事業の概要
- 多角的な事業展開倉敷紡績グループは、繊維、化成品、環境メカトロニクス、食品・サービス、不動産という多岐にわたる事業を展開しています。これにより、特定の市場変動に左右されにくい安定した収益基盤を構築しています。例えば、伝統的な繊維事業から、高機能素材や環境技術、さらには食品やホテル経営まで手掛けています。
- 素材から製品まで一貫糸やテキスタイルといった素材の製造から、ウレタンや機能樹脂製品、さらには建材や情報システム機器、フリーズドライ食品まで、幅広い製品を手掛けています。これにより、多様な顧客ニーズに対応し、各事業分野でのシナジー効果も期待できます。
- 国内外に広がる拠点日本国内だけでなく、ブラジル、タイ、インドネシア、中国など海外にも生産・販売拠点を持ち、グローバルに事業を展開しています。これにより、海外市場の成長を取り込み、事業リスクの分散も図っています。特に繊維事業や化成品事業で海外展開が顕著です。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- 繊維事業糸、テキスタイル、縫製品などの繊維製品の製造・販売が主な事業です。売上高は485.32億円、営業利益は0.75億円で、グループの基盤となる事業の一つですが、利益貢献は相対的に小さいです。国内外に多数の子会社を持ち、グローバルに展開しています。
- 化成品事業軟質ウレタン、機能樹脂製品(フィルム、高機能樹脂)、住宅用建材(合成木材、無機建材、硬質ウレタン)、不織布などを製造・加工・販売しています。売上高は660.02億円、営業利益は50.3億円と、グループ内で最も売上・利益ともに大きく、主力事業として収益を牽引しています。
- 環境メカトロニクス事業色彩・生産管理システムなどのエレクトロニクス製品、環境・エネルギー関連プラントのエンジニアリング、バイオ関連製品の製造・販売・保守を手掛けています。売上高は219.43億円、営業利益は33.41億円で、高付加価値な技術を活かした事業として利益に貢献しています。
2025-03 セグメント別業績
| セグメント | 区分 | 売上(億) | 営業利益(億) | 営業利益率 |
|---|---|---|---|---|
| TextileBusinessDivision | 地域 | 485 | 1 | 0.2% |
| ChemicalProductsDivision | 事業 | 660 | 50 | 7.6% |
| AdvanceTechnologyDivision | 事業 | 219 | 33 | 15.2% |
| FoodAndServicesDivision | 事業 | 105 | 7 | 6.9% |
| RealEstateDivision | 事業 | 37 | 22 | 60.2% |
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3【事業の内容】当社グループが営んでいる主な事業内容と、当該事業における当社及び当社の関係会社29社(子会社25社、関連会社4社)の位置付けは、次のとおりであります。なお、主な事業内容の区分は、セグメント情報における区分と一致しております。 報告セグメント事業内容主要な関係会社化成品事業高機能樹脂製品、機能フィルム、産業マテリアル(軟質ウレタン、合成木材、無機建材、硬質ウレタン、不織布、機能資材)の製造・加工・販売当社、倉敷繊維加工㈱、東名化成㈱、シーダム㈱、クラボウケミカルワークス㈱、クラシキ・ケミカル・プロダクツ・ド・ブラジル㈲、広州倉福塑料有限公司繊維事業糸、ユニフォーム、カジュアルの製造・加工・販売当社、㈱クラボウインターナショナル、大正紡績㈱、クラシキ・ド・ブラジル・テキスタイル㈲、タイ・クラボウ㈱、㈱クラボウ・マヌンガル・テキスタイル、倉紡貿易(上海)有限公司、タイ・テキスタイル・デベロップメント・アンド・フィニッシング㈱環境メカトロニクス事業ライフサイエンス・テクノロジー(バイオ関連製品、ロボットビジョン、自動化装置)の製造・販売・保守エレクトロニクス(色彩・生産管理等に関する情報システム機器、検査・計測システム)の製造・販売・保守エンジニアリング(環境・エネルギー関連の各種プラント等の設計・製作・施工・販売、バイオマス発電事業)当社、エコー技研㈱、クラボウプラントシステム㈱、㈱セイキ、㈱クラボウテクノシステム、㈱山文電気、㈱テクノサイエンス食品・サービス事業フリーズドライ食品の製造・販売ホテル、自動車教習所等の経営ほか日本ジフィー食品㈱、㈱倉敷アイビースクエア、㈱クラボウドライビングスクール、恒栄商事㈱不動産事業不動産の賃貸当社 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 原材料価格、エネルギー価格の高騰を製品価格に十分に転嫁できない場合があるため。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 独自技術を生かした新製品・サービス開発(サステナブル商品、高機能樹脂製品、画像処理技術等) |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 中程度 |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:主要市場における景気の悪化 / 競争優位性の低下 / 特定の取引先の業績悪化等
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 6 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産★☆☆☆☆
倉敷紡績は長い歴史を持つが、特定の強力なブランドや特許による明確な無形資産の優位性は見出しにくい。一部の機能性素材開発における技術力は存在するものの、それが持続的な競争優位に直結するほどの強固さはない。
スイッチングコスト★☆☆☆☆
BtoB取引が中心であり、顧客との長年の取引関係や仕様への適合性から一定のスイッチングコストは存在する。しかし、繊維製品業界全体として、代替素材や他社製品への切り替えが極端に困難であるとは言えない。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
繊維製品の製造・販売事業において、ネットワーク効果が競争優位の源泉となる構造は見られない。ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるビジネスモデルではない。
コスト優位★★☆☆☆
長年の操業で培われた生産ノウハウや、規模の経済によるコスト削減努力は存在する。しかし、グローバルな競争環境において、構造的に圧倒的なコスト優位を確立しているとは断言しにくい。
規模の経済★★☆☆☆
国内繊維産業においては一定の規模を持つが、グローバル市場全体で見ると、最適規模の少数寡占を形成しているとは言えない。競争相手は多数存在する。
- 多様な技術と製品群倉敷紡績グループは、繊維、化成品、環境メカトロニクスといった幅広い分野で独自の技術を培ってきました。これにより、高機能な繊維製品、軟質ウレタンや機能樹脂製品、色彩・生産管理システムなど、多岐にわたる製品・サービスを提供し、多様な顧客ニーズに応えることが可能です。
- サステナビリティへの貢献独自技術を活かし、サステナブル社会の実現に貢献する新製品・サービスの開発に注力しています。これは、環境意識の高まりとともに企業価値を高める要因となり、競合他社との差別化に繋がる可能性があります。
- グローバルな事業展開海外に複数の事業拠点を持ち、国際的な市場で事業を展開している点は強みです。これにより、特定の国や地域に依存することなく、世界各地の需要を取り込み、事業リスクを分散させながら成長機会を追求できる可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
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経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針①基本方針当社グループは、経営理念「私たちクラボウグループは、新しい価値の創造を通じてより良い未来社会づくりに貢献します。」のもと、サステナビリティ経営を推進し、当社グループが株主及び取引先をはじめとするステークホルダーから存在価値を評価され、信頼感が持てる企業、安心感を与える企業として支持されることを目指します。また、社会的責任遂行のための行動指針「クラボウグループ倫理綱領」に則り、地球環境の保全をはじめとするサステナブルな社会の実現に貢献するとともに、豊かで健康的な生活環境づくりを目指して、独創的で真に価値のある商品・情報・サービスを提供し、グループの企業価値を高めてまいります。 ②中期経営計画当社グループは、2030年のあるべき姿を描いた「長期ビジョン2030」の第3ステージにあたる3ヵ年の中期経営計画「Accelerate'27」(2025年4月~2028年3月)を実行中です。「Accelerate'27」では、基本方針を「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」とし、以下の重点施策に取り組むとともに、目標の達成に向けて、経営資源を効率的に活用しながら、更なる成長を加速させるための最適な事業ポートフォリオを構築してまいります。 <重点施策>・成長市場に向けた注力事業の展開・加速と基盤事業の収益力強化・R&D活動の強化と新規事業の創出・収益化・サステナブル社会の実現への貢献・エンゲージメントの高い組織の構築 その目標数値は、以下のとおりです。指 標2025年度2026年度2027年度売上高1,440億円1,520億円1,650億円営業利益80億円112億円130億円R O E8.0%9.0%10.0%R O A4.3%6.2%7.5%R O I C4.4%6.4%7.9%(注)ROE:自己資本当期純利益率、ROA:総資産営業利益率、ROIC:投下資本利益率 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経済情勢につきましては、引き続き緩やかな成長が見込まれるものの、中国のレアアース輸出規制や米国の通商政策の動向など、先行きに不透明感の残る状況が続くと見込まれます。さらに、中東情勢の緊迫化に伴う輸入原燃料の調達難や価格上昇が企業収益や経済活動に重大な影響を及ぼすおそれがあります。このような経営環境のなかで、当社グループは、「イノベーションと高収益を生み出す強い企業グループ」を目指す「長期ビジョン2030」の第3ステージにあたる中期経営計画「Accelerate'27」が進行中であり、「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」を基本方針として、成長市場に向けた注力事業の展開を加速するとともに基盤事業の収益力を強化します。また、R&D活動の強化や新規事業の創出、サステナブルな循環型社会の実現に向けた貢献に加え、エンゲージメントの高い組織の構築にも取り組み、企業価値を高めます。翌連結会計年度に向けての当社の主要事業セグメントにおける課題といたしましては、化成品事業においては高機能樹脂製品の需要拡大に対応した安定的な供給体制の構築、繊維事業においては事業構造改革の推進、環境メカトロニクス事業においてはライフサイエンス領域の拡大に取り組みます。セグメントごとの経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。 ①化成品事業(経営環境)化成品事業では、半導体をはじめ自動車、建築、産業資材など様々な業界に幅広く、汎用から高機能にわたる合成樹脂を中心とした製品事業を展開しており、顧客に密着した商品開発・営業により、顧客ニーズに迅速かつきめ細かく対応できる体制を構築しています。それぞれの分野において処方開発、成形技術やSDGsを意識した商品開発など、開発体制の一層の強化と、生産技術の向上による業容の拡大に注力しています。なお、中東情勢の緊迫化により、原油価格の急騰、またナフサのひっ迫による石化原料に供給制限がかかるリスクが高まっており、今後事業運営、業績への影響が懸念されます。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)高機能樹脂製品及び機能フィルムを成長・注力事業と位置付け、経営資源を集中して業容拡大に取り組みます。高機能樹脂製品では、半導体市場の今後の更なる成長に伴う業容拡大に向け、熊本イノベーションセンターと寝屋川工場を活用した安定的な供給体制の構築に取り組みます。また、機能フィルムでは、半導体用途を中心に新規拡販を進めます。基盤事業と位置付けている産業マテリアル(軟質ウレタン、合成木材、無機建材、硬質ウレタン、不織布、機能資材)では、安定した収益確保に向けて生産体制の効率化に取り組むとともに、新商品開発・新市場開拓にも取り組みます。また、今後の市場拡大が見込まれる熱可塑性炭素繊維複合シート「KURAPOWER SHEET(クラパワーシート)」の早期事業化に向けたマーケティング活動と技術開発に注力します。 ②繊維事業(経営環境)繊維事業では、紡績、織布、染色整理加工、縫製における独自の技術を生かし、綿を中心とした天然繊維をベースとした繊維製品に関する事業を展開しています。繊維業界を取り巻く環境は、原燃料価格や為替の大幅な変動などきびしい状況が続いていますが、一方で高機能繊維製品やサステナブルを訴求した素材への需要が増加しています。高収益事業への転換と業容拡大を目指して、独自技術を生かした新商品・サービスの開発と販売拡大に注力するとともに、効率化を重視した生産体制の構築を推進しています。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)糸では、原料改質技術を活用した高機能製品「NaTech(ネイテック)」の開発推進と販売拡大、ユニフォームでは、「PROBAN(プロバン)」、「BREVANO(ブレバノ)」等の防炎素材や、暑熱環境下におけるリスク低減の管理システム「Smartfit(スマートフィット)」など、働く人へ安全と快適を提供するビジネスへの転換を進め、カジュアルでは、需要の高まる軽量で機能性の高い快適な独自のテキスタイル開発と海外生産拠点を活用した高品質で短納期対応が可能な生産体制の構築に取り組みます。これらの取組みにより、各分野でサステナブル社会の実現に貢献できる商品・技術の開発、販売を行います。なお、安城工場の閉鎖に伴う生産の海外移管に加え、インドネシア子会社の工場を移転するなど競争力のあるグローバルサプライチェーンを構築するとともに、適地生産・適地調達や販売・開発体制の見直しなど、事業構造改革を推進します。 ③環境メカトロニクス事業(経営環境)環境メカトロニクス事業では、ライフサイエンス・テクノロジーは遺伝子抽出・解析、細胞、ビジョンセンサー、AI、ロボット、FA装置等の技術を生かし、人手に大きく依存している医療や研究現場、多岐にわたる業界の生産現場などで品質、生産性の向上、自動化に貢献しています。なお、米国の関税政策や政府予算削減などの政策変更により、米国向け輸出に影響が出ております。販路の見直しや他地域向け販売の強化を通じて、事業の安定化に努めます。エレクトロニクスは、画像処理及び情報処理といった基盤技術を軸に、半導体、フィルムなど幅広い業界へ向けた検査・計測・色彩管理システム等を開発・販売しており、高精度かつ効率的な品質管理を実現します。エンジニアリングは、循環型社会の実現に貢献する環境関連や半導体関連の工場設備などのプラント設計・製造・工事等を行っています。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)ライフサイエンス・テクノロジーでは、臨床検査市場への進出や遺伝子抽出・解析関連での業容拡大に加え、撹拌脱泡装置「MAZERUSTAR(マゼルスター)」の医療材料、化粧品、エネルギーなど新たな市場への拡販に取り組みます。また、高速3Dビジョンセンサー「KURASENSE(クラセンス)」の商品開発力の強化や7軸協働ロボットシステム「KURAVIZON(クラビゾン)」の拡販に注力します。エレクトロニクスでは、商品力強化による競争優位性の獲得、海外市場への拡販に努め、半導体関連の検査・計測ビジネス、及び鉄道や道路をはじめとしたインフラ検査ビジネスの拡大を図ります。エンジニアリングでは、バイオマスボイラー、水族館、医薬品製造工場など設備プラント工事の受注拡大や半導体関連設備、家畜排せつ物処理装置「FUNTO(フント)」の拡販など、環境・設備関連ビジネスの拡大と新商品開発に取り組みます。 ④食品・サービス事業(経営環境)食品・サービス事業では、フリーズドライ食品の製造・販売やホテル等の運営を行っています。食品事業が属するフリーズドライ業界では、小売り価格の値上げを背景とした消費者の節約志向の継続が懸念されます。ホテル関連では、宿泊は国内の観光需要が堅調であり、更なる拡大が見込まれるインバウンド需要を確実に取り込むための施策を推進しています。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)食品事業では、消費者の節約志向に対応すべく、安価でありながら付加価値の高い商品の開発・提案にも注力し、顧客満足度の向上に努めるとともに、海外市場への参入など新たな市場開拓に取り組みます。また、引き続き環境面にも配慮した事業活動も積極的に進めます。ホテル関連では、インバウンド需要を取り込むための販促活動をさらに強化するとともに、魅力的な商品の提供やサービスの向上などにより、集客力の強化を図ります。 ⑤不動産事業(経営環境)不動産事業では、工場跡地等の遊休資産の有効活用による長期安定収益の確保を目指し、オフィスや商業施設、大規模メガソーラー用地等の不動産賃貸を展開しています。賃貸事業の主力である大型商業施設では、ネット通販やドラッグストアとの競争激化などにより、賃貸先の経営環境に大きな影響を及ぼす可能性があります。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)大型商業施設賃貸事業では、賃貸先の経営環境を注視しながら、効率的な事業推進を行い、引き続き、長期安定収益の維持・確保に努めます。また、遊休地の再開発等による早期収益化についても、取り組みます。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営方針①基本方針当社グループは、経営理念「私たちクラボウグループは、新しい価値の創造を通じてより良い未来社会づくりに貢献します。」のもと、サステナビリティ経営を推進し、当社グループが株主及び取引先をはじめとするステークホルダーから存在価値を評価され、信頼感が持てる企業、安心感を与える企業として支持されることを目指します。また、社会的責任遂行のための行動指針「クラボウグループ倫理綱領」に則り、地球環境の保全をはじめとするサステナブルな社会の実現に貢献するとともに、豊かで健康的な生活環境づくりを目指して、独創的で真に価値のある商品・情報・サービスを提供し、グループの企業価値を高めてまいります。 ②中期経営計画当社グループは、2030年のあるべき姿を描いた「長期ビジョン2030」の第3ステージにあたる3ヵ年の中期経営計画「Accelerate'27」(2025年4月~2028年3月)を実行中です。「Accelerate'27」では、基本方針を「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」とし、以下の重点施策に取り組むとともに、目標の達成に向けて、経営資源を効率的に活用しながら、更なる成長を加速させるための最適な事業ポートフォリオを構築してまいります。 <重点施策>・成長市場に向けた注力事業の展開・加速と基盤事業の収益力強化・R&D活動の強化と新規事業の創出・収益化・サステナブル社会の実現への貢献・エンゲージメントの高い組織の構築 その目標数値は、以下のとおりです。指 標2025年度2026年度2027年度売上高1,440億円1,520億円1,650億円営業利益80億円112億円130億円R O E8.0%9.0%10.0%R O A4.3%6.2%7.5%R O I C4.4%6.4%7.9%(注)ROE:自己資本当期純利益率、ROA:総資産営業利益率、ROIC:投下資本利益率 (2) 経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題今後の経済情勢につきましては、引き続き緩やかな成長が見込まれるものの、中国のレアアース輸出規制や米国の通商政策の動向など、先行きに不透明感の残る状況が続くと見込まれます。さらに、中東情勢の緊迫化に伴う輸入原燃料の調達難や価格上昇が企業収益や経済活動に重大な影響を及ぼすおそれがあります。このような経営環境のなかで、当社グループは、「イノベーションと高収益を生み出す強い企業グループ」を目指す「長期ビジョン2030」の第3ステージにあたる中期経営計画「Accelerate'27」が進行中であり、「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」を基本方針として、成長市場に向けた注力事業の展開を加速するとともに基盤事業の収益力を強化します。また、R&D活動の強化や新規事業の創出、サステナブルな循環型社会の実現に向けた貢献に加え、エンゲージメントの高い組織の構築にも取り組み、企業価値を高めます。翌連結会計年度に向けての当社の主要事業セグメントにおける課題といたしましては、化成品事業においては高機能樹脂製品の需要拡大に対応した安定的な供給体制の構築、繊維事業においては事業構造改革の推進、環境メカトロニクス事業においてはライフサイエンス領域の拡大に取り組みます。セグメントごとの経営環境、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題は、以下のとおりであります。 ①化成品事業(経営環境)化成品事業では、半導体をはじめ自動車、建築、産業資材など様々な業界に幅広く、汎用から高機能にわたる合成樹脂を中心とした製品事業を展開しており、顧客に密着した商品開発・営業により、顧客ニーズに迅速かつきめ細かく対応できる体制を構築しています。それぞれの分野において処方開発、成形技術やSDGsを意識した商品開発など、開発体制の一層の強化と、生産技術の向上による業容の拡大に注力しています。なお、中東情勢の緊迫化により、原油価格の急騰、またナフサのひっ迫による石化原料に供給制限がかかるリスクが高まっており、今後事業運営、業績への影響が懸念されます。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)高機能樹脂製品及び機能フィルムを成長・注力事業と位置付け、経営資源を集中して業容拡大に取り組みます。高機能樹脂製品では、半導体市場の今後の更なる成長に伴う業容拡大に向け、熊本イノベーションセンターと寝屋川工場を活用した安定的な供給体制の構築に取り組みます。また、機能フィルムでは、半導体用途を中心に新規拡販を進めます。基盤事業と位置付けている産業マテリアル(軟質ウレタン、合成木材、無機建材、硬質ウレタン、不織布、機能資材)では、安定した収益確保に向けて生産体制の効率化に取り組むとともに、新商品開発・新市場開拓にも取り組みます。また、今後の市場拡大が見込まれる熱可塑性炭素繊維複合シート「KURAPOWER SHEET(クラパワーシート)」の早期事業化に向けたマーケティング活動と技術開発に注力します。 ②繊維事業(経営環境)繊維事業では、紡績、織布、染色整理加工、縫製における独自の技術を生かし、綿を中心とした天然繊維をベースとした繊維製品に関する事業を展開しています。繊維業界を取り巻く環境は、原燃料価格や為替の大幅な変動などきびしい状況が続いていますが、一方で高機能繊維製品やサステナブルを訴求した素材への需要が増加しています。高収益事業への転換と業容拡大を目指して、独自技術を生かした新商品・サービスの開発と販売拡大に注力するとともに、効率化を重視した生産体制の構築を推進しています。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)糸では、原料改質技術を活用した高機能製品「NaTech(ネイテック)」の開発推進と販売拡大、ユニフォームでは、「PROBAN(プロバン)」、「BREVANO(ブレバノ)」等の防炎素材や、暑熱環境下におけるリスク低減の管理システム「Smartfit(スマートフィット)」など、働く人へ安全と快適を提供するビジネスへの転換を進め、カジュアルでは、需要の高まる軽量で機能性の高い快適な独自のテキスタイル開発と海外生産拠点を活用した高品質で短納期対応が可能な生産体制の構築に取り組みます。これらの取組みにより、各分野でサステナブル社会の実現に貢献できる商品・技術の開発、販売を行います。なお、安城工場の閉鎖に伴う生産の海外移管に加え、インドネシア子会社の工場を移転するなど競争力のあるグローバルサプライチェーンを構築するとともに、適地生産・適地調達や販売・開発体制の見直しなど、事業構造改革を推進します。 ③環境メカトロニクス事業(経営環境)環境メカトロニクス事業では、ライフサイエンス・テクノロジーは遺伝子抽出・解析、細胞、ビジョンセンサー、AI、ロボット、FA装置等の技術を生かし、人手に大きく依存している医療や研究現場、多岐にわたる業界の生産現場などで品質、生産性の向上、自動化に貢献しています。なお、米国の関税政策や政府予算削減などの政策変更により、米国向け輸出に影響が出ております。販路の見直しや他地域向け販売の強化を通じて、事業の安定化に努めます。エレクトロニクスは、画像処理及び情報処理といった基盤技術を軸に、半導体、フィルムなど幅広い業界へ向けた検査・計測・色彩管理システム等を開発・販売しており、高精度かつ効率的な品質管理を実現します。エンジニアリングは、循環型社会の実現に貢献する環境関連や半導体関連の工場設備などのプラント設計・製造・工事等を行っています。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)ライフサイエンス・テクノロジーでは、臨床検査市場への進出や遺伝子抽出・解析関連での業容拡大に加え、撹拌脱泡装置「MAZERUSTAR(マゼルスター)」の医療材料、化粧品、エネルギーなど新たな市場への拡販に取り組みます。また、高速3Dビジョンセンサー「KURASENSE(クラセンス)」の商品開発力の強化や7軸協働ロボットシステム「KURAVIZON(クラビゾン)」の拡販に注力します。エレクトロニクスでは、商品力強化による競争優位性の獲得、海外市場への拡販に努め、半導体関連の検査・計測ビジネス、及び鉄道や道路をはじめとしたインフラ検査ビジネスの拡大を図ります。エンジニアリングでは、バイオマスボイラー、水族館、医薬品製造工場など設備プラント工事の受注拡大や半導体関連設備、家畜排せつ物処理装置「FUNTO(フント)」の拡販など、環境・設備関連ビジネスの拡大と新商品開発に取り組みます。 ④食品・サービス事業(経営環境)食品・サービス事業では、フリーズドライ食品の製造・販売やホテル等の運営を行っています。食品事業が属するフリーズドライ業界では、小売り価格の値上げを背景とした消費者の節約志向の継続が懸念されます。ホテル関連では、宿泊は国内の観光需要が堅調であり、更なる拡大が見込まれるインバウンド需要を確実に取り込むための施策を推進しています。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)食品事業では、消費者の節約志向に対応すべく、安価でありながら付加価値の高い商品の開発・提案にも注力し、顧客満足度の向上に努めるとともに、海外市場への参入など新たな市場開拓に取り組みます。また、引き続き環境面にも配慮した事業活動も積極的に進めます。ホテル関連では、インバウンド需要を取り込むための販促活動をさらに強化するとともに、魅力的な商品の提供やサービスの向上などにより、集客力の強化を図ります。 ⑤不動産事業(経営環境)不動産事業では、工場跡地等の遊休資産の有効活用による長期安定収益の確保を目指し、オフィスや商業施設、大規模メガソーラー用地等の不動産賃貸を展開しています。賃貸事業の主力である大型商業施設では、ネット通販やドラッグストアとの競争激化などにより、賃貸先の経営環境に大きな影響を及ぼす可能性があります。(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題)大型商業施設賃貸事業では、賃貸先の経営環境を注視しながら、効率的な事業推進を行い、引き続き、長期安定収益の維持・確保に努めます。また、遊休地の再開発等による早期収益化についても、取り組みます。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。 ①財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度におけるわが国経済は、底堅い個人消費や企業の設備投資に支えられ、景気は緩やかな回復基調で推移しました。一方で世界経済につきましても、米国の関税政策に伴う逆風を、AIなど先端テクノロジー分野の投資拡大などでカバーし、総じて堅調に推移しました。当社主力の高機能樹脂製品事業がターゲットとする半導体製造関連市場は調整局面に入り、減速しましたが、当連結会計年度末にかけて徐々に回復基調となりました。また、自動車市場におきましても、米国の追加関税による影響を受けつつも、総じて堅調に推移する一方、繊維・衣料品市場や住宅・建材市場の回復が遅れています。このような環境下にあって当社グループは、2025年4月よりスタートした中期経営計画「Accelerate'27」の基本方針である「高収益事業の成長加速と経営資源の効率的な活用による企業価値の向上」のもと、半導体製造関連市場などの成長市場に向けた注力事業の拡充と繊維事業の構造改革を中心とする基盤事業の収益力強化などに注力しました。この結果、売上高は1,437億円(前年同期比4.6%減)、営業利益は91億8千万円(同11.0%減)、経常利益は110億7千万円(同6.1%減)、政策保有株式の売却益を特別利益に計上したことなどにより、親会社株主に帰属する当期純利益は128億7千万円(同42.8%増)となりました。 セグメントの業績は、次のとおりであります。 (化成品事業)高機能樹脂製品は、第4四半期に入り受注は回復基調となったものの、第3四半期まで続いたAI用途以外の半導体市況の低迷の影響により、半導体製造装置向けの受注が減少し、減収となりました。機能フィルムは、太陽電池向けの受注が堅調でしたが、北米の自動車向けの受注が減少し、減収となりました。産業マテリアルは、自動車内装材向け軟質ウレタン、断熱材、自動車フィルター向け不織布の受注が順調でしたが、前期に自動車内装材向け軟質ウレタンの製造・販売を行っていた中国子会社の全持分を譲渡した影響もあり、減収となりました。この結果、売上高は626億円(前年同期比5.1%減)、営業利益は41億5千万円(同17.4%減)となりました。 (繊維事業)糸は、ブラジル子会社のニット糸販売が低調に推移しましたが、原料改質技術を活用した高機能製品「NaTech(ネイテック)」及びタイ子会社のデニム向けの販売が順調で、増収となりました。ユニフォームは、ユニフォームアパレル向け製品の受注が増加し、増収となりました。カジュアルは、国内SPA向けの生地の受注が減少し、減収となりました。この結果、売上高は432億円(前年同期比10.8%減)、安城工場の閉鎖に伴う異常操業費用の計上もあり、営業損失は8億9千万円(前年同期は営業利益7千万円)となりました。 (環境メカトロニクス事業)ライフサイエンス・テクノロジーは、子会社のFA装置などが堅調に推移しましたが、撹拌脱泡装置が米国の関税政策の影響などを受けて低調で、減収となりました。エレクトロニクスは、半導体製造装置向け液体成分濃度計が堅調に推移し、また基板検査装置や鉄道業界向けインフラ検査システムなども順調で増収となりました。エンジニアリングは、排ガス処理設備などが順調に推移し、また子会社のウェハー洗浄装置やフィルター洗浄装置も好調で、増収となりました。この結果、売上高は227億円(前年同期比3.5%増)、営業利益は38億6千万円(同15.7%増)となりました。 (食品・サービス事業)食品は、即席麺具材の拡販が順調に進んだことなどにより、増収となりました。ホテル関連は、国内旅行やインバウンド需要により宿泊やレストランが順調に推移するとともに、宴会需要も回復傾向にあり、増収となりました。この結果、売上高は111億円(前年同期比6.6%増)、営業利益は8億8千万円(同22.1%増)となりました。 (不動産事業)不動産賃貸は、賃貸物件の新規開店により増収となり、売上高は39億円(前年同期比6.5%増)、営業利益は22億9千万円(同2.5%増)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億4千万円増加し、当連結会計年度末には154億9千万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、145億8千万円(前連結会計年度は110億4千万円の資金の増加)となりました。これは、有価証券及び投資有価証券売却損益64億5千万円や法人税等の支払額31億1千万円などの減少要因があったものの、税金等調整前当期純利益181億7千万円や減価償却費の内部留保50億1千万円などの増加要因があったことなどによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、13億6千万円(前連結会計年度は29億8千万円の資金の減少)となりました。これは、有形及び無形固定資産の取得による支出60億7千万円があったものの、投資有価証券の売却による収入73億8千万円があったことなどによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、158億円(前連結会計年度は90億3千万円の資金の減少)となりました。これは、自己株式の取得による支出71億2千万円や配当金の支払額43億9千万円があったことなどによるものです。 (キャッシュ・フロー関連指標の推移)当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。 2022年3月期2023年3月期2024年3月期2025年3月期2026年3月期自己資本比率(%)57.458.260.662.965.5時価ベースの自己資本比率(%)20.827.232.653.066.6キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)1.56.21.01.00.5インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)51.87.739.132.575.9 (注) 自己資本比率:自己資本/総資産時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フローインタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。2.株式時価総額は、自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の「営業活動によるキャッシュ・フロー」を使用しております。4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の「利息の支払額」を使用しております。 ③生産、受注及び販売の実績ア.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)化成品事業(百万円)50,15396.8繊維事業(百万円)27,84886.2環境メカトロニクス事業(百万円)16,220104.8食品・サービス事業(百万円)6,267100.1合計(百万円)100,49094.9(注)1.セグメント間の取引については、仕入先の属するセグメントにおいて相殺消去しております。2.繊維事業には、上記生産実績のほかに、販売を主たる事業とする会社の商品仕入実績が、9,488百万円あります。3.不動産事業は、生産活動を行っておりません。4.金額は製造原価で記載しております。 イ.受注実績当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)環境メカトロニクス事業8,52585.58,48196.4(注)上記以外は、主として見込生産を行っております。 ウ.販売実績当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)化成品事業(百万円)62,65494.9繊維事業(百万円)43,27689.2環境メカトロニクス事業(百万円)22,716103.5食品・サービス事業(百万円)11,145106.6不動産事業(百万円)3,965106.5合計(百万円)143,75895.4(注)1.セグメント間の取引については、販売会社の属するセグメントにおいて相殺消去しております。2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合については、相手先別販売実績が総販売実績の10%未満のため、省略しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容ア.当連結会計年度の経営成績の分析(ア)売上高当連結会計年度の売上高は1,437億円と前連結会計年度に比べ4.6%、69億円の減収となりました。これは「(1) 経営成績等の状況の概要」に記載のとおり、繊維事業のカジュアルが国内SPA向けの生地の受注が減少したことや化成品事業の半導体製造装置向けの受注が減少したことなどによります。(イ)営業利益当連結会計年度の営業利益は91億8千万円と前連結会計年度に比べ11.0%、11億2千万円の減益となりました。これは、化成品事業や繊維事業で売上が減少したことなどによります。(ウ)経常利益当連結会計年度の経常利益は110億7千万円と前連結会計年度に比べ6.1%、7億1千万円の減益となりました。これは、営業外損益が受取配当金の増加などで前連結会計年度に比べ4億1千万円改善したものの、営業利益の減益があったことなどによります。(エ)特別損益当連結会計年度の特別利益は74億4千万円でその主なものは、投資有価証券売却益64億5千万円、固定資産売却益8億1千万円であります。一方、特別損失は3億3千万円でその主なものは、固定資産処分損1億2千万円、固定資産圧縮損1億1千万円であります。(オ)親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は128億7千万円と前連結会計年度に比べ42.8%、38億6千万円の増益となりました。これは、税金費用の増加があったものの、特別損益が前連結会計年度に比べて71億1千万円改善したことなどによります。また、1株当たり当期純利益は781.89円と前連結会計年度に比べ265.70円増加しました。 イ.当連結会計年度の財政状態の分析当連結会計年度末の総資産は、棚卸資産や受取手形、売掛金及び契約資産は減少しましたが、株価上昇に伴い投資有価証券が増加したことなどにより、2,018億円と前連結会計年度末に比べ113億円増加しました。負債は、繰延税金負債や未払法人税等は増加しましたが、長・短期借入金が減少したことなどにより、681億円と前連結会計年度末に比べ11億円減少しました。純資産は、自己株式の取得による減少はありましたが、その他有価証券評価差額金や利益剰余金が増加したことなどにより、1,336億円と前連結会計年度末に比べ124億円増加しました。以上の結果、自己資本比率は2.6ポイント上昇して65.5%となりました。 ウ.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画「Accelerate'27」初年度である2025年度は、化成品事業の主力である高機能樹脂製品が展開する半導体製造関連市場が調整局面に入るとともに、繊維事業においても衣料品市場の回復が遅れるきびしい事業環境となりました。このような中、化成品事業においては2026年度以降の市場の回復・拡大を見据えた施策を進め、繊維事業では構造改革に取り組みました。一方で、環境メカトロニクス事業及び食品事業は順調に業績を拡大しました。その結果、売上高は若干の未達となったものの、営業利益は「Accelerate'27」初年度の目標を達成しました。また、収益性の向上によりROAやROICが目標を上回る水準となったことに加え、政策保有株式の売却などの財務政策及び増配や自己株式取得などの資本政策を進めた結果、ROEは10%を上回りました。 指標Accelerate'27(a)2025年度計画2025年度(b)(実績)計画比(b)-(a)売上高1,440億円1,437億円△2億円営業利益80億円91億円+11億円R O E8.0%10.2%+2.2ポイントR O A4.3%4.7%+0.4ポイントR O I C4.4%4.6%+0.2ポイント(注)ROE:自己資本当期純利益率、ROA:総資産営業利益率、ROIC:投下資本利益率 エ.経営成績に重要な影響を与える要因について「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報ア.キャッシュ・フロー「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 イ.契約債務2026年3月31日現在の契約債務の概要は以下のとおりであります。 年度別要支払額(百万円)契約債務合計1年以内1年超2年以内2年超3年以内3年超4年以内4年超5年以内5年超短期借入金4,4274,427-----長期借入金2,5451,65962862-195-リース債務642136191142473786その他有利子負債140-----140上記の表において、連結貸借対照表の短期借入金に含まれている1年内返済予定の長期借入金は、長期借入金に含めております。 ウ.財務政策当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部資金又は借入により資金調達することとしております。このうち、借入による資金調達に関しましては、運転資金については短期借入金で、生産設備などの長期資金は、固定金利の長期借入金での調達を基本としております。また、当社及び国内子会社は、CMS(キャッシュ・マネジメント・サービス)を導入することにより、各社の余剰資金を当社へ集約し、一元管理を行うことで、資金の効率化を図っております。なお、マーケット環境の一時的な変化など、不測の事態への対応手段確保のため、当連結会計年度末において、複数の金融機関との間で合計7,400百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高7,400百万円)。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
事業リスク
- 主要市場の景気悪化半導体、自動車、住宅、衣料品、不動産といった主要市場の景気が悪化すると、製品の受注が減少し、売上や利益に悪影響を及ぼす可能性があります。特定の国や地域への販売偏りがある製品では、その影響が特に大きくなることが考えられます。対策として、R&D強化と新規事業創出で市場開拓を進めています。
- 原材料・エネルギー価格高騰綿花、石化原料などの原材料や燃料の価格が、市場の需給や国際情勢、為替レートによって高騰するリスクがあります。価格上昇分を製品価格に十分に転嫁できない場合、利益が圧迫され、経営成績に悪影響を与える可能性があります。複数の供給元確保や販売価格への転嫁で対応しています。
- 海外事業活動のリスクブラジル、タイ、インドネシア、中国など海外での事業展開は、予期せぬ法規制の変更、政治・経済情勢の変動、テロや紛争、インフラ未整備といったリスクを伴います。これらのリスクが顕在化した場合、事業活動に支障が生じ、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。情報収集と現地子会社との連携で対応しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当社グループでは、戦略・事業遂行上におけるリスク及びその対応策につき「リスクマネジメント委員会」にて把握・検討し、取締役会及び経営会議での議論、検討を踏まえたうえで、当社グループの主要なリスクとして整理しています。以下では、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える主要なリスク及びその対応策につき記載しており、すべてのリスクを網羅している訳ではありません。当社グループの事業は、現在は未知のリスク、あるいは現時点では特筆すべき、又は重要とみなされていない他のリスクの影響を将来的に受ける可能性もあります。また、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 市場リスク①主要な市場における景気の悪化当社グループは、様々な分野や国で事業を展開しておりますが、主要な市場は半導体、自動車、住宅、衣料品、不動産の各業界であり、製品によっては特定の国・地域に販売が偏ることもあります。経済情勢の変化等により当該市場や国・地域における景気が悪化した場合には、受注減により売上が減少する等当該事業の経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、主要な市場における市況の変化を注意深く見守りつつ、中期経営計画「Accelerate'27」の重点施策であるR&D活動の強化と新規事業の創出・収益化により、各事業分野において新規市場の開拓を図っております。 ②競争優位性の低下当社グループが関連する各事業分野においては、競合他社に対する品質面、価格面での競争が激化しており、優位性が低下した場合には、売上や利益が減少する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、各事業分野において、独自技術を生かしたサステナブル社会の実現に貢献できる新製品・サービスを開発、提供していくことで競争優位性、顧客満足の向上を目指してまいります。 (2) 事業運営、戦略リスク①特定の取引先の業績悪化等当社グループは、各種製品・サービスを国内外で販売・提供しておりますが、各事業分野においては収益への影響度が大きい特定の取引先が存在しており、当該取引先の業績悪化による受注減、大規模な在庫調整や生産調整等が生じた場合には、当社グループの売上が減少する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、各事業分野において高品質かつ安定的な製品・サービスの提供による当該取引先との更なる関係強化を図るとともに、リスク分散のため、当該取引先以外の取引先への販売強化、新規顧客の開拓にも注力しております。 ②原材料等の調達困難当社グループが提供する製品で使用している一部の部品、原材料については、市場の需給状況や物流の混乱により、安定的な調達を確保できないリスクがあります。原材料等の供給不足により当社グループ製品の生産能力を十分に確保できない場合、販売機会喪失による売上高の減少、顧客への納入遅延が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。なお、中東情勢の緊迫化により、原材料等の調達難が生じるリスクが高まっています。当社グループでは、原材料等の備蓄、代替原材料又は代替の調達先の確保等を行い、原材料等の安定調達、製品の安定供給に努めてまいります。 (3) 経済リスク①原材料価格、エネルギー価格の高騰当社グループが使用している綿花、石化原料などの原材料や燃料は、市場の需給状況、国際商品市況やその他の環境要因(為替レート等)により購入価格が高騰することがあり、価格上昇分を製品価格に十分転嫁できない場合等には、利益の減少等当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。なお、近時の中東情勢の緊迫化により、石化原料価格が急騰するリスクがあります。当社グループでは、原材料やエネルギーの価格動向等に注意を払うとともに、価格高騰等の影響を最小限に抑えるべく国内外の複数の供給元の確保、当該供給元からの購買等の対応を行っております。また、販売価格への転嫁にも取り組み、中東情勢の価格急騰分に対しては、スピード感をもって転嫁対応しております。 ②為替、株価等の相場変動当社グループは、グローバルに事業を展開しており、為替レートの大幅な変動が生じた場合は、売上高やコストに影響が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。為替レートの変動の影響を最小限度に抑えるべく、為替予約等のヘッジ取引を行っております。また、当社グループは、市場性のある株式を保有しており、株価が著しく下落した場合は、評価損が発生する等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。株式の時価評価を定期的に実施し、適切な会計処理を行うとともに、政策保有株式については、保有の意義が必ずしも十分でないと判断したものについては、縮減を図ることとしており、中期経営計画「Accelerate'27」の最終年度である2027年度末までに連結純資産比20%未満まで縮減する方針です。なお、政策保有株式の縮減への取組状況については、下記「第4 提出会社の状況 4.コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況」に記載のとおりです。 ③海外での事業活動当社グループの化成品事業及び繊維事業並びにこれらに属する連結子会社は、世界各国での事業展開を行うとともに、ブラジル、タイ、インドネシア、中国等に事業拠点を有しております。これら海外での事業活動においては、予期しない法律又は規制の改廃、政治体制又は経済状況の変化、テロ・戦争・紛争等の社会的混乱、インフラの未整備等のリスクが内在しております。当社グループでは、情報収集、海外関係子会社と連携を図りながら、状況に応じた対応を行ってまいります。また、海外での紛争等の有事の発生に関しては、安全確保・損失回避に向けた体制整備等の対応に努めております。 (4) 自然災害、事故リスク当社グループは、国内外の各地で生産活動等の事業活動や、それに伴う原材料などの調達を行っておりますが、大規模な地震、台風、火災等の災害が生じた場合には、生産活動の停止、工場等の設備の損壊に加え、原材料などの調達や顧客への製品供給に支障が生じる等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、従業員の生命・安全を最優先として、気象予報などの情報収集により、想定される自然災害への事前の対応を綿密に行うことで災害発生を未然に防ぎ、また定期的な設備点検や防災訓練、マニュアルの整備、顧客やサプライチェーンとの情報共有等の連携などにより、事故のリスクや想定困難な自然災害発生時の生産活動等の事業活動への影響を最小限に留めるように日々努めております。また、万一被害が生じた場合に備えて、データセンターの活用や損害保険の付保などのリスクヘッジを行っております。なお、2022年6月に発生した、当社の化成品事業部が防熱工事を実施した物流施設における火災事故に関し、当社を含む本件火災に関係する会社3社に対して、2023年9月6日付けでSBSフレック株式会社より、2025年3月31日付けで損害保険ジャパン株式会社より、それぞれ損害賠償請求訴訟が提起されました。これらの訴訟については、現在係属中であり、引き続き、代理人弁護士を通じて適切に対応してまいります。本件火災の影響等につきましては、連結財務諸表「注記事項(連結貸借対照表関係)7.偶発債務」に記載のとおりです。 (5) 人事リスク当社グループは企業価値の持続的向上のため、多様な人材の活躍推進に努めておりますが、それらが計画通りに進まなかった場合、中長期的に見て、当社グループの事業展開、業績及び成長の見通しに重要な影響を与える可能性があります。当社グループの人事リスクに関する取組については、下記「第4 提出会社の状況 5.従業員の状況等 (1)人材戦略に関する基本方針等」に記載のとおりです。 (6) 情報セキュリティリスク当社グループは、事業活動を通じて機密情報、顧客情報、個人情報等を保有しており、また販売や生産等の事業活動において情報システムを利用しております。コンピュータウイルス・マルウェア等外部からの不正な手段によるコンピュータシステム内への侵入等の犯罪行為や使用人もしくは委託業者の過誤等により、これらの情報が流出又は改ざんされ、もしくは情報システムの長期間の停止が発生した場合は、販売活動や生産活動等の停止、損害賠償の発生や社会的信用の低下等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、情報セキュリティポリシーを制定し、適切な情報管理体制を構築するとともに、適切なセキュリティソフトの導入・更新、重要なデータのバックアップ、定期的な教育の実施などの対策を行っております。 (7) 気候変動リスク当社グループは、サステナビリティに関連するリスクのうち、気候変動に関するリスクが重要なリスクの一つであると認識しております。当社グループの気候変動に関するリスクに関する取組については、上記「2.サステナビリティに関する考え方及び取組 (7)TCFD提言に基づく報告」に記載のとおりです。 (8) 人権リスク当社グループは、世界各国のサプライチェーンを通じて原材料の調達や製品の生産加工等をしておりますが、これらのサプライチェーンにおいて、労働環境・安全衛生の悪化や人権侵害行為、特に、強制労働や児童労働、ハラスメント、差別的行為等が発生し、これらの人権問題に適切に対応できない場合は、調達や生産への影響に加え、顧客及び取引先からの信用低下を招く等、当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を与える可能性があります。当社グループでは、当社グループの事業に関わる全てのステークホルダーの人権尊重のため、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいた「クラボウグループ人権方針」を策定し、人権尊重の取組を実践しております。また、サプライチェーンに対するサステナブル調査を実施し、より一層の人権に配慮した事業運営に努めております。