3622

ネットイヤーグループ(3622)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • DX・デジタルマーケティング支援
    企業や行政機関に対し、インターネット技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタルマーケティングの支援を行うSIPS(Strategic Internet Professional Services)事業が主力です。スマートフォン普及やコロナ禍でのリモートワーク浸透など、社会の変化に対応したサービスを提供しています。
  • 顧客体験設計とAI活用
    創業以来培ってきたユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD、顧客体験設計)とデジタル技術のノウハウに加え、近年は生成AI技術の活用を強化しています。これにより、企業や行政が提供する事業やサービスの成長を促進するコンサルティングやシステム開発に軸足を移しています。
  • 多岐にわたるAI活用支援
    生成AI技術を活用したデジタル戦略策定、マーケティング戦略策定、顧客接点改善のためのシステム開発(Web/モバイル/業務システム)、従来のデジタルマーケティングへのAI付加、デジタル広告/SEO運用支援など、幅広い領域でAIを活用したサービスを提供し、顧客の課題解決をサポートしています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • SIPS事業
    企業や行政機関に対し、インターネット技術を活用したデジタルトランスフォーメーション(DX)やデジタルマーケティングの支援を行う事業です。これが当社の主要な収益源であり、顧客のデジタル戦略策定からシステム開発、運用まで一貫してサポートしています。
  • AI活用型サービス
    生成AI技術を利活用したデジタル戦略策定、デジタルマーケティング戦略策定、顧客接点改善システム開発、従来のデジタルマーケティングへのAI付加、デジタル広告/SEO運用などが含まれます。この分野は今後の成長ドライバーとして位置づけられ、投資を強化しています。
  • BtoC・BtoB向け総合支援
    消費者向け企業(BtoC)および法人向け企業(BtoB)の両方に対し、Webサイト、モバイルアプリ、オンラインストア、デジタル広告、SNS、LINE、メールなどを活用した多様なデジタルマーケティング業務を支援しています。生成AI技術を付加することで、企画から運用までを再構築し、顧客の事業価値向上を目指しています。
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,547 文字
3【事業の内容】 当社は、1999年の創業以来、一貫して「徹底的なユーザー視点」と「優れたデザイン思考」に基づき、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験:以下、UX)を軸としたSIPS(Strategic Internet Professional Services)事業を展開しております。昨今の生成AI技術の飛躍的進展を、社会・経済構造を根幹から変革するパラダイムシフトと捉え、当社は「生成AIを活用して未来の社会を創造する」ことを経営方針に掲げております。Web、アプリ、CRM、データ分析など、あらゆるデジタル領域を統合・最適化することで、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験:以下、CX)全体の高度化を支援しております。このCX高度化の一環として、従来の個別の接点の最適化に留まることなく、消費者の認知から購買、ファン化に至る全てのプロセスを繋ぐフルファネルマーケティングを通じて顧客企業の事業価値最大化を推進しております。こうした包括的な支援体制を基盤とし、デジタル領域における戦略立案から実装までの各プロセスに最新の生成AI技術を組み込むことで、データに基づいた迅速な意思決定を支え、顧客と共に事業成長を牽引する戦略的伴走パートナーを目指してまいります。当社が展開する主要な事業領域は以下の4つであり、それぞれを相互に連携させ、顧客の持続的な企業価値向上に寄与しております。 ① サービスデザイン ユーザー中心主義に基づき、新規事業の立案や既存サービスの抜本的な再定義を、調査・構想段階から一貫して行います。単なる商品やサービスの提供に留まらず、すべてのユーザーとの接点におけるCXと持続的な価値提供を設定します。プロジェクトの構想段階から伴走し、優れたデザイン思考と独自のユーザーリサーチにより顧客価値を再定義します。特に、生成AI技術を前提とした全ファネル横断型のビジネスモデル開発や、将来の「ABAC(AI agent-Based Autonomous Communication)モデル」を見据えた次世代のコミュニケーション設計を行うなど、独自の専門性を活かした支援を展開しております。 ② デジタルマーケティング支援 創業以来培ったUXデザイン力により、Web、アプリ、CRM、MA、データ分析など、既存のマーケティングプロセスを統合・最適化します。単なるツール導入に留まらず、生成AIを活用した「AIO」等の最新手法をいち早く取り入れ、ユーザーの「買いやすさ」や「体験」を実現します。企業のマーケティングプロセスに生成AIを導入することで、CXの高度化と投資対効果の最適化を支援します。 ③ デジタルプロダクト開発 企業のブランド接点となる各種デジタルプロダクトを、最新の生成AIツールに適応したAIが解釈・活用可能な構造へと転換させます。従来のUI設計やサイト構築の知見をベースに、生成AI技術による生産性向上を図るとともに、ユーザーの検索行動の変化に対応した次世代のデジタル資産として、その価値を最大化しております。 ④ 社会インパクト開発 長年蓄積したUXデザインの知見を、公共空間のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)や地域活性化などの社会課題解決に役立てるビジネスインキュベーションを展開しております 。デジタル技術を駆使して社会課題を解消する仕組みを実装し、地域住民の生活満足度向上と、持続可能なビジネスモデルとしての構築を両立させます。自社でのサービス開発・運用を通じた試行錯誤の知見を活かし、企業の事業課題と社会課題を同時に解決するソーシャルビジネスの創出を推進しております。 以上に述べた内容を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 弱い
競合激化や受注競争の激化により、採算性が悪化するリスクがあるため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 なし
当社の事業は特許等で保護されておらず、技術やノウハウが陳腐化する可能性があるため。
顧客集中度特定顧客への依存度。高いほど失注リスクが大きい 中程度
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか シクリカル
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 軽い(資本不要)
規制依存規制は障壁にも足枷にもなる 中程度
会社が挙げる主要リスク:人材の確保・育成 / 景気変動 / 競合激化
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 2 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

開示情報からは、特許やブランド力、規制ライセンスなど、明確な無形資産の存在を示す具体的な情報は確認できませんでした。デジタルマーケティング支援事業におけるノウハウや人的資本は存在するものの、定量的な評価や競争優位性への寄与度は不明瞭です。

スイッチングコスト★☆☆☆☆
根拠:弱い乗り換えの手間・コスト

既存顧客との継続的な関係性は構築されていると考えられますが、顧客が他社へ乗り換える際の直接的な金銭的・時間的コストは限定的と推測されます。事業内容から、顧客のITシステムへの深い統合や、独自のプラットフォーム依存性は低いと考えられます。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

事業モデルにおいて、ユーザー数の増加がサービス価値を直接的に高めるネットワーク効果は確認されません。プラットフォーム型ビジネスではなく、個別のプロジェクトベースのサービス提供が中心と見られます。

コスト優位☆☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

情報通信業の中でも、特定の技術やプロセスにおける構造的なコスト優位性を示す情報は確認できません。人件費や開発費が主要なコスト要因と考えられ、競合とのコスト差を明確に打ち出す要素は見当たりません。

規模の経済★☆☆☆☆
根拠:弱い規模が参入障壁になる

デジタルマーケティング支援事業において、一定の規模は有していると考えられますが、業界全体で見ると、大手広告代理店やITベンダーと比較して、効率規模の観点から明確な優位性を確立しているとは言えません。市場シェアも限定的と推測されます。

  • ユーザー体験設計の専門性
    長年の経験で培われたユーザーエクスペリエンスデザイン(UXD、顧客体験設計)のノウハウが強みです。顧客のユーザーが「あるべき体験」を多角的に設計し、AIエージェントを介した新しい顧客関係性を構築することで、競合との差別化を図っています。
  • 生成AI技術の積極活用
    革新的な生成AI技術をいち早く取り入れ、サービス提供を拡大しています。これにより、デジタル戦略策定からシステム開発、マーケティング運用まで、幅広い業務で顧客の事業成長スピードを促進し、技術的な優位性を築こうとしています。
  • NTTデータとの連携
    NTTデータとの資本・業務提携により、強固なパートナーシップを構築しています。これにより、大規模案件への対応力強化や、技術・ノウハウの共有によるサービス品質向上、安定した事業基盤の確保が期待されます。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針、経営環境、経営戦略等当社は、「生成AIを活用して未来の社会を創造する」を経営ビジョンに掲げております。これまで培ってきたUXデザインとデジタル技術のノウハウに加え、生成AI技術を高度に融合させることで、顧客企業のDXとマーケティング成果の最大化を支援しております。現在、当社は従来のWebサイトやモバイルアプリといった個別接点の最適化に留まらず、消費者の認知から購買、ファン化に至る全てのプロセスを繋ぐフルファネルマーケティングによる包括的な支援を推進しております。デジタル領域における戦略立案、設計、実装を強みとしつつ、最新の生成AI技術を実務レベルで適切に組み込むことで、データに基づいた顧客の迅速な意思決定を支え、事業成長を共創する戦略的伴走パートナーを目指してまいります。インターネットの普及、スマートフォンの各世代への浸透をベースとした、官民を問わない各種サービスのオンライン化、及び常時接続環境の拡大等に加えて、生成AIの急速な発展と一般化により、人々の生活様式、価値観、購買行動はかつてないほど複雑化しています。こうした背景から、企業や行政におけるDX投資は、単なるWebサイト構築やリニューアルといったチャネル整備の段階から、データに基づき事業収益を直接的に改善するマーケティング全体の最適化へと高度化しております。このようなニーズの変化は、戦略から実装までを一貫して担うことができる当社にとって追い風と考えています。一方で、市場の拡大に伴い、戦略コンサルティング企業、広告代理店、SIベンダー等がデジタルマーケティング領域に参入し、当社をとりまく競争環境は厳しくなっております。また、DXが顧客企業の経営の中核に据えられるようになった結果、組織改革や多様な社内システムの連携が必要になり、プロジェクトを完遂するための高度なシステム連携力や組織横断的なマネジメント力が不可欠となっています。このような事業環境下、当社は、あるべきCXを実現するため、デジタルマーケティングを通じて蓄積した深いユーザー理解、分析力、UXデザインの実装力を武器に、支援領域を広告・プロモーションやCRM・ファン拡大へと拡張してまいりました。ファネルの各段階で分断されていたデータや施策の統合を通じて、顧客企業がターゲットとする消費者の認知から購買、その後のロイヤルティ向上に至るまでの全プロセスを一気通貫で最適化するフルファネルマーケティング支援を強化することで、マーケティング施策の最適化を通じて顧客の事業成果の最大化に取り組んでおります。当事業年度においては、既存サービスの拡充に加え、生成AIを提案活動に組み込むタスクフォースを立ち上げ、顧客企業や行政機関の課題解決に向けた高付加価値サービスの展開を推進いたしました。また、親会社である株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、米国生成AI大手企業のOpen AI社と業務提携を行い、広くNTTデータグループに所属する当社もNTTデータと協同して、生成AIを利活用した高度なシステム開発を進め、競合企業に対して競争優位性を確保しております。これにより、企業や行政が求める高度なセキュリティ要件を満たした、信頼性の高いデジタルソリューションを提供できる体制を構築しております。併せて、パートナー企業との共創を通じて、引き続き多様なニーズへの対応力を高めるとともに、生成AI活用による社内の生産性向上を進めております。一方、デジタル業界は人材の流動性が高く、当社人材の流出リスクも高い上、DXに対する投資需要の高まりに伴って優秀な人材の獲得も益々困難になってきており、当社の今後の成長に向けて人材の確保・育成は急務の課題となっております。特にフルファネルでの支援に加えて、システム連携等の高度なマネジメント力や顧客の経営判断に資する提案を行うためには、従来のエンジニアやデザイナーの枠を超え、顧客のビジネスモデルを理解し、データに基づいた戦略提案ができる人材が必要です。採用の強化に加え、社内でのナレッジシェアや教育プログラムを通じて、多角的な視点を持つデジタル人材の育成を急務として進めております。また、多様な価値観を持つ多様な人材が、やりがいを持っていきいきと挑戦できる魅力的な職場環境作りに努めてまいります。 (2)目標とする経営指標主な成長性・収益性の指標として、売上高及び売上総利益率、営業利益率を重視しております。なお、当社は中長期的な成長を目指して新サービスの開発、生成AI人材への転換費用等の人材開発、M&A等の投資を積極的に行う方針であり、短期的には営業利益率が低下することがあります。 (3)優先的に対処すべき課題当社は、以下の事項を主要な課題として認識し、持続的な成長を図ってまいります。 ① 人材の確保と育成デジタル業界は人材の流動性が高く、DXに対する投資需要の拡大に伴いデジタル人材の需要が急増していることから、優秀な人材の獲得競争は一段と激化しております。当社の持続的な成長に向けて、人材の確保・育成は喫緊の課題であり、採用チャネルの多様化を含めた採用活動の強化とともに、次世代のデジタル人材を育成する取組みを推進しております。中長期的な視点で事業の主軸となる人材を定義し、戦略的に確保・育成するとともに、それらの人材のパフォーマンスを最大化させるための仕組みを整備してまいります。 ② サービス領域の拡大当社は、持続的な事業成長に向け、強みであるオウンドメディアにおけるサービス提供領域を拡大し、Webやアプリ等の様々なデバイスに対応し、デジタルとリアルを横断したマルチチャネル化を推進していく方針を掲げています。デジタルとリアルの境界を感じさせない一貫したUXの実現に向けた取り組みを始めており、今後は生成AI技術の利活用によって一段と加速させてまいります。あらゆる接点において顧客企業と消費者のエンゲージメントを最適化し、データ利活用によるビジネス支援を強化することで、当社の提供価値を高めるとともに、事業収益性の向上を図ってまいります。 ③ 生成AI技術の利活用社会環境、生活環境を大きく変化させつつある生成AI技術の当社サービスへの取り込みを進めてまいります。ユーザー視点に立って、各種ツール・技術の活用提案から実装までを支援するとともに、サービスの設計・実装・運用の各工程においても、生成AI技術の導入活用を推進し、社員がより創造的な業務に注力できる体制を構築いたします。これらの実現にむけて、社内に推進部署を設置して高度な活用ノウハウの蓄積と普及を図るほか、外部パートナーとの連携・共創を促進し、革新的なサービスの提供に努めてまいります。 ④ NTTデータグループ企業との協業親会社であるNTTデータとの資本業務提携以降、同社が持つ顧客基盤や技術力を背景として、案件拡大や新規顧客開拓において成果を上げております。注力領域については引き続き同社と協議を重ね、より一層の連携強化を図ることで、NTTデータグループの顧客企業に対してUXを基軸としたサービス提供及び取引規模の拡大を推進してまいります。また、生成AI技術に関して、一層の連携、協業を果たし、業界に先駆けたプロジェクト成果の創出に注力してまいります。 ⑤ ブランディングの強化当社が、今後生成AI技術・ツールの利活用を一段と強化し、新たな事業基盤となるサービスを展開していくにあたり、顧客をはじめとするステークホルダーからの認知をそれらに適したものへと再定義すべく、外部広報活動を強化してまいります。UXと生成AIを融合させた先駆的企業としてのブランドポジションを確立し、市場におけるプレゼンスを高めることで、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】(1)経営方針、経営環境、経営戦略等当社は、「生成AIを活用して未来の社会を創造する」を経営ビジョンに掲げております。これまで培ってきたUXデザインとデジタル技術のノウハウに加え、生成AI技術を高度に融合させることで、顧客企業のDXとマーケティング成果の最大化を支援しております。現在、当社は従来のWebサイトやモバイルアプリといった個別接点の最適化に留まらず、消費者の認知から購買、ファン化に至る全てのプロセスを繋ぐフルファネルマーケティングによる包括的な支援を推進しております。デジタル領域における戦略立案、設計、実装を強みとしつつ、最新の生成AI技術を実務レベルで適切に組み込むことで、データに基づいた顧客の迅速な意思決定を支え、事業成長を共創する戦略的伴走パートナーを目指してまいります。インターネットの普及、スマートフォンの各世代への浸透をベースとした、官民を問わない各種サービスのオンライン化、及び常時接続環境の拡大等に加えて、生成AIの急速な発展と一般化により、人々の生活様式、価値観、購買行動はかつてないほど複雑化しています。こうした背景から、企業や行政におけるDX投資は、単なるWebサイト構築やリニューアルといったチャネル整備の段階から、データに基づき事業収益を直接的に改善するマーケティング全体の最適化へと高度化しております。このようなニーズの変化は、戦略から実装までを一貫して担うことができる当社にとって追い風と考えています。一方で、市場の拡大に伴い、戦略コンサルティング企業、広告代理店、SIベンダー等がデジタルマーケティング領域に参入し、当社をとりまく競争環境は厳しくなっております。また、DXが顧客企業の経営の中核に据えられるようになった結果、組織改革や多様な社内システムの連携が必要になり、プロジェクトを完遂するための高度なシステム連携力や組織横断的なマネジメント力が不可欠となっています。このような事業環境下、当社は、あるべきCXを実現するため、デジタルマーケティングを通じて蓄積した深いユーザー理解、分析力、UXデザインの実装力を武器に、支援領域を広告・プロモーションやCRM・ファン拡大へと拡張してまいりました。ファネルの各段階で分断されていたデータや施策の統合を通じて、顧客企業がターゲットとする消費者の認知から購買、その後のロイヤルティ向上に至るまでの全プロセスを一気通貫で最適化するフルファネルマーケティング支援を強化することで、マーケティング施策の最適化を通じて顧客の事業成果の最大化に取り組んでおります。当事業年度においては、既存サービスの拡充に加え、生成AIを提案活動に組み込むタスクフォースを立ち上げ、顧客企業や行政機関の課題解決に向けた高付加価値サービスの展開を推進いたしました。また、親会社である株式会社NTTデータ(以下、NTTデータ)は、米国生成AI大手企業のOpen AI社と業務提携を行い、広くNTTデータグループに所属する当社もNTTデータと協同して、生成AIを利活用した高度なシステム開発を進め、競合企業に対して競争優位性を確保しております。これにより、企業や行政が求める高度なセキュリティ要件を満たした、信頼性の高いデジタルソリューションを提供できる体制を構築しております。併せて、パートナー企業との共創を通じて、引き続き多様なニーズへの対応力を高めるとともに、生成AI活用による社内の生産性向上を進めております。一方、デジタル業界は人材の流動性が高く、当社人材の流出リスクも高い上、DXに対する投資需要の高まりに伴って優秀な人材の獲得も益々困難になってきており、当社の今後の成長に向けて人材の確保・育成は急務の課題となっております。特にフルファネルでの支援に加えて、システム連携等の高度なマネジメント力や顧客の経営判断に資する提案を行うためには、従来のエンジニアやデザイナーの枠を超え、顧客のビジネスモデルを理解し、データに基づいた戦略提案ができる人材が必要です。採用の強化に加え、社内でのナレッジシェアや教育プログラムを通じて、多角的な視点を持つデジタル人材の育成を急務として進めております。また、多様な価値観を持つ多様な人材が、やりがいを持っていきいきと挑戦できる魅力的な職場環境作りに努めてまいります。 (2)目標とする経営指標主な成長性・収益性の指標として、売上高及び売上総利益率、営業利益率を重視しております。なお、当社は中長期的な成長を目指して新サービスの開発、生成AI人材への転換費用等の人材開発、M&A等の投資を積極的に行う方針であり、短期的には営業利益率が低下することがあります。 (3)優先的に対処すべき課題当社は、以下の事項を主要な課題として認識し、持続的な成長を図ってまいります。 ① 人材の確保と育成デジタル業界は人材の流動性が高く、DXに対する投資需要の拡大に伴いデジタル人材の需要が急増していることから、優秀な人材の獲得競争は一段と激化しております。当社の持続的な成長に向けて、人材の確保・育成は喫緊の課題であり、採用チャネルの多様化を含めた採用活動の強化とともに、次世代のデジタル人材を育成する取組みを推進しております。中長期的な視点で事業の主軸となる人材を定義し、戦略的に確保・育成するとともに、それらの人材のパフォーマンスを最大化させるための仕組みを整備してまいります。 ② サービス領域の拡大当社は、持続的な事業成長に向け、強みであるオウンドメディアにおけるサービス提供領域を拡大し、Webやアプリ等の様々なデバイスに対応し、デジタルとリアルを横断したマルチチャネル化を推進していく方針を掲げています。デジタルとリアルの境界を感じさせない一貫したUXの実現に向けた取り組みを始めており、今後は生成AI技術の利活用によって一段と加速させてまいります。あらゆる接点において顧客企業と消費者のエンゲージメントを最適化し、データ利活用によるビジネス支援を強化することで、当社の提供価値を高めるとともに、事業収益性の向上を図ってまいります。 ③ 生成AI技術の利活用社会環境、生活環境を大きく変化させつつある生成AI技術の当社サービスへの取り込みを進めてまいります。ユーザー視点に立って、各種ツール・技術の活用提案から実装までを支援するとともに、サービスの設計・実装・運用の各工程においても、生成AI技術の導入活用を推進し、社員がより創造的な業務に注力できる体制を構築いたします。これらの実現にむけて、社内に推進部署を設置して高度な活用ノウハウの蓄積と普及を図るほか、外部パートナーとの連携・共創を促進し、革新的なサービスの提供に努めてまいります。 ④ NTTデータグループ企業との協業親会社であるNTTデータとの資本業務提携以降、同社が持つ顧客基盤や技術力を背景として、案件拡大や新規顧客開拓において成果を上げております。注力領域については引き続き同社と協議を重ね、より一層の連携強化を図ることで、NTTデータグループの顧客企業に対してUXを基軸としたサービス提供及び取引規模の拡大を推進してまいります。また、生成AI技術に関して、一層の連携、協業を果たし、業界に先駆けたプロジェクト成果の創出に注力してまいります。 ⑤ ブランディングの強化当社が、今後生成AI技術・ツールの利活用を一段と強化し、新たな事業基盤となるサービスを展開していくにあたり、顧客をはじめとするステークホルダーからの認知をそれらに適したものへと再定義すべく、外部広報活動を強化してまいります。UXと生成AIを融合させた先駆的企業としてのブランドポジションを確立し、市場におけるプレゼンスを高めることで、さらなる企業価値の向上に努めてまいります。
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況当事業年度における我が国経済は、緊迫する中東情勢や近隣諸国との外交関係を巡る地政学リスクの高まり、金融資本市場の変動や物価上昇の継続が実体経済に及ぼす影響など、依然として先行きを注視すべき状況が続いております。一方で、米国の通商政策の不透明感は残るものの、生成AIの普及に伴うデータセンター新設等のAI関連投資が拡大したほか、大手企業を中心とした雇用・所得環境の改善が下支えする形となり、総じて堅調に推移しました。このような環境下、当社が事業領域とするデジタルマーケティング分野におきましては、デジタル技術を用いて製品やサービス、ビジネスモデルを変革するDXに対する国内企業の投資意欲は底堅く、経済産業省の「サービス産業動態統計調査」によると、2026年1月の情報サービス業の売上高は、前年同月比9.1%増と堅調に推移しています。このような事業環境のもと、当社は、顧客企業や行政機関のDX推進を幅広く支援してまいりました。特に、企業、団体のあるべきCXを実現するため、顧客企業がターゲットとする消費者の認知から購買、その後のロイヤルティ向上に至るまでの全プロセスを一気通貫で最適化するフルファネルマーケティング支援を強化し、マーケティング施策の最適化を通じて事業成果の最大化に取り組んでおります。当事業年度においては、既存サービスの拡充に加え、生成AIを提案活動に組み込むタスクフォースを立ち上げ、顧客企業や行政機関の課題解決に向けた高付加価値サービスの展開を推進いたしました。また、親会社であるNTTデータとの協業強化やパートナー企業との共創を通じて多様なニーズへの対応力を高めるとともに、生成AI活用による社内の生産性向上を並行して進める方針に基づき、事業活動を展開してまいりました。こうした方針のもと、顧客企業に対する積極的な提案活動を実施した結果、重要施策として掲げていた重点顧客の創出が進捗し、既存顧客の深耕及び新規顧客の獲得が寄与したことで、受注、売上ともに前事業年度を上回りました。利益面につきましても、売上原価率の改善や販売費及び一般管理費の抑制にも努めた結果、営業利益は前事業年度を大きく上回る結果となりました。 以上の結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。a.財政状態 当事業年度末の資産合計は、前事業年度末に比べ292百万円増加し、3,428百万円(前年同期比9.3%増)となりました。 当事業年度末の負債合計は、前事業年度末に比べ160百万円増加し、654百万円(前年同期比32.5%増)となりました。 当事業年度末の純資産合計は、前事業年度末に比べ131百万円増加し、2,773百万円(前年同期比5.0%増)となりました。 b.経営成績 当事業年度の経営成績は、売上高3,672百万円(前年同期比8.7%増)、営業利益331百万円(前年同期比301.6%増)、経常利益337百万円(前年同期比306.2%増)となりました。当期純利益は、中長期的な企業価値向上を目的とした財務戦略検討費用として特別損失85百万円を計上、法人税、住民税及び事業税を91百万円、法人税等調整額を△14百万円計上したことから173百万円(前事業年度は当期純損失33百万円)となりました。 ②キャッシュ・フローの状況 当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は、以下に記載の各キャッシュ・フローにより2,247百万円となり、前事業年度末に比べ59百万円増加いたしました。 当事業年度における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。(営業活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益251百万円を計上し、増加要因として、未払金の増加額33百万円、賞与引当金の増加額11百万円、減価償却費の計上6百万円等があり、また減少要因として、売上債権の増加額208百万円、法人税等の支払額17百万円等により、107百万円の収入(前年同期は74百万円の収入)となりました。(投資活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、減少要因として、敷金及び保証金の差入による支出4百万円、無形固定資産の取得による支出1百万円により、5百万円の支出(前年同期は4百万円の支出)となりました。(財務活動によるキャッシュ・フロー) 当事業年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、減少要因として配当金の支払い42百万円により、42百万円の支出(前年同期は41百万円の支出)となりました。 ③生産、受注及び販売の実績a.生産実績 当社の事業内容に、生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。 b.受注実績 当事業年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(千円)前年同期比(%)受注残高(千円)前年同期比(%)SIPS事業3,801,9085.61,017,46214.6合計3,801,9085.61,017,46214.6(注)当社は、SIPS事業の単一セグメントであります。 c.販売実績 当事業年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)SIPS事業3,672,5048.7%合計3,672,5048.7%(注)1.当社は、SIPS事業の単一セグメントであります。2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。相手先前事業年度(自 2024年4月1日至 2025年3月31日)当事業年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)スターバックスコーヒージャパン株式会社462,00513.7514,52014.0株式会社NTTデータ869,15825.7489,12313.3株式会社モスフードサービス296,5498.8386,21010.5 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.経営成績等1)財政状態(資産合計) 当事業年度末における資産につきましては、前事業年度末に比べ292百万円増加し、3,428百万円(前年同期比9.3%増)となりました。主な増加要因は、現金及び預金の増加59百万円、売掛金の増加208百万円等によるものであります。(負債合計) 当事業年度末における負債につきましては、前事業年度末に比べ160百万円増加し、654百万円(前年同期比32.5%増)となりました。主な増加要因は、未払金の増加34百万円、未払法人税等の増加75百万円、未払消費税等の増加24百万円等によるものであります。(純資産合計) 当事業年度末における純資産につきましては、前事業年度末に比べ131百万円増加し、2,773百万円(前年同期比5.0%増)となりました。増加要因は、当期純利益173百万円の計上、また減少要因は配当金の支払い41百万円であります。以上の結果、自己資本比率は、前事業年度末の84.2%から80.9%となりました。 2)経営成績(売上高) 売上高は、前事業年度に比べ294百万円(8.7%)増加し、3,672百万円となりました。売上高の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。(営業費用及び営業損益) 売上原価は、諸経費の増加等により、前事業年度に比べ90百万円(3.4%)増加し、2,784百万円となりました。以上の結果、売上総利益は888百万円(前年同期比29.8%増)となりました。 販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ45百万円(7.5%)減少し、556百万円となりました。主な要因は、人員減少に伴う労務費39百万円の減少、研究開発費18百万円の減少等によるものであります。以上の結果、営業利益は331百万円(前年同期比301.6%増)となりました。(営業外損益及び経常損益) 営業外収益は、前事業年度に比べ4百万円(273.8%)増加し、6百万円となりました。営業外費用は、前事業年度に比べ489千円(38.9%)減少し、768千円となりました。以上の結果、経常利益は337百万円(前年同期比306.2%増)となりました。(特別損益及び税引前当期純損益) 特別損失として、中長期的な企業価値向上を目的とした財務戦略検討費用85百万円を計上したことから、税引前当期純利益は251百万円(前年同期は税引前当期純損失6百万円)となりました。(当期純損益) 当期純利益は、法人税、住民税及び事業税を91百万円計上、法人税等調整額△14百万円を計上したことから173百万円(前年同期は当期純損失33百万円)となりました。 b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容当社は、顧客企業から依頼を受け、デジタルマーケティング関連のサービスを提供する受託型のビジネスモデルを主な収益源としております。デジタルマーケティングのコンサルティング、ウェブサイトやソーシャルメディアのコンテンツやデザインの制作、マーケティングシステムの開発や運用、データ分析等のサービスを、大企業を中心とする法人に対してプロジェクト形式で提供しております。各プロジェクトの収益は、売上からプロジェクトに関わった人件費や外注費等を差し引いた額となります。プロジェクトの管理が適切に行われない場合、顧客企業の要望と当社が制作する成果物との間に不整合が生じ、既に制作した成果物の改修等に人件費、外注費等のコストを追加投入することになり、プロジェクトの収益は悪化します。また、売上総利益には人員の稼働率も大きな影響を及ぼします。当社の固定費は主に人件費であり、受注の低迷等によって稼働率が低下した場合、会社の収益性は悪化します。当社が安定的に利益を創出するためには、適正な稼働率を確保した安定的な受注と、プロジェクトの適切な管理が重要な要素になります。当事業年度におきましては、既存サービスの拡充に加え、生成AIを提案活動に組み込むタスクフォースを立ち上げ、顧客企業や行政機関の課題解決に向けた高付加価値サービスの展開を推進いたしました。また、親会社であるNTTデータとの協業強化やパートナー企業との共創を通じて多様なニーズへの対応力を高めるとともに、生成AI活用による社内の生産性向上を並行して進める方針に基づき、事業活動を展開してまいりました。こうした方針のもと、顧客企業に対する積極的な提案活動を実施した結果、重要施策として掲げていた重点顧客の創出が進捗し、既存顧客の深耕及び新規顧客の獲得が寄与したことで、受注、売上ともに前事業年度を上回りました。利益面につきましても、売上原価率の改善や販売費及び一般管理費の抑制にも努めた結果、営業利益は前事業年度を大きく上回る結果となりました。 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況・検討内容当事業年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税引前当期純利益251百万円を計上したことを主な要因として107百万円の収入となりました。当事業年度末における現金及び現金同等物は2,247百万円であり、通常の運転資金として不足のない水準と認識しております。2026年度における当社の主な短期的な資金需要としましては、営業活動上の運転資金の他、配当支払い等を見込んでおります。当社の短期的な資金調達の源泉は、主に営業活動によって獲得した現金となります。また緊急に資金が必要となる場合や金融市場の混乱など不測の事態に機動的に対応するため、金融機関との間で当座貸越契約を締結し、資金の流動性を確保しております。2026年度の経済見通しにつきましては、不安定な国際情勢や円安、物価の高騰に伴う購買意欲の変化等の流動的な要因により、景気の先行きは不透明な状況が続くと予想される一方、DXに対する企業の投資意欲は底堅く、当社の事業領域におけるニーズは引き続き高い状態が続くと期待され、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。 b.資本の財源及び資金の流動性当社の事業活動における運転資金需要の主なものは、人件費及び外注費であり、運転資金については、主に内部資金により調達しております。また、当社では、サービスの拡充に向けた体制強化や、中長期的な資本集約型ビジネスの開拓を目的として必要に応じてM&Aを行っていくことを方針としており、将来的な資金需要が発生する可能性がありますが、報告日現在において、発表すべき事象はございません。 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定 当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社は、特に次の重要な会計方針が当社の財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。 なお、財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。 a.貸倒引当金 当社は、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見込額を貸倒引当金として計上することとしております。 将来、顧客企業の財務状況が悪化し支払能力等が低下した場合には、引当金の計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。b.受注損失引当金 当社は、顧客企業より受注済みの案件のうち、当該受注契約の履行に伴い、翌事業年度以降に損失の発生が見込まれ、かつ、当該損失額を合理的に見積もることが可能なものについては、将来の損失に備えるため翌事業年度以降に発生が見込まれる損失額を受注損失引当金として計上することとしております。c.固定資産の減損処理 当社は、「固定資産の減損に係る会計基準」に基づき、減損の要否を検討しております。 将来の事業計画や市場環境の変化により、減損の兆候が発生した場合、減損損失を計上する可能性があります。d.繰延税金資産の回収可能性の評価 当社は、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して、将来の課税所得を合理的に見積っております。 繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存しますので、その額に変動を生じた場合には、繰延税金資産の取崩し又は追加計上により、利益が変動する可能性があります。

事業リスク

  • 人材確保と育成の課題
    事業が個々の人材の知識や能力に大きく依存するため、優秀な人材の継続的な確保と育成が不可欠です。これが計画通りに進まない場合、競争力が低下し、事業拡大が制限され、中長期的な成長が阻害される可能性があります。
  • 景気変動と競合激化
    顧客企業のDXやマーケティング予算は景気変動に強く影響されます。景気後退により予算が縮小すると受注が減少し、売上高が減少するリスクがあります。また、多くの競合企業に加え、生成AI技術の発展により新たな競合が出現する可能性もあり、市場競争が激化するリスクがあります。
  • 技術革新と新規サービスのリスク
    インターネット関連技術や生成AI技術の進化は非常に速く、新しいサービスが次々と登場します。当社がこの技術革新に対応しきれない場合、サービスの競争力が低下する可能性があります。また、新規サービスの開発には追加投資が必要で、収益化までに時間がかかり、全体の利益率が低下するリスクも存在します。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|4,152 文字
3【事業等のリスク】 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。 (1)事業及び事業環境に関するリスク① 人材の確保・育成当社の事業におきましては、個々の人材の知識や能力に依存する要素が大きく、優秀な人材の継続した確保と育成が必要となります。人材確保につきましては、優れた専門性を有した多様性に富む人材の採用に努めるとともに、働き方の多様化に対応した雇用・勤務形態など、労働環境の整備を推進しております。また人材育成については、各種資格の取得を支援する制度を設けているほか、内発的動機を引き出す教育プログラムや人材マネジメントの拡充を図って行く方針です。しかしながら、このような取組みにもかかわらず、優秀な人材の確保及び育成が想定通りに進まなかった場合には、競争力の低下や事業拡大の制約要因となり、中長期的な成長が低下する可能性があります ② 景気変動当社の取引は、顧客企業のDX予算やマーケティング予算の影響を強く受けます。地政学リスクの高まりによる資源価格の高騰や物価上昇による個人消費への影響、昨今の米国関税施策等の外部環境の不確実性の高まりなど、景気の変動によって顧客企業の予算が縮小した場合には、受注が減少し、売上高が減少する可能性があります。また、当社の事業領域に対する企業の投資意欲が後退した場合には、新たな顧客企業の獲得が想定どおりに進まない可能性があり、当社の事業展開、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ③ 競合激化当社の事業領域におきましては、専業の競合企業が複数あるほか、コンサルティング領域の企業や広告代理店、システムインテグレーター、個人事業主等も参入しており、厳しい競合環境にあります。加えて、急速に発展する生成AI技術により新しい競合企業が出現する可能性も考えられます。また、当社の事業は特許等で保護されているものではないため、当社が保有する技術及びノウハウ等が陳腐化し、市場競争力が低下する可能性があります。当社は、優秀な人材の確保・育成や、競争優位性の維持・向上に向けたサービスの拡充、またさらなる成長基盤の開発に努めていく方針ですが、これらの取組みが想定どおりの成果をあげられない場合や、費用が想定以上に増加した場合には、当社の事業展開、業績及び財政状態に大きな影響を与える可能性があります。 ④ 受注案件の採算性当社は、プロジェクト案件の採算性等を十分検討して受注活動を行っておりますが、仕様変更への対応等により、当初の見積り以上の作業工数が必要となる場合があり、想定以上の費用負担によりプロジェクトが不採算化するリスクがあります。また、受注競争の激化や受注拡大に伴う人員不足等に起因した外注費の増加、見積り精度の低下等が生じた場合には、事業全体の採算性の悪化につながり、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。当社ではプロジェクト単位、顧客単位の採算性を可視化し、受注時及びシステム要件定義時のレビュー等の強化をはかり、受注案件の採算性を適正に確保することに努めております。 ⑤ 新規サービス当社は、事業規模の拡大と新たな収益基盤の構築に向けて、新規サービスの開発に対する取組みを継続的に進めて行く方針です。人材の確保やプロダクトの開発等に関する追加投資が発生し、損益が悪化する可能性があるほか、新規サービスが安定して収益を生み出すまでには一定の期間と投資を要する場合も予想され、全体の利益率が低下する可能性があります。当社では、新規サービスの開始や投資に当たっては、投資回収方針等を吟味した上で計画を策定しておりますが、将来の環境変化等により、新規サービスが当初の計画どおりに進捗せず、投資に見合う十分な回収を行うことができなかった場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑥ 技術革新当社は、インターネット関連技術に基づいて事業を展開しておりますが、当該領域の技術革新や顧客ニーズの変化は非常に早く、極めて激しい技術開発競争が行われており、新しいサービスが相次いで市場に展開されています。特に、昨今の生成AI技術の進歩は、社会及び私たちの生活様式をも一変させる可能性があり、当社は、新技術の知見やノウハウの獲得に注力しておりますが、当社が予期しない革新的な技術が開発され、当社の対応が遅れた場合は、当社が提供するサービスの競争力が低下し、当社の事業展開や業績に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑦ M&A当社は、パートナー企業との業務提携や資本提携等を通じて事業の拡大を図っていく方針であり、当社と提携先の持つ技術やノウハウ等を融合することにより、事業シナジーを発揮することを目指しております。M&Aを行う場合には、対象企業の財務内容、契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行い、リスクを回避するように努めておりますが、時間的な制約等から十分なデューデリジェンスが実施できない可能性のほか、買収後において偶発債務の発生等のリスクがあります。また、新サービスを目的とした提携においてはその性質上、当該新サービスによる当社の事業及び業績への影響を確実に予測することは困難であり、当初見込んだ効果が発揮されない場合や、これらの提携等が何らかの理由で解消された場合は、当社の業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。 ⑧ NTTデータとの資本・業務提携当社は、NTTデータと資本・業務提携契約を締結しており、2026年3月31日現在、同社の議決権所有割合は48.5%でありますが、実質的な支配力基準により、当社は同社の連結子会社となっております。当社は自ら経営責任を負い、独立した経営を行うとともに、重要事項等については同社に報告を行っております。現状、同報告は当社の意思を妨げたり、拘束したりするものではなく、同社においても同様の認識であることを確認しておりますが、同社は当社の株主総会における取締役の任免等を通じて当社の経営判断に影響を及ぼし得る立場にあるほか、議決権の行使にあたり、同社の利益は当社の他の株主の利益と一致しない可能性があります。また今後、同社の経営方針や事業戦略が変更された場合、あるいは同社の当社株式の保有比率に大きな変更があった場合等においては、当社の事業運営、業績及び財政状態に大きな影響を及ぼす可能性があります。 ⑨ 特定顧客への依存当社の事業は、インターネット関連投資を行う企業等を主たる顧客としており、顧客の経営方針、戦略等から特定顧客との取引が急激に拡大し、結果として特定顧客への依存度が相対的に高くなる場合があります。当社は、バランスの取れた受注活動を行い、特定顧客への依存度が過度に高くならないように努めておりますが、人材リソースの問題等からこのような依存度が高い状況が発生した場合、主要顧客の戦略の変化や業務上のトラブル、その他何らかの要因等により主要顧客との取引が急激に減少した場合は、当社の業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。 ⑩ AIの活用とガバナンス当社は業務効率化やサービス高度化のため生成AIを含むAI技術を活用しておりますが、今後、各国政府等による新たな規制の整備やガイドラインの策定状況によっては、当社の事業活動が制限を受ける可能性があります。また、AIの出力結果における権利侵害、機密情報の漏洩、正確性・公正性の欠如といった問題が発生した場合、当社の社会的信用の失墜や損害賠償責任の追及等により、当社の業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社は、AI活用に関する社内規程の策定や社内教育の徹底により、これらのリスクの低減に努めておりますが、リスクを完全に排除することは困難であります。 (2)コンプライアンスに関するリスク① 顧客情報、個人情報の漏洩当社が取り扱う機密情報及び個人情報について、漏洩、改竄又は不正使用が生じた場合には、適切な対応を行うための費用や損害賠償請求、また信用の失墜や顧客企業との取引停止等によって、当社の業績及び財政状態に重大な影響を及ぼす可能性があります。当社は、これらの情報管理を事業運営上の重要事項と認識しており、必要なシステム面でのセキュリティ対策や社員教育を継続的に強化して行く方針です。なお、当社は、社団法人情報サービス産業協会よりプライバシーマークの認定(認定番号第11820395)を受けております。 (3)財政状態に関するリスク① 業績の季節偏重当社の業績は、多くの顧客の事業年度末となる3月に納品・検収が集中することから第4四半期会計期間に偏重する傾向があり(3月単月売上高632百万円:通期売上高の17%)、当事業年度におきましては、売上高の30%、営業利益の58%、経常利益の58%を第4四半期会計期間に計上しております。当社は、当該季節的要因を踏まえた受注活動やプロジェクト運営に努めておりますが、顧客企業のスケジュールの変更や人材リソースの不足等により、予定通りに 納品・検収が行われなかった場合には、当社の財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。 (4)その他① 災害等に係るリスク地震、火災等の自然災害や、戦争、テロ、感染症の流行(パンデミック)等が発生し、当社において人的被害または物的被害が生じた場合には、当社の業務の遂行が困難となり、当社の業績及び財政状態に深刻な影響を及ぼす可能性があります。当社では危機管理規程を定め、平時より危機管理対策委員会を中心に災害等への備えを行い、インシデントが発生した場合には、非常事態宣言を発令し、危機管理対策委員会を中心に対応を行うとともに、インシデントの種類や内容に応じて事業継続計画(BCP)を発令し、当社の事業継続を確保する体制を執っております。

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