結会計年度の売上高は、11,310,952千円となりました。主力事業であるcowcamo(カウカモ)事業のサービス改善及び営業組織体制の強化、並びにマーケティング強化による集客数の増加などの施策に注力し、事業規模拡大を推進してまいりました。(売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、7,416,688千円となりました。これは主に、自社企画商品における仕入取引によるものであります。この結果、売上総利益は3,894,263千円となりました。(販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、3,724,397千円となりました。集客増加に向けたマーケティング強化に注力しつつも、生産性向上に取り組むことで、売上高販管費率を改善しました。この結果、営業利益は169,866千円となりました。(経常利益)当連結会計年度において営業外収益が9,211千円、営業外費用が140,913千円発生しております。この結果、経常利益は38,164千円となりました。(親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度においては、新株予約権戻入益などによる特別利益を117,130千円計上しております。また、特別損失を36,207千円、法人税等合計を△8,341千円計上しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は127,429千円となりました。 ④ キャッシュ・フローの状況の分析キャッシュ・フローの状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載しております。 ⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、様々なリスク要因が当社グループの経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。そのため、当社グループは常に市場動向に留意しつつ、内部管理体制の強化、優秀な人材の確保、市場のニーズにあったサービスの展開等により、当社グループの経営成績に重要な影響を与えるリスク要因を分散・低減し、適切に対応を行ってまいります。 ⑥ 資本の財源及び資金の流動性についての分析当社グループの運転資金需要のうち主なものには、cowcamo(カウカモ)事業における人件費、外注費、広告宣伝費等があります。必要資金の確保及び流動性リスクの未然防止または低減の観点から、市場環境や長短のバランスを勘案して、内部資金の活用及び借入により調達のほか、社債の発行等の調達手段を行い、資金調達手段の多様化を図っております。

事業リスク

  • 不動産市況の変動リスク
    ツクルバの事業は、中古住宅流通市場を中心とした不動産市況の動向に影響を受ける可能性があります。景気悪化による不動産市況の長期的な低迷は、同社の経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。また、インターネット利用に関する新たな規制導入もリスクです。
  • 技術革新への対応遅れ
    インターネット関連技術は変化が速く、常に新しい機能やサービスが生まれています。ツクルバがデータ解析やAI導入、多様なデバイスへの対応といった最新技術への対応が遅れた場合や、対応のために多額のシステム開発費用が発生した場合には、経営成績や財政状態に影響が出る可能性があります。
  • 競争激化と優位性の喪失
    テクノロジーに長けた新規参入企業や、類似事業モデルを持つ海外企業の日本市場進出により、競争が激化する可能性があります。これにより、ツクルバがこれまで築いてきた競争優位性が損なわれ、経営成績や財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,994 文字
3 【事業等のリスク】当社グループの事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下に記載しております。また、必ずしもそのようなリスクに該当しない事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考える事項については、積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクに対し発生の可能性を十分に認識した上で、発生の回避及び発生した場合の迅速な対応に努める方針であります。本項記載の将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、将来において発生の可能性のある全てのリスクを網羅するものではありません。なお、当社グループでは全社的なリスク管理体制として「リスク管理委員会」を設置し、事業への影響度や発生可能性等を総合的に分析・評価した上で、重要リスクの識別及び定期的なモニタリングと適切なリスクコントロールを実施しております。 (1) 営業エリアが首都圏に集中していることの影響及び自然災害等について当社グループが仲介・仕入再販及びリノベーション工事を受注する不動産は、首都圏を中心として所在しております。首都圏において大規模な地震や風水害等の自然災害その他が発生した場合、物件の毀損、取引の停滞、施工の中断が同時に発生し、広域的な被害により当社グループの事業、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 (2) 有利子負債への依存及び財務制限条項について当社グループは、不動産の在庫仕入資金等を主として金融機関からの借入によって賄っております。今後、金融情勢の急速な変動や市場環境の変化等により十分な資金調達が行えない場合、当社グループの事業展開や財政状態に影響を与える可能性があります。また、今後の業績動向等により借入契約等に付された財務制限条項に抵触した場合、期限の利益を喪失し一括返済を求められる等、当社グループの財政状態に影響を与える可能性があります。 (3) 景気動向・不動産市況等の経営環境について当社グループが展開する事業は、景気動向、地価水準、金利動向、地政学リスクの顕在化、税制及び住宅ローン関連制度の変更等の外部環境の変化による影響を受けます。これらの要因により、消費者の購買意欲の減退、市場価格の下落、建設コストの上昇等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (4) 販売用不動産の評価について当社グループはリノベーションマンション等の販売用不動産を保有しております。当該棚卸資産の価値は、不動産市況や需要の変動等様々な要因により下落する可能性があります。想定していた価格での販売が困難となった場合、在庫リスクの低減を目的として販売価格の値引き等の施策を講じることがあり、これに伴う利益率の低下及び棚卸資産評価損の計上が多額となる場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 (5) サービス品質及び施工品質について当社グループの成長に応じた管理体制の整備や従業員の教育が遅延した場合、サービス品質の低下を招く可能性があり、重大なクレームや訴訟、ブランドイメージの低下が発生した場合には、当社グループの事業活動や業績に影響を与える可能性があります。また当社グループが販売・施工を行うリノベーション物件において、施工の不備や重大な瑕疵が発生した場合、是正補修費用や損害賠償が発生するほか、ブランドイメージの低下により業績に影響を与える可能性があります。 (6) 情報システム・情報セキュリティについて当社グループは、多数の顧客個人情報を保有しているほか、銀行代理業の運営等を行っております。サイバー攻撃による外部からの侵害、あるいは関係者の不適切な情報管理等により個人情報の漏洩やシステム障害が発生した場合、損害賠償責任の発生に加えて社会的信用を喪失し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。 (7) 人材の確保・育成について当社グループの成長維持には、営業人員や専門職等の優秀な人材の採用及び育成が必要となります。人材獲得競争の激化に伴う採用難、研修・育成不全、または離職率の上昇等により、人材が十分に確保できない場合、当社グループの事業活動や業績に影響を与える可能性があります。 (8) 法的規制及びコンプライアンスについて当社グループは、事業運営にあたり宅地建物取引業法、建設業法、建築基準法、個人情報保護法等の様々な法的規制を受けております。今後、これらの関連法規が改廃された場合や新たな法的規制が設けられる場合、また万が一法令違反やコンプライアンス上の問題が生じ、行政処分や許認可の取り消し等が発生した場合、当社グループの事業活動及び業績に影響を与える可能性があります。

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