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三ツ知(3439)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

金属製品 建設・資材

事業の概要

  • 自動車部品の製造販売
    三ツ知グループは、自動車のシート、窓の開閉装置(ウインドウレギュレーター)、ドアロックなどに使われる「カスタムファスナー」と呼ばれる特殊なネジやボルトの製造・販売を主な事業としています。これらの部品は、自動車の安全性や快適性を支える重要な機能部品です。
  • 冷間鍛造技術が強み
    同社グループは、金属を常温でプレスして成形する「冷間鍛造」という独自の技術を核としています。この技術により、生産効率が高く、材料の無駄が少なく、強度が高く安定した品質の製品を製造できるため、顧客の多様なニーズに応えています。
  • グローバルな生産体制
    日本国内に複数の生産拠点を持ち、さらにタイ、アメリカ、中国、インドにも子会社を展開し、自動車部品メーカーのグローバルな調達ニーズに対応しています。これにより、世界中の自動車メーカーに製品を供給できる体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本セグメントの状況
    日本地域は売上高83.5億円で、同社グループを統括する本社機能と、冷間鍛造技術を核としたカスタムファスナーの生産拠点を有しています。しかし、営業利益は1.4億円の赤字となっており、国内市場での競争やコスト構造が課題となっている可能性があります。
  • タイセグメントの収益貢献
    タイ地域は売上高23.6億円に対し、営業利益3.3億円と黒字を計上しており、同社グループの収益に大きく貢献しています。タイでは自動車部品だけでなく家電部品向けのカスタムファスナーも製造・販売しており、アジア市場での事業展開が成功していると言えます。
  • 北米・中国セグメントの課題
    アメリカ地域は売上高14.4億円で0.9億円の赤字、中国地域は売上高2.6億円で0.3億円の赤字となっています。これらの地域では、自動車部品の製造・販売を行っていますが、市場環境や競争激化、為替変動などが影響し、現状では収益化に課題を抱えている状況です。
2025-06 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
Japan 地域 84 -1 -1.7%
America 地域 14 -1 -5.9%
Thailand 事業 24 3 14.1%
China 地域 3 -0 -12.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,508 文字
3 【事業の内容】当社グループは、当社及び子会社7社(株式会社三ツ知製作所、株式会社三ツ知部品工業、株式会社創世エンジニアリング、Thai Mitchi Corporation Ltd.、Mitsuchi Corporation of America、三之知通用零部件(蘇州)有限公司、Mitsuchi India Pvt. Ltd.)で構成されており、自動車部品に係るカスタムファスナーの製造・販売等を主たる業務としております。当社グループの製品は、自動車用部品における車体用部品向けがその中心であり、用途別にはシート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品等の各機能部品となっております。当社グループでは、得意先からのコスト・品質等における高度化・多様化するニーズに的確に対応するために、冷間鍛造(※)をコア技術とし、生産性の向上・製品の高付加価値化に努めております。 ○当社及び主要な関係会社の当社グループにおける位置付けセグメント名称会社名当社グループにおける位置付け日本当社(本社)当社グループを統括し、営業・品質管理・技術開発・生産管理・物流・販売等を担当(本社工場)技術開発拠点、冷間鍛造技術をコアとしたカスタムファスナーの生産拠点株式会社三ツ知製作所冷間鍛造技術をコアとしたカスタムファスナーの主力生産拠点株式会社三ツ知部品工業自動車カスタムファスナーの製造拠点株式会社創世エンジニアリング金型加工技術をコアとした精密機械金型の製造・販売拠点タイThai MitchiCorporation Ltd.タイにおける自動車用部品、家電部品等のカスタムファスナーの製造・販売拠点米国Mitsuchi Corporationof America北米における自動車用部品のカスタムファスナーの製造・販売拠点中国三之知通用零部件(蘇州)有限公司中国における自動車用部品のカスタムファスナーの製造・販売拠点インドMitsuchi India Pvt. Ltd.インドにおける自動車用部品のカスタムファスナーの製造・販売拠点 ○当社グループの製・商品における用途品目別の主な種類及び機能用途品目別製・商品の主な種類製・商品の主な機能自動車用部品シート用部品アーム、リクライニングアジャスターロア、スライドローラー、ロケーション・ピンストライカー、ランバー用ハンドル軸、ヒンジ・ピン、ショルダー・ピン他座席の前後位置やリクライニングシートの背もたれ角度、高さ、前後調整を行う機能部品ウインドウレギュレーター用部品ハンドル・シャフト、ギヤ・シャフト、ピン、ローラーASSY、樹脂用タッピングネジ他窓の開閉装置であり、ウインドガラスを支える金具の上下昇降機能部品ロック用部品各種ロックリアドア、トランクあるいはシート等のロック及びロックの解除を行う機能部品エンジン用部品高強度ボルト他エンジンのための重要保安部品他足回り用部品スタッド、ソケット他ステアリングを含む足回り部品他その他エアバッグ部品他エアバッグのための重要保安部品他非自動車用部品クイックジョイント、精密機械金型他トンネルシールド壁自動組立用の締結金具等、各製品金型他 (※)冷間鍛造金属材料を常温で金型とプレスを使用して成形する工法であります。鍛造は、金属材料の温度により、冷間鍛造の他、温間鍛造、熱間鍛造に区分されます。なお、冷間鍛造における特長は次のとおりであります。①生産速度が速い(効率的に生産)②材料のムダが少ない(省資源化及び製造コストの引下げ)③製品強度を高め、品質が安定(高い品質を保証) 事業の系統図は、次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
完成車メーカーからの価格引下げ要請が特に強く、厳しい価格引下げ要請がなされているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
冷間鍛造をコア技術とし、生産性の向上・製品の高付加価値化に努めている。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 高い(依存)
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:特定の取引先への依存 / 海外市場展開に潜在するリスク / 価格競争への対応
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

財務データが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、特筆すべき無形資産の存在は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

金属製品の製造・販売において、顧客との長期的な取引関係や仕様への適合性から一定のスイッチング・コストは存在すると推測されますが、定量的なデータや具体的な事例は不明です。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

事業内容から、ネットワーク効果が競争優位の源泉となる可能性は低いと考えられます。ユーザー数が増加することで製品・サービスの価値が向上するようなビジネスモデルではありません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

金属加工業は一般的に価格競争が生じやすい業界ですが、三ツ知が独自の製造プロセスや仕入れルートにより、構造的なコスト優位性を確立しているかは不明です。規模の経済によるコスト削減の可能性はあります。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

金属製品業界は多岐にわたりますが、三ツ知が特定のニッチ市場で一定のシェアを確保している可能性はあります。しかし、業界全体に対する最適規模の少数寡占を形成しているかは、財務データがないため判断できません。

  • 冷間鍛造による高品質・高効率
    同社グループは、冷間鍛造という特殊な技術をコアとしており、これにより高い生産速度と少ない材料ロスで製品を製造できます。さらに、製品強度を高め、品質を安定させることができるため、顧客からの信頼を得ています。
  • 自動車部品に特化した専門性
    自動車部品の中でも、シート、ウインドウレギュレーター、ロックなどの機能部品に特化したカスタムファスナーを提供しています。この専門性により、自動車メーカーや一次部品メーカーの高度な要求に応える製品開発力と提案力を持っています。
  • グローバルな供給ネットワーク
    日本だけでなく、タイ、アメリカ、中国、インドにも生産・販売拠点を持ち、主要な自動車部品メーカーの海外展開に対応しています。これにより、世界規模での安定供給が可能となり、顧客との長期的な関係構築に貢献しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、経営の基本方針として、経営理念を掲げております。[経営理念]未来を「つなぐ」技術で世界中の人と想いを「つなぐ」 創業以来培ってきた冷間鍛造技術と品質保証体制を基盤に、自動車産業をはじめとする幅広い分野に信頼性の高い製品を提供し、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。また、持続的成長と企業価値向上のため①生産性向上と収益力強化②新たな需要への対応を見据えた技術開発、設備投資③環境負荷低減や人材育成などサステナビリティ経営を重点課題として取組みます。 (2)目標とする経営指標当社グループは、昨年に続き中期経営計画「ビジョン24」の取組を継続してまいります。第65期(2027年6月期)に達成すべき経営目標を連結売上高140億円、営業利益率5%とし、営業利益率5%を安定的に確保する体制を構築すると共に成長戦略に取組み、第67期(2029年6月期)に目指す姿としては連結売上高160億円、営業利益率5.5%を掲げております。 (3)経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済の不確実性が高まる中、原材料価格や人件費の上昇に加え、各国の通商政策や自動車産業を取り巻く市場環境が大きく変化しております。このような事業環境のもと、当社グループは、収益力の強化と資本効率の向上を図りながら、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、グローバル最適生産体制の再構築、収益構造の転換、新規事業の育成、DXの推進、人材戦略の強化およびサステナビリティ経営の推進を重点課題として取り組んでまいります。この方針のもと、当社グループが重点的に取り組むべき課題は以下のとおりであります。 <中期経営計画ビジョン24の目標達成に向けて>①グローバル最適生産体制の再構築を推進してまいります1.インドセグメント新会社における量産体制の早期確立に向け、グループ各社が連携して立上げ支援を行い、安定生産および品質確保に取り組むとともに、設備増強を通じて新規受注の獲得を一層推進してまいります。2.タイセグメント新規設備投資の早期回収を図るとともに、生産効率の向上を通じて、収益性の更なる改善に取り組んでまいります。3.北米セグメント関税政策等の外部環境の変化を踏まえ、複数の選択肢を前提とした供給体制の再構築に向けた検討を進め、事業環境の変化に柔軟に対応するとともに、安定供給と収益確保の両立を目指してまいります。4.中国セグメント事業の選択と集中を進めることで、経営資源の最適配分を推進してまいります。②収益構造の転換を実行してまいります1.コスト構造改革の推進製造工程の見直し、設備配置の最適化および省人化を推進するとともに、消耗工具費の低減を通じて原材料価格高騰の影響を抑制し、収益基盤の強化を進めてまいります。2.顧客および製品ポートフォリオの再構築収益性および成長性の観点から取引内容を精査し、重点領域への経営資源の集中を図るとともに、採算性の向上に向けた取引内容の最適化を推進してまいります。あわせて、技術営業の強化により顧客ニーズへの対応力を高め、競争力向上と資本効率の改善につなげてまいります。 3.高付加価値製品へのシフト難加工品および差別化製品の開発・拡販を推進し、価格競争からの脱却を図ることで収益力の向上を目指してまいります。4.品質保証体制の強化品質保証体制の強化に向け、再発防止および未然防止を徹底し、品質の安定化と信頼性向上に取り組んでまいります。③新規事業の育成と創出を推進してまいります1.自社開発製品の事業拡大クイックシリーズについて、用途拡大および顧客開拓を推進し、事業規模の拡大を図るとともに、将来の収益の柱として育成してまいります。2.新規事業の探索強化加工難度の高い新素材に対応した冷間圧造成形技術の確立に向けた取り組みを推進するとともに、市場調査を進め、将来の事業化に向けた可能性を検討してまいります。④DXの推進により競争力を強化してまいります1.基幹システムの活用推進新基幹システムの導入および活用を段階的に推進し、業務プロセスの効率化とデータ活用による意思決定の高度化を進めてまいります。2.デジタル化の推進全社横断でデジタル化を加速し、各種データの活用およびAI技術の活用を通じて、業務プロセスの高度化と改善スピードの向上を図り、競争力強化につなげてまいります。⑤人材戦略を具体化し多様な人的資本の形成を推進してまいります1.グローバル人材の育成海外事業の拡大に対応するため、海外拠点への人材派遣や実務経験を通じた育成を進めるとともに、海外拠点との連携を担う人材の育成強化に取り組んでまいります。2.人材活性化の推進人事評価制度の見直しを進めるとともに、各部門における人材活性化に向けた取り組みを推進し、従業員エンゲージメントの向上を図ってまいります。3.人材育成の強化従業員のスキル向上とキャリア形成を支援するため、各部門における教育・研修の充実を図るとともに、育成体系の整備およびスキルアップ施策を推進し、キャリアの見える化を通じて自律的な成長を促進してまいります。⑥持続的成長に向けたサステナビリティ経営を推進し、企業価値向上に取り組んでまいります1.カーボンニュートラルへの対応CN推進チームを中心に削減目標の達成に向けた取り組みを推進してまいります。2.社会貢献地域社会に信頼され、愛される企業を目指した活動に取り組んでまいります。3.ガバナンスの強化持続的成長と企業価値向上に向け、経営基盤およびガバナンス体制の強化を進めてまいります。 ⑦資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応・現状分析当社のPBRは1倍を下回る水準が継続し、2026年6月末時点で0.30倍と大きく1倍を下回っています。ROEは2.13%と赤字期があったり、不安定な推移をしており、株主資本コストは8~10%程度と一般的には評価されにくい数値となっております。また、ROEをさらに分析してみますと、ROE2.13%は当社が認識する株主資本コストは8~10%程度を大きく下回る水準であり、収益性1.70%の改善が最優先課題であり、効率性総資産回転率0.80回とレバレッジ1.51倍にも改善の余地があります。これに伴い株価も低迷しています。・PBR改善へ向けて現状分析を踏まえ、当社の課題を以下の通り明確にするとともに、具体的な取組を推進してまいります。[課題]1)資本効率の課題・PBR0.30倍:資本効率及び市場評価の改善が課題・ROE2.13%:VS CoE8~10%程度:エクイティスプレッドはマイナスの状況・自己資本比率66.2%:財務健全性を維持しつつ資本効率向上の余地2)収益力の課題・売上高純利益率1.70%:収益性の向上が課題・営業利益の変動が大きい(赤字期あり)・コスト上昇に対する価格転嫁力に課題3)成長性の課題・売上高が横ばい(12,400百万円~13,100百万円のレンジ)・自動車部品の構造変化(EV化)への対応・新規事業・新製品による成長ドライバーの不足[事業面での改善施策]1)収益性向上・高付加価値製品へのシフト(精密加工・EV関連部品)・製造原価の低減(自動化・省人化投資)・価格転嫁の仕組み構築(原材料・サーチャージ等)2)売上成長戦略・難加工材加工技術による新製品開発・海外売上比率の拡大(タイ・インド)・新規顧客・新規用途の開発3)コスト構造改革・固定費の見直し・生産拠点の最適化・統廃合の検討・DX推進による業務効率化(IoT/AI活用)・調達コストの最適化(サプライチェーン見直し)[資本効率改善施策]1)資産圧縮・政策保有株式の縮減(定量評価に基づく売却基準)・低稼働資産への対応・在庫回転率の改善(適正在庫管理)2)投資効率改善・共通フォーマットによりROIC・NPV・IRR・投資回収期間等で採算性を評価・成長投資はWACCを基礎とし案件ごとのリスク等を考慮したハードルレートを設定、戦略的重要性・成長性も含め総合判断・投資後は計画対実績(売上・利益・ROIC・回収状況)をレビューし次の投資判断へ反映
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。(1)会社の経営の基本方針当社グループは、経営の基本方針として、経営理念を掲げております。[経営理念]未来を「つなぐ」技術で世界中の人と想いを「つなぐ」 創業以来培ってきた冷間鍛造技術と品質保証体制を基盤に、自動車産業をはじめとする幅広い分野に信頼性の高い製品を提供し、持続可能な社会の実現に寄与してまいります。また、持続的成長と企業価値向上のため①生産性向上と収益力強化②新たな需要への対応を見据えた技術開発、設備投資③環境負荷低減や人材育成などサステナビリティ経営を重点課題として取組みます。 (2)目標とする経営指標当社グループは、昨年に続き中期経営計画「ビジョン24」の取組を継続してまいります。第65期(2027年6月期)に達成すべき経営目標を連結売上高140億円、営業利益率5%とし、営業利益率5%を安定的に確保する体制を構築すると共に成長戦略に取組み、第67期(2029年6月期)に目指す姿としては連結売上高160億円、営業利益率5.5%を掲げております。 (3)経営環境及び対処すべき課題当社グループを取り巻く経営環境は、世界経済の不確実性が高まる中、原材料価格や人件費の上昇に加え、各国の通商政策や自動車産業を取り巻く市場環境が大きく変化しております。このような事業環境のもと、当社グループは、収益力の強化と資本効率の向上を図りながら、持続的な成長と企業価値の向上を実現するため、グローバル最適生産体制の再構築、収益構造の転換、新規事業の育成、DXの推進、人材戦略の強化およびサステナビリティ経営の推進を重点課題として取り組んでまいります。この方針のもと、当社グループが重点的に取り組むべき課題は以下のとおりであります。 <中期経営計画ビジョン24の目標達成に向けて>①グローバル最適生産体制の再構築を推進してまいります1.インドセグメント新会社における量産体制の早期確立に向け、グループ各社が連携して立上げ支援を行い、安定生産および品質確保に取り組むとともに、設備増強を通じて新規受注の獲得を一層推進してまいります。2.タイセグメント新規設備投資の早期回収を図るとともに、生産効率の向上を通じて、収益性の更なる改善に取り組んでまいります。3.北米セグメント関税政策等の外部環境の変化を踏まえ、複数の選択肢を前提とした供給体制の再構築に向けた検討を進め、事業環境の変化に柔軟に対応するとともに、安定供給と収益確保の両立を目指してまいります。4.中国セグメント事業の選択と集中を進めることで、経営資源の最適配分を推進してまいります。②収益構造の転換を実行してまいります1.コスト構造改革の推進製造工程の見直し、設備配置の最適化および省人化を推進するとともに、消耗工具費の低減を通じて原材料価格高騰の影響を抑制し、収益基盤の強化を進めてまいります。2.顧客および製品ポートフォリオの再構築収益性および成長性の観点から取引内容を精査し、重点領域への経営資源の集中を図るとともに、採算性の向上に向けた取引内容の最適化を推進してまいります。あわせて、技術営業の強化により顧客ニーズへの対応力を高め、競争力向上と資本効率の改善につなげてまいります。 3.高付加価値製品へのシフト難加工品および差別化製品の開発・拡販を推進し、価格競争からの脱却を図ることで収益力の向上を目指してまいります。4.品質保証体制の強化品質保証体制の強化に向け、再発防止および未然防止を徹底し、品質の安定化と信頼性向上に取り組んでまいります。③新規事業の育成と創出を推進してまいります1.自社開発製品の事業拡大クイックシリーズについて、用途拡大および顧客開拓を推進し、事業規模の拡大を図るとともに、将来の収益の柱として育成してまいります。2.新規事業の探索強化加工難度の高い新素材に対応した冷間圧造成形技術の確立に向けた取り組みを推進するとともに、市場調査を進め、将来の事業化に向けた可能性を検討してまいります。④DXの推進により競争力を強化してまいります1.基幹システムの活用推進新基幹システムの導入および活用を段階的に推進し、業務プロセスの効率化とデータ活用による意思決定の高度化を進めてまいります。2.デジタル化の推進全社横断でデジタル化を加速し、各種データの活用およびAI技術の活用を通じて、業務プロセスの高度化と改善スピードの向上を図り、競争力強化につなげてまいります。⑤人材戦略を具体化し多様な人的資本の形成を推進してまいります1.グローバル人材の育成海外事業の拡大に対応するため、海外拠点への人材派遣や実務経験を通じた育成を進めるとともに、海外拠点との連携を担う人材の育成強化に取り組んでまいります。2.人材活性化の推進人事評価制度の見直しを進めるとともに、各部門における人材活性化に向けた取り組みを推進し、従業員エンゲージメントの向上を図ってまいります。3.人材育成の強化従業員のスキル向上とキャリア形成を支援するため、各部門における教育・研修の充実を図るとともに、育成体系の整備およびスキルアップ施策を推進し、キャリアの見える化を通じて自律的な成長を促進してまいります。⑥持続的成長に向けたサステナビリティ経営を推進し、企業価値向上に取り組んでまいります1.カーボンニュートラルへの対応CN推進チームを中心に削減目標の達成に向けた取り組みを推進してまいります。2.社会貢献地域社会に信頼され、愛される企業を目指した活動に取り組んでまいります。3.ガバナンスの強化持続的成長と企業価値向上に向け、経営基盤およびガバナンス体制の強化を進めてまいります。 ⑦資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応・現状分析当社のPBRは1倍を下回る水準が継続し、2026年6月末時点で0.30倍と大きく1倍を下回っています。ROEは2.13%と赤字期があったり、不安定な推移をしており、株主資本コストは8~10%程度と一般的には評価されにくい数値となっております。また、ROEをさらに分析してみますと、ROE2.13%は当社が認識する株主資本コストは8~10%程度を大きく下回る水準であり、収益性1.70%の改善が最優先課題であり、効率性総資産回転率0.80回とレバレッジ1.51倍にも改善の余地があります。これに伴い株価も低迷しています。・PBR改善へ向けて現状分析を踏まえ、当社の課題を以下の通り明確にするとともに、具体的な取組を推進してまいります。[課題]1)資本効率の課題・PBR0.30倍:資本効率及び市場評価の改善が課題・ROE2.13%:VS CoE8~10%程度:エクイティスプレッドはマイナスの状況・自己資本比率66.2%:財務健全性を維持しつつ資本効率向上の余地2)収益力の課題・売上高純利益率1.70%:収益性の向上が課題・営業利益の変動が大きい(赤字期あり)・コスト上昇に対する価格転嫁力に課題3)成長性の課題・売上高が横ばい(12,400百万円~13,100百万円のレンジ)・自動車部品の構造変化(EV化)への対応・新規事業・新製品による成長ドライバーの不足[事業面での改善施策]1)収益性向上・高付加価値製品へのシフト(精密加工・EV関連部品)・製造原価の低減(自動化・省人化投資)・価格転嫁の仕組み構築(原材料・サーチャージ等)2)売上成長戦略・難加工材加工技術による新製品開発・海外売上比率の拡大(タイ・インド)・新規顧客・新規用途の開発3)コスト構造改革・固定費の見直し・生産拠点の最適化・統廃合の検討・DX推進による業務効率化(IoT/AI活用)・調達コストの最適化(サプライチェーン見直し)[資本効率改善施策]1)資産圧縮・政策保有株式の縮減(定量評価に基づく売却基準)・低稼働資産への対応・在庫回転率の改善(適正在庫管理)2)投資効率改善・共通フォーマットによりROIC・NPV・IRR・投資回収期間等で採算性を評価・成長投資はWACCを基礎とし案件ごとのリスク等を考慮したハードルレートを設定、戦略的重要性・成長性も含め総合判断・投資後は計画対実績(売上・利益・ROIC・回収状況)をレビューし次の投資判断へ反映
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における世界経済は、米国経済が底堅く推移したものの、各国における金融政策やインフレ動向に加え、米国の関税政策による通商環境の変化、中国経済の成長鈍化、地政学リスクの高まりなどを背景として、先行き不透明な状況が継続しました。当社グループの主要取引先であります自動車部品業界におきましては、北米では自動車生産は概ね底堅く推移したものの、関税措置や原材料価格の上昇等を背景に、調達コストや価格転嫁への対応が引き続き課題となりました。中国では、市場全体の生産台数は前年を上回る水準で推移したものの、市場競争の激化等により日系メーカーの販売シェア低下傾向が継続しました。また、日本国内及び東南アジア地域では、一部に持ち直しの動きが見られたものの、全体としては力強さを欠く状況が続きました。なお、東南アジアにおいては、国や顧客によって需要動向に差が見られ、当社グループにおいても一部拠点では受注が堅調に推移しました。このような経営環境の中、当社グループでは、中期経営計画「ビジョン24」の2年目として、対処すべき課題の解消に取り組んでまいりました。この結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は125億70百万円(前年同期比1.3%増)となりました。利益面につきましては、全社を挙げて原価低減活動に取り組んだ結果、営業利益は2億80百万円(前年同期比163.5%増)、経常利益は4億64百万円(前年同期比166.0%増)、特別利益としてリース契約変更益75百万円の計上、特別損失として固定資産の減損損失1億67百万円を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は2億13百万円(前年同期は1億17百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 セグメントごとの業績は次のとおりであります。〔日本〕得意先からの受注が減少し、売上高は92億19百万円(前年同期比0.9%減)となりました。利益面につきましては、経費削減に努めましたが、6百万円の営業損失(前年同期は1億40百万円の営業損失)となりました。〔米国〕得意先からの受注増加により、売上高は17億22百万円(前年同期比19.7%増)となりました。利益面につきましては、経費削減に努めましたが、8百万円の営業損失(前年同期は85百万円の営業損失)となりました。〔タイ〕得意先からの受注増加により、売上高は28億90百万円(前年同期比12.6%増)となりました。利益面につきましては、経費削減に努めた結果、営業利益は4億14百万円(前年同期比24.7%増)となりました。〔中国〕得意先からの受注が減少し、売上高は1億51百万円(前年同期比43.5%減)となりました。利益面につきましては、経費削減に努めましたが、60百万円の営業損失(前年同期は33百万円の営業損失)となりました。〔インド〕2025年5月に設立した子会社は本格稼働に向けた準備段階のため、売上高は0百万円、利益面につきましては、42百万円の営業損失となりました。 ②キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ3億29百万円減少し、36億59百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費6億24百万円、売上債権の減少額6億18百万円による資金増があり、一方で棚卸資産の増加額3億6百万円、仕入債務の減少額2億40百万円等による資金減により、10億80百万円の収入(前連結会計年度比22.0%増)となりました。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の払戻による収入6億1百万円等の資金増があり、一方で有形固定資産の取得による支出6億42百万円、定期預金の預入による支出5億90百万円等による資金減により5億98百万円の支出(前連結会計年度比14.7%増)となりました。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入3億50百万円等の資金増があり、一方で短期借入金の減少額7億円、長期借入金の返済による支出4億95百万円等による資金減により、10億25百万円の支出(前連結会計年度比187.4%増)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a. 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称生産高(千円)前年同期比(%)日 本8,763,930△0.3米 国1,904,218+36.1タ イ2,940,860+16.2中 国151,340△37.3インド--合 計13,760,349+6.2 (注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 b. 受注状況当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)日 本8,095,520△13.3771,818△1.5米 国1,717,878+18.834,733△11.7タ イ2,617,178+0.4229,832+14.2中 国151,598△42.312,833△1.4インド10---合 計12,582,186△7.81,049,218+1.2 (注) 金額は、販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。 c. 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。 セグメントの名称販売高(千円)前年同期比(%)日 本8,107,222△3.0米 国1,722,499+19.7タ イ2,588,595+9.9中 国151,780△42.1インド10-合 計12,570,107+1.3 (注) セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。 ① 重要な会計方針及び見積り当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、期末日における資産・負債並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果とは異なる場合があります。なお、当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針については、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」を、当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第一部 企業情報 第5 経理の状況」の連結財務諸表の「重要な会計上の見積り」をご参照下さい。 ② 経営成績の分析a.売上高売上高は、日本及び中国では減収となったものの、タイ及び米国において増収となった結果、売上高は125億70百万円(前年同期比1.3%増)となりました。b.売上原価売上原価は、タイ及び米国において売上高の増加に伴う変動費の増加等により104億10百万円(前年同期比0.1%増)となりました。売上原価率は費用の増加はあったものの、経費削減に努めた結果、前年同期の83.8%から82.8%となりました。c.販売費及び一般管理費販売費及び一般管理費は、人件費の減少及び研究開発費の減少等により、18億78百万円(前年同期比1.1%減)となりました。d.営業利益営業利益は、売上総利益が1億52百万円増加、販売費及び一般管理費が21百万円減少したことにより、1億74百万円増加の2億80百万円(前年同期比163.5%増)となりました。 e.経常利益経常利益は、営業利益及び為替差益の増加等により、2億89百万円増加の4億64百万円(前年同期比166.0%増)となりました。f.親会社株主に帰属する当期純利益親会社株主に帰属する当期純利益は、経常利益が増加したものの、特別損失として固定資産の減損損失1億67百万円を計上したこと等により、2億13百万円(前年同期は1億17百万円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。 ③ 経営成績に重要な影響を与える要因について当社グループは、主要顧客である自動車関連業界の動向やそれらの企業の設備投資動向と密接な関係にあり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。なお、事業に係るリスクについては「第一部 企業情報 第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載しておりますが、これらリスクの発生の可能性を認識した上で、リスク発生の回避及びリスク発生時の対応に努めながら積極的な経営を心掛けていく所存であります。 ④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析a.キャッシュ・フローキャッシュ・フローについては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。当社グループの運転資金需要のうち主要なものは、販売のための商品仕入、原材料費、製造経費、販売費及び一般管理費等の営業費用、税金の支払、及び当社グループの設備投資等であります。短期運転資金は自己資金を基本としており、設備投資等の調達につきましては、自己資本及び金融機関からの長期借入を基本としております。なお、当連結会計年度において実施した設備投資の総額は、8億45百万円となりました。その主なものといたしましては、株式会社三ツ知における工場建物の改修及びMitsuchi India Pvt. Ltd.における機械装置の新設等であり、資金の調達につきましては、自己資金及び借入金によっております。b.財政状態当連結会計年度における総資産は、前連結会計年度末に比べ2億24百万円減少し、156億33百万円となりました。資産の部では、流動資産が商品及び製品、仕掛品の増加等があったものの、電子記録債権、現金及び預金等の減少等により前連結会計年度末に比べ3億67百万円減少し、99億84百万円となりました。また、固定資産については、機械装置及び運搬具、土地等の減少があったものの、建設仮勘定、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末に比べ1億43百万円増加し、56億48百万円となりました。負債の部では、流動負債は支払手形及び買掛金、未払法人税等の増加等があったものの、短期借入金、電子記録債務、1年内返済予定の長期借入金の減少等により前連結会計年度末に比べ9億81百万円減少し、38億57百万円となりました。また、固定負債については、リース債務、役員退職慰労引当金の減少等があったものの、繰延税金負債、退職給付に係る負債の増加等により前連結会計年度末に比べ56百万円増加し、14億28百万円となりました。純資産の部では、為替換算調整勘定の増加、その他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末に比べ7億円増加し、103億47百万円となりました。この結果、自己資本比率は前連結会計年度末の60.8%から66.2%となりました。 ⑤ 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループの課題としましては、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しておりますが、特に以下の事項が当社グループの成長に大きな影響を及ぼすと考えております。a.自動車業界の生産動向当社グループは、自動車用カスタムファスナー製品の製造・販売を主な事業としており、主要取引先は自動車部品一次メーカーであります。このため、自動車メーカー並びに自動車部品メーカーにおける生産状況、海外への拠点展開等これら業界の動向と密接な関係があり、当社グループの経営成績に影響を与える可能性があります。b.グローバル化の推進当社グループの主要得意先であります自動車部品メーカーは、海外での現地調達化を加速させております。そのため、当社グループといたしましては、最適地での最適設備による高付加価値生産体制実現のために、海外戦略として、第1に海外拠点の収益力向上のための現地化及び最適設備の導入、第2に国内の海外拠点バックアップ体制強化、第3に人財採用、育成の強化を推進してまいります。 当社グループでは、企業価値及び経営効率の向上を図るため、第63期(2025年6月期)より中期経営計画(ビジョン24)をスタートし、下記の数値を主要な目標としております。(単位:百万円) 2026年6月期実績2027年6月期目標売上高12,57014,000営業利益280700営業利益率 (%)2.25.0

事業リスク

  • 特定の取引先への依存
    同社グループの売上高の82.7%が自動車部品関連であり、主要な販売先は自動車部品の一次メーカーです。そのため、国内外の自動車生産台数の変動や、自動車のモデルチェンジ、納入価格の変更などが経営成績に直接影響を与える可能性があります。
  • 海外市場展開に伴うリスク
    海外売上高比率が33.0%に達し、タイ、アメリカ、中国、インドに拠点を展開しています。これらの地域での自動車業界の動向、為替レートの変動、景気状況、さらには法律・規制の変更、政治・経済情勢の不安定化などが経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
  • 価格競争と原材料価格の変動
    自動車部品業界は価格競争が激しく、完成車メーカーからの値下げ要請が強まっています。同社グループはコスト削減策を提案していますが、値下げ要請への対応や原材料である鋼材価格の高騰を販売価格に転嫁できない場合、収益性が悪化する可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|3,711 文字
3 【事業等のリスク】以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性があると考えられる事項を記載しております。また、当社グループとして、必ずしも事業上のリスクとは考えられない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針であります。なお、将来に関する事項については、当連結会計年度末(2026年6月30日)現在において判断したものであります。当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期及び影響の内容は変化することが想定され、不確実性が高いことから、合理的に測定することが困難であるため、記載しておりません。 (1)特定の取引先への依存について当社グループは、自動車部品に係る車体部品のうち、シート用部品、ウインドウレギュレーター用部品、ロック用部品等の機能部品(カスタムファスナー)の製造・販売を主な事業としております。当社グループにおける自動車部品に係る売上高の割合は当連結会計年度で85.3%となっており、販売先は自動車部品一次メーカーが中心であります。したがって、当社グループの経営成績は、国内外の自動車生産台数、自動車のモデルチェンジ等に伴う当社グループ製品の装着率及び各自動車部品一次メーカーへの納入価格等により影響を受ける傾向にあります。 (2)海外市場展開に潜在するリスクについて当社グループの主要販売先である自動車部品メーカーは、日系自動車メーカーの積極的な生産のグローバル化に伴う自動車部品の世界的規模での調達に対応するため、事業の海外展開を進めております。このような情勢の中、当社グループでは、現在、タイ国にてThai Mitchi Corporation Ltd.が、米国にてMitsuchi Corporation of Americaが、中国にて三之知通用零部件(蘇州)有限公司が、インドにてMitsuchi India Pvt.Ltd.が、それぞれカスタムファスナーの製造・販売を行っており、当連結会計年度における海外売上高の比率は35.8%となっております。このため、当社グループの経営成績は、アジア地域及び北米地域における自動車業界及び自動車部品業界の動向、海外各市場の為替相場の変動、景気動向等の影響を受ける可能性があり、さらに、法律・規制の変更、政治・経済状況の変化、人財の採用確保の難しさ、税制の変更、テロ及び戦争その他要因による社会的混乱など、現時点では予測不可能なリスクが内在しております。 (3)価格競争への対応について自動車部品業界は、価格競争が厳しい業界であると同時に、近年、完成車メーカーからの価格引下げ要請が特に強まってきており、当社グループにおいても自動車部品一次メーカーからの厳しい価格引下げ要請がなされております。このような情勢の中、当社グループにおいては、これらの価格競争や価格引下げ要請に対して、①受注から量産開始に至るまでの設計、試作の段階で工程削減等のコスト低減策を得意先へ提案し、量産開始後における継続的な仕入コスト削減につなげる、②切削レスによる工程変更等を得意先へ提案し、生産全般における作業効率の改善につなげる等の恒久的な原価低減策を得意先に対して展開している他、高付加価値製品を提供し他社との差別化を図ることにより、採算の確保に努めております。ただし、量産開始後においても得意先からの継続的な価格の引下げ要請があることに加えて、当社グループが想定したとおりに原価低減が進む保証はありません。このため、価格面での更なる引下げ要請または有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (4)原材料価格の変動について当社グループの主要製品であるカスタムファスナーの主な原材料である鋼材の価格は、世界規模での需給バランスや各生産地域における経済情勢等により価格が変動しております。当社グループでは、永年の継続的でかつ安定的な原材料メーカーの絞り込みによるスケールメリットの追求、販売価格への転嫁等により、仕入コスト上昇の回避に極力努めておりますが、使用している鋼材の価格が高騰し、販売価格に転嫁できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。(5)製品の欠陥当社グループは、経営理念において「顧客第一」(価格と品質で充分なる市場競争力を有する製品を提供し、顧客ニーズに応える。)を掲げ、総力をあげて品質向上に取組んでおります。当社及び株式会社三ツ知製作所はISO9001、株式会社三ツ知本社工場、Thai Mitchi Corporation Ltd.、Mitsuchi Corporation of America及び三之知通用零部件(蘇州)有限公司では、自動車産業における世界共通の品質管理・保証規格であるIATF16949に基づく品質管理基準に従い対応しております。しかしながら、当社グループの全ての製品が将来において、欠陥がなく、製造物責任賠償等に伴う費用が発生しないという保証はありません。当社グループでは製造物責任賠償について、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカバーできるという保証はありません。また、万一、当社の予測を超えた重大な品質上の問題が発生した場合に、製品の欠陥・リコール等に伴う費用が発生する可能性があります。その結果、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (6)為替レートの変動当社グループにおける海外子会社であるThai Mitchi Corporation Ltd.、Mitsuchi Corporation of America、三之知通用零部件(蘇州)有限公司及びMitsuchi India Pvt.Ltd.について、原則、当社とThai Mitchi Corporation Ltd.、三之知通用零部件(蘇州)有限公司及びMitsuchi India Pvt.Ltd.との間の販売及び仕入は円建て決済、当社からMitsuchi Corporation of Americaへの販売及びThai Mitchi Corporation Ltd.からMitsuchi Corporation of Americaへの販売並びにMitsuchi Corporation of Americaから三之知通用零部件(蘇州)有限公司への販売はドル建て決済にて行っております。また、Thai Mitchi Corporation Ltd.、Mitsuchi Corporation of America、三之知通用零部件(蘇州)有限公司及びMitsuchi India Pvt.Ltd.における売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値に影響を受ける可能性があります。このため、為替レートの変動によっては、当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (7)減損会計について「固定資産の減損に関する会計基準」の適用に伴い、当社グループが所有する固定資産について減損の兆候があるものが存在した場合、減損の認識の要否の判定を実施しております。今後についても、将来の固定資産の時価の動向、将来キャッシュ・フローの状況等によっては、減損損失の認識の必要性が生じる可能性があり、その場合には当社グループの経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 (8)自然災害のリスクについて主たる製造拠点が所在する地域において、地震、落雷、水害等の災害が発生した場合、生産不能になる事態が予測され、その場合当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。その対応として、地域ごとの情報収集及び状況に応じた体制を整備することにより、リスクの軽減に努めております。なお、主な製造拠点については、次のとおりであります。・株式会社三ツ知本社工場(愛知県春日井市)・株式会社三ツ知製作所本社工場(三重県松阪市)・株式会社三ツ知部品工業作手第1工場(愛知県新城市)・株式会社創世エンジニアリング久留米工場(福岡県久留米市)・株式会社創世エンジニアリング鹿児島工場(鹿児島県鹿児島市)・Thai Mitchi Corporation Ltd.本社工場(タイ国パトムタニ県)・Mitsuchi Corporation of America本社工場(米国テネシー州)・三之知通用零部件(蘇州)有限公司本社工場(中国江蘇省)・Mitsuchi India Pvt.Ltd.本社工場(インド国ハリヤナ州)

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