3513

イチカワ(3513)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

繊維製品 素材・化学

事業の概要

  • 主力事業の概要
    イチカワは、主に製紙会社向けの「抄紙用具関連事業」と、それ以外の産業向けの「工業用事業」の2つの部門で事業を展開しています。抄紙用具関連事業では、紙を作る機械(抄紙機)に使われるフェルトやベルトなどを製造・販売しており、これが同社の主要な収益源となっています。子会社が製造や販売、加工、物流などを分担し、国内外で事業を行っています。
  • 収益構造の特徴
    同社の収益は、紙の生産に不可欠な消耗品である抄紙用具の販売が中心です。特に国内製紙会社への販売が大きな割合を占めており、紙・板紙の生産動向が直接的に業績に影響を与えます。また、海外売上高比率が60%を超えており、グローバルな事業展開によって収益を上げています。
  • ビジネスモデル
    イチカワは、自社で製品を製造し、国内外の製紙会社やその他の産業顧客に直接販売するビジネスモデルを採用しています。製造の一部は連結子会社である(有)アイケー加工に外注し、海外販売はイチカワ・ノース・アメリカ・コーポレーションやイチカワ・ヨーロッパGmbHなどの現地法人を通じて行い、効率的なグローバル供給体制を構築しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • 日本抄紙用具関連事業
    日本の製紙会社向けに抄紙用フエルトやベルトなどを製造・販売する事業です。売上高は88.76億円、営業利益は27.23億円と、同社グループの中で最も大きな売上と利益を上げており、主要な収益源となっています。
  • 北米・欧州抄紙用具関連事業
    北米と欧州の製紙会社向けに抄紙用具を販売する事業です。北米の売上高は16.53億円、営業利益は0.26億円、欧州の売上高は22.88億円、営業利益は1.38億円となっており、海外市場における重要な事業基盤を形成しています。
  • 中国・タイ抄紙用具関連事業および工業用事業
    中国とタイのアジア地域における抄紙用具関連事業と、その他の産業向けの工業用事業です。中国の売上高は3.48億円、営業利益は0.69億円、タイの売上高は3.35億円、営業利益は0.2億円、工業用事業の売上高は4.44億円、営業利益は0.07億円と、多様な地域と分野で事業を展開しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
JapanPaperMakingToolBusiness 地域 89 27 30.7%
NorthAmericaPaperMakingToolBusiness 地域 17 0 1.6%
EuropePaperMakingToolBusiness 地域 23 1 6.0%
ChinaPaperMakingToolBusiness 地域 3 1 19.8%
ThailandPaperMakingToolBusinessReportableSegment 地域 3 0 6.0%
IndustrialBusiness 地域 4 0 1.6%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|676 文字
3 【事業の内容】当社の企業集団は、当社及び子会社7社(連結子会社7社)により構成され、抄紙用具関連事業、工業用事業の2部門に亘り、製造、販売に至る事業活動を展開しております。 事 業 区 分製 品 区 分製 造販 売抄紙用具関連事業抄紙用フエルト抄紙用ベルトスレート用フエルト 等当社織整・縫合工程は連結子会社である(有)アイケー加工に全面外注当社イチカワ・ノース・アメリカ・コーポレーションイチカワ・ヨーロッパGmbH宜紙佳造紙脱水器材貿易(上海)有限公司イチカワ・アジア・カンパニーリミテッド(株)イチカワテクノファブリクスその他の代理店工業用事業工業用フエルト工業用関連仕入品 当社グループの事業に係る位置付け及びセグメントとの関連を図示すると次のとおりとなります。 連結子会社は次のとおりです。連結子会社・イチカワ・ノース・アメリカ・コーポレーション抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・イチカワ・ヨーロッパGmbH抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・宜紙佳造紙脱水器材貿易(上海)有限公司抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・イチカワ・アジア・カンパニーリミテッド抄紙用具関連事業、工業用事業製品の販売・(株)イチカワテクノファブリクス工業用事業製品の販売・(有)アイケー加工抄紙用具関連事業、工業用事業製品の加工・(株)アイケーサービス当社製品の荷役・保管、その他の当社委託業務 (注)当事業年度末日後、本書提出日までに以下の事象が発生しております。2026年6月 当社は株式会社イチカワテクノファブリクスを吸収合併いたしました。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
国内外のお客様のニーズに応える製品提案と省エネルギー・環境貢献
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
新素材の応用、新樹脂、新加工法の開発及び基盤技術開発、大学等との共同研究
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:紙・板紙の生産動向 / 原材料価格の変動 / 為替相場の変動
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 5 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

イチカワ(3513)の財務サマリデータが未収録のため、ブランド力、特許、規制ライセンス、IPなどの無形資産に関する具体的な評価は困難です。公開情報からは、繊維製品という一般消費財に近い業種であり、強力な無形資産の存在を示唆する情報は確認できません。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

繊維製品、特に産業用資材など一部のニッチ分野では、顧客の仕様に合わせた製品開発や長年の取引実績により、一定のスイッチング・コストが存在する可能性があります。しかし、汎用的な繊維製品においては、顧客の乗り換え障壁は低いと考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

繊維製品の製造・販売事業において、ネットワーク効果が働くビジネスモデルは一般的ではありません。ユーザー数の増加が製品価値を直接的に高めるような構造は見られません。

コスト優位★★☆☆☆
根拠:中程度同じ物を安く作れる

長年の操業による生産ノウハウの蓄積や、特定の原料調達ルートの確保により、コスト優位性が部分的に存在する可能性はあります。しかし、グローバルな競争環境や原材料価格の変動リスクを考慮すると、持続的な圧倒的コスト優位性を確立しているかは不明です。

規模の経済★★☆☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

繊維製品業界は競争が激しく、大手企業が多数存在します。イチカワが業界全体の中でどの程度の規模と効率性を有しているか、またそれが最適化された少数寡占状態に該当するかは、詳細な市場分析が必要です。現時点では、限定的な効率規模と推測されます。

  • 専門性と技術力
    イチカワは抄紙用具の専門企業として、長年にわたり培ってきた高い技術力とノウハウを有していると考えられます。国内外の製紙会社が求める高品質な製品を提供することで、顧客の抄紙機プレスパートの能力を最大化し、「省エネルギー、環境にやさしい紙づくり」に貢献している点は強みと言えるでしょう。
  • グローバルな販売網
    同社は、北米、欧州、中国、アジアなど世界各地に販売拠点を持ち、海外売上高比率が60%を超えるグローバルな販売網を構築しています。これにより、特定の地域に依存しない安定した収益基盤を築き、多様な市場ニーズに対応できる体制を整えていると考えられます。
  • 顧客との関係性
    主要な販売先が国内外の製紙会社であり、抄紙用フエルトや抄紙用ベルトといった消耗品を継続的に供給していることから、顧客との長期的な関係性を構築していると推察されます。顧客のニーズに応じた最適な製品提案や、省エネルギーへの貢献を通じて、顧客からの信頼を得ている可能性があります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 中期経営計画"NE-27"における対応方針中期経営計画「New Enterprise 2027(略称:"NE-27")」を策定し、「新領域への挑戦の3年」をスローガンとして掲げております。前中期経営計画"NE-24"においては、製造コスト削減やDXの推進等を通じた事業基盤の再構築に一定の成果が見られた一方、環境変化の影響もあり、計画した施策効果の全てを十分に発現させるには至りませんでした。この反省を踏まえ、"NE-27"では、収益力の向上と成長戦略の実効性をより重視した経営を推進してまいります。 (2) 当社グループを取り巻く経営環境① 紙パルプ業界を中心とした事業環境の概況紙パルプ業界においては、国内市場では紙のデジタル化の進展等を背景に、新聞用紙及び印刷情報用紙を中心として構造的な需要減少が継続しています。また、板紙についても、消費動向や景気動向の影響を受けやすく、需要の先行きは不透明な状況にあります。一方、海外市場では、アジア地域を中心に板紙や衛生用紙の需要拡大が見込まれるものの、新規抄紙用具メーカーの参入や既存メーカー間の競争激化により、市場環境は一層厳しさを増しています。② 当社グループの事業運営への影響と経営環境認識このような市場環境に加え、原材料価格やエネルギー価格の変動、為替動向、地政学的リスク等、当社グループの事業運営を取り巻く不確実性は引き続き高い状況にあります。また、環境負荷低減や持続可能な社会の実現に向けた要請が強まる中、企業活動におけるサステナビリティへの対応は、当社グループにとっても経営上の重要課題となっています。当社グループが中長期的に持続的成長を実現していくためには、こうした環境変化を的確に捉え、収益力及び競争力を一層強化するとともに、事業基盤の高度化を着実に進めていく必要があると認識しています。 (3) 主要な経営課題と重点的な取組み上記の経営環境認識を踏まえると、当社グループにおいて重点的に対処すべき課題は以下のとおりであり、課題ごとに重点的な取組みを推進してまいります。<主要な経営課題>① 国内市場における構造的需要減少下での安定収益の確保国内市場においては、引き続き需要減少による競争激化が見込まれることから、製造コスト削減や生産効率の向上に取組むとともに、顧客の操業条件や課題に即した新製品を中心とした付加価値の高い製品提案を強化し、収益性の確保を図ってまいります。国内市場を当社グループの収益基盤として位置付け、成長投資を支える安定的なキャッシュ創出力の確保に重点的に取組んでまいります。② グローバル市場における、販売拡大と収益性の両立によるグローバル成長の実現海外市場においては、アジア地域を中心とした成長機会を的確に捉えつつ、単なる販売数量の拡大だけではなく、製品ミックスの改善や価格競争力の強化を通じて、収益力の向上を目指してまいります。また、各地域の市場特性を踏まえた営業体制・供給体制の最適化を進めてまいります。グローバル市場における成長機会の取り込みと収益性向上の両立を図り、中長期成長につながる事業基盤の構築を進めてまいります。③ 製品競争力・研究開発力を支える事業基盤の更なる強化当社グループの競争優位の源泉である研究開発力と製品開発力を一層強化するため、社内資源の有効活用に加え、大学や外部機関との連携を積極的に進め、技術力の高度化を図ってまいります。また、DXを活用した生産・業務プロセスの高度化を通じ、持続的な競争力の確立を目指してまいります。従来のコスト削減・効率化にとどまらず、新製品・新用途の創出を見据えた研究開発力及び事業基盤の強化を通じて、次の成長に向けた競争優位の確立を目指します。④ 環境・社会課題への対応を通じた中長期的な企業価値の向上当社グループは、SDGsを含む環境・社会課題への対応を事業競争力及び企業価値向上につながる経営の重要課題と位置付け、製品・技術を通じた環境負荷低減への貢献を進めてまいります。あわせて、これらの取組みを収益性・資本効率の改善と両立させることで、持続可能な企業価値向上を図ってまいります。 当社グループは、これらの取組みを着実に実行することにより、「IK VISION2030」で掲げる、サステナブルな社会に貢献し、役職員、取引先、株主及び地域社会が高い満足度を持つ企業となることを目指してまいります。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1) 中期経営計画"NE-27"における対応方針中期経営計画「New Enterprise 2027(略称:"NE-27")」を策定し、「新領域への挑戦の3年」をスローガンとして掲げております。前中期経営計画"NE-24"においては、製造コスト削減やDXの推進等を通じた事業基盤の再構築に一定の成果が見られた一方、環境変化の影響もあり、計画した施策効果の全てを十分に発現させるには至りませんでした。この反省を踏まえ、"NE-27"では、収益力の向上と成長戦略の実効性をより重視した経営を推進してまいります。 (2) 当社グループを取り巻く経営環境① 紙パルプ業界を中心とした事業環境の概況紙パルプ業界においては、国内市場では紙のデジタル化の進展等を背景に、新聞用紙及び印刷情報用紙を中心として構造的な需要減少が継続しています。また、板紙についても、消費動向や景気動向の影響を受けやすく、需要の先行きは不透明な状況にあります。一方、海外市場では、アジア地域を中心に板紙や衛生用紙の需要拡大が見込まれるものの、新規抄紙用具メーカーの参入や既存メーカー間の競争激化により、市場環境は一層厳しさを増しています。② 当社グループの事業運営への影響と経営環境認識このような市場環境に加え、原材料価格やエネルギー価格の変動、為替動向、地政学的リスク等、当社グループの事業運営を取り巻く不確実性は引き続き高い状況にあります。また、環境負荷低減や持続可能な社会の実現に向けた要請が強まる中、企業活動におけるサステナビリティへの対応は、当社グループにとっても経営上の重要課題となっています。当社グループが中長期的に持続的成長を実現していくためには、こうした環境変化を的確に捉え、収益力及び競争力を一層強化するとともに、事業基盤の高度化を着実に進めていく必要があると認識しています。 (3) 主要な経営課題と重点的な取組み上記の経営環境認識を踏まえると、当社グループにおいて重点的に対処すべき課題は以下のとおりであり、課題ごとに重点的な取組みを推進してまいります。<主要な経営課題>① 国内市場における構造的需要減少下での安定収益の確保国内市場においては、引き続き需要減少による競争激化が見込まれることから、製造コスト削減や生産効率の向上に取組むとともに、顧客の操業条件や課題に即した新製品を中心とした付加価値の高い製品提案を強化し、収益性の確保を図ってまいります。国内市場を当社グループの収益基盤として位置付け、成長投資を支える安定的なキャッシュ創出力の確保に重点的に取組んでまいります。② グローバル市場における、販売拡大と収益性の両立によるグローバル成長の実現海外市場においては、アジア地域を中心とした成長機会を的確に捉えつつ、単なる販売数量の拡大だけではなく、製品ミックスの改善や価格競争力の強化を通じて、収益力の向上を目指してまいります。また、各地域の市場特性を踏まえた営業体制・供給体制の最適化を進めてまいります。グローバル市場における成長機会の取り込みと収益性向上の両立を図り、中長期成長につながる事業基盤の構築を進めてまいります。③ 製品競争力・研究開発力を支える事業基盤の更なる強化当社グループの競争優位の源泉である研究開発力と製品開発力を一層強化するため、社内資源の有効活用に加え、大学や外部機関との連携を積極的に進め、技術力の高度化を図ってまいります。また、DXを活用した生産・業務プロセスの高度化を通じ、持続的な競争力の確立を目指してまいります。従来のコスト削減・効率化にとどまらず、新製品・新用途の創出を見据えた研究開発力及び事業基盤の強化を通じて、次の成長に向けた競争優位の確立を目指します。④ 環境・社会課題への対応を通じた中長期的な企業価値の向上当社グループは、SDGsを含む環境・社会課題への対応を事業競争力及び企業価値向上につながる経営の重要課題と位置付け、製品・技術を通じた環境負荷低減への貢献を進めてまいります。あわせて、これらの取組みを収益性・資本効率の改善と両立させることで、持続可能な企業価値向上を図ってまいります。 当社グループは、これらの取組みを着実に実行することにより、「IK VISION2030」で掲げる、サステナブルな社会に貢献し、役職員、取引先、株主及び地域社会が高い満足度を持つ企業となることを目指してまいります。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1) 経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況は以下のとおりです。① 財政状態及び経営成績の状況 当連結会計年度におけるわが国経済は、個人消費の回復やインバウンド需要の拡大、雇用・所得環境の改善等により景気の緩やかな回復基調が見られる一方、米国の関税政策、ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊迫等不安定な国際情勢の中でエネルギー価格及び原材料価格の高騰や継続的な物価上昇等依然として先行きが不透明な状況が続いております。 当社グループの主要取引先であります紙パルプ業界の動向について、国内では、紙のデジタル化が引き続き進んでいることから、新聞用紙及び印刷情報用紙の需要は縮小しつつあります。加えて、板紙等の需要も減少傾向が見られ、厳しい状況が続いております。一方海外では、アジア地域において通販市場の拡大に伴う板紙需要及び人口増加に伴う衛生用紙需要はあるものの、新聞用紙及び印刷情報用紙は国内と同様に需要の減少傾向が続くと見込んでおります。 当社では、早くから市場規模の大きな主要地域に進出し、グローバルな販売体制網構築による販売力強化でシェア拡大を目指してまいりました。コスト競争力を強化するべく抄紙用フエルトの生産体制の最適化に努めておりますが、品質面で世界的に評価されている衛生用紙向けベルトの積極的な拡販を指向し、ベルト生産体制の見直しにも着手したこと、加えて、当年度のベルト新生産設備稼働による生産能力の更なる向上により生産量が増加いたしました。このような状況の中、国内抄紙用フエルトは需要減により販売数量は減少したものの、海外抄紙用フエルト及びベルトの増販に加え、為替が円安に推移した影響により、連結売上高は14,791百万円(前期比6.1%増)、連結営業利益は1,570百万円(前期比46.3%増)、連結経常利益は1,633百万円(前期比34.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,173百万円(前期比50.0%増)となりました。 セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。<抄紙用具関連事業>(日本)内需につきましては、抄紙用フエルトは厳しい環境の中、積極的な受注活動推進をおこなったものの販売数量は減少いたしました。輸出につきましては、抄紙用ベルトは中国国内の一部顧客の商流を子会社からの販売に変更したため販売数量が減少いたしました。これにより、売上高は8,361百万円(前期比5.8%減)、セグメント利益(営業利益)は2,964百万円(前期比8.8%増)となりました。(北米)抄紙用フエルトは、受注回復により販売数量が増加いたしました。抄紙用ベルトは、受注増により販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は2,072百万円(前期比25.3%増)、セグメント利益(営業利益)は83百万円(前期比211.6%増)となりました。(欧州)抄紙用フエルト及びベルトは、受注増により販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は2,799百万円(前期比22.3%増)、セグメント利益(営業利益)は180百万円(前期比29.9%増)となりました。 (中国)抄紙用ベルトは中国国内の一部顧客の商流を子会社からの販売に変更したため販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は593百万円(前期比70.4%増)、セグメント利益(営業利益)は87百万円(前期比26.8%増)となりました。(タイ)抄紙用フエルト及びベルトは、大手顧客からの受注増により販売数量が増加いたしました。これに加え為替影響により、売上高は484百万円(前期比44.3%増)、セグメント利益(営業利益)は19百万円(前期比6.6%減)となりました。 <工業用事業>工業用フエルトは、輸出向けの販売数量が増加いたしました。これにより、売上高は479百万円(前期比7.8%増)、セグメント利益(営業利益)は18百万円(前期比149.3%増)となりました。 当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,611百万円増加し、32,078百万円となりました。これは主として機械装置及び運搬具が359百万円、投資有価証券が1,574百万円増加したことによるものであります。負債につきましては、前連結会計年度末に比べ807百万円増加し、8,008百万円となりました。これは主として繰延税金負債が427百万円増加したことによるものであります。純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ1,804百万円増加し、24,070百万円となりました。これは主として利益剰余金が821百万円、その他有価証券評価差額金が1,056百万円増加したことによるものであります。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ1,242百万円減少し、5,125百万円(前年度末比19.5%減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下の通りであります。<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益1,624百万円の計上、非資金費用である減価償却費972百万円の計上、法人税等の支払による支出425百万円などにより1,862百万円の収入(前期比461百万円の収入増)となりました。<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出1,247百万円、定期預金の預入による支出1,000百万円などにより2,577百万円の支出(前期比1,457百万円の支出増)となりました。<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、配当金の支払による支出351百万円、自己株式の取得による支出483百万円などにより734百万円の支出(前期比112百万円の支出増)となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績 1) 生産実績当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称生産高(百万円)前年同期比(%)抄紙用具関連事業日本7,550104.5北米--欧州--中国--タイ--工業用事業309107.1合計7,860104.6 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 2 金額は、製造原価によっております。 2) 受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)抄紙用具関連事業日本7,97592.92,71586.6北米2,034115.4984116.5欧州2,737113.61,582106.9中国694587.0184157.6タイ511169.8103140.5工業用事業477102.925592.3合計14,431105.85,82698.3 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。2 受注生産品以外に仕入商品があります。 3) 販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称販売高(百万円)前年同期比(%)抄紙用具関連事業日本8,36194.2北米2,072125.3欧州2,799122.3中国593170.4タイ484144.3工業用事業479107.8合計14,791106.1 (注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容等経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容 1)経営成績等 a.売上高当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に対し6.1%増加し14,791百万円となりました。国内売上高は、紙のデジタル化に伴う紙需要の減少によりフエルト販売数量は減少し、前連結会計年度に対し1.7%減少の5,414百万円となりました。海外売上高は、フエルト及びベルトの増販に加え、為替が円安に推移したことにより、前連結会計年度に対し11.1%増加の9,376百万円となり、海外売上高比率は63.4%となりました。 b.売上原価、販売費及び一般管理費当連結会計年度の売上原価は、ベルトの需要増に伴い生産体制を見直し、生産量が増加したことにより、前連結会計年度に対し137百万円増加し8,069百万円となりました。販売費及び一般管理費は、海外売上高の増加に伴う輸送費等の増加により、前連結会計年度に対し209百万円増加し5,151百万円となりました。 c.営業外損益当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に対し112百万円増加し327百万円となりました。営業外費用は前連結会計年度に対し192百万円増加し263百万円となりました。 d.親会社株主に帰属する当期純利益当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に対し391百万円増加し1,173百万円となりました。また、1株当たり当期純利益金額は、前連結会計年度に対して93.92円増加し275.43円となりました。 2)経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社グループは、2025年度から2027年度までの3年間を対象とする第8次中期経営計画(略称:“NE-27”)を策定し、事業活動を推進しております。初年度に当たる当連結会計年度の目標に対する実績は下記のとおりとなりました。 中期経営計画 2026年3月期 計画2026年3月期 実績連結売上高13,400百万円14,791百万円連結売上高営業利益率5.4%10.6%1株当たり当期純利益131円45銭275円43銭 “NE-27”策定時に対し、当連結会計年度では国内需要の減少による国内売上高の減少や原油価格の高騰による売上原価の増加などがある一方、当該計画策定時の想定為替レート(1USドル=135円、1ユーロ=150円)から円安ドル高が一層進んだことにより海外売上高が増加するなど状況が大きく変わりました。また、中東地域における紛争などの地政学リスクや円安基調の中においても大幅な為替変動リスクが残存しているなど、依然として先行き不透明な経営環境が今後も続く見通しであります。このような見通しの中、当社グループは「新領域への挑戦の3年」を“NE-27”のスローガンとして掲げ、事業活動を進めておりますが、初年度は外部環境の影響を受けつつも計画を大きく上回る実績となりました。中期経営計画2年目に当たる翌連結会計年度につきましては、外部環境の変動リスクを想定しつつも “NE-27”で掲げた経営方針に基づき、「高品質かつ革新的な製品及びサービス」を「グローバル競争力のあるコスト」で提供することにより、利益の質向上に一層取組んでまいります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報当社グループは、製品売上等の営業活動により多くのキャッシュ・フローを得ており、現在及び将来にわたって必要な営業活動及び設備投資などに備えるために、自己資金のほか金融機関からの借入により資金調達を図っております。グループ会社の資金については必要に応じて当社より融資しております。また、グループ会社の金融機関からの借入について当社が債務保証を行っております。 これら営業活動及び財務活動により調達した資金については、事業運営上必要な流動性を確保することに努め、機動的かつ効率的に使用することで金融負債の縮小化を図っております。また、当社グループは、流動性を確保するため取引金融機関と当座貸越契約を締結しており、高水準で推移している現預金と併せ、中期経営計画で掲げた戦略投資を機動的に実施することが可能となっています。 今後とも入出金の厳格な管理により「営業活動によるキャッシュ・フロー」の拡大を目指し、財務体質の向上に努めてまいります。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

事業リスク

  • 紙・板紙の生産動向
    同社の主力製品である抄紙用フエルトや抄紙用ベルトの需要は、国内紙パルプ業界の紙・板紙の生産動向に大きく左右されます。デジタル化の加速による新聞用紙や印刷情報用紙の需要減少、海外市場での価格競争激化は、収益性低下のリスクとなります。同社は、顧客ニーズへの対応や省エネ貢献でリスク軽減を図っています。
  • 原材料価格の変動
    主要原材料が石油関連素材であるため、原油価格の高騰や石油化学工業の生産動向によって、原料コストが増加したり、調達が困難になったりする可能性があります。これにより、製品の製造コストが上昇し、利益を圧迫するリスクがあります。同社は、代替原料の検討や調達先の見直しで対応しています。
  • 為替相場の変動
    海外売上高比率が60.5%と高いため、為替相場の変動が業績に大きな影響を与える可能性があります。円高に振れた場合、海外での売上が円換算で減少したり、在外子会社の資産価値が目減りしたりするリスクがあります。同社は、為替予約や外貨預金保有で短期的な影響を抑制する対策を講じています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|2,413 文字
3 【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。① 紙・板紙の生産動向当社グループは、抄紙用具の専門企業として、国内外の製紙会社に製品を販売しておりますが、数量・金額ともに大きなウエイトを占める主要な販売先は国内製紙会社であります。したがって、主力製品の抄紙用フエルトや抄紙用ベルトの需要は、国内紙パルプ業界の紙・板紙の生産動向に大きく影響を受けております。紙媒体からデジタル化への変化が加速し、国内の新聞用紙及び印刷情報用紙需要が減少するリスクがあります。海外市場におきましては、価格競争の激化等といった事業環境の変化により収益性が低下するリスクがあります。当社グループは、当該リスクに対し、国内外のお客様が求める高い水準のニーズに応えるため、自社製品を最適な組み合わせでご提案、ご提供できるよう全社一丸となって取組んでまいります。また、お客様の抄紙機プレスパートの能力を最大化し、その提供を通じて、「省エネルギー、環境にやさしい紙づくり」に貢献いたします。 ② 原材料当社グループの主要原材料は石油関連素材であり、原油価格の高騰及び石油化学工業の生産動向等により原料コストや調達面で影響を受ける可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、原材料の市場変動に柔軟に対応するため代替原料の検討や原料調達先の見直し等を国内外を問わず進めております。また、主原料に限らず、副資材においても、同様の取組みを進めてまいります。なお、中東情勢を中心とする地政学的リスクについては継続的に注視してまいります。 ③ 為替相場当社グループの海外売上高比率は前連結会計年度60.5%、当連結会計年度は63.4%となっており、為替変動のリスクを負っています。外貨建売掛金に対しては、先物為替予約により短期的な為替変動による影響を最小限にとどめる措置を講じていますが、中長期的に大幅な為替変動が発生した場合には、当社グループの業績、財務状況に影響する可能性があります。また、在外連結子会社の現地通貨建の資産、負債及び収益、費用は決算時の為替レートにより、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、米ドルやユーロ等の主要通貨については、為替予約により短期的な影響を最小限にするとともに、海外メーカーから生産設備等を購入する際に支払う一時金を想定し、外貨売上高の収入の一部は外貨預金として保有しております。 ④ 金利当社グループは、2026年3月末時点で、有利子負債882百万円を有しております。今後、金利上昇により、業績に影響が生じる可能性があります。また、将来の成長投資やM&Aに伴う資金調達においても、長期金利の動向が業績に影響を与える可能性があります。一方で、当社グループは十分な手元資金も保有しており、これらの資産については、安全性及び流動性を確保しつつ、適切な運用を図ってまいります。当社グループは、これらのリスクに対し、資金調達環境の動向を注視してまいります。 ⑤ 株価当社グループは、2026年3月末時点で、主要な得意先や取引金融機関の株式など市場性のある株式を中心として投資有価証券を7,257百万円保有しており、これらの株価変動のリスクを負っています。同時点では5,592百万円の評価益を有しておりますが、今後の株価の動向次第でこの数字は変動します。当社グループは当該リスクに対し、毎年、取締役会にて個別銘柄ごとに、保有目的、取引状況、当社のROEに与える影響、保有に伴う便益やリスクが資本コストに見合っているか等を精査し、検証を行っております。その結果、保有意義が乏しいと判断された銘柄につきましては、当社事業への影響を考慮し、先方との協議を十分に重ねたうえで縮減してまいります。 ⑥ 自然災害等地震・風水害など不測の自然災害が発生し、生産設備や交通手段等のインフラが大きな被害をうけた場合に、製造が休止あるいは遅滞することで、事業の遂行に多大な影響が及び、業績が確保できない可能性があります。当社グループは当該リスクに対し、全社員が迅速かつ的確に対応し、人的被害並びに業務への影響を最小限にとどめるため、被害直後の復旧対応事項に関する手順を「事業継続計画書」に定めております。 ⑦ サイバーセキュリティリスクサイバー攻撃、不正アクセス又は情報漏えい等のサイバーセキュリティリスクが顕在化した場合には、基幹システムの停止、生産活動の遅延又は顧客情報の流出等により、当社グループの事業継続に支障を来すおそれがあります。また、復旧費用の発生、損害賠償責任の負担又は社会的信用の低下等を通じて、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、当該リスクに対し、情報セキュリティに関する社内規程の整備及び遵守、アクセス権限管理の徹底、外部専門ベンダーと連携したシステム監視・脆弱性対策の実施、従業員に対する情報セキュリティ教育・啓発等を通じて、サイバーセキュリティ対策の強化に取組んでおります。また、サイバー攻撃等による情報システム停止時を想定した情報システム運用継続計画(IT-BCP)を策定し、対応手順の整備・定期的な見直しを通じて事業継続性確保とインシデント発生時の影響最小化に努めております。 ⑧ その他のリスク世界的な景気の減速により、当社の事業活動に係る生産体制、物流体制、営業活動等に支障が生じた場合、当社グループの業績に大きく影響を及ぼす可能性があります。

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