3626

TISI(3626)は何で稼いでいるか — 事業の柱と依存度

情報・通信業 情報通信・サービスその他

事業の概要

  • ITサービス全般の提供
    TISグループは、情報化投資に関わるアウトソーシングやクラウドサービス、ソフトウェア開発、ソリューション提供を主軸としています。これらに付随するコンサルティングや管理業務も手掛け、幅広いITニーズに対応しています。
  • 多角的な事業セグメント
    オファリングサービス、金融IT、産業IT、BPM(ビジネスプロセス管理)、広域ITソリューションなど、専門性の高い複数の事業セグメントを展開しています。これにより、多様な顧客層と業界の課題解決を支援し、収益源を分散しています。
  • グループ会社による事業展開
    当社(TIS)を中心に、連結子会社49社と持分法適用会社60社で構成される大規模なグループです。各子会社が特定の事業領域や地域で専門性を発揮し、グループ全体で包括的なITサービスを提供することで収益を上げています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
セグメント構成
  • オファリングサービス事業
    自社投資で構築したサービス基盤に基づき、知識集約型のITサービスを提供する事業です。グループに蓄積されたベストプラクティスを活用し、顧客に高付加価値なソリューションを提供しており、売上1316.67億円、営業利益99.37億円と主要な収益源の一つです。
  • 広域ITソリューション事業
    地域や顧客サイトを含め、広範にITプロフェッショナルサービスを提供し、そのノウハウをソリューションとして展開する事業です。顧客の課題解決や事業推進を支援しており、売上1704.37億円、営業利益215.76億円とグループ内で最も大きな売上と利益を上げています。
  • 金融IT事業と産業IT事業
    金融業界に特化した専門的なIT戦略支援や、金融以外の産業分野に特化したIT戦略支援を行う事業です。金融ITは売上989.18億円、営業利益123.21億円、産業ITは売上1276.34億円、営業利益193.3億円と、それぞれの専門分野で安定した収益を確保しています。
2025-03 セグメント別業績
セグメント区分売上(億)営業利益(億)営業利益率
OfferingServiceBusiness 地域 1,317 99 7.5%
BusinessProcessManagement 地域 405 53 13.1%
FinancialITBusiness 地域 989 123 12.5%
IndustrialITBusiness 地域 1,276 193 15.1%
RegionalITSolutions 地域 1,704 216 12.7%
有価証券報告書「事業の内容」の全文を見る(年度切替)
FY2026|1,088 文字
3【事業の内容】当社グループは、主として当社、連結子会社50社及び持分法適用会社62社で構成されています。主な業務は、情報化投資に関わるアウトソーシング業務・クラウドサービス、ソフトウェア開発、ソリューションの提供であり、これらの業務に関連するコンサルティング業などの業務も行っております。また、管理事業など付帯関連する業務についてもサービスを提供しております。 当社グループの事業内容と連結子会社並びに持分法適用会社の当該事業に係る位置づけを報告セグメントの区分で示すと次のとおりであります。当社は、オファリングサービス、金融IT、産業ITの各セグメントにおいて、グループの中心となって事業を展開しています。なお、オファリングサービス、BPM、金融IT、産業IT、広域ITソリューションは、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」に掲げる報告セグメントの区分と同一であります。 (1) オファリングサービス当社グループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供しております。〔主な連結子会社〕TISシステムサービス株式会社、日本ICS株式会社、MFEC Public Company Limited、Synergy Group Ventures Company Limited (2) BPMビジネスプロセスに関する課題解決に向けてIT技術、業務ノウハウ、人材などで高度化・効率化・アウトソーシングを実現・提供しております。〔主な連結子会社〕株式会社アグレックス (3) 金融IT金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しております。 (4) 産業IT金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しております。〔主な連結子会社〕クオリカ株式会社、AJS株式会社 (5) 広域ITソリューションITのプロフェッショナルサービスを地域や顧客サイトを含み、広範に提供し、そのノウハウをソリューションとして蓄積・展開して、課題解決や事業推進を支援しております。〔主な連結子会社〕株式会社インテック、TISソリューションリンク株式会社 (6) その他各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成されています。〔主な連結子会社〕TISビジネスサービス株式会社、ソランピュア株式会社 以上述べた事項を事業系統図によって示すと次のとおりであります。

事業の優位性(モート)

事業の質(有価証券報告書から抽出)
数字に出ない事業の性質を、同じ物差しで全銘柄そろえています。FY2025時点の記載が出典です。
価格決定力値上げを通せるか。強いほどインフレ耐性が高い 中程度
高付加価値のソリューション提供と競合他社との差別化を図っているため。
参入障壁新規参入を阻む要因の種類 技術
情報化投資に関わるアウトソーシング業務・クラウドサービス、ソフトウェア開発、ソリューション提供のノウハウ。
景気敏感度業績が景気循環にどれだけ振られるか 中程度
設備投資の性質稼いだ現金がどれだけ設備維持に消えるか 混合
会社が挙げる主要リスク:人材の確保・育成が想定通りに進まないリスク / 市場・景気の変化による技術やサービスの陳腐化 / 投資案件の計画未達や資産陳腐化のリスク
同じ条件で他の銘柄を探す → 定性スクリーニング(価格決定力・参入障壁・景気敏感度などで絞り込めます)
モート総合 7 / 25 5類型それぞれの強度と、そう判定した根拠
無形資産☆☆☆☆☆
根拠:弱いブランド・特許・許認可

TIS(3626)はシステムインテグレーターであり、特定の強力なブランド、特許、規制ライセンス、または独占的IPに依存するビジネスモデルではない。技術力や顧客基盤は存在するが、これらは模倣や代替が比較的容易であり、無形資産としての持続的競争優位性は限定的と評価される。

スイッチングコスト★★★☆☆
根拠:中程度乗り換えの手間・コスト

TISは、企業の基幹システム開発・運用・保守を手掛けており、顧客企業はシステム移行に伴う多大なコスト(開発費、トレーニング費、業務停止リスク)を懸念するため、安易なベンダー変更は難しい。特に、長年運用されているレガシーシステムや、複雑な業務プロセスに深く組み込まれたシステムにおいては、スイッチング・コストは高い。

ネットワーク効果☆☆☆☆☆
根拠:弱い利用者増が価値を生む

TISのビジネスモデルは、個々の顧客との個別契約に基づいており、ユーザー数の増加がサービスの価値を直接的に高めるネットワーク効果は発生しない。プラットフォーム型ビジネスとは異なり、顧客間の相互作用やデータ共有による価値向上は見られない。

コスト優位★☆☆☆☆
根拠:弱い同じ物を安く作れる

システムインテグレーション業界は競争が激しく、価格競争に陥りやすい。TISは一定の規模と効率性を持つが、他社と比較して構造的に圧倒的なコスト優位性を確立しているとは言えない。オフショア開発の活用や業務効率化努力は行っているものの、それが持続的な競争優位となるほどのレベルではない。

規模の経済★★★☆☆
根拠:中程度規模が参入障壁になる

TISは国内有数のシステムインテグレーターであり、大規模プロジェクトの遂行能力や多様な業界への対応力を持つ。この規模は、中小規模のSIerでは対応できない案件を獲得する上で有利に働く。しかし、富士通、NTTデータ、NECといったさらに巨大な競合も存在するため、業界全体で見た場合の効率規模の優位性は限定的である。

  • 幅広いITサービスとノウハウ
    TISグループは、アウトソーシング、クラウド、ソフトウェア開発、コンサルティングなど多岐にわたるITサービスを提供しています。長年培ってきたベストプラクティスと専門的なノウハウが強みで、顧客の多様な課題に合わせた高付加価値なソリューションを提供できる点が競争優位性となっています。
  • 多様な業界特化型ソリューション
    金融IT、産業IT、BPMなど、特定の業界や業務プロセスに特化した専門的なビジネス・業務ノウハウを保有しています。これにより、各業界の深い理解に基づいた質の高いサービスを提供し、顧客との強固な関係を築き、他社との差別化を図っています。
  • 大規模なグループ体制
    連結子会社49社、持分法適用会社60社からなる大規模なグループ体制は、広範な地域や多様な顧客ニーズに対応できる基盤となっています。これにより、各分野の専門性を結集し、大規模プロジェクトや複雑な課題にも柔軟に対応できる組織力と実行力を有しています。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)

経営戦略

有価証券報告書「経営方針・対処すべき課題・MD&A」の全文を見る(年度切替)
経営方針・経営戦略
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループ共通の価値観として、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を策定しています。「OUR PHILOSOPHY」は、グループの経営、企業活動、構成員において、大切にする考え方やあり方を幅広く明確化し、全ての活動の軸となります。当社グループは、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を軸としたサステナビリティ経営を遂行し、事業活動を通じた社会課題の解決と社会要請に対応した経営高度化を通じたステークホルダーとの価値交換性を向上することにより、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上の実現を目指しています。当社グループのサステナビリティに関する情報につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。また、グループ全員が力を結集して理想の実現と持続的な企業価値向上に向かうため、10年先の目指すべき姿をグループビジョンとして定めています。グループビジョンは内外環境の変化を踏まえて2024年4月に最新版となる「グループビジョン2032」を策定しています。 (OUR PHILOSOPHY:グループ基本理念)https://www.tis.co.jp/company/policy/philosophy/ (グループビジョン2032:長期経営方針)「社会に、多彩に、グローバルに」をテーマに、社会性と革新性を併せ持つ先進的なグローバルITグループとなることを目指します。社会課題解決に向けて、革新的な技術の積極採用や異業種能力を取り込みながら事業の多彩化とグローバル化を進め、ビジネスの革新と市場創造を実現します。当社グループが持続的な成長を実現するための独自の事業活動領域を戦略ドメインとして定義し、各セグメントは市場特性を踏まえた戦略ドメインのベストミックスで市場の開拓と創造を図ります。 <戦略ドメイン>ソーシャルイノベーションサービス社会インパクト指標を掲げ、当社グループが直接的に社会課題解決を行う事業コ・クリエーションビジネス当社グループ単独ではなしえない領域において、当社グループと共創パートナーそれぞれが有する強みをかけ合わせ、新たな市場を創造する事業ストラテジックパートナーシップビジネス業界トップクラスの顧客に対して業界に関する先見性と他社が追随できない知見を武器として、事業戦略を共に検討・推進し、ビジネスの根幹を担う事業IT&ビジネスオファリングサービス蓄積した技術・ノウハウを活用し、特定業界・業務において業界ニーズに先回りした将来のデファクトスタンダードとなりうるサービスを提供する事業(2)経営課題政治的・地政学的リスクや世界的な物価上昇など注視すべき事象は存在するものの、国内企業のIT投資需要は引き続き旺盛であり、当社グループにとって良好な事業環境が継続すると考えています。AIエージェントをはじめとした革新的技術の実用化が急速に進み、デジタル活用ニーズはさらなる拡大・高度化を続けています。一方、グローバルITプラットフォーマーや異業種プレイヤーの参入活発化に加え、AI自身が開発プロセスを変革しうる構造変化が進んでおり、競争環境は質的変容を遂げています。こうした環境変化を踏まえ、当社グループは2026年7月にTISとインテックを合併し、新会社「TISI株式会社」を発足させます。本合併は単なる組織統合にとどまらず、One Companyとしての一体経営を実現し、両社の顧客基盤・技術・人材を融合させることで総和拡大を最大化することを目的としています。両社の顧客基盤・技術・人材を一体化することで、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」の4つの社会課題解決に向けた総合的な提供価値の向上と、競争力強化の好循環を実現してまいります。あわせて、グループ再編を通じた最適フォーメーションの構築により、グループ全体のリソース配置と意思決定の効率を抜本的に見直し、更なる経営効率の向上を追求してまいります。当社グループの強みである顧客・業界への深い理解を磨き上げ、多様なプレイヤーとの共創を通じて課題解決能力を強化・拡張することが重要と考えています。当社グループの経営課題認識は以下の通りです。 ①成長領域への積極進出収益基盤の継続強化を図るとともに、付加価値の高いサービスと技術、人材を生み出す環境を整備②課題解決能力の強化と拡張社会と顧客の真の課題に対する洞察力の向上と、これまでの枠にとらわれない課題解決手法の獲得③人材の高度化人材の高付加価値化と競争力ある報酬水準の実現④新技術の実用化に向けたアジリティの獲得新技術の継続的な評価と現場適用を牽引できる高度技術人材の育成、およびナレッジベースの整備⑤知財の蓄積/活用の促進事業構造転換と事業のスケール化を実現する良質な知財の蓄積と利活用促進⑥ガバナンス高度化意欲的な成長計画を支えるガバナンスの更なる高度化⑦事業ポートフォリオ最適化上記を実現し、最小の資本で最大成果を生み出す最適事業構成の追求⑧事業モデル転換の加速労働集約型ビジネスからの脱却、成果・サービス・プロダクト型収益の拡大⑨統合シナジーの実現One Companyとしての一体経営の実現と総和拡大 当社グループは、2024年4月より推進する中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」において、前中期経営期間の投資と顧客基盤構築の成果を土台に、グループビジョン2032のファーストステージとして差別化・集中化を進めてまいりました。本中期経営計画の最終年度にあたる2026年度は、新会社「TISI株式会社」の発足という構造転換を伴う重要な節目であり、上記の経営課題認識を踏まえ、現中期経営計画の総仕上げと次期中期経営計画に向けた布石を両立させてまいります。 <中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」の位置づけ> (3)中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」について当社グループは、全方位のステークホルダーとの価値交換を通じて、継続的な事業拡大と持続可能な社会の実現を目指し、社会の課題解決に向けた戦略立案から解決策の実行まで一気通貫の価値提供を目指してまいります。中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」では、フロンティア開拓を基本方針に、未来志向で市場開拓と事業領域の拡大を起点としたバリューチェーン全般の質的向上に向けて取り組んでまいります。 ■市場戦略/セグメント全体戦略セグメント毎に特性を踏まえた多様なサービスの展開を通じて事業領域を拡大、持続的成長に向けた事業基盤の継続強化を図ります。各セグメントにおける成長戦略は以下の通りです。 オファリングサービス・多様なキャッシュレスニーズに対応しながら、新たに社会課題領域に金融・決済の強みを持つ事業主体として事業領域を拡大・投資マネジメント高度化により収益力を向上BPM・一部BPO業務の市場縮小が進む中、ニーズの高いCX領域の拡大や他セグメントと連携したサービス拡充など、事業ポートフォリオを見直し成長路線へ回帰金融IT・大型プロジェクト完遂によるピークアウトを迎えるが、顧客との共創事業創出やモダナイゼーションビジネス展開し新規顧客を獲得、顧客基盤の分散を図りながら次なる成長基盤を確立産業IT・製造業・エネルギー・社会インフラを中心に顧客深耕とサービス展開を推進・ERP、モダナイゼーションなど多様なサービスを強みに既存顧客の発展と新規顧客の獲得を進める広域ITソリューション・5つの注力領域(行政、医療、金融、産業、インフラ)において顧客密着で培った独自のITソリューションを全国展開 ■市場戦略/グローバル戦略莫大なマーケットポテンシャルを持つアジアを長期ターゲットとして、グローバルパートナーシップを広げながら、ASEANでのビジネス拡大をさせ、連結売上高1,000億円を目指します。事業のリストラクチャリング・コンサルティングとITの融合による事業全体の高付加価値化の推進と、テクノロジー投資機能の高度化の両輪によりスピード感もったビジネスを展開します。 ■サービス戦略社会の潮流の変化、革新的な技術の登場により顧客ニーズの多様化が進んでいます。このような中、社会と顧客の変革を支えていくためサービスの拡充と高付加価値化による市場開拓を進めてまいります。金融ITと産業ITは主に業界軸での市場開拓、オファリングサービス、BPM、広域ITソリューションは機能軸での市場開拓を進め、それぞれの事業指針に沿ったサービスを展開していきます。 ■テクノロジー戦略要素技術の進化と多様化は目覚ましいものがあり、これら技術への早期適応が競争力に大きく影響するものと認識しています。世の中のテクノロジーの中から当社グループとして重要なものを選定したテクノロジーポートフォリオをもとに、これら技術の先回り研究と現場への早期適用を図るための総合的な施策を展開してまいります。短期では社員のAIの利用促進に向けた環境整備、社内の様々な業務でAI活用を前提としたプロセスの再開発、AI教育カリキュラムの整備と教育等を進めます。並行してデジタルとリアルの融合が進む中で求められる大量データの転送技術や関連アルゴリズムなど、3年から10年後の事業の差別化の核となる複数の技術とそれらを組み合わせた応用研究を産学連携によって進めてまいります。 ■人材戦略社員と会社の価値交換性の継続的な高度化を実現するために、個の多様化と先鋭化に着目した人材戦略を推進してまいります。多様な個が活躍できる環境・組織風土の整備、新たな労働環境を見据えた次世代の働き方改革の推進、人材データベースのデジタル化による人材ポートフォリオマネジメントの高度化などを通して、社員のエンゲージメント向上に取り組んでまいります。当社では人材を最重要の経営資本として、人材に対する先行投資を積極的に推進してきました。人材戦略では「働く意義」「働く環境」「報酬」の3つの軸で社員エンゲージメントを高める人材投資を進めており、引き続き、会社と社員と社会の高付加価値化の善循環を強化することで当社のさらなる成長と、成長を実現する内外の優秀人材の確保に努めてまいります。中期経営計画(2024-2026)では、課題解決力の強化、洞察力の強化、統合力の強化をテーマとして、重点をコンサルタント、高度営業人材、ITアーキテクトの拡充に置き、その育成と獲得に向けた投資と仕組みづくりを進めてまいります。 ■知財戦略当社グループのサービスとサービス提供プロセスを強化し、事業規模の拡大と高付加価値化の両立を実現していくため、知財の蓄積と高度利用がますます重要になると考えています。中期経営計画(2024-2026)では、顧客接点情報のフィードバック強化による知財創出の活性化を図ります。価値の高いサービスと満足度の高いサービス提供プロセスが、顧客とのコミュニケーションを良質化させ、既存の知財のアップデートと次なる知財につながる価値の高い情報を生み出す善循環を強化していきます。 ■財務方針/資本政策に関する基本的な方針当社は、持続的な企業価値の向上に向けて、中長期の経営視点から、成長投資の推進・財務健全性の確保・株主還元の強化のバランスのもと、資本構成の適正化を推進することを資本政策の基本方針としています。具体的には、持続的な事業利益の成長・収益性向上によるキャッシュ創出力の強化を図るため、積極的に成長投資を推進し、この一環として事業ポートフォリオの見直しも継続的に検討・実施します。また、バランスシートマネジメントの強化等を通じて当社の事業構造に合わせた資本構成の適正化を推進することにより、財務健全性を確保した上で資本コストを上回るリターンを持続的に創出します。株主還元については事業成長に応じた強化・充実化を図ります。上記に基づき、中期経営計画(2024-2026)では、成長投資3年累計1,000億円、総還元性向50%、キャッシュ創出力の向上に応じた資本構成の適正化を図ってまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画(2024-2026)では、社会への貢献を測る客観的な指標として、「売上高6,200億円」「営業利益(営業利益率)810億円(13.1%)」「EPS年平均成長率10%超」「ROIC/ROE 13%超/16%超」「一人当たり営業利益3.5百万円超」を掲げています。中期経営計画2年目は、決済分野の先行投資や公共領域の不採算案件による影響を受けつつも、IT投資需要への的確な対応により増収増益を達成し、PH営業利益3.5百万円と中期経営計画目標を1年前倒しで実現しました。最終年度に向け、売上成長を伴う利益成長の一層の加速を図り、「フロンティア開拓」をグループ全体で推進します。今後の重点課題は、AIの急速な進化および普及に伴い加速する事業環境の変化に対応し、当社グループを取り巻く新たな成長機会を的確に捉えることです。当社グループは、この変化を成長機会と捉え、グループ全体のバリューチェーン強化とAI時代における成長戦略の推進により、長期にありたい姿の実現に向けて取り組みを進めてまいります。次期中期経営計画に向けては、①AI駆動開発による収益の質的転換、②Vertical AI(業界ごとの業務に特化したエージェント型AI)サービスによるストック型収益の拡大、③重点領域への戦略投資による収益モデルの多様化を重点戦略とし、検討を進めてまいります。 <重要な経営指標の進捗状況> 2024年度(実績)2025年度(修正計画)2025年度(実績)2026年度(目標)PH営業利益3.1百万円3.4百万円3.5百万円3.7百万円営業利益率12.1%12.8%12.8%13.1%ROIC12.6%13.6%14.9%14.4%ROE15.3%14.8%14.0%17.5%売上高5,716億円5,880億円5,964億円6,200億円EPS215.00円220.70円204.91円271.70円 <中期経営計画(2024-2026)に対する取り組み 2025年度(2026年3月期)総括>
対処すべき課題
1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。 (1)経営方針当社グループ共通の価値観として、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を策定しています。「OUR PHILOSOPHY」は、グループの経営、企業活動、構成員において、大切にする考え方やあり方を幅広く明確化し、全ての活動の軸となります。当社グループは、グループ基本理念「OUR PHILOSOPHY」を軸としたサステナビリティ経営を遂行し、事業活動を通じた社会課題の解決と社会要請に対応した経営高度化を通じたステークホルダーとの価値交換性を向上することにより、持続可能な社会への貢献と持続的な企業価値向上の実現を目指しています。当社グループのサステナビリティに関する情報につきましては、「第2 事業の状況 2 サステナビリティに関する考え方及び取組」をご参照下さい。また、グループ全員が力を結集して理想の実現と持続的な企業価値向上に向かうため、10年先の目指すべき姿をグループビジョンとして定めています。グループビジョンは内外環境の変化を踏まえて2024年4月に最新版となる「グループビジョン2032」を策定しています。 (OUR PHILOSOPHY:グループ基本理念)https://www.tis.co.jp/company/policy/philosophy/ (グループビジョン2032:長期経営方針)「社会に、多彩に、グローバルに」をテーマに、社会性と革新性を併せ持つ先進的なグローバルITグループとなることを目指します。社会課題解決に向けて、革新的な技術の積極採用や異業種能力を取り込みながら事業の多彩化とグローバル化を進め、ビジネスの革新と市場創造を実現します。当社グループが持続的な成長を実現するための独自の事業活動領域を戦略ドメインとして定義し、各セグメントは市場特性を踏まえた戦略ドメインのベストミックスで市場の開拓と創造を図ります。 <戦略ドメイン>ソーシャルイノベーションサービス社会インパクト指標を掲げ、当社グループが直接的に社会課題解決を行う事業コ・クリエーションビジネス当社グループ単独ではなしえない領域において、当社グループと共創パートナーそれぞれが有する強みをかけ合わせ、新たな市場を創造する事業ストラテジックパートナーシップビジネス業界トップクラスの顧客に対して業界に関する先見性と他社が追随できない知見を武器として、事業戦略を共に検討・推進し、ビジネスの根幹を担う事業IT&ビジネスオファリングサービス蓄積した技術・ノウハウを活用し、特定業界・業務において業界ニーズに先回りした将来のデファクトスタンダードとなりうるサービスを提供する事業(2)経営課題政治的・地政学的リスクや世界的な物価上昇など注視すべき事象は存在するものの、国内企業のIT投資需要は引き続き旺盛であり、当社グループにとって良好な事業環境が継続すると考えています。AIエージェントをはじめとした革新的技術の実用化が急速に進み、デジタル活用ニーズはさらなる拡大・高度化を続けています。一方、グローバルITプラットフォーマーや異業種プレイヤーの参入活発化に加え、AI自身が開発プロセスを変革しうる構造変化が進んでおり、競争環境は質的変容を遂げています。こうした環境変化を踏まえ、当社グループは2026年7月にTISとインテックを合併し、新会社「TISI株式会社」を発足させます。本合併は単なる組織統合にとどまらず、One Companyとしての一体経営を実現し、両社の顧客基盤・技術・人材を融合させることで総和拡大を最大化することを目的としています。両社の顧客基盤・技術・人材を一体化することで、「金融包摂」「都市集中・地方衰退」「低・脱炭素化」「健康問題」の4つの社会課題解決に向けた総合的な提供価値の向上と、競争力強化の好循環を実現してまいります。あわせて、グループ再編を通じた最適フォーメーションの構築により、グループ全体のリソース配置と意思決定の効率を抜本的に見直し、更なる経営効率の向上を追求してまいります。当社グループの強みである顧客・業界への深い理解を磨き上げ、多様なプレイヤーとの共創を通じて課題解決能力を強化・拡張することが重要と考えています。当社グループの経営課題認識は以下の通りです。 ①成長領域への積極進出収益基盤の継続強化を図るとともに、付加価値の高いサービスと技術、人材を生み出す環境を整備②課題解決能力の強化と拡張社会と顧客の真の課題に対する洞察力の向上と、これまでの枠にとらわれない課題解決手法の獲得③人材の高度化人材の高付加価値化と競争力ある報酬水準の実現④新技術の実用化に向けたアジリティの獲得新技術の継続的な評価と現場適用を牽引できる高度技術人材の育成、およびナレッジベースの整備⑤知財の蓄積/活用の促進事業構造転換と事業のスケール化を実現する良質な知財の蓄積と利活用促進⑥ガバナンス高度化意欲的な成長計画を支えるガバナンスの更なる高度化⑦事業ポートフォリオ最適化上記を実現し、最小の資本で最大成果を生み出す最適事業構成の追求⑧事業モデル転換の加速労働集約型ビジネスからの脱却、成果・サービス・プロダクト型収益の拡大⑨統合シナジーの実現One Companyとしての一体経営の実現と総和拡大 当社グループは、2024年4月より推進する中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」において、前中期経営期間の投資と顧客基盤構築の成果を土台に、グループビジョン2032のファーストステージとして差別化・集中化を進めてまいりました。本中期経営計画の最終年度にあたる2026年度は、新会社「TISI株式会社」の発足という構造転換を伴う重要な節目であり、上記の経営課題認識を踏まえ、現中期経営計画の総仕上げと次期中期経営計画に向けた布石を両立させてまいります。 <中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」の位置づけ> (3)中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」について当社グループは、全方位のステークホルダーとの価値交換を通じて、継続的な事業拡大と持続可能な社会の実現を目指し、社会の課題解決に向けた戦略立案から解決策の実行まで一気通貫の価値提供を目指してまいります。中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」では、フロンティア開拓を基本方針に、未来志向で市場開拓と事業領域の拡大を起点としたバリューチェーン全般の質的向上に向けて取り組んでまいります。 ■市場戦略/セグメント全体戦略セグメント毎に特性を踏まえた多様なサービスの展開を通じて事業領域を拡大、持続的成長に向けた事業基盤の継続強化を図ります。各セグメントにおける成長戦略は以下の通りです。 オファリングサービス・多様なキャッシュレスニーズに対応しながら、新たに社会課題領域に金融・決済の強みを持つ事業主体として事業領域を拡大・投資マネジメント高度化により収益力を向上BPM・一部BPO業務の市場縮小が進む中、ニーズの高いCX領域の拡大や他セグメントと連携したサービス拡充など、事業ポートフォリオを見直し成長路線へ回帰金融IT・大型プロジェクト完遂によるピークアウトを迎えるが、顧客との共創事業創出やモダナイゼーションビジネス展開し新規顧客を獲得、顧客基盤の分散を図りながら次なる成長基盤を確立産業IT・製造業・エネルギー・社会インフラを中心に顧客深耕とサービス展開を推進・ERP、モダナイゼーションなど多様なサービスを強みに既存顧客の発展と新規顧客の獲得を進める広域ITソリューション・5つの注力領域(行政、医療、金融、産業、インフラ)において顧客密着で培った独自のITソリューションを全国展開 ■市場戦略/グローバル戦略莫大なマーケットポテンシャルを持つアジアを長期ターゲットとして、グローバルパートナーシップを広げながら、ASEANでのビジネス拡大をさせ、連結売上高1,000億円を目指します。事業のリストラクチャリング・コンサルティングとITの融合による事業全体の高付加価値化の推進と、テクノロジー投資機能の高度化の両輪によりスピード感もったビジネスを展開します。 ■サービス戦略社会の潮流の変化、革新的な技術の登場により顧客ニーズの多様化が進んでいます。このような中、社会と顧客の変革を支えていくためサービスの拡充と高付加価値化による市場開拓を進めてまいります。金融ITと産業ITは主に業界軸での市場開拓、オファリングサービス、BPM、広域ITソリューションは機能軸での市場開拓を進め、それぞれの事業指針に沿ったサービスを展開していきます。 ■テクノロジー戦略要素技術の進化と多様化は目覚ましいものがあり、これら技術への早期適応が競争力に大きく影響するものと認識しています。世の中のテクノロジーの中から当社グループとして重要なものを選定したテクノロジーポートフォリオをもとに、これら技術の先回り研究と現場への早期適用を図るための総合的な施策を展開してまいります。短期では社員のAIの利用促進に向けた環境整備、社内の様々な業務でAI活用を前提としたプロセスの再開発、AI教育カリキュラムの整備と教育等を進めます。並行してデジタルとリアルの融合が進む中で求められる大量データの転送技術や関連アルゴリズムなど、3年から10年後の事業の差別化の核となる複数の技術とそれらを組み合わせた応用研究を産学連携によって進めてまいります。 ■人材戦略社員と会社の価値交換性の継続的な高度化を実現するために、個の多様化と先鋭化に着目した人材戦略を推進してまいります。多様な個が活躍できる環境・組織風土の整備、新たな労働環境を見据えた次世代の働き方改革の推進、人材データベースのデジタル化による人材ポートフォリオマネジメントの高度化などを通して、社員のエンゲージメント向上に取り組んでまいります。当社では人材を最重要の経営資本として、人材に対する先行投資を積極的に推進してきました。人材戦略では「働く意義」「働く環境」「報酬」の3つの軸で社員エンゲージメントを高める人材投資を進めており、引き続き、会社と社員と社会の高付加価値化の善循環を強化することで当社のさらなる成長と、成長を実現する内外の優秀人材の確保に努めてまいります。中期経営計画(2024-2026)では、課題解決力の強化、洞察力の強化、統合力の強化をテーマとして、重点をコンサルタント、高度営業人材、ITアーキテクトの拡充に置き、その育成と獲得に向けた投資と仕組みづくりを進めてまいります。 ■知財戦略当社グループのサービスとサービス提供プロセスを強化し、事業規模の拡大と高付加価値化の両立を実現していくため、知財の蓄積と高度利用がますます重要になると考えています。中期経営計画(2024-2026)では、顧客接点情報のフィードバック強化による知財創出の活性化を図ります。価値の高いサービスと満足度の高いサービス提供プロセスが、顧客とのコミュニケーションを良質化させ、既存の知財のアップデートと次なる知財につながる価値の高い情報を生み出す善循環を強化していきます。 ■財務方針/資本政策に関する基本的な方針当社は、持続的な企業価値の向上に向けて、中長期の経営視点から、成長投資の推進・財務健全性の確保・株主還元の強化のバランスのもと、資本構成の適正化を推進することを資本政策の基本方針としています。具体的には、持続的な事業利益の成長・収益性向上によるキャッシュ創出力の強化を図るため、積極的に成長投資を推進し、この一環として事業ポートフォリオの見直しも継続的に検討・実施します。また、バランスシートマネジメントの強化等を通じて当社の事業構造に合わせた資本構成の適正化を推進することにより、財務健全性を確保した上で資本コストを上回るリターンを持続的に創出します。株主還元については事業成長に応じた強化・充実化を図ります。上記に基づき、中期経営計画(2024-2026)では、成長投資3年累計1,000億円、総還元性向50%、キャッシュ創出力の向上に応じた資本構成の適正化を図ってまいります。 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等中期経営計画(2024-2026)では、社会への貢献を測る客観的な指標として、「売上高6,200億円」「営業利益(営業利益率)810億円(13.1%)」「EPS年平均成長率10%超」「ROIC/ROE 13%超/16%超」「一人当たり営業利益3.5百万円超」を掲げています。中期経営計画2年目は、決済分野の先行投資や公共領域の不採算案件による影響を受けつつも、IT投資需要への的確な対応により増収増益を達成し、PH営業利益3.5百万円と中期経営計画目標を1年前倒しで実現しました。最終年度に向け、売上成長を伴う利益成長の一層の加速を図り、「フロンティア開拓」をグループ全体で推進します。今後の重点課題は、AIの急速な進化および普及に伴い加速する事業環境の変化に対応し、当社グループを取り巻く新たな成長機会を的確に捉えることです。当社グループは、この変化を成長機会と捉え、グループ全体のバリューチェーン強化とAI時代における成長戦略の推進により、長期にありたい姿の実現に向けて取り組みを進めてまいります。次期中期経営計画に向けては、①AI駆動開発による収益の質的転換、②Vertical AI(業界ごとの業務に特化したエージェント型AI)サービスによるストック型収益の拡大、③重点領域への戦略投資による収益モデルの多様化を重点戦略とし、検討を進めてまいります。 <重要な経営指標の進捗状況> 2024年度(実績)2025年度(修正計画)2025年度(実績)2026年度(目標)PH営業利益3.1百万円3.4百万円3.5百万円3.7百万円営業利益率12.1%12.8%12.8%13.1%ROIC12.6%13.6%14.9%14.4%ROE15.3%14.8%14.0%17.5%売上高5,716億円5,880億円5,964億円6,200億円EPS215.00円220.70円204.91円271.70円 <中期経営計画(2024-2026)に対する取り組み 2025年度(2026年3月期)総括>
MD&A(経営者による分析)
4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】(1)経営成績等の状況の概要当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりとなります。 ① 財政状態及び経営成績の状況当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策による影響が一部製造業を中心にみられたものの、緩やかに回復しました。先行きについては、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により回復することが期待される一方、米国の通商政策をめぐる動向や金融資本市場の変動の影響等に加え、特に中東情勢の緊迫化に伴う原油価格の高騰等のリスクに十分注意する必要があります。当社グループの属する情報サービス産業においては、期中に公表された日銀短観におけるソフトウェア投資計画(金融機関を含む全産業)がいずれも前年度比増加を示す等、AIが急速に進化及び普及し、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革がグローバルで進展する中で、IT投資需要の更なる増加が期待されています。このような状況の中、当社グループは、「グループビジョン2032」の達成に向けて、現在遂行中の中期経営計画(2024-2026)の基本方針に沿って、付加価値を伴った持続的成長を目指すとともに、未来志向で市場開拓と事業領域の拡大を起点としたバリューチェーン全般の質的向上により、社会と顧客の変革の実現を目指してまいります。この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。 a.財政状態(単位:百万円) 前連結会計年度(2025年3月31日)当連結会計年度(2026年3月31日)増減額流動資産319,080295,295△23,785固定資産238,970256,211+17,241資産合計558,051551,507△6,544流動負債153,210164,190+10,980固定負債48,77549,589+813負債合計201,986213,780+11,793純資産合計356,064337,726△18,337 (資産)当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,544百万円減少の551,507百万円(前連結会計年度末558,051百万円)となりました。これは主に建物及び構築物・土地がシステム運用業務における長期安定的な事業継続性の確保を目的とした不動産信託受益権の分割取得等により9,572百万円増加、前払費用が6,848百万円増加、運用資産の時価評価等により退職給付に係る資産が5,927百万円増加した一方、有価証券が償還等により28,487百万円減少したこと等によるものであります。 (負債)当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ11,793百万円増加の213,780百万円(前連結会計年度末201,986百万円)となりました。これは主に未払費用等の減少により流動負債その他が7,939百万円減少した一方、前受金等の増加により契約負債が9,897百万円増加、訴訟の和解成立により訴訟損失引当金を7,434百万円計上したこと等によるものであります。なお、有利子負債合計としては、前連結会計年度末に比べ2,187百万円減少の34,824百万円(前連結会計年度末37,012百万円)となり、有利子負債比率も6.3%(前連結会計年度末比0.3ポイント減)となりました。(注)有利子負債にはリース債務を含めておりません。 (純資産)純資産は、前連結会計年度末に比べ18,337百万円減少の337,726百万円(前連結会計年度末356,064百万円)となりました。これは主に株主資本が、親会社株主に帰属する当期純利益により46,624百万円増加した一方、自己株式の取得等により54,266百万円減少、剰余金の配当により17,096百万円減少したこと等によるものであります。 セグメント別の財政状態は以下のとおりです。 イ.オファリングサービスセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて9,413百万円増加し、218,290百万円となりました。ロ.BPMセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて3,469百万円増加し、17,254百万円となりました。ハ.金融ITセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて20,057百万円減少し、70,579百万円となりました。ニ.産業ITセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて12,775百万円減少し、74,479百万円となりました。ホ.広域ITソリューションセグメント資産は、前連結会計年度末に比べて3,721百万円増加し、130,829百万円となりました。 b.経営成績当連結会計年度の業績は、売上高596,479百万円(前期比4.3%増)、営業利益76,229百万円(同10.4%増)、経常利益76,511百万円(同8.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益46,624百万円(同6.8%減)となりました。(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前期比売上高571,687596,479+4.3%売上原価411,480428,145+4.0%売上総利益160,206168,334+5.1%売上総利益率28.0%28.2%+0.2P販売費及び一般管理費91,15892,105+1.0%営業利益69,04776,229+10.4%営業利益率12.1%12.8%+0.7P経常利益70,50376,511+8.5%親会社株主に帰属する当期純利益50,01246,624△6.8% 売上高については、顧客のデジタル変革をはじめとするIT投資需要への的確な対応やサービス提供の推進による事業拡大等が貢献し、前期を上回りました。営業利益については、増収に伴う増益分に加え、最重要の経営資本である人材への投資をはじめとする成長投資を積極的に実行する一方で、高付加価値ビジネスの提供や生産性向上施策の推進、不採算案件の減少影響により前期比で増益となりました。収益性については、売上総利益率は28.2%(前期比0.2ポイント増)、営業利益率は12.8%(同0.7ポイント増)となりました。経常利益は営業利益の増加により前期比増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益については、特別損益(純額)の悪化により前期比減益となりました。なお、当連結会計年度において、特別利益5,118百万円及び特別損失12,677百万円を計上しましたが、この主な内容は、特別利益については政策保有株式の縮減に伴う投資有価証券売却益4,374百万円であり、特別損失については係争中だった訴訟の和解成立に伴う訴訟損失引当金繰入額7,434百万円や、減損損失2,827百万円です。 セグメント別の状況は以下の通りです。なお、各セグメントの売上高にはセグメント間の売上高を含んでいます。(単位:百万円) 前連結会計年度当連結会計年度前期比オファリングサービス売上高145,515160,574+10.3%営業利益9,93710,442+5.1%営業利益率6.8%6.5%△0.3PBPM売上高42,64644,092+3.4%営業利益5,3266,397+20.1%営業利益率12.5%14.5%+2.0P金融IT売上高100,25298,730△1.5%営業利益12,32112,729+3.3%営業利益率12.3%12.9%+0.6P産業IT売上高128,120133,396+4.1%営業利益19,33022,507+16.4%営業利益率15.1%16.9%+1.8P広域ITソリューション売上高177,425184,238+3.8%営業利益21,57623,328+8.1%営業利益率12.2%12.7%+0.5Pその他売上高10,12310,397+2.7%営業利益877940+7.1%営業利益率8.7%9.0%+0.3P イ.オファリングサービス当社グループに蓄積したベストプラクティスに基づくサービスを自社投資により構築し、知識集約型ITサービスを提供しています。当連結会計年度の売上高は160,574百万円(前期比10.3%増)、営業利益は10,442百万円(同5.1%増)となりました。決済分野、基盤系、エンタープライズ系をはじめとするIT投資需要の拡大や海外事業の寄与、不採算案件が減少した一方、税理士事務所向けに提供する財務・税務・給与計算システムの更新サイクルに伴う需要が一巡したことや、決済分野における先行投資の増加等により、前期比増収増益となりました。営業利益率は6.5%(同0.3ポイント減)となりました。 ロ.BPMビジネスプロセスに関する課題解決に向けてIT技術、業務ノウハウ、人材等で高度化・効率化・アウトソーシングを実現・提供しています。当連結会計年度の売上高は44,092百万円(前期比3.4%増)、営業利益は6,397百万円(同20.1%増)となりました。DX事業をはじめとする案件獲得や、引き続き効率化施策の推進によるコスト削減を実施したこと等により、前期比増収増益となり、営業利益率は14.5%(同2.0ポイント増)となりました。 ハ.金融IT金融業界に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。当連結会計年度の売上高は98,730百万円(前期比1.5%減)、営業利益は12,729百万円(同3.3%増)となりました。前期から継続しているクレジットカード系の根幹先顧客の大型開発案件のピークアウトに加え一部顧客の運用業務が終了したことが影響したものの、モダナイゼーション関連等の高付加価値ビジネスの推進により前期比減収増益となり、営業利益率は12.9%(同0.6ポイント増)となりました。 ニ.産業IT金融以外の産業各分野に特化した専門的なビジネス・業務ノウハウをベースとして、事業・IT戦略を共に検討・推進し、事業推進を支援しています。当連結会計年度の売上高は133,396百万円(前期比4.1%増)、営業利益は22,507百万円(同16.4%増)となりました。サービス業、製造業、流通業をはじめとした幅広い業種におけるIT投資拡大の動きが全体を牽引したことや、不採算案件が減少したことにより、前期比増収増益となり、営業利益率は16.9%(同1.8ポイント増)となりました。 ホ.広域ITソリューションITのプロフェッショナルサービスを地域や顧客サイトを含み、広範に提供し、そのノウハウをソリューションとして蓄積・展開して、課題解決や事業推進を支援しています。当連結会計年度の売上高は184,238百万円(前期比3.8%増)、営業利益は23,328百万円(同8.1%増)となりました。公共系案件の状況変化に伴う対応による収益性悪化の影響を受けたものの、医療、その他産業系を中心とした幅広いIT投資需要の拡大や、前期に発生した一過性費用の減少もあり、前期比増収増益となり、営業利益率は12.7%(同0.5ポイント増)となりました。 ヘ.その他各種ITサービスを提供する上での付随的な事業等で構成されています。当連結会計年度の売上高は10,397百万円(前期比2.7%増)、営業利益は940百万円(同7.1%増)となり、営業利益率は9.0%(同0.3ポイント増)となりました。 前述の通り、当社グループは、前連結会計年度から「グループビジョン2032」の達成に向けたファーストステージとなる中期経営計画(2024-2026)を遂行しており、引き続き持続的な成長を目指してまいります。詳細は「1.経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)中期経営計画(2024-2026)「Frontiers 2026」について」をご参照ください。 当連結会計年度における主な取り組み状況等は以下の通りです。当社は2025年7月30日付公表の「当社子会社(株式会社インテック)との合併に係る基本方針の決定、商号の変更及び監査等委員会設置会社への移行に関するお知らせ」及び2025年10月31日付公表の「当社子会社(株式会社インテック)の吸収合併(簡易合併・略式合併)に関するお知らせ」のとおり、2025年7月30日開催の取締役会において当社の完全子会社である株式会社インテック(以下「インテック」といいます。)の吸収合併を実施することを基本方針として決議し、その後、予定通り2025年10月31日開催の取締役会において、2026年7月1日を効力発生日とする本合併の実施を決議した上で吸収合併契約を締結いたしました。2008年4月のITホールディングス株式会社の設立による経営統合及び2016年7月の事業持株会社体制への移行を通じて、当社及びインテックの両社はグループの中核会社としてシナジー効果の創出による顧客への提供価値拡大と企業価値向上に取り組んでまいりました。一方、当社グループを取り巻く経営環境の変化等に鑑みると、長期経営方針「グループビジョン2032」の早期かつ確実な実現は極めて重要であり、そのためには、当社とインテックを合併させ、これまで以上に強固な経営・事業基盤を構築することが不可欠であると判断いたしました。本合併により、顧客や社会との価値交換性を高めるとともに、テクノロジーや先鋭人材への戦略的投資を軸とした経営資本の最適配分や中核拠点の更なる提供価値向上を強力に推進し、更なる企業価値の向上を目指してまいります。なお、本合併に伴い当社の商号を「TISI株式会社」に変更することを予定しています。また、これに合わせて、グローバルの視点から国内外のステークホルダーの期待に応えるコーポレートガバナンスのさらなる高度化を実現するため、監査等委員会設置会社へ移行することを予定しています。合併の基本方針を決定して以降、両社社長を中心として構成するステアリングコミッティでは、総和拡大を念頭に置き、顧客・パートナーとの共創の加速を通じた事業シナジー創出等の重要テーマに関する検討及び協議を鋭意重ねるとともに、分野別に組成されたタスクフォースでは、両社社員があるべき姿を協議した上で施策推進につなげています。また、両社社長が合併の意義や目的等を両社社員向けに説明するタウンホールミーティングや両社社員による対話会の開催等を通じて、両社の融合や一体感の醸成を図っています。事業ポートフォリオの見直しの観点として、2025年9月に連結子会社である澪標アナリティクス株式会社のAI・データ分析事業(特定顧客を除く。)を当社が吸収分割により2026年4月1日付で承継することを決定するとともに、2026年1月には非連結子会社であるFixel株式会社を2026年4月1日付で吸収合併することを決定しました。 なお、 2026年5月には、当社の完全子会社であるTISソリューションリンク株式会社と株式会社インテック ソリューション パワーの合併に関する基本方針を決定しました。本合併は、グループ全体のバリューチェーン強化による顧客提供価値向上を目指す一環 として、顧客と最も近い価値創出の伴走者としてオンサイトを中心に事業を展開する両社を統合し、経営資源・知的財産の集約とより強固な事業基盤の構築を図るものです。引き続き当社グループのリソースの最適化を図り、事業展開の更なる加速に取り組んでまいります。また、当社は経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図るため、2025年5月に株主還元を目的とした70億円相当及び資本構成の適正化を図ることを目的とした350億円相当の総額420億円の自己株式の取得を決定しました。これに基づき、2025年5月から12月にかけて、総額約420億円(総数8,656,200株)の自己株式の取得を完了しています。上記の取得分のうち、資本構成の適正化を図ることを目的として取得した自己株式の350億円相当(総数7,833,411株)については、原則として発行済株式総数の5%を上限として自己株式を保有し、これを超過する保有分については消却する当社方針及び将来の株式の希薄化懸念を払拭すること等を勘案し、2026年2月に当初予定どおり消却いたしました。さらに2026年3月には、AIの浸透を踏まえた成長戦略を推進していくことで、今後も持続的な成長及び企業価値向上が実現可能であるとの前提のもと、当社が考える本源的価値に照らせば、当時の株価水準は必ずしも当社の価値が十分に評価されているとは言えないとの認識を踏まえ、中期経営計画の重要経営指標である「ROE16%超」及び「EPS年平均成長率10%超」の達成に資するものとして、総額500億円の自己株式の取得を追加施策として決定しました。取得期間は2026年3月から9月にかけてであり、2026年3月末時点では、139億円(総数4,122,600株)の自己株式を取得しています。なお、 今回の取得には株主還元方針である総還元性向50%に基づく2027年3月期の自己株式取得予定分82億円相当を含んでいます。 ② キャッシュ・フローの状況当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて27,554百万円減少し、当連結会計年度末には93,733百万円となりました。 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 (営業活動によるキャッシュ・フロー)営業活動の結果、得られた資金は81,447百万円(前期比17,698百万円増)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益68,953百万円(同5,194百万円減)に、資金の増加として、減価償却費17,871百万円(同877百万円減)、減損損失2,827百万円(同1,415百万円減)などがあった一方、資金の減少として、法人税等の支払額21,463百万円(同5,629百万円増)などがあったことによるものです。 (投資活動によるキャッシュ・フロー)投資活動の結果、使用した資金は30,920百万円(前期比13,178百万円増)となりました。これは主に、資金の増加として、投資有価証券の売却及び償還による収入5,381百万円(同12,294百万円減)などがあった一方で、資金の減少として、有形固定資産の取得による支出20,135百万円(同1,315百万円増)、投資有価証券の取得による支出4,806百万円(同4,227百万円減)、無形固定資産の取得による支出7,882百万円(同1,289百万円増)などがあったことによるものです。 (財務活動によるキャッシュ・フロー)財務活動の結果、使用した資金は78,362百万円(前期比50,571百万円増)となりました。これは主に、資金の増加として、長期借入れによる収入10,700百万円(同3,500百万円増)などがあった一方で、資金の減少として、配当金の支払額17,096百万円(同73百万円減)、自己株式の取得による支出55,929百万円(同48,064百万円増)、長期借入金の返済による支出13,072百万円(同6,029百万円増)などがあったことによるものです。 なお、当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計であるフリーキャッシュ・フローは50,527百万円(前期比4,520百万円増)の黒字となりました。 ③ 生産、受注及び販売の実績a.生産実績当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)オファリングサービス(百万円)42,763105.7BPM(百万円)134,427108.7金融IT(百万円)96,93799,6産業IT(百万円)133,202102.6広域ITソリューション(百万円)179,417103.9報告セグメント計(百万円)586,749104.0その他(百万円)--合計(百万円)586,749104.0(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 b.受注実績当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称受注高(百万円)前年同期比(%)受注残高(百万円)前年同期比(%)オファリングサービス144,181105.450,000102.1BPM43,454106.28,594108.2金融IT100,593107.344,474108.9産業IT135,186101.145,428105.6広域ITソリューション182,390106.162,272109.6報告セグメント計605,805105.0210,769106.7その他----合計605,805105.0210,769106.7(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。 c.販売実績当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。セグメントの名称当連結会計年度(自 2025年4月1日至 2026年3月31日)前年同期比(%)オファリングサービス(百万円)144,593109.8BPM(百万円)42,803105.6金融IT(百万円)96,94198.0産業IT(百万円)132,791104.0広域ITソリューション(百万円)176,953103.8報告セグメント計(百万円)594,083104.4その他(百万円)2,39695.6合計(百万円)596,479104.3(注)セグメント間の取引については相殺消去しております。(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。 ① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容当社は経営環境の変化に柔軟に対応した機動的な資本政策を遂行し、株主利益及び資本効率の向上を図るため、2025年5月に、株主還元の基本方針である「総還元性向50%」に基づく70億円相当及び資本構成の適正化を図ることを目的とした350億円相当の総額420億円の自己株式の取得を決定しました。これに基づき、2025年5月から12月にかけて、総額約420億円(総数8,656,200株)の自己株式の取得を完了しています。上記の取得分のうち、資本構成の適正化を図る一環として取得した自己株式の350億円相当(総数7,833,411株)については、原則として発行済株式総数の5%を上限として自己株式を保有し、これを超過する保有分については消却する当社方針及び将来の株式の希薄化懸念を払拭すること等を勘案し、2026年2月に当初予定どおり消却いたしました。さらに2026年3月には、AIの浸透を踏まえた成長戦略を推進していくことで、今後も持続的な成長及び企業価値向上が実現可能であるとの前提のもと、当社が考える本源的価値に照らせば、当時の株価水準は必ずしも当社の価値が十分に評価されているとは言えないとの認識を踏まえ、中期経営計画の重要経営指標である「ROE16%超」及び「EPS年平均成長率10%超」の達成に資するものとして、総額500億円の自己株式の取得を追加施策として決定しました。取得期間は2026年3月から9月にかけてであり、2026年3月末時点では、139億円(総数4,122,600株)の自己株式を取得しています。なお、今回の取得には株主還元方針である総還元性向50%に基づく2027年3月期の自己株式取得予定分82億円相当を含んでいます。自己株式の取得を通じて資本構成の適正化を進め、自己資本比率は58.9%となっています。引き続き積極的な成長投資を可能とする財務健全性を堅持してまいります。なお、当連結会計年度末の現金及び現金同等物は1.8ヶ月となっており、概ね保有方針である月商の2ヶ月程度に沿った水準にあります。キャッシュアロケーションに関しては、構造転換の着実な進展による利益成長及び政策保有株式の縮減等により創出されたキャッシュを、投資・株主還元の強化に加え、資本構成適正化や財務健全性の維持・向上も踏まえた上で財務施策へ積極的に活用することができています。今後もこうした善循環を推進することで経営の質の転換を進めてまいりたいと考えています。 b.経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容当連結会計年度の経営成績の状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況 b.経営成績」に記載したとおりであります。当社グループは、中期経営計画(2024-2026)の基本方針「フロンティア開拓」のもと、付加価値を伴った持続的成長を目指しており、当連結会計年度においても一部に課題はありながら全体としては積極的な事業拡大を通じて業績伸長を果たしました。また、引き続き将来の成長に資する投資を実行しながらも、収益性を向上させる取り組みを推進することができたと考えています。具体的には、成長投資(ソフトウェア投資、人材投資、研究開発投資)の継続的な実施(118億円、前期比4.5億円減)、最重要の経営資本である人材に対する処遇改善による影響(前期比25億円増)等がある中においても、高付加価値ビジネスの提供や生産性向上施策等を推進しました。加えて、不採算案件が前期比で12億円減少したことも寄与し、売上総利益率は前期比0.2ポイント増の28.2%となりました。また、営業利益率は販管費率の低下を受けて同0.7ポイント増の12.8%となりました。 c.経営成績等に重要な影響を与える要因について当社グループの経営成績等に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載したとおりであります。 d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等当社グループの経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載したとおりであります。 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載したとおりであります。当社グループは、利益成長に基づくキャッシュ創出力の向上により、積極的な成長投資と株主還元の充実化を推進することを中期経営計画(2024-2026)における財務投資戦略及びキャッシュアロケーションの基本方針としています。当連結会計年度においては上記方針に基づいて、事業利益の成長等に伴う営業活動によるキャッシュ・フローの増加に加え、政策保有株式の縮減等によりキャッシュを創出し、内部強化を目的とした成長投資(人材、R&D及びソフトウエア)やM&A等に充当するとともに、株主還元総額(配当及び自己株式の取得の合計)を増加させました。当連結会計年度のフリーキャッシュ・フローは505億円の黒字であり、利益成長及び安定的なキャッシュ創出力は高い水準を維持していると考えています。なお、前連結会計年度比45億円の増加は、付加価値を伴った持続的成長で、積極的な事業拡大を通じて業績伸長を果たしたことによるものと考えています。 b.資本の財源及び資金の流動性イ.資金需要当社グループの資金需要について、営業活動においては、人件費・外注費及び材料費などの支払いに充当する運転資金が主な内容になり、事業規模の拡大に応じて運転資金は増加傾向にあります。なお、当社グループにとって最重要の経営資本である人材との価値交換性の向上を追求する一環として、継続的な処遇改善を実施しております。投資活動においては、中期経営計画(2024-2026)において、3年間で約1,000億円を想定する投資戦略に基づき、内部強化を目的とした成長投資(人材、R&D及びソフトウエア)のほか、ペイメント領域やバリューチェーン拡大等に向けたオファリングサービスの確立を軸とした差別化・集中化のためのM&Aや新技術獲得のための出資といった成長投資を実施しております。また、設備投資として、働く環境の整備、改善を推進することを目的とした経常的な設備の更新、増設等に加えて、システム運用業務における長期安定的な事業継続性の確保を目的とした不動産信託受益権の分割取得を実施しております。 ロ.財務政策自己資本当期純利益率(ROE)については、引き続き資本効率性を意識した経営を推進していく中、一過性要因を除いて前連結会計年度を上回る水準を実現するという考えから最低ラインとして16.0%超を中期経営計画(2024-2026)における目標とし、長期視点では20.0%超を実現できる企業への成長を目指しています。当連結会計年度のROEは、主に訴訟損失引当金繰入額7,434百万円および減損損失2,827百万円等の一過性の費用を計上したことにより、14.0%と前期比で1.3ポイント低下していますが、経常利益までは前期比で増益を確保しており、事業活動に基づく収益力は着実に成長しています。加えて、資本構成の適正化を目的とした自己株式の取得を実施するなど、バランスシートマネジメントの強化を通じた資本効率向上施策も継続して推進しています。これらの取り組みにより、翌連結会計年度のROEは目標とする16.0%超を上回る17.5%を予想し、中長期的にも資本収益性の向上を図っていく考えであることから、当期におけるROEの低下は一過性のものと認識しています。なお、当社グループは、現金及び預金はコミットメントライン契約を含めて月商の2ヶ月程度を保有する方針としております。必要となる資金につきましては、内部資金より充当し、不足が生じた場合は有利子負債の調達を実施することが基本的な考えです。借入金、社債等の調達については、調達コストの抑制の観点から格付「A」の維持を考慮して実施する前提としております。 ③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

事業リスク

  • 人材確保と育成の課題
    優秀なIT人材の確保と育成は、専門的で高付加価値なソリューションを提供する上で極めて重要です。これが計画通りに進まない場合、事業成長が停滞し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。人材流出防止や育成強化策が継続的に求められます。
  • 市場・景気変動と技術陳腐化
    IT業界は技術革新が速く、市場ニーズや社会情勢の変化も大きいため、技術やサービスの陳腐化リスクがあります。適切な対応が遅れると競争力が低下し、想定を超える価格競争に巻き込まれることで、事業や経営成績に影響が出る可能性があります。
  • 投資の不確実性と海外事業リスク
    事業拡大や先端技術獲得のためのM&Aや設備投資は、計画通りの成果が得られない場合や資産が陳腐化した場合に、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、海外事業は為替変動や法的規制、商習慣の違いなど、予測不能な要因により業績に影響が出るリスクがあります。
出典: FY2025 有価証券報告書(AI要約)
有価証券報告書「事業等のリスク」の全文を見る(年度切替)
FY2026|8,727 文字
3【事業等のリスク】有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」という。)に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは以下のとおりです。なお、当社グループでは、「リスク」を「当社及びグループの経営理念、経営目標、経営戦略の達成を阻害するおそれのある経済的損失、事業の中断・停滞・停止や信用・ブランドイメージの失墜をもたらす要因」と定義するとともに、リスク管理規程に基づき、グループ全体のリスクを戦略リスク、財務リスク、ハザードリスク、オペレーショナルリスクに分類しています。いずれのリスクも当社グループのリスク管理評価方法に基づき、リスク発生頻度と損害影響度の観点から総合的に勘案したものですが、個々の事象や案件の内容により、当該リスクが顕在化する可能性の程度や時期、当該リスクが顕在化した場合に経営成績等に与える影響の内容と影響度は異なるため、具体的な記載をすることは困難であることから、経営成績等に与える影響の詳細の記載を省略しています。なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものです。 当社グループは、グループのリスクを適切に認識し、損失発生の未然防止に努めるため、リスク管理規程を制定しており、この規程に則り、グループ全体のリスク管理を統括するリスク管理担当役員を任命するとともに、リスク管理統括部門を設置し、全社リスク管理体制の整備を推進しています。また、リスク管理に関するグループ全体のリスク管理方針の策定・リスク対策実施状況の確認等を定期的に行うとともに、グループ会社において重大なリスクが顕在化したときには、対策本部を設置し、被害を最小限に抑制するための適切な措置を講ずることとしています。また、リスク管理体制の整備の状況として、内部統制システムに関する基本方針及び各種規程等に基づき、グループ全体の内部統制の維持・向上に係る各種施策の推進を図るとともに、内部統制システムの整備及び運用状況のモニタリングを実施し、グループ内部統制委員会にて審議の上、取締役会に審議結果を報告するプロセスを整備しています。 <リスク管理プロセス>グループの重点管理対象リスクに基づいて各グループ会社社長が作成したリスク方針(トップリスクダイレクション・重大リスク)およびそれを参考に各部門で特定されているリスク並びに、環境変化から顕在化する経営戦略の中で対応すべきリスクの双方を評価します。その評価はグループ内部統制委員会においてグループ全体のリスクに係る課題の確認、改善施策の進捗状況として年2回審議され、取締役会へ報告されます。この報告に対する取締役会の指示は、グループ全体の内部統制システムの強化及び改善に反映されます。 <リスク管理プロセス図> (1)戦略リスク①人材について当社グループにおいて、AI等の技術革新や労働人口減少の進行に伴い、経営資源としての人的資本の確保・育成が最重要課題となっています。高度な技術者や経営人材、グローバル人材、AI時代に対応できる人材の不足や、リスキリング・新たなスキル獲得の遅延は、事業及び経営成績等に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。このリスクに対し、当社グループでは人的資本に関するインパクトパスを分析し、将来財務に影響を与える人材戦略の視点に関するKPIを特定しています。そしてそのKPIのモニタリングを行うことにより、事業成長に必要な人的資本の拡充に活用しています。あわせて、働き方改革・働きがい向上を目的として、多様な人材が活躍できる風土、人事制度、オフィス環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、人的資本に対する投資を強化し、報酬のベースアップを進めて、人材流出による事業成長の停滞を防止する取り組みを進めています。加えて、資格取得支援、キャリア形成支援、AI教育体系とリスキリング、研修制度を体系化するなど人材の育成に関する施策に対しても注力しております。 ②市場・景気の変化についてAIをはじめとするIT技術(特に生成AI等)の進化、ビジネス環境や社会構造の急変等への適合が遅れた場合、当社グループの競争力低下や、顧客ニーズへの対応遅延により事業及び経営成績等に悪影響が生じる可能性があります。このリスクに対応し、ERM再構築による市場環境分析・戦略の精度向上、高付加価値サービス領域への注力、多部門のAI人材育成、技術戦略の定期見直し・コア技術選定、提案~開発~運用のサービスプロセス革新や競合との差別化などを実施しています。また、景気変動や急激な円安発生時には為替損失による業績悪化リスクが存在します。このリスクに対応し、為替ヘッジの適用(ボラティリティ・ヘッジコスト考慮)等を実施しています。 ③投資について事業成長や先端技術獲得のための国内外企業への出資やM&A、データセンター等の大型IT設備・ソフトウェア・人的資本への投資は、計画未達、案件失敗、不祥事等による経営成績への負の影響リスクがあります。このため、当社グループでは、投資案件の内容により、取締役会、CVC投資委員会及び投資委員会等において、事業計画に基づく十分な検討を行った上で投資の意思決定をしており、また、投資実行後も定期的な事業計画の進捗確認を実施しております。加えて、大規模な資本提携先やM&Aを実施した企業に対しては、事業活動におけるリスクを事前に検証・検討した上で、必要な対応施策を継続的に打つとともに、役員派遣を通じて状況が素早く把握できるように努めています。 ④海外事業について海外事業は、グローバル経済や為替の動向、投資や競争等に関する法的規制、商習慣、労使関係等、様々な要因の影響を受ける可能性があります。特に、海外現法キーマン退社、現地収益減少・協業停滞、資金ショート、経営人材不足やグループ統制運用の不備等は、事業及び業績等に影響を及ぼす可能性があります。これに対応し、極度貸付枠の設定(主要現法)、月次モニタリングと情報連携、現地企業統制強化、海外経営人材育成(大学・スタートアップ提携、拠点長ローテーション、若手育成、候補プーリング)、インテック合併後の統制対象変更、現地リスク状況の早期把握と対応体制を強化しています。加えて、海外のガバナンスの専門組織を設置し、海外子会社・関連会社に対するガバナンス強化の取り組みを進めております。 ⑤人権の尊重について当社グループは自らの事業活動において、直接または間接的に特定のステークホルダーに負の影響を与える可能性があります。これらの事象が発生し明らかになることで当社グループの評判や信用が損なわれ、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。当社グループは2011年6月に国連人権理事会で採択された「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づき、当社グループの人権方針を制定しております。さらに、本方針に沿って、人権デューデリジェンスを推進することで、当社グループの事業活動が社会に与える負の影響を早期に把握・是正に向けた適切な対応を講じてまいります。その進捗は当社Webサイト等で適切に開示してまいります。また、新たな事業・地域進出時にも専門知見活用による事前リスク除去体制を徹底しています。 ⑥地政学リスクについて戦争・内乱、政変・革命・テロ・暴動等により、国際社会の圧力、為替の動向、貿易問題、調達コストへの影響などが新たに発生した場合、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。 このような事象が生じた際には、速やかに当社グループへの影響を認識し、それぞれのリスクによる、損失発生の未然防止に迅速に努めてまいります。また、海外駐在員の危機対応とオフショア取引が遮断した際の対応を含むBCP計画を作成しています。 ⑦レピュテーショナルリスクについてリスクが適切に管理できず社会に負の影響を及ぼした場合、または他社が社会におよぼした負の影響と当社の関連性が想起された場合、信用・ブランドイメージの失墜による事業の中断・停滞・停止や、顧客・ビジネスパートナーの剥落などの影響が生じる可能性があります。特に、コーポレートガバナンス、ビジネスと人権、環境負荷、コンプライアンス、品質、情報セキュリティに関連する事項がこのリスクに関係が大きいと判断しています。このリスクは、特に当社の事業の拡大や知名度の向上と比例して大きくなり、また速やかな管理が行えなかった場合にはグループの子会社で生じた事案でもグループ全体に波及する可能性があると考えています。そこで、当社グループではこのリスクに対して速やかに対応できるよう、グループ横断のエスカレーションシステムを構築し、危機発生時の対応マニュアルを準備しています。 ⑧技術革新についてAI等の技術革新に対応が遅れた場合、人材獲得や開発手法策定の失敗による競争力低下、事業及び経営成績への影響リスクがあります。当社グループでは、順次、AI活用システム開発手法の策定と全社展開、AI人材定義・育成カリキュラム導入、アーキテクトコミュニティ活動などのネットワーキング、技術トレンド情報の専任組織設置等により業務変革推進を強化しています。また、AI活用に関する基本方針を制定し、グループ各社の知見や技術資産を結集し、より広範な価値創造と社会課題の解決に貢献する共創エコシステムを形成し、AIの力を持続可能な社会の発展や顧客への価値創造に役立てる一方で、その利用に伴うリスクへ丁寧に向き合い、安心して当社グループを選んでもらえる環境を整えます。 (2)財務リスク①保有有価証券について当社グループでは、当社グループの持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資すると判断した場合に限り、取引先との安定的な提携関係・協力関係を通じた事業機会の継続的創出などを目的としてその企業の株式を保有します。短期の余資運用を目的として債券を保有することがあります。こうした有価証券は時価の著しい変動や発行体の経営状況の悪化等が生じた場合、会計上の損失処理を行う等により、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。このため、保有有価証券については、発行体の財政状態や業績動向、格付状況等を把握し安全性を十分確認するとともに、保有継続の合理性を定期的に検証し、保有意義が希薄と判断した株式については、縮減を進めることを基本方針としています。②為替・税制リスク海外子会社貸付・取引における為替変動や寄付金課税・移転価格課税は、損失や追徴課税の発生リスクがあります。このリスクには通貨スワップや為替予約等によるヘッジ、デリバティブ管理細則でヘッジ要否の定期検証・見直し、経済合理性証憑準備、税制改正・BEPS2.0対応による包括的リスク把握や対策を実施しています。 (3)ハザードリスク①パンデミック(感染症・伝染病の世界的な大流行)についてパンデミックにより国内外問わず、行動制限が課せられるなど、当社グループの社員やビジネスパートナー企業の生産活動に大きな影響が生じた場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。このため、当社グループでは、パンデミック発生時を想定したBCP計画を策定しています。 ②自然災害について地球温暖化の進行によって、洪水を含む自然災害が従来と異なる場所や頻度で発生する可能性が高まっている中、大規模自然災害やそれに伴う想定を超える長期の停電等により、当社グループが事業展開しているデータセンター等の大型IT設備を用いたアウトソーシング事業やクラウドサービス事業に影響が生じる可能性があります。 このため、当社グループでは、TNFDに基づいた評価を実施しました。また、事業継続計画に基づき、各データセンターにおいて各種災害に対して様々な設備環境を整備するとともに、旧来型のデータセンターを順次閉鎖し、免震構造、堅牢な防災設備、非常用自家発電機、燃料備蓄及び優先供給契約締結をはじめとした信頼性の高い電気設備を備えた最新鋭のデータセンターへの集約を進めています。さらに、DC-BCP基本計画を策定し、運用点検の実施、障害再発防止策の実施を継続します。 ③サイバー攻撃についてサイバー攻撃・マルウェア・顧客システム脆弱性・委託先経由の情報漏洩は事業/社会的信用へのリスクとなります。このリスクへの対応としてグループ全体でのCSIRT(Computer Security Incident Response Team)体制を定義し、グループセキュリティ推進会議にて情報共有を実施するとともに、インシデントを早期に検知し、緊急対応を迅速かつ正確に行う為の組織内CSIRTとして「TIS-CSIRT」を運営しています。さらに、最新の攻撃手法やインシデントの発生状況等、セキュリティに関する広範な情報収集・情報分析・情報発信をはじめ、通信監視、緊急対応、外部連携を実施しています。加えて、有事が起こった際の対策としてIT-BCPを作成し、定期的にグループ各社に対して訓練を行っています。 (4)オペレーショナルリスク①システム開発について当社グループは、顧客企業の各種情報システムに関する受託開発や保守等のシステム開発を中核事業の一つとして展開しております。システム開発が高度化・複雑化・短納期化する中、計画通りの品質を確保できない場合または開発期間内に完了しない場合にはプロジェクト完遂のための追加対応に伴って費用が想定を大きく上回るほか、顧客からの損害賠償請求等により、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。このため、当社グループでは、ISO9001に基づく独自の品質マネジメントシステムに基づき、専任組織による提案審査やプロジェクト工程に応じたレビューを徹底し、継続的な品質管理の高度化や生産性の向上に取り組むとともに、グループ品質執行会議を通じた品質強化及び生産革新施策のグループ全体での徹底及び階層別教育の充実化等を通じた管理能力や技術力向上を図っております。なお、独自の品質マネジメントシステムは最新の動向に対応できるよう、更新を継続しています。また、システム開発にあたっては、生産能力の確保、生産効率化、技術力活用等のために国内外のビジネスパートナー企業に業務の一部を委託しています。その生産性や品質が期待に満たない場合には円滑なプロジェクト運営が実現できなくなり、当社グループの事業及び業績等に影響が生じる可能性があります。このため、当社グループでは、ビジネスパートナー企業との定期的な会合・アンケート等による状況の把握や関係強化を図り、国内外で優良なビジネスパートナー企業の確保等に努めています。 ②システム運用について当社グループでは、データセンター等の大型IT設備を用いて、アウトソーシング事業やクラウドサービス事業を中核事業の一つとして展開しております。そのシステム運用においては、オペレーション上の人的ミスや機器・設備の故障等によって障害が発生し、顧客と合意した水準のサービスの提供が実現できない場合、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。このため、当社グループでは、ITIL(Information Technology Infrastructure Library)をベースにした保守・運用のフレームワークに基づき、継続的なシステム運用品質の改善を行うとともに、障害発生状況の確認・早期検知、障害削減や障害予防に向けた対策の整備・強化に努めています。 ③情報セキュリティについて当社グループでは、システム開発から運用に至るまで幅広く事業を展開する過程で、顧客企業が有する個人情報や顧客企業のシステム技術情報等の各種機密情報を取り扱う場合があります。これらの機密情報の漏洩や改竄等が発生した場合、顧客企業等から損害賠償請求や当社グループの信用失墜の事態を招き、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。また、インターネットが社会インフラとして定着し、あらゆる情報が瞬時に広まりやすい現在、利用者の裾野が広がり利便性が増す一方で、サイバー攻撃等の外部からの不正アクセスによる事故やシステム障害のリスクが高まっています。このような事態に適切に対応できなかった場合、顧客等からの損害賠償請求や当社グループの信用失墜等の事態を招き、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。 このため、当社グループでは、グループ情報セキュリティ方針に基づき情報セキュリティマネジメントシステムを確立し、運営することで情報の適切な管理を行うとともに、社員への教育・研修を通じて意識向上に努めています。また、グループ情報セキュリティ推進規程に基づき、グループ全体の情報セキュリティ管理レベルの確認、評価、改善施策の推進を図るとともに、情報セキュリティに関する問題発生時には調査委員会を設置し、原因究明、対策の実施、再発防止策の推進等を含む問題解決に向けた責任体制等を整備しています。当社グループが取り扱う個人情報について、個人情報保護法、個人番号及び特定個人情報取扱規程に基づき、グループレベルの管理体制を構築し、定期的な個人情報保護法遵守点検により、必要な安全管理措置を講じています。加えて社員への教育・研修を通じて個人情報保護の重要性の認識を徹底した上で顧客情報の管理強化を図る等、適切な運用に努めています。また、在宅勤務の本格実施によるワークプレイスの多様化に対してゼロトラストを導入したセキュリティ対策を実施しています。なお、当社グループでは、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やプライバシーマークを取得しています。 ④法制度、コンプライアンスについて当社グループは、様々な国内外の関係法令や規制の下で事業活動を展開しております。法令違反等が発生した場合、また新たな法規制が追加された場合には、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。また、差別やハラスメントが生じた際、生産性低下・コスト増大および社員のエンゲージメントの低下が生じた場合には当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。このため、当社グループでは、コーポレート・サステナビリティ基本方針及びグループコンプライアンス宣言に基づき、コンプライアンス体制を構築し、雇用形態によらない全従業員への教育及び法令遵守の徹底に取り組み、公正な事業活動に努めています。コンプライアンス規程に基づき、グループ全体のコンプライアンス上の重要な問題を審議し、再発防止策の決定、防止策の推進状況管理などを通じて、グループ全体への浸透を図っております。中でも、情報サービス産業の取引構造に起因した重要課題である請負・派遣適正化に関しては、個別のリスク管理体制を構築するとともに、『請負・適正化業務マニュアル』を要領化し適切な運用に努めています。また、違法行為を未然防止するとともに、違法行為を早期に発見是正する施策としてグループ内部通報制度の導入、通報・相談窓口の設置によりグループ全体の法令遵守意識を高めております。また、差別やハラスメントを防止するため、良好な人間関係の構築、円滑なコミュニケーションの確立を目的とした教育、啓蒙活動を実施するとともに万が一生じた際には公正かつ厳正な対処をいたします。 ⑤知的財産権について当社グループは事業を展開する上で必要となる技術、ライセンス、ビジネスモデル及び各種商標等の知的財産権について、他者が保有する知的財産権に対して侵害することがないように常に注意を払い事業活動を行っております。しかしながら、当社グループの事業が他社の知的財産権を侵害したとして、差止請求や損害賠償請求等を受ける可能性があり、その場合には当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。このため、当社グループでは、知的財産権に対する体制の整備・強化を図るとともに、社員への教育・研修を通じて意識向上に努めています。なお、当社が保有する知的財産権については、重要な経営資源としてその保護に努めています。 ⑥気候変動について気候変動への対策・対応として、温室効果ガス排出量を削減する「緩和」と、気候変動の悪影響を軽減する「適応」の両面において、企業に求められる取り組みや責任が強まっており、その結果、事業活動・企業活動における再生可能エネルギーの利用推進の要請が高まっています。そのため、再生可能エネルギーの需要変動により、当社グループのエネルギーコストに著しい影響を及ぼした場合、また、当社グループの再生可能エネルギーへの移行が遅延した場合、当社グループの事業及び経営成績等に影響が生じる可能性があります。このため、当社グループではTCFDへ賛同するとともに、賛同した枠組みに沿ったアセスメントを今後継続的に実施し、その結果を対外開示していくことで、気候変動の緩和のための取り組みの説明責任を果たしてまいります。

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