事業の概要
- アパレルOEM事業マツオカコーポレーションは、アパレル製品の企画、製造、物流を一貫して手掛けるOEM(相手先ブランド名製造)事業を展開しています。SPA(製造小売業)やアパレルメーカーなどの顧客のニーズに応え、商品企画から生地調達、縫製加工、販売までをワンストップで提供することで収益を得ています。自社工場と外部工場を使い分け、多様な製品に対応しています。
- グローバル生産体制中国、ベトナム、バングラデシュ、インドネシア、ミャンマーなど複数の国に生産拠点を持ち、納期や縫製難易度、生産能力に応じて最適な工場を選定しています。これにより、効率的な生産と安定供給を実現し、顧客の多様な要求に応えることで事業を拡大しています。
- 多角的な製品展開カジュアルウェアやワーキングウェアに加え、インナーウェアの生地生産から縫製加工、販売までを一貫して行っています。さらに、高機能なアウトドアウェアやスポーツウェアに利用される透湿防水生地の特殊加工も手掛けており、幅広い製品分野で収益源を確保しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
- アパレルOEM事業マツオカコーポレーションの主要な事業セグメントは「アパレルOEM事業」の単一セグメントです。この事業では、顧客ブランドの衣料品の企画、素材調達、縫製加工、物流までを一貫して請け負っています。カジュアルウェアからワーキングウェアまで幅広い製品を手掛け、顧客の多様なニーズに応えることで収益を上げています。
- カジュアル・ワーキングウェアシャツ、スラックス、ジャケット、コート、スポーツウェアなどのカジュアルウェアや、作業着、オフィスウェア、ユニフォームなどのワーキングウェアが主な取扱品目です。当社および中国、ベトナム、バングラデシュ、インドネシア、ミャンマーの連結子会社が素材調達から縫製加工までを担当し、SPAやアパレル専門小売店、商社、百貨店、量販店に販売しています。
- インナーウェア・生地加工インナーウェア事業では、機能性肌着の生地生産から縫製加工、販売までを一貫して行っています。また、生地加工事業では、高機能なアウトドアウェアやスポーツウェアに利用される透湿防水生地の生産を手掛けており、外部繊維素材メーカーから調達した生地に特殊加工を施し、付加価値を高めています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
3 【事業の内容】当社グループは、株式会社マツオカコーポレーション(当社)、連結子会社21社の他、持分法適用関連会社1社で構成されており、アパレル製品の企画、製造及び物流等を主な内容とした事業活動を行っております。なお、当社グループはこれまでアパレルOEM事業のみの単一セグメントであったことから、セグメント情報の開示を省略しておりましたが、当連結会計年度より経営管理区分の見直しに伴い、報告セグメントを「縫製事業」および「ラミネーションフィルム事業」に区分して開示しております。 報告セグメントの事業内容は、次のとおりであります。 (縫製事業)縫製事業では、メンズ・レディースのカジュアルウェア、インナーウェア、作業着・オフィスウェア・ユニフォーム等のワーキングウェアに至るまで、幅広いアパレル製品のOEM生産を手がけております。長年にわたり培ってきた高い技術力と品質管理体制を強みに、国内外の有力ブランドからの受注に対応し、企画・製造・物流まで一貫したサービスを提供しております。現在、海外5ヶ国(中国・バングラデシュ・ベトナム・インドネシア・ミャンマー)に自社工場を展開しており、お客様の多様なニーズに柔軟かつ安定的に応えられる生産体制の構築に努めております。 (ラミネーションフィルム事業)ラミネーションフィルム事業では、主としてアウトドアウェアやスポーツウェア等に使用される透湿防水生地の生産を行っております。外部繊維素材メーカーから調達した生地に、自社で生産した透湿防水フィルムを貼り合わせるラミネート加工を施すことで、防水性と透湿性を両立させた機能性素材を提供しています。これらの素材はアパレル用途に加え、医療用品など幅広い分野で利用されています。素材開発においては、国内外のアウトドアウェアメーカーやアパレルメーカーと連携し、消費者ニーズに応じた高品質な素材の開発を進めております。また、環境負荷低減の観点から、化学品使用に関する各国の環境規制に対応した素材開発や生産手法の研究を進め、製品の品質向上と顧客からの信頼確保に努めています。 (1) 当社グループの事業領域(縫製事業)① 商品企画商品企画から製造販売まで一貫して自社で行うSPA及びアパレルメーカー等の顧客のニーズに対して、当社グループの商品企画力や縫製技術を活かしたサンプル品の提案を行い、顧客からの受注に繋げます。生産を行う工場は、納期、縫製難易度及び生産能力等に応じて決定いたします。② 生地調達・生地生産縫製加工に必要な生地を外部から調達します。なお、インナーウェアについては、原糸を外部から調達し、東レグループとの合弁子会社TM Textiles & Garments Ltd.(バングラデシュ)にて生地生産を行っております。③ 縫製加工縫製加工は、中国、バングラデシュ、ベトナム、インドネシアおよびミャンマーの各生産拠点において実施しており、検反、裁断、縫製、洗い、仕上げの工程を経て最終製品を生産しています。また、裁断と縫製の間の工程では、商品仕様に応じてプリーツ加工にも対応しており、特定の加工ニーズに応えられる体制を整えています。自社工場の生産能力を超える受注を受けた場合は、品質管理が十分可能な外注工場を利用することがあります。④ 販売各工場にて、縫製加工品の梱包後、最適物流手段、最適ルート及び最適スピードにより、顧客に販売を行います。 (ラミネーションフィルム事業)① 素材開発アウトドア・スポーツ用途を中心とした顧客ニーズに応じ、透湿防水フィルムの性能設計や生地との組み合わせ検討を行い、新規素材の開発・提案を実施します。中国・ベトナム両工場に研究開発機能を備え、各種試験設備を活用した機能性・耐久性等の品質評価を行っています。また、化学メーカーとの共同開発による新規樹脂の採用や、機械メーカーと連携した生産設備の開発を通じて、より高度なフィルム開発を推進しています。② 原材料調達表生地やフィルム用樹脂などの原材料は外部素材メーカーから調達し、当社グループが独自に生産するフィルムと生地を組み合わせることで、安定した機能性素材の供給を可能としています。③ ラミネート加工等機能加工中国およびベトナムの自社工場において、フィルム製造、ラミネート加工、ボンディング加工、撥水加工等、用途に応じた素材加工を実施しています。また、受入検査・中間検査・出荷前検査を通じて品質管理を徹底し、安定した品質の確保に努めています。④ 販売各工場にて生産された素材は、最適物流手段、最適ルート及び最適スピードにより、顧客に販売を行います。 (2) 当社グループの事業内容と関係会社の位置付け当社グループの事業内容と関係会社の位置付けは、次のとおりであります。取扱品目主な事業内容担当関係会社主な販売先カジュアルウェアワーキングウェア等シャツ、スラックス、ジャケット、コート、スポーツウェア等のカジュアルウェア及び作業着、オフィスウェア、ユニフォーム等のワーキングウェア等並びに寝装寝具等の生活用品について当社及び関係会社において素材調達、縫製加工を行う事業当社茉織華実業(集団)有限公司上海茉織華服飾有限公司 浙江茉織華貿易有限公司嘉興茉織華華為制衣有限公司宿遷茉織華服装有限公司連雲港松岡服飾貿易有限公司MYANMAR POSTARION CO.,LTDMK APPARELS LTD.ISHWARDI MATSUOKA BANGLADESH.LTD.PHU THO MATSUOKA CO.,LTDAN NAM MATSUOKA GARMENT CO.,LTDBAC GIANG MATSUOKA CO.,LTDTHANH CHUONG MATSUOKA GARMENT CO.,LTD PT.MATSUOKA INDUSTRIES INDONESIASPA アパレル専門小売店商社 量販店インナーウェア・カットソー機能性肌着の生地生産から縫製加工、販売までを一貫して行う事業TM Textiles & Garments Ltd.TM Textiles & Garments (HK) Ltd.ラミネーションフィルム原材料の開発から表生地への撥水、フィルムラミネーション、コーティング等の特殊加工を行う事業嘉興徳永紡織品有限公司JDT VIETNAM CO.,LTD (事業系統図) (注) 1.二重線で囲んだ会社は連結子会社であります。2.上記以外に連結子会社3社があります。
事業の優位性(モート)
事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
| 価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い | 弱い 顧客ニーズに応じた納期、価格、品質が求められ、価格交渉力が低い可能性がある。 |
|---|---|
| 参入障壁新規参入を阻む要因の種類 | 技術 商品企画力や縫製技術、透湿防水生地の生産技術、多様な生産拠点と管理体制。 |
| 顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい | 高い(依存) |
| 景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか | シクリカル |
| 設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか | 混合 |
| 規制依存規制は障壁にも足枷にもなる | 中程度 |
会社が挙げる主要リスク:経営環境の変化に起因するリスク / 特定取引先への依存リスク / カントリーリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 8 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
マツオカコーポレーションは、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的な知的財産権に関する顕著な情報が見当たらない。事業は主にOEM/ODM生産であり、顧客のブランドに依存している。
スイッチングコスト★★☆☆☆
アパレルOEM/ODM事業において、長年の取引実績や高度な生産技術・品質管理体制を構築している場合、顧客との間に一定のスイッチング・コストが発生する可能性がある。しかし、新規参入のハードルは比較的低く、代替サプライヤーも存在しうる。
ネットワーク効果☆☆☆☆☆
マツオカコーポレーションの事業モデルは、ユーザー数が増えることでサービスの価値が増加するネットワーク効果を生む構造ではない。
コスト優位★★★☆☆
長年の事業継続で培われた生産ノウハウ、効率的なサプライチェーン管理、および規模の経済性を活かしたコスト競争力を持つ可能性がある。特に、アジアを中心とした生産拠点の最適化によるコスト優位性が考えられる。
規模の経済★★★☆☆
アパレルOEM/ODM業界において、一定の生産規模と顧客基盤を有しており、業界内での地位を確立している。大手アパレルブランドとの取引実績は、その規模と信頼性を示唆している。
- 多様な生産拠点と技術力中国、ベトナム、バングラデシュなど複数の国に生産拠点を分散しており、地政学的リスクや特定の地域の生産能力限界に柔軟に対応できる体制を構築しています。また、商品企画力や縫製技術、生地加工技術を活かしたサンプル提案から最終製品までの一貫生産能力が強みです。
- 幅広い製品対応力カジュアルウェア、ワーキングウェア、インナーウェア、高機能生地加工といった多様な製品を取り扱うことで、特定のファッショントレンドや気候変動による影響を受けにくい事業構造を構築しています。これにより、安定的な受注と収益確保を目指しています。
- 環境配慮型素材開発透湿防水生地の生産において、顧客である国内外のアウトドアウェアメーカーやアパレルメーカーと連携し、高品質な素材開発を進めています。近年は、化学品使用に関する環境規制を遵守した素材開発や生産手法の研究にも注力しており、環境意識の高い顧客からの信頼獲得に繋がっています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
経営戦略
有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営指針等当社グループの経営指針及び行動基準は以下のとおりです。 (経営指針)ビジョン(Vision)あらゆる服づくりの舞台裏に私たちがいるミッション(Mission)新たな道を切り拓き、未来を紡ぐ原点(Values)お客様の全てのニーズに応える (行動基準)・ 事実を確認せよ(情報に惑わされるな 現物・現場・現実主義)・ 決め打ちするな、選択肢を示せ・ すぐに断らず、諦めず、できる方法を考え抜け・ 間違ってもよい、すぐに報告し改善せよ・ 問題は起きる、原因を究明し再発を防げ・ 情報を閉じ込めるな、早く広く共有せよ・ 人とは違う発想で、新しい目標にチャレンジせよ (2) 経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策及び金融政策を巡る不確実性が続く中、個人消費や企業活動に慎重さがみられました。中国においても個人消費や設備投資の回復が鈍く、景気は弱含む展開となりました。さらに、期末にかけては中東地域における緊張の高まりを背景に、エネルギー価格や原材料価格が変動し、為替市場でも主要通貨が不安定に推移するなど、先行き不透明な状況が続きました。わが国経済においては、雇用・所得環境の改善により個人消費は底堅く推移した一方、物価上昇や、海外経済の不透明感、エネルギー・原材料価格の変動などが影響し、景気の先行きは依然として不透明な状況となりました。アパレル市場においては、主要生産国における縫製工場(つくり場)の減少が続く中、地政学的リスクの高まりや各国の通商政策の変化を背景として、サプライチェーンの再構築を検討する動きが強まりました。また、需要の変動が大きい市況環境のもと、企画段階からの技術提案を含むODM生産への要請が拡大しているほか、販売動向を見極めながら発注量を調整するための、クイックレスポンス対応や多品種・小ロット生産へのニーズが一段と高まっております。こうした市場環境の変化により、これまで以上に柔軟な生産体制と高い供給対応力を求める傾向が強まっています。 (3) 経営戦略等当社グループは、2022年3月期から2026年3月期を計画期間とする中期経営計画「ビジョン2025」(2021年5月14日及び2022年5月24日開示)に基づき、サプライチェーンの多元化、良質なものづくりの強化、新素材開発、営業力強化などの重点施策を推進してまいりました。当連結会計年度は最終年度にあたり、拡大した生産能力の活用と高付加価値領域への対応を進めることで、計画の総仕上げに取り組みました。具体的には、ASEAN地域を中心とした生産体制の拡充により、主要顧客の需要回復に対応できる供給能力を確保するとともに、各工場の得意アイテムの明確化や生産プロセスの標準化を進めることで、品質・生産性の向上を図りました。また、ラミネーションフィルム事業においては、環境負荷低減に配慮した素材開発や顧客との協働による新製品企画を推進し、当社グループの技術的優位性の強化につなげました。営業面では、既存顧客との中長期的な協働体制の深化に加え、ミドル〜ハイエンド領域の新規顧客開拓を進め、受注機会の拡大に努めました。これらの取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は742億円、経常利益は53億円となり、いずれも中期経営計画で掲げた目標を上回る結果となりました。これらの成果を踏まえ、当社グループは2026年度から2028年度を計画期間とする新中期経営計画「BEYOND2028~Stitch the Future~」を策定し、最終年度となる2029年3月期に売上高900億円、経常利益60億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円を定量目標として掲げております。 (4) 優先的に対処すべき事業上の課題アパレル業界では、主要生産国における縫製工場の減少、地政学リスクの高まり、ODM生産への要請拡大、クイックレスポンスや多品種小ロット生産へのニーズ増加など、構造的な変化が続いております。こうした環境変化に対応するためには、柔軟な生産体制、供給対応力、製造プロセスの透明性がこれまで以上に求められています。当社グループは、これらの課題に対応するため、新中期経営計画「BEYOND2028~Stitch the Future~」において、以下の4つを重点施策として取り組んでまいります。① 生産規模を追求し、利益を最大化 拡大した生産キャパシティを最大限に活用し、アイテム・拠点の最適配置を進めることで、稼働率向上と利益性の両立を図ります。特に、バングラデシュ・ベトナム・インドネシアにおける生産体制の強化を通じ、需要変動に対応できる柔軟な生産運営を推進してまいります。② 「選ばれる工場」に向けた提供価値を磨く 品質・コスト・納期の高度化に継続して取り組むと共に、MES(製造実行システム)・ERP(総合基幹業務システム)の導入によるスマートファクトリー化を進め、製造管理の高度化と現場の可視化を図ります。これにより、納期短縮・安定供給・品質強化を同時に実現し、サプライチェーン全体の透明性向上にも対応してまいります。③ 資本効率を高める経営への転換事業成長に必要な投資を着実に進めつつ、財務健全性とのバランスを図りながら、資本政策及びキャッシュマネジメントの高度化を進めてまいります。生産能力の拡大や経営インフラ整備に向けた成長投資を継続し、収益性の向上と適切な資本運用を通じて、中期経営計画の最終年度である2028年度にROE9%、長期的には10%を見据えた財務基盤の強化に取り組んでまいります。④ 人的資本への重点取り組み ASEAN諸国等での事業拡大に対応した人財育成や技術承継、横断的な人財活用を強化し、現場力・技術レベルの底上げを図ります。グローバル人事データベースの活用を進め、適材適所の人財配置と組織力強化に取り組んでまいります。当社グループは、これらの取り組みを通じて、外部環境の変化に柔軟に対応しつつ、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。株主の皆様におかれましては、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
対処すべき課題
1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1) 経営指針等当社グループの経営指針及び行動基準は以下のとおりです。 (経営指針)ビジョン(Vision)あらゆる服づくりの舞台裏に私たちがいるミッション(Mission)新たな道を切り拓き、未来を紡ぐ原点(Values)お客様の全てのニーズに応える (行動基準)・ 事実を確認せよ(情報に惑わされるな 現物・現場・現実主義)・ 決め打ちするな、選択肢を示せ・ すぐに断らず、諦めず、できる方法を考え抜け・ 間違ってもよい、すぐに報告し改善せよ・ 問題は起きる、原因を究明し再発を防げ・ 情報を閉じ込めるな、早く広く共有せよ・ 人とは違う発想で、新しい目標にチャレンジせよ (2) 経営環境当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策及び金融政策を巡る不確実性が続く中、個人消費や企業活動に慎重さがみられました。中国においても個人消費や設備投資の回復が鈍く、景気は弱含む展開となりました。さらに、期末にかけては中東地域における緊張の高まりを背景に、エネルギー価格や原材料価格が変動し、為替市場でも主要通貨が不安定に推移するなど、先行き不透明な状況が続きました。わが国経済においては、雇用・所得環境の改善により個人消費は底堅く推移した一方、物価上昇や、海外経済の不透明感、エネルギー・原材料価格の変動などが影響し、景気の先行きは依然として不透明な状況となりました。アパレル市場においては、主要生産国における縫製工場(つくり場)の減少が続く中、地政学的リスクの高まりや各国の通商政策の変化を背景として、サプライチェーンの再構築を検討する動きが強まりました。また、需要の変動が大きい市況環境のもと、企画段階からの技術提案を含むODM生産への要請が拡大しているほか、販売動向を見極めながら発注量を調整するための、クイックレスポンス対応や多品種・小ロット生産へのニーズが一段と高まっております。こうした市場環境の変化により、これまで以上に柔軟な生産体制と高い供給対応力を求める傾向が強まっています。 (3) 経営戦略等当社グループは、2022年3月期から2026年3月期を計画期間とする中期経営計画「ビジョン2025」(2021年5月14日及び2022年5月24日開示)に基づき、サプライチェーンの多元化、良質なものづくりの強化、新素材開発、営業力強化などの重点施策を推進してまいりました。当連結会計年度は最終年度にあたり、拡大した生産能力の活用と高付加価値領域への対応を進めることで、計画の総仕上げに取り組みました。具体的には、ASEAN地域を中心とした生産体制の拡充により、主要顧客の需要回復に対応できる供給能力を確保するとともに、各工場の得意アイテムの明確化や生産プロセスの標準化を進めることで、品質・生産性の向上を図りました。また、ラミネーションフィルム事業においては、環境負荷低減に配慮した素材開発や顧客との協働による新製品企画を推進し、当社グループの技術的優位性の強化につなげました。営業面では、既存顧客との中長期的な協働体制の深化に加え、ミドル〜ハイエンド領域の新規顧客開拓を進め、受注機会の拡大に努めました。これらの取り組みの結果、当連結会計年度の売上高は742億円、経常利益は53億円となり、いずれも中期経営計画で掲げた目標を上回る結果となりました。これらの成果を踏まえ、当社グループは2026年度から2028年度を計画期間とする新中期経営計画「BEYOND2028~Stitch the Future~」を策定し、最終年度となる2029年3月期に売上高900億円、経常利益60億円、親会社株主に帰属する当期純利益40億円を定量目標として掲げております。 (4) 優先的に対処すべき事業上の課題アパレル業界では、主要生産国における縫製工場の減少、地政学リスクの高まり、ODM生産への要請拡大、クイックレスポンスや多品種小ロット生産へのニーズ増加など、構造的な変化が続いております。こうした環境変化に対応するためには、柔軟な生産体制、供給対応力、製造プロセスの透明性がこれまで以上に求められています。当社グループは、これらの課題に対応するため、新中期経営計画「BEYOND2028~Stitch the Future~」において、以下の4つを重点施策として取り組んでまいります。① 生産規模を追求し、利益を最大化 拡大した生産キャパシティを最大限に活用し、アイテム・拠点の最適配置を進めることで、稼働率向上と利益性の両立を図ります。特に、バングラデシュ・ベトナム・インドネシアにおける生産体制の強化を通じ、需要変動に対応できる柔軟な生産運営を推進してまいります。② 「選ばれる工場」に向けた提供価値を磨く 品質・コスト・納期の高度化に継続して取り組むと共に、MES(製造実行システム)・ERP(総合基幹業務システム)の導入によるスマートファクトリー化を進め、製造管理の高度化と現場の可視化を図ります。これにより、納期短縮・安定供給・品質強化を同時に実現し、サプライチェーン全体の透明性向上にも対応してまいります。③ 資本効率を高める経営への転換事業成長に必要な投資を着実に進めつつ、財務健全性とのバランスを図りながら、資本政策及びキャッシュマネジメントの高度化を進めてまいります。生産能力の拡大や経営インフラ整備に向けた成長投資を継続し、収益性の向上と適切な資本運用を通じて、中期経営計画の最終年度である2028年度にROE9%、長期的には10%を見据えた財務基盤の強化に取り組んでまいります。④ 人的資本への重点取り組み ASEAN諸国等での事業拡大に対応した人財育成や技術承継、横断的な人財活用を強化し、現場力・技術レベルの底上げを図ります。グローバル人事データベースの活用を進め、適材適所の人財配置と組織力強化に取り組んでまいります。当社グループは、これらの取り組みを通じて、外部環境の変化に柔軟に対応しつつ、持続的な企業価値の向上を図ってまいります。株主の皆様におかれましては、引き続きご支援を賜りますようお願い申し上げます。
MD&A(経営者による分析)
4 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】 文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。(1) 経営成績等の状況の概要① 財政状態及び経営成績の概要当連結会計年度における世界経済は、米国の通商政策及び金融政策を巡る不確実性が続く中、個人消費や企業活動に慎重さがみられました。中国においても個人消費や設備投資の回復が鈍く、景気は弱含む展開となりました。さらに、期末にかけては中東地域における緊張の高まりを背景に、エネルギー価格や原材料価格が変動し、為替市場でも主要通貨が不安定に推移するなど、先行き不透明な状況が続きました。わが国経済においては、雇用・所得環境の改善により個人消費は底堅く推移した一方、物価上昇や、海外経済の不透明感、エネルギー・原材料価格の変動などが影響し、景気の先行きは依然として不透明な状況となりました。このような経済環境の下、当社グループにおける受注の状況につきましては、縫製事業では、期を通じて堅調な受注状況が継続しました。バングラデシュの工場を中心にASEAN諸国等への生産地シフトを推進し、生産拡大が計画通り進捗しました。一方、ラミネーションフィルム事業は、前期の業績伸長に大きく寄与した顧客のヒット商品向け素材供給の反動や、一部の顧客における在庫調整の影響から受注が伸び悩み、前々期並みの水準へと戻りました。当社グループが展開する国ごとの生産状況は以下のとおりであります。 (中国)縫製事業では、熟練オペレーターによる高い縫製技術を活かし、サンプル作成や短納期対応など付加価値の高い領域を中心に生産を行いました。ASEAN諸国等への生産地シフトの進展に伴い、技術力を要するアイテムへの対応を強化しました。 ラミネーションフィルム事業では、前期の業績伸長に寄与した顧客のヒット商品向け素材供給が一巡したことにより、前々期並みの生産水準で推移しました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は241億42百万円(前期比6.1%減)となりました。(バングラデシュ) ワーキングウェアやインナーウェア・カットソーの需要増加に対応するため、生産ラインの増設を進め、生産体制の拡充に取り組みました。生産能力の引き上げが進み、グループ内でも特に生産規模が大きく拡大しました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は231億67百万円(前期比24.8%増)となりました。 (ベトナム)縫製事業では、既存工場を中心に安定した生産体制を維持し、縫製難易度の高いアイテムにも対応しました。新設工場では生産体制の整備を継続し、堅調な受注に合わせた着実な生産運営を行いました。ラミネーションフィルム事業では、需要は前期並みの水準で推移し、生産数量も安定的に推移しました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は202億51百万円(前期比0.5%増)となりました。(インドネシア)前期に主要アイテムの見直しを行い、当期は生産プロセスの整備を進めてきたことで生産ラインの習熟が進み、生産性が着実に向上しました。これらの取り組みにより、拠点としての生産機能が一段と強化されました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は37億55百万円(前期比27.3%増)となりました。 (ミャンマー) 不安定な国内情勢が続く中でも、工場独自の新規顧客開拓を継続し受注を確保しました。稼働率は安定的に推移し、既存ラインを中心に堅実な生産運営を行いました。以上の結果、当連結会計年度における売上高は29億33百万円(前期比8.7%減)となりました。 以上の結果、当連結会計年度における売上高は742億51百万円(前期比5.2%増)、営業利益は21億74百万円(同401.3%増)となりました。また、経常利益は53億91百万円(同28.4%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は31億17百万円(同19.9%増)となりました。 また、当社グループの本業における実力値を判断するために算出した、当社の独自指標である為替差損益調整後営業利益 ※は、48億13百万円(前期比13.7%増)となりました。 当社グループの収支構造は、円安ドル高局面においては、海外子会社損益計算書の製造原価及び販管費の円換算額が大きくなるため連結営業利益が減少します。一方で取引先との個別契約等による為替変動リスクヘッジの効果は、日常的な営業取引決済等から発生する為替差損益として、連結損益計算書において営業外収益に計上されます。これらの為替差損益は当社の営業取引(本業)からくる営業利益と一体のものであるという考えの下、営業取引から発生した為替差損益を調整した事業損益を算定し「為替差損益調整後営業利益」として開示しております。 計算式:為替差損益調整後営業利益 = 営業利益 + 営業取引から発生した為替差損益注:為替差損益の分類方法は以下の通りです。 営業取引から発生した為替差損益:売掛金及び買掛金から生じる決済差額及び換算差額、並びに為替レート差に起因する連結相殺差額 財務取引から発生した為替差損益:現預金、貸付金及び借入金から生じる決済差額及び換算差額 (単位:百万円) 2025年3月期連結会計期間2026年3月期連結会計期間増減増減率売上高70,57974,2513,6715.2%営業利益4332,1741,741401.3%為替差損益3,6383,154△483△13.3% うち営業取引から発生したもの ※3,7992,638△1,161△30.6% うち財務取引から発生したもの ※△160516677-為替差損益調整後営業利益 ※4,2334,81357913.7%経常利益4,1995,3911,19128.4%親会社株主に帰属する当期純利益2,6003,11751719.9% ※ 会計監査人の監査対象外 また、当社グループは、これまでアパレルOEM事業のみの単一セグメントであったことから、セグメント情報の開示を省略しておりましたが、当連結会計年度より経営管理区分の見直しに伴い、報告セグメントを「縫製事業」および「ラミネーションフィルム事業」に区分して開示しております。セグメント別の状況は次のとおりであります。 (縫製事業)当連結会計年度においては、猛暑の影響によるファン付きウェアの需要増加を背景にワーキングウェアの受注が増加したほか、インナーウェア・カットソーの需要増加により受注が伸長し、これに対応するためバングラデシュ工場では生産体制の拡充を進めました。これらの結果、販売枚数は前期比22.1%増の6,350万枚となり、堅調な受注を背景に事業拡大が進みました。受注増に伴い工場稼働率が高まり、生産性の向上にも寄与したことで粗利益率も向上いたしました。以上の結果、縫製事業の売上高は660億29百万円(前期比12.5%増)、セグメント利益は59億59百万円(同67.6%増)となりました。また、当社の独自指標である為替差損益調整後営業利益は、縫製事業において54億69百万円(同57.2%増)となりました。 (ラミネーションフィルム事業)当連結会計年度においては、前期に業績伸長へ大きく寄与した顧客のヒット商品向け素材供給が一巡し、生産・販売は前々期並みの水準へと戻りました。これに加え、中国経済及び個人消費の低迷により買い替え需要が発生しにくい状況が続いたほか、一部顧客の在庫調整に伴い発注数量やタイミングが変動したことも影響し、販売ヤード数は前期比25.2%減の1,364万ヤードとなりました。以上の結果、ラミネーションフィルム事業の売上高は82億21百万円(前期比30.9%減)、セグメント利益は5億54百万円(同67.9%減)となりました。また、当社の独自指標である為替差損益調整後営業利益は、ラミネーションフィルム事業において5億86百万円(同66.0%減)となりました。 セグメント別売上高セ グ メ ン ト 区 分2026年3月期(当連結会計年度)金額(百万円)構成比(%)縫製事業66,02988.9ラミネーションフィルム事業8,22111.1合計74,251100.0 総資産は、前連結会計年度末に比べて27億20百万円増加し、751億74百万円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べて3億8百万円減少し、316億15百万円となり、純資産は前連結会計年度末に比べて30億29百万円増加し、435億58百万円となりました。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、営業活動によるキャッシュ・フロー60億71百万円の獲得、投資活動によるキャッシュ・フロー43億57百万円の支出、財務活動によるキャッシュ・フロー19億25百万円の支出となった結果、前連結会計年度末に比べて1億20百万円増加し、195億6百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動によるキャッシュ・フローは60億71百万円の獲得(前期は27億24百万円の獲得)となりました。主な要因としては、棚卸資産の増加13億86百万円、法人税等の支払額13億7百万円等があったものの、税金等調整前当期純利益の計上51億25百万円、減価償却費の計上20億63百万円等があったことによるものです。(投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動によるキャッシュ・フローは43億57百万円の支出(前期は20億34百万円の支出)となりました。主な要因としては、有形固定資産の取得による支出28億56百万円、定期預金の預入14億57百万円等があったことによるものです。(財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動によるキャッシュ・フローは19億25百万円の支出(前期は7億5百万円の獲得)となりました。主な要因としては、長期借入れによる収入35億90百万円等があったものの、短期借入金の純減額37億32百万円、長期借入金の返済による減少10億4百万円、配当金の支払による減少9億39百万円等があったことによるものです。 ③ 生産、受注及び販売の状況a.生産実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)前期比(%)縫製事業60,610106.9ラミネーションフィルム事業6,31366.6合計66,923101.1 (注) 金額は、製造原価によっております。 b.受注実績セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)受注高(百万円)前期比(%)受注残高(百万円)前期比(%)縫製事業66,615106.321,340102.8ラミネーションフィルム事業8,41875.12,884107.3合計75,033101.624,225103.3 c.生産国別の販売実績国名当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)販売高(百万円)前期比(%)縫製事業 バングラデシュ23,167124.8中国18,093111.1ベトナム18,079102.3インドネシア3,755127.3ミャンマー2,93391.3小計66,029112.5ラミネーションフィルム事業 中国6,04964.2ベトナム2,17188.0小計8,22169.1合計74,251105.2 (注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前連結会計年度(自 2024年4月1日 至 2025年3月31日)当連結会計年度(自 2025年4月1日 至 2026年3月31日)金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)東レインターナショナル株式会社13,18418.715,56721.0Toray Industries (H.K.) Ltd.13,51319.112,33316.6株式会社ユニクロ8,69312.311,80515.9 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績の分析(売上高)当連結会計年度は、物価上昇や海外経済の不透明感、エネルギー・原材料価格の変動などにより先行き不透明な状況が続いたものの、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費は底堅く推移し、景気は回復基調にありました。アパレル製品の需要も概ね順調に推移し、縫製事業では期を通じて堅調な受注を維持しました。一方、ラミネーションフィルム事業では、前期の業績伸長に大きく寄与した顧客のヒット商品向け素材供給の反動や、一部顧客の在庫調整の影響により、受注は伸び悩みました。売上高につきましては、生産能力の増強など各生産拠点での生産量が増加、特に中期経営計画で新設したベトナムとバングラデシュの工場3拠点を中心に稼働が進捗し、前連結会計年度に比べて36億71百万円増加の742億51百万円(前期比5.2%増)となりました。中期経営計画「ビジョン2025」では、当連結会計年度の売上高は740億円を計画しておりましたが、計画比0.3%増と計画達成しております。(売上原価、売上総利益)当連結会計年度の売上原価は、堅調な受注増加に伴い増加するとともに、円安による工場コスト増加等により、前連結会計年度に比べて15億4百万円増加の654億95百万円(同2.4%増)となりました。売上総利益率は、売上高の増加により売上原価の増加影響を吸収したことに加え、生産量の増加や生産効率の改善が寄与した結果、前連結会計年度9.3%から当連結会計年度では11.8%へと2.5ポイント上昇しました。この結果、売上総利益は87億56百万円(同32.9%増)となりました。 (販売費及び一般管理費、営業利益)当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、売上高増加による影響とともに、円安による工場コスト増加により、前連結会計年度に比べて4億26百万円増加の65億81百万円(同6.9%増)となりました。この結果、営業利益は21億74百万円(同401.3%増)となりました。(営業外収益、営業外費用及び経常利益)当連結会計年度の営業外収益は、為替レートがドル高現地通貨安に推移したことにより為替差益31億54百万円を計上し、前連結会計年度に比べて5億62百万円減少の36億71百万円(同13.3%減)となりました。当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に計上していた撤去費用48百万円が当連結会計年度には発生しなかったことにより、前連結会計年度に比べて12百万円減少の4億54百万円(同2.7%減)となりました。この結果、経常利益は53億91百万円(同28.4%増)となりました。中期経営計画「ビジョン2025」では、当連結会計年度の経常利益は47億円を計画しておりましたが、計画比14.7%増となりました。(特別利益、特別損失及び親会社株主に帰属する当期純利益)当連結会計年度及び前連結会計年度において、特別利益は発生しておりません。当連結会計年度の特別損失は、子会社において減損損失及び投資有価証券売却損が発生したことにより、前連結会計年度に比べて2億66百万円増加しております。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は31億17百万円(同19.9%増)となりました。 b.財政状態の分析(資産) 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて27億20百万円増加し、751億74百万円となりました。主な要因としては、棚卸資産の増加14億24百万円、現金及び預金の増加14億48百万円等があったことによるものです。(負債)当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて3億8百万円減少し、316億15百万円となりました。主な要因としては、長期借入金の増加25億19百万円、支払手形及び買掛金の増加4億71百万円、未払法人税等の増加3億50百万円等があったものの、短期借入金の減少37億64百万円等があったことによるものです。(純資産)当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて30億29百万円増加し、435億58百万円となりました。主な要因としては、配当金の支払9億39百万円等があったものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上による利益剰余金の増加31億17百万円、非支配株主持分の増加6億46百万円等があったことによるものです。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報(キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容)内容につきましては本書「第一部 企業情報 第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」のとおりであります。(資本の財源及び資金の流動性に係る情報)当社グループの運転資本需要のうち主なものは、原材料の仕入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、子会社株式の取得等によるものであります。当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を基本としております。当連結会計年度末において借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は149億47百万円、現金及び現金同等物の残高は195億6百万円となっております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この作成においては、経営者による会計方針の選択と適用を前提とし、資産・負債及び収益・費用の金額に影響を与える見積りを必要とします。経営者はこれらの見積りについて過去の実績や将来における発生の可能性等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。 ・固定資産の減損 当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として会社別にグルーピングを行い、収益性が低下した資産グループについて、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。 収益性の低下の評価に用いる将来キャッシュ・フローは、各社及び各工場の事業計画等に基づき見積っております。 事業計画等では、将来の受注見込みや、海外工場での人件費を中心とした費用の見積りに一定の仮定をおいており、その仮定には不確実性が伴っております。 (3) 経営者の問題認識と今後の方針について当社グループを取り巻く事業環境は、米国の金融政策や中国経済の回復の遅れ、中東情勢の緊張に伴う原材料価格の変動、サプライチェーンを巡る地政学リスクの高まりなど、不透明な状況が続いております。アパレル業界においても、消費者の価値と価格のバランスを重視する傾向の強まり、販売チャネルの多様化、環境対応の高度化など、構造的な変化が進んでおります。こうした環境のもと、当社グループは拡大した生産基盤や柔軟な生産体制を活かし、製造プロセスの透明性向上やサステナビリティ対応の強化を通じて、顧客企業から「選ばれる工場」であり続けることを経営方針としております。また、成長投資と財務健全性のバランスを図りつつ、生産性向上と収益力強化を進めることで、企業価値の向上を図ってまいります。
事業リスク
- 経営環境の変化ファッショントレンドの変化、気候変動、景気動向が消費者の購買意欲に影響を与え、顧客からの受注量が減少する可能性があります。これにより、同社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。幅広い製品生産と柔軟な生産体制でリスク低減を図っています。
- 特定取引先への依存株式会社ファーストリテイリンググループへの販売割合が高く、連結売上高の約6割を占めています。主要販売先の生産戦略変更や受注動向によっては、同社の財政状態や経営成績に大きな影響を与える可能性があります。新規取引先の開拓も継続して検討しています。
- カントリーリスク中国以外のASEAN諸国等に生産拠点を分散していますが、進出国の地政学的リスク、法規制変更、現地マネジメントの課題などにより生産活動に支障が生じる可能性があります。生産拠点の多角化と外部専門家との連携により、リスク発生時の迅速な対応を目指しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
3 【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。 リスク項目リスクとその影響主な取組み経営環境の変化に起因するリスク当社グループが取り扱う衣料品は、ファッショントレンドの変化や気候変動の影響、景気動向が消費意欲に与える影響等を受けやすく、その結果、顧客からの受注量が減少すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。①当社グループでは、個人消費動向に影響を受けやすいファッションアパレルだけでなく、法人顧客が中心のワーキングウェアまで幅広い製品を生産することで、受注減少リスクの低減を図っています。②納期、価格及び品質等において、顧客ニーズの変化に適切に応えられる生産拠点と管理体制を整え、生産工場と生産時期を柔軟かつ機動的に変化させることで対応しています。特定取引先への依存リスク当社グループの主要販売先は、特に、株式会社ユニクロをはじめとする株式会社ファーストリテイリンググループ向け製品の販売割合が高く、2026年3月期連結売上高のうち、同グループへの直接販売が概ね3割、東レグループ等を通じた間接販売が概ね4割を占めております。主要販売先グループの生産戦略等に重要な変更が生じた場合や受注動向によっては、当社グループの財政状態及び経営成績に重要な影響を与える可能性があります。①主要販売先グループの求める、納期、価格及び品質等に適切に応えることで、長期安定的に選ばれるサプライヤーを目指しています。また、同じ販売先グループとの取引においても、生産アイテムや取引ブランドの幅を広げることで、リスクの低減を図っています。②取引先の状況を早期に把握できるよう顧客管理を実施しております。③新規取引先や新規販売チャネルの開拓も継続して検討してまいります。カントリーリスク当社グループでは、中国以外のASEAN諸国等での海外生産拠点の強化に努め、生産地の最適化を図っておりますが、進出先地域における地政学的リスクの顕在化、国際情勢の変動、法規則等の変更、現地マネジメントやスタッフの雇用・育成の停滞等、何らかの要因により生産活動に支障が生じた場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。①当社グループでは、生産拠点を複数の国に分散し、国際情勢の変化に機動的に対応できるサプライチェーンの確立を進めています。②当社グループ各拠点の法務や税務、会計などに詳しい外部専門家と連携し、リスク発生時に迅速かつ適切な対応およびコミュニケーションができる体制を整えています。③当社グループの進出国・地域において、多くの従業員を雇用し、生産活動に必要な教育を実施すること等で社会的責任を果たし、現地コミュニティとの永続的な共存共栄をめざしています。 リスク項目リスクとその影響主な取組み為替リスク当社グループ各事業では製品の多くを海外の生産工場から輸入しているため、各国・地域の通貨に対する決済通貨の急激な為替変動が発生した場合、各事業の業績に悪影響を与える可能性があります。グループ全体として、事業展開に合わせて多様な通貨で金融資産を保有しているため、当社の機能通貨である円の為替変動によって金融損益が大きく変動する可能性があります。①為替環境変化の緩和を目的として、一部の取引先と当社が為替変動リスクを負わない個別の契約を締結しています。また、当社グループの事業において、外貨売上高及び仕入高の想定に基づく先物為替予約を実行します。②金融資産の保有通貨の妥当性についても、当社取締役会で討議を行います。自然災害等に関するリスク地震、風水害等の自然災害や、感染症の拡大等により、当社グループの生産活動に支障が生じたり、顧客からの受注量が減少したりした場合には、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。①リスク管理規程の策定、従業員の緊急連絡体制の整備等の対策を講じるとともに、自社工場間での生産調整や代替生産により当該リスクの軽減を図る体制を整えております。②更なるグローバルな生産体制の確立を見据え、アジア地域以外への地域の進出を検討してまいります。情報に関するリスク事業経営に関わる多岐にわたる重要機密情報の漏洩により、当社グループの信用失墜による売上高の減少または損害賠償による費用の発生等により、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。①情報管理に関する規程等を整備するとともに、従業員に対する教育を通じた情報管理の重要性の周知徹底を図っております。②外部からのハッキング等に備え、システム上のセキュリティ対策を行う体制を整備し、随時更新しております。特定人物への依存リスク代表取締役社長執行役員松岡典之をはじめとする当社グループ企業経営陣は、各担当業務分野において、重要な役割を果たしています。これら役員が業務執行できなくなった場合、ならびに、そのような重要な役割を担い得る人材を確保できなかった場合、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。①当社では、意思決定および業務執行が特定の経営人材に依存することのないよう、それぞれの部門を執行取締役が管掌することで、チームによる経営執行体制を構築しています。②当社グループではグローバルに活躍できる経営人材を積極的に採用し、採用した人材を経営者に教育・育成していくための体制を整えています。人権に関わるリスク当社グループ及び取引先において、人権侵害行為等が発生した場合には、当社グループに対する顧客および取引先の信用低下を招き、その結果、顧客からの受注量が減少すること等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。①当社グループに関係するすべての人に対し、国際的に認められた人権を尊重し、また事業活動を行う各国・地域の法令を遵守します。②当社サステナビリティ委員会を人権に関する助言、監督機関として、人権に関する研修や通報窓口の運用、人権デューデリジェンスを実施することで、人権侵害行為の発生を防ぎます。また人権侵害に関する事象が発生した場合は、その是正に取り組むと共に、適切な救済措置を取る体制を整えています。 リスク項目リスクとその影響主な取組み固定資産に係る減損リスク事業環境の変化などにより収益性が低下した場合、海外で保有している生産設備等の有形固定資産及び使用権等の無形固定資産について減損損失を計上する可能性があります。①当社は、減損会計適用の兆候となる収益性低下の発見のため、常に当社グループ内の資産グループの採算と回収可能性を調査します。②回収可能性の調査から、固定資産の減損に係る会計基準の下、適時に減損の兆候の判定を行い、不採算資産グループへの適切な会計処理を行っています。③減損会計適用後も、当該資産グループの収益性低下の原因把握を行い、抜本的な収益改善計画を策定・実行しています。